説明

表示用パネル

【課題】屋内のみならず、屋外などのさまざまな場所に設置が可能な表示用パネルであり、表示用パネルに設置する表示媒体が容易に交換できる表示用パネルを提供する。また、屋外に設置しても、雨水等が侵入しにくく、不測に侵入した場合でも、良好に水分を排出できる表示用パネルを提供する。
【解決手段】発光表示部30、発光表示部30の収納本体50、収納空間61を介して配置された保護板60、収納本体50の外周縁51のうち下側の外周縁51dに開口した開口部52と、を有して表示用パネル10を構成する。また、開口部52以外の、他の外周縁51a、51b、51cを、封止部材70で水密に封止し、開口部52に、水抜き部72を設けた蓋体71を装着している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示用パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主に屋内の平坦面に設置する表示用パネルとして、フレームの多数の箇所を取り外し、開口部から収納本体の内部に写真や広告などの表示媒体(以下、「メディア」、「表示情報」などともよぶことがある)を挿入し、取り外したフレームで再度開口部を閉止して被設置部に設置するものが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。また、LEDなどの光源を利用し、表示情報を表示する照明装置を備えた表示用パネルも開示されている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−136192号公報
【特許文献2】特開2009−32664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年では、屋内のみならず、屋外などのさまざまな場所に設置が可能な表示用パネルが望まれている。その場合に表示用パネルに設置する表示媒体が容易に交換できるものが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の表示用パネルは、発光表示部により各種表示情報を表示する表示面および収納空間を有する収納本体と、収納本体の外周縁の一辺のみを開口した開口部と、を有する。
【0006】
従って、本発明の表示用パネルでは、収納本体の開口部を下側にして屋内や屋外に設置した際に、開口されている部分により、表示用パネルに設置する表示媒体が容易に交換できる。また、一辺のみ開口しているので、それ以外の外周縁は封止されているため、屋外または屋内のいずれに設置しても、封止されている部分により、収納本体の内部に雨水等の侵入を防ぐことができ、収納本体の内部への水分の不測の侵入や収納本体の内外の温度差による結露により生じた水滴などを、開口部から外部に排出することができ、使用性に優れる表示用パネルを得ることができる。
【0007】
表示面が、表示方向に凸状または凹状に湾曲し、湾曲する収納空間を有するとともに、表示面に対して、収納空間を介して配置される背面が、表示面と同一方向に凸状または凹状に湾曲しているものであってもよい。
【0008】
また、上述のような表示用パネルにおいて、収納本体の表示面は、前記収納本体の表面に表示面の形状に対応した保護板を配置して形成したものであってもよい。
【0009】
また、上述のような表示用パネルにおいて、収納本体は、開口部を閉止する蓋体を、さらに備えたものであってもよい。
【0010】
上述のような表示用パネルにおいて、蓋体は、収納本体の内部の水分を排出する水抜き部を備えたものであってもよい。
【0011】
また、上述のような表示用パネルにおいて、当該水抜き部の開口径よりも目開きが小さい網状体が設けられているものであってもよい。
【0012】
また、上述のような表示用パネルにおいて収納本体は、収納空間の内部に、表示情報を表示するための発光表示部の全部または一部を収納可能とし、開口部から、発光表示部の全部または一部を挿入するかまたは抜き取るものであってもよい。
【0013】
また、上述のような表示用パネルにおいて収納本体は、表示面が湾曲する方向の両側の直線距離が、一方の側部から当該収納本体の表示面の内面までの最大対角線より短いものであってもよい。
【0014】
また、上述のような表示用パネルにおいて、発光表示部は、光源と、光源から射出された光を端面から入射させ、この端面から入射した光を表示面が配置された方向に直角に射出する導光板と、導光板から射出した光を、拡散して表示面に照射する拡散板と、を有するものであってもよい。
【0015】
また、上述のような表示用パネルにおいて、発光表示部は、光源を収納する光源収納部を、さらに有し、光源を収納した光源収納部の、導光板とは反対側の底部の軸方向に少なくとも1個配置された付勢手段により、光源が導光板に押しつける方向に付勢されているものであってもよい。
【0016】
また、上述のような表示用パネルにおいて、収納本体は、発光表示部の全部または一部を収納空間に挿入または抜き取る際に、当該挿入方向または抜き取り方向に発光表示部を案内するためのガイド部を、湾曲する方向の両側の少なくとも一方に備えたものであってもよい。
【0017】
また、上述のような表示用パネルにおいて、ガイド部は、所定間隙を有する壁面を一対有し、一方の壁面を発光表示部の拡散板の表面に当接し、他方の壁面を表示面の裏面に当接することで、拡散板と表示面との間に、発光表示部の一部を収納するための収納空間を形成したものであってもよい。
【0018】
また、上述のような表示用パネルにおいて、発光表示部は、各種表示情報を表示する表示媒体を、さらに有し、表示媒体を、開口部を介して収納本体の収納空間の内部に挿入または抜き取るものであってもよい。
【0019】
