説明

表示灯

【課題】光源ユニットを本体ユニットに取着する際に光源ホルダが本体ユニットに対して傾いても、光源を点灯装置に電気的に接続でき、また、端子片が曲がることなくまたは破損することなく作業者が光源ホルダの傾きを矯正できる表示灯を提供する。
【解決手段】表示灯は、光源を備える光源ユニット3と、表示パネル21を備えた表示ユニット2とが、点灯装置を収容した箱状の本体ケース10を備えた本体ユニット1に取着される構成を有する。本体ケース10は前面に開口が開設され、光源ユニット3と表示ユニット2とで当該開口が閉塞される。光源ユニット3は、一方向に長い形状に形成され光源を収容する光源ホルダ30と、光源ホルダ30の後面における長手方向の中央に突設された端子片39aとを備える。端子片39aは、光源と電気的に接続される。本体ケース10の定位置には、端子片39aが差し込まれるソケット40が取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を備える光源ユニットと、光源からの光により照明される表示パネルを備えた表示ユニットとを、光源を点灯させる点灯装置を収容した本体ケースを備えた本体ユニットに取着する表示灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光源を備える光源ユニットと、光源からの光により照明される表示パネルを備えた表示ユニットとを、箱状の本体ケースを備えた本体ユニットに取着した表示灯が提供されている。本体ケースは、前面の略全面に亘る開口を有する。光源ユニットと表示ユニットとは、本体ケースの前面にそれぞれ取着され、光源ユニットと表示ユニットとで本体ケースの開口の全面が閉塞される。この種の表示灯は、例えば、表示パネルに誘導標識を表記して誘導灯に用いられる。
【0003】
図9に示す表示灯は、誘導灯であって、光源ユニット3が備える光源(図示せず)を点灯させる点灯装置12が本体ケース10に収容された構成を有している(例えば、特許文献1参照)。本体ケース10内の定位置には、点灯装置12と光源とを電気的に接続するための部材である一対のソケット40’がそれぞれ固定されている。
【0004】
表示ユニット2は、それぞれ矩形状に形成された表示パネル21と導光板(図示せず)とを重ね合わせてパネルケース23に取り付けた構成を有している。導光板は、厚み方向に沿う一端面である入射面に入射した光を導光し、表示パネル21との対向面である出射面の全面から略均一に光を出射する板状の部材である。
【0005】
光源ユニット3は、図の背面と下面とが開放された直方体状の光源ホルダ30を備え、この光源ホルダ30に光源(図示せず)が収容された構成を有している。光源には、直管形の冷陰極蛍光灯が用いられている。
【0006】
光源ホルダ30の後面の長手方向の両端部には、厚み方向が当該長手方向になる端子片39aがそれぞれ突設されている。各端子片39aの一方は、光源の両極の一方にそれぞれ電気的に接続されている。
【0007】
光源ユニット3が、表示ユニット2の図における上面に載置されるように本体ケース10の前面に押し付けられて本体ユニット1に取着されると、端子片39aがソケット40’に差し込まれ、光源が点灯装置12に電気的に接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−23657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、光源ユニット3を本体ユニット1に取着する際、光源ホルダ30の長手方向の両端部の一方が他方に対して前になるように光源ユニット3が本体ユニット1に対して傾くことがある。
【0010】
特許文献1に記載された表示灯(誘導灯)では、端子片39aは光源ホルダ30の長手方向の両端部にそれぞれ設けられているから、光源ホルダ30が本体ユニット1に対して傾くと、端子片39aをソケット40’に差し込むことができず、光源を点灯装置12に電気的に接続できないという問題が生じる。
【0011】
また、作業者が光源ユニット3を本体ユニット1に無理に押し付けて光源ホルダ30の傾きを矯正すると、光源ホルダ30の長手方向(すなわち、端子片39aの厚み方向)において端子片39aに大きな負荷が加わり、端子片39aが曲がったり破損したりするという問題が生じる。
