説明

表示装置、表示用プログラム、および表示方法

【課題】シンプルな構成で、操作性を向上することができるタッチ検出機能付きの表示装置を得る。
【解決手段】ユーザに指示するための1または複数の指示情報Tを、その各指示情報に対応して設けられた指示情報表示領域33にそれぞれ表示する表示部と、指示情報表示領域のそれぞれに対応して設けられたタッチ検出領域32においてタッチを行うことにより、その指示情報に基づいた情報入力を行うタッチパネルと、タッチパネルにおける情報入力に基づいて所定の動作制御を行う制御部とを備える。上記指示情報表示領域のそれぞれは、対応するタッチ検出領域のうちの上に寄った位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ検出機能を備えた表示装置、およびそのような表示装置に用いられる表示用プログラムならびに表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を液晶表示装置等の表示装置上に装着し、その表示装置に各種のボタン画像等を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示装置が注目されている。このようなタッチパネルを有する表示装置は、キーボードやマウス、キーパッドのような入力装置を必要としないため、コンピュータのほか、携帯電話のような携帯情報端末などでも、使用が拡大する傾向にある。
【0003】
そのような表示装置において、ユーザが操作する際の操作性の向上を図る方法がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、タッチパネルを正面からではなく側方から操作する場合や、室内が暗いために操作ボタンを視認しにくい場合などにおいて、表示ボタンと実際のタッチ位置とのずれ量を求め、それに基づいてその表示ボタンに係るタッチ検出領域を拡張するタッチパネルが開示されている。また、特許文献2には、スクロールバーを操作する場合において、スクロールバーに対応する領域にタッチがなされたときにそのスクロールバーの幅を拡大する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−37344号公報
【特許文献2】特開2004−192573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子機器においては、ハードウェアに要求される仕様、回路規模、消費電流などの観点から、一般にシンプルな動作が望まれている。しかしながら、特許文献1に開示されたタッチパネル、および特許文献2に開示された情報処理装置では、タッチ位置に基づいてタッチ検出領域やスクロールバーの幅を動的に変化させるため、そのような制御を行うための機能が必要となり、システムの構成が複雑になるおそれがある。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、シンプルなシステム構成で、操作性を向上することができる表示装置、表示用プログラム、および表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示装置は、表示部と、タッチパネルと、制御部とを備える。表示部は、ユーザに指示するための1または複数の指示情報を、その各指示情報に対応して設けられた指示情報表示領域にそれぞれ表示するものである。タッチパネルは、指示情報表示領域のそれぞれに対応して設けられたタッチ検出領域においてタッチを行うことにより、その指示情報に基づいた情報入力を行うものである。制御部は、タッチパネルにおける情報入力に基づいて所定の動作制御を行うものである。
【0008】
本発明の表示用プログラムは、ユーザに指示するための1または複数の指示情報をその各指示情報に対応して設けられた指示情報表示領域にそれぞれ表示する表示部における指示情報表示領域を、その指示情報に基づく情報入力を行うためのタッチ検出領域のうちの上に寄った位置に設定する表示領域設定ステップと、指示情報表示領域のそれぞれにおいて、対応する指示情報を表示する表示ステップとをコンピュータに実行させる為のものである。
【0009】
本発明の表示方法は、ユーザに指示するための1または複数の指示情報をその各指示情報に対応して設けられた指示情報表示領域にそれぞれ表示する表示部における指示情報表示領域を、その指示情報に基づく情報入力を行うためのタッチ検出領域のうちの上に寄った位置に設定し、指示情報表示領域のそれぞれにおいて、対応する指示情報を表示するものである。
【0010】
本発明の表示装置、表示用プログラム、および表示方法では、指示情報表示領域に指示情報が表示され、その指示情報に基づきユーザがタッチ検出領域をタッチすることにより、その指示情報に基づいた情報入力が行われる。この指示情報表示領域は、対応するタッチ検出領域のうちの上に寄った位置に設けられている。これにより、ユーザが、指示情報を確認してタッチを行ったときに、指示情報表示領域およびその領域の下に拡張するように広がるタッチ検出領域においてタッチが検出される。
【0011】
本発明の表示装置では、例えば、指示情報表示領域は、タッチ検出領域の上下方向において、上から2/3の範囲に設けられるようにしても良いし、上から1/2の範囲に設けられるようにしても良い。
【0012】