また、上述のような表示用パネルにおいて、表示媒体は、湾曲可能な基板に貼着部材により貼着され、当該表示媒体が貼着された基板を、開口部を介して収納本体の収納空間の内部に挿入または抜き取るものであってもよい。
【0020】
また、上述のような表示用パネルにおいて、収納本体の底部に、発光表示部の全部または一部の挿入時は当該挿入を妨げない位置に配置され、発光表示部の挿入後は、当該発光表示部の下端に対して交差する方向に配置され、当該下端を支持する支持部材を少なくとも1個設けたものであってもよい。
【0021】
また、上述のような表示用パネルにおいて、表示面は、開口部を設けた側の少なくとも一部を欠いて、切欠き部を設けたものであってもよい。
【0022】
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、屋内のみならず、屋外などのさまざまな場所に設置が可能な表示用パネルを提供することができる。その場合に表示用パネルに設置する表示媒体が、容易に交換できる表示用パネルを提供することができる。また、一辺のみ開口した部分を下側にして設置することで、屋内のみならず、屋外などの雨水の影響の有無を問わず使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一実施形態の表示用パネルを開口部側から見た模式的な平面図である。
【図2】第一実施形態にかかる表示用パネルの主要部分の一部拡大平面図である。
【図3】第一実施形態にかかる表示用パネルの光源と付勢手段との関係を模式的に示した斜視図である。
【図4】第一実施形態にかかる表示用パネルの一使用例であって、表示情報を表示した基板を開口部から挿入している状態を示す模式図である。
【図5】第一実施形態にかかる表示用パネルの一使用例であって、基板を挿入し、蓋体を装着した状態を示す模式図である。
【図6】本発明の第二実施形態の表示用パネルを開口部側から見た模式的な平面図である。
【図7】本発明の第三実施形態の表示用パネルであって、保護板の開口部側に切欠き部を設けた状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について、図1ないし図5を参照して以下に説明する。なお、本実施の形態および以降の実施形態では、図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものである。従って、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
【0026】
<表示用パネルの構成>
以下、本実施の形態の表示用パネル10の主要な構成を説明する。本実施形態の表示用パネル10は、図1に示すように、表示方向に凸状に湾曲し各種表示情報を表示する表示面としての保護板60および湾曲した収納空間61を有する収納本体50と、収納本体50の外周縁51の一辺に開口した開口部52と、を有して構成されている。そして、収納本体50は、開口部52以外の外周縁51は水密に封止されている。さらに、表示面としての保護板60に対して、収納空間61を介して配置される背面62も、保護板60と同一方向に凸状(背面側から見れば凹状となる)に突出している。そのため、平面的な壁面等には勿論、背面62と同一方向に凸状に湾曲している電柱や駅構内等の曲面を有する被設置部20の外周に沿って設置することもできる。なお、本実施例では、図2に示すように、収納本体50の裏面に発光表示部30を配置して、その背面側の反射板35aを収納空間61の背面62としている。
【0027】
本実施形態の表示用パネル10の各構成部品について、以下に詳細に述べる。図1、図4または図5に示すように、本実施形態では、表示用パネル10は、長尺な半円筒状であり長手方向を上下にして配置する。そして短手側が湾曲して曲面を有する表示面(保護板60)を構成している。この場合、収納本体50の左側と右側(長手側)に直線状の外周縁51(左側を51a、右側を51bとする)を有し、上側と下側(短手側)に半円状の外周縁51(上側を51c、下側を51dとする)を有している。そして、開口部52は、表示用パネル10を配置した際に下側となる外周縁51dに形成されている。他の三方の外周縁51a、51b、51cは、図4に示すように、後述する封止部材70で水密に封止されている。なお、開口部52も、蓋体71により、水密に閉止されているが、収納本体50の内部の水分等を排出可能な水抜き部72を有している。詳細は後述する。なお、本実施形態では、このように外周縁51の左側と右側とが長尺な直線状で、上側と下側とが湾曲した曲面を有する短尺な表示面としているが、本発明がこれに限定されるものではなく、設置時に左側と右側となる外周縁が短尺な直線状で、上側と下側となる外周縁が長尺な湾曲状となる構成としてもよい。
【0028】
発光表示部30は、図2に示すように、LED光源31と、導光板35と、拡散板36と、表示媒体40としてメディア42が貼着された基板41とから構成される。さらに、本実施形態では、導光板35の背面に、アルミニウム製の角柱からなるスペーサ38bを介して、反射板35aを配置し、LED光源31から背後への光の漏れを防止するとともに、反射板35aで光を導光板35側に反射し、光を効率的に使用可能としている。また、図2に示すように、発光表示部30は、収納本体50に設けた断面L型の拡散板固定壁(アングル)57に、LED光源31と、導光板35と、拡散板36とが収納されている。この拡散板固定壁57と拡散板36とが、ネジ58によって固定されている。なお、本実施形態では、ネジ58によって拡散板36を拡散板固定壁(アングル)57に固定しているが、本発明がこれに限定されるものではなく、拡散板固定壁(アングル)57のL型の壁面に、拡散板36の外面を、その弾性復元力によって密着させて押さえるものであってもよい。
【0029】
