説明

表示制御装置及びその制御方法

【課題】操作の対象となっている表示アイテムが複数存在する場合に対象となる表示アイテムを認識できるようにする。
【解決手段】複数の表示アイテムを含む表示画面を表示部に表示する表示制御装置であって、指などにより接触された前記表示画面の指示対象である位置を検出するとともに、前記指示対象の位置にある表示アイテムに対する指示を入力する。このとき、複数の表示アイテムに対して指示が入力された場合に、指などが接触している位置から所定の距離だけ離れた位置に、前記指示が入力された複数の表示アイテムを、指示された順序に、互いが完全に重ならないように並べて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示制御装置、表示制御装置の制御方法、プログラム及び記憶媒体に関し、例えば、表示アイテムを選択するために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが指でタッチパネルのキーに触れた時またはそのキーから指を離した時にキーの明暗が変化したり、色が変わったりして、キーが操作されたことを視覚的に表示する方法が行われている。ところが、キーが小さかったり、キーが密集してキーの周囲から隣のキーの周囲までの間隔が短かったりすると、キーに触れている時にそのキー及びそのキーの近隣のキーが指などにより隠れて見えなくなってしまうことがある。そのため、実際にどのキーに触れているのか分からなくなることがあった。
【0003】
このような問題点に対して、例えば、特許文献1に記載の表示方法では、あるキーに対する入力操作がなされている間に、そのキーの周囲の表示状態を操作がなされる前の状態から変化させる。これによって、キー操作が実行されたことを表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−32194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法では、どの位置にどのキーが存在するかが予め決まっているような場合には、そのキーが何であるかを認識し、そのキーが操作されたことを認識することができる。ところが、タッチパネル等に表示される表示画面では、どの位置にどのキーやアイコン等が表示されるかについては、一覧画面が表示されるまで把握できない場合が多い。特にこの中から複数選択するような場合には、選択されたものが何であるかをすぐに認識することができない。
【0006】
本発明は前述の問題点に鑑み、操作の対象となっている表示アイテムが複数存在する場合に対象となる表示アイテムを認識できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示制御装置は、複数の表示アイテムを含む表示画面を表示部に表示する表示制御手段と、前記表示画面の指示対象である位置を検出するとともに、前記指示対象の位置にある表示アイテムに対する指示を入力する入力手段とを有し、前記表示制御手段は、前記入力手段により複数の表示アイテムに対して指示が入力された場合に、前記入力手段により指示対象として検出された位置から所定の距離だけ離れた位置に、前記指示が入力された複数の表示アイテムを指示された順序に並べて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特に複数の表示アイテムを選択した場合に、個々の表示アイテムが何であるかを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態において、表示アイテムを表示画面に表示出力する情報処理装置の一例としてPCの構成例を示すブロック図である。
【図2】実施形態における表示アイテムリストの一例を示す図である。
【図3】実施形態において表示画面に表示される表示態様の一例を示す図である。
【図4】実施形態における選択リストの一例を示す図である。
【図5】実施形態における全体的な表示動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態におけるタッチイベント処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態において表示アイテムを指定した場合の表示態様の一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態におけるタッチイベント処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態における固定表示処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態におけるタッチイベント処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態において、表示アイテムを表示画面に表示出力する情報処理装置の一例としてパーソナルコンピュータ(以下、PC)100の構成例を示すブロック図である。
