説明

表示制御装置、放射線撮像装置及び放射線撮像システム

【課題】撮像装置の動作状況もしくは撮像モードに基づきリアルタイム表示を行うと判断された場合であっても、画像の劣化を生じさせること無く、画像の表示遅延を抑制する。
【解決手段】X線撮像装置110によって撮像された複数の画像を表示装置150に表示する制御を行う表示制御装置120において、送信順番決定部113で決定された送信順番にしたがってX線撮像装置110から順次送信された複数の画像を画像受信部122で順次受信する。そして、表示制御部125において、リアルタイム表示要求に基づく順番で、画像受信部122で受信した画像を表示装置150に表示する制御を行うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を撮像する放射線撮像装置及びその駆動方法、放射線撮像装置で撮像された画像の表示を行う表示制御装置及び表示制御方法、並びに、放射線撮像装置と表示制御装置とを有する放射線撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、IVR(Interventional Radiology)等を目的としてリアルタイムで透視撮影を行うX線撮像システムは、X線撮像装置、表示制御装置及び表示装置を有して構成されている。従来、X線撮像装置にはイメージインテンシファイアと当該イメージインテンシファイアに連結されたアナログ撮像管もしくはCCDが用いられ、アナログデータをビデオ信号経由で表示制御装置に伝達し、CRTモニタ等の表示装置にアナログ表示を行っていた。このイメージインテンシファイアを用いたX線撮像装置としては、例えば、下記の特許文献1に挙げるものがある。
【0003】
近時では、デジタル化が進み、X線撮像装置では、イメージインテンシファイア(+アナログ撮像管もしくはCCD)がフラットパネルセンサ(FPD)にとってかわりつつある。これに伴い、CRTモニタ等が、DVI(Digital Visual Interface)経由での高精度液晶モニタにとってかわってきており、撮影から表示までをデジタル化したフルデジタルシステムが構築されようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−12280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したフルデジタルシステムのX線撮像システムでは、X線撮像装置の撮影スピードが速くなった場合や画像データの解像度が大きくなった場合に、X線撮像装置と表示制御装置との間を繋ぐ通信手段の帯域が不足する事態が生じる懸念がある。これにより、X線撮像装置から表示制御装置への画像データの伝達が追いつかず、表示装置の表示遅延が発生してしまう恐れがある。
【0006】
また、逆に、表示遅延を起こさないために、画像データを非可逆圧縮したりサンプリングしたりすると、画像データの欠損が起こり、表示装置に表示される画像の劣化が生じて、例えば、医療行為等への支障を招くことに繋がる恐れがある。
【0007】
特に、X線撮像システムにおいて行われるシネ撮影では、撮影中は表示遅延の少ないリアルタイム画像を表示し、撮影後は全ての画像をループして表示する「シネループ表示」を行うため、上述した両方の条件を満たさなければならない。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、撮像装置の動作状況もしくは撮像モードに基づきリアルタイム表示を行うと判断された場合であっても、画像の劣化を生じさせること無く、画像の表示遅延を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示制御装置は、放射線撮像装置によって撮像された複数の画像を表示装置に表示する制御を行う表示制御装置であって、決定された送信順番にしたがって前記放射線撮像装置から順次送信された複数の画像を順次受信する画像受信手段と、リアルタイム表示要求に基づく順番で、前記画像受信手段で受信した画像を前記表示装置に表示する制御を行う表示制御手段とを有する。
【0010】
本発明の放射線撮像装置は、表示装置の表示制御を行う表示制御装置と通信可能に接続された放射線撮像装置であって、複数の画像を撮像する撮像手段と、リアルタイム表示要求に基づいて、前記複数の画像における各画像を前記表示制御装置に送信する際の送信順番を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された送信順番に基づいて、前記複数の画像における各画像を前記表示制御装置に順次送信する画像送信手段とを有する。
【0011】
本発明の放射線撮像システムは、前記表示制御装置と、前記放射線撮像装置とを有する。
【0012】
本発明の表示制御方法は、放射線撮像装置によって撮像された複数の画像を表示装置に表示する制御を行う表示制御方法であって、決定された送信順番にしたがって前記放射線撮像装置から順次送信された複数の画像を順次受信する画像受信ステップと、リアルタイム表示要求に基づく順番で、前記画像受信ステップで受信した画像を前記表示装置に表示する制御を行う表示制御ステップとを有する。
【0013】
本発明の放射線撮像装置の駆動方法は、表示装置の表示制御を行う表示制御装置と通信可能に接続された放射線撮像装置の駆動方法であって、複数の画像を撮像する撮像ステップと、リアルタイム表示要求に基づいて、前記複数の画像における各画像を前記表示制御装置に送信する際の送信順番を決定する決定ステップと、前記決定ステップで決定された送信順番に基づいて、前記複数の画像における各画像を前記表示制御装置に順次送信する画像送信ステップとを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、撮像装置の動作状況もしくは撮像モードに基づきリアルタイム表示を行うと判断された場合であっても、画像の劣化を生じさせること無く、画像の表示遅延を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るX線撮像システム(放射線撮像システム)の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の画像分割部で行われる処理の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の送信順番決定部による送信順番決定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】第1のシネ撮影が行われた際に、送信順番決定部において決定された送信順番の一例を示す模式図である。
