表示装置、表示方法及びプログラム
【課題】表示装置、表示方法及びプログラムにおいて、ユーザへの負荷を生じることなくユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することを目的とする。
【解決手段】記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択部と、前記画像選択部により選択された画像データを一定時間表示する表示部と、ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出部と、前記注視検出部が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新部を備え、前記画像選択部は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択するように構成する。
【解決手段】記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択部と、前記画像選択部により選択された画像データを一定時間表示する表示部と、ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出部と、前記注視検出部が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新部を備え、前記画像選択部は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置に記憶されている画像を表示する表示装置、表示方法及びプログラムに関する。本発明は、コンピュータにこのような表示方法の手順を実行させるプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体にも関する。
【0002】
本明細書では、表示装置の「ユーザ」とは、表示装置が表示する画像を鑑賞する任意の鑑賞者を含み、表示装置の所有者に限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
デジタルカメラは、撮像した画像をメモリ等の記憶装置に記憶しておけるので、撮像済みの画像を保管するために従来の銀塩カメラのようにネガを劣化しないよう保管する等の手間がかからない。このため、デジタルカメラは急速に普及している。又、デジタルカメラは、従来のアルバムの代わりに、デジタルフォトフレームと呼ばれる表示装置を用いることにより、記憶装置に記憶された画像を簡単に表示することができる。デジタルフォトフレームは、ユーザ(又は、鑑賞者)が選択した画像を表示したり、撮像順序等の情報に応じた順番で画像を自動的に選択して表示したり、画像をランダムに選択して表示したりすることができる。
【0004】
撮像順序に応じた順番で画像を選択して表示した場合、常に同じ画像が同じ順序で表示されるため、特に記憶している画像数が比較的少ない場合にはユーザが早く飽きてしまう。一方、記憶している画像数が比較的多い場合には、同じ撮像時期又は現場の画像が多く続き、次の撮像時期又は現場の画像がなかなか現れないので、ユーザが興味を持ち易い画像を表示することは難しい。
【0005】
画像をランダムに選択して表示した場合、順番に画像を選択して表示する場合と比べるとユーザが飽きてしまう可能性は低減する。しかし、比較的長時間の単位で見ると、なかなか表示されない画像が発生したり、逆に頻繁に表示される画像が発生したりする。これは、画像をランダムに選択して表示する場合、数学的には全ての画像が同じ確率で選択されるものの、ユーザが興味を持たない画像はユーザの記憶に残りにくいのでなかなか表示されないように感じられ、ユーザが興味を持つ画像はユーザの記憶に残り易いため頻繁に表示されているように感じられるからである。
【0006】
又、ユーザが過去に選択した画像の履歴等のユーザの各画像に対する興味の度合いを示す情報に応じた順番で画像を自動的に選択して表示することも提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。しかし、この提案方法では、ユーザが手動で画像を選択して初めて選択履歴等の興味の度合いを示す情報が生成可能となるため、ユーザへの負荷が生じてしまう。更に、例えばユーザが2年前に興味を持っていた画像であっても、現在はそれ程興味がない可能性があるため、この提案方法では常にユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することはできない。
【0007】
ユーザの目線が表示されている画像から外れると表示する画像を切り替えることも提案されている(例えば、特許文献3)。しかし、この提案方法では、ユーザの目線が画像から外れると異なる画像を表示するにすぎないため、常にユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することはできない。
【0008】
尚、電子看板、或いは、デジタルサイネージ(Digital Signage)は、デジタル技術を活用してディスプレイやプロジェクタ等により画像や情報を表示する表示装置(広告媒体とも言う)であるが、上記のフォトフレームと同様の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−173983号公報
【特許文献2】特開2006−157324号公報
【特許文献3】特開2008−219286号公報
【特許文献4】特開平8−76006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の表示方法では、ユーザへの負荷を生じることなくユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することは難しいという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、ユーザへの負荷を生じることなくユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することが可能な表示装置、表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一観点によれば、第1の記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択部と、前記画像選択部により選択された画像データを一定時間表示する表示部と、ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出部と、前記注視検出部が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新部を備え、前記画像選択部は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する表示装置が提供される。
【0013】
本発明の一観点によれば、記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択工程と、前記画像選択工程により選択された画像データを一定時間表示部に表示する表示工程と、ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出工程と、前記注視検出工程が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新工程を含み、前記画像選択工程は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する表示方法が提供される。
【0014】
本発明の一観点によれば、コンピュータに、記憶部に記憶された画像データを選択して一定時間表示部に表示させるプログラムであって、ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出手順と、前記注視検出手順が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新手順を前記コンピュータに実行させ、前記画像選択手順は、前記コンピュータに、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
開示の表示装置、表示方法及びプログラムによれば、ユーザへの負荷を生じることなくユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】表示装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例における表示装置の一例を示すブロック図である。
【図3】第1実施例における画像選択処理の一例を説明するフローチャートである。
【図4】注視時刻と表示時刻を説明する図である。
【図5】注視検出処理の一例を説明する図である。
【図6】注視検出処理の他の例を説明する図である。
【図7】図6の注視検出処理を説明するフローチャートである。
【図8】注視及び表示回数更新処理の一例を説明するフローチャートである。
【図9】フラグ設定処理の一例を説明するフローチャートである。
【図10】データベース内のデータを説明する図である。
【図11】ファイル削除処理の一例を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施例における表示装置の一例を示すブロック図である。
【図13】第2実施例における画像選択処理の一例を説明するフローチャートである。
【図14】データベース内のデータを説明する図である。
【図15】アルゴリズム選択処理の一例を説明するフローチャートである。
【図16】コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
開示の表示装置、表示方法及びプログラムでは、データベースに記憶されている画像を選択的に表示する際に、各画像がユーザにより注視された時刻と各画像が表示された時刻に基づいて次に選択して表示する画像を決定する。
【0018】
以下に、開示の表示装置、表示方法及びプログラムの各実施例を図面と共に説明する。
【実施例】
【0019】
(第1実施例)
図1は、表示装置の一例を示す斜視図である。この例では、表示装置はデジタルフォトフレームに適用されている。表示装置1は、筐体11を有し、筐体11には支持部11A、表示部12及びカメラ13が設けられている。後述するように、表示部12は、各画像が注視された時刻と各画像が表示された時刻に基づいて次に選択して表示する画像を決定することで、記憶部(図示せず)に記憶された画像を選択的に表示する。カメラ13は、ユーザが表示部12に表示された画像を注視したか否かを検出するのに用いられる。尚、表示部12及びカメラ13は筐体11に一体的に設けられているが、表示部12及びカメラ13は別々にもうけられていても良い。
【0020】
図2は、本発明の第1実施例における表示装置の一例を示すブロック図である。表示装置1は、図2に示す如く接続された表示部12、カメラ13、注視検出部14、画像選択部15−1、表示画像決定部16、時計(又は、タイマ)17、読み込み部18、例えばテーブルで形成されたデータベースを記憶する記憶部21−1、及び画像データを記憶する記憶部22を有する。表示部12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等により形成可能であり、カメラ13は、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等により形成可能である。尚、少なくとも各記憶部21−1,22は、表示装置1内に設けられていても、表示装置1に外部接続されていても良い。例えば、記憶部22はネットワーク(図示せず)を介して表示装置1に対して外部接続されていても良い。記憶部21−1,22は、単一の記憶部で形成可能である。一方、記憶部22をSDメモリカード(Secure Digital Memory Card)等のメモリカード表示装置1に対して着脱可能に設けても良い。
【0021】
記憶部21−1に記憶されたデータベースには、画像のファイル名、注視時刻、表示時刻等が格納されている。画像選択部15−1は、後述するように各画像の注視時刻及び表示時刻に基づいて表示するべき画像を選択し、選択された画像のファイル名を表示画像決定部16に供給する。表示画像決定部16は、選択された画像のファイル名を表示が決定された画像のファイル名として読み込み部18に供給し、読み込み部18は、供給されたファイル名の画像に関する画像データを記憶部22から読み込んで表示部12に表示する。
【0022】
