説明

表示装置、受信装置、表示方法、テレビジョン受像機、表示システム、プログラムおよび記録媒体

【課題】放送にて受信した映像とネットコンテンツとの双方をユーザに好適に鑑賞させることができる表示装置を提供する。
【解決手段】映像コンテンツと映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを受信可能なテレビ10は、映像コンテンツを表示部16に表示するとともに付加コンテンツをタブレット端末20に表示する分離部12を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタル放送における映像コンテンツとBMLコンテンツのような付加コンテンツとを表示可能な表示装置、および、映像コンテンツと付加コンテンツとを受信可能な受信装置に関する。また、本発明は、そのような表示装置における表示方法、表示システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送のデジタル化が進み、デジタル放送受信機は、放送のみならずインターネットのサービスも視聴可能となり、さらに、放送とインターネットサービスとを融合させた様々な放送サービスが提供されつつある。こうしたサービスを受信可能な現在のテレビジョン受像機は、チューナで受信した放送コンテンツと、通信用のインターフェースを介して受信したネットコンテンツとともに表示画面内に表示するように構成されている。
【0003】
そのため、複数ある表示内容をユーザに一層認識させ易くするような態様で表示装置に表示するための様々な技術が従来から提案されている。
【0004】
そのような技術の一例として、以下の特許文献1〜特許文献5に開示されているような、表示すべき内容を複数の表示装置を用いて表示する技術が挙げられる。
【0005】
例えば、特許文献1には、PCのウィンドウで作成されたデータをウィンドウ毎に複数のディスプレイに表示可能なオペレーションシステムが記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、コンピュータにインストールされている複数のアプリケーションプログラムのそれぞれに対し、ユーザがそのプログラムの実行時の表示に使用するディスプレイを指定し、ユーザに指定されたディスプレイにそのプログラムのウィンドウを表示するマルチディスプレイシステムが記載されている。
【0007】
また、特許文献3には、放送画像の画像領域が表示手段の表示可能領域を超える場合に表示可能な画像サイズに対応した部分画像を放送画像から抜き出してディスプレイに表示させるデジタル放送用表示装置が記載されている。
【0008】
また、特許文献4には、テレビ画像をサブディスプレイの画面サイズに合う大きさに縮小し、その縮小したテレビ画像と、電池の残量情報やアンテナの状況、時計などの情報を表すステータス画像とをユーザ操作によって択一的に選択してサブディスプレイに表示する携帯電話端末が記載されている。
【0009】
また、特許文献5には、第1の表示手段と第1の表示手段よりも小型の第2の表示手段とが接続され、第1の表示手段に表示される電子番組案内データの一部を第2の表示手段に表示させる処理を行う提示処理手段を備えるデジタル放送受信機が記載されている。
【0010】
デジタル放送で、放送された映像とネットコンテンツとを表示画面内に同時に表示する方法としては、(1)映像をフルスクリーン表示し、その一部にネットコンテンツを重畳させて表示する方法、および(2)映像を縮小し、表示画面内の一部の領域に縮小した映像を表示し、残りの領域にネットコンテンツを表示する方法が一般的に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−276433号公報(2008年11月13日公開)
【特許文献2】特開2008−164988号公報(2008年7月17日公開)
【特許文献3】特開2007−110750号公報(2007年4月26日公開)
【特許文献4】特開2007−19628号公報(2007年1月25日公開)
【特許文献5】特開2003−219301号公報(2003年7月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、(1)の方法では、表示される映像の一部がネットコンテンツによって隠れてしまう。また、(2)の方法には、映像が小さくなり見づらくなるといった問題がある。
【0013】
また、通常のネットコンテンツは、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット端末などで鑑賞する場合のように、ユーザが近くにあるディスプレイを見ながら鑑賞することを前提として作成されている。一方、テレビジョン受像機で視聴する放送コンテンツは、画面の高さの3倍の位置からの視聴を前提として作成されている。このため、ユーザが、離れた位置にある据え置き型のテレビジョン受像機でネットコンテンツを鑑賞する場合には、ネットコンテンツ内の文字が見づらくなってしまう。
【0014】
ネットコンテンツの視認性を改善するための方法としては、例えば、ユーザ側の操作で文字サイズを拡大させるような設定を行う方法、コンテンツ提供者側で通常のネットコンテンツとテレビ専用のネットコンテンツとの双方を用意し、再生側が適切な方を選択して再生する方法が挙げられる。しかしながら、文字サイズを拡大した場合、画面内で表示可能な文字の個数が減り、一部が表示されなくなってしまう。また、テレビ専用のネットコンテンツを用意する場合にはコンテンツ提供者の開発コストが大きくなってしまう。
【0015】
本発明は、上記の様々な問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、放送にて受信した映像と、放送映像に関連のあるネットコンテンツとの双方をユーザに好適に鑑賞させることが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明に係る表示装置は、映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを自装置が備える表示部に表示可能な表示装置であって、前記映像コンテンツを前記表示部に表示する表示制御手段と、前記付加コンテンツを、前記付加コンテンツを表示する別個の表示装置に転送する転送手段と、を備えていることを特徴としている。