【0012】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、光源ユニットを本体ユニットに取着する際に光源ホルダが本体ユニットに対して傾いたとしても、光源ユニットが備える光源と本体ユニットが備える点灯装置との電気的接続を行うことができ、また、作業者が光源ユニットの傾きを矯正する際に端子片が曲がったり破損したりする虞を低減できる表示灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明は、前面に開口が開設された箱状に形成され点灯装置を収容する本体ケースを備える本体ユニットと、板状に形成され前後方向に沿う一端面である入射面に入射した光を前面である出射面から出射する導光板および導光板の前面側に配置された表示パネルを備え本体ケースの開口の一部を閉塞する表示ユニットと、点灯装置により点灯される光源を収容し表示ユニットに当接するように導光板の入射面側に配置される光源ホルダを備え本体ケースの開口の残りの部分を閉塞する光源ユニットとを有し、本体ユニットは、それぞれ点灯装置に電気的に接続されるとともに本体ケースに取り付けられる複数個のコンタクトを備え、光源ユニットは、光源ホルダの後面から突出し本体ケース内に差し込まれてコンタクトに接触する端子片を備え、端子片は、光源にそれぞれ電気的に接続され各コンタクトの1つにそれぞれ接触する複数個の電極を備えるとともに、光源ホルダの後面における表示ユニットとの境界線に沿う方向である基準方向の中間の1箇所に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記本体ユニットは、前記コンタクトを収容し前記本体ケースに取り付けられるハウジングを備え、コンタクトとハウジングの壁との間と、ハウジングと本体ケースとの間との一方には、コンタクトを本体ケースに対して少なくとも前記基準方向に移動自在にする隙間が設けられることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記コンタクトは、板ばねから成り、前記基準方向に弾性を有するように前記ハウジングに一端が支持された弾性片と、弾性片の他端に結合され前記端子片が接触する接触片とを備え、前記隙間は、弾性片とハウジングの壁との間に設けられ、隙間の分だけコンタクトが基準方向に移動可能であることを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明では、請求項2の発明において、前記本体ケースは、側壁の内側面に結合し前記ハウジングが内側に配置される取付枠を備え、前記隙間は、ハウジングと取付枠との間に設けられ、隙間の分だけハウジングが基準方向に移動可能であることを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記光源ユニットは、前記端子片が取り付けられ前記ハウジングと前後方向に突き合わされる箱状の取付台を備え、ハウジングは、それぞれ前方に突出し取付台の後端部が間に挿入される一対の嵌合突起の一方を前記基準方向の両端部の一方にそれぞれ備え、一対の嵌合突起の互いに対向する各面が取付台にそれぞれ当接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明では、光源ホルダの後面における表示ユニットとの境界線に沿う方向である基準方向の中間の1箇所に設けられているから、光源ユニットを本体ユニットに取着する際に光源ホルダにおける基準方向の両端部の一方が他方に対して前になる形で光源ユニットが本体ユニットに対して傾いていても、端子片はコンタクトに接触でき、また、作業者が端子片を中心に光源ホルダの当該両端部の一方を前または後に動かすことにより端子片に大きな負荷を加えることなく光源ユニットの傾きを矯正でき、その結果、光源ユニットを本体ユニットに取着する際に光源ホルダが本体ユニットに対して傾いたとしても、光源と点灯装置とを電気的に接続でき、また、作業者が光源ユニットの傾きを矯正する際に端子片が曲がったり破損したりする虞を低減できるという利点がある。
【0019】
請求項2に記載の発明では、コンタクトとハウジングの壁との間と、ハウジングと本体ケースとの間との一方に隙間が設けられ、コンタクトが少なくとも基準方向に移動できるから、コンタクトが基準方向に移動することにより作業者が光源ホルダの傾きを矯正する際に端子片に加わる負荷が低減し、その結果、光源ユニットの傾きを矯正する際に端子片が曲がったり破損したりする虞を請求項1よりもさらに低減できるという利点がある。
【0020】
請求項3に記載の発明では、端子片が接触する接触片に結合した弾性片は、基準方向に弾性を有し、ハウジングの壁との間に隙間が設けられて隙間の分だけ移動できるから、弾性片が移動することにより作業者が光源ホルダの傾きを矯正する際の端子片に加わる負荷が低減し、また、光源ユニットを本体ユニットに取着する際にコンタクトが左右方向に移動していても、光源ユニットを本体ユニットから取り外すと弾性片の弾性によりコンタクトが定位置に復帰し、その結果、光源ユニットを本体ユニットに取着する前は、コンタクトが常に定位置にあるという利点がある。
