説明

表示・操作装置

モニターディスプレイと、付属のモニターシンボルを選択することにより1つの機能を予じめ選択するための入力手段とを備えた、複数の機能を含んでいる1つのメニューの機能を表示、操作するための、車両における表示・操作装置において、メニューのすべての機能をモニターディスプレイ上に同時に表示可能であり、入力手段により個別に光学的に認知可能に予め選択可能である。予め選択した機能はともに切換え命令に基づいて実行可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の構成を備えた表示・操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は特許文献1から知られている。この場合、プッシュ・ロータリースイッチとして構成された入力手段により1つのメニューの複数の機能が個別に呼び出される。通常は1つのメニューごとに1つの機能しか予め選択することができない。
【0003】
さらに、特許文献2からは、1つのメニューの複数の機能を同時にモニター上に表示させることが知られている。複数の機能のうち個々の機能を選定し、実行することが可能である。しかしながら、選定の際に同時に起動される、選定した個々の機能は、別個のモニター上に表示される。
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第3836555A号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10229890A号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、1つのメニューの個々の機能を選択するうえでより大きな自由度を簡単に車両利用者に提供するようにした、冒頭で述べた種類の装置を創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を請求項1の構成により解決する。
【0007】
メニューのすべての機能を同時にモニターディスプレイ上に表示させることにより、車両利用者はその都度のメニューが提供する可能な入力および可能な操作の全一覧を得る。利用者は立て続きに決断する必要はなく、次に来る可能な入力および可能な操作を知らずに決断することができる。したがって性急な決断が回避され、よって性急な決断を修正しようとする試みも回避される。これによりメニューの有効な機能を迅速且つ一義的に設定することが可能になる。
【0008】
前記特許文献2から知られている装置とは異なり、利用者は最後まで、すなわち選定した機能を実際に起動する決断を行なうまで、選定を修正することができる。本発明においては、選定過程と起動過程とは時間的に切り離される。
【0009】
この点を明瞭にするため一例を挙げる。メニュー「設定」の範囲内で、警告情報を音および/または光で再生することが可能であるとする。利用者にこれら2つの選択肢、すなわち「音による再生」と「光による再生」の2つの選択肢が順次切り離して提供された場合、利用者が実際に望むほうの再生の種類を疑問の余地なくはっきりと決断することは利用者にとって通常は不可能である。これに対し2つの可能性が利用者に対し同時に提供/表示されると、決断を迅速に、疑問の余地なく、正確に行うことができる。
【0010】
他の請求項には、本発明の有利な構成が記載されている。
【0011】
利用者にとって重要な機能の一部範囲を予め選択するため、いくつかの選択肢がある。したがって、この一部範囲は前回の作動段階で起動した一部範囲と同一であってよい。
【0012】
前記一部範囲は、車両のその都度の作動状態に応じて、および/または、車両のその都度の作動条件に応じて、自動的に予め選択されていてもよい。作動状態として挙げられるのは、現在の車速、前進走行かそれとも後進走行かである。作動条件とは、たとえば周囲の明るさ、車内または車外の温度、或いは座席利用率である。
【0013】
前記一部範囲は個別に予め選定することもできる。複数の機能を予め個別に選択するための入力手段としては、特にパソコンの分野から知られているモニターディスプレイで使用されるカーソルを用いることができる。回転運動でモニターシンボルに対し順次アプローチし、アプローチした機能をプッシュ運動により選定可能にさせるプッシュ・ロータリースイッチを使用すると、選択過程全体を特に迅速に実施することができる。
【0014】
メニューをその機能とともにモニターディスプレイ上に呼び出す過程は、たとえば同様にこの種のプッシュ・ロータリースイッチを用いて行うことができる。これに対し、操作の際にメニューの個々の機能をモニターディスプレイ上に同時に表示可能および/または起動可能であるような1つのスイッチを複数のメニューに個別に割り当てて使用すれば、メニューの選択と異なるメニュー間での移動とがはるかに改善される。
