表示装置の点灯制御方法及び表示ユニット
【課題】各フレームにおいて最初に駆動される発光素子が、他の発光素子に比較して暗くなる状態を解消する。
【解決手段】表示部10の行方向に配置された複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、共通ラインCを走査すると共に、選択された共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、表示部10の列方向に配置された複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、走査部が走査するタイミングに従って、所定の発光素子1を点灯可能な駆動部30とを備え、走査部20が共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯する工程と、同一サイクルにおいて、以降のフレームで他の一部又は他の全部の行を点灯する工程とを含む。
【解決手段】表示部10の行方向に配置された複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、共通ラインCを走査すると共に、選択された共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、表示部10の列方向に配置された複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、走査部が走査するタイミングに従って、所定の発光素子1を点灯可能な駆動部30とを備え、走査部20が共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯する工程と、同一サイクルにおいて、以降のフレームで他の一部又は他の全部の行を点灯する工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行列配置された複数の発光素子を備える表示ユニットや、これを用いた表示装置の点灯制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、発光素子として発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を用いた表示ユニットや、これを用いた表示装置が作製されている。例えば、複数の表示ユニットを組み合わせることにより大型の表示装置とすることができる。ここでm行×n列ドットマトリックスで構成された表示ユニットを考えると、例えば各行に位置する各LEDのアノード端子が1つの共通ラインに接続され、各列に位置する各LED素子のカソード端子が1つの駆動ラインに接続される。そして、m行の共通ラインが所定の周期で順次ONされ、ONした共通ライン上に配置されたLEDは各駆動ラインにより個別に駆動される。
【0003】
このような表示ユニットの表示方法の場合、各サイクルにおいて最初に駆動される発光素子が、他の発光素子に比較して暗くなる場合があるという問題があった。そのメカニズムを、図10〜図12に基づいて説明する。ここで図10(a)は、表示ユニットの模式平面図、図10(b)はこの表示ユニットにおいて一部の行が暗く点灯された状態を示す模式平面図、図11はこの表示ユニットにおける各発光素子1の従来の点灯タイミングを示すタイミングチャートである。ここでは、1画像を表示するための1サイクルを複数のフレームに分割し、各フレームを制御することにより全体として1画像を表示する場合について説明する。また図12(a)〜(h)は、図11の区間11〜23における表示ユニットの電流の流れをそれぞれ示した回路図である。ここで図12(a)はサイクルCL1における区間11、図12(b)は区間12、図12(c)は区間13、図12(d)は区間21、図12(e)は区間22、図12(f)は区間23、図12(g)は残留電荷が溜まった状態、図12(h)はサイクルCL2以降における区間11を、それぞれ示している。なお、これらの図12(a)〜(h)においては、発光素子1が所望の輝度で発光している状態を示すために、点灯中の発光素子1を黒色で示している。また、電流の流れを矢印で示している。さらに、各配線が持つ寄生容量を仮想的に等価コンデンサCS0〜CS2として、各駆動ラインS0〜S2(以下、S0〜S2をまとめて単に「S」ともいう。)上に図示している。
【0004】
図10(a)〜(b)に示す表示ユニットは、表示部を3行×3列の行列配置としており、各ドットに発光素子としてLEDを配置している。この表示ユニットの回路構成は図12(a)〜(h)のようになり、3行×3列で行列配置された計9つの発光素子1と、行方向における3つの発光素子1のアノード端子にそれぞれ接続された3つの共通ラインC0〜C2(以下、C0〜C2をまとめて単に「C」ともいう。)と、列方向における3つの発光素子1のカソード端子にそれぞれ接続された3つの駆動ラインS0〜S2と、共通ラインC0〜C2を走査する走査部20と、駆動ラインS0〜2を介して電流を引き込み発光素子1に電流を流す駆動部30とを備える。
【0005】
また図11には、表示ユニットの点灯タイミングを示している。この図に示すように、電源を投入後に表示ユニットに与えられる最初のサイクルCLをCL1、2番目をCL2、3番目をCL3として、それぞれ示している。またCL1〜CL3はそれぞれ複数のフレームFMに分割される。各フレームにおいて、共通ラインCの走査順は同じであり、CO、C1、C2の順としている。ここでは、各サイクルにおいてFM1のみですべての発光素子を最小輝度(最小階調)で点灯し、他のフレームにおいてはすべての発光素子を消灯する動作を想定している。つまり、各サイクルCL1〜CL3においてすべての発光素子を最小輝度で点灯する場合を想定する。なお図11では、作図の都合上、各サイクルの区間11、12及び13において、S0、S1及びS2に接続された発光素子1が最大輝度(最大階調)で点灯しているように見えるが、実際はFM1において最小輝度(最小階調)で点灯しているものとする。
【0006】
まず、サイクルCL1での動作について図12(a)を参照して説明する。フレームFM1で最初に走査される共通ラインC0がONする区間11では、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。この結果、C0に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯する。次に区間12では、図12(b)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。この結果、C1に接続された3つの発光素子1が所望の輝度で点灯する。同様に、区間13では図12(c)に示すように、C2に接続された3つの発光素子1が所定の輝度で点灯する。
【0007】
次に、フレームFM2における区間21では、図12(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるものの、駆動ラインがOFF状態であって駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)の寄生容量に対して充電される。同様に、区間22では、図12(e)に示すように共通ラインC1に電圧が印加されるものの、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)の寄生容量が充電される。区間23も同様に、図12(f)に示すように各配線(S0、S1及びS2)の寄生容量が充電される。このように、各フレームFMにおいて同様の走査が行われることにより、最終的には図12(g)に示すように各配線の寄生容量が完全に充電されて、それ以上充電されなくなる。
【0008】
次に、サイクルCL2での動作について説明する。サイクルCL2ではサイクルCL1と異なり、最初に発光する発光素子1が他に比べて暗くなる。つまり、図12(h)に示すようにフレームFM1における区間11では、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、C0に接続された3つの発光素子1が点灯する。
【0009】
しかしながら、サイクルCL1において各駆動ラインS0〜S2の寄生容量が充電されているため、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部に引き込まれる電流は、実際には発光素子1に流れる電流に加えて、寄生容量が加算された電流量となる。つまり、区間11では、他の区間12及び13に比較して、実際に発光素子1に流れる電流が、寄生容量が放電される電流分だけ相対的に少なくなるので、C0に接続された発光素子1の、サイクルCL2の区間における発光量は、C1及びC2に接続された発光素子1と比べて暗くなってしまう、暗ラインが発生する。
【0010】
なお図11では、サイクルCL2及びCL3の区間11で発光素子1が暗くなることを示すため、C0のオン期間をハッチングで示している。また図12(h)では、寄生容量に起因して発光素子が暗くなることを示すため、発光素子1をハッチングで示している。
【0011】
次に区間12では、図12(b)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、フレームFM1において寄生容量分の電流が駆動部30にて引き抜かれているので、C1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。同様に区間13でも、図12(c)に示すように、C2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度電点灯する。なお、区間21以降についてはサイクルCL1と同様なので説明を省略する。さらにサイクルCL3以降についても、区間11における発光素子1が暗くなってしまうことが生じる。そのメカニズムについてはCL2と同様なので繰り返さない。
【0012】
以上のような理由により、従来の駆動方法では、寄生容量に起因して暗い発光素子が生じてしまい、表示品質に影響を与えるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−147933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、各サイクルにおいて最初に駆動される発光素子が、他の発光素子に比較して暗くなることを回避し、表示品質を改善した表示装置の点灯制御方法及び表示ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、複数の発光素子1が行列状に配置された表示部10と、前記表示部10の行方向に配置された前記複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、前記共通ラインCを走査すると共に、選択された前記共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、前記表示部10の列方向に配置された前記複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子1を点灯可能な駆動部30と、を備え、前記走査部20が前記共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯する工程と、同一サイクルにおいて、以降のフレームで他の一部又は他の全部の行を点灯する工程と、を含むことができる。これにより、一サイクルにおいて点灯する行をフレーム間で異ならせることで、駆動ラインの寄生容量に起因して所定の行が暗くなる現象(暗ライン)を抑制することができる。
【0016】
また、第2の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けることができる。これにより、駆動ラインを導通する動作を時間的に離間させることで、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮でき、暗ラインの発生を抑制できる。
【0017】
さらに、第3の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、前記非点灯期間を、一定とすることができる。これにより、駆動ラインの寄生容量に電荷が蓄えられる時間を一定として、すべての行で発光素子の発光量を一致させることができ特定行の発光素子のみが暗くなる現象を回避できる。
【0018】
さらにまた、第4の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、連続するサイクルで表示される画像を同一とできる。これにより、静止画の表示において、特定の行が暗くなる暗ラインの発生を抑制できる。
【0019】
さらにまた、第5の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、複数の発光素子1が行列状に配置された表示部10と、前記表示部10の行方向に配置された前記複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、前記共通ラインCを走査すると共に、選択された前記共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、前記表示部10の列方向に配置された前記複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子1を点灯可能な駆動部30と、を備え、前記走査部20が前記共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、第1サイクルで、前記表示部10の各行を第一の点灯順にて点灯し、画像を表示する工程と、前記第1サイクルと連続する第2サイクルで、前記表示部10の各行を、前記第一の点灯順と最初に点灯する行が異なる第二の点灯順にて点灯し、前記第一サイクルと同一の画像を表示する工程と、を含むことができる。これにより、サイクル間で点灯する行の点灯順を異ならせることで、駆動ラインの寄生容量に起因して点灯量が少なくなる行を分散させて、特定の行が暗くなる暗ラインの発生を抑制できる。
【0020】
さらにまた、第6の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けることができる。これにより、共通ライン側の走査を変更することなく、駆動ラインを導通する動作を時間的に離間させることで、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮でき、暗ラインの発生を抑制できる。
【0021】
さらにまた、第7の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、各フレームにおいて前記走査部が前記共通ラインCを走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせることができる。これにより、駆動ライン側の導通タイミングを変更することなく、共通ラインの走査順をサイクル間で変更することにより、駆動ラインの寄生容量に起因して点灯量が少なくなる発光素子を分散させて、特定の発光素子のみが暗くなる現象を目立たないようにできる。
【0022】
さらにまた、第8の側面に係る表示ユニットによれば、複数の発光素子1が行列状に配置された表示部10と、前記表示部10の行方向に配置された前記複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、前記共通ラインCを走査すると共に、選択された前記共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、前記表示部10の列方向に配置された前記複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子1を点灯可能な駆動部30と、を備え、前記走査部20が前記共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示ユニットであって、さらに、一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯し、他フレームで他の一部又は他の全部の行を点灯するよう制御する点灯制御部2と、を備えることができる。これにより、一サイクルにおいて点灯する行をフレーム間で異ならせることで、駆動ラインの寄生容量に起因して所定の行が暗くなる現象(暗ライン)を抑制することができる。
【0023】
さらにまた、第9の側面に係る表示ユニットによれば、前記点灯制御部2が、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けることができる。これにより、駆動ラインを導通する動作を時間的に離間させることで、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮でき、ちらつきを抑制できる。
【0024】
さらにまた、第10の側面に係る表示ユニットによれば、前記点灯制御部2が、前記非点灯期間を、一定とすることができる。これにより、駆動ラインの寄生容量に電荷が蓄えられる時間を一定として、すべての行で発光素子の発光量を一致させることができ特定行の発光素子のみが暗くなる現象を回避できる。
