表示制御装置及びその制御方法及びプログラム
【課題】操作パネルの表示部に表示する画像データを、操作パネルの縦方向又は横方向に対してできる限り共通化することにより、表示用の画像データを記憶するメモリ領域の増大を防止する。
【解決手段】表示部の画面を、操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、検知された操作パネルの方向に従って表示部への表示を制御し、ユーザにより選択された機能に応じて、共通入力表示領域に表示される画像データを記憶する第1記憶手段から、当該機能に対応する画像データを読み出して共通入力表示領域に表示し、操作パネルの向きに応じて、縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶する第2記憶手段から読み出した画像データを縦或いは横方向入力表示領域に表示する。
【解決手段】表示部の画面を、操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、検知された操作パネルの方向に従って表示部への表示を制御し、ユーザにより選択された機能に応じて、共通入力表示領域に表示される画像データを記憶する第1記憶手段から、当該機能に対応する画像データを読み出して共通入力表示領域に表示し、操作パネルの向きに応じて、縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶する第2記憶手段から読み出した画像データを縦或いは横方向入力表示領域に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に着脱可能で、装置本体を制御するための操作パネルへの表示を制御する表示制御装置及びその制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置には、画像形成装置本体(以下、本体)を制御するための表示部を有する操作パネルを本体から着脱可能とし、操作性を高めた装置が存在している。
【0003】
また、表示器の配置方向に応じて適応的に表示方向切り替えて表示する表示装置もある。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−30969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術における画像形成装置から着脱可能な操作パネルは、その表示方向が固定であるが、その操作パネルの向きに応じた表示ができれば、操作者にとって操作性を更に高めることができる。一方、画像形成装置は複写機能やFAX機能等、各種の複雑な設定操作を必要とするため、この操作パネルは一般的には大型で、長方形のタッチパネルや液晶セルを有している。特許文献1に記載された表示制御装置は、縦表示状態及び横表示状態で、正方形の表示領域のみ表示データを共通に使用でき、またその操作性も縦横方向で共通にしている。しかし、その正方形の表示領域以外の表示は、縦横方向で共通化できないため、縦及び横表示状態では、オペレータの操作が異なることになる。
【0006】
本発明の目的は、上記の従来の問題点を解決することにある。
【0007】
本願発明の特徴は、操作パネルの表示部に表示する画像データを、操作パネルの縦方向又は横方向に対してできる限り共通化することにより、表示用の画像データを記憶するメモリ領域の増大を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る表示制御装置は以下のような構成を備える。即ち、
操作パネルの向きを検出する検知手段及び表示部を有する操作パネルの表示を制御する表示制御装置であって、
前記表示部の画面を、前記操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、前記操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、前記検知手段により検知された前記操作パネルの方向に従って前記表示部への表示を制御する表示制御手段と、
前記共通入力表示領域に表示される画像データを記憶する第1記憶手段と、
前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶する第2記憶手段とを有し、
前記表示制御手段は、ユーザにより選択された機能に応じて前記第1記憶手段から、当該機能に対応する画像データを読み出して前記共通入力表示領域に表示し、前記操作パネルの向きに応じて前記第2記憶手段から読み出した画像データを前記縦或いは横方向入力表示領域に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作者が操作する操作パネルの向きに応じた、より操作性の高い操作画面を、より少ない画像データで表示できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る画像形成装置(印刷装置)を含む印刷システムの概略図。
【図2】本体、ホームポジション及び操作パネルの構成を説明するブロック図。
【図3】実施形態の操作パネルの画面表示処理を説明するフローチャート。
【図4】操作パネルの方向に応じた表示方向を説明する図。
【図5】図4の共通入力表示領域に表示される画面例を示す図。
【図6】図4の縦或いは横方向入力表示領域に表示される画面例を示す図。
【図7】実施形態の本体で実行される処理を説明するフローチャート。
【図8】操作パネルを縦方向にした場合のFAX送信画面の一例を示す図。
【図9】操作パネルを縦方向にした場合のFAXの宛先表表示画面の一例を示す図。
【図10】操作パネルを縦方向にした場合のFAXの宛先画面表示の一例を示す図。
【図11】操作パネルを横方向にした場合のFAX送信画面と宛先表示の一例を示す図。
【図12】操作パネルを縦方向にした場合のFAXの宛先画面表示の一例を示す図。
【図13】共通入力表示領域に表示する表示データの別実施形態を説明する図。
【図14】横入力表示領域に表示される表示データの別実施形態を示す図。
【図15】傾きセンサに加えて3次元加速度センサを有する操作パネルとホームポジションのブロック図(A)と、3次元ジャイロを有するる操作パネルとホームポジションのブロック図(B)。
【図16】本発明の他の実施形態に係る操作パネルの画面表示処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。本実施形態では、表示制御装置の一例として画像形成装置を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含む印刷システムの概略図である。
【0013】
本実施形態の画像形成装置は、いわゆるプリントオンデマンド(POD)機で、中綴じ製本、裁断、折加工などを行うことができる様々なオプションを組み合わせることで、多彩な印刷・製本要求に応えることができる。この画像形成装置は、画像形成装置本体(以下、本体)1000に対して、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000を組み合わせた例を示している。
【0014】
本体1000は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000と接続されている。パーソナルコンピュータ9000では、文書の各ページデータ、更には製本、裁断、折加工などの設定を含む印刷ジョブが生成される。こうして生成された印刷ジョブは、LAN8000を介して本体1000に送られ、その印刷ジョブに従って印刷及び製本などの処理が実行される。
【0015】
また図1では、本実施形態の特徴である、本体1000に着脱可能で、表示部を備える操作パネル3000が、本体1000に実装されたホームポジション2000に装着されている。この操作パネル3000は、本体1000のホームポジション2000に装着されているとき、ホームポジション2000を介して本体1000から供給される電力により、内蔵している電池が充電されるように構成されている。尚、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000などのオプションは、本発明に直接関係がないので、詳細な説明を省略する。
【0016】
図2は、本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000の構成を説明するブロック図である。以下、本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000のそれぞれを構成するモジュールについて説明する。
【0017】
まず、本体1000について説明する。
【0018】
図2に示すように、本体1000は、コントローラボード1100、プリントエンジン1200、スキャナ1300、ハードディスクドライブ(HDD)1400、電源モジュール1500を有している。そして、これら各部は、電源モジュール1500から供給される電力によって動作する。
【0019】
コントローラボード1100は、CPU1101、フラッシュROM1102、RAM1103、ネットワークインタフェースカード(NIC)1104、メインチャネルコントローラ1105、サブチャネルコントローラ1106を有する。更に、ディスクコントローラ(DKC)1107、スキャナインタフェース(SIF)1108、プリンタインタフェース(PIF)1109を備えている。これらデバイス1101〜1109のそれぞれは、バス1110を介してCPU1101と接続されている。
【0020】
CPU1101は、バス1110に接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM1102及びHDD1400に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM1103は、CPU1101の主メモリ、ワークエリアとして使用される。NIC1104は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000や他の画像形成装置と双方向にデータのやり取りを行う。HDD1400は、DKC1107を介してアクセスされ、制御プログラムを格納するだけでなく、画像の一時記憶場所としても使用される。
【0021】
