説明

表示器

【課題】本発明は、表示部に表示される表示部品の表示形態を、パソコン等の外部機器を経由せずに表示器自身で変更することができる表示器を提供することをその課題とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、本発明は、表示部3と当該表示部3に対して積層されたタッチパネル5aとを有し、表示部3には所定の属性が付与された表示部品15を表示可能であり、表示部品15に対応するタッチパネル5aの領域を指定することにより、当該表示部品15に応じた信号を発生可能であり、表示器1自身及び/又は他の機器が所定の動作をする標準モードと、表示部3に表示された表示部品15の表示形態を変更可能なカスタマイズモードとを含む複数の動作モードで動作可能であって、標準モードにおいて、タッチパネル5aを介して所定の入力がなされることにより、動作モードがカスタマイズモードに切替可能であることを特徴とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラマブル表示器等の表示器に関し、特に、画面に表示される表示部品の表示形態を、外部機器を用いることなく表示器自体において変更可能な表示器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
制御システムにおいては、様々な出力機器(電磁弁やモータ等)を制御するため、プログラマブルコントローラ(以下、PLCとする)とともに、プログラマブル表示器が使用される。プログラマブル表示器は、出力機器やPLCの状態をPLCより取得して、プログラマブル表示器に内蔵のディスプレイに画面表示する。また、プログラマブル表示器は、オペレータによる制御指示を、ディスプレイ画面上に配されたタッチパネル等の手段によってPLCや出力機器へと伝達する。
【0003】
近年、プログラマブル表示器には様々な機能が盛り込まれており、機能の種類は年々増加する傾向にある。機能の増加は、多様なユーザーの要望を満たすことができる反面、その操作を複雑なものとし、却ってユーザーの使い勝手を悪くする場合もある。そのため、多機能なプログラマブル表示器であっても、最適な作業性を実現することができるプログラマブル表示器の開発が望まれている。
【0004】
ここで、多機能のプログラマブル表示器の作業性を低下させる原因の一つとして、表示画面が複雑になることが挙げられる。つまり、プログラマブル表示器の機能が増えると、それだけ表示器の画面上に表示される事項が増加する。その結果、表示画面が複雑になり、プログラマル表示器の操作性が低下する。
【0005】
この問題を解決すべく、従来のプログラマブル表示器においては、パーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器が使用されていた。具体的には、プログラマブル表示器の表示画面に関するデータをPCで受信した後、当該データをPCで変更して、そのデータをプログラマブル表示器に送信する。これにより作業性の高い表示画面の設計を行うことができる。例えば、特許文献1には、パソコン等の外部機器により、プログラマブル表示器の表示画面に表示される表示部品の設定を変更することができる画面エディタ装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−150212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この場合、表示画面の変更毎にPC等の外部機器を用意する必要があり、現場で表示画面の変更を行うのに時間と手間がかかって不便であった。そこで本発明は、画面に表示される表示部品の表示形態を、パソコン等の外部機器を経由することなく表示器自身で変更することができる表示器を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、他の機器に電気的に接続されて使用される表示器であって、表示部と当該表示部に対して積層されたタッチパネルとを有し、表示部には所定の属性が付与された表示部品を表示可能であり、表示部品に対応するタッチパネルの領域を指定することにより、当該表示部品に応じた信号を発生させて、表示器自身又は他の機器の少なくともいずれか一方に所定の動作をさせる標準モードと、表示部に表示中の表示部品の表示形態を変更可能なカスタマイズモードとを含む複数の動作モードで動作可能であって、標準モードにおいて、タッチパネル上の所定の領域が指定されることにより、動作モードをカスタマイズモードに切り替えて、表示部に表示された表示部品の表示形態をタッチパネル上で変更できることを特徴とした。
