説明

表示パネルおよび画像表示装置

【課題】補強強度を損なわず、軽量化、低コスト化を実現可能な表示パネルを提供する。
【解決手段】表示パネルは、前面板が接着された前面基板、該前面基板と対向する背面基板、および前面基板と背面基板との間に長手方向が互いに平行になるように設けられた複数の板状のスペーサを備えた真空容器10と、背面基板の外面に接着部材130により接着された固定部材140と、を備える。接着部材は、スペーサの長手方向100に沿って複数並んだ、内側が開口した周状部分132を有する。固定部材は、スペーサの長手方向に沿って複数並んだ板状ユニット142と、板状ユニットから真空容器とは反対側に向けて突出し、真空容器を支える支持体に固定される突起部141と、を有する。板状ユニットは、接着部材の周状部分に直接接着した部分である周縁部142aと、該周縁部の内側に位置する弾性部142bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルおよび画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界放出ディスプレイ(FED)などの電子放出素子から放出された電子を蛍光体等の発光体に照射するタイプの画像表示装置が知られている。このような画像表示装置は、内部が大気圧よりも低い圧力(真空)に維持された扁平な矩形状の真空容器を備える表示パネル(ディスプレイパネル)を用いる。内部の空間を真空に維持するために、扁平な矩形状の真空容器の内部には、一般に、複数のスペーサが設けられる。
【0003】
このような扁平な矩形状の真空容器を備える表示パネルを有する画像表示装置では、画像表示装置に加えられる外力や衝撃により真空容器が破損する事を防ぐことが求められる。また、真空容器の外形状の破損だけでなく、真空容器の内部の画像表示に係る部材の破損を防ぐことも求められる。真空容器が破損する要因となる外力としては、ユーザーの不注意な取り扱いによる静荷重や、輸送時や設置時において加えられる静荷重などがある。
【0004】
特許文献1には、真空容器の機械的強度を向上するために、表示パネルを構成する真空容器の背面(表示面とは反対側の面)に取付けられた補強フレームが開示されている。補強フレームは、扁平な矩形状の真空容器の長辺とほぼ平行に延びた一対の第1枠部と、真空容器の短辺とほぼ平行に延びているとともに一対の第1枠部を連結した一対の第2枠部とを有する。
【0005】
特許文献2には、各々の長手方向が平行になるように配列された複数の細長い板状のスペーサを備える真空容器が開示されている。そして、蛍光面を被覆するメタルバック層の上に間欠的に設けられた複数のスペーサ当接層に、細長い板状のスペーサを当接させた形態が開示されている。また、特許文献3には、表示パネルを構成する真空容器の表示面に保護板を設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−011764号公報
【特許文献2】特開2006−185723号公報
【特許文献3】特開平10−326580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来は、特許文献1に開示されている補強フレームのような高強度な背面支持部材を、表示パネルを構成する真空容器の背面に設けて、真空容器の強度を補強する必要があった。具体的には、十分な強度を得るために、背面支持部材強度の厚みを厚くすることによって真空容器の耐変形性、耐衝撃性(補強強度)を増していた。そのため、画像表示装置は、重量が重く、コストが高くなる、といった問題があった。また、大きな背面支持部材が存在することで、駆動回路などの電気回路基板や電源を実装することのできる領域が制限されるなどして、画像表示装置の薄型化に影響を与えるなどの問題もあった。
【0008】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、補強強度を損なわずに、軽量化、低コスト化を実現可能な表示パネルおよび該表示パネルを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様における表示パネルは、前面板が接着された前面基板、該前面基板と対向する背面基板、および前面基板と背面基板との間に長手方向が互いに平行になるように設けられた複数の板状のスペーサを備えた真空容器と、背面基板の外面に接着部材により接着された固定部材と、を備える。接着部材は、スペーサの長手方向に沿って複数並んだ、内側が開口した周状部分を有している。固定部材は、スペーサの長手方向に沿って複数並んだ板状ユニットと、板状ユニットから真空容器とは反対側に向けて突出し、真空容器を支える支持体に固定される突起部と、を有する。板状ユニットは、接着部材の周状部分に直接接着した部分である周縁部と、該周縁部の内側に位置する弾性部とを有する。
【0010】
また、本発明の画像表示装置は上記の表示パネルを備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、軽量化、低コスト化を実現可能な表示パネルおよび画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】表示パネルの分解図の一例を示す模式図である。
【図2】表示パネルの構成例を示す模式図である。
【図3】荷重が加えられたときに前面基板に発生する応力を示すグラフである。
【図4】外力が加えられた際の表示パネルの様子を示す模式図である。
【図5】外力が加えられた際の突起部周辺の表示パネルの様子を示す模式図である。
【図6】固定部材の第1の変形例を示す模式図である。
【図7】固定部材の第2の変形例を示す模式図である。
【図8】固定部材の第3の変形例を示す模式図である。
【図9】表示パネルの模式図である。
【図10】表示パネルの前面基板の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。尚、各図において共通する符号を用いている部材は、同じ部材を指す。本発明は、図9(A)に示すような扁平な矩形状の真空容器10を備える表示パネルおよび当該表示パネルを用いた画像表示装置に有効である。特に、落下衝撃時などにおいて真空容器10の特定方向の変形の緩和や特定方向の応力発生の緩和が必要な、画像表示装置および表示パネルに有効である。扁平な矩形状の真空容器10は、その内部空間が大気圧よりも低い圧力に維持されており、扁平な矩形状の真空容器の長手方向Xと同じ方向に長手方向100を有する細長い板状のスペーサ14を複数有する。
【0014】
表示パネル(ディスプレイパネル)は、いわゆるディスプレイモジュールを指し、少なくとも真空容器10と、真空容器10を支持体に固定するための後述の固定部材と、固定部材と真空容器とを接着する後述の接着部材とを備える。更に、表示パネルは、一般に、真空容器内に電子放出素子やアノード電極を駆動するための駆動回路を備える。一方、画像表示装置は、この表示パネルに加え、少なくとも表示パネルを設置面に載せるための後述の支持体を備えている。そして、画像表示装置は、必要に応じて、テレビ信号を受信する受信機や、入力された画像信号を表示パネルの特性に合わせて所定の処理を加える画像処理回路や、スピーカーなどを備えた装置のことも指す。
【0015】