【0015】
入力補助として、予め選択した機能を起動すると同時に、このとき起動する機能をモニターディスプレイ上で光学的に強調させてもよい。光学的構成および回路技術的構成によっては、それぞれの機能の予選択と、選定と、実際の起動とを区別するようにしてもよい。
【0016】
光学的な強調は、切換え命令の入力に引き続いて時間的に制限して行なってもよい。これにより、選択過程を確実に実施するために必要であり有効であるような時間だけ光学的支援が行なわれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、添付の図面を用いて本発明およびその特に有利な構成をさらに詳細に説明する。
図面には3つの図形(図1、図2、図3)に本発明の実施形態が図示されている。
【0018】
図1の実施形態では、一例として、モニター1上に1つのメニュー「パーキング」のすべての機能が表示されている。メニューは付設のスイッチ2を操作することで呼び出して、モニター1上に表示される。プッシュ・ロータリースイッチ(前記特許文献1を参照)の形態の操作装置3を用いて個々の機能を順次予め選択可能であり、その後選定することができる。このため、操作装置3を回転させることにより個々の機能の名称(「PDC 音」、「PDC 画像」、「カメラ」、「オートパーキング」)に順次アプローチし、明るい四角形の背景(「カーソル」)として黒文字で視覚的に強調させる。アプローチはそれぞれの機能の予選択に相当する。
【0019】
機能を選択するため、各機能ごとに操作装置3を押す。図の例では、これを機能「PDC 音」、「PDC 画像」、「カメラ」に対して適用する。「オートパーキング」は選択しない。これらの機能の選択はチェックによって付属のフィールド4−7(ここではフィールド4−6)に表示される。
【0020】
選択に引き続き、機能を起動する。これは、スイッチ2のLED8と、モニター1内に表示されるフィールド9のチェックとにより表示させる。
【0021】
メニューの機能を停止させる場合、よってメニュー「パーキング」全体を停止させる場合には、スイッチ2をもう一度押す。利用者に対する応答としてLED8を消灯させるとともに、フィールド9内のチェックをはずす。これを図2に図示した。
【0022】
パーキング過程に対する機能の編成を変更する場合は、メニュー機能の予め選択した状態(図2)または選定した状態(図1)でこれを行なう。たとえば機能「カメラ」を望まない場合には、カーソルを「カメラ」へ移動させ、操作装置3を押すことにより予選択をリセットする。このときフィールド6内のチェックは消える。これによりメニューの次の呼び出し或いは次の実行に対しても機能選択が変更される。これに伴うモニター表示を、図3において状態「メニュー実行」に対し図1に対応させて図示した。
【0023】
呼び出したメニューの停止は、所定時間(1分)経過後に自動的に行うこともできる(「タイムアウト」)。ただし、この時間内にメニューの変更が好ましくは操作装置3の操作により行なわれなかった場合に限り行なわれる。これとは択一的に、すでに述べたようにスイッチ2をもう一度押すことによってメニューの停止を行なうこともできる。
【0024】
スイッチ2を操作することによりメニューのすべての機能を起動/停止にさせることなく、可能な変更に対してメニューを再び用意することが有意義な場合がある。このため、スイッチ2に接近したときにメニュー機能の状態を変化させることなくメニューを再び呼び出す近接センサまたは接触センサをスイッチ2のために設けてもよい。この場合、すでに述べたように、操作装置を用いれば、メニュー機能のセット全体をオンオフせずとも個々の機能を起動/停止にさせることができる。スイッチ2を押すことではじめてメニュー機能のセット全体が起動/停止になる。
【0025】
本発明を実現するには、少数のスイッチを設けるだけでよい(本実施形態では、メニュー固有のスイッチ2のみ)。車両周辺を観察するための「カメラ」のような特殊なオプションを設けても、スイッチの種々の配置構成により「ハードウェア変更」にはいたらず、表示・設定メニューが変更されるにすぎない。
【0026】
パーキング過程の実施と関連して説明した上記の例を用いて本発明による装置の他の択一的な作動態様を説明する。この場合もスイッチ2を操作する。外部パラメータ(たとえば車速が10km/h以上、前進走行)に基づけば、PDCおよび後進走行カメラを必要とするような後進走行によるパーキング過程をスタートさせることはありえない。
【0027】