【0008】
ここで、表示部品とは、スイッチ、テンキー、メータ表示器、グラフ表示器等をそれぞれ表す画像をいい、属性とは、表示部品が画面上で表示される位置、大きさ、表示の有無、色等に関する表示データ及びスイッチやテンキーなどの機能に関する動作データをいう。本発明では、表示器の動作モードをカスタマイズモードに切り替えることにより、PC等の外部機器を使わずに表示器自身で表示部品の表示形態を変更させることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、表示部品の位置又は大きさの少なくともいずれか一方を前記カスタマイズモードで変更できることを特徴とした。プログラマル表示器には様々な機能が盛り込まれている。そのため、表示させる表示部品の数が多い場合には、画面が煩雑となるおそれや画面上に全ての表示部品が収まりきらないおそれがある。また一方で、表示させる表示部品の数が少ない場合には、作業の過失を防止するためにも表示部品は大きく表示されている方が好ましい。さらに、表示画面における表示部品の配置により、作業の効率は大きく変化する。
【0010】
本発明によれば、表示部品の位置又は大きさを変更することができるため、表示部に表示される表示部品の数が多い場合には、各表示部品の大きさを小さくすることにより、表示部に全ての表示部品を表示させることができる。また、表示部品の大きさを大きくすることにより作業の確実性を確保することもできる。さらに、表示部品を移動させ表示画面における配置を変更させることにより、制御する出力機器の種類やオペレータの好みに合わせた表示画面のレイアウトを実現することができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、表示部品の表示領域が重複する場合に表示形態の変更が禁止される重複防止機能、又は表示部品の大きさが所定の範囲外の場合に表示形態の変更が禁止される大きさ制限機能の少なくともいずれか一方の機能が設けられていることを特徴とした。
【0012】
表示部品の位置が変更されると、他の表示部品と表示領域が重複して、表示部品の一部又は全部が画面上に表示されない場合がある。また、変更された表示部品のサイズが大きすぎると表示部の表示範囲に収まりきらなかったり、他の表示部品の表示領域と重複したりする場合がある。さらに、変更された表示部品のサイズが小さすぎるとオペレータが変更後の表示部品を視認しにくくなるおそれがある。そこで、本請求項に係る発明のように、表示部品の表示形態の変更に一定の制限をかける機能を設けることにより上記弊害を防止することができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記カスタマイズモードで表示部品の表示又は非表示の選択ができることを特徴とした。これにより、使用者によって継続して表示する必要がないと判断された表示部品については非表示とすることができる。そのため、使用者が必要と判断した表示部品のみを表示させ、不要な表示部品は表示されないため、表示部の画面を煩雑にすることなく、作業性の高い表示部品の表示形態を設計することができる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明において、表示部品が指定された回数又は日時に関する履歴情報の少なくともいずれか一方を格納可能なメモリを備え、所定期間内に表示部品が指定された回数が、予め定められた回数に満たないこと、又は表示部品が指定された最終日時から所定の期間が経過することの少なくともいずれか一方の条件を満たす場合に、表示中の表示部品の表示を継続させないことを特徴とした。本発明では、所定期間内に指定されなかった表示部品は継続して表示されないため、画面上から無駄な表示部品をなくすことができる。これにより、表示部品の表示形態の単純化が可能となり、表示器の操作性を向上させることができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明において、表示部品の指定に関する履歴情報を格納可能なメモリを備え、履歴情報が所定の条件を満たす場合に、表示中の表示部品の表示を継続させることの可否を選択できることを特徴とした。表示部品の中には、長期に渡って指定されていなかったものであっても、使用者が継続して表示させておきたいものが存在する。本発明では、表示部品の継続の可否が選択が使用者によって選択される。そのため、使用者が継続して表示させておきたいと判断した表示部品については、使用者が表示の継続を選択することにより、その表示を継続させることができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの発明において、各表示部品のうちの一又は複数は、表示形態の変更が不可能に設定されていることを特徴とした。