一方、カメラ13は、表示装置1の表示部12を鑑賞しているユーザを撮像して撮像データを注視検出部14に供給する。注視検出部14は、表示部12に表示されている画像(以下、表示画像とも言う)を鑑賞しているユーザが表示画像を注視したか否かを検出する。注視とは、ユーザが表示画像に視線を向けて見ている状態を意味し、瞬間的に表示画像を見る状態も含む。注視検出部14がユーザの注視を検出すると、その時点の表示画像のファイル名は表示画像決定部16において認識されているので、その時点の表示画像のファイル名を時計17に供給する。時計17は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を注視時刻及び表示時刻として、記憶部21−1内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の注視時刻及び表示時刻を更新する更新部として機能する。各ファイル名の画像の注視時刻は、ユーザがそのファイル名の表示画像を注視した時刻を示し、各ファイル名の画像の表示時刻は、そのファイル名の表示画像が表示部12に表示された時刻を示す。
【0023】
図3は、第1実施例における画像選択処理の一例を説明するフローチャートである。図3の画像選択処理は、画像選択部15−1、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図3において、ステップS1は、記憶部21−1内のデータベースからランダムに3枚の画像のファイル名を選択する。ステップS2は、選択した3枚の画像の中で表示時刻が一番新しい画像のファイル名を選択候補から外す。ステップS2は、例えば注視の検出漏れが発生した場合に同じ画像が比較的短時間の間に繰り返し表示されることを防ぐために実行するが、省略しても良い。ステップS3は、選択した残りの2枚の画像のうち注視時刻が古い方のファイル名を選択する。ステップS3は、同じ画像が比較的短時間の間に繰り返し表示されることを防ぐために実行するが、省略しても良い。ステップS4は、選択した画像のファイル名を表示画像決定部16を介して読み込み部18に供給することで、選択された画像の画像データを記憶部22から読み取って一定時間の間表示部12に表示する。一定時間は、一般的なデジタルフォトフレームの場合は例えば15秒〜5分程度であるが、このような範囲に限定されるものではない。
【0024】
ステップS5は、ユーザが表示部12に表示中の表示画像を注視したことを検出したか否かを注視検出部14の検出出力から判断する。ステップS5の判断結果がYESであると、ステップS6は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の注視時刻として、記憶部21−1内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の注視時刻を更新する。一方、ステップS5の判断結果がNOであるか、或いは、ステップS6の後、ステップS7は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の表示時刻として、記憶部21−1内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の表示時刻を更新する。ステップS7の後、処理はステップS1へ戻る。
【0025】
これにより、画像を表示部12に表示している間、ユーザが表示画像を注視したことが注視検出部14により検出されると、その時点の時刻が表示画像のファイル名に対する注視時刻に上書きされて更新される。一方、ユーザが表示画像を注視したか否かにかかわらず、表示画像の表示が終了して次に選択された画像を表示する際には、その時点の時刻が表示画像のファイル名に対する表示時刻に上書きされて更新される。従って、図3の画像選択処理を繰り返すことで、常に、ユーザが比較的長時間の間鑑賞していない画像を、適切なランダム要素を交えながら表示部12に表示することができる。
【0026】
図4は、注視時刻と表示時刻を説明する図である。図4は、画像Aが表示時刻10:00に表示部12に表示され、画像Bが表示時刻10:05に表示部12に表示され、画像Cが表示時刻10:10に表示部12に表示された場合を示す。この場合、例えばユーザが時刻10:08に表示部12に表示された画像Bを注視すると、画像Bの注視時刻は10:08のまま維持され、画像A,Cの注視時刻は更新されない。このため、前回の注視時刻がそのまま維持される。新たな画像の画像データが記憶部22に記憶されると、この新たな画像に対する表示時刻及び注視時刻は無いので、例えば予め設定されている基準時刻等の十分古い時刻を新たな画像に対する表示時刻及び注視時刻の初期値として設定可能である。尚、図4では説明の便宜上画像A〜Cの表示時刻及び注視時刻を示したが、記憶部21−1内のデータベースには画像のファイル名に対する注視時刻、表示時刻等が格納される。又、時刻は時:分で示したが、時刻の表示方法は時刻を表示できる表示方法であれば特に限定されない。例えば、時刻は2010年3月1日10:00、予め設定された基準時刻からの経過時間等によっても表示可能である。
【0027】
次に、注視検出部14による注視検出処理を、図5乃至図7と共に説明する。ユーザが表示部12に表示された画像を注視しているか否かを検出する注視検出処理自体は、特許文献4を含み、様々な注視検出処理が提案されている。多くの注視検出処理は、ユーザがどこを見ているかをユーザの視線等を観察して、計算により目標を注視している確率を求めるものである。本実施例における注視検出処理は、特に限定されないが、以下に注視検出処理の例を説明する。
【0028】
図5は、注視検出処理の一例を説明する図である。この例では、表示装置1のカメラ13−1がユーザの眼球500を観察し、注視検出部14がカメラ13−1で観察された眼球500の向きからユーザが表示装置1の表示部12を注視しているか否かを判断する。
【0029】
図6は、注視検出処理の他の例を説明する図である。この例では、表示装置1に設けられた発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子13−3から赤外線をユーザの眼球500に照射し、発光素子13−1の横に設けられたカメラ13−2により眼球500に写るプルキニエ(Purkyne)像、即ち、角膜反射像を確認する。図6中、(a)は表示装置1とユーザの眼球500の関係を示し、(b)は赤外線の照射によりユーザの眼球500に写るプルキニエ像511を目501及び黒目502と共に示す。
【0030】
図7は、図6の注視検出処理を説明するフローチャートである。図7において、ステップS31は、カメラ13−2からの撮像画像を入力し、ステップS32は、入力撮像画像にユーザの顔領域があるか否かを周知の方法で判断する。顔領域は、入力撮像画像に目が2つ、鼻筋が通って鼻の下に口があるといったテンプレートを用意し、入力撮像画像に対してテンプレートマッチングを行うことで検出可能である。ステップS32の判断結果がYESであると、ステップS33は、ステップS32で検出した顔領域から眼球500の領域RBを抽出する。ステップS34は、ステップS32に抽出した顔領域から黒目502の領域を計算する。ステップS32の判断結果がNOであると、処理は終了する。
【0031】
ステップS32において顔領域があるか否かを判断する際に、目501及び目501の位置は判断を左右する情報であるため、ステップS33において入力撮像画像中の目501の位置は周知の方法により比較的容易に抽出可能である。又、抽出した目501の位置を二値化して更に閾値処理等を施すことにより、ステップS34において入力撮像画像中の黒目502の領域を比較的容易に計算可能である。
【0032】
ステップS35は、発光素子13−3を点灯して赤外線をユーザの眼球500に照射する。ステップS35は、ステップS33における眼球500の領域RBの抽出からできるだけ直ちに行うことが望ましい。ステップS36は、カメラ13−2により眼球500を含むユーザを撮像する。ステップS37は、カメラ13−2からの撮像画像から眼球500の領域RAを抽出する。ステップS38は、発光素子13−3を消灯する。
【0033】
ステップS39は、眼球500の領域RA,RBの差分からプルキニエ像の位置を計算する。撮像環境によっては、眼球500に照明等のノイズが写り込む可能性があるが、プルキニエ像が写り込まない眼球500の領域RBとプルキニエ像が写り込む眼球500の領域RAの差分を計算することにより、ノイズを相殺して赤外線の写り込みのみを求めることができる。ステップS40はプルキニエの位置が黒目502の領域の中心か否かを判断し、判断結果がYESであると処理はステップS41へ進み、判断結果がNOであると処理はステップS42へ進む。ステップS41は、ユーザが表示装置1の表示部12に表示された画像を注視していると判断し、処理は終了する。一方、ステップS42は、ユーザが表示装置1の表示部12に表示された画像に注視していないと判断し、処理は終了する。
【0034】
尚、ユーザの白目中の黒目の位置等に基づいてユーザが表示装置1の表示部12に表示された画像を注視しているか否かを判断するようにしても良いことは言うまでもない。
【0035】
図2では、記憶部21−1内のデータベースには各画像のファイル名に対して注視時刻及び表示時刻が格納されているが、データベースに注視回数や表示回数等の情報を更に格納するようにしても良い。
【0036】
図8は、注視及び表示回数更新処理の一例を説明するフローチャートである。図8の注視及び表示回数更新処理は、図2の画像選択部15−1、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図8において、ステップS51は、カメラ13からの撮像画像に基づいて、表示装置1の表示部12を鑑賞可能な位置にユーザがいるか否かを判断し、判断結果がNOであると処理は終了する。上記の如く、注視検出処理では顔領域を抽出したりするので、顔領域が抽出されたか否か等に基づいて表示装置1の表示部12を鑑賞可能な位置にユーザがいるか否かを判断することも可能である。ステップS51の判断結果がYESであると、ステップS52は、表示部12に表示する画像を選択する。又、ステップS53は、ステップS52で選択された画像を表示部12に表示する。ステップS52は図3のステップS1〜S3に相当し、ステップS53は図3のステップS4に相当する。
【0037】
ステップS54は、例えば図7の注視検出処理によりユーザが表示部12に表示された画像を注視したか否かを判断する。ステップS54の判断結果がYESであると、ステップS55は、表示画像の注視時刻を更新する。ステップS54,55は図3のステップS5,S6に相当する。ステップS55の後、ステップS56は、記憶部21−1内のデータベースに対して表示画像の注視回数をインクリメントすることで更新する。
【0038】
ステップS54の判定結果がNO、或いは、ステップS56の後、ステップS57は、表示画像の表示時刻を更新する。ステップS54は、図3のステップS7に相当する。ステップS58は、記憶部21−1内のデータベースに対して表示画像の表示回数をインクリメントすることで更新し、処理は終了する。
【0039】
図9は、フラグ設定処理の一例を説明するフローチャートである。図9のフラグ設定処理は、図8のステップS56が終了した段階で、或いは、ユーザが何らかの操作を行った場合に、或いは、一定時間間隔で行うことができる。
【0040】
図9において、表示回数が閾値を超えないと統計的に誤差が比較的大きくなり興味度(又は、興味の度合い)Xの信頼度が低下するため、ステップS61は、表示画像のファイル名に対して記憶部21−1内のデータベースに格納されている表示回数が閾値、例えば10000回を超えるか否かを判断し、判断結果がNOであると処理は終了する。一方、ステップS61の判断結果がYESであると、ステップS62は、X=(注視回数)/(表示回数)で表される興味度Xを計算する。尚、興味度Xの計算式は、本実施例の式に限定されるものではなく、ユーザの表示画像への興味の有無を断定できるパラメータを計算するものであれば良い。ステップS63は、興味度Xが第1の興味度閾値より大きいか否か、例えばX>0.9であるか否かを判断する。ステップS63の判断結果がYESであると、ステップS64は、ユーザが表示画像に興味があると断定し、印刷フラグを立てる等の適切な処理を行い、処理は終了する。印刷フラグは、例えばユーザが表示画像に興味がありプリンタ(図示せず)で印刷する予定であることを示す。一方、ステップS63の判断結果がNOであると、ステップS65は、興味度Xが第2の興味度閾値より小さいか否か、例えばX<0.1であるか否かを判断し、判断結果がNOであると処理は終了する。ステップS65の判断結果がYESであると、ステップS66は、ユーザは表示画像に興味がないと断定し、削除フラグを立てる等の適切な処理を行い、処理は終了する。削除フラグは、例えばユーザが表示画像に興味がなく記憶部21−1(又は、22)からの削除を予定していることを示す。