スキャナ1300は、読み取りセンサや原稿搬送機構等を備える(いずれも不図示)。読み取りセンサや原稿搬送機構等は、コントローラボード1100に実装されたSIF1108及びスキャナ1300に実装されたSIF1301を介して、CPU1101で実行されるソフトウェアに従って制御される。その結果、読み取りセンサによって原稿を読み取り、得られたデータをSIF1301及びSIF1108を介してコントローラボード1100に転送する。
【0022】
またプリントエンジン1200は、電子写真方式の記録部や記録紙カセット、用紙搬送部等を備える(いずれも不図示)。コントローラボード1100からは、印刷ジョブに基づく印刷要求がPIF1109及びプリントエンジン1200に実装されたPIF1201を介して送られる。記録部や用紙搬送部等は、同様にPIF1109及びPIF1201を介して、CPU1101で実行されるプログラムに基づいて制御される。その結果、印刷要求に応じた画像を用紙上に形成(印刷)する。
【0023】
メインチャネルコントローラ1105及びサブチャネルコントローラ1106は、本体1000と、本体1000に着脱可能な操作パネル3000とのやり取りを行う際に使用される。詳細は後述する。
【0024】
次に、ホームポジション2000について説明する。
【0025】
図2に示すように、ホームポジション2000は、主にメインボード2100とコネクタ2200とを備えている。メインボード2100は、主にIEEE802.11bモジュール2101、irDAモジュール2102、電源コントローラ2103を備えている。IEEE802.11bモジュール2101は、コントローラボード1100のメインチャネルコントローラ1105と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との無線通信を仲介する。また、irDAモジュール2102は、コントローラボード1100のサブチャネルコントローラ1106と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との赤外線通信を仲介する。電源コントローラ2103は、電源モジュール1500と接続されている。IEEE802.11bモジュール2101やirDAモジュール2102は、電源コントローラ2103を経由して電力の供給を受ける。また電源コントローラ2103は、コネクタ2200とも接続され、操作パネル3000のコネクタ3500が接触状態のとき、操作パネル3000にも電力を供給する。加えて、電源コントローラ2103は、電力の供給状態を監視し、ホームポジション2000に操作パネル3000が装着された状態にあるか否かを検出し、その検出結果をコントローラボード1100に伝達する。尚、この装着状態にあるか否かの検出手段によって、操作パネル3000が本体に装着されていることが認識されている場合には、後述する操作方向検知手段により検知される方向に関わらず、操作パネル3000の操作方向は横方向とする。
【0026】
次に、操作パネル3000について説明する。
【0027】
着脱可能な操作パネル3000は、主にメインボード3100、表示部(LCD)3200、タッチパネル3300、ボタンデバイス3400、コネクタ3500を具備している。メインボード3100は、CPU3101、IEEE802.11bモジュール3102、irDAモジュール3103、電源コントローラ3104を有している。また更に、ディスプレイコントローラ(DISPC)3105、パネルコントローラ(PANELC)3106、フラッシュROM3107、RAM3108及び傾きセンサ3113を有している。それぞれのモジュール3101〜3108は、コントローラボード1100と同様に、バス(不図示)によって接続されている。表示部3200及びタッチパネル3300は画素数(1024×768)画素の表示領域と同じ領域でのタッチ入力が可能な約12インチの大きさで、表示部3200に表示された全ての入力キー表示位置でのタッチ入力が可能である前提で説明する。
【0028】
CPU3101は、バスに接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM3107に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM3108は、CPU3101の主メモリ、ワークエリア、及び表示部3200に表示するビデオデータの格納エリアとして機能する。ディスプレイコントローラ(DISPC)3105は、CPU3101の要求に応じて、RAM3108に展開されたビデオイメージを表示部3200へ転送するとともに表示部3200を制御する。その結果、表示部3200にイメージが表示される。パネルコントローラ(PANELC)3106は、CPU3101の要求に応じてタッチパネル3300及びボタンデバイス3400を制御する。その制御によって、タッチパネル3300の押下位置や、ボタンデバイス3400の押下されたキーコードなどがCPU3101に返送される。電源コントローラ3104はコネクタ3500と接続され、コネクタ3500とホームポジション2000のコネクタ2200とが接触状態のとき、本体1000の電源モジュール1500から電力の供給を受ける。これによって、電源コントローラ3104に接続された充電池3111を充電しながら、且つ、操作パネル3000全体に電力を供給する。もし、電源モジュール1500から電力が供給されないときは、充電池3111からの電力を操作パネル3000全体に供給する。
【0029】
IEEE802.11bモジュール3102は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のIEEE802.11bモジュール2101との無線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。irDAモジュール3103は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のirDAモジュール2102との赤外線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。傾きセンサ3113は、操作パネル3000が横方向(landscape)(表示部3200が横表示状態)か、或いは縦方向(portrait)(表示部3200が縦表示状態)であるかを検出する。
【0030】
次に、本実施形態に係るメインチャネルとしての無線通信について説明する。
【0031】
図2の説明で少し触れたように、本実施形態では、メインチャネルとしての無線通信は公知の技術であるIEEE802.11bの規格に準じて行われる。もう少し詳しく説明すると、本実施形態のシステムでは、本体1000がアクセスポイント(AP)、操作パネル3000が端末となるインフラストラクチャモードで無線通信が行われる。
【0032】
操作パネル3000の電波が届く範囲に複数の本体がある場合、既存のパーソナルコンピュータのように、操作パネル3000の表示部に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つを選択できるように構成されている。
【0033】
アソシエーションによって通信相手との通信が確立した後、本実施形態に係る操作パネル3000は、画面転送方式のシンクライアントとして動作する。即ち、実処理やビデオイメージ生成のほとんどは、本体1000のCPU1101で実行される。そして出来上がったビデオデータは、予め定められたプロトコルで、本体1000から操作パネル3000に無線で送られる。このビデオデータを受け取った操作パネル3000のCPU3101は、その受信したビデオデータをRAM3108に展開しながら、DISPC3105制御してLCD3200に画像を表示させる。即ち、本体1000の状態管理や記録信号の生成処理等のほとんどは、本体1000のCPU1101で実行される。また本体1000の状態は、予め定められたプロトコルで、本体1000から操作パネル3000に無線で送られる。
【0034】
一方、操作パネル3000のタッチパネル3300及びボタンデバイス3400に対するユーザの操作に関連する情報も、予め定められたプロトコルで、操作パネル3000から本体1000に無線で送られる。この操作に関連する情報は、例えばタッチパネル3300の押下位置や、ボタンデバイス3400の押下されたボタンに対応するキーコードなどを含む。操作に関連する情報を受け取った本体1000のCPU1101は、送られてきた情報に基づいて個々の動作を制御し、必要に応じてビデオデータを更新し、先に説明したようにビデオデータを操作パネル3000に送る。
【0035】
図3は、実施形態の操作パネル3000による表示処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートで示された処理を実行するプロはフラッシュROM3107に記憶されており、CPU3101の制御の下に実行される。
【0036】
まずS1で、操作パネル3000のCPU3101は、メインチャネルの無線通信状態を判定し(通信状態判定処理)、本体1000と無線通信中か否かを判定する。S1で、メインチャネルでの無線通信による通信中でないと判定した場合はS2に進み、本体1000とメインチャネル通信を確立するための要求を本体1000に送信する。尚、メインチャネルの電波が届く範囲に複数の本体がある場合、操作パネル3000側に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つをユーザに選択させ、その選択されたESSIDの本体に要求を送信する。そしてS3に進み、CPU3101は、本体1000からの通信を許可する旨の応答を受信したかどうかで本体1000を検出したか否かを判定し、本体1000を検出するまでS2,S3の処理を繰り返す。
【0037】
こうしてS3で、本体1000を検出したと判定した場合はCPU3101は、本体1000とのメインチャネル通信を確立してS4に処理を進める。S4では、CPU3101は、本体1000の装置IDや有効な機能などの装置情報を確認する。詳しくは、CPU3101は、本体1000に装置情報の確認要求(本体1000の装置IDや有効な機能などの装置情報の確認する要求)を送信し、その装置情報を本体1000から受信するとS5に処理を進める。一方、S1で、メインチャネルでの無線通信により本体1000と通信中であると判定した場合は、CPU3101はそのままS5に処理を進める。
