説明

表示システム及び制御方法

【課題】1つの画像を分割した複数の部分画像を複数の表示装置で表示させて1つの画像を表示するマルチ表示を行う際に有利な技術を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの表示装置100Aは、複数の表示装置100B,100C,100Dのそれぞれから、通信手段140を介して表示手段において表示画素数を変換することなく表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を取得し、当該第1の表示画素数情報からマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する算出手段と、算出手段で算出された第2の表示画素数情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された第2の表示画素数情報を外部装置200に送信するように通信手段140を制御する制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置の1つとして、画像出力装置から入力される画像(画像信号に対応する画像)を液晶パネルに形成してスクリーンに投影(表示)する投影装置(所謂、プロジェクタ)が普及してきている。このような投影装置では、高表示画素数の画像を大画面のスクリーンに投影するための技術として、1つの画像を複数の部分画像に分割し、かかる複数の部分画像を複数の投影装置を用いてスクリーンに投影するマルチ表示システムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−268476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のマルチ表示システムでは、それぞれの投影装置に別々に画像を送信するために、ユーザは、投影装置の投影位置や構成などを確認して適した部分画像を別々に送信しなければならなかった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、マルチ表示システムを行う際にユーザの操作が煩雑になりにくい技術を提供することを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての表示システムは、画像を表示する表示手段と通信手段とをそれぞれ有する複数の表示装置を備え、外部装置から入力される1つの画像を分割した複数の部分画像を前記複数の表示装置で表示させて前記1つの画像を表示するマルチ表示を行う表示システムであって、前記複数の表示装置のうち少なくとも1つの表示装置は、前記複数の表示装置のそれぞれから、前記通信手段を介して前記表示手段において表示画素数を変換することなく表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を取得し、当該第1の表示画素数情報から前記マルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する算出手段と、前記算出手段で算出された前記第2の表示画素数情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記第2の表示画素数情報を前記外部装置に送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、1つの画像を分割した複数の部分画像を複数の表示装置で表示させて1つの画像を表示するマルチ表示を行う際に有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一側面としての表示システムの構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す表示システムにおける表示装置の構成を示す概略図である。
【図3】図1に示す表示システムにおける第1の実施形態の表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示す表示システムにおいて、マスタとして機能する表示装置及びスレーブとして機能する表示装置のそれぞれの構成を示す概略図である。
【図5】図1に示す表示システムにおける第2の実施形態の表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一側面としての表示システムの別の構成を示す概略図である。
【図7】図6に示す表示システムにおける表示装置の構成を示す概略図である。
【図8】図6に示す表示システムにおける第3の実施形態の表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1に示す表示システムにおける表示装置の構成を示す概略図である。
【図10】図1に示す表示システムにおける第4の実施形態の表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の一側面としての表示システムの別の構成を示す概略図である。
【図12】図11に示す表示システムにおける表示装置の構成を示す概略図である。
【図13】図11に示す表示システムにおける第5の実施形態の表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されない。また、本発明の実施の形態は発明の好ましい形態を示すものであり、発明の範囲を限定するものではない。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一側面としての表示システム1の構成を示す概略図である。表示システム1は、複数の表示装置、本実施形態では、4つの表示装置100A、100B、100C及び100Dを備える。表示システム1は、外部装置200から入力される1つの画像を分割した複数の部分画像を表示装置100A、100B、100C及び100Dのそれぞれで表示させて1つの画像を表示するマルチ表示を行う。本実施形態では、表示装置100A、100B、100C及び100Dは、外部装置200から入力される画像を液晶パネルで生成してスクリーンに投影(表示)する投影装置、所謂、プロジェクタとして具現化される。また、本実施形態では、図1に示すように、表示システム1を構成する4つの表示装置100A、100B、100C及び100D(即ち、表示装置の数)に応じて、スクリーンが4つの領域AA、AB、AC及びADに分割される。そして、表示装置100A、100B、100C及び100Dのそれぞれが、4つの領域AA、AB、AC及びADのそれぞれに部分画像を表示することによって、1つの画像がスクリーンに表示される。なお、以下では、表示装置100A、100B、100C及び100Dを総括して表示装置100とする。また、外部装置200は、表示装置100に画像や音声データなどを入力することが可能な装置であって、例えば、パーソナルコンピュータなどを含む画像処理装置や撮像装置で構成される。
【0011】
図2は、表示装置100の構成を示す概略図である。表示装置100は、制御部101と、操作部102と、電源部103と、液晶パネル部104と、液晶駆動部105と、光源106と、投影光学系107と、光源制御部108と、光学系制御部109とを有する。また、表示装置100は、アナログ入力部110と、A/D変換部111と、デジタル入力部112と、USBインタフェース(I/F)113と、送受信部114とを含む通信部140を有する。また、表示装置100は、カードインタフェース(I/F)115と、内部メモリ116と、ファイル再生部117と、画像処理部118と、傾きセンサ119と、タイマ120と、温度計121と、赤外線受信部122とを有する。また、表示装置100は、焦点検出部123と、撮像部124と、スクリーン測光部125と、光源測光部126と、表示部127と、表示制御部128と、バッテリ129と、電源入力部130と、冷却部131とを有する。また、表示装置100は、属性管理部141と、環境管理部142と、記憶部143と、画像分割部144とを有する。
【0012】
制御部101は、CPUやメモリなどを含み、表示装置100の全体の動作(即ち、表示装置100の各部)を制御する。操作部102は、ユーザからの操作(指示や設定)を受け付ける各種のボタンやダイヤルなどを含む。電源部103は、表示装置100の各部へ電源を供給する。液晶パネル部104は、1枚の液晶パネルや3枚の液晶パネルなどで構成され、かかる液晶パネルに画像を形成する。但し、液晶パネル部104は、DMDパネルで構成され、かかるDMDパネルに画像を形成するDMDパネル部などに置換することも可能である。液晶駆動部105は、画像処理部118から入力された画像信号に対応する画像が液晶パネル部104に形成されるように、液晶パネルを駆動する。光源106は、液晶パネル部104に光を照射する。投影光学系107は、光源106からの光を液晶パネル部104に照射することで得られる光学像(即ち、液晶パネルに形成された画像)をスクリーンに投影する。光源制御部108は、光源106から照射される光の光量などを制御する。光学系制御部109は、投影光学系107に含まれるズームレンズやフォーカスの位置を制御し、投影光学系107のズーム倍率や焦点位置を調整する。
【0013】
通信部140は、表示システム1における他の表示装置や外部装置200と通信を行うためのインタフェースである。通信部140は、画像(画像信号)や画像以外の情報(データ)などを送信及び受信する各種のインタフェースで構成され、本実施形態では、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)で構成されている。但し、通信部140は、DVI(Digital Visual Interface)、DisplayPort、LAN、USBなどのデジタルインタフェースで構成されていてもよい。
