表示制御装置、表示制御方法及びコンピュータプログラム
【課題】電子ペーパーのような反射型の表示部材に、書き換え応答性の高い透明な表示部材を重ね合わせた表示装置に対し、動画の表示やアニメーションの表示、またはGUI等のインタラクティブな表現を高コントラストに表示する表示制御装置を提供する。
【解決手段】反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御部を備え、前記表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御装置が提供される。
【解決手段】反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御部を備え、前記表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御装置が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置、表示制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパーと呼ばれる情報媒体が注目を浴びつつある(例えば、特許文献1,2参照)。この電子ペーパーは、低消費電力性、曲げ可能なフレキシブル性を有し、また薄くて軽く、視認性も高いといった優れた特性を有している。さらに、電子ペーパーは書き換え可能という際立った特長を有している。
【0003】
上述した電子ペーパーは、一旦表示した画像はエネルギーを消費することなく保持することが可能である。従って、電子ペーパーはポスター、電車の車内広告、バッテリー容量の残量等を示すインジケータ、行き先を示す案内板といった限定された画像を表示する用途に適用することが可能である。また近年では、電子書籍を表示する電子端末への適用も進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−197634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような電子ペーパーは書き換え応答性が低く、動画やアニメーションの表示、またはGUI等のインタラクティブな表現には不向きであるという問題があった。そこで、上記特許文献1には、電子ペーパーのような低電力で動作する紙状のディスプレイの上に透明なディスプレイが重ねられ、静的な画像を紙状のディスプレイに、動的な映像を透明なディスプレイに表示する技術が開示されている。
【0006】
しかし、上記特許文献1では、紙状のディスプレイの上に重ねられた透明なディスプレイで映像を表示する際の制御については、何ら触れられていない。特に、透明なディスプレイとして有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode;OLED)ディスプレイを用いると、OLEDは黒色を表示することができないので、高コントラスト表示に向かない。
【0007】
そこで、本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、電子ペーパーのような書き換え応答性に劣る反射型の表示部材に、書き換え応答性の高い透明な表示部材を重ね合わせた表示装置に対し、動画の表示やアニメーションの表示、またはGUI(Graphical User Interface)等のインタラクティブな表現を高コントラストに表示する、新規かつ改良された表示制御装置、表示制御方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、シート状の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御部を備え、前記表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御装置が提供される。
【0009】
本開示によれば、表示制御部は、シート状の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する。制御に際し、表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示する際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う。これにより、書き換え応答性に劣る反射型の表示部材に、書き換え応答性の高い、該反射型の表示部材の表示を透過可能な表示部材を重ね合わせた表示装置に対し、動画の表示やアニメーションの表示、またはGUI等のインタラクティブな表現を高コントラストに表示することができる。
【0010】
また、本開示によれば、シート状の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御ステップを備え、前記表示制御ステップは、所定の情報を前記第2表示部材へ表示する際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御方法が提供される。
【0011】
また、本開示によれば、コンピュータに、シート状の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材を備える表示装置に対して所定の情報を前記第2表示部材へ表示する際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う表示制御ステップを実行させる、コンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本開示によれば、電子ペーパーのような可撓性を有する表示部材に、書き換え応答性の高い透明な表示部材を重ね合わせることで、動画の表示やアニメーションの表示、またはGUI等のインタラクティブな表現を高コントラストに表示する、新規かつ改良された表示制御装置、表示制御方法及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示の一実施形態に係る表示装置100の外観を示す説明図である。
【図2】本開示の一実施形態にかかる表示装置100の機能構成を示す説明図である。
【図3】電子ペーパー122と透明ディスプレイ124との積層状態を斜視図で示す説明図である。
【図4】本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作を示す流れ図である。
【図5】表示部120に表示しようとする情報の一例を示す説明図である。
【図6A】図5に示した情報A1を電子ペーパー122に表示する際の表示例を示す説明図である。
【図6B】図5に示した情報A1を透明ディスプレイ124に表示する際の表示例を示す説明図である。
【図7】本開示の一実施形態に係る表示装置100及び表示装置100の表示部120に表示される画面の例を示す説明図である。
【図8】透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。
【図9A】電子ペーパー122の表示例を示す説明図である。
【図9B】透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。
【図10A】電子ペーパー122の表示例を示す説明図である。
【図10B】透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。
【図11】電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の輝度制御の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
<1.本開示の一実施形態>
[1−1.表示装置の外観]
[1−2.表示装置の機能構成]
[1−3.表示装置の動作]
<2.まとめ>
【0016】
<1.本開示の一実施形態>
[1−1.表示装置の外観]
まず、本開示の一実施形態に係る表示装置の外観について説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る表示装置100の外観を示す説明図である。以下、図1を用いて本開示の一実施形態に係る表示装置100の外観について説明する。
【0017】
図1に示したように、本開示の一実施形態に係る表示装置100は、いわゆるタブレット型の表示装置であり、表示装置100を保護するための筐体110と、文字、画像その他のコンテンツを表示する表示部120と、を含んで構成される。
【0018】
本開示の一実施形態に係る表示装置100に設けられる表示部120は、反射型のシート状の表示デバイスである電子ペーパーと、ディスプレイの背面側が透けて見える表示デバイスである透明ディスプレイとが密着して重ねられた構成を有する。
【0019】
透明ディスプレイは、ディスプレイ上に情報が表示される状態(表示オン状態)とディスプレイの背面側が透けて見える状態(表示オフ状態)を取り得るものである。そして、画面に図形、文字等の情報を表示しつつ、ディスプレイの背景が透けて見える透明ディスプレイを備える表示装置が開発されている。
【0020】
本実施形態では、内部にOLED(有機発光ダイオード)を備える透明な有機ELディスプレイを用いている。透明な有機ELディスプレイを適用すると、他方式の透明ディスプレイに比べて、良好な色再現性や視野角による視認性、動画への応答性に優れ、高画質表示が可能となる。また、透明な有機ELディスプレイを適用すると、他方式の透明ディスプレイに比べて、薄型・軽量であり、かつ低消費電力の表示装置が実現可能となる。さらに、透明な有機ELディスプレイは、部分駆動及び低電圧での駆動が可能で、すなわち消費電力を低く抑えることができる。
【0021】
本実施形態では、このような外観を有する表示装置100において、表示部120への情報の表示を制御することで、電子ペーパーと透明ディスプレイの両方の表示デバイスの長所を生かし、さらに両方の表示デバイスの弱点を補った情報の表示について、以下で例を挙げながら説明する。
【0022】
以上、図1を用いて本開示の一実施形態に係る表示装置100の外観について説明した。次に、本開示の一実施形態に係る表示装置100の機能構成について説明する。
【0023】
[1−2.表示装置の機能構成]
図2は、本開示の一実施形態にかかる表示装置100の機能構成を示す説明図である。以下、図2を用いて本開示の一実施形態にかかる表示装置100の機能構成について説明する。
【0024】
図2に示したように、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124からなる表示部120と、音声出力部130と、制御部140と、記憶部150と、操作部160と、通信部170と、を含んで構成される。
【0025】
電子ペーパー122は、本開示の第1表示部材の一例であり、反射型のシート状の表示デバイスである。なお、電子ペーパー122は可撓性を有していてもよい。電子ペーパー122は、制御部140からの信号に応じて情報を表示することが可能なように構成されている。
【0026】
透明ディスプレイ124は、ディスプレイ上に情報が表示される表示オン状態と、ディスプレイの背面側が透けて見える表示オフ状態を取りうる表示デバイスである。透明ディスプレイ124は、ディスプレイ上に情報が表示される表示オン状態であっても、情報が表示されていない領域はディスプレイの背面側が透けて見えるよう構成されている。
【0027】
表示部120を構成する電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示は、後述する制御部140によって制御される。制御部140による、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示制御については、後に詳述する。
【0028】