【0038】
S5では、CPU3101は、操作パネル3000が本体1000のホームポジション2000に置かれ、操作パネル3000と本体1000とが接続されているか否かを判定する。そして、操作パネル3000と本体1000とが接続されていると判定した場合は、CPU3101はS8へ分岐し、一意に横方向でのパネル表示処理を行う。一方、S5で、操作パネル3000と本体1000とが接続されていないと判定した場合は、CPU3101はS6に処理を進める。尚、S6では、操作者が本体1000から操作パネル3000を着脱し、傾きセンサ3113の出力から、その操作方向が横方向か否かを判断する。傾きセンサ3113の出力に基づいて横方向であると判定するとS8に進み、横方向での入力表示処理を行い、その後、共通入力表示処理(S9)に進む。一方、傾きセンサ3113の出力に基づいて縦方向であると判定するとS7に進み、縦方向での入力表示処理を行って共通入力表示処理(S9)に進む。これらS1からS9で示す処理は、操作パネル3000の電源供給がある限り繰り返される。
【0039】
図4(A)〜(D)は、操作パネル3000の方向に応じた表示方向を説明する図である。図4(A)(B)は、傾きセンサ3113によって検知できる操作パネル3000の方向が縦方向の場合に相当し、図4(C)(D)は、操作パネル3000の方向が横方向の場合に相当する。尚、本実施形態では、表示部3200の表示領域は、ほぼ正方形の共通入力表示領域400と、縦或いは横方向入力表示領域401,402を有している。共通入力表示領域400では、操作パネル3000の方向に応じたデータの入力及び表示を行うことができる。縦(横)方向入力表示領域4011,402は、ほぼ固定的な各種指示入力画面であり、縦(横)方向入力表示領域では、共通入力表示領域400の表示に関わらず、独立に、かつ速やかに指示を入力する事ができる。
【0040】
図4(A)では、共通入力表示領域400の起点はP(0,0)であり、縦方向入力表示領域401の起点はQ(767,0)とする。本実施形態に係る操作パネル3000の表示部3200の画素は(1024×768)画素の長方形であり、共通入力表示領域400のサイズは(768×768)画素の正方形で、縦方向入力表示領域401は(768×256)画素とする。
【0041】
操作パネル3000を図4(A)の状態から左方向に90度回転させた状態を図4(D)に示す。図4(B)は、図4(A)の状態から、操作パネル3000を180度回転させた状態を示す。更に操作パネル3000を図4(B)の状態から左方向に90度回転させた状態を図4(C)に示す。図4(C)の横方向入力表示領域402は(256×768)画素とする。同様に他の3方向の場合においても傾きセンサ3113によって検知された結果に応じて、図4(B)〜(D)に示す各起点から其々共通入力表示領域400、縦方向入力表示領域401、横方向入力表示領域402を表示する。
【0042】
図5(A)(B)は、図4の共通入力表示領域400に表示される画面例を示す図である。
【0043】
図5(A)は、基本モード画面(不図示)からFAX送信機能が選択された場合に共通入力表示領域400に表示される画面例を示す。この画面データは、第1記憶手段であるフラッシュROM3107の特定のメモリエリアに格納されており、表示部3200の共通入力表示領域400の起点に相当するRAM3108のアドレスから(768×768)画素分展開されて表示される。又図5(B)は、FAX送信時の宛先表画面のために共通入力表示領域400に表示される画面例を示す。この画面データもフラッシュROM3107に格納されており、表示部3200の共通入力表示領域の起点に相当するRAM3108のアドレスから(768×768)画素分展開されて表示される。
【0044】
図6(A)(B)は、図4の縦或いは横方向入力表示領域に表示される操作部の画面例を示す図である。これら画面データは、第2記憶手段であるフラッシュROM3107の特定のメモリエリアに格納されている。
【0045】
図6(A)は、縦方向入力表示領域401に表示される画面例を示し、共通入力表示領域400で複写枚数等の各種数字を入力する際に使用される10キーや、スタートキー503及びストップキー502を表示している。またリセットキー504は、共通入力表示領域400の表示を初期設定画面にリセットする。簡単ナビキー505は、操作手順等のガイド説明を共通入力表示領域400に表示させるためのキーである。登録キー507は、本体装置に各種初期設定を登録するためのキーである。この画面データはフラッシュROM3107に格納されており、RAM3108に(2768×256)画素分が展開されて表示される。同様に、図6(B)は、同じキーをキー配列を変えて横方向入力表示領域402に表示した画面例を示す。
【0046】
このように傾きセンサ3113により検知された方向に応じて、縦方向の場合は図3のS7で、例えば図6(A)に示す縦方向入力表示領域401の画面を表示する。また傾きセンサ3113の検知が横方向の場合は、図3のS8で図6(B)で示すような横方向入力表示領域402の画面を表示する。
【0047】
図6(A)(B)に示す縦或いは横方向入力表示領域の画面は、従来から本体1000に固定のハードキーとして有していたキー群を表示部3200のタッチキー画面に表示したものである。従って、共通入力表示領域400の画面にも関わらず、本体1000の制御を行うためには表示部3200で常に表示しておく必要がある。このため本実施形態では、縦或いは横方向入力表示領域401,402の表示データとして個別に重複してフラッシュROM3107に格納しておく。この縦及び横方向入力表示領域401,402に表示する画像データは、図6(A)及び(B)のみである。よって、縦横表示に共通に使える数百枚に及ぶ共通入力表示領域400の表示データに比べて重複データ量は実質無視し得る。
【0048】
次に図7のフローチャートを参照して、本体による表示処理を説明する。
【0049】
図7は、実施形態の本体1000で実行される処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプロはフラッシュROM1102に記憶されており、CPU1101の制御の下に実行される。
【0050】
まずS11で、操作パネル3000の向きに応じて共通入力表示領域400の起点アドレスを図4に示す起点P,R,T,Vのうちのいずれかを設定する。図4(A)で示す縦方向なら、起点Pのアドレス(0,0)が設定される。表示すべき共通入力表示領域400の画面データをフラッシュROM3107からRAM3108上の起点Pに共通入力表示領域400の画像データの起点90を合わせて(768×768)画素が表示される様に展開する。こうして表示部3200への表示が可能になる。次にS12に進み、基本画面(不図示)を表示する。次にS13に進み、操作者がFAX送信を選択したかどうかを判断する。FAX送信を選択するとS14に進み、そうでないときはS21に進んで、選択された処理を実行する。S14では、基本画面から図8に示すFAX画面を表示する。
【0051】
尚、図8では、共通入力表示領域400に図5(A)に示すFAX送信用のUI画面が表示され、縦方向入力表示領域401には、図6(A)に示すようなキー群を含む操作画面が表示される。
【0052】
次にS15に進み、このFAXモード画面中の宛先表キー800(図8)が押下されたかどうかを判定する。宛先表キー800が押下されたと判定するとS16に進み、図9に示すような宛先表画面を表示する。
【0053】
図9は、起点Pから表示した共通入力表示領域400を、図5(B)の宛先表示画面に書き換えた状態を示している。更に、この宛先表画面で宛先901が選択されるとS17からS18に処理が進み、共通入力表示領域400の画面は、図10の宛先画面表示に切り替わる。
【0054】
図10は、FAXの宛先画面表示の一例を示す図である。図10では、宛先表示エリアに図9で指定された宛先901が表示されている。
【0055】
図10の画面において、縦方向入力表示領域401の画面の中のスタートキー503が押下されるとS19からS20に処理が進み、CPU3101は設定された宛先データと共にFAX送信を指示する。
【0056】
尚、傾きセンサ3113によって図4(B)で示す縦方向が検知された場合、共通入力表示領域400の表示データの起点はR(1023,767)となる。この場合も先に説明した通り略図8〜図10に従って画面が遷移する。なお、この場合の表示は全く同じだが、図4(B)で示す操作方向は、図4(A)で示す操作表示方向から操作パネル3000を180度回転した場合である。よって、フラッシュROM3107に保持してある画面データを起点R(1023,767)に応じてRAM3108へ展開すれば画面の表示が操作パネル3000の180度の回転に追従して遷移して見える。
【0057】
次に傾きセンサ3113によって、図4(C)で示す横方向が検知された場合について説明する。
【0058】
操作表示方向が図4(C)の場合、先に説明したFAXモード画面(図5(A))は起点T(1023、0)から対角点(0,767)方向にRAM3108に展開される。この場合、図7のS14で表示するFAX画面は、図11(A)に示すような表示になる。また横方向入力表示領域402には、図6(B)に示すようなキー群を含む操作画面が表示される。また図5(A)に示すデータと同じ表示データを使用して共通入力表示領域400に表示する。このためフラッシュROM3107に格納する表示データの容量は、縦及び横方向それぞれに専用で保持する場合に比べて半分で済むため安価にできる。特に複合機のように機能が多く、又設定も多い装置の表示画面数は膨大なため、本実施形態のように構成することによる効果は大きいと言える。
【0059】
図11(A)の状態で宛先表ボタン1111が押下されると図11(B)に示すような表示に変わる。この図11(B)は前述の図9に対応している。ここで宛先1101が選択されるとS18に進み、共通入力表示領域400に図12に示す画面が表示されて、宛先が設定される。尚、横方向入力表示領域402のスタートキー503が押下されるとS20に進み、CPU3101は設定された宛先データと共にFAX送信の指示を通知する。
【0060】