図1において、PC100は内部バス111に接続された中央演算装置(以下、CPU)101、ハードディスク(以下、HDD)102、メモリ103、及びディスプレイ104を備えている。さらに、入力部105、記録媒体ドライブ106、及びネットワークインターフェイス(I/F)107を備えている。
【0011】
CPU101はPC100全体の動作を制御する演算処理装置であり、ユーザの操作に応じて入力部105等から入力信号を受け付け、後述する各種プログラムを実行し、ディスプレイ104の表示制御を行う。HDD102には、画像データや、例えば、コンピュータの立ち上げ処理や基本入出力処理、後述する各処理等のプログラムが記録されている。メモリ103は、CPU101のワークエリアとして使用されるメモリである。
【0012】
ディスプレイ104は、本実施形態によるグラフィックユーザインターフェース(GUI)を表示出力するための表示部であり、この表示部に後述する画像や表示アイテムが表示される。入力部105は、ユーザから指示を受け付けるための入力部であり、キーボードやポインティングデバイスとしてのマウス、タッチパネル等の入力デバイスである。ユーザが入力部105を操作することにより、コンテンツを管理するプログラムを実行できるような構成となっている。
【0013】
記録媒体ドライブ106は、CD−ROMやDVD−ROM、フラッシュメモリ等からなる外部記録媒体108に格納されているデータを読み出したり、外部記録媒体108にデータを書き込んだりする装置である。I/F107は通信回線109を介してネットワーク110と接続するためのインターフェースである。CPU101がI/F107を介してネットワーク110上にあるプログラムを実行することも可能である。
【0014】
図2は、メモリ103に格納される表示アイテムリスト200の一例を示す図である。表示アイテムリスト200は、HDD102や外部記録媒体108から読み出した表示アイテムを列挙したリストであり、表示アイテム毎に表示アイテム名201と表示アイテム特定情報202とから構成され、初期化する時に作成される。なお、本実施形態では、表示アイテム特定情報202は表示アイテムのxy座標、幅、高さなどの位置情報及びページ番号の情報が含まれているが、その他の特定情報であってもよい。
【0015】
図3(a)は、CPU101によって、ディスプレイ104に表示される表示画面300の一例を示す図である。表示画面300には、複数の表示アイテム301、複数の処理指定アイコン302、複数の処理名303、表示画面戻しキー304、表示画面送りキー305、表示画面位置306及びページ数307が含まれている。
【0016】
例えば、図2に示す表示アイテムリスト200の表示アイテム特定情報202に応じて、表示アイテム301が表示画面300に表示される。このとき、ユーザによる表示アイテムの位置を指定する操作(以下、位置指定操作)により、入力部105を介して表示画面戻しキー304や表示画面送りキー305が指示対象とされると、表示アイテム301が切り替わる。本実施形態では、ユーザの位置指定操作は指による操作であるが、その他タッチペン等による操作でもよい。
【0017】
表示アイテム301は、前述した表示アイテムリストに応じて表示画面300内に配置され、ユーザの操作によって状態が変化する。具体的には、図3(b)〜図3(d)に示すように、未選択状態の表示アイテム308、選択中の表示アイテム309、選択済みの表示アイテム310という状態に変化する。
【0018】
ユーザの位置指定操作によって未選択状態の表示アイテム308が選択されると、選択中の表示アイテム309に変化する。また、ユーザの位置指定操作によって選択中の表示アイテム309が所定の時間以上選択され続けると、ユーザの位置指定操作を行った場所から所定の距離の離れた場所に選択済み表示アイテム310が表示される。また、表示アイテム301が複数選択されると、選択した順に、選択済み表示アイテム311〜313が図3(e)に示すような表示態様により並べて表示される。なお、表示アイテムが複数選択された場合の表示態様の詳細については後述する。
【0019】
処理指定アイコン302は、表示アイテム301に対して行うことが可能な処理を示しており、図3(a)に示す例では、メール送信処理及び印刷処理が可能であることを示している。処理名303は、前述した処理指定アイコン302の内容を示しており、図3(a)に示す例では、メール送信機能を示す「メール」、印刷機能を示す「印刷」が表示されている。表示アイテム301を選択した状態で処理指定アイコン302上に表示アイテム301を移動させて所定時間静止することにより、選択した表示アイテム301に対して処理指定アイコン302が示す処理を実行させることができる。
【0020】