【図5】第2のシネ撮影が行われた際に、送信順番決定部において決定された送信順番の一例を示す模式図である。
【図6】透視撮影が行われた際に、送信順番決定部において決定された送信順番の一例を示す模式図である。
【図7】静止画撮影が行われた際に、送信順番決定部において決定された送信順番の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の実施形態に係る表示制御装置の表示制御部による表示制御方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】図8のステップS804のシネループ表示における詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】図8のステップS804のシネループ表示における詳細な処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
【図11】図8のステップS804のシネループ表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す本発明に係る放射線撮像装置の実施形態の説明においては、放射線としてX線を適用したX線撮像装置の例を示すが、本発明においてはこれに限定されない。本発明の放射線としては、X線に限らず、例えば、α線、β線、γ線なども含まれるものとし、これらの放射線を用いて撮影された放射線画像を処理する装置も本発明に含まれるものとする。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るX線撮像システム(放射線撮像システム)の概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、X線撮像システム100は、X線撮像装置(放射線撮像装置)110と、表示制御装置120と、通信手段130と、ユーザインタフェース(UI)140と、表示装置150を有して構成されている。
【0018】
X線撮像装置110は、表示装置150の表示制御を行う表示制御装置120と通信可能に接続されており、X線を被写体に照射して、被写体を透過したX線に基づくX線画像の撮像を行うものである。表示制御装置120は、X線撮像装置110で撮像された複数の画像を表示装置150に表示する制御を行う。通信手段130は、X線撮像装置110と表示制御装置120とを通信可能に接続するものであり、例えば、イーサネット(登録商標)やカメラリンク等が適用される。UI140は、ユーザがX線撮像システム100に対して入力指示を行う際にユーザによって操作されるものである。表示装置150は、表示制御装置120による表示制御により、X線撮像装置110で撮像された画像等の表示を行うものである。
【0019】
次に、X線撮像装置110の内部構成について説明する。
X線撮像装置110は、図1に示すように、撮像部111、画像格納メモリ112、送信順番決定部113、順番情報送信部114、画像分割部115、及び、画像送信部116を有して構成されている。
【0020】
撮像部111は、被写体における複数の画像を撮像するものである。
例えば、撮像部111は、被写体に対してX線管からX線を発生させるX線発生装置(放射線発生装置)や、被写体を透過したX線(X線像)を可視光(可視光像)に変換して可視光像に基づく画像の画像データを生成する変換部を含み構成されている。この変換部には、例えば、上述したイメージインテンシファイアや、検出素子及びスイッチ素子を含む画素が2次元状に配列された平面検出器が用いられる。
【0021】
変換部としてイメージインテンシファイアを用いる場合は、被写体を透過したX線像を電子に変換して増倍した後、出力面で可視光像に変換して画像データを得る。
また、変換部として平面検出器を用いる場合は、まず、2次元状に配列された各検出素子において入射したX線をX線量に比例した電荷(以下、「信号電荷」と称する)として検出する。そして、例えば薄膜トランジスタ(TFT)からなる各スイッチ素子において各検出素子で検出された信号電荷を読み出し、読み出した信号電荷を電圧に変換した後、A/D変換を行ってデジタル信号からなる画像データを得る。
【0022】
画像格納メモリ112は、撮像部111で撮像された複数の画像(画像データ)を、一時的に記憶し格納する。
【0023】
送信順番決定部113は、まず、UI140から入力された撮影条件に基づいて撮像部111で撮影された画像の優先度を決定する。そして、送信順番決定部113は、決定した優先度と撮像部111で撮像された時刻とに基づいて、撮像部111で撮像された複数の画像における各画像を表示制御装置120に送信する際の送信順番を決定する。そして、送信順番決定部113は、決定した送信順番を示す送信順番情報を順番情報送信部114に送る。
【0024】
順番情報送信部114は、画像格納メモリ112に格納された各画像に関連付けられ、撮像部111で撮像された撮像順番を示す撮像順番情報を表示制御装置120に送信する。また、順番情報送信部114は、送信順番決定部113から送られた送信順番情報を画像分割部115及び画像送信部116に送信する。ここで、撮像順番情報は、撮像部111で撮像された時刻に基づいて決定されたものである。
【0025】
画像分割部115は、UI140から入力された入力情報に基づいて、必要に応じて、画像格納メモリ112に格納された各画像を分割する。この際、画像分割部115は、送信順番決定部113で決定された送信順番情報にしたがって、画像格納メモリ112から、例えば、ポインタ参照等を行って画像を取得し、分割処理を行う。
【0026】