【0014】
アナログ入力部110は、例えば、RGB端子やS端子を含む。アナログ入力部には、パーソナルコンピュータ(PC)、DVDプレイヤー、テレビチューナーなどからのアナログ画像信号が入力される。A/D変換部111は、アナログ入力部110に入力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。デジタル入力部112は、例えば、HDMI端子を含む。デジタル入力部112には、PCやDVDプレイヤーなどからのデジタル画像信号や制御信号などが入力される。USBインタフェース113は、外部装置から画像データや画像ファイルなどを受信する機能や画像データや画像ファイルなどを送信する機能を有する。また、USBインタフェース113には、ポインティングデバイス、キーボード、USB型のメモリを接続することが可能である。送受信部114は、例えば、有線LANや無線LANなどで構成され、画像データ、画像ファイル、制御信号(命令信号)などを送信及び受信する機能を有する。
【0015】
カードインタフェース115は、カード型の記録媒体に対して画像データや画像ファイルなどを読み書きするためのインタフェースである。内部メモリ116は、半導体メモリやハードディスクなどで構成され、画像データや画像ファイルなどを格納する。
【0016】
例えば、カードインタフェース115に入力された画像ファイルは、ファイル再生部117で再生される。ファイル再生部117は、画像ファイルから、ユーザに表示するための画像に対応する画像信号を生成して画像処理部118に出力する。また、デジタル入力部112に入力された画像信号や制御信号は、画像処理部118に直接出力される。
【0017】
画像処理部118は、液晶パネル部104での表示に適した画像にするために、入力される画像信号に対して様々な画像処理を施す。例えば、画像処理部118は、画像信号の画素数を液晶パネルの画素数にあわせて変換したり、液晶パネルの交流駆動に対応させて画像信号のフレーム数を倍にしたりする。なお、液晶パネルの交流駆動とは、液晶パネルにかける電圧の方向が正方向であっても逆方向であっても液晶パネルは画像を形成することが可能であるという性質を利用して、液晶パネルにかける電圧の方向を交互に入れ替えながら液晶パネルを駆動するものである。従って、液晶駆動部105には、正方向用の画像信号と逆方向用の画像信号とを入力する必要があり、画像処理部118では、画像信号のフレーム数を倍にする処理が必要となる。
【0018】
また、画像処理部118は、スクリーンに対して斜め方向から画像を投影する際に、例えば、画像が台形状に歪んでしまう場合に、かかる台形状の歪みを打ち消すように画像の形状を変形させるキーストン補正処理を行う。具体的には、画像処理部118は、キーストン補正処理として、液晶パネルに形成される画像の水平方向及び垂直方向の少なくとも一方の拡大率又は縮小率を変更する。これにより、スクリーンに投影される画像の台形状の歪みが液晶パネルに形成される画像の歪みで相殺され、正常なアスペクト比の長方形の画像がスクリーンに投影(表示)されることになる。なお、キーストン補正処理は、傾きセンサ119で検出される表示装置100の傾き(傾き角)に基づいて自動的に行ってもよいし、操作部102におけるユーザの操作に基づいて行ってもよい。
【0019】
傾きセンサ119は、表示装置100の傾きを検出する。タイマ120は、表示装置100の動作時間や表示装置100の各部の動作時間などを検出する。温度計121は、光源106の温度、液晶パネル部104の温度、外気温などを計測する。
【0020】
赤外線受信部122は、例えば、表示装置100(の筐体)の複数の箇所に配置され、表示装置100に付属しているリモコンやその他の機器から赤外線を受信し、かかる赤外線に対応する信号を制御部101に入力する。焦点検出部123は、表示装置100とスクリーンとの間の距離(即ち、焦点距離)を検出する。撮像部124は、スクリーンの方向を撮像する。スクリーン測光部125は、スクリーンで反射される光の光量や輝度を計測する。光源測光部126は、光源106からの光の光量や輝度を計測する。
【0021】
表示部127は、表示装置100(の筐体)に配置され、表示装置100の状態や警告などを表示する。表示制御部128は、表示部127での表示を制御する。バッテリ129は、外部電源が使用できない環境において、表示装置100に電源を供給する。電源入力部130は、外部電源から入力される交流電力を所定の電圧に整流して電源部103に供給する。冷却部131は、例えば、ヒートシンクやファンなどを含み、表示装置100の内部の熱を外部に放出し、表示装置100の各部を冷却する。
【0022】
属性管理部141は、表示システム1において、自身が他の表示装置を管理するマスタとして機能するか、或いは、マスタに管理されるスレーブとして機能するかを表す属性情報を管理(格納)する。本実施形態では、通信部140がHDMIで構成されているため、通信部140の接続先が他の表示装置であるのか、或いは、外部装置200であるのかを判別することが可能である。そこで、制御部101は、通信部140の接続先に応じて、自身をマスタとして機能させるか、或いは、自身をスレーブとして機能させるかを自動的に決定する。具体的には、通信部140の接続先が外部装置200を含む場合には、制御部101は、自身をマスタとして機能させることを決定し、マスタとして機能することを表す属性情報を属性管理部141に格納する。一方、通信部140の接続先が外部装置200を含まない、即ち、他の表示装置である場合には、制御部101は、自身をスレーブとして機能させることを決定し、スレーブとして機能することを表す属性情報を属性管理部141に格納する。本実施形態では、図1に示すように、表示装置100Aの通信部140の接続先に外部装置200が含まれ、表示装置100B、100C及び100Dの通信部140の接続先に外部装置200が含まれていない。従って、本実施形態では、表示装置100Aがマスタとして機能し、表示装置100B、100C及び100Dがスレーブとして機能することとなる。但し、各表示装置をマスタとして機能させるかスレーブとして機能させるかを自動的に決定するのではなく、操作部102を介して、ユーザが各表示装置をマスタとして機能させるかスレーブとして機能させるかを設定してもよい。
【0023】
環境管理部142は、表示システム1の環境(即ち、通信部140を介して接続された各表示装置がどのような構成になっているのか)を管理する。環境管理部142は、例えば、マルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を算出する。具体的には、環境管理部142は、表示システム1を構成する複数の表示装置のそれぞれから、液晶パネル部104において表示画素数を変換することなく形成可能(表示可能)な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を取得する。そして、環境管理部142は、第1の表示画素数情報からマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する。また、環境管理部142は、マルチ表示を行う際の各表示装置のスクリーン上の表示担当領域を決定し、複数の表示装置のそれぞれが表示すべき部分画像と複数の表示装置との対応関係を示す表示情報を生成する。
【0024】
環境管理部142で算出された第2の表示画素数情報は、記憶部143に記憶される。また、環境管理部142で生成された表示情報も、記憶部143に記憶される(即ち、記憶部143が表示情報記憶部として機能する)。なお、記憶部143には、表示装置を単体で使用する場合に表示可能な画像の最大の表示画素数、即ち、第1の表示画素数情報も記憶されている。但し、記憶部143が第2の表示画素数情報を記憶することで、外部装置200に対して、表示システム1における表示装置100の表示可能な画像の最大の表示画素数として第2の表示画素数情報が送信されることになる。
【0025】
本実施形態において、環境管理部142や記憶部143で管理される情報は、表示システム1を構成する複数の表示装置がそれぞれどのような表示能力を有しているかということになる。その内容としては、HDMIで採用されているExtended Display Identification Data(EDID)の内容も含まれる。EDIDの内容に関しては、Consumer Electronics Association(CEA)で規格化され、CEA−861などで規定されている。EDIDでは、表示画素数を変換することなく表示装置で表示可能な画像の表示画素数を示すネイティブフォーマットが指定されるため、表示システム1の環境の管理においては、各表示装置のEDIDを使用することになる。但し、ネイティブフォーマットだけの対応ではなく、各表示装置の表示可能な画像の最大の表示画素数だけで構成したり、ネイティブフォーマットに近い最適値を設定したりすることも可能である。また、ユーザが各表示装置で表示させる画像の表示画素数を(表示画素数を変換するかどうかも含めて)指定することも可能である。
【0026】
更に、本実施形態では、HDMIを例として説明しているが、PictBridgeを用いることも可能である。この場合、表示装置の表示能力に関する情報はCapability情報などになる。但し、既存のプロトコルで規定された種類の情報でなくても、外部装置200と表示装置100との間で共有可能なデータの種類であれば自由に選択することが可能である。
【0027】
