説明

表示処理装置、画像形成システム、及び表示処理プログラム

【課題】表面効果の与えられる光沢領域と、透明画像と、を切り替えてプレビュー表示する。
【解決手段】表示処理装置は、受付手段と、生成手段と、表示制御手段と、を備える。受付手段は、記録媒体に付与する表面効果の種類及び前記表面効果を付与する光沢領域を特定すると共に、該光沢領域の表示時の色を示す光沢制御版画像データと、記録媒体に形成する透明画像を特定すると共に該透明画像の表示時の色を示すクリア版画像データと、の各々の表示有りまたは表示無しを指定した表示情報の入力を受け付ける。生成手段は、光沢制御版画像データ及びクリア版画像データの内、表示情報によって表示有りを指定された画像データと、有色画像を示す有色版画像データと、を合成した合成画像を生成する。表示制御手段は、合成画像を表示部に表示する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示処理装置、画像形成システム、及び表示処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CMYKの4色のトナーの他に、透明な現像剤を用いて画像を印刷する画像形成装置が存在する。透明な現像剤を用いることにより、記録媒体の面において視覚的な効果や触覚的な効果(表面効果という)が実現される。また、透明な現像剤を用いて画像を形成することにより、改竄防止や偽造防止等に用いる透明な画像を形成することができる。このような画像形成装置において、印刷前に、印刷結果を推定した画像を表示する、所謂、プレビュー表示を行う技術が知られている。例えば特許文献1には、透明トナーで印刷されるべき画像部分をプレビュー表示する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、透明トナーを付与する全領域について一律に表示または非表示の切り替えを行っている。このため、透明トナーを用いて表面効果を付与する領域と、透明トナーを用いて印刷する透明画像と、が混在する場合には、表面効果の与えられる領域と透明画像とを切り替えてプレビュー表示することはできなかった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表面効果の与えられる領域と、透明画像と、を切り替えてプレビュー表示することができる、表示処理装置、画像形成システム、及び表示処理プログラムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の表示処理装置は、受付手段と、生成手段と、表示制御手段と、を備える。受付手段は、記録媒体に付与する表面効果の種類及び前記表面効果を付与する光沢領域を特定すると共に、該光沢領域の表示時の色を示す光沢制御版画像データと、前記記録媒体に形成する透明画像を特定すると共に該透明画像の表示時の色を示すクリア版画像データと、の各々の表示有りまたは表示無しを指定した表示情報の入力を受け付ける。生成手段は、前記光沢制御版画像データ及び前記クリア版画像データの内、前記表示情報によって表示有りを指定された画像データと、有色画像を示す有色版画像データと、を合成した合成画像を生成する。表示制御手段は、前記合成画像を表示部に表示する制御を行う。
【0006】
また、本発明の画像形成システムは、原稿データに基づいて記録媒体に画像を形成する印刷手段と、前記印刷手段が実行する印刷の結果を推定したプレビュー画像を示す合成画像を表示部に表示する表示処理装置と、を備えた画像形成システムである。前記表示処理装置は、受付手段と、生成手段と、表示制御手段と、を備える。受付手段は、前記原稿データに基づいて作成された、記録媒体に付与する表面効果の種類及び前記表面効果を付与する光沢領域を特定すると共に、該光沢領域の表示時の色を示す光沢制御版画像データと、前記記録媒体に形成する透明画像を特定すると共に該透明画像の表示時の色を示すクリア版画像データと、の各々の表示有りまたは表示無しを指定した表示情報の入力を受け付ける。生成手段は、前記光沢制御版画像データ及び前記クリア版画像データの内、前記表示情報によって表示有りを指定された画像データと、有色画像を示す有色版画像データと、を合成した合成画像を生成する。表示制御手段は、前記合成画像を表示部に表示する制御を行う。
【0007】
また、本発明の表示処理プログラムは、コンピュータに、記録媒体に付与する表面効果の種類及び前記表面効果を付与する光沢領域を特定すると共に、該光沢領域の表示時の色を示す光沢制御版画像データと、前記記録媒体に形成する透明画像を特定すると共に該透明画像の表示時の色を示すクリア版画像データと、の各々の表示有りまたは表示無しを指定した表示情報の入力を受け付けるステップと、前記光沢制御版画像データ及び前記クリア版画像データの内、前記表示情報によって表示有りを指定された画像データと、有色画像を示す有色版画像データと、を合成した合成画像を生成するステップと、前記合成画像を表示部に表示する制御を行うステップと、を実行させるための表示処理プログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表面効果の与えられる光沢領域と、透明画像と、を切り替えてプレビュー表示することができる、表示処理装置、画像形成システム、及び表示処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施形態1の画像形成システムの概略構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態1及び実施形態2のホスト装置を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、第1有色版画像データの一例を示す図である。
【図4】図4は、表面効果の種類を例示する図である。
【図5】図5は、第1光沢制御版画像データの一例を示す図である。
【図6】図6は、第1クリア版画像データの一例を示す図である。
【図7】図7は、原稿データ生成部を示す機能ブロック図である。
【図8】図8は、表示される画面例を示す図である。
【図9】図9は、表示される画面例を示す図である。
【図10】図10は、濃度値選択テーブルの一例を示す図である。
【図11】図11は、原稿データの構成の一例を示す模式図である。
【図12】図12は、入力画面の一例を示す模式図である。
【図13】図13は、実施形態1の表示処理部における画像表示処理の手順を示すシーケンス図である。
【図14】図14は、実施形態1の画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施形態1の分離処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は、実施形態1の表示画像生成処理を示すフローチャートである。
【図17】図17は、実施形態1の合成画像生成処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施形態1の画像表示処理を実行することによって生成される合成画像の一例を示す模式図である。
【図19】図19は、実施形態1のDFEの構成例を示すブロック図である。
【図20】図20は、表面効果選択テーブルの一例を示す図である。
【図21】図21は、印刷装置を示す概略図である。
【図22】図22は、表示処理部における画像表示処理の手順を示すシーケンス図である。
【図23】図23は、実施形態2の入力画面の一例を示す模式図である。
【図24】図24は、実施形態2の画像表示処理を実行することによって生成される合成画像の一例を示す模式図である。
【図25】図25は、画像形成システムの構成を例示する図である。
【図26】図26は、サーバ装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図27】図27は、ホスト装置を示す機能ブロック図である。
【図28】図28は、画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図29】図29は、画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図30】図30は、ホスト装置及びDFEのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る表示処理装置、画像形成システム、及び表示処理プログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る画像形成システム100の概略構成例を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成システム100は、ホスト装置11、プリンタ制御装置(DFE:Digital Front End)(以下、DFEと称する)30、インタフェースコントローラ(MIC:Mechanism I/F Controller)(以下、MICと称する場合がある)40、及び印刷装置60を備える。これらの、ホスト装置11、DFE30、MIC40、及び印刷装置60は、互いにデータ授受可能に有線または無線の通信回線を介して接続されている。
【0012】
ホスト装置11は、例えば、PC(Personal Computer)等で構成され、原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15等の機能部を含む。なお、本実施形態では、ホスト装置11は、原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15の各機能部を含む構成であるとして説明するが、これらの原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15の各機能部は、別体として構成(例えば、別のパーソナルコンピュータに搭載)されていてもよく、1つの装置に一体的に設けられた構成に限られない。
【0013】
また、ホスト装置11は、インターネット等の通信回線に接続され、通信回線を介してDFE30にデータ授受可能に接続された構成であってもよい。
【0014】
図2には、ホスト装置11の具体的な構成の一例を示した。
【0015】
図2に示すように、ホスト装置11は、入力部99A、操作部99B、出力部99C、表示部99D、及び制御部111を備える。
【0016】
入力部99Aは、パーソナルコンピュータ等の外部装置から、後述する第1有色版画像データを受け付ける。操作部99Bは、各種操作指示を行うときにユーザによって操作される入力デバイスである。操作部99Bとしては、例えば、ボタン、リモコン受信部、および、ICカードなどから情報を読取るカードリーダなどが挙げられる。なお、操作部99Bがキーボードを備えるように構成してもよい。
【0017】
出力部99Cは、DFE30との間で通信を行うためのインタフェース装置である。表示部99Dは、各種情報を表示する表示デバイスであり、公知の表示デバイスを用いる。
【0018】
制御部111は、ホスト装置11全体を制御する手段であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータである。
【0019】
本実施形態では、図2に示すように、ホスト装置11は、制御部111の有する機能部として、上記原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15等を有する。これらの機能部、及び各機能部に含まれる各機能は、制御部111のCPUがROM等に格納された各種プログラムをRAM上に展開して実行することにより実現される。また、これらの機能のうちの少なくとも一部を個別の回路(ハードウェア)で実現することも可能である。
【0020】
原稿データ生成部10は、第1有色版画像データ(詳細後述)を受け付ける。そして、この第1有色版画像データに、表面効果の与えられる光沢領域及び表面効果の種類や、透明画像及び透明画像を形成する領域を示す、特色版の情報(後述する、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データ)を付加した原稿データを生成し、印刷データ生成部20及び表示処理部15へ出力する。なお、原稿データ生成部10では、この第1有色版画像データも作成してもよい。
【0021】
印刷データ生成部20は、原稿データに基づいて印刷データ(詳細後述)を生成する。表示処理部15は、原稿データに基づいて、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を示す合成画像を生成する(詳細後述)。
【0022】
原稿データとは、具体的には、第1有色版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データを含む画像データである。
【0023】
第1有色版画像データ、第1クリア版画像データ、及び第1光沢制御版画像データは、例えば、PDF形式(Portable Document Format)で頁単位で生成される。そして、これらの第1クリア版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1有色版画像データを統合して、原稿データが生成される。なお、第1クリア版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1有色版画像データのデータ形式は、PDFに限定されるものではなく、任意の形式を用いることができる。また、各第1クリア版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1有色版画像データにおいて、後述する各描画領域は、例えば、ベクター形式で表現されている。
【0024】
詳細には、第1有色版画像データは、有色現像剤を用いて印刷する有色画像を描画領域毎に示す画像データである。
【0025】
具体的には、第1有色版画像データとは、描画領域毎にRGBやCMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。図3は、第1有色版画像データの一例を示す説明図である。図3において、「A」、「B」、「C」等の描画領域ごとにユーザが指定した色に対応する濃度値が付与される。各描画領域の濃度値は、例えば、0〜100%の濃度値で示される(「0」〜「255」等で表してもよい)。
【0026】
有色現像剤としては、CMYK等の各色材を含む液体やトナー等が挙げられる。本実施形態では、例えば、有色現像剤として、CMYKの各々の色材を含む有色トナーを用いる場合を説明する。
【0027】
第1光沢制御版画像データは、表面効果の種類及び該表面効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す画像データである。表面効果とは、記録媒体に付与する視覚的または触覚的な効果である。この光沢領域は、透明現像剤を記録媒体に付与することによって実現する。
【0028】
透明現像剤とは、色材を含まない無色透明な現像剤である。なお、透明及び無色とは、可視光線の透過率が70%以上であることを示す。本実施形態では、透明現像剤として、透明なトナー(以下、クリアトナーと称する)を用いる場合を説明する。
【0029】
なお、クリアトナーとは、色材を含まないトナーであり、透明なトナーである。
【0030】
表面効果の種類としては、図4に例示されるように、大別して4種類あり、光沢の度合(光沢度)の高い順に、鏡面光沢(PG:Premium Gloss)、ベタ光沢(G:Gloss)、網点マット(M:Matt)、及びつや消し(PM:Premium Matt)の4種類である場合を説明するが、更に細かな種類を設定してもよい。
【0031】
第1光沢制御版画像データでは、第1有色版画像データと同様に、各光沢領域(描画領域)の濃度値は、例えば、0〜100%の濃度値(「0」〜「255」等で表してもよい)で示される。この濃度値に、表面効果の種類が対応づけられる。図4中において、鏡面光沢はその光沢度Gsが80以上、ベタ光沢は一次色あるいは二次色のなすベタ光沢度、網点マットは一次色、かつ網点30%の光沢度、つや消しは光沢度10以下を表している。また、光沢度の偏差をΔGsで表し、10以下とした。このような表面効果の各種類に対して、光沢を与える度合いが高い表面効果に高い濃度値が対応付けられ、光沢を抑える表面効果に低い濃度値が対応付けられる。
