説明

表示装置、表示方法及びプログラム

【課題】ファインダーを覗きながらマーキングしたい対象物を容易に指定する。
【解決手段】ファインダー2の内側に、撮像部により逐次撮像された画像を表示する表示部が設けられた接眼式の表示装置1であって、表示部により表示された画像に含まれている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力するマーキング指示ボタン108bと、当該装置本体が存する位置を取得するGPS受信機と、撮像部による撮像の方向を取得する6軸センサと、指示信号が入力されると、取得された当該装置本体の位置及び取得された撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する対象物の位置を特定する特定部と、特定された対象物の位置の報知に係る報知処理を行う報知部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像画像に含まれる被写体等の対象物に対するマーキングの指示入力を受け付け、マーキングされた対象物と撮像装置本体との位置関係を特定する撮像装置がある(例えば、特許文献1参照)。当該撮像装置は、対象物と撮像装置本体との位置関係が変化することにより対象物が撮像装置の画角から外れた場合、対象物がいずれの方向にあるのかを示すガイド表示を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−121321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の撮像装置は、タッチパネルを介してマーキングの指示入力を受け付けるので、ファインダーを覗いた状態では対象物の指定作業が煩雑であった。
【0005】
本発明の課題は、ファインダーを覗きながらマーキングしたい対象物を容易に指定することができる表示装置、表示方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の表示装置は、接眼部の内側に、撮像手段により逐次撮像された画像を表示する表示手段が設けられた接眼式の表示装置であって、前記表示手段により表示された画像に含まれ、前記表示手段の所定の表示領域に表示されている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力する指示手段と、当該装置本体が存する位置を取得する位置取得手段と、前記撮像手段による撮像の方向を取得する方向取得手段と、前記指示手段により指示信号が入力されると、前記位置取得手段により取得された当該装置本体の位置及び前記方向取得手段により取得された撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定する特定手段と、この特定手段により特定された前記対象物の位置の報知に係る報知処理を行う報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の表示方法は、接眼部の内側に、撮像手段により逐次撮像された画像を表示する表示手段が設けられた接眼式の表示装置による表示方法であって、前記表示手段により表示された画像に含まれ、前記表示手段の所定の表示領域に表示されている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力するステップと、当該装置本体が存する位置を取得するステップと、前記撮像手段による撮像の方向を取得するステップと、前記指示信号が入力されると、取得された当該装置本体の位置及び前記撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定するステップと、特定された前記対象物の位置の報知に係る報知処理を行うステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のプログラムは、接眼部の内側に、撮像手段により逐次撮像された画像を表示する表示手段が設けられた接眼式の表示装置のコンピュータを、前記表示手段により表示された画像に含まれ、前記表示手段の所定の表示領域に表示されている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力する手段、当該装置本体が存する位置を取得する手段、前記撮像手段による撮像の方向を取得する手段、前記指示信号が入力されると、取得された当該装置本体の位置及び前記撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定する手段、特定された前記対象物の位置の報知に係る報知処理を行う手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ファインダーを覗きながらマーキングしたい対象物を容易に指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による表示装置の主要構成を示すブロック図である。
【図2】表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図3】報知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】位置特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】表示装置の斜視図である。
【図6】ファインダー側から見た場合の表示装置を示す図である。
【図7】ファインダーの接眼状態の一例を示す図である。
【図8】図5に示す例に対してファインダーの角度を変化させた状態の表示装置を示す図である。
【図9】ライブビュー画像に重畳して表示された指標の一例を示す図である。
【図10】表示装置に対する対象物の位置の特定方法を示す模式図である。
【図11】表示領域に対象物が含まれなくなる場合の一例を示す模式図である。
【図12】マーカー表示の一例を示す図である。
【図13】矢印を含むガイド表示の一例を示す図である。
【図14】変形例による表示装置の主要構成を示すブロック図である。
【図15】夜空の複数の星を含むライブビュー画像の一例を示す図である。
【図16】対象物としての夜空の複数の星に関する情報の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置1の主要構成を示すブロック図である。
表示装置1は、撮像部101、メモリ102、画像処理部103、記憶部104、表示部105、表示制御部106、測位部107、操作入力部108、特定部109、測距部110、判定部111、CPU112等を備える。
また、画像処理部103、表示制御部106、特定部109、判定部111、CPU112は、例えば、カスタムLSIとして設計されている。
【0013】
撮像部101は、画像を撮像する。
具体的には、撮像部101は、例えば、レンズ部101a、イメージセンサ部101b等を有する。
