説明

表示装置及びその制御方法、プログラム、並びに、記録媒体

【課題】番組のジャンルに対して、各ユーザの好みに応じた画質設定が可能な表示装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る表示装置10は、自装置を利用しているユーザを特定するユーザ特定部130と、表示部23が表示すべき映像のジャンル情報を取得するジャンル取得部140と、ユーザ特定部130が特定したユーザと、ジャンル取得部140が取得したジャンル情報とに対応する設定値を、記録部21から取得し、取得した設定値で画質を調整するように画質調整部22に指示する画質調整指示部150とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示する表示部を備える表示装置及びその制御方法に関し、具体的には、ユーザによる画質の調整に関する。
【背景技術】
【0002】
番組の再生時にユーザの好み等に応じて、画質を調整する技術として例えば特許文献1〜3が報告されている。
【0003】
特許文献1には、画質パラメータの異なる複数のサンプル画像を提示して、ユーザに所望のサンプル画像を選択させることで、画質パラメータを決定する画像表示装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には画質が異なるサンプル動画像をユーザに選択させて画質を決定するテレビジョン受像機が記載されている。
【0005】
特許文献3には現在テレビ放送されている番組に対するトピック及びテーマ情報のような特性を判定し、オーディオ及びビデオ設定値のようなデータを、記憶ユニットに格納されている予め定義された最適受像機特性の表に適合させるシステムが記載されている。
【0006】
また、非特許文献1には、室内の明るさや照明の色に応じて、最適な画質を表示するように、画質を自動で調整するテレビが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−147828号公報(2007年6月14日公開)
【特許文献2】特開2001−119644号公報(2001年4月27日公開)
【特許文献3】特表2001−515675号公報(2001年9月18日公表)
【非特許文献】
【0008】
“おまかせドンピシャ高画質”[online]、東芝、(2010年1月18日検索)、インターネット<http://www.toshiba.co.jp/regza/detail/omakase/about.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ユーザの画質への好みは視る番組のジャンル等で異なる場合が多い。例えば、映画番組は一般的な設定で満足しても、スポーツ番組を視る場合は一般的な設定より鮮やかな設定を好む場合がある。一方、ビデオモードの番組については一般設定より穏やかな画調を好み、他のジャンルの番組については鮮明な映像を好む場合がある。
【0010】
また、1台のテレビを使用するユーザが1人であるとは限られない。例えば、父、母、子供など、複数のユーザがそれぞれ違った画質設定を好む場合がある。したがって、1人のユーザが好みの画質設定を行った場合、他のユーザが番組を視る際に、好みの設定とは異なるため、不満を感じる場合があった。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、番組のジャンルに対して、ユーザの好みに応じた画質設定が可能な表示装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、映像を表示する表示部を備える表示装置であって、上記映像の画質を調整し、調整された映像を上記表示部に表示する画質調整部と、上記映像のジャンルを示すジャンル情報と、上記画質調整部が上記画質を調整するための設定値との対応情報を、ユーザ毎に予め記録する記録部と、自装置を利用しているユーザを特定するユーザ特定手段と、上記表示部が表示すべき映像の上記ジャンル情報を取得するジャンル取得手段と、上記ユーザ特定手段が特定したユーザと、上記ジャンル取得手段が取得したジャンル情報とに対応する上記設定値を、上記記録部の対応情報から取得し、取得した設定値で上記画質を調整するように上記画質調整部に指示する調整指示手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る表示装置の制御方法は、上記課題を解決するために、映像を表示する表示部と、上記映像の画質を調整し、調整された映像を上記表示部に表示する画質調整部とを備える表示装置の制御方法であって、自装置を利用しているユーザを特定するユーザ特定ステップと、上記表示部が表示すべき映像のジャンルを示すジャンル情報を取得するジャンル取得ステップと、上記ジャンル情報と、上記画質調整部が上記画質を調整するための設定値との対応情報がユーザ毎に記録された記録部を参照して、上記ユーザ特定ステップにて特定されたユーザと、上記ジャンル取得ステップにて取得されたジャンル情報とに対応する上記設定値を取得し、取得された設定値で上記画質を調整するように上記画質調整部に指示する調整指示ステップとを含むことを特徴としている。
【0014】