【0021】
請求項4に記載の発明では、ハウジングは、取付枠との間の隙間の分だけ移動できるから、ハウジングが移動することによりコンタクトが移動して作業者が光源ホルダの傾きを矯正する際の端子片に加わる負荷が低減し、また、コンタクトをハウジングに固定した構成を採用することができるという利点がある。
【0022】
請求項5に記載の発明では、一対の嵌合突起の互いに対向する各面が取付台にそれぞれ当接するから、嵌合突起により基準方向における端子片とコンタクトとの位置決めができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1の光源ユニットを外した状態の斜視図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上の光源ユニットの背面側の斜視図である。
【図4】同上の取付台とソケットの斜視図である
【図5】同上のコンタクトの斜視図である。
【図6】同上のソケットの断面図である。
【図7】本体ケースの要部を示す正面図である。
【図8】実施形態3のハウジングの断面図である。
【図9】従来例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、本発明の表示灯を誘導灯に用いた例を説明する。本実施形態は、図2に示すように、薄箱状に形成され厚み方向の一面である前面の略全面に亘る開口を有する本体ケース10を備えた本体ユニット1と、光源31を備えた光源ユニット3と、光源31からの光により照明される表示パネル21を備えた表示ユニット2とにより構成される。表示ユニット2と光源ユニット3とは本体ユニット1の開口に覆着され、表示ユニット2と光源ユニット3とにより当該開口の全面が閉塞される。
【0025】
本体ケース10は、合成樹脂成形品であり、図2における上面を天井面に当接させて天井に取り付けられるか、または、後面を壁面に当接させて壁に取り付けられる。以下では、図2における上下方向を上下方向に規定し、図2における左上を左、右下を右に規定して説明する。ただし、これらの方向は、誘導灯の取付方向を制限するものではない。
【0026】
本体ユニット1は、本体ケース10に収容される金属製の取付板11を有する。取付板11は、例えば、ねじを用いて本体ケース10に取り付けられる。取付板11には、商用電源から給電され光源31を点灯させる点灯装置12と、商用電源の停電時に光源31を点灯させるための電力を確保する2次電池13と、商用電源からの給電線(図示せず)と点灯装置12と2次電池13とを相互に接続する端子台14とが取り付けられる。点灯装置12と2次電池13と端子台14とは、例えば、ねじを用いて取付板11に取り付けられる。
【0027】
給電線は、本体ケース10の上壁と後壁とに貫設した通線孔10aの一方を通して本体ケース10内に引き込まれ、さらに、取付板11の上壁と後壁とに貫設した導入孔11aの一方を通して本体ユニット1に引き込まれる。
【0028】
本体ケース10の左右両側壁には、表示ユニット2を本体ケース10に取り付けるための係合片10bが、それぞれ複数個(図示例では2個)ずつ突設される。各係合片10bは、各側壁の内側面において上下に離間している。
【0029】
また、本体ケース10の上端部の左右方向の中央には、点灯装置12に電気的に接続されたソケット40が取り付けられる。ソケット40については、後述する。
【0030】
さらに、本体ケース10の上壁の左右両端部には、図1に示すように、光源ユニット3を本体ユニット1に取着するためのガイド溝10cが形成される。ガイド溝10cは、前面と下面とが開放されるとともに、左右方向に互いに対向する一対の周面と、各周面にそれぞれ直交する内底面(上面)とを備え、前面方形状に形成される。ガイド溝10cの当該内底面には、嵌合孔10dが開設される。嵌合孔10dは、本体ケース10の上壁を貫通する。
【0031】
表示ユニット2は、図2に示すように、それぞれ矩形板状に形成された表示パネル21と導光板22とを前後に重ね合わせ、表示パネル21と導光板22との積層体の周部をパネルケース23で囲んだ構成を有する。パネルケース23は、導光板22の上面である入射面を露出させるように上方に開放されたコ字状に形成されている。表示パネル21は、透光性の合成樹脂材料を用いて形成された成形品であり、文字や図形が表記される(誘導灯では誘導標識が表記される)。
【0032】