図9(A)〜(C)を用いて、本発明が好ましく適用される表示パネルについて先ず説明する。図9(A)は表示パネルを構成する真空容器10の一部を切り欠いて模式的に示した斜視図であり、図9(B)は図9(A)のA−A線における断面模式図である。また、図9(C)は前面基板11の一部を背面基板12側から見た際の模式図である。このような表示パネルの一例としては、FED(Field Emisson Display)がある。図9(A)に示すように、真空容器10は、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11および背面基板12を備えている。一例として、これらの基板11,12は1〜2mmのギャップを置いて対向配置されている。前面基板11および背面基板12の厚みは、例えば0.5mm〜3mmであり、好ましくは2mm以下である。前面基板11および背面基板12の周縁部同士を矩形枠状の側壁13を介して接合し、前面基板11と背面基板12との間を10-4Pa程度以下の高真空に維持することで、偏平な矩形状の真空容器10が構成されている。尚、前面基板11と背面基板12との間(空間)は、所定の間隔に維持されている。その間隔としては、例えば、200μm以上3mm以下、より実用的な範囲としては、1mm以上2mm以下である。側壁13は、例えば、ガラスや金属で構成することができる。前面基板11および背面基板12と側壁13とは接着部材23によって接着されている。例えば低融点ガラスや低融点金属等のシール機能を備える接着剤を、接着部材23として用いることができる。接着部材23により、前面基板11の周縁部と背面基板12の周縁部とが封着され、これらの基板11,12同士が接合されている。このように、前面基板11と背面基板12とは、側壁13と接着部材23とから構成される接合部材によって互いに接合されている。ここでは、接合部材を側壁13と接着部材23とから構成したが、前面基板11と背面基板12との間に維持する間隔によっては、側壁13を省略することもできる。即ち、接合部材は、前面基板11と背面基板12との間に維持される空間を取り囲んで気密に保持した状態で、前面基板11と背面基板12とを互いに接合することができれば、その構造は限定されるものではない。
【0016】
また、図9(B)に示すように、前面基板11の内面には蛍光体などの発光体層15が設けられている。この発光体層15は、赤、緑、青に発光する発光体R,G,Bと、マトリックス状の遮光層17とを有している。発光体層15上には、例えばアルミニウムを主成分とし、アノード電極として機能するメタルバック層20が形成されている。更に、メタルバック層20の上にゲッター膜22が形成される場合がある。表示動作時、メタルバック層20には所定のアノード電圧が印加される。
【0017】
背面基板12の前面基板11に対向する面(内面)には、発光体層15の発光体R、G、Bを励起する電子源として、それぞれが電子ビームを放出する多数の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素(発光体R,G,B)に対応してマトリクス状に配列されている。なお、電子放出素子18としては、例えば、表面伝導型電子放出素子や電界放出型電子放出素子などを適用できる。背面基板12の内面上には、電子放出素子18を駆動する多数本の配線21がマトリクス状に設けられ、その端部は真空容器10の外部に引出されている。
【0018】
背面基板12と前面基板11の間には、これらの基板に作用する大気圧を支持するため、多数の細長い板状のスペーサ14が配置されている。前面基板11および背面基板12の長手方向(長辺方向)を第1方向X、これと直交する方向(幅方向又は短辺方向)を第2方向Yとした場合、板状のスペーサ14は第1方向Xに延びている。言い換えると、板状のスペーサ14の長手方向100が、第1方向Xとなる。そして、多数の板状のスペーサ14は、第2方向Yに所定の間隔を置いて配設されている。第2方向Yにおける当該間隔としては、例えば1mm〜50mmとすることができる。スペーサ14は細長いガラスの板やセラミックスの板などから構成することができる。また、必要に応じて、上記の板の表面に、高抵抗膜を配置したり、凹凸を設けたりする場合もある。スペーサ14は、その幅(第2方向Yにおける長さ)に比べて高さ(Z方向における長さ)が数倍から十数倍大きく、また、その長さ(第1方向Xにおける長さ)は高さに比べて数十倍から数百倍大きい。
【0019】
上記した真空容器10を備える表示パネルおよび画像表示装置では、画像を表示する場合、メタルバック層20を介して発光体R、G、Bにアノード電圧を印加する。また、同時に、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して発光体へ衝突させる。これにより、対応する発光体R、G、Bが励起されて発光し、カラー画像を表示する。
【0020】
図9(C)に示すように、発光体層15は、赤、青、緑に発光する多数の矩形状の発光体R、G、Bを有している。一例として、発光体R、G、Bは、第1方向Xに所定のギャップをおいて交互に繰り返し配列され、第2方向には同一色の発光体が所定のギャップをおいて配列されている。第1方向Xのギャップは、第2方向Yのギャップよりも小さく設定されている。遮光層17は、前面基板11の周縁部に沿って延びた矩形枠部17a、および矩形枠部の内側で発光体層R、G、Bの間をマトリックス状に延びたマトリクス部17bを有している。
【0021】
次に、表示パネルおよび画像表示装置の支持構造について、図1(A)、図1(B)、図2(A)、図2(B)を用いて説明する。図1(A)は、表示パネルの、背面側から見た分解図の一例、図1(B)は、図1(A)中の固定部材140の一部を拡大した図である。なお、図1(A)において、通常、表示パネルの背面側(画像表示面とは反対側)に表示パネルを駆動するための電気回路基板を設けているが、ここでは説明の都合上、各種の電気回路基板は省いている。図2(A)は、表示パネルの背面側の斜視図である。図2(B)は、図2(A)の表示パネルに支持体150を取り付けた画像表示装置において、図2(A)の一点鎖線A−A’における断面を含む画像表示装置の断面の模式図である。尚、図2(A)における一点鎖線A−A’は固定部材140の突起部141を通っているものとする。また、実際の画像表示装置では、見栄えを良くする等の目的で、一般に、図2(B)に示した構成に加えて、更に、外装パネル等のカバー(不図示)を取り付ける。尚、一点鎖線161は、表示パネル(真空容器10)の画像表示領域(又は背面基板12)の鉛直方向(図9(A)における第2方向Y)における中心を結んでできる中心線に相当する。一点鎖線162は、画像表示領域の水平方向(図9(A)における第1方向X)における中心を結んでできる中心線に相当する。つまり、一点鎖線161は水平方向に沿って延びた線となり、一点鎖線162は鉛直方向に沿って延びた線となる。
【0022】
真空容器10を剛体である支持体150に固定するための複数のライン状の固定部材140(図1では符号140Aと140Bとしても表記)が、背面基板12の外面(前面基板11に対向する面(内面)とは反対側の面)に、接着部材130で接着されている。この様に、固定部材140が真空容器10の外面に強固に接着される(固着される)ので、複数の固定部材140を介して、真空容器10を支持体150で支持することができる。尚、真空容器10に加えて少なくとも固定部材140と接着部材130を備える表示パネルに対して、支持体150は、着脱可能に固定することができる。また、図1(A)、図2(A)における矢印100は、図9の矢印100と同様に、細長い板状のスペーサ14の長手方向(スペーサ長手方向)を表す矢印である。即ち、図1(A)、図2(A)の例では、スペーサの長手方向100は、画像表示装置の水平方向(幅方向;横方向)である。
【0023】