【0017】
ここで、映像コンテンツに関連する情報とは、例えば、文書データ、レイアウト、静止画などの情報が挙げられる。
【0018】
したがって、本発明に係る表示装置は、ユーザが、前記別個の表示装置としてタブレット端末のようなユーザが手元で操作することが可能であり、携帯して使用する付加コンテンツの鑑賞に好適な表示装置を選択した場合に、放送にて受信した映像と付加コンテンツとの双方をユーザに好適に鑑賞させることができる。
【0019】
本発明に係る表示方法は、映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを自装置が備える表示部に表示可能な表示装置の表示方法であって、前記映像コンテンツを前記表示部に表示する表示制御工程と、前記付加コンテンツを、前記付加コンテンツを表示する別個の表示装置に転送する転送工程と、を含んでいることを特
徴としている。
【0020】
前記構成によれば、本発明に係る表示方法は、本発明に係る表示装置と同様の作用効果を奏する。
【0021】
本発明に係る表示装置は、放送波を媒介として、少なくとも前記映像コンテンツおよび前記付加コンテンツを含む各コンテンツを受信するように構成されており、前記放送波から、前記コンテンツが双方向通信のために参照される参照情報を含んでいるか否かを示すメタ情報を抽出する抽出手段をさらに備え、前記転送手段は、前記メタ情報を用いて、各コンテンツについて当該コンテンツが前記参照情報を含んでいるか否かを判定し、前記参照情報を含んでいると判定されたコンテンツのみを転送することが望ましい。
【0022】
映像コンテンツに関連する情報は前記参照情報に該当するので、前記構成によれば、前記表示装置は、前記別個の表示装置に、映像コンテンツに関連する情報を含んでいる付加コンテンツを表示させる。これにより、前記表示装置は、前記別個の表示装置にて前記映像コンテンツに関連するコンテンツを表示する場合に、より好適にユーザに映像コンテンツに関連するコンテンツを鑑賞させることができる。
【0023】
本発明に係る表示装置は、前記表示部に表示される前記映像コンテンツと前記別個の表示装置に表示される付加コンテンツとを同期表示させるための同期制御手段を更に備え、前記同期制御手段は、前記表示部を備えた表示装置の時刻情報を前記別個の表示装置に送信することによって、前記別個の表示装置との時刻同期を行うことが好ましい。また、前記別個の表示装置は、所定の時刻サーバから配信された時刻情報を用いて自装置の時刻情報を設定するように構成されており、前記表示部に表示される前記映像コンテンツと前記別個の表示装置に表示される付加コンテンツとを同期表示させるための同期制御手段を更に備え、前記同期制御手段は、前記時刻サーバから配信された時刻情報を用いて、前記別個の表示装置との時刻同期を行うことが望ましい。
【0024】
本発明に係る表示装置は、前記付加コンテンツに前記映像コンテンツを表示するための情報が含まれている場合に、前記付加コンテンツを、当該情報が削除された新たな付加コンテンツに変換する文書変換手段を更に備えることが望ましい。
【0025】
前記構成によれば、前記別個の表示装置として前記情報に基づいて前記映像コンテンツを表示できないような表示装置を選択した場合に、無駄に前記情報を前記別個の表示装置に転送せずに済むというさらなる効果を奏する。
【0026】
なお、本発明は、前記表示装置の各手段を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機としても実現できるし、前記表示装置と、前記別個の表示装置と、を含んでいること表示システムとしても実現できる。
【0027】
さらに、本発明は、映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを含む番組コンテンツを受信可能な受信装置であって、
前記受信装置が、前記番組コンテンツ内の前記付加コンテンツを外部の表示装置に転送する転送手段を備えている、受信装置としても実現できる。
【0028】
前記外部の表示装置として、タブレット端末のようなユーザが手元で操作することが可能であり、携帯して使用する付加コンテンツの鑑賞に好適な表示装置を選択した場合に、付加コンテンツをユーザに好適に鑑賞させることができる。
【0029】
本発明に係る前記受信装置は、前記付加コンテンツに前記映像コンテンツを表示するた
めの情報が含まれている場合に、前記付加コンテンツを、当該情報が削除された新たな付加コンテンツに変換する文書変換手段を更に備えることが望ましい。
【0030】
前記構成によれば、前記外部の表示装置として前記情報に基づいて前記映像コンテンツを表示できないような表示装置を選択した場合に、無駄に前記情報を前記外部の表示装置に転送せずに済むというさらなる効果を奏する。
【0031】
本発明に係る表示システムは、前記課題を解決するために、映像コンテンツと映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを含む番組コンテンツを受信可能な受信装置と、前記番組コンテンツ内の映像コンテンツを表示する第1の表示装置と、前記付加コンテンツを表示可能な第2の表示装置と、を含む表示システムであって、前記受信装置は、前記番組コンテンツ内の前記付加コンテンツを第2の表示装置に転送する転送手段を備え、前記第2の表示装置は、前記受信装置と前記第1の表示装置とに同一の番組コンテンツを受信させるよう各装置を制御する制御手段を備えている、ことを特徴としている。
【0032】
前記構成によれば、同一番組コンテンツ内の映像コンテンツが前記第1の表示装置に表示され、付加コンテンツが前記第2の表示装置に表示される。
【0033】
したがって、本発明に係る表示システムは、ユーザが、前記第1の表示装置としてユーザが離れて鑑賞することが一般的なテレビジョン受像機等の表示装置を選択し、前記第2の表示装置としてタブレット端末のようなユーザが手元で操作することが可能であり、携帯して使用する付加コンテンツの鑑賞に好適な表示装置を選択した場合に、放送にて受信した映像と付加コンテンツとの双方をユーザに好適に鑑賞させることができる。
【0034】