上記の構成および方法によれば、自装置を利用しているユーザが特定され、表示されるべき映像のジャンル情報が取得され、特定されたユーザと、取得されたジャンル情報とに対応する設定値が、記録部の対応情報から取得され、取得された設定値で画質調整部が上記映像の画質を調整する。従って、自装置を利用しているユーザの好みに合った画質で映像を表示することができる。
【0015】
本発明に係る表示装置では、上記ユーザから情報の入力を受け付ける受付部と、上記ユーザから上記受付部を介しての指示により、上記対応情報の作成及び更新を行って、上記記録部に記録する設定手段とを備えることが好ましい。
【0016】
この場合、各ユーザは、上記表示装置にて上記ジャンル情報に応じた画質を設定することができる。なお、上記表示装置の外部装置に上記設定手段を設け、該外部装置にて作成された上記対応情報を、上記外部装置から上記表示装置に通信ネットワーク、着脱可能な記録媒体などを介して送ることもできる。この場合、上記表示装置に上記設定手段を設ける必要が無い。
【0017】
本発明に係る表示装置では、上記記録部は、或るジャンルの映像であって、異なる上記設定値で上記画質がそれぞれ調整された複数の調整済映像を、上記ジャンル情報および上記設定値と対応付けて上記記録部に記録しており、上記設定手段は、上記記録部に記録された上記複数の調整済映像を表示するように上記表示部を制御し、上記ユーザから上記受付部を介しての指示に基づき、上記複数の調整済映像の中から選択し、選択した上記調整済映像に対応する上記ジャンル情報および上記設定値を、上記ユーザ特定手段が特定したユーザの対応情報として上記記録部に記録してもよい。
【0018】
この場合、ユーザが上記複数の調整済映像の中から選択するのみで、上記対応情報が記録されるので、画質の設定操作に詳しくないユーザでも、好みの画質の設定を簡単に行うことができる。
【0019】
本発明に係る表示装置では、通信ネットワークを介して外部の通信装置と通信するための通信部をさらに備えており、上記設定手段は、上記外部の通信装置から上記通信部を介して取得した対応情報を利用して、上記対応情報の作成及び更新を行ってもよい。
【0020】
この場合、別の表示装置のユーザが作成した対応情報を参考にして、上記対応情報の作成及び更新を行うことができ、ユーザの利便性が向上する。
【0021】
なお、表示装置を利用しているユーザが複数である場合、上記調整指示手段は、上記記憶部から異なる設定値を取得する可能性がある。
【0022】
このような場合、上記記録部は、優先度をユーザ毎に記録しており、上記調整指示手段は、該複数のユーザのうち、上記優先度の高いユーザと、上記ジャンル取得手段が取得したジャンル情報とに対応する上記設定値で上記画質を調整するように上記画質調整部を指示すればよい。この場合、上記優先度の高いユーザの設定値で画質が調整されることになる。
【0023】
また、上記調整指示手段は、上記複数のユーザと、上記ジャンル取得手段が取得したジャンル情報とに対応する複数の上記設定値を、上記記録部の対応情報から取得し、取得した複数の設定値の最頻値で上記画質を調整するように上記画質調整部を指示すればよい。この場合、多数のユーザが採用する設定値、すなわち、ユーザに人気のある設定値で画質が調整されることになる。
【0024】
或いは、上記調整指示手段は、上記複数のユーザと、上記ジャンル取得手段が取得したジャンル情報とに対応する複数の上記設定値を、上記記録部の対応情報から取得し、取得した複数の設定値の平均値で上記画質を調整するように上記画質調整部を指示すればよい。この場合、上記複数のユーザの設定値が反映された設定値で画質が調整されることになる。
【0025】
なお、ユーザの特定は、個人認証により行われてもよい。例えば、上記記録部は、ユーザを特徴付ける特徴情報をユーザ毎に記録しており、自装置を利用しているユーザの上記特徴情報を取得する特徴取得手段をさらに備えており、上記ユーザ特定手段は、上記特徴取得手段が取得した特徴情報と、上記記録部に記録された特徴情報とを照合することにより、自装置を利用しているユーザを特定することが挙げられる。ここで、特徴情報としては、顔画像の特徴点を示す情報、指紋の情報などが挙げられる。
【0026】
なお、本発明に係る上記表示装置は、コンピュータによって実現してもよい。この場合、コンピュータを上記表示装置として動作させることにより、上記表示装置をコンピュータにおいて実現するプログラム、および、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明に係る表示装置は、自装置を利用しているユーザが特定され、表示されるべき映像のジャンル情報が取得され、特定されたユーザと、取得されたジャンル情報とに対応する設定値が、記録部の対応情報から取得され、取得された設定値で画質調整部が上記映像の画質を調整するので、自装置を利用しているユーザの好みに合った画質で映像を表示できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態1に係る表示装置が備える主制御部の構成を示す図である。
【図2】上記表示装置の主制御部における、画質及びユーザの設定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】上記表示装置の表示部に表示されるユーザ登録画面の一例を示す図である。
【図4】上記表示装置の記録部に記録された対応テーブルの一例を示す図である。
【図5】上記表示装置の記録部に記録された対応テーブルの他の例を示す図である。