画像送信部116は、送信順番決定部113で決定された送信順番に基づいて、即ち、順番情報送信部114から送られた送信順番情報に基づいて、画像格納メモリ112に格納されている複数の画像における各画像を表示制御装置120に順次送信する。ここで、画像格納メモリ112に格納されている画像を、画像分割部115で分割した場合には、画像送信部116は、順番情報送信部114から送られた送信順番情報に基づいて、画像分割部115で分割された各分割画像を表示制御装置120に送信する。
【0027】
なお、X線撮像装置110において、画像送信部116を複数構成し、送信順番決定部113で決定された送信順番に基づいて、任意の画像送信部から表示制御装置120に画像を送信する形態も、本実施形態として適用可能である。また、順番情報送信部114及び画像送信部116は、表示制御装置120に対して、同じ通信手段130を介して接続されていても、異なる通信手段130を介して接続されていてもよい。
【0028】
続いて、以上のように構成されたX線撮像装置110の駆動方法について説明する。
まず、UI140によって入力された撮影条件に基づいて、撮像部111で被写体に係る複数の画像の撮像が行われ、撮像された複数の画像(画像データ)の生成が行われる。そして、撮像部111で生成された複数の画像(画像データ)は、画像格納メモリ112に一時格納される。
【0029】
同時に、UI140によって入力された撮影条件や撮像部111で撮像された時刻情報を用いて、送信順番決定部113において、各画像を表示制御装置120に送信する際の送信順番が決定される。そして、送信順番決定部113で決定された送信順番を示す送信順番情報が順番情報送信部114を介して画像分割部115に送られる。
【0030】
画像分割部115では、送信順番情報に基づいて画像格納メモリ112から画像を取得し、必要に応じて、取得した画像を分割する。そして、画像送信部116は、画像分割部115で取得した画像、もしくは、画像分割部115で取得し分割した分割画像を、順番情報送信部114から送られた送信順番情報に基づいて表示制御装置120に送信する。
【0031】
ここで、UI140によって入力される撮影条件としては、例えば、シネ撮影、透視撮影、静止画撮影、スナップ撮影・DSA(Digital Subtraction Angiography)撮影等の撮影モードが挙げられる。また、撮影モードに限らず、撮影を行う被写体の部位、被写体に照射するX線の条件、撮影する際のフレームレート、撮像される画像のサイズ、ビット深度、及び色情報、並びに、当該画像のダイナミックレンジ等のいずれかを用いることも可能である。
【0032】
図2は、本発明の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の画像分割部115で行われる処理の一例を示す模式図である。
【0033】
例えば、画像分割部115では、図2(a)で示すように、画像格納メモリ112に格納されている複数の画像を、時系列単位で(各画像単位に)分割する方法により処理を行う。ここで、図2(a)に「1」、「2」等で示す画像は、例えば、1フレームの画像を示しており、この図2(a)に示す方法では、画像格納メモリ112に格納されている複数の画像における各画像については分割されない。
【0034】
また、例えば、画像分割部115は、図2(b)〜図2(e)に示す分割方法のうちのいずれかの方法を用いて、画像格納メモリ112に格納されている複数の画像における各画像を分割する。より詳細に、図2(b)には画素単位で2分割する方法が示され、図2(c)には周波数単位で2分割する方法が示され、図2(d)にはビット深度単位で2分割する方法が示され、図2(e)には色情報単位で2分割する方法が示されている。
【0035】
即ち、画像送信部116から順次送信される画像は、撮像部111によって撮像された1フレームの画像、もしくは、当該1フレームの画像を分割した分割画像となる。
【0036】
次に、送信順番決定部113による送信順番決定方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るX線撮像装置(放射線撮像装置)の送信順番決定部113による送信順番決定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0037】
なお、図3に示す例では、UI140によって入力される撮影条件として「シネ撮影、透視撮影、静止画撮影」の撮影モードを適用いた例を示す。また、画像分割部115による処理として、図2(a)に示す時系列単位で分割する方法(即ち、画像格納メモリ112に格納されている各画像については分割を行わない方法)を適用した例を示す。
【0038】
まず、UI140の操作によって撮影が開始されると、ステップS301において、送信順番決定部113は、UI140から入力された撮影条件(本例では、「撮影モード」)がどのようなものであるのかを判断する。
【0039】
ステップS301の判断の結果、撮影モードがシネ撮影である場合には、ステップS302に進む。ステップS302に進むと、送信順番決定部113は、X線撮像装置110と表示制御装置120とを繋ぐ通信手段130の帯域情報(周波数帯域情報)を用いて、撮像部111で撮像された画像をリアルタイム表示用画像とするか否かを判断する。
【0040】
ステップS302の判断の結果、リアルタイム表示用画像とする場合には、ステップS303に進む。ステップS303に進むと、送信順番決定部113は、表示遅延の短い画像表示を目指すため優先度を「高」に決定し、決定した優先度(「高」)と撮像部111で撮像された時刻とに基づいて、当該リアルタイム表示用画像における送信順番を決定する。これにより、リアルタイム表示用画像に対して、送信順番を示す送信順番情報が関連付けられる。
【0041】
一方、ステップS302の判断の結果、リアルタイム表示用画像としない場合、即ち、シネループ表示用画像とする場合には、ステップS304に進む。ステップS304に進むと、送信順番決定部113は、リアルタイム表示用画像に準ずる優先度として優先度を「中」に決定し、決定した優先度(「中」)と撮像部111で撮像された時刻とに基づいて、当該シネループ表示用画像における送信順番を決定する。これにより、シネループ表示用画像に対して、送信順番を示す送信順番情報が関連付けられる。