【0032】
なお、有色画像のどの領域に表面効果を与えるのかやその領域にどの種類の表面効果を与えるのかについては、ユーザにより指定される。ホスト装置11の原稿データ生成部10では、ユーザにより指定された各描画領域について、ユーザが指定した表面効果に対応する濃度値をセットすることにより、第1光沢制御版画像データを生成する。濃度値と表面効果の種類との対応関係については後述する。
【0033】
図5は、第1光沢制御版画像データの一例を示す説明図である。図5の第1光沢制御版画像データの例では、ユーザにより、描画領域「ABC」に表面効果「PG(鏡面光沢)」が付与され、描画領域「(長方形の図形)」に表面効果「G(ベタ光沢)」が付与され、描画領域「(円形の図形)」に表面効果「M(網点マット)」が付与された例を示している。なお、各表面効果に設定された濃度値は、後述の濃度値選択テーブルで、表面効果の種類に対応して定められた濃度値である。
【0034】
第1クリア版画像データは、クリアトナー(透明現像剤)を用いて印刷する透明画像を描画領域毎に示す画像データである。なお、透明画像とは、表面効果の与えられる光沢領域以外の領域における、クリアトナーを用いて形成される描画領域を示す。この透明画像としては、たとえば、ウォーターマーク等があげられる。
【0035】
図6は、第1クリア版画像データの一例を示す説明図である。図6の例では、ユーザにより、透明画像としてのウォーターマーク「Sale」が指定されている。
【0036】
このように、第1クリア版画像データ、及び第1光沢制御版画像データは、ホスト装置11の原稿データ生成部10において、第1有色版画像データとは別のプレーンで生成される。
【0037】
図7には、原稿データ生成部10の機能ブロック図を示した。
【0038】
原稿データ生成部10は、入力制御部124と、画像処理部120と、表示制御部121と、版データ生成部122と、記憶部123と、を主に備えている。
【0039】
入力制御部124は、入力部99A(図2参照)からの各種入力を受け付けて入力を制御する。例えばユーザは、入力部99Aを操作することにより、記憶部123に記憶された各種画像(例えば写真、文字、図形、これらを合成した画像等)のうち表面効果を与えるべき画像、すなわち第1有色版画像データ(以下、「対象画像」と呼ぶ場合もある。)を指定する画像指定情報を入力することができる。なお、これに限らず、画像指定情報の入力方法は任意である。
【0040】
表示制御部121は、表示部99D(図2参照)に対する各種情報の表示を制御する。本実施形態では、表示制御部121は、入力制御部124で画像指定情報を受け付けた場合、その画像指定情報で指定された画像を記憶部123から読み出し、その読み出した画像を画面上に表示するように表示部99Dを制御する。
【0041】
ユーザは、表示部99Dに表示された対象画像を確認しながら、入力部99Aを操作することにより、表面効果を与える光沢領域および当該表面効果の種類を指定する指定情報を入力することができる。なお、指定情報の入力方法は、これに限られるものではなく、任意である。
【0042】
より具体的には、表示制御部121は、例えば、図8に例示される画面を表示部99Dに表示させる。この図8は、Adobe System(R)社が販売しているIllustratorにプラグインを組み込んだ場合に表示される画面の例である。図8に示される画面では、処理対象である対象画像データ(第1有色版画像データ)によって表される画像が表示され、ユーザが入力部99Aを介してマーカ追加ボタンを押下して、表面効果を与えたい光沢領域を指定する操作入力を行うことで、表面効果を与える光沢領域が指定される。ユーザは表面効果を与える全ての光沢領域に対してこのような操作入力を行うことになる。そして、表示制御部121は、例えば、指定された光沢領域(描画領域)毎に、図9に例示される画面を表示部99Dに表示させる。図9に示される画面では、表面効果を与えるものとして指定された各光沢領域(描画領域)において当該光沢領域の描画領域を示す画像が表され、当該画像(描画領域)に対して与えたい表面効果の種類を指定する操作入力を入力部99Aを介して行うことで、当該領域に対して与える表面効果の種類が指定される。
【0043】
図7に戻り、画像処理部120は、対象画像に対して、ユーザからの入力部99A(図2参照)を介した指示に基づいて、各種画像処理を行う。
【0044】
版データ生成部122は、入力制御部124で指定情報(表面効果を与える光沢領域および当該表面効果の種類)を受け付けた場合、当該指定情報に基づいて、第1光沢制御版画像データを生成する。また、版データ生成部122は、入力制御部124で、透明画像の指定を受け付けた場合、当該ユーザからの指定に従って、第1クリア版データを生成する。
【0045】
ここで、記憶部123には、表面効果の種類と、当該表面効果の種類に対応する濃度値とを記憶する濃度値選択テーブルが格納される。図10は、濃度値選択テーブルの一例を示す図である。図10の例では、「PG」(鏡面光沢)に対応する濃度値は「98%」であり、「G」(ベタ光沢)に対応する濃度値は「90%」であり、「M」(網点マット)に対応する濃度値は「16%」であり、「PM」(つや消し)に対応する濃度値は「6%」である。なお、表面効果の種類は、更に細分化して設定可能としてもよい。
【0046】
図7に戻り、版データ生成部122は、図10に示す濃度値選択テーブルを参照しながら、ユーザにより所定の表面効果が指定された描画領域の濃度値を、当該表面効果の種類に応じた値に設定することで、第1光沢制御版画像データを生成する。版データ生成部122で生成された第1光沢制御版画像データは、点の座標と、それを結ぶ線や面の方程式のパラメータ、および、塗り潰しや特殊効果などを示す描画領域の集合として表現されるベクター形式のデータである。
【0047】
版データ生成部122は、上記第1光沢制御版画像データと、対象画像としての第1有色版画像データと、第1クリア版画像データとを統合した原稿データを生成して、印刷データ生成部20及び表示処理部15へ渡す。
【0048】
次に、印刷データ生成部20について説明する。
【0049】
印刷データ生成部20は、受け付けた原稿データに基づいて印刷データを生成する。印刷データは、原稿データと、プリンタに対して指定するジョブコマンドと、を含んで構成される。このジョブコマンドには、例えば、プリンタの設定、集約の設定、両面の設定などが挙げられる。なお、印刷データは、PostScriptのようなページ記述言語(PDL)に変換されてもよいし、DFE30が対応していれば、PDF形式のままでもよい。
【0050】
次に、図2に戻り、表示処理部15について説明する。
【0051】
表示処理部15は、原稿データ生成部10から原稿データを受け付け、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像の合成画像を生成し、該合成画像を表示部99Dに表示させる。
【0052】
図2に示すように、表示処理部15は、原稿データ受付部200A、解析部200L(解析手段)、分類画像データ生成部200F(第1生成手段)、分類画像データ記憶部200G、表示画像生成部200M(第2生成手段)、受付部200K(受付手段)、表示管理情報記憶部200I、表示制御部200J、及び合成画像生成部200H(第3生成手段)を備える。
【0053】
また、解析部200Lは、構造解析部200B(構造解析手段)、オブジェクト構造リスト記憶部200C、分類部200D(分類手段)、及び分類リスト記憶部200Eを備える。
【0054】
なお、オブジェクト構造リスト記憶部200C、後述する一次メモリ201B、分類リスト記憶部200E、分類画像データ記憶部200G、及び表示管理情報記憶部200Iは、RAM等の一次メモリであってもよいし、ハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶媒体であってもよい。
【0055】
原稿データ受付部200Aは、原稿データ生成部10から、原稿データを受け付ける。原稿データ受付部200Aでは、原稿データを、表示処理部15内で参照可能な状態とする。具体的には、原稿データ受付部200Aは、プレビュー対象として指示された頁の原稿データのファイル拡張子、もしくはファイルヘッダーを参照するなどして、表示処理部15内で取扱い可能なファイル形式であるか否かを判断する。そして、原稿データ受付部200Aは、ファイルロックを解除する等して取扱い可能な状態とする。そして、原稿データ受付部200Aは、該原稿データを、原稿データ受付部200Aに設けられた一次メモリ201Bに展開する。
【0056】
解析部200Lは、原稿データ受付部200Aで受け付けた原稿データを解析する。解析部200Lは、具体的には、上述のように、構造解析部200B(構造解析手段)、オブジェクト構造リスト記憶部200C、分類部200D(分類手段)、及び分類リスト記憶部200Eを備える。
【0057】
構造解析部200Bは、一次メモリ201Bに展開された原稿データのデータ構造を解析し、原稿データの各ページに含まれる描画領域(以下、オブジェクトと称する場合がある)を示すオブジェクト構造リストを作成する。
【0058】
このオブジェクト構造リストとは、原稿データの各ページに含まれる描画領域の一覧を示す情報である。具体的には、構造解析部200Bは、原稿データの各第1有色画像版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データの各々に含まれる、1または複数の描画領域であるオブジェクトを解析し、オブジェクト毎の描画情報(描画領域の位置、色空間、濃度等)を示す、オブジェクト構造リストを作成する。
【0059】
図11には、原稿データの構成の一例を示した。例えば、原稿データ受付部200Aが、プレビュー対象の原稿データとして、図11に示す構成の原稿データを受け付けたとする。
【0060】
原稿データは、1頁中(同一頁中)に、第1有色画像版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データによって特定される、1または複数の描画領域(オブジェクト)を示す描画情報を含む。図11には、原稿データが、例えば、1頁目に、オブジェクト1〜オブジェクト5の5つのオブジェクトを含む場合を一例として示した。
【0061】
図11に示す例では、オブジェクト1は、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域を示す。オブジェクト2は、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域を示す。オブジェクト3〜オブジェクト5は、第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域の各々を示す。
【0062】
原稿データは、オブジェクト毎に、描画情報として、描画領域の位置や、色空間や、濃度を示す情報を含む。描画領域の位置は、例えば、座標情報、または座標情報の集合によって示される。色空間とは、各描画領域(オブジェクト)が、有色画像、透明画像、及び光沢領域の何れであるかを示す。なお、図11中また後述する各図中では、透明画像を、R−clearと表記する場合がある。また、光沢領域を、R−effectと表記する場合がある。さらに、有色画像を、RGBと表記する場合がある。また、各オブジェクトの濃度として、濃度値(0〜100%)が設定されている場合を説明する。なお、図11に示す例では、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群を、1つのオブジェクト(描画領域)として扱う場合を示した。
【0063】
図2に戻り、説明を続ける。構造解析部200Bでは、このような原稿データに含まれ得る1または複数の各描画領域について、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域、及び第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域の何れであるかを解析する。構造解析部200Bでは、各描画領域の描画情報に示される色空間を読み取ることによって、各描画領域(オブジェクト)が、有色画像、光沢領域、及び透明画像の何れであるかを解析する。換言すれば、構造解析部200Bは、各描画領域(オブジェクト)が、第1有色版画像データ、第1光沢制御版画像データ、及び第1クリア版画像データの何れによって特定された描画領域であるかを解析する。
【0064】
そして、構造解析部200Bでは、更に、原稿データに含まれる、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域、及び第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域の一欄を示すオブジェクト構造リストを作成する。
【0065】
このオブジェクト構造リストは、原稿データの頁内に含まれるオブジェクトをツリー構造で示したものである(図13のオブジェクト構造リスト記憶部200Cに示すオブジェクト構造リストも参照)。
【0066】
オブジェクト構造リスト記憶部200Cは、構造解析部200Bによる原稿データの解析結果であるオブジェクト構造リストを記憶する。
【0067】
分類部200Dは、オブジェクト構造リストに示される各オブジェクト(描画領域)を、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群、及び第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域群に分類し、オブジェクト分類リストを生成する。オブジェクト分類リストは、各オブジェクト群から、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納されている対応するオブジェクトへのポインタのリストとなっており、実際の描画情報は、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納されている。分類リスト記憶部200Eは、このオブジェクト分類リストを記憶する(図13の分類リスト記憶部200Eに示すオブジェクト分類リストも参照。なお、図13では、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群を、有色版オブジェクト群と表記し、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群を、R−clearオブジェクト群と表記し、第1光沢制御版画像データによって特定される光沢領域の描画領域群を、R−effectオブジェクト群と表記している)。
【0068】
分類画像データ生成部200Fは、原稿データ、詳細には、上記オブジェクト構造リスト及びオブジェクト分類リストに基づいて、表示用のイメージデータとして、第2有色版画像データ、第2クリア版画像データ、及び第2光沢制御版画像データを生成する。
【0069】
第2有色版画像データは、第1有色版画像データを表示部99Dで表示可能な形式の表示用のイメージデータに変換したものであり、第1有色版画像データを、1画素あたり例えば8ビットで表現されたラスター形式の画像データに変換したものである。
【0070】
分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストに示される、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群に対応する描画領域の描画情報を、オブジェクト構造リスト記憶部200Cから読み取る。そして、分類画像データ生成部200Fは、読みとった描画領域群の描画情報をラスター形式に変換した描画情報を統合し、該描画領域群を同一頁上のデータ群とみなし、該描画領域群に含まれる各描画領域の位置関係や前後関係といった情報をもとに画像データを生成することによって、第2有色版画像データを生成する。
【0071】
