説明

表示装置、表示システム及びプログラム

【課題】表示面の数が変動した場合であっても各表示面に画像を表示させるとともに、装置の軽量化を実現する。
【解決手段】マスタ表示装置は、連結されたスレーブ表示装置又はそのスレーブ表示装置を介して連結されたスレーブ表示装置に対して、各々のスレーブ表示装置を識別する装置IDを割り当て、その装置ID及び自装置に割り当てられた装置IDと、ROMに記憶された各画像データとを対応付ける。そして、マスタ表示装置は、自装置の装置IDに対応付けられた画像データに応じた画像を記憶性表示体に表示させるとともに、電源から供給される電力を連結されたスレーブ表示装置に供給し、割り当てた装置IDにより識別されるスレーブ表示装置を宛先として、その装置IDに対応付けられた画像データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示装置に画像を表示させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の表示装置を連結させて、各表示装置の表示面にそれぞれ異なる画像を同時に表示する技術が知られている。例えば、特許文献1には、見開き可能に連結された2つの表示装置を用いて、目次を表すページと、選択されたページとを各表示面に表示する技術が提案されている。また、特許文献2には、本を模した形状になるように複数の表示装置を連結して使用する技術が提案されている。
【特許文献1】特開2001−101202号公報
【特許文献2】特開2002−221918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1、2に記載された技術では、利用者は同時に2つの表示面しか見ることができない。しかしながら、表示装置を利用するときの目的や利用者の数によっては、2つの表示面だけを見れば十分という場合のほか、例えば3つ以上の任意の数の表示面を並べて全体を俯瞰的に閲覧したいとか、各々の利用者が各表示面の表示内容を精査したいというような場合がある。
そこで、同時に閲覧できる表示面の数を自由に増やしたり減らしたりすることができれば便利である。ところが、利用者が表示面の数を恣意的に変えてしまうと、表示面の数が変動しないことを前提とした従来の表示制御方法では、各表示面に画像を適切に表示することができない。また、表示面を増やす場合には、構成が大規模になることで重量や装置面積が増加し、可搬性が悪くなるという問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、表示面の数が変動した場合であっても各表示面に画像を表示させるとともに、可搬性を損なわないように装置の軽量化と不使用時の装置面積を縮小可能な構成を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、電力を供給する電力供給手段と、データを記憶する記憶手段と、複数の表示素子が配列された表示面を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が供給され、当該画像が表示された後は、電力が供給されなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、自装置の前記表示面と他の表示装置の表示面とが重なる第1の位置と、自装置の前記表示面と前記他の表示装置の表示面とが重ならない第2の位置との間を移動し得る状態で、自装置と前記他の表示装置とを連結する連結手段と、前記連結手段に連結された前記他の表示装置、又は、当該他の表示装置を介して前記連結手段に連結されたさらに他の表示装置に対して、各々の前記他の表示装置を識別する他装置識別情報を割り当て、当該他装置識別情報及び自装置に割り当てられた自装置識別情報と、前記記憶手段に記憶された各データとを対応付ける割当手段と、前記電力供給手段から供給される電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記割当手段により前記自装置識別情報に対応付けられたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる表示制御手段と、前記電力供給手段から供給される電力を前記連結手段に連結された前記他の表示装置に供給し、前記他装置識別情報により識別される前記他の表示装置を宛先として、当該他装置識別情報に対応付けられたデータを送信する送信手段とを備えることを特徴とする表示装置を提供する。これにより、表示面の数が変動した場合であっても各表示面に画像を表示させるとともに、可搬性を損なわないように装置の軽量化と不使用時の装置面積を縮小可能な構成を実現することができる。
【0005】
また、本発明は、第1の表示装置と、複数の第2の表示装置とを備え、前記第1の表示装置および各々の前記第2の表示装置は、複数の表示素子が配列された表示面を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が供給され、当該画像が表示された後は、電力が供給されなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、自装置の前記表示面と他の前記表示装置の前記表示面とが重なる第1の位置と、自装置の前記表示面と他の前記表示装置の前記表示面とが重ならない第2の位置との間を移動し得る状態で、自装置と他の前記表示装置とを連結する連結手段とを備え、前記第1の表示装置は、電力を供給する電力供給手段と、データを記憶する記憶手段と、自装置の前記連結手段に連結された前記第2の表示装置、又は、当該第2の表示装置を介して当該連結手段に連結された前記第2の表示装置に対して、各々の前記第2の表示装置を識別する他装置識別情報を割り当て、当該他装置識別情報及び自装置に割り当てられた自装置識別情報と、前記記憶手段に記憶された各データとを対応付ける割当手段と、前記電力供給手段から供給される電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記割当手段により前記自装置識別情報に対応付けられたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、前記電力供給手段から供給される電力を前記連結手段に連結された前記第2の表示装置に供給し、前記他装置識別情報により識別される前記第2の表示装置を宛先として、当該他装置識別情報に対応付けられたデータを送信する送信手段とを備え、各々の前記第2の表示装置は、自装置の前記連結手段に連結された前記第1の表示装置又は前記第2の表示装置から供給される電力を受け取って、当該電力の供給元以外の前記第2の表示装置に供給する一方、受け取った前記電力を用いて、自装置の前記連結手段に連結された前記第1の表示装置又は前記第2の表示装置から送信されてくるデータを受信し、受信したデータを当該データの送信元以外の前記第2の表示装置に送信する送受信手段と、前記送受信手段が受け取った電力を用いて自装置の前記表示手段の表示素子を駆動し、当該送受信手段によって受信された、自装置を宛先としたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる第2の表示制御手段とを備えることを特徴とする表示システムを提供する。これにより、表示面の数が変動した場合であっても各表示面に画像を表示させるとともに、可搬性を損なわないように装置の軽量化と不使用時の装置面積を縮小可能な構成を実現することができる。
【0006】
さらに、本発明は、電力を供給する電力供給手段と、データを記憶する記憶手段と、複数の表示素子が配列された表示面を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が供給され、当該画像が表示された後は、電力が供給されなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、自装置の前記表示面と他の表示装置の表示面とが重なる第1の位置と、自装置の前記表示面と前記他の表示装置の表示面とが重ならない第2の位置との間を移動し得る状態で、自装置と前記他の表示装置とを連結する連結手段とを有する表示装置のコンピュータを、前記連結手段に連結された前記他の表示装置、又は、当該他の表示装置を介して前記連結手段に連結されたさらに他の表示装置に対して、各々の前記他の表示装置を識別する他装置識別情報を割り当て、当該他装置識別情報及び自装置に割り当てられた自装置識別情報と、前記記憶手段に記憶された各データとを対応付ける割当手段と、前記電力供給手段から供給される電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記割当手段により前記自装置識別情報に対応付けられたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる表示制御手段と、前記電力供給手段から供給される電力を前記連結手段に連結された前記他の表示装置に供給し、前記他装置識別情報により識別される前記他の表示装置を宛先として、当該他装置識別情報に対応付けられたデータを送信する送信手段として機能させるためのプログラムを提供する。これにより、表示面の数が変動した場合であっても各表示面に画像を表示させるとともに、可搬性を損なわないように装置の軽量化と不使用時の装置面積を縮小可能な構成を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[構成]