導光板22は、透明合成樹脂を用いて形成され、入射面から導入した光を前面である出射面と後面である光反射面との間で内部反射を繰り返させることにより導光する。また、導光板22は、導光する間に一部の光を出射面から漏光させることにより、出射面の全面から光束を均一に出射させる機能を有する。したがって、導光板22に積層された表示パネル21が均一な輝度を照明することができる。
【0033】
導光板22の原理は周知であるから詳述しないが、導光板22には、出射面から光を出射させるために、左右方向に沿う断面V字状の溝を光反射面に形成し、溝の壁面で光を反射させる構成、あるいは多数個のドットパターンを光反射面に印刷し、ドットパターンで光を拡散反射させる構成が用いられる。これらの構成を採用することで、導光板22の内部で導光される光の一部は、臨界角よりも小さい入射角で出射面に入射し、出射面から出射する。導光板22の光反射面側には、光反射面から漏光する光を反射する反射シート(図示せず)が配置される。
【0034】
ところで、パネルケース23の左右両側面には、本体ケース10に設けた係合片10bと互いに前後に重なる取付片23aが、各側面に複数個(図示例では2個)ずつ突設される。
【0035】
本体ケース10に表示ユニット2を取り付けるにあたっては、本体ケース10の係合片10bよりも取付片23aが上方に位置するように本体ケース10の前面に表示ユニット2を重ね合わせ、その後、表示ユニット2を落とし込むことにより、係合片10bの後側に取付片23aを重複させる。係合片10bは、本体ケース10の開口面よりもやや後方に設けられ、表示ユニット2を落とし込んだときに、表示ユニット2の下端が本体ケース10の下壁の上面に載るようにしてある。したがって、表示ユニット2は、下向き荷重が本体ユニット1に支持され、本体ユニット1の開口面のうち上部を除く部位を閉塞する形で本体ユニット1に取着される。
【0036】
光源ユニット3は、下面と後面とが開放された左右方向に長い直方体状に形成された光源ホルダ30を備える。光源ホルダ30は、合成樹脂成形品であり、上壁の後面の左右両端部には、本体ケース10に設けたガイド溝10cに挿入されるガイド突起30aと、本体ケース10内に挿入されて本体ケース10の左右の側壁に当接する位置ずれ防止突起30cとがそれぞれ突設される。
【0037】
ガイド突起30aは、厚み方向が上下方向になる板状に形成され、先端部には、ガイド溝10cに設けた嵌合孔10dに嵌まる嵌合凸部30bが突設される。また、ガイド突起30aの幅寸法(左右方向の寸法)は、ガイド溝10cの幅寸法(左右方向の一対の周面間の距離)と略同一寸法に設定され、ガイド突起30aがガイド溝10cに差し込まれると、ガイド突起30aの左右方向の側面の一方がガイド溝10cの左右方向の周面の一方にそれぞれ当接する。つまり、ガイド突起30aがガイド溝10cに差し込まれると、光源ホルダ30の左右方向の移動が規制される。
【0038】
光源ユニット3は、表示ユニット2を本体ユニット1に取着した後、ガイド突起30aが本体ケース10に設けたガイド溝10cに差し込まれるように位置が合わされ、本体ユニット1の前面に押し付けられて表示ユニット2の上面に載置される。ガイド突起30aがガイド溝10cに差し込まれると、ガイド突起30aの先端に設けた嵌合凸部30bがガイド溝10cの内底面に摺接してガイド突起30aが撓み、嵌合凸部30bがガイド溝10cの内底面に開設した嵌合孔10dに嵌まる。光源ユニット3は、表示ユニット2の上面に載置されることで下向き荷重が表示ユニット2に支持され、上述したようにガイド突起30aがガイド溝10cに差し込まれることで左右方向の移動が規制され、嵌合凸部30bが嵌合孔10dに嵌まることにより前後方向の移動が規制され、本体ユニット1に取着された状態になる。
【0039】
また、光源ユニット3を本体ユニット1に取着する際に、位置ずれ防止突起30cが本体ケース10への取付位置の目安として本体ケース10内に挿入され、位置ずれ防止突起30cにより、光源ユニット3を本体ユニット1に取り付ける際の作業性が向上する。
【0040】
光源ホルダ30には、上述の光源31がそれぞれ実装された左右一対の基板34と、各光源31から放射された光を導光板22の入射面に導く左右一対の導光部材33と、基板34および導光部材33を一体化する収納ケース32とが収容される。光源31には、例えば、発光ダイオードが用いられる。
【0041】
収納ケース32は、光源ホルダ30の長手方向に長い箱状に形成され、左右両側面と下面とが開放されるとともに、光源ホルダ30内の定位置に固定される。各基板34は、収納ケース32の左右両端部にそれぞれ結合される取付部材35と、基板34と取付部材35との間に介装される保持部材36とを用いて収納ケース32の左右両端部にそれぞれ固定される。
【0042】