以上説明したように本実施形態によれば、操作パネルの表示部の画面を共通入力表示領域400と縦(横)方向入力表示領域401,402とに分け、操作方向に応じた入力表示を共通入力表示領域400では共通の表示データを用いて行う。また縦(横)方向入力表示領域401,402では、ほぼ固定的な指示入力画面とする。これにより、縦(横)方向入力表示領域401,402では、共通入力表示領域400の表示とは独立に、各方向に応じた操作画面を表示して入力を受け付けることができる。
【0061】
このように共通入力表示領域では、縦横のいずれに対しても共通の表示データを使用して表示できるため、入力項目の増大に伴って表示データが大幅に増大することなく操作(UI)画面を表示することができる。また縦、あるいは横方向のいずれで使用しても、略同じ操作性が保たれるため、ユーザによる操作性の向上が期待できる。
【0062】
図13(A)(B)は、共通入力表示領域400に表示する表示データの別実施形態を説明する図である。図5(A)は、FAX送信機能が選択された場合のフラッシュROM3107に格納してある表示データであることは先に説明した。図13(A)は、基本モード画面(図8)でコピーキーが選択され、その後、給紙段を選択する際に、共通入力表示領域400に表示する用紙画面の一例を示している。
【0063】
図13(B)は、コピー等で記録紙の紙詰まりが発生した際に、共通入力表示領域400に表示する画面例を示している。この図13(B)の表示例では、実際に紙が詰まっている箇所を提示している。
【0064】
このとき、縦或いは横入力表示領域401,402には、例えば図14に示すような、操作キーの画面が表示される。この画面で、操作手順等のガイド説明を共通入力表示領域400に表示するための簡単ナビキー505や、本体装置に各種初期設定を登録する登録キー507が押下された場合には、対応する画面が共通入力表示領域400に表示される。
【0065】
図14は、横入力表示領域に表示される表示データの別実施形態を示す図である。
【0066】
先の実施形態の図6(A)(B)に示した縦入力表示領域と横入力表示領域では、同じ入力キーをそれぞれ縦横2方向で独立にレイアウトした。これに対して図14に示す横方向表示領域では、なるべく図6(A)で示した縦方向表示データの各キーの相互位置関係が保てるように考慮してレイアウトしている。本来、キーなどの配列を、縦方向と横方向で全く同じにすることは不可能であるが、縦方向と横方向で各キーの位置関係を保つことにより、操作性の違いを最小にしている。
【0067】
前述の実施形態では、傾きセンサ3113を用いて操作者が操作パネル3000を操作する方向を検知していた。一般に傾きセンサ3113は重力を利用しているため、操作パネル3000が水平面上に置かれた場合、操作パネル3000の方向が縦方向であるか横方向であるかを判別できない。
【0068】
図15(A)は、傾きセンサ3113に加えて3次元加速度センサ3111をメインボード3110に有する操作パネルとホームポジションのブロック図である。
【0069】
図15(B)は、3次元ジャイロセンサ3112をメインボード3110に有する操作パネルとホームポジションのブロック図である。尚、図15において、前述の図2の構成と共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
【0070】
傾きセンサ3113と3次元加速度センサ3111を用いた方向検知処理を図16のフローチャートに示す。前述の図3のステップと同じ処理は同じステップ番号で示して、その説明を省略する。
【0071】
操作パネル3000が水平状態で、傾きセンサ3113の出力が小さく安定に検知できない場合は傾きの検知が不可能と判断してS31からS32に進み、加速度センサ3111の出力を処理して方向を検出する。この場合の操作方向は、傾きセンサ3113の出力を初期値とし、加速度センサ3111の出力を2回積分して初期値からの3次元各方向での移動距離を算出し(S32)、水平面上の方向を判定する。
【0072】
尚、水平状態で、操作パネル3000が電源投入されたりCPU3101がリセットされた場合で操作パネルの移動も無い場合は、傾きセンサ3113を用いても初期位置が不定のためS33で傾きの検知が不可能と判断される。その場合は一意に横方向に決定してS7に分岐する。
【0073】
一方、S33で、加速度センサ3111の出力から移動量が算出できる場合はS34に進み、判定結果に応じてS7或いはS8に分岐する。
【0074】
図15(B)は、3次元ジャイロセンサ3112をメインボード3110に有する別実施形態を示す図である。
【0075】
3次元ジャイロセンサ3112は上記2つの実施形態の欠点を持たないセンサであり、操作パネル3000が如何なる状態にあっても、その操作方向を図3で先に説明したフローチャートに従って検知可能である。
【0076】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0077】
以上、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。尚、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0078】
例えば、上記実施例では表示制御装置の一例として画像形成装置を例に説明し、画像形成装置本体と操作パネルとが別々の装置として着脱可能であるとして説明した。しかし、表示制御装置と操作パネルとが一体の一つの装置としても実施可能である。即ち、操作パネル自体に、上述の表示制御装置の機能を備えることによっても本発明は実施可能である。
【0079】
以上示したように本実施形態によれば、操作パネルの表示部の表示領域を、共通入力表示領域400と縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、共通入力表示領域には操作者の入力に応じて随時共通の表示データを表示する。また操作パネルの方向検知結果に応じて縦或いは横方向入力表示領域に、予め共通入力表示領域とは独立に用意した略固定の表示データを表示する。
【0080】
これにより、共通入力表示領域の表示画面に関わらず操作者は、共通の操作で指示入力を行うことができる。また操作パネルの表示部に表示するメニュー画面や操作画面用の表示データのデータ量を、表示する操作画面の種類が増大しても少なく抑えることができる。
【0081】
又、今後、表示部の画面のアスペクト比がワイド化し、例えば16対9に変更されたとしても、縦或いは横方向入力表示領域は共通入力表示領域に対して面積比率を高めるだけで対処できる。また縦或いは横方向入力表示領域の面積比率を高めることにより、よりキーが見やすくなって操作性が良くなることも期待できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に着脱可能で、装置本体を制御するための操作パネルへの表示を制御する表示制御装置及びその制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置には、画像形成装置本体(以下、本体)を制御するための表示部を有する操作パネルを本体から着脱可能とし、操作性を高めた装置が存在している。
【0003】
また、表示器の配置方向に応じて適応的に表示方向切り替えて表示する表示装置もある。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−30969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術における画像形成装置から着脱可能な操作パネルは、その表示方向が固定であるが、その操作パネルの向きに応じた表示ができれば、操作者にとって操作性を更に高めることができる。一方、画像形成装置は複写機能やFAX機能等、各種の複雑な設定操作を必要とするため、この操作パネルは一般的には大型で、長方形のタッチパネルや液晶セルを有している。特許文献1に記載された表示制御装置は、縦表示状態及び横表示状態で、正方形の表示領域のみ表示データを共通に使用でき、またその操作性も縦横方向で共通にしている。しかし、その正方形の表示領域以外の表示は、縦横方向で共通化できないため、縦及び横表示状態では、オペレータの操作が異なることになる。
【0006】
本発明の目的は、上記の従来の問題点を解決することにある。
【0007】
本願発明の特徴は、操作パネルの表示部に表示する画像データを、操作パネルの縦方向又は横方向に対してできる限り共通化することにより、表示用の画像データを記憶するメモリ領域の増大を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る表示制御装置は以下のような構成を備える。即ち、
操作パネルの向きを検出する検知手段及び表示部を有する操作パネルの表示を制御する表示制御装置であって、
前記表示部の画面を、前記操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、前記操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、前記検知手段により検知された前記操作パネルの方向に従って前記表示部への表示を制御する表示制御手段と、
前記共通入力表示領域に表示される画像データを記憶する第1記憶手段と、
前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶する第2記憶手段とを有し、
前記表示制御手段は、ユーザにより選択された機能に応じて前記第1記憶手段から、当該機能に対応する画像データを読み出して前記共通入力表示領域に表示し、前記操作パネルの向きに応じて前記第2記憶手段から読み出した画像データを前記縦或いは横方向入力表示領域に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作者が操作する操作パネルの向きに応じた、より操作性の高い操作画面を、より少ない画像データで表示できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係る画像形成装置(印刷装置)を含む印刷システムの概略図。
【図2】本体、ホームポジション及び操作パネルの構成を説明するブロック図。
【図3】実施形態の操作パネルの画面表示処理を説明するフローチャート。
【図4】操作パネルの方向に応じた表示方向を説明する図。
【図5】図4の共通入力表示領域に表示される画面例を示す図。