表示画面戻しキー304は、ユーザの位置指定操作を受けることにより、例えば、表示アイテムリスト内の表示アイテム特定情報に応じて、表示アイテム301を降順に表示させるためのキーである。また、表示画面送りキー305は、同様に、表示アイテム301を昇順に表示させるためのキーである。表示画面位置306は、ユーザの位置指定操作により表示画面戻しキー304や表示画面送りキー305が操作された時に、表示アイテムリスト全体の中のどの表示画面を表示しているかをグラフィック表示するものである。また、ページ数307は、表示アイテムリスト全体の中のどの表示画面を表示しているかを、数値を用いて示すものである。
【0021】
図4は、CPU101の記憶制御によりメモリ103に格納される選択リスト400の一例を示す図である。選択リスト400は、表示アイテム毎に選択済み表示アイテム名401と表示アイテム特定情報402とから構成されている。なお、本実施形態では、前述した表示アイテムリスト200と同様に、表示アイテム特定情報402は表示アイテムのxy座標、幅、高さなどの位置情報及びページ番号の情報が含まれているが、その他の特定情報であってもよい。また、選択リスト400へ表示アイテムを追加したり削除したりする方法については後述する。
【0022】
以下、図3に示したGUIを実現するためのPC100の処理について説明する。なお、後述する図5及び図6に示すフローチャートの処理は、CPU101がHDD102に格納されたプログラムをメモリ103に読み出し、演算処理や制御を行うことにより実現される。
【0023】
(全体処理)
図5は、本実施形態のPC100による全体的な表示動作手順の一例を示すフローチャートである。
まず、不図示の電源スイッチが操作され、電源がオンに切り替わると処理を開始し、ステップS501において、フラグや制御変数等を初期化する。さらに、HDD102や外部記録媒体108に格納されている画像データに基づいて表示アイテムリストを作成し、メモリ103に記憶する。作成する表示アイテムリストは、例えば図2に示したような表示アイテムリスト200である。
【0024】
次に、ステップS502において、表示画面をディスプレイ104に表示する。ここで、表示される表示画面は、例えば図3(a)に示したような表示画面300とする。そして、ステップS503において、入力部105を介してユーザの位置指定操作を検出するまで待機する。そして、ユーザの位置指定操作を検出すると、ステップS504において、後述するタッチイベント処理を行い、ステップS503に戻る。なお、ステップS503でユーザの位置指定操作を検出する方法としては、CPU101が入力部105を定期的に調べる方法でもよく、CPU101が入力部105側からユーザの位置指定操作の割り込みを受ける方法でもよい。
【0025】
(タッチイベント処理)
図6は、本実施形態において、図5のステップS504におけるタッチイベント処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
まず、図5のステップS503でユーザの位置指定操作を検出すると、ステップS601において、ユーザの位置指定操作の対象となっているタッチ位置を検出し、その情報をメモリ103に記憶する。なお、ステップS601でタッチ位置を検出する方法としては、CPU101が入力部105に対して定期的にタッチ位置を検出する方法でもよく、CPU101が入力部105側からユーザの位置指定操作の割り込みによって位置情報を受け取る方法でもよい。
【0026】
次に、ステップS602において、ユーザの位置指定操作が継続しているか否かを判定する。なお、ユーザの位置指定操作が終了したと判定する場合とは、ステップS601でタッチ位置を検出できなかった場合、またはCPU101が入力部105側からユーザの位置指定操作が終了したことを受ける場合である。
【0027】
ステップS602の判定の結果、ユーザの位置指定操作が終了した場合は、ステップS603において、選択リストに含まれている表示アイテムの選択済み表示アイテム名と表示アイテム特定情報とを削除し、タッチイベント処理を終了する。ここで、選択リストとは、例えば、図4に示した選択リスト400である。
【0028】
一方、ステップS602の判定の結果、ユーザの位置指定操作が継続している場合は、ステップS604において、ユーザの位置指定操作が静止しているどうかを判定する。なお、この判定では、ステップS601で前回検出した位置と今回検出した位置とを比較してもよく、入力部105側からユーザの位置指定操作の割り込みによってタッチ位置が変わったことを受け取ったか否かによって判定してもよい。
【0029】
この判定の結果、ユーザの位置指定操作が静止している場合、ステップS605において、表示アイテム上で所定の時間以上静止しているか否かを判定する。この判定は、ステップS601で検出したタッチ位置と表示アイテムリストの表示アイテム特定情報に含まれる位置情報とを比較することにより行われる。この判定の結果、タッチ位置が表示アイテム上である場合は、ステップS606において、選択リストの表示アイテム特定情報を参照し、選択リストに含まれている表示アイテム上で静止しているか否かを判定する。