導光部材33は、透明合成樹脂により楔状に形成され、左右方向の一端には、左右方向に直交する光導入面33aが設けられるとともに、上面は、左右方向において光導入面33aから離れるほど下面である光導出面に近付くように傾斜した傾斜面になっている。傾斜面には、導光板22の光反射面と同様に断面V字状の溝あるいは拡散反射性のドットパターンが形成される。
【0043】
各導光部材33は、光導入面33aが光源31に対向する形で収納ケース32の左右両部にそれぞれ収納されるとともに、収納ケース32内で定位置に固定され、光源31からの光が光導入面33aに入射する。導光部材33は、光導入面33aから導入された光を導光し、光導出面の全面に亘って出射させる。なお、収納ケース32の上壁内側面は反射面とするのが望ましい。
【0044】
ところで、光源ホルダ30には、上述した光源31および導光部材33に加えて、導光部材33の光導出面に対向して配置される光拡散シート37と、光拡散シート37を挟んで導光部材33の反対側に配置される透明材料により形成された漏光防止部材38とが収納されている。導光部材33の光導出面から出射した光は、光拡散シート37で拡散され、漏光防止部材38を通して光源ユニット3から出射される。光拡散シート37は、導光部材33から出射された光を拡散させて左右方向において光束を均一化する機能を有する。また、漏光防止部材38は、光拡散シート37を通った光が発散せずに漏光防止部材38の下面から出射されるように光の出射範囲を制限する機能を有する。
【0045】
また、光源ホルダ30には、図3に示すように、本体ケース10に取り付けられたソケット40(図2参照)にそれぞれ差し込まれる上下一対の端子片39aが取り付けられる取付台39が収容される。取付台39は、前面方形状の箱状に形成され、光源ホルダ30の長手方向(左右方向)の中央において、後面が光源ホルダ30の上壁の後面と面一になるように、収納ケース32の上面と光源ホルダ30の上壁の内側面(下面)とに挟まれる形で定位置に固定される。すなわち、端子片39aは、光源ホルダ30の後面における表示ユニット2との境界線に沿う方向である基準方向(すなわち、左右方向)の中間の1箇所(中央)に設けられる。
【0046】
各端子片39aは、導電性の板状の金属材料から成り、厚み方向が左右方向になるように取付台39の後壁を貫通した形で取付台に取り付けられる。取付台39は、上述したように後面が光源ホルダ30の上壁の後面と面一になるように本体ケース10に取り付けられるから、端子片39aは、光源ホルダ30の上壁の後面よりも後方に突出する。
【0047】
各端子片39aは、リード線61を介して各光源31とそれぞれ電気的に接続される。リード線61は、一端が端子片39aに接続され、他端が基板34に直接半田付けされる。なお、基板34に基板側コネクタを実装し、リード線61の他端に、基板側コネクタに接続するリード線側コネクタを結合して、リード線61と基板34とを接続することもできる。取付台39の周壁には、リード線61を通す通線孔(図示せず)が貫設される。
【0048】
本実施形態では、上述のように端子片39aを導電性の金属材料で形成し、端子片39a自体を電極としている。ただし、これに限るものではなく、例えば、導体パターンにより上下一対の電極を形成したプリント印刷基板を端子片として用いることもできる。
【0049】
端子片39aが差し込まれるソケット40は、図4に示すように、板ばねからなる上下一対のコンタクト50と、コンタクト50を収容するハウジング41とを備える。
【0050】
コンタクト50は、図5に示すように、厚み方向(左右方向)に互いに対向する左右一対の弾性片52を備える。一対の弾性片52の後端部の図における上端同士は、結合片54により結合される。一対の弾性片52の間には、左右方向に互いに対向する一対の接触片51が配置される。一対の接触片51は、後端部が互いに近接し、前端は一方の弾性片52の前端に結合する。端子片39aは、一対の接触片51の後端部間に差し込まれて挟持される。
【0051】
また、一方の弾性片52の後端からは、点灯装置12とコンタクト50とを電気的に接続するためのリード線62(図6参照)が接続される接続片53に結合する連結片55が延設される。連結片55は、一方の弾性片52の後端から他方の弾性片52に向かって、一対の弾性片52の中間まで延設され、先端に接続片53が結合する。接続片53は、厚み方向が左右方向になる板状に且つ前後方向に長い形状に形成され、後端部にリード線62が結合される。
【0052】