本発明に係る表示装置は、映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを自装置が備える表示部に表示可能な表示装置であって、前記付加コンテンツを、前記表示部に表示する表示制御手段と、前記映像コンテンツを、前記映像コンテンツを表示する別個の表示装置に転送する転送手段と、を備えていることを特徴としている。
【0035】
このような表示装置であっても、放送にて受信した映像と付加コンテンツとの双方をユーザに好適に鑑賞させることができる。
【0036】
更に、コンピュータを上述した表示装置または受信装置として動作させるためのプログラム、及び、これらのプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る表示装置は、映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを自装置が備える表示部に表示可能な表示装置であって、前記映像コンテンツを前記表示部に表示する表示制御手段と、前記付加コンテンツを、前記付加コンテンツを表示する別個の表示装置に転送する転送手段と、を備えていることを特徴としている。
【0038】
したがって、本発明に係る表示装置は、ユーザが、前記別個の表示装置としてタブレット端末のようなユーザが手元で操作することが可能であり、携帯して使用する付加コンテンツの鑑賞に好適な表示装置を選択した場合に、放送にて受信した映像と付加コンテンツとの双方をユーザに好適に鑑賞させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施形態1に係る通信システムの概略を示すブロック図である。
【図2】(a)は、放送データの構成を示す図であり、(b)は、PATのシンタックスの一例を示す図であり、(c)は、PID=program_map_PIDのシンタックスの一例を示す図である。
【図3】テレビが受信するBML文書の一例を表す図である。
【図4】テレビおよびタブレット端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図5】タブレット端末の表示画面の一例を示す図である。
【図6】実施形態2に係る通信システムの概略を示すブロック図である。
【図7】実施形態3に係る通信システムの概略を示すブロック図である。
【図8】テレビの表示画面の階層構造の一例を示す図である。
【図9】PMTのシンタックスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態(実施形態1)について、図1から図5を参照して説明すれば、以下のとおりである。なお、以下の説明では本発明を実施するために好ましい種々の限定が付与されているが、本発明の技術的範囲は以下の実施形態及び図面の記載に限定されるものではない。特に、タブレット端末は、携帯機器の一例に過ぎず、本発明は、携帯電話端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型デジタルオーディオプレーヤ、デジタルカメラ、テレビリモコン等、表示部を有した携帯機器にも適用することができる。
【0041】
(通信システム1の概略)
図1は、本実施形態に係る通信システム1の概略を示すブロック図である。図1に示すように、通信システム1は、各国のデジタル放送規格に準拠したテレビジョン受像機(テレビ、受信装置)10と、タブレット端末(第2の表示装置)20とを含んでいる。通信システム1は、テレビ10が受信した映像コンテンツおよび文書コンテンツ(付加コンテンツ)のうち、映像コンテンツをテレビ10に、文書コンテンツをタブレット端末20に表示可能なシステムである。ここで、文書コンテンツとは、文書データ、レイアウト、静止画など映像に関連するデータから構成されるコンテンツで、その中にはネットコンテンツの取得先を示す情報(URL等)が含まれる。例えば、日本のデジタル放送では、BML(Broadcast Markup Language)コンテンツが文書コンテンツに該当する。
【0042】
なお、テレビ10は、表示モードに応じて、映像コンテンツおよび文書コンテンツの双方を自装置で再生して表示することも、映像コンテンツのみを自装置で表示して文書コンテンツを別個の表示装置に転送することもできる。以下では、特に断りがない限り、後者に関する説明を行うものとする。
【0043】
(テレビ10)
テレビ10について説明を行う。テレビ10は、ユーザが離れた位置で映像を鑑賞するための表示装置である。テレビ10は、図1に示すように、受信部11、分離部(表示制御手段、転送手段)12、文書変換部(文書変換手段、転送手段)13、復号部14(表示制御手段)、制御部(同期制御手段)15、および表示部16を備えている。
【0044】
受信部11は、放送にて配信される映像コンテンツと、文書コンテンツとを含む放送データを受信する。受信部11は、受信した放送データを分離部12へ供給する。
【0045】
分離部12は、映像コンテンツが表示部16に表示されるように、受信部11から供給された放送データから映像コンテンツを分離して復号部14に該映像コンテンツを供給する。また、分離部12は、文書コンテンツがタブレット端末20に表示されるように、放
送データから所定の文書コンテンツを分離して文書変換部13に該文書コンテンツを供給する。ここで、所定の文書コンテンツとは、タブレット端末に送信するデータであることが示されたコンテンツまたは全ての文書コンテンツ等を示す。タブレット端末20とテレビ10が接続されていなければ、該所定の文書コンテンツはタブレットに送信されず、復号部14へ送信される。タブレット端末20が接続されていても、事前に該所定の文書コンテンツをタブレット端末20に送信するかユーザに確認し、ユーザが送信しないことを選択した場合、テレビ10は、該所定の文書コンテンツを復号部14へ送信するようにしても良い。
【0046】
文書変換部13は、分離部12から供給された文書コンテンツをタブレット端末20に通信インターフェース(図示しない)を介して送信する。また、文書変換部13は、分離部12から供給された文書コンテンツの情報を一部書き換えるなどの変換処理を施し、変換後の文書コンテンツをタブレット端末20に転送する。文書変換部13の詳細については後述する。
【0047】