本実施形態では、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124とが積層された状態で表示部120が構成される。すなわち、本実施形態では、電子ペーパー122の表示面の上に透明ディスプレイ124が積層された状態で表示部120が構成される。ユーザは、透明ディスプレイ124が表示オフ状態であっても電子ペーパー122に表示された情報を、表示オフ状態であり、透明な状態の透明ディスプレイ124を通して見ることができる。また、透明ディスプレイ124の一部に情報を表示することで、ユーザは、電子ペーパー122に表示された情報を、透明ディスプレイ124の情報が表示されていない透明な領域を通して見ることができる。
【0029】
電子ペーパー122は、一旦表示した画像はエネルギーを消費することなく保持することが可能であるので、消費電力を抑えた情報の表示に適したデバイスである。しかし、上述したように、電子ペーパー122は、書き換え応答性が低く、動画やアニメーションの表示、またはGUI等のインタラクティブな表現には不向きであるという問題がある。
【0030】
本実施形態では、電子ペーパー122の表示面に透明ディスプレイ124を重畳し、高い書き換え応答性が求められる情報(例えば動画やGUI)は透明ディスプレイ124で、高い書き換え応答性が求められない情報(例えば文字情報)は電子ペーパー122で表示させる。
【0031】
ここで、自発光型の透明ディスプレイ124は、その原理上、黒色を表現することが困難であるという問題がある。従って、透明ディスプレイ124単体では、黒色の表現が困難であることから、高コントラストの情報の表示には適さない。
【0032】
そこで、本実施形態にかかる表示装置100では、上述のように、高い書き換え応答性が求められる情報を透明ディスプレイ124で、高い書き換え応答性が求められない情報を電子ペーパー122で表示する際に、透明ディスプレイ124で情報を表示する領域に対応する電子ペーパー122の領域を黒表示する。これにより、透明ディスプレイ124単体では表現できなかった高コントラストの情報の表示を実現できる。
【0033】
図3は、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124との積層状態を斜視図で示す説明図である。図3では、説明の便宜上、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124とは離して図示している。本実施形態では、図3に示したように、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124とは、同じ大きさであるが、本開示では、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124とは異なる大きさであってもよい。
【0034】
本実施形態では、図3に示したように、電子ペーパー122における画像情報が表示されている領域に対応する透明ディスプレイ124の領域に所定の情報を、制御部140の制御により表示する。上記対応する領域は、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124が重畳した状態で電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124を垂直に見た際に互いに重なっている領域を有していてもよい。制御部140は、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対してかかる表示制御を実行することで、本実施形態に係る表示装置100は、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124の両方の表示デバイスの長所を生かし、さらに両方の表示デバイスの弱点を補って、情報を表示することができる。
【0035】
音声出力部130は、例えばスピーカやヘッドホン端子等で構成され、音声信号に基づいて音声を出力するよう構成されるものである。音声出力部130からの音声の出力は制御部140によって制御される。
【0036】
制御部140は、表示装置100の動作を制御するよう構成されるものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成される。本実施形態では、制御部140は、例えば、表示部120への情報の表示の制御、音声出力部130からの音声の出力制御、操作部160を用いたユーザの入力操作に応じた制御を実行する。
【0037】
本実施形態では、制御部140は、特に、所定の情報を電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124へ表示する際に、透明ディスプレイ124が情報を表示する領域に対応する領域で電子ペーパー122に対して、または電子ペーパー122が情報を表示する領域に対応する領域で透明ディスプレイ124に対して、所定の表示制御を実行する。制御部140による、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御については、後に詳述する。
【0038】
記憶部150は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等で構成され、制御部140による各種制御に用いられるコンピュータプログラムや、当該コンピュータプログラムの実行時に生成される各種データが記憶されるものである。記憶部150に読み出されたコンピュータプログラムは制御部140によって読み出され、順次実行される。
【0039】
操作部160は、表示装置100のユーザによる表示装置100に対する操作を受け付けるものである。操作部160は、例えばハードキーボードやカーソル、ボタン等で構成されてもよく、さらにはタッチパネルで構成されてもよい。タッチパネルを設ける場合は、透明ディスプレイ124の電子ペーパー122側と反対側の面にタッチパネルを設ける。透明ディスプレイ124にタッチパネルを設けることで表示装置100のユーザは画面を触ることで表示装置100の操作が可能になる。
【0040】
通信部170は、表示装置100とネットワークを通じて接続されている装置との間の通信処理を実行するデバイスで構成される。表示装置100は、通信部170を介して、ネットワークを通じて接続されている装置との間で通信を実行することで、例えばコンテンツを当該装置から取得して、そのコンテンツを表示部120に表示することができる。
【0041】
以上、図2を用いて本開示の一実施形態にかかる表示装置100の機能構成について説明した。次に、本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作について説明する。
【0042】
[1−3.表示装置の動作]
図4は、本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作を示す流れ図である。図4に示した流れ図は、表示装置100の表示部120に情報を表示する際の、表示装置100の動作を示したものである。以下、図4を用いて本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作について説明する。
【0043】
表示部120に情報を表示する際には、まず制御部140が、表示部120に表示する情報を分析する(ステップS101)、この制御部140による情報の分析は、例えば、表示部120のどの領域に、動画像やGUI等の高い書き換え応答性が要求される情報が表示されるか、または、テキストデータ等の書き換え応答性が求められない情報が表示されるかの分析であってもよい。
【0044】
例えば、表示部120に表示しようとする情報がHTML(HyperText Markup Language)で記述されたものであれば、制御部140は、どの位置にどのような情報が表示されるかは、表示前に予め把握することができる。または、文字入力のためのOSK(On Screen Keybord。画面上に表示されるキーボード)を表示部120に表示しようとする場合も、制御部140は、どの位置にOSKを表示すべきかを予め把握することができる。
【0045】
上記ステップS101で、制御部140が、表示部120に表示する情報を分析すると、制御部140は、表示部120を構成する電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれに表示する内容を決定する(ステップS102)。すなわち、動画像やGUI等の高い書き換え応答性が要求される情報は、電子ペーパー122と比較して書き換え応答性が高い透明ディスプレイ124に、それ以外の、テキストデータ等の書き換え応答性が求められない情報は、透明ディスプレイ124と比較して書き換え応答性に劣る電子ペーパー122に表示するように、制御部140は電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれに表示する内容を決定する。
【0046】
上記ステップS102で、制御部140が、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれに表示する内容を決定すると、制御部140は、表示する内容に基づいて表示データを作成し、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対し、伝送する(ステップS103)。
【0047】
上記ステップ103で、制御部140が電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対し、表示データを伝送すると、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124は、制御部140から伝送された表示データに基づいて情報を表示する(ステップS104)。
【0048】
このように、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、制御部140が、表示部120に表示する情報を分析して、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に表示する内容を決定して表示データを作成及び伝送する。そして、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124が、制御部140から伝送される表示データに基づいて情報を表示する。
【0049】
本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、このように表示部120への表示を制御することで、表示部120を構成する電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれの長所を生かした、また弱点を補った情報の表示が可能になる。
【0050】
以上、図4を用いて本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作について説明した。続いて、制御部140による具体的な電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御について、いくつか例示して説明する。
【0051】
図5は、表示部120に表示しようとする情報の一例を示す説明図である。図5には、表示部120に表示しようとする情報として情報A1が図示されている。この情報A1は、動画像が表示される領域B1、B2、B3を含んでいる。なお、図5における、領域B1、B2、B3を囲む破線は説明の便宜上付したものであり、情報A1にはこれらの破線は表示されない。
【0052】
領域B1、B2、B3で表示される動画像の表示に際しては、高い書き換え応答性が求められる。従って、制御部140は、領域B1、B2、B3に表示される情報については透明ディスプレイ124で、それ以外の情報については電子ペーパー122で表示させるように表示を分担させる。
【0053】
図6A及び図6Bは、図5に示した情報A1を電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に表示する際の表示例を示す説明図である。図6A及び図6Bは、制御部140によって表示が制御される、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示例を示したものである。
