説明

表示パネルの駆動方法

【課題】
表示パネルの駆動の際に良好な階調表現を可能にしつつ振動音の減少を図ることができる表示パネルの駆動方法を提供する。
【解決手段】
入力映像信号に基づいて、複数のサブフィールドからなる単位表示期間のシーケンス形態を構築し、視聴者が表示パネルを視聴する際の視聴位置に基づいて得られる視聴位置情報に基づいてシーケンス形態を補正して補正シーケンスとし、この補正シーケンスに基づいて表示パネルを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力映像信号に対応した画像を表示するプラズマディスプレイパネル等の表示パネルの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、薄型平面の表示パネルとしてプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)、或いはエレクトロルミネセントディスプレイパネル(以下、ELDPと称する)を搭載した表示装置が知られている。これらPDP及びELDPにおいて各画素を担う発光素子は「点灯」及び「消灯」の2状態しかもたない。そこで、入力された映像信号に対応した中間調の輝度を得るべく、サブフィールド法を用いてPDP及びELDPの如き表示パネルを階調駆動するようにしている。
【0003】
サブフィールド法では、入力された映像信号における1フィールド表示期間を、夫々に輝度重み(重み比)に対応した発光回数が割り当ててある複数のサブフィールドに分割する。ここで、表示パネルの各画素を入力映像信号に応じて各サブフィールド毎に「点灯」及び「消灯」状態の内の一方の状態に設定し、各サブフィールド毎に「点灯」状態にある画素をそのサブフィールドに割り当てられている重み比に対応した発光回数だけ発光させる。かかる駆動方法によれば、1フィールド表示期間内の各サブフィールドで実行された発光回数の合計により入力映像信号に対応した中間調の輝度が表現される。
【0004】
更に、入力映像信号に基づき1画面毎に、各輝度毎の頻度を示す輝度頻度データを生成し、かかる輝度頻度データに基づいて全ての輝度領域を対象として、その頻度に応じてサブフィールドの数を調整するようにした駆動方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。かかる駆動方法により、頻度が大なる輝度を含む輝度区分領域ほどその輝度区分領域に割り当てるべきサブフィールドの数を多くすれば、入力映像信号に基づく画像の明るさに追従した良好な階調表現(滑らかな輝度変化)が為されるようになる。
【特許文献1】特開2004−240103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サブフィールド法を採用すると、各フィールド構成のうちのサブフィールドのサスティン期間の時間長によっては、表示パネルの前面板と背面板が振動し、その振動音がノイズ(異音)として視聴者に感じることがあった。これは特に、人間が実際に耳障りと感じる高音の可聴帯域である周波数12KHz付近の振動音がノイズとして視聴者に不快に感じられる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題には、上記の問題点が一例として挙げられ、表示パネルの駆動の際に良好な階調表現を可能にしつつ振動音の減少を図ることができる表示パネルの駆動方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明の表示パネルの駆動方法は、画素を担う表示セルの複数が配列された表示パネルを、入力映像信号における単位表示期間毎に複数のサブフィールドにて駆動するに際し、前記サブフィールド各々において前記表示セル各々を前記入力映像信号に基づき点灯モード及び消灯モードの内の一方の状態に設定するアドレス行程と、このアドレス行程に後続し前記点灯モードの状態にある前記表示セルのみを発光させるサスティン行程と、を備えた表示パネルの駆動方法であって、前記入力映像信号に基づいて、前記複数のサブフィールドからなる前記単位表示期間のシーケンス形態を構築し、視聴者が前記表示パネルを視聴する際の視聴位置に基づいて得られる視聴位置情報に基づいて前記シーケンス形態を補正して補正シーケンスとし、この補正シーケンスに基づいて前記表示パネルを駆動することを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
請求項1に係る発明の表示パネルの駆動方法においては、入力映像信号に基づいて、複数のサブフィールドからなる1フィールド等の単位表示期間のシーケンス形態が構築され、視聴者の視聴位置に基づいて得られる視聴位置情報に基づいたシーケンス形態の補正により補正シーケンスが作成され、この補正シーケンスに基づいて表示パネルが駆動される。人間の視覚特性には視聴距離が近いほど階調に敏感になり視聴距離が遠くなる程、鈍感になるという特性があるので、例えば、表示パネルからの視聴者の視聴位置が近い場合には階調重視で各サブフィールドのサスティン期間を設定したシーケンス形態を構築し、表示パネルからの視聴者の視聴位置が遠くなるに従って表示パネルの振動音を抑制するように各サブフィールドのサスティン期間を設定したシーケンス形態を構築することが行われる。よって、表示パネルの駆動の際に良好な階調表現を可能にしつつ振動音の減少を図ることができる。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明が適用されたプラズマディスプレイ装置の構成を示す図である。このプラズマディスプレイ装置は、A/D変換器1、フレームメモリ2、視聴距離センサ3、SF構築回路4、SFデータ生成回路5、SFメモリ6、駆動制御回路7、アドレスドライバ8、X電極ドライバ9、Y電極ドライバ10及びプラズマディスプレイパネル(PDP)11を備えている。