【0042】
図4は、シネ撮影が行われた際に、送信順番決定部113において決定された送信順番の一例を示す模式図である。図4(a)は、シネ撮影において撮像部111で撮像された画像を示し、例えば、図4(a)に示す画像に付された番号は、撮像部111で撮像された撮像順番を示す撮像順番情報である。
【0043】
例えば、図4(a)に示す画像のうち、画像1、画像3及び画像5をリアルタイム表示用画像とした場合、送信順番決定部113は、例えば、送信順番情報として、画像1に順番1を割り振り、画像3に順番2を割り振り、画像5に順番3を割り振る。また、図4(a)に示す画像のうち、画像2、画像4及び画像6をシネループ表示用画像とした場合、送信順番決定部113は、例えば、送信順番情報として、画像2に順番501を割り振り、画像4に順番502を割り振り、画像5に順番503を割り振る。ここで、優先度が高い画像には、送信順番情報として小さい順番が割り振られることになる。そして、この場合、画像送信部116からは、送信順番情報として小さい順番が割り振られた画像から、順次、表示制御装置120に送信されることになる。
【0044】
また、例えば、図4(b)に示すシネループ表示用画像が表示制御装置120に送信される前に、次のシネ撮影が開始された場合は、図5に示すように、次のシネ撮影のリアルタイム表示用画像が真っ先に表示制御装置120に送信されることになる。そして、この場合、シネループ表示をするために、続いて、図5(b)に示す次のシネ撮影におけるシネループ用画像が表示制御装置120に送信される。これは、真っ先にシネループ表示されるのが次のシネ撮影におけるリアルタイム表示用画像であるためである。このため、図5(b)に示す次のシネ撮影におけるシネループ用画像には、送信順番情報として、例えば、図4(b)に示すシネループ表示用画像よりも小さい順番401〜403が割り振られる。その後、図4(b)に示す先のシネループ表示用画像が表示制御装置120に送信される。
【0045】
また、ステップS301の判断の結果、撮影モードが透視撮影である場合には、ステップS305に進む。ステップS305に進むと、送信順番決定部113は、シネ撮影の場合と同様に、通信手段130の帯域情報(周波数帯域情報)を用いて、撮像部111で撮像された画像をリアルタイム表示用画像とするか否かを判断する。
【0046】
ステップS305の判断の結果、リアルタイム表示用画像とする場合には、ステップS306に進む。ステップS306に進むと、送信順番決定部113は、表示遅延の短い画像表示を目指すため優先度を「高」に決定し、決定した優先度(「高」)と撮像部111で撮像された時刻とに基づいて、当該リアルタイム表示用画像における送信順番を決定する。これにより、シネ撮影の場合と同様に、リアルタイム表示用画像に対して、送信順番を示す送信順番情報が関連付けられる。
【0047】
一方、ステップS305の判断の結果、リアルタイム表示用画像としない場合には、ステップS307に進む。ステップS307に進むと、送信順番決定部113は、透視撮影の場合にはシネループ表示の必要がないため、当該画像への送信順番情報の割り振りは行わない。これにより、当該画像は、表示制御装置120に送信されずに廃棄されることになる。
【0048】
図6は、透視撮影が行われた際に、送信順番決定部113において決定された送信順番の一例を示す模式図である。図6(a)は、透視撮影において撮像部111で撮像された画像を示し、例えば、図6(a)に示す画像に付された番号は、撮像部111で撮像された撮像順番を示す撮像順番情報である。
【0049】
例えば、図6(a)に示す画像のうち、画像1、画像3及び画像5をリアルタイム表示用画像とした場合、送信順番決定部113は、例えば、送信順番情報として、画像1に順番1を割り振り、画像3に順番2を割り振り、画像5に順番3を割り振る。また、図4(a)に示す画像のうち、画像2、画像4及び画像6を廃棄用画像とした場合、送信順番決定部113は、当該画像に、送信順番情報の割り振りは行わない。
【0050】
また、ステップS301の判断の結果、撮影モードが静止画撮影である場合には、ステップS308に進む。ステップS308に進むと、送信順番決定部113は、静止画撮影では他の撮影モードと異なりそれほどのリアルタイム性は求められないため、他のモードに比べて優先度が低い優先度を「低」に決定する。そして、送信順番決定部113は、決定した優先度(「低」)と撮像部111で撮像された時刻とに基づいて、当該静止画像における送信順番を決定する。これにより、静止画像に対して、送信順番を示す送信順番情報が関連付けられる。
【0051】
図7は、静止画撮影が行われた際に、送信順番決定部113において決定された送信順番の一例を示す模式図である。図7(a)は、透視撮影において撮像部111で撮像された画像を示し、例えば、図7(a)に示す画像に付された番号は、撮像部111で撮像された撮像順番を示す撮像順番情報である。
【0052】
例えば、図7(a)に示す画像1に対しては、例えば、図7(b)に示すように、送信順番情報として、他のモード(シネ撮影及び透視撮影)に比べて優先度の低い順番1001を割り振る。
【0053】
以上のステップS301〜ステップS308の処理を経ることにより、送信順番決定部113による画像の送信順番が決定される。
【0054】
次に、図1に示す表示制御装置120の内部構成について説明する。
表示制御装置120は、図1に示すように、撮像順番情報受信部121、画像受信部122、画像生成部123、画像格納メモリ(記憶手段)124、及び、表示制御部125を有して構成されている。表示制御装置120は、X線撮像装置110から送信された画像を表示装置150に表示するグラフィックボードのような役割を果たす。
【0055】
撮像順番情報受信部121は、X線撮像装置110から送信される各画像に関連付けられ、X線撮像装置110の撮像部111によって撮像された撮像順番を示す撮像順番情報を、X線撮像装置110の順番情報送信部114から受信する。
【0056】
画像受信部122は、送信順番決定部113により決定された送信順番にしたがってX線撮像装置110の画像送信部116から順次送信された複数の画像を順次受信する。