【図6】図4の縦或いは横方向入力表示領域に表示される画面例を示す図。
【図7】実施形態の本体で実行される処理を説明するフローチャート。
【図8】操作パネルを縦方向にした場合のFAX送信画面の一例を示す図。
【図9】操作パネルを縦方向にした場合のFAXの宛先表表示画面の一例を示す図。
【図10】操作パネルを縦方向にした場合のFAXの宛先画面表示の一例を示す図。
【図11】操作パネルを横方向にした場合のFAX送信画面と宛先表示の一例を示す図。
【図12】操作パネルを縦方向にした場合のFAXの宛先画面表示の一例を示す図。
【図13】共通入力表示領域に表示する表示データの別実施形態を説明する図。
【図14】横入力表示領域に表示される表示データの別実施形態を示す図。
【図15】傾きセンサに加えて3次元加速度センサを有する操作パネルとホームポジションのブロック図(A)と、3次元ジャイロを有するる操作パネルとホームポジションのブロック図(B)。
【図16】本発明の他の実施形態に係る操作パネルの画面表示処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。本実施形態では、表示制御装置の一例として画像形成装置を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含む印刷システムの概略図である。
【0013】
本実施形態の画像形成装置は、いわゆるプリントオンデマンド(POD)機で、中綴じ製本、裁断、折加工などを行うことができる様々なオプションを組み合わせることで、多彩な印刷・製本要求に応えることができる。この画像形成装置は、画像形成装置本体(以下、本体)1000に対して、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000を組み合わせた例を示している。
【0014】
本体1000は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000と接続されている。パーソナルコンピュータ9000では、文書の各ページデータ、更には製本、裁断、折加工などの設定を含む印刷ジョブが生成される。こうして生成された印刷ジョブは、LAN8000を介して本体1000に送られ、その印刷ジョブに従って印刷及び製本などの処理が実行される。
【0015】
また図1では、本実施形態の特徴である、本体1000に着脱可能で、表示部を備える操作パネル3000が、本体1000に実装されたホームポジション2000に装着されている。この操作パネル3000は、本体1000のホームポジション2000に装着されているとき、ホームポジション2000を介して本体1000から供給される電力により、内蔵している電池が充電されるように構成されている。尚、用紙デッキ5000、バインダ6000、フィニッシャ7000などのオプションは、本発明に直接関係がないので、詳細な説明を省略する。
【0016】
図2は、本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000の構成を説明するブロック図である。以下、本体1000、ホームポジション2000、操作パネル3000のそれぞれを構成するモジュールについて説明する。
【0017】
まず、本体1000について説明する。
【0018】
図2に示すように、本体1000は、コントローラボード1100、プリントエンジン1200、スキャナ1300、ハードディスクドライブ(HDD)1400、電源モジュール1500を有している。そして、これら各部は、電源モジュール1500から供給される電力によって動作する。
【0019】
コントローラボード1100は、CPU1101、フラッシュROM1102、RAM1103、ネットワークインタフェースカード(NIC)1104、メインチャネルコントローラ1105、サブチャネルコントローラ1106を有する。更に、ディスクコントローラ(DKC)1107、スキャナインタフェース(SIF)1108、プリンタインタフェース(PIF)1109を備えている。これらデバイス1101〜1109のそれぞれは、バス1110を介してCPU1101と接続されている。
【0020】
CPU1101は、バス1110に接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM1102及びHDD1400に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM1103は、CPU1101の主メモリ、ワークエリアとして使用される。NIC1104は、LAN8000を介して、パーソナルコンピュータ9000や他の画像形成装置と双方向にデータのやり取りを行う。HDD1400は、DKC1107を介してアクセスされ、制御プログラムを格納するだけでなく、画像の一時記憶場所としても使用される。
【0021】
スキャナ1300は、読み取りセンサや原稿搬送機構等を備える(いずれも不図示)。読み取りセンサや原稿搬送機構等は、コントローラボード1100に実装されたSIF1108及びスキャナ1300に実装されたSIF1301を介して、CPU1101で実行されるソフトウェアに従って制御される。その結果、読み取りセンサによって原稿を読み取り、得られたデータをSIF1301及びSIF1108を介してコントローラボード1100に転送する。
【0022】
またプリントエンジン1200は、電子写真方式の記録部や記録紙カセット、用紙搬送部等を備える(いずれも不図示)。コントローラボード1100からは、印刷ジョブに基づく印刷要求がPIF1109及びプリントエンジン1200に実装されたPIF1201を介して送られる。記録部や用紙搬送部等は、同様にPIF1109及びPIF1201を介して、CPU1101で実行されるプログラムに基づいて制御される。その結果、印刷要求に応じた画像を用紙上に形成(印刷)する。
【0023】
メインチャネルコントローラ1105及びサブチャネルコントローラ1106は、本体1000と、本体1000に着脱可能な操作パネル3000とのやり取りを行う際に使用される。詳細は後述する。
【0024】
次に、ホームポジション2000について説明する。
【0025】
図2に示すように、ホームポジション2000は、主にメインボード2100とコネクタ2200とを備えている。メインボード2100は、主にIEEE802.11bモジュール2101、irDAモジュール2102、電源コントローラ2103を備えている。IEEE802.11bモジュール2101は、コントローラボード1100のメインチャネルコントローラ1105と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との無線通信を仲介する。また、irDAモジュール2102は、コントローラボード1100のサブチャネルコントローラ1106と接続され、コントローラボード1100からの要求に基づいて、操作パネル3000との赤外線通信を仲介する。電源コントローラ2103は、電源モジュール1500と接続されている。IEEE802.11bモジュール2101やirDAモジュール2102は、電源コントローラ2103を経由して電力の供給を受ける。また電源コントローラ2103は、コネクタ2200とも接続され、操作パネル3000のコネクタ3500が接触状態のとき、操作パネル3000にも電力を供給する。加えて、電源コントローラ2103は、電力の供給状態を監視し、ホームポジション2000に操作パネル3000が装着された状態にあるか否かを検出し、その検出結果をコントローラボード1100に伝達する。尚、この装着状態にあるか否かの検出手段によって、操作パネル3000が本体に装着されていることが認識されている場合には、後述する操作方向検知手段により検知される方向に関わらず、操作パネル3000の操作方向は横方向とする。
【0026】
次に、操作パネル3000について説明する。
【0027】
着脱可能な操作パネル3000は、主にメインボード3100、表示部(LCD)3200、タッチパネル3300、ボタンデバイス3400、コネクタ3500を具備している。メインボード3100は、CPU3101、IEEE802.11bモジュール3102、irDAモジュール3103、電源コントローラ3104を有している。また更に、ディスプレイコントローラ(DISPC)3105、パネルコントローラ(PANELC)3106、フラッシュROM3107、RAM3108及び傾きセンサ3113を有している。それぞれのモジュール3101〜3108は、コントローラボード1100と同様に、バス(不図示)によって接続されている。表示部3200及びタッチパネル3300は画素数(1024×768)画素の表示領域と同じ領域でのタッチ入力が可能な約12インチの大きさで、表示部3200に表示された全ての入力キー表示位置でのタッチ入力が可能である前提で説明する。
【0028】
CPU3101は、バスに接続される各デバイスを総括的に制御すると共に、フラッシュROM3107に記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。RAM3108は、CPU3101の主メモリ、ワークエリア、及び表示部3200に表示するビデオデータの格納エリアとして機能する。ディスプレイコントローラ(DISPC)3105は、CPU3101の要求に応じて、RAM3108に展開されたビデオイメージを表示部3200へ転送するとともに表示部3200を制御する。その結果、表示部3200にイメージが表示される。パネルコントローラ(PANELC)3106は、CPU3101の要求に応じてタッチパネル3300及びボタンデバイス3400を制御する。その制御によって、タッチパネル3300の押下位置や、ボタンデバイス3400の押下されたキーコードなどがCPU3101に返送される。電源コントローラ3104はコネクタ3500と接続され、コネクタ3500とホームポジション2000のコネクタ2200とが接触状態のとき、本体1000の電源モジュール1500から電力の供給を受ける。これによって、電源コントローラ3104に接続された充電池3111を充電しながら、且つ、操作パネル3000全体に電力を供給する。もし、電源モジュール1500から電力が供給されないときは、充電池3111からの電力を操作パネル3000全体に供給する。
【0029】