復号部14は、分離部12から供給され、表示部16にて表示する映像コンテンツ等を復号し、表示部16に復号処理結果を表示させる。また、復号部14は、映像コンテンツ等の再生を行うことを、制御部15に通知する。
【0048】
制御部15は、復号部14からの通知を受信すると、表示部16に表示される映像コンテンツとタブレット端末20に表示される文書コンテンツとの時刻同期を取るための制御を行う。具体的には、制御部15は、テレビ10の時刻情報を取得し、通信インターフェース(図示しない)を介してタブレット端末20に送信する。制御部15は、タブレット端末20からタブレット端末20の時刻情報を取得した上で、取得した時刻情報でテレビ10の時刻情報を更新する。あるいは、タブレット端末20が自身の時刻情報を所定のNTPサーバ(時刻サーバ)からの時刻情報で更新するように構成されている場合には、制御部15は、同じNTPサーバからの時刻情報でテレビ10の時刻情報を更新してもよい。
【0049】
表示部16は、映像コンテンツを表示するディスプレイである。
【0050】
(タブレット端末20)
次に、タブレット端末20について説明を行う。タブレット端末20は、ユーザが手元で操作することが可能なコンテンツ表示装置である。タブレット端末20は、受信部21、送信部22、処理部23、制御部24、入力部25および表示部26を備えている。
【0051】
受信部21は、テレビ10から送信された文書コンテンツを受信する。また、受信部21は、外部のサーバから通信ネットワークによって配信される別の文書データ(例えばHTMLコンテンツなど)や静止画、映像データからなるネットコンテンツを受信する。
【0052】
送信部22は、外部のサーバに情報を送信する。送信部22は、例えば、文書コンテンツ内に記載のあるURLで指定されるサーバに、そのURLで指定されるネットコンテンツを取得するためのリクエスト情報を送信する。
【0053】
処理部23は、タブレット端末20を統括的に制御する。処理部23は、受信した文書コンテンツを復号処理し、受信部21が受信したネットコンテンツと共に表示部26に表示させる。また、処理部23は、コンテンツを表示させることを、制御部24へ通知する。さらに、処理部23は、例えば、入力部25にて受け付けたユーザからの指示を、制御部24へ指示する。なお、処理部23が行う処理はこれに限定されない。
【0054】
制御部24は、テレビ10から送信された時刻情報を用いて、テレビ10との時刻同期を行う。制御部24は、処理部23からの時刻情報(t1とする)を受信すると、タブレット端末20の時刻情報(t2とする)を取得し、送信された時刻情報とタブレット端末20の時刻情報が一致しているかを判定する。制御部24は、時刻情報にずれがあると判定された場合(時刻情報が一致していない場合)に、タブレット端末20の時刻を送信された時刻情報から得られる時刻に強制的に変更する(すなわちt2をt1で更新する)。
【0055】
また、制御部24は、外部のNTPサーバ(図示しない)等から配信された時刻情報を受信し、受信した時刻情報でタブレット端末20の時刻情報を変更しても良い。なお、上記手法では、タブレット端末20の時刻が不連続となる。この不連続の程度が大きいと音声の音飛びや映像のスキップの原因となる。このため、不連続の程度が大きい場合は、段階的に変更するなどの処理を行っても良い。例えば、N段階(Nは任意の自然数)で変更する場合、一度の変更量は|t1−t2|/Nとなる。
【0056】
入力部25は、ユーザからの指示を受け付け、処理部23に通知する。
【0057】
表示部26は、受信部21にてテレビ10から受信した文書コンテンツを表示するディスプレイである。なお、表示部26は、前記文書コンテンツ内もしくはユーザ入力等で指定された外部のHTTPサーバから配信されたネットコンテンツも表示可能である。
【0058】
(放送データの構成)
次に、本実施形態において、テレビ10が受信する放送データの構成(データ構造)について図2および図9を参照して説明する。図2(a)は、本実施形態における放送データの構成を示す図であり、図2(b)は、PATのシンタックスの一例を示す図であり、図2(c)は、PID=program_map_PIDのシンタックスの一例を示す図である。また、
図9は、PMTのシンタックスの一例を示す図である。
【0059】
図2では、放送データの一例として、MPEG−2 TS(Transport Stream)方式の放送データを示している。なお、放送データの構成はこれに限定されない。
【0060】
図2(a)に示すように、放送データは、1パケットが188バイトの複数のTSパケットで構成されている。TSパケットは、ヘッダとペイロードから構成される。ヘッダには制御情報が含まれており、ペイロードには分割された映像データや音声データ等のコンポーネントが含まれている。また、ヘッダの制御情報は、当該TSパケットがどのようなコンポーネントを内包しているのかを示すパケット識別子(PID)などの情報を含んでいる。
【0061】
PID=0(0x00)のTSパケットは、PAT(Program Association Table)と
呼ばれ、図2(b)に示すシンタックスの通り、ペイロード部分に13ビットのPMT(Program Map Table)のPID(program_map_PID)を含んでいる。
【0062】
PID=program_map_PIDのTSパケットは、図2(c)に示すシンタックスの通り、
放送データを構成する各コンポーネントのPIDなどの情報を含んでいる。すなわち、各PIDは、8ビットのstream_typeと13ビットのelementary_PIDとの組で表される。Stream_typeは、例えば、映像データでは、stream_type=0x01、音声データでは、stream_type=0x03などと定められている。なお、本実施形態の以降の説明では便宜上、音声データを表すPID(AUDIO_PID)を「A」、映像データを表すPID(VIDEO_PID)を「V」、BMLデータを表すPID(DATA_PID)を「D」、イベントメッセージ(例えばEPGなど)を表すPID(EVENT_PID)を「E」と表記する。
【0063】
また、本実施形態においては、放送データにおけるPMTには、対象コンポーネントがインタラクティブデータであり、タブレット端末に送信するデータであることを表す情報が含まれる。すなわち、図9に示すように、PMTのシンタックスのreserved領域の1ビットであるintractive_flagを用い、これが1である場合は、双方向通信を行うために参