【0041】
図10は、記憶部21−1内のデータベースに格納されたデータを説明する図である。図10は、各画像のファイル名に対し、注視時刻、表示時刻、注視回数、表示回数、興味度(X)、印刷フラグ及び削除フラグが格納されている場合を示す。又、○印が付けられている印刷フラグ及び削除フラグは、夫々立てられた(又は、オンに設定された)フラグを示す。図10に示す如きデータを記憶部21−1内のデータベースに格納しておくことで、ユーザは印刷フラグを参照することで印刷を予定していた画像を容易に確認することができ、又、削除フラグを参照することで削除を予定していた画像を容易に確認することができる。
【0042】
図11は、ファイル削除処理の一例を説明するフローチャートである。図11のファイル削除処理は、図2の画像選択部15−1、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図11において、ステップS71は、カウントiをi=0に初期化する。ステップS72は、iが記憶部21−1に記憶されている画像数(即ち、保有画像数)以上であるか否かを判断し、判断結果がYESであると処理は終了する。一方、ステップS72の判断結果がNOであると、ステップS73は、記憶部22に記憶されているi番目のファイルの画像に対して削除フラグが立っているか否かを判断する。ステップS73の判断結果がYESであると処理は終了であると、ステップS74は、i番目のファイルの画像を表示部12に表示する。又、ステップS75は、ユーザにi番目のファイルの画像の削除確認を求める。ユーザが入力装置(図示せず)からi番目のファイルの画像の削除を確認してステップS75の判断結果がYESになると、ステップS76は、i番目のファイルの画像を記憶部21−1内のデータベースから削除する。ステップS73又はステップS75の判断結果がNO、或いは、ステップS76の後、処理はステップS77へ進む。ステップS77は、カウントiをi=i+1にインクリメントし、処理はステップS72へ戻る。
【0043】
削除フラグを用いたファイル削除処理により、比較的簡単な処理で記憶部21−1(又は、22)の使用可能な記憶容量を確保することができる。
【0044】
図11のファイル削除処理からも明らかなように、ファイル印刷処理も印刷フラグを参照することで同様に行うことが可能である。ファイル印刷処理の場合、確認するのが削除フラグではなく印刷フラグであり、ステップS76の代わりにファイルを印刷して印刷フラグを消すステップが行われる。又、プリンタへは、表示部12に供給される画像を出力すれば良い。
【0045】
削除フラグを設けることにより、特に記憶部21−1内のデータベースに大量の画像のファイルが記憶されており整理が望まれる場合等であっても、ユーザが不要と判断した画像のファイルを簡単に検索して削除することができる。又、印刷フラグを設けることにより、特に記憶部21−1内のデータベースに大量の画像のファイルが記憶されており特定の画像のみの印刷が望まれる場合等であっても、ユーザが印刷を予定した画像のファイルを簡単に検索して印刷することができる。
【0046】
(第2実施例)
図12は、本発明の第2実施例における表示装置の一例を示すブロック図である。図12中、図2と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。本実施例では、記憶部21−2は、複数のユーザの各々に対して1つのデータベースを記憶する。又、個人同定部19は、カメラ13から入力される撮像画像に基づいて表示装置1Aの表示部12に表示された画像を鑑賞しているユーザ個人をテンプレートマッチング等の周知の同定方法により同定する個人同定処理を行う。個人同定部19は、記憶部21−2内の複数のデータベースのうち同定されたユーザ個人に対応する1つのデータベースを選択する。このように選択されたデータベースが、表示するべき画像の選択及び画像の注視時刻及び表示時刻の更新に用いられる。画像選択部15−2は、選択されたデータベースに格納された各画像の注視時刻及び表示時刻に基づいて表示するべき画像を選択し、選択された画像のファイル名を表示画像決定部16に供給する。尚、各データベースには、図10と同様に注視回数、表示回数、興味度X、印刷フラグ、削除フラグ等を格納しても良いことは言うまでもない。
【0047】
個人同定部19で採用する同定方法は、カメラ13から入力される撮像画像に基づく同定方法に限定されない。又、複数のユーザが同時に表示画像を鑑賞している場合には、ユーザ個人に付けられた優先順位等に基づいて1人のユーザを選択し、選択されたユーザに対する画像表示を制御すれば良い。
【0048】
図13は、第2実施例における画像選択処理の一例を説明するフローチャートである。図13の画像選択処理は、個人同定部19により同定されたユーザ個人のデータベースに対して、画像選択部15−2、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図13において、ステップS11は、記憶部21−2内のデータベースからランダムに4枚の画像のファイル名を選択する。ステップS12は、選択した4枚の画像の中で表示時刻が一番新しい画像のファイル名を選択候補から外す。ステップS12は、例えば注視の検出漏れが発生した場合に同じ画像が比較的短時間の間に繰り返し表示されることを防ぐために実行するが、省略しても良い。ステップS13は、選択した残りの3枚の画像の中で表示時刻が一番新しい画像のファイル名を選択候補から外す。ステップS14は、選択した残りの2枚の画像のうち、他のユーザのデータベースにおいて注視時刻が一番新しい画像のファイル名を選択する。ステップS14は、複数のユーザのうち1人が最近注視した画像を選択することで、複数のユーザ間(例えば、家族間)で共通の話題を提供するために実行するが、省略しても良い。ステップS15は、選択した画像のファイル名を表示画像決定部16を介して読み込み部18に供給することで、選択された画像の画像データを記憶部22から読み取って一定時間の間表示部12に表示する。一定時間は、一般的なデジタルフォトフレームの場合は例えば15秒〜5分程度であるが、このような範囲に限定されるものではない。
【0049】
ステップS16は、ユーザが表示部12に表示中の表示画像を注視したことを検出したか否かを注視検出部14の検出出力から判断する。ステップS16の判断結果がYESであると、ステップS17は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の注視時刻として、記憶部21−2内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の注視時刻を更新する。一方、ステップS16の判断結果がNOであるか、或いは、ステップS17の後、ステップS18は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の表示時刻として、記憶部21−2内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の表示時刻を更新する。ステップS18の後、処理はステップS11へ戻る。
【0050】
これにより、画像を表示部12に表示している間、ユーザが表示画像を注視したことが注視検出部14により検出されると、その時点の時刻が表示画像のファイル名に対する注視時刻に上書きされて更新される。一方、ユーザが表示画像を注視したか否かにかかわらず、表示画像の表示が終了して次に選択された画像を表示する際には、その時点の時刻が表示画像のファイル名に対する表示時刻に上書きされて更新される。従って、図13の画像選択処理を繰り返すことで、常に、ユーザが比較的長時間の間鑑賞していない画像や、他のユーザとの共通の話題を提供するための画像を、適切なランダム要素を交えながら表示部12に表示することができる。
【0051】
図14は、記憶部21−2内のデータベースに格納されたデータを説明する図である。ここでは説明の便宜上、N人(Nは2以上の自然数)のユーザがおり、記憶部21−2にはN人のユーザに対してデータベースD1,D2,...,DN(D4までしか図示せず)が記憶されているものとする。図14中、図10と同一部分には同一符号を付す。図14は、各データベースD1〜DNにおいて、各画像のファイル名に対し、注視時刻、表示時刻、注視回数、表示回数、興味度(X)、印刷フラグ及び削除フラグが格納されている場合を示す。又、○印が付けられている印刷フラグ及び削除フラグは、夫々立てられた(又は、オンに設定された)フラグを示す。図14に示す如きデータを記憶部21−2内のデータベースに格納しておくことで、各ユーザは印刷フラグを参照することで印刷を予定していた画像を容易に確認することができ、又、削除フラグを参照することで削除を予定していた画像を容易に確認することができる。
【0052】
削除フラグを参照して画像を削除したり、印刷フラグを参照して画像を印刷したりする処理は、上記第1実施例の場合と同様に行える。又、N人のユーザのうち、少なくとも1人のユーザに対するデータベースに削除フラグが立っている画像を表示して1人のユーザ又は管理者に確認を求めた上でその画像のファイルを削除したり、N人全てのユーザに対するデータベースで削除フラグが立っている1つの画像がある場合にのみその画像を表示して管理者に確認を求めた上その画像のファイルを削除したり、N人全てのユーザに対するデータベースで削除フラグが立っている1つの画像がある場合にはその画像のファイルを自動的に削除する等の処理を行うこともできる。
【0053】
図13の画像選択処理の場合、複数のユーザ全員から一番長い時間注視されない画像は、ステップS14において必ず選択候補から外されるので、永久に表示装置に表示されない可能性がある。そこで、画像の選択候補を複数の選択アルゴリズムにより選択可能とすることにより、ユーザの好みに応じた選択アルゴリズムを選択するようにしても良い。このように選択アルゴリズムをユーザの好みに応じて選択可能とすることにより、ユーザが興味ある画像を優先的に表示したり、ユーザが興味のある画像は比較的長い時間表示してユーザが興味のない画像は比較的短い時間表示する(或いは、その逆)といった、柔軟性の高い画像の選択表示が可能となる。
【0054】
図15は、アルゴリズム選択処理の一例を説明するフローチャートである。図15のアルゴリズム選択処理は、図2の画像選択部15−1(又は、15−2)、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図15において、ステップ81は、変数Rを生成する。例えば、変数Rは、乱数を用いて生成しても、値を1づつインクリメントして所定値に達するとリセットするように生成しても良い。M個(Mは2以上の自然数)の互いに異なる画像選択アルゴリズムALG1,ALG2,...,ALGM(ALG4までしか図示せず)は、変数Rの値に応じてステップS82−1〜S82−M(S82−4までしか図示せず)により実行される。例えば、R=1〜5の場合はステップS82−1が実行され、R=6,7の場合はステップS82−2が実行され、R=8の場合はステップS82−3が実行され、R=9の場合はステップS82−4が実行される。M個の選択アルゴリズムALG1〜ALGMの中には、例えば全てのデータベースから全てのファイルの画像を選択する画像選択アルゴリズム、図3のような画像選択アルゴリズム、図13のような画像選択アルゴリズム等が含まれる。ステップS81,S82−1〜S82−Mは、画像選択部15−1(又は、15−2)により実行できる。
【0055】
ステップS83は、変数Rの値に応じて選択された画像選択アルゴリズムにより選択した画像のファイル名を表示画像決定部16を介して読み込み部18に供給することで、選択された画像の画像データを記憶部22から読み取って一定時間の間表示部12に表示する。一定時間は、一般的なデジタルフォトフレームの場合は例えば15秒〜5分程度であるが、このような範囲に限定されるものではない。ステップS84は、ユーザが表示部12に表示中の表示画像を注視したことを検出したか否かを注視検出部14の検出出力から判断する。ステップS84の判断結果がYESであると、ステップS85は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の注視時刻として、記憶部21−1(又は、21−2)内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の注視時刻を更新する。一方、ステップS84の判断結果がNOであるか、或いは、ステップS85の後、ステップS86は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の表示時刻として、記憶部21−1(又は、21−2)内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の表示時刻を更新する。ステップS86の後、処理はステップS81へ戻る。