【0011】
PDP11は、放電ガスが封入されている放電空間を挟んで対向配置された前面透明基板及び背面基板(図示せぬ)を備えている。前面透明基板上には2次元画面の横方向(水平方向)に夫々伸張して配列された行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynが形成されている。これら行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynは、夫々一対の行電極Xi及びYi(i:1〜n)にて、PDP11における第1〜第n表示ラインを担っている。背面基板上には、行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Yn各々と交叉するように、2次元表示画面の縦方向(垂直方向)に夫々伸張して配列された列電極D1〜Dmが形成されている。上記放電空間を含む各行電極対(X、Y)と列電極Dとの交叉部に、画素としての表示セルPCが形成される構造となっている。すなわち、PDP11には、第1行・第1列の表示セルPC(1,1)〜第n行・第m列の表示セルPC(n,m)からなる(n×m)個の表示セルPCがマトリクス状に配列されているのである。
【0012】
A/D変換器1は、入力映像信号VDを各画素(表示セルPC)毎にその輝度レベルを例えば8ビットで表す画素データPDに変換してフレームメモリ2に供給する。フレームメモリ2は、これら画素データPD(1,1)〜PD(n,m)の各々を順次書き込み、その書き込まれた画素データPD(1,1)〜PD(n,m)の各々を順次読み出してSFデータ生成回路5に供給する。
【0013】
SFデータ生成回路5は、フレームメモリ2から順次読み出された画素データPDに対し、先ず、誤差拡散処理及びディザ処理等からなる多階調化処理を施す。例えば、SFデータ生成回路5は、画素データPDの上位ビット群を表示データ、残りの下位ビット群を誤差データと捉える。SFデータ生成回路5は、周辺画素各々に対応した画素データにおける上記誤差データを重み付け加算したものを、上記表示データに反映させることにより誤差拡散処理画素データを得る(誤差拡散処理)。次に、SFデータ生成回路5は、互いに隣接する複数の画素からなる画素群毎に、各画素に対応した上記誤差拡散処理画素データに夫々、互いに異なる係数値からなるディザ係数を夫々割り当てて加算し、その加算結果中の所定の上位ビット群を多階調化画素データとして得る(ディザ処理)。
【0014】
次に、SFデータ生成回路5は、上記多階調化画素データに基づき、図2に示す如きN個(N:整数)のサブフィールドSF1〜SFN各々において、表示セルPCを点灯及び消灯モードの内のいずれの状態に設定するのかを各ビット毎に示すSFデータGDを生成する。なお、1フレーム表示期間内でのサブフィールドの総数Nは、SF構築回路4から供給される後述するSF構築データによって指定された数である。SFデータ生成回路5は、各画素毎のSFデータGD各々を順次、SFメモリ6に供給する。
【0015】
SFメモリ6は、各画素毎のSFデータGD各々を順次書き込み、1フレーム分の書き込みが終了する度に、以下の如き読み出し動作を行う。SFメモリ6は、図2に示す如きサブフィールドSF1〜SFN各々において、1フレーム分のSFデータGD各々から、そのサブフィールドに対応したビット桁を分離して読み出し、各々SF1〜SFNのアドレスデータビットDBとしてアドレスドライバ8に供給する。
【0016】
駆動制御回路7は、SF構築データに基づく図2に示す発光駆動シーケンスに従って、PDP11を駆動すべき各種駆動制御信号を、アドレスドライバ8、X電極ドライバ9及びY電極ドライバ10からなるパネルドライバに供給する。すなわち、駆動制御回路7は、図2に示す如きサブフィールドSF1〜SFN各々において、アドレス行程W及びサスティン行程I各々に従った駆動を順次実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。また、駆動制御回路7は、先頭のサブフィールドSF1に限り、アドレス行程Wに先立ち、リセット行程Rに従った駆動を実施させるべき各種制御信号をパネルドライバに供給する。パネルドライバ(アドレスドライバ8、X電極ドライバ9及びY電極ドライバ10)は、駆動制御回路7から供給された各種制御信号に応じた駆動パルスを生成してPDP11の列電極D、行電極X及びYに供給する。
【0017】
先ず、先頭のサブフィールドSF1のリセット行程Rでは、X電極ドライバ9及びY電極ドライバ10が、リセットパルスを全ての行電極X1〜Xn及び行電極Y1〜Ynに印加する。かかるリセットパルスの印加に応じて、全ての表示セルPC内においてリセット放電が生起され、全表示セルPC内には所定量の壁電荷が形成される。これにより、全ての表示セルPCは点灯モードの状態に初期化される。また、サブフィールドSF1〜SFN各々のアドレス行程Wでは、アドレスドライバ8が、SFメモリ6から供給されたSFアドレスデータビットDBの論理レベルに対応したパルス電圧を有する画素データパルスを生成する。例えば、アドレスドライバ8は、SFアドレスデータビットDBが論理レベル1である場合には高電圧、論理レベル0である場合には低電圧の画素データパルスを生成する。そして、アドレスドライバ8は、かかる画素データパルスを1表示ライン分(m個)ずつの画素データパルス群として列電極D1〜Dmに印加する。更に、アドレス行程Wでは、Y電極ドライバ10が、各画素データパルス群の印加タイミングと同一タイミングにて、走査パルスを行電極Y1〜Ynへと順次印加して行く。この際、走査パルスが印加された行電極と、高電圧の画素データパルスが印加された列電極との交叉部の表示セルPCにのみ選択的に放電が生じ、その表示セルPC内に残存していた壁電荷が消去される。つまり、壁電荷を失った表示セルPCは消灯モードに設定されるのである。一方、かかる放電が生起されなかった表示セルPCはその直前までの状態、つまり点灯モード又は消灯モードの状態を維持する。