例えば、指示情報は、文字、記号、または色であってもよい。また、例えば、指示情報は、指示情報表示領域の大きさに対応した長さのスクロールバーであってもよい。この場合、例えば、スクロールバーは上下方向に長いものであり、タッチ検出領域は、スクロールバーの上下方向の長さが所定の長さよりも短い時に、そのスクロールバーがそのタッチ検出領域のうちの上に寄った位置に配置されるように設定されてもよい。
【0013】
例えば、タッチ検出領域の上下方向の長さは2cm以下とすることができる。
【0014】
例えば、表示部は、タッチ検出領域と一致するように設けられた操作ボタンをさらに表示するようにしてもよい。ここで、一致とは、完全に同じであることに限定されるものではなく、例えば、操作ボタンが円形状であり、タッチ検出領域がその円に外接する矩形状の場合など、若干の違いを有していてもよい。また、表示部は、指示情報表示領域を有する操作ボタンをさらに表示し、操作ボタンは、対応するタッチ検出領域の上に寄った位置に設けられていてもよい。
【0015】
例えば、表示装置はリモコンであってもよい。また、例えば、表示装置はモバイル機器であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の表示装置、表示用プログラム、および表示方法によれば、指示情報表示領域を対応するタッチ検出領域のうちの上に寄った位置に設けるようにしたので、シンプルな構成で操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器システムの一構成例を表す構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係るリモコンの一構成例を表すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る操作ボタン、タッチ検出領域、指示情報表示領域の関係を表す説明図である。
【図4】表示部に対するタッチ操作を表す説明図である。
【図5】第1の実施の形態に係る表示部の一表示例を表す説明図である。
【図6】第2の実施の形態に係る操作ボタン、タッチ検出領域、指示情報表示領域の関係を表す説明図である。
【図7】第2の実施の形態に係る表示部の一表示例を表す説明図である。
【図8】第3の実施の形態に係るタッチ検出領域、指示情報表示領域の関係を表す説明図である。
【図9】第3の実施の形態に係る表示部の一表示例を表す説明図である。
【図10】第3の実施の形態に係る表示部の他の表示例を表す説明図である。
【図11】第3の実施の形態の変形例に係る表示部の一表示例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
【0019】
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器システムの一構成例を表すものである。この電子機器システムは、表示部およびタッチパネルを備えたリモートコントローラ(以下、リモコンという)と、そのリモコンにより操作される様々な電子機器により構成されるものである。なお、本発明の実施の形態に係る表示用プログラムおよび表示方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。
【0020】
電子機器システム1は、テレビ受像機11と、録画再生機器12と、パーソナルコンピュータ(PC)13と、PCモニタ14と、アクセスポイント15と、リモコン20とを備えている。
【0021】
テレビ受像機11は、この例では、地上波放送やBS(Broadcasting Satellite)/CS(Communications Satellite)放送を受信し表示するものである。録画再生機器12は、例えばBD(Blu-ray Disc(登録商標))レコーダやハードディスクレコーダなどであり、地上波放送やBS/CS放送を録画し、あるいは録画したコンテンツなどを再生するものである。PC13は、例えば映像などのコンテンツ情報が記録されたコンピュータであり、PCモニタ14はPC13を操作するための表示装置である。
【0022】
リモコン20は、これらの電子機器を操作するためのものであり、表示部21(後述)およびタッチパネル22(後述)を有している。また、リモコン20は、赤外線通信などによる通信手段Aを有し、例えばテレビ受像機11を遠隔操作できるようになっている。
【0023】
アクセスポイント15は、無線LAN(Local Area Network)と有線LANとを相互接続するものである。アクセスポイント15は、有線LANによりテレビ受像機11、録画再生機器12、およびPC13と互いに接続されるとともに、無線LAN(通信手段B)によりリモコン20と互いに接続されるようになっている。
【0024】
テレビ受像機11、録画再生機器12、およびリモコン20は、この例ではDLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに対応したものであり、PC14も含めたこれらの電子機器間で、ネットワークを介してシームレスに情報のやりとりを行うことができるようになっている。
【0025】