また、環境管理部142は、操作部102を介して入力(指定)された各表示装置の表示担当領域に関する情報及びネイティブフォーマットの対応情報によって1つの画面を構成することが可能な最大矩形領域の表示画素数を算出することもできる。この場合、環境管理部142は、最大矩形領域を構成する際の各表示装置の担当表示領域や各対応表示画素数における表示装置の担当表示領域も算出し、それらも記憶部143に記憶させる。
【0028】
記憶部143は、上述したように、第1の表示画素数情報、第2の表示画素数情報、表示情報などを記憶する。詳細には、記憶部143は、第1の表示画素数情報、第2の表示画素数情報、対応可能表示画素数、対応音声データサンプリングレート、色域情報、γ値、画面サイズ、モデル名、シリーズ名などを公開可能な情報として記憶する。換言すれば、これらの情報は、通信部140を介して接続される他の表示装置や外部装置200に公開可能となっている。本実施形態では、通信部140がHDMIで構成されているため、EDIDが公開可能な情報に相当する。EDIDの内容は、HDMIに内蔵されているDisplay Data Channel(DDC)と呼ばれる12C準拠のインタフェースを介して外部装置200に送信(入力)される。また、記憶部143は、最大矩形領域を構成する際の各表示装置の担当表示領域や各対応表示画素数における表示装置の担当表示領域などを含む表示情報を非公開の情報として記憶する。
【0029】
画像分割部144は、外部装置200から入力される1つの画像を複数の部分画像に分割する。具体的には、画像分割部144は、環境管理部142で生成された表示情報に基づいて、外部装置200から入力される各表示装置が表示すべき部分画像(即ち、各表示装置で表示可能な画像の表示画素数に対応した部分画像)に分割する。
【0030】
ここで、表示装置100の通常の動作(画像の表示動作)について説明する。なお、本実施形態では、デジタル入力部112に入力される画像信号に対応する画像を表示する場合の動作について説明するが、デジタル入力部112以外のインタフェースに入力される画像信号に対応する画像を表示する場合の動作も同様である。
【0031】
操作部102が電源ONの指示をユーザから受け付けると、制御部101は、電源部103を制御して表示装置100の各部に電源を供給し、表示装置100の各部を待機状態にする。そして、制御部101は、光源制御部108と協同し、光源106からの光の照射を開始する。また、制御部101は、光学系制御部109と協同し、焦点検出部123の検出結果に基づいて、投影光がスクリーンに結像するように投影光学系107(のズームレンズやフォーカスレンズ)を調整する。
【0032】
制御部101の制御下において、デジタル入力部112に入力された画像信号は、画像処理部118によって、液晶パネル部104での表示に適した表示画素数に変換されると共に、ガンマ補正処理、輝度ムラ補正処理、キーストン補正処理などが施される。そして、種々の画像処理が施された画像信号は、液晶駆動部105に入力され、液晶パネル部104において画像として形成される。液晶パネル部104に形成された画像は、光源106からの光によって投影光学系107に導かれ、投影光学系107を介してスクリーンに投影(表示)される。なお、制御部101は、画像の投影中、光源106の温度などを温度計121で計測し、光源106の温度が40度以上になった場合には、冷却部131を動作させて光源106を冷却する。
【0033】
操作部102が電源OFFの指示をユーザから受け付けると、制御部101は、表示装置100の各部に終了処理を行うように指示し、電源部103を制御して表示装置100の各部への電源の供給を順次終了する。但し、制御部101は、制御部101は、表示装置100の各部に終了処理を行うように指示した後も冷却部131をしばらく動作させて表示装置100の各部を冷却する。
【0034】
なお、表示装置100に画像を入力する際に、外部装置200では、表示装置100の記憶部143に記憶された情報を取得して、かかる情報を解析することで表示装置100に入力する画像のフォーマット(例えば、表示画素数)を決定している。換言すれば、外部装置200は、表示装置100のEDIDで規定された最大の表示画素数を基準として、画像の劣化が少なくなるように(即ち、表示画素数の変換が少なくなるように)、表示装置100に入力する画像の表示画素数を決定している。勿論、ユーザが表示装置100に入力する画像の表示画素数を決定(指定)することも可能である。但し、いずれの場合であっても、表示装置100に入力する画像の表示画素数は、EDIDの内容の範囲内(表示装置100で表示可能な表示画素数の範囲)で決定されることになる。従って、EDIDの内容が表示装置100を単体で使用する際の内容のままであると、マルチ表示を行う際の画像に制限がかかってしまう。例えば、表示システム1によるマルチ表示ではQXGAまで表示可能である場合であっても、表示装置100がXGAまでしか表示可能でなければ、表示システム1を構成する表示装置100には、外部装置200からXGAの画像が入力されることになる。このように、外部装置200から入力可能な画像の表示画素数が表示システム1を構成する表示装置100を単体で使用する際に表示可能な画像の表示画素数よりも高い場合がある。本実施形態では、外部装置200からの画像は、マスタとして機能する表示装置100Aに入力される。従って、従来技術では、表示システム1において表示可能な画像が表示装置100Aで表示可能な画像に限定され、表示装置100Aで表示可能な画像の表示画素数への変換が外部装置200で行われていた。
【0035】
そこで、本実施形態では、第1の表示画素数情報だけではなく、環境管理部142で算出された第2の表示画素数情報を記憶部143に記憶すると共に、かかる第2の表示画素数情報を外部装置200に送信する。これにより、表示システム1において表示可能な画像が表示装置100Aで表示可能な画像に限定されることなく、マルチ表示を行う際に表示可能な最大の表示画素数の画像が外部装置200から入力され、その画像を表示することが可能となる。
【0036】
図3を参照して、図1に示す表示システム1における本実施形態の表示装置100の動作(画像の表示動作)について説明する。かかる動作は、制御部101が表示装置100の各部を統括的に制御することによって実行される。
【0037】
S302において、制御部101は、通信部140を介して他の表示装置や外部装置200と通信し、表示システム1の構築を行う。本実実施形態では、図1に示したように、表示システム1は、4つの表示装置100A、100B、100C及び100Dで構成される。この際、制御部101は、表示装置100A、100B、100C及び100Dのそれぞれの属性管理部141に、自身がマスタとして機能するか、或いは、スレーブとして機能するかを表す属性情報を格納する。
【0038】
S304において、制御部101は、属性管理部141に管理された属性情報を参照し、S302で構築された表示システム1において、自身がマスタとして機能するかどうかを判定する。自身がマスタとして機能する場合には、S306に移行する。一方、自身がマスタとして機能しない場合(即ち、スレーブとして機能する場合)には、S326に移行する。従って、S306乃至S324は、マスタとして機能する表示装置100Aのみで行われることになる。
【0039】
S306において、表示装置100Aの環境管理部142は、表示システム1を構成する表示装置100から、液晶パネル部104において表示画素数を変換することなく形成可能(表示可能)な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を取得する。
【0040】
S308において、表示装置100Aの制御部101は、操作部102がマルチ表示の指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。マルチ表示の指示をユーザから受け付けている場合には、S310に移行する。一方、マルチ表示の指示をユーザから受け付けていない場合には、S302に移行し、表示システム1の構築を行う状態で待機する。
【0041】
S310において、表示装置100Aの環境管理部142は、マルチ表示を行う際の各表示装置のスクリーン上の表示担当領域を決定し、複数の表示装置のそれぞれが表示すべき部分画像と複数の表示装置との対応関係を示す表示情報を生成する。例えば、環境管理部142は、各表示装置の表示担当領域を設定するための設定画面をユーザに提供し、かかる設定画面を用いてユーザによって設定される内容に応じて各表示装置のスクリーン上の表示担当領域を決定する。
【0042】
S312において、表示装置100Aの環境管理部142は、S306で取得した第1の表示画素数情報に基づいて、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する。
【0043】
S314において、表示装置100Aの制御部101は、S312で算出された第2の表示画素数情報、及び、S310で生成された表示情報を記憶部143に記憶させる。
【0044】
S316において、表示装置100Aの制御部101は、外部装置200を接続先として含む通信部140のリセットを行う。これにより、外部装置200から表示装置100Aに対して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報(表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数)の送信が要求されることになる。
【0045】
S318において、表示装置100Aの制御部101は、外部装置200からの要求に応じて、通信部140を介して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報を外部装置200に送信する。これにより、外部装置200は、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を把握して、これに対応した最適な表示画素数の画像(例えば、最大の表示画素数の画像)を表示装置100Aに送信(入力)する。