【0018】
サブフィールドSF1〜SFN各々のサスティン行程Iでは、X電極ドライバ9及びY電極ドライバ10が、そのサブフィールドのサスティン期間の長さ(重み比)に対応した回数分だけ、行電極X1〜Xn及びY1〜Ynに対して交互に繰り返しサスティンパルスを印加する。従って、X電極ドライバ9及びY電極ドライバ10は、例えば、サブフィールドSF1のサスティン行程IではSF構築データが示すサブフィールドSF1のサスティン期間の長さ(又は重み比)に応じたパルス数、サブフィールドSF2のサスティン行程IではSF構築データが示すサブフィールドSF2のサスティン期間の長さ(又は重み比)に応じたパルス数だけ繰り返しサスティンパルスを印加する。かかるサスティンパルスの印加により、壁電荷が残留したままとなっている表示セルPC、すなわち点灯モードの状態にある表示セルPCのみが、このサスティンパルスが印加される度にサスティン放電し、そのサスティン放電に伴う発光状態を維持する。
【0019】
以上の如き駆動により、各フレーム(フィールド)表示期間内において生起されたサスティン放電の総数に対応した輝度が視覚される。
【0020】
ここで、上述した如きSF構築データは、図1に示されるSF構築回路4にて生成される。
【0021】
視聴距離センサ3は、PDP11における表示画面と、この表示画面に表示された画像を鑑賞すべく表示画面の前方に存在する視聴者との間の距離(以下、視聴距離Leと称する)を検出しその距離Leを示す信号をSF構築回路4に供給する。視聴距離センサ3は、例えば、熱線センサと超音波センサとから構成される。熱線センサは、表示画面の前方に存在する物体(床、壁、椅子等)又は人体から照射される遠赤外線の量を検出し、その検出量が所定量以上となる状態が一定期間継続した場合にのみ人体の存在を検知したことを示す人体検知信号を超音波センサに供給する。超音波センサは、この人体検知信号が供給されていない間において、少なくとも1度だけ表示画面の前方に向けて超音波を照射し、その反射波のパターンを非人体反射パターンとして記憶しておく。一方、上記人体検知信号が供給された際には、超音波センサは、表示画面の前方に向けて超音波を照射し、その反射波のパターン中から上記非人体反射パターンには存在しない反射波を人体反射波として抽出する。そして、超音波センサは、超音波の照射開始からこの人体反射が帰ってくるまでの遅延時間を測定し、かかる遅延時間に基づいて視聴距離を示す視聴距離信号Leを算出するのである。また、この視聴距離センサ3として、視聴位置にマイクを設置し、プラズマディスプレイ装置に設けられたスピーカーから発せられる音をこのマイクが集音することにより、スピーカーからマイクまでの音の到達時間を検出して、その検出結果に基づいて視聴距離を検出する構成を用いても良い。
【0022】
視聴距離センサ3は、例えば図3に示す如きプラズマディスプレイ装置の表示面13の周辺部、つまり画面枠14の表面上に設置する。
【0023】
図4は、SF構築回路4の内部構成の一例を示している。SF構築回路4はSF生成部41、SF補正部42及びSF選択部43を備えている。
【0024】
SF生成部41は、入力映像信号に応じて1フィールドの表示期間を複数のサブフィールドSF1〜SFNに分割して階調重視のサブフィールドを構築し、その構築内容を示す初期SF構築データを生成する。初期SF構築データは少なくとも、サブフィールドの数、サブフィールド毎のリセット行程R、アドレス行程W及びサスティン行程Iの有無及び順番、並びにサスティン行程の期間(サスティン期間)の長さ及び重み比を示す。
【0025】
SF補正部42はSF生成部41によって生成されたサブフィールドSF1〜SFNについての初期SF構築データに応じて周期T1〜TN−1を変更した振動音抑制のサブフィールドを構築する。周期T1〜TN−1各々は1フィールド表示期間内の時間的に連続する2つのサブフィールドSFj,SFj+1のうちの前のサブフィールドSFjのサスティン行程開始時から後のサブフィールドSFj+1のサスティン行程開始時までの繰り返し期間Tである。jは1〜N−1のいずれかの整数である。SF補正部42が補正によって生成するサブフィールドの構築は複数のパターンでも良い。この実施例では2つの異なるパターンを示す第1及び第2補正SF構築データがSF補正部42から生成されるようにされている。振動音抑制効果は第1補正SF構築データによる場合に比べて第2補正SF構築データによる場合の方が大となるようにされている。
【0026】
SF選択部43は、SF生成部41及びSF補正部42に接続されると共に、視聴距離センサ3に接続されている。SF選択部43は、SF生成部41及びSF補正部42各々で得られたサブフィールドのSF構築データを選択し、その選択は、視聴距離センサ3によって生成された視聴距離Leに応じて行われる。
【0027】
プラズマディスプレイ装置において、視聴者に不快なノイズとして感じられる高音の振動音の周波数は特に11〜13KHzの範囲内である。そして、この周波数の範囲から外れる振動音は、この周波数の範囲に比べてあまり視聴者に気にならない振動音である。
【0028】
この振動音は、各フィールド(フレーム)表示期間内の時間的に連続する2つのサブフィールドのうちの前のサブフィールドのサスティン行程開始時から後のサブフィールドのサスティン行程開始時までを繰り返し期間である周期T1〜TN−1に同期して前面板と背面板が振動することにより発生する。