照される情報を含むデータ、すなわち、双方向性関連データでもあること示す。
【0064】
例えば、インタラクティブデータであるBMLデータについては、対象コンポーネントがインタラクティブデータであることを表す「interactive_flag」が1とする。あるいは、stream_type(メタ情報)として「INTERACTIVE_DATA」を示す値(例えば0x7Fなど)を設定してもよい。なお、いずれの場合も、本実施形態の以降の説明では便
宜上、AUDIO_PIDなどの場合と同様に、「INTERACTIVE_DATA」を含むTSパケットのPIDを「I」と表記する。
【0065】
このように、本実施形態における放送データは、対象コンポーネントがインタラクティブデータであることを示す情報を含んでいる。
【0066】
(分離部12について)
次に、分離部12の処理について、詳細に説明する。分離部12は、図2に示すような放送データが受信部11から供給されると、PID=0のパケットであるPATを解析し、PMT_PIDを取得する。次に、分離部12は、PID=PMT_PIDであるパケットからPMTを抽出する。その後、抽出したPMTを解析し、各コンポーネントのPID(「A」、「V」、「D」および「E」)を取得する。さらに、前述した方法で各コンポーネントがインタラクティブデータであるか否かを判断し、「I」を取得する。
【0067】
その後、分離部12は、各TSパケットのPIDが「I」である場合は、文書変換部13へ、それ以外は復号部14へ供給する。なお、PIDが「I」のコンポーネントには、当該コンポーネントの時刻情報(例えば、BMLデータの再生時刻を示す情報や、BMLスクリプトを発火させる時刻を含むイベントメッセージ等)といったタイミング情報も含まれる場合がある。
【0068】
以上のように、分離部12は、PMTにおいてインタラクティブデータであることが示された各コンポーネントと、インタラクティブデータでないことが示された各コンポーネントとを分離する役割を担っている。
【0069】
(文書変換部13について)
次に、文書変換部13について、図3および図4を参照して説明を行う。図3は、テレビ10が受信する文書データがBML文書である場合におけるBML文書の一例を表す図である。また、図4は、テレビ10が図3のBML文書を受信した場合にBMLコンテンツおよび映像コンテンツをテレビ10で表示する場合の表示部16の画面構成を左側に、タブレット端末20がBMLコンテンツを表示する場合の表示部26の画面構成を右側に、対比して示した図である。
【0070】
文書変換部13は、図3に示すようなBML文書のうち、タブレット端末20では使用しない部分を削除し、この文書をタブレット端末20に送信する。図3の下線部は、現在放送中の映像コンテンツを示す文字列である。タブレット端末20は、放送される映像コンテンツを表示しないため、このような情報を受信しても利用できない。そこで、タブレット端末20が利用できない情報を受信して処理するという無駄をなくすため、文書変換部13は、例えば、図3の下線部で示すような、「data=”/-1”」を含むobjectタグ(図3では映像を表示するために参照されるobjectタグ)など、タブレット端末20では使用
しない部分を適切な形に書き換えて、タブレット端末20に送信する。一方、図3の下線部の記述を読みとったテレビ10は、記述に従い、図4(a)、図4(b)および図4(c)の左側に示すように、映像(video)101を表示部16に表示する。
【0071】
文書変換部13の書き換えの例として、例えば、objectタグをタブレット端末20で表示可能なデータ(例えば、静止画、テキスト等)201に置き換える場合が考えられる。この場合、タブレット端末20は、テレビ10から受信したBMLコンテンツを再生すると、図4(a)の右側に示すように、文書変換前のBML文書にて映像101を表示すべき領域として示されていた領域にデータ201を表示した上でBMLコンテンツを表示する。
【0072】
また、文書変換部13は、文書変換前のBML文書からobjectタグを単に削除してもよい。この場合、タブレット端末20は、テレビ10から受信したBMLコンテンツを再生すると、図4(a)の右側に示すように、文書変換前のBML文書にて映像101を表示すべき領域として示されていた領域を空白にした上でBMLコンテンツを表示する。
【0073】
さらに、テレビ10が、図4(c)の左側に示すように映像101の下部にテキスト102が表示されるようなBML文書を受信する場合には、文書変換部13は、映像101を表示すべき領域として示されていた領域にテキスト102が表示され、テキスト102を表示すべき領域として示されていた領域が空白となるように、BML文書を変換する。この場合、タブレット端末20の表示部26には、図4(c)の右側に示すような画面構成でBMLコンテンツが表示される。
【0074】
なお、文書変換部13は、図3に示すようなBML文書をそのままタブレット端末20に送信しても良い。
【0075】
また、文書変換部13の別の処理方法として、上記ではBML文書を例に説明を行ったが、XSLT(eXtensible Style Language Transform)を解釈してそれに基づき変換す
る構成としても良い。この場合、変換部の文書はBML以外のフォーマットでも適用可能である。
【0076】
このように、文書変換部13は、BMLコンテンツを、タブレット端末20で表示可能なコンテンツに変換する。これにより、文書変換部13は、タブレット端末20で表示すべきコンテンツのみを送信することができる。
【0077】
なお、テレビ10とタブレット端末20との通信は、例えば無線LAN、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)などを用いる。
【0078】
(処理部23について)