IEEE802.11bモジュール3102は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のIEEE802.11bモジュール2101との無線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。irDAモジュール3103は、CPU3101の制御に基づいて、ホームポジション2000上のirDAモジュール2102との赤外線通信を確立し、本体1000との通信を仲介する。傾きセンサ3113は、操作パネル3000が横方向(landscape)(表示部3200が横表示状態)か、或いは縦方向(portrait)(表示部3200が縦表示状態)であるかを検出する。
【0030】
次に、本実施形態に係るメインチャネルとしての無線通信について説明する。
【0031】
図2の説明で少し触れたように、本実施形態では、メインチャネルとしての無線通信は公知の技術であるIEEE802.11bの規格に準じて行われる。もう少し詳しく説明すると、本実施形態のシステムでは、本体1000がアクセスポイント(AP)、操作パネル3000が端末となるインフラストラクチャモードで無線通信が行われる。
【0032】
操作パネル3000の電波が届く範囲に複数の本体がある場合、既存のパーソナルコンピュータのように、操作パネル3000の表示部に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つを選択できるように構成されている。
【0033】
アソシエーションによって通信相手との通信が確立した後、本実施形態に係る操作パネル3000は、画面転送方式のシンクライアントとして動作する。即ち、実処理やビデオイメージ生成のほとんどは、本体1000のCPU1101で実行される。そして出来上がったビデオデータは、予め定められたプロトコルで、本体1000から操作パネル3000に無線で送られる。このビデオデータを受け取った操作パネル3000のCPU3101は、その受信したビデオデータをRAM3108に展開しながら、DISPC3105制御してLCD3200に画像を表示させる。即ち、本体1000の状態管理や記録信号の生成処理等のほとんどは、本体1000のCPU1101で実行される。また本体1000の状態は、予め定められたプロトコルで、本体1000から操作パネル3000に無線で送られる。
【0034】
一方、操作パネル3000のタッチパネル3300及びボタンデバイス3400に対するユーザの操作に関連する情報も、予め定められたプロトコルで、操作パネル3000から本体1000に無線で送られる。この操作に関連する情報は、例えばタッチパネル3300の押下位置や、ボタンデバイス3400の押下されたボタンに対応するキーコードなどを含む。操作に関連する情報を受け取った本体1000のCPU1101は、送られてきた情報に基づいて個々の動作を制御し、必要に応じてビデオデータを更新し、先に説明したようにビデオデータを操作パネル3000に送る。
【0035】
図3は、実施形態の操作パネル3000による表示処理を説明するフローチャートである。尚、このフローチャートで示された処理を実行するプロはフラッシュROM3107に記憶されており、CPU3101の制御の下に実行される。
【0036】
まずS1で、操作パネル3000のCPU3101は、メインチャネルの無線通信状態を判定し(通信状態判定処理)、本体1000と無線通信中か否かを判定する。S1で、メインチャネルでの無線通信による通信中でないと判定した場合はS2に進み、本体1000とメインチャネル通信を確立するための要求を本体1000に送信する。尚、メインチャネルの電波が届く範囲に複数の本体がある場合、操作パネル3000側に、通信可能な複数の本体のESSIDが表示され、そのうちの一つをユーザに選択させ、その選択されたESSIDの本体に要求を送信する。そしてS3に進み、CPU3101は、本体1000からの通信を許可する旨の応答を受信したかどうかで本体1000を検出したか否かを判定し、本体1000を検出するまでS2,S3の処理を繰り返す。
【0037】
こうしてS3で、本体1000を検出したと判定した場合はCPU3101は、本体1000とのメインチャネル通信を確立してS4に処理を進める。S4では、CPU3101は、本体1000の装置IDや有効な機能などの装置情報を確認する。詳しくは、CPU3101は、本体1000に装置情報の確認要求(本体1000の装置IDや有効な機能などの装置情報の確認する要求)を送信し、その装置情報を本体1000から受信するとS5に処理を進める。一方、S1で、メインチャネルでの無線通信により本体1000と通信中であると判定した場合は、CPU3101はそのままS5に処理を進める。
【0038】
S5では、CPU3101は、操作パネル3000が本体1000のホームポジション2000に置かれ、操作パネル3000と本体1000とが接続されているか否かを判定する。そして、操作パネル3000と本体1000とが接続されていると判定した場合は、CPU3101はS8へ分岐し、一意に横方向でのパネル表示処理を行う。一方、S5で、操作パネル3000と本体1000とが接続されていないと判定した場合は、CPU3101はS6に処理を進める。尚、S6では、操作者が本体1000から操作パネル3000を着脱し、傾きセンサ3113の出力から、その操作方向が横方向か否かを判断する。傾きセンサ3113の出力に基づいて横方向であると判定するとS8に進み、横方向での入力表示処理を行い、その後、共通入力表示処理(S9)に進む。一方、傾きセンサ3113の出力に基づいて縦方向であると判定するとS7に進み、縦方向での入力表示処理を行って共通入力表示処理(S9)に進む。これらS1からS9で示す処理は、操作パネル3000の電源供給がある限り繰り返される。
【0039】
図4(A)〜(D)は、操作パネル3000の方向に応じた表示方向を説明する図である。図4(A)(B)は、傾きセンサ3113によって検知できる操作パネル3000の方向が縦方向の場合に相当し、図4(C)(D)は、操作パネル3000の方向が横方向の場合に相当する。尚、本実施形態では、表示部3200の表示領域は、ほぼ正方形の共通入力表示領域400と、縦或いは横方向入力表示領域401,402を有している。共通入力表示領域400では、操作パネル3000の方向に応じたデータの入力及び表示を行うことができる。縦(横)方向入力表示領域4011,402は、ほぼ固定的な各種指示入力画面であり、縦(横)方向入力表示領域では、共通入力表示領域400の表示に関わらず、独立に、かつ速やかに指示を入力する事ができる。
【0040】
図4(A)では、共通入力表示領域400の起点はP(0,0)であり、縦方向入力表示領域401の起点はQ(767,0)とする。本実施形態に係る操作パネル3000の表示部3200の画素は(1024×768)画素の長方形であり、共通入力表示領域400のサイズは(768×768)画素の正方形で、縦方向入力表示領域401は(768×256)画素とする。
【0041】
操作パネル3000を図4(A)の状態から左方向に90度回転させた状態を図4(D)に示す。図4(B)は、図4(A)の状態から、操作パネル3000を180度回転させた状態を示す。更に操作パネル3000を図4(B)の状態から左方向に90度回転させた状態を図4(C)に示す。図4(C)の横方向入力表示領域402は(256×768)画素とする。同様に他の3方向の場合においても傾きセンサ3113によって検知された結果に応じて、図4(B)〜(D)に示す各起点から其々共通入力表示領域400、縦方向入力表示領域401、横方向入力表示領域402を表示する。
【0042】
図5(A)(B)は、図4の共通入力表示領域400に表示される画面例を示す図である。
【0043】
図5(A)は、基本モード画面(不図示)からFAX送信機能が選択された場合に共通入力表示領域400に表示される画面例を示す。この画面データは、第1記憶手段であるフラッシュROM3107の特定のメモリエリアに格納されており、表示部3200の共通入力表示領域400の起点に相当するRAM3108のアドレスから(768×768)画素分展開されて表示される。又図5(B)は、FAX送信時の宛先表画面のために共通入力表示領域400に表示される画面例を示す。この画面データもフラッシュROM3107に格納されており、表示部3200の共通入力表示領域の起点に相当するRAM3108のアドレスから(768×768)画素分展開されて表示される。
【0044】
図6(A)(B)は、図4の縦或いは横方向入力表示領域に表示される操作部の画面例を示す図である。これら画面データは、第2記憶手段であるフラッシュROM3107の特定のメモリエリアに格納されている。
【0045】
図6(A)は、縦方向入力表示領域401に表示される画面例を示し、共通入力表示領域400で複写枚数等の各種数字を入力する際に使用される10キーや、スタートキー503及びストップキー502を表示している。またリセットキー504は、共通入力表示領域400の表示を初期設定画面にリセットする。簡単ナビキー505は、操作手順等のガイド説明を共通入力表示領域400に表示させるためのキーである。登録キー507は、本体装置に各種初期設定を登録するためのキーである。この画面データはフラッシュROM3107に格納されており、RAM3108に(2768×256)画素分が展開されて表示される。同様に、図6(B)は、同じキーをキー配列を変えて横方向入力表示領域402に表示した画面例を示す。
【0046】
このように傾きセンサ3113により検知された方向に応じて、縦方向の場合は図3のS7で、例えば図6(A)に示す縦方向入力表示領域401の画面を表示する。また傾きセンサ3113の検知が横方向の場合は、図3のS8で図6(B)で示すような横方向入力表示領域402の画面を表示する。
【0047】
図6(A)(B)に示す縦或いは横方向入力表示領域の画面は、従来から本体1000に固定のハードキーとして有していたキー群を表示部3200のタッチキー画面に表示したものである。従って、共通入力表示領域400の画面にも関わらず、本体1000の制御を行うためには表示部3200で常に表示しておく必要がある。このため本実施形態では、縦或いは横方向入力表示領域401,402の表示データとして個別に重複してフラッシュROM3107に格納しておく。この縦及び横方向入力表示領域401,402に表示する画像データは、図6(A)及び(B)のみである。よって、縦横表示に共通に使える数百枚に及ぶ共通入力表示領域400の表示データに比べて重複データ量は実質無視し得る。