【図6】上記主制御部における、ユーザ特定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】かんたん設定において、各ユーザがジャンル毎に選択したサンプル画像の画像情報を平均した値の一例を示す図である。
【図8】かんたん設定において、各ユーザがジャンル毎に選択したサンプル画像のうち、最も多く選択されているサンプル画像の一例を示した図である。
【図9】プロ設定において、各ユーザがジャンル毎に設定した画質調整値のうち、ジャンル情報がスポーツの画質調整値を平均した値の一例を示す図である。
【図10】プロ設定において、各ユーザがスポーツに設定した画質調整値のうち、最も多く設定されている設定値の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態2に係る表示装置が備える主制御部の構成を示す図である。
【図12】上記表示装置が備える主制御部における、ユーザ特定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態3に係る表示装置が備える主制御部の構成を示す図である。
【図14】上記表示装置が備える主制御部における、ユーザ特定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態4に係る表示装置が備える主制御部の構成を示す図である。
【図16】上記表示装置が備える主制御部における、画質調整値の反映に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態1>
本発明に係る一実施形態について、図1から図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0030】
〔表示装置の構成〕
まず、本実施形態に係る表示装置10の構成、及び、表示装置10が備える主制御部100の構成について、図1を参照して以下に説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置10が備える主制御部100の構成を示す図である。
【0031】
図1に示すように、表示装置10は、リモコン受光部20(受付部)、記録部21、画質調整部22(画質調整手段)、表示部23、及び、主制御部100を備えている。また、主制御部100は、指示取得部110、画質設定部120(画質設定手段)、ユーザ特定部130(ユーザ特定手段)、ジャンル取得部140(ジャンル取得手段)、及び、画質調整指示部150(調整指示手段)を備えている。また、表示装置10は、リモートコントローラ(リモコン)30からのリモコン信号を受信可能に構成されている。
【0032】
リモコン受光部20は、リモコン30からのリモコン信号を、赤外線等の光で受信する。リモコン受光部20は、受信したリモコン信号を、主制御部100に通知する。
【0033】
記録部21は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記録部21の例としては、主制御部100が動作するときに必要なプログラム等の固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、演算に使用するデータ及び演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリとしてのRAM(Random Access Memory)とが挙げられる。また、記録部21は、画質調整値、及び、ユーザ情報を記憶する。ここで、画質調整値とは、映像のジャンル毎に画質を調整するための設定値であり、ユーザ情報とは、例えば、画質調整値を設定したユーザの識別情報など、ユーザに関する情報である。
【0034】
画質調整部22は、デジタル及びアナログ放送コンテンツ、DVD、BD、及びHDDなどに記録されているコンテンツ、ネットワークを介して取得したコンテンツなどの映像信号を表示部23に供給する。また、画質調整部22は、主制御部100から取得した画質調整値に基づいて映像信号の画質を調整し、調整した調整済映像信号を表示部23に供給する。
【0035】
表示部23は、画質調整部22からの映像信号に基づいて映像を表示する。具体的には、表示部23は、LCD、EL(Electroluminescence)ディスプレイ、PDP(Plasma Display Panel)などの表示素子と、受信した映像信号に基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とを備える構成である。なお、映像には、絵や図形の他、文字も含まれ、また、静止画および動画も含まれる。
【0036】
主制御部100は、表示装置10内の各種構成を統括的に制御するものである。主制御部100の機能は、例えばRAMやフラッシュメモリなどの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。主制御部100が備える指示取得部110、画質設定部120、ユーザ特定部130、ジャンル取得部140、及び、画質調整指示部150について、以下に説明する。
【0037】