また、前面板110が、真空容器10の前面基板11の前面側の表面(背面基板12に対向する面とは反対側の面)に接着部材120によって接着されている。本実施形態では前面板110の長手方向と真空容器10の長手方向及びスペーサの長手方向100を平行になるように配置することにより、スペーサの長手方向100に対する変形や応力集中を少なくすることができる。前面板110は、平板状とし、表示パネル(真空容器10)の画像表示領域(蛍光体R,G,Bが配置されている領域または面積)より大きいことが望ましい。前面板110は、可視光に対して透明な部材で構成され、例えば、ガラスの板やポリカーボネートの板を用いることができるが、光学特性の観点からガラスの板が特に好ましい。前面板110の厚みとしては、真空容器10に所定の強度を持たせるために、ガラスであれば、1.5mm〜3.5mmとすることが望ましい。特に、強度の観点から、前面板110は、前面基板11および背面基板12の厚みよりも厚く設定することが望ましい。
【0024】
接着部材120の材質、形状、厚み、面積等は、接着部材120の強度、衝撃吸収、熱伝導率、前面板110の平面度等を考慮して適宜設定される。接着部材120は、特に限定されないが、真空容器10を形成した後に、前面板110を真空容器10に接着するために、高温加熱を必要としない接着剤を用いることが望ましい。例えば、常温下で、ガラスからなる真空容器10に、紫外線を照射することでガラスからなる前面板110を接着することのできる、UV硬化型の樹脂接着剤を用いることができる。より具体的には、アクリル系のUV硬化型の樹脂接着剤を用いることができる。前面板110を真空容器10に接着部材120によって接着させることにより、真空容器10の剛性、特に面方向におけるねじりの剛性が上がる。これにより、従来必要であった、背面基板12の外面に設ける補強フレームなどの補強部材の大幅な薄型化、軽量化を図ることができる。
【0025】
表示パネル(真空容器10)を剛体である支持体150に固定するための複数の固定部材140は、図1及び図2に示す例では、互いに離間した、複数(図に示す例では2つ)のライン状の固定部材140A,140Bで構成されている。固定部材140は、金属薄板をベースに構成されているため、柔構造部品となっている。ライン状の固定部材の各々140A,140Bは、その長手方向が板状スペーサの長手方向100に対して平行になるように配置される。これにより、スペーサ14の変形や、スペーサ14が前面基板11と当接する部分への応力集中(詳しくは後述する)を低減することができる。
【0026】
2つの固定部材のうちの一方の固定部材140Aは、画像表示領域(又は背面基板12)の水平方向に沿って延びた中心線161を対称軸として、他方の固定部材140Bと線対称な関係を満たす様に配置されることが好ましい。また同時に、各々の固定部材140A,140Bは、鉛直方向に沿って延びた中心線162を対称軸として、線対称な関係を満たす様に配置されることが好ましい。この関係は、固定部材140A,140Bが画像表示領域の鉛直方向に沿って延びた中心線162で折り返された形状となる関係と言い換えることができる。尚、ここでは、2つの固定部材140A,140Bを用いた例を説明するが、固定部材140の数は2つ以上であればよい。奇数個(例えば3つ)の固定部材を用いる場合には、例えば、1つの固定部材は、真空容器10の画像表示領域の水平方向に沿って延びた中心線161上に位置するように、背面基板12上に接着されることが好ましい。そして残る固定部材は、中心線161上に設けた固定部材から離れ、且つ、上記した2つの対称関係を満たすように、背面基板12上に接着して配置すればよい。
【0027】
各々の固定部材140A,140Bは、ライン状の板状部材と突起部141とを有する。この板状部材は、複数の板状ユニット142と、互いに隣接する板状ユニットを連結する連結部143と、を備えている。突起部141は板状ユニット142に設けられている。固定部材140A,140Bは、突起部141により支持点の機能が持たされている。図1(A)、図1(B)及び図2(A)、図2(B)に示す例では、固定部材の板状ユニット142は幅が広い幅広部分となっており、連結部143は幅が狭い幅狭部分となっている。突起部141は幅広部分(板状ユニット142)に設けられている。板状ユニット142の背面基板12に接着する側の面とは反対側の面に突起部141が設けられている。突起部141は、弾性部142bから真空容器10とは反対側に向けて突出している。この構成により、剛体である支持体150と複数の固定部材140A,140Bとが固定され、表示パネル(真空容器)が支持体150に固定される。板状ユニット142と突起部141は強固に接続されており、接続の方法は、カシメ、圧着、溶接、接着等、どのような方法であってもよい。板状ユニット142の幅や面積は、少なくとも突起部141が設けられている部分(突起部141の直下)において、突起部141の基部(板状ユニットとの固定部)の幅及び又は面積よりも大きく設定する。これは、衝撃が真空容器10に突起部141を介して入力された際に、真空容器10に生じる応力を低減するためである。また、板状ユニット142および連結部143は、接着部材130により背面基板12に接着されている。接着部材130は、詳しくは後述するが、図1に示す様に、開口131を有する周状部分132を複数有している。この周状部分132は、ライン状の固定部材140に沿って並べられており、板状ユニット142の周縁部142aと接着している。このように本明細書では、板状ユニット142の、接着部材130の周状部分132と直接接着されている部分を周縁部142aと定義する。板状ユニット142は、この周縁部142aと、周縁部142aの内側に位置する弾性部142bとを有する。本実施形態では、弾性部142bは、貫通した切り欠き144を有している。つまり、板状ユニット142は、周縁部142aよりも内側に貫通孔を有している。この切り欠き144により、板状ユニット142の、板面に垂直な板面垂直方向の曲げ剛性は小さくなっている。具体的には、本願の板状ユニット142の周縁部142aと同一の材料、同一の形状および同一の大きさの外側部分と、該外側部分の内側が該外側部分と同一の材料で埋められた内側部分と、を有する平板を規定する。この平板の外側部分と内側部分の厚みは同じであり、平板の両面は平らなものを考える。本例では、板状ユニット142の周縁部142aは四角形の枠状なので、規定される平板は直方体になる。このとき、弾性部142bは、板状ユニット142の板面に垂直な板面垂直方向に対する板状ユニット142の曲げ剛性が前記平板の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されている。これにより、外力が表示パネルに加わった際に、支持点である突起部141まわりに生じる表示パネルの応力を低減することができる。
【0028】
板状ユニット142、連結部143及び突起部141はアルミニウム、鉄、マグネシウム等の金属や合金で形成されていることが好ましい。板状ユニット142、連結部143及び突起部141を金属製にすることによるメリットを以下に記す。
・電気回路や表示パネルのGND規定部材として利用可能である。
・難燃性に優れる。
・強度的に優れる。
【0029】
また、板状ユニット142および連結部143はプレス加工によって成形することにより、安価で良好な平面度が得られる。突起部141は、間隔規定部材として機能することができ、突起部141の形状は円柱型、四角柱型、多角柱型などのあらゆる形状が可能である。突起部141の制作方法としては、ヘッダー加工、機械加工などを用いることができる。また、突起部141に支持点としての機能を持たせる為に、突起部141にメネジ加工を施して、真空容器10に強固に接着された固定部材140を支持体150にネジで固定してもよい。また、板状ユニット142、連結部143と突起部141を組み合わせ、一体的にプレス加工すれば、カシメ、圧着を一度に複数箇所行うことができる。それにより、製造に必要な工数を低減できるため、固定部材140の製造コストを低減できる。