一方、ハウジング41は、図4に示すように、前面方形状の箱状に形成され、光源ホルダ30に設けられた上下一対の端子片39aの一方がそれぞれ差し込まれる上下一対の差込口41aが前面に開設される。つまり、ハウジング41は、左右の両側壁を上下方向の中央で結合する仕切板42により内部空間が上下に仕切られた形状を有し、仕切板42の上下両側にコンタクト50がそれぞれ配置される。コンタクト50をハウジング41内に配置するため、例えば、ハウジング41の上壁と下壁とは、着脱自在に形成される。ハウジング41の周壁には、リード線62を通すための線通孔(図示せず)が貫設される。
【0053】
仕切板42の上下両面には、図6に示すように、厚み方向を前後方向としコンタクト50の接続片53が差し込まれるスリット42aが設けられたリブ42bと、四角柱状の回転軸42cとがそれぞれ突設される。回転軸42cは、リブ42bの前方における左右方向の中央部に設けられ、左右方向の寸法がコンタクト50の弾性片52の後端部間の寸法よりも僅かに小さく設定され、弾性片52の後端部間に挿入される。すなわち、コンタクト50がハウジング41内に配置されると、コンタクト50の連結片55は、リブ42bと回転軸42cとの間になる。
【0054】
コンタクト50は、連結片55が回転軸42cの後面に当接することで前方(図における左方)への移動が規制され、連結片55がリブ42bの前面に当接することで後方(図における右方)への移動が規制される。
【0055】
また、一対の弾性片52の後端部は、結合片54で結合されるとともに、回転軸42cが間に挿入されるから、弾性片52の後端部は左右方向において回転軸42cに支持される。したがって、弾性部52は、左右方向に弾性を有する。ここに、弾性片52とハウジング41の左右の側壁との間に隙間ができるように、ハウジング41の左右方向の側壁の内側面間の寸法が設定される。したがって、弾性片52は当該隙間の分だけ撓むことができ、弾性変52が撓むことで弾性片52の前部および接触片51が左右方向に移動することができる。つまり、コンタクト50の前部(弾性片52の前部と接触片51)は、回転軸43cを中心に回転するように変位する。
【0056】
一方、図7に示すように、本体ケース10の上壁の内側面の左右方向の中央部には、ソケット40が間に配置される左右一対の支持片71が突設される。支持片71の前後方向の寸法は、ハウジング41の前後方向の寸法よりも小さく設定され、ハウジング41の左右の両側面の後端部は露出する。
【0057】
各支持片71の先端部(図における下端部)には、互いに近づく向きに支持凸部72がそれぞれ突設され、支持凸部72の上面がハウジング41の下面に当接することにより、ハウジング41の下向き荷重が支持凸部72に支持され、本体ケース10に取り付けられる。すなわち、支持片71と支持凸部72とでソケット40を本体ケース10に取り付けるための取付枠が形成される。
【0058】
一対の支持片71における互いに対向する側面同士の距離L1は、ハウジング41の左右方向の寸法L2と同一寸法、または、ハウジング41の寸法誤差の上限の分だけ大きく設定される。また、支持凸部72の上面と本体ケース10の上壁の内側面との間の距離L3は、ハウジング41の上下方向の寸法L4と略同一寸法、または、ハウジング41の寸法誤差の上限の分だけ大きく設定される。ハウジング41は、支持片71と支持凸部72とにより、上下左右方向の移動が規制される。
【0059】
また、各支持片71の前端部には、互いに近づく向きに規制片73が突設される(図8参照)。規制片73は、前面が本体ケース10の開口面と面一になるように設けられる。ハウジング41は、前面が規制片73に当接し後面が本体ケース10の内底面に当接し、前後方向の移動が規制される。すなわち、ハウジング41は、支持片71と支持凸部72と規制片73とで本体ケース10に固定される。なお、本体ケース10に支持片71、支持凸部72、規制片73を設ける代わりに、ハウジング41を本体ケース10に連続一体に形成することもできる。また、ねじを用いてハウジング41を本体ケース10に固定することもできる。
【0060】
光源ユニット3を本体ユニット1に取着するにあたり、ガイド突起30aをガイド溝10cの位置に合わせることにより、端子片39aはソケット40に位置が合わされる。また、上述したように、規制片73は、前面が本体ケース10の開口面と面一になるように設けられ、ハウジング41は前面が規制片73に当接し、端子片39aは光源ホルダ30の後面から後方に突出するから、光源ユニット3を本体ユニット1に取着すると、端子片39aはソケット40に差し込まれ、端子片39aがコンタクト50に接触して光源31が点灯装置12に電気的に接続する。
【0061】