レンズ部101aは、複数のレンズから構成され、ズームレンズやフォーカスレンズ等を備えている。
【0014】
イメージセンサ部101bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサを有し、レンズ部101aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。
また、図示は省略するが、イメージセンサ部101bは、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。そして、イメージセンサ部101bは、タイミング発生器、ドライバによりイメージセンサを走査駆動して、所定周期毎に光学像をイメージセンサにより二次元の画像信号に変換させ、当該イメージセンサの撮像領域から1画面分ずつ画像フレームを読み出す。また、イメージセンサ部101bは、AF(自動合焦処理)、AE(自動露出処理)、AWB(自動ホワイトバランス)等の被写体の撮像条件の調整制御を行う。
また、イメージセンサ部101bは、イメージセンサから転送された画像フレームのアナログ値の信号に対してRGBの色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。カラープロセス回路から出力される輝度信号Y及び色差信号Cb,Crは、図示しないDMAコントローラを介して、バッファメモリとして使用されるメモリ102にDMA転送される。イメージセンサ部101bは、逐次YUVデータを生成し、メモリ102に転送する。
【0015】
また、本実施形態の撮像部101は、AFにより所定の被写界深度でパンフォーカスによる撮像が行われるように設けられている。
【0016】
メモリ102は、例えば、DRAM等により構成され、イメージセンサ部101b、画像処理部103、CPU112等によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0017】
画像処理部103は、メモリ102に一時的に記憶されているYUVデータを表示用画像データとして逐次読み出して表示部105に表示させるためのライブビュー処理を行う。
具体的には、画像処理部103は、VRAM、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダ、外部の表示装置への出力を可能とするインタフェースなど(全て図示略)を備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、CPU112の制御下にてメモリ102から読み出されてVRAMに記憶されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから定期的に読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示制御部106に出力する。
【0018】
また、画像処理部103は、メモリ102に記憶された画像データに対して種々の画像処理を施す。具体的には、画像処理部103は、JPEG圧縮部(図示略)などを備えている。JPEG圧縮部は、イメージセンサ部101bから出力され、メモリ102に一次記憶されたYUVデータを読み出し、符号化することによりJPEG画像データを生成して記憶部104に出力する。
【0019】
記憶部104は、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成され、CPU112により読み出される各種のプログラムやデータ、画像処理部103のJPEG圧縮部(図示略)により符号化された撮像画像の記録用の画像データ等を記憶する。記憶部104は、表示装置1に内蔵された記憶装置であってもよいし、所定のインタフェース(例えばメモリカードスロット等)を介して着脱可能なメモリカード等の外部記憶媒体やその他の外部記憶装置等であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0020】
表示部105は、例えば、液晶表示装置であり、画像処理部103により出力されたライブビュー画像の表示や、表示制御部106、CPU112等の処理内容に応じた表示を行う。
表示部105は、表示装置1のファインダー2の内側に設けられる(図6参照)。表示装置1のユーザは、図7に示すように、ファインダー2を目の周囲に当接させることにより、ファインダー2の内側に設けられた表示部105の表示内容を視認することができる。即ち、表示部105及びファインダー2は、接眼式の電子ビューファインダーとして機能する。
なお、図8に示すように、ファインダー2は、撮像部101が設けられた本体部3に対して角度を変更することができるよう設けられている。ファインダー2の角度の変更は、例えば、ファインダー2を本体部3に対して回転させることにより行われる。
【0021】
表示制御部106は、表示部105の表示領域における表示内容の制御に係る各種処理を行う。
表示制御部106は、例えば、画像処理部103から出力されたビデオ信号に基づくライブビュー表示を表示部105に行わせる。
また、表示制御部106は、デジタルズーム部106a、指標表示部106b、報知部106c等を有する。
【0022】
デジタルズーム部106aは、表示用の画像データの一部分を拡大して表示部105に表示させるための拡大処理を行う。
具体的には、デジタルズーム部106aは、イメージセンサ部101bが有するイメージセンサの画素に対応して生成された画像データの画素(ピクセル:pixel)と表示部105の表示領域における画素とを一対一とする倍率(1倍:拡大処理なし)に対して、画像データの画素と表示部105の表示領域における画素とを一対多とするための処理を行う。即ち、デジタルズーム部106aは、画像データの一画素を表示部105の多数の画素を用いて表示することにより、表示部105に表示される画像を拡大する。
【0023】
なお、デジタルズーム部106aによる拡大処理が行われたとき、表示部105に表示される画像が相対的に拡大されることに伴い、表示部105の表示領域に表示用の画像データによる画像の全表示内容を表示することができなくなることから、拡大処理を経て表示された画像は、表示用の画像データの一部分となる。
本実施形態では、拡大処理により、表示用の画像データの中央部分が相対的に拡大されて表示されるように設けられているが、一例であり、これに限られるものでなく、拡大処理により拡大して表示する表示用の画像データの一部分は、当該画像データのどの部分であってもよい。
デジタルズーム部106aによる拡大処理の倍率、即ち、画像データの画素と表示部105の表示領域における画素との数の比率は、例えば、操作入力部108のズームレバー108aを介してユーザにより行われる入力操作に応じて決定される。
【0024】
指標表示部106bは、表示部105の表示領域の所定位置に指標T(例えば、図9に示す指標T)を表示させるための処理を行う。