この構成により、電子機器システム1では、ユーザが、リモコン20の表示部21に表示された操作ボタンなどをタッチにより操作することにより、これらの電子機器を操作することができる。具体的には、例えば、表示部21にテレビ受像機11を操作するための操作画面を表示した場合には、ユーザは、例えば表示部21に表示されたチャンネルボタンを押すことによりテレビ受像機11のチャンネル操作を行うことができる。また、例えば、表示部21に、PC13に記録された映像コンテンツの一覧を表示した場合には、ユーザは、その一覧から視聴したい映像コンテンツを選択し、テレビ受像機11にその選択した映像コンテンツを表示することができるようになっている。
【0026】
なお電子機器システム1は、この構成に限定されるものではなく、これらの全てを有していなくても良いし、また、例えば映像コンテンツなどを格納するためのNAS(Network Attached Storage)などのネットワーク機器などをさらに有していてもよい。
【0027】
(リモコン20)
図2は、リモコン20の一構成例を表すものである。リモコン20は、表示部21と、タッチパネル22と、赤外線通信部23と、無線通信部24と、制御部25と、フラッシュROM26とを備えている。
【0028】
表示部21は、ユーザがテレビ受像機11などの電子機器を操作する際の操作画面を表示するものであり、例えば液晶表示装置により構成されるものである。タッチパネル22は、表示部21に重ねて配置され、表示部21の表示に基づいてユーザが情報を入力する際の入力インターフェースとして機能するものである。赤外線通信部23は、通信手段Aにより、例えばテレビ受像機11と情報のやり取りを行うものである。無線通信部24は、通信手段Bにより、アクセスポイント15を介して、PC13などとの間で情報のやりとりを行うものである。制御部25は、これらのブロックを制御するものである。フラッシュROM26は、制御部25が制御を行う際に必要なプログラムを格納するものである。
【0029】
図3は、操作画面に配置される操作ボタン31の一例を表すものである。操作ボタン31には、タッチ検出領域32と、指示情報表示領域33とが設けられている。タッチ検出領域32は、タッチを検出可能なアクティブ領域である。指示情報表示領域33は、ユーザに指示するための指示情報Tを表示することによりその操作ボタンの機能をユーザに示すための領域である。指示情報Tは、例えば、後述するように、文字や、記号や、色などが適用可能である。
【0030】
この例では、タッチ検出領域32は、操作ボタン31の表示領域と一致するように設けられている。すなわち、ユーザが、操作ボタン31の表示領域にタッチした場合、その操作ボタン31と一致するように設定されているタッチ検出領域32においてタッチが検出され、リモコン20は、その操作ボタン31がタッチされたと認識するようになっている。タッチ検出領域32(操作ボタン31)の上下方向の大きさは、例えば2cmである。
【0031】
また、この例では、指示情報表示領域33は、タッチ検出領域32のうちの上に寄った位置に設けられている。これにより、後述するように、ユーザが指示情報表示領域33に表示された指示情報Tを見ながらユーザの指によりタッチを行っても、そのタッチ位置がタッチ検出領域32の範囲内に収まり易いようになっている。
【0032】
ここで、リモコン20は、本発明における「表示装置」の一具体例に対応する。
【0033】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のリモコン20の動作および作用について説明する。
【0034】
(全体動作概要)
まず、図1〜3を参照して、リモコン20の全体動作概要を説明する。リモコン20は、電子機器を操作するための操作画面を表示部21に表示し、ユーザからの操作指示を受け付ける。具体的には、表示部21は、タッチ検出領域32の上に寄った位置に指示情報表示領域33を設定した操作ボタン31を表示する。タッチパネル22は、ユーザによる情報入力を受け付ける。赤外線通信部23は、ユーザの操作に基づいて、リモコン信号Rを生成し、通信手段Aを用いてテレビ受像機11に対して送信する。無線通信部24は、ユーザの操作に基づいて、通信手段Bを用いて電子機器との間で情報のやり取りを行う。制御部25は、フラッシュROMに格納されたプログラムに基づいて動作し、これらのブロックを制御する。
【0035】
(タッチ検出領域32および指示情報表示領域33)
次に操作ボタン31に設けられたタッチ検出領域32および指示情報表示領域33の作用について説明する。
【0036】
図4は、ユーザが操作ボタン31をタッチする動作を表すものである。
【0037】
ユーザは、操作ボタンを操作する際、操作ボタンに表示された指示情報を見てその操作ボタンの機能を認識し、その操作ボタンにタッチする。その際、ユーザが実際にタッチする位置(例えば指と操作面との接触領域の中心位置)は、必ずしもユーザが意図した位置にならない。すなわち、実際にタッチする位置は、ユーザがその指示情報を見ようとすること、および指先の形状が曲面になっていることなどにより、操作ボタンの中心よりも上下方向で下になる傾向がある。よって、例えば、指示情報が操作ボタンの上下方向の中心付近に表示され、操作ボタンの上下方向の大きさが小さい場合(例えば2cm以下など)には、タッチする位置が操作ボタン(タッチ検出領域)の外側になってしまい、タッチが検出されないおそれがある。
【0038】