【0048】
次に図7のフローチャートを参照して、本体による表示処理を説明する。
【0049】
図7は、実施形態の本体1000で実行される処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプロはフラッシュROM1102に記憶されており、CPU1101の制御の下に実行される。
【0050】
まずS11で、操作パネル3000の向きに応じて共通入力表示領域400の起点アドレスを図4に示す起点P,R,T,Vのうちのいずれかを設定する。図4(A)で示す縦方向なら、起点Pのアドレス(0,0)が設定される。表示すべき共通入力表示領域400の画面データをフラッシュROM3107からRAM3108上の起点Pに共通入力表示領域400の画像データの起点90を合わせて(768×768)画素が表示される様に展開する。こうして表示部3200への表示が可能になる。次にS12に進み、基本画面(不図示)を表示する。次にS13に進み、操作者がFAX送信を選択したかどうかを判断する。FAX送信を選択するとS14に進み、そうでないときはS21に進んで、選択された処理を実行する。S14では、基本画面から図8に示すFAX画面を表示する。
【0051】
尚、図8では、共通入力表示領域400に図5(A)に示すFAX送信用のUI画面が表示され、縦方向入力表示領域401には、図6(A)に示すようなキー群を含む操作画面が表示される。
【0052】
次にS15に進み、このFAXモード画面中の宛先表キー800(図8)が押下されたかどうかを判定する。宛先表キー800が押下されたと判定するとS16に進み、図9に示すような宛先表画面を表示する。
【0053】
図9は、起点Pから表示した共通入力表示領域400を、図5(B)の宛先表示画面に書き換えた状態を示している。更に、この宛先表画面で宛先901が選択されるとS17からS18に処理が進み、共通入力表示領域400の画面は、図10の宛先画面表示に切り替わる。
【0054】
図10は、FAXの宛先画面表示の一例を示す図である。図10では、宛先表示エリアに図9で指定された宛先901が表示されている。
【0055】
図10の画面において、縦方向入力表示領域401の画面の中のスタートキー503が押下されるとS19からS20に処理が進み、CPU3101は設定された宛先データと共にFAX送信を指示する。
【0056】
尚、傾きセンサ3113によって図4(B)で示す縦方向が検知された場合、共通入力表示領域400の表示データの起点はR(1023,767)となる。この場合も先に説明した通り略図8〜図10に従って画面が遷移する。なお、この場合の表示は全く同じだが、図4(B)で示す操作方向は、図4(A)で示す操作表示方向から操作パネル3000を180度回転した場合である。よって、フラッシュROM3107に保持してある画面データを起点R(1023,767)に応じてRAM3108へ展開すれば画面の表示が操作パネル3000の180度の回転に追従して遷移して見える。
【0057】
次に傾きセンサ3113によって、図4(C)で示す横方向が検知された場合について説明する。
【0058】
操作表示方向が図4(C)の場合、先に説明したFAXモード画面(図5(A))は起点T(1023、0)から対角点(0,767)方向にRAM3108に展開される。この場合、図7のS14で表示するFAX画面は、図11(A)に示すような表示になる。また横方向入力表示領域402には、図6(B)に示すようなキー群を含む操作画面が表示される。また図5(A)に示すデータと同じ表示データを使用して共通入力表示領域400に表示する。このためフラッシュROM3107に格納する表示データの容量は、縦及び横方向それぞれに専用で保持する場合に比べて半分で済むため安価にできる。特に複合機のように機能が多く、又設定も多い装置の表示画面数は膨大なため、本実施形態のように構成することによる効果は大きいと言える。
【0059】
図11(A)の状態で宛先表ボタン1111が押下されると図11(B)に示すような表示に変わる。この図11(B)は前述の図9に対応している。ここで宛先1101が選択されるとS18に進み、共通入力表示領域400に図12に示す画面が表示されて、宛先が設定される。尚、横方向入力表示領域402のスタートキー503が押下されるとS20に進み、CPU3101は設定された宛先データと共にFAX送信の指示を通知する。
【0060】
以上説明したように本実施形態によれば、操作パネルの表示部の画面を共通入力表示領域400と縦(横)方向入力表示領域401,402とに分け、操作方向に応じた入力表示を共通入力表示領域400では共通の表示データを用いて行う。また縦(横)方向入力表示領域401,402では、ほぼ固定的な指示入力画面とする。これにより、縦(横)方向入力表示領域401,402では、共通入力表示領域400の表示とは独立に、各方向に応じた操作画面を表示して入力を受け付けることができる。
【0061】
このように共通入力表示領域では、縦横のいずれに対しても共通の表示データを使用して表示できるため、入力項目の増大に伴って表示データが大幅に増大することなく操作(UI)画面を表示することができる。また縦、あるいは横方向のいずれで使用しても、略同じ操作性が保たれるため、ユーザによる操作性の向上が期待できる。
【0062】
図13(A)(B)は、共通入力表示領域400に表示する表示データの別実施形態を説明する図である。図5(A)は、FAX送信機能が選択された場合のフラッシュROM3107に格納してある表示データであることは先に説明した。図13(A)は、基本モード画面(図8)でコピーキーが選択され、その後、給紙段を選択する際に、共通入力表示領域400に表示する用紙画面の一例を示している。
【0063】
図13(B)は、コピー等で記録紙の紙詰まりが発生した際に、共通入力表示領域400に表示する画面例を示している。この図13(B)の表示例では、実際に紙が詰まっている箇所を提示している。
【0064】
このとき、縦或いは横入力表示領域401,402には、例えば図14に示すような、操作キーの画面が表示される。この画面で、操作手順等のガイド説明を共通入力表示領域400に表示するための簡単ナビキー505や、本体装置に各種初期設定を登録する登録キー507が押下された場合には、対応する画面が共通入力表示領域400に表示される。
【0065】
図14は、横入力表示領域に表示される表示データの別実施形態を示す図である。
【0066】
先の実施形態の図6(A)(B)に示した縦入力表示領域と横入力表示領域では、同じ入力キーをそれぞれ縦横2方向で独立にレイアウトした。これに対して図14に示す横方向表示領域では、なるべく図6(A)で示した縦方向表示データの各キーの相互位置関係が保てるように考慮してレイアウトしている。本来、キーなどの配列を、縦方向と横方向で全く同じにすることは不可能であるが、縦方向と横方向で各キーの位置関係を保つことにより、操作性の違いを最小にしている。
【0067】
前述の実施形態では、傾きセンサ3113を用いて操作者が操作パネル3000を操作する方向を検知していた。一般に傾きセンサ3113は重力を利用しているため、操作パネル3000が水平面上に置かれた場合、操作パネル3000の方向が縦方向であるか横方向であるかを判別できない。
【0068】
図15(A)は、傾きセンサ3113に加えて3次元加速度センサ3111をメインボード3110に有する操作パネルとホームポジションのブロック図である。
【0069】
図15(B)は、3次元ジャイロセンサ3112をメインボード3110に有する操作パネルとホームポジションのブロック図である。尚、図15において、前述の図2の構成と共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
【0070】
傾きセンサ3113と3次元加速度センサ3111を用いた方向検知処理を図16のフローチャートに示す。前述の図3のステップと同じ処理は同じステップ番号で示して、その説明を省略する。
【0071】
操作パネル3000が水平状態で、傾きセンサ3113の出力が小さく安定に検知できない場合は傾きの検知が不可能と判断してS31からS32に進み、加速度センサ3111の出力を処理して方向を検出する。この場合の操作方向は、傾きセンサ3113の出力を初期値とし、加速度センサ3111の出力を2回積分して初期値からの3次元各方向での移動距離を算出し(S32)、水平面上の方向を判定する。
【0072】
尚、水平状態で、操作パネル3000が電源投入されたりCPU3101がリセットされた場合で操作パネルの移動も無い場合は、傾きセンサ3113を用いても初期位置が不定のためS33で傾きの検知が不可能と判断される。その場合は一意に横方向に決定してS7に分岐する。
【0073】
一方、S33で、加速度センサ3111の出力から移動量が算出できる場合はS34に進み、判定結果に応じてS7或いはS8に分岐する。
【0074】
図15(B)は、3次元ジャイロセンサ3112をメインボード3110に有する別実施形態を示す図である。
【0075】
3次元ジャイロセンサ3112は上記2つの実施形態の欠点を持たないセンサであり、操作パネル3000が如何なる状態にあっても、その操作方向を図3で先に説明したフローチャートに従って検知可能である。
【0076】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0077】
以上、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。尚、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0078】
例えば、上記実施例では表示制御装置の一例として画像形成装置を例に説明し、画像形成装置本体と操作パネルとが別々の装置として着脱可能であるとして説明した。しかし、表示制御装置と操作パネルとが一体の一つの装置としても実施可能である。即ち、操作パネル自体に、上述の表示制御装置の機能を備えることによっても本発明は実施可能である。
【0079】
以上示したように本実施形態によれば、操作パネルの表示部の表示領域を、共通入力表示領域400と縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、共通入力表示領域には操作者の入力に応じて随時共通の表示データを表示する。また操作パネルの方向検知結果に応じて縦或いは横方向入力表示領域に、予め共通入力表示領域とは独立に用意した略固定の表示データを表示する。