第2クリア版画像データは、第1クリア版画像データを表示部99Dで表示可能な形式の表示用のイメージデータに変換したものであり、第1クリア版画像データを、1画素あたり例えば8ビットで表現されたラスター形式の画像データに変換したものである。
【0072】
分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストに示される、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群に対応する描画領域の描画情報を、オブジェクト構造リスト記憶部200Cから読み取る。そして、読みとった描画領域群の描画情報をラスター形式に変換した描画情報を統合し、該描画領域群を同一頁上のデータ群とみなし、該描画領域群に含まれる各描画領域の位置関係や前後関係といった情報をもとに画像データを生成することによって、第2クリア版画像データを生成する。
【0073】
第2光沢制御版画像データは、第1光沢制御版画像データを表示部99Dで表示可能な形式の表示用のイメージデータに変換したものであり、第1光沢制御版画像データを、1画素あたり例えば8ビットで表現されたラスター形式の画像データに変換したものである。
【0074】
分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストに示される、第1光沢制御版画像データによって特定される光沢領域の描画領域群に対応する描画領域の描画情報を、オブジェクト構造リスト記憶部200Cから読み取る。そして、読みとった描画領域群の描画情報をラスター形式に変換した描画情報を統合し、該描画領域群を同一頁上のデータ群とみなし、該描画領域群に含まれる各描画領域の位置関係や前後関係といった情報をもとに画像データを生成することによって、第2光沢制御版画像データを生成する。
【0075】
分類画像データ記憶部200Gは、分類画像データ生成部200Fで生成された、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを記憶する。
【0076】
表示管理情報記憶部200Iは、管理テーブルを格納する。管理テーブルは、光沢領域に対応する表示管理情報と、透明画像に対応する表示管理情報と、を格納する。
【0077】
表示管理情報は、表示情報、表示色情報、及び透明度情報を含む。表示情報とは、光沢領域及び透明画像の各々を、表示部99Dに表示するか否かを示す情報である。また、表示色情報とは、表示部99Dに表示したときの表示色を示す情報である。また、透明度情報とは、表示部99Dに表示した表示色の透明度を示す情報である。
【0078】
なお、本実施形態では、表示管理情報は、表示情報、表示色情報、及び透明度情報を含む場合を説明するが、表示管理情報は、少なくとも表示情報及び表示色情報を含んでいればよい。
【0079】
受付部200Kは、表示情報、表示色情報、及び透明度情報を含む表示管理情報を操作部99Bから受け付け、表示管理情報記憶部200Iの上記管理テーブルに格納する。これらの表示情報、表示色情報、及び透明度情報は、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって入力される。
【0080】
例えば、表示情報及び表示色情報の設定を行うときに表示部99Dに表示するための入力画面を示す入力画面情報を、予め表示管理情報記憶部200Iに記憶しておく。そして、操作部99Bのユーザによる操作によって、表示情報及び表示色情報の設定開始を示す信号や、表示処理の開始を示す信号が表示処理部15に入力される。すると、表示制御部200Jは、表示管理情報記憶部200Iに格納されている入力画面情報の入力画面を表示部99Dに表示する。そして、受付部200Kは、ユーザによる操作部99Bによる操作指示によって設定された各種情報を上記管理テーブルに格納する。
【0081】
例えば、表示部99Dに、図12(A)に示す入力画面1090を表示する。入力画面1090には、プレビュー表示対象の原稿データを指定するためのPDF選択ボタン109E、透明画像の表示の有無を選択するためのチェックボックス109Aが含まれる。また、入力画面1090には、透明画像の表示色や透明度等の詳細情報入力画面への切り替えを指示するための切り替えボタン109Bが設けられている。また、入力画面1090には、表面効果の与えられる光沢領域の表示の有無を選択するためのチェックボックス109Cが含まれる。また、入力画面1090には、表面効果の与えられる光沢領域の表示色や、該光沢領域の透明度等の、詳細情報入力画面への切り替えを指示するための切り替えボタン109Dが設けられている。
【0082】
なお、入力画面1090には、プレビュー表示対象の原稿データの原稿画像やプレビュー画像を表示するための表示画面110Eも設けられている。
【0083】
入力画面1090において、透明画像の表示の有無を選択するためのチェックボックス109Aにチェックマークが入力されたとする。この場合、受付部200Kは、透明画像の表示有りを示す表示ON(表示オン)情報を表示情報として、透明画像を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。
【0084】
また、ユーザによる操作部99Bの指示によって、切り替えボタン109Bが操作指示されると、表示部99Dには、透明画像表示の詳細入力のための入力画面112が表示される(図12(B)参照)。
【0085】
入力画面112には、透明画像の表示時の色である表示色を設定するための表示色設定欄112A、及び透明画像の表示時の透明度を設定するための透明度設定欄112Bが含まれる。そして、ユーザによる操作部99Bの操作によって、表示色設定欄112Aのプルダウンボタンが操作指示されることで、表示色が選択可能となっている。また、透明度についても、任意の透明度が入力可能になっている。
【0086】
図12(B)に示す例では、透明画像表示時の表示色として水色が設定され、表示時の透明度として80%が設定されている。
【0087】
この場合、受付部200Kは、透明画像の表示時の表示色を示す色情報として「水色」を示す情報を、透明画像を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。また、受付部200Kでは、透明画像の表示時の透明度を示す透明度情報として「80%」を示す情報を、透明画像を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。
【0088】
また、入力画面1090において、表面効果の与えられる光沢領域の表示の有無を選択するためのチェックボックス109Cにチェックマークが入力されたとする。この場合、受付部200Kは、光沢領域の表示有りを示す表示ON(表示オン)情報を表示情報として、光沢領域を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。また、ユーザによる操作部99Bの指示によって切り替えボタン109Dが操作指示されると、表示部99Dには、表面効果の与えられる光沢領域について、表示の詳細入力のための入力画面114が表示される(図12(C)参照)。
【0089】
入力画面114には、光沢領域の表示時の色である表示色を設定するための表示色設定欄114A、及び光沢領域の表示時の透明度を設定するための透明度設定欄114Bが含まれる。そして、ユーザによる操作部99Bの操作によって、表示色設定欄114Aのプルダウンボタンが操作指示されることで、表示色が選択可能となっている。また、透明度についても、任意の透明度が入力可能になっている。
【0090】
透明度は、0〜100の整数値で指定される。透明度0%はベタを示す。透明度100%は無色を示し、背景の色が完全に見える状態になる。
【0091】
図12(C)に示す例では、表面効果の与えられる領域である光沢領域の表示時の表示色として水色が設定され、表示時の透明度として80%が設定されている。
【0092】
この場合、受付部200Kは、表面効果の与えられる領域である光沢領域の表示時の表示色を示す表示色情報として「水色」を示す情報を、光沢領域を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。また、受付部200Kでは、表面効果の与えられる領域の表示時の透明度を示す透明度情報として「80%」を示す情報を、光沢領域を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。
【0093】
一方、入力画面1090において、ユーザによる操作部99Bの操作指示により、透明画像の表示の有無を選択するためのチェックボックス109Aのチェックマークが外されたとする。この場合、受付部200Kは、透明画像の表示無しを示す表示OFF(表示オフ)情報を、透明画像を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。
【0094】
同様に、入力画面1090において、ユーザによる操作部99Bの操作指示により、表面効果の与えられる領域の表示の有無を選択するためのチェックボックス109Cのチェックマークが外されたとする。この場合、受付部200Kは、光沢領域の表示無しを示す表示OFF(表示オフ)情報を、光沢領域を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。
【0095】
図2に戻り、説明を続ける。
【0096】
ここで、クリアトナーを用いて記録媒体上に印刷された後の光沢領域や透明画像の色は、無色透明である。このため、表示画像生成部200Mは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2光沢制御版画像データの光沢領域の色及び透明度を、表示管理情報記憶部200Iに格納されている光沢領域に対応する表示色情報(第1表示色情報)の表示色及び透明度情報の透明度に変換し、第3光沢制御版画像データを生成する。
【0097】
同様に、表示画像生成部200Mは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2クリア版画像データの透明画像の色及び透明度を、表示管理情報記憶部200Iに格納されている透明画像に対応する表示色情報(第2表示色情報)の表示色及び透明度情報の透明度に変換し、第3クリア版画像データを生成する。
【0098】
合成画像生成部200Hは、表示画像生成部200Mで生成された、第3光沢制御版画像データ及び第3クリア版画像データの少なくとも一方と、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2有色版画像データと、を合成し、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を示す、合成画像を生成する。
【0099】
具体的には、合成画像生成部200Hは、表示管理情報記憶部200Iに格納されている管理テーブルを読取り、光沢領域及び透明画像の内、表示オンを示す表示情報の対応づけられた光沢領域及び透明画像の少なくとも一方を読み取る。そして、合成画像生成部200Hは、光沢領域の表示情報が表示オンを示す場合には、第3光沢制御版画像データを表示画像生成部200Mから読み取り、透明画像の表示状態が表示オンを示す場合には、第3クリア版画像データを表示画像生成部200Mから読み取る。
【0100】
そして、合成画像生成部200Hは、第2有色版画像データと、読み取った第3光沢制御版画像データ及び第3クリア版画像データの少なくとも一方と、を合成し、合成画像を生成する。
【0101】
表示制御部200Jは、合成画像生成部200Hで生成された合成画像を表示部99Dに表示する。
【0102】
次に、表示処理部15で実行する画像表示処理を説明する。
【0103】
図13には、表示処理部15における画像表示処理の手順を示すシーケンス図を示した。なお、図13は、図11に示す原稿データの印刷結果を推定した合成画像を表示部99Dに表示するまでの、画像表示処理の手順を示すシーケンス図である。
【0104】
まず、表示処理部15では、図12に示す入力画面1090を表示部99Dに表示する。そして、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、表示対象の原稿データの選択指示を行うためのPDF選択ボタン109Eが操作指示される。そして、プレビュー対象の原稿データが選択されると、原稿データ受付部200Aが該指示された原稿データを読み取り、一次メモリ201Bに展開する(SEQ1、SEQ2)。
【0105】
次に、構造解析部200Bは、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって表示対象の頁が選択されると(SEQ4)、該選択結果に対応する頁の原稿データを一次メモリ201Bから読み取り、解析する(SEQ3、SEQ5)。
【0106】
そして構造解析部200Bは、解析結果であるオブジェクト構造リストを、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納する(SEQ6)。
【0107】
分類部200Dは、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納された、オブジェクト構造リストに示される各オブジェクト1〜オブジェクト5を、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群、及び第1光沢制御版画像データによって特定される光沢領域の描画領域群、の3つのオブジェクト群に分類し、オブジェクト分類リストを生成する(SEQ7、SEQ8)。
【0108】
そして、分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストによって示される、有色画像の描画領域群を統合すると共にラスタライズを行い、第2有色版画像データを生成する。また、分類画像データ生成部200Fは、オブジェクト分類リストによって示される、透明画像の描画領域群を統合すると共にラスタライズを行い、第2クリア版画像データを生成する。さらに、分類画像データ生成部200Fは、光沢領域の描画領域群を統合すると共にラスタライズを行い、第2光沢制御版画像データを生成する。これによって、分類画像データ生成部200Fは、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを生成する(SEQ9、SEQ10)。
【0109】
表示画像生成部200Mは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2光沢制御版画像データの光沢領域の色及び透明度を、表示管理情報記憶部200Iに格納されている光沢領域に対応する表示色情報(第1表示色情報)の表示色及び透明度情報の透明度に変換し、第3光沢制御版画像データを生成する。また、表示画像生成部200Mは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2クリア版画像データの透明画像の色及び透明度を、表示管理情報記憶部200Iに格納されている透明画像に対応する表示色情報(第2表示色情報)の表示色及び透明度情報の透明度に変換し、第3クリア版画像データを生成する(SEQ11、SEQ12)。
【0110】
なお、表示管理情報記憶部200Iの上記管理テーブルは、操作部99Bから受け付けた、表示情報、表示色情報、及び透明度情報を含む表示管理情報を格納する(SEQ14、SEQ15)。
【0111】
合成画像生成部200Hは、表示画像生成部200Mで生成された、第3クリア版画像データ及び第3光沢制御版画像データの少なくとも一方と、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2有色版画像データと、を合成し、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を示す、合成画像を生成する(SEQ13)。
【0112】
そして、合成画像生成部200Hで生成された合成画像は、図13では図示を省略する表示制御部200Jによって、表示部99Dに表示される(SEQ16)。
【0113】
次に、以上のように構成された本実施形態の表示処理部15で実行する画像表示処理について説明する。