【0025】
さらにまた、第11の側面に係る表示ユニットによれば、前記表示部10に表示される、連続するサイクルで表示される画像を同一とすることができる。これにより、静止画の表示において、特定の行が暗くなる暗ラインの発生を抑制できる。
【0026】
さらにまた、第12の側面に係る表示ユニットによれば、複数の発光素子1が行列状に配置された表示部10と、前記表示部10の行方向に配置された前記複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、前記共通ラインCを走査すると共に、選択された前記共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、前記表示部10の列方向に配置された前記複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子1を点灯可能な駆動部30と、を備え、前記走査部20が前記共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示ユニットであって、さらに、連続する第1サイクルと第2サイクルでそれぞれ同一の画像を表示する際に、前記第1サイクルにおける各行の点灯順と、前記第2サイクルにおける各行の点灯順とを、最初に点灯する行が異なるように制御する点灯制御部2を備えることができる。これにより、サイクル間で点灯する行の点灯順を異ならせることで、駆動ラインの寄生容量に起因して点灯量が少なくなる行を分散させて、特定の行が暗くなる暗ラインの発生を抑制できる。
【0027】
さらにまた、第13の側面に係る表示ユニットによれば、前記点灯制御部2が、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けることができる。これにより、共通ライン側の走査を変更することなく、駆動ラインを導通する動作を時間的に離間させることで、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮でき、暗ラインの発生を抑制できる。
【0028】
さらにまた、第14の側面に係る表示ユニットによれば、前記点灯制御部2が、各フレームにおいて前記走査部が前記共通ラインCを走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせることができる。これにより、駆動ライン側の導通タイミングを変更することなく、共通ラインの走査順をサイクル間で変更することにより、駆動ラインの寄生容量に起因して点灯量が少なくなる発光素子を分散させて、特定の行のみが暗くなる現象を目立たないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係る表示ユニットを示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係る点灯制御方法を示すタイミングチャートである。
【図3】図3(a)〜(j)は、図2に示す区間11〜23において流れる表示ユニットの電流を示す回路図である。
【図4】実施形態2に係る点灯制御方法を示すタイミングチャートである。
【図5】実施形態3に係る点灯制御方法を示すタイミングチャートである。
【図6】実施形態4に係る点灯制御方法を示すタイミングチャートである。
【図7】実施形態5に係る表示装置を説明するためのブロック図である。
【図8】実施形態6に係る表示装置に用いられる表示ユニットを説明するためのブロック図である。
【図9】実施例1に係る表示ユニットのタイミングチャートである。
【図10】図10(a)は、表示ユニットの模式平面図、図10(b)は図10(a)の表示ユニットにおいて一部の行が暗く点灯された状態を示す模式平面図である。
【図11】図10の表示ユニットを点灯させる従来のタイミングチャートである。
【図12】図12(a)〜(h)は、図11に示す区間11〜23において流れる表示ユニットの電流を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、本発明を以下のものに特定しない。また、本明細書においては、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0031】
なお本明細書において「寄生容量」とは、主に駆動ラインSにおける寄生容量を意味している。ただ、これに限らず他の要因、例えば駆動ラインに接続された電子部品の容量など、容量性の成分も含める意図で使用する。
(実施形態1)
【0032】
実施形態1に係る表示ユニット100のブロック図を図1に、これを点灯するタイミングを示すタイミングチャートを図2に、それぞれ示す。また図2の各区間における、表示ユニットに流れる電流を、図3(a)〜(j)の回路図において矢印で示す。
(表示部)
【0033】
表示ユニット100は、図1に示すように表示部10と、点灯制御部2を備える。表示部10は、行列配置された複数の発光素子1と、行方向における複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインC0〜C2と、列方向における複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインS0〜S2とを備える。
(点灯制御部2)
【0034】
また点灯制御部2は、1画像を表示するための1サイクルを複数のフレームに分割するフレーム分割部40と、共通ラインCに接続され各フレームにおいて共通ラインCを走査すると共に、共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、駆動ラインSに接続され外部から入力される制御データに基づいて1つのサイクルのうちの一部のフレームで発光素子1を駆動可能な駆動部30と、走査部20に接続され1サイクルを構成する各フレームの共通ラインの走査順と他サイクルを構成する各フレームの共通ラインの走査順とが異なるように制御する走査順制御部50とを備える。
【0035】
この点灯制御部2は、図2のような点灯タイミングでもって表示部10を制御する点灯制御方法を採用することで、図10(b)に示すように従来発生していた表示部10が部分的に暗く点灯する暗ラインが発生する現象を回避し、図10(a)のような均一で高品質な点灯を可能とする。以下、その理由について説明する。
【0036】
従来の点灯制御方法では、図11に示すとおり、各サイクルにおける共通ラインCの走査順を昇順としており、各サイクルにおいて最初に点灯する発光素子1は、寄生容量に起因して他の発光素子1に比べてライン状に暗くなってしまう現象が生じる。図11では、暗ラインとなる共通ラインCがONとなるタイミングをハッチングで示している。暗ラインは、動画や高輝度表示では目立たないが、低輝度で静止画を表示した場合に特に目立ってしまい、表示品質を大きく損なってしまう。そこで本実施形態では、サイクル間で走査順を異ならせることによって、つまりサイクル間で暗ラインの発生位置を動かすことによって、特定行に暗ラインが目立つことを抑制している。
【0037】
具体的には、実施形態1の表示ユニット100では、図2に示すように、暗ラインがサイクル4ではフレーム1のC0、サイクル5ではフレーム1のC1、サイクル6ではフレーム1のC2に現れるように、走査順制御部50で制御している。このような点灯制御方法を採用することで、3サイクルで暗ラインがそれぞれの共通ラインCに1回ずつ生じることになるので、従来の図10(b)のように暗ラインが最初の行に集中せず、サイクル毎に異ならせることで輝度の相違が分散される結果、人間の見た目においては特定ラインに暗ラインが集中することを回避し、全体としてより均一な表示とすることができる。ここでは、3サイクルで走査順を一巡させているので、図2では一例としてサイクルCL4〜CL6について説明している。
【0038】
表示ユニット100は、上述の通り3行×3列で行列配置された計9つの発光素子1と、行方向における3つの発光素子1のアノード端子にそれぞれ接続された3つの共通ラインC0〜C2と、列方向における3つの発光素子1のカソード端子にそれぞれ接続された3つの駆動ラインS0〜S2とを備える。この表示部を点灯させるために、図2に示す点灯制御方法では、サイクルCL4〜CL6をそれぞれ複数のフレーム(FM1、FM2、...)に分割する。ここでは、理解を容易にするため、各サイクルにおいてFM1のみで全発光素子を最小輝度(最小階調)で点灯し、他のフレームにおいては全発光素子を消灯する場合を想定する。つまり、各サイクルにおいてすべての発光素子を最小輝度で点灯させていることになる。なお図2においては、作図の都合上、各サイクルのフレームFM1における区間11、12及び13において、駆動ラインS0、S1及びS2に接続された発光素子1が最大輝度(最大階調)で点灯しているように見えるが、実際は最小輝度(最小階調)で点灯しているものとする。
【0039】
まず、サイクルCL4について説明する。サイクルCL4では、各フレームの共通ラインCの走査順を、共通ラインC0、C1、C2としている。すなわち、共通ラインの接続順であり、このサイクルにおいては図11に示した従来の点灯制御方法と同様となる。具体的に、図2に示すフレームFM1における区間11では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、図11の例で説明したように、サイクルCL4で最初に選択される共通ラインC0に接続された発光素子1は、先のサイクルCL3(図示せず)で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光してしまう。この様子を示すため、図3(h)においては発光素子1が所望の輝度よりも低輝度で発光する状態を、発光素子1のハッチングで表示している(他の図においても同様とする)。さらに、図3(a)〜(j)では電流の流れを矢印で示している。加えて、図3(a)〜(j)では各配線が持つ寄生容量を仮想的に等価コンデンサCS0〜CS2として、各駆動ラインS上に図示している。
【0040】
次に、区間12では、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、先のフレームFM1で寄生容量は既に引き抜かれているので、図3(b)に示すように共通ラインC1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。同様に、区間13でも、図3(c)に示すように、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。次に、フレームFM2における区間21では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間22でも、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。同様に、区間23でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、各配線に寄生容量が充電される。このようにして、各配線はいずれは寄生容量が完全に充電され、図3(g)に示すように、それ以上充電されなくなる。
【0041】
次に、サイクルCL5について説明する。サイクルCL5では、上述したサイクルCL4と異なり、各フレームの共通ラインCの走査順を、C1、C2、C0の順としている。まず、フレームFM1における区間11では、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、サイクルCL5で最初に選択される共通ラインC1に接続された発光素子1は、図3(i)に示すように、サイクルCL4で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光してしまう。次に、区間12では、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、区間11で寄生容量は既に引き抜かれているので、図3(c)に示すように共通ラインC2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。同様に、区間13でも、図3(a)に示すようにC0に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。そして、区間21以降において各配線の寄生容量が充電される。
【0042】
次に、サイクルCL6について説明する。サイクルCL6では、各フレームの共通ラインCの走査順を、C2、C0、C1としている。まず、フレームFM1における区間11では、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、C2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、最初に選択される共通ラインC2に接続された発光素子1は、図3(j)に示すように、寄生容量に起因して所望よりも低輝度で発光してしまう。次に、区間12では、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、区間11で寄生容量は既に引き抜かれているので、図3(a)に示すように、共通ラインC0に接続された3つの発光素子1を所望の輝度で点灯させることができる。同様に、区間13でも、図3(b)に示すようにC1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。そして、区間21以降において各配線の寄生容量が充電される。サイクルCL7以降については、サイクルCL4〜CL6と同様であるので説明を省略する。
【0043】
以上のように、各フレームにおいて走査部が共通ラインCを走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせることで、駆動ライン側の導通タイミングを変更することなく、共通ラインの走査順をサイクル間で変更することにより、暗ラインの発生する行を分散させて、これを目立たないようにできる。この結果、たとえ低輝度で静止画を表示した場合であっても、暗ラインによる発光むらのない高品質な表示ユニットを実現できる。特に連続するサイクルで表示される画像を同一とする静止画の表示において、特定の行のみが暗くなると非常に目立つ。そこで、暗ラインが目立ちやすい静止画の表示であっても、上記の制御方法によって暗ラインを特定行に固定させず、これを目立たなくすることができる。
(実施形態2)
【0044】
以上の例では、走査部20が共通ラインCを一通り走査するサイクル単位で、最初に点灯する行を異ならせることにより、暗ラインが出現する行をサイクル単位で変化させる方法を説明した。この方法は、第1サイクルで、表示部10の各行を点灯する第一の点灯順と、第1サイクルに続く第2サイクルで、第一の点灯順と最初に点灯する行を異ならせた第二の点灯順にて表示部10の各行を点灯している。ただ、本発明はこの方法に限らず、一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯させつつ、同一サイクルの同一フレーム又は以降のフレームで他の一部又は全部の行を点灯するように構成してもよい。このようにすることでも、最初に点灯させる行をサイクル毎に異ならせることができ、同様の暗ラインを抑制することができる。
【0045】
この一例として、共通ラインの走査順を一定に維持したまま、駆動ライン側のタイミングを制御する例を、実施形態2として、図4のタイミングチャートに基づいて説明する。ここでは、走査部による共通ラインC0〜C2の制御方法は、図11などに示す方法と同一であり、駆動部による駆動ラインの導通タイミングをずらし、フレーム間を跨ぐような制御を付加している。図4に示す点灯制御方法では、サイクルCL7〜CL9をそれぞれ複数のフレームFM1〜FM3に分割し、さらに各フレームを、走査部及び駆動部によるON/OFF動作の最小タイミングとして、3つの区間に分割している。
【0046】
サイクルCL7の動作については、図2と同様である。すなわち、各フレームの共通ラインCの走査順を、共通ラインC0、C1、C2の接続順としている。この結果、フレームFM1における区間11では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、先のサイクルCL6(図示せず)で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光する。すなわち、サイクルCL7における暗ラインは共通ラインC0において発生する。次に区間12では、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれ、図3(b)に示すように共通ラインC1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯される。同様に区間13でも、図3(c)に示すように、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯される。次に、フレームFM2における区間21では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間22でも、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。同様に、区間23でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、各配線に寄生容量が充電される。このようにして、各配線はいずれは寄生容量が完全に充電され、図3(g)に示すように、それ以上充電されなくなる。