ところで、光源ユニット3を本体ユニット1に取着する際、光源ホルダ30の左右方向の両端部の一方が他方に対して前になる形で光源ホルダ30が本体ユニット1に対して傾き、光源ホルダ30が傾いた状態で端子片39aがソケット40に差し込まれることがある。本実施形態では、上述したように、端子片39a(図3参照)は、基準方向(左右方向)の中間の1箇所(中央)に設けられているから、光源ユニット3を本体ユニット1に取着する際に光源ホルダ30が本体ユニット1に対して傾いても、端子片39aをソケット40に差し込むことができ、また、作業者が、端子片39aを中心にして光源ホルダ30の長手方向の両端部の一方を前に、他方を後に移動させることで端子片39aに大きな負荷を加えることなく光源ホルダ30の傾きを矯正できる。その結果、光源ユニット3を本体ユニット1に取着する際に光源ホルダ30が本体ユニット1に対して傾いても、光源31は点灯装置12に電気的に接続し、また、作業者が光源ホルダ30の傾きを矯正する際に端子片39aが曲がったり破損したりする虞が低減する。
【0062】
さらに、コンタクト50(図6参照)の弾性片52は、上述したように左右方向に移動できるから、光源ホルダ30が本体ユニット1に対して傾いた状態で端子片39aがコンタクト50に差し込まれたとしても、コンタクト50が左右方向に移動することにより端子片39aの厚み方向(左右方向)に加わる負荷を低減でき、また、コンタクト50の弾性片52が左右方向に移動することで、光源ホルダ30の傾きを矯正する際の端子片39aに加わる負荷を低減でき、端子片39aが曲がったり破損したりする虞をさらに低減することができる。なお、光源ホルダ30の傾きが矯正されると、光源ホルダ30に設けたガイド突起30aと本体ケース10の上壁に設けたガイド溝10cとの嵌合により、端子片39aは左右方向におけるハウジング41の中央に位置が合わされ、コンタクト50の接触片51が当該中央の位置に復帰する。
【0063】
また、上述のようにコンタクト50の弾性片52の後端部が回転軸42cに支持されているから、光源ユニット3を本体ユニット2から取り外す際にコンタクト50が左右に移動しても、接触片51は、弾性片52の弾性により左右方向におけるハウジング41の中央に復帰する。
(実施形態2)
実施形態1では、コンタクト50の弾性片52が左右方向に移動できる構成を説明したが、本実施形態では、ハウジング41が本体ケース10に対して上下左右に移動できる構成を説明する。
【0064】
図7に示した支持片71間の距離L1は、ハウジング41の左右方向の寸法L2よりも大きく設定され、ハウジング41と支持片71との間には、隙間が設けられる。また、支持片71に設けられた支持凸部72の上面と本体ケース10の上壁の内側面との間の距離L3は、ハウジング41の上下方向の寸法L4よりも大きく設定され、ハウジング41と本体ケース10の上壁との間には、隙間が設けられる。したがって、ハウジング41は、隙間の分だけ上下左右に移動することができる。
【0065】
ハウジング41が上下左右に移動することができるから、実施形態1の場合と同様に、光源ホルダ30の傾きを矯正する際に端子片39aに加わる負荷を低減することができる。
【0066】
また、ハウジング41が上下左右に移動することでコンタクト50が移動するから、コンタクト50がハウジング41内に固定された構成のソケットを使用することができる。
【0067】
その他の構成は、実施形態1の構成と同様である。
(実施形態3)
本実施形態では、実施形態1において、ハウジング41の前面の左右方向(図における上下方向)の両端部に図8に示す嵌合突起43がそれぞれ突設され、端子片39が取り付けられた取付台39の後端部が一対の嵌合突起43の間に挿入される構成を説明する。
【0068】
ハウジング41は、嵌合突起43の先端が支持片71に設けられた規制片73に当接し後面が本体ケース10の内底面に当接するように配置される。すなわち、ソケット40は、前後方向(図における左右方向)の移動が規制される。
【0069】
各嵌合突起43は、左右方向(図における上下方向)に互いに対向する一対の案内面43aの一方をそれぞれ備える。案内面43aは、後方に向かうに従い嵌合突起43の左右方向(図における上下方向)の幅寸法が大きくなるように傾斜する。
【0070】
一方、取付台39は、後端部における左右方向(図における上下方向)の各端部に、嵌合突起43の案内面43aに当接する左右一対の当接面39bの一方をそれぞれ備える。また、取付台39は、ハウジング41に設けた嵌合突起43の突出寸法だけ光源ホルダ30の後面よりも後方に突出するように、光源ホルダ30に取り付けられる。したがって、光源ユニット3が本体ユニット1に取着されると、一対の嵌合突起43間に取付台39の後端部が挿入されることになる。
【0071】