【0056】
このように、図15のアルゴリズム選択処理を採用することにより、よりユーザの好みに合わせた画像の選択及び表示が可能となる。
【0057】
図16は、コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。図16に示すコンピュータシステム100は、CPU101、記憶部102、インタフェース(I/F)103、入力装置104、及び表示部105がバス106により接続された構成を有する。CPU101は、記憶部102に格納されたプログラムを実行することによりコンピュータシステム100全体を制御する。記憶部102は、半導体記憶装置、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体等で形成可能であり、上記のプログラムや上記データベースを含む各種データを格納すると共に、CPU101が実行する演算の中間結果や演算結果等を一時的に格納する一時メモリとしても機能する。記憶部102は、記憶部21−1(又は21−2)及び記憶部22のち少なくとも一方に相当する。I/F103は、カメラ13からの撮像画像を受信したり、記憶部102に格納するデータをネットワーク(図示せず)から受信することができる。入力装置104は、キーボード等により形成可能である。表示部105は、ディスプレイ等により形成可能であり、上記の表示部12に相当する。入力装置104及び表示部105は、タッチパネルのように入力装置と表示部の両方の機能を有する入出力装置で形成しても良い。
【0058】
CPU101は、記憶部102に格納されたプログラムを実行することにより、コンピュータシステム100を表示装置1(又は、1A)として機能させる。つまり、プログラムは、CPU101に表示装置1(又は、1A)の注視検出部14、画像選択部15−1(又は、15−2)、及び表示画像決定部16の機能を実現させる。プログラムは、CPU101に更に時計17及び読み込み部18の機能や、個人同定部19の機能を実現させるものであっても良い。言い換えると、プログラムは、CPU101に表示装置1(又は、1A)の処理の手順を実行させるものであり、記憶部102を含む適切なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されていても良い。
【0059】
従って、CPU101は、図3、図7、図8、図11、図13、及び図15の処理を実行可能である。又、CPU101が図11のファイル削除処理を実行する場合、ステップS75においてユーザにi番目のファイルの画像の削除確認を求めた際、ユーザは入力装置104からi番目のファイルの画像の削除を確認することができる。
【0060】
上記の各実施例では、表示装置が表示する画像は静止画像であるが、動画像(映像)を表示するようにしても良い。この場合、動画像は、所定数の連続する静止画像で形成される。又、表示装置に音声再生部及びスピーカを設けることにより、記憶部に記憶されている画像の表示と同時に、記憶部に画像と共に記憶されている対応する音声データを出力するようにしても良い。更に、予め記憶部に記憶されている音声データの出力を、表示画面の切り替えに同期して切り替えるようにしても良い。
【0061】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
第1の記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択部と、
前記画像選択部により選択された画像データを一定時間表示する表示部と、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出部と、
前記注視検出部が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新部を備え、
前記画像選択部は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、表示装置。
(付記2)
前記データベースは、複数のユーザの各々に対して設けられており、
前記表示部に表示された画像データを鑑賞しているユーザを同定し、同定されたユーザに対応するデータベースを前記更新部による更新及び前記画像選択部による選択に用いるデータベースとして選択する個人同定部を更に備えた、付記1記載の表示装置。
(付記3)
前記画像選択部は、前記表示部が表示している画像データに対して前記同定されたユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻と前記同定されたユーザ以外のユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、付記2記載の表示装置。
(付記4)
前記画像選択部は、次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを複数の互いに異なる画像選択アルゴリズムの中から選択する、付記1乃至3のいずれか1項記載の表示装置。
(付記5)
前記データベースは、前記複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻に加え、前記ユーザの前記複数の画像データに対する興味度、前記ユーザが印刷する予定である画像データを示す印刷フラグ、及び前記ユーザが前記データベースからの削除を予定していることを示す削除フラグのうち少なくとも1つの情報を格納している、付記1乃至4のいずれか1項記載の表示装置。
(付記6)
前記データベースを格納する第2の記憶部を更に備えた、付記1乃至5のいずれか1項記載の表示装置。
(付記7)
前記第1の記憶部は、前記表示装置に対して脱着可能に設けられている、付記1乃至6のいずれか1項記載の表示装置。
(付記8)
記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択工程と、
前記画像選択工程により選択された画像データを一定時間表示部に表示する表示工程と、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出工程と、
前記注視検出工程が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新工程を含み、
前記画像選択工程は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、表示方法。
(付記9)
前記データベースは、複数のユーザの各々に対して設けられており、
前記表示部に表示された画像データを鑑賞しているユーザを同定し、同定されたユーザに対応するデータベースを前記更新工程による更新及び前記画像選択工程による選択に用いるデータベースとして選択する個人同定工程を更に含む、付記8記載の表示方法。
(付記10)
前記画像選択工程は、前記表示部が表示している画像データに対して前記同定されたユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻と前記同定されたユーザ以外のユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、付記9記載の表示方法。
(付記11)
前記画像選択工程は、次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを複数の互いに異なる画像選択アルゴリズムの中から選択する、付記8乃至10のいずれか1項記載の表示方法。
(付記12)
前記データベースは、前記複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻に加え、前記ユーザの前記複数の画像データに対する興味度、前記ユーザが印刷する予定である画像データを示す印刷フラグ、及び前記ユーザが前記データベースからの削除を予定していることを示す削除フラグのうち少なくとも1つの情報を格納している、付記8乃至11のいずれか1項記載の表示方法。
(付記13)
コンピュータに、記憶部に記憶された画像データを選択して一定時間表示部に表示させるプログラムであって、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出手順と、
前記注視検出手順が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新手順
を前記コンピュータに実行させ、
前記画像選択手順は、前記コンピュータに、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択させる、プログラム。
(付記14)
前記データベースは、複数のユーザの各々に対して設けられており、
前記表示部に表示された画像データを鑑賞しているユーザを同定し、同定されたユーザに対応するデータベースを前記更新手順による更新及び前記画像選択手順による選択に用いるデータベースとして選択する個人同定手順を更に前記コンピュータに実行させる、付記13記載のプログラム。
(付記15)
前記画像選択手順は、前記表示部が表示している画像データに対して前記同定されたユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻と前記同定されたユーザ以外のユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、付記14記載のプログラム。
(付記16)
前記画像選択手順は、次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを複数の互いに異なる画像選択アルゴリズムの中から選択する、付記13乃至15のいずれか1項記載のプログラム。
(付記17)
付記13乃至16のいずれか1項記載のプログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0062】
以上、開示の表示装置、表示方法及びプログラムを実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
1,1A 表示装置
12 表示部
13,13−1,13−2 カメラ
14 注視検出部
15−1,15−2 画像選択部
16 表示画像決定部
17 時計
18 読み込み部
21−1,21−2,22 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置に記憶されている画像を表示する表示装置、表示方法及びプログラムに関する。本発明は、コンピュータにこのような表示方法の手順を実行させるプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体にも関する。
【0002】
本明細書では、表示装置の「ユーザ」とは、表示装置が表示する画像を鑑賞する任意の鑑賞者を含み、表示装置の所有者に限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
デジタルカメラは、撮像した画像をメモリ等の記憶装置に記憶しておけるので、撮像済みの画像を保管するために従来の銀塩カメラのようにネガを劣化しないよう保管する等の手間がかからない。このため、デジタルカメラは急速に普及している。又、デジタルカメラは、従来のアルバムの代わりに、デジタルフォトフレームと呼ばれる表示装置を用いることにより、記憶装置に記憶された画像を簡単に表示することができる。デジタルフォトフレームは、ユーザ(又は、鑑賞者)が選択した画像を表示したり、撮像順序等の情報に応じた順番で画像を自動的に選択して表示したり、画像をランダムに選択して表示したりすることができる。
【0004】
撮像順序に応じた順番で画像を選択して表示した場合、常に同じ画像が同じ順序で表示されるため、特に記憶している画像数が比較的少ない場合にはユーザが早く飽きてしまう。一方、記憶している画像数が比較的多い場合には、同じ撮像時期又は現場の画像が多く続き、次の撮像時期又は現場の画像がなかなか現れないので、ユーザが興味を持ち易い画像を表示することは難しい。
【0005】
画像をランダムに選択して表示した場合、順番に画像を選択して表示する場合と比べるとユーザが飽きてしまう可能性は低減する。しかし、比較的長時間の単位で見ると、なかなか表示されない画像が発生したり、逆に頻繁に表示される画像が発生したりする。これは、画像をランダムに選択して表示する場合、数学的には全ての画像が同じ確率で選択されるものの、ユーザが興味を持たない画像はユーザの記憶に残りにくいのでなかなか表示されないように感じられ、ユーザが興味を持つ画像はユーザの記憶に残り易いため頻繁に表示されているように感じられるからである。