次に、処理部23について説明を行う。処理部23は、テレビ10から送信されたBMLコンテンツを、表示部26に表示可能なサイズに調整し、表示部26に表示する。また、処理部23は、BMLコンテンツと併せて、受信部21が通信用のインターフェースを介して受信したネットコンテンツを表示部26に表示することもできる。先に述べたように、通信用のインターフェースを介して受信するコンテンツは、BMLコンテンツに記述されたURLに基づくコンテンツである場合のほか、ユーザが直接指定したURLや他のHTML文書が示すURLである場合のいずれのケースであっても良い。このときの、タブレット端末20の表示画面の一例を図5に示す。
【0079】
図5に示すように、タブレット端末20は、BMLコンテンツ(放送からのデータ)を表示部26の右側に表示し、ネットコンテンツ(通信からのデータ)を表示部26の左側
に表示する。このように、タブレット端末20は、BMLコンテンツとネットコンテンツとを同時に表示させることができる。
【0080】
(テレビ10の利点)
以上のように、映像コンテンツと文書コンテンツとを受信可能なテレビ10は、映像コンテンツを表示部16に表示し、タブレット端末20が表示部26に表示することになる文書コンテンツをタブレット端末20に転送する。タブレット端末20は、テレビ10に比べてネットコンテンツを好適に鑑賞できる表示装置であるため、放送にて受信した映像とネットコンテンツとの双方をユーザに好適に鑑賞させることができる。
【0081】
また、このようなタブレット端末20は、ユーザからの操作を受け付けるため、リモートコントローラとして使用することもできる。
【0082】
また、映像コンテンツとBMLコンテンツとの同期を取ることにより、テレビ10に表示される映像とタブレット端末20に表示されるBMLコンテンツとの時間的なタイミングを合わせることができる。
【0083】
以上の説明では、映像コンテンツを表示部16に、文書コンテンツをタブレット端末20に転送して表示する場合を述べたが、上記説明における「D」を「A」と読み替えれば逆に、文書コンテンツを表示部16に、映像コンテンツのうち、特に音声をタブレット端末20に転送する場合にも適用可能である。音声出力を手元のタブレット端末20で行うことは、例えば、耳の聞こえにくい高齢者に有効である。また、映像コンテンツの音声および動画の両方を転送する場合、文書変換部13は特段の処理は不要であるため、そのままタブレットに転送すればよい。
【0084】
〔実施形態2〕
以下、本発明の他の実施形態(実施形態2)について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る通信システム2の概略を示すブロック図である。図6に示すように、通信システム2は、テレビジョン受像機(テレビ)30と、アダプタ(受信装置)40と、タブレット端末(第2の表示装置)50とを含んでいる。
【0085】
テレビ30は、一般的に利用されているテレビジョン受像機であるため、説明を割愛する。
【0086】
アダプタ40は、テレビ30に取り付けることにより、テレビ30が受信する放送データを受信可能な装置である。アダプタ40は、図6に示すように、受信部41、分離部42、および文書変換部43を備えている。
【0087】
受信部41および文書変換部43は、それぞれ受信部11および文書変換部13と同様の処理を行うため、説明を割愛する。
【0088】
分離部42は、受信部41から供給されたBMLコンテンツなどの文書コンテンツをタブレット端末20に表示するように、文書変換部13にBMLコンテンツなどの文書コンテンツを供給する。なお、分離部42は、受信部41から供給された映像コンテンツを破棄することを除いては、実施形態1で説明を行った分離部12と同様の処理を行う。
【0089】
タブレット端末50は、タブレット端末20と同様に、ユーザが手元で操作することが可能なコンテンツ表示装置である。タブレット端末50は、アダプタ40から送信されたBMLコンテンツなどの文書コンテンツ、および、外部のサーバのような他の装置から配信されたコンテンツ(例えば、ネットコンテンツなど)を受信し、表示する。
【0090】
また、タブレット端末50は、チャンネル選択ボタン(物理的なボタン、または、ソフトウェアで実装されたボタン)を備えている。当該ボタンの押下を検出すると、タブレット端末50の制御部(図示しない)は、赤外線通信などによりチャンネル選択信号をテレビ30およびアダプタ40に送信する。これにより、テレビ30およびアダプタ40が同一の放送データ(番組コンテンツ)を受信し、タブレット端末50は、テレビ30に対応するBMLコンテンツを表示することになる。テレビ30へのチャンネル選択信号は、タブレット端末50からではなく、アダプタ40を経由しても良い。
【0091】
このように、一般的に利用されているテレビジョン受像機であるテレビ30を用いることによっても、アダプタ40を用いることにより、テレビ30とタブレット端末50との連携を取ることができ、放送にて受信した映像とネットコンテンツとの双方をユーザに好適に鑑賞させることができる。
【0092】
〔実施形態3〕
以下、本発明の他の実施形態(実施形態3)について、図7および図8を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る通信システム3の概略を示すブロック図である。また、図8は、本実施形態に係るテレビジョン受像機(テレビ)30の表示画面の論理構造の一例を示す図である。
【0093】
まず、図8を用いて、テレビ30の表示画面の階層構造について説明を行う。テレビ30の表示画面は、映像を表示する映像プレーン、図形を表示する図形プレーン、双方向性を有した図形を表示する図形(双方向)プレーンおよびチャンネル切り替え時のアイコンなどの画面表示(OSD(On Screen Display))を行うOSDプレーンからなる。テレ
ビ30は、これらの各プレーンを重ね合わせることにより、各メディアを適切な形で表示させることができる。なお、映像プレーンは、映像のほかに、動画、静止画等を表示しても良い。また、図形プレーンおよび図形(双方向)プレーンは図形のほかに、文字などの情報を表示しても良い。
【0094】
(通信システム3)
次に、本実施形態に係る通信システム3について説明を行う。図7に示すように、通信システム3は、テレビ(表示装置)60と、タブレット端末(別個の表示装置)70とを含んでいる。
【0095】
なお、説明の便宜上、前記実施形態1および実施形態2にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0096】