指標表示部106bは、例えば、図9に示すように、表示部105に表示された画像(例えば、ライブビュー画像L)に重畳させるように、表示部105の表示領域の所定位置(例えば、表示領域の中央)に指標Tを表示させる。重畳された指標Tとライブビュー画像Lとの関係は、例えば、指標Tが前景、ライブビュー画像Lが背景となる。
なお、図9は、表示領域の中央を所定位置とした指標Tの表示例を示しているが、指標Tが表示される位置、即ち、所定位置は表示部105の表示領域内において任意に設定することができる。
本実施形態では、表示部105は、操作入力部108のモードボタンを介してユーザによりマーキング指示モードの設定が行われた場合に指標Tを表示させる。
【0025】
報知部106cは、特定部109により特定された対象物O(図10〜図12参照)の位置の報知に係る報知処理を行う。報知部106cの詳細については後述する。
【0026】
測位部107は、表示装置1の本体の存する位置(以下「本体位置P」、図10、図11参照)及び撮像部101による撮像の方向(以下「撮像方向V」、図10、図11参照)を取得し、本体位置P及び撮像方向Vを示す情報を特定部109及び判定部111に出力する。
具体的には、測位部107は、GPS(Global Positioning System)受信機107a及び6軸センサ107bを有する。
GPS受信機107aは、GPS衛星からの信号を受信する。測位部107は、GPS受信機107aにより受信されたGPS衛星からの信号に基づいて本体位置Pを測位し、本体位置Pを示す位置情報を出力する。本実施形態では、本体位置Pを示す位置情報は緯度と経度の数値情報により構成される。
【0027】
6軸センサ107bは、撮像方向Vに係る情報を取得する。
6軸センサ107bは、例えば、図5〜図7に示すX方向、Y方向及びZ方向の各方向に対する表示装置1の本体部3の角度を検出して出力する。ここで、X方向及びY方向は、例えば、共に水平面に沿う方向であり、Z方向は水平面に直交する方向である。また、X方向とY方向とは互いに直交する。
測位部107は、6軸センサ107bにより出力されたX方向、Y方向及びZ方向の各方向に対する角度に基づいて、レンズ部101aの開口側が向けられている角度、即ち、撮像方向Vを特定する。
【0028】
操作入力部108は、表示装置1に対する入力操作を受け付ける。具体的には、操作入力部108は、表示装置1の電源のON/OFFを切り替える電源ボタン(図示略)、撮影指示に係るシャッタボタン(図示略)、モード変更に係るモードボタン(図示略)、ズーム量の調整指示に係るズームレバー108a、表示部105により表示された画像に含まれている対象物Oの位置をマーキングするための指示信号を入力するためのマーキング指示ボタン108b等を備え、これらのボタンに対する入力操作に応じて所定の操作信号をCPU112に出力する。操作入力部108を介して行われた入力操作に対応する各種の信号は、CPU112を介して各部に出力される。
【0029】
ズームレバー108a及びマーキング指示ボタン108bは、例えば、図5、図7に示すように、表示装置1のファインダー2が設けられた側からレンズ部101aの開口側にかけて延設された本体部3の側面部の所定箇所に設けられる。当該位置にズームレバー108a及びマーキング指示ボタン108bが設けられることにより、ユーザは、表示装置1を手に持つことにより表示装置1を支持してファインダー2を接眼させながら、ズームレバー108aやマーキング指示ボタン108bに対する入力操作を容易に行うことができる。
【0030】
特定部109は、表示部105に表示された画像及びマーキング指示ボタン108bに対する入力操作により出力された指示信号に基づいて対象物Oを特定する。
例えば、図9に示す表示が行われているとき、ユーザによりマーキング指示ボタン108bに対する入力操作が行われると、マーキング指示ボタン108bに対する入力操作に応じた指示信号が出力される。特定部109は、当該指示信号の入力を受けたときに表示部105に表示されていた画像に含まれる対象物Oを特定する。本実施形態において、特定部109は、表示部105に表示された画像のうち、所定位置に表示された指標Tが重畳されている位置に存する対象物Oを特定する。即ち、マーキング指示ボタン108bは、表示部105により表示されたライブビュー画像に含まれ、表示部105の表示領域内の所定位置に表示されている対象物Oに係る指示信号を入力する。
【0031】
また、特定部109は、測位部107により取得された当該表示装置1の本体位置P及び撮像方向Vに基づいてマーキングされた対象物Oの位置を特定する。
具体的には、特定部109は、まず、測位部107のGPS受信機107aにより受信されたGPS信号に基づいて特定された表示装置1の本体位置Pを示す情報(緯度及び経度)を取得する。
次に、特定部109は、測位部107の6軸センサ107bにより出力された角度に基づいて特定された撮像方向Vを示す情報を取得する。
そして、特定部109は、緯度及び経度により示された表示装置1の本体位置P(例えば、図10に示す本体位置P)を基準とし、撮像方向V(例えば、図10に示す撮像方向V)に対象物Oが存するものとして、対象物O(例えば、図10に示す対象物O)の位置を特定する。
【0032】
なお、特定部109は、対象物Oの位置の特定に係り、さらに、測距部110により測定された表示装置1本体とマーキング指示ボタン108bにより指示信号が入力された対象物Oの位置との距離に基づいて、表示装置1の本体位置Pに対する対象物Oの位置を特定してもよい。この場合、特定部109は、緯度及び経度により示された表示装置1の本体位置Pを基準とし、撮像方向Vに沿って、測距部110により測定された距離だけ表示装置1本体から離れた位置に対象物Oが存するものとして、対象物Oの位置を特定する。
【0033】
測距部110は、表示装置1本体とマーキング指示ボタン108bにより指示信号が入力された対象物Oの位置との距離を測定する。
測距部110は、例えば、レンズ部101aの構成により想定された被写界深度の距離とデジタルズーム部106aによる拡大処理の倍率とに基づいて撮像距離を特定する。この場合、測距部110は、被写界深度の距離(例えば、パンフォーカスによる撮像時にピントが合う距離)を基準として、拡大処理の倍率に基づく補正を当該基準とされた距離に対して施し、表示装置1本体とマーキングされた対象物Oとの距離の範囲を測定する。
なお、測距部110による距離の測定は、上記の方法に限らない。例えば、測距部110は、赤外線を発する発光ダイオード等を用いた専用の測距センサ等を有し、対象物Oまでの距離を測定するようにしてもよい。
【0034】
判定部111は、対象物Oが表示部105に表示されているか否かを判定し、判定の結果を示す情報を表示制御部106に出力する。
例えば、図11に示すように、表示装置1本体の本体位置Pが変化したことにより、対象物Oが撮像部101の画角に存しない状態となる場合がある。