【0030】
この判定の結果、選択リストに含まれている表示アイテム上で静止している場合は、ステップS607において、該当する表示アイテムに関して、選択リストから選択済み表示アイテム名と表示アイテム特定情報とを削除する。
【0031】
次に、ステップS608において、選択リストにユーザ選択済み表示アイテムに関する情報が残っているか否かを判定する。この判定の結果、選択リストにユーザ選択済み表示アイテムに関する情報がある場合は、ステップS610において、ユーザの位置指定操作を行った位置から所定の距離の離れた場所に、選択リストに含まれるユーザ選択済み表示アイテムを全て表示する。そして、ステップS601に戻る。一方、ステップS608の判定の結果、選択リストにユーザ選択済み表示アイテムに関する情報がない場合は、そのままステップS601に戻る。
【0032】
一方、ステップS606の判定の結果、タッチ位置が選択リストに含まれていない表示アイテム上で静止している場合は、ステップS609において、選択中の表示アイテムに関する選択済み表示アイテム名と表示アイテム特定情報とを選択リストに追加する。そして、前述したステップS610に進む。
【0033】
一方、ステップS605の判定の結果、タッチ位置が表示アイテム上でない場合は、ステップS611において、処理指定アイコン上で所定の時間以上静止しているか否かを判定する。ここで、処理指定アイコンは、例えば図3(a)に示すような処理指定アイコン302である。この判定の結果、処理指定アイコン上で静止している場合は、ステップS612において、選択リストに含まれているユーザ選択済み表示アイテムに対して、選択されている処理指定アイコンが示す処理を実行させる。例えば、図3に示す例において、ユーザ選択済み表示アイテム310が画像であり、処理指定アイコン302が印刷処理を示すアイコンである場合は、選択した全ての画像を印刷するように指示する。すなわち、CPU101から印刷指示がI/F107を介してネットワーク110に接続された印刷装置に画像データとともに出力される。そして、ステップS613において、選択リストに含まれている全てのユーザ選択済み表示アイテムに関する選択済み表示アイテム名と選択済み表示アイテム特定情報とを削除し、ステップS601に戻る。
【0034】
一方、ステップS611の判定の結果、処理指定アイコン上に静止していない場合は、ステップS614において、表示画面戻しキーまたは表示画面送りキー上で静止しているか否かを判定する。この判定の結果、表示画面戻しキーまたは表示画面送りキー上で静止している場合、ステップS615において、表示画面の表示制御を行う。すなわち、前述したように、表示アイテムリスト内の表示アイテム特定情報を参照して、表示画面戻しキーまたは表示画面送りキーに応じて、表示画面の表示制御を行う。また、選択リストに含まれている全てのユーザ選択済み表示アイテムをユーザの位置指定操作を行った場所から所定の距離の離れた場所に表示する。そして、ステップS601に戻る。
【0035】
一方、ステップS614の判定の結果、表示画面戻しキー上にも表示画面送りキー上にも静止していない場合は、ステップS601に戻る。一方、ステップS604の判定の結果、ユーザの位置指定操作が静止していない場合は、ステップS616において、選択リストに含まれている全てのユーザ選択済み表示アイテムをユーザの位置指定操作が行われた場所から所定の距離の離れた場所に表示する。そして、ステップS601に戻る。なお、ユーザの位置指定操作が静止していない場合において、ユーザの位置指定操作の進行方向とは反対側にユーザ選択済み表示アイテムを表示して、表示アイテムが隠れないようにしてもよい。
【0036】
図7は、表示アイテムを指定した場合の表示態様の一例を示す図である。
ユーザが表示画面に表示されている未選択表示アイテムをタッチすると、図7(a)に示すように表示アイテムが移動する。すなわち、ステップS606からステップS609に移行して選択リストに追加され、ステップS610に移行して選択された表示アイテムがずれるように再描画される。また、1つの表示アイテムを選択した後、指を離さずに別の表示アイテム上に指を移動させて選択すると、図7(a)に示す表示画面から図7(b)に示す表示画面に遷移する。このとき、選択中の複数の表示アイテムは、選択された順序でタッチ位置に近い位置へ、互いが完全に重ならないように並べて表示される。なお、選択中の表示アイテムの大きさを選択前の表示アイテムよりも拡大して表示するようにしてもよい。
【0037】