【0006】
又、ユーザが過去に選択した画像の履歴等のユーザの各画像に対する興味の度合いを示す情報に応じた順番で画像を自動的に選択して表示することも提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。しかし、この提案方法では、ユーザが手動で画像を選択して初めて選択履歴等の興味の度合いを示す情報が生成可能となるため、ユーザへの負荷が生じてしまう。更に、例えばユーザが2年前に興味を持っていた画像であっても、現在はそれ程興味がない可能性があるため、この提案方法では常にユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することはできない。
【0007】
ユーザの目線が表示されている画像から外れると表示する画像を切り替えることも提案されている(例えば、特許文献3)。しかし、この提案方法では、ユーザの目線が画像から外れると異なる画像を表示するにすぎないため、常にユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することはできない。
【0008】
尚、電子看板、或いは、デジタルサイネージ(Digital Signage)は、デジタル技術を活用してディスプレイやプロジェクタ等により画像や情報を表示する表示装置(広告媒体とも言う)であるが、上記のフォトフレームと同様の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−173983号公報
【特許文献2】特開2006−157324号公報
【特許文献3】特開2008−219286号公報
【特許文献4】特開平8−76006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の表示方法では、ユーザへの負荷を生じることなくユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することは難しいという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、ユーザへの負荷を生じることなくユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することが可能な表示装置、表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一観点によれば、第1の記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択部と、前記画像選択部により選択された画像データを一定時間表示する表示部と、ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出部と、前記注視検出部が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新部を備え、前記画像選択部は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する表示装置が提供される。
【0013】
本発明の一観点によれば、記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択工程と、前記画像選択工程により選択された画像データを一定時間表示部に表示する表示工程と、ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出工程と、前記注視検出工程が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新工程を含み、前記画像選択工程は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する表示方法が提供される。
【0014】
本発明の一観点によれば、コンピュータに、記憶部に記憶された画像データを選択して一定時間表示部に表示させるプログラムであって、ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出手順と、前記注視検出手順が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新手順を前記コンピュータに実行させ、前記画像選択手順は、前記コンピュータに、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
開示の表示装置、表示方法及びプログラムによれば、ユーザへの負荷を生じることなくユーザが興味を持ち易い画像を飽きないように表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】表示装置の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例における表示装置の一例を示すブロック図である。
【図3】第1実施例における画像選択処理の一例を説明するフローチャートである。
【図4】注視時刻と表示時刻を説明する図である。
【図5】注視検出処理の一例を説明する図である。
【図6】注視検出処理の他の例を説明する図である。
【図7】図6の注視検出処理を説明するフローチャートである。
【図8】注視及び表示回数更新処理の一例を説明するフローチャートである。
【図9】フラグ設定処理の一例を説明するフローチャートである。
【図10】データベース内のデータを説明する図である。
【図11】ファイル削除処理の一例を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施例における表示装置の一例を示すブロック図である。
【図13】第2実施例における画像選択処理の一例を説明するフローチャートである。
【図14】データベース内のデータを説明する図である。
【図15】アルゴリズム選択処理の一例を説明するフローチャートである。
【図16】コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
開示の表示装置、表示方法及びプログラムでは、データベースに記憶されている画像を選択的に表示する際に、各画像がユーザにより注視された時刻と各画像が表示された時刻に基づいて次に選択して表示する画像を決定する。
【0018】
以下に、開示の表示装置、表示方法及びプログラムの各実施例を図面と共に説明する。
【実施例】
【0019】
(第1実施例)
図1は、表示装置の一例を示す斜視図である。この例では、表示装置はデジタルフォトフレームに適用されている。表示装置1は、筐体11を有し、筐体11には支持部11A、表示部12及びカメラ13が設けられている。後述するように、表示部12は、各画像が注視された時刻と各画像が表示された時刻に基づいて次に選択して表示する画像を決定することで、記憶部(図示せず)に記憶された画像を選択的に表示する。カメラ13は、ユーザが表示部12に表示された画像を注視したか否かを検出するのに用いられる。尚、表示部12及びカメラ13は筐体11に一体的に設けられているが、表示部12及びカメラ13は別々にもうけられていても良い。
【0020】
図2は、本発明の第1実施例における表示装置の一例を示すブロック図である。表示装置1は、図2に示す如く接続された表示部12、カメラ13、注視検出部14、画像選択部15−1、表示画像決定部16、時計(又は、タイマ)17、読み込み部18、例えばテーブルで形成されたデータベースを記憶する記憶部21−1、及び画像データを記憶する記憶部22を有する。表示部12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等により形成可能であり、カメラ13は、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等により形成可能である。尚、少なくとも各記憶部21−1,22は、表示装置1内に設けられていても、表示装置1に外部接続されていても良い。例えば、記憶部22はネットワーク(図示せず)を介して表示装置1に対して外部接続されていても良い。記憶部21−1,22は、単一の記憶部で形成可能である。一方、記憶部22をSDメモリカード(Secure Digital Memory Card)等のメモリカード表示装置1に対して着脱可能に設けても良い。
【0021】
記憶部21−1に記憶されたデータベースには、画像のファイル名、注視時刻、表示時刻等が格納されている。画像選択部15−1は、後述するように各画像の注視時刻及び表示時刻に基づいて表示するべき画像を選択し、選択された画像のファイル名を表示画像決定部16に供給する。表示画像決定部16は、選択された画像のファイル名を表示が決定された画像のファイル名として読み込み部18に供給し、読み込み部18は、供給されたファイル名の画像に関する画像データを記憶部22から読み込んで表示部12に表示する。
【0022】
一方、カメラ13は、表示装置1の表示部12を鑑賞しているユーザを撮像して撮像データを注視検出部14に供給する。注視検出部14は、表示部12に表示されている画像(以下、表示画像とも言う)を鑑賞しているユーザが表示画像を注視したか否かを検出する。注視とは、ユーザが表示画像に視線を向けて見ている状態を意味し、瞬間的に表示画像を見る状態も含む。注視検出部14がユーザの注視を検出すると、その時点の表示画像のファイル名は表示画像決定部16において認識されているので、その時点の表示画像のファイル名を時計17に供給する。時計17は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を注視時刻及び表示時刻として、記憶部21−1内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の注視時刻及び表示時刻を更新する更新部として機能する。各ファイル名の画像の注視時刻は、ユーザがそのファイル名の表示画像を注視した時刻を示し、各ファイル名の画像の表示時刻は、そのファイル名の表示画像が表示部12に表示された時刻を示す。
【0023】
図3は、第1実施例における画像選択処理の一例を説明するフローチャートである。図3の画像選択処理は、画像選択部15−1、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図3において、ステップS1は、記憶部21−1内のデータベースからランダムに3枚の画像のファイル名を選択する。ステップS2は、選択した3枚の画像の中で表示時刻が一番新しい画像のファイル名を選択候補から外す。ステップS2は、例えば注視の検出漏れが発生した場合に同じ画像が比較的短時間の間に繰り返し表示されることを防ぐために実行するが、省略しても良い。ステップS3は、選択した残りの2枚の画像のうち注視時刻が古い方のファイル名を選択する。ステップS3は、同じ画像が比較的短時間の間に繰り返し表示されることを防ぐために実行するが、省略しても良い。ステップS4は、選択した画像のファイル名を表示画像決定部16を介して読み込み部18に供給することで、選択された画像の画像データを記憶部22から読み取って一定時間の間表示部12に表示する。一定時間は、一般的なデジタルフォトフレームの場合は例えば15秒〜5分程度であるが、このような範囲に限定されるものではない。
【0024】
ステップS5は、ユーザが表示部12に表示中の表示画像を注視したことを検出したか否かを注視検出部14の検出出力から判断する。ステップS5の判断結果がYESであると、ステップS6は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の注視時刻として、記憶部21−1内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の注視時刻を更新する。一方、ステップS5の判断結果がNOであるか、或いは、ステップS6の後、ステップS7は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の表示時刻として、記憶部21−1内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の表示時刻を更新する。ステップS7の後、処理はステップS1へ戻る。
【0025】
これにより、画像を表示部12に表示している間、ユーザが表示画像を注視したことが注視検出部14により検出されると、その時点の時刻が表示画像のファイル名に対する注視時刻に上書きされて更新される。一方、ユーザが表示画像を注視したか否かにかかわらず、表示画像の表示が終了して次に選択された画像を表示する際には、その時点の時刻が表示画像のファイル名に対する表示時刻に上書きされて更新される。従って、図3の画像選択処理を繰り返すことで、常に、ユーザが比較的長時間の間鑑賞していない画像を、適切なランダム要素を交えながら表示部12に表示することができる。