【0029】
すなわち、周期T1〜TN−1の時間間隔が、11〜13KHzに該当する76〜90μsになった場合に、不快なノイズとして感じられるのである。
【0030】
図5はSF生成部41によって生成される初期SF構築データが示す1フィールド分のサブフィールドSF1〜SF8の構成例を示している。ここで、1フィールドの表示期間内のサブフィールドの数Nを8としている。サブフィールドSF1のRで示した部分がリセット行程の期間である。サブフィールドSF1ではリセット行程後がアドレス行程であり、サブフィールドSF2〜SF8各々では開始直後がアドレス行程である。サブフィールドSF1〜SF8各々のアドレス行程後がサスティン行程である。図5においてサスティン行程の枠内に示された数字がそのサブフィールドの重み比である。各サブフィールドの重み比(サスティン期間の長さに比例する)は、視感度曲線(γ補正カーブ)からSF1≦SF2≦SF3≦・・・≦SF8となっている。
【0031】
この図5に示すように、サブフィールドSF2のサスティン行程開始時からサブフィールドSF3のサスティン行程開始時までの期間T2、及びサブフィールドSF3のサスティン行程開始時からサブフィールドSF4のサスティン行程開始時までの期間T3が、この76〜90μs(以下、この範囲76〜90μsをTrとする)であったとすると、このサブフィールドSF2,SF3の実行によって不快な振動音が発生する。
【0032】
これは、振動音を考慮せず、良好な階調表示を目的として1フィールド分の複数のサブフィールドを構築すると、構築された複数のサブフィールドのうちのいずれかの連続する2つのサブフィールドにおいて周期TがTrに等しくなってしまう可能性が大きいからである。
【0033】
Trは76〜90μsのようにある程度の幅を持ち、かつ1フィールドの表示期間(60Hzで16.7ms)に比べて、極短い長さであるので、このT=Trは、各フィールドの表示期間の全サブフィールド中のうちサスティン期間の短い、前半のサブフィールドで発生しやすい。更に、階調表示能力を上昇させるために、1フィールドのサブフィールドの数を多くすればするほど、サスティン期間が短いサブフィールドが多く構築されることになり、これにより1フィールドの期間中の周期T1〜TN−1のいずれかがTrという周期を持ちやすくなる。
【0034】
すなわち、階調重視でサスティン期間を設定して各サブフィールドを構築すると、Trという長さの周期T(T1〜TN−1のいずれか)を有するサブフィールドが生じてしまう。
【0035】
一方、人間の視覚特性として、視聴距離が近いほど階調に敏感になり視聴距離が遠くなる程、鈍感になるという特性がある。
【0036】
よって、本実施例では、視聴距離が近い場合は、階調重視のフィールド構成を用いた駆動が行われ、視聴距離が遠い場合は、階調の精細感が気にならないので、振動音の発生を防止するフィールド構成を用いた駆動が行われる。
【0037】
図6は図5の初期SF構築データに基づいた第1補正SF構築データが示す1フィールド分の複数のサブフィールドSF1〜SF8の構築例を示し、図7は同様に、図5の初期SF構築データに基づいた第2補正SF構築データが示す1フィールド分の複数のサブフィールドSF1〜SF8の構築例を示している。これらの1フィールド構成における1フィールドの表示期間の全サブフィールド数は、図5の全サブフィールド数と同数である。これは、SF生成部41で構築された階調特性をなるべく崩したくないためである。
【0038】
SF補正部42は、1フィールドの表示期間毎に図8に示すように、第1及び第2補正SF構築データを生成するに当たり、初期SF構築データが示す1フィールドの期間中の周期T1〜TN−1のうちのいずれかがTrに等しいかを判別する(ステップS421)。周期T1〜TN−1のうちのいずれかがTrに等しい場合には、そのTrに等しい周期の開始時を有するサブフィールドに対するサスティン期間を増加させるように補正する(ステップS422)。また、その増加分だけ他のサブフィールドのサスティン期間を減少させる補正を行う(ステップS423)。このステップS423は、ステップS422の重み比加算によって、1フィールド中の長くなった分のサスティン期間を減らして、1フィールド中の合計サスティン期間が補正前と補正後で変わらないようにしている。これにより、加算したサスティン期間分によって、1フィールドという限られた期間(1フィールド60Hzで16.7ms)内に、補正後の複数のサブフィールドの合計期間が含まれるのである。また、補正後の複数のサブフィールドにおいても重み比の関係は上記のようにSF1≦SF2≦SF3≦・・・≦SFNとなり、良好な階調再現性が得られる視感度曲線が維持されるように補正される。
【0039】
第1補正SF構築データの生成については、例えば、図5の複数のサブフィールドSF1〜SF8では、周期T2,T3がTrに等しい。T2内にサスティン期間が含まれるサブフィールドSF2とT3内にサスティン期間が含まれるサブフィールドSF3とに対してサスティン期間を増加させることが行われる。サブフィールドSF2では重み比が2のときにTrに等しい周期T2となり、サブフィールドSF3では重み比が3のときにTrに等しい周期T3となっている。一方、サブフィールドSF4のように重み比が4以上であれば、Trに等しくない周期T4〜T7となっている。よって、ステップS422では、4−3=1の重み比をサブフィールドSF2,SF3各々のサスティン期間の重み比を1だけ増加させる。すなわち、図6に示すように、サブフィールドSF2の重み比が3とされ、サブフィールドSF3の重み比が4とされる。
【0040】