また、図7(c)に示すように、表示アイテムを複数選択して印刷アイコン701の上に連続的に指を移動して所定時間静止させると、選択している表示アイテムに対して印刷処理を指示する。印刷アイコン701まで指が移動している間は、ステップS616において、選択された表示アイテムが図7(c)に示すように指から所定の距離だけずれるように再描画される。そして、指が印刷アイコン701上で接触しながら所定の時間静止すると、ステップS616からステップS612に移行し、印刷処理を指示する。
【0038】
また、図7(d)に示すように、一度選択した表示アイテム上で指を所定の時間静止させて再度指示すると、該当する表示アイテムの選択を解除する。すなわち、ステップS606からステップS607に移行し、選択リストからその表示アイテムが削除(除外)される。そして、選択リストの中に表示アイテムが残っている場合は、ステップS610において再描画される。
【0039】
また、図7(e)に示すように、複数の表示アイテムを選択した状態でタッチを解除すると、選択している全表示アイテムの選択を解除する。すなわち、タッチを解除すると、ユーザの位置指定操作が終了したと判定し、ステップS602からステップS603に移行して選択リストから全ての表示アイテムが削除される。
【0040】
以上のように本実施形態によれば、ユーザの位置指定操作によって表示アイテムを選択し、タッチ位置から所定の距離に、選択した表示アイテムを表示するようにした。これにより、選択した表示アイテムが指などによって隠れないように表示画面に表示することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
以下、図8及び図9を参照しながら本実施形態の処理について説明する。本実施形態では、固定表示処理を含む例について説明する。ここで、固定表示処理とは、例えばタッチパネルから指を離した場合であっても、選択が解除されないように固定するモードであり、表示アイテムの選択のみを行うモードである。なお、本実施形態に係るPCの構成については図1と同様であり、全体的な表示動作手順も図5と同様であるため、説明は省略する。
【0042】
図8は、本実施形態において、図5のステップS504におけるタッチイベント処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
図8において、ステップS801〜S816までの処理はそれぞれ、図6のS601〜S616までの処理と同様であるため、説明は省略する。
【0043】
ステップS814の判定の結果、表示画面戻しキー上にも表示画面送りキー上にも静止していない場合は、ステップS817において、ユーザの位置指定操作によって不図示の固定表示アイコン上で所定の時間静止しているか否かを判定する。この判定の結果、固定表示アイコン上で所定の時間静止していない場合は、ステップS801に戻る。一方、固定表示アイコン上で所定の時間静止している場合は、ステップS818において、固定表示処理を行う。
【0044】
(固定表示処理)
図9は、図8のステップS818における固定表示処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS901において、タッチ位置を検出するまで待機する。そして、タッチ位置を検出すると、次に、ステップS902において、固定表示アイコン上で所定の時間静止しているか否かを判定する。ここで、所定の時間静止している場合とは、図8のステップS817で判定した時間よりも長い時間検出した場合である。この判定の結果、固定表示アイコン上で所定の時間静止している場合は、固定表示処理を終了する。
【0045】
一方、ステップS902の判定の結果、固定表示アイコン上で所定の時間静止していない場合は、ステップS903において、表示アイテム上で所定の時間静止しているか否かを判定する。この判定の結果、表示アイテム上で所定の時間静止していない場合は、ステップS901に戻る。一方、ステップS903の判定の結果、表示アイテム上で所定の時間静止している場合は、次のステップS904に進む。なお、ステップS904〜S908はそれぞれ、図8のステップS806〜S810と同様である。
【0046】
なお、固定表示処理中においては、選択済み表示アイコンを選択しやすくするために、選択済み表示アイコンの重なり方を選択済みの枚数に応じて変更してもよい。
【0047】
以上のように本実施形態によれば、固定表示アイコン上で所定の時間静止することにより固定表示状態を解除しない限り、固定表示処理が継続する。したがって、固定表示処理中は、図8のステップS802のように位置指定操作が継続しているか否かを判定しないため、位置指定操作が終了しても選択済み表示アイコンが選択リストから削除されない。このため、位置指定操作を一時中断して操作の負担を軽減することができる。
【0048】
(第3の実施形態)