判定部111は、当該表示装置1の本体位置Pに基づいて特定された対象物Oの位置を基準として対象物Oが表示部105に表示されているか否かを判定する。具体的には、判定部111は、対象物Oがマーキングされて位置が特定されたときの当該表示装置1の本体位置P(緯度及び経度)及び撮像方向Vを基準とし、当該基準となる本体位置P及び撮像方向Vに対する本体位置P及び撮像方向Vの変化量を測位部107から出力される情報により取得する。そして、判定部111は、当該変化量に基づいて、対象物Oが撮像部101の画角内に存するか否か判定する。ここで、対象物Oが撮像部101の画角内に存しないと判定された場合、対象物Oが表示部105に表示されていないこととなる。
【0035】
また、デジタルズーム部106aによる拡大処理等、撮像部101の画角に対して表示部105に表示される画像の範囲が限定される処理が行われている場合、撮像部101の画角に基づく画像に対して表示部105に表示されている画像の範囲はさらに狭まることから、表示部105の表示領域に基づく画角(以下「見かけ上の画角」)が狭まっていることとなる。よって、デジタルズーム部106aによる拡大処理が行われている場合、判定部111は、さらに、拡大処理の倍率を取得し、見かけ上の画角内に対象物Oが存するか否か判定する。ここで、対象物Oが見かけ上の画角内に存しないと判定された場合、対象物Oが表示部105に表示されていないこととなり、対象物Oが見かけ上の画角内に存すると判定された場合、対象物Oが表示部105に表示されていることとなる。
なお、デジタルズーム部106aによる拡大処理が行われていない場合であって、対象物Oが撮像部101の画角内に存すると判定された場合、対象物Oが表示部105に表示されていることとなる。
【0036】
判定部111により出力された判定の結果を示す情報は、報知部106cによる報知処理に用いられる。具体的には、報知部106cは、表示部105による判定結果に応じて報知の内容を変化させる。
【0037】
例えば、判定部111により対象物Oが表示部105に表示されていると判定された場合、報知部106cは、対象物Oの位置を示すマーカー表示を表示部105に行わせる。
具体的には、図12に示すように、表示部105に表示されているライブビュー画像Lに対象物Oが含まれている場合、報知部106cは、対象物Oが表示されていることを示すマーカーMの表示を含む表示内容を表示部105に表示された画像に重畳させて表示させる。
【0038】
一方、判定部111により対象物Oが表示部105に表示されていないと判定された場合、報知部106cは、表示部105の表示領域外に存する対象物Oの位置を案内するガイド表示を表示部105に行わせる。
具体的には、図13に示すように、表示部105に表示されているライブビュー画像Lに対象物Oが含まれていない場合、報知部106cは、表示装置1の本体位置Pを基準として表示部105の表示領域外に存する方向を示す矢印Cの表示を含む表示内容を表示部105に表示された画像に重畳させて表示させる。
【0039】
また、報知部106cは、特定部109により特定された対象物Oの位置に基づいた報知を行うにあたり、測距部110により測定された距離に基づく報知を行ってもよい。
例えば、報知部106cは、図13に示す矢印を三次元モデルとして表示部105に表示させる。そして、所定の距離に対して対象物Oがより遠くに存する場合、報知部106cは、対象物Oの存する方向を示すと共に画像の奥側を指す三次元モデルの矢印を表示させることにより、対象物Oが遠くに存することを示すことができる。一方、所定の距離に対して対象物Oがより近くに存する場合、報知部106cは、対象物Oの存する方向を示すと共に画像の手前側を指す三次元モデルの矢印を表示させることにより、対象物Oが近くに存することを示すことができる。なお、矢印が画像の奥側を指すとは、矢印が表示装置1の本体位置Pからみて遠方を指しているように見えるように矢印を表示することをいい、矢印が画像の手前側を指すとは、矢印が表示装置1の本体位置Pからみて近傍を指しているように見えるように矢印を表示することをいう。ここで、遠方、近傍は相対であり、表示内容の比較により矢印の指す方向の変化が明確に確認できる程度に変化すればよい。
また、表示部105の表示領域の大きさとデジタルズーム部106a等による拡大処理に伴う対象物の表示サイズとの対応関係に基づいて、矢印表示の内容を変化させてもよい。例えば、対象物の表示サイズが表示部105の表示領域の大きさに対して小さすぎる場合に矢印が画像の奥側を指し、対象物の表示サイズが表示部105の表示領域の大きさに対して大きすぎる場合に矢印が画像の手前側を指すようにしてもよい。
【0040】
CPU112は、表示装置1の各部を制御するものである。具体的には、CPU112は、表示装置1用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行うものである。
【0041】
以下、表示装置1が行う処理のうち、表示部105による表示に係る処理(以下、単に「表示処理」)について、図2のフローチャートによる例示を用いて説明する。
まず、撮像部101が撮像を行う(ステップS1)。具体的には、レンズ部101aのズームレンズやフォーカスレンズにより、所定の被写界深度でパンフォーカスとなるよう焦点が合わせられ、当該レンズ部101aにより光学像がイメージセンサ部101bに導かれ、イメージセンサ部101bにより当該光学像に応じたYUVデータが逐次生成されてメモリ102に記憶される。
【0042】
次に、表示装置1は、表示部105によるライブビュー表示を行う(ステップS2)。具体的には、画像処理部103がメモリ102からYUVデータを表示用の画像データとして逐次読み出し、表示制御部106に出力する。表示制御部106は、画像処理部103により出力された表示用の画像データを表示部105に逐次表示させる。
【0043】
次に、表示制御部106が、対象物Oのマーキング指示が既に行われているか否か判定する(ステップS3)。ここで、対象物Oのマーキング指示が既に行われていると判定された場合(ステップS3:YES)、表示制御部106は、報知処理を行う(ステップS4)。
【0044】
ここで、報知処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、判定部111が、対象物Oがマーキングされて位置が特定されたときの当該表示装置1の本体位置P(緯度及び経度)及び撮像方向Vを基準とし、当該基準となる本体位置P及び撮像方向Vに対する本体位置P及び撮像方向Vの変化量を測位部107から出力される情報に基づいて取得し、当該変化量及びデジタルズーム処理の倍率に基づいて、対象物Oが表示部105に表示されているか否か判定する(ステップS21)。
ここで、対象物Oが表示部105に表示されていると判定された場合(ステップS21:YES)、表示制御部106の報知部106cは、図12に示すように、対象物Oを示すマーカーMをライブビュー画像に重畳させて表示させ(ステップS22)、報知処理を終了する。
一方、ステップS21にて、対象物Oが表示部105に表示されていないと判定された場合(ステップS21:NO)、報知部106cは、図13に示すように、対象物Oの存する方向を示す矢印Cをライブビュー画像に重畳させて表示させ(ステップS23)、報知処理を終了する。