ステップS423では、サブフィールド期間の重み比が最大のサブフィールドSF8及び次に大なるサブフィールドSF7各々の重み比が1だけ減少される。すなわち、図6に示すように、サブフィールドSF7の重み比が6とされ、サブフィールドSF8の重み比が7とされる。
【0041】
図6の第1補正SF構築データが示すサブフィールドSF1〜SF8は図5の初期SF構築データのものに比べ、サブフィールドSF2,SF3各々のサスティン期間が長くなり低階調の表現能力が劣るものの、Trを有する周期数が削減され、振動音が少ないフィールド構成となる。
【0042】
第2補正SF構築データの生成については、第1補正SF構築データを更に補正することになる。例えば、図6の複数のサブフィールドSF1〜SF8では、周期T2がTrに等しい。T2内にサスティン期間が含まれるサブフィールドSF2に対してサスティン期間を増加させることが行われる。サブフィールドSF2では重み比が3のときにTrに等しい周期T2となっている。よって、ステップS422では、4−3=1の重み比をサブフィールドSF2のサスティン期間の重み比を1だけ増加させる。すなわち、図7に示すように、サブフィールドSF2の重み比が4とされる。これにより、この図7の第2補正SF構築データによるサブフィールドでは全ての周期T1〜TN−1がTr以外となるので、振動音抑制効果は第1補正SF構築データによる場合に比べて第2補正SF構築データによる場合の方が大となる。
【0043】
ステップS423では、サブフィールド期間の重み比が初期SF構築データにおいて3番目に大きいサブフィールドSF6の重み比が1だけ減少される。すなわち、図7に示すように、サブフィールドSF6の重み比が5とされる。
【0044】
図7の第2補正SF構築データが示すサブフィールドSF1〜SF8は図6の第1補正SF構築データのものに比べ、サブフィールドSF2のサスティン期間が長くなり低階調の表現能力が劣るものの、振動音発生が更に抑制されたフィールド構成となる。
【0045】
なお、ステップS423の重み比の減少をしなくても1フィールドの表示期間内に時間的な余裕がある場合、すなわちステップS422の増加によっても全てのサブフィールドSF1〜SFNの合計期間が1フィールドの表示期間内に収まる場合にはステップS423の処理は省略しても良い。また、ステップS422の重み比の増加分とステップS423の重み比の減少分とが等しくなくても良い。
【0046】
上記の図5の初期SF構築データが示すサブフィールドSF1〜SF8では周期T2,T3だけがTrに等しい場合であったが、初期SF構築データで3つ以上の周期がTrに等しい場合には、Trに等しい周期の数を段階的に減少させるように第1補正SF構築データ及び第2補正SF構築データを作成すれば良い。
【0047】
このようなフィールド構成を有する初期SF構築データ、第1及び第2補正SF構築データがSF選択部43に供給される。
【0048】
SF選択部43は、図9に示すように、視聴距離センサ3によって生成された視聴距離Leが第1距離Le1未満であるか否かを判別する(ステップS431)。Le<Le1である場合、すなわち視聴距離Leが近い場合には、SF生成部41によって生成された階調重視のサブフィールドの初期SF構築データを選択する(ステップS432)。Le≧Le1の場合には、視聴距離センサ3によって生成された視聴距離Leが第2距離Le2未満であるか否かを判別する(ステップS433)。第2距離Le2は第1距離Le1よりも大である。Le1≦Le<Le2である場合、すなわち視聴距離Leが若干遠い場合には、SF補正部42によって生成された第1補正SF構築データを選択する(ステップS434)。第1補正SF構築データは階調重視に振動音抑制を加味したサブフィールドの構築パターンを示している。Le≧Le1の場合、すなわち視聴距離Leがかなり遠い場合には、SF補正部42によって生成された第2補正SF構築データを選択する(ステップS435)。第2補正SF構築データは振動音抑制を重視したサブフィールドの構築パターンを示している。SF選択部43によって選択されたSF構築データはSFデータ生成回路5及び駆動制御回路7に供給される。
【0049】
よって、視聴者の視聴位置がPDP11から第1距離Le1より近い位置であれば、階調に敏感な位置である故、初期SF構築データが選択され、その初期SF構築データによる駆動シーケンスでPDP11が駆動されるので、階調重視の表示を行うことができる。
【0050】
視聴者の視聴位置がPDP11から第1距離Le1以上で第2距離Le2より近い位置であれば、第1補正SF構築データが選択され、その第1補正SF構築データによる駆動シーケンスでPDP11が駆動されるので、階調特性を維持しつつPDP11の振動音が抑制される。
【0051】
視聴者の視聴位置がPDP11から第2距離Le2以上離れた位置であれば、第2補正SF構築データが選択され、その第2補正SF構築データによる駆動シーケンスでPDP11が駆動されるので、PDP11の振動音抑制が良好となる。
【0052】
上記した実施例においては、1フィールド表示期間内の時間的に連続する2つのサブフィールドSFj,SFj+1のうちの前のサブフィールドSFjのサスティン行程開始時から後のサブフィールドSFj+1のサスティン行程開始時までの周期がTr以外になるようにするために、サスティン行程の期間が長くされているが、これに限定されない。サスティン行程の期間を長くすることに代えてサスティンパルスが印加されない休止期間Pを設けても良い。例えば、図5の初期SF構築データのサブフィールドSF2の重み比2のサスティン期間及びサブフィールドSF3の重み比3のサスティン期間に対して、第1補正データの生成においては図10に示すように、重み比1に相当する休止期間Pを各々追加するようにしても良い。同様に、第2補正データの生成においては図11に示すように、初期SF構築データのサブフィールドSF2の重み比2のサスティン期間に対して重み比2に相当する休止期間Pを追加し、サブフィールドSF3の重み比3のサスティン期間に対して重み比1に相当する休止期間Pを追加するようにしても良い。