以下、図10を参照しながら本実施形態について説明する。本実施形態では、タッチ位置の動きを検出するのではなく、瞬間的なタッチ位置によって判定する例について説明する。なお、本実施形態に係るPCの構成については図1と同様であり、全体的な表示動作手順も図5と同様であるため、説明は省略する。
【0049】
図10は、本実施形態において、図5のステップS504におけるタッチイベント処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
図10において、ステップS1001は、図6のステップS601と同様である。次に、ステップS1002において、タッチ位置が表示アイテム上であるか否かを判定する。本実施形態では、静止状態でない場合であっても瞬間的にタッチ位置を検出した場合は、静止状態と同様の処理を行う。この判定の結果、タッチ位置が表示アイテム上である場合はステップS1003に進み、タッチ位置が表示アイテム上でない場合は、ステップS1008に進む。
【0050】
ステップS1003においては、タッチ位置が選択済み表示アイテム上であるか否かを判定する。この判定の結果、タッチ位置が選択済み表示アイテム上である場合はステップS1004に進み、タッチ位置が選択済み表示アイテム上でない場合はステップS1006に進む。なお、ステップS1004〜S1007はそれぞれ、図6のステップS607〜S610と同様である。また、ステップS1005において選択リストに表示アイテムがない場合、及びステップS1007の処理が終了した後は、そのままタッチイベント処理を終了する。
【0051】
ステップS1008においては、タッチ位置が処理指定アイコン上であるか否かを判定する。この判定の結果、タッチ位置が処理指定アイコン上である場合はステップS1009に進み、タッチ位置が処理指定アイコン上でない場合はステップS1011に進む。なお、ステップS1009及びS1010はそれぞれ、図6のステップS612及びS613と同様である。また、ステップS1010の処理が終了すると、そのままタッチイベント処理を終了する。
【0052】
ステップS1011においては、タッチ位置が表示戻しキー上または表示送りキー上であるか否かを判定する。この判定の結果、タッチ位置が表示戻しキー上または表示送りキー上である場合は、ステップS1012に進み、図6のステップS615と同様の処理を行い、そのままタッチイベント処理を終了する。一方、ステップS1011の判定の結果、タッチ位置が表示戻しキー上でも表示送りキー上でもない場合は、そのままタッチイベント処理を終了する。
【0053】
以上のように本実施形態によれば、タッチ位置が静止していなくとも、瞬間的にタッチ位置を取得することにより、表示アイテムを選択し、タッチ位置から所定の位置に表示する。これにより、選択した表示アイテムを隠さないように表示することができる。
【0054】
(その他の実施形態)
前述した各実施形態では、タッチパネルを備えたPC100を例に説明したが、本発明はPCに限定されず、タッチパネルを備え、タッチ操作によって処理を指示する機器であれば他の機器でも適用することができる。さらに、タッチパネルに対するタッチ操作だけでなく、ポインティングデバイスの操作によって表示画面のアイテムに対して指示することが可能な機器であれば適用することができる。例えば、PCで実行されるアプリケーションソフトにおいて、マウスを用いて前述のタッチ操作と同様に対応付けることにより適用可能である。
【0055】
例えば、マウスの左ボタンを押下した場合には、タッチ操作におけるタッチダウン(タッチ開始)と同様の処理を行う。そして、マウスの左ボタンを押下した状態を維持している場合には、タッチ操作におけるタッチオン(タッチしたままの状態)と同様の処理を行う。また、マウスの左ボタンを押下した状態からリリースした場合は、タッチ操作におけるタッチアップ(タッチを離す操作)と同様の処理を行う。そして、マウスの左ボタンを押下していない状態を維持している場合には、タッチ操作におけるタッチオフ(タッチを離した状態)と同様の処理を行う。さらに、マウスのドラッグ操作(左ボタンを押下してマウスを動かす操作)を行った場合には、タッチ操作におけるムーブ(タッチしたままタッチ位置を移動する操作)と同様の処理を行う。
【0056】
なお、CPU101の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することにより、装置全体の制御を行ってもよい。また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0057】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0058】
101 CPU
104 ディスプレイ
105 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示アイテムを含む表示画面を表示部に表示する表示制御手段と、