また、発光表示部30は、LED光源31からの光によって、デザイン画、図形、文字など外部に発光して、人間が光の模様として視認できるようにする装置である。また、発光表示部30において、表示情報を表示する表示媒体40は、前述のデザイン画、図形、文字などのさまざまな情報を形成する媒体を意味する。この表示媒体40の具体例としては、たとえば、有機EL等、それ自体が画素ごとに発光体を持ち、この発光体でデザイン等を形成できるもの、LED光源31などの光源と光透過性材料とを組み合わせたもの、等が挙げられる。なお、光源と光透過性材料とを組み合わせたものは、光の点滅や異なる色の発光によって情報を形成してもよいし、後述するように、光透過性材料製の基板41に直接情報をプリントしたもの、情報が描かれたポスター等の別個のメディア42を基板41に貼着したもの等を光源で照らして視認できるようにしたものであってもよい。
【0030】
本実施形態では、図2に示すように、ポリカーボネート(PC)等の透明樹脂製で人手により容易に湾曲できる基板41の表面に、表示したい情報が描かれた樹脂製または紙製のポスター等のメディア42を、貼着手段である図示しない両面テープで貼着したものを用いている。そして、発光表示部30の拡散板36と保護板60との間を、収納空間61としている。この収納空間61の内部に、表示媒体40として、メディア42が貼着された基板41を、図4に示すように、開口部52を介して挿入および抜き取りが可能となっている。
【0031】
なお、図1に図示はしないが、表示媒体40は、基板41の表面にメディア42が貼着されている。また、保護板60等との曲率の相違や基板41の復元力により、基板41の性質上、図1で一点鎖線部分11に示したように、基板41の円周方向の中央付近が保護板60の配置された方向に膨らんで、保護板60の内面とメディア42とが当接する場合がある。その場合は、このメディア42と基板41とを両面テープで、少なくとも、中央軸の全体または間隙を介して数箇所、貼着するのが好ましい。これにより、収納本体50の内部への基板41の挿入および抜き取り時に保護板60内面とメディア42とが擦れても、その摩擦力でメディア42が基板41から剥がれる、破損する等を防止することができる。勿論、メディア42の四方を両面テープで貼着してもよく、離脱防止効果等は向上するが、背面からLED光源31を照射した際に、粘着テープの陰が映し出される可能性があるため、両面テープの配置箇所は、極力少ない方が好ましい。
【0032】
また、基板41へのメディア42の貼着手段としては、両面テープに限定されるわけではなく、表示媒体40の基板41、メディア42、その他のヨレやゆがみ、離脱等が生じるのを防止可能であれば、いずれの手段を用いてもよい。たとえば、均一な塗布が可能なスプレー糊、その他の接着剤などで行ってもよい。また、樹脂材料の有する静電気を利用して双方を貼り付けてもよく、少なくとも基板41の挿入時に基板41上のメディア42にズレ、よれ、脱落などが生じなければ、他のいずれの方法を用いてもよい。また、基板41にメディア42を貼着するのではなく、前述したように、基板41等にインクジェットプリンタ、スプレー塗料または通常の塗料などで直接、表示情報を描いてもよい。
【0033】
また、図1に示すように、収納本体50は、両端の内側に、側面L字型であって、収納本体50の長手方向に平行で長尺な固定部53を接続している。この固定部53は、図4等に示すように、ネジ孔53aが複数、長手方向に所定間隙を介して開口され、被設置部20に設けた取付部21に、ネジ54により固定されている。これにより、被設置部20への表示用パネル10の設置を安定かつ強固に行うことができる。なお、固定部53は、側面L字型に限らず、図6に示すようなコ字型、または、U字型、I字型、その他、被設置部20の取付部21に応じた形状のものを使用することができる。
【0034】
また、発光表示部30では、図3に示すように、LED光源31が一定間隙を介してアルミ製で断面コ字型の長尺な光源収納部33の内部に配置されている。この光源収納部33は、一定間隔に配置された隔絶壁32で仕切られた複数の小室34が設けられている。そして、光源収納部33の各小室34の内部に、LED光源31が収納されている。この光源収納部33は、収納本体50の両側の外周縁51a(図示せず)、51b側にそれぞれ平行に配置されている。なお、図3では、小室34に2つずつLED光源31を収納した図としているが、本発明がこれに限定されるものではなく、3以上のLED光源31を収納してもよい。たとえば、隔絶壁32の間隙を200mmとした場合、1つの小室34中に、20個またはそれ以上のLED光源31を収納することができる。
【0035】
また、図3に示すように、LED光源31がそれぞれ収納された小室34の内部は、透明なシリコーン樹脂34aが充填され、LED光源31を封止固定しているが、光の透過は妨げないようにしている。なお、これは一例であり、シリコーン樹脂34aで必ずしも封止しなくともよい。さらに、発光表示部30は、LED光源31から射出された光を端面から導入して表示面が配置された方向に射出する前出の導光板35と、この導光板35から射出した光を、拡散して基板41上のメディア42の裏面に照射する拡散板36と、を有している。なお、導光板35、拡散板36ともに半円状に成形され、図1に示すように曲面を有している。また、図2に示すように、導光板35の裏面に、反射板35aを配置することにより、後方への光の漏れを防ぎ、かつ、光を導光板35が配置された方向に反射して、LED光源31からの光を効率的に利用している。
【0036】
