説明

表示器用照明回路

【課題】消費電力を低減しつつ、サージへの耐性が確保された表示器用照明回路の提供。
【解決手段】外部から電力の供給を受けることにより、コンビネーションメータの表示部を照明する表示器用の照明回路100であって、MPU30及び駆動回路40によってLED50発光輝度が調整可能な発光手段と、NOT回路60及びトランジスタ70によって抵抗器80の消費電力を、LED50の輝度が低くなるに従って、増加させる電力消費手段と、を備える。以上の構成では、抵抗器80における消費電力は、LED50の輝度、ひいてはLED50の消費電力に対応して、的確に増減し得る。したがって、照明回路100は、消費電力の低減と、サージへの耐性の確保とを、さらに確実に両立できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から電力の供給を受けることにより、表示器を照明する表示器用照明回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示器を照明する構成において、発光する輝度を調整可能な発光手段を備えるものが知られている。その一種として、例えば特許文献1には、車両用ディスプレイのバックライトに用いられる発光素子の輝度調整装置が開示されている。特許文献1に開示の輝度調整装置は、発光素子によって消費される電力をパルス幅変調制御によって調節することにより、当該発光素子の輝度を調整することができる。
【0003】
また、外部から電力の供給を受けることにより作動する回路において、当該外部から入力されるサージへの耐性を向上させる種々の技術が知られている。例えば、特許文献2に開示のCMOS回路の保護装置では、外部のバッテリ電源ラインと、モータやランプなどの負荷の作動を制御するためのCMOS回路との間に、CMOS回路に電力を供給する電源回路が設けられている。特許文献2に開示の保護装置において、電源回路は、バッテリ電源ラインから入力されるサージを吸収するよう構成されている。これにより、CMOS回路は、サージへの耐性を確保されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−149752号公報
【特許文献2】実公平7−24861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、特許文献1に開示されているような表示器を照明する表示器用照明回路においても、特許文献2に開示されているように、外部から入力されるサージへの耐性は、当然に確保されなければならない。ここで、近年の開発により、表示器用照明回路の消費電力の低減が推し進められてきた。このような消費電力の低減の結果として、以下に説明する理由により、表示器用照明回路のサージへの耐性が低下するという問題が生じてしまった。
【0006】
詳しく説明すると、表示器照明回路によって消費される電力が少ないことにより、当該照明回路に入力されてしまったサージのエネルギは、消費され難くなる。すると、表示器用照明回路の各部において、サージに起因した高い電圧が生じ易くなってしまう。故に、表示器用照明回路のサージへの耐性が低下してしまうのである。
【0007】
そこで、本願発明者らは、表示器用照明回路のサージへの耐性を確保するために、電力を消費する抵抗器等を表示器用照明回路に追加した構成を想到した。ここで、特許文献1に開示の輝度調整装置では、輝度を調整可能な発光素子によって消費される電力は、発光素子の輝度が低くなるほど、少なくなる。故に、想到した構成を特許文献1の輝度調整装置に適用すると、抵抗器の消費電力は、発光素子の輝度を低く調整した場合において、表示器用照明回路のサージへの耐性を確保きるように、設定される必要がある。
【0008】
以上の構成では、発光素子の輝度が低く調整されている場合、外部から表示器用照明回路に入力されるサージのエネルギは、発光素子では消費され難いものの、抵抗器によって多く消費される。故に、サージの入力に起因して表示器用照明回路の各部に生じる電圧は、高くなり難くなる。以上により、表示器用照明回路のサージへの耐性は、確保され得る。
【0009】
一方で、発光素子の輝度が高く調整されている場合、照明回路に入力されるサージのエネルギは、発光素子において多く消費され得る。故に、抵抗器によって消費されるサージのエネルギが少なくても、サージの入力に起因して表示器用照明回路の各部に生じる電圧は、高くなり難い。しかし、抵抗器の消費電力は、多いままである。故に、抵抗器による余分な電力の消費によって、表示器用照明回路の消費電力は、増加してしまうこととなる。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、消費電力を低減しつつ、サージへの耐性が確保された表示器用照明回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、外部から電力の供給を受けることにより、情報を表示する表示器を照明する表示器用照明回路であって、発光により表示器を照明し、発光の輝度が調整可能な発光手段と、発光手段の輝度が低くなるに従って、消費する電力が増加する電力消費手段と、を備える表示器用照明回路とする。
【0012】
この発明によれば、発光手段の輝度が低く調整されている場合、発光手段により消費される電力は少なくなる。一方で、発光手段の輝度が低くなるに従い電力消費手段によって消費される電力は、多くなる。これらにより、外部から表示器用照明回路に入力されるサージのエネルギは、発光手段では消費され難いものの、電力消費手段によって多く消費される。故に、サージの入力に起因して表示器用照明回路の各部に生じる電圧は、高くなり難くなる。以上により、表示器用照明回路のサージへの耐性は、確保され得る。