【0045】
報知処理の後、終了指示、即ち、電源ボタンによる電源OFFの入力操作がユーザにより行われた場合(ステップS5:YES)、表示処理が終了される。また、又はステップS3にて対象物Oのマーキング指示が既に行われていないと判定された場合(ステップS3:NO)であって、終了指示が行われた場合(ステップS5:YES)も同様に、表示処理が終了される。
一方、電源ボタンによる電源OFFの入力操作がユーザにより行われていない場合(ステップS5:NO)、表示制御部106は、操作入力部108のモードボタンを介してユーザにより設定されたモードがマーキング指示モードであるか否か判定する(ステップS6)。ここで、ユーザにより設定されたモードがマーキング指示モードであると判定された場合(ステップS6:YES)、指標表示部106bは、図9に示すように、表示部105の表示領域の所定位置(例えば、表示領域の中央)に指標Tを表示させる(ステップS7)。
【0046】
次に、表示制御部106は、操作入力部108のマーキング指示ボタン108bに対する入力操作を介してユーザにより対象物Oのマーキング指示がなされたか否か判定する(ステップS8)。ここで、対象物Oのマーキング指示がなされたと判定された場合(ステップS8:YES)、表示装置1は、位置特定処理を行う(ステップS9)。
【0047】
ここで、位置特定処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、特定部109が、表示部105に表示されたライブビュー画像に含まれていて、表示部105の表示領域の所定位置(例えば、表示領域の中央)に表示されて指標Tが重なっている被写体を対象物Oとしてマーキングする(ステップS31)。
【0048】
次に、特定部109は、測位部107のGPS受信機107aにより受信されたGPS信号に基づいて特定された表示装置1の本体位置P(緯度及び経度)を取得する(ステップS32)。
また、特定部109は、測位部107の6軸センサ107bにより検出された角度に基づいて求められた対象物Oを撮像する当該表示装置1による撮像方向Vを取得する(ステップS33)
また、特定部109は、測距部110により測定された表示装置1本体とマーキングされた対象物Oとの距離を取得する(ステップS34)。
【0049】
そして、特定部109は、緯度及び経度により示された表示装置1の本体位置P(例えば、図10に示す本体位置P)を基準とし、撮像方向V(例えば、図10に示す撮像方向V)に沿って、測距部110により測定された距離だけ表示装置1本体から離れた位置に対象物Oが存するものとして、対象物O(例えば、図10に示す対象物O)の位置を特定し(ステップS35)、位置特定処理を終了する。
【0050】
位置特定処理の終了後、ステップS1の処理に移行する。また、ステップS6にて、ユーザにより設定されたモードがマーキング指示モードでないと判定された場合(ステップS6:NO)や、ステップS8にて対象物Oのマーキング指示がなされていないと判定された場合(ステップS8:NO)も、ステップS1の処理に移行する。
【0051】
以上のように、本実施形態の表示装置1によれば、指示信号によりファインダー2に設けられた表示部105に表示された画像に含まれる対象物Oに対するマーキングが指示されるので、当該表示装置1のユーザは対象物Oのマーキングのためにファインダー2から目を離す必要がなくなり、ファインダー2を覗きながら容易に対象物Oを指定することができる。
また、マーキングが指示されると、特定部109が当該表示装置1の本体位置P及び撮像方向Vに基づいて当該表示装置1の本体位置Pに対する対象物Oの位置を特定し、報知部106cが対象物Oの位置の報知に係る報知処理を行うので、ファインダー2を覗いている当該表示装置1のユーザに対して対象物Oの位置に基づいた情報の提供を行うことができる。
【0052】
また、表示部105が、表示領域の所定位置(例えば、表示領域の中央)を示す指標Tを画像に重畳させて表示させるので、表示部105により表示された画像に含まれるもののうち、表示部105の表示領域内のどの位置に表示されているものがマーキングされる対象物Oとなるのかを明確に示すことができ、より容易に対象物Oを指定することができる。
【0053】
また、報知部106cが、判定部111の判定結果に応じて報知の内容を変化させるので、報知の内容の変化によりファインダー2を覗いている表示装置1のユーザに対象物Oの表示の有無を報知することができ、表示部105の表示内容に対象物Oが存在するか否かを報知することができる。
例えば、表示装置1のユーザが対象物Oに対するマーキング指示をした後、他のユーザが対象物Oを指定したユーザから当該表示装置1を渡されてファインダー2を覗いて対象物Oを見ようとした場合に、当該表示装置1の本体位置Pが変化することにより、撮像部101の画角やデジタルズーム処理に伴う見かけ上の画角に対象物Oが存在していない状態となる場合がある。かかる場合に、対象物Oの表示の有無に応じて報知部106cが報知の内容を変化させるので、他のユーザに対象物Oの表示の有無に係る情報を提供することができる。
【0054】
また、判定部111により対象物Oが表示部105に表示されていると判定された場合、報知部106cが対象物Oの位置を示すマーカー表示を表示部105に行わせるので、ファインダー2を覗いている表示装置1のユーザに対象物Oが表示されている位置を報知することができ、表示部105の表示内容に対象物Oが含まれていること及び対象物Oの位置を報知することができる。
その一方で、判定部111により対象物Oが表示部105に表示されていないと判定された場合、報知部106cが表示部105の表示領域外に存する対象物Oの位置を案内するガイド表示を表示部105に行わせるので、ファインダー2を覗いている表示装置1のユーザに対象物Oの存する位置を案内することができ、表示部105の表示内容に対象物Oが含まれていないことの報知及び対象物Oを表示内容に含めるための案内を行うことができる。
【0055】
また、報知部106cは、ガイド表示として、対象物Oの存する方向を示す矢印表示を含む表示内容を表示部105に表示させるので、ファインダー2を覗いている表示装置1のユーザに対象物Oの存する方向を報知することができ、表示部105に表示される画像に対象物Oを収めるために表示装置1を移動させるべき方向や向けるべき撮像の方向を報知することができる。
【0056】
また、報知部106cが、測距部110により測定された表示装置1本体と指示信号が入力された対象物Oとの距離に基づく報知を行うので、ファインダー2を覗いている表示装置1のユーザに表示装置1本体とマーキングされた対象物Oとの距離に基づいた情報の提供を行うことができる。
【0057】
(変形例)
以下、本発明の変形例による表示装置1Aについて、図14〜図16を参照して説明する。なお、図1及び上記の説明に示す表示装置1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