(表示システムの構成)
図1は、本実施形態に係る表示システム1の外観を示す斜視図である。この表示システム1は、第1の表示装置である1台のマスタ表示装置10と、第2の表示装置である3台のスレーブ表示装置20A〜20Cとによって構成されている。以下の説明において、スレーブ表示装置20A〜20Cを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「スレーブ表示装置20」という。マスタ表示装置10及びスレーブ表示装置20は、互いに着脱自在になるような構造を有している。したがって、利用者は、図に示すように、マスタ表示装置10に対してスレーブ表示装置20A〜20Cを全て連結して使用することもできるし、スレーブ表示装置20Aだけ、あるいはスレーブ表示装置20Aとスレーブ表示装置20Bだけを連結して使用することもできる。
【0008】
図2は、図1に示した表示システム1を図中の矢印I方向から見たときの側面図である。同図に示すように、マスタ表示装置10の裏面側には、紙面に垂直な方向に延びる直線状のレールd1が2列設けられており、スレーブ表示装置20Aの表面側には、紙面に垂直な方向に延びる直線状のレールd1’が2列設けられている。これらのレールd1とレールd1’が互いに噛み合うことで、マスタ表示装置10とスレーブ表示装置20Aとが連結される。スレーブ表示装置20Aは、マスタ表示装置10のレールd1の長手方向に沿ってスライドさせられることにより、図1中の矢印R方向および矢印L方向に移動することができる。同様に、スレーブ表示装置20Aの裏面側には、紙面に垂直な方向に延びる直線状のレールd2が2列設けられており、スレーブ表示装置20Bの表面側には、紙面に垂直な方向に延びる直線状のレールd2’が2列設けられている。スレーブ表示装置20Bは、スレーブ表示装置20Aのレールd2の長手方向に沿って図1中の矢印R方向および矢印L方向に移動することができる。同様に、スレーブ表示装置20Bの裏面側には、紙面に垂直な方向に延びる直線状のレールd3が2列設けられており、スレーブ表示装置20Cの表面側には、紙面に垂直な方向に延びる直線状のレールd3’が2列設けられている。スレーブ表示装置20Cは、スレーブ表示装置20Bのレールd3の長手方向に沿って図1中の矢印R方向および矢印L方向に移動することができる。
なお、スレーブ表示装置20Aは、マスタ表示装置10に対して直接的に連結されているから、この連結の仕方を「直接連結」という。一方、スレーブ表示装置20B、20Cは、マスタ表示装置10に対して1又は複数のスレーブ表示装置20を介して間接的に連結されているから、この連結の仕方を「間接連結」という。
【0009】
(スレーブ表示装置の開閉)
各々のスレーブ表示装置20は、上述のように移動することによって、マスタ表示装置10の下方に納められて閉じた状態になったり、マスタ表示装置10の下方から引き出されて開いた状態になったりする。
図3は、スレーブ表示装置20が開閉する様子を示す平面図である。スレーブ表示装置20を使用しない場合、利用者は、図1に示すように、各々のスレーブ表示装置20をマスタ表示装置10の下方に移動させる。このとき、各々のスレーブ表示装置20は、マスタ表示装置10と重なる状態となるため、図3(a)に示す位置P0に配置される。このようにスレーブ表示装置20が閉じられると、表示システム1全体がコンパクトな形状になり、狭いスペースでの使用や持ち運びが容易になる。
【0010】
一方、スレーブ表示装置20A〜20Cを使用する場合、利用者は、画像が表示される表示面が見えるように各々のスレーブ表示装置20を引き出す。例えば、利用者によって図中の矢印R方向に引き出された場合、スレーブ表示装置20Aは、図3(b)に示すように、マスタ表示装置10の下方の位置P0からマスタ表示装置10の隣の位置P1へと移動する。同様に、スレーブ表示装置20Bは、位置P0からスレーブ表示装置20Aの隣の位置P2へと移動し、スレーブ表示装置20Cは、位置P0からスレーブ表示装置20Bの隣の位置P3へと移動する。また、利用者によって矢印L方向に引き出された場合、スレーブ表示装置20Aは、図3(c)に示すように、マスタ表示装置10の下方の位置P0からマスタ表示装置10の隣の位置P4へと移動する。同様に、スレーブ表示装置20Bは、位置P0からスレーブ表示装置20Aの隣の位置P5へと移動し、スレーブ表示装置20Cは、位置P0からスレーブ表示装置20Bの隣の位置P6へと移動する。
【0011】
このように、各表示装置に設けられたレールd1〜d3,d1’〜d3’は、一方の表示装置の表示面と他方の表示装置の表示面とが重なる第1の位置(位置P0)と、一方の表示装置の表示面と他方の表示装置の表示面とが重ならない第2の位置(位置P1〜P6)との間を、一方の表示装置又は他方の表示装置が移動可能な状態で、これらを連結する連結手段として機能する。さらに、これらレールd1〜d3,d1’〜d3’は、各々のスレーブ表示装置20が、第1の位置(位置P0)とマスタ表示装置10から見て第1の方向(矢印R方向)にある第2の位置(位置P1,P2,P3)との間、及び、第1の位置(位置P0)とマスタ表示装置10から見て第1の方向(矢印R方向)と反対の第2の方向(矢印L方向)にある第2の位置(位置P4,P5,P6)との間で移動可能な状態で、各表示装置を連結する。
【0012】
(マスタ表示装置の構成)
次に、マスタ表示装置10の構成について説明する。
図4は、マスタ表示装置10の外観を示す平面図である。マスタ表示装置10の表面側には、記憶性表示体11が設けられている。この記憶性表示体11は、コレステリック液晶や電気泳動などの複数の表示素子が配列された表示面を有しており、これらの表示素子が供給される画像データに応じて駆動されることで、画像データに応じた画像を表示する表示手段である。この記憶性表示体11は、表示素子が駆動されて画像を表示するまでの駆動期間においては電力が必要であるが、その駆動期間が経過して画像が表示された後は、電力が供給されなくてもその画像を表示し続けることができる。
【0013】
マスタ表示装置10の内部の裏面側に近い位置には、送信アンテナ部12a、12bが設けられている。以下の説明において送信アンテナ部12a、12bを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「送信アンテナ部12」という。送信アンテナ部12aは、マスタ表示装置10において図中の左上に配置されており、送信アンテナ部12bは、マスタ表示装置10において図中の右下に配置されている。すなわち、送信アンテナ部12aと送信アンテナ部12bとは、互いに対角線上に配置されていることになる。送信アンテナ部12は、図中点線で示しているように、導線が巻き回されてコイル状に形成されたものであり、電磁誘導によって電力を供給するとともに無線でデータを送信する。また、送信アンテナ部12は、スレーブ表示装置20が移動可能な方向に長手方向を有する形状であり、その長手方向の長さは、マスタ表示装置10の幅方向(スレーブ表示装置20の移動方向)の長さの約半分になっている。この送信アンテナ部12と後述するCPU乃至制御回路が、マスタ表示装置10に直接連結されたスレーブ表示装置20に対し、電磁誘導によって電力を供給するとともに無線でデータを送信する送信手段として機能する。
【0014】
マスタ表示装置10の内部の表面側に近い位置には、受信アンテナ部13a、13bが設けられている。以下の説明において受信アンテナ部13a、13bを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「受信アンテナ部13」という。受信アンテナ部13aは、マスタ表示装置10において図中の右上に配置されており、受信アンテナ部13bは、マスタ表示装置10において図中の左下に配置されている。すなわち、受信アンテナ部13aと受信アンテナ部13bとは、互いに対角線上に配置されていることになる。受信アンテナ部13は、図中点線で示しているように、導線が巻き回されてコイル状に形成されたものであり、電磁誘導によって電力の供給を受けるとともに、無線で送信されてきたデータをその電力を用いて受信する。