【0013】
また、発光手段の輝度が高く調整されている場合、発光手段により消費される電力が多くなる。一方で、電力消費手段の消費電力は少なくなる。これらにより、表示器用照明回路に入力されるサージのエネルギは、発光手段によって多く消費される。故に、電力消費手段によって消費されるサージのエネルギが少なくても、サージの入力に起因して表示器用照明回路の各部に生じる電圧は、高くなり難い。以上により、表示器用照明回路のサージへの耐性は、確保され得る。加えて、電力消費手段によって消費される電力が低減されることにより、表示器用照明回路の消費電力は、低く抑えられる。
【0014】
したがって、表示器用照明回路は、消費電力を低減しつつ、サージへの耐性を確保することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明では、電力消費手段は、電流の導通により電力を消費する負荷部と、発光手段の輝度が低くなるに従って、負荷部への電流の導通時間が長くなるよう制御する導通制御部と、を有することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、負荷部において消費される電力は、当該負荷部への電流の導通時間を長くするほど、多くなる。故に、発光手段の輝度が低くなるに従い、負荷部への電流の導通時間を長くする制御を導通制御部によって行うことにより、電力消費手段における消費電力は、発光手段の輝度、ひいては発光手段の消費電力に対応して、的確に増減し得る。
【0017】
以上により、発光手段の輝度が低く調整されている場合には、表示器用照明回路のサージへの耐性は、確実に確保され得る。また、発光手段の輝度が高く調整されている場合には、表示器用照明回路の消費電力は、確実に低減される。したがって、表示器用照明回路は、消費電力の低減と、サージへの耐性の確保とを、確実に両立できる。
【0018】
請求項3に記載の発明では、発光手段は、電流の導通により発光する発光素子部と、発光素子部への電流の導通時間を制御することにより、当該発光素子部の発光の輝度を調整する発光制御部と、を有し、導通制御部は、発光制御部が発光素子部に電流を導通させているとき、負荷部への電流の導通を停止することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、発光素子部の発光の輝度は、当該発光素子部に電流を導通させる時間を長くするほど、高くなる。このように発光素子部の輝度が高く調整された場合、当該発光素子部によって消費される電力は、多くなる。一方、発光制御部が発光素子部に電流を導通させているとき、負荷部への電流の導通は、導通制御部によって停止される。故に、電力消費手段によって消費される電力は、少なくなる。以上により、発光手段の輝度が高く調整されている場合の表示器用照明回路の消費電力は、確実に低減される。
【0020】
また、発光手段の輝度が低く調整された場合、発光素子部への電流の導通時間は、発光制御部によって短くされる。この場合、負荷部への電流の導通時間が長くなることにより、電力消費手段によって消費される電力は、多くなる。以上により、発光手段の輝度が低く調整されている場合の表示器用照明回路のサージへの耐性は、確実に確保され得る。
【0021】
したがって、表示器用照明回路は、消費電力の低減と、サージへの耐性の確保とを、さらに確実に両立できる。
【0022】
請求項4に記載の発明では、発光制御部は、方形波状のパルス信号を生成し、発光素子部の輝度を調整するためにパルス信号のデューティ比を変更する信号生成回路部と、パルス信号がオンであるときに、発光素子部に電流を導通させる駆動回路部と、を含み、導通制御部は、信号生成回路部によるパルス信号のオンオフを反転させた反転信号を生成し、反転信号がオンであるときに、負荷部に電流を導通させることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、信号生成回路部によって生成されるパルス信号がオンであるときに、駆動回路部は、発光素子部に電流を導通させる。故に、パルス信号のデューティ比を変更することにより、発光制御部は、電流を導通させる時間を変化させることで発光素子部の輝度を調整できる。以上のようなパルス幅変調制御によって発光素子部の輝度を調整する発光制御部が、一般に広く用いられている。
【0024】
このように、パルス幅変調制御によって発光素子部の輝度を調整する構成では、導通制御部は、複雑な構成を用いることなく、パルス信号のオンオフを反転させた反転信号を生成し得る。そして、反転信号のオンによって負荷部に電流を導通させる導通制御部は、発光素子部に電流が導通しているとき、負荷部の電流の導通を確実に停止できる。故に、発光素子部の輝度が高く調整された場合には、電力消費手段によって消費される電力は、確実に少なくなり得る。したがって、表示器用照明回路は、構成の複雑化を抑えつつ、サージへの耐性と消費電力の低減とを両立することができる。
【0025】
請求項5に記載の発明では、電力消費手段は、電気抵抗値を調整可能な可変抵抗部と、可変抵抗部の電気抵抗値を、発光手段の輝度が低くなるに従って高く調整する抵抗値調整部と、を有することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、可変抵抗部において消費される電力は、当該可変抵抗部の電気抵抗値が高くなるほど、多くなる。故に、発光手段の輝度が低くなるに従い、可変抵抗部の電気抵抗値を高くする制御を抵抗値調整部によって行うことにより、電力消費手段における消費電力は、発光手段の輝度、ひいては発光手段の消費電力に対応して、的確に増減し得る。