【0046】
S320において、表示装置100Aの制御部101は、通信部140を介して、第2の表示画素数情報が表す表示画素数に対応した最適な表示画素数の画像を外部装置200から受信する。
【0047】
S322において、表示装置100Aの画像分割部144は、記憶部143に記憶された表示情報に基づいて、S320で受信した1つの画像を各表示装置の担当表示領域に対応させて分割して複数の部分画像を生成する。
【0048】
S324において、表示装置100Aの制御部101は、記憶部143に記憶された表示情報を参照し、S322で生成(分割)された複数の部分画像のそれぞれを、通信部140を介して、表示装置100B乃至100Dのうち対応する表示装置に送信する。この際、自身が表示すべき部分画像は、表示装置100Aの画像分割部144によって自身の画像処理部118に入力される。
【0049】
S326において、表示装置100の制御部101は、それぞれが表示すべき部分画像を液晶パネル部104に形成し、投影光学系107を介して、液晶パネル部104に形成された部分画像をスクリーンに投影する。これにより、外部装置200から表示装置100Aに入力された1つの画像がスクリーンに表示される。
【0050】
S328において、表示装置100の制御部101は、操作部102が電源OFFの指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。電源OFFの指示をユーザから受け付けていない場合には、S326に移行して、部分画像の投影を続ける。一方、電源OFFの指示をユーザから受け付けている場合には、S330に移行する。
【0051】
S330において、表示装置100の制御部101は、表示装置100の各部に終了処理を行うように指示して動作を終了する。
【0052】
本実施形態では、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を算出し、かかる表示画素数を外部装置200に送信している。従って、本実施形態では、表示システム1において表示可能な画像が表示装置100Aで表示可能な画像に限定されることなく、マルチ表示を行う際に表示可能な最大の表示画素数の画像が外部装置200から表示装置100Aに入力されることになる。このように、表示システム1では、外部装置200に対しては、マルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数を送信する。これにより、スクリーンに表示される画像を劣化させる要因となる画像の表示画素数の変換が抑制され、スクリーンに表示される画像(特に、画像のエッジ部分や文字部分)の視認性の低下を防止することができる。また、外部装置200では、各表示装置で表示するための部分画像を用意したりせずに、指定された最大の表示画素数までの画像を表示システム1に送信できるようになり、ユーザの利便性が向上する。また、本実施形態では、S308においてマルチ表示の指示がない場合、S302に移行するものとしたが、この時点でマルチ表示の指示がなければ、外部装置200に接続された表示装置100のみで投影(表示)を行うシングル表示モードに移行してもよい。この場合、外部装置200に接続された表示装置100の表示画素数(第1の表示画素数)の情報を外部装置200に送信する。このように、本発明は、複数の表示装置100を用いて表示を行う場合には、マスタとして機能する表示装置は、接続先の複数の表示装置により表示される表示画素数の情報を外部装置200に出力する。そして、単一の表示装置100で表示を行う場合には、外部装置200に接続された表示装置の表示画素数の情報を外部装置200に出力する。本実施形態では、表示装置としてプロジェクタを使用する例について説明したが、これは、テレビであってもよいし、モニタであってもよい。そして、外部装置は、デジタルカメラ、パソコン、ハードディスクレコーダ、携帯電話などであってもよい。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、表示システム1を構築するまで各表示装置がマスタとして機能するのかスレーブとして機能するのか決定されないため、表示装置100A乃至100Dは、同一の構成を有している。但し、表示システム1において、マスタとして機能する表示装置とスレーブとして機能する表示装置とが予め決定されている場合には、表示装置100A乃至100Dが同一の構成を有している必要はない。この場合、マスタとして機能する表示装置100Aは、図4(a)に示すように、図2に示す構成から属性管理部141を除いた構成を有する。また、スレーブとして機能する表示装置100B、100C及び100Dは、図4(b)に示すように、図2に示す構成から属性管理部141、環境管理部142、記憶部143及び画像分割部144を除いた構成を有する。但し、表示装置100B、100C及び100Dは、液晶パネル部104において表示画素数を変換することなく形成可能(表示可能)な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を制御部101のメモリなどに記憶させておく必要がある。
【0053】
図5を参照して、図1に示す表示システム1における本実施形態の表示装置100の動作(画像の表示動作)について説明する。
【0054】
S502において、制御部101は、通信部140を介して他の表示装置や外部装置200と通信し、表示システム1の構築を行う。本実実施形態では、図1に示したように、表示システム1は、4つの表示装置100A、100B、100C及び100Dで構成される。なお、表示装置100Aはマスタとして機能し、表示装置100B乃至100Dはスレーブとして機能することが予め決定されている。
【0055】
S504において、表示装置100Aの環境管理部142は、表示システム1を構成する表示装置100から、液晶パネル部104において表示画素数を変換することなく形成可能(表示可能)な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を取得する。
【0056】
S506において、表示装置100Aの制御部101は、操作部102がマルチ表示の指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。マルチ表示の指示をユーザから受け付けている場合には、S508に移行する。一方、マルチ表示の指示をユーザから受け付けていない場合には、S502に移行し、表示システム1の構築を行う状態で待機する。
【0057】
S508において、表示装置100Aの環境管理部142は、マルチ表示を行う際の各表示装置のスクリーン上の表示担当領域を決定し、複数の表示装置のそれぞれが表示すべき部分画像と複数の表示装置との対応関係を示す表示情報を生成する。
【0058】
S510において、表示装置100Aの環境管理部142は、S504で取得した第1の表示画素数情報に基づいて、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する。
【0059】
S512において、表示装置100Aの制御部101は、S510で算出された第2の表示画素数情報、及び、S508で生成された表示情報を記憶部143に記憶させる。
【0060】
S514において、表示装置100Aの制御部101は、外部装置200を接続先として含む通信部140のリセットを行う。これにより、外部装置200から表示装置100Aに対して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報(表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数)の送信が要求されることになる。
【0061】
S516において、表示装置100Aの制御部101は、外部装置200からの要求に応じて、通信部140を介して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報を外部装置200に送信する。これにより、外部装置200は、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を把握して、これに対応した最適な表示画素数の画像(例えば、最大の表示画素数の画像)を表示装置100Aに送信(入力)する。
【0062】
S518において、表示装置100Aの制御部101は、通信部140を介して、第2の表示画素数情報が表す表示画素数に対応した最適な表示画素数の画像を外部装置200から受信する。
【0063】
S520において、表示装置100Aの画像分割部144は、記憶部143に記憶された表示情報に基づいて、S518で受信した1つの画像を各表示装置の担当表示領域に対応させて分割して複数の部分画像を生成する。
【0064】
S522において、表示装置100Aの制御部101は、記憶部143に記憶された表示情報を参照し、S520で生成(分割)された複数の部分画像のそれぞれを、通信部140を介して、表示装置100B乃至100Dのうち対応する表示装置に送信する。この際、自身が表示すべき部分画像は、表示装置100Aの画像分割部144によって自身の画像処理部118に入力される。
【0065】
S524において、表示装置100の制御部101は、それぞれが表示すべき部分画像を液晶パネル部104に形成し、投影光学系107を介して、液晶パネル部104に形成された部分画像をスクリーンに投影する。これにより、外部装置200から表示装置100Aに入力された1つの画像がスクリーンに表示される。
【0066】