(テレビ60)
テレビ60について説明を行う。テレビ60は、ユーザが離れた位置で鑑賞するための表示装置である。テレビ60は、図7に示すように、受信部11、分離部(表示制御手段)62、映像復号部63、図形復号部64、図形(双方向)復号部65、表示部66および制御部67を備えている。
【0097】
分離部62は、受信部11から供給された映像コンテンツを表示部66に表示するように、映像コンテンツを映像復号部63および図形復号部64に供給する。また、分離部62は、受信部11から供給された図形コンテンツ(付加コンテンツ)をタブレット端末70に表示するように、図形(双方向)復号部65に図形コンテンツを供給する。タブレット端末70とテレビ60が接続されていなければ該図形(双方向)コンテンツはタブレット端末70に送信されず、図形復号部64へ送信される。タブレット端末70が接続されていても、事前に該図形(双方向)コンテンツをタブレット端末70に送信するかユーザ
に確認し、ユーザが送信しないことを選択した場合、テレビ60は該図形(双方向)コンテンツを図形復号部64へ送信するようにしても良い。
【0098】
映像復号部63は、分離部62から供給された映像コンテンツに含まれる映像を復号し、映像プレーンを作成する。映像復号部63は、作成した映像プレーンを表示部66に供給する。
【0099】
図形復号部64は、分離部62から供給された映像コンテンツに含まれる図形を復号し、図形プレーンを作成する。図形復号部64は、作成した図形プレーンを表示部66に供給する。
【0100】
なお、映像復号部63は、映像のほかに、動画、静止画等を復号してもよい。また、図形復号部64は、図形のほかに文字等を復号してもよい。また、図形復号部64は、OSDプレーンを作成しても良い。
【0101】
図形(双方向)復号部65は、分離部62から供給された図形コンテンツを復号し、復号したデータ(描画データ)を制御部67に供給する。ここで、描画データには、図形(双方向)プレーンを作成するために必要な、ビットマップやサイズ情報などが含まれる。
【0102】
表示部66は、映像復号部63から供給された映像プレーンと、図形復号部64から供給された図形プレーンとを重ね合わせて表示する。なお、表示部66は、テレビ60と一体とした構成ではなく、テレビ60と別個の構成(第1の表示装置)としてもよい。
【0103】
制御部67は、図形(双方向)復号部65から供給された描画データをタブレット端末70に送信する。
【0104】
(タブレット端末70)
次に、タブレット端末70について説明を行う。タブレット端末70は、ユーザが手元で操作することが可能なコンテンツ表示装置である。タブレット端末70は、受信部21、送信部22、処理部23、制御部71、入力部25および表示部26を備えている。
【0105】
制御部71は、テレビ30から送信された描画データを受信し、描画データを表示部26にて表示できる状態に変換する。つまり、制御部71は、例えば、図形(双方向)プレーンを生成する。制御部71は、生成した図形(双方向)プレーンを処理部23に供給する。
【0106】
処理部23は、制御部71から供給された図形(双方向)プレーンを表示部26に表示させる。
【0107】
このように、作成したプレーンを用いて、放送データを表示部66に表示するようなテレビ60であっても、放送にて受信した映像とネットコンテンツとの双方をユーザに好適に鑑賞させることができる。
【0108】
〔付記事項〕
なお、実施形態1では、表示装置としてARIBなどのデジタル放送規格に準拠したテレビジョン受像機を採用し、映像コンテンツをテレビジョン受像機に表示するとともに、文書コンテンツであるBMLコンテンツをタブレット端末に表示するものとしたが、本発明はこれに限定されない。
【0109】
例えば、表示装置としてDVB規格に準拠したテレビジョン受像機を採用してもよい。
この場合、例えば、表示装置が、映像コンテンツをテレビジョン受像機に表示するとともに、DVB−JやDVB−HTMLといった放送データ用の記述言語で記述された文書コンテンツをタブレット端末に表示するように構成されていてもよい。
【0110】
〔プログラム及び記録媒体〕
また、上述したテレビ10、テレビ60およびアダプタ40の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0111】
すなわち、テレビ10、テレビ60およびアダプタ40は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納し
たROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるテレビ10、テレビ60およびアダプタ40の制御プログラム(認証プログラム)のプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記テレビ10、テレビ60およびアダプタ40に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0112】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0113】
また、テレビ10、テレビ60およびアダプタ40を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信
ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0114】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、テレビジョン受像機などの表示装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 通信システム
10 テレビ(表示装置)
11 受信部
12 分離部(表示制御手段、転送手段)
13 文書変換部(文書変換手段、転送手段)
14 復号部(表示制御手段)
15 制御部(同期制御手段)
16 表示部
20 タブレット端末(別個の表示装置)
21 受信部
22 送信部
23 処理部
24 制御部
25 入力部
26 表示部
2 通信システム
30 テレビ(第1の表示装置)
40 アダプタ(受信装置)