前記表示画面の指示対象である位置を検出するとともに、前記指示対象の位置にある表示アイテムに対する指示を入力する入力手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記入力手段により複数の表示アイテムに対して指示が入力された場合に、前記入力手段により指示対象として検出された位置から所定の距離だけ離れた位置に、前記指示が入力された複数の表示アイテムを指示された順序に並べて表示することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記入力手段により前記指示対象となっている位置が連続的に変化していると検出された場合には、前記連続的に変化する位置と所定の距離を保ちながら前記指示が入力された複数の表示アイテムを表示することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記入力手段による指示が継続しているか否かを判定する判定手段をさらに有し、
前記表示制御手段は、前記判定手段により指示が継続していないと判定された表示アイテムを、前記並べて表示する表示アイテムから除外することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記入力手段により指示が入力された表示アイテムの情報を記憶手段に記憶する記憶制御手段をさらに有し、
前記記憶制御手段は、前記判定手段により指示が継続していないと判定された表示アイテムの情報を前記記憶手段から削除することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記入力手段により既に指示が入力された表示アイテムに対して再度指示が入力された場合に、指示が継続していないと判定することを特徴とする請求項3又は4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記入力手段により指示対象となっている位置が検出されなくなった場合に、前記指示が入力されたすべての表示アイテムに対して指示が継続していないと判定することを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記入力手段によって指示対象の位置を固定するモードに切り換える切り換え手段をさらに有し、
前記判定手段は、前記切り換え手段によって前記モードに切り換えられている場合であって、前記入力手段により指示対象となっている位置が検出されなくなった場合に、指示が継続していると判定することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記入力手段は、表示アイテムが表示されている位置で所定の時間検出することにより指示を入力することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記入力手段は、前記表示部において接触された位置を指示対象の位置として検出することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記指示が入力された複数の表示アイテムを拡大して指示された順序に並べて表示することを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項11】
複数の表示アイテムを含む表示画面を表示部に表示する表示制御工程と、
前記表示画面の指示対象である位置を検出するとともに、前記指示対象の位置にある表示アイテムに対する指示を入力する入力工程とを有し、
前記表示制御工程においては、前記入力工程において複数の表示アイテムに対して指示が入力された場合に、前記入力工程において指示対象として検出された位置から所定の距離だけ離れた位置に、前記指示が入力された複数の表示アイテムを指示された順序に並べて表示することを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項12】
複数の表示アイテムを含む表示画面を表示部に表示する表示制御工程と、
前記表示画面の指示対象である位置を検出するとともに、前記指示対象の位置にある表示アイテムに対する指示を入力する入力工程とコンピュータに実行させ、
前記表示制御工程においては、前記入力工程において複数の表示アイテムに対して指示が入力された場合に、前記入力工程において指示対象として検出された位置から所定の距離だけ離れた位置に、前記指示が入力された複数の表示アイテムを指示された順序に並べて表示することを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−159981(P2012−159981A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18765(P2011−18765)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】