【0053】
また、上記した実施例においては、3パターンのフィールド構成を示したが、2パターンのフィールド構成でも良い。例えば、上記の初期SF構築データと第2補正SF構築データとを用意しておき、視聴距離Leが所定の距離未満では初期SF構築データを選択し、視聴距離Leが所定の距離以上では第2補正SF構築データを選択するようにしても良い。
【0054】
更に、図7のサブフィールドSF1とサブフィールドSF2とのように、重み比を補正したサブフィールドと、その1つ前のサブフィールであって重み比を補正していないサブフィールドとの間において重み比の差が大となり、階調表示能力に不具合をきたす場合がある。この場合にはその重み比補正対象外のサブフィールドにおいても重み比を変更しても良い。図7の例では補正対象外のサブフィールドSF1についての重み比を例えば、4にしても良い。
【0055】
図12は、SF構築回路4の内部構成の他の例を示している。この図12のSF構築回路4はSF生成部45と、SF補正部46とを備えている。SF生成部45は上記のSF生成部41と同様に、入力映像信号に応じて1フィールドの表示期間を複数のサブフィールドSF1〜SFNに分割して階調重視のサブフィールドを構築してその構築内容を示す初期SF構築データ生成する。SF補正部46はSF生成部45によって生成されたサブフィールドSF1〜SFNについての初期SF構築データを、視聴距離センサ3によって検出される視聴距離Leに対応した係数kに応じて補正する。視聴距離Leと係数kとの関係は図13に示す通りであり、視聴距離Leが大なるほど係数kが大となる。係数kの値はk>1である。視聴距離Leと係数kとの関係はデータテーブルとしてSF補正部46に保存されている。
【0056】
SF補正部46は、具体的には、図14に示すように、視聴距離センサ3によって検出された視聴距離Leを読み取り(ステップS461)、その視聴距離Leに対応した係数kを上記のデータテーブルを用いて設定する(ステップS462)。SF生成部45によって生成された初期SF構築データを読み取り(ステップS463)、その初期SF構築データが示す複数のサブフィールドSF1〜SFNのうちのTrに等しい周期の開始時を含むサブフィールドがあるか否かを判別する(ステップS464)。Trに等しい周期の開始時を含むサブフィールドがあるならば、そのサブフィールドのサスティン期間の長さに係数kを乗算してその新たなサスティン期間のサブフィールドを含む複数のサブフィールドSF1〜SFNを示す補正SF構築データを生成する(ステップS465)。その生成された補正SF構築データはSFデータ生成回路5及び駆動制御回路7に供給される。Trに等しい周期の開始時を含むサブフィールドがないならば、初期FSデータをSFデータ生成回路5及び駆動制御回路7にそのまま出力する(ステップS466)。
【0057】
サスティン期間の増加部分においては、サスティンパルスを印加するか、又は図10及び図11に示したように、本来のサスティン期間後にサスティン期間の増加部分に対応する長さの休止期間Pを設けても良い。
【0058】
図12のSF構築回路4を備えたプラズマディスプレイ装置によれば、視聴距離Leの変化に応じて駆動シーケンスが徐々に変化するので、同じ表示内容において急な階調変化がなく視聴者に違和感を与えることがないという利点がある。
【0059】
また、周期TがTrとなった場合に、上記したように振動音が発生するが、特に12kHzに該当するT≒83μsで視聴者にとって最も気になる振動音となり、T=83μsから離れる程、徐々に気にならなくなる特性がある。よって、図12のSF構築回路4を備えたプラズマディスプレイ装置では、周期Tを徐々に大とする構成であるので、視聴距離Leが大となる程、周期Tが83μsから徐々に大きくなり、気になる振動音が徐々に小さくなっていくことになる。これにより、振動音の急変によって視聴者に違和感を与えることはない。
【0060】
なお、ステップS462では視聴距離Leに対応した係数kを設定しているが、視聴距離Leに対応した加算補正値を設定して良い。この場合には、ステップS465では、Trに等しい周期の開始時を含むサブフィールドのサスティン期間の長さに加算補正値を加算してその新たなサスティン期間のサブフィールドを含む複数のサブフィールドSF1〜SFNを示す補正SF構築データを生成することが行われる。
【0061】
図15は本発明の他の実施例としてプラズマディスプレイ装置の構成を示す図である。このプラズマディスプレイ装置は、上記した如く耳障な振動音として感じる11〜13kHzの如き周波数帯以外の可聴ノイズに対する抑制を可能にした装置であり、A/D変換器1、フレームメモリ2、SF構築回路4、SFデータ生成回路5、SFメモリ6、駆動制御回路7、アドレスドライバ8、X電極ドライバ9、Y電極ドライバ10、プラズマディスプレイパネル(PDP)11及び視聴位置周波数特性検出部12を備えている。A/D変換器1、フレームメモリ2、SFデータ生成回路5、SFメモリ6、駆動制御回路7、アドレスドライバ8、X電極ドライバ9、Y電極ドライバ10及びプラズマディスプレイパネル(PDP)11については図1に示した装置のものと同一である。
【0062】
視聴位置周波数特性検出部12は視聴者の視聴位置における伝送周波数特性を検出する。伝送周波数特性とは視聴位置における周波数毎の音圧レベルの違いを示す周波数特性である。プラズマディスプレイ装置が設置される室内環境では例えば、図16に示すような振幅で定在波が通常生じるので、同一周波数でも図16の視聴位置P1,P2のように視聴距離の違いに応じて打ち消しあって聞こえにくい位置や、重畳して大きく聞こえる位置が存在する。これは視聴距離に限らず、視聴環境の広さや障害物の有無によっても左右される。