表示部に表示される表示部品の中には、非常停止スイッチや電源スイッチ等の様に、その表示形態が変更されるべきでない表示部品も存在する。本発明では、このような表示部品については、表示形態の変更ができないようにして、使用者の不注意により、変更されるべきではない表示部品の表示形態が変更されるのを防止することができる。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかの発明において、初期状態における表示部品の表示形態に関するデータを記憶する初期データ記憶部と、画面に表示させる表示部品の表示形態に関するデータを記憶する表示データ記憶部とを有するメモリを備え、表示データ記憶部のデータを初期データ記憶部のデータで置換することにより表示形態を初期状態に戻すことができることを特徴とした。
【0018】
一旦、表示部品の表示形態を変更した後であっても、作業の状況が変化した場合や接続する出力機器を変更する場合、変更した表示形態が気に入らない場合等、再度、表示形態の変更をやり直したい場合がある。本発明では、表示部品の表示形態の変更後であっても、表示部品の表示形態を初期状態にリセットすることができるため、再度、初期状態から表示部品の表示形態の変更をやり直すことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、画面に表示される表示部品の表示形態を、パソコン等の外部機器を経由せずにプログラマブル表示器自身で簡便に変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態について図1〜9を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る表示器1のブロック図である。本実施形態に係るプログラマブル表示器1は、制御部2、表示部3、操作部5、メモリ6、通信部7から構成される。
【0021】
制御部2は、中央演算処理装置、いわゆるCPUであり、メモリ6に格納されたオペレーションシステムプログラムに基づいて表示器1全体を制御する。
【0022】
表示部3は、液晶パネルやELパネルのような平板型表示素子により構成され、制御部2と接続される。そして、制御部2からの制御信号、及び通信部7を通じてPLCから伝達されたデータに基づいて、所定の表示部品15やPLCの運転状況、例えば生産個数データ又は生産個数の時系列推移グラフ等を画面に表示する。ここで、表示部品15とは、スイッチやテンキー等を擬似的に表す画像や、メータ表示器、グラフ表示器等を表す画像をいう。
【0023】
操作部5は、いわゆるタッチパネル5aによって主要部が構成されており、タッチパネル5aを指等で接触すると、この接触された位置を示すデータを制御部2に対して送信可能な構成とされている。
【0024】
図2に示すように、操作部5を構成するタッチパネル5aは、表示部3の上方に積層されている。また、タッチパネル5aは、その主要部分が透光性を有するフィルムによって構成されている。そのため、表示部3に対して操作部5を積層した状態において図2に矢印Aで示すように操作部5の上方から観察すると、表示部3に表示されている画像等を視認することができる。
【0025】
表示器1は、図2に示すように表示部3に表示部品15が表示されている状態で、この表示部品15が表示されている領域に対応するタッチパネル5a上の領域16内を指等で接触すると、表示部品15に割り当てられた動作を実施する構成とされている。即ち、表示器1は、表示部品15及びタッチパネル5a上の領域16とを組み合わせることにより、表示部品15に割り当てられた動作を実施する擬似的なボタン17として機能を発揮可能な構成とされている。換言すれば、表示器1において、表示部3と操作部5とを重ね合わせた積層体は、画像等を表示するための表示端末としての機能に加え、操作端末としての機能を発揮可能な構成とされている。
【0026】
本実施形態において、表示部3に表示される画面は、画面作成ソフトを用いて使用者が独自に作成することができるようになっており、表示部3に表示される表示部品15の表示形態に関する初期状態のデータについては、表示器1とは別に用意されたPC等のデータ作成装置8において画面作成ソフトを使って作成される。そして、作成された表示部品15の表示形態に関するデータは、通信部7を通じてデータ作成装置8から表示器1に転送され、初期画面データとして表示器1内のメモリ6に格納される。なお、メモリ6に格納される初期画面データは、上述のようにPC等から転送させて格納される形態に限定されるわけではない。例えば、予め作成された初期画面データを格納したメモリ6を表示器1に搭載させてもよい。