【0015】
図5は、マスタ表示装置10の電気的構成を示すブロック図である。マスタ表示装置10の内部には、電源14と、CPU(Central Processing Unit)15と、ROM(Read Only Memory)16と、RAM(Random Access Memory)17と、制御回路18と、駆動回路19とが設けられている。電源14は、電池などを有し、マスタ表示装置10及びスレーブ表示装置20の各部に電力を供給する電力供給手段である。CPU15は、ROM16に記憶されているプログラムをRAM17に読み出し、このプログラムに従って各種の処理を実行する。ROM16は、CPU15によって用いられるプログラムや各種データを記憶する記憶手段である。RAM17は、揮発性のメモリであり、CPU15のワークエリアとして使用される。ROM16に記憶されているデータには、自装置に割り当てられた装置IDと、画像を表す複数の画像データと、ID管理テーブルとが含まれている。この画像データには、各々の画像データを識別するためのデータ名が付与されている。また、本実施形態では、マスタ表示装置10に割り当てられた装置IDとして「01」がROM16に記憶されているものとする。
【0016】
図6は、ROM16に記憶されているID管理テーブルTの一例を示す図である。このID管理テーブルTには、「装置ID」と「データ名」とが対応付けられている。「装置ID」は、マスタ表示装置10又は各々のスレーブ表示装置20を識別する識別情報である。図の例では、マスタ表示装置10の装置IDとして、マスタ表示装置10に割り当てられた「01」が記述されており、マスタ表示装置10に直接連結又は間接連結されるスレーブ表示装置20に割り当て可能な装置IDとして、「02」、「03」、「04」などが記述されている。よって、図の例では、装置ID「01」はマスタ表示装置10自身の自装置識別情報であり、装置ID「02」、「03」、「04」はマスタ表示装置10以外のスレーブ表示装置20の識別情報であるから、他装置識別情報である。「データ名」は、ROM16に記憶されている各々の画像データを識別する名前である。この画像データは、例えば文書画像におけるページ毎の画像を表すデータであり、1ページ目〜4ページ目までの画像データのデータ名が順に、「image1」、「image2」、「image3」、「image4」となっている。
【0017】
図の例では、「image4」という画像データの画像が、装置ID「01」が割り当てられたマスタ表示装置10の表示面に表示されることになる。また、「image3」という画像データの画像が、装置ID「02」が割り当てられたスレーブ表示装置20の表示面に表示されることになる。同様に、「image2」という画像データの画像が、装置ID「03」が割り当てられたスレーブ表示装置20の表示面に表示され、「image1」という画像データの画像が、装置ID「04」が割り当てられたスレーブ表示装置20の表示面に表示されることになる。CPU15は、マスタ表示装置10に直接連結又は間接連結されるスレーブ表示装置20に対して、各々のスレーブ表示装置20を識別する装置IDという識別情報を割り当て、各装置IDと画像データとをID管理テーブルTを用いて対応付ける割当手段として機能する。
【0018】
図5に示した制御回路18は、駆動制御回路31と、タッチセンサ32と、A/Dコンバータ33と、スレーブ信号回路34とを備えている。駆動制御回路31は、電源14の制御や、画像データやコマンドなど各種データの授受の制御などを行う。この駆動制御回路31には、自装置に割り当てられた装置IDなどが記憶されるRAM35が設けられている。タッチセンサ32は、記憶性表示体11上に設けられた図示せぬタッチパネルがスタイラスペンなどで接触されたときに、その接触位置を検出して位置信号を出力する。つまり、タッチセンサ32は、利用者の操作内容を検出する手段として機能する。A/Dコンバータ33は、タッチセンサ32から出力された位置信号をアナログデジタル変換して位置情報を生成し、生成した位置情報を駆動制御回路31に供給する。スレーブ信号回路34は、スレーブ表示装置20からスレーブ信号が供給されると、そのスレーブ信号を受信アンテナ部13によって受信し、CPU15に供給する。駆動回路19は、電源14から供給される電力を用いて、駆動制御回路31から供給される画像データに応じて記憶性表示体11の表示素子を駆動し、その画像データに応じた画像を記憶性表示体11に表示させる第1の表示制御手段である。
【0019】
(スレーブ表示装置の構成)
次に、スレーブ表示装置20の構成について説明する。
図7は、スレーブ表示装置20A〜20Cの外観を示す平面図である。スレーブ表示装置20Aには、記憶性表示体21Aと、送信アンテナ部22a、22bと、受信アンテナ部23a、23bとが設けられている。この送信アンテナ部22a、22bおよび受信アンテナ部23a、23bの配置は、それぞれ上述したマスタ表示装置10の送信アンテナ部12a、12bおよび受信アンテナ部13a、13bと同様である。また、スレーブ表示装置20Bには、記憶性表示体21Bと、送信アンテナ部22c、22dと、受信アンテナ部23c、23dとが設けられている。この送信アンテナ部22c、22dおよび受信アンテナ部23c、23dの配置は、それぞれ上述したマスタ表示装置10の送信アンテナ部12a、12bおよび受信アンテナ部13a、13bと同様である。そして、スレーブ表示装置20Cには、記憶性表示体21Cと、送信アンテナ部22e、22fと、受信アンテナ部23e、23fとが設けられている。送信アンテナ部22e、22fおよび受信アンテナ部23e、23fの配置は、それぞれ上述したマスタ表示装置10の送信アンテナ部12a、12bおよび受信アンテナ部13a、13bと同様である。
【0020】
なお、以下の説明において、記憶性表示体21A〜21Cを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「記憶性表示体21」という。同様に、送信アンテナ部22a〜22fを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「送信アンテナ部22」といい、受信アンテナ部23a〜23fを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「受信アンテナ部23」という。スレーブ表示装置20の記憶性表示体21、送信アンテナ部22、受信アンテナ部23の構成は、それぞれ上述したマスタ表示装置10の記憶性表示体11、送信アンテナ部12、受信アンテナ部13と同様である。
以上に説明したスレーブ表示装置20の受信アンテナ部23及び送信アンテナ部22と、後述する制御回路が、電磁誘導によって電力の供給を受けるとともに無線で送信されてきたデータを受信し、電磁誘導によって電力を供給するとともに無線でデータを送信する送受信手段として機能する。
【0021】
図8は、スレーブ表示装置20Aの電気的構成を示すブロック図である。スレーブ表示装置20A〜20Cは、それぞれ同様の構成を備えているため、ここではスレーブ表示装置20Aの構成を例に挙げて説明する。スレーブ表示装置20Aは、制御回路24Aと、駆動回路25Aとを備えている。制御回路24Aは、上述したマスタ表示装置10の制御回路18と同様に、駆動制御回路41Aと、タッチセンサ42Aと、A/Dコンバータ43Aと、スレーブ信号回路44Aとを備えている。このタッチセンサ42A、A/Dコンバータ43A、駆動回路25Aの構成はそれぞれ、上述したマスタ表示装置10のタッチセンサ32、A/Dコンバータ33、駆動回路19と同様である。つまり、駆動回路25Aは、受信アンテナ部23が受け取った電力を用いて、駆動制御回路41Aから供給される画像データに応じて記憶性表示体21Aの表示素子を駆動し、その画像データに応じた画像を記憶性表示体21Aに表示させる第2の表示制御手段として機能する。
【0022】
駆動制御回路41Aは、画像データやコマンドなど各種データの授受の制御などを行う。この駆動制御回路41Aには、自装置に割り当てられた装置IDが記憶されるRAM45Aが設けられている。スレーブ信号回路44Aは、受信アンテナ部23から電力が供給されたときにスレーブ信号を出力する。また、このスレーブ信号回路44Aは、自装置に連結されたスレーブ表示装置20Bからスレーブ信号が送信されてくると、自装置が連結されたマスタ表示装置10にそのスレーブ信号を転送する。このとき、スレーブ信号回路44Aは、スレーブ表示装置20Bから送信されてきたスレーブ信号と、自回路から出力されるスレーブ信号のタイミングが同じ場合には、スレーブ表示装置20Bから送信されてきたスレーブ信号のタイミングを遅らせて出力する。