【0054】
図6Aは、制御部140によって文字情報のみを表示するよう制御された電子ペーパー122の表示例を示したものである。また、図6Aに示したように、図5における領域B1、B2、B3にそれぞれ対応する領域C1、C2、C3は、制御部140によって黒表示、または暗色表示するよう制御されている。これは、図5における領域B1、B2、B3で表示される動画像を透明ディスプレイ124で表示する際の背景となるものである。
【0055】
図6Bは、制御部140によって、領域B1、B2、B3に表示される動画のみを表示するよう制御された透明ディスプレイ124の表示例を示したものである。図6Bに示したように、透明ディスプレイ124は、図5における領域B1、B2、B3にそれぞれ対応する領域D1、D2、D3に、領域B1、B2、B3で表示される動画像をそれぞれ表示するように、制御部140によって制御される。
【0056】
そして、透明ディスプレイ124の領域D1、D2、D3で動画像を表示する際には、電子ペーパー122の領域C1、C2、C3が黒表示されているので、単に透明ディスプレイ124に動画像を表示した場合と比較して高いコントラストの画像を表示することができる。
【0057】
このように、図5に示した情報A1の内、高い書き換え応答性が要求される、領域B1、B2、B3で表示される動画像については、電子ペーパー122と比較して書き換え応答性が高い透明ディスプレイ124で、それ以外の情報については、透明ディスプレイ124と比較して書き換え応答性に劣る電子ペーパー122で表示するよう、制御部140が制御する。表示装置100は、このように表示を電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124で分担することで、それぞれのディスプレイの長所を生かした、また短所を補った表示を行うことができる。
【0058】
制御部140による、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御の別の例を示す。図7は、本開示の一実施形態に係る表示装置100及び表示装置100の表示部120に表示される画面の例を示す説明図である。
【0059】
図7は、表示装置100の表示部120に、オンスクリーンキーボードを表示する領域E1が表示されている状態を図示したものである。このオンスクリーンキーボードは、表示装置100のユーザが手Hを使って表示部120を触ることで、表示装置100のユーザに文字入力を可能にさせるユーザインタフェースである。なお、図7における、領域E1を囲む破線は説明の便宜上付したものであり、表示部120にはこの破線は表示されない。
【0060】
領域E1に表示されるオンスクリーンキーボードは、ユーザがオンスクリーンキーボードをタッチすると、タッチした文字を分かりやすくするために、ユーザがタッチした文字を拡大して表示する機能を有する。この拡大表示は、ユーザがオンスクリーンキーボードをタッチしている間は継続して行われ、ユーザがオンスクリーンキーボードから指を離すと画面から消去される。
【0061】
従って、この領域E1に表示されるオンスクリーンキーボードも、高い書き換え応答性が要求される情報といえる。そこで、このオンスクリーンキーボードは透明ディスプレイ124に表示することで、表示装置100は、オンスクリーンキーボードの操作性が損なわれること無く、情報を低消費電力で表示することができる。
【0062】
図8は、透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。図8は、図7に示した、領域E1に表示されるオンスクリーンキーボードのみが、制御部140の制御によって、透明ディスプレイ124に表示されている状態を示したものである。
【0063】
このように制御部140が表示を制御することで、表示装置100は、電子ペーパー122で情報を表示しつつ、高い書き換え応答性が要求されるオンスクリーンキーボードを透明ディスプレイ124に表示させて、オンスクリーンキーボードの操作性が損なわれること無く低消費電力での情報の表示を実現できる。
【0064】
図8のように、オンスクリーンキーボードを透明ディスプレイ124に表示させる場合は、透明ディスプレイ124の背後の電子ペーパー122の、領域E1に対応する領域の表示を、図6Aに示したように黒表示、または暗色表示にしてもよい。
【0065】
制御部140による、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御の別の例を示す。電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124は、制御部140の制御により、対応する同一の領域に異なる情報を表示することができるが、対応する同一の領域に同じ情報を表示することも出来る。
【0066】
制御部140の制御により、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれに対し、対応する同一の領域に同じ情報を表示する場合は、制御部140は、電子ペーパー122に情報が表示されていることを前提として透明ディスプレイ124の表示を制御してもよい。電子ペーパー122に情報が表示されていることを前提とした透明ディスプレイ124の表示制御としては、例えば透明ディスプレイ124の輝度制御や色制御がある。
【0067】
図9A及び図9Bは、制御部140により表示が制御される、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。図9Aは、制御部140により表示が制御される電子ペーパー122の表示例を示したものであり、文字情報及び画像情報が表示されている状態を示している。図9Bは、制御部140の制御により表示が制御される透明ディスプレイ124の表示例を示したものであり、画像情報のみが表示されている状態を示している。電子ペーパー122は、制御部140の制御により、図9Aの領域F1に画像情報を表示し、図9Bは、制御部140の制御により、図9Aの領域F1に対応する領域G1に画像情報を表示する。
【0068】
このように、制御部140の制御により電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に情報が表示されている際に、制御部140は、電子ペーパー122に情報が表示されていることを考慮して透明ディスプレイ124の表示制御(輝度制御や色制御)を実行する。これにより、表示装置100のユーザは、表示部120を見たときに違和感無く情報を見ることができる。また、電子ペーパー122は書き換え応答性が透明ディスプレイ124に比較すると低いので、電子ペーパー122の領域F1に画像を表示させたままにしておけば、制御部140は、動画の再生が終了した時点で透明ディスプレイ124の表示をオフにすることで、表示部120の表示状態は、動画再生前の元の状態にすぐ戻ることができる。
【0069】
電子ペーパー122に情報が表示されていることを考慮した透明ディスプレイ124の表示制御は、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124に同じ情報に基づく画像が表示されている場合に限られない。例えば、表示装置100が表示部120で表示するコンテンツの中には、最初は静止画像として(あるいは単に動画を再生する再生ボタンを意味する画像を)表示しておき、ユーザが当該静止画像をタッチする等して選択すると、その静止画像に対応した動画像の再生が行われるものがある。
【0070】
図10A及び図10Bは、制御部140により表示が制御される、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。図10Aは、制御部140により表示が制御される電子ペーパー122の表示例を示したものであり、文字情報及び画像情報が表示されている状態を示している。図10Bは、制御部140の制御により表示が制御される透明ディスプレイ124の表示例を示したものであり、画像情報のみが表示されている状態を示している。
【0071】
図10Aの領域F1には、動画像を再生することが出来ることを示す再生マークが表示されている。従って、ユーザがこの領域を触ると(実際には、ユーザが電子ペーパー122に重ねて設けられている透明ディスプレイ124における領域G1を触ると)、制御部140は、そのユーザによる接触を検出し、透明ディスプレイ124で動画像を再生するように表示を制御する。
【0072】
そして制御部140は、透明ディスプレイ124に対する表示制御として、電子ペーパー122の領域F1に再生マークが表示されていることを前提とした表示制御を行う。電子ペーパー122は書き換え応答性が低いので、電子ペーパー122の領域F1に再生マークを表示させたままにしておけば、制御部140は、動画の再生が終了した時点で透明ディスプレイ124の表示をオフにすることで、表示部120の表示状態は、動画再生前の元の状態にすぐ戻ることができる。
【0073】
透明ディスプレイ124の表示をオフにして、表示を電子ペーパー122に切り替える際に、電子ペーパー122は書き換え応答性が低いので、所望の画像が電子ペーパー122に表示されるまでに時間がかかるという問題がある。この問題は、ユーザに対して表示が待たされるというストレスを与える場合がある。
【0074】
そこで、制御部140は、透明ディスプレイ124に対して、時間を掛けて所定の時間までに所定の目標輝度まで輝度を下げていく表示制御を行ってもよい。これにより、表示部120の表示が透明ディスプレイ124から電子ペーパー122に切り替わる際に、ユーザに対して表示が待たされるように感じさせないような表示が実現できる。
【0075】
図11は、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の輝度制御の一例をグラフで示す説明図である。図11に示したグラフにおいて、縦軸は輝度、横軸は時間を表している。そして、符号H1で示した線は透明ディスプレイ124の輝度変化の一例を示しており、符号H2で示した線は電子ペーパー122の輝度変化の一例を示している。
【0076】
時刻t1において、透明ディスプレイ124による表示が終了したとする。ここで、透明ディスプレイ124の特性により、即座に輝度をb1から最低にすることも可能である。しかし、ここでは制御部140の制御により、透明ディスプレイ124の輝度をb1から徐々に下げていく。
【0077】
その後、時刻t1より後の時刻t2において、電子ペーパー122の書き換え処理が開始される。電子ペーパー122は、一旦輝度を最高にしてから、その後所望の輝度まで下げることで情報の書き換えがされる。
【0078】
そして、時刻t2より後の時刻t3において、電子ペーパー122の輝度が所望の輝度に達し、透明ディスプレイ124の輝度は最低となる。制御部140は、このように透明ディスプレイ124の輝度を制御することができる。制御部140が透明ディスプレイ124の輝度を図11に示したように制御することで、表示部120の表示が透明ディスプレイ124から電子ペーパー122に切り替わる際に違和感なく表示を切り替えることができる。
【0079】
もちろん、制御部140による透明ディスプレイ124の輝度制御はかかる例に限定されるものではない。図11の例では、制御部140は、時刻t3より前の時刻で透明ディスプレイ124の輝度が最低となるように制御してもよい。
【0080】
以上、制御部140による具体的な電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御について、いくつか例示して説明した。もちろん、制御部140による電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御は、かかる例に限定されるものではない。表示部120に表示する内容に応じて、制御部140は、本開示の範囲内において、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対して適切な表示制御を行うことが可能であることは言うまでもない。
【0081】