【0026】
図4は、注視時刻と表示時刻を説明する図である。図4は、画像Aが表示時刻10:00に表示部12に表示され、画像Bが表示時刻10:05に表示部12に表示され、画像Cが表示時刻10:10に表示部12に表示された場合を示す。この場合、例えばユーザが時刻10:08に表示部12に表示された画像Bを注視すると、画像Bの注視時刻は10:08のまま維持され、画像A,Cの注視時刻は更新されない。このため、前回の注視時刻がそのまま維持される。新たな画像の画像データが記憶部22に記憶されると、この新たな画像に対する表示時刻及び注視時刻は無いので、例えば予め設定されている基準時刻等の十分古い時刻を新たな画像に対する表示時刻及び注視時刻の初期値として設定可能である。尚、図4では説明の便宜上画像A〜Cの表示時刻及び注視時刻を示したが、記憶部21−1内のデータベースには画像のファイル名に対する注視時刻、表示時刻等が格納される。又、時刻は時:分で示したが、時刻の表示方法は時刻を表示できる表示方法であれば特に限定されない。例えば、時刻は2010年3月1日10:00、予め設定された基準時刻からの経過時間等によっても表示可能である。
【0027】
次に、注視検出部14による注視検出処理を、図5乃至図7と共に説明する。ユーザが表示部12に表示された画像を注視しているか否かを検出する注視検出処理自体は、特許文献4を含み、様々な注視検出処理が提案されている。多くの注視検出処理は、ユーザがどこを見ているかをユーザの視線等を観察して、計算により目標を注視している確率を求めるものである。本実施例における注視検出処理は、特に限定されないが、以下に注視検出処理の例を説明する。
【0028】
図5は、注視検出処理の一例を説明する図である。この例では、表示装置1のカメラ13−1がユーザの眼球500を観察し、注視検出部14がカメラ13−1で観察された眼球500の向きからユーザが表示装置1の表示部12を注視しているか否かを判断する。
【0029】
図6は、注視検出処理の他の例を説明する図である。この例では、表示装置1に設けられた発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子13−3から赤外線をユーザの眼球500に照射し、発光素子13−1の横に設けられたカメラ13−2により眼球500に写るプルキニエ(Purkyne)像、即ち、角膜反射像を確認する。図6中、(a)は表示装置1とユーザの眼球500の関係を示し、(b)は赤外線の照射によりユーザの眼球500に写るプルキニエ像511を目501及び黒目502と共に示す。
【0030】
図7は、図6の注視検出処理を説明するフローチャートである。図7において、ステップS31は、カメラ13−2からの撮像画像を入力し、ステップS32は、入力撮像画像にユーザの顔領域があるか否かを周知の方法で判断する。顔領域は、入力撮像画像に目が2つ、鼻筋が通って鼻の下に口があるといったテンプレートを用意し、入力撮像画像に対してテンプレートマッチングを行うことで検出可能である。ステップS32の判断結果がYESであると、ステップS33は、ステップS32で検出した顔領域から眼球500の領域RBを抽出する。ステップS34は、ステップS32に抽出した顔領域から黒目502の領域を計算する。ステップS32の判断結果がNOであると、処理は終了する。
【0031】
ステップS32において顔領域があるか否かを判断する際に、目501及び目501の位置は判断を左右する情報であるため、ステップS33において入力撮像画像中の目501の位置は周知の方法により比較的容易に抽出可能である。又、抽出した目501の位置を二値化して更に閾値処理等を施すことにより、ステップS34において入力撮像画像中の黒目502の領域を比較的容易に計算可能である。
【0032】
ステップS35は、発光素子13−3を点灯して赤外線をユーザの眼球500に照射する。ステップS35は、ステップS33における眼球500の領域RBの抽出からできるだけ直ちに行うことが望ましい。ステップS36は、カメラ13−2により眼球500を含むユーザを撮像する。ステップS37は、カメラ13−2からの撮像画像から眼球500の領域RAを抽出する。ステップS38は、発光素子13−3を消灯する。
【0033】
ステップS39は、眼球500の領域RA,RBの差分からプルキニエ像の位置を計算する。撮像環境によっては、眼球500に照明等のノイズが写り込む可能性があるが、プルキニエ像が写り込まない眼球500の領域RBとプルキニエ像が写り込む眼球500の領域RAの差分を計算することにより、ノイズを相殺して赤外線の写り込みのみを求めることができる。ステップS40はプルキニエの位置が黒目502の領域の中心か否かを判断し、判断結果がYESであると処理はステップS41へ進み、判断結果がNOであると処理はステップS42へ進む。ステップS41は、ユーザが表示装置1の表示部12に表示された画像を注視していると判断し、処理は終了する。一方、ステップS42は、ユーザが表示装置1の表示部12に表示された画像に注視していないと判断し、処理は終了する。
【0034】
尚、ユーザの白目中の黒目の位置等に基づいてユーザが表示装置1の表示部12に表示された画像を注視しているか否かを判断するようにしても良いことは言うまでもない。
【0035】
図2では、記憶部21−1内のデータベースには各画像のファイル名に対して注視時刻及び表示時刻が格納されているが、データベースに注視回数や表示回数等の情報を更に格納するようにしても良い。
【0036】
図8は、注視及び表示回数更新処理の一例を説明するフローチャートである。図8の注視及び表示回数更新処理は、図2の画像選択部15−1、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図8において、ステップS51は、カメラ13からの撮像画像に基づいて、表示装置1の表示部12を鑑賞可能な位置にユーザがいるか否かを判断し、判断結果がNOであると処理は終了する。上記の如く、注視検出処理では顔領域を抽出したりするので、顔領域が抽出されたか否か等に基づいて表示装置1の表示部12を鑑賞可能な位置にユーザがいるか否かを判断することも可能である。ステップS51の判断結果がYESであると、ステップS52は、表示部12に表示する画像を選択する。又、ステップS53は、ステップS52で選択された画像を表示部12に表示する。ステップS52は図3のステップS1〜S3に相当し、ステップS53は図3のステップS4に相当する。
【0037】
ステップS54は、例えば図7の注視検出処理によりユーザが表示部12に表示された画像を注視したか否かを判断する。ステップS54の判断結果がYESであると、ステップS55は、表示画像の注視時刻を更新する。ステップS54,55は図3のステップS5,S6に相当する。ステップS55の後、ステップS56は、記憶部21−1内のデータベースに対して表示画像の注視回数をインクリメントすることで更新する。
【0038】
ステップS54の判定結果がNO、或いは、ステップS56の後、ステップS57は、表示画像の表示時刻を更新する。ステップS54は、図3のステップS7に相当する。ステップS58は、記憶部21−1内のデータベースに対して表示画像の表示回数をインクリメントすることで更新し、処理は終了する。
【0039】
図9は、フラグ設定処理の一例を説明するフローチャートである。図9のフラグ設定処理は、図8のステップS56が終了した段階で、或いは、ユーザが何らかの操作を行った場合に、或いは、一定時間間隔で行うことができる。
【0040】
図9において、表示回数が閾値を超えないと統計的に誤差が比較的大きくなり興味度(又は、興味の度合い)Xの信頼度が低下するため、ステップS61は、表示画像のファイル名に対して記憶部21−1内のデータベースに格納されている表示回数が閾値、例えば10000回を超えるか否かを判断し、判断結果がNOであると処理は終了する。一方、ステップS61の判断結果がYESであると、ステップS62は、X=(注視回数)/(表示回数)で表される興味度Xを計算する。尚、興味度Xの計算式は、本実施例の式に限定されるものではなく、ユーザの表示画像への興味の有無を断定できるパラメータを計算するものであれば良い。ステップS63は、興味度Xが第1の興味度閾値より大きいか否か、例えばX>0.9であるか否かを判断する。ステップS63の判断結果がYESであると、ステップS64は、ユーザが表示画像に興味があると断定し、印刷フラグを立てる等の適切な処理を行い、処理は終了する。印刷フラグは、例えばユーザが表示画像に興味がありプリンタ(図示せず)で印刷する予定であることを示す。一方、ステップS63の判断結果がNOであると、ステップS65は、興味度Xが第2の興味度閾値より小さいか否か、例えばX<0.1であるか否かを判断し、判断結果がNOであると処理は終了する。ステップS65の判断結果がYESであると、ステップS66は、ユーザは表示画像に興味がないと断定し、削除フラグを立てる等の適切な処理を行い、処理は終了する。削除フラグは、例えばユーザが表示画像に興味がなく記憶部21−1(又は、22)からの削除を予定していることを示す。
【0041】
図10は、記憶部21−1内のデータベースに格納されたデータを説明する図である。図10は、各画像のファイル名に対し、注視時刻、表示時刻、注視回数、表示回数、興味度(X)、印刷フラグ及び削除フラグが格納されている場合を示す。又、○印が付けられている印刷フラグ及び削除フラグは、夫々立てられた(又は、オンに設定された)フラグを示す。図10に示す如きデータを記憶部21−1内のデータベースに格納しておくことで、ユーザは印刷フラグを参照することで印刷を予定していた画像を容易に確認することができ、又、削除フラグを参照することで削除を予定していた画像を容易に確認することができる。
【0042】
図11は、ファイル削除処理の一例を説明するフローチャートである。図11のファイル削除処理は、図2の画像選択部15−1、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図11において、ステップS71は、カウントiをi=0に初期化する。ステップS72は、iが記憶部21−1に記憶されている画像数(即ち、保有画像数)以上であるか否かを判断し、判断結果がYESであると処理は終了する。一方、ステップS72の判断結果がNOであると、ステップS73は、記憶部22に記憶されているi番目のファイルの画像に対して削除フラグが立っているか否かを判断する。ステップS73の判断結果がYESであると処理は終了であると、ステップS74は、i番目のファイルの画像を表示部12に表示する。又、ステップS75は、ユーザにi番目のファイルの画像の削除確認を求める。ユーザが入力装置(図示せず)からi番目のファイルの画像の削除を確認してステップS75の判断結果がYESになると、ステップS76は、i番目のファイルの画像を記憶部21−1内のデータベースから削除する。ステップS73又はステップS75の判断結果がNO、或いは、ステップS76の後、処理はステップS77へ進む。ステップS77は、カウントiをi=i+1にインクリメントし、処理はステップS72へ戻る。
【0043】
削除フラグを用いたファイル削除処理により、比較的簡単な処理で記憶部21−1(又は、22)の使用可能な記憶容量を確保することができる。
【0044】
図11のファイル削除処理からも明らかなように、ファイル印刷処理も印刷フラグを参照することで同様に行うことが可能である。ファイル印刷処理の場合、確認するのが削除フラグではなく印刷フラグであり、ステップS76の代わりにファイルを印刷して印刷フラグを消すステップが行われる。又、プリンタへは、表示部12に供給される画像を出力すれば良い。
【0045】
削除フラグを設けることにより、特に記憶部21−1内のデータベースに大量の画像のファイルが記憶されており整理が望まれる場合等であっても、ユーザが不要と判断した画像のファイルを簡単に検索して削除することができる。又、印刷フラグを設けることにより、特に記憶部21−1内のデータベースに大量の画像のファイルが記憶されており特定の画像のみの印刷が望まれる場合等であっても、ユーザが印刷を予定した画像のファイルを簡単に検索して印刷することができる。
【0046】
(第2実施例)