【0030】
接着部材130としては、両面テープや接着剤などを用いることができる。接着部材130の材質、形状、厚み、面積等は、接着部材130の強度、衝撃吸収、熱伝導率、支持部材の平面度等を考慮して適宜設定される。接着部材130は、固定部材140と概ね同じ形状で真空容器10の表面に設けることが好ましい。即ち、接着部材130の長手方向が板状スペーサの長手方向100に対して平行になるように、固定部材140に沿って配置されることが好ましい。これによっても、スペーサの変形、応力集中を低減することができる。
【0031】
ただし、接着部材130は、落下などの衝撃が固定部材140に入力された際、外力が表示パネルに加わった際に、真空容器10に発生する応力の集中を低減するために、図1に示す様に、開口131を有する周状部分132を備えている。この開口131は、板状ユニット142の弾性部142bに位置する。これにより、開口131は、固定部材140を構成する突起部141と真空容器10の表面(背面基板12の表面)との間に配置される。このように、開口131は、突起部141の直下に設けられることが望ましい。
【0032】
図2(B)に示す例では、支持体150は、支持台(台座)152と支持台152の上に立設させた支柱151を備えている。より具体的には、支持台(台座)152は、机やオーディラックなどの画像表示装置を設置する設置面である。また、支柱151は、表示パネルの表示面を設置面に対して垂直に保持するために、支持台152の上に立設させられている。即ち、支柱151の基部は支持台152で固定されている。尚、支持台152と支柱151は、互いに着脱可能なように、ネジなどで結合することができる。支持体150は、更に、支柱151に対して、表示パネルの表示面を上下左右に角度調整できるように角度調整部を備えることもできる。また、支柱151の基部または支持台152に、支柱151を回転可能にせしめる回転機構を設けることもできる。また、ここでは、支持台152と支柱151とを別部材で構成した例を示したが、支持台と支柱を一つの部材とすることもできる。また、支柱151は複数設けることができる。また、支持体150は、画像表示装置を安定に設置することができれば、特にその形態は限定されるものではない。そのため、例えば、画像表示装置を直接壁に固定する場合には、支持台152に相当する部材が省略される場合や、支柱151に相当する部材が省略される場合もある。
【0033】
次に、スペーサ14と当接する前面基板11の構成について説明する。図9(B)、図9(C)で示した遮光層17の上には、抵抗調整層30が形成される場合がある。図10を用いて、前面基板11の詳細な構成を模式的に示す。図10(A)は、内部側(真空容器の内側)から見た前面基板11の模式図である。図10(B)は図10(A)のB−B断面図であり、図10(C)は図10(A)のC−C断面図である。抵抗調整層30は、遮光層17のマトリクス部17bの領域では、それぞれ第1方向Xに隣合う発光体間を第2方向Yに延びた複数の第1抵抗調整層31Vと、それぞれ第2方向Yに隣合う発光体間を第1方向Xに延びた複数の第2抵抗調整層31Hとを備える。発光体は第1方向XにR、G、Bと並んでいるため、第1抵抗調整層31Vは、第2抵抗調整層31Hよりも幅が狭くなっている。例えば、第1抵抗調整層31Vの幅は40μm、第2抵抗調整層31Hの幅は300μmである。
【0034】
抵抗調整層30の上には、薄膜分断層32が形成されている。薄膜分断層32は、それぞれ抵抗調整層30の第1抵抗調整層31V上に形成された縦線部33V、およびそれぞれ抵抗調整層30の第2抵抗調整層31H上に形成された横線部33Hを有している。薄膜分断層32は、表面が凸凹になるように適切な密度で分散された粒子とバインダとを含んで形成され、これにより、この後に蒸着などにより形成される薄膜(メタルバック層)20が分断される。薄膜分断層32を構成する粒子としては、蛍光体、シリカ等を用いることができる。薄膜分断層32は、遮光層17よりも少し細めに形成されており、数値例を示すと、薄膜分断層の横線部33Hの幅は260μm、縦線部33Vの幅は20μmとなっている。
【0035】
薄膜分断層32の形成後、メタルバック層20を平滑に形成するためにラッカーなどによる平滑化処理が行われる。この平滑化のための膜は、メタルバック層20が形成された後には、焼成により焼失する。
【0036】
平滑化処理の後、蒸着等の薄膜形成プロセスにより、メタルバック層20が形成される。これにより、薄膜分断層32により第1方向Xおよび第2方向Yに2次元分断された分断メタルバック層20aが形成される。分断メタルバック層20aは、それぞれ発光体R、G、Bに重なって位置している。この場合、分断メタルバック層20a同士の間のギャップは薄膜分断層32の横線部33Hおよび縦線部33Vの幅とほぼ同じであり、第1方向Xには20μm、第2方向Yには260μmとなる。なお、図10(A)では、図面の複雑化を避けるため、メタルバック層20を省略して示している。
【0037】
メタルバック層20の上に重ねてゲッター膜22が形成される場合もある。FEDにおいては、長期に渡り真空容器10の真空度を確保するために、このようにメタルバック層20上にゲッター膜22を形成することが必要になるケースがある。メタルバック層20の形成後も薄膜分断層32の作用は失われていないため、ゲッター膜22は、メタルバック層20と同様のパターンで2次元分断され、分断ゲッター膜22aを形成することができる。
【0038】
図10(A)、図10(C)に示すように、複数のスペーサ14の各々は、薄膜分断層32の横線部33Hと対向して配設されている。スペーサ14と対向する各横線部33H上には、複数のスペーサ当接層40が形成されている。各スペーサ当接層40は、例えば銀粒子を含むペーストを印刷し焼成することにより形成される。銀以外にもPtやAuなど導電性を有する粒子が好ましく適用される。印刷の精度の面からあまり小さいサイズは形成し難いので、スペーサ当接層40の第2方向Yの両端部は、横線部33Hの第2方向Y両側に2つずつ位置した4つの発光体層、分断メタルバック層20aに僅かに重なっている。また、複数のスペーサ当接層40は、図10(A)に示す様に、第1方向Xに所定の隙間を置いて間欠的に設けられている。スペーサ当接層40の上面は薄膜分断層32の上面よりも背面基板12側にあるように膜厚が調整されている。これにより、スペーサ14は、薄膜分断層32に直接接触することなく、スペーサ当接層40に当接して設けられている。
【0039】
スペーサ当接層40はスペーサとの接触性、帯電防止などの観点から、導電性であることが望ましいが、絶縁性のものを用いることも許容される。尚、上述した例で説明した薄膜分断層32や抵抗調整層30は、メタルバック層20の形態や作成方法によっては省略する場合もある。あるいは、薄膜分断層32や抵抗調整層30に加えてスペーサ当接層40も設けない場合もある。このような場合には、メタルバック層20にスペーサ14が当接することになり、メタルバック層20がスペーサ当接層として機能する。
【0040】