【0047】
次に、サイクルCL8について説明する。このサイクルCL8でも、サイクルCL7と同様、各フレームの共通ラインCの走査順は接続順のままで一定となる。ただし、駆動ラインの導通タイミングは、サイクルCL7では同一フレーム内のみで完結していたのに対し、連続する2つのフレームに跨がるように配置されている。
【0048】
まず、フレームFM1における区間11では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。
【0049】
次に区間12では、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、サイクルCL8で最初に点灯される共通ラインC1に接続された発光素子1は、サイクルCL7やCL8の区間11で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光されることになる。すなわち、サイクルCL8における暗ラインは共通ラインC1において発生する。
【0050】
さらに区間13では、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、区間12で寄生容量は既に引き抜かれているので、図3(c)に示すように共通ラインC2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯される。
【0051】
同様に、フレームFM2の区間21でも、図3(a)に示すようにC0に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。その後、区間22以降において各配線の寄生容量が充電される。
【0052】
さらにサイクルCL9について説明する。このサイクルCL9でも、サイクルCL7、CL8と同様、各フレームの共通ラインCの走査順は接続順のままで一定となる。そして駆動ラインの導通タイミングは、サイクルCL8と同様、連続する2つのフレームに跨がるように配置されている。ただしサイクルCL8ではフレームFM1に2区間、フレームFM2に1区間であったものが、サイクルCL9ではフレームFM1に1区間、フレームFM2に2区間となっている。
【0053】
まず、フレームFM1における区間11では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。続く区間12でも、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。
【0054】
次に区間13では、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯しようとする。このとき、サイクルCL9で最初に点灯される共通ラインC2に接続された発光素子1は、それ以前の区間で寄生容量成分が充電されているため、この寄生容量成分が放電される分だけ、本来の電流よりも低輝度で発光されることになる。すなわち、サイクルCL9における暗ラインは共通ラインC2において発生する。
【0055】
続いて、フレームFM2の区間21では、図3(a)に示すようにC0に接続された3つの発光素子1を所望の輝度で点灯させることができる。続く区間22においても、図3(b)に示すようにC1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯される。そして区間23においては、図3(f)に示すように駆動ラインの導通が停止され、各配線の寄生容量が充電される。以降に続くフレームFM3でも、同様に駆動ラインの導通が停止され、各配線の寄生容量が充電される。
【0056】
以上のように、図4の点灯制御方法では、駆動ラインを導通させる導通タイミング期間が、サイクルCL7ではフレームFM1、サイクルCL8ではフレームFM1(区間12と13)とフレームFM2(区間21のみ)、サイクルCL9ではフレームFM1(区間13のみ)とフレームFM2(区間21と22)となっている。このように隣接するフレーム同士の間を跨がせるように導通タイミング期間を配置することで、暗ラインを共通ラインC0、C1、C2の順に、サイクル毎に変化させることができるため、電流量の平均値は同じとなって輝度を均一化でき、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0057】
なお図4の例では、非点灯期間を7区間として、一定としている。7区間は、2フレーム分(6区間)よりも1区間多い。このように非点灯期間を、フレームの倍数としないようにずらすことで、非点灯期間を一定としつつも駆動ラインの導通タイミング期間がフレームを跨ぐように設定できる。なお、非点灯期間を一定とせず、可変とすることでも、導通タイミング期間がフレームを跨ぐように設定できることはいうまでもない。
(実施形態3)
【0058】
上述した実施形態2では、駆動ラインを導通させる導通タイミングをフレームにしたがって連続させ、駆動ラインが導通するフレームが連続するように駆動部を制御している。ただ、駆動ラインの制御はこのように駆動ラインが導通するフレームを連続させる必要は必ずしも無く、これを離間させてもよい。このような制御方法の一例を、実施形態3として図5に示す。この図に示す点灯制御方法では、ある行の点灯と次の行の点灯との間に、共通ラインの走査を行う一方で、その後には駆動ラインの導通を行わない非点灯期間を設けている。すなわち、上述した実施形態1や2のように駆動ラインの導通を連続させた導通タイミング期間を設けず、導通ラインの導通タイミングを一区間限りとして、離散的に配置し、各導通タイミングの間に点灯を休止させる非点灯区間を設けている。これにより、走査部による共通ライン側の走査制御を変更することなく、駆動ラインを導通させる動作を時間的に離間させることで、暗ラインを抑制できる。特に、この方法では、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮できるため、寄生容量への充電時間が短くなり、その分、輝度の低下を抑制できる利点が得られる。
【0059】
以下、図5に基づいて、実施形態3の点灯制御方法を説明する。ここでも、走査部による共通ラインC0〜C2の制御方法は、図11などに示す方法と同じく、共通ラインC0、C1、C2の接続順とし、一方の駆動部による駆動ラインのタイミングを制御することで暗ラインを抑制している。図5に示す点灯制御方法では、サイクルCL10〜CL12をそれぞれ複数のフレームFM1〜FM3に分割し、さらに各フレームを、走査部及び駆動部によるON/OFF動作の最小タイミングとして、3つの区間に分割している。
【0060】
まずサイクルCL10の制御においては、駆動ラインの導通タイミングを、フレームFM1では区間11、フレームFM2では区間22、フレームFM3では区間33としている。すなわち、導通ラインの導通タイミングを、各フレームに分散させ、フレーム毎に1区間設定している。具体的には、フレームFM1の区間11では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、先のサイクルCL9(図示せず)で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光する。すなわち、サイクルCL10における1度目の暗ラインは、まず区間11で共通ラインC0において発生する。次に区間12では、図3(e)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間13でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。
【0061】
次にフレームFM2の区間21でも、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、各配線に寄生容量が充電される。続く区間22においては、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC1に接続された発光素子1は、区間12、13、21で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光されることになる。すなわち、サイクルCL10における2度目の暗ラインが、共通ラインC1において発生する。さらに区間23において、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。
【0062】
同様に、フレームFM3の区間31でも、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間32でも、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。次に区間33においては、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC2に接続された発光素子1は、それ以前の区間で寄生容量成分が充電されているため、この寄生容量成分が放電される分だけ、本来の電流よりも低輝度で発光されることになる。すなわち、サイクルCL10における3度目の暗ラインは共通ラインC2において発生する。
【0063】
このように、サイクルCL10においては、各フレーム毎に暗ラインが発生している。また、点灯されるライン自体がすべて暗ラインとなっている。ただ、非点灯期間が3区間分と実施形態1や2に比べて短い分だけ、寄生容量成分への充電時間が短くなり、蓄えられる電荷量も小さくなる結果、暗ライン発生時に奪われる電流量も小さくなる。いいかえると、サイクルCL10における暗ラインは、実施形態1、2に比べて、輝度の低下が少ないということができる。
【0064】
次に、サイクルCL11について説明する。まず、フレームFM1における区間11では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。次に区間12では、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC1に接続された発光素子1は、寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光されることになる。続く区間13では、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。
【0065】
次にフレームFM2における区間21では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光する。次に区間22では、図3(e)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。続く区間23では、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC2に接続された発光素子1は、寄生容量成分が放電される分だけ低輝度で発光されることになる。
【0066】
続くフレームFM3においては、駆動ラインが通電されず、区間31において図3(d)、区間32において図3(e)、区間33において図3(f)に示すように、各配線に寄生容量成分が充電される。このように、サイクルCL11における3度の点灯はすべて暗ラインとなり、またフレームFM1で1区間、フレームFM2で2区間、発生している。またここでは非点灯期間が最小の1区間となっているため、電流量の減少も最小限に抑えられ、実施形態1、2に比べて輝度の低下も殆ど生じない。
【0067】
最後にサイクルCL12について説明する。このサイクルCL12でも、サイクルCL10、CL11と同様、各フレームの共通ラインCの走査順は接続順のままで一定となる。まず、フレームFM1における区間11では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間12においても同様に、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。続く区間13においては、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC2に接続された発光素子1は、寄生容量成分が放電される分だけ低輝度で発光されることになる。
【0068】
さらにフレームFM2における区間21では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。続く区間22では、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC1に接続された発光素子1は、寄生容量成分が放電される分だけ低輝度で発光されることになる。また区間23では、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。
【0069】
最後にフレームFM3における区間31では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光する。また区間32では、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。同様に、区間33でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。
【0070】
このように実施の形態3によれば、導通タイミング期間を短くする分、導通タイミング期間を多く設けることが可能となり、その分、非点灯期間すなわち寄生容量成分への充電時間を短くでき、この結果、寄生容量成分に溜まる電荷も少なくなって、発光素子の通電量の低下を抑制できるという利点が得られる。ただし、この方法では各サイクルにおける非点灯期間が異なるため、各暗ラインの輝度が一致しない。また、図5の例では、サイクルCL10〜CL12で点灯パターンを変化させているが、これに限らず、例えばサイクルCL10のみを繰り返すこともできる。
(実施形態4)
【0071】
以上の例では、共通ラインの走査順及び駆動ラインの導通タイミングのいずれか一方を変更することで、暗ラインの位置を異なるフレームで異なる位置となるように分散させ、表示部において特定の暗ラインが強調されないような点灯を実現している。ただ、本発明はこの方法に限られず、共通ラインの走査と駆動ラインの導通タイミングの両方を変化させる方法としてもよい。このような制御方法の一例を、実施形態4として図6に示す。この図に示す点灯制御方法は、各サイクルを通じて非点灯期間を一致させているため、各暗ラインの輝度を一致させることができる。すなわち、すべての発光ラインの輝度を一定に揃えることができるため、発光輝度の低い暗ラインの発生を阻止することができる。以下、具体的な点灯制御方法を、図6に基づいて説明する。ここでは、各サイクルの各フレームにおいて、最初の区間で点灯させることにより、非点灯期間を2区間としている。また、最初の区間のみ駆動ラインを導通させて、他の区間を非点灯とするよう、駆動部により駆動タイミングを制御している。一方で共通ラインは、各サイクルにおいて、フレーム毎に走査順を変更し、各フレームの最初の区間が、同一サイクル内の他のフレームと異なるように、走査部を制御している。これによって、各フレームの最初の区間のみを点灯させつつ、該点灯される共通ラインを同一サイクル内で異ならせることが可能となる。
【0072】
まずサイクルCL13の制御においては、フレームFM1の区間11では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、先のサイクルCL12(図示せず)で充電された寄生容量に応じて低輝度で発光される。次に区間12では、図3(e)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間13でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。
【0073】
次にフレームFM2の区間21では、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC1に接続された発光素子1は、寄生容量に応じて低輝度で発光される。次に区間22では、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。また区間23では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。
【0074】
またフレームFM3の区間31では、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC2に接続された発光素子1は、寄生容量に応じて低輝度で発光される。次に区間32では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。また区間33では、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。また、続くサイクルCL14及びサイクルCL15においても、同様の手順を繰り返すことで、サイクル間においても非点灯期間を一致させることができる。
【0075】