図12は、本発明の第2実施例における表示装置の一例を示すブロック図である。図12中、図2と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。本実施例では、記憶部21−2は、複数のユーザの各々に対して1つのデータベースを記憶する。又、個人同定部19は、カメラ13から入力される撮像画像に基づいて表示装置1Aの表示部12に表示された画像を鑑賞しているユーザ個人をテンプレートマッチング等の周知の同定方法により同定する個人同定処理を行う。個人同定部19は、記憶部21−2内の複数のデータベースのうち同定されたユーザ個人に対応する1つのデータベースを選択する。このように選択されたデータベースが、表示するべき画像の選択及び画像の注視時刻及び表示時刻の更新に用いられる。画像選択部15−2は、選択されたデータベースに格納された各画像の注視時刻及び表示時刻に基づいて表示するべき画像を選択し、選択された画像のファイル名を表示画像決定部16に供給する。尚、各データベースには、図10と同様に注視回数、表示回数、興味度X、印刷フラグ、削除フラグ等を格納しても良いことは言うまでもない。
【0047】
個人同定部19で採用する同定方法は、カメラ13から入力される撮像画像に基づく同定方法に限定されない。又、複数のユーザが同時に表示画像を鑑賞している場合には、ユーザ個人に付けられた優先順位等に基づいて1人のユーザを選択し、選択されたユーザに対する画像表示を制御すれば良い。
【0048】
図13は、第2実施例における画像選択処理の一例を説明するフローチャートである。図13の画像選択処理は、個人同定部19により同定されたユーザ個人のデータベースに対して、画像選択部15−2、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図13において、ステップS11は、記憶部21−2内のデータベースからランダムに4枚の画像のファイル名を選択する。ステップS12は、選択した4枚の画像の中で表示時刻が一番新しい画像のファイル名を選択候補から外す。ステップS12は、例えば注視の検出漏れが発生した場合に同じ画像が比較的短時間の間に繰り返し表示されることを防ぐために実行するが、省略しても良い。ステップS13は、選択した残りの3枚の画像の中で表示時刻が一番新しい画像のファイル名を選択候補から外す。ステップS14は、選択した残りの2枚の画像のうち、他のユーザのデータベースにおいて注視時刻が一番新しい画像のファイル名を選択する。ステップS14は、複数のユーザのうち1人が最近注視した画像を選択することで、複数のユーザ間(例えば、家族間)で共通の話題を提供するために実行するが、省略しても良い。ステップS15は、選択した画像のファイル名を表示画像決定部16を介して読み込み部18に供給することで、選択された画像の画像データを記憶部22から読み取って一定時間の間表示部12に表示する。一定時間は、一般的なデジタルフォトフレームの場合は例えば15秒〜5分程度であるが、このような範囲に限定されるものではない。
【0049】
ステップS16は、ユーザが表示部12に表示中の表示画像を注視したことを検出したか否かを注視検出部14の検出出力から判断する。ステップS16の判断結果がYESであると、ステップS17は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の注視時刻として、記憶部21−2内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の注視時刻を更新する。一方、ステップS16の判断結果がNOであるか、或いは、ステップS17の後、ステップS18は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の表示時刻として、記憶部21−2内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の表示時刻を更新する。ステップS18の後、処理はステップS11へ戻る。
【0050】
これにより、画像を表示部12に表示している間、ユーザが表示画像を注視したことが注視検出部14により検出されると、その時点の時刻が表示画像のファイル名に対する注視時刻に上書きされて更新される。一方、ユーザが表示画像を注視したか否かにかかわらず、表示画像の表示が終了して次に選択された画像を表示する際には、その時点の時刻が表示画像のファイル名に対する表示時刻に上書きされて更新される。従って、図13の画像選択処理を繰り返すことで、常に、ユーザが比較的長時間の間鑑賞していない画像や、他のユーザとの共通の話題を提供するための画像を、適切なランダム要素を交えながら表示部12に表示することができる。
【0051】
図14は、記憶部21−2内のデータベースに格納されたデータを説明する図である。ここでは説明の便宜上、N人(Nは2以上の自然数)のユーザがおり、記憶部21−2にはN人のユーザに対してデータベースD1,D2,...,DN(D4までしか図示せず)が記憶されているものとする。図14中、図10と同一部分には同一符号を付す。図14は、各データベースD1〜DNにおいて、各画像のファイル名に対し、注視時刻、表示時刻、注視回数、表示回数、興味度(X)、印刷フラグ及び削除フラグが格納されている場合を示す。又、○印が付けられている印刷フラグ及び削除フラグは、夫々立てられた(又は、オンに設定された)フラグを示す。図14に示す如きデータを記憶部21−2内のデータベースに格納しておくことで、各ユーザは印刷フラグを参照することで印刷を予定していた画像を容易に確認することができ、又、削除フラグを参照することで削除を予定していた画像を容易に確認することができる。
【0052】
削除フラグを参照して画像を削除したり、印刷フラグを参照して画像を印刷したりする処理は、上記第1実施例の場合と同様に行える。又、N人のユーザのうち、少なくとも1人のユーザに対するデータベースに削除フラグが立っている画像を表示して1人のユーザ又は管理者に確認を求めた上でその画像のファイルを削除したり、N人全てのユーザに対するデータベースで削除フラグが立っている1つの画像がある場合にのみその画像を表示して管理者に確認を求めた上その画像のファイルを削除したり、N人全てのユーザに対するデータベースで削除フラグが立っている1つの画像がある場合にはその画像のファイルを自動的に削除する等の処理を行うこともできる。
【0053】
図13の画像選択処理の場合、複数のユーザ全員から一番長い時間注視されない画像は、ステップS14において必ず選択候補から外されるので、永久に表示装置に表示されない可能性がある。そこで、画像の選択候補を複数の選択アルゴリズムにより選択可能とすることにより、ユーザの好みに応じた選択アルゴリズムを選択するようにしても良い。このように選択アルゴリズムをユーザの好みに応じて選択可能とすることにより、ユーザが興味ある画像を優先的に表示したり、ユーザが興味のある画像は比較的長い時間表示してユーザが興味のない画像は比較的短い時間表示する(或いは、その逆)といった、柔軟性の高い画像の選択表示が可能となる。
【0054】
図15は、アルゴリズム選択処理の一例を説明するフローチャートである。図15のアルゴリズム選択処理は、図2の画像選択部15−1(又は、15−2)、表示画像決定部16及び時計17により実行できる。図15において、ステップ81は、変数Rを生成する。例えば、変数Rは、乱数を用いて生成しても、値を1づつインクリメントして所定値に達するとリセットするように生成しても良い。M個(Mは2以上の自然数)の互いに異なる画像選択アルゴリズムALG1,ALG2,...,ALGM(ALG4までしか図示せず)は、変数Rの値に応じてステップS82−1〜S82−M(S82−4までしか図示せず)により実行される。例えば、R=1〜5の場合はステップS82−1が実行され、R=6,7の場合はステップS82−2が実行され、R=8の場合はステップS82−3が実行され、R=9の場合はステップS82−4が実行される。M個の選択アルゴリズムALG1〜ALGMの中には、例えば全てのデータベースから全てのファイルの画像を選択する画像選択アルゴリズム、図3のような画像選択アルゴリズム、図13のような画像選択アルゴリズム等が含まれる。ステップS81,S82−1〜S82−Mは、画像選択部15−1(又は、15−2)により実行できる。
【0055】
ステップS83は、変数Rの値に応じて選択された画像選択アルゴリズムにより選択した画像のファイル名を表示画像決定部16を介して読み込み部18に供給することで、選択された画像の画像データを記憶部22から読み取って一定時間の間表示部12に表示する。一定時間は、一般的なデジタルフォトフレームの場合は例えば15秒〜5分程度であるが、このような範囲に限定されるものではない。ステップS84は、ユーザが表示部12に表示中の表示画像を注視したことを検出したか否かを注視検出部14の検出出力から判断する。ステップS84の判断結果がYESであると、ステップS85は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の注視時刻として、記憶部21−1(又は、21−2)内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の注視時刻を更新する。一方、ステップS84の判断結果がNOであるか、或いは、ステップS85の後、ステップS86は、注視検出部14がユーザの注視を検出した時点の時刻(即ち、現在時刻)を表示画像決定部16により表示が決定された画像の表示時刻として、記憶部21−1(又は、21−2)内のデータベースに対してその時点の表示画像のファイル名の表示時刻を更新する。ステップS86の後、処理はステップS81へ戻る。
【0056】
このように、図15のアルゴリズム選択処理を採用することにより、よりユーザの好みに合わせた画像の選択及び表示が可能となる。
【0057】
図16は、コンピュータシステムの一例を示すブロック図である。図16に示すコンピュータシステム100は、CPU101、記憶部102、インタフェース(I/F)103、入力装置104、及び表示部105がバス106により接続された構成を有する。CPU101は、記憶部102に格納されたプログラムを実行することによりコンピュータシステム100全体を制御する。記憶部102は、半導体記憶装置、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体等で形成可能であり、上記のプログラムや上記データベースを含む各種データを格納すると共に、CPU101が実行する演算の中間結果や演算結果等を一時的に格納する一時メモリとしても機能する。記憶部102は、記憶部21−1(又は21−2)及び記憶部22のち少なくとも一方に相当する。I/F103は、カメラ13からの撮像画像を受信したり、記憶部102に格納するデータをネットワーク(図示せず)から受信することができる。入力装置104は、キーボード等により形成可能である。表示部105は、ディスプレイ等により形成可能であり、上記の表示部12に相当する。入力装置104及び表示部105は、タッチパネルのように入力装置と表示部の両方の機能を有する入出力装置で形成しても良い。
【0058】
CPU101は、記憶部102に格納されたプログラムを実行することにより、コンピュータシステム100を表示装置1(又は、1A)として機能させる。つまり、プログラムは、CPU101に表示装置1(又は、1A)の注視検出部14、画像選択部15−1(又は、15−2)、及び表示画像決定部16の機能を実現させる。プログラムは、CPU101に更に時計17及び読み込み部18の機能や、個人同定部19の機能を実現させるものであっても良い。言い換えると、プログラムは、CPU101に表示装置1(又は、1A)の処理の手順を実行させるものであり、記憶部102を含む適切なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されていても良い。
【0059】
従って、CPU101は、図3、図7、図8、図11、図13、及び図15の処理を実行可能である。又、CPU101が図11のファイル削除処理を実行する場合、ステップS75においてユーザにi番目のファイルの画像の削除確認を求めた際、ユーザは入力装置104からi番目のファイルの画像の削除を確認することができる。
【0060】
上記の各実施例では、表示装置が表示する画像は静止画像であるが、動画像(映像)を表示するようにしても良い。この場合、動画像は、所定数の連続する静止画像で形成される。又、表示装置に音声再生部及びスピーカを設けることにより、記憶部に記憶されている画像の表示と同時に、記憶部に画像と共に記憶されている対応する音声データを出力するようにしても良い。更に、予め記憶部に記憶されている音声データの出力を、表示画面の切り替えに同期して切り替えるようにしても良い。
【0061】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
第1の記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択部と、