【0114】
図14は、本実施形態の画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0115】
まず、原稿データ受付部200Aが、原稿データを受け付ける(ステップS400)。原稿データ受付部200Aで受け付けられた原稿データは、一次メモリ201Bに展開される。
【0116】
次いで、構造解析部200Bが、一次メモリ201Bに展開された原稿データのデータ構造を解析し、原稿データの各ページに含まれるオブジェクトを示すオブジェクト構造リストを作成する(ステップS402)。そして、構造解析部200Bは、オブジェクト構造リストをオブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納する(ステップS404)。
【0117】
次いで、分類部200Dが原稿データの分離処理を実行し、オブジェクト分類リストを生成する(ステップS406)(詳細後述)。
【0118】
そして、分類画像データ生成部200Fが、表示用のイメージデータとして、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを生成し、分類画像データ記憶部200Gに格納する(ステップS408、ステップS410)。
【0119】
次に、表示画像生成部200Mが、表示画像生成処理を行う(ステップS412)。
【0120】
次に、合成画像生成部200Hが、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を示す合成画像を生成する、合成画像生成処理を行う(ステップS413)(詳細後述)。
【0121】
次に、表示制御部200Jが、合画像生成部200Hで生成された合成画像を、表示部99Dに表示する(ステップS414)。
【0122】
そして、合成画像生成部200Hは、管理テーブルに格納されている表示管理情報が変更されたか否かを判断する(ステップS416)。このステップS416の判断は、次のようにして行う。例えば、合成画像生成部200Hは、表示管理情報記憶部200Iに格納されている管理テーブルを読取る。そして、合成画像生成部200Hでは、該管理テーブルに格納されている表示管理情報(表示情報、表示色情報、及び透明度情報)が、前回の表示画像生成時(ステップS412)及び合成画像生成時(ステップS413)の読み取り内容と異なるか否かを判別することによって、表示管理情報が変更されたか否かを判断する。
【0123】
そして、合成画像生成部200Hは、表示管理情報が変更されたと判断すると(ステップS416:Yes)、上記ステップS412に戻り、変更された後の表示管理情報を用いて、上記ステップS412及び上記ステップS413の処理を行う。
【0124】
一方、表示管理情報が変更されていないと判断すると(ステップS416:No)、表示処理部15は、操作部99Bを介して表示終了指示を示す信号を受け付けたか否かを判断する(ステップS418)。そして、ステップS418で否定判断すると(ステップS418:No)、上記ステップS416へ戻る。一方、ステップS418で肯定判断すると(ステップS418:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0125】
次に、ステップS406の分離処理について説明する。
【0126】
図15は、分離処理の手順を示すフローチャートである。
【0127】
まず、分類部200Dが、オブジェクト構造リスト記憶部200Cからオブジェクト構造リストを読み出す(ステップS500)。
【0128】
そして、分類部200Dは、読み出したオブジェクト構造リストに含まれるオブジェクト数を取得し(ステップS502)、後述するステップS506〜ステップS512またはステップS514の処理をオブジェクトの数分繰り返し実行する。
【0129】
分類部200Dは、まず、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納されている1のオブジェクトの色空間情報を取得する(ステップS504)。
【0130】
次に、分類部200Dは、ステップS504で取得した色空間情報が、光沢領域を示す情報であるか否かを判断する(ステップS506)。そして、ステップS504で取得した色空間情報が光沢領域を示す情報である場合には(ステップS506:Yes)、光沢領域のオブジェクト群として分類リスト記憶部200Eに格納する(ステップS508)。
【0131】
そして、ステップS508の処理が終了、または上記ステップS506で否定判断した場合(ステップS506:No)、ステップS510へ進む。
【0132】
次に、分類部200Dは、ステップS504で取得した色空間情報が、透明画像を示す情報であるか否かを判断する(ステップS510)。そして、ステップS504で取得した色空間情報が透明画像を示す情報である場合には(ステップS510:Yes)、透明画像のオブジェクト群として分類リスト記憶部200Eに格納する(ステップS512)。
【0133】
一方、分類部200Dは、ステップS504で取得した色空間情報が、透明画像を示す情報ではない場合、すなわち、該色空間情報が有色画像を示す情報である場合(ステップS510:No)、有色画像のオブジェクト群として分類リスト記憶部200Eに格納する(ステップS514)。
【0134】
次に、ステップS412(図14参照)の表示画像生成処理について説明する。
【0135】
図16は、表示画像生成処理の手順を示すフローチャートである。
【0136】
表示画像生成部200Mは、まず、第2光沢制御版画像データを分類画像データ記憶部200Gから読み取る(ステップS520)。そして、表示画像生成部200Mは、該第2光沢制御版画像データの画素数分、ステップS522の処理を繰り返す。
【0137】
表示画像生成部200Mでは、表示管理情報記憶部200Iに格納されている、光沢領域に対応する表示管理情報に含まれる、色情報及び透明度情報等の表示色設定に従い、第3光沢制御版画像データの画素データを生成する(ステップS522)。詳細には、表示画像生成部200Mでは、第2光沢制御版画像データの画素データに含まれる色及び濃度を示す情報を、光沢領域に対応する表示管理情報に含まれる色情報及び透明度情報に応じた色及び濃度に変換する。
【0138】
このステップS522の処理を、第2光沢制御版画像データの画素数分繰り返すことによって、第3光沢制御版画像データが生成される。
【0139】
次に、表示画像生成部200Mは、第2クリア版画像データを分類画像データ記憶部200Gから読み取る(ステップS524)。そして、表示画像生成部200Mは、該第2クリア版画像データの画素数分、ステップS526の処理を繰り返す。
【0140】
表示画像生成部200Mでは、表示管理情報記憶部200Iに格納されている、透明画像に対応する表示管理情報に含まれる、色情報及び透明度情報等の表示色設定に従い、第3クリア版画像データの画素データを生成する(ステップS526)。詳細には、表示画像生成部200Mでは、第2クリア版画像データの画素データに含まれる色及び濃度を示す情報を、透明画像に対応する表示管理情報に含まれる色情報及び透明度情報に応じた色及び濃度に変換する。
【0141】
このステップS526の処理を、第2クリア版画像データの画素数分繰り返すことによって、第3クリア版画像データが生成される。
【0142】
次に、ステップS413(図14参照)の合成画像生成処理について説明する。
【0143】
図17は、合成画像生成処理の手順を示すフローチャートである。
【0144】
まず、合成画像生成部200Hが、光沢領域の表示オンであるか否かを判断する(ステップS600)。合成画像生成部200Hは、管理テーブルに格納されている光沢領域に対応する表示管理情報を読み取り、表示情報として、表示オンが設定されているか否かを判別することによって、ステップS600の判断を行う。
【0145】
そして、光沢領域に対応する表示管理情報に含まれる表示情報が、表示オンを示す場合には、合成画像生成部200Hは、肯定判断し(ステップS600:Yes)、ステップS602へ進む。一方、光沢領域に対応する表示管理情報に含まれる表示情報が、表示オフを示す場合には、合成画像生成部200Hは、否定判断し(ステップS600:No)、後述するステップS608へ進む。
【0146】
次に、合成画像生成部200Hは、第3光沢制御版画像データを表示画像生成部200Mから読み取る(ステップS602)。そして、合成画像生成部200Hは、読み取った第3光沢制御版画像データを合成対象として設定する(ステップS606)。
【0147】
次に、合成画像生成部200Hが、透明画像の表示オンであるか否かを判断する(ステップS608)。合成画像生成部200Hは、管理テーブルに格納されている透明画像に対応する表示管理情報を読み取り、表示情報として、表示オンが設定されているか否かを判別することによって、ステップS608の判断を行う。
【0148】
そして、透明画像に対応する表示管理情報に含まれる表示情報が、表示オンを示す場合には、合成画像生成部200Hは、肯定判断し(ステップS608:Yes)、ステップS610へ進む。一方、透明画像に対応する表示管理情報に含まれる表示情報が、表示オフを示す場合には、合成画像生成部200Hは、否定判断し(ステップS608:No)、後述するステップS618へ進む。
【0149】
次に、合成画像生成部200Hは、第3クリア版画像データを、表示画像生成部200Mから読み取る(ステップS610)。次に、合成画像生成部200Hは、読み取った該第3クリア版画像データを、合成対象として設定する(ステップS614)。
【0150】
次に、合成画像生成部200Hは、分類画像データ記憶部200Gに格納されている第2有色版画像データと、第3クリア版画像データ及び第3光沢制御版画像データの内の合成対象として設定された画像データを合成し、合成画像の合成画像データを生成する(ステップS618)。
【0151】
上述した画像表示処理を実行することによって、例えば、下記の表示画像が表示される。
【0152】
たとえば、図18に示すように、第2有色版画像データ700と、第2光沢制御版画像データ702と、第2クリア版画像データ704と、が分類画像データ記憶部200Gに記憶されていたとする。
【0153】
また、光沢領域の表示色として水色706が設定され、透明画像の表示色として赤色708が設定されていたとする。
【0154】
そして、表示管理情報記憶部200Iに格納されている表示情報が光沢領域については表示有り(表示オン)を示し、透明画像については表示無し(表示オフ)を示すとする。この場合には、表示画像生成部200Mは、第2光沢制御版画像データ702の光沢領域の色を水色706に変更した第3光沢制御版画像データ702Aと、第2クリア版画像データ704の透明画像の色を赤色708に変更した第3クリア版画像データ704Aを生成する。
【0155】
そして、合成画像生成部200Hは、第3光沢制御版画像データ702Aと、第2有色版画像データ700と、を合成し、合成画像の合成画像データ712を生成する。このため、この場合、表示部99Dには、合成画像データ712の合成画像が表示される。
【0156】
また、表示管理情報記憶部200Iに格納されている表示情報が光沢領域については表示無し(表示オフ)を示し、透明画像については表示有り(表示オン)を示すとする。この場合には、合成画像生成部200Hは、第3クリア版画像データ704Aと、第2有色版画像データ700と、を合成し、合成画像の合成画像データ720を生成する。このため、この場合、表示部99Dには、合成画像データ720の合成画像が表示される。
【0157】
このため、本実施形態の表示処理部15によれば、原稿データに基づいて、第2有色版画像データ、第2クリア版画像データ、及び第2光沢制御版画像データを生成する。そして、表示処理部15では、第2クリア版画像データの透明画像の色、及び第2光沢制御版画像データの光沢領域の色を、設定された表示色に変換した第3クリア版画像データ、及び第3光沢制御版画像データを生成する。そして、表示処理部15では、第3クリア版画像データ、及び第3光沢制御版画像データの内、表示情報によって表示有り(表示オン)を指定された画像データと、第2有色版画像データと、を合成して合成画像を生成する。そして、この合成画像を表示部99Dに表示する。
【0158】
このため、ユーザによって設定された、光沢領域の表示の有無や、透明画像の表示の有無の設定に応じて、プレビュー表示を切り替えることができる。
【0159】
従って、本実施形態の表示処理部15によれば、表面効果の与えられる光沢領域と、透明画像と、を切り替えてプレビュー表示することができる。
【0160】
また、表示処理部15によれば、表示時の表示色や透明度を指定することができる。このため、表示処理部15によれば、有色画像の描画領域と、透明画像の描画領域とが重なる場合であっても、これらの描画領域の双方を表示することができる。
【0161】
<DEF30、MIC40、印刷装置60について>
図1に戻り、次に、DEF30、MIC40、印刷装置60について説明する。
【0162】
DFE30は、ホスト装置11から印刷データを受信し、当該印刷データに基づいて、CMYKの各トナーおよび無色(透明色)のクリアトナーに応じたトナー像を形成するための画像データを生成する。そして、その生成した画像データを、MIC40を介してプリンタ機50および後処理機75の各々へ送信する。
【0163】
プリンタ機50には、CMYKの各トナーとクリアトナーとが少なくとも搭載されており、各トナーに対して感光体、帯電器、現像器及び感光体クリーナーを含む作像ユニット、及び露光器等が搭載されている。プリンタ機50は、MIC40を介してDFE30から送信された画像データに応じて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを記録紙などの記録媒体に転写する。転写されたトナー像は、不図示の定着機において、所定の範囲内の温度(通常温度)での加熱および加圧が加えられて記録媒体上に定着する。これにより、記録媒体上に画像が形成される(詳細後述)。
【0164】
図1の例では、後処理機75は、プリンタ機50に接続されるグロッサ70と、グロッサ70に接続される通常定着後処理装置80と、通常定着後処理装置80に接続される低温定着後処理装置90とを含んで構成される。グロッサ70は、DFE30によりオン又はオフが制御され、オンにされた場合に、プリンタ機50により記録媒体に形成された画像を再定着する。これにより、記録媒体に形成された画像全体において所定量以上のトナーが付着した各画素のトナーの総付着量は均一に圧縮される。
【0165】
通常定着後処理装置80には、クリアトナー及び当該クリアトナーを定着させるための定着機が搭載されており、DFE30が生成した後述のクリアトナー版の画像データが入力される。通常定着後処理装置80は、入力されたクリアトナー版の画像データを用いて、クリアトナーによるトナー像を、グロッサ70により加圧された記録媒体上に形成された画像に重ねて形成する。そして、記録媒体上に形成されたトナー像は、定着機において通常温度での加熱および加圧が加えられて記録媒体上に定着する。
【0166】
低温定着後処理装置90には、クリアトナー及び当該クリアトナーを定着させるための定着機が搭載されており、DFE30が生成した後述のクリアトナー版の画像データが入力される。低温定着後処理装置90は、入力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を、グロッサ70および通常定着後処理装置80により加圧された記録媒体上に形成された画像に重ねて形成する。そして、記録媒体上に形成されたトナー像は、定着機において通常温度よりも低い温度(低温)での加熱および加圧が加えられて記録媒体上に定着する。
【0167】
次に、DFE30の機能的構成について説明する。図19は、DFE30の概略構成例を示すブロック図である。図19に示すように、DFE30は、I/F部31と、I/F部32と、制御部35とを含んで構成される。I/F部31はホスト装置11との間で通信を行うためのインタフェース装置である。I/F部32は、MIC40との間で通信を行うためのインタフェース装置である。