【0027】
メモリ6は、不揮発性メモリからなり、記憶領域として、少なくとも構成記憶領域10と履歴記憶領域11とを備えている。
【0028】
構成記憶領域10には、表示部品15が表示部3で表示される位置、大きさ、表示の有無、色等に関する表示データと、スイッチやテンキーなどのような表示部品15に割り当てられた機能に関する動作データとが対応付けて格納される。
【0029】
また、構成記憶領域10は、初期データ記憶部12と表示データ記憶部13とを備えている。初期データ記憶部12には、PC等のデータ作成装置8から送信された初期画面データが格納されており、表示データ記憶部13には、表示部3に表示される表示部品15に関するデータが格納される。なお、初期状態においては、初期データ記憶部12と表示データ記憶部13とに格納されたデータは同一のものである。
【0030】
表示器1の起動時には、表示データ記憶部13に記憶されたデータに基づいて表示部品15が表示部3に表示される。また、表示部品15の表示形態が変更された場合には、変更後の表示形態に関するデータが表示データ記憶部13に記憶される。
【0031】
履歴記憶領域11には、各ボタン17の指定に関する履歴情報(回数・日時等)が記憶される。回数については、所定期間内にボタン17が指定された回数がカウントされる。前記期間については、制御される機器の種類や使用状況により任意に選択することができ、特に限定があるわけではない。例えば、データ作成装置8で作成される初期状態の表示部品15の表示形態に関するデータがプログラマブル表示器1に送信されてから、表示部品15の表示形態の変更(カスタマイズモードへの切替)が行われるまでの期間としてもよいし、前回表示部品15の設定が変更されたときから新たに設定変更が行われるまでの期間としてもよい。また、数日、数週間、数ヶ月等の一定期間とすることもできる。
【0032】
通信部7は、入出力インターフェイスであり、外部機器であるPLCやPC等に接続し、データの送受信を行うために使用されるものである。
【0033】
次に、画面の設定変更の際に、プログラマブル表示器1において行われる処理について図3に示すフローチャートに基づき説明する。
【0034】
本実施形態に係る表示器1は、表示器1自身及び/又は他の機器が所定の動作をする標準モードと、表示部に表示された表示部品の表示形態を変更可能なカスタマイズモードとを含む複数の動作モードで動作可能であって、標準モードにおいて、タッチパネル5aを介して所定の入力がなされることにより、動作モードがカスタマイズモードに切替可能である。ステップ1で、タッチパネル5aから所定の入力があると表示器1はカスタマイズモードに移行する(ステップ2)。
【0035】
表示器1をカスタマイズモードに移行させる入力方法としては、例えば、図4(a)に星印で示すように画面上に表示されたスイッチ20に触れるとカスタマイズモードに移行することとしてもよいし、図4(b)に星印で示すように表示部3の隅部18などの所定の領域に触れることを条件として、カスタマイズモードに移行させてもよい。図面の星印は、タッチパネル5aへの入力を示す。また、タッチパネル5aに一定時間以上触れることを条件に、カスタマイズモードに移行させてもよい。
【0036】
表示器1がカスタマイズモードに移行した後、ステップ3では、表示形態を変更させる表示部品15の選択が要求される。ここで、各表示部品15には、表示形態を変更することが可能か否かの属性が予め付与されている。表示部品15が選択されると、選択された表示部品15が表示形態を変更してもよいものか否かがステップ4で制御部2によって判断される。その結果、選択された表示部品15が、表示形態を変更させることができないものであると判断された場合には、ステップ5で、表示部3にエラーの表示がされ、ステップ3に戻る。
【0037】
選択された表示部品15が表示形態を変更させてもよいものであると判断されると、ステップ6に移行する。ステップ6では、表示部品15の位置を変更するか否かの選択が要求される。そして、位置の変更が選択された場合には、ステップ7に移行する。位置の変更が選択されなければ、後述のステップ10に移行する。
【0038】
ステップ7では、選択された表示部品15の移動先の指定が要求がされる。具体的には、図5(a)に星印で示すように、希望する移動先がタッチパネル5a上で指定されると、次のステップ8に移行する。ステップ8では、図5(b)に示すように選択された表示部品15の位置が変更され、当該表示部品15の位置に関するデータは、ステップ7で指定された位置に関するデータに変更される。その後、ステップ9へと移行する。