指示取得部110は、リモコン30の操作によるユーザからの指示(リモコン信号)を、リモコン受光部20から取得する。指示取得部110は、取得したリモコン信号に応じて、画質設定部120、ユーザ特定部130、及び、画質調整指示部150に通知する。具体的には、指示取得部110は、取得したリモコン信号が画質調整値の設定に関する信号である場合、画質設定部120にリモコン信号を通知し、ユーザ登録に関する信号である場合、画質設定部120にリモコン信号を通知し、ユーザの特定に関する信号である場合、ユーザ特定部130にリモコン信号を通知する。画質調製値の設定に関する信号、ユーザ登録に関する信号、及び、ユーザの特定に関する信号としては、例えば、画質調整値を設定する画面(画質設定画面)を表示する旨の信号(設定画面表示指示)、ユーザ名の登録を行う旨の信号(ユーザ名登録指示)、及び、登録されているユーザのうち、どのユーザであるかを選択する(ユーザ選択操作)旨の信号(ユーザ選択指示)などを、それぞれ挙げることができる。
【0038】
画質設定部120は、映像のジャンルに応じて、画質調整値の設定を行い、設定した画質調整値に関連付けてユーザ情報を登録する手段である。具体的には、画質設定部120は、設定画面表示指示を指示取得部110から取得すると、画質調整部22に、画質設定画面を表示するように通知する。また、画質設定部120は、取得した画質設定指示に従って画質調整値を設定する。画質設定部120は、設定した画質調整値をジャンル情報に関連付け、対応情報として記録部21に記録する。
【0039】
また、画質設定部120は、指示取得部110から取得した、ユーザ名を登録する画面(ユーザ登録画面)を表示する指示に基づいて、ユーザ登録画面を表示させる。画質設定部120は、指示取得部110から取得したユーザ名登録指示に基づいてユーザ名を取得し、取得したユーザ名をユーザ情報として上記対応情報に関連付けて記録部21に記録する。これにより、各ユーザは、表示装置10にてジャンル情報に応じた画質を設定することができる。
【0040】
ユーザ特定部130は、記録部21に登録されているユーザのうち、どのユーザが表示装置10を利用しているかを特定する手段である。具体的には、ユーザ特定部130は、指示取得部110から、記録部21に登録されているユーザのうち、どのユーザであるかをユーザ自身に選択させる選択画面(ユーザ選択画面)を表示する旨の信号(ユーザ選択画面表示指示)を取得すると、ユーザ選択画面を表示させる。ユーザ選択画面には、例えば、記録部21に記録されているユーザの一部又は全部が一覧になって表示される。また、ユーザ特定部130は、指示取得部110から取得したユーザ選択指示に従って、記録部21に登録されているユーザのうち、どのユーザが表示装置10を利用しているかを特定する。また、ユーザ特定部130は、特定したユーザのユーザ情報を画質調整指示部150に通知する。
【0041】
ジャンル取得部140は、ジャンル情報を取得する手段である。なお、ジャンル情報を取得する方法としては、映像信号がデジタル放送である場合、EPG(Electronic Program Guide)データに含まれるジャンル情報を取得する方法、また、映像信号の特徴からジャンル情報を取得する方法などが挙げられる。
【0042】
画質調整指示部150は、ユーザ特定部130によって特定されたユーザが設定している画質調整値のうち、ジャンル取得部140にて取得したジャンル情報について設定されている画質調整値を基に画質を調整するように画質調整部22に指示する手段である。具体的には、画質調整指示部150は、ユーザ特定部130から、表示装置10を利用しているユーザのユーザ情報を取得し、ジャンル取得部140から、表示すべき映像信号のジャンル情報を取得する。画質調整指示部150は、取得したユーザ情報に関連付けられている画質調整値のうち、ジャンル取得部140から取得したジャンル情報に対応する画質調整値を、記録部21の対応情報から読み出す。画質調整指示部150は、読み出した画質調整値を、画質調整部22に通知する。その結果、表示装置10を利用しているユーザの好みに合った画質で映像を表示することができる。
【0043】
〔制御部の動作〕
本実施形態に係る表示装置10が備える主制御部100の、画質及びユーザの設定に関する動作について、図2から図10を用いて以下に説明する。図2は、本実施形態に係る表示装置10が備える主制御部100の、画質及びユーザの設定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
(画質/ユーザ設定処理)
図2に示すように、画質調整値の設定を行うメニュー画面を表示するように通知を受けると、画質設定部120は、表示部23にかんたん設定を行うか否かを選択する選択画面を表示する(ステップS1)。かんたん設定を行うことが選択された場合(ステップS1においてYES)、ユーザによるか「かんたん設定」の操作を受け付ける(ステップS2)。
【0045】
ここで、「かんたん設定」とは、複数の画質情報(かんたん設定を行うために、予めサンプル画像に適応されている画質調整設値)に基づいて画質調整をしたサンプル画像を表示部23に表示し、複数のサンプル画像の中からユーザによって選択された1つの画像の画質情報に基づいて、画質調整値の設定を行う設定方法である。このようにサンプル画像を提示することで、ユーザは、好みの画像を直感的に選択することができる。
【0046】