変形例による表示装置1Aは、図14に示すように、表示装置1の構成に加えて、通信制御部121、識別部122をさらに備える。識別部122は、例えば、カスタムLSIとして設計されている。
【0058】
通信制御部121は、例えば、通信アンテナや通信回路(図示略)等を備え、所定の通信規格(例えば、3G:IMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)規格に準拠した通信規格や無線LAN等)により、通信ネットワークNを介して接続された外部の情報処理装置との間で情報の通信制御を行う。
【0059】
なお、通信ネットワークNは、例えば、専用線や既存の一般公衆回線を利用して構築された通信ネットワークNであり、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の様々な回線形態を適用することが可能である。また、通信ネットワークNには、例えば、電話回線網、ISDN回線網、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ等が含まれる。
【0060】
識別部122は、特定部109により特定された対象物Oの位置から対象物Oを識別する。
具体的には、識別部122は、例えば、緯度及び経度により示された表示装置1の本体位置Pと、撮像方向Vとから特定された対象物Oの位置を示す情報を検索のキーワードとし、通信制御部121を介して外部の情報処理装置(例えば、情報検索サービスを提供するサーバ等)に対して情報の要求を行い、当該要求に対する応答として送信された情報に基づいて対象物Oを識別する。
【0061】
例えば、表示装置1のユーザが当該表示装置1の撮像部101を夜空に向けてファインダー2を覗き、図15に示すような夜空に視認された星のうちの1つ又は複数を対象物Oとしてマーキングした場合、識別部122は、図15に示す1つ又は複数の星が視認された表示装置1の本体位置P及び表示装置1の撮像方向Vを示す情報に基づいて特定される対象物Oの位置(例えば、夜空の方角等)を検索のキーワードとして情報の要求を行い、当該要求に対する応答として送信された情報に基づいて、対象物Oの識別を行う。図15に示す例の場合、識別の結果として、例えば「北斗七星」や、「おおぐま座」等の情報が取得されることとなる。
【0062】
また、識別部122は、識別された対象物Oに関する情報を取得する。
具体的には、識別部122は、例えば、識別の結果として得られた情報(例えば、図15に示す表示例の識別の結果としての「北斗七星」や、「おおぐま座」等)を検索のキーワードとして外部の情報処理装置(例えば、情報検索サービスを提供するサーバ等)に情報の要求を行い、当該要求に対する応答として送信された情報を対象物Oに関する情報として取得する。
【0063】
変形例において、表示制御部106の報知部106cは、識別部122により得られた対象物Oに関する情報を報知する。
具体的には、報知部106cは、例えば、図16に示す例のように、図15に示す夜空の複数の星をライブビュー表示する表示部105の表示領域に設けられた所定の表示領域に、識別部122により得られた対象物Oに関する情報Iを表示させる。図16に示す対象物Oに関する情報Iは、識別の結果により得られた星群の名称(「北斗七星」)や当該星群が含まれる星座の名称(「おおぐま座」)、当該星群に含まれる星の等級等を含んでいるが、一例であり、これに限られるものでなく、対象物Oに応じて適宜異なる情報が取得され、報知される。
【0064】
なお、識別部122は、対象物Oの識別に係り、特定部109により特定された対象物Oの位置以外の情報を用いても良い。
例えば、現在時刻を計時する計時部を表示装置1に設け、現在時刻をキーワードとして情報の検索を行うようにしてもよい。
対象物Oに関する情報の取得においても同様に、識別の結果に係る情報以外の情報を用いても良い。
【0065】
以上、変形例によれば、識別部122が特定部109により特定された対象物Oの位置から対象物Oを識別し、識別された対象物Oに関する情報を取得し、報知部106cが、取得された対象物Oに関する情報を報知するので、ファインダー2を覗いている表示装置1のユーザに対象物Oに関する情報を提供することができる。
【0066】
また、外部の情報処理装置と通信する通信制御部121を備え、識別部122が、通信制御部121を介して対象物Oに関する情報を取得するので、外部の情報処理装置に記憶されたより多くの情報に基づいて対象物Oに関する情報を取得することができ、ファインダー2を覗いている表示装置1のユーザに対象物Oに関するより多くの情報を提供することができる。
【0067】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記の報知部106cは、報知する情報を表示部105に表示させているが、報知の具体的な方法の一例であり、これに限られるものではない。例えば、音声により報知を行う音声出力部等を設けてもよい。
【0068】
また、報知に係る情報の表示(例えば、図12に示すマーカーMや図13に示す矢印等)をライブビュー画像に重畳させる表示方法は、報知に係る表示方法の一例であり、これに限られるものではない。例えば、報知のための専用の表示領域を表示部105の表示領域内に設けるようにしてもよいし、報知のための専用の表示装置をファインダー2の内側にさらに設けてもよい。
【0069】
また、マーカーMや矢印C等の形状は報知に係る表示の一例であり、これに限られるものではない。例えば、他の形状のマーカーや、表示領域外に存する対象物Oを案内するための標識等を設けてもよい。また、撮像部101により撮像された画像や、外部の情報処理装置から取得された画像等の一部分に基づくマーカー(例えば、ARマーカー等)を取得して報知のための表示に用いるようにしてもよい。
【0070】
また、上記の識別部122は、識別及び対象物Oに関する情報の取得に係り、通信制御部121を介して情報の送受信を行っているが、一例であり、これに限られるものではない。例えば、表示装置1Aに対象物Oの識別及び対象物Oに関する情報(例えば、本体位置P及び撮像方向Vと撮像される星の位置との関連性を示す星図データ及び星図に含まれる星座、星群に関する情報を含むデータ等)をあらかじめ記憶する記憶装置を設け、当該記憶装置に記憶された情報に基づいて識別及び対象物Oに関する情報の取得を行ってもよい。
また、識別部122による識別は、情報の検索に限らない。例えば、撮像部101により撮像された対象物Oを含む画像と記憶装置等から取得された画像とによる画像照合を行い、対象物Oを識別するようにしてもよい。
【0071】
また、上記の実施形態では、マーキング指示ボタン108bに対する入力操作により対象物Oの位置をマーキングするための指示信号が入力されているが、一例であり、これに限られるものでない。例えば、所定条件に基づいて表示部105等の表示装置の所定位置に表示されたものを自動的に対象物Oとしてマーキングするようにしてもよい。当該所定条件の一例として、画像照合により類似度が所定の基準値以上であった場合にマーキングが指示されるよう設定する場合等があげられる。