【0039】
ステップ9では、制御部2により変更後の表示形態のデータをメモリ6の表示データ記憶部13に上書きすることで操作部5の内容を更新して、ステップ3に戻る。ステップ6で位置の変更が選択されなければ、ステップ10へ移行する。そして、ステップ10では、表示部品15のサイズを変更するか否かの選択が要求される。その結果、サイズの変更が選択された場合には、ステップ11に移行する。サイズの変更が選択されなければ、後述のステップ13に移行する。
【0040】
ステップ11では、選択された表示部品15について希望するサイズの入力が要求される。入力の形式としては、例えば、図6(a)に示すように、表示部にテンキー21を表示させて数値を入力してもよく、表示部品15の角部を指等でドラッグすることにより当該表示部品15を拡大縮小させてもよい。タッチパネル5aを通じて希望のサイズが入力されると、次のステップ12に移行する。
【0041】
ステップ12では、図6(b)に示すように選択された表示部品15のサイズが変更され、当該表示部品15のサイズに関するデータは、ステップ11で入力されたサイズに関するデータに変更される。その後、ステップ9へと移行する。ステップ9では、制御部2により変更後の表示形態のデータをメモリ6の表示データ記憶部13に上書きすることでメモリ6の内容を更新して、ステップ3に戻る。
【0042】
ステップ10でサイズの変更が選択されなければ、ステップ13に移行する。そして、ステップ13では、表示部品15の表示又は非表示の選択が要求される。その結果、表示部品15の非表示が選択された場合、ステップ14に移行する。ステップ14では、表示部品15の表示に関するデータが変更され、図7に示すように選択された表示部品15は継続して表示されない。その後、ステップ9へと移行する。
【0043】
ステップ9では、制御部2により変更後の表示形態のデータをメモリ6の表示データ記憶部13に上書きすることでメモリ6の内容を更新して、ステップ3に戻る。ステップ3で表示部品15の選択がされなければ、ステップ15に移行する。
【0044】
ステップ15では、各表示部品15が継続して表示されるための条件を満たしているか否かが制御部2によって判断される。具体的には、メモリ6の履歴記憶領域11に格納された各ボタン17の指定に関する履歴情報(回数・日時等)を用いて、所定期間内の表示部品15の使用回数が、予め設定された回数に満たないか否かが判断される。その結果、当該条件を満たす表示部品15があれば、ステップ16に移行して、ステップ15の条件を満たす表示部品15が存在することが画面上に表示される。ここで、表示部品15の表示を継続しない条件として、例えば、所定期間内に表示部品15が指定された回数が、予め定められた回数に満たないこととしてもよいし、表示部品15が指定された最終日時から所定の期間が経過することを条件としてもよい。
【0045】
その後ステップ17に移行して、ステップ15の条件を満たす表示部品15の表示を継続するか否の選択が要求される。その結果、表示の継続が選択されなければステップ14に移行する。一方、表示の継続が選択されるとステップ18に移行する。ステップ14では、表示部品15の表示に関するデータが変更され、選択された表示部品15は継続して表示されない。その後、ステップ9へと移行する。
【0046】
一方、ステップ18では、表示部品15を継続して表示する選択がなされたことをもって当該表示部品15が指定されたものとみなして、表示部品15の指定に関する履歴情報(回数・日時)についてのメモリ6の履歴記憶領域11の内容が更新され、ステップ3に戻る。
【0047】
ステップ15で、表示部品15を継続して表示させるための条件を満たす表示部品15が存在しないと判断されると、ステップ19に移行する。ステップ19では、カスタマイズモードを終了させるか否かの判断が要求される。その結果、カスタマイズモードの終了が選択されると、ステップ20に移行して、カスタマイズモードは終了する。一方、カスタマイズモードの終了が選択されなければ、ステップ3の表示部品15の選択に戻る。
【0048】
また、本発明では、表示部品15の位置又は大きさを変更するに際して、一定の制限を課すことも有効である。例えば、ステップ11とステップ12との間に、図8のフローチャートに示す制限を課すことができる。以下図8に基づいてかかる制限について設明する。
【0049】