【0168】
制御部35は、DFE30全体を制御する手段であり、CPU、ROMおよびRAMなどを含んで構成されるコンピュータである。図19に示すように、制御部35が有する機能には、レンダリングエンジン101、si1部102、TRC(Tone Reproduction Curve)103、si2部104、ハーフトーンエンジン105、クリアプロセッシング108、si3部109、表面効果選択テーブル(不図示)、などが含まれる。レンダリングエンジン101と、si1部102と、TRC(Tone Reproduction Curve)103と、si2部104と、ハーフトーンエンジン105と、クリアプロセッシング108と、si3部109とは、DFE30の制御部35が主記憶部や補助記憶部に記憶されている各種プログラムを実行することにより実現されるものである。si1部102、si2部104及びsi3部109はいずれも、画像データを分離する(separate)機能と、画像データを統合する(integrate)機能とを有するものである。表面効果選択テーブルは例えば補助記憶部に記憶されるものである。
【0169】
レンダリングエンジン101には、ホスト装置11から印刷データが入力される。レンダリングエンジン101は、入力された印刷データを言語解釈して、ベクター形式で表現される第1有色版画像データ、第1クリア版画像データ、及び第1光沢制御版画像データの各々を、ラスタ形式で表現される画像データに変換すると共に、RGB形式等で表現された色空間をCMYK等の色空間に変換して、CMYKの第4有色版画像データ、第4光沢制御版画像データ、及び第4クリア版画像データを出力する。なお、これらの第4有色版画像データ、第4光沢制御版画像データ、及び第4クリア版画像データは、1画素を例えば8ビット等で表現した画像データである。また、第4クリア版画像データ及び第4光沢制御版画像データは、画素毎に例えば8ビットで「0」〜「255」(0%〜98%)の範囲の濃度値で表される。すなわち、レンダリングエンジン101は、ホスト装置11から出力された印刷データに含まれる、ベクター形式で表現される第1有色版画像データ、第1クリア版画像データ、及び第1光沢制御版画像データの各々をラスタ形式に変換し、この結果、DFE30は、ユーザが指定した描画領域に対する表面効果の種類を、画素を単位として濃度値として設定する。
【0170】
si1部102は、第4有色版画像データをTRC103に出力する。また、si1部102は、第4光沢制御版画像データ、及び第4クリア版画像データを、クリアプロセッシング108へ出力する。
【0171】
TRC103には、si1部102を介して第4有色版画像データが入力される。TRC103は、入力された第4有色版画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行う。画像処理としては、ガンマ補正の他にトナーの総量規制等があるが、この実施形態の例では省略している。si2部104は、TRC103でガンマ補正された第4有色版画像データを、インバースマスクを生成するためのデータとしてクリアプロセッシング108へ出力する。ハーフトーンエンジン105には、si2部104を介してガンマ補正後の第4有色版画像データが入力される。ハーフトーンエンジン105は、入力された第4有色版画像データを印刷装置60に出力するための、例えばCMYKの各2ビット等の画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYK各2ビット等の画像データとしての、第5有色版画像データをsi3部109へ出力する。なお、2ビットは一例であり、これに限定されるものではない。
【0172】
クリアプロセッシング108は表面情報及び装置構成に対応する、表面効果選択テーブルを参照し、グロッサ70のオン又はオフを決定すると共に、第4光沢制御版画像データ及び第4クリア版画像データを用いて、クリアトナーを付着させるための例えば、2ビット等の、後述するクリアトナー版の画像データを生成する。なお、2ビットは一例であり、これに限定されるものではない。
【0173】
詳細には、表面効果選択テーブルは、「0%」〜「98%」の範囲で表現される光沢制御版の画像データの濃度値と、「0」〜「255」の256段階で表現される光沢制御版の画像データの濃度値と、表面効果の種類と、グロッサ70のオンおよびオフの何れかを指定するオンオフ情報と、クリアトナー版の画像データの濃度値の決定方法と、実現可能な表面効果の種類とを対応付けて記憶する。この表面効果選択テーブルは、装置構成情報及びグロッサ70のオンまたはオフを示す情報に対応づけて定められている。
【0174】
図20は、表面効果選択テーブルの例を示す図である。表面効果選択テーブルの内容は、装置構成情報および優先情報に応じて決定される。装置構成情報は、印刷装置60に搭載されている後処理機75の構成を示す情報である。優先情報は「光沢優先」および「種類優先」の何れかを示す情報である。「光沢優先」とは、ユーザ指定の表面効果を、より光沢度の高い表面効果に置き換えることを示す。また、「種類優先」とは、ユーザ指定の表面効果を、最も光沢度の高い鏡面光沢(PG)を含まない表面効果に置き換えることを示す。なお、表面効果選択テーブルにおける濃度値は、図20では、範囲を持った値として示したが、この各表面効果の種類に対応する濃度値は、上記図10で説明した濃度値選択テーブルで規定された濃度値と表面効果の種類との対応関係と同じ値が設定される。
【0175】
クリアプロセッシング108は、装置構成情報および優先情報に対応する表面効果選択テーブルを、図示を省略する記憶部から読み出す。例えば、クリアプロセッシング108は、図20に示す表面効果選択テーブルを読み取る。この優先情報とは、光沢優先または種類優先を示す情報であり、ユーザの操作指示等によって指定される。装置構成情報は、印刷装置60に設けられた後処理機75の種類を示す情報である。
【0176】
そして、クリアプロセッシング108は、優先情報が光沢優先を示す場合には、グロッサ70のオンを決定する。また、クリアプロセッシング108は、優先情報が種類優先を示す場合には、グロッサ70のオフを決定する。
【0177】
そして、クリアプロセッシング108は、各画素位置の画素について、8ビットの画素データを例えば2ビットの画素データに変換する。詳細には、クリアプロセッシング108は、変換処理対象の画素について透明画像と、表面効果の与えられる光沢領域と、の双方が重なる場合には、予め別途設定された優先設定に応じていずれか一方を画素単位で排他する。
【0178】
具体的には、透明画像と光沢領域との双方の重なる画素位置については、優先設定が光沢優先を示す場合には、第4クリア版画像データの対応する画素位置の8ビットの画素データを、2ビットの画素データに変換する。また、透明画像と光沢領域との双方の重なる画素位置については、優先設定が種類優先を示す場合には、第4光沢制御版画像データの対応する画素位置の8ビットの画素データを2ビットの画素データに変換する。
【0179】
そして、クリアプロセッシング108は、優先情報に応じて決定された、グロッサ70のオンまたはオフと装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルを用いて、第4光沢制御版画像データ及び第4クリア版画像データから、2ビットの第1のクリアトナー版の画像データClr−1、2ビットの第2のクリアトナー版の画像データClr−2、および、2ビットの第3のクリアトナー版の画像データClr−3の各々を生成する。
【0180】
第1のクリアトナー版の画像データであるClr−1は、プリンタ機50がクリアトナーを用いた印刷時に用いる画像データである。また、第2のクリアトナー版の画像データであるClr−2は、通常定着後処理装置80がクリアトナーを用いた印刷時に用いる画像データである。また、第3のクリアトナー版の画像データであるClr−3は、低温定着後処理装置90がクリアトナーを用いた印刷時に用いる画像データである。
【0181】
そして、クリアプロセッシング108は、グロッサ70のオンおよびオフの何れかを指示するオンオフ指示情報と、各2ビットのクリアトナー版の画像データ(Clr−1〜Clr−3)とをsi3部109へ出力する。
【0182】
図20の例では、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「238」〜「255」(94%〜98%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類はPG(鏡面光沢)である。また、オンオフ情報は「オン」である。そして、PGのときに、第1のクリアトナー版の画像データClr−1に入力する画像データは、インバースマスク1である。また、表面効果がPGのときに、第2のクリアトナー版の画像データClr−2及びClr−3に入力する画像データは、no data(データ無し)である。
【0183】
同様に、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「212」〜「232」(84%〜90%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類はGである。また、オンオフ情報は「オン」である。そして、Gのときに、第1のクリアトナー版の画像データClr−1に入力する画像データは、インバースマスクmである。また、表面効果がGのときに、第2のクリアトナー版の画像データClr−2に入力する画像データはベタであり、Clr−3に入力する画像データは、no data(画像データ無し)である。
【0184】
同様に、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「23」〜「43」(10%〜16%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類はMである。また、オンオフ情報は「オン」である。そしてMのときに、第1のクリアトナー版の画像データClr−1及び、Clr−3に入力する画像データは、no data(画像データ無し)である。
【0185】
また、表面効果がMのときに、第2のクリアトナー版の画像データClr−2に入力する画像データはhalftone−nである。
【0186】
同様に、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「1」〜「17」(0%〜6%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類はPMである。また、オンオフ情報は「オン」である。そして、PMのときに、第1のクリアトナー版の画像データClr−1及びClr−2に入力する画像データは、no data(画像データ無し)である。
【0187】
また、表面効果PMのときに、第3のクリアトナー版の画像データClr−3に入力する画像データはベタである。
【0188】
ここで、上記インバースマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上のCMYKのトナー及びクリアトナーを合わせた総付着量が均一になるようにするためのものである。具体的には、CMYK版の画像データにおいて当該対象の領域を構成する画素の表す濃度値を全て加算し、その加算値を所定値から差し引いた画像データがインバースマスクとなる。具体的には、例えば、以下の式1で表される。
【0189】
Clr=100−(C+M+Y+K)・・・(式1)
但し、Clr<0となる場合、Clr=0
【0190】
式1において、Clr,C,M,Y,Kは、クリアトナー及びC,M,Y,Kの各トナーのそれぞれについて、各画素における濃度値から換算される濃度率を表すものである。即ち、式1によって、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量にクリアトナーの付着量を加えた総付着量を、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素について100%にする。なお、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%以上である場合には、クリアトナーは付着させずに、その濃度率は0%にする。これは、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%を超えている部分は定着処理により平滑化されるためである。このように、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素上の総付着量を100%以上にすることで、当該対象の領域においてトナーの総付着量の差による表面の凸凹がなくなり、この結果、光の正反射による光沢が生じるのである。但し、インバースマスクには、式1以外により求められるものがあり、インバースマスクの種類は複数有り得る。
【0191】
ベタマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上にクリアトナーを均一に付着させるためのものである。具体的には、例えば以下の式2で表される。
【0192】
Clr=100・・・(式2)
【0193】
なお、表面効果を与える対象の画素の中でも、100%以外の濃度率が対応付けられるものがあるようにしても良く、ベタマスクのパターンは複数有り得る。
【0194】
また、例えばインバースマスクは、各色の地肌露出率の乗算により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式3で表される。
Clr=100×{(100−C)/100}×{(100−M)/100}×{(100−Y)/100}×{(100−K)/100}・・・(式3)
上記式3において、(100−C)/100は、Cの地肌露出率を示し、(100−M)/100は、Mの地肌露出率を示し、(100−Y)/100は、Yの地肌露出率を示し、(100−K)/100はKの地肌露出率を示す。
【0195】
また、例えばインバースマスクは、最大面積率の網点が平滑性を律すると仮定した方法により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式4で表される。
Clr=100−max(C,M,Y,K)・・・(式4)
上記式4において、max(C,M,Y,K)は、CMYKのうち最大の濃度値を示す色の濃度値が代表値となることを示す。
【0196】
要するに、インバースマスクは、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。
【0197】
図20の例では、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「212」〜「232」(84%〜90%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類はG(ベタ光沢)、オンオフ情報は「オン」、第1のクリアトナー版の画像データClr−1における当該画素の濃度値は「インバースマスクm」により求められて8ビットで表現され、第2のクリアトナー版の画像データClr−2における当該画素の濃度値は「ベタ」により求められて2ビットで表現され、第3のクリアトナー版の画像データClr−3における当該画素の濃度値は無く(「no data」)、実現可能な表面効果の種類は「G」であることが示されている。なお、当該インバースマスクmは、上述の式1とは異なる式で表される(式2〜式4のうちの何れかの式で表される)。これは、PG(鏡面光沢)の場合とは、平滑化されるトナーの総付着量が異なるからである。また、ベタとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上にクリアトナーを均一に付着させるためのものである。具体的には、例えば上記式2で表される。なお、表面効果を与える対象の画素の中でも、100%以外の濃度率が対応付けられるものがあるようにしてもよく、ベタのパターンは複数有り得る。
【0198】