【0023】
なお、以下の説明では、スレーブ表示装置20Bの電気的構成については、図8に示した「A」という符号に代えて「B」という符号を付して説明する。同様に、スレーブ表示装置20Cの電気的構成については、図8に示した「A」という符号に代えて「C」という符号を付して説明する。また、各々の電気的構成を特に区別する必要がない場合には、「A」、「B」、「C」という符号の記載を省略して説明する。
【0024】
(電力及びデータの授受)
次に、マスタ表示装置10とスレーブ表示装置20との間の電力及びデータの授受について説明する。この表示システム1においては、各々のスレーブ表示装置20が開かれた状態のときに電力及びデータの授受が行われるようになっている。スレーブ表示装置20が開かれた状態とは、各スレーブ表示装置20の表示面が他の表示装置の表示面と重ならない位置、つまり前述した第2の位置へとスレーブ表示装置20が移動させられた場合のことである。一方、各々のスレーブ表示装置20が図1に示したようにマスタ表示装置10と重ねた状態で配置されているときには、電力及びデータの授受は行われず、スレーブ表示装置20は動作しない。ここでは、各々のスレーブ表示装置20が図3中の矢印R方向に引き出された場合を例に挙げて、電力及びデータの授受について説明する。
【0025】
図9は、各々のスレーブ表示装置20が図3中の矢印R方向に引き出されたときの様子を示す平面図である。また、図10は、図9に示した表示システム1を図中の矢印II方向から見たときの側面図である。この場合、スレーブ表示装置20Aの受信アンテナ部23bは、マスタ表示装置10の送信アンテナ部12bと重なった状態になり、電磁誘導が可能となる。したがって、受信アンテナ部23bは、送信アンテナ部12bから電力及びデータを受け取ることができる。また、スレーブ表示装置20Bの受信アンテナ部23dは、スレーブ表示装置20Aの送信アンテナ部22bと重なった状態になり電磁誘導が可能となるため、その送信アンテナ部22bから電力及びデータを受け取ることができる。同様に、スレーブ表示装置20Cの受信アンテナ部23fは、スレーブ表示装置20Bの送信アンテナ部22dと重なった状態になり電磁誘導が可能となるため、その送信アンテナ部22dから電力及びデータを受け取ることができる。
【0026】
すなわち、各々のスレーブ表示装置20が開いた状態になったときには、マスタ表示装置10とスレーブ表示装置20A、スレーブ表示装置20Aとスレーブ表示装置20B、スレーブ表示装置20Bとスレーブ表示装置20Cとが電気的に接続されることになる。したがって、マスタ表示装置10の送信アンテナ部12は、スレーブ表示装置20の表示面が露出する、開いた状態となる位置に移動させられたときに、そのスレーブ表示装置20に電力を供給し、そのスレーブ表示装置20宛にデータを送信することができる。同様に、互いに隣り合う2つのスレーブ表示装置20の間では、マスタ表示装置10に近い方のスレーブ表示装置20の送信アンテナ部22は、マスタ表示装置10に遠い方のスレーブ表示装置20が開いた状態となる位置に移動させられたときに、そのスレーブ表示装置20に電力を供給し、そのスレーブ表示装置20宛にデータを送信することができる。各々のスレーブ表示装置20が図1中の矢印L方向に引き出された場合にも、上述と同様の仕組みで電力及びデータの授受が行われる。一方、各表示装置の表示面が全て重なっているとき、つまり各スレーブ表示装置20が前述した第1の位置へと移動させられているときには、マスタ表示装置10とスレーブ表示装置20の各々の送信アンテナ部22と受信アンテナ部23とが重ならないので、電磁誘導による電力及びデータの授受は行われない。
【0027】
[動作]
次に、表示システム1の動作について説明する。ここでは、まずスレーブ表示装置20が連結されたときに行われる装置ID割当処理について説明してから、各々のスレーブ表示装置20に画像を表示させる表示処理について説明する。
【0028】
(装置ID割当処理)
図11は、スレーブ表示装置20が連結されたときに行われる装置ID割当処理を示すシーケンス図である。本実施形態では、利用者がスレーブ表示装置20A〜20Cを図9に示したように連結した場合を例に挙げて説明する。利用者によって連結されると、上述したように、マスタ表示装置10とスレーブ表示装置20A、スレーブ表示装置20Aとスレーブ表示装置20B、スレーブ表示装置20Bとスレーブ表示装置20Cとが電気的に接続される。このとき、マスタ表示装置10の電源14から供給される電力は、マスタ表示装置10の各部に供給されるとともに、マスタ表示装置10の送信アンテナ部12bからスレーブ表示装置20Aの受信アンテナ部23bへと供給される。
【0029】
スレーブ表示装置20Aの受信アンテナ部23bに供給された電力は、スレーブ表示装置20Aの送信アンテナ部22bからスレーブ表示装置20Bの受信アンテナ部23d、スレーブ表示装置20Bの送信アンテナ部22dからスレーブ表示装置20Cの受信アンテナ部23fへと順に供給されていく。各々のスレーブ表示装置20の受信アンテナ部23によって受け取られた電力は、そのスレーブ表示装置20の各部に供給される。以後、スレーブ表示装置20の各部、すなわち記憶性表示体21、送信アンテナ部22、受信アンテナ部23、制御回路24及び駆動回路25は、受信アンテナ部23に供給された電力を用いて動作する。
【0030】
電力が供給されると、スレーブ表示装置20のスレーブ信号回路44A〜44Cは、それぞれ1発の矩形パルス信号をスレーブ信号として出力する(ステップSA10)。このとき、スレーブ表示装置20Aのスレーブ信号回路44Aから出力されたスレーブ信号は、送信アンテナ部22aからマスタ表示装置10の受信アンテナ部13aへと送信される。また、スレーブ表示装置20Bのスレーブ信号回路44Bから出力されたスレーブ信号は、スレーブ表示装置20Aのスレーブ信号回路44Aを介して、マスタ表示装置10の受信アンテナ部13aへと転送される。そして、スレーブ表示装置20Cのスレーブ信号回路44Cから出力されたスレーブ信号は、スレーブ表示装置20Bのスレーブ信号回路44Bおよびスレーブ表示装置20Aのスレーブ信号回路44Aを介して、マスタ表示装置10の受信アンテナ部13aへと送信される。このとき、スレーブ信号回路44A〜44Cは、自装置に連結されたスレーブ表示装置20から送信されてきたスレーブ信号と、自回路から出力されるスレーブ信号のタイミングが同じ場合には、送信されてきたスレーブ信号のタイミングを遅らせて出力する。これにより、マスタ表示装置10の受信アンテナ部13aには、合計3発の矩形パルス信号がスレーブ信号として送られてくる。
【0031】
スレーブ信号が送られてくると、マスタ表示装置10の受信アンテナ部13aは、そのスレーブ信号を受信し(ステップSA20)、受信したスレーブ信号をスレーブ信号回路34に供給する。スレーブ信号回路34は、このスレーブ信号をCPU15に供給する。スレーブ信号が供給されると、マスタ表示装置10のCPU15は、ROM16に記憶されているID管理テーブルTを参照して、スレーブ表示装置20A〜20Cに対して、各々スレーブ表示装置20を識別する装置IDを割り当てる(ステップSA30)。具体的に説明すると、CPU15は、まずID管理テーブルTにおいてスレーブ表示装置20に割り当て可能な装置IDを、スレーブ信号の矩形パルス信号の数だけ読み出す。続いて、CPU15は、読み出した装置IDを順に並べて、送信アンテナ部12から送信させる。すなわち、マスタ表示装置10のCPU15と送信アンテナ部12とは協働して、自装置に直接連結または間接連結されたスレーブ表示装置20に対して、各々のスレーブ表示装置20を識別する装置IDを順に並べて送信することになる。この例では、合計3発の矩形パルス信号がスレーブ信号として供給されるため、図6に示したID管理テーブルTから「02」、「03」、「04」の3つの装置IDが読み出されて、この順番に並べて送信される。
【0032】
マスタ表示装置10の送信アンテナ部12bから装置IDが送信されると、スレーブ表示装置20Aの受信アンテナ部23bは、この装置IDを受信して、駆動制御回路41Aに供給する。駆動制御回路41Aは、供給された装置IDのうち先頭の装置IDを取得し、RAM45Aに記憶させる。この例では、装置IDが「02」、「03」、「04」の順番に並べて送信されてくるため、先頭の装置IDである「02」が取得されてRAM45Aに記憶される。続いて、駆動制御回路41Aは、供給された装置IDのうち、取得した装置ID以外の装置IDを送信アンテナ部22から送信させる。この例では、「02」を除いた「03」、「04」の2つの装置IDがこの順番に並べて送信される。