【0057】
画像生成部123は、画像送信部116から画像分割部115において分割された分割画像が順次送信される場合に、撮像順番情報受信部121で受信した撮像順番情報を用いて1フレームの画像を生成する。この際、画像生成部123は、UI140から入力された入力情報に基づく表示制御部125からの制御に基づいて、画像分割部115において分割した分割方法に対応した画像の生成を行う。
【0058】
具体的に、画像生成部123は、例えば、画像分割部115において図2(b)に示す分割方法で画像が分割された場合には、撮像順番情報を用いて、各分割画像を画素単位で合成して生成する方法により1フレームの画像を生成する。また、画像生成部123は、例えば、画像分割部115において図2(c)に示す分割方法で画像が分割された場合には、撮像順番情報を用いて、各分割画像を周波数単位で合成して生成する方法により1フレームの画像を生成する。また、画像生成部123は、例えば、画像分割部115において図2(d)に示す分割方法で画像が分割された場合には、撮像順番情報を用いて、各分割画像をビット深度単位で合成して生成する方法により1フレームの画像を生成する。また、画像生成部123は、例えば、画像分割部115において図2(e)に示す分割方法で画像が分割された場合には、撮像順番情報を用いて、各分割画像を色情報単位で合成して生成する方法により1フレームの画像を生成する。
【0059】
即ち、画像生成部123は、1フレームの画像を生成する際に、各分割画像を、画素単位で合成して生成する方法、周波数単位で合成して生成する方法、ビット深度単位で合成して生成する方法、色情報単位で合成して生成する方法のいずれかの方法を用いて行う。また、画像生成部123は、例えば、画像分割部115において図2(a)に示す処理が行われた場合には、各画像は分割されずに1フレーム単位で取得されるため、この場合には、1フレームの画像への生成処理は行われない。
【0060】
そして、画像生成部123は、画像受信部122で受信した画像の順番(送信順番)で、生成した1フレームの画像又は画像受信部122からの1フレームの画像を画像格納メモリ124に格納する。この際、画像生成部123は、さらに、画像格納メモリ124に格納した画像に係る格納情報を表示制御部125に送信する。
【0061】
画像格納メモリ124は、画像生成部123から送られた画像を一時的に記憶し格納する。
【0062】
表示制御部125は、UI140から入力された撮影条件及びX線撮像装置110の動作状態に応じて、画像の送信順番又は撮像順番情報に基づき画像格納メモリ124に記憶されている画像を表示装置150に表示する制御を行う。例えば、表示制御部125は、撮影条件がシネ撮影の撮影モードであってX線撮像装置110の動作状態がシネ撮影中である場合には、画像格納メモリ124に記憶されている画像を表示装置150にシネループ表示させる制御を行う。また、表示装置150にシネループ表示させている状態で、画像受信部122で新たな画像が受信され画像格納メモリ124に記憶された場合、表示制御部125は、撮像順番情報に基づいて当該新たな画像を含む画像を表示装置150にループ表示させる。なお、表示制御部125は、UI140から入力された撮影条件によっては、シネループ表示は行わない。
【0063】
続いて、以上のように構成された表示制御装置120の駆動方法について説明する。
まず、画像受信部122によって受信された画像(分割画像)を撮像順番情報受信部121で受信した撮像順番情報を用いて、画像生成部123において、1フレームの画像に生成し直す。この際、画像受信部122によって受信された画像が1フレームの画像である場合には、画像生成部123による生成処理は行わない。
【0064】
そして、画像生成部123で生成された1フレームの画像又は画像受信部122で受信した1フレームの画像は、画像生成部123から画像格納メモリ124に格納される。同時に、画像生成部123から表示制御部125に、画像格納メモリ124に格納した画像に係る格納情報が送られる。そして、表示制御部125は、UI140から入力された撮影条件及びX線撮像装置110の動作状態に応じて、画像生成部123から送られた格納情報をもとに、画像格納メモリ124から画像を取得し、表示装置150に表示する。
【0065】
次に、表示制御部125による表示制御方法について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る表示制御装置120の表示制御部125による表示制御方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0066】
なお、図8に示す例では、図3に示す例と同様に、UI140によって入力される撮影条件として「シネ撮影、透視撮影、静止画撮影」の撮影モードを適用いた例を示す。また、本例では、画像分割部115により、図2(a)に示す時系列単位で分割する方法(即ち、画像格納メモリ112に格納されている各画像については分割を行わない方法)が用いられ、画像受信部122において1フレームの画像を受信する例を示す。
【0067】
まず、UI140の操作によって撮影が開始されると、ステップS801において、表示制御部125は、UI140から入力された撮影条件(本例では、「撮影モード」)がどのようなものであるのかを判断する。
【0068】
ステップS801の判断の結果、撮影モードがシネ撮影である場合には、ステップS802に進む。ステップS802に進むと、表示制御部125は、UI140から入力されたX線撮像装置110の動作状態を示す情報(撮影終了情報が入力されたか否かの情報)に基づいて、リアルタイム表示を行うか否かを判断する。この際、UI140から撮影終了情報が入力されていない場合、即ち、X線撮像装置110の動作状態がシネ撮影中である場合には、リアルタイム表示を行うと判断される。
【0069】
ステップS802の判断の結果、リアルタイム表示を行う場合には、ステップS803に進む。ステップS803に進むと、表示制御部125は、表示遅延が少ない画像表示であるリアルタイム表示を行う。この場合、表示制御部125は、画像格納メモリ112に格納された画像を順次、即ち、X線撮像装置110から送信された送信順番で、表示装置150に表示する制御を行う。