図10を用いて説明したように、スペーサ14は、前面基板11にスペーサ当接層40を介して当接する場合がある。このような場合、従来の表示パネルでは、画像表示装置への外部からの衝撃、輸送時や設置時における衝撃、不注意な取り扱いによる落下衝撃などによって、画像表示装置にダメージが生じる場合があった。より具体的には、上記衝撃により真空容器10がZ方向に凸形状や凹形状にたわむ等の変形を起こす。この変形に付随して、スペーサ当接層40やメタルバック層20などの、スペーサ14が当接する部分に位置する前面基板11上の部材が、細長い板状のスペーサ14によるせん断力を受けて破砕されてしまう事があった。スペーサ14と当接する前面基板11上の部材(スペーサ当接層40やメタルバック層20等)が破砕されると、その破片が、背面基板12側に落下する等する。これにより、メタルバック層20と電子放出素子18との間や、分断メタルバック層20a同士の間で、望まない放電が発生する場合がある。その結果、画像表示装置として機能しなくなったり、表示画像が著しく劣化したりする場合などがあった。
【0041】
しかしながら、本実施形態の表示パネルでは、前面基板11の表面に前面板110を接着し、複数のライン状の固定部材140をスペーサの長手方向100と平行になるように配置している。そのため、前述した各種の衝撃が支持体150から複数の固定部材140を介して真空容器10に入力されても、スペーサ14の変形やスペーサ14が当接する部分(スペーサ当接層40)に発生するせん断応力を低減できる。本実施形態の表示パネルでは、入力された衝撃は、スペーサの長手方向100と平行に、ライン状に真空容器10に入力されることになる。例えば、衝撃が複数の固定部材140を介して入力された際に、図1や図2の鉛直方向に沿った真空容器10の断面では、基板11,12の内面(真空容器の内側の面)が凹凸状に変形する(あるいは正弦波の様な形状に変形する)。しかし、図1や図2の水平方向に沿った真空容器10の断面では、鉛直方向に沿った断面に比べて、真空容器10の変形(前面基板11や背面基板12の変形)を大きく抑制できる。つまり、水平方向に沿った真空容器10の断面において、板状のスペーサ14が弓状に反るような変形を起こす(あるいは正弦波のような変形を起こす)ことを抑制できる。
【0042】
一方、スペーサ14の長手方向と垂直な方向(図1や図2の鉛直方向)に沿って固定部材を設けたとすると、衝撃が入力された際に、真空容器10の水平方向に沿った断面では、前面基板11と背面基板12の表面が凹凸状に変形(正弦波のような変形)する。同時に、スペーサ14も、真空容器10の水平方向に沿った断面では、凹凸状に変形(正弦波のような変形)する力を受ける。この現象は、表示パネルの水平方向に沿った断面では、固定部材が間隔を置いて点在する(周期的に存在する)ことになるためである。このように、衝撃が支持体150から固定部材140(及び接着部材130)を介して真空容器10に入力されると、真空容器10の、固定部材140が接着されている部分に衝撃が加わるが、固定部材140が接着されていない部分にはほとんど衝撃が加わらない。その結果、スペーサ14と、前面基板11と背面基板12とが接する部分とにおいて、応力が集中する部分が周期的に生じることになる。この応力集中部では、スペーサ14を湾曲させる力が加わる事によるスペーサ14の破損や、後述するように、スペーサ14が当接する部分(スペーサ当接層40)にせん断応力が発生する事によるスペーサ当接層40の破損を生じ易くなる。
【0043】
本実施形態で説明した表示パネルでは、複数のライン状の固定部材140をスペーサの長手方向100と平行になるように配置しているので、上述した応力集中を抑制することができる。そのため、前述した、画像表示装置として機能しなくなることや、表示画像が著しく劣化することを防ぐ事が可能となる。
【0044】
接着部材130はライン状とし、その長手方向とライン状の固定部材140の長手方向とを一致させて、板状のスペーサ14の長手方向100と平行にすることが好ましい。このようにすることでスペーサ14の長手方向100に沿って接着部材130が存在するため、応力集中をさらに低減することができる。さらに、接着部材130と複数のライン状の固定部材140とが、背面基板12を挟んで、スペーサ14の真裏に位置することが、応力低減の観点から、一層望ましい。
【0045】
また、前述したように、接着部材130は、突起部141と真空容器10との間に開口131が形成されるように、周状部分132を有することが望ましい(図1参照)。また、固定部材140を構成する板状ユニット(幅広部分)142は、接着部材130の周状部分132に直接接着した周縁部142aと、周縁部142aの内側に位置する弾性部142bとを有する。ここで、前述したように、板状ユニット142の周縁部142aと同一の材料、同一の形状および同一の大きさの外側部分と、該外側部分の内側が該外側部分と同一の材料で埋められた内側部分と、を有する平板を規定する。このとき、弾性部142bは、板状ユニット142の板面に垂直な板面垂直方向に対する板状ユニット142の曲げ剛性が前記平板の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されている。これにより、外力が表示パネルに加わった際に、支持点である突起部141まわりに生じる表示パネルの応力を低減することができる。図1の例では、弾性部142bが切り欠き144を有することにより、板状ユニット142の曲げ剛性が低くされている。図1では、1つの板状ユニット142が4つの切り欠き144を有しているが、切り欠き144の位置、形状および数量はこの限りではなく、真空容器10の剛性や、想定される外力等により適宜決定される。他の例として、弾性部142bの板厚が周縁部142aの板厚よりも薄くなるように座グリ加工を施してもよいし、弾性部142bの材料を周縁部142aの材料よりもヤング率の低い材料にしてもよい。これにより、本実施形態の板状ユニット142は、その周縁部142aと同一形状、同一材料および同一の大きさの外側部分を含んだ、該外側部分の内側が同一材料で埋められた平板の曲げ剛性よりも小さくなっている。言い換えると、この平板の中央部(弾性部になるべき部分)に何らかの処置(切り欠きの形成、板厚の減少、ヤング率の低下)を施して、元の平板の曲げ剛性よりも小さい曲げ剛性の板状ユニット142を構成するとも言える。そして、板状ユニット142を強固に表示パネル(背面基板12)に接着するため、曲げ剛性の低下は、周縁部142aではなく弾性部142bのみに担わせている。
【0046】
ここで、曲げ剛性とは、一般に、梁の変形を考える際に用いられるものであり、梁の材料のヤング率Eと、梁を構成する部材の断面二次モーメントIと、を掛けて算出されるEIによって表される。計算で求められない場合は、曲げ剛性を算出したい部材(ここでは板状ユニット142の周縁部142aと弾性部142b)を梁に置き換えて考える。具体的には、実験や例えば有限要素法を用いた一般的な構造解析により、曲げ剛性を算出したい部材に加える荷重Wとたわみvとの関係を求め、梁の変形を表わす式を用いることで、曲げ剛性を算出することができる。例えば、長さlの梁(例えば表示パネル)の一端は固定端、他端は自由端で且つ荷重Wを受けている条件下では、自由端での梁のたわみvを表す変形式は、荷重Wと梁の長さl、曲げ剛性EIを用いてv=Wl3/3EIと表される。よって、荷重W、たわみv、梁の長さlより、曲げ剛性EIを算出できる。
【0047】