S526において、表示装置100の制御部101は、操作部102が電源OFFの指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。電源OFFの指示をユーザから受け付けていない場合には、S524に移行して、部分画像の投影を続ける。一方、電源OFFの指示をユーザから受け付けている場合には、S528に移行する。
【0067】
S528において、表示装置100の制御部101は、表示装置100の各部に終了処理を行うように指示して動作を終了する。
【0068】
本実施形態では、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を算出し、かかる表示画素数を外部装置200に送信している。従って、本実施形態では、表示システム1において表示可能な画像が表示装置100Aで表示可能な画像に限定されることなく、マルチ表示を行う際に表示可能な最大の表示画素数の画像が外部装置200から表示装置100Aに入力されることになる。これにより、表示システム1では、スクリーンに表示される画像を劣化させる要因となる画像の表示画素数の変換が抑制され、スクリーンに表示される画像(特に、画像のエッジ部分や文字部分)の視認性の低下を防止することができる。また、外部装置側では、各表示装置で表示するための部分画像を用意したりせずに、指定された最大の表示画素数までの画像を表示システムに送信できるようになり、ユーザの利便性が向上する。
【0069】
また、本実施形態では、マスタとして機能する表示装置を例として説明したが、本発明は装置の種類に限定されるものではない。例えば、画像(画像信号)を受信して各表示装置に分配する画像分配装置にも本発明を適用することができる。換言すれば、複数の表示装置のそれぞれに画像を入力する機能を有する装置であれば、どのような形態を有する装置であっても本発明を適用することができる。
<第3の実施形態>
第1の実施形態及び第2の実施形態では、表示システム1を構成する複数の表示装置のうち1つの表示装置をマスタとして機能させ、マスタとして機能する表示装置が画像を分割して部分画像を生成し、かかる部分画像を各表示装置に送信している。本実施形態では、表示システム1を構成する複数の表示装置のそれぞれにおいて、外部装置から入力された画像から自身が表示すべき部分画像を抽出する場合について説明する。この場合、図6に示すように、4つの表示装置100A乃至100Dのそれぞれが外部装置200に接続することで表示システム1が構成され、4つの表示装置100A乃至100Dのそれぞれに外部装置200から画像が入力される。また、表示装置100A乃至100Dは、図7に示すように、図2に示す構成から属性管理部141が除かれ、画像分割部144の代わりに画像抽出部145を有する構成を有する。画像抽出部145は、記憶部143に記憶された表示情報を参照し、外部装置200から入力される1つの画像から自身が表示すべき部分画像を抽出する。
【0070】
図8を参照して、図6に示す表示システム1における本実施形態の表示装置100の動作(画像の表示動作)について説明する。
【0071】
S802において、制御部101は、通信部140を介して他の表示装置や外部装置200と通信し、表示システム1の構築を行う。本実実施形態では、図6に示したように、表示システム1は、外部装置200にそれぞれ接続する4つの表示装置100A、100B、100C及び100Dで構成される。
【0072】
S804において、表示装置100の制御部101は、操作部102がマルチ表示の指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。マルチ表示の指示をユーザから受け付けている場合には、S806に移行する。一方、マルチ表示の指示をユーザから受け付けていない場合には、S802に移行し、表示システム1の構築を行う状態で待機する。
【0073】
S806において、表示装置100の環境管理部142は、表示システム1を構成する表示装置100から、液晶パネル部104において表示画素数を変換することなく形成可能(表示可能)な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を取得する。
【0074】
S808において、表示装置100の環境管理部142は、マルチ表示を行う際の各表示装置のスクリーン上の表示担当領域を決定し、複数の表示装置のそれぞれが表示すべき部分画像と複数の表示装置との対応関係を示す表示情報を生成する。この際、各表示装置は、通信部140に含まれるCECを用いて通信を行い、スクリーン上の表示担当領域を決定する。
【0075】
S810において、表示装置100の環境管理部142は、S806で取得した第1の表示画素数情報に基づいて、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する。
【0076】
S812において、表示装置100の制御部101は、S810で算出された第2の表示画素数情報、及び、S808で生成された表示情報を記憶部143に記憶させる。
【0077】
S814において、表示装置100の制御部101は、外部装置200を接続先として含む通信部140のリセットを行う。これにより、外部装置200から表示装置100に対して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報(表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数)の送信が要求されることになる。
【0078】
S816において、表示装置100の制御部101は、外部装置200からの要求に応じて、通信部140を介して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報を外部装置200に送信する。これにより、外部装置200は、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を把握して、これに対応した最適な表示画素数の画像(例えば、最大の表示画素数の画像)を表示装置100に送信(入力)する。
【0079】
S818において、表示装置100の制御部101は、通信部140を介して、第2の表示画素数情報が表す表示画素数に対応した最適な表示画素数の画像を外部装置200から受信する。
【0080】
S820において、表示装置100の画像抽出部145は、記憶部143に記憶された表示情報を参照し、S818で受信した画像から自身が表示すべき部分画像を抽出する。
【0081】
S822において、表示装置100の制御部101は、S820で抽出された部分画像を液晶パネル部104に形成し、投影光学系107を介して、液晶パネル部104に形成された部分画像をスクリーンに投影する。これにより、外部装置200から表示装置100に入力された1つの画像がスクリーンに表示される。
【0082】
S824において、表示装置100の制御部101は、操作部102が電源OFFの指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。電源OFFの指示をユーザから受け付けていない場合には、S822に移行して、部分画像の投影を続ける。一方、電源OFFの指示をユーザから受け付けている場合には、S826に移行する。
【0083】
S826において、表示装置100の制御部101は、表示装置100の各部に終了処理を行うように指示して動作を終了する。
【0084】
本実施形態では、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を算出し、かかる表示画素数を外部装置200に送信している。従って、本実施形態では、表示システム1において表示可能な画像が表示装置100で表示可能な画像に限定されることなく、マルチ表示を行う際に表示可能な最大の表示画素数の画像が外部装置200から表示装置100に入力されることになる。これにより、表示システム1では、スクリーンに表示される画像を劣化させる要因となる画像の表示画素数の変換が抑制され、スクリーンに表示される画像(特に、画像のエッジ部分や文字部分)の視認性の低下を防止することができる。
<第4の実施形態>
第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態では、表示システム1においてマルチ表示を行う際の画像の表示に関して説明した。本実施形態では、表示システム1においてマルチ表示を行う際の音声の出力に関して説明する。表示システム1の構成は、図1に示す構成とする。また、第1の実施形態で説明したように、通信部140の接続先に外部装置200を含む表示装置100Aがマスタとして機能し、通信部140の接続先に外部装置200を含まない表示装置100B、100C及び100Dがスレーブとして機能するものとする。また、表示装置100A乃至100Dは、図9に示すように、図2に示す構成に加えて、音声処理部147と、音声出力部148とを有する。
【0085】
本実施形態では、環境管理部142は、表示システム1の環境を管理する際に、各表示装置がどのような音響構成(音声処理部147及び音声出力部148)を有しているかも解析し、各表示装置の音響構成をどのように使用するかを決定する。なお、表示装置100の音響構成を表す音響情報は、音声出力部148を構成するスピーカーの配置やサンプリングレートなどを含み、EDIDの内容の一部として記憶部143に記憶されている。
【0086】