このようにして、各フレームの最初の区間で点灯させ、非点灯区間を一定として、発光輝度を一致させることができる。すなわち非点灯期間を一定の2区間とすることで、駆動ラインS0〜S2の寄生容量に電荷が蓄えられる充電時間が一定となるので、すべての行で発光素子の発光量を一致させることができ、暗ラインを無くすことが可能となる。また共通ラインの走査順及び駆動ラインの導通タイミングを、各サイクルで同じとして繰り返すことにより、走査部、駆動部によるこれらの制御を容易にできる。
【0076】
なお以上の例では、一サイクルを3フレームとし、一フレームを3区間としているが、これらは一例であって、任意の数のフレーム、区間に分割できることはいうまでもない。
(表示部10)
【0077】
以上の実施形態1〜4の点灯制御方法で点灯される表示装置100を構成する主な構成要素について説明する。まず表示部10は、行方向に複数の共通ラインCを互いに平行に配置し、これと交差する列方向に複数の駆動ラインSを互いに平行に配置している。また複数の発光素子1を、各共通ラインCと駆動ラインSとの間に各々接続することで、発光素子1を行列配置している。図1においては、共通ラインCが行、駆動ラインSが列に、それぞれ対応しており、複数の発光素子1がm行×n列のマトリックス状に配列される。また各列の発光素子1のカソード端子がそれぞれ駆動ラインSに接続され、各行の発光素子1のアノード端子がそれぞれ共通ラインCに接続されている。
【0078】
ここでは、表示部10として発光素子1を3行×3列のマトリックス状に配置しているが、行及び列の数は任意に設定できることは言うまでもない。また、本明細書では説明の便宜上、図1の横方向を「行」とし、図1の縦方向を「列」としているが、「行」は必ずしも水平方向を指すのではなく、「列」は必ずしも鉛直方向を指すのではない。つまり、「行」及び「列」は相対的な関係にあればよく、例えば図1の行と列(縦横)を入れ替えても、つまり図1において表示ユニット100を左右のどちらかの方向に90°回転させても、本発明の範囲内とする。
(発光素子1)
【0079】
発光素子1には、半導体発光素子であれば限定されないが、典型的には発光ダイオード(LED)を用いることができる。この例では、発光素子1としてLEDを用いる例を説明している。
(走査部20)
【0080】
走査部20は、共通ラインCに接続されており、任意の共通ラインCを走査し、選択した共通ラインCに順次電圧(例えば5V)を印加する。走査部20は共通ラインCごとにスイッチ(図示せず)を備え、走査順制御部50からの指示に基づいて各共通ラインCのON/OFFを制御する。
(駆動部30)
【0081】
駆動部30は、駆動ラインSにそれぞれ接続された駆動素子(図示せず)を備え、PWMコントローラ90からの指示に基づいて発光素子1を駆動する。また、RAM70から読み出した表示データに基づくフレーム階調制御と各フレームでのPWMコントローラ90によるPWM階調制御を組み合わせることで、1サイクルとしての画像を表示する。
(フレーム分割部40)
【0082】
フレーム分割部40は、後述するタイミングコントローラ80が生成する1画像を表示するための1サイクルCLを複数のフレームFMに分割するように制御する。
【0083】
本実施形態では、表示ユニット100がフレーム分割部40を含む構成としたが、フレーム分割部40を備えない表示ユニットとすることもできる。係る場合であっても、走査部20により所定の共通ラインCが選択されている時間内で駆動部30が電流を引き込まない時間があれば、駆動ラインSに寄生容量が充電され暗ラインが発生し得るからである。
(走査順制御部50)
【0084】
走査順制御部50は、サイクル間で共通ラインCの走査順を異ならせるように設定されている。走査順制御部50は、共通ラインCの走査順の制御を内部で自律式に行うこともできるし、外部から制御可能なように構成することもできる。走査部20は走査順制御部50からの指示に基づいて共通ラインCを順に走査する。
【0085】
図1では、共通ラインCが3本(C0、C1及びC2)であり、各サイクルにおいて最初に走査される共通ラインCがC0からC2に向かって連続して選択される場合について説明した。一方、共通ラインCが5本以上ある場合は、各サイクルにおいて最初に走査される共通ラインCを断続的に制御することもできる。つまり、走査順制御部は、所定のサイクルにおいて最初に走査する共通ラインが、次のサイクルにおいて最初に走査する共通ラインと連続しないように制御することができる。例えば、表示ユニットが共通ラインCとしてC0〜C4を順に備える場合、1サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC0、次サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC2、次サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC4、次サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC1、次サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC3、とし、これを1サイクルとして複数回繰り返すことができる。各サイクルにおける最初の共通ラインを非連続とすることにより、暗ラインが走査方向に移動するようにみえる現象を軽減することができる。
(シフトレジスタ60)
【0086】
シフトレジスタ60は外部から1画像を構成する表示データDATA_INをシフトクロックCLK_INにより入力する。このシフトレジスタ60は表示部10を構成する発光素子1すべてに対してフレーム階調とPWM階調に相当する表示データを保持できる。
(RAM70)
【0087】
RAM70はシフトレジスタ60の内容をLATCH_INにより保存する。ここでは記載していないが表示部10の表示制御をするためにフレーム分割部40およびPWMコントローラ90から読み出すとともに、外部からの表示データ入力つまりシフトレジスタ60の内容を書き込むために2つ以上の独立したRAM構成となっている。
(タイミングコントローラ80)
【0088】
タイミングコントローラ80は、VSYNC_INによりサイクルを生成し、各制御部のタイミングを制御する。
(PWMコントローラ90)
【0089】
PWMコントローラ90は、フレーム分割部40が生成したフレームにおいて、RAM70から読み出した表示データに基づきPWM階調制御する。
<実施形態5>
【0090】
以上の例では、表示ユニットを単体で使用する例を説明したが、本発明はこれに限らず、複数の表示ユニットを接続することで、表示部を拡大した表示装置として利用することもできる。このような例を実施形態5として、図7に示す。この図に示す例では、複数の表示ユニット100を接続し、その一端に表示ユニット100に表示データ等を含む制御データを出力する外部制御部500を接続して表示システムを構築としている。これにより、暗ラインの抑制された表示システムとすることができる。
<実施形態6>
【0091】
実施形態5の表示装置では、サイクルにおける走査順を表示ユニットに設けられた走査順制御部50で制御している。ただ、表示ユニットが走査順制御部50を備えない場合であっても、外部制御部からの制御データにより、サイクル間の走査順を異ならせることもできる。つまり、外部制御部からの制御データが、1サイクルにおける共通ラインの走査順と他サイクルにおける共通ラインの走査順とを異ならせるように制御する走査順制御データを含むことにより、実施形態5と同様の作用効果を奏する表示装置とすることができる。このような例を実施形態6として、図8のブロック図に示す。
【0092】
本実施形態に係る表示装置は、外部制御部にてフレームを生成し、フレーム毎に階調制御し各フレームを組み合わせることにより1サイクルで一画像を表示する。ここで、各フレームでの階調制御は、外部制御部からの制御信号であるPWMCLK_INとPWMカウンターのリセットであるBLANK_INによりPWMコントローラ90を制御することにより行われる。
【0093】
また、各フレームにおける走査部20の制御を走査順制御部50ではなく外部制御部からの走査順制御データADR_IN[1:0]にて行う。ここではC0〜C2の選択なので2bitあれば足りる。この選択の順番を図2に示すように各サイクルで入れ替えることにより実施形態1と同様の効果が得られる。
<実施例1>
【0094】
実施例1として、32行×32列のLEDを配置した表示ユニットについて説明する。表示部は、C0〜C7の8の共通ラインを計4組、S0〜S7の8の駆動ラインを計4組、それぞれの交点に配置された1024のLED(より正確には各LEDはRed、Green、Blueの3つの発光素子を含む。)、を備える構成とした(図示せず)。走査部20、駆動部30等、基本的な構成は実施形態1(図1)と同様なのでここでは説明しない。
【0095】
本実施例に係る表示ユニットは1/8Dutyダイナミック駆動で、図9のタイミングチャートに示すように、16.384msの1サイクルを16のフレームで構成し、1サイクルごとに共通ラインCの走査順を変更した。具体的には、サイクルCL1では各フレームにおいてC0、C1、...、C6、C7の順に走査し、CL2では各フレームにおいてC1、C2、...、C7、C0の順に走査し、CL3では各FMにおいてC2、C3、...、C0、C1の順に走査し、この操作を順に繰り返すことで合計8サイクルで共通ラインCの走査順が一巡するように制御した。
【0096】
このように構成した表示ユニットにおいて、暗ラインが目立ちやすいようにあえて各サイクルのFM1において最初の走査によりすべてのLEDを最小時間となる50nsで点灯させた。その結果、最小輝度での点灯にもかかわらず比較例1に比べて暗ラインが視認し難くなり、表示品質の高い表示ユニットとすることができた。
<比較例1>
【0097】
すべてのサイクルにおいて各フレームの走査順を、C0、C1、...、C6、C7とする以外は実施例1と同様の表示ユニットを作製した。各サイクルのFM1の最初の走査によりすべてのLEDを最小時間となる50nsで点灯させたところ、C0に配置されたLEDに暗ラインが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明に係る表示装置の点灯制御方法及び表示ユニットは、例えば、大型テレビ、交通情報に利用できる。
【符号の説明】
【0099】
100…表示ユニット;500…外部制御部
1…発光素子;2…点灯制御部
10…表示部
20…走査部
30…駆動部
40…フレーム分割部
50…走査順制御部
60…シフトレジスタ
70…RAM
80…タイミングコントローラ
90…PWMコントローラ
C…共通ライン;S…駆動ライン;CL…サイクル;FM…フレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、行列配置された複数の発光素子を備える表示ユニットや、これを用いた表示装置の点灯制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、発光素子として発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を用いた表示ユニットや、これを用いた表示装置が作製されている。例えば、複数の表示ユニットを組み合わせることにより大型の表示装置とすることができる。ここでm行×n列ドットマトリックスで構成された表示ユニットを考えると、例えば各行に位置する各LEDのアノード端子が1つの共通ラインに接続され、各列に位置する各LED素子のカソード端子が1つの駆動ラインに接続される。そして、m行の共通ラインが所定の周期で順次ONされ、ONした共通ライン上に配置されたLEDは各駆動ラインにより個別に駆動される。
【0003】
このような表示ユニットの表示方法の場合、各サイクルにおいて最初に駆動される発光素子が、他の発光素子に比較して暗くなる場合があるという問題があった。そのメカニズムを、図10〜図12に基づいて説明する。ここで図10(a)は、表示ユニットの模式平面図、図10(b)はこの表示ユニットにおいて一部の行が暗く点灯された状態を示す模式平面図、図11はこの表示ユニットにおける各発光素子1の従来の点灯タイミングを示すタイミングチャートである。ここでは、1画像を表示するための1サイクルを複数のフレームに分割し、各フレームを制御することにより全体として1画像を表示する場合について説明する。また図12(a)〜(h)は、図11の区間11〜23における表示ユニットの電流の流れをそれぞれ示した回路図である。ここで図12(a)はサイクルCL1における区間11、図12(b)は区間12、図12(c)は区間13、図12(d)は区間21、図12(e)は区間22、図12(f)は区間23、図12(g)は残留電荷が溜まった状態、図12(h)はサイクルCL2以降における区間11を、それぞれ示している。なお、これらの図12(a)〜(h)においては、発光素子1が所望の輝度で発光している状態を示すために、点灯中の発光素子1を黒色で示している。また、電流の流れを矢印で示している。さらに、各配線が持つ寄生容量を仮想的に等価コンデンサCS0〜CS2として、各駆動ラインS0〜S2(以下、S0〜S2をまとめて単に「S」ともいう。)上に図示している。
【0004】
図10(a)〜(b)に示す表示ユニットは、表示部を3行×3列の行列配置としており、各ドットに発光素子としてLEDを配置している。この表示ユニットの回路構成は図12(a)〜(h)のようになり、3行×3列で行列配置された計9つの発光素子1と、行方向における3つの発光素子1のアノード端子にそれぞれ接続された3つの共通ラインC0〜C2(以下、C0〜C2をまとめて単に「C」ともいう。)と、列方向における3つの発光素子1のカソード端子にそれぞれ接続された3つの駆動ラインS0〜S2と、共通ラインC0〜C2を走査する走査部20と、駆動ラインS0〜2を介して電流を引き込み発光素子1に電流を流す駆動部30とを備える。
【0005】
また図11には、表示ユニットの点灯タイミングを示している。この図に示すように、電源を投入後に表示ユニットに与えられる最初のサイクルCLをCL1、2番目をCL2、3番目をCL3として、それぞれ示している。またCL1〜CL3はそれぞれ複数のフレームFMに分割される。各フレームにおいて、共通ラインCの走査順は同じであり、CO、C1、C2の順としている。ここでは、各サイクルにおいてFM1のみですべての発光素子を最小輝度(最小階調)で点灯し、他のフレームにおいてはすべての発光素子を消灯する動作を想定している。つまり、各サイクルCL1〜CL3においてすべての発光素子を最小輝度で点灯する場合を想定する。なお図11では、作図の都合上、各サイクルの区間11、12及び13において、S0、S1及びS2に接続された発光素子1が最大輝度(最大階調)で点灯しているように見えるが、実際はFM1において最小輝度(最小階調)で点灯しているものとする。
【0006】
まず、サイクルCL1での動作について図12(a)を参照して説明する。フレームFM1で最初に走査される共通ラインC0がONする区間11では、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。この結果、C0に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯する。次に区間12では、図12(b)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。この結果、C1に接続された3つの発光素子1が所望の輝度で点灯する。同様に、区間13では図12(c)に示すように、C2に接続された3つの発光素子1が所定の輝度で点灯する。
【0007】
次に、フレームFM2における区間21では、図12(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるものの、駆動ラインがOFF状態であって駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)の寄生容量に対して充電される。同様に、区間22では、図12(e)に示すように共通ラインC1に電圧が印加されるものの、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)の寄生容量が充電される。区間23も同様に、図12(f)に示すように各配線(S0、S1及びS2)の寄生容量が充電される。このように、各フレームFMにおいて同様の走査が行われることにより、最終的には図12(g)に示すように各配線の寄生容量が完全に充電されて、それ以上充電されなくなる。
【0008】
次に、サイクルCL2での動作について説明する。サイクルCL2ではサイクルCL1と異なり、最初に発光する発光素子1が他に比べて暗くなる。つまり、図12(h)に示すようにフレームFM1における区間11では、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、C0に接続された3つの発光素子1が点灯する。
【0009】