図3は、外力が表示パネルに加えられた時に真空容器10に発生する応力と、板状ユニット142の曲げ剛性との関係を示したグラフである。ここで、横軸は、本実施形態の板状ユニット142の曲げ剛性と、この板状ユニットの周縁部の内部が当該周縁部と同一材料で完全に埋められた平板の曲げ剛性との比(曲げ剛性比)となっている。ここでは、板状ユニット142の板面垂直方向に対する曲げ剛性を測定した。横軸が1.0のとき、板状ユニット142が上記の平板と同一であることを意味し、横軸が1.0未満であるとき、板状ユニット142の曲げ剛性が低下していることを意味する。縦軸は、外力が加えられた時に突起部141の周辺に位置する前面基板11に発生する応力を示している。より具体的には、縦軸は、曲げ剛性比が1.0のときの応力で規格化した応力増減率を示している。ここで、グラフ中の“X応力”と“Y応力”は、それぞれ、図2(A)に示す水平方向(X方向)に対する応力と鉛直方向(Y方向)に対する応力である。図3に示す様に、曲げ剛性比が1.0から小さくなる程、真空容器10に発生する応力が低減されていくことが判る。
【0048】
この応力低減効果について、図4および図5(A)、図5(B)の模式図を用いて以下に説明する。図4では、固定部材140A,140Bの突起部141のうち、破線で囲まれた4箇所の突起部141を介して、表示パネルを壁などの高い剛性を有する支持体150(不図示、剛体とみなす)に支持させた状態にしている。この状態で、表示パネルのコーナー部分に外力(荷重)が加わった場合を想定する。図5(A)、図5(B)は、図4の一点鎖線B−B’における断面を含む表示パネルの断面模式図である。ここで、図5(A)は、固定部材140A,140Bの板状ユニットが平板542である場合、つまり周縁部142aの内側が同一材料で埋められた形態(比較例)の断面模式図である。図5(B)は、図4に示すような弾性部142bを備えている場合の断面模式図である。なお、図では、前面板110と接着部材120は省略している。
【0049】
図5(A)のように、固定部材140の突起部141と連結した部分が平板542、例えば2〜3mm程度の厚みの均一な金属板である場合、平板542の剛性はある程度高い。このように、突起部141は剛性の高い部分に接続されているため、突起部141周辺の真空容器10の位置拘束が強くなる。その状態で表示パネルに外力が加えられると、突起部141周辺の真空容器10が局所的に変形し、真空容器10に大きな応力が発生する。これに対し、図5(B)のように、弾性部142bによって板状ユニット142の曲げ剛性が平板542よりも低くされていると、表示パネルに外力が加えられたときに、真空容器10と突起部141の間に位置する弾性部142bが大きく変形する。これにより、真空容器10の位置拘束が弱くなり、真空容器10の局所的な変形が抑制されて、真空容器10に発生する応力が小さくなる。
【0050】
図1及び図2の例では、各々の固定部材140A,140Bは、互いに隣接する板状ユニット(幅広部分)142が、板状ユニットよりも幅の狭い連結部143で連結して構成されたライン状の板状部材を有している。ここで、「幅広部分」又は「幅狭部分」における「幅」とは、第2方向Y(スペーサの長手方向100と直交する方向)における長さである。また、板状ユニット142上に突起部141を設けて板状ユニットを幅広にするのは、落下等の衝撃が突起部141を通じて真空容器10に印加された際に、幅広部分で応力の拡散を行い、真空容器10に印加される衝撃を低減するためである。板状ユニット142の面積、形状および板厚は、真空容器10の剛性や、想定される落下衝撃力等により適宜決定される。また、固定部材140に並べられた突起部141のピッチや個数も、真空容器10の剛性や、許容する落下衝撃力等により適宜決定される。突起部141の第2方向Y(スペーサの長手方向100と直交する方向)におけるピッチ(間隔)は、突起部141の第1方向X(スペーサの長手方向100と平行な方向)におけるピッチ(間隔)よりも大きく設定することが好ましい。実用的には、突起部141の第2方向Yのピッチの1/2よりも小さいピッチに、突起部141の第1方向Xのピッチを設定する。尚、突起部141の第2方向Yにおけるピッチは、背面基板12に接着された複数の固定部材140の中の隣り合う2つの固定部材140のピッチ(間隔:図2の例では140Aと140Bとの間隔)と考えることができる)。この様に設定することで、衝撃が真空容器10に突起部を介して入力された際、スペーサ14の長手方向100に沿って応力を低減でき、真空容器10の変形を抑制することができる。その結果、真空容器10の破損を抑制できる。
【0051】
一方、突起部141の第2方向Yにおけるピッチ(間隔)を突起部141の第1方向Xにおけるピッチ(間隔)よりも小さく設定すると、スペーサ14の長手方向100に沿って応力を低減する効果が発揮できず、好ましくない。この場合、ライン状の固定部材を、その長手方向をスペーサの長手方向100と直交する方向に沿って設けた場合と同様になる。
【0052】
次に、上述した固定部材の第1の変形例を図6(A)、図6(B)を用いて説明する。図6(A)は、本変形例の表示パネルの背面側の斜視図である。図6(B)は、本変形例の表示パネルの、背面側から見た分解図である。尚、本変形例の画像表示装置において、図6(A)のC−C’線に沿った断面図は、図2(B)と同様になる。
【0053】
第1の変形例としては、図6(A)に示す様に、板状ユニット242と突起部241とから構成される固定ユニット270を、多数、ライン状に並べる。ここでは、一直線に並んだ固定ユニット270をまとめて固定部材240A,240Bと呼ぶ。本変形例では、表示パネルは固定部材240A,240Bを複数組有する。図6では、2組の固定部材240A,240Bが構成されている。各々の固定ユニット270は板状ユニット242とその上に固定された突起部241とを備えている。複数組の固定ユニット270は、スペーサ14の長手方向100に沿って、互いに所定距離だけ離れる(離間する)ように、且つ、複数のライン状に配列されるように、真空容器10の外面に接着固定される。固定ユニット270を接着する接着部材230は、開口231を有する周状部分232が固定ユニット270に合わせて並べられている。その他の点については、図1、図2(A)、図2(B)を用いて説明した例と同様である。従って、第1の変形例は、図1、図2で示した固定部材140を構成する連結部143を取り除いた構成に相当する。
【0054】
上記した変形例においても、図1および図2に示す固定部材140と同様に、真空容器10内のスペーサ14の変形やスペーサ14が当接する部分(スペーサ当接層40)に発生するせん断応力を低減できる。
【0055】
本発明における固定部材140A,140B,240A,240Bは、従来、真空容器の外面に設けられていた補強フレームのような真空容器を補強する機能は実質的に備えてない。真空容器10の剛性、特に面方向におけるねじりの剛性については、前面板110が、その役割を担っている。そのため、本発明の表示パネルおよび画像表示装置では、真空容器10の外面に従来設けていた複雑で重厚な補強フレームのような部材を設けずに済む。
【0056】
次に、上述した固定部材の第2の変形例を図7(A)、図7(B)を用いて説明する。図7(A)は、固定部材を構成する1つの板状ユニット342を示した模式図であり、図7(B)は図7(A)の一点鎖線C−C’に沿った板状ユニット342の断面模式図である。実際には、固定部材は複数の板状ユニット342から構成されており、図6に示すように板状ユニット342が並べられていても良く、図1に示すように互いに隣接する板状ユニット342が連結部によって連結されていても良い。板状ユニット342は、図1と同様に接着部材の周状部分(不図示)により背面基板(不図示)に直接接着される周縁部342aと、周縁部342aの内側に位置する弾性部342bとを有する。弾性部342bは、座グリ加工が施されており、周縁部342aよりも板厚が薄くなっている。板厚の薄い弾性部342bにより板状ユニット142の曲げ剛性が低くされている。なお、図7(A)の例では弾性部342bは四角形となっているが、形状や座グリ深さは真空容器10の剛性や想定される外力等により、適宜決定される。