【0027】
以上により、発光手段の輝度が低く調整されている場合には、表示器用照明回路のサージへの耐性は、確実に確保され得る。また、発光手段の輝度が高く調整されている場合には、表示器用照明回路の消費電力は、確実に低減される。したがって、表示器用照明回路は、消費電力の低減と、サージへの耐性の確保とを、確実に両立できる。
【0028】
請求項6に記載の発明では、表示器用照明回路は、外部から供給される電力の電圧を変圧し、発光手段に供給するスイッチング方式の電圧変換手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
上述したように、近年、表示器用照明回路によって消費される電力の低減が推し進められてきた。その一環として、従来のシリーズレギュレータ及び三端子レギュレータ等を用いた電圧変換手段と比較して、電力の変換効率に優れるスイッチング方式の電圧変換手段が、表示器用照明回路に用いられるようになってきている。
【0030】
ここで、従来の電圧変換手段において、外部からのサージの入力に起因して高い電圧が印加された場合、従来の電圧変換手段は、サージの入力によって上昇した電圧のエネルギを熱に変換して放出することができた。故に、従来の電圧変換手段は、一時的に消費電力を高めることにより、表示器用照明回路のサージへの耐性向上に寄与していた。
【0031】
対して、スイッチング方式の電圧変換手段は、外部からのサージの入力に起因して高い電圧が印加された場合、当該電圧変換手に入力される電流を小さくする。このように、スイッチング方式の電圧変換手段は、消費する電力を維持する。故に、スイッチング方式の電力変換手段を備える表示器用照明回路は、サージへの耐性を確保し難くなる。
【0032】
しかし、請求項6に記載の発明によれば、電力消費手段によって適切な電力消費がなされることにより、表示器用照明回路は、電力の消費を抑えつつ、サージへの耐性を確保し得る。加えて、電力の変換効率に優れるスイッチング方式の電圧変換手段を備えることで、表示器用照明回路は、消費電力をさらに低減できる。したがって、電力消費手段は、スイッチング方式の電圧変換手段と共に表示器用照明回路に設けられることにより、消費電力の低減とサージへの耐性の確保とを両立させる効果を、顕著に発揮することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第一実施形態による照明回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第一実施形態による照明回路において、LEDの輝度が低く設定された場合に、MPUにて生成されるPWM制御信号と、NOT回路にて反転される反転信号との対応を説明するための図である。
【図3】本発明の第一実施形態による照明回路において、LEDの輝度が高く設定された場合に、MPUにて生成されるPWM制御信号と、NOT回路にて反転される反転信号との対応を説明するための図である。
【図4】本発明の第二実施形態による照明回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第三実施形態による照明回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0035】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による照明回路100の回路図である。照明装置100は、例えば車両等に搭載されたコンビネーションメータ等の表示器を照明するための回路である。照明回路100は、車両に搭載されているバッテリ及びオルタネータ等の外部の電源から電力の供給を受ける。これにより照明回路100は、コンビネーションメータに形成されている例えば指針、目盛、文字、及び数字等、或いは液晶パネル等の情報を表示する表示部を照明する。以上により、照明回路100は、外来光の少ない環境下においても、表示部を視認可能にする。
【0036】
照明回路100は、電源ライン10、電源回路20、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)50、マイクロプロセッサ(MPU:Micro-Processing Unit)30、駆動回路40、抵抗器80、NOT回路60、及びトランジスタ70を備えている。
【0037】
電源ライン10は、車両に搭載されているバッテリ及びオルタネータ等の外部の電源に接続されており、照明に必要な電力の供給を受ける。電源ライン10には、例えば約12ボルト(V)の電圧を有する電力が供給される。電源ライン10は、制御系の電源ライン11と、駆動系の電源ライン13とに分岐されている。制御系の電源ライン11は、電源回路20に接続されている。制御系の電源ライン11には、バッテリから電源回路20に向かって流れる電流を整流するためのダイオード11aが設けられている。制御系の電源ライン11は、電源回路20に電力を供給する。駆動系の電源ライン13は、LED50及び抵抗器80に接続されている。駆動系の電源ライン13には、バッテリからLED50及び抵抗器80に向かって流れる電流を整流するためのダイオード13aが設けられている。駆動系の電源ライン13は、LED50及び抵抗器80に電力を供給する。