【0033】
スレーブ表示装置20Aの送信アンテナ部22bから装置IDが送信されると、スレーブ表示装置20Bの受信アンテナ部23dは、この装置IDを受信して、駆動制御回路41Bに供給する。駆動制御回路41Bは、上述した駆動制御回路41Aと同様にして、供給された装置IDのうち先頭の装置IDを取得してRAM45Bに記憶させた後、取得した装置ID以外の装置IDを送信アンテナ部22から送信させる。この例では、装置IDが「03」、「04」が順番に並べて送信されてくるため、先頭の装置IDである「03」が取得されてRAM45Bに記憶されてから、「03」を除いた「04」の装置IDが送信される。
【0034】
スレーブ表示装置20Bの送信アンテナ部22dから装置IDが送信されると、スレーブ表示装置20Cの受信アンテナ部23fは、この装置IDを受信して、駆動制御回路41Cに供給する。駆動制御回路41Cは、上述した駆動制御回路41Aと同様にして、供給された装置IDのうち先頭の装置IDを取得し、RAM45Cに記憶させる。この例では、装置IDとして「04」のみが送信されてくるため、この「04」が取得されてRAM45Cに記憶される。なお、駆動制御回路41Cには、1つの装置IDしか供給されないため、装置IDの転送を行う必要はない。
【0035】
このようにして、スレーブ表示装置20の駆動制御回路41A〜41Cは、送信されてきた装置IDのうちその並び順番が先頭である装置IDを取得し(ステップSA40)、取得した装置ID以外の装置IDを自装置に連結されたスレーブ表示装置20に供給する。つまり、スレーブ表示装置20は、送信されてきた装置IDのうち、自装置に対応した順序で送信されてきた装置IDを取得し、取得した装置ID以外の装置IDを自装置に連結された他のスレーブ表示装置20に送信することになる。続いて、駆動制御回路41A〜41Cはそれぞれ、装置IDの送信が正常に行われたことを表すACK信号を返信する(ステップSA50)。駆動制御回路41A〜41Cから返信されたACK信号はそれぞれ、マスタ表示装置10の受信アンテナ部13aへと送られる。
【0036】
図12は、上述したステップSA30〜50におけるマスタ表示装置10及びスレーブ表示装置20の動作を時系列に説明するためのタイミングチャートである。マスタ表示装置10のCPU15は、スレーブ信号が供給されると、クロック信号CLKをカウントすることで特定した期間ta1において装置IDを送信する。マスタ表示装置10から送信されてきた装置IDを取得すると、スレーブ表示装置20の駆動制御回路41A〜41Cは、それぞれ期間ta2においてACK信号を出力する。
【0037】
再び図11に戻り、ACK信号が送られてくると、マスタ表示装置10の受信アンテナ部13aは、このACK信号を受信し(ステップSA60)、CPU15に供給する。CPU15は、供給されたACK信号に基づいて、割り当てられている装置IDをID管理テーブルに登録する(ステップSA70)。具体的に説明すると、CPU15は、まずROM16に記憶されているID管理テーブルをRAM17に読み出す。続いて、CPU15は、そのID管理テーブルからROM16に記憶されている装置ID、すなわち自装置に割り当てられた装置IDを含むレコードと、ステップSA30において割り当てた装置IDを含むレコードとを抽出し、それらを結合する。この例では、図6に示したID管理テーブルTから「01」、「02」、「03」、「04」を含むレコードが抽出されて結合される。このように、割り当てられている装置IDをRAM17上のID管理テーブルに登録しておくことにより、CPU15は、データの授受に使用する装置IDを把握することができる。さらに、CPU15は、このRAM17上のID管理テーブルTに記述されている装置IDの数に基づいて、スレーブ表示装置20がいくつ連結されているかなども把握することができる。
【0038】
(表示処理)
次に、各々のスレーブ表示装置20に画像を表示させる表示処理について説明する。
図13は、この表示処理を示すシーケンス図である。まず、マスタ表示装置10のCPU15は、上述したステップSA70において装置IDが登録されたID管理テーブルTにおいて、自装置に割り当てられた装置ID以外の装置IDを読み出す。続いて、CPU15は、読み出した装置IDを送信アンテナ部12から送信させる(ステップSB10)。この例では、図6に示したID管理テーブルと類するID管理テーブルから、マスタ表示装置10に割り当てられた装置IDである「01」を除いた「02」、「03」、「04」の3つの装置IDが読み出されて、送信される。
【0039】
マスタ表示装置10の送信アンテナ部12bから送信された装置IDは、上述と同様の手順で、スレーブ表示装置20A、20B、20Cへと順に送られていく。スレーブ表示装置20の駆動制御回路41A〜41Cはそれぞれ、送信されてきた装置IDを取得すると、これらの装置IDの中にRAM45に記憶されている装置IDと一致する装置IDがあるか否かを判定し、一致する装置IDがある場合にはACK信号を返信する(ステップSB20)。各々の駆動制御回路41から返信されたACK信号は、マスタ表示装置10の受信アンテナ部13aへと送られる。
【0040】
ACK信号が送られてくると、マスタ表示装置10の受信アンテナ部13aは、このACK信号を受信し(ステップSB30)、CPU15に供給する。ACK信号が供給されると、CPU15は、まずステップSB10において送信した全ての装置IDに応じてACK信号が返信されたか否かを判定する(ステップSB40)。仮に、装置ID「04」に応じたACK信号が返信されなかった場合には(ステップSB40:NO)、その装置IDを記憶したスレーブ表示装置20が取り外されたと判断し、RAM17のID管理テーブルから「04」を含むレコードを削除する(ステップSB50)。一方、ステップSB10において送信した全ての装置IDに応じてACK信号が返信された場合(ステップSB40:YES)、CPU15は、次の処理に進む。
【0041】
続いて、CPU15は、RAM17に記憶されているID管理テーブルにおいて、自装置に割り当てられた装置IDに対応付けられたデータ名を特定する。続いて、CPU15は、特定したデータ名の画像データをROM16から読み出して、駆動回路19に供給する。この例では、図6に示したID管理テーブルTと類するID管理テーブルにおいて、「01」に対応付けられたデータ名「image4」が特定される。そして、データ名が「image4」である画像データがROM16から読み出されて、駆動回路19に供給される。駆動回路19は、供給された画像データに基づいて記憶性表示体11の表示素子を駆動させ、その画像データに応じた画像を記憶性表示体11に表示させる(ステップSB60)。これにより、マスタ表示装置10の記憶性表示体11には、「image4」という画像データに応じた4ページ目の画像が表示される。
【0042】
続いて、CPU15は、RAM17に記憶されているID管理テーブルを参照して、各々のスレーブ表示装置20に画像データを送信する(ステップSB70)。具体的に説明すると、CPU15は、まずID管理テーブルにおいて、自装置に割り当てられた装置ID以外の装置IDに対応付けられたデータ名を特定し、特定したデータ名の画像データをROM16から読み出す。この例では、図6に示したID管理テーブルTと類するID管理テーブルにおいて、マスタ表示装置10に割り当てられた装置IDである「01」以外の装置ID「02」、「03」、「04」に対応付けられた「image3」、「image2」、「image1」というデータ名がそれぞれ特定され、特定されたデータ名の画像データが読み出される。続いて、CPU15は、それらの各装置IDを含む送信コマンドと、その装置IDに対応付けられたデータ名の画像データとを対応付けて送信アンテナ部12から送信させる。この例では、装置ID「02」を含む送信コマンドと「image3」という画像データとが対応付けて送信され、装置ID「03」を含む送信コマンドと「image2」という画像データとが対応付けて送信され、装置ID「04」を含む送信コマンドと「image1」という画像データとが対応付けて送信される。上述したように、マスタ表示装置10送信アンテナ部12からは電力の供給が行われているので、マスタ表示装置10のCPU15及び送信アンテナ部12は協働して、自装置に直接連結されたスレーブ表示装置20に電力を供給し、上述したステップSA30において割り当てた装置IDによって識別されるスレーブ表示装置20を宛先として、その装置IDに対応付けられた画像データを送信することになる。
【0043】