例えば、ページを切り替える際のアニメーション処理にも、制御部140は電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対して適切な表示制御を行うことができる。ページを切り替えるような表示は電子ペーパーには適さない。従って、制御部140は、透明ディスプレイ124に表示を一旦全て切り替えてページ切り替えのアニメーションを透明ディスプレイ124に表示させる。ページを切り替える間、制御部140は、電子ペーパー122に対して、切り替え後のページを表示させる制御を行う。電子ペーパー122による新たなページの表示の準備が整ったら、制御部140は、情報の表示を透明ディスプレイ124から電子ペーパー122に切り替える。
【0082】
制御部140がこのような表示制御を行うことで、表示装置100は、表示部120においてページ切り替えのアニメーション表示が可能になるとともに、ページ切り替え後は電子ペーパー122による表示に切り替えることで消費電力を抑えた情報の表示が可能となる。
【0083】
また例えば、制御部140は、透明ディスプレイ124に情報が表示されていない領域において、当該領域全体の輝度を落として表示する制御を行ってもよい。この透明ディスプレイ124に情報が表示されていない領域において、当該領域全体の輝度を落として表示する制御は、例えば、輝度そのものを落とす制御、輝度を時間的に変化させることで単位時間当たりの輝度を落とす制御、領域の一部に対して輝度を落とす制御などであってもよい。領域の一部に対して輝度を落とす制御は、例えば、領域の一部のドットの輝度を落とす制御であってもよく、領域の一部のライン全体の輝度を落とす制御であってもよい。制御部140が、透明ディスプレイ124に情報が表示されていない領域において、当該領域全体の輝度を落として表示する制御を行うことによって、本実施形態に係る表示装置100は、電子ペーパー122の視認性を高めるという効果が生じる。
【0084】
<2.まとめ>
以上説明したように本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、情報を表示する表示部120として、反射型のシート状の表示デバイスである電子ペーパー122と、ディスプレイの背面側が透けて見える表示デバイスである透明ディスプレイ124とが重ねられた構成を有する。
【0085】
そして、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対して、制御部140は所定の表示制御を実行する。この所定の表示制御は、文字情報や静止画像のように、高い書き換え応答性が求められない情報は、透明ディスプレイ124と比較して書き換え応答性の低い電子ペーパー122に、動画像や、OSKのようなGUIのように、高い書き換え応答性が求められる情報は、電子ペーパー122より格段に書き換え応答性の高い透明ディスプレイ124に、それぞれ表示するような制御である。このように、情報の表示を電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124で分担させることで、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、情報を全て透明ディスプレイ124で表示させた場合と比較して、情報の表示の際の消費電力を抑えつつ、電子ペーパー122だけでは困難であった情報の表示を可能とする。
【0086】
動画像や、OSKのようなGUIのように、高い書き換え応答性が求められる情報を透明ディスプレイ124に表示する際には、制御部140は、当該情報が表示される領域に対応する電子ペーパー122の領域を、黒表示、または暗色表示するように電子ペーパー122の表示を制御する。このように制御部140が表示制御することで、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、その特性上、黒色の表示が困難である透明ディスプレイ124の弱点を補い、表示部120全体として高コントラストの情報を表示することができる。
【0087】
また、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の、対応する同一の領域に、同一の、または異なる情報を表示する場合には、制御部140は、電子ペーパー122に情報が表示されていることを前提とした表示制御(色制御や輝度制御)を透明ディスプレイ124に対して実行する。このように制御部140が表示制御することで、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、ユーザに対して違和感なく情報を表示することができる。
【0088】
上記の実施形態はタブレット型の表示装置100を例に挙げて説明したが、本技術が適用される装置はこれに限定されない。例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants;携帯情報端末)、ゲーム機、電子辞書その他の表示装置でも同様に本技術を適用できる。
【0089】
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【0090】
また、明細書中において説明した一連の処理は、ハードウェア、またはソフトウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアとの複合構成によって実行するようにしてもよい。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータのメモリにインストールして実行させるか、または、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させるようにしてもよい。
【0091】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0092】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御部を備え、
前記表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示する際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御装置。
(2)
前記表示制御部は、前記第1表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材を所定の反射状態より低い状態で表示する制御を行う、前記(1)に記載の表示制御装置。
(3)
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1部材に表示されている情報に基づいて表示制御を行う、前記(1)または(2)に記載の表示制御装置。
(4)
前記表示制御部は、前記第2表示部材が情報を表示する領域と、当該領域に対応する前記第1部材が情報を表示する領域とで同一の情報が表示されていることに基づいて、前記第2表示部材に対して表示制御を行う、前記(3)に記載の表示制御装置。
(5)
前記表示制御部は、前記第2表示部材が情報を表示する領域と、当該領域に対応する前記第1部材が情報を表示する領域とで異なる情報が表示されていることに基づいて、前記第2表示部材に対して表示制御を行う、前記(3)に記載の表示制御装置。
(6)
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2部材に情報が表示されていない領域に対応する領域全体の輝度を落として表示する制御を行う、前記(1)から(5)のいずれかに記載の表示制御装置。
(7)
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第1部材へ情報を表示する際に前記第1部材の情報の書き換えが完了する時間に応じて輝度を下げていく輝度制御を行う、前記(1)から(6)のいずれかに記載の表示制御装置。
(8)
前記対応する領域は、前記第1表示部材及び前記第2表示部材が重畳した状態で前記第1表示部材及び前記第2表示部材を垂直に見た際に互いに重なっている領域を有する、前記(1)から(7)のいずれかに記載の表示制御装置。
(9)
前記第1表示部材と前記第2表示部材とは同じ大きさを有する、前記(1)から(8)のいずれかにに記載の表示制御装置。
(10)
反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御ステップを備え、
前記表示制御ステップは、所定の情報を前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御方法。
(11)
コンピュータに、反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材を備える表示装置に対して所定の情報を前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う表示制御ステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0093】
100 表示装置
120 表示部
122 電子ペーパー
124 透明ディスプレイ
130 音声出力部
140 制御部
150 記憶部
160 操作部
170 通信部
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置、表示制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパーと呼ばれる情報媒体が注目を浴びつつある(例えば、特許文献1,2参照)。この電子ペーパーは、低消費電力性、曲げ可能なフレキシブル性を有し、また薄くて軽く、視認性も高いといった優れた特性を有している。さらに、電子ペーパーは書き換え可能という際立った特長を有している。
【0003】
上述した電子ペーパーは、一旦表示した画像はエネルギーを消費することなく保持することが可能である。従って、電子ペーパーはポスター、電車の車内広告、バッテリー容量の残量等を示すインジケータ、行き先を示す案内板といった限定された画像を表示する用途に適用することが可能である。また近年では、電子書籍を表示する電子端末への適用も進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−197634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような電子ペーパーは書き換え応答性が低く、動画やアニメーションの表示、またはGUI等のインタラクティブな表現には不向きであるという問題があった。そこで、上記特許文献1には、電子ペーパーのような低電力で動作する紙状のディスプレイの上に透明なディスプレイが重ねられ、静的な画像を紙状のディスプレイに、動的な映像を透明なディスプレイに表示する技術が開示されている。
【0006】
しかし、上記特許文献1では、紙状のディスプレイの上に重ねられた透明なディスプレイで映像を表示する際の制御については、何ら触れられていない。特に、透明なディスプレイとして有機発光ダイオード(Organic light−emitting diode;OLED)ディスプレイを用いると、OLEDは黒色を表示することができないので、高コントラスト表示に向かない。
【0007】
そこで、本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、電子ペーパーのような書き換え応答性に劣る反射型の表示部材に、書き換え応答性の高い透明な表示部材を重ね合わせた表示装置に対し、動画の表示やアニメーションの表示、またはGUI(Graphical User Interface)等のインタラクティブな表現を高コントラストに表示する、新規かつ改良された表示制御装置、表示制御方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、シート状の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御部を備え、前記表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御装置が提供される。