【0038】
電源回路20は、スイッチング素子及び平滑回路部等によって構成されるスイッチング方式の電源回路である。スイッチング方式の電源回路20は、従来のシリーズレギュレータ及び三端子レギュレータ等を用いた電源回路と比較して電力の変換効率に優れており、照明回路の消費電力を低減するために、近年、照明回路に多く用いられるようになってきている。電源回路20は、電源ライン10から入力される電力の電圧を変圧する。電源回路20は、入力された電力の電圧を降圧し、約5Vの電圧を有する電力を生成する。電源回路20は、MPU電源ライン21によってMPU30に接続されており、生成した電力をMPU30に供給する。
【0039】
LED50は、電流の導通により発光する発光素子である。LED50は、発光によりコンビネーションメータの表示部を照明する。LED50は、駆動系の電源ライン13と駆動回路40とを接続するLED導通ライン51に、設けられている。LED50は、駆動系の電源ライン13から駆動回路40に向かう電流の導通によって発光する。尚、複数のLED50が、LED導通ライン51に直列又は並列で設けられていてもよい。
【0040】
MPU30は、各種の演算を行うための演算装置である。MPU30は、電源回路20からMPU電源ライン21を通じて供給される電力によって駆動される。MPU30は、所定のプログラムに基づいて、パルス信号を生成し、駆動信号ライン31を通じて駆動回路40にパルス信号を出力する。パルス信号は、オンオフが繰り返される方形波状の信号である。尚、パルス信号の有する二値は、オン及びオフに限定されるものではなく、Hi及びLoであってもよく、正及び負であってもよい。
【0041】
MPU30は、車両の使用者による操作が入力されるレオスタット(図示しない)と接続されている。レオスタットは、コンビネーションメータの照明の輝度を調整するための操作が入力されるダイヤル状の入力装置である。MPU30は、駆動回路40と駆動信号ライン31によって接続されている。MPU30は、レオスタットへの入力状態に基づいて、後述するパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御により、LED50の輝度を調整する。
【0042】
駆動回路40は、npn型のバイポーラトランジスタ等によって構成されている。駆動回路40において、トランジスタのベースには、駆動信号ライン31が接続されている。トランジスタのコレクタには、LED50の設けられたLED導通ライン51が接続されている。トランジスタのエミッタは、例えばコンビネーションメータのグラウンド回路と接続されることにより、接地されている。MPU30から出力されるパルス信号がオンであるときに、電流は、コレクタからエミッタに流れる。これにより、駆動回路40は、LED50に電流を導通させる。
【0043】
以上の構成において、MPU30は、パルス幅変調制御によってLED50の輝度を調整するために、パルス信号のデューティ比を変更する。デューティ比とは、オン状態にあるパルス幅τをパルス信号の周期Tで除算した値である(図2及び図3参照)。ここで、MPU30によって生成されるパルス信号を、以下PWM制御信号という。MPU30から駆動回路40に出力されるPWM制御信号のデューティ比が変更されることにより、コレクタ及びエミッタ間が導通状態になる時間は、増減する。このようなパルス幅変調制御により、単位時間あたりにおけるLED50の発光時間の割合が制御される。このように、MPU30及び駆動回路40は、LED50への電流の導通時間を制御することにより、当該LED50の発光の輝度を調整可能である。
【0044】
NOT回路60、トランジスタ70、及び抵抗器80等は、LED50の輝度が低くなるに従って、消費する電力が増加する電力消費手段を協働で構成している。
【0045】
抵抗器80は、所定の電気抵抗値を有する受動素子である。抵抗器80は、駆動系の電源ライン13とトランジスタ70とを接続する抵抗器導通ライン81に、設けられている。抵抗器80は、駆動系の電源ライン13からトランジスタ70に向かう電流の導通により電力を消費する。尚、複数の抵抗器80が、抵抗器導通ライン81に直列又は並列で設けられていてもよい。
【0046】
NOT回路60は、信号分岐ライン68によって、MPU30及び駆動回路40間を接続する駆動信号ライン31と、接続されている。NOT回路60は、トランジスタ70のベースと、反転信号ライン69によって接続されている。NOT回路60は、MPU30によって生成されるPWM制御信号のオンオフを反転させた反転信号を生成する。NOT回路60は、生成した反転信号を、反転信号ライン69を通じてトランジスタ70に出力する。尚、反転信号の有する二値は、オン及びオフに限定されるものではなく、Hi及びLoであってもよく、正及び負であってもよい。
【0047】
トランジスタ70は、npn型のバイポーラトランジスタである。トランジスタ70のベースには、NOT回路60に繋がる反転信号ライン69が接続されている。トランジスタ70のコレクタには、抵抗器80の設けられた抵抗器導通ライン81が接続されている。トランジスタのエミッタは、例えばコンビネーションメータのグラウンド回路と接続されることにより、接地されている。NOT回路60によって反転された反転信号がオンであるときに、トランジスタ70のコレクタからエミッタに電流が流れる。これにより、トランジスタ70は、抵抗器80に電流を導通させる。
【0048】