いまスイッチ2を操作すると、1つの実行にとって対象となる機能の予選択が自動的に行なわれる。これらの機能は実際にも実行される。本ケースでは、機能「オートパーキング」のみが問題である。したがって、たとえばEP0305907で説明されているような駐車スペースの測定を行なう。利用者が表示メニューに含まれている他の機能をも起動させたい場合には、本発明による装置によって自動的に行なわれた予選択を利用者は前述の態様でいつでも修正することができる。
【0028】
車両の停止状態でスイッチ2を操作した場合には、前述のような後進走行でのパーキング過程を想定してPDCと後進走行カメラを自動的に予選択し、起動させる。
【0029】
複数の機能を同時に起動させ、場合によっては再び停止させることができるので、確実に快適性が得られる。
【0030】
快適性の確実な利得の点で本発明が提供する他のメニューとしては、たとえば、車両のスポーツ走行コントロールのための機能、車室内の種々の面を電気暖房するための機能、および/または、車両の縦方向ダイナミックスおよび/または横方向ダイナミックスのための機能、或いはヘッドアップディスプレイの範囲内で実際に再生される表示機能が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の1実施形態を示す図である。
【図2】本発明の1実施形態を示す図である。
【図3】本発明の1実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニターディスプレイと、付属のモニターシンボルを選択することにより1つの機能を予じめ選択するための入力手段とを備えた、複数の機能を含んでいる1つのメニューの機能を表示、操作するための、車両における表示・操作装置において、
メニューのすべての機能をモニターディスプレイ上に同時に表示可能であること、
これらの機能のうち一部範囲を予め選択可能であること、
予め選択した一部範囲をともに切換え命令に基づいて起動可能であること、
を特徴とする表示・操作装置。
【請求項2】
前記一部範囲に含まれている機能を入力手段により個別に予じめ選択可能であることを特徴とする、請求項1に記載の表示・操作装置。
【請求項3】
入力手段として、回転運動でモニターシンボルに対し順次アプローチし、アプローチした機能をプッシュ運動により選定可能にさせるプッシュ・ロータリースイッチが設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の表示・操作装置。
【請求項4】
前記一部範囲に含まれている機能が、前回の作動段階で起動した範囲と同一であることを特徴とする、請求項1に記載の表示・操作装置。
【請求項5】
前記一部範囲に含まれている機能が、車両のその都度の作動状態に応じて、および/または、車両のその都度の作動条件に応じて、自動的に予め選択されていることを特徴とする、請求項1に記載の表示・操作装置。
【請求項6】
メニューに個別に割り当てられたスイッチが設けられ、該スイッチを操作することでメニューの機能をモニターディスプレイ上に同時に表示可能および/または起動可能および/または停止可能であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一つに記載の表示・操作装置。
【請求項7】
予め選択した機能を起動すると同時に、起動した機能をモニターディスプレイ上に視覚的に強調させることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一つに記載の表示・操作装置。
【請求項8】
切換え命令の入力に引き続いて視覚的な強調を時間的に制限して行なうことを特徴とする、請求項7に記載の表示・操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−531089(P2007−531089A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504298(P2007−504298)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002626
【国際公開番号】WO2005/093557
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(391009671)バイエリッシェ モートーレン ウエルケ アクチエンゲゼルシャフト (194)
【氏名又は名称原語表記】BAYERISCHE MOTOREN WERKE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】