【0070】
一方、ステップS802の判断の結果、リアルタイム表示を行わない場合、即ち、X線撮像装置110の動作状態がシネ撮影終了の場合には、ステップS804に進む。ステップS804に進むと、表示制御部125は、シネループ表示を行う。
【0071】
また、ステップS801の判断の結果、撮影モードが透視撮影である場合には、ステップS805に進む。ステップS805に進むと、表示制御部125は、UI140から入力されたX線撮像装置110の動作状態を示す情報(撮影終了情報が入力されたか否かの情報)に基づいて、リアルタイム表示を行うか否かを判断する。この際、UI140から撮影終了情報が入力されていない場合、即ち、X線撮像装置110の動作状態が透視撮影中である場合には、リアルタイム表示を行うと判断される。
【0072】
ステップS805の判断の結果、リアルタイム表示を行う場合には、ステップS806に進む。ステップS806に進むと、表示制御部125は、シネ撮影の場合と同様に、表示遅延が少ない画像表示であるリアルタイム表示を行う。
【0073】
一方、ステップS805の判断の結果、リアルタイム表示を行わない場合、即ち、X線撮像装置110の動作状態が透視撮影終了の場合には、ステップS807に進む。ステップS807に進むと、表示制御部125は、表示装置150の表示状態を、最後の画像を表示した状態(LIH:ラストイメージホールド)とする。
【0074】
また、ステップS801の判断の結果、撮影モードが静止画撮影である場合には、ステップS808に進む。ステップS808に進むと、表示制御部125は、画像格納メモリ112に格納された画像を静止画として表示装置150に表示する制御を行う。
【0075】
次に、図8のステップS804のシネループ表示の詳細な処理について説明する。
図9は、図8のステップS804のシネループ表示における詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0076】
シネループ表示が開始されると、まず、ステップS901において、表示制御部125は、撮像順番情報を用いて、シネループを開始するシネループ開始画像番号Xを設定する。ここでは、例えば、シネループ開始画像番号Xとして、撮像順番情報における撮像順番を示す番号が与えられる。
【0077】
続いて、ステップS902において、表示制御部125は、画像生成部123から画像番号Xの画像に対する格納情報(画像を生成した場合には、生成情報であってもよい)が来ているか否かを判断する。
【0078】
ステップS902の結果、画像生成部123から画像番号Xの画像に対する格納情報が来ている場合には、ステップS903に進む。ステップS903に進むと、表示制御部125は、画像格納メモリ124から画像番号Xに対応する画像を取得する。
【0079】
続いて、ステップS904において、表示制御部125は、画像番号Xの画像を表示対象画像として更新する。続いて、ステップS905において、表示制御部125は、ステップS904で更新した表示対象画像を表示装置150へ転送して、表示対象画像の表示を行う。その後、ステップS906に進む。
【0080】
一方、ステップS902の結果、画像生成部123から画像番号Xの画像に対する格納情報が来ていない場合には、現在、表示装置150に表示されている表示対象画像の表示状態を維持して、ステップS906に進む。
【0081】
続いて、ステップS906において、表示制御部125は、シネループ開始画像番号Xに1を加えて、シネループ開始画像番号Xを変更する。
【0082】
続いて、ステップS907において、表示制御部125は、画像番号Xが予め設定されているシネループ終了画像番号よりも大きいか否かを判断する。この判断の結果、画像番号Xがシネループ終了画像番号よりも大きくない(以下である)場合には、ステップS902に戻り、ステップS906で変更されたシネループ開始画像番号Xにおける画像の処理が行われる。
【0083】
一方、ステップS907の判断の結果、画像番号Xがシネループ終了画像番号よりも大きい場合には、ステップS901に戻り、再び、最初のシネループ開始画像番号Xにおける画像の処理が行われる。
【0084】
図10は、図8のステップS804のシネループ表示における詳細な処理手順の他の一例を示すフローチャートである。図10において、図9に示す処理と同様の処理については、同じステップ番号を付している。
【0085】
図10に示す処理では、ステップS901の処理を行った後、ステップS902の判断を行うこと無く、ステップS903に移行する。この図10に示す処理では、毎回、画像生成部123から格納情報が来ていると考えて、常に、表示対象画像の更新を行う形態である。
【0086】
図11は、図8のステップS804のシネループ表示の一例を示す模式図である。上述した表示制御部125によるシネループ表示に係る表示制御を行うことにより、図11に示すようなシネループ表示の順次更新が可能となる。
【0087】
図11に示すシネループ表示1回目の時点では、画像受信部122で受信し、画像格納メモリ124に記憶されている画像が、画像1、画像4及び画像7である。この場合、表示制御部125は、撮像順番情報に基づいて、画像1、画像4及び画像7の順に、表示装置150に対してシネループ表示を行う。
【0088】
続いて、シネループ表示2回目の時点では、1回目のシネループ表示中に、画像2、画像5及び画像8の新たな画像が受信及び画像格納メモリ124に記憶されている。この場合、表示制御部125は、撮像順番情報に基づいて、画像1、画像2、画像4、画像5、画像7及び画像8の順に、表示装置150に対してシネループ表示を行う。
【0089】
続いて、シネループ表示3回目の時点では、2回目のシネループ表示中に、画像3、画像6及び画像9の新たな画像が受信及び画像格納メモリ124に記憶されている。この場合、表示制御部125は、撮像順番情報に基づいて、画像1、画像2、画像3、画像4、画像5、画像6、画像7、画像8及び画像9の順に、表示装置150に対して完成されたシネループ表示を行う。
【0090】