NOT回路60及びトランジスタ70は、LED50の輝度が低くなるに従って、抵抗器80への電流の導通時間が長くなるよう制御する。具体的には、MPU30によって生成されるPWM制御信号がオンである場合、NOT回路60によって反転された反転信号はオフとなる(図2及び図3参照)。故に、駆動回路40がLED50に電流を導通させているとき、トランジスタ70は抵抗器80への電流の導通を停止する。故に、LED50の輝度が低く設定されることにより、MPU30によって出力されるPWM信号のデューティ比が小さくされた場合、反転信号のデューティ比は大きくなる(図2参照)。これにより、トランジスタ70は、コレクタ及びエミッタ間を導通状態にする時間を増加させる。よって、抵抗器80によって消費される電力が多くなる。
【0049】
一方、LED50の輝度が高く設定されることにより、MPU30によって出力されるPWM信号のデューティ比が大きくされた場合、反転信号のデューティ比は小さくなる(図3参照)。これにより、トランジスタ70は、コレクタ及びエミッタ間を導通状態にする時間を減少させる。よって、抵抗器80によって消費される電力が少なくなる。以上のようなパルス幅変調制御により、NOT回路60及びトランジスタ70は、LED50の消費電力が低くなるに従って、抵抗器80の消費電力が増加するように制御する。加えて、NOT回路60及びトランジスタ70は、LED50の消費電力が高くなるに従って、抵抗器80の消費電力が低減するように制御する。
【0050】
ここまで説明した照明回路100の電源ライン10に接続されているオルタネータ及び車両のバッテリでは、非常に高い電圧、所謂サージ電圧が瞬間的に発生する。このようなサージ電圧によって生じたエネルギは、電源ライン10を通じて照明回路100に入力されてしまう。すると、照明回路100の各部において、入力されたエネルギが非常に高い電圧を生じさせてしまうおそれがある。このようなサージのエネルギの入力に対して、照明回路100は耐性を確保されている必要がある。以下、照明回路100に設けられた電力消費手段が、消費電力の増加を低減しつつ、当該照明回路100のサージへの耐性を確保させる仕組みについて、詳細に説明する。
【0051】
LED50の輝度が低く調整されている場合、LED50により消費される電力は少なくなる。一方で、LED50の輝度が低くなるに従い、抵抗器80によって消費される電力は、多くなる。これらにより、外部から照明回路100に入力されるサージのエネルギは、LED50では消費され難いものの、抵抗器80によって多く消費される。故に、サージの入力に起因して照明回路100の電源回路20及びLED50等の各部に生じる電圧は、高くなり難くなる。以上により、照明回路100のサージへの耐性は、確保され得る。
【0052】
また、LED50の輝度が高く調整されている場合、LED50により消費される電力が多くなる。一方で、抵抗器80の消費電力は少なくなる。これらにより、照明回路100に入力されるサージのエネルギは、LED50によって多く消費される。故に、抵抗器80によって消費されるサージのエネルギが少なくても、サージの入力に起因して照明回路100の各部に生じる電圧は、高くなり難い。以上により、照明回路100のサージへの耐性は、確保され得る。加えて、抵抗器80によって消費される電力が低減されることにより、照明回路100の消費電力は、低く抑えられる。
【0053】
したがって、照明回路100は、消費電力を低減しつつ、サージへの耐性を確保することができる。
【0054】
加えて第一実施形態によれば、駆動回路40がLED50に電流を導通させているとき、抵抗器80への電流の導通は、NOT回路60及びトランジスタ70によって停止される。故に、NOT回路60及びトランジスタ70は、LED50の輝度が低くなるに従い、抵抗器80への電流の導通時間を長くできる。加えて、NOT回路60及びトランジスタ70は、LED50の輝度が高くなるに従い、抵抗器80への電流の導通時間を短くできる。故に、抵抗器80における消費電力は、LED50の輝度、ひいてはLED50の消費電力に対応して、的確に増減し得る。
【0055】
以上により、LED50の輝度が低く調整されている場合には、照明回路100のサージへの耐性は、確実に確保される。また、LED50の輝度が高く調整されている場合には、照明回路100の消費電力は、確実に低減される。したがって、照明回路100は、消費電力の低減と、サージへの耐性の確保とを、さらに確実に両立できる。
【0056】
また第一実施形態のように、PWM制御によってLED50の輝度を調整する構成では、複雑な構成ではないNOT回路60が、PWM制御信号のオンオフを反転させた反転信号を生成し得る。以上の構成では、LED50に電流が導通しているとき、NOT回路60及びトランジスタ70は、抵抗器80への電流の導通を確実に停止できる。故に、LED50の輝度が高く調整された場合には、抵抗器80によって消費される電力は、確実に少なくなる。したがって、照明回路100は、構成の複雑化を抑えつつ、サージへの耐性と消費電力の低減とを両立することができる。
【0057】
さらに、従来の電源回路は、外部からのサージの入力に起因して高い電圧が印加された場合、サージのエネルギを熱に変換して放出することができた。故に、従来の電源回路は、一時的に消費電力を高めることにより、照明回路のサージへの耐性向上に寄与していた。対して、第一実施形態で用いられているスイッチング方式の電源回路20は、外部からのサージの入力に起因して高い電圧が印加された場合、当該電源回路20に入力される電流を小さくする。このように、スイッチング方式の電源回路20は、消費する電力を維持する。故に、スイッチング方式の電源回路20を備える照明回路100は、サージへの耐性を確保し難くなる。