【0063】
視聴位置周波数特性検出部12においては、具体的にはフーリエ変換機能を持った既存の周波数測定器が、視聴する予定の視聴位置に設置される。プラズマディスプレイ装置においては複数の異なる時間的な長さのサスティン期間(すなわち、複数の異なる周期T)を持つテストシーケンスに従ってPDP11が駆動され、その視聴位置に設けられた周波数測定器にて伝送周波数特性が測定される。測定された周波数特性は、例えば、図17に示す通りであり、周波数特性のデータとしてSF構築回路4に供給される。
【0064】
SF構築回路4は図18に示すように、SF生成部47、SF周波数特性算出部48、周波数特性加算部49及びSF補正部50を備えている。
【0065】
SF生成部47は、上記のSF生成部41と同様に、入力映像信号に応じて1フィールドの表示期間を複数のサブフィールドSF1〜SFNに分割して階調重視のサブフィールドを構築し、その構築内容を示す初期SF構築データを生成する。
【0066】
SF周波数特性算出部48は、図19に示すように、初期SF構築データが示す複数のサブフィールドからなるフィールド構造(駆動シーケンス)において周期T1〜TN−1が時間長L1,L2,L3,……各々のいずれに属するか検出し(ステップS481)、その検出結果に応じて時間長L1,L2,L3,……各々についての出現回数(頻度)を算出し(ステップS482)、その時間長L1,L2,L3,……各々についての出願回数に応じて周波数特性を算出する(ステップS483)。時間長L1,L2,L3,……に対する逆数を取れば、構築したシーケンスにおける発生する特定周波数が求まり、更にその特定周波数毎の出現回数に応じて、その特定周波数における振動音の大きさを算出することができる。すなわち、出現回数が多ければその特定周波数での振動音が大きいと言え、その特定周波数における出現回数に予め求められた係数を積算すれば、その特定周波数による周波数特性を求めることができる。ステップS483で駆動シーケンスに応じて算出される周波数特性は例えば、図20に示す通りである。
【0067】
更に、PDP11の構造により、所定の周波数に共振してその周波数が強調される振動周波数特性が存在する。振動周波数特性はPDP11の構造により特定されるものであり、SF構築回路4内の図示しない保持手段に予め保持されている。振動周波数特性は例えば、図21に示す通りである。
【0068】
周波数特性加算部49は、視聴位置の伝送周波数特性、初期SF構築データによる駆動シーケンスに応じた周波数特性、及び振動周波数特性各々が示す音の大きさを特定周波数毎に加算してする総合周波数特性を作成する。図22は図17、図20及び図21の周波数特性に応じて作成された総合周波数特性を示している。
【0069】
SF補正部50は、SF生成部47によって生成されたサブフィールドSF1〜SFNについての初期SF構築データを周波数特性加算部49によって得られた総合周波数特性に応じて補正して補正SF構築データを生成する。具体的には、図23に示すように、総合周波数特性において閾値以上の音の大きさとなった特定周波数を検出し(ステップS501)、初期SF構築データによって示される複数のサブフィールドのうちのその検出特定周波数に対応した時間長の周期Tの開始時を含むサブフィールドを検出し(ステップS502)、初期SF構築データのうちの検出したサブフィールドのサスティン期間の長さを例えば、重み比1だけ増大させて補正SF構築データを生成する(ステップS503)。ステップS503の補正では検出特定周波数以外の特定周波数の音圧レベルが閾値を越えないように行われる。SF補正部50によって生成された補正SF構築データはSFデータ生成回路5及び駆動制御回路7に供給される。
【0070】
図22の総合周波数特性の場合には特定周波数fc,feの音圧レベルが閾値を越えているので、その周波数fc,feがステップS501では検出される。よって、ステップS502では初期SF構築データによって示される複数のサブフィールドのうちのその検出特定周波数fc,feに対応した時間長の周期Tの開始時を含むサブフィールドが検出され、ステップS503では初期SF構築データのうちの検出したサブフィールドのサスティン期間の長さの増大によって補正SF構築データが生成される。その生成された補正SF構築データが示すフィールド構造に応じた周波数特性は、図19の周波数特性に対して図24に示すようになり、周波数fc,feの音圧レベルが減少させる。
【0071】
また、ステップS503の補正では図10及び図11に示したように、サスティン期間に対して例えば、重み比1に相当する休止期間Pを追加するようにしても良い。
【0072】
なお、上記した各実施例においては、表示パネルとしてPDPが用いられているが、ELDP等の他の表示パネルにも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明が適用されたプラズマディスプレイ装置の一例の概略構成を示す図である。
【図2】図1の装置中のPDPの駆動シーケンスをなす複数のサブフィールドからなる1フィールド構成の一例を示す図である。
【図3】図1の装置中の視聴距離センサの設置箇所の一例を示す図である。
【図4】図1の装置中のSF構築回路の内部構成の一例を示す図である。
【図5】初期SF構築データが示す1フィールドの表示期間を構成する複数のサブフィールド各々のサスティン期間の長さを示す図である。
【図6】第1補正SF構築データが示す1フィールドの表示期間を構成する複数のサブフィールド各々のサスティン期間の長さを示す図である。