マスタ表示装置10の送信アンテナ部12bから送信された送信コマンド及び画像データは、上述の装置IDの送信と同様の手順で、スレーブ表示装置20A、20B、20Cへと順に送られていく。スレーブ表示装置20の駆動制御回路41A〜41Cはそれぞれ、送信されてきた画像データのうち、RAM45に記憶されている自装置の装置IDを含む送信コマンドに対応付けられた画像データを選択して受信する(ステップSB80)。この例では、スレーブ表示装置20AのRAM45Aには装置IDとして「02」が記憶されている。したがって、スレーブ表示装置20Aの駆動制御回路41Aは、送信されてきた画像データのうち、「02」を含む送信コマンドに対応付けられた「Image3」という画像データを取得する。同様に、スレーブ表示装置20BのRAM45Bには装置IDとして「03」が記憶されてため、駆動制御回路41Bは、送信されてきた画像データのうち、「03」を含む送信コマンドに対応付けられた「Image2」という画像データを取得する。また、スレーブ表示装置20CのRAM45Cには装置IDとして「04」が記憶されてため、駆動制御回路41Cは、送信されてきた画像データのうち、「04」を含む送信コマンドに対応付けられた「Image1」という画像データを取得する。上述したように、駆動制御回路41A〜41Cはそれぞれ、マスタ表示装置10の送信アンテナ部12から供給された電力を用いて動作している。したがって、各々のスレーブ表示装置20の駆動制御回路41は、マスタ表示装置10の送信アンテナ部12から供給された電力を受け取り、受け取った電力を用いて、送信アンテナ部12から自装置を宛先として送られてくるデータを受信することになる。
【0044】
続いて、駆動制御回路41A〜41Cは、それぞれ取得した画像データを駆動回路25に供給する。駆動回路25A〜25Cは、それぞれ供給された画像データに基づいて自回路と接続された記憶性表示体21の表示素子を駆動させ、その画像データに応じた画像をその記憶性表示体21に表示させる(ステップSB90)。上述したように、駆動回路25A〜25Cはそれぞれ、マスタ表示装置10の送信アンテナ部12から供給された電力を用いて動作している。したがって、各々のスレーブ表示装置20の駆動回路25は、受信アンテナ部23が受け取った電力を用いて記憶性表示体21の表示素子を駆動し、受信アンテナ部23によって受信された画像データに応じた画像を記憶性表示体21に表示させることになる。これにより、スレーブ表示装置20Aの記憶性表示体21Aには、「image3」という画像データに応じた3ページ目の画像が表示される。また、スレーブ表示装置20Bの記憶性表示体21Bには、「image2」という画像データに応じた2ページ目の画像が表示され、スレーブ表示装置20Cの記憶性表示体21Cには、「image1」という画像データに応じた1ページ目の画像が表示される。
【0045】
図14は、上述したステップSB10〜70におけるマスタ表示装置10及びスレーブ表示装置20の動作を時系列に説明するためのタイミングチャートである。マスタ表示装置10のCPU15は、クロック信号CLKをカウントすることで特定した期間tb1において装置IDを送信する。マスタ表示装置10から装置IDが送信されてくると、スレーブ表示装置20の駆動制御回路41A〜41Cは、それぞれ期間tb2においてACK信号を出力する。そして、マスタ表示装置10のCPU15は、ステップSB30〜60の処理を行った後、期間tb3において送信コマンドを送信し、続いて期間tb4において対応する画像データを送信する。
【0046】
以上説明した実施形態によれば、互いに着脱可能なマスタ表示装置10及び複数のスレーブ表示装置20の各々において、文書の各ページのページ順に従って画像を順序よく表示させることができる。
また、マスタ表示装置10には、電力供給手段として電源や、画像データの記憶手段としてのROMや、装置IDの割り当てて画像データとの対応付ける割り当て手段としてのCPUといった各構成が実装されているのに対し、スレーブ表示装置20にはこれらの構成が実装されていない。さらに、マスタ表示装置10及び複数のスレーブ表示装置20の表示手段となる記憶性表示体11は、電力供給が無くても、画像を表示し続けることができるので、マスタ表示装置10が備える電源として、省電力に見あった小型のものを採用することができる。よって、マスタ表示装置10及び複数のスレーブ表示装置20からなるシステム全体では構成が簡易になり、軽量化に寄与する。
また、各々のスレーブ表示装置20がマスタ表示装置10の下方から引き出されたとき、つまり、利用者が各スレーブ表示装置20の表示面を参照しようとしたときに、マスタ表示装置10と各スレーブ表示装置20とが電気的に接続されるから、効率のよい電力消費を実現できる。さらに、この電気的接続は電磁誘導を利用したものであるから、利用者は、各表示装置のレール同士を噛み合わせて物理的に連結させるという作業だけ行えばよい。
さらに、上述した実施形態では、マスタ表示装置10の送信アンテナ部12の長手方向の長さが、マスタ表示装置10の幅方向の長さの約半分になっているため、スレーブ表示装置20が図3中の矢印R方向又は矢印L方向のどちらに引き出されても、スレーブ表示装置20に確実に電力とデータを供給することができる。
【0047】
[変形例]
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を適宜組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態では、マスタ表示装置10とスレーブ表示装置20との間で行われるデータの授受の一例として、マスタ表示装置10から各々のスレーブ表示装置20に画像データを送信する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、スレーブ表示装置20のタッチパネルが接触されたときに、スレーブ表示装置20からマスタ表示装置10にその接触位置を表す位置情報が送信されてもよい。この場合、マスタ表示装置10のCPU15は、位置情報を要求する要求コマンドを送信する。要求コマンドが送信されてくると、スレーブ表示装置20の駆動制御回路41は、その要求コマンドによって要求された位置情報をRAM45から読み出して、マスタ表示装置10に返信する。これにより、マスタ表示装置10は、スレーブ表示装置20に記憶されているデータを取得することができる。
【0048】
(変形例2)
上述した実施形態において、マスタ表示装置10とスレーブ表示装置20とは、非接触で電力及びデータの授受を行っていたが、例えばお互いが導電端子を備えておき、これらを接触させて電力及びデータの授受を行ってもよい。この導電端子も、表示装置が移動可能な方向に長手方向を有する形状であることが望ましい。
また、マスタ表示装置10とスレーブ表示装置20とを複数の導線が束ねられたフラットケーブルなどで接続し、有線で電力及びデータの授受が行われてもよい。この場合、利用者は、スレーブ表示装置20を連結するときに、このフラットケーブルの接続を行う必要がある。
【0049】
(変形例3)
上述した実施形態において、スレーブ表示装置20の駆動制御回路41A〜41Cは、それぞれ送信されてきた装置IDのうち先頭の装置IDを取得していたが、これに限らない。例えば、駆動制御回路41は、送信されてきた装置IDのうち一番後ろの装置IDを取得してもよい。要するに、駆動制御回路41は、送信されてきた装置IDのうち、その並び順が所定の順番である装置IDを取得すればよい。また、並び順に従って取得するのではなく、装置IDの数値が最も小さいもの或いは最も大きいものから順に取得してもよい。つまり、装置IDの値そのものの順序に従って取得するようにしてもよい。
【0050】
(変形例4)
上述した実施形態において、マスタ表示装置10のCPU15は、装置IDや画像データを送信するときに、送信アンテナ部12a、12bの両方にこれらのデータを供給していたがこれに限らない。例えば、CPU15は、送信アンテナ部12のインダクタンスの変化に基づいて、どちらの送信アンテナ部12がスレーブ表示装置20Aの受信アンテナ部23と通信可能かを判定し、通信が可能な方の送信アンテナ部12のみにデータを供給してもよい。
【0051】
(変形例5)
上述した実施形態において、マスタ表示装置10のCPU15による処理は、プログラムに従って行われていた。これに対し、マスタ表示装置10にハードウェア回路を設け、このハードウェア回路がCPU15に代わって上述した処理を行ってもよい。また、CPU15とハードウェア回路とが分担して、上述した処理を行ってもよい。
【0052】
(変形例6)
上述した実施形態では、スレーブ表示装置20が3台設けられている例を挙げて説明したが、スレーブ表示装置20の数は3台に限らない。スレーブ表示装置20の数は、2台であってもよいし、4台以上であってもよい。