【0058】
しかし、第一実施形態によれば、抵抗器80によって適切な電力消費がなされることにより、照明回路100は、電力の消費を抑えつつ、サージへの耐性を確保されている。加えて、電力の変換効率に優れるスイッチング方式の電源回路20を備えることで、照明回路100は、消費電力をさらに低減できる。したがって、LED50の輝度に応じて消費電力の変化する抵抗器80を設ける構成は、スイッチング方式の電源回路20と共に照明回路100に設けられることにより、消費電力の低減とサージへの耐性の確保とを両立させる効果を、顕著に発揮することができる。
【0059】
また加えて、第一実施形態において抵抗器80によって消費される電力は、熱に変換されて、照明回路100近傍の雰囲気温度を上昇させる。仮に、雰囲気温度が過度に上昇してした場合、照明回路100の各部、例えばMPU30等の寿命が、低下するおそれがある。しかし、NOT回路60及びトランジスタ70の機能により、抵抗器80の余分な電力の消費は抑制される。これにより、照明回路100近傍の過度の温度上昇も、防がれ得る。したがって、照明回路100は、サージへの耐性の確保と相まって、高い信頼性を獲得することができる。
【0060】
尚、第一実施形態において、電源回路20が特許請求の範囲に記載の「電圧変換手段」に相当し、MPU30が特許請求の範囲に記載の「発光手段」,「発光制御部」,及び「信号生成回路部」に相当し、駆動回路40が特許請求の範囲に記載の「発光手段」,「発光制御部」,及び「駆動回路部」に相当し、LED50が特許請求の範囲に記載の「発光手段」及び「発光素子部」に相当し、NOT回路60が特許請求の範囲に記載の「電力消費手段」及び「導通制御部」に相当し、トランジスタ70が特許請求の範囲に記載の「電力消費手段」及び「導通制御部」に相当し、抵抗器80が特許請求の範囲に記載の「電力消費手段」及び「負荷部」に相当し、照明回路100が特許請求の範囲に記載の「表示器用照明回路」に相当する。
【0061】
(第二実施形態)
図4に示される本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態による照明回路200は、第一実施形態において論理回路であったNOT回路60(図1参照)に相当する反転回路260を備えている。以下、照明回路200について詳細に説明する。
【0062】
反転回路260は、抵抗器263及びトランジスタ265を有している。抵抗器263は、所定の電気抵抗値を有する受動素子である。抵抗器263は、駆動系の電源ライン13とトランジスタ265のコレクタとを接続する反転導通ライン261に、設けられている。反転導通ライン261において、抵抗器263及びトランジスタ265間には、反転信号ライン69が接続されている。抵抗器263は、反転信号ライン69に印加される電圧を、駆動系の電源ライン13の電圧に対して、降下させている。
【0063】
トランジスタ265は、npn型のトランジスタである。トランジスタ265のベースには、駆動信号ライン31に繋がる信号分岐ライン68が接続されている。トランジスタ265のコレクタには、反転導通ライン261が接続されている。トランジスタのエミッタは、例えばコンビネーションメータのグラウンド回路と接続されることにより、接地されている。
【0064】
以上の構成では、駆動信号ライン31及び信号分岐ライン68を通じてベースに入力されるPWM制御信号がオンであるときに、トランジスタ265のコレクタからエミッタに電流が流れる。これにより、反転導通ライン261において、抵抗器263及びトランジスタ265間の電位は、実質的に接地電圧となる。故に、反転導通ライン261に接続された反転信号ライン69には、オフの信号が流れることとなる。
【0065】
一方、駆動信号ライン31及び信号分岐ライン68を通じてベースに入力されるPWM制御信号がオフであるときに、トランジスタ265のコレクタからエミッタには電流は流れない。これにより、反転導通ライン261において、抵抗器263及びトランジスタ265間の電位は、接地電圧ではなくなる。故に、反転導通ライン261に接続された反転信号ライン69には、オンの信号が流れることとなる。以上により、反転回路260は、MPU30によって生成されるPWM制御信号のオンオフを反転させた反転信号を生成する。
【0066】
ここまで説明したように、反転信号を生成する構成は、抵抗器263及びトランジスタ265等を組み合わせてなる簡素な構成の反転回路260であってもよい。上述したような簡素な構成の反転回路260であっても、PWM制御信号のオンオフを反転させた反転信号を確実に生成し得る。故に、LED50に電流が導通しているとき、抵抗器80への電流の導通は、確実に停止される。加えて、LED50への電流の導通が停止されているとき、抵抗器80に電流が導通する。これらにより、LED50の輝度が高く調整された場合には、抵抗器80によって消費される電力は、確実に低減される。また、LED50の輝度が低く調整された場合でも、照明回路200のサージへの耐性は確保され得る。したがって、照明回路200は、構成の複雑化を抑えつつ、サージへの耐性と消費電力の低減とを両立することができる。
【0067】
尚、第二実施形態において、反転回路260が特許請求の範囲に記載の「電力消費手段」及び「導通制御部」に相当し、照明回路200が特許請求の範囲に記載の「表示器用照明回路」に相当する。
【0068】