【0057】
固定部材の第3の変形例を図8(A)、図8(B)を用いて説明する。図8(A)は、固定部材を構成する1つの板状ユニット442を示した模式図であり、図8(B)は図8(A)の一点鎖線D−D’に沿った板状ユニット442の断面模式図である。実際には、固定部材は複数の板状ユニット342から構成されており、図6に示すように板状ユニット342が並べられていても良く、図1に示すように互いに隣接する板状ユニット342が連結部によって連結されていても良い。板状ユニット442は、接着部材の周状部分により背面基板(不図示)に直接接着された周縁部442aと、周縁部442aの内側に位置する弾性部442bとを有する。本変形例では、弾性部442bは、周縁部442aよりもヤング率の低い材料で構成されている。ヤング率の低い弾性部442bによって板状ユニット142の曲げ剛性は周縁部442aが低くされている。例えば、周縁部442aを鉄(ヤング率:約210GPa)、弾性部442bをアルミニウム(ヤング率:約70GPa)とし、周縁部442aと弾性部442bとをカシメや溶接により接合することができる。なお、図8(A)の例では弾性部442bは四角形となっているが、弾性部442bの形状や材料は真空容器10の剛性や想定される外力等により、適宜決定される。例えば、弾性部442bは、図1に示す形状と同じ形状であっても良いし、図7に示すように周縁部442aよりも板厚を薄くしても良い。
【実施例】
【0058】
以下、具体的な実施例について説明する。まず、画像表示装置の概要から説明する。真空容器10を構成する前面基板11の表面(大気側の面)に前面板110が接着部材120を用いて接着固定されている。また、真空容器10を構成する背面基板12の表面(大気側の面)に固定部材140が接着部材120を介して接着固定されている。真空容器10の詳細は、基本的に、図9、図10を用いて説明したものと同じである。画像表示領域は対角55インチとした。また電子放出素子18として表面伝導型電子放出素子を用いた。電子放出素子18は、銀粒子を含有する導電性ペーストを焼成して形成した走査配線と信号配線のそれぞれに接続している。前面基板11と背面基板12の厚みは1.8mmとし、前面基板11と背面基板12との間隔を1.6mmとした。
【0059】
扁平で矩形状の真空容器10は真空中で封着され、その内部は1.0×10-5Paに保たれている。側壁13はガラスからなり、接着部材23としてインジウムを用いた。前面基板11と背面基板12との接合は、真空チャンバー内で、側壁13と接着部材23とから構成される接合部材を局所的に加熱しながら、背面基板12を前面基板11側に押しつけることによって行った。複数の細長い板状のスペーサ14は、扁平で矩形状の真空容器10の長手方向(”第1方向X”又は”水平方向”)と同じ方向に長手方向100を有する。複数の細長い板状のスペーサ14は、真空容器10の長手方向と直交する方向(”第2方向Y”または”鉛直方向”)に、15mmの間隔をあけて配置されている。スペーサ14はガラスからなり、その厚みは200μmとした。スペーサ14は走査配線上に設けられ、その長手方向の両端部を背面基板12に無機接着剤(東亞合成製のアロンセラミックD)によって固定した。また、前面板110の長手方向と真空容器10の長手方向及び板状のスペーサ14の長手方向100を平行になるように配置している。また、前面板110は、前面基板11及び背面基板12と同じガラス板であり、真空容器10の画像表示領域より大きい。実施例では、前面板110の厚みは2.5mmとした。その大きさは前面基板11と同じとしたが、ガラスであれば厚みは実用上1.5mmから3.5mmの範囲であればよい。接着部材120はアクリル系のUV硬化樹脂接着剤を使用した。そして、前面板110の前面基板11に対向する面の全体にアクリル系のUV硬化樹脂接着剤を塗布し、その厚みは0.5mmとしたが、実用上厚みは0.1mmから1mmの範囲であればよい。アクリル系のUV硬化樹脂はヤング率1〜10MPaで、破断伸びが100%以上のものを使用する。このような前面板110と接着部材120との組み合わせによるメリットとして、画像表示部における、外光の反射や写り込みを防止できる。
【0060】
接着部材130としては接着剤や両面テープなどが考えられるが、接着剤としてはシリコーン系の弾性を有する樹脂接着剤を用いることができ、両面テープとしてはアクリル基材の両面テープを用いることができる。実施例では、シリコーン系の弾性を有する樹脂接着剤を用いた。シリコーン樹脂接着剤はヤング率1〜10MPaで、破断伸びが100%以上のものを使用する。シリコーン樹脂接着剤は、固定部材140の背面基板12に対向する面の所定の箇所に塗布され、厚みを0.5mmとしたが、実用上、厚みは0.1〜2mmの範囲であればよい。
【0061】
固定部材140は、図2に示した構成を備える。図2(A)は、本実施例における表示パネルの背面側の斜視図である。図2(B)は、図2(A)の真空容器10を用いた画像表示装置の、図2(A)の一点鎖線A−A’に相当する断面における、断面模式図である。本実施例で用いた固定部材140は、図1、図2に示した構成を備える。2本のライン状の固定部材140A,140Bを、互いに離間して、真空容器10を構成する背面基板12の外面に接着部材130によって接着した。それぞれの固定部材140A,140Bは、複数の板状ユニット142と複数の連結部143とが交互に設けられて構成されている。板状ユニット142のそれぞれの上には複数の突起部141が固着されている。さらに、固定部材140A,140Bの板状ユニット142は、接着部材130の周状部分132により背面基板12に直接接着された周縁部142aと、周縁部142aの内側に位置する弾性部142bとを有する。弾性部142bは切り欠き144を有している。切り欠き144を有する弾性部142bにより、板状ユニットの142の曲げ剛性が低くされている。なお、実施例では固定部材140を構成する全ての板状ユニット142に弾性部142bを設けたが、実際には弾性部142bは支持体150と接続される突起部141を有する板状ユニット142にあればよく、支持形態により適宜決定される。板状ユニット142はプレス加工により成型した。突起部141は、支持体150に真空容器10を固定し真空容器10を支持する為の支持点としての機能を持たせる為に、メネジ加工を施した。本実施例では、突起部141はヘッダー加工により形成した。板状ユニット142と突起部141の固定は、板状ユニット142と接する箇所における突起部141に対し、ローレット加工及び溝加工を施し、外面からの圧入カシメを実施した。
【0062】