【0009】
本開示によれば、表示制御部は、シート状の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する。制御に際し、表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示する際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う。これにより、書き換え応答性に劣る反射型の表示部材に、書き換え応答性の高い、該反射型の表示部材の表示を透過可能な表示部材を重ね合わせた表示装置に対し、動画の表示やアニメーションの表示、またはGUI等のインタラクティブな表現を高コントラストに表示することができる。
【0010】
また、本開示によれば、シート状の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御ステップを備え、前記表示制御ステップは、所定の情報を前記第2表示部材へ表示する際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御方法が提供される。
【0011】
また、本開示によれば、コンピュータに、シート状の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材を備える表示装置に対して所定の情報を前記第2表示部材へ表示する際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う表示制御ステップを実行させる、コンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本開示によれば、電子ペーパーのような可撓性を有する表示部材に、書き換え応答性の高い透明な表示部材を重ね合わせることで、動画の表示やアニメーションの表示、またはGUI等のインタラクティブな表現を高コントラストに表示する、新規かつ改良された表示制御装置、表示制御方法及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示の一実施形態に係る表示装置100の外観を示す説明図である。
【図2】本開示の一実施形態にかかる表示装置100の機能構成を示す説明図である。
【図3】電子ペーパー122と透明ディスプレイ124との積層状態を斜視図で示す説明図である。
【図4】本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作を示す流れ図である。
【図5】表示部120に表示しようとする情報の一例を示す説明図である。
【図6A】図5に示した情報A1を電子ペーパー122に表示する際の表示例を示す説明図である。
【図6B】図5に示した情報A1を透明ディスプレイ124に表示する際の表示例を示す説明図である。
【図7】本開示の一実施形態に係る表示装置100及び表示装置100の表示部120に表示される画面の例を示す説明図である。
【図8】透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。
【図9A】電子ペーパー122の表示例を示す説明図である。
【図9B】透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。
【図10A】電子ペーパー122の表示例を示す説明図である。
【図10B】透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。
【図11】電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の輝度制御の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
<1.本開示の一実施形態>
[1−1.表示装置の外観]
[1−2.表示装置の機能構成]
[1−3.表示装置の動作]
<2.まとめ>
【0016】
<1.本開示の一実施形態>
[1−1.表示装置の外観]
まず、本開示の一実施形態に係る表示装置の外観について説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る表示装置100の外観を示す説明図である。以下、図1を用いて本開示の一実施形態に係る表示装置100の外観について説明する。
【0017】
図1に示したように、本開示の一実施形態に係る表示装置100は、いわゆるタブレット型の表示装置であり、表示装置100を保護するための筐体110と、文字、画像その他のコンテンツを表示する表示部120と、を含んで構成される。
【0018】
本開示の一実施形態に係る表示装置100に設けられる表示部120は、反射型のシート状の表示デバイスである電子ペーパーと、ディスプレイの背面側が透けて見える表示デバイスである透明ディスプレイとが密着して重ねられた構成を有する。
【0019】
透明ディスプレイは、ディスプレイ上に情報が表示される状態(表示オン状態)とディスプレイの背面側が透けて見える状態(表示オフ状態)を取り得るものである。そして、画面に図形、文字等の情報を表示しつつ、ディスプレイの背景が透けて見える透明ディスプレイを備える表示装置が開発されている。
【0020】
本実施形態では、内部にOLED(有機発光ダイオード)を備える透明な有機ELディスプレイを用いている。透明な有機ELディスプレイを適用すると、他方式の透明ディスプレイに比べて、良好な色再現性や視野角による視認性、動画への応答性に優れ、高画質表示が可能となる。また、透明な有機ELディスプレイを適用すると、他方式の透明ディスプレイに比べて、薄型・軽量であり、かつ低消費電力の表示装置が実現可能となる。さらに、透明な有機ELディスプレイは、部分駆動及び低電圧での駆動が可能で、すなわち消費電力を低く抑えることができる。
【0021】
本実施形態では、このような外観を有する表示装置100において、表示部120への情報の表示を制御することで、電子ペーパーと透明ディスプレイの両方の表示デバイスの長所を生かし、さらに両方の表示デバイスの弱点を補った情報の表示について、以下で例を挙げながら説明する。
【0022】
以上、図1を用いて本開示の一実施形態に係る表示装置100の外観について説明した。次に、本開示の一実施形態に係る表示装置100の機能構成について説明する。
【0023】
[1−2.表示装置の機能構成]
図2は、本開示の一実施形態にかかる表示装置100の機能構成を示す説明図である。以下、図2を用いて本開示の一実施形態にかかる表示装置100の機能構成について説明する。
【0024】
図2に示したように、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124からなる表示部120と、音声出力部130と、制御部140と、記憶部150と、操作部160と、通信部170と、を含んで構成される。
【0025】
電子ペーパー122は、本開示の第1表示部材の一例であり、反射型のシート状の表示デバイスである。なお、電子ペーパー122は可撓性を有していてもよい。電子ペーパー122は、制御部140からの信号に応じて情報を表示することが可能なように構成されている。
【0026】
透明ディスプレイ124は、ディスプレイ上に情報が表示される表示オン状態と、ディスプレイの背面側が透けて見える表示オフ状態を取りうる表示デバイスである。透明ディスプレイ124は、ディスプレイ上に情報が表示される表示オン状態であっても、情報が表示されていない領域はディスプレイの背面側が透けて見えるよう構成されている。
【0027】
表示部120を構成する電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示は、後述する制御部140によって制御される。制御部140による、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示制御については、後に詳述する。
【0028】
本実施形態では、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124とが積層された状態で表示部120が構成される。すなわち、本実施形態では、電子ペーパー122の表示面の上に透明ディスプレイ124が積層された状態で表示部120が構成される。ユーザは、透明ディスプレイ124が表示オフ状態であっても電子ペーパー122に表示された情報を、表示オフ状態であり、透明な状態の透明ディスプレイ124を通して見ることができる。また、透明ディスプレイ124の一部に情報を表示することで、ユーザは、電子ペーパー122に表示された情報を、透明ディスプレイ124の情報が表示されていない透明な領域を通して見ることができる。
【0029】
電子ペーパー122は、一旦表示した画像はエネルギーを消費することなく保持することが可能であるので、消費電力を抑えた情報の表示に適したデバイスである。しかし、上述したように、電子ペーパー122は、書き換え応答性が低く、動画やアニメーションの表示、またはGUI等のインタラクティブな表現には不向きであるという問題がある。
【0030】
本実施形態では、電子ペーパー122の表示面に透明ディスプレイ124を重畳し、高い書き換え応答性が求められる情報(例えば動画やGUI)は透明ディスプレイ124で、高い書き換え応答性が求められない情報(例えば文字情報)は電子ペーパー122で表示させる。
【0031】
ここで、自発光型の透明ディスプレイ124は、その原理上、黒色を表現することが困難であるという問題がある。従って、透明ディスプレイ124単体では、黒色の表現が困難であることから、高コントラストの情報の表示には適さない。
【0032】
そこで、本実施形態にかかる表示装置100では、上述のように、高い書き換え応答性が求められる情報を透明ディスプレイ124で、高い書き換え応答性が求められない情報を電子ペーパー122で表示する際に、透明ディスプレイ124で情報を表示する領域に対応する電子ペーパー122の領域を黒表示する。これにより、透明ディスプレイ124単体では表現できなかった高コントラストの情報の表示を実現できる。
【0033】
図3は、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124との積層状態を斜視図で示す説明図である。図3では、説明の便宜上、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124とは離して図示している。本実施形態では、図3に示したように、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124とは、同じ大きさであるが、本開示では、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124とは異なる大きさであってもよい。
【0034】
本実施形態では、図3に示したように、電子ペーパー122における画像情報が表示されている領域に対応する透明ディスプレイ124の領域に所定の情報を、制御部140の制御により表示する。上記対応する領域は、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124が重畳した状態で電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124を垂直に見た際に互いに重なっている領域を有していてもよい。制御部140は、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対してかかる表示制御を実行することで、本実施形態に係る表示装置100は、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124の両方の表示デバイスの長所を生かし、さらに両方の表示デバイスの弱点を補って、情報を表示することができる。
【0035】
音声出力部130は、例えばスピーカやヘッドホン端子等で構成され、音声信号に基づいて音声を出力するよう構成されるものである。音声出力部130からの音声の出力は制御部140によって制御される。