そこで、図4に示したように、リモコン20では、操作ボタン31(タッチ検出領域32)のうちの上に寄った位置に指示情報表示領域33を設けている。これにより、ユーザが、操作ボタン31の上側に表示された指示情報Tを見ながらタッチを行った場合でも、そのタッチ位置の、操作ボタンの中心からのずれ量を低減することができる。言い換えれば、リモコン20では、指示情報Tを操作ボタン31の上側の領域に表示することにより、タッチ位置が操作ボタン31の中心付近になるように、ユーザを誘導することができる。
【0039】
このようにリモコン20では、単にタッチ検出領域32と指示情報表示領域33との相対的な関係を設定することにより、タッチ位置がタッチ検出領域32に収まり易くすることができ、操作性の向上を実現している。すなわち、リモコン20は、特許文献1,2に示したように動的にタッチ検出領域32を変化させるのではなく、静的な設定により操作性の向上を実現するものである。これにより、リモコン20は、その動作がシンプルとなるため、その構成もシンプルなものにすることができる。
【0040】
(操作画面例)
次に、いくつかの操作画面例を示す。
【0041】
図5は、表示部21に表示される操作画面の例を表すものであり、(A)は指示情報Tが文字である場合を示し、(B)は指示情報Tが記号である場合を示し、(C)は指示情報Tが色である場合を示す。
【0042】
図5(A)の例では、文字を入力するためのソフトウェアキーボードが操作画面30Aとして表示されている。ここで、操作ボタン31の指示情報Tは文字(この例ではアルファベットおよび数字)である。指示情報表示領域33は、タッチ検出領域32(操作ボタン31)の上下方向において、上から約1/2の範囲に設けられている。
【0043】
図5(B)の例では、PC13に記録された音楽を再生するための操作画面30Bが表示されている。ここで、操作ボタン31の指示情報Tは記号(再生、一時停止、停止、巻き戻し、早送りなど)である。指示情報表示領域33は、図5(A)と同様に、タッチ検出領域32(操作ボタン31)の上下方向において、上から約1/2の範囲に設けられている。
【0044】
図5(C)の例では、録画再生機器12を操作するための操作画面30Cが表示されている。いわゆるカラーボタンにおいて、操作ボタン31の指示情報Tは色情報(黄色、青色、赤色、緑色)である。指示情報表示領域33は、タッチ検出領域32(操作ボタン31)の上下方向において、上から約2/3の範囲に設けられている。
【0045】
このように、リモコン20では、指示情報Tを表示する指示情報表示領域33を、タッチ検出領域32(操作ボタン31)のうちの上に寄った位置に設けるようにしたので、例えば、その指示情報Tを見ながらタッチを行った場合において、タッチ位置がタッチ検出領域32に収まり易くすることができる。
【0046】
[効果]
以上のように本実施の形態では、タッチ検出領域(操作ボタンの表示領域)の上に寄った位置に指示情報表示領域を設けたので、タッチ位置がタッチ検出領域の外側になるおそれを低減でき、操作性を向上することができる。
【0047】
本実施の形態では、タッチ検出領域(操作ボタンの表示領域)と指示情報表示領域との相対的な関係を静的に設定するようにしたので、シンプルな構成を実現することができる。
【0048】
上記実施の形態では、タッチ検出領域と操作ボタンの表示領域とを一致するようにしたが、これに限定されるものではなく、若干異なっていてもよい。例えば、操作ボタンが円形状であり、タッチ検出領域が、その円形状の操作ボタンに外接する矩形状の領域であっもよい。
【0049】
上記実施の形態では、指示情報Tは、図5などに示したように、指示情報表示領域33において、左右方向の中央付近に表示したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば指示情報Tを指示情報表示領域33のうちの左側に寄せて表示してもよいし、指示情報表示領域33のうちの右側に寄せて表示してもよい。
【0050】
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電子機器システム2について説明する。本実施の形態は、操作ボタンの配置および大きさが、上記第1の実施の形態と異なるものである。すなわち、上記第1の実施の形態(図3)では、操作ボタン31をタッチ検出領域32に一致するようにしたが、これに代えて、本実施の形態では、操作ボタン34を、タッチ検出領域32のうちの上に寄った位置に、指示情報表示領域33を含むように設けるものである。すなわち、本実施の形態では、このような表示を行うリモコン40を用いて電子機器システム2を構成している。その他の構成は、上記第1の実施の形態と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係る電子機器システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0051】
図6は、操作画面に配置される操作ボタン34の一例を表すものである。操作ボタン34の表示領域は、タッチ検出領域32のうちの上に寄った位置に、指示情報表示領域33を含むように設けられている。すなわち、タッチ検出領域32は、操作ボタン34の表示領域に加え、その領域の下側に拡張するように広く設けられている。ここで、タッチ検出領域32の上下方向の大きさは、例えば2cmである。