【0053】
(変形例7)
上述した実施形態では、図3(b)や図3(c)に示したように、スレーブ表示装置20の表示面がマスタ表示装置10又は他のスレーブ表示装置20と完全に重なっていない状態を例に挙げて、スレーブ表示装置20が開かれた状態を説明したが、これに限らない。例えば、スレーブ表示装置20の表示面が半分だけ他の表示装置と重なった状態であってもよい。図10に示すように、送信アンテナ部12、22はスレーブ表示装置20の移動方向に延びているため、スレーブ表示装置20が完全に開かれた状態にならなくても、スレーブ表示装置20の受信アンテナ部23とマスタ表示装置10の送信アンテナ部12または他のスレーブ表示装置20の送信アンテナ部22とが重なる状態になる。この場合には、スレーブ表示装置20は上述した実施形態の処理を行うことができるため、スレーブ表示装置20が完全に開かれた状態でなくてもよいのである。本発明の「第2の位置」とは、このような位置をも含むものである。このように、スレーブ表示装置20が、図3(b)や図3(c)に示したように、完全に引き出されていないうちに、上述した実施形態の処理が開始されることにより、スレーブ表示装置20が引き出されてから記憶性表示体21に画像が表示されるまでの時間を短くすることができる。
【0054】
(変形例8)
上述した実施形態において、マスタ表示装置10は、画像データが表す文書画像の内容に適したスレーブ表示装置20の開き方向を利用者に報知してもよい。この場合、マスタ表示装置10のROM16に記憶される画像データには、その画像データが表す文章画像を読む方向を指定する指定情報が含まれている。この文章画像を読む方向は、文章を作成した文書作成者が決めてもよいし、文章が縦書きか横書きかなどに応じて文書作成プログラムが決めてもよい。また、マスタ表示装置10には、スレーブ表示装置20の開き方向を画像や光あるいは音声などで利用者に報知する報知手段が設けられる。そして、マスタ表示装置10のCPU15は、表示する文章画像が利用者によって指定されると、その文章画像の画像データに含まれる指定情報に基づいて、その文書画像を読む方向を判別し、判別した方向をスレーブ表示装置20の開き方向として特定する。そして、CPU15は、特定したスレーブ表示装置20の開き方向を報知手段によって利用者に報知する。報知手段が開き方向を報知する方法としては、例えば、開き方向を案内する画像を表示したり、開き方向を案内するように発光したり、あるいは開き方向を案内する音声を放音したりする方法が考えられる。これにより、利用者は、文書画像の内容に適した方向にスレーブ表示装置20を引き出すことができる。
【0055】
また、マスタ表示装置10は、画像データが表す文書画像の内容に適したスレーブ表示装置20の開き方向しかスレーブ表示装置20を物理的に移動させないようにしてもよい。この場合、マスタ表示装置10またはスレーブ表示装置20のレールの長手方向の両端には、その表示装置に直接連結されたスレーブ表示装置20を図3中の矢印R方向および矢印L方向のいずれの方向にも移動させないようにするためのロック機構が設けられる。そして、マスタ表示装置10のCPU15は、上述のようにしてスレーブ表示装置20の開き方向を特定すると、特定した開き方向側にあるロック機構を解除して、自装置に直接連結されたスレーブ表示装置20をその開き方向にのみ移動可能にする。これにより、利用者が文書画像の内容に適さない方向にスレーブ表示装置20を引き出すことを防ぐことができる。
【0056】
(変形例9)
上述した実施形態では、スレーブ表示装置20が図3中の矢印R方向または矢印L方向のいずれに開かれた場合にも、各々のスレーブ表示装置20の記憶性表示体21に表示される画像は変わらないようになっていた。これに対し、スレーブ表示装置20の開き方向に応じて、表示される画像を変えてもよい。この場合、マスタ表示装置10のROM16には、図6に示したID管理テーブルTの他に、装置IDを並び替えた第2のID管理テーブルが記憶される。この第2のID管理テーブルにおいては、装置ID「01」とデータ名「image1」が対応付けられ、装置ID「02」とデータ名「image2」、装置ID「03」とデータ名「image3」、装置ID「04」とデータ名「image4」とが対応付けられる。この場合、マスタ表示装置10のCPU15は、送信アンテナ部12aと12bのいずれのインダクタンスが変化したかに応じて、スレーブ表示装置20が開かれた方向を特定する。そして、CPU15は、スレーブ表示装置20が図3中の矢印R方向に開かれた場合には、図6に示したID管理テーブルTを参照して画像データの送信を行い、スレーブ表示装置20が図3中の矢印L方向に開かれた場合には、上述した第2のID管理テーブルを参照して画像データの送信を行う。
【0057】
これにより、スレーブ表示装置20が図3中の矢印L方向に開かれた場合には、右端のマスタ表示装置10には1ページ目の画像が表示され、その左隣のスレーブ表示装置20Aには2ページ目の画像が表示され、その左隣のスレーブ表示装置20Bには3ページ目の画像が表示され、左端のスレーブ表示装置20Cには4ページ目の画像が表示される。上述したように、スレーブ表示装置20が図3中の矢印R方向に開かれた場合には、右端のスレーブ表示装置20Cには1ページ目の画像が表示され、その左隣のスレーブ表示装置20Bには2ページ目の画像が表示され、その左隣のスレーブ表示装置20Aには3ページ目の画像が表示され、左端のマスタ表示装置10には4ページ目の画像が表示される。したがって、スレーブ表示装置20が図3中の矢印R方向に開かれた場合にも、矢印L方向に開かれた場合にも、右端の表示装置から左側に向かって1ページ目〜4ページ目の画像が順に表示されるようになる。また、ID管理テーブルの装置IDを並び替えて、スレーブ表示装置20が図3中の矢印R方向または矢印L方向にいずれに開かれた場合にも、左端の表示装置から右側に向かって1ページ目〜4ページ目の画像が順に表示されるようにしてもよい。これにより、利用者は、どちらの方向にスレーブ表示装置20を開いても、画像を一定の方向に閲覧することができる。
【0058】
(変形例10)
上述した実施形態において、マスタ表示装置10のCPU15によって実行される各プログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本実施形態に係る表示システムの外観を示す斜視図である。
【図2】上記表示システムの側面図である。
【図3】上記表示システムのスレーブ表示装置が開閉する様子を示す平面図である。
【図4】上記表示システムのマスタ表示装置の外観を示す平面図である。
【図5】上記マスタ表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】上記マスタ表示装置が記憶するID管理テーブルの一例を示す図である。
【図7】上記表示システムのスレーブ表示装置の外観を示す平面図である。
【図8】上記スレーブ表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】上記スレーブ表示装置が引き出された様子を示す平面図である。
【図10】上記スレーブ表示装置が引き出されたときの表示システムの側面図である。
【図11】上記表示システムのID割当処理を示すシーケンス図である。
【図12】上記表示システムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】上記表示システムの表示処理を示すシーケンス図である。
【図14】上記表示システムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1…表示システム、10…マスタ表示装置、11…記憶性表示体(表示手段)、12…送信アンテナ部(送信手段)、13…受信アンテナ部、14…電源(電力供給手段)、15…CPU(割当手段、送信手段)、16…ROM(記憶手段)、17…RAM、18…制御回路(送信手段)、19…駆動回路(表示制御手段)、31…駆動制御回路、32…タッチセンサ、33…A/Dコンバータ、34…スレーブ信号回路、35…RAM、20…スレーブ表示装置、21…記憶性表示体(表示手段)、22…送信アンテナ部(送受信手段)、23…受信アンテナ部(送受信手段)、24…制御回路(送受信手段)、25…駆動回路(表示制御手段)、41…駆動制御回路、42…タッチセンサ、43…A/Dコンバータ、44…スレーブ信号回路、45…RAM、d1〜d3,d1’〜d3’…レール(連結手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を供給する電力供給手段と、