表示装置100に音声データを入力する際、外部装置200では、表示装置100の記憶部143に記憶された音響情報を取得し、かかる音響情報を解析することで表示装置100に入力する音声データの種類を決定している。換言すれば、外部装置200は、表示装置100のEDIDで規定された最大の音声出力能力を基準として、表示装置100に入力する音声データの種類を決定している。勿論、ユーザが表示装置100に入力する音声データの種類を決定(指定)することも可能である。但し、いずれの場合であっても、表示装置100に入力する音声データの種類は、EDIDの内容の範囲内(表示装置100で音声出力可能な範囲)で決定されることになる。従って、EDIDの内容が表示装置100を単体で使用する際の内容のままであると、表示システム1においてマルチ表示を行う際に出力する音声に制限がかかってしまう。例えば、1つのスピーカーで構成された音声出力部148をそれぞれ有する4つの表示装置100で表示システム1を構成した場合でも、各表示装置100の音響情報はスピーカーが1つであることを表している。従って、外部装置200は、モノラル対応の音声データを表示装置100に入力することになり、表示システム1を構成する表示装置100の音響構成の全てを有効に活用することができない。なお、本実施形態では、外部装置200からの音声データは、マスタとして機能する表示装置100Aに入力される。従って、従来技術では、表示システム1において出力可能な音声データの種類が表示装置100Aで出力可能な音声データの種類に限定されることになってしまう。
【0087】
そこで、本実施形態では、上述したように、環境管理部142において、各表示装置がどのような音響構成(音声処理部147及び音声出力部148)を有しているかも解析し、各表示装置の音響構成をどのように使用するかを決定する。具体的には、環境管理部142は、表示システム1を構成する複数の表示装置のそれぞれから、音声出力部148で出力可能な音声に関する情報である第1の音響情報を取得する。そして、環境管理部142は、第1の音響情報から表示システム1において出力可能な音声に関する情報である第2の音響情報を算出する。例えば、本実施形態において、第1の音響情報が各表示装置の音声出力部148が1つのスピーカーで構成されていることを表している場合を考える。この場合、環境管理部142は、表示装置100の音声出力部148が4つのスピーカーで構成されていることを表す音響情報を第2の音響情報として算出する。また、環境管理部142は、表示システム1における各表示装置の出力担当音声データを決定し、複数の表示装置のそれぞれが出力すべき音声データと複数の表示装置(の音声出力部)との対応関係を示す音声出力情報を生成する。
【0088】
環境管理部142で算出された第2の音響情報、及び、環境管理部142で生成された音声出力情報は、記憶部143に記憶される。なお、記憶部143には、表示装置を単体で使用する場合の音響構成を表す第1の音響情報も記憶されている。但し、記憶部143が第2の音響情報を記憶することで、外部装置200に対して、表示システム1における表示装置100の出力可能な音声に関する情報として第2の音響情報が送信されることになる。
【0089】
図10を参照して、図1に示す表示システム1における本実施形態の表示装置100の動作(画像の表示動作及び音声の出力動作)について説明する。かかる動作は、制御部101が表示装置100の各部を統括的に制御することによって実行される。
【0090】
S1002において、制御部101は、通信部140を介して他の表示装置や外部装置200と通信し、表示システム1の構築を行う。本実実施形態では、図1に示したように、表示システム1は、4つの表示装置100A、100B、100C及び100Dで構成される。この際、制御部101は、表示装置100A、100B、100C及び100Dのそれぞれの属性管理部141に、自身がマスタとして機能するか、或いは、スレーブとして機能するかを表す属性情報を格納する。
【0091】
S1004において、制御部101は、属性管理部141に管理された属性情報を参照し、S1002で構築された表示システム1において、自身がマスタとして機能するかどうかを判定する。自身がマスタとして機能する場合には、S1006に移行する。一方、自身がマスタとして機能しない場合(即ち、スレーブとして機能する場合)には、S1032に移行する。従って、S1006乃至S1030は、マスタとして機能する表示装置100Aのみで行われることになる。
【0092】
S1006において、表示装置100Aの環境管理部142は、表示システム1を構成する表示装置100から、第1の表示画素数情報及び第1の音響情報を取得する。上述したように、第1の表示画素数情報は、表示装置100を単体で使用する場合に液晶パネル部104において表示画素数を変換することなく形成可能(表示可能)な画像の最大の表示画素数を表す。また、第1の音響情報は、表示装置を単体で使用する場合の音響構成を表す。
【0093】
S1008において、表示装置100Aの制御部101は、操作部102がマルチ表示の指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。マルチ表示の指示をユーザから受け付けている場合には、S1010に移行する。一方、マルチ表示の指示をユーザから受け付けていない場合には、S1002に移行し、表示システム1の構築を行う状態で待機する。
【0094】
S1010において、表示装置100Aの環境管理部142は、マルチ表示を行う際の各表示装置のスクリーン上の表示担当領域を決定し、複数の表示装置のそれぞれが表示すべき部分画像と複数の表示装置との対応関係を示す表示情報を生成する。
【0095】
S1012において、表示装置100Aの環境管理部142は、S1006で取得した第1の表示画素数情報に基づいて、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する。
【0096】
S1014において、表示装置100Aの環境管理部142は、表示システム1における各表示装置の出力担当音声データを決定し、複数の表示装置のそれぞれが出力すべき音声データと複数の表示装置との対応関係を示す音声出力情報を生成する。例えば、環境管理部142は、第1の音響情報を解析して各表示装置の出力担当音声データを設定するための設定画面をユーザに提供し、かかる設定画面を用いてユーザによって設定される内容に応じて各表示装置の出力担当音声データを決定する。
【0097】
S1016において、表示装置100Aの環境管理部142は、S1006で取得した第1の音響情報に基づいて、表示システム1において出力可能な音声に関する情報である第2の音響情報を算出する。
【0098】
S1018において、表示装置100Aの制御部101は、S1012で算出された第2の表示画素数情報、S1010で生成された表示情報、S1016で算出された第2の音響情報、S1014で生成された音声出力情報を記憶部143に記憶させる。
【0099】
S1020において、表示装置100Aの制御部101は、外部装置200を接続先として含む通信部140のリセットを行う。これにより、外部装置200から表示装置100Aに対して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報及び第2の音響情報の送信が要求されることになる。
【0100】
S1022において、表示装置100Aの制御部101は、外部装置200からの要求に応じて、通信部140を介して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報及び第2の音響情報を外部装置200に送信する。これにより、外部装置200は、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を把握して、これに対応した最適な表示画素数の画像(例えば、最大の表示画素数の画像)を表示装置100Aに送信(入力)する。同様に、外部装置200は、表示システム1においてマルチ表示を行う際に出力可能な音声の種類を把握して、これに対応した最適な種類の音声データを表示装置100Aに送信(入力)する。
【0101】
S1024において、表示装置100Aの制御部101は、通信部140を介して、第2の表示画素数情報が表す表示画素数に対応した最適な表示画素数の画像及び第2の音響情報に対応した最適な種類の音声データを外部装置200から受信する。
【0102】
S1026において、表示装置100Aの画像分割部144は、記憶部143に記憶された表示情報に基づいて、S1024で受信した1つの画像を各表示装置の担当表示領域に対応させて分割して複数の部分画像を生成する。
【0103】
S1028において、表示装置100Aの音声処理部147は、記憶部143に記憶された音声出力情報に基づいて、S1024で受信した音声データから表示システム1において各表示装置が出力すべき音声データを抽出する。
【0104】
S1030において、表示装置100Aの制御部101は、S1026で生成(分割)された複数の部分画像、及び、S1028で抽出された音声データを各表示装置に送信する。具体的には、表示装置100Aの制御部101は、記憶部143に記憶された表示情報を参照し、複数の部分画像のそれぞれを、通信部140を介して、表示装置100B乃至100Dのうち対応する表示装置に送信する。この際、自身が表示すべき部分画像は、表示装置100Aの画像分割部144によって自身の画像処理部118に入力される。同様に、表示装置100Aの制御部101は、記憶部143に記憶された音声出力データを参照し、音声処理部147で抽出された音声データを、通信部140を介して、表示装置100B乃至100Dのうち対応する表示装置に送信する。この際、自身が出力すべき音声データは、表示装置100Aの音声処理部147によって自身の音声出力部148に入力される。
【0105】
S1032において、表示装置100の制御部101は、それぞれが表示すべき部分画像を液晶パネル部104に形成し、投影光学系107を介して、液晶パネル部104に形成された部分画像をスクリーンに投影する。これにより、外部装置200から入力された1つの画像がスクリーンに表示される。また、表示装置100の制御部101は、それぞれが出力すべき音声データを音声処理部147及び音声出力部148に入力し、音声出力部148を介して、音声データに対応する音声を出力する。