【0072】
また、上記の測距部110による表示装置1本体と指示信号が入力された対象物Oとの距離との測定は、一例であり、これに限られるものではない。
例えば、レンズ部101aが、被写体の撮像の際に、ズームレンズを光軸方向に移動させるズーム駆動部、フォーカスレンズを光軸方向に移動させる合焦駆動部等の光学ズーム機構を有する場合、光学ズーム機構の動作に係り特定される焦点距離に基づいて表示装置1本体とマーキングされた対象物Oとの距離を測定することもできる。
【0073】
また、上記の識別部122は、対象物Oの識別及び対象物Oに関する情報の取得を行っているが、対象物Oの識別と対象物Oに関する情報の取得とを別の構成により行っても良い。
また、対象物Oに関する情報の提供の一形態として、対象物Oに関する情報が含まれるWebサイトのアドレス情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator)等)の表示や、対象物Oに関する動画の再生等を表示部105に表示させてもよい。
【0074】
加えて、上記実施形態にあっては、CPU112の制御下にて、表示制御部106、測位部107、特定部109、判定部111等が駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、CPU112によって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、指示ルーチン、位置取得ルーチン、方向取得ルーチン、特定ルーチン、報知ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、指示ルーチンによりCPU112が、表示手段により表示された画像に含まれている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力するようにしても良い。また、位置取得ルーチンによりCPU112が、当該装置本体が存する位置を取得するようにしても良い。また、方向取得ルーチンによりCPU112が、撮像手段による撮像の方向を取得するようにしても良い。また、特定ルーチンによりCPU112が、指示信号が入力されると、取得された当該装置本体の位置及び撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する対象物の位置を特定するようにしても良い。また、報知ルーチンによりCPU112が、特定された対象物の位置の報知に係る報知処理を行うようにしても良い。
【0075】
同様に、表示装置1、1Aの各部による他の処理についても、CPU112によって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0076】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記憶媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
接眼部の内側に、撮像手段により逐次撮像された画像を表示する表示手段が設けられた接眼式の表示装置であって、
前記表示手段により表示された画像に含まれ、前記表示手段の所定の表示領域に表示されている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力する指示手段と、
当該装置本体が存する位置を取得する位置取得手段と、
前記撮像手段による撮像の方向を取得する方向取得手段と、
前記指示手段により指示信号が入力されると、前記位置取得手段により取得された当該装置本体の位置及び前記方向取得手段により取得された撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定する特定手段と、
この特定手段により特定された前記対象物の位置の報知に係る報知処理を行う報知手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
<請求項2>
前記表示手段は、前記所定位置を示す指標を前記画像に重畳させて表示領域に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
<請求項3>
前記対象物が前記表示手段に表示されているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記報知手段は、前記判定手段による判定結果に応じて報知の内容を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
<請求項4>
前記報知手段は、前記判定手段により前記対象物が前記表示手段に表示されていると判定された場合、前記対象物の位置を示すマーカー表示を前記表示手段に行わせ、その一方で、前記判定手段により前記対象物が前記表示手段に表示されていないと判定された場合、前記表示手段の表示領域外に存する前記対象物の位置を案内するガイド表示を前記表示手段に行わせることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
<請求項5>
前記ガイド表示は、当該装置本体を基準として前記対象物の存する方向を示す矢印表示を含むことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
<請求項6>
当該装置本体と前記指示手段により指示信号が入力された対象物の位置との距離を測定する測定手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記測定手段により測定された距離に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
<請求項7>
前記特定手段により特定された前記対象物の位置から前記対象物を識別する識別手段と、
この識別手段により識別された前記対象物に関する情報を取得する情報取得手段と、
をさらに備え、
前記報知手段は、前記情報取得手段により取得された前記対象物に関する情報を報知することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
<請求項8>
外部の情報処理装置と通信する通信手段をさらに備え、
前記情報取得手段は、前記通信手段を介して前記対象物に関する情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
<請求項9>
接眼部の内側に、撮像手段により逐次撮像された画像を表示する表示手段が設けられた接眼式の表示装置による表示方法であって、
前記表示手段により表示された画像に含まれ、前記表示手段の所定の表示領域に表示されている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力するステップと、