【0080】
これにより、共通入力表示領域の表示画面に関わらず操作者は、共通の操作で指示入力を行うことができる。また操作パネルの表示部に表示するメニュー画面や操作画面用の表示データのデータ量を、表示する操作画面の種類が増大しても少なく抑えることができる。
【0081】
又、今後、表示部の画面のアスペクト比がワイド化し、例えば16対9に変更されたとしても、縦或いは横方向入力表示領域は共通入力表示領域に対して面積比率を高めるだけで対処できる。また縦或いは横方向入力表示領域の面積比率を高めることにより、よりキーが見やすくなって操作性が良くなることも期待できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルの向きを検出する検知手段及び表示部を有する操作パネルの表示を制御する表示制御装置であって、
前記表示部の画面を、前記操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、前記操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、前記検知手段により検知された前記操作パネルの方向に従って前記表示部への表示を制御する表示制御手段と、
前記共通入力表示領域に表示される画像データを記憶する第1記憶手段と、
前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶する第2記憶手段とを有し、
前記表示制御手段は、ユーザにより選択された機能に応じて前記第1記憶手段から、当該機能に対応する画像データを読み出して前記共通入力表示領域に表示し、前記操作パネルの向きに応じて前記第2記憶手段から読み出した画像データを前記縦或いは横方向入力表示領域に表示することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作パネルの向きに応じて、前記第1記憶手段から前記画像データを読み出す読み出し方向を変更することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記共通入力表示領域に表示される画像は、前記機能のメニュー画面或いは操作画面の画像であり、前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像は、ハードキーを有する操作部に対応する操作部の画面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記検知手段は、傾きセンサ、ジャイロセンサ、加速度センサの少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御装置と前記操作パネルとは、一体の装置であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
操作パネルの向きを検出する検知手段及び表示部を有する操作パネルの表示を制御する表示制御装置を制御する制御方法であって、
前記表示部の画面を、前記操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、前記操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、前記検知手段により検知された前記操作パネルの方向に従って前記表示部への表示を制御する表示制御工程を有し、
前記表示制御工程は、ユーザにより選択された機能に応じて、前記共通入力表示領域に表示される画像データを記憶するメモリエリアから、当該機能に対応する画像データを読み出して前記共通入力表示領域に表示し、前記操作パネルの向きに応じて、前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶するメモリエリアから読み出した画像データを前記縦或いは横方向入力表示領域に表示することを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、操作パネルの向きを検出する検知手段及び表示部を有する操作パネルの表示を制御する表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
前記表示部の画面を、前記操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、前記操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、前記検知手段により検知された前記操作パネルの方向に従って前記表示部への表示を制御する表示制御手段と、
前記共通入力表示領域に表示される画像データを記憶する第1記憶手段と、
前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶する第2記憶手段とを有し、
前記表示制御手段は、ユーザにより選択された機能に応じて前記第1記憶手段から、当該機能に対応する画像データを読み出して前記共通入力表示領域に表示し、前記操作パネルの向きに応じて前記第2記憶手段から読み出した画像データを前記縦或いは横方向入力表示領域に表示する表示制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
操作パネルの向きを検出する検知手段及び表示部を有する操作パネルの表示を制御する表示制御装置であって、
前記表示部の画面を、前記操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、前記操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、前記検知手段により検知された前記操作パネルの方向に従って前記表示部への表示を制御する表示制御手段と、
前記共通入力表示領域に表示される画像データを記憶する第1記憶手段と、
前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶する第2記憶手段とを有し、
前記表示制御手段は、ユーザにより選択された機能に応じて前記第1記憶手段から、当該機能に対応する画像データを読み出して前記共通入力表示領域に表示し、前記操作パネルの向きに応じて前記第2記憶手段から読み出した画像データを前記縦或いは横方向入力表示領域に表示することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作パネルの向きに応じて、前記第1記憶手段から前記画像データを読み出す読み出し方向を変更することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記共通入力表示領域に表示される画像は、前記機能のメニュー画面或いは操作画面の画像であり、前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像は、ハードキーを有する操作部に対応する操作部の画面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記検知手段は、傾きセンサ、ジャイロセンサ、加速度センサの少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御装置と前記操作パネルとは、一体の装置であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
操作パネルの向きを検出する検知手段及び表示部を有する操作パネルの表示を制御する表示制御装置を制御する制御方法であって、
前記表示部の画面を、前記操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、前記操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、前記検知手段により検知された前記操作パネルの方向に従って前記表示部への表示を制御する表示制御工程を有し、
前記表示制御工程は、ユーザにより選択された機能に応じて、前記共通入力表示領域に表示される画像データを記憶するメモリエリアから、当該機能に対応する画像データを読み出して前記共通入力表示領域に表示し、前記操作パネルの向きに応じて、前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶するメモリエリアから読み出した画像データを前記縦或いは横方向入力表示領域に表示することを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、操作パネルの向きを検出する検知手段及び表示部を有する操作パネルの表示を制御する表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
前記表示部の画面を、前記操作パネルの向きとは関係ない画像を表示する共通入力表示領域と、前記操作パネルの向きに応じたキー配列の操作部を表示する縦或いは横方向入力表示領域とに分割し、前記検知手段により検知された前記操作パネルの方向に従って前記表示部への表示を制御する表示制御手段と、
前記共通入力表示領域に表示される画像データを記憶する第1記憶手段と、
前記縦或いは横方向入力表示領域に表示される画像データを記憶する第2記憶手段とを有し、
前記表示制御手段は、ユーザにより選択された機能に応じて前記第1記憶手段から、当該機能に対応する画像データを読み出して前記共通入力表示領域に表示し、前記操作パネルの向きに応じて前記第2記憶手段から読み出した画像データを前記縦或いは横方向入力表示領域に表示する表示制御装置として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−118611(P2012−118611A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265429(P2010−265429)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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