【0106】
S1034において、表示装置100の制御部101は、操作部102が電源OFFの指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。電源OFFの指示をユーザから受け付けていない場合には、S1032に移行して、部分画像の投影及び音声の出力を続ける。一方、電源OFFの指示をユーザから受け付けている場合には、S1036に移行する。
【0107】
S1036において、表示装置100の制御部101は、表示装置100の各部に終了処理を行うように指示して動作を終了する。
【0108】
本実施形態では、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を算出し、かかる表示画素数を外部装置200に送信している。従って、本実施形態では、表示システム1において表示可能な画像が表示装置100Aで表示可能な画像に限定されることなく、マルチ表示を行う際に表示可能な最大の表示画素数の画像が外部装置200から表示装置100Aに入力されることになる。これにより、表示システム1では、スクリーンに表示される画像を劣化させる要因となる画像の表示画素数の変換が抑制され、スクリーンに表示される画像(特に、画像のエッジ部分や文字部分)の視認性の低下を防止することができる。
【0109】
更に、本実施形態では、表示システム1においてマルチ表示を行う際に出力可能な音声データに関する情報を算出し、かかる情報を外部装置200に送信している。従って、本実施形態では、表示システム1において出力可能な音声データの種類が表示装置100Aで出力可能な音声データの種類に限定されることなく、マルチ表示を行う際に出力可能な音声データが外部装置200から表示装置100Aに入力されることになる。このように、表示システム1では、高音質、且つ、表示システム1に最適な音声データが入力されるため、出力される音声の劣化を防止することができる。
<第5の実施形態>
第4の実施形態では、表示システム1を構成する複数の表示装置のうち1つの表示装置をマスタとして機能させ、マスタとして機能する表示装置が音声データを抽出し、かかる音声データを各表示装置に送信している。本実施形態では、表示システム1を構成する複数の表示装置のそれぞれにおいて、外部装置から入力された音声データから自身が表示すべき音声データを抽出する場合について説明する。この場合、図11に示すように、4つの表示装置100A乃至100Dのそれぞれが外部装置200に接続することで表示システム1が構成され、4つの表示装置100A乃至100Dのそれぞれに外部装置200から音声データが入力される。また、表示装置100A乃至100Dは、図12に示すように、図9に示す構成から属性管理部141が除かれた構成を有する。本実施形態においても、環境管理部142は、各表示装置がどのような音響構成(音声処理部147及び音声出力部148)を有しているかも解析し、各表示装置の音響構成をどのように使用するかを決定する。この際、各表示装置の音響構成をどのように使用するかを決定する決定方法を予め規定することで、各表示装置で同じ結果を得ることが可能となる。
【0110】
図11に示すように、表示装置100A乃至100Dのそれぞれが第1のスピーカー148Lと第2のスピーカー148Rとで構成された音声出力部148を有している場合を考える。この場合、従来技術では、表示装置100A乃至100Dの全てに対して、第1のスピーカー148Lが出力する音声に対応する音声データ及び第2のスピーカー148Rが出力する音声に対応する音声データとが入力される。従って、表示システム1においては、臨場感を欠く音声が出力されることになってしまう。一方、本実施形態では、各表示装置がどのような音響構成を有しているかも解析し、各表示装置の音響構成をどのように使用するかを決定することができるため、表示装置ごとに異なる音声データを入力することが可能である。具体的には、表示装置100A及び100Bの第1のスピーカー148Lと第2のスピーカー148R、表示装置100Cの第1のスピーカー148L、及び、表示装置100Dの第2のスピーカー148Rを使用するスピーカーとして決定する。そして、外部装置200から各スピーカーに対応する音声データを入力することで、表示システム1において、臨場感のある音声を出力することができる(臨場感を向上させた音響環境を構築できる)。
【0111】
図13を参照して、図11に示す表示システム1における本実施形態の表示装置100の動作(画像の表示動作及び音声の出力動作)について説明する。
【0112】
S1302において、制御部101は、通信部140を介して他の表示装置や外部装置200と通信し、表示システム1の構築を行う。本実実施形態では、図11に示したように、表示システム1は、外部装置200にそれぞれ接続する4つの表示装置100A、100B、100C及び100Dで構成される。
【0113】
S1304において、表示装置100の制御部101は、操作部102がマルチ表示の指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。マルチ表示の指示をユーザから受け付けている場合には、S1306に移行する。一方、マルチ表示の指示をユーザから受け付けていない場合には、S1302に移行し、表示システム1の構築を行う状態で待機する。
【0114】
S1306において、表示装置100の環境管理部142は、表示システム1を構成する表示装置100から、第1の表示画素数情報及び第1の音響情報を取得する。
【0115】
S1308において、表示装置100の環境管理部142は、マルチ表示を行う際の各表示装置のスクリーン上の表示担当領域を決定し、複数の表示装置のそれぞれが表示すべき部分画像と複数の表示装置との対応関係を示す表示情報を生成する。
【0116】
S1310において、表示装置100の環境管理部142は、S1306で取得した第1の表示画素数情報に基づいて、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する。
【0117】
S1312において、表示装置100の環境管理部142は、表示システム1における各表示装置の出力担当音声データを決定し、複数の表示装置のそれぞれが出力すべき音声データと複数の表示装置との対応関係を示す音声出力情報を生成する。
【0118】
S1314において、表示装置100の環境管理部142は、S1306で取得した第1の音響情報に基づいて、表示システム1において出力可能な音声に関する情報である第2の音響情報を算出する。
【0119】
S1316において、表示装置100の制御部101は、S1310で算出された第2の表示画素数情報、S1308で生成された表示情報、S1314で算出された第2の音響情報、S1312で生成された音声出力情報を記憶部143に記憶させる。
【0120】
S1318において、表示装置100の制御部101は、外部装置200を接続先として含む通信部140のリセットを行う。これにより、外部装置200から表示装置100に対して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報及び第2の音響情報の送信が要求されることになる。
【0121】
S1320において、表示装置100の制御部101は、外部装置200からの要求に応じて、通信部140を介して、記憶部143に記憶された第2の表示画素数情報及び第2の音響情報を外部装置200に送信する。これにより、外部装置200は、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を把握して、これに対応した最適な表示画素数の画像(例えば、最大の表示画素数の画像)を表示装置100に送信(入力)する。同様に、外部装置200は、表示システム1においてマルチ表示を行う際に出力可能な音声の種類を把握して、これに対応した最適な種類の音声データを表示装置100に送信(入力)する。
【0122】
S1322において、表示装置100の制御部101は、通信部140を介して、第2の表示画素数情報が表す表示画素数に対応した最適な表示画素数の画像及び第2の音響情報に対応した最適な種類の音声データを外部装置200から受信する。
【0123】
S1324において、表示装置100の画像抽出部145は、記憶部143に記憶された表示情報を参照し、S1322で受信した画像から自身が表示すべき部分画像を抽出する。
【0124】
S1326において、表示装置100の音声処理部147は、記憶部143に記憶された音声出力情報に基づいて、S1322で受信した音声データから自身が出力すべき音声データを抽出する。
【0125】
S1328において、表示装置100の制御部101は、S1324で抽出された部分画像を液晶パネル部104に形成し、投影光学系107を介して、液晶パネル部104に形成された部分画像をスクリーンに投影する。これにより、外部装置200から表示装置100に入力された1つの画像がスクリーンに表示される。また、表示装置100の制御部101は、S1326で抽出された音声データを音声処理部147及び音声出力部148に入力し、音声出力部148を介して、音声データに対応する音声を出力する。
【0126】
S1330において、表示装置100の制御部101は、操作部102が電源OFFの指示をユーザから受け付けているかどうかを判定する。電源OFFの指示をユーザから受け付けていない場合には、S1328に移行して、部分画像の投影及び音声の出力を続ける。一方、電源OFFの指示をユーザから受け付けている場合には、S1332に移行する。
【0127】