当該装置本体が存する位置を取得するステップと、
前記撮像手段による撮像の方向を取得するステップと、
前記指示信号が入力されると、取得された当該装置本体の位置及び前記撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定するステップと、
特定された前記対象物の位置の報知に係る報知処理を行うステップと、
を有することを特徴とする表示方法。
<請求項10>
接眼部の内側に、撮像手段により逐次撮像された画像を表示する表示手段が設けられた接眼式の表示装置のコンピュータを、
前記表示手段により表示された画像に含まれ、前記表示手段の所定の表示領域に表示されている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力する手段、
当該装置本体が存する位置を取得する手段、
前記撮像手段による撮像の方向を取得する手段、
前記指示信号が入力されると、取得された当該装置本体の位置及び前記撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定する手段、
特定された前記対象物の位置の報知に係る報知処理を行う手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0078】
1 表示装置
2 ファインダー
3 本体部
101 撮像部
105 表示部
106 表示制御部
106a デジタルズーム部
106b 指標表示部
106c 報知部
107 測位部
107a GPS受信機
107b 6軸センサ
108 操作入力部
108a ズームレバー
108b マーキング指示ボタン
109 特定部
110 測距部
111 判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接眼部の内側に、撮像手段により逐次撮像された画像を表示する表示手段が設けられた接眼式の表示装置であって、
前記表示手段により表示された画像に含まれ、前記表示手段の所定の表示領域に表示されている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力する指示手段と、
当該装置本体が存する位置を取得する位置取得手段と、
前記撮像手段による撮像の方向を取得する方向取得手段と、
前記指示手段により指示信号が入力されると、前記位置取得手段により取得された当該装置本体の位置及び前記方向取得手段により取得された撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定する特定手段と、
この特定手段により特定された前記対象物の位置の報知に係る報知処理を行う報知手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記所定位置を示す指標を前記画像に重畳させて表示領域に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記対象物が前記表示手段に表示されているか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記報知手段は、前記判定手段による判定結果に応じて報知の内容を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記判定手段により前記対象物が前記表示手段に表示されていると判定された場合、前記対象物の位置を示すマーカー表示を前記表示手段に行わせ、その一方で、前記判定手段により前記対象物が前記表示手段に表示されていないと判定された場合、前記表示手段の表示領域外に存する前記対象物の位置を案内するガイド表示を前記表示手段に行わせることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ガイド表示は、当該装置本体を基準として前記対象物の存する方向を示す矢印表示を含むことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
当該装置本体と前記指示手段により指示信号が入力された対象物の位置との距離を測定する測定手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記測定手段により測定された距離に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記特定手段により特定された前記対象物の位置から前記対象物を識別する識別手段と、
この識別手段により識別された前記対象物に関する情報を取得する情報取得手段と、
をさらに備え、
前記報知手段は、前記情報取得手段により取得された前記対象物に関する情報を報知することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
外部の情報処理装置と通信する通信手段をさらに備え、
前記情報取得手段は、前記通信手段を介して前記対象物に関する情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
接眼部の内側に、撮像手段により逐次撮像された画像を表示する表示手段が設けられた接眼式の表示装置による表示方法であって、
前記表示手段により表示された画像に含まれ、前記表示手段の所定の表示領域に表示されている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力するステップと、
当該装置本体が存する位置を取得するステップと、
前記撮像手段による撮像の方向を取得するステップと、
前記指示信号が入力されると、取得された当該装置本体の位置及び前記撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定するステップと、
特定された前記対象物の位置の報知に係る報知処理を行うステップと、
を有することを特徴とする表示方法。
【請求項10】
接眼部の内側に、撮像手段により逐次撮像された画像を表示する表示手段が設けられた接眼式の表示装置のコンピュータを、
前記表示手段により表示された画像に含まれ、前記表示手段の所定の表示領域に表示されている対象物の位置をマーキングするための指示信号を入力する手段、
当該装置本体が存する位置を取得する手段、
前記撮像手段による撮像の方向を取得する手段、
前記指示信号が入力されると、取得された当該装置本体の位置及び前記撮像の方向に基づいて、当該装置本体の位置に対する前記対象物の位置を特定する手段、
特定された前記対象物の位置の報知に係る報知処理を行う手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−38668(P2013−38668A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174478(P2011−174478)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】