【図7】第2補正SF構築データが示す1フィールドの表示期間を構成する複数のサブフィールド各々のサスティン期間の長さを示す図である。
【図8】図4のSF構築回路中のSF補正部の動作を示すフローチャートである。
【図9】図4のSF構築回路中のSF選択部の動作を示すフローチャートである。
【図10】第1補正SF構築データが示す1フィールドの表示期間を構成する複数のサブフィールド各々のサスティン期間及び休止期間各々の長さを示す図である。
【図11】第2補正SF構築データが示す1フィールドの表示期間を構成する複数のサブフィールド各々のサスティン期間及び休止期間各々の長さを示す図である。
【図12】図1の装置中のSF構築回路の内部構成の他の例を示す図である。
【図13】視聴距離Leと係数kとの関係を示す図である。
【図14】図12のSF構築回路中のSF補正部の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明が適用されたプラズマディスプレイ装置の他の例の概略構成を示す図である。
【図16】プラズマディスプレイ装置が設置される室内環境における定在波の振幅を示す図である。
【図17】視聴位置の伝送周波数特性を示す図である。
【図18】図16の装置中のSF構築回路の内部構成の一例を示す図である。
【図19】図18のSF構築回路中のSF周波数特性算出部の動作を示すフローチャートである。
【図20】初期SF構築データに基づく周波数特性を示す図である。
【図21】振動周波数特性を示す図である。
【図22】総合周波数特性を示す図である。
【図23】図18のSF構築回路中のSF補正部の動作を示すフローチャートである。
【図24】補正SF構築データに基づく周波数特性を示す図である。
【主要部分の符号の説明】
【0074】
2 フレームメモリ
3 視聴距離センサ
4 SF構築回路
5 SFデータ生成回路
7 駆動制御回路
12 視聴位置周波数特性検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を担う表示セルの複数が配列された表示パネルを、入力映像信号における単位表示期間毎に複数のサブフィールドにて駆動するに際し、前記サブフィールド各々において前記表示セル各々を前記入力映像信号に基づき点灯モード及び消灯モードの内の一方の状態に設定するアドレス行程と、このアドレス行程に後続し前記点灯モードの状態にある前記表示セルのみを発光させるサスティン行程と、を備えた表示パネルの駆動方法であって、
前記入力映像信号に基づいて、前記複数のサブフィールドからなる前記単位表示期間のシーケンス形態を構築し、視聴者が前記表示パネルを視聴する際の視聴位置に基づいて得られる視聴位置情報に基づいて前記シーケンス形態を補正して補正シーケンスとし、この補正シーケンスに基づいて前記表示パネルを駆動することを特徴とする表示パネルの駆動方法。
【請求項2】
前記視聴位置情報は、前記表示パネルから前記視聴者までの距離である視聴距離であることを特徴とする請求項1記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項3】
前記サスティン行程の期間長を補正することにより前記補正シーケンスを構築することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項4】
前記サスティン行程と前記アドレス行程との間に、全ての駆動パルスを印加しない休止期間を設けることにより前記補正シーケンスを構築することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項5】
前記視聴距離が、所定の閾値以上の場合に前記補正シーケンスにて前記表示パネルを駆動する一方、前記所定の閾値未満の場合には、前記補正が施される前の前記シーケンス形態にて前記表示パネルを駆動することを特徴とする請求項2に記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項6】
前記表示パネルを駆動する際に発生する振動音の特定周波数に対応する期間に含まれる前記サスティン行程の期間長を変更するか、このサスティン行程の直後に前記休止期間を設けることにより前記補正シーケンスを構築することを特徴とする請求項3又は4記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項7】
前記特定周波数は11〜13kHzであることを特徴とする請求項6記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項8】
前記視聴位置情報は、前記表示パネルから前記視聴者までの距離である視聴距離であり、前記視聴距離が大となる程、変更される前記サスティン行程の期間長を大とするか、又は前記休止期間を大とすることを特徴とする請求項6記載の表示パネルの駆動方法。
【請求項9】
前記視聴位置情報は、前記視聴位置において駆動時に前記表示パネルから発せられる振動音に対応した特定周波数の情報であり、この特定周波数の情報と、前記シーケンス形態の前記サスティン行程及び前記アドレス行程の期間長に対応した特定周波数の情報と、前記表示パネルの振動特性に対応した特定周波数の情報と、の3つの特定周波数の情報に基づいて、前記補正シーケンスを構築することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−122174(P2009−122174A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293054(P2007−293054)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】