S1332において、表示装置100の制御部101は、表示装置100の各部に終了処理を行うように指示して動作を終了する。
【0128】
本実施形態では、表示システム1においてマルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を算出し、かかる表示画素数を外部装置200に送信している。従って、本実施形態では、表示システム1において表示可能な画像が表示装置100Aで表示可能な画像に限定されることなく、マルチ表示を行う際に表示可能な最大の表示画素数の画像が外部装置200から表示装置100Aに入力されることになる。これにより、表示システム1では、スクリーンに表示される画像を劣化させる要因となる画像の表示画素数の変換が抑制され、スクリーンに表示される画像(特に、画像のエッジ部分や文字部分)の視認性の低下を防止することができる。
【0129】
更に、本実施形態では、表示システム1においてマルチ表示を行う際に出力可能な音声データに関する情報を算出し、かかる情報を外部装置200に送信している。従って、本実施形態では、表示システム1において出力可能な音声データの種類が表示装置100Aで出力可能な音声データの種類に限定されることなく、マルチ表示を行う際に出力可能な音声データが外部装置200から表示装置100Aに入力されることになる。このように、表示システム1では、高音質、且つ、表示システム1に最適な音声データが入力されるため、出力される音声の劣化を防止することができる。
【0130】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び、かかるプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0131】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と通信手段とをそれぞれ有する複数の表示装置を備え、外部装置から入力される1つの画像を分割した複数の部分画像を前記複数の表示装置で表示させて前記1つの画像を表示するマルチ表示を行う表示システムであって、
前記複数の表示装置のうち少なくとも1つの表示装置は、
前記複数の表示装置のそれぞれから、前記通信手段を介して前記表示手段において表示画素数を変換することなく表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を取得し、当該第1の表示画素数情報から前記マルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された前記第2の表示画素数情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第2の表示画素数情報を前記外部装置に送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記複数の表示装置のそれぞれは、前記複数の表示装置において表示装置を管理するマスタとして機能するか前記マスタに管理されるスレーブとして機能するかを表す属性情報を格納する格納手段を更に有し、
前記少なくとも1つの表示装置の前記格納手段に格納された属性情報は、前記マスタとして機能することを表していることを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記複数の表示装置のそれぞれは、前記複数の表示装置において表示装置を管理するマスタとして機能させるか前記マスタに管理されるスレーブとして機能させるかを決定する決定手段を更に有し、
前記決定手段は、前記通信手段の接続先が前記外部装置を含む場合には、前記マスタとして機能させ、前記通信手段の接続先が前記外部装置を含まない場合には、前記スレーブとして機能させることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの表示装置は、前記外部装置から入力される1つの画像を前記複数の部分画像に分割する分割手段を更に有し、
前記記憶手段は、前記分割手段で分割された前記複数の部分画像のうち前記マルチ表示において前記複数の表示装置のそれぞれの前記表示手段が表示すべき部分画像と前記複数の表示装置との対応関係を示す表示情報を更に記憶し、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記表示情報を参照し、前記分割手段で分割された前記複数の部分画像のそれぞれを、前記複数の表示装置の対応する表示装置に送信するように前記通信手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項5】
前記分割手段は、前記第1の表示画素数情報を参照し、前記複数の部分画像のそれぞれが前記複数の表示装置のそれぞれの前記表示手段において表示画素数を変換することなく表示可能な画像の最大の表示画素数となるように前記外部装置から入力される1つの画像を分割することを特徴とする請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記複数の表示装置のそれぞれは、
前記複数の部分画像のうち前記マルチ表示において前記複数の表示装置のそれぞれの前記表示手段が表示すべき部分画像と前記複数の表示装置との対応関係を示す表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、
前記表示情報記憶手段に記憶された前記表示情報を参照し、前記外部装置から入力される1つの画像から前記表示すべき部分画像を抽出する抽出手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項7】
前記外部装置は、前記少なくとも1つの表示装置から前記通信手段を介して送信される前記第2の表示画素数情報が表す最大の表示画素数の画像を、前記少なくとも1つの表示装置に入力することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項8】
前記外部装置は、前記少なくとも1つの表示装置から前記通信手段を介して送信される前記第2の表示画素数情報が表す最大の表示画素数の画像を、前記複数の表示装置のそれぞれに入力することを特徴とする請求項6に記載の表示システム。
【請求項9】
前記表示手段は、
前記複数の部分画像のうち1つの部分画像を形成するための液晶パネルと、
前記液晶パネルに形成された前記部分画像をスクリーンに投影する投影光学系と、
を含み、
前記複数の表示装置のそれぞれの投影光学系が前記部分画像を前記スクリーンに投影することによって、前記1つの画像が前記スクリーンに表示されることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項10】
画像を表示する表示手段と通信手段とをそれぞれ有する複数の表示装置と、画像を入力する外部装置とを備え、前記外部装置から入力される1つの画像を分割した複数の部分画像を前記複数の表示装置で表示させて前記1つの画像を表示するマルチ表示を行う表示システムであって、
前記複数の表示装置のうち少なくとも1つの表示装置は、
前記複数の表示装置のそれぞれから、前記通信手段を介して前記表示手段において表示画素数を変換することなく表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を取得し、当該第1の表示画素数情報から前記マルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された前記第2の表示画素数情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記第2の表示画素数情報を前記外部装置に送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
を有し、
前記外部装置は、
前記少なくとも1つの表示装置から前記通信手段を介して送信される前記第2の表示画素数情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信された前記第2の表示画素数情報が表す最大の表示画素数の画像を、前記少なくとも1つの表示装置に入力する入力手段と、
を有することを特徴とする表示システム。
【請求項11】
画像を表示する表示手段と通信手段とをそれぞれ有する複数の表示装置を備え、外部装置から入力される1つの画像を分割した複数の部分画像を前記複数の表示装置で表示させて前記1つの画像を表示するマルチ表示を行う表示システムの制御方法であって、
前記複数の表示装置のうち少なくとも1つの表示装置が、前記複数の表示装置のそれぞれから、前記通信手段を介して前記表示手段において表示画素数を変換することなく表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第1の表示画素数情報を取得し、当該第1の表示画素数情報から前記マルチ表示を行う際に表示可能な画像の最大の表示画素数を表す第2の表示画素数情報を算出する算出ステップと、
前記複数の表示装置のうち少なくとも1つの表示装置が、前記算出ステップで算出された前記第2の表示画素数情報を記憶する記憶ステップと、
前記複数の表示装置のうち少なくとも1つの表示装置が、前記記憶ステップで記憶された前記第2の表示画素数情報を前記外部装置に送信するように前記通信手段を制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−83572(P2012−83572A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230096(P2010−230096)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】