また、発光表示部30の下端は、収納空間61以外の部分が、図1に示すように、発光部カバー37で被覆され、ネジ等の固定部材39aによって収納本体50に固定されている。なお、図1では下側の外周縁51dのみ発光部カバー37で被覆された状態が記載されているが、上側の外周縁51cも、同様の発光部カバー37で被覆されていてもよい。さらに、発光部カバー37には、図1に示すように、後述する蓋体71を固定するためのネジ孔39bが開口されている。なお、本実施形態では、下側に蓋体71を装着して被覆し、かつ、蓋体71に水抜き部72を設けているが、本発明がこれに限定されるものではない。たとえば、蓋体71を使用せず、発光部カバー37を蓋体に代用し被覆されていない開口部分やネジ孔39bを水抜き部としてもよい。
【0037】
また、収納本体50の両側と上側の外周縁51a、51b、51cは、封止部材70で水密に封止されている。本実施形態では、図4、図5に示すように、下方が開口した門型の枠体70aを収納本体50の保護板60の表面に装着することにより、三方の外周縁51a、51b、51cを水密に封止している。なお、水密性をより向上させるために、枠体70aと収納本体50との隙間に樹脂等のパッキン材料(たとえば、図1に示す本実施形態のパッキン56等)を充填して密閉してもよい。
【0038】
また、収納本体50の底部に装着する発光部カバー37には、図1に示すように、ピン13a、13bを支点に円周方向に回転自在にツメ状の支持部材12(12a、12b)を設けている。この支持部材12a、12bは、回転自在であるため、基板41の収納空間61への挿入時は、図1の支持部材12aのように収納空間61を閉塞しない位置に回転させ、当該挿入を妨げないようにすることができる。また、基板41の挿入完了後は、図1の支持部材12bのように、ピン13bを支点として回転し、基板41の下端に対して交差方向に配置する。これにより、重力に対抗して、基板41の落下を抑えることが可能となる。なお、本実施形態では、ツメ状の支持部材12a、12bとピン13a、13bを使用しているが、基板41の挿入や抜き取りを妨げず、かつ、落下を防止することができれば、本発明がこれに限定されるものではなく、たとえば、押圧により出入りする支持部材とするなど、従来公知のいずれの手段を用いてもよい。
【0039】
また、発光表示部30において、図2に示すように、導光板35と拡散板36との間、および、導光板35と収納本体50との間に、間隙を形成するためのスペーサ38a、38bを配置している。より具体的には、断面コ字型の筐体38cの内部に、LED光源31を収納した光源収納部33と、この光源収納部33の内部のLED光源31に、導光板35の端面が水平にLED光源31に対向するよう、上記スペーサ38a、38bによって導光板35の位置調整と安定性の保持を図っている。なお、導光板35の端面が、上述した光源収納部33に形成された隔絶壁32に当接することによっても、導光板35とLED光源31との水平性を保っている。なお、このスペーサ38a、38bの材料としては、たとえば、アルミの角材を使用することができる。
【0040】
また、本実施形態の表示用パネル10では、図1ないし図3に示すように、LED光源31を収納する光源収納部33は、導光板35とは反対側の底部に軸方向に配置された山形の長尺な板バネからなる付勢手段80により導光板35に押しつける方向に付勢されている。この付勢によって、LED光源31を導光板35に常時押しつけることにより、導光板35が不測に傾斜等して、端面の角度が変化したとしても、この変化に追随して、LED光源31を光源収納部33ごと付勢して角度調整を行うことができる。そのため、導光板35の端面とLED光源31との水平性を良好に保持することを可能としている。なお、付勢手段80は、後方の一端をネジ81で固定され上下方向および前方向には弾性的に移動するが、後方向には移動せず、付勢手段80としての役割を良好に発揮可能となっている。
【0041】
なお、導光板35の材料としては、具体的には、たとえば、住友ベークライト社製のサンロイドルミキング(登録商標)などを用いることが好ましい。通常の導光板素材では、たとえば、照明看板や店舗の内部の照明陳列棚などの大型面の表示用パネルに適用される場合、光源から離れた中央部や端部では、輝度ムラを生じて見栄えの悪いものとなり易かった。しかしながら、サンロイドルミキングは、このような問題を解決し、光源から離れた中央部や端部でも暗くなりにくく、輝度ムラの少ない導光板35を得ることができる。
【0042】
また、本実施形態のような半円形の表示用パネル10は、両側の外周縁の一側と他側との直線距離が最大対角線とほぼ同一となる。また、半円以上の扇形の表示用パネルは、両側の外周縁の一側と他側との直線距離が、最大対角線よりも短くなる。即ち、本実施形態の図1を用いて説明すれば、右側と左側の外周縁51a、51b間の直線距離Xとする。この直線距離Xが、たとえば、左側の外周縁51aから保護板60の内面までの対角線Y1・・・Ynのうち、最大対角線Ymax(すなわち、図1の最大対角線Y1)と同一である。図示はしないが、扇形の表示用パネルの右側と左側の外周縁51a、51b間の直線距離Xは、Y1・・・Yn中の最大対角線Ymaxよりも短くなる。
【0043】
そのため、たとえば、開き戸にした場合は、側面が引っ掛かって開くことができない。また、開くための広い空間が手前に必要となる、などの問題が生じ得る。さらには、水密性が保たれない可能性も生じ得る。しかしながら、本実施形態の表示用パネル10は、下側から表示媒体40としての基板41を挿入したり、抜き取ることが可能であるから、半円以上の製品を製作することも可能となる。また、手前に開く必要がないので、広い空間も必要なく、狭い場所や高所でも容易に作業ができ、作業効率を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態の表示用パネル10は、図1に示すように、収納本体50の両側の外周縁51a、51bに、基板41の挿入方向と平行であって、当該基板41の側端部を挿入方向に案内するガイド部55を備えている。本実施形態では、図1等に示すように、前方向へ開口する断面コ字型のガイド部55を、下側の外周縁51dから上側の外周縁51cまで長尺な凹状に形成している。このようなガイド部55では、発光表示部30の一部である基板41の挿入や抜き取る際に、凹状のガイド部55に沿って作業できるので、当該基板41が傾斜したり引っ掛かったりすることなく、円滑に挿入や抜き取りをすることが可能となる。さらには、ガイド部55が前方に開口する断面コ字状であるため、スペーサの役割も果たし、ガイド部55の一方壁面55aの外面を発光表示部30の表面に当接し、他方の壁面55bの外面を保護板の裏面に当接することで、拡散板36と保護板60との間に、基板41等の表示媒体40を挿入するための収納空間61を容易に形成することができる。また、基板41の挿入完了後は、コ字状のガイド部55で、発光表示部30と保護板60との間に、表示媒体40を収納する収納空間61を形成したものである。