より具体的には、本実施形態では、1つのジャンル毎に3枚のサンプル画像を提示し、3種類のジャンルについて行う。3種類のジャンルとは、「フィルム」、「ビデオ」、「スポーツ」である。「フィルム」とは、フィルム由来であることを示し、24Hzで撮影されたコンテンツを3:2プルダウン処理したコンテンツのジャンルである。「ビデオ」とは60Hzの通常放送に由来するコンテンツのジャンルである。「スポーツ」とは、EPGデータにより、スポーツのジャンル情報が関連付けられているコンテンツのジャンルである。サンプル画像は、それぞれ異なるパターンで調整されている。なお、ジャンル情報としては「ビデオ」、「フィルム」、「スポーツ」の3種類に限定されるものではなく、「ニュース/報道」、「情報/ワイドショー」、「バラエティ」、「映画」等の様々なジャンルを識別できるように構成してもよい。
【0047】
3種類のサンプル画像は、パターン1〜パターン3まで、色飽和度、シャープネス及びガンマが調整されており、このパターン1〜パターン3で処理された3枚のサンプル画像が、ジャンル毎に表示される。画質設定部120は、表示された3種類のサンプル画像のうちジャンル毎に1枚ずつ選択された、3枚の画像情報をそれぞれジャンル情報と関連付けて記録部21に記録する。
【0048】
なお、ここで説明する例において、パターン2は標準的な画質調整を行うメーカ推奨のパターンであり、パターン1はいわゆる「あっさり」な画質調整を行うパターンであり、パターン3はいわゆる「こってり」な画質調整を行うパターンである。「あっさり」であるとは、例えば、色飽和度でいえば色調が穏やかであることを意味し、シャープネスでいえば輪郭がより曖昧であり穏やかな画調であることを意味し、ガンマでいえば直線であるか又はS字特性がより弱いことを意味する。また、「こってり」であるとは、例えば、色飽和度でいえば色がより鮮やかであることを意味し、シャープネスでいえば輪郭がより強調されることを意味し(0が初期値であり+の値が大きいほどシャープネスが強くなる)、ガンマで言えば、S字特性がより強いことを意味する。
【0049】
また、以上の説明では、かんたん設定を行う際に、サンプル画像を提示する形態について説明したが、サンプル画像の代わりに、「色飽和度を、(1)あっさり、(2)普通、(3)こってりのどれにしますか」といった説明文を表示してもよい。このように、かんたん設定時には、候補の画質情報で調整した画像又は説明文を表示すればよい。
【0050】
かんたん設定を行わないことが選択された場合(ステップS1においてNO)、ユーザによる「プロ設定」の操作を受け付ける(ステップS3)。ここで、「プロ設定」とは、ユーザの好みに応じて、ユーザ自身によってかんたん設定よりもさらに細かい画質調整値の設定を行う設定方法である。つまり、画質に対してより詳しい知識を持ったユーザ向けの設定である。
【0051】
プロ設定の対象のジャンルを選択すると、画質のパラメータを調整する画面に、輝度レベル、黒レベル、色濃さ、色合い、シャープネスを調整するための調整バーが表示され、ユーザはリモコンを介して、各パラメータを調整する指示を送る。画質設定部120は、設定された各パラメータの値(画質調整値)をそれぞれジャンル情報と関連付けて記録部21に記録する。なお、本実施形態では画質を調整するパラメータとして、輝度レベル、黒レベル、色濃さ、色合い、及び、シャープネスを例に説明したが、これらに限定されるものではない。なお、本実施形態では、かんたん設定を行わない場合にプロ設定を行う構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、かんたん設定を行った後に、さらにプロ設定を行う構成を採用してもよい。
【0052】
かんたん設定(ステップS2)を行った後、又は、プロ設定(ステップS3)を行った後、ユーザ登録の操作を受け付ける(ステップS4)。図3に、本実施形態におけるユーザ登録画面の一例を示す。図3に示すように、画質設定部120は、リモコン30の操作による、ユーザ名の入力を受け付ける。ユーザ名は、例えば、お父さん、お母さん、子供1、子供2などが挙げられるが、これに限定されるものではない。画質設定部120は、入力されたユーザ名を、ステップS2、及びステップS3において記録されたジャンル毎の画質調整値と関連づけて記録部21に記録する。なお、画質設定部120がユーザ名の入力を受け付ける構成について示したが、これに限定されるものではなく、予め設定されているユーザ名を選択する構成としてもよい。
【0053】
図4に、かんたん設定によってユーザ毎に設定された画像情報の一例の図を示す。図4に示すように、記録部21には、ステップS4で設定されたユーザが記録されており、ユーザそれぞれに関連付けられてステップS2で設定された3種類のジャンルのそれぞれに対する3枚のサンプル画像のうち1枚が記録されている。
【0054】
また、図5に、プロ設定によって、ユーザ毎に設定された画質調整値の一例の図を示す。図5に示すように、記録部21には、ステップS4で設定されたユーザが記録されており、ユーザそれぞれに関連付けられてステップS3で設定された3種類のジャンルのそれぞれに対する画質調整値が記録されている。
【0055】
(ユーザ特定処理)
本実施形態に係る表示装置10が備える主制御部100の、ユーザ特定の処理に関する動作について、図6を用いて以下に説明する。図6は、本実施形態に係る表示装置10が備える主制御部100の、ユーザ特定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