しかしながら、サイクルCL1において各駆動ラインS0〜S2の寄生容量が充電されているため、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部に引き込まれる電流は、実際には発光素子1に流れる電流に加えて、寄生容量が加算された電流量となる。つまり、区間11では、他の区間12及び13に比較して、実際に発光素子1に流れる電流が、寄生容量が放電される電流分だけ相対的に少なくなるので、C0に接続された発光素子1の、サイクルCL2の区間における発光量は、C1及びC2に接続された発光素子1と比べて暗くなってしまう、暗ラインが発生する。
【0010】
なお図11では、サイクルCL2及びCL3の区間11で発光素子1が暗くなることを示すため、C0のオン期間をハッチングで示している。また図12(h)では、寄生容量に起因して発光素子が暗くなることを示すため、発光素子1をハッチングで示している。
【0011】
次に区間12では、図12(b)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、フレームFM1において寄生容量分の電流が駆動部30にて引き抜かれているので、C1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。同様に区間13でも、図12(c)に示すように、C2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度電点灯する。なお、区間21以降についてはサイクルCL1と同様なので説明を省略する。さらにサイクルCL3以降についても、区間11における発光素子1が暗くなってしまうことが生じる。そのメカニズムについてはCL2と同様なので繰り返さない。
【0012】
以上のような理由により、従来の駆動方法では、寄生容量に起因して暗い発光素子が生じてしまい、表示品質に影響を与えるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2006−147933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、各サイクルにおいて最初に駆動される発光素子が、他の発光素子に比較して暗くなることを回避し、表示品質を改善した表示装置の点灯制御方法及び表示ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、複数の発光素子1が行列状に配置された表示部10と、前記表示部10の行方向に配置された前記複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、前記共通ラインCを走査すると共に、選択された前記共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、前記表示部10の列方向に配置された前記複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子1を点灯可能な駆動部30と、を備え、前記走査部20が前記共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯する工程と、同一サイクルにおいて、以降のフレームで他の一部又は他の全部の行を点灯する工程と、を含むことができる。これにより、一サイクルにおいて点灯する行をフレーム間で異ならせることで、駆動ラインの寄生容量に起因して所定の行が暗くなる現象(暗ライン)を抑制することができる。
【0016】
また、第2の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けることができる。これにより、駆動ラインを導通する動作を時間的に離間させることで、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮でき、暗ラインの発生を抑制できる。
【0017】
さらに、第3の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、前記非点灯期間を、一定とすることができる。これにより、駆動ラインの寄生容量に電荷が蓄えられる時間を一定として、すべての行で発光素子の発光量を一致させることができ特定行の発光素子のみが暗くなる現象を回避できる。
【0018】
さらにまた、第4の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、連続するサイクルで表示される画像を同一とできる。これにより、静止画の表示において、特定の行が暗くなる暗ラインの発生を抑制できる。
【0019】
さらにまた、第5の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、複数の発光素子1が行列状に配置された表示部10と、前記表示部10の行方向に配置された前記複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、前記共通ラインCを走査すると共に、選択された前記共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、前記表示部10の列方向に配置された前記複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子1を点灯可能な駆動部30と、を備え、前記走査部20が前記共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、第1サイクルで、前記表示部10の各行を第一の点灯順にて点灯し、画像を表示する工程と、前記第1サイクルと連続する第2サイクルで、前記表示部10の各行を、前記第一の点灯順と最初に点灯する行が異なる第二の点灯順にて点灯し、前記第一サイクルと同一の画像を表示する工程と、を含むことができる。これにより、サイクル間で点灯する行の点灯順を異ならせることで、駆動ラインの寄生容量に起因して点灯量が少なくなる行を分散させて、特定の行が暗くなる暗ラインの発生を抑制できる。
【0020】
さらにまた、第6の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けることができる。これにより、共通ライン側の走査を変更することなく、駆動ラインを導通する動作を時間的に離間させることで、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮でき、暗ラインの発生を抑制できる。
【0021】
さらにまた、第7の側面に係る表示装置の点灯制御方法によれば、各フレームにおいて前記走査部が前記共通ラインCを走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせることができる。これにより、駆動ライン側の導通タイミングを変更することなく、共通ラインの走査順をサイクル間で変更することにより、駆動ラインの寄生容量に起因して点灯量が少なくなる発光素子を分散させて、特定の発光素子のみが暗くなる現象を目立たないようにできる。
【0022】
さらにまた、第8の側面に係る表示ユニットによれば、複数の発光素子1が行列状に配置された表示部10と、前記表示部10の行方向に配置された前記複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、前記共通ラインCを走査すると共に、選択された前記共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、前記表示部10の列方向に配置された前記複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子1を点灯可能な駆動部30と、を備え、前記走査部20が前記共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示ユニットであって、さらに、一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯し、他フレームで他の一部又は他の全部の行を点灯するよう制御する点灯制御部2と、を備えることができる。これにより、一サイクルにおいて点灯する行をフレーム間で異ならせることで、駆動ラインの寄生容量に起因して所定の行が暗くなる現象(暗ライン)を抑制することができる。
【0023】
さらにまた、第9の側面に係る表示ユニットによれば、前記点灯制御部2が、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けることができる。これにより、駆動ラインを導通する動作を時間的に離間させることで、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮でき、ちらつきを抑制できる。
【0024】
さらにまた、第10の側面に係る表示ユニットによれば、前記点灯制御部2が、前記非点灯期間を、一定とすることができる。これにより、駆動ラインの寄生容量に電荷が蓄えられる時間を一定として、すべての行で発光素子の発光量を一致させることができ特定行の発光素子のみが暗くなる現象を回避できる。
【0025】
さらにまた、第11の側面に係る表示ユニットによれば、前記表示部10に表示される、連続するサイクルで表示される画像を同一とすることができる。これにより、静止画の表示において、特定の行が暗くなる暗ラインの発生を抑制できる。
【0026】
さらにまた、第12の側面に係る表示ユニットによれば、複数の発光素子1が行列状に配置された表示部10と、前記表示部10の行方向に配置された前記複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインCに接続されており、前記共通ラインCを走査すると共に、選択された前記共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、前記表示部10の列方向に配置された前記複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインSに接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子1を点灯可能な駆動部30と、を備え、前記走査部20が前記共通ラインCを一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示ユニットであって、さらに、連続する第1サイクルと第2サイクルでそれぞれ同一の画像を表示する際に、前記第1サイクルにおける各行の点灯順と、前記第2サイクルにおける各行の点灯順とを、最初に点灯する行が異なるように制御する点灯制御部2を備えることができる。これにより、サイクル間で点灯する行の点灯順を異ならせることで、駆動ラインの寄生容量に起因して点灯量が少なくなる行を分散させて、特定の行が暗くなる暗ラインの発生を抑制できる。
【0027】
さらにまた、第13の側面に係る表示ユニットによれば、前記点灯制御部2が、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けることができる。これにより、共通ライン側の走査を変更することなく、駆動ラインを導通する動作を時間的に離間させることで、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮でき、暗ラインの発生を抑制できる。
【0028】
さらにまた、第14の側面に係る表示ユニットによれば、前記点灯制御部2が、各フレームにおいて前記走査部が前記共通ラインCを走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせることができる。これにより、駆動ライン側の導通タイミングを変更することなく、共通ラインの走査順をサイクル間で変更することにより、駆動ラインの寄生容量に起因して点灯量が少なくなる発光素子を分散させて、特定の行のみが暗くなる現象を目立たないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係る表示ユニットを示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係る点灯制御方法を示すタイミングチャートである。
【図3】図3(a)〜(j)は、図2に示す区間11〜23において流れる表示ユニットの電流を示す回路図である。
【図4】実施形態2に係る点灯制御方法を示すタイミングチャートである。
【図5】実施形態3に係る点灯制御方法を示すタイミングチャートである。
【図6】実施形態4に係る点灯制御方法を示すタイミングチャートである。
【図7】実施形態5に係る表示装置を説明するためのブロック図である。
【図8】実施形態6に係る表示装置に用いられる表示ユニットを説明するためのブロック図である。
【図9】実施例1に係る表示ユニットのタイミングチャートである。
【図10】図10(a)は、表示ユニットの模式平面図、図10(b)は図10(a)の表示ユニットにおいて一部の行が暗く点灯された状態を示す模式平面図である。
【図11】図10の表示ユニットを点灯させる従来のタイミングチャートである。
【図12】図12(a)〜(h)は、図11に示す区間11〜23において流れる表示ユニットの電流を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、本発明を以下のものに特定しない。また、本明細書においては、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0031】
なお本明細書において「寄生容量」とは、主に駆動ラインSにおける寄生容量を意味している。ただ、これに限らず他の要因、例えば駆動ラインに接続された電子部品の容量など、容量性の成分も含める意図で使用する。
(実施形態1)
【0032】
実施形態1に係る表示ユニット100のブロック図を図1に、これを点灯するタイミングを示すタイミングチャートを図2に、それぞれ示す。また図2の各区間における、表示ユニットに流れる電流を、図3(a)〜(j)の回路図において矢印で示す。
(表示部)
【0033】
表示ユニット100は、図1に示すように表示部10と、点灯制御部2を備える。表示部10は、行列配置された複数の発光素子1と、行方向における複数の発光素子1のアノード端子に接続された複数の共通ラインC0〜C2と、列方向における複数の発光素子1のカソード端子に接続された複数の駆動ラインS0〜S2とを備える。
(点灯制御部2)
【0034】
また点灯制御部2は、1画像を表示するための1サイクルを複数のフレームに分割するフレーム分割部40と、共通ラインCに接続され各フレームにおいて共通ラインCを走査すると共に、共通ラインCに電圧を印加する走査部20と、駆動ラインSに接続され外部から入力される制御データに基づいて1つのサイクルのうちの一部のフレームで発光素子1を駆動可能な駆動部30と、走査部20に接続され1サイクルを構成する各フレームの共通ラインの走査順と他サイクルを構成する各フレームの共通ラインの走査順とが異なるように制御する走査順制御部50とを備える。
【0035】
この点灯制御部2は、図2のような点灯タイミングでもって表示部10を制御する点灯制御方法を採用することで、図10(b)に示すように従来発生していた表示部10が部分的に暗く点灯する暗ラインが発生する現象を回避し、図10(a)のような均一で高品質な点灯を可能とする。以下、その理由について説明する。
【0036】
従来の点灯制御方法では、図11に示すとおり、各サイクルにおける共通ラインCの走査順を昇順としており、各サイクルにおいて最初に点灯する発光素子1は、寄生容量に起因して他の発光素子1に比べてライン状に暗くなってしまう現象が生じる。図11では、暗ラインとなる共通ラインCがONとなるタイミングをハッチングで示している。暗ラインは、動画や高輝度表示では目立たないが、低輝度で静止画を表示した場合に特に目立ってしまい、表示品質を大きく損なってしまう。そこで本実施形態では、サイクル間で走査順を異ならせることによって、つまりサイクル間で暗ラインの発生位置を動かすことによって、特定行に暗ラインが目立つことを抑制している。
【0037】
具体的には、実施形態1の表示ユニット100では、図2に示すように、暗ラインがサイクル4ではフレーム1のC0、サイクル5ではフレーム1のC1、サイクル6ではフレーム1のC2に現れるように、走査順制御部50で制御している。このような点灯制御方法を採用することで、3サイクルで暗ラインがそれぞれの共通ラインCに1回ずつ生じることになるので、従来の図10(b)のように暗ラインが最初の行に集中せず、サイクル毎に異ならせることで輝度の相違が分散される結果、人間の見た目においては特定ラインに暗ラインが集中することを回避し、全体としてより均一な表示とすることができる。ここでは、3サイクルで走査順を一巡させているので、図2では一例としてサイクルCL4〜CL6について説明している。
【0038】
表示ユニット100は、上述の通り3行×3列で行列配置された計9つの発光素子1と、行方向における3つの発光素子1のアノード端子にそれぞれ接続された3つの共通ラインC0〜C2と、列方向における3つの発光素子1のカソード端子にそれぞれ接続された3つの駆動ラインS0〜S2とを備える。この表示部を点灯させるために、図2に示す点灯制御方法では、サイクルCL4〜CL6をそれぞれ複数のフレーム(FM1、FM2、...)に分割する。ここでは、理解を容易にするため、各サイクルにおいてFM1のみで全発光素子を最小輝度(最小階調)で点灯し、他のフレームにおいては全発光素子を消灯する場合を想定する。つまり、各サイクルにおいてすべての発光素子を最小輝度で点灯させていることになる。なお図2においては、作図の都合上、各サイクルのフレームFM1における区間11、12及び13において、駆動ラインS0、S1及びS2に接続された発光素子1が最大輝度(最大階調)で点灯しているように見えるが、実際は最小輝度(最小階調)で点灯しているものとする。