また、図20の例では、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「23」〜「43」(10%〜16%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類はM(網点マット)、オンオフ情報は「オン」、第1のクリアトナー版の画像データClr−1における当該画素の濃度値は「no data」、第2のクリアトナー版の画像データClr−2における当該画素の濃度値は「halftone−n」により求められて2ビットで表現され、第3のクリアトナー版の画像データClr−3における当該画素の濃度値は「no data」、実現可能な表面効果の種類は「M」であることが示されている。なお、ハーフトーンとは、クリアトナーに中間調処理を施し、表面に凹凸を付与し乱反射させることで光沢度を低くするためのものである。中間調処理には複数あり、その中の一つを示す表現としてhalftone−nと記載している。なお、本実施形態では、表面効果の種類としてM(網点マット)が指定された場合、光沢制御版の画像データにおいてMが指定された領域内の各画素の濃度値は、「23」〜「43」の範囲内の何れかの値に共通に設定される。
【0199】
また、図20の例では、第4光沢制御版画像データに含まれる画素の濃度値が「1」〜「17」(0%〜6%)の場合、当該画素の濃度値に対応する表面効果の種類はPM(つや消し)、オンオフ情報は「オン」、第1のクリアトナー版の画像データClr−1および第2のクリアトナー版の画像データClr−2の各々における当該画素の濃度値は「no data」、第3のクリアトナー版の画像データClr−3における当該画素の濃度値は「ベタ」により求められて2ビットで表現され、実現可能な表面効果の種類は「PM」であることが示されている。
【0200】
本実施形態では、クリアプロセッシング108は、光沢優先か種類優先かに応じて、図20の表面効果選択テーブルを参照して、グロッサ70のオン又はオフを決定する。また、クリアプロセッシング108は、決定されたグロッサ70のオンまたはオフと、グロッサのオンオフ及び装置構成に対応する、表面効果選択テーブルを用いて、入力された第4光沢制御版画像データを用いて、8ビットの第1のクリアトナー版の画像データClr−1、2ビットの第2のクリアトナー版の画像データClr−2、および、2ビットの第3のクリアトナー版の画像データClr−3の各々を生成する。そして、クリアプロセッシング108は、8ビットの第1のクリアトナー版の画像データClr−1に対してハーフトーン処理を行い、2ビットの第1のクリアトナー版の画像データClr−1に変換する。そして、クリアプロセッシング108は、グロッサ70のオンおよびオフの何れかを指示するオンオフ指示情報と、各2ビットのクリアトナー版の画像データ(Clr−1〜Clr−3)とをsi3部109へ出力する。
【0201】
si3部109は、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データである第5有色版画像データ(2bit×4plane)と、クリアプロセッシング108が生成した各2ビットのクリアトナー版の画像データ(Clr−1〜Clr−3)(2bit×3plane)とを統合し、統合した画像データをMIC40に出力するとともに、クリアプロセッシング108から供給されたオンオフ指示情報をMIC40に出力する。本実施形態において、例えば1ページ内においてPG、G、MおよびPMの各々が指定されていた場合、DFE30からは各々2ビットの7つの画像データ(CMYK+Clr−1+Clr−2+Clr−3)と、グロッサ70の「オン」を指示するオンオフ指示情報とがMIC40へ出力される。
【0202】
MIC40は、DFE30とプリンタ機50とに接続され、CMYKの第5有色版画像データ(2bit×4plane)および第1〜第3のクリアトナー版の画像データをDFE30から受信して各画像データを対応する装置に振り分けるとともに、後処理機75の制御を行う。
【0203】
この場合、図21に例示されるように、DFE30は、MIC40を介して、CMYKの第5有色版画像データ(2bit×4plane)および第1のクリアトナー版の画像データClr−1をプリンタ機50に出力する。また、DFE30は、MIC40を介して、「オン」を指示するオンオフ指示情報をグロッサ70へ出力する。これを受けて、グロッサ70はオン状態に遷移する。さらに、DFE30は、MIC40を介して、第2のクリアトナー版の画像データClr−2を通常定着後処理装置80へ出力し、第3のクリアトナー版の画像データClr−3を低温定着後処理装置90へ出力する。
【0204】
図21の例では、プリンタ機50は、MIC40から出力されたCMYKの第5有色版画像データ(2bit×4plane)及び第1のクリアトナー版の画像データClr−1を用いて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを記録媒体に転写した後に定着させる。
【0205】
詳細には、プリンタ機50は、電子写真方式の複数の感光体50A、感光体50A上に形成されたトナー像を転写される転写ベルト50B、転写ベルト50B上のトナー像を記録媒体に転写する転写装置50C、及び記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着機50Dを備える。
【0206】
これによって記録媒体に、CMYKのトナーの他クリアトナーが付着されて、画像が形成される。その後、搬送路に沿って記録媒体が搬送されて、オン状態になっているグロッサ70の位置に到ると、当該グロッサ70は、当該記録媒体(のプリンタ機50による画像形成領域を含む領域)を高温及び高圧で加圧する。
【0207】
通常定着後処理装置80は、MIC40から出力された第2のクリアトナー版の画像データClr−2を用いてクリアトナーによるトナー像を形成し、グロッサ70を通過した記録媒体上に当該トナー像を重ねて、通常温度での加熱および加圧を与えて記録媒体に定着させる。そして、低温定着後処理装置90は、MIC40から出力された第3のクリアトナー版の画像データClr−3を用いてクリアトナーによるトナー像を形成し、通常定着後処理装置80を通過した記録媒体上に当該トナー像を重ねて、低温での加熱および加圧を与えて記録媒体に定着させる。
【0208】
通常定着後処理装置80及び低温定着後処理装置90は、詳細には、電子写真方式の感光体80A及び感光体90Aから転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着機80B及び定着機90Bの各々を備える。記録媒体は、図示を省略する搬送部材によって搬送されることで、プリンタ機50、グロッサ70、通常定着後処理装置80、及び低温定着後処理装置90の設けられている位置を、この順に搬送される。そして、これらの機器によって順次処理が行われて画像形成及び表面効果が付与された後に、図示を省略する搬送機構によって搬送されて、印刷装置60の外部へと排出される。
【0209】
以上により、クリアトナーを用いた透明画像が記録媒体に形成される。また、ユーザによってPG(鏡面光沢)が指定された領域においては、PGとしての効果が実現され、ユーザによってG(ベタ光沢)が指定された領域においては、Gとしての効果が実現される。また、ユーザによってM(網点マット)が指定された領域においては、Mとしての効果が実現され、ユーザによってPM(つや消し)が指定された領域においては、PMとしての効果が実現される。すなわち、後処理機75として、グロッサ70と通常定着後処理装置80と低温定着後処理装置90とが搭載されている装置構成では、PG(鏡面光沢)、G(ベタ光沢)、M(網点マット)、PM(つや消し)の4種類全ての表面効果を実現することができる。なお、表面効果を与える領域として指定されていない領域には、いずれの表面効果も与えられない。
【0210】
以上説明したように、本実施形態の表示処理部15によれば、原稿データに基づいて、第2有色版画像データ、第2クリア版画像データ、及び第2光沢制御版画像データを生成する。そして、表示処理部15では、第2クリア版画像データの透明画像の色、及び第2光沢制御版画像データの光沢領域の色を、設定された表示色に変換した第3クリア版画像データ、及び第3光沢制御版画像データを生成する。そして、表示処理部15では、第3クリア版画像データ、及び第3光沢制御版画像データの内、表示情報によって表示有り(表示オン)を指定された画像データと、第2有色版画像データと、を合成して合成画像を生成する。そして、この合成画像を表示部99Dに表示する。
【0211】
このため、ユーザによって設定された、光沢領域の表示の有無や、透明画像の表示の有無の設定に応じて、プレビュー表示を切り替えることができる。
【0212】
従って、本実施形態の表示処理部15によれば、表面効果の与えられる光沢領域と、透明画像と、を切り替えてプレビュー表示することができる。
【0213】
また、表示処理部15によれば、表示時の表示色や透明度を指定することができる。このため、表示処理部15によれば、光沢領域と透明画像とが重なる場合であっても、透明画像及び光沢領域の双方を表示することができる。
【0214】
(実施形態2)
実施形態2の表示処理部では、実施形態1の表示処理部による処理に加えて、表面効果の種類毎に、更に表示を切り替えるものである。
【0215】
なお、実施形態2では、実施形態1と同じ機能や構成を示す部分には同じ符号を付与して詳細な説明を省略する。
【0216】
図2は、本実施形態のホスト装置11Aの機能ブロック図である。本実施形態のホスト装置11Aは、実施形態1で説明したホスト装置11における、分類部200D、分類リスト記憶部200E、分類画像データ生成部200F、分類画像データ記憶部200G、表示画像生成部200M、合成画像生成部200H、表示制御部200J、受付部200K、及び表示管理情報記憶部200I、の各々に代えて、分類部201D、分類リスト記憶部201E、分類画像データ生成部201F、分類画像データ記憶部201G、表示画像生成部201M、合成画像生成部201H、表示制御部201J、受付部201K、及び表示管理情報記憶部201Iを備えた点がホスト装置11とは異なる。
【0217】
以下、実施形態1と異なる部分について詳細を説明する。
【0218】
分類部201Dは、分類部200Dと同様に、オブジェクト構造リストに示される各オブジェクト(描画領域)を、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群、及び第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域群に分類する。
【0219】
本実施形態では、分類部201Dは、第1光沢制御版画像データによって特定される描画領域群を、更に、表面効果の種類毎に分類する。そして、分類部201Dは、表面効果の種類毎の描画領域群と、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群と、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群と、を示すオブジェクト分類リストを生成する。
【0220】
分類リスト記憶部201Eは、このオブジェクト分類リストを記憶する(図22の分類リスト記憶部201Eも参照)。
【0221】
分類画像データ生成部201Fは、分類画像データ生成部200Fと同様に、原稿データ、詳細には、上記オブジェクト構造リスト及びオブジェクト分類リストに基づいて、表示用のイメージデータとして、第2有色版画像データ、及び第2クリア版画像データを生成する。そして、分類画像データ生成部201Fでは、上記オブジェクト構造リスト及びオブジェクト分類リストに基づいて、表面効果の種類毎に、第2光沢制御版画像データを生成する。
【0222】
すなわち、分類画像データ生成部201Fは、オブジェクト分類リストに示される、第1光沢制御版画像データによって特定される光沢領域の表面効果の種類毎に、各描画領域群に対応する描画領域の描画情報を、オブジェクト構造リスト記憶部200Cから読み取る。そして、読みとった描画領域群の描画情報をラスター形式に変換した描画情報を各表面効果の種類毎に統合し、統合した各表面効果の種類毎の該描画領域群を同一頁上のデータ群とみなし、該描画領域群に含まれる各描画領域の位置関係や前後関係といった情報をもとに画像データを生成することによって、表面効果の種類毎に、第2光沢制御版画像データを生成する。
【0223】
このように、本実施形態では、分類画像データ生成部201Fは、第2有色版画像データ、及び第2クリア版画像データに加えて更に、表面効果の種類毎の第2光沢制御版画像データを生成する。
【0224】
分類画像データ記憶部201Gは、分類画像データ生成部201Fで生成された、各表示画像データを記憶する(図22の分類画像データ記憶部201Gも参照)。
【0225】
表示管理情報記憶部201Iは、管理テーブルを格納する。管理テーブルは、光沢領域に対応する表示管理情報と、透明画像に対応する表示管理情報と、を格納する。本実施形態の表示管理情報記憶部201Iでは、光沢領域の表面効果の各種類毎に、表示管理情報を格納する。
【0226】
このため、本実施形態では、表面効果の種類毎に、表示部99Dに表示するか否かを示す情報(表示オン情報または表示オフ情報)や、表示色情報や、透明度情報が設定される(図22の表示管理情報記憶部201Iも参照)。
【0227】
受付部201Kは、表示情報、表示色情報、及び透明度情報を含む表示管理情報を操作部99Bから受け付け、表示管理情報記憶部201Iの上記管理テーブルに格納する。これらの表示情報、表示色情報、及び透明度情報は、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって入力される。
【0228】
例えば、表示情報及び表示色情報の設定を行うときに表示部99Dに表示するための入力画面を示す入力画面情報を、予め表示管理情報記憶部201Iに記憶しておく。そして、操作部99Bのユーザによる操作によって、表示情報及び表示色情報の設定開始を示す信号が表示処理部15に入力される。すると、受付部201Kは、表示管理情報記憶部201Iに格納されている入力画面情報の入力画面を表示部99Dに表示する。そして、ユーザによる操作部99Bによる操作指示によって、表示情報及び表示色情報が設定される。
【0229】
例えば、表示部99Dに、上述した図12(A)に示す入力画面1090を表示する。そして、入力画面1090において、表面効果の与えられる光沢領域の表示の有無を選択するためのチェックボックス109Cにチェックマークが入力されたとする。この場合、本実施形態では、受付部201Kは、光沢領域の表示有りを示す表示ON(表示オン)情報を表示情報として、光沢領域を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。また、ユーザによる操作部99Bの指示によって切り替えボタン109Dが操作指示されると、表示部99Dには、図23に示すように、表面効果の種類毎に、表示を行うか否かを示す表示情報、表示色情報、透明度情報を設定するための入力画面115が表示される。
【0230】
入力画面115には、表面効果の与えられる領域である光沢領域を選択するための選択ボタン115Aが表示される。また、入力画面115には、該選択ボタン115Aによって選択された光沢領域の表示の有無を選択するための選択ボタン115Bが表示されている。また、入力画面115には、該選択ボタン115Aによって選択された光沢領域の表示時の色である表示色を設定するための表示色設定欄115C、及び該光沢領域の表示時の透明度を設定するための透明度設定欄115Dが含まれる。そして、ユーザによる操作部99Bの操作によって、表面効果の種類毎に、表示の有無、表示色、及び表示時の透明度が設定可能となっている。
【0231】
図23に示す例では、表面効果の与えられる領域である表面効果の種類である「つや消し」については、表示有りを示す情報が設定され、表示色として水色、透明度として80%が設定されている。
【0232】
この場合、受付部201Kは、表面効果の与えられる領域である表面効果の種類である「つや消し」に対応して、表示オン情報、表示色情報として「水色」を示す情報、透明度情報として「80%」を示す情報を、表面効果の種類である「つや消し」を示す情報に対応づけて管理テーブルに格納する。