41 受信部
42 分離部
43 文書変換部
50 タブレット端末(第2の表示装置)
3 通信システム
60 テレビ(表示装置)
62 分離部(表示制御手段)
63 映像復号部(表示制御手段)
64 図形復号部
65 図形(双方向)復号部
66 表示部
67 制御部
70 タブレット端末(別個の表示装置)
71 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを自装置が備える表示部に表示可能な表示装置であって、
前記映像コンテンツを前記表示部に表示する表示制御手段と、
前記付加コンテンツを、前記付加コンテンツを表示する別個の表示装置に転送する転送手段と、を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示装置は、放送波を媒介として、少なくとも前記映像コンテンツおよび前記付加コンテンツを含む各コンテンツを受信するように構成されており、
前記放送波から、前記コンテンツが双方向通信のために参照される参照情報を含んでいるか否かを示すメタ情報を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記転送手段は、前記メタ情報を用いて、各コンテンツについて当該コンテンツが前記参照情報を含んでいるか否かを判定し、前記参照情報を含んでいると判定されたコンテンツのみを転送することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部に表示される前記映像コンテンツと前記別個の表示装置に表示される付加コンテンツとを同期表示させるための同期制御手段を更に備え、
前記同期制御手段は、前記表示部を備えた表示装置の時刻情報を前記別個の表示装置に送信することによって、前記別個の表示装置との時刻同期を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記別個の表示装置は、所定の時刻サーバから配信された時刻情報を用いて自装置の時刻情報を設定するように構成されており、
前記表示部に表示される前記映像コンテンツと前記別個の表示装置に表示される付加コンテンツとを同期表示させるための同期制御手段を更に備え、
前記同期制御手段は、前記時刻サーバから配信された時刻情報を用いて、前記別個の表示装置との時刻同期を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記付加コンテンツに前記映像コンテンツを表示するための情報が含まれている場合に、前記付加コンテンツを、当該情報が削除された新たな付加コンテンツに変換する文書変換手段を更に備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載の表示装置の各手段を備えていることを特徴とするテレビジョン受像機。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置と、前記別個の表示装置と、を含んでいることを特徴とする表示システム。
【請求項8】
映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを含む番組コンテンツを受信可能な受信装置であって、
前記受信装置が、前記番組コンテンツ内の前記付加コンテンツを外部の表示装置に転送する転送手段を備えている、ことを特徴とする受信装置。
【請求項9】
前記付加コンテンツに前記映像コンテンツを表示するための情報が含まれている場合に、前記付加コンテンツを、当該情報が削除された新たな付加コンテンツに変換する文書変換手段を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の受信装置。
【請求項10】
映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを含む番組コンテンツを受信可能な受信装置と、前記番組コンテンツ内の映像コンテンツを表示す
る第1の表示装置と、前記付加コンテンツを表示可能な第2の表示装置と、を含む表示システムであって、
前記受信装置は、前記番組コンテンツ内の前記付加コンテンツを第2の表示装置に転送する転送手段を備え、
前記第2の表示装置は、前記受信装置と前記第1の表示装置とに同一の番組コンテンツを受信させるよう各装置を制御する制御手段を備えている、ことを特徴とする表示システム。
【請求項11】
映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを自装置が備える表示部に表示可能な表示装置の表示方法であって、
前記映像コンテンツを前記表示部に表示する表示制御工程と、
前記付加コンテンツを、前記付加コンテンツを表示する別個の表示装置に転送する転送工程と、を含んでいることを特徴とする表示方法。
【請求項12】
映像コンテンツと前記映像コンテンツに関連する情報を含む付加コンテンツとを自装置が備える表示部に表示可能な表示装置であって、
前記付加コンテンツを、前記表示部に表示する表示制御手段と、
前記映像コンテンツを、前記映像コンテンツを表示する別個の表示装置に転送する転送手段と、を備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
コンピュータを請求項1から5までの何れか1項に記載の表示装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記表示装置が備えている前記各手段として機能させるプログラム。
【請求項14】
コンピュータを請求項8または9に記載の受信装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記受信装置が備えている前記手段として機能させるプログラム。
【請求項15】
請求項13または14に記載のプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−46386(P2013−46386A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185145(P2011−185145)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】