図6に示すように、ユーザ選択画面表示指示を取得すると、ユーザ特定部130は、表示部23に、ユーザ選択画面を表示する(ステップS11)。ユーザ選択画面には、例えば、画質調整値を設定しているユーザのユーザ名を一覧にして表示してもよいし、図3に示すような画面を表示してもよい。なお、ユーザ設定画面に表示される内容は、これに限定されるものではない。
【0057】
ユーザ選択画面を表示すると、ユーザ特定部130は、表示されたユーザ名の中から、表示装置10を利用しているユーザのユーザ名を選択したユーザ選択信号を取得する(ステップS12)。
【0058】
ユーザ選択信号を取得すると、画質調整指示部150は、ユーザ特定部130から選択されたユーザのユーザ名を取得し、取得したユーザ名に関連付けて記録されている画質調整値を記録部21から読み出す。画質調整指示部150は、読み出した画質調整値のうち、ジャンル取得部140から取得したジャンル情報に対して設定されている画質調整値に基づいて、表示装置10に入力される映像信号を調整するように画質調整部22に通知する(ステップS13)。
【0059】
(複数ユーザが視聴する場合)
番組を視るユーザが一人の場合を例に挙げて説明したが、複数のユーザが同時に番組を視る場合も想定される。例えば、同時に番組を視るユーザが、お父さん、お母さん、及び、子供1である場合について、図7〜図10を参照して以下に説明する。
【0060】
図7は、かんたん設定において、各ユーザがジャンル毎に選択したサンプル画像の画像情報を平均した値の一例を示す図である。図7の(a)は、かんたん設定において、各ユーザがジャンル毎に選択したサンプル画像に設定された重みを示す図であり、図7の(b)は、各ユーザがジャンル毎に選択した画像の重みを平均した平均値を示す図であり、図7の(c)は、平均値が整数にならなかった場合の画質調整値の設定を示す図である。
【0061】
複数のユーザが番組を視ている場合、複数のユーザがそれぞれ設定した画質調整値を平均することによって、各ジャンルの画質調整値を決定する。図7の(a)に示すように、各ユーザがかんたん設定にて選択した画像には、それぞれ重みが設定されている。例えば、画像1には1.0、画像2には2.0、画像3には3.0の重みが設定されている。また、お父さんは、スポーツの画質調整値を設定するサンプル画像のうち画像3を、ビデオでは画像1を、フィルムでは画像1を選択している。お母さんは、スポーツでは画像3、ビデオでは画像2、フィルムでは画像3を選択しており、子供1は、スポーツでは画像3、ビデオでは画像2、フィルムでは画像2を選択している。
【0062】
図7の(b)に示すように、複数のユーザが同時に番組を視る場合には、かんたん設定にて各ユーザが選択した画像の重みを、ジャンル毎に平均して、画質調整値を決定する。3種類のジャンルのうちスポーツに関するサンプル画像は、3人のユーザによって画像3が選択されているため、画像の重みを平均した値は3.0になる。すなわち、お父さん、お母さん、子供1が、ジャンル情報がスポーツである番組を同時に視る場合には、画像3の画質情報に基づいて画質調整が行われる。
【0063】
また、ジャンル情報がフィルムであるサンプル画像は、お父さんによって画像1、お母さんによって画像2、子供1によって画像2が選択されているため、画像の重みを平均した値は2.0になる。すなわち、お父さん、お母さん、子供1が、ジャンル情報がフィルムである番組を同時に視る場合には、画像2の画質情報に基づいて画質調整が行われる。
【0064】
また、ジャンル情報がビデオであるサンプル画像は、お父さんによって画像1、お母さんによって画像3、子供1によって画像2が選択されているため、画像の重みを平均した値は約1.6になる。重みが1.6に設定されているサンプル画像は存在しないため、図7の(c)に示すように、お父さん、お母さん、子供1が、ジャンル情報がビデオである番組を同時に視る場合には、画像1の画質情報と画像2の画質情報との設定値の間で、画像1の画質情報から約60パーセント、画像2の画質情報に近づけた値に基づいて画質調整値が設定される。
【0065】
なお、複数のユーザが番組を視ている場合、複数のユーザがそれぞれ設定した画質調整値を平均することによって、各ジャンルの画質調整値を決定したが、これに限定されるものではなく、複数のユーザが設定した画質調整値のうち、最も多く設定されている画質調整値を各ジャンルの画質調整値としてもよい。
【0066】
図8は、かんたん設定の一例において、各ユーザがジャンル毎に選択したサンプル画像のうち、最も多く選択されているサンプル画像を選択した図である。図8の(a)は、かんたん設定において、各ユーザがジャンル毎に選択したサンプル画像を示す図であり、図8の(b)は、最も多く設定されているサンプル画像を選択した図である。
【0067】
図8の(a)に示すように、お父さんは、スポーツの画質調整値を設定するサンプル画像のうち画像3を、ビデオでは画像1を、フィルムでは画像1を選択している。また、お母さんは、スポーツでは画像3、ビデオでは画像2、フィルムでは画像3を選択し、子供1は、スポーツでは画像3、ビデオでは画像2、フィルムでは画像2を選択している。
【0068】
図8の(b)に示すように、複数のユーザが同時に番組を視る場合には、かんたん設定にて各ユーザが選択した画像のうち、最も多く選択された画像を、ジャンル毎の画像として、画質調整値を決定する。3種類のジャンルのうちスポーツに関するサンプル画像は、3人のユーザによって画像3が選択されているため、最も多く選択されている画像は画像3になる。すなわち、お父さん、お母さん、子供1が、ジャンル情報がスポーツである番組を同時に視る場合には、画像3の画質情報に基づいて画質調整が行われる。