ステップ11で、選択された表示部品15について希望するサイズが、タッチパネル5aを通じて入力されると、ステップ101に移行する。ステップ101では、表示部品15のサイズについて、所定の大きさ以上にはサイズ変更が許されない旨の制限が課されているか否かが制御部2により判断される。その結果、変更後の表示部品15のサイズの最大値について制限が課されている場合には、ステップ102に移行する。
【0050】
ステップ102では、制御部2により変更後の表示部品15のサイズと予めメモリ6に格納されている所定の値が比較される。その結果、変更後の表示部品15のサイズが所定の値を超えるものである場合には、ステップ103に移行して制御部2により画面上にエラーの表示がされる。
【0051】
表示部品15のサイズの最大値に制限が課されていない場合、又は、変更後の表示部品15のサイズが所定の値を超えない場合には、ステップ104に移行する。ステップ104では、サイズを変更した表示部品15の領域が他の表示部品15の領域と重複することはないか、又は、サイズを変更した表示部品15の領域の一部が表示部3の外枠にまで達することはないか等の重複制限が課されているか否かが制御部2により判断される。その結果、重複制限が課されていると判断されると、ステップ105に移行する。
【0052】
ステップ105では、制御部2により変更後の表示部品15の領域が他の表示部品15の領域と重複していないか、又は、表示部3の表示範囲内に収まるものであるか否かの判断がなされる。そして、表示部品15同士が重複する場合、又は、変更後の表示部品15の領域の一部が表示部3の表示範囲内に納まらず、一部が欠けて表示されるような場合には、ステップ103に移行して制御部2によって画面上にエラーが表示される。
【0053】
重複制限が課されていない場合、又は、変更後の表示部品15が重複制限内である場合には、ステップ106に移行する。ステップ106では、表示部品15のサイズについて、所定の大きさ以下にはサイズ変更が許されない旨の制限が課されているか否かが制御部2により判断される。その結果、変更後の表示部品15のサイズの最小値について制限が課されている場合には、ステップ107に移行する。
【0054】
ステップ107では、制御部2により変更後の表示部品15のサイズと所定の値が比較される。その結果、変更後の表示部品15のサイズが予めメモリ6に格納されている所定の値以下のものであれば、ステップ103に移行して制御部2により画面上にエラーが表示される。表示部品15のサイズの最小値に制限が課されていない場合、又は、変更後の表示部品15のサイズが所定の値以上の大きさの場合には、ステップ12に移行する。
【0055】
ステップ12において、選択された表示部品15のサイズに関するデータは、ステップ11で入力されたサイズに関するデータに変更され、これ以降の流れについては、上述の実施形態と同様である。
【0056】
また、図8において破線で囲んだステップ101〜ステップ107に至るまでの制御を図3のフローチャートにおけるステップ7とステップ8との間に挿入することもできる。なお、表示部品15の位置を変更させるに際し、表示部品15のサイズについてはなんら変更がないので、実質的に最大値制限や最小値制限を課す意義はない。そのため、図9に示すフローチャートのように、重複制限のみを課す構成としてもよい。
【0057】
また、制御する外部機器を変更する場合や、画面表示の設定をやり直したい場合には、初期状態における表示部品15の表示形態(PC等のデータ作成装置8で作成され、表示器1に送信された表示部品15の表示形態)にリセットすることができる構成とすることもできる。
【0058】
具体的には、操作部5の構成記憶領域10に、データ作成装置8から送信された初期画面データが格納される初期データ記憶部12と、設定変更された画面データが格納される表示データ記憶部13とを設ける。そして、タッチパネル5aを通じて、リセットの指示が入力された場合には、表示データ記憶部13のデータを初期データ記憶部12のデータで置換することにより表示形態を初期状態に戻すことができる。なお、リセットの指示は、表示器の側面等のタッチパネル5a以外の場所に、別途リセットボタンを設けて、当該リセットボタンを押圧によって行うこととしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本実施形態に係る表示器のブロック図である。
【図2】表示部とタッチパネルとの関係を示す説明図である。
【図3】画面の設定変更の際に、表示器において行われる処理を示すフローチャートである。
【図4】(a)は、カスタマイズモードへの移行方法を表示部品として表示した表示部の説明図であり、(b)は、画面上の隅部の領域をカスタマイズモードへの移行方法とした場合の表示部の説明図である。