【0045】
なお、本実施形態では、長尺なレール状のガイド部55としているが、本発明がこれに限定されるものではない。たとえば、下側の外周縁51dの一部のみに設けてもよいし、上側の外周縁51c及び下側の外周縁51dの4隅に設けてもよいし、中間部にも設けて6カ所に断続的に設けてもよい。また、凹部を有するものであれば、U型、V型、H型などであってもよいし、レール状ではなく点在する凹凸であってもよい。また、壁面55aと壁面55bとの形成高さ等が異なっていてもよい。また、基板41を案内することができれば、凹部を含むレール状に限らず、凸部(たとえばI型やL型)を有するものであってもよい。また、机の引き出しのようなローラーやストッパが付いたレールを用いてもよい。いずれの場合でも、使用目的やコストに応じて長さも自在に決定することができる。また、基板41の挿入や抜き取りが容易であればガイド部55のない、より廉価な製品としもよい。
【0046】
また、収納本体50の下側の外周縁51dに装着する蓋体71は、図5に示すように、当該外周縁51dに水密に装着されている。なお、図4および図5では、導光板35や拡散板36の位置関係、基板41の挿入や抜き取りをする収納空間61の位置関係等を分かりやすくするため、発光表示部30の発光部カバー37を外した状態を表示している。しかし、本来は発光部カバー37が固定されていて、発光表示部30を保護している。
【0047】
また本実施形態では、開口部52から基板41を挿入または抜き取りをするため、開口部52に装着する蓋体71は、脱着可能に形成されている。そして、水密性は保ちつつも、収納本体50の内部の表示媒体40を容易に挿入し抜き取ることができるようにすることが好ましい。また、屋外で使用する場合、特に、より高い水密性を必要とするため、たとえば、図2に示すように、開口部52の両端の長手方向であってガイド部55の外面にパッキン56を配置してもよい。このパッキン56は、本実施形態では、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を使用しているが、本発明がこれに限定されるものではない。水密性が保持できれば、パッキンに一般的に使用されている、天然ゴム、その他の材料を用いることができる。
【0048】
また、封止部材70としては、門型の枠体70aに限定されるものではなく、前述のEPDMのようなパッキン材料のみを用いてもよいし、収納本体50の材料となる樹脂同士を溶接したり、接着剤などで接着し水密に封止してもよい。
【0049】
また、本実施形態の表示用パネル10では、図5に示すように、蓋体71に、収納本体50の内部の水分を排出する水抜き部72を設けている。このような構造では、収納本体50の内部に不測に雨水などが浸入したり、外気との気温差が大きくて結露を生じても、蓋体71で水密性を保持しながらも、水抜き部72から収納本体50の内部に溜まった水分を排出することができる。また、外気が水抜き部72から自由に出入りするため、結露の発生を少なくすることも可能となる。
【0050】
なお、水抜き部72は、小径の円形であってもよいし、大径の円形であってもよい。または、楕円形、矩形であってもよい。ただし、水抜き部72の開口が大きすぎると、LED光源31の光に誘導されて、収納本体50の内部に虫等が侵入することがある。これを防止するため、水抜き部72に、当該水抜き部72の開口径よりも目開きが小さい網状体(たとえば、網戸用の網等)を設けてもよい。この網状体により、虫等の侵入は防ぐとともに、内部の水分を排出することができるという相乗効果が得られる。
【0051】
ここで、水抜き部72の開口径とは、円形であれば直径を示し、楕円形であれば、長軸の径を示し、四角形、その他の矩形であれば、対角線を示す。また、辺の長さが不均一な形状であれば、最も長い対角線を示す。また、目開きとは、網目の内径を示し、使用する線材料の太さや線材料の配置方向や所定間隔あたりの本数によって異なる。そのため、水抜き部72の開口径を考慮して、虫の侵入は防ぐが、水滴の落下は妨げないような目開きの網状体を使用することが好ましい。
【0052】
なお、開口部52を下方向に向けて雨水の少ない屋外で使用する、屋内で使用するなど、水分が入りにくい場合は、開口部52に蓋体71を装着せずに、開口状態を保持してもよい。このような場合、開口部52が水抜き部72としての機能をも果たすものとなる。また、たとえば、柱本体ではなく梁などの、上下方向に湾曲した被設置部20に表示用パネル10を設置する場合、外周縁51の直線部分、たとえば、外周縁51aまたは51bが下向きとなる。この場合、下側となる外周縁51aまたは51bに開口部52を形成する。このような構成では、表示媒体40の両側を湾曲させる必要がなく、平面状態のままで開口部52から挿入することができる。この動作により、湾曲した収納本体50の形状に追随して、表示媒体40が湾曲するので、挿入が容易である。また、抜き取り時も、開口部52から表示媒体40を引き抜くだけで、容易に抜き取ることができるし、抜取り後は表示媒体40が平面に復元する。なお、この場合もガイド部55を、湾曲した外周縁51c、51d側に設けることで、表示媒体40の挿入および抜き取りが、より容易となる。さらに、開口部52に蓋体71を装着することで、雨風の防止効果を向上できる。また、室内や雨水の少ない被設置部20への設置の場合は、開口部52に蓋体71を設けなくても、空気の出入り口となるため、外気温との差が大きく生じることを防止して、結露の発生を抑えることも可能となる。また、このような開口部52にも、目開きが小さい網状体を設けることにより、収納本体50の内部の水分の排出は妨げることなく、虫等の侵入は良好に防ぐことができる。