【0039】
まず、サイクルCL4について説明する。サイクルCL4では、各フレームの共通ラインCの走査順を、共通ラインC0、C1、C2としている。すなわち、共通ラインの接続順であり、このサイクルにおいては図11に示した従来の点灯制御方法と同様となる。具体的に、図2に示すフレームFM1における区間11では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、図11の例で説明したように、サイクルCL4で最初に選択される共通ラインC0に接続された発光素子1は、先のサイクルCL3(図示せず)で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光してしまう。この様子を示すため、図3(h)においては発光素子1が所望の輝度よりも低輝度で発光する状態を、発光素子1のハッチングで表示している(他の図においても同様とする)。さらに、図3(a)〜(j)では電流の流れを矢印で示している。加えて、図3(a)〜(j)では各配線が持つ寄生容量を仮想的に等価コンデンサCS0〜CS2として、各駆動ラインS上に図示している。
【0040】
次に、区間12では、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、先のフレームFM1で寄生容量は既に引き抜かれているので、図3(b)に示すように共通ラインC1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。同様に、区間13でも、図3(c)に示すように、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。次に、フレームFM2における区間21では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間22でも、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。同様に、区間23でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、各配線に寄生容量が充電される。このようにして、各配線はいずれは寄生容量が完全に充電され、図3(g)に示すように、それ以上充電されなくなる。
【0041】
次に、サイクルCL5について説明する。サイクルCL5では、上述したサイクルCL4と異なり、各フレームの共通ラインCの走査順を、C1、C2、C0の順としている。まず、フレームFM1における区間11では、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、サイクルCL5で最初に選択される共通ラインC1に接続された発光素子1は、図3(i)に示すように、サイクルCL4で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光してしまう。次に、区間12では、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、区間11で寄生容量は既に引き抜かれているので、図3(c)に示すように共通ラインC2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。同様に、区間13でも、図3(a)に示すようにC0に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。そして、区間21以降において各配線の寄生容量が充電される。
【0042】
次に、サイクルCL6について説明する。サイクルCL6では、各フレームの共通ラインCの走査順を、C2、C0、C1としている。まず、フレームFM1における区間11では、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、C2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、最初に選択される共通ラインC2に接続された発光素子1は、図3(j)に示すように、寄生容量に起因して所望よりも低輝度で発光してしまう。次に、区間12では、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、区間11で寄生容量は既に引き抜かれているので、図3(a)に示すように、共通ラインC0に接続された3つの発光素子1を所望の輝度で点灯させることができる。同様に、区間13でも、図3(b)に示すようにC1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。そして、区間21以降において各配線の寄生容量が充電される。サイクルCL7以降については、サイクルCL4〜CL6と同様であるので説明を省略する。
【0043】
以上のように、各フレームにおいて走査部が共通ラインCを走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせることで、駆動ライン側の導通タイミングを変更することなく、共通ラインの走査順をサイクル間で変更することにより、暗ラインの発生する行を分散させて、これを目立たないようにできる。この結果、たとえ低輝度で静止画を表示した場合であっても、暗ラインによる発光むらのない高品質な表示ユニットを実現できる。特に連続するサイクルで表示される画像を同一とする静止画の表示において、特定の行のみが暗くなると非常に目立つ。そこで、暗ラインが目立ちやすい静止画の表示であっても、上記の制御方法によって暗ラインを特定行に固定させず、これを目立たなくすることができる。
(実施形態2)
【0044】
以上の例では、走査部20が共通ラインCを一通り走査するサイクル単位で、最初に点灯する行を異ならせることにより、暗ラインが出現する行をサイクル単位で変化させる方法を説明した。この方法は、第1サイクルで、表示部10の各行を点灯する第一の点灯順と、第1サイクルに続く第2サイクルで、第一の点灯順と最初に点灯する行を異ならせた第二の点灯順にて表示部10の各行を点灯している。ただ、本発明はこの方法に限らず、一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯させつつ、同一サイクルの同一フレーム又は以降のフレームで他の一部又は全部の行を点灯するように構成してもよい。このようにすることでも、最初に点灯させる行をサイクル毎に異ならせることができ、同様の暗ラインを抑制することができる。
【0045】
この一例として、共通ラインの走査順を一定に維持したまま、駆動ライン側のタイミングを制御する例を、実施形態2として、図4のタイミングチャートに基づいて説明する。ここでは、走査部による共通ラインC0〜C2の制御方法は、図11などに示す方法と同一であり、駆動部による駆動ラインの導通タイミングをずらし、フレーム間を跨ぐような制御を付加している。図4に示す点灯制御方法では、サイクルCL7〜CL9をそれぞれ複数のフレームFM1〜FM3に分割し、さらに各フレームを、走査部及び駆動部によるON/OFF動作の最小タイミングとして、3つの区間に分割している。
【0046】
サイクルCL7の動作については、図2と同様である。すなわち、各フレームの共通ラインCの走査順を、共通ラインC0、C1、C2の接続順としている。この結果、フレームFM1における区間11では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、先のサイクルCL6(図示せず)で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光する。すなわち、サイクルCL7における暗ラインは共通ラインC0において発生する。次に区間12では、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれ、図3(b)に示すように共通ラインC1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯される。同様に区間13でも、図3(c)に示すように、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯される。次に、フレームFM2における区間21では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間22でも、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。同様に、区間23でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、各配線に寄生容量が充電される。このようにして、各配線はいずれは寄生容量が完全に充電され、図3(g)に示すように、それ以上充電されなくなる。
【0047】
次に、サイクルCL8について説明する。このサイクルCL8でも、サイクルCL7と同様、各フレームの共通ラインCの走査順は接続順のままで一定となる。ただし、駆動ラインの導通タイミングは、サイクルCL7では同一フレーム内のみで完結していたのに対し、連続する2つのフレームに跨がるように配置されている。
【0048】
まず、フレームFM1における区間11では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。
【0049】
次に区間12では、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、サイクルCL8で最初に点灯される共通ラインC1に接続された発光素子1は、サイクルCL7やCL8の区間11で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光されることになる。すなわち、サイクルCL8における暗ラインは共通ラインC1において発生する。
【0050】
さらに区間13では、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、区間12で寄生容量は既に引き抜かれているので、図3(c)に示すように共通ラインC2に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯される。
【0051】
同様に、フレームFM2の区間21でも、図3(a)に示すようにC0に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯することができる。その後、区間22以降において各配線の寄生容量が充電される。
【0052】
さらにサイクルCL9について説明する。このサイクルCL9でも、サイクルCL7、CL8と同様、各フレームの共通ラインCの走査順は接続順のままで一定となる。そして駆動ラインの導通タイミングは、サイクルCL8と同様、連続する2つのフレームに跨がるように配置されている。ただしサイクルCL8ではフレームFM1に2区間、フレームFM2に1区間であったものが、サイクルCL9ではフレームFM1に1区間、フレームFM2に2区間となっている。
【0053】
まず、フレームFM1における区間11では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。続く区間12でも、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。
【0054】
次に区間13では、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯しようとする。このとき、サイクルCL9で最初に点灯される共通ラインC2に接続された発光素子1は、それ以前の区間で寄生容量成分が充電されているため、この寄生容量成分が放電される分だけ、本来の電流よりも低輝度で発光されることになる。すなわち、サイクルCL9における暗ラインは共通ラインC2において発生する。
【0055】
続いて、フレームFM2の区間21では、図3(a)に示すようにC0に接続された3つの発光素子1を所望の輝度で点灯させることができる。続く区間22においても、図3(b)に示すようにC1に接続された3つの発光素子1は所望の輝度で点灯される。そして区間23においては、図3(f)に示すように駆動ラインの導通が停止され、各配線の寄生容量が充電される。以降に続くフレームFM3でも、同様に駆動ラインの導通が停止され、各配線の寄生容量が充電される。
【0056】
以上のように、図4の点灯制御方法では、駆動ラインを導通させる導通タイミング期間が、サイクルCL7ではフレームFM1、サイクルCL8ではフレームFM1(区間12と13)とフレームFM2(区間21のみ)、サイクルCL9ではフレームFM1(区間13のみ)とフレームFM2(区間21と22)となっている。このように隣接するフレーム同士の間を跨がせるように導通タイミング期間を配置することで、暗ラインを共通ラインC0、C1、C2の順に、サイクル毎に変化させることができるため、電流量の平均値は同じとなって輝度を均一化でき、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0057】
なお図4の例では、非点灯期間を7区間として、一定としている。7区間は、2フレーム分(6区間)よりも1区間多い。このように非点灯期間を、フレームの倍数としないようにずらすことで、非点灯期間を一定としつつも駆動ラインの導通タイミング期間がフレームを跨ぐように設定できる。なお、非点灯期間を一定とせず、可変とすることでも、導通タイミング期間がフレームを跨ぐように設定できることはいうまでもない。
(実施形態3)
【0058】
上述した実施形態2では、駆動ラインを導通させる導通タイミングをフレームにしたがって連続させ、駆動ラインが導通するフレームが連続するように駆動部を制御している。ただ、駆動ラインの制御はこのように駆動ラインが導通するフレームを連続させる必要は必ずしも無く、これを離間させてもよい。このような制御方法の一例を、実施形態3として図5に示す。この図に示す点灯制御方法では、ある行の点灯と次の行の点灯との間に、共通ラインの走査を行う一方で、その後には駆動ラインの導通を行わない非点灯期間を設けている。すなわち、上述した実施形態1や2のように駆動ラインの導通を連続させた導通タイミング期間を設けず、導通ラインの導通タイミングを一区間限りとして、離散的に配置し、各導通タイミングの間に点灯を休止させる非点灯区間を設けている。これにより、走査部による共通ライン側の走査制御を変更することなく、駆動ラインを導通させる動作を時間的に離間させることで、暗ラインを抑制できる。特に、この方法では、駆動ラインが導通されずに点灯されない状態が連続する非点灯期間を短縮できるため、寄生容量への充電時間が短くなり、その分、輝度の低下を抑制できる利点が得られる。
【0059】
以下、図5に基づいて、実施形態3の点灯制御方法を説明する。ここでも、走査部による共通ラインC0〜C2の制御方法は、図11などに示す方法と同じく、共通ラインC0、C1、C2の接続順とし、一方の駆動部による駆動ラインのタイミングを制御することで暗ラインを抑制している。図5に示す点灯制御方法では、サイクルCL10〜CL12をそれぞれ複数のフレームFM1〜FM3に分割し、さらに各フレームを、走査部及び駆動部によるON/OFF動作の最小タイミングとして、3つの区間に分割している。
【0060】
まずサイクルCL10の制御においては、駆動ラインの導通タイミングを、フレームFM1では区間11、フレームFM2では区間22、フレームFM3では区間33としている。すなわち、導通ラインの導通タイミングを、各フレームに分散させ、フレーム毎に1区間設定している。具体的には、フレームFM1の区間11では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、先のサイクルCL9(図示せず)で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光する。すなわち、サイクルCL10における1度目の暗ラインは、まず区間11で共通ラインC0において発生する。次に区間12では、図3(e)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間13でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。
【0061】
次にフレームFM2の区間21でも、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、各配線に寄生容量が充電される。続く区間22においては、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC1に接続された発光素子1は、区間12、13、21で充電された寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光されることになる。すなわち、サイクルCL10における2度目の暗ラインが、共通ラインC1において発生する。さらに区間23において、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。