データを記憶する記憶手段と、
複数の表示素子が配列された表示面を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が供給され、当該画像が表示された後は、電力が供給されなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、
自装置の前記表示面と他の表示装置の表示面とが重なる第1の位置と、自装置の前記表示面と前記他の表示装置の表示面とが重ならない第2の位置との間を移動し得る状態で、自装置と前記他の表示装置とを連結する連結手段と、
前記連結手段に連結された前記他の表示装置、又は、当該他の表示装置を介して前記連結手段に連結されたさらに他の表示装置に対して、各々の前記他の表示装置を識別する他装置識別情報を割り当て、当該他装置識別情報及び自装置に割り当てられた自装置識別情報と、前記記憶手段に記憶された各データとを対応付ける割当手段と、
前記電力供給手段から供給される電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記割当手段により前記自装置識別情報に対応付けられたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記電力供給手段から供給される電力を前記連結手段に連結された前記他の表示装置に供給し、前記他装置識別情報により識別される前記他の表示装置を宛先として、当該他装置識別情報に対応付けられたデータを送信する送信手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
第1の表示装置と、複数の第2の表示装置とを備え、
前記第1の表示装置および各々の前記第2の表示装置は、
複数の表示素子が配列された表示面を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が供給され、当該画像が表示された後は、電力が供給されなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、
自装置の前記表示面と他の前記表示装置の前記表示面とが重なる第1の位置と、自装置の前記表示面と他の前記表示装置の前記表示面とが重ならない第2の位置との間を移動し得る状態で、自装置と他の前記表示装置とを連結する連結手段とを備え、
前記第1の表示装置は、
電力を供給する電力供給手段と、
データを記憶する記憶手段と、
自装置の前記連結手段に連結された前記第2の表示装置、又は、当該第2の表示装置を介して当該連結手段に連結された前記第2の表示装置に対して、各々の前記第2の表示装置を識別する他装置識別情報を割り当て、当該他装置識別情報及び自装置に割り当てられた自装置識別情報と、前記記憶手段に記憶された各データとを対応付ける割当手段と、
前記電力供給手段から供給される電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記割当手段により前記自装置識別情報に対応付けられたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、
前記電力供給手段から供給される電力を前記連結手段に連結された前記第2の表示装置に供給し、前記他装置識別情報により識別される前記第2の表示装置を宛先として、当該他装置識別情報に対応付けられたデータを送信する送信手段とを備え、
各々の前記第2の表示装置は、
自装置の前記連結手段に連結された前記第1の表示装置又は前記第2の表示装置から供給される電力を受け取って、当該電力の供給元以外の前記第2の表示装置に供給する一方、受け取った前記電力を用いて、自装置の前記連結手段に連結された前記第1の表示装置又は前記第2の表示装置から送信されてくるデータを受信し、受信したデータを当該データの送信元以外の前記第2の表示装置に送信する送受信手段と、
前記送受信手段が受け取った電力を用いて自装置の前記表示手段の表示素子を駆動し、当該送受信手段によって受信された、自装置を宛先としたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる第2の表示制御手段とを備える
ことを特徴とする表示システム。
【請求項3】
前記第1の表示装置の前記送信手段は、自装置の前記連結手段に連結された前記第2の表示装置が前記第2の位置にあるときに、当該第2の表示装置に電力を供給してデータを送信し、
前記第2の表示装置の前記送受信手段は、自装置の前記連結手段に連結された前記第2の表示装置が前記第2の位置にあるときに、当該第2の表示装置に電力を供給してデータを送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記第1の表示装置および各々の前記第2の表示装置の前記連結手段は、
前記第1の位置と前記第1の表示装置から見て第1の方向にある前記第2の位置との間、及び、前記第1の位置と前記第1の表示装置から見て前記第1の方向と反対の第2の方向にある前記第2の位置との間で、各々の前記第2の表示装置が移動し得る状態で、自装置と他の前記表示装置とを連結する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記第1の表示装置の前記送信手段及び前記第2の表示装置の前記送受信手段は、前記連結手段によって連結された自装置又は他の表示装置が移動可能な方向に長手方向を有する形状である
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の表示システム。
【請求項6】
前記第1の表示装置の前記割当手段は、割り当てた他装置識別情報を所定の順序で、自装置の前記連結手段に連結された前記第2の表示装置に送信し、
各々の前記第2の表示装置の前記送受信手段は、
送信されてきた前記他装置識別情報のうち、自装置に対応した順序で送信されてきた他装置識別情報を取得し、取得した当該他装置識別情報以外の他装置識別情報を自装置の前記連結手段に連結された他の前記第2の表示装置に送信する
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の表示システム。
【請求項7】
前記第1の表示装置の前記送信手段は、電磁誘導によって電力を供給するとともに無線でデータを送信し、
各々の前記第2の表示装置の前記送受信手段は、電磁誘導によって電力の供給を受けるとともに無線で送信されてきたデータを受信し、電磁誘導によって電力を供給するとともに無線でデータを送信する
ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の表示システム。
【請求項8】
電力を供給する電力供給手段と、データを記憶する記憶手段と、複数の表示素子が配列された表示面を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が供給され、当該画像が表示された後は、電力が供給されなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、自装置の前記表示面と他の表示装置の表示面とが重なる第1の位置と、自装置の前記表示面と前記他の表示装置の表示面とが重ならない第2の位置との間を移動し得る状態で、自装置と前記他の表示装置とを連結する連結手段とを有する表示装置のコンピュータを、
前記連結手段に連結された前記他の表示装置、又は、当該他の表示装置を介して前記連結手段に連結されたさらに他の表示装置に対して、各々の前記他の表示装置を識別する他装置識別情報を割り当て、当該他装置識別情報及び自装置に割り当てられた自装置識別情報と、前記記憶手段に記憶された各データとを対応付ける割当手段と、
前記電力供給手段から供給される電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記割当手段により前記自装置識別情報に対応付けられたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記電力供給手段から供給される電力を前記連結手段に連結された前記他の表示装置に供給し、前記他装置識別情報により識別される前記他の表示装置を宛先として、当該他装置識別情報に対応付けられたデータを送信する送信手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−211418(P2009−211418A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53904(P2008−53904)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】