【0053】
<表示用パネルの使用例>
以上のような表示用パネル10の使用例について説明する。まず、図1に示すように、表示用パネル10を屋外の電信柱等の被設置部20の外周に沿わせて配置する。この場合、外周縁51cを上方に、外周縁51dを下側に配置する(図4参照)。次に、被設置部20に固定された取付部21等に、表示用パネル10のL字型の固定部53を、ネジ54により固定する。このように、被設置部20の形状に沿わせて表示用パネル10を設置することができるため、表示用パネル10が路上に突出して交通の妨げになるようなことがなく、使用性に優れたものとなる。また、水密的に封止された三つの外周縁(51a、51b、51c)により、屋外に配置しても、雨水が収納本体50の内部に侵入しにくいものとなる。
【0054】
次に、図4に示すように、下側の外周縁51dに装着された蓋体71を外し、メディア42が貼着された基板41(表示媒体40)を湾曲させながら、ガイド部55に挿入し、ガイド部55に沿わせて基板41を上側の外周縁51c方向に挿入する。このように、下側の外周縁51dから表示媒体40を挿入することができるので、高い場所に表示用パネル10を設置しても、高いハシゴや脚立等を使用することなく、容易に挿入作業を行うことができる。また、扉の開放等がないため、狭い場所でも、容易に作業することができる。
【0055】
挿入作業が終了したら、図5に示すように、表示用パネル10の下側の外周縁51dに蓋体71を装着し、ネジ73等の固定部材で表示用パネル10(本実施形態の場合は、発光部カバー37のネジ孔39b(図1参照)に上記ネジ73を螺着して、蓋体71を固定する。このように蓋体71を固定することで、作業が終了する。したがって、表示媒体40の挿入作業を迅速かつ容易に行うことができる。
【0056】
また、使用の最中は、雨水等の侵入を防ぎ、また、水分の排出性にも優れているので、水分による輝度ムラや装置の腐食等を良好に防止して、美観と耐久性に優れた表示用パネル10を得ることができる。したがって、発光表示部30の点灯により、輝度ムラのない、美観に優れた表示を長期に行うことができる。なお、上記では、最初にネジ73により被設置部20の取付部21に取り付けると記載している。しかし、図5では、ネジ73を表示媒体40の挿入後に行うように表示している。最初に取り付ける工程は、使用例の一つを示したものであり、本発明の使用工程がこれに限定されるものではない。したがって、最初の取り付け時は、作業場等で表示媒体40を収納本体50の内部に収納した後、被設置部20の取付部21に取り付けてもよい。その後の表示媒体40の取り替え時に、被設置部20に既に表示用パネル10が設置された状態で、その後の作業を行ってもよい。
【0057】
たとえば、表示媒体40の取り替え等により、既に収納されている表示媒体40を抜き取る場合は、上述した挿入時とは逆の工程で、蓋体71を外した後、表示媒体40をガイド部55に沿って抜き取る。この場合も、表示用パネル10の下側の外周縁51dから作業を行うことができるので、高い場所に設置された表示用パネル10であっても、容易に作業することができる。また、ガイド部55等により、抜き取り作業も容易で、かつ、水濡れなどによる引っかかりや、メディア42の破損などを極力防止して、円滑に抜き取り作業を行うことが可能である。そして、新たな表示媒体40を挿入し、蓋体71を装着するだけで、容易に作業を終了することができる。
【0058】
また、基板41を再利用する場合であっても、メディア42に付着した両面テープの量が少ないので、基板41からメディア42を容易に剥がすことができる。たとえ、接着部分が多い場合でも、水濡れによる破損等がないので、剥離作業も円滑に行うことができる。
【0059】
以上のように、本実施形態にかかる表示用パネル10では、収納本体50の下側の外周縁51dに開口部52を有し、この開口部52以外の外周縁51a、51b、51cが水密に封止されている。したがって、表示用パネル10を、屋外に設置した場合であっても、封止部分により収納本体50の内部への雨水等の侵入を防ぐことができる。また、収納本体50の内部に水分が不測に侵入したり、内外の気温差等による結露が生じても、水抜き部72から水分を排出することができ、輝度ムラや機器の耐久性に影響が少ない。また、屋内で使用した場合であっても、不測の水分の侵入や結露による水分を、開口部52や水抜き部72から外部に排出することができる。そのため、表示情報の輝度ムラや美感の低下を良好に防ぐことができ、耐久性も向上させることができる。また、正面だけでなく円周方向からの視認が可能でアピール性に優れた情報表示が可能となる。また、表示媒体40の全部または一部を開口部52から挿入や抜き取りをすることができ、作業性にも優れた表示用パネル10を提供することができる。
【0060】
なお、本発明は上述の実施形態および以降で説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。たとえば、本実施形態、および、以降の実施形態では、発光表示部30として、LED光源31、導光板35、および、拡散板36により表示媒体40を照明するものとしているが、LED光源31自体で、表示情報を表示してもよい。また、このような発光表示部30に限らず、蛍光灯などの通常の光源を用いてもよいし、他のいずれの発光表示部を用いてもよい。