【0062】
同様に、フレームFM3の区間31でも、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間32でも、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。次に区間33においては、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC2に接続された発光素子1は、それ以前の区間で寄生容量成分が充電されているため、この寄生容量成分が放電される分だけ、本来の電流よりも低輝度で発光されることになる。すなわち、サイクルCL10における3度目の暗ラインは共通ラインC2において発生する。
【0063】
このように、サイクルCL10においては、各フレーム毎に暗ラインが発生している。また、点灯されるライン自体がすべて暗ラインとなっている。ただ、非点灯期間が3区間分と実施形態1や2に比べて短い分だけ、寄生容量成分への充電時間が短くなり、蓄えられる電荷量も小さくなる結果、暗ライン発生時に奪われる電流量も小さくなる。いいかえると、サイクルCL10における暗ラインは、実施形態1、2に比べて、輝度の低下が少ないということができる。
【0064】
次に、サイクルCL11について説明する。まず、フレームFM1における区間11では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。次に区間12では、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC1に接続された発光素子1は、寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光されることになる。続く区間13では、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。
【0065】
次にフレームFM2における区間21では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光する。次に区間22では、図3(e)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。続く区間23では、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC2に接続された発光素子1は、寄生容量成分が放電される分だけ低輝度で発光されることになる。
【0066】
続くフレームFM3においては、駆動ラインが通電されず、区間31において図3(d)、区間32において図3(e)、区間33において図3(f)に示すように、各配線に寄生容量成分が充電される。このように、サイクルCL11における3度の点灯はすべて暗ラインとなり、またフレームFM1で1区間、フレームFM2で2区間、発生している。またここでは非点灯期間が最小の1区間となっているため、電流量の減少も最小限に抑えられ、実施形態1、2に比べて輝度の低下も殆ど生じない。
【0067】
最後にサイクルCL12について説明する。このサイクルCL12でも、サイクルCL10、CL11と同様、各フレームの共通ラインCの走査順は接続順のままで一定となる。まず、フレームFM1における区間11では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間12においても同様に、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。続く区間13においては、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC2に接続された発光素子1は、寄生容量成分が放電される分だけ低輝度で発光されることになる。
【0068】
さらにフレームFM2における区間21では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。続く区間22では、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC1に接続された発光素子1は、寄生容量成分が放電される分だけ低輝度で発光されることになる。また区間23では、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。
【0069】
最後にフレームFM3における区間31では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、寄生容量に起因して、所望よりも低輝度で発光する。また区間32では、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。同様に、区間33でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。
【0070】
このように実施の形態3によれば、導通タイミング期間を短くする分、導通タイミング期間を多く設けることが可能となり、その分、非点灯期間すなわち寄生容量成分への充電時間を短くでき、この結果、寄生容量成分に溜まる電荷も少なくなって、発光素子の通電量の低下を抑制できるという利点が得られる。ただし、この方法では各サイクルにおける非点灯期間が異なるため、各暗ラインの輝度が一致しない。また、図5の例では、サイクルCL10〜CL12で点灯パターンを変化させているが、これに限らず、例えばサイクルCL10のみを繰り返すこともできる。
(実施形態4)
【0071】
以上の例では、共通ラインの走査順及び駆動ラインの導通タイミングのいずれか一方を変更することで、暗ラインの位置を異なるフレームで異なる位置となるように分散させ、表示部において特定の暗ラインが強調されないような点灯を実現している。ただ、本発明はこの方法に限られず、共通ラインの走査と駆動ラインの導通タイミングの両方を変化させる方法としてもよい。このような制御方法の一例を、実施形態4として図6に示す。この図に示す点灯制御方法は、各サイクルを通じて非点灯期間を一致させているため、各暗ラインの輝度を一致させることができる。すなわち、すべての発光ラインの輝度を一定に揃えることができるため、発光輝度の低い暗ラインの発生を阻止することができる。以下、具体的な点灯制御方法を、図6に基づいて説明する。ここでは、各サイクルの各フレームにおいて、最初の区間で点灯させることにより、非点灯期間を2区間としている。また、最初の区間のみ駆動ラインを導通させて、他の区間を非点灯とするよう、駆動部により駆動タイミングを制御している。一方で共通ラインは、各サイクルにおいて、フレーム毎に走査順を変更し、各フレームの最初の区間が、同一サイクル内の他のフレームと異なるように、走査部を制御している。これによって、各フレームの最初の区間のみを点灯させつつ、該点灯される共通ラインを同一サイクル内で異ならせることが可能となる。
【0072】
まずサイクルCL13の制御においては、フレームFM1の区間11では、図3(h)に示すように、走査部20により共通ラインC0に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれる。このとき、共通ラインC0に接続された発光素子1は、先のサイクルCL12(図示せず)で充電された寄生容量に応じて低輝度で発光される。次に区間12では、図3(e)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線(S0、S1及びS2)には寄生容量が充電される。また区間13でも、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。
【0073】
次にフレームFM2の区間21では、図3(i)に示すように、走査部20により共通ラインC1に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC1に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC1に接続された発光素子1は、寄生容量に応じて低輝度で発光される。次に区間22では、図3(f)に示すように、共通ラインC2に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。また区間23では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。
【0074】
またフレームFM3の区間31では、図3(j)に示すように、走査部20により共通ラインC2に電圧が印加されると共に、駆動ラインS0〜S2を介して駆動部30により所定の電流が引き込まれるので、共通ラインC2に接続された3つの発光素子1が点灯する。このとき、共通ラインC2に接続された発光素子1は、寄生容量に応じて低輝度で発光される。次に区間32では、図3(d)に示すように、共通ラインC0に電圧が印加されるが、駆動部30が電流を引き込まないため、各配線には寄生容量が充電される。また区間33では、図3(e)に示すように、共通ラインC1に電圧が印加され、各配線に寄生容量が充電される。また、続くサイクルCL14及びサイクルCL15においても、同様の手順を繰り返すことで、サイクル間においても非点灯期間を一致させることができる。
【0075】
このようにして、各フレームの最初の区間で点灯させ、非点灯区間を一定として、発光輝度を一致させることができる。すなわち非点灯期間を一定の2区間とすることで、駆動ラインS0〜S2の寄生容量に電荷が蓄えられる充電時間が一定となるので、すべての行で発光素子の発光量を一致させることができ、暗ラインを無くすことが可能となる。また共通ラインの走査順及び駆動ラインの導通タイミングを、各サイクルで同じとして繰り返すことにより、走査部、駆動部によるこれらの制御を容易にできる。
【0076】
なお以上の例では、一サイクルを3フレームとし、一フレームを3区間としているが、これらは一例であって、任意の数のフレーム、区間に分割できることはいうまでもない。
(表示部10)
【0077】
以上の実施形態1〜4の点灯制御方法で点灯される表示装置100を構成する主な構成要素について説明する。まず表示部10は、行方向に複数の共通ラインCを互いに平行に配置し、これと交差する列方向に複数の駆動ラインSを互いに平行に配置している。また複数の発光素子1を、各共通ラインCと駆動ラインSとの間に各々接続することで、発光素子1を行列配置している。図1においては、共通ラインCが行、駆動ラインSが列に、それぞれ対応しており、複数の発光素子1がm行×n列のマトリックス状に配列される。また各列の発光素子1のカソード端子がそれぞれ駆動ラインSに接続され、各行の発光素子1のアノード端子がそれぞれ共通ラインCに接続されている。
【0078】
ここでは、表示部10として発光素子1を3行×3列のマトリックス状に配置しているが、行及び列の数は任意に設定できることは言うまでもない。また、本明細書では説明の便宜上、図1の横方向を「行」とし、図1の縦方向を「列」としているが、「行」は必ずしも水平方向を指すのではなく、「列」は必ずしも鉛直方向を指すのではない。つまり、「行」及び「列」は相対的な関係にあればよく、例えば図1の行と列(縦横)を入れ替えても、つまり図1において表示ユニット100を左右のどちらかの方向に90°回転させても、本発明の範囲内とする。
(発光素子1)
【0079】
発光素子1には、半導体発光素子であれば限定されないが、典型的には発光ダイオード(LED)を用いることができる。この例では、発光素子1としてLEDを用いる例を説明している。
(走査部20)
【0080】
走査部20は、共通ラインCに接続されており、任意の共通ラインCを走査し、選択した共通ラインCに順次電圧(例えば5V)を印加する。走査部20は共通ラインCごとにスイッチ(図示せず)を備え、走査順制御部50からの指示に基づいて各共通ラインCのON/OFFを制御する。
(駆動部30)
【0081】
駆動部30は、駆動ラインSにそれぞれ接続された駆動素子(図示せず)を備え、PWMコントローラ90からの指示に基づいて発光素子1を駆動する。また、RAM70から読み出した表示データに基づくフレーム階調制御と各フレームでのPWMコントローラ90によるPWM階調制御を組み合わせることで、1サイクルとしての画像を表示する。
(フレーム分割部40)
【0082】
フレーム分割部40は、後述するタイミングコントローラ80が生成する1画像を表示するための1サイクルCLを複数のフレームFMに分割するように制御する。
【0083】
本実施形態では、表示ユニット100がフレーム分割部40を含む構成としたが、フレーム分割部40を備えない表示ユニットとすることもできる。係る場合であっても、走査部20により所定の共通ラインCが選択されている時間内で駆動部30が電流を引き込まない時間があれば、駆動ラインSに寄生容量が充電され暗ラインが発生し得るからである。
(走査順制御部50)
【0084】
走査順制御部50は、サイクル間で共通ラインCの走査順を異ならせるように設定されている。走査順制御部50は、共通ラインCの走査順の制御を内部で自律式に行うこともできるし、外部から制御可能なように構成することもできる。走査部20は走査順制御部50からの指示に基づいて共通ラインCを順に走査する。
【0085】
図1では、共通ラインCが3本(C0、C1及びC2)であり、各サイクルにおいて最初に走査される共通ラインCがC0からC2に向かって連続して選択される場合について説明した。一方、共通ラインCが5本以上ある場合は、各サイクルにおいて最初に走査される共通ラインCを断続的に制御することもできる。つまり、走査順制御部は、所定のサイクルにおいて最初に走査する共通ラインが、次のサイクルにおいて最初に走査する共通ラインと連続しないように制御することができる。例えば、表示ユニットが共通ラインCとしてC0〜C4を順に備える場合、1サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC0、次サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC2、次サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC4、次サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC1、次サイクルにおいて最初に選択される共通ラインをC3、とし、これを1サイクルとして複数回繰り返すことができる。各サイクルにおける最初の共通ラインを非連続とすることにより、暗ラインが走査方向に移動するようにみえる現象を軽減することができる。
(シフトレジスタ60)
【0086】
シフトレジスタ60は外部から1画像を構成する表示データDATA_INをシフトクロックCLK_INにより入力する。このシフトレジスタ60は表示部10を構成する発光素子1すべてに対してフレーム階調とPWM階調に相当する表示データを保持できる。
(RAM70)
【0087】
RAM70はシフトレジスタ60の内容をLATCH_INにより保存する。ここでは記載していないが表示部10の表示制御をするためにフレーム分割部40およびPWMコントローラ90から読み出すとともに、外部からの表示データ入力つまりシフトレジスタ60の内容を書き込むために2つ以上の独立したRAM構成となっている。
(タイミングコントローラ80)
【0088】
タイミングコントローラ80は、VSYNC_INによりサイクルを生成し、各制御部のタイミングを制御する。
(PWMコントローラ90)
【0089】
PWMコントローラ90は、フレーム分割部40が生成したフレームにおいて、RAM70から読み出した表示データに基づきPWM階調制御する。
<実施形態5>
【0090】
以上の例では、表示ユニットを単体で使用する例を説明したが、本発明はこれに限らず、複数の表示ユニットを接続することで、表示部を拡大した表示装置として利用することもできる。このような例を実施形態5として、図7に示す。この図に示す例では、複数の表示ユニット100を接続し、その一端に表示ユニット100に表示データ等を含む制御データを出力する外部制御部500を接続して表示システムを構築としている。これにより、暗ラインの抑制された表示システムとすることができる。
<実施形態6>
【0091】
実施形態5の表示装置では、サイクルにおける走査順を表示ユニットに設けられた走査順制御部50で制御している。ただ、表示ユニットが走査順制御部50を備えない場合であっても、外部制御部からの制御データにより、サイクル間の走査順を異ならせることもできる。つまり、外部制御部からの制御データが、1サイクルにおける共通ラインの走査順と他サイクルにおける共通ラインの走査順とを異ならせるように制御する走査順制御データを含むことにより、実施形態5と同様の作用効果を奏する表示装置とすることができる。このような例を実施形態6として、図8のブロック図に示す。
【0092】
本実施形態に係る表示装置は、外部制御部にてフレームを生成し、フレーム毎に階調制御し各フレームを組み合わせることにより1サイクルで一画像を表示する。ここで、各フレームでの階調制御は、外部制御部からの制御信号であるPWMCLK_INとPWMカウンターのリセットであるBLANK_INによりPWMコントローラ90を制御することにより行われる。