【0036】
制御部140は、表示装置100の動作を制御するよう構成されるものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)等で構成される。本実施形態では、制御部140は、例えば、表示部120への情報の表示の制御、音声出力部130からの音声の出力制御、操作部160を用いたユーザの入力操作に応じた制御を実行する。
【0037】
本実施形態では、制御部140は、特に、所定の情報を電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124へ表示する際に、透明ディスプレイ124が情報を表示する領域に対応する領域で電子ペーパー122に対して、または電子ペーパー122が情報を表示する領域に対応する領域で透明ディスプレイ124に対して、所定の表示制御を実行する。制御部140による、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御については、後に詳述する。
【0038】
記憶部150は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等で構成され、制御部140による各種制御に用いられるコンピュータプログラムや、当該コンピュータプログラムの実行時に生成される各種データが記憶されるものである。記憶部150に読み出されたコンピュータプログラムは制御部140によって読み出され、順次実行される。
【0039】
操作部160は、表示装置100のユーザによる表示装置100に対する操作を受け付けるものである。操作部160は、例えばハードキーボードやカーソル、ボタン等で構成されてもよく、さらにはタッチパネルで構成されてもよい。タッチパネルを設ける場合は、透明ディスプレイ124の電子ペーパー122側と反対側の面にタッチパネルを設ける。透明ディスプレイ124にタッチパネルを設けることで表示装置100のユーザは画面を触ることで表示装置100の操作が可能になる。
【0040】
通信部170は、表示装置100とネットワークを通じて接続されている装置との間の通信処理を実行するデバイスで構成される。表示装置100は、通信部170を介して、ネットワークを通じて接続されている装置との間で通信を実行することで、例えばコンテンツを当該装置から取得して、そのコンテンツを表示部120に表示することができる。
【0041】
以上、図2を用いて本開示の一実施形態にかかる表示装置100の機能構成について説明した。次に、本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作について説明する。
【0042】
[1−3.表示装置の動作]
図4は、本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作を示す流れ図である。図4に示した流れ図は、表示装置100の表示部120に情報を表示する際の、表示装置100の動作を示したものである。以下、図4を用いて本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作について説明する。
【0043】
表示部120に情報を表示する際には、まず制御部140が、表示部120に表示する情報を分析する(ステップS101)、この制御部140による情報の分析は、例えば、表示部120のどの領域に、動画像やGUI等の高い書き換え応答性が要求される情報が表示されるか、または、テキストデータ等の書き換え応答性が求められない情報が表示されるかの分析であってもよい。
【0044】
例えば、表示部120に表示しようとする情報がHTML(HyperText Markup Language)で記述されたものであれば、制御部140は、どの位置にどのような情報が表示されるかは、表示前に予め把握することができる。または、文字入力のためのOSK(On Screen Keybord。画面上に表示されるキーボード)を表示部120に表示しようとする場合も、制御部140は、どの位置にOSKを表示すべきかを予め把握することができる。
【0045】
上記ステップS101で、制御部140が、表示部120に表示する情報を分析すると、制御部140は、表示部120を構成する電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれに表示する内容を決定する(ステップS102)。すなわち、動画像やGUI等の高い書き換え応答性が要求される情報は、電子ペーパー122と比較して書き換え応答性が高い透明ディスプレイ124に、それ以外の、テキストデータ等の書き換え応答性が求められない情報は、透明ディスプレイ124と比較して書き換え応答性に劣る電子ペーパー122に表示するように、制御部140は電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれに表示する内容を決定する。
【0046】
上記ステップS102で、制御部140が、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれに表示する内容を決定すると、制御部140は、表示する内容に基づいて表示データを作成し、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対し、伝送する(ステップS103)。
【0047】
上記ステップ103で、制御部140が電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対し、表示データを伝送すると、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124は、制御部140から伝送された表示データに基づいて情報を表示する(ステップS104)。
【0048】
このように、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、制御部140が、表示部120に表示する情報を分析して、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に表示する内容を決定して表示データを作成及び伝送する。そして、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124が、制御部140から伝送される表示データに基づいて情報を表示する。
【0049】
本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、このように表示部120への表示を制御することで、表示部120を構成する電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれの長所を生かした、また弱点を補った情報の表示が可能になる。
【0050】
以上、図4を用いて本開示の一実施形態にかかる表示装置100の動作について説明した。続いて、制御部140による具体的な電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御について、いくつか例示して説明する。
【0051】
図5は、表示部120に表示しようとする情報の一例を示す説明図である。図5には、表示部120に表示しようとする情報として情報A1が図示されている。この情報A1は、動画像が表示される領域B1、B2、B3を含んでいる。なお、図5における、領域B1、B2、B3を囲む破線は説明の便宜上付したものであり、情報A1にはこれらの破線は表示されない。
【0052】
領域B1、B2、B3で表示される動画像の表示に際しては、高い書き換え応答性が求められる。従って、制御部140は、領域B1、B2、B3に表示される情報については透明ディスプレイ124で、それ以外の情報については電子ペーパー122で表示させるように表示を分担させる。
【0053】
図6A及び図6Bは、図5に示した情報A1を電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に表示する際の表示例を示す説明図である。図6A及び図6Bは、制御部140によって表示が制御される、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示例を示したものである。
【0054】
図6Aは、制御部140によって文字情報のみを表示するよう制御された電子ペーパー122の表示例を示したものである。また、図6Aに示したように、図5における領域B1、B2、B3にそれぞれ対応する領域C1、C2、C3は、制御部140によって黒表示、または暗色表示するよう制御されている。これは、図5における領域B1、B2、B3で表示される動画像を透明ディスプレイ124で表示する際の背景となるものである。
【0055】
図6Bは、制御部140によって、領域B1、B2、B3に表示される動画のみを表示するよう制御された透明ディスプレイ124の表示例を示したものである。図6Bに示したように、透明ディスプレイ124は、図5における領域B1、B2、B3にそれぞれ対応する領域D1、D2、D3に、領域B1、B2、B3で表示される動画像をそれぞれ表示するように、制御部140によって制御される。
【0056】
そして、透明ディスプレイ124の領域D1、D2、D3で動画像を表示する際には、電子ペーパー122の領域C1、C2、C3が黒表示されているので、単に透明ディスプレイ124に動画像を表示した場合と比較して高いコントラストの画像を表示することができる。
【0057】
このように、図5に示した情報A1の内、高い書き換え応答性が要求される、領域B1、B2、B3で表示される動画像については、電子ペーパー122と比較して書き換え応答性が高い透明ディスプレイ124で、それ以外の情報については、透明ディスプレイ124と比較して書き換え応答性に劣る電子ペーパー122で表示するよう、制御部140が制御する。表示装置100は、このように表示を電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124で分担することで、それぞれのディスプレイの長所を生かした、また短所を補った表示を行うことができる。
【0058】
制御部140による、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御の別の例を示す。図7は、本開示の一実施形態に係る表示装置100及び表示装置100の表示部120に表示される画面の例を示す説明図である。
【0059】
図7は、表示装置100の表示部120に、オンスクリーンキーボードを表示する領域E1が表示されている状態を図示したものである。このオンスクリーンキーボードは、表示装置100のユーザが手Hを使って表示部120を触ることで、表示装置100のユーザに文字入力を可能にさせるユーザインタフェースである。なお、図7における、領域E1を囲む破線は説明の便宜上付したものであり、表示部120にはこの破線は表示されない。
【0060】
領域E1に表示されるオンスクリーンキーボードは、ユーザがオンスクリーンキーボードをタッチすると、タッチした文字を分かりやすくするために、ユーザがタッチした文字を拡大して表示する機能を有する。この拡大表示は、ユーザがオンスクリーンキーボードをタッチしている間は継続して行われ、ユーザがオンスクリーンキーボードから指を離すと画面から消去される。
【0061】
従って、この領域E1に表示されるオンスクリーンキーボードも、高い書き換え応答性が要求される情報といえる。そこで、このオンスクリーンキーボードは透明ディスプレイ124に表示することで、表示装置100は、オンスクリーンキーボードの操作性が損なわれること無く、情報を低消費電力で表示することができる。
【0062】
図8は、透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。図8は、図7に示した、領域E1に表示されるオンスクリーンキーボードのみが、制御部140の制御によって、透明ディスプレイ124に表示されている状態を示したものである。
【0063】