固定部材140の形状は、板状ユニット(幅広部分)142は縦60mm×横60mmであり、連結部143は縦10mm×横140mmとした。弾性部142bに形成された切り欠き144は上底約12mm×下底約22mm×高さ10mmの台形であり、突起部141に台形の上底が向くように4方向に一つずつ配置した。また、固定部材140の厚みは2mmとした。ここでは厚みを2mmに設定したが、材質が金属や合金であれば、実用上は1mm以上30mm未満とすることが好ましく、10mm未満とすることがより好ましい。また、固定部材140の材料としては、亜鉛メッキ鋼板を用いた。また、1つの板状ユニット142の中央部に1つの突起部141を固定した。尚、ここでは、突起部141は、その頂部(背面基板12の外面から最も離れた部分)の、背面基板12の外面からの高さを25mmとした。実用的には、回路基板の配置などを考慮して、突起部141の背面基板12の外面からの高さは、5mm以上30mm未満であればよい。突起部141の材料としては、ステンレス鋼を用いた。また突起部(支持点)141の水平方向ピッチは200mmとした。2本の固定部材140A,140Bは、間隔を空けて、真空容器10の外面(背面基板12の大気側の面)上に設けた。そして、固定部材140にネジ留めにより支持体150を固定した。尚、本実施例では、2つの固定部材140A,140Bを用いたが、固定部材の数は2つ以上であることができる。また、本実施例では、突起部141(支持点)の鉛直方向ピッチは420mmとしたが、実用上400〜430mmの範囲であれば良い。一方の固定部材140Aの位置は、真空容器10の画像表示領域(又は背面基板12)の水平方向(スペーサ14の長手方向100)に沿って延びた中心線161を対称軸として、他方の固定部材140Bに対して線対称な関係を満たす。また、それぞれの固定部材140A,140Bは、画像表示領域(又は背面基板12)の鉛直方向に沿って延びた中心線162を対称軸として、線対称な関係(画像表示領域の中心線162で折り返した形状)となるように配置した。突起部141はφ16mmの円柱形状とした。尚、突起部141の形状としては円柱型ではなく、四角柱型、多角柱型でもよい。これらの寸法は、真空容器10の剛性、前面板110の剛性、接着部材120の機械的特性、接着部材130の機械的特性、また複数の固定部材140の剛性により変化させ、適正値を導き出す事ができる。
【0063】
接着部材130の形状は、固定部材140と概ね同じ形状になるように、板状ユニット142の直下(周状部分132)では縦60mm×横60mmとし、連結部143の直下では縦10mm×横140mmとした。また、周状部分132の開口131の形状を突起部141の外形面積以上になる縦40mm×横40mmとなるようにした。即ち、板状ユニット142の直下では、幅10mm、縦60mm×横60mmの口の字形状で、厚みは0.5mmとした。開口131は四角形という限定はなく、円形、多角形でもよい。これらの寸法は、真空容器10の剛性および重量、前面板102の剛性および重量、接着部材120の機械的特性、接着部材130の機械的特性、また複数の固定部材140の剛性により変化させ、適正値を導き出す事ができる。
【0064】
弾性部142bにより板状ユニット142の曲げ剛性が低減された効果を確認するため、突起部141の4箇所を剛体に組みつけて表示パネルを支持し、表示パネルのコーナーを前面板110側から表示パネル面に垂直な方向(板面垂直方向)に荷重を加えた。この実験では、147Nの荷重を加えた。ここで、この板状ユニットの周縁部と同一の材料、同一の形状および同一の大きさの外側部分と、該外側部分の内側が該外側部分と同一の材料で埋められた内側部分と、を有する平板542(図5(A)参照)によって構成される固定部材も作製した。そして、同様の実験を、この平板を有する固定部材を用いた表示パネルについても行った。その結果、平板542によって構成される固定部材と比較して、本実施例の固定部材140では前面板110上の応力が約14%減少し、真空容器10の割れが無い事、また真空容器10の割れ応力より低い応力発生であることを確認した。また、荷重を加えた後に、画像表示装置として、画像を表示させたところ放電現象は確認されず、長期に渡って安定な表示画像を得ることができた。また、真空容器10を解体したところ、スペーサ14自体の破損はなく、スペーサ14によって、メタルバック層20やスペーサ当接層40が破砕された痕跡は見られなかった。
【0065】
複数の固定部材140を上記した形状とする事により、電気回路基板の実装面を平らにすることができ、支持体150と背面基板12との間に、従来のように補強フレームの位置をほとんど考慮することなく、電気回路を好ましい位置に配置することができる。そのため、電気回路の設計上の制約を減らすことができた。本実施例においては、設計上の制約は、突起部141との干渉を回避することが挙げられる。しかし、突起部141の形状に応じて、回路基板または回路基板を固定した基板の一部に穴を空けるか、突起部141が無い箇所に回路基板を配置する事により、設計上の制約を小さくすることができた。また、従来必要であった補強フレーム(特許文献1参照)などの支持部材を備えた表示パネルに比べて、表示パネルの大幅な重量削減、費用削減効果が得られた。本実施例によれば、この場合であっても、従来と同程度の表示パネルの強度を得ることができる。
【0066】
以上述べたように、本発明により、ユーザーの不注意などにより画像表示装置に外力が加えられた場合においても、スペーサの変形やスペーサ当接層のせん断力を低減でき、放電の発生を抑制し、安定した良好な表示画像を得ることができた。また、画像表示装置の薄型、軽量化、低コスト化を実現できた。
【符号の説明】
【0067】
11 前面基板
12 背面基板
14 スペーサ
110 前面板
130 接着部材
132 周状部分
140 固定部材
142 板状ユニット
142a 周縁部
142b 弾性部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面板が接着された前面基板、該前面基板と対向する背面基板、および前記前面基板と前記背面基板との間に長手方向が互いに平行になるように設けられた複数の板状のスペーサを備えた真空容器と、前記背面基板の外面に接着部材により接着された固定部材と、を備える表示パネルであって、
前記接着部材は、前記スペーサの前記長手方向に沿って複数並んだ、内側が開口した周状部分を有しており、
前記固定部材は、前記スペーサの前記長手方向に沿って複数並んだ板状ユニットと、前記板状ユニットから前記真空容器とは反対側に向けて突出し、前記真空容器を支える支持体に固定される突起部と、を有し、
前記板状ユニットは、前記接着部材の前記周状部分に直接接着した部分である周縁部と、該周縁部の内側に位置する弾性部とを有することを特徴とする、表示パネル。
【請求項2】
前記弾性部は、前記板状ユニットの板面に垂直な方向に前記板状ユニットを貫通する切り欠きを有することを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記弾性部は、前記板状ユニットの板面に垂直な方向における前記周縁部の厚みよりも薄いことを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記弾性部は、前記周縁部の材料よりもヤング率が小さい材料で形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記固定部材は、互いに隣接する前記板状ユニットを連結し、前記板状ユニットよりも前記背面基板の外面に平行な方向の幅の小さい連結部を有していることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記スペーサの前記長手方向に沿って並んだ前記板状ユニットを含む前記固定部材を複数組有し、該複数組の固定部材は、前記スペーサの前記長手方向に直交する方向に所定の間隔を置いて配置されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示パネルを備えた画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−103614(P2012−103614A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254010(P2010−254010)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】