上述したように、本実施形態のX線撮像装置110では、撮像部111で撮像された画像の撮像順番を示す撮像順番情報を表示制御装置120に送信すると共に、送信順番決定部113で決定した送信順番に基づいて画像を表示制御装置120に順次送信している。一方、表示制御装置120では、X線撮像装置110から、決定された送信順番にしたがって順次送信された複数の画像を順次受信すると共に、当該複数の画像における各画像の撮像された撮像順番を示す撮像順番情報を受信するようにしている。そして、表示制御装置120では、入力された撮影条件及びX線撮像装置110の動作状態に応じて、画像の送信順番又は受信した撮像順番情報に基づき画像格納メモリ124に記憶されている画像を表示装置150に表示するようにしている。
かかる構成によれば、画像データを非可逆圧縮したりサンプリングしたりしていないため、画像の劣化を生じさせるという不具合を回避することができる。また、入力された撮影条件及び当該放射線撮像装置の動作状態に応じて、表示装置150にリアルタイム画像を表示することができるため、画像の表示遅延を抑制することができる。特に、撮影条件としてシネ撮影に係る撮影モードが入力された場合に、X線撮像装置110の動作状態がシネ撮影中のときには表示遅延の少ないリアルタイム画像を表示することができ、シネ撮影後では全ての画像をループ表示させることが可能となる。
【0091】
また、図11に示すように、画像格納メモリ124に記憶されている画像をループ表示させている状態で、新たな画像が受信され画像格納メモリ124に記憶された場合、撮像順番情報に基づいて当該新たな画像を含む画像をループ表示させるようにしている。
かかる構成によれば、シネ撮影に係る全ての画像が整う段階(図11の3回目)の前の段階においても、画像格納メモリ124に記憶されている画像をシネループ表示できるため、シネループ表示の開始時間を早めて表示遅延の少ない画像表示を実現できる。
【0092】
前述した本実施形態に係るX線撮像システム100のX線撮像装置110及び表示制御装置120を構成する図1の各構成部は、コンピュータのCPUがRAMやROMなどに記憶されたプログラムを動作させることによって実現できる。また、本実施形態に係るX線撮像システム100のX線撮像装置110及び表示制御装置120による処理手順を示す図3、図8〜図10の各ステップは、コンピュータのCPUがRAMやROMなどに記憶されたプログラムを動作させることによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
【0093】
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記憶媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体を用いることができる。また、この際の通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線などが挙げられる。
【0094】
また、本発明は、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより本実施形態に係るX線撮像システム100の機能が実現される態様に限られない。そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して本実施形態に係るX線撮像システム100の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て、或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて本実施形態に係るX線撮像システム100の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。
【0095】
また、前述した本実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0096】
100 X線撮像システム(放射線撮像システム)
110 X線撮像装置(放射線撮像装置)
111 撮像部
112 画像格納メモリ
113 送信順番決定部
114 順番情報送信部
115 画像分割部
116 画像送信部
120 表示制御装置
121 撮像順番情報受信部
122 画像受信部
123 画像生成部
124 画像格納メモリ(記憶手段)
125 表示制御部
130 通信手段
140 ユーザインタフェース(UI)
150 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線撮像装置によって撮像された複数の画像を表示装置に表示する制御を行う表示制御装置であって、
決定された送信順番にしたがって前記放射線撮像装置から順次送信された複数の画像を順次受信する画像受信手段と、
リアルタイム表示要求に基づく順番で、前記画像受信手段で受信した画像を前記表示装置に表示する制御を行う表示制御手段と
を有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記画像受信手段で受信した画像を記憶する記憶手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている画像を前記表示装置にループ表示させている状態であって、前記画像受信手段で新たな画像が受信された場合、前記複数の画像の各画像の撮像順番に基づいて当該新たな画像を含む画像を前記表示装置にループ表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記放射線撮像装置の撮影条件に応じて、前記ループ表示を行うか否かを選択することを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記撮像順番は、前記放射線撮像装置で撮像された時刻に基づいて決定されたものであることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記撮影条件は、シネ撮影、透視撮影及び静止画撮影を含む撮影モード、前記放射線撮像装置を用いて撮影を行う被写体の部位、被写体に照射する放射線の条件、前記放射線撮像装置を用いて撮影する際のフレームレート、前