このように制御部140が表示を制御することで、表示装置100は、電子ペーパー122で情報を表示しつつ、高い書き換え応答性が要求されるオンスクリーンキーボードを透明ディスプレイ124に表示させて、オンスクリーンキーボードの操作性が損なわれること無く低消費電力での情報の表示を実現できる。
【0064】
図8のように、オンスクリーンキーボードを透明ディスプレイ124に表示させる場合は、透明ディスプレイ124の背後の電子ペーパー122の、領域E1に対応する領域の表示を、図6Aに示したように黒表示、または暗色表示にしてもよい。
【0065】
制御部140による、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御の別の例を示す。電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124は、制御部140の制御により、対応する同一の領域に異なる情報を表示することができるが、対応する同一の領域に同じ情報を表示することも出来る。
【0066】
制御部140の制御により、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124のそれぞれに対し、対応する同一の領域に同じ情報を表示する場合は、制御部140は、電子ペーパー122に情報が表示されていることを前提として透明ディスプレイ124の表示を制御してもよい。電子ペーパー122に情報が表示されていることを前提とした透明ディスプレイ124の表示制御としては、例えば透明ディスプレイ124の輝度制御や色制御がある。
【0067】
図9A及び図9Bは、制御部140により表示が制御される、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。図9Aは、制御部140により表示が制御される電子ペーパー122の表示例を示したものであり、文字情報及び画像情報が表示されている状態を示している。図9Bは、制御部140の制御により表示が制御される透明ディスプレイ124の表示例を示したものであり、画像情報のみが表示されている状態を示している。電子ペーパー122は、制御部140の制御により、図9Aの領域F1に画像情報を表示し、図9Bは、制御部140の制御により、図9Aの領域F1に対応する領域G1に画像情報を表示する。
【0068】
このように、制御部140の制御により電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に情報が表示されている際に、制御部140は、電子ペーパー122に情報が表示されていることを考慮して透明ディスプレイ124の表示制御(輝度制御や色制御)を実行する。これにより、表示装置100のユーザは、表示部120を見たときに違和感無く情報を見ることができる。また、電子ペーパー122は書き換え応答性が透明ディスプレイ124に比較すると低いので、電子ペーパー122の領域F1に画像を表示させたままにしておけば、制御部140は、動画の再生が終了した時点で透明ディスプレイ124の表示をオフにすることで、表示部120の表示状態は、動画再生前の元の状態にすぐ戻ることができる。
【0069】
電子ペーパー122に情報が表示されていることを考慮した透明ディスプレイ124の表示制御は、電子ペーパー122と透明ディスプレイ124に同じ情報に基づく画像が表示されている場合に限られない。例えば、表示装置100が表示部120で表示するコンテンツの中には、最初は静止画像として(あるいは単に動画を再生する再生ボタンを意味する画像を)表示しておき、ユーザが当該静止画像をタッチする等して選択すると、その静止画像に対応した動画像の再生が行われるものがある。
【0070】
図10A及び図10Bは、制御部140により表示が制御される、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の表示例を示す説明図である。図10Aは、制御部140により表示が制御される電子ペーパー122の表示例を示したものであり、文字情報及び画像情報が表示されている状態を示している。図10Bは、制御部140の制御により表示が制御される透明ディスプレイ124の表示例を示したものであり、画像情報のみが表示されている状態を示している。
【0071】
図10Aの領域F1には、動画像を再生することが出来ることを示す再生マークが表示されている。従って、ユーザがこの領域を触ると(実際には、ユーザが電子ペーパー122に重ねて設けられている透明ディスプレイ124における領域G1を触ると)、制御部140は、そのユーザによる接触を検出し、透明ディスプレイ124で動画像を再生するように表示を制御する。
【0072】
そして制御部140は、透明ディスプレイ124に対する表示制御として、電子ペーパー122の領域F1に再生マークが表示されていることを前提とした表示制御を行う。電子ペーパー122は書き換え応答性が低いので、電子ペーパー122の領域F1に再生マークを表示させたままにしておけば、制御部140は、動画の再生が終了した時点で透明ディスプレイ124の表示をオフにすることで、表示部120の表示状態は、動画再生前の元の状態にすぐ戻ることができる。
【0073】
透明ディスプレイ124の表示をオフにして、表示を電子ペーパー122に切り替える際に、電子ペーパー122は書き換え応答性が低いので、所望の画像が電子ペーパー122に表示されるまでに時間がかかるという問題がある。この問題は、ユーザに対して表示が待たされるというストレスを与える場合がある。
【0074】
そこで、制御部140は、透明ディスプレイ124に対して、時間を掛けて所定の時間までに所定の目標輝度まで輝度を下げていく表示制御を行ってもよい。これにより、表示部120の表示が透明ディスプレイ124から電子ペーパー122に切り替わる際に、ユーザに対して表示が待たされるように感じさせないような表示が実現できる。
【0075】
図11は、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の輝度制御の一例をグラフで示す説明図である。図11に示したグラフにおいて、縦軸は輝度、横軸は時間を表している。そして、符号H1で示した線は透明ディスプレイ124の輝度変化の一例を示しており、符号H2で示した線は電子ペーパー122の輝度変化の一例を示している。
【0076】
時刻t1において、透明ディスプレイ124による表示が終了したとする。ここで、透明ディスプレイ124の特性により、即座に輝度をb1から最低にすることも可能である。しかし、ここでは制御部140の制御により、透明ディスプレイ124の輝度をb1から徐々に下げていく。
【0077】
その後、時刻t1より後の時刻t2において、電子ペーパー122の書き換え処理が開始される。電子ペーパー122は、一旦輝度を最高にしてから、その後所望の輝度まで下げることで情報の書き換えがされる。
【0078】
そして、時刻t2より後の時刻t3において、電子ペーパー122の輝度が所望の輝度に達し、透明ディスプレイ124の輝度は最低となる。制御部140は、このように透明ディスプレイ124の輝度を制御することができる。制御部140が透明ディスプレイ124の輝度を図11に示したように制御することで、表示部120の表示が透明ディスプレイ124から電子ペーパー122に切り替わる際に違和感なく表示を切り替えることができる。
【0079】
もちろん、制御部140による透明ディスプレイ124の輝度制御はかかる例に限定されるものではない。図11の例では、制御部140は、時刻t3より前の時刻で透明ディスプレイ124の輝度が最低となるように制御してもよい。
【0080】
以上、制御部140による具体的な電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御について、いくつか例示して説明した。もちろん、制御部140による電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対する表示制御は、かかる例に限定されるものではない。表示部120に表示する内容に応じて、制御部140は、本開示の範囲内において、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対して適切な表示制御を行うことが可能であることは言うまでもない。
【0081】
例えば、ページを切り替える際のアニメーション処理にも、制御部140は電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対して適切な表示制御を行うことができる。ページを切り替えるような表示は電子ペーパーには適さない。従って、制御部140は、透明ディスプレイ124に表示を一旦全て切り替えてページ切り替えのアニメーションを透明ディスプレイ124に表示させる。ページを切り替える間、制御部140は、電子ペーパー122に対して、切り替え後のページを表示させる制御を行う。電子ペーパー122による新たなページの表示の準備が整ったら、制御部140は、情報の表示を透明ディスプレイ124から電子ペーパー122に切り替える。
【0082】
制御部140がこのような表示制御を行うことで、表示装置100は、表示部120においてページ切り替えのアニメーション表示が可能になるとともに、ページ切り替え後は電子ペーパー122による表示に切り替えることで消費電力を抑えた情報の表示が可能となる。
【0083】
また例えば、制御部140は、透明ディスプレイ124に情報が表示されていない領域において、当該領域全体の輝度を落として表示する制御を行ってもよい。この透明ディスプレイ124に情報が表示されていない領域において、当該領域全体の輝度を落として表示する制御は、例えば、輝度そのものを落とす制御、輝度を時間的に変化させることで単位時間当たりの輝度を落とす制御、領域の一部に対して輝度を落とす制御などであってもよい。領域の一部に対して輝度を落とす制御は、例えば、領域の一部のドットの輝度を落とす制御であってもよく、領域の一部のライン全体の輝度を落とす制御であってもよい。制御部140が、透明ディスプレイ124に情報が表示されていない領域において、当該領域全体の輝度を落として表示する制御を行うことによって、本実施形態に係る表示装置100は、電子ペーパー122の視認性を高めるという効果が生じる。
【0084】
<2.まとめ>
以上説明したように本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、情報を表示する表示部120として、反射型のシート状の表示デバイスである電子ペーパー122と、ディスプレイの背面側が透けて見える表示デバイスである透明ディスプレイ124とが重ねられた構成を有する。
【0085】
そして、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124に対して、制御部140は所定の表示制御を実行する。この所定の表示制御は、文字情報や静止画像のように、高い書き換え応答性が求められない情報は、透明ディスプレイ124と比較して書き換え応答性の低い電子ペーパー122に、動画像や、OSKのようなGUIのように、高い書き換え応答性が求められる情報は、電子ペーパー122より格段に書き換え応答性の高い透明ディスプレイ124に、それぞれ表示するような制御である。このように、情報の表示を電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124で分担させることで、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、情報を全て透明ディスプレイ124で表示させた場合と比較して、情報の表示の際の消費電力を抑えつつ、電子ペーパー122だけでは困難であった情報の表示を可能とする。
【0086】
動画像や、OSKのようなGUIのように、高い書き換え応答性が求められる情報を透明ディスプレイ124に表示する際には、制御部140は、当該情報が表示される領域に対応する電子ペーパー122の領域を、黒表示、または暗色表示するように電子ペーパー122の表示を制御する。このように制御部140が表示制御することで、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、その特性上、黒色の表示が困難である透明ディスプレイ124の弱点を補い、表示部120全体として高コントラストの情報を表示することができる。