【0052】
この例では、ユーザが、操作ボタン34の表示領域にタッチした場合、そのタッチ位置が操作ボタン34の表示領域の下側になってしまっても、その操作ボタン34の下側に拡張するように広く設けられているタッチ検出領域32によりタッチが検出される。
【0053】
図7は、リモコン40の表示部21に表示される操作画面の一例を表すものである。図7は、録画再生機器12を操作するための操作画面40Aを示すものであり、図5(C)に対応するものである。指示情報表示領域33は、タッチ検出領域32の上下方向において、上から約1/2の範囲に設けられている。そして、操作ボタン31は、タッチ検出領域32の上下方向において、上から約2/3の範囲に設けられている。
【0054】
以上のように本実施の形態では、操作ボタンの表示領域をタッチ検出領域32と異なるようにしたので、操作ボタンの配置や大きさ、形状などのデザインの自由度を高めることができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0055】
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電子機器システム3について説明する。本実施の形態は、操作ボタンを表示しないものである。すなわち、本実施の形態では、このように操作ボタンを表示しないリモコン50を用いて電子機器システム3を構成している。その他の構成は、上記第1および第2の実施の形態と同様である。なお、上記第1および第2の実施の形態に係る電子機器システム1,2と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0056】
図8は、操作画面に配置されるタッチ検出領域32および指示情報表示領域33の一例を表すものである。この例では、操作ボタンは表示されず、指示情報表示領域33において指示情報Tのみが表示される。指示情報表示領域33は、タッチ検出領域32のうちの上に寄った位置に設けられている。すなわち、タッチ検出領域32は、指示情報表示領域33に加え、その領域の下側に拡張するように広く設けられている。ここで、タッチ検出領域32の上下方向の大きさは、例えば2cmである。
【0057】
この例では、ユーザが、指示情報表示領域33にタッチした場合、そのタッチ位置が指示情報表示領域33よりも下側になってしまっても、その指示情報表示領域33の下側に拡張するように広く設けられているタッチ検出領域32によりタッチが検出される。
【0058】
図9は、リモコン50の表示部21に表示される操作画面の一例を表すものである。この例では、PC13に記録された音楽の一覧から音楽を選択するための操作画面50Aが表示されている。ユーザは、スクロールバー36を操作してスクロールすることにより、音楽の一覧の最上部から最下部まで見ることができる。タッチ検出領域32は、一覧のうちの各項目に対応する領域に設定されている。この例では上記第1および第2の実施の形態とは異なり、操作ボタン31は表示されておらず、一覧のうちの各項目に対応する領域をタッチすることにより、その項目(音楽)が選択される。指示情報表示領域33は、この各タッチ検出領域32の上下方向において、上に寄った位置に設けられている。指示情報表示領域33には、音楽を識別するための主な情報が表示されている。すなわち、ユーザは、指示情報表示領域33に表示された情報に基づいて音楽を選択し、タッチを行う。なお、この例では、タッチ検出領域32において、指示情報表示領域33の下側にも文字が表示されている。この情報は、指示情報表示領域33に表示されている指示情報Tに付随するものであり、ユーザがその情報に基づいて直接音楽を選択するためのものではない。
【0059】
図10は、操作画面の他の一例を表すものである。図9において、一覧の項目数が増加するに従い、よく知られているように、スクロールバー36の長さは短くなっていく。この例では、スクロールバー36の長さがある所定の長さよりも短いとき、例えば図10に示したように、スクロールバー36の表示領域(指示情報表示領域33)に加え、その領域の下側に拡張するようにタッチ検出領域32を設定する。具体的には、例えば、スクロールバー36の長さが2cm以下になったときに、タッチ検出領域32の上端とスクロールバー36の上端とを合わせたまま、タッチ検出領域32の長さを2cmに維持するようにすることが可能である。これにより、ユーザは、スクロールバー36が短くなった場合でも、スクロールバー36を操作しやくなり、操作性を向上することができる。
【0060】
以上のように本実施の形態では、タッチ検出領域うちの上に寄った位置に指示情報表示領域を設けたので、操作性を向上することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0061】
上記実施の形態では、固定幅のスクロールバー36を使用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図11に示したように、スクロールバー36に対応する領域にタッチが行われたときに、そのスクロールバーの幅Wが広くなるようにしてもよいし、図10と図11とを組み合わせ、一覧の項目数が多くなりスクロールバー36が短くなった場合にその下側にタッチ検出領域を設定するとともに、スクロールバーに対応する領域にタッチが行われたときにはその幅が広くなるようにしてもよい。