記放射線撮像装置において撮像される画像のサイズ、当該画像のビット深度、当該画像の色情報、並びに、当該画像のダイナミックレンジのうちのいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記放射線撮像装置から順次送信される画像は、前記放射線撮像装置によって撮像された1フレームの画像、もしくは、当該1フレームの画像を分割した分割画像であることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記放射線撮像装置から前記分割画像が順次送信される場合に、前記複数の画像の各画像の撮像順番を用いて前記1フレームの画像を生成する画像生成手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記画像生成手段で生成された画像を前記表示装置に表示する制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記画像生成手段は、前記1フレームの画像を生成する際に、各分割画像を画素単位で合成して生成する方法、各分割画像を周波数単位で合成して生成する方法、各分割画像をビット深度単位で合成して生成する方法、各分割画像を色情報単位で合成して生成する方法のいずれかの方法を用いて行うことを特徴とする請求項7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
表示装置の表示制御を行う表示制御装置と通信可能に接続された放射線撮像装置であって、
複数の画像を撮像する撮像手段と、
リアルタイム表示要求に基づいて、前記複数の画像における各画像を前記表示制御装置に送信する際の送信順番を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された送信順番に基づいて、前記複数の画像における各画像を前記表示制御装置に順次送信する画像送信手段と
を有することを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項10】
前記リアルタイム表示要求は、前記撮像手段で撮像された時刻に基づいて決定されたものであることを特徴とする請求項9に記載の放射線撮像装置。
【請求項11】
前記リアルタイム表示要求は、シネ撮影、透視撮影及び静止画撮影を含む撮影モード、前記撮像手段を用いて撮影を行う被写体の部位、被写体に照射する放射線の条件、前記撮像手段を用いて撮影する際のフレームレート、前記撮像手段において撮像される画像のサイズ、当該画像のビット深度、当該画像の色情報、並びに、当該画像のダイナミックレンジのうちのいずれかに基づいて決定されたものであることを特徴とする請求項9に記載の放射線撮像装置。
【請求項12】
前記画像送信手段から送信された複数の画像は、前記表示制御装置において当該放射線撮像装置の撮影の撮影条件、及び当該放射線撮像装置の動作状態に応じて、前記表示装置にループ表示されることを特徴とする請求項9に記載の放射線撮像装置。
【請求項13】
前記複数の画像における各画像を分割する画像分割手段を更に有し、
前記画像送信手段は、前記決定手段で決定された送信順番に基づいて、前記画像分割手段で分割された各分割画像を前記表示制御装置に送信することを特徴とする請求項9に記載の放射線撮像装置。
【請求項14】
前記画像分割手段は、前記複数の画像における各画像を分割する際に、画素単位で分割する方法、周波数単位で分割する方法、ビット深度単位で分割する方法、及び、色情報単位で分割する方法のうちのいずれかの方法を用いて分割することを特徴とする請求項13に記載の放射線撮像装置。
【請求項15】
前記決定手段は、前記リアルタイム表示要求の判断を、当該放射線撮像装置と前記表示制御装置とを繋ぐ通信手段の周波数帯域情報を用いて行うことを特徴とする請求項9に記載の放射線撮像装置。
【請求項16】
前記画像送信手段を複数構成し、前記決定手段で決定された送信順番に基づいて、任意の画像送信手段から前記表示制御装置に画像を送信することを特徴とする請求項9に記載の放射線撮像装置。
【請求項17】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示制御装置と、
請求項9乃至16のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と
を有することを特徴とする放射線撮像システム。
【請求項18】
放射線撮像装置によって撮像された複数の画像を表示装置に表示する制御を行う表示制御方法であって、
決定された送信順番にしたがって前記放射線撮像装置から順次送信された複数の画像を順次受信する画像受信ステップと、
リアルタイム表示要求に基づく順番で、前記画像受信ステップで受信した画像を前記表示装置に表示する制御を行う表示制御ステップと
を有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項19】
表示装置の表示制御を行う表示制御装置と通信可能に接続された放射線撮像装置の駆動方法であって、
複数の画像を撮像する撮像ステップと、
リアルタイム表示要求に基づいて、前記複数の画像における各画像を前記表示制御装置に送信する際の送信順番を決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定された送信順番に基づいて、前記複数の画像における各画像を前記表示制御装置に順次送信する画像送信ステップと
を有することを特徴とする放射線撮像装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−107016(P2013−107016A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−51783(P2013−51783)
【出願日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【分割の表示】特願2007−275648(P2007−275648)の分割
【原出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】