【0087】
また、電子ペーパー122及び透明ディスプレイ124の、対応する同一の領域に、同一の、または異なる情報を表示する場合には、制御部140は、電子ペーパー122に情報が表示されていることを前提とした表示制御(色制御や輝度制御)を透明ディスプレイ124に対して実行する。このように制御部140が表示制御することで、本開示の一実施形態にかかる表示装置100は、ユーザに対して違和感なく情報を表示することができる。
【0088】
上記の実施形態はタブレット型の表示装置100を例に挙げて説明したが、本技術が適用される装置はこれに限定されない。例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants;携帯情報端末)、ゲーム機、電子辞書その他の表示装置でも同様に本技術を適用できる。
【0089】
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【0090】
また、明細書中において説明した一連の処理は、ハードウェア、またはソフトウェア、あるいはハードウェアとソフトウェアとの複合構成によって実行するようにしてもよい。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータのメモリにインストールして実行させるか、または、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させるようにしてもよい。
【0091】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0092】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御部を備え、
前記表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示する際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御装置。
(2)
前記表示制御部は、前記第1表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材を所定の反射状態より低い状態で表示する制御を行う、前記(1)に記載の表示制御装置。
(3)
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1部材に表示されている情報に基づいて表示制御を行う、前記(1)または(2)に記載の表示制御装置。
(4)
前記表示制御部は、前記第2表示部材が情報を表示する領域と、当該領域に対応する前記第1部材が情報を表示する領域とで同一の情報が表示されていることに基づいて、前記第2表示部材に対して表示制御を行う、前記(3)に記載の表示制御装置。
(5)
前記表示制御部は、前記第2表示部材が情報を表示する領域と、当該領域に対応する前記第1部材が情報を表示する領域とで異なる情報が表示されていることに基づいて、前記第2表示部材に対して表示制御を行う、前記(3)に記載の表示制御装置。
(6)
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2部材に情報が表示されていない領域に対応する領域全体の輝度を落として表示する制御を行う、前記(1)から(5)のいずれかに記載の表示制御装置。
(7)
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第1部材へ情報を表示する際に前記第1部材の情報の書き換えが完了する時間に応じて輝度を下げていく輝度制御を行う、前記(1)から(6)のいずれかに記載の表示制御装置。
(8)
前記対応する領域は、前記第1表示部材及び前記第2表示部材が重畳した状態で前記第1表示部材及び前記第2表示部材を垂直に見た際に互いに重なっている領域を有する、前記(1)から(7)のいずれかに記載の表示制御装置。
(9)
前記第1表示部材と前記第2表示部材とは同じ大きさを有する、前記(1)から(8)のいずれかにに記載の表示制御装置。
(10)
反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御ステップを備え、
前記表示制御ステップは、所定の情報を前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御方法。
(11)
コンピュータに、反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材を備える表示装置に対して所定の情報を前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う表示制御ステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0093】
100 表示装置
120 表示部
122 電子ペーパー
124 透明ディスプレイ
130 音声出力部
140 制御部
150 記憶部
160 操作部
170 通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御部を備え、
前記表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材を所定の反射状態より低い状態で表示する制御を行う、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1部材に表示されている情報に基づいて表示制御を行う、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記第2表示部材が情報を表示する領域と、当該領域に対応する前記第1部材が情報を表示する領域とで同一の情報が表示されていることに基づいて、前記第2表示部材に対して表示制御を行う、請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記第2表示部材が情報を表示する領域と、当該領域に対応する前記第1部材が情報を表示する領域とで異なる情報が表示されていることに基づいて、前記第2表示部材に対して表示制御を行う、請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2部材に情報が表示されていない領域に対応する領域全体の輝度を落として表示する制御を行う、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第1部材へ情報を表示する際に前記第1部材の情報の書き換えが完了する時間に応じて輝度を下げていく輝度制御を行う、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記対応する領域は、前記第1表示部材及び前記第2表示部材が重畳した状態で前記第1表示部材及び前記第2表示部材を垂直に見た際に互いに重なっている領域を有する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記第1表示部材と前記第2表示部材とは同じ大きさを有する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項10】
反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御ステップを備え、
前記表示制御ステップは、所定の情報を前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材を備える表示装置に対して所定の情報を前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う表示制御ステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項1】
反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御部を備え、
前記表示制御部は、所定の情報を前記第1表示部材及び前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して、または前記第1表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第2表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材を所定の反射状態より低い状態で表示する制御を行う、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1部材に表示されている情報に基づいて表示制御を行う、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記第2表示部材が情報を表示する領域と、当該領域に対応する前記第1部材が情報を表示する領域とで同一の情報が表示されていることに基づいて、前記第2表示部材に対して表示制御を行う、請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記第2表示部材が情報を表示する領域と、当該領域に対応する前記第1部材が情報を表示する領域とで異なる情報が表示されていることに基づいて、前記第2表示部材に対して表示制御を行う、請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第2部材に情報が表示されていない領域に対応する領域全体の輝度を落として表示する制御を行う、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第2表示部材に対する所定の表示制御として、前記第1部材へ情報を表示する際に前記第1部材の情報の書き換えが完了する時間に応じて輝度を下げていく輝度制御を行う、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記対応する領域は、前記第1表示部材及び前記第2表示部材が重畳した状態で前記第1表示部材及び前記第2表示部材を垂直に見た際に互いに重なっている領域を有する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記第1表示部材と前記第2表示部材とは同じ大きさを有する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項10】
反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材の表示を制御する表示制御ステップを備え、
前記表示制御ステップは、所定の情報を前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う、表示制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、反射型の第1表示部材及び前記第1表示部材の表示面に重畳して設けられる、前記第1表示部材と比較して書き換え応答性が高い、前記第1表示部材の表示を透過可能な自発光型の第2表示部材を備える表示装置に対して所定の情報を前記第2表示部材へ表示させる際に、前記第2表示部材が情報を表示する領域に対応する領域で前記第1表示部材に対して所定の表示制御を行う表示制御ステップを実行させる、コンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【公開番号】特開2013−15779(P2013−15779A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150377(P2011−150377)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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