【0069】
また、ジャンル情報がフィルムであるサンプル画像は、お父さんによって画像1、お母さんによって画像2、子供1によって画像2が選択されているため、最も多く選択されている画像は画像2になる。すなわち、お父さん、お母さん、子供1が、ジャンル情報がフィルムである番組を同時に視る場合には、画像2の画質情報に基づいて画質調整が行われる。
【0070】
また、ジャンル情報がビデオであるサンプル画像は、お父さんによって画像1、お母さんによって画像3、子供1によって画像2が選択されているため、どの画像も等しい回数だけ選択されている。この場合、メーカ推奨画像の画像2が、同時に番組を視ているユーザが選択した画像の中で最も多く選択されている画像として選択されることになる。なお、どの画像も等しく選択されている場合、メーカ推奨の画像を選択する構成を示したが、これに限定されるものではなく、画像毎に設定された重みに基づき、重みの大きい画像を選択する構成を採用してもよい。
【0071】
また、図9は、プロ設定において、各ユーザがジャンル毎に設定した画質調整値のうち、ジャンル情報がスポーツである場合の画質調整値を平均した値の一例を示す図である。図9の(a)は、プロ設定において、各ユーザがスポーツに設定した画質調整値を示す図であり、図9の(b)は、各ユーザがジャンル毎に設定した画質調整値を平均した平均値を示す図である。
【0072】
図9の(a)に示すように、各ユーザによって、ジャンル情報がスポーツであるジャンル情報に対して画質調整値が設定されている。例えば、お父さんが設定した画質調整値は、輝度レベルが+33、黒レベルが+1、色濃さが+13、色合いが0、シャープネスが+4であり、お母さんが設定した画質調整値は、輝度レベルが+29、黒レベルが0、色濃さが+8、色合いが0、シャープネスが+2であり、子供1が設定した画質調整値は、輝度レベルが+30、黒レベルが0、色濃さが+10、色合いが0、シャープネスが+4である。
【0073】
図9の(b)に示すように、複数のユーザが同時に番組を視る場合には、プロ設定にて各ユーザが設定した画質調整値をジャンル毎に平均することによって、画質調整値を決定する。例えば、輝度レベルの平均値は、お父さんによって+33、お母さんによって+29、子供1によって+30に設定されているため、+31になる。黒レベルの平均値は、お父さんによって+1、お母さんによって0、子供1によって0に設定されているため、0になる。色濃さの平均値は、お父さんによって+13、お母さんによって+8、子供1によって+10に設定されているため、+10になる。色合いの平均値は、お父さん、お母さん、子供1共に0に設定されているため、0になる。シャープネスの平均値は、お父さんによって+4、お母さんによって+2、子供1によって+4に設定されているため、+3になる。なお、平均値が整数にならなかった場合、小数点以下を四捨五入することで画質調整値を設定したが、これに限定されるものではなく、例えば、小数点以下を切り捨てることで画質調整値を設定してもよい。
【0074】
なお、複数のユーザが番組を視ている場合、複数のユーザがそれぞれプロ設定にて設定した画質調整値を平均することによって、各ジャンルの画質調整値を決定したが、これに限定されるものではなく、複数のユーザが設定した画質調整値のうち、最も多く設定されている画質調整値を各ジャンルの画質調整値としてもよい。
【0075】
図10は、プロ設定において、各ユーザがスポーツに設定した画質調整値のうち、最も多く設定されている設定値の一例を示す図である。図10の(a)は、プロ設定において、各ユーザがスポーツに設定した画質調整値を示す図であり、図10の(b)は、各ユーザがジャンル毎に設定した画質調整値のうち、最も多く設定されている設定値を示す図である。
【0076】
図10に示すように、複数のユーザが同時に番組を視る場合には、プロ設定にて各ユーザが設定した画質調整値を、最も多く設定されている設定値によって画質調整値を決定する。図10の(a)に示すように、メーカ推奨の画質調整値は、例えば、輝度レベルが+30、黒レベルが0、色濃さが+8、色合いが0、シャープネスが+4に設定されている。
【0077】
図10の(b)の輝度レベル、及び、色濃さに示すように、各ユーザの設定値がそれぞれ違う場合、メーカ推奨値が採用され、輝度レベルは+30、色濃さは+8に設定される。黒レベルは、お母さん及び子供1が0に設定しているため、0に設定される。色合いは、全てのユーザが0に設定しているため、0に設定される。シャープネスは、お父さん及び子供1が+4に設定しているため、+4に設定される。
【0078】
なお、本実施形態では、複数のユーザが同時に番組を視ている場合、複数のユーザがそれぞれ設定した画質調整値を平均する構成、及び、複数のユーザによって最も多く設定されている画質調整値を各ジャンルの画質調整値として採用する構成について示したが、これに限定されるものではない。例えば、優先度をユーザ情報として、ユーザ名と関連付けて記録部21に記録し、同時に番組を視ているユーザのうち、最も優先度の高いユーザ情報が関連づけられているユーザの画質調整値を基に画質調整を行う構成としてもよい。
【0079】
なお、同時に番組を視るユーザが複数居る場合に複数のユーザ全員を特定する方法としては、図6に示すユーザ特定の処理をユーザ全員について行えばよい。