【0093】
また、各フレームにおける走査部20の制御を走査順制御部50ではなく外部制御部からの走査順制御データADR_IN[1:0]にて行う。ここではC0〜C2の選択なので2bitあれば足りる。この選択の順番を図2に示すように各サイクルで入れ替えることにより実施形態1と同様の効果が得られる。
<実施例1>
【0094】
実施例1として、32行×32列のLEDを配置した表示ユニットについて説明する。表示部は、C0〜C7の8の共通ラインを計4組、S0〜S7の8の駆動ラインを計4組、それぞれの交点に配置された1024のLED(より正確には各LEDはRed、Green、Blueの3つの発光素子を含む。)、を備える構成とした(図示せず)。走査部20、駆動部30等、基本的な構成は実施形態1(図1)と同様なのでここでは説明しない。
【0095】
本実施例に係る表示ユニットは1/8Dutyダイナミック駆動で、図9のタイミングチャートに示すように、16.384msの1サイクルを16のフレームで構成し、1サイクルごとに共通ラインCの走査順を変更した。具体的には、サイクルCL1では各フレームにおいてC0、C1、...、C6、C7の順に走査し、CL2では各フレームにおいてC1、C2、...、C7、C0の順に走査し、CL3では各FMにおいてC2、C3、...、C0、C1の順に走査し、この操作を順に繰り返すことで合計8サイクルで共通ラインCの走査順が一巡するように制御した。
【0096】
このように構成した表示ユニットにおいて、暗ラインが目立ちやすいようにあえて各サイクルのFM1において最初の走査によりすべてのLEDを最小時間となる50nsで点灯させた。その結果、最小輝度での点灯にもかかわらず比較例1に比べて暗ラインが視認し難くなり、表示品質の高い表示ユニットとすることができた。
<比較例1>
【0097】
すべてのサイクルにおいて各フレームの走査順を、C0、C1、...、C6、C7とする以外は実施例1と同様の表示ユニットを作製した。各サイクルのFM1の最初の走査によりすべてのLEDを最小時間となる50nsで点灯させたところ、C0に配置されたLEDに暗ラインが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明に係る表示装置の点灯制御方法及び表示ユニットは、例えば、大型テレビ、交通情報に利用できる。
【符号の説明】
【0099】
100…表示ユニット;500…外部制御部
1…発光素子;2…点灯制御部
10…表示部
20…走査部
30…駆動部
40…フレーム分割部
50…走査順制御部
60…シフトレジスタ
70…RAM
80…タイミングコントローラ
90…PWMコントローラ
C…共通ライン;S…駆動ライン;CL…サイクル;FM…フレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子(1)が行列状に配置された表示部(10)と、
前記表示部(10)の行方向に配置された前記複数の発光素子(1)のアノード端子に接続された複数の共通ライン(C)に接続されており、前記共通ライン(C)を走査すると共に、選択された前記共通ライン(C)に電圧を印加する走査部(20)と、
前記表示部(10)の列方向に配置された前記複数の発光素子(1)のカソード端子に接続された複数の駆動ライン(S)に接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子(1)を点灯可能な駆動部(30)と、
を備え、
前記走査部(20)が前記共通ライン(C)を一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、
一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯する工程と、
同一サイクルにおいて、以降のフレームで他の一部又は他の全部の行を点灯する工程と、
を含むことを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けてなることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
前記非点灯期間を、一定としてなることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
連続するサイクルで表示される画像が同一であることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項5】
複数の発光素子(1)が行列状に配置された表示部(10)と、
前記表示部(10)の行方向に配置された前記複数の発光素子(1)のアノード端子に接続された複数の共通ライン(C)に接続されており、前記共通ライン(C)を走査すると共に、選択された前記共通ライン(C)に電圧を印加する走査部(20)と、
前記表示部(10)の列方向に配置された前記複数の発光素子(1)のカソード端子に接続された複数の駆動ライン(S)に接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子(1)を点灯可能な駆動部(30)と、
を備え、
前記走査部(20)が前記共通ライン(C)を一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、
第1サイクルで、前記表示部(10)の各行を第一の点灯順にて点灯し、画像を表示する工程と、
前記第1サイクルと連続する第2サイクルで、前記表示部(10)の各行を、前記第一の点灯順と最初に点灯する行が異なる第二の点灯順にて点灯し、前記第一サイクルと同一の画像を表示する工程と、
を含むことを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けてなることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
各フレームにおいて前記走査部が前記共通ライン(C)を走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせてなることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項8】
複数の発光素子(1)が行列状に配置された表示部(10)と、
前記表示部(10)の行方向に配置された前記複数の発光素子(1)のアノード端子に接続された複数の共通ライン(C)に接続されており、前記共通ライン(C)を走査すると共に、選択された前記共通ライン(C)に電圧を印加する走査部(20)と、
前記表示部(10)の列方向に配置された前記複数の発光素子(1)のカソード端子に接続された複数の駆動ライン(S)に接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子(1)を点灯可能な駆動部(30)と、
を備え、
前記走査部(20)が前記共通ライン(C)を一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示ユニットであって、
さらに、
一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯し、他フレームで他の一部又は他の全部の行を点灯するよう制御する点灯制御部(2)と、
を備えることを特徴とする表示ユニット。
【請求項9】
請求項8に記載の表示ユニットであって、
前記点灯制御部(2)が、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けてなることを特徴とする表示ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の表示ユニットであって、
前記点灯制御部(2)が、前記非点灯期間を、一定としてなることを特徴とする表示ユニット。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか一に記載の表示ユニットであって、
前記表示部(10)に表示される、連続するサイクルで表示される画像が同一であることを特徴とする表示ユニット。
【請求項12】
複数の発光素子(1)が行列状に配置された表示部(10)と、
前記表示部(10)の行方向に配置された前記複数の発光素子(1)のアノード端子に接続された複数の共通ライン(C)に接続されており、前記共通ライン(C)を走査すると共に、選択された前記共通ライン(C)に電圧を印加する走査部(20)と、
前記表示部(10)の列方向に配置された前記複数の発光素子(1)のカソード端子に接続された複数の駆動ライン(S)に接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子(1)を点灯可能な駆動部(30)と、
を備え、
前記走査部(20)が前記共通ライン(C)を一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示ユニットであって、
さらに、
連続する第1サイクルと第2サイクルでそれぞれ同一の画像を表示する際に、前記第1サイクルにおける各行の点灯順と、前記第2サイクルにおける各行の点灯順とを、最初に点灯する行が異なるように制御する点灯制御部(2)
を備えることを特徴とする表示ユニット。
【請求項13】
請求項12に記載の表示ユニットであって、
前記点灯制御部(2)が、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けてなることを特徴とする表示ユニット。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の表示ユニットであって、
前記点灯制御部(2)が、各フレームにおいて前記走査部が前記共通ライン(C)を走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせてなることを特徴とする表示ユニット。
【請求項1】
複数の発光素子(1)が行列状に配置された表示部(10)と、
前記表示部(10)の行方向に配置された前記複数の発光素子(1)のアノード端子に接続された複数の共通ライン(C)に接続されており、前記共通ライン(C)を走査すると共に、選択された前記共通ライン(C)に電圧を印加する走査部(20)と、
前記表示部(10)の列方向に配置された前記複数の発光素子(1)のカソード端子に接続された複数の駆動ライン(S)に接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子(1)を点灯可能な駆動部(30)と、
を備え、
前記走査部(20)が前記共通ライン(C)を一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、
一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯する工程と、
同一サイクルにおいて、以降のフレームで他の一部又は他の全部の行を点灯する工程と、
を含むことを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けてなることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
前記非点灯期間を、一定としてなることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
連続するサイクルで表示される画像が同一であることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項5】
複数の発光素子(1)が行列状に配置された表示部(10)と、
前記表示部(10)の行方向に配置された前記複数の発光素子(1)のアノード端子に接続された複数の共通ライン(C)に接続されており、前記共通ライン(C)を走査すると共に、選択された前記共通ライン(C)に電圧を印加する走査部(20)と、
前記表示部(10)の列方向に配置された前記複数の発光素子(1)のカソード端子に接続された複数の駆動ライン(S)に接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子(1)を点灯可能な駆動部(30)と、
を備え、
前記走査部(20)が前記共通ライン(C)を一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示装置の点灯制御方法であって、
第1サイクルで、前記表示部(10)の各行を第一の点灯順にて点灯し、画像を表示する工程と、
前記第1サイクルと連続する第2サイクルで、前記表示部(10)の各行を、前記第一の点灯順と最初に点灯する行が異なる第二の点灯順にて点灯し、前記第一サイクルと同一の画像を表示する工程と、
を含むことを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けてなることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の表示装置の点灯制御方法であって、
各フレームにおいて前記走査部が前記共通ライン(C)を走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせてなることを特徴とする表示装置の点灯制御方法。
【請求項8】
複数の発光素子(1)が行列状に配置された表示部(10)と、
前記表示部(10)の行方向に配置された前記複数の発光素子(1)のアノード端子に接続された複数の共通ライン(C)に接続されており、前記共通ライン(C)を走査すると共に、選択された前記共通ライン(C)に電圧を印加する走査部(20)と、
前記表示部(10)の列方向に配置された前記複数の発光素子(1)のカソード端子に接続された複数の駆動ライン(S)に接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子(1)を点灯可能な駆動部(30)と、
を備え、
前記走査部(20)が前記共通ライン(C)を一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示ユニットであって、
さらに、
一サイクルにおいて、一フレームで一部の行を点灯し、他フレームで他の一部又は他の全部の行を点灯するよう制御する点灯制御部(2)と、
を備えることを特徴とする表示ユニット。
【請求項9】
請求項8に記載の表示ユニットであって、
前記点灯制御部(2)が、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けてなることを特徴とする表示ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の表示ユニットであって、
前記点灯制御部(2)が、前記非点灯期間を、一定としてなることを特徴とする表示ユニット。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか一に記載の表示ユニットであって、
前記表示部(10)に表示される、連続するサイクルで表示される画像が同一であることを特徴とする表示ユニット。
【請求項12】
複数の発光素子(1)が行列状に配置された表示部(10)と、
前記表示部(10)の行方向に配置された前記複数の発光素子(1)のアノード端子に接続された複数の共通ライン(C)に接続されており、前記共通ライン(C)を走査すると共に、選択された前記共通ライン(C)に電圧を印加する走査部(20)と、
前記表示部(10)の列方向に配置された前記複数の発光素子(1)のカソード端子に接続された複数の駆動ライン(S)に接続されており、前記走査部が走査するタイミングに従って、所定の前記発光素子(1)を点灯可能な駆動部(30)と、
を備え、
前記走査部(20)が前記共通ライン(C)を一通り走査する一フレームを複数枚組み合わせた一サイクルでもって、一画像を表示する表示ユニットであって、
さらに、
連続する第1サイクルと第2サイクルでそれぞれ同一の画像を表示する際に、前記第1サイクルにおける各行の点灯順と、前記第2サイクルにおける各行の点灯順とを、最初に点灯する行が異なるように制御する点灯制御部(2)
を備えることを特徴とする表示ユニット。
【請求項13】
請求項12に記載の表示ユニットであって、
前記点灯制御部(2)が、所定の行の点灯と次に行われる他の行の点灯との間に、前記走査部が一以上の共通ラインの走査を行う一方で、前記駆動部が前記発光素子の導通を行わない非点灯期間を設けてなることを特徴とする表示ユニット。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の表示ユニットであって、
前記点灯制御部(2)が、各フレームにおいて前記走査部が前記共通ライン(C)を走査する順序を、連続するサイクル間で異ならせてなることを特徴とする表示ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【公開番号】特開2013−105109(P2013−105109A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250182(P2011−250182)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】
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