【0061】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について、図6を参照して説明する。本実施の形態の表示用パネル101は、上記第一実施形態と同様に、曲面を有する発光表示部30と、発光表示部30を収納し、曲面を有する収納本体50と、曲面を有し収納本体50の表面に、発光表示部30の収納空間61を介して配置された保護板60と、収納本体50の外周縁51のうち、下側の外周縁51dに開口した開口部52と、を有している。また、下側の外周縁51d以外の、他の三方の外周縁51a、51b、51cは、封止部材70である門型の枠体70aで水密に封止されている。なお、開口部52も、蓋体71により、水密に閉止されているが、収納本体50の内部の水分等を排出可能な水抜き部72を有している。なお、本実施形態では、支持部材12を省略しているが、使用目的等に応じて設けてもよいし、設けなくてもよい。また、第一実施形態とは異なる支持部材12を設けてもよい。
【0062】
ここで、第一実施形態と異なる点について説明する。第一実施形態では、電柱等の円筒状の被設置部20の円弧に沿って、一対の断面L字型の固定部53によって表示用パネル10を設置していた。そのため、表示用パネル10が被設置部20よりも厚み分しか突出していなかった。しかし、第二実施形態の表示用パネル101では、図6に示すように、固定部53として、断面コ字状の広幅のものを1つのみ用いている。さらに、この広幅の固定部53を、被設置部20に平面的に設置された取付部21に取り付けることで、被設置部20よりも、たとえば、前面に突出するように表示用パネル101を設置している。また、本実施形態の場合、保護板60と基板41との曲率がほぼ同じで、基板41の表面が保護板60に当接していない状態を示している。
【0063】
このように、被設置部20よりも全面に突出配置することで、より目立つ表示用パネル101とすることができる。そのため、たとえば、工事区域やため池等、人が近づくのを禁止したい場所等にこのように設置することで、人々の注意を、より喚起することも可能となる。また、このように突出して設置しても、水分の侵入等を防ぐことにより、両側の外周縁51a、51bまで、輝度ムラのない、美観や注意喚起能力に優れた表示用パネル101を提供することができる。そして、平面的な表示用パネルと比較して、正面側だけでなく、円周方向からも表示情報を視認することができる。さらに、本実施形態では、円筒状の被設置部20に設置しているが、従来のように、平面的な壁面にも設置できる。この場合も手前への開放等が不要であるため、交通の支障等になりにくいものとなる。このように、固定部53の種類を変えるだけで、様々な場所や目的に応じた設置が可能な表示用パネル101を提供することができる。
【0064】
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態について、図7を参照して説明する。本実施の形態の表示用パネル102は、上記第一実施形態と同様に、曲面を有する発光表示部30と、発光表示部30を収納し、曲面を有する収納本体50と、曲面を有し収納本体50の表面に、発光表示部30の収納空間61を介して配置された保護板60と、収納本体50の外周縁51のうち下側の外周縁51dに開口した開口部52と、を有している。また、下側の外周縁51d以外の、他の三方の外周縁51a、51b、51cは、封止部材70である門型の枠体70aで水密に封止されている。なお、開口部52も、蓋体71により、水密に閉止されているが、収納本体50の内部の水分等を排出可能な水抜き部72を有している。なお、本実施形態では、支持部材12を省略しているが、使用目的等に応じて設けてもよいし、設けなくてもよい。また、第一実施形態とは異なる支持部材12を設けてもよい。
【0065】
ここで、第一実施形態と異なる点について説明する。第一実施形態では、保護板60に何ら切込みや切欠きを設けていないが、図7に示すように、第三実施形態では、保護板60の下側の外周縁51dを長円状に2カ所切欠いて、切欠き部63を設けている。
【0066】
このように、切欠き部63を設けた表示用パネル102では、この切欠き部63から表示媒体40を手指やペンチその他の工具等で直に挟持して、バランスよく引き抜くことができる。したがって、表示媒体40の挿入や抜き取り作業を、より円滑かつ迅速に行うことができる。また、断面L字の蓋体71を装着すれば、切欠き部63が被覆されるため、雨水の浸入を防ぐとともに、美観を損なうこともない。なお、本実施形態では、2カ所に切欠き部63を設けているが、本発明がこれに限定されるものではない。使用目的や表示媒体40の挿入や抜き取りの行い易さに応じて、一箇所でもよいし、3カ所以上設けてもよい。また、長円状の切欠き部63ではなく、挿入や抜き取りが容易であれば、矩形状、半円状など、いずれの形状の切欠き部63を設けてもよい。
【0067】
なお、上記各実施形態では、表示用パネル10、101、102の発光表示部30の各部品、収納本体50、収納空間61、保護板60、開口部52等が、表示方向に突出する半円筒形に形成されているが、本発明がこれに限定されるものではない。たとえば、水密性に優れ、下側に設けた開口部からメディア等の挿入や抜取りが可能であれば、平面的な表示用パネルや表示面が凹状に湾曲した表示用パネル等であってもよい。この場合も、屋内のみならず、屋外においても雨水の影響の有無を問わない表示用パネルを提供することができる。
【0068】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【符号の説明】
【0069】