【0233】
なお、この表面効果の種類を示す情報は、表面効果の種類に対応する濃度値を示す情報であってもよい。
【0234】
図2に戻り、説明を続ける。表示画像生成部201Mは、分類画像データ記憶部201Gに格納されている第2光沢制御版画像データによって示される、表面効果の種類毎の光沢領域の色及び透明度を、表示管理情報記憶部201Iに格納されている光沢領域の表面効果の種類に対応する表示色情報(第1表示色情報)の表示色及び透明度情報の透明度に変換し、第3光沢制御版画像データを生成する。
【0235】
同様に、表示画像生成部201Mは、表示画像生成部200Mと同様にして、分類画像データ記憶部201Gに格納されている第2クリア版画像データの透明画像の色及び透明度を、表示管理情報記憶部201Iに格納されている透明画像に対応する表示色情報(第2表示色情報)の表示色及び透明度情報の透明度に変換し、第3クリア版画像データを生成する。
【0236】
合成画像生成部201Hは、表示画像生成部201Mで生成された、第3光沢制御版画像データ及び第3クリア版画像データの少なくとも一方と、分類画像データ記憶部201Gに格納されている第2有色版画像データと、を合成し、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を示す、合成画像を生成する。
【0237】
具体的には、合成画像生成部201Hは、表示管理情報記憶部201Iに格納されている管理テーブルを読取り、表面効果の種類毎の光沢領域、及び透明画像の内、表示オンを示す表示情報の対応づけられた表面効果の種類及び透明画像を読み取る。そして、合成画像生成部201Hは、表示情報が表示オンを示す表面効果の種類に対応する第3光沢制御版画像データを表示画像生成部201Mから読み取り、表示オンを示す透明画像の第3クリア版画像データを表示画像生成部201Mから読み取る。
【0238】
そして、合成画像生成部201は、第2有色画像データと、読み取った第3光沢制御版画像データ及び第3クリア版画像データを合成し、合成画像を生成する。
【0239】
表示制御部201Jは、合成画像生成部201Hで生成された合成画像を表示部99Dに表示する。
【0240】
次に、表示処理部15で実行する表示処理を説明する。
【0241】
図22には、表示処理部15における画像表示処理の手順を示すシーケンス図を示した。なお、図22は、図11に示す原稿データの印刷結果を推定した表示画像を表示部99Dに表示するまでの、画像表示処理の手順を示すシーケンス図である。
【0242】
まず、表示処理部15では、図12に示す入力画面1090を表示部99Dに表示する。そして、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって、表示対象の原稿データの選択指示を行うためのPDF選択ボタン109Eが操作指示される。そして、プレビュー対象の原稿データが選択されると、原稿データ受付部200Aが該指示された原稿データを読み取り、一次メモリ201Bに展開する(SEQ1、SEQ2)。
【0243】
次に、構造解析部200Bは、ユーザによる操作部99Bの操作指示によって表示対象の頁が選択されると(SEQ4)、該選択結果に対応する頁の原稿データを一次メモリ201Bから読み取り、解析する(SEQ3、SEQ5)。
【0244】
そして構造解析部200Bは、解析結果であるオブジェクト構造リストを、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納する(SEQ6)。
【0245】
分類部201Dは、オブジェクト構造リスト記憶部200Cに格納された、オブジェクト構造リストに示される各オブジェクト1〜オブジェクト5を、第1有色版画像データによって特定される有色画像の描画領域群、第1クリア版画像データによって特定される透明画像の描画領域群、及び第1光沢制御版画像データによって特定される表面効果の種類毎の光沢領域の描画領域群に分類し、オブジェクト分類リストを生成する(SEQ530、SEQ531)。
【0246】
図11に示す原稿データの内、オブジェクト3〜オブジェクト5は、光沢領域の描画情報の各々を示す。そして、図11に示すように、オブジェクト3とオブジェクト4は、同じ濃度値(98%)が設定されていることから、表面効果の種類が同じである。一方、オブジェクト5は、濃度値が2%であり、オブジェクト3及びオブジェクト4とは表面効果の種類が異なる。
【0247】
このため、分類部201Dは、オブジェクト3〜オブジェクト5の内、オブジェクト3及びオブジェクト4を、同じ表面効果の種類のオブジェクト群に分類する。そして、オブジェクト5については、異なる表面効果の種類のオブジェクト群に分類する。
【0248】
そして、分類画像データ生成部201Fは、オブジェクト分類リストによって示される、有色画像のオブジェクト群を統合し、第2有色版画像データを生成する。また、分類画像データ生成部201Fは、オブジェクト分類リストによって示される、透明画像のオブジェクト群から、第2クリア版画像データを生成する。さらに、分類画像データ生成部201Fは、表面効果の種類毎のオブジェクト群の各々から、表面効果の種類毎に、第2光沢制御版画像データを生成する。これによって、分類画像データ生成部201Fは、第2有色版画像データ、第2クリア版画像データ、及び表面効果の種類毎の第2光沢制御版画像データを生成する(SEQ532,SEQ533)。
【0249】
表示画像生成部201Mは、分類画像データ記憶部201Gに格納されている各表面効果の種類毎の第2光沢制御版画像データの光沢領域の色及び透明度を、表示管理情報記憶部201Iに格納されている光沢領域の各表面効果の種類の各々に対応する表示色情報(第1表示色情報)の表示色及び透明度情報の透明度に変換し、表面効果の種類毎の第3光沢制御版画像データを生成する。また、表示画像生成部201Mは、分類画像データ記憶部201Gに格納されている第2クリア版画像データの透明画像の色及び透明度を、表示管理情報記憶部201Iに格納されている透明画像に対応する表示色情報(第2表示色情報)の表示色及び透明度情報の透明度に変換し、第3クリア版画像データを生成する(SEQ534、SEQ535)。
【0250】
なお、表示管理情報記憶部201Iの上記管理テーブルは、操作部99Bから受け付けた、表示情報、表示色情報、及び透明度情報を含む表示管理情報を格納する(SEQ537)。
【0251】
合成画像生成部201Hは、表面効果の種類毎の表示画像データ、及びクリア版の表示画像データの内、表示管理情報記憶部201Iに格納されている管理テーブルの表示情報として表示オンの設定された表示画像データと、有色版の表示画像データと、を合成し、1枚の表示画像を生成する(SEQ534,SEQ535)。合成画像生成部201Hは、表示画像生成部201Mで生成され、表示オンの設定された、第3クリア版画像データ、各表面効果の種類毎の第3光沢制御版画像データと、分類画像データ記憶部201Gに格納されている第2有色版画像データと、を合成し、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を示す、合成画像を生成する(SEQ536)。
【0252】
そして、合成画像生成部201Hで生成された合成画像は、図22では図示を省略する表示制御部201Jによって、表示部99Dに表示される(SEQ538)。
【0253】
上述した画像表示処理を実行することによって、例えば、下記の表示画像が表示される。
【0254】
たとえば、図24に示すように、第2有色版画像データ700と、表面効果の種類が鏡面光沢(PG)(濃度98%)の第2光沢制御版画像データ703と、表面効果の種類がつや消し(PM)(濃度2%)の第2光沢制御版画像データ705と、第2クリア版表示画像データ704と、が分類画像データ記憶部201Gに記憶されていたとする。
【0255】
また、表面効果の種類が鏡面光沢(PG)(濃度98%)の表示色として水色706が設定され、表面効果の種類がつや消し(PM)(濃度2%)の表示色として水色706が設定されていたとする。また、クリア版の表示色として赤色708が設定されていたとする。
【0256】
この場合には、表示画像生成部201Mは、鏡面光沢(PG)(濃度98%)の第2光沢制御版画像データ703の色を水色706に変更した第3光沢制御版画像データ703A、つや消し(PM)(濃度2%)の第2光沢制御版画像データ705の色を水色706に変更した第3光沢制御版画像データ705A、鏡面光沢(PG)(濃度98%)の第2光沢制御版画像データ703の色を水色706に変更した第3光沢制御版画像データ703A、第2クリア版画像データ704の色を赤色708に変更した第3クリア版画像データ704Aを生成する。
【0257】
そして、表示管理情報記憶部201Iに格納されている表示情報が、鏡面光沢(PG)(濃度98%)については表示有り(表示オン)を示し、つや消し(PM)(濃度2%)及び透明画像については表示無し(表示オフ)を示すとする。
【0258】
そして、合成画像生成部201Hは、鏡面光沢(PG)(濃度98%)の第2光沢制御版画像データ703の色を水色706に変更した第3光沢制御版画像データ703Aと、第2有色版画像データ700と、を合成し、合成画像の合成画像データ730を生成する。このため、この場合、表示部99Dには、合成画像データ730の合成画像が表示される。
【0259】
そして、表示管理情報記憶部201Iに格納されている表示情報が、鏡面光沢(PG)(濃度98%)及び透明画像については表示無し(表示オフ)を示し、つや消し(PM)(濃度2%)については表示有り(表示オン)を示すとする。この場合には、合成画像生成部201Hは、つや消し(PM)(濃度2%)の第2光沢制御版画像データ705の色を水色706に変更した第3光沢制御版画像データ705Aと、第2有色版画像データ700と、を合成し、合成画像データ732を生成する。このため、この場合、表示部99Dには、合成画像データ732の合成画像が表示される。
【0260】
また、表示管理情報記憶部201Iに格納されている表示情報が、鏡面光沢(PG)(濃度98%)、透明画像については表示無し(表示オフ)、及びつや消し(PM)(濃度2%)については表示有り(表示オン)を示すとする。この場合には、合成画像生成部201Hは、つや消し(PM)(濃度2%)の第2光沢制御版画像データ705の色を水色706に変更した第3光沢制御版画像データ705Aと、鏡面光沢(PG)(濃度98%)の第2光沢制御版画像データ703の色を水色706に変更した第3光沢制御版画像データ703Aと、第2クリア版画像データ704の色を赤色708に変更した第3クリア版画像データ704Aと、第2有色版画像データ700と、を合成し、合成画像データ734を生成する。このため、この場合、表示部99Dには、合成画像データ734の合成画像が表示される。
【0261】
以上説明したように、本実施形態によれば、表面効果の種類毎に第2光沢制御版画像データを生成し、表示情報によって表示有り(表示オン)を指定された、表面効果の種類の第3光沢制御版画像データ、第3クリア版画像データ、及び第2有色版画像データを合成して合成画像を生成する。そして、この合成画像を表示部99Dに表示する。
【0262】
このため、実施形態1に加えて、表面効果の種類毎に、更に表示を切り替えることができる。
【0263】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0264】
例えば、上記に説明した各実施形態では、表示処理部15は、ホスト装置11、11Aに設けられている場合を説明したが、表示処理部15を、DFE30に設けた構成であってもよい。
【0265】
また、本実施形態では、透明画像の印刷や表面効果の付与のために、クリアトナーを用いる場合を説明したが、透明現像剤を含む色材であればよく、トナーに限られない。例えば、クリアトナーに代えて、透明な現像液を用いてもよい。
【0266】
また、プリンタ機50では、CMYKの複数の色のトナーを用いて画像を形成するようにしたが、1色のトナーを用いて画像を形成するようにしてもよい。
【0267】
(実施形態3)
実施形態1〜実施形態2では、ホスト装置11、ホスト装置11Aで合成画像を生成するように構成したが、これに限定されるものではない。
【0268】
すなわち、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にしてもよい。
【0269】
その一例として、本実施形態に係る画像形成システムでは、ホスト装置の機能の一部を、ネットワーク上のサーバ装置上に実装している。
【0270】
図25は、本実施形態に係る画像形成システムの構成を例示する図である。図25に示すように、本実施形態の画像形成システム100Dは、ホスト装置110と、DFE30と、MIC40と、印刷装置60と、を備えている。
【0271】
本実施形態では、ホスト装置110が、インターネット等のネットワークを介して、サーバ装置3060と接続された構成となっている。また、本実施形態では、実施形態1のホスト装置11における解析部200L、分類画像データ生成部200F、表示画像生成部200M、及び合成画像生成部200Hの機能を、サーバ装置3060に設けた構成となっている。
【0272】
ここで、ホスト装置110、DFE30、MIC40、及び印刷装置60の構成は、実施形態1と同様である。
【0273】
すなわち、具体的には、本実施形態では、ホスト装置110がインターネット等のネットワーク(クラウド)を介して、単一のサーバ装置3060に接続し、サーバ装置3060は、実施形態1の解析部200L、分類画像データ生成部200F、表示画像生成部200M、及び合成画像生成部200Hの機能を設けて、サーバ装置3060で、合成画像の生成処理を行うように構成している。
【0274】
まず、サーバ装置3060について説明する。図26は、本実施形態にかかるサーバ装置3060の機能的構成を示すブロック図である。サーバ装置3060は、記憶部3070と、解析部3061と、分類画像データ生成部3062と、表示画像生成部3063と、合成画像生成部3064と、通信部3065と、を主に備えている。
【0275】
通信部3065は、ホスト装置110との間で各種データや要求の送受信を行う。より具体的には、通信部3065は、ホスト装置110から、原稿データ、及び表示管理情報記憶部200Iに格納されている管理テーブルに格納されている情報である表示情報を含む第1データを受信する。また、通信部3065は、合成画像生成部3064で生成された合成画像を、ホスト装置110へ送信する。
【0276】
解析部3061、分類画像データ生成部3062、表示画像生成部3063、及び合成画像生成部3064の機能は、各々、実施形態1で説明した、解析部200L、分類画像データ生成部200F、表示画像生成部200M、及び合成画像生成部200Hの機能と同様である。
【0277】
記憶部3070は、HDDやメモリ等の記憶媒体であり、オブジェクト構造リスト、分類画像データ生成部3062で生成された、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを記憶する。また、記憶部3070は、解析部3061で分類された、オブジェクト分類リストを記憶する。また、記憶部3070は、通信部3065が受信した第1データを記憶する。
【0278】
次に、ホスト装置110について説明する。
【0279】
図27は、ホスト装置110を示す機能ブロック図である。ホスト装置110は、表示部99Dと、入力部99Aと、操作部99Bと、出力部99C、制御部111Cと、を備える。制御部111Cは、原稿データ生成部10、印刷データ生成部20、及び表示処理部15Cを備える。
【0280】
原稿データ生成部10、及び印刷データ生成部20は、実施形態1と同様である。
【0281】
表示処理部15Cは、原稿データ受付部200A、通信部200P、受付部200K、表示管理情報記憶部200I、及び表示制御部200Jを備える。原稿データ受付部200A、受付部200K、表示管理情報記憶部200I、及び表示制御部200Jは、実施形態1と同様である。
【0282】