(第三実施形態)
図5に示される本発明の第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態による照明回路300は、第一実施形態のNOT回路60、トランジスタ70、及び抵抗器80(図1参照)に換えて、可変抵抗回路380を備えている。以下、照明回路300について詳細に説明する。
【0069】
可変抵抗回路380は、抵抗器導通ライン81に設けられている。可変抵抗回路380は、MPU330と接続されており、当該MPU330から抵抗値制御信号を受ける。可変抵抗回路380は、抵抗値制御信号に従って、電気抵抗値を調整可能である。可変抵抗回路380は、複数のスイッチング素子及び複数の抵抗器等によって構成されている。各スイッチング素子は、各抵抗器に個々に接続されており、各抵抗器への電流の導通及び停止を切り換える。可変抵抗回路380は、MPU330からの抵抗値制御信号に基づいて、スイッチング素子を開閉させる。可変抵抗回路380は、電流の導通する抵抗器の数を増減させる増減させることにより、電気抵抗値を調整することができる。具体的に、可変抵抗回路380は、電流の導通する抵抗器の数を増加させることにより、電気抵抗値を大きくする。また、可変抵抗回路380は、電流の導通する抵抗器の数を減少させることにより、電気抵抗値を小さくする。
【0070】
MPU330は、第一実施形態のMPU30(図1参照)と実質的に同一である。第三実施形態のMPU330は、電気抵抗値を変化させるための抵抗値制御信号を、可変抵抗回路380に出力する。可変抵抗回路380の電気抵抗値は、LED50の輝度が低くなるに従い、MPU330によって高く調整される。また可変抵抗回路380の電気抵抗値は、LED50の輝度が高くなるに従い、MPU330によって低く調整される。
【0071】
ここまで説明した第三実施形態では、LED50の輝度が低く調整された場合、可変抵抗回路380において消費される電力は、多くなる。一方、LED50の輝度が高く調整された場合、可変抵抗回路380において消費される電力は、少なくなる。以上のようなMPU330の制御によって、可変抵抗回路380における消費電力は、LED50の輝度、ひいてはLED50の消費電力に対応して、的確に増減し得る。
【0072】
以上により、LED50の輝度が低く調整されている場合には、照明回路300のサージへの耐性は、確実に確保される。また、LED50の輝度が高く調整されている場合には、照明回路300の消費電力は、確実に低減される。したがって、照明回路300は、消費電力の低減と、サージへの耐性の確保とを、確実に両立できる。
【0073】
尚、第三実施形態において、可変抵抗回路380が特許請求の範囲に記載の「電力消費手段」及び「可変抵抗部」に相当し、MPU330が特許請求の範囲に記載の「電力消費手段」及び「抵抗値調整部」に相当し、照明回路300が特許請求の範囲に記載の「表示器用照明回路」に相当する。
【0074】
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0075】
上記第一及び第二実施形態において、電力消費手段は、抵抗器80に電流を導通させる時間を制御することにより、消費する電力を調整していた。また、上記第三実施形態において、電力消費手段は、可変抵抗回路380の電気抵抗値を変更することにより、消費する電力を調整していた。しかし、電流の導通により電力を消費する構成は、上記実施形態の構成に限定されない。例えば、露出された抵抗体と、抵抗体との接触状態を維持しつつ抵抗体に対して変位する可動端子と、を備える可変抵抗器が、電力を消費する構成として抵抗器導通ライン81に設けられていてもよい。この構成では、発光手段の輝度が低くなるに従って、可変抵抗器の電気抵抗値が高くなるように、可動端子は、抵抗体に対して変位させられる。以上により、電力消費手段によって消費される電力は、発光手段の輝度に対応し、発光手段の輝度が低くなるに従って、少なくなるよう調整され得る。
【0076】
上記第一及び第二実施形態では、PWM制御信号を反転させた反転信号によって抵抗器80の電流の導通時間を制御する構成により、電力消費手段の消費電力は、LED50の輝度が低くなるに従って、増加するよう調整されていた。また、上記第三実施形態では、MPU330が、所定のプログラムに基づいて、LED50の輝度、即ちLED50の消費電力と、可変抵抗回路380の消費電力とを共に制御する構成であった。故に、適切に構築されたMPU330の制御プログラムによって、電力消費手段の消費電力は、LED50の輝度が低くなるに従って、増加するよう調整されていた。しかし、LED50等の発光手段の輝度が低くなるに従って、消費する電力を増加させられるのであれば、電力消費手段の消費電力を調整する構成は、上記実施形態の構成に限定されない。例えば、上記第三実施形態の変形例として、駆動系の電源ライン13を所定の時間に流れる電流をMPU330によって積算することにより、可変抵抗回路380の電気抵抗値、ひいては可変抵抗回路380による消費電力が調整される構成であってもよい。
【0077】
上記実施形態では、LED50の輝度は、レオスタットへの入力状態に応じて調整されていた。しかし、照明回路は、例えば車両の室内の明るさを検知する照度センサを備えており、照度センサの検知結果に基づいてLED50の輝度を調整する形態であってもよい。このような形態に発光手段が構成された場合でも、上記第一及び第二実施形態によるNOT回路60及び反転回路260を備える電力消費手段は、LED50の輝度が低くなるに従って、抵抗器80の消費電力が多くなるように調整することができる。