嵌合突起43は、光源ユニット3が本体ユニット1に取着される際、当接面39bが案内面43aに当接することで、左右方向におけるハウジング41の中央に端子片39aを案内する。つまり、光源ユニット3が本体ユニット1に取着された後は、光源ホルダ30に設けたガイド突起30aと本体ケース10に設けたガイド溝10cとの嵌合に加え、取付台39の当接面39bと嵌合突起43の案内面43aとが当接することによっても、端子片39は左右方向におけるハウジング41の中央に位置することになる。
【0072】
本実施形態では、嵌合突起43の先端が規制片73に当接してハウジング41の挿入口41aが嵌合突起43の突出寸法だけ本体ケース10の開口面よりも後方になり、嵌合突起43の突出寸法だけ光源ホルダ30の後面よりも取付台39の後端部を後方に突出させて取付台39の後端部を一対の嵌合突起43間に挿入する構成を例示した。ただし、これに限るものではなく、取付台39とハウジング41とは、取付台39の後端部が一対の嵌合突起43間に挿入する位置関係であればよい。例えば、嵌合突起43の先端が本体ケース10の開口面よりも前方になり、取付台39の後面が光源ホルダ30の上壁の後面と面一になる位置関係で取付台39とソケット40とを配置し、取付台39の後端部が一対の嵌合突起43間に挿入する構成であってもよい。
【0073】
その他の構成は、実施形態1の構成と同様である。
【符号の説明】
【0074】
1 本体ユニット
2 表示ユニット
3 光源ユニット
10 本体ケース
21 表示パネル
22 導光板
30 光源ホルダ
31 光源
39 取付台
39a 端子片
40 ソケット
41 ハウジング
43 嵌合突起
50 コンタクト
51 接触片
52 弾性片
71 支持片(取付枠)
72 支持凸部(取付枠)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口が開設された箱状に形成され点灯装置を収容する本体ケースを備える本体ユニットと、板状に形成され前後方向に沿う一端面である入射面に入射した光を前面である出射面から出射する導光板および導光板の前面側に配置された表示パネルを備え本体ケースの開口の一部を閉塞する表示ユニットと、点灯装置により点灯される光源を収容し表示ユニットに当接するように導光板の入射面側に配置される光源ホルダを備え本体ケースの開口の残りの部分を閉塞する光源ユニットとを有し、本体ユニットは、それぞれ点灯装置に電気的に接続されるとともに本体ケースに取り付けられる複数個のコンタクトを備え、光源ユニットは、光源ホルダの後面から突出し本体ケース内に差し込まれてコンタクトに接触する端子片を備え、端子片は、光源にそれぞれ電気的に接続され各コンタクトの1つにそれぞれ接触する複数個の電極を備えるとともに、光源ホルダの後面における表示ユニットとの境界線に沿う方向である基準方向の中間の1箇所に設けられていることを特徴とする表示灯。
【請求項2】
前記本体ユニットは、前記コンタクトを収容し前記本体ケースに取り付けられるハウジングを備え、コンタクトとハウジングの壁との間と、ハウジングと本体ケースとの間との一方には、コンタクトを本体ケースに対して少なくとも前記基準方向に移動自在にする隙間が設けられることを特徴とする請求項1に記載の表示灯。
【請求項3】
前記コンタクトは、板ばねから成り、前記基準方向に弾性を有するように前記ハウジングに一端が支持された弾性片と、弾性片の他端に結合され前記端子片が接触する接触片とを備え、前記隙間は、弾性片とハウジングの壁との間に設けられ、隙間の分だけコンタクトが基準方向に移動可能であることを特徴とする請求項2記載の表示灯。
【請求項4】
前記本体ケースは、側壁の内側面に結合し前記ハウジングが内側に配置される取付枠を備え、前記隙間は、ハウジングと取付枠との間に設けられ、隙間の分だけハウジングが基準方向に移動可能であることを特徴とする請求項2記載の表示灯。
【請求項5】
前記光源ユニットは、前記端子片が取り付けられ前記ハウジングと前後方向に突き合わされる箱状の取付台を備え、ハウジングは、それぞれ前方に突出し取付台の後端部が間に挿入される一対の嵌合突起の一方を前記基準方向の両端部の一方にそれぞれ備え、一対の嵌合突起の互いに対向する各面が取付台にそれぞれ当接することを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の表示灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−8035(P2011−8035A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151637(P2009−151637)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】