【図5】(a)は、位置を変更する表示部品の移動先の入力を示す表示部の説明図であり、(b)は、表示部品の位置が変更される表示部の説明図である。
【図6】(a)は、変更する表示部品の大きさを入力するためのテンキーが表示された表示部を示す説明図であり、(b)は、表示部品の大きさが変更される表示部の説明図である。
【図7】表示部品の表示が継続されない表示部の説明図である。
【図8】表示部品の表示形態の変更に関して大きさ制限機能及び重複制限機能を設けた場合に表示器で行われる処理を示すフローチャートである。
【図9】表示部品の表示形態の変更に関して重複制限機能を設けた場合に表示器で行われる処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 表示器
3 表示部
5 操作部
5a タッチパネル
6 メモリ
10 構成記憶領域
11 履歴記憶領域
12 初期データ記憶部
13 表示データ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の機器に電気的に接続されて使用される表示器であって、表示部と当該表示部に対して積層されたタッチパネルとを有し、表示部には所定の属性が付与された表示部品を表示可能であり、表示部品に対応するタッチパネルの領域を指定することにより、当該表示部品に応じた信号を発生させて、表示器自身又は他の機器の少なくともいずれか一方に所定の動作をさせる標準モードと、表示部に表示中の表示部品の表示形態を変更可能なカスタマイズモードとを含む複数の動作モードで動作可能であって、標準モードにおいて、タッチパネル上の所定の領域が指定されることにより、動作モードをカスタマイズモードに切り替えて、表示部に表示された表示部品の表示形態をタッチパネル上で変更できることを特徴とする表示器。
【請求項2】
表示部品の位置又は大きさの少なくともいずれか一方を前記カスタマイズモードで変更できることを特徴とする請求項1記載の表示器。
【請求項3】
表示部品の表示領域が重複する場合に表示形態の変更が禁止される重複防止機能、又は表示部品の大きさが所定の範囲外の場合に表示形態の変更が禁止される大きさ制限機能の少なくともいずれか一方の機能が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の表示器。
【請求項4】
前記カスタマイズモードで表示部品の表示又は非表示の選択ができることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の表示器。
【請求項5】
表示部品が指定された回数又は日時に関する履歴情報の少なくともいずれか一方を格納可能なメモリを備え、所定期間内に表示部品が指定された回数が、予め定められた回数に満たないこと、又は表示部品が指定された最終日時から所定の期間が経過することの少なくともいずれか一方の条件を満たす場合に、表示中の表示部品の表示を継続させないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の表示器。
【請求項6】
表示部品の指定に関する履歴情報を格納可能なメモリを備え、履歴情報が所定の条件を満たす場合に、表示中の表示部品の表示を継続させることの可否を選択できることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の表示器。
【請求項7】
各表示部品のうちの一又は複数は、表示形態の変更が不可能に設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の表示器。
【請求項8】
初期状態における表示部品の表示形態に関するデータを記憶する初期データ記憶部と、画面に表示させる表示部品の表示形態に関するデータを記憶する表示データ記憶部とを有するメモリを備え、表示データ記憶部のデータを初期データ記憶部のデータで置換することにより表示形態を初期状態に戻すことができることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載の表示器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−226521(P2007−226521A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46643(P2006−46643)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】