前記画像選択部により選択された画像データを一定時間表示する表示部と、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出部と、
前記注視検出部が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新部を備え、
前記画像選択部は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、表示装置。
(付記2)
前記データベースは、複数のユーザの各々に対して設けられており、
前記表示部に表示された画像データを鑑賞しているユーザを同定し、同定されたユーザに対応するデータベースを前記更新部による更新及び前記画像選択部による選択に用いるデータベースとして選択する個人同定部を更に備えた、付記1記載の表示装置。
(付記3)
前記画像選択部は、前記表示部が表示している画像データに対して前記同定されたユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻と前記同定されたユーザ以外のユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、付記2記載の表示装置。
(付記4)
前記画像選択部は、次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを複数の互いに異なる画像選択アルゴリズムの中から選択する、付記1乃至3のいずれか1項記載の表示装置。
(付記5)
前記データベースは、前記複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻に加え、前記ユーザの前記複数の画像データに対する興味度、前記ユーザが印刷する予定である画像データを示す印刷フラグ、及び前記ユーザが前記データベースからの削除を予定していることを示す削除フラグのうち少なくとも1つの情報を格納している、付記1乃至4のいずれか1項記載の表示装置。
(付記6)
前記データベースを格納する第2の記憶部を更に備えた、付記1乃至5のいずれか1項記載の表示装置。
(付記7)
前記第1の記憶部は、前記表示装置に対して脱着可能に設けられている、付記1乃至6のいずれか1項記載の表示装置。
(付記8)
記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択工程と、
前記画像選択工程により選択された画像データを一定時間表示部に表示する表示工程と、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出工程と、
前記注視検出工程が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新工程を含み、
前記画像選択工程は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、表示方法。
(付記9)
前記データベースは、複数のユーザの各々に対して設けられており、
前記表示部に表示された画像データを鑑賞しているユーザを同定し、同定されたユーザに対応するデータベースを前記更新工程による更新及び前記画像選択工程による選択に用いるデータベースとして選択する個人同定工程を更に含む、付記8記載の表示方法。
(付記10)
前記画像選択工程は、前記表示部が表示している画像データに対して前記同定されたユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻と前記同定されたユーザ以外のユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、付記9記載の表示方法。
(付記11)
前記画像選択工程は、次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを複数の互いに異なる画像選択アルゴリズムの中から選択する、付記8乃至10のいずれか1項記載の表示方法。
(付記12)
前記データベースは、前記複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻に加え、前記ユーザの前記複数の画像データに対する興味度、前記ユーザが印刷する予定である画像データを示す印刷フラグ、及び前記ユーザが前記データベースからの削除を予定していることを示す削除フラグのうち少なくとも1つの情報を格納している、付記8乃至11のいずれか1項記載の表示方法。
(付記13)
コンピュータに、記憶部に記憶された画像データを選択して一定時間表示部に表示させるプログラムであって、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出手順と、
前記注視検出手順が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新手順
を前記コンピュータに実行させ、
前記画像選択手順は、前記コンピュータに、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択させる、プログラム。
(付記14)
前記データベースは、複数のユーザの各々に対して設けられており、
前記表示部に表示された画像データを鑑賞しているユーザを同定し、同定されたユーザに対応するデータベースを前記更新手順による更新及び前記画像選択手順による選択に用いるデータベースとして選択する個人同定手順を更に前記コンピュータに実行させる、付記13記載のプログラム。
(付記15)
前記画像選択手順は、前記表示部が表示している画像データに対して前記同定されたユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻と前記同定されたユーザ以外のユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、付記14記載のプログラム。
(付記16)
前記画像選択手順は、次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを複数の互いに異なる画像選択アルゴリズムの中から選択する、付記13乃至15のいずれか1項記載のプログラム。
(付記17)
付記13乃至16のいずれか1項記載のプログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0062】
以上、開示の表示装置、表示方法及びプログラムを実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
1,1A 表示装置
12 表示部
13,13−1,13−2 カメラ
14 注視検出部
15−1,15−2 画像選択部
16 表示画像決定部
17 時計
18 読み込み部
21−1,21−2,22 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択部と、
前記画像選択部により選択された画像データを一定時間表示する表示部と、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出部と、
前記注視検出部が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新部を備え、
前記画像選択部は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、表示装置。
【請求項2】
前記データベースは、複数のユーザの各々に対して設けられており、
前記表示部に表示された画像データを鑑賞しているユーザを同定し、同定されたユーザに対応するデータベースを前記更新部による更新及び前記画像選択部による選択に用いるデータベースとして選択する個人同定部を更に備えた、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記画像選択部は、前記表示部が表示している画像データに対して前記同定されたユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻と前記同定されたユーザ以外のユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択工程と、
前記画像選択工程により選択された画像データを一定時間表示部に表示する表示工程と、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出工程と、
前記注視検出工程が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新工程を含み、
前記画像選択工程は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、表示方法。
【請求項5】
コンピュータに、記憶部に記憶された画像データを選択して一定時間表示部に表示させるプログラムであって、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出手順と、
前記注視検出手順が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新手順
を前記コンピュータに実行させ、
前記画像選択手順は、前記コンピュータに、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択させる、プログラム。
【請求項1】
第1の記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択部と、
前記画像選択部により選択された画像データを一定時間表示する表示部と、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出部と、
前記注視検出部が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新部を備え、
前記画像選択部は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、表示装置。
【請求項2】
前記データベースは、複数のユーザの各々に対して設けられており、
前記表示部に表示された画像データを鑑賞しているユーザを同定し、同定されたユーザに対応するデータベースを前記更新部による更新及び前記画像選択部による選択に用いるデータベースとして選択する個人同定部を更に備えた、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記画像選択部は、前記表示部が表示している画像データに対して前記同定されたユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻と前記同定されたユーザ以外のユーザに対応するデータベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
記憶部に記憶された画像データを選択する画像選択工程と、
前記画像選択工程により選択された画像データを一定時間表示部に表示する表示工程と、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出工程と、
前記注視検出工程が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新工程を含み、
前記画像選択工程は、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択する、表示方法。
【請求項5】
コンピュータに、記憶部に記憶された画像データを選択して一定時間表示部に表示させるプログラムであって、
ユーザが前記表示部が表示している画像データを注視したことを検出する注視検出手順と、
前記注視検出手順が前記ユーザの注視を検出すると、複数の画像データに対する注視時刻及び表示時刻を格納したデータベースに対して、注視された画像データの注視時刻と表示時刻を更新する更新手順
を前記コンピュータに実行させ、
前記画像選択手順は、前記コンピュータに、前記データベースに格納された注視時刻及び表示時刻に基づいて次に選択して前記表示部に表示するべき画像データを選択させる、プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図6】
【公開番号】特開2011−203975(P2011−203975A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70212(P2010−70212)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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