【0078】
上記実施形態では、コンビネーションメータを照明する発光手段として、LED50が用いられていた。しかし、発光手段として使用可能な構成は、LEDに限定されない。例えば、コンビネーションメータを照明するための構成として、電球、蛍光管、冷陰極管、及びエレクトロルミネセンス(EL:Electro Luminescence)等が、LED50に換えて又はLED50と共に、照明回路に設けられていてもよい。
【0079】
上記実施形態では、電圧を変換するための電圧変換手段として、照明回路は、スイッチング方式の電源回路20を備えていた。しかし、照明回路は、電圧変換手段として、従来から用いられているシリーズレギュレータ及び三端子レギュレータ等を用いた電源回路を備えていてもよい。
【0080】
上記実施形態において、駆動回路40及びトランジスタ70等として、npn型のバイポーラトランジスタを用いていた。しかし、バイポーラトランジスタに換えて、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等が用いられていてもよい。この場合、抵抗器80への電流の導通を制御するトランジスタ70においては、反転信号ライン69がゲートに接続され、抵抗器導通ライン81がドレインに接続され、ソースがグラウンド回路に接地される。
【0081】
上記第一及び第二実施形態において、所定のプログラムを実施するMPU30によって、特許請求の範囲に記載の「信号生成回路部」等の機能が果たされていた。しかし、プログラムの実施によらないアナログ回路等によって、特許請求の範囲に記載の「発光手段」,「発光制御部」,及び「信号生成回路部」の機能の少なくとも一部が果たされていてもよい。同様に、上記第三実施形態においても、MPU330に換えて、プログラムの実施によらないアナログ回路等によって、「電力消費手段」及び「抵抗値調整部」の機能の少なくとも一部が果たされていてもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 電源ライン、11 制御系の電源ライン、13 駆動系の電源ライン、11a,13a ダイオード、20 電源回路(電圧変換手段)、21 MPU電源ライン、30 MPU(発光手段,発光制御部,信号生成回路部)、330 MPU(電力消費手段,抵抗値調整部)、31 駆動信号ライン、40 駆動回路(発光手段,発光制御部,駆動回路部)、50 LED(発光手段,発光素子部)、51 LED導通ライン、60 NOT回路(電力消費手段,導通制御部)、260 反転回路(電力消費手段,導通制御部)、261 反転導通ライン、263 抵抗器、265 トランジスタ、68 信号分岐ライン、69 反転信号ライン、70 トランジスタ(電力消費手段,導通制御部)、80 抵抗器(電力消費手段,負荷部)、380 可変抵抗回路(電力消費手段,可変抵抗部)、81 抵抗器導通ライン、100,200,300 照明回路(表示器用照明回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から電力の供給を受けることにより、情報を表示する表示器を照明する表示器用照明回路であって、
発光により前記表示器を照明し、発光の輝度が調整可能な発光手段と、
前記発光手段の輝度が低くなるに従って、消費する電力が増加する電力消費手段と、
を備えることを特徴とする表示器用照明回路。
【請求項2】
前記電力消費手段は、
電流の導通により電力を消費する負荷部と、
前記発光手段の輝度が低くなるに従って、前記負荷部への電流の導通時間が長くなるよう制御する導通制御部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の表示器用照明回路。
【請求項3】
前記発光手段は、
電流の導通により発光する発光素子部と、
前記発光素子部への電流の導通時間を制御することにより、当該発光素子部の発光の輝度を調整する発光制御部と、を有し、
前記導通制御部は、前記発光制御部が前記発光素子部に電流を導通させているとき、前記負荷部への電流の導通を停止することを特徴とする請求項2に記載の表示器用照明回路。
【請求項4】
前記発光制御部は、
方形波状のパルス信号を生成し、前記発光素子部の輝度を調整するために前記パルス信号のデューティ比を変更する信号生成回路部と、
前記パルス信号がオンであるときに、前記発光素子部に電流を導通させる駆動回路部と、を含み、
前記導通制御部は、前記信号生成回路部による前記パルス信号のオンオフを反転させた反転信号を生成し、前記反転信号がオンであるときに、前記負荷部に電流を導通させることを特徴とする請求項3に記載の表示器用照明回路。
【請求項5】
前記電力消費手段は、
電気抵抗値を調整可能な可変抵抗部と、
前記可変抵抗部の電気抵抗値を、前記発光手段の輝度が低くなるに従って高く調整する抵抗値調整部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の表示器用照明回路。
【請求項6】
前記外部から供給される電力の電圧を変圧し、前記発光手段に供給するスイッチング方式の電圧変換手段、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示器用照明回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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