【0062】
以上、いくつかの実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0063】
例えば、上記の各実施の形態では、リモコンを例に説明したが、これに限定されるものではなく、タッチパネルを備えた全ての表示装置に適用可能である。具体的には、例えば、デスクトップPCやテレビ受像機のような据置型の電子機器、携帯型音楽プレーヤー、携帯電話、デジタルカメラ、ノート型PCのようなモバイル機器などに適用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1,2,3…電子機器システム、11…テレビ受像機、12…録画再生機器、13…PC、14…PCモニタ、15…アクセスポイント、20,40,50…リモコン、21…表示部、22…タッチパネル、23…赤外線通信部、24…無線通信部、25…制御部、26…フラッシュROM、30A,30B,30C,40A,50A,50B,50C…操作画面、31,34…操作ボタン、32…タッチ検出領域、33…指示情報表示領域、
A,B…通信手段、T…指示情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに指示するための1または複数の指示情報を、その各指示情報に対応して設けられた指示情報表示領域にそれぞれ表示する表示部と、
前記指示情報表示領域のそれぞれに対応して設けられたタッチ検出領域においてタッチを行うことにより、その指示情報に基づいた情報入力を行うタッチパネルと、
前記タッチパネルにおける情報入力に基づいて所定の動作制御を行う制御部と
を備え、
前記指示情報表示領域のそれぞれは、対応する前記タッチ検出領域のうちの上に寄った位置に設けられている
表示装置。
【請求項2】
前記指示情報表示領域は、前記タッチ検出領域の上下方向において、上から2/3の範囲に設けられている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記指示情報表示領域は、前記タッチ検出領域の上下方向において、上から1/2の範囲に設けられている
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記指示情報は、文字、記号、または色である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記指示情報は、前記指示情報表示領域の大きさに対応した長さのスクロールバーである
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記スクロールバーは上下方向に長いものであり、
前記タッチ検出領域は、前記スクロールバーの上下方向の長さが所定の長さよりも短い時に、そのスクロールバーがそのタッチ検出領域のうちの上に寄った位置に配置されるように設定される
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記タッチ検出領域の上下方向の長さは2cm以下である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記タッチ検出領域と一致するように設けられた操作ボタンをさらに表示する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記指示情報表示領域を有する操作ボタンをさらに表示し、
前記操作ボタンは、対応する前記タッチ検出領域の上に寄った位置に設けられている
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示装置はリモコンである
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示装置はモバイル機器である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
ユーザに指示するための1または複数の指示情報をその各指示情報に対応して設けられた指示情報表示領域にそれぞれ表示する表示部における前記指示情報表示領域を、その指示情報に基づく情報入力を行うためのタッチ検出領域のうちの上に寄った位置に設定する表示領域設定ステップと、
前記指示情報表示領域のそれぞれにおいて、対応する指示情報を表示する表示ステップと
をコンピュータに実行させる為の表示用プログラム。
【請求項13】
ユーザに指示するための1または複数の指示情報をその各指示情報に対応して設けられた指示情報表示領域にそれぞれ表示する表示部における前記指示情報表示領域を、その指示情報に基づく情報入力を行うためのタッチ検出領域のうちの上に寄った位置に設定し、
前記指示情報表示領域のそれぞれにおいて、対応する指示情報を表示する
表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−103914(P2012−103914A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252031(P2010−252031)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】