通信部200Pは、ホスト装置110へ第1データを送信する。また、通信部200Pは、ホスト装置110から合成画像を受信する。
【0283】
次に、本実施形態のホスト装置110の表示処理部15Cで実行する画像表示処理について説明する。
【0284】
図28は、ホスト装置110の表示処理部15Cで実行する画像表示処理の手順を示すフローチャートである。
【0285】
まず、原稿データ受付部200Aが、原稿データを受け付ける(ステップS2000)。原稿データ受付部200Aで受け付けられた原稿データは、一次メモリ201Bに展開される。
【0286】
次に、通信部200Pが、上記ステップS2000で受け付けた原稿データ、及び表示情報記憶部200Iに格納されている表示情報を含む第1データを、サーバ装置3060へ送信する(ステップS2010)。
【0287】
次に、通信部200Pが、サーバ装置3060から合成画像を受信するまで否定判断を繰り返す(ステップS2020:No)。ステップS2020で肯定判断すると(ステップS2020:Yes)、ステップS2040へ進む。
【0288】
ステップS2040では、表示制御部200Jが、ステップS2020で受信した合成画像を表示部99Dへ表示する制御を行う(ステップS2040)。そして、本ルーチンを終了する。
【0289】
次に、サーバ装置3060で実行する画像処理の手順を説明する。図29は、サーバ装置3060で実行する画像処理の手順を示すフローチャートである。
【0290】
まず、サーバ装置3060の通信部3065が、ホスト装置110から第1データを受信したか否かを判断する(ステップS4000)。ステップS4000で否定判断すると(ステップS4000:No)、本ルーチンを終了する。
【0291】
一方、ステップS4000で肯定判断すると(ステップS4000:Yes)、ステップS4020へ進む。
【0292】
ステップS4020では、解析部3061が、上記ステップS4000で受信した第1データに含まれる原稿データのデータ構造を解析し、原稿データの各ページに含まれるオブジェクトを示すオブジェクト構造リストを作成する(ステップS4020)。そして、解析部3061は、オブジェクト構造リストを記憶部3070に格納する(ステップS4040)。
【0293】
次いで、解析部3061が、実施形態1におけるステップS406(図14参照)と同様にして、原稿データの分離処理を実行し、オブジェクト分類リストを生成する(ステップS4060)。
【0294】
そして、分類画像データ生成部3062が、表示用のイメージデータとして、第2有色版画像データ、第2光沢制御版画像データ、及び第2クリア版画像データを生成し、記憶部3070に格納する(ステップS4080、ステップS4100)。なお、ステップS4080の処理は、図14で説明したステップS408の処理と同様である。
【0295】
次に、表示画像生成部3063が、第3光沢制御版画像データ、及び第3クリア版画像データを生成する、表示画像生成処理を行う(ステップS4120)。
【0296】
次に、合成画像生成部3064が、原稿データの印刷結果を推定したプレビュー画像を示す合成画像を生成する、合成画像生成処理を行う(ステップS4130)。なお、ステップS4130の処理は、図14で説明したステップS413の処理と同様である。
【0297】
次に、通信部3065が、ステップS4130で生成された合成画像を、ホスト装置110へ送信し(ステップS4140)、本ルーチンを終了する。
【0298】
以上説明したように、本実施形態では、合成画像の生成を、クラウド上のサーバ装置3060で行っているので、実施形態1の効果の他、複数のホスト装置110が存在する場合でも、合成画像の生成を一括して行うことができ、管理者の便宜となる。
【0299】
なお、本実施形態では、クラウド上の単一のサーバ装置3060に、解析部3061、分類画像データ生成部3062、表示画像生成部3063、及び合成画像生成部3064を設けた構成としたが、これに限定されるものではない。
【0300】
例えば、クラウド上に2以上のサーバ装置を設け、上記各処理を、2以上のサーバ装置で分散させて実行するように構成してもよい。なお、各処理の各サーバ装置への分散の形態はこれに限定されるものではなく、任意に行うことができる。
【0301】
すなわち、ホスト装置110に入力部99A、出力部99C、表示制御部200J、及び通信部200P等の最低限の構成を設ければ、各処理の一部または全部をクラウド上の一つのサーバ装置に集中して設けたり、複数のサーバ装置に分散させて設けたりすることは任意に行うことができる。
【0302】
言い換えると、上述の例のように、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にすることができる。
【0303】
また、上記の「一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成」の場合、一の装置で行われた処理で発生したデータ(情報)を一の装置から他の装置に出力する処理、そのデータを他の装置が入力する処理等、一の装置と他の装置間、さらには、他の装置間同士で行われるデータの入出力処理を含むような構成となる。
【0304】
つまり、他の装置が1つの場合では、一の装置と他の装置間で行われるデータの入出力処理を含むような構成となり、他の装置が2以上の場合では、一の装置と他の装置間、及び、第一の他の装置・第二の他の装置間のように他の装置間同士でデータの入出力処理を含むような構成となる。
【0305】
また、本実施形態では、サーバ装置3060などの1または複数のサーバ装置を、クラウド上に設けているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置3060などの1または複数のサーバ装置を、イントラネット上に設ける等、あらゆるネットワーク上に設けた構成としてもよい。
【0306】
次に、上述した実施形態のホスト装置11、11A、110、DFE30、及びサーバ装置3060のハードウェア構成について説明する。
【0307】
図30は、本実施形態のホスト装置11、11A、110、DFE30、及びサーバ装置3060のハードウェア構成例を示すブロック図である。本実施形態のホスト装置11、11A、110、DFE30、及びサーバ装置3060は、CPUなどの制御装置1010と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの主記憶装置1020と、HDD、CDドライブ装置などの補助記憶装置1030と、ディスプレイ装置などの表示装置1040と、キーボードやマウスなどの入力装置1050と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0308】
本実施形態のホスト装置11、11A、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0309】
また、本実施形態のホスト装置11、11A、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のホスト装置11、11A、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態のホスト装置11、11A、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行される制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0310】
本実施形態のホスト装置11、11A、110、DFE30、及びサーバ装置3060で実行されるプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。なお、上述の実施形態では、ホスト装置11、11A、110、DFE30、及びサーバ装置3060が本実施形態に係る処理を実行しているが、これに限らず、本実施形態に係る処理を実行する装置の種類は任意であり、例えばPCで処理を実行することもできる。
【0311】
なお、上述した実施形態において、画像形成システム100は、ホスト装置11(11A、110)、DFE30、MIC40、印刷装置60を備えるように構成したが、これに限らない。例えば、ホスト装置11(11A、110)、DFE30、MIC40、印刷装置60を一体的に形成して1つの画像形成装置として構成するようにしてもよい。
【0312】
また、MIC40とプリンタ機50とを一体的に構成してもよい。
【0313】
また、上述した実施形態のプリンタシステムは、MIC40を備えた構成としているが、これに限定されるものではない。上述したMIC40が行う処理、機能をDFE30等の他の装置にもたせて、MIC40を設けない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0314】
100、100D 画像形成システム
11、11A、110 ホスト装置
10 原稿データ生成部
15、15C 表示処理部
20 印刷データ生成部
30 DFE
99B 操作部
99D 表示部
200A 原稿データ受付部
200B 構造解析部
200D、201D 分類部
200F、201F、3062 分類画像データ生成部
200H、201H、3064 合成画像生成部
200I、201I 表示管理情報記憶部
200J、201J 表示制御部
200K、201K 受付部
200L、3061 解析部
200M、201M、3063 表示画像生成部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0315】
【特許文献1】特開2008−145784号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に付与する表面効果の種類及び前記表面効果を付与する光沢領域を特定すると共に、該光沢領域の表示時の色を示す光沢制御版画像データと、前記記録媒体に形成する透明画像を特定すると共に該透明画像の表示時の色を示すクリア版画像データと、の各々の表示有りまたは表示無しを指定した表示情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記光沢制御版画像データ及び前記クリア版画像データの内、前記表示情報によって表示有りを指定された画像データと、有色画像を示す有色版画像データと、を合成した合成画像を生成する生成手段と、
前記合成画像を表示部に表示する制御を行う表示制御手段と、
を備えた表示処理装置。
【請求項2】
有色画像を描画領域毎に示す第1有色版画像データ、表面効果の種類及び該表面効果を与える光沢領域を描画領域毎に示す第1光沢制御版画像データ、及び透明画像を描画領域毎に示す第1クリア版画像データを含む原稿データに基づいて、画素毎に有色画像の濃度値を規定した前記有色版画像データとしての第2有色版画像データ、前記表面効果の種類に応じた濃度値を画素毎に規定した第2光沢制御版画像データ、及び画素毎に透明画像の濃度値を規定した第2クリア版画像データを生成する第1生成手段と、
前記光沢領域の表示時の色を示す第1表示色情報、前記透明画像の表示時の色を示す第2表示色情報を、予め記憶した記憶手段と、
前記第2光沢制御版画像データによって特定される前記光沢領域の色を前記第1表示色情報の表示色に変換した前記光沢制御版画像データとしての第3光沢制御版画像データ、及び前記第2クリア版画像データによって特定される前記透明画像の色を前記第2表示色情報の表示色に変換した前記クリア版画像データとしての第3クリア版画像データを生成する第2生成手段と、
を更に備え、
前記生成手段は、生成された前記第3光沢制御版画像データ及び生成された前記第3クリア版画像データの内、前記表示情報によって表示有りを指定された画像データと、前記第2有色版画像データと、を合成した合成画像を生成する、
請求項1に記載の表示処理装置。
【請求項3】
前記原稿データに含まれる描画領域の一欄を示すオブジェクト構造リストを作成することによって、該原稿データの構造を解析する構造解析手段と、
前記オブジェクト構造リストによって示される前記描画領域を、前記有色画像を示す第1描画領域群、前記光沢領域を示す第2描画領域群、及び前記透明画像を示す第3描画領域群に分類する分類手段と、
を有する解析手段を更に備え、
前記第1生成手段は、前記解析手段による解析結果に基づいて、前記第1描画領域群に属する描画領域を統合した画像データに基づいて前記第2有色版画像データを生成し、前記第2描画領域群に属する描画領域を統合した画像データに基づいて前記第2光沢制御版画像データを生成し、前記第3描画領域群に属する描画領域を統合した画像データに基づいて前記第2クリア版画像データを生成する、
請求項2に記載の表示処理装置。
【請求項4】
前記分類手段は、前記第2描画領域群を、前記表面効果の種類毎に更に分類し、
前記第1生成手段は、前記第2描画領域群に属する描画領域を前記表面効果の種類毎に統合した複数の前記第2光沢制御版画像データを生成し、
前記記憶手段は、前記表面効果の種類毎に前記光沢領域の表示時の色を示した複数種類の前記第1表示色情報を記憶し、
前記第2生成手段は、前記第2光沢制御版画像データによって特定される前記光沢領域の色を、該光沢領域の表面効果の種類に応じた前記第1表示色情報の表示色に変換した前記第3光沢制御版画像データを生成し、
前記受付手段は、前記光沢領域の表面効果の種類毎に生成された前記第3光沢制御版画像データ及び前記第3クリア版画像データの各々の表示有りまたは表示無しを指定した前記表示情報の入力を受け付け、
前記生成手段は、1または複数種類の前記第3光沢制御版画像データ、及び前記第3クリア版画像データの内、前記表示情報によって表示有りを指定された画像データと、前記第2有色版画像データと、を合成した合成画像を生成する、請求項3に記載の表示処理装置。
【請求項5】
前記透明画像及び前記表面効果は、透明現像剤を記録媒体に付与することによって形成される請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の表示処理装置。
【請求項6】
原稿データに基づいて記録媒体に画像を形成する印刷手段と、前記印刷手段が実行する印刷の結果を推定したプレビュー画像を示す合成画像を表示部に表示する表示処理装置と、を備えた画像形成システムであって、
前記表示処理装置は、
前記原稿データに基づいて作成された、記録媒体に付与する表面効果の種類及び前記表面効果を付与する光沢領域を特定すると共に、該光沢領域の表示時の色を示す光沢制御版画像データと、前記記録媒体に形成する透明画像を特定すると共に該透明画像の表示時の色を示すクリア版画像データと、の各々の表示有りまたは表示無しを指定した表示情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記光沢制御版画像データ及び前記クリア版画像データの内、前記表示情報によって表示有りを指定された画像データと、有色画像を示す有色版画像データと、を合成した合成画像を生成する生成手段と、
前記合成画像を表示部に表示する制御を行う表示制御手段と、
を備えた画像形成システム。
【請求項7】
コンピュータに、
記録媒体に付与する表面効果の種類及び前記表面効果を付与する光沢領域を特定すると共に、該光沢領域の表示時の色を示す光沢制御版画像データと、前記記録媒体に形成する透明画像を特定すると共に該透明画像の表示時の色を示すクリア版画像データと、の各々の表示有りまたは表示無しを指定した表示情報の入力を受け付けるステップと、
前記光沢制御版画像データ及び前記クリア版画像データの内、前記表示情報によって表示有りを指定された画像データと、有色画像を示す有色版画像データと、を合成した合成画像を生成するステップと、
前記合成画像を表示部に表示する制御を行うステップと、
を実行させるための表示処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−77293(P2013−77293A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−185616(P2012−185616)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】