10、101、102 表示用パネル
12、12a、12b 支持部材
20 被設置部
30 発光表示部
31 LED光源(光源)
33 光源収納部
35 導光板
35a 反射板
36 拡散板
38a、38b スペーサ
40 表示媒体
41 基板
42 メディア(表示媒体)
50 収納本体
51、51a、51b、51c、51d 外周縁
52 開口部
55 ガイド部
55a、55b 壁面(ガイド部)
56 パッキン
60 保護板(表示面)
61 収納空間
62 背面
63 切欠き部
70 封止部材
71 蓋体
72 水抜き部
80 付勢手段
X 直線距離
Ymax 最大対角線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光表示部により各種表示情報を表示する表示面および収納空間を有する収納本体と、
前記収納本体の外周縁の一辺のみを開口した開口部と、を有することを特徴とする表示用パネル。
【請求項2】
前記表示面が、表示方向に凸状または凹状に湾曲し、湾曲する前記収納空間を有するとともに、前記表示面に対して、前記収納空間を介して配置される背面が、前記表示面と同一方向に凸状または凹状に湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の表示用パネル。
【請求項3】
前記収納本体の、前記表示面は、前記収納本体の表面に前記表示面の形状に対応した保護板を配置して形成したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の表示用パネル。
【請求項4】
前記収納本体は、前記開口部を閉止する蓋体を、さらに備えたことを特徴とする請求項1から3のいずか一項に記載の表示用パネル。
【請求項5】
前記蓋体は、前記収納本体の内部の水分を排出する水抜き部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の表示用パネル。
【請求項6】
前記水抜き部は、当該水抜き部の開口径よりも目開きが小さい網状体が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の表示用パネル。
【請求項7】
前記収納本体は、前記収納空間の内部に、表示情報を表示するための発光表示部の全部または一部を収納可能とし、
前記開口部から、前記発光表示部の全部または一部を挿入するかまたは抜き取ることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示用パネル。
【請求項8】
前記収納本体は、前記表示面が湾曲する方向の両側の直線距離が、一方の側部から当該収納本体の前記表示面の内面までの最大対角線より短いことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の表示用パネル。
【請求項9】
前記発光表示部は、
光源と、
前記光源から射出された光を端面から入射させ、この端面から入射した光を前記表示面が配置された方向に直角に射出する導光板と、
前記導光板から射出した光を、拡散して前記表示面に照射する拡散板と、を有することを特徴とする請求項1に記載の表示用パネル。
【請求項10】
前記発光表示部は、前記光源を収納する光源収納部を、さらに有し、
前記光源を収納した前記光源収納部の、前記導光板とは反対側の底部の軸方向に少なくとも1個配置された付勢手段により、前記光源が前記導光板に押しつける方向に付勢されていることを特徴とする請求項9に記載の表示用パネル。
【請求項11】
前記収納本体は、前記発光表示部の全部または一部を前記収納空間に挿入または抜き取る際に、当該挿入方向または抜き取り方向に前記発光表示部を案内するためのガイド部を、湾曲する方向の両側の少なくとも一方に備えたことを特徴とする請求項9または10に記載の表示用パネル。
【請求項12】
前記ガイド部は、所定間隙を有する壁面を一対有し、一方の壁面を前記発光表示部の前記拡散板の表面に当接し、他方の前記壁面を前記表示面の裏面に当接することで、前記拡散板と前記表示面との間に、前記発光表示部の一部を収納するための前記収納空間を形成したことを特徴とする請求項11に記載の表示用パネル。
【請求項13】
前記発光表示部は、前記各種表示情報を表示する表示媒体を、さらに有し、
前記表示媒体を、前記開口部を介して前記収納本体の前記収納空間の内部に挿入または抜き取ることを特徴とする請求項9から12のいずれか一項に記載の表示用パネル。
【請求項14】
前記表示媒体は、湾曲可能な基板に貼着部材により貼着され、当該表示媒体が貼着された前記基板を、前記開口部を介して前記収納本体の前記収納空間の内部に挿入または抜き取ることを特徴とする請求項13に記載の表示用パネル。
【請求項15】
前記収納本体の底部に、前記発光表示部の全部または一部の挿入時は当該挿入を妨げない位置に配置され、前記発光表示部の挿入後は、当該発光表示部の下端に対して交差する方向に配置され、当該下端を支持する支持部材を少なくとも1個設けたことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の表示用パネル。
【請求項16】
前記表示面は、前記開口部を設けた側の少なくとも一部を切欠いて、切欠き部を設けたことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の表示用パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−141341(P2012−141341A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291992(P2010−291992)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】