【0080】
<実施形態2>
本発明の他の実施形態について、図11及び図12を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1に係る構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、主に、実施形態1との相違点について説明する。
【0081】
〔表示装置の構成〕
まず、本実施形態に係る表示装置11、及び、表示装置11が備える主制御部101の構成について、図11を参照して以下に説明する。図11は、本実施形態に係る表示装置11が備える主制御部101の構成を示す図である。
【0082】
図11に示すように、表示装置11は、リモコン受光部20、記録部21、画質調整部22、表示部23、カメラ25、及び、主制御部101を備えている。また、主制御部101は、画質設定部121、ユーザ特定部131、ジャンル取得部140、画質調整指示部150、及び、顔抽出部161(特徴取得手段)を備えている。また、表示装置11は、リモートコントローラ(リモコン)30からの信号を取得可能に構成されている。
【0083】
カメラ25は、表示装置11に設けられており、表示装置11を視ている人物を特定するために、表示装置11の正面を撮影するものである。カメラ25は、撮影画像情報を主制御部101の顔抽出部161に通知する。なお、カメラ25には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラを用いればよいが、これに限定されるものではない。
【0084】
顔抽出部161は、カメラ25から撮影画像情報を受信し、受信した撮影画像情報から、顔の特徴点を抽出するものである。顔抽出部161は、抽出した顔の特徴点の情報を、ユーザ顔情報として、画質設定部121およびユーザ特定部131に通知する。なお、顔の特徴点を抽出する方法は公知であるので、その説明を省略する。
【0085】
画質設定部121は、映像のジャンルに応じて、画質調整値の設定を行い、設定した画質調整値に関連付けてユーザ情報を登録する手段である。具体的には、画質設定部121は、設定画面表示指示を指示取得部110から取得すると、画質調整部22に、画質設定画面を表示するように通知する。また、画質設定部121は、取得した画質設定指示に従って画質調整値を設定する。画質設定部121は、設定した画質調整値をジャンル情報に関連付け、対応情報として記録部21に記録する。
【0086】
また、画質設定部121は、指示取得部110から取得した、ユーザ名を登録する画面(ユーザ登録画面)を表示する指示に基づいて、ユーザ登録画面を表示させる。画質設定部121は、指示取得部110から取得したユーザ名登録指示に基づいてユーザ名を取得する。また、画質設定部121は、顔抽出部161からのユーザ顔情報を取得する。取得したユーザ名、及び、ユーザ顔情報をユーザ情報として上記対応情報に関連付けて記録部21に記録する。
【0087】
ユーザ特定部131は、記録部21に登録されているユーザのうち、どのユーザが表示装置11を利用しているかを特定する手段である。具体的には、ユーザ特定部131は、顔抽出部161からのユーザ顔情報を取得し、取得したユーザ顔情報と、記録部21に登録されているユーザ顔情報とを照合する。なお、この照合方法は公知であるので、その説明を省略する。照合した結果、記録部21に登録されているユーザ顔情報の何れかと、顔抽出部161から取得したユーザ顔情報との一致率が予め定められた値よりも高い(一致率が高い)場合、一致率が高いユーザ顔情報を含むユーザ情報を記録部21から読み出す。ユーザ特定部131は、読み出したユーザ情報を画質調整指示部150に通知する。
【0088】
なお、ユーザ特定部131は、読み出した画質調整値を、画質調整指示部150に通知すると共に、一致したユーザ顔情報に関連付けられているユーザ名を記録部21から読み出し、読み出したユーザ名を表示部23に表示するようにしてもよい。
【0089】
〔制御部の動作〕
本実施形態に係る表示装置11が備える主制御部101の動作について以下に説明する。
【0090】
(画質/ユーザ設定処理)
まず、本実施形態に係る表示装置11が備える主制御部101の、画質及びユーザの設定処理に関する動作について説明する。
【0091】
画質設定部121は、かんたん設定又はプロ設定を受け付けた後、ユーザ登録の操作を受け付ける。さらに、画質設定部121は、顔抽出部161から通知されるユーザ顔情報を取得する。画質設定部121は、入力されたユーザ名及びユーザ顔情報をユーザ情報として、かんたん設定又はプロ設定において設定されたジャンル毎の画質調整値と関連づけて記録部21に記録する。
【0092】
(ユーザ特定処理)
本実施形態に係る表示装置11が備える主制御部101の、ユーザ特定の処理に関する動作について、図12を用いて以下に説明する。図12は、本実施形態に係る表示装置11が備える主制御部101の、ユーザの特定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0093】
図12に示すように、表示装置11が番組を表示することが可能である状態(ON状態)になった場合、又は、表示装置11がON状態であるときにカメラ25にて、表示装置11を利用しているユーザが特定された場合、ユーザ特定部131は、顔抽出部161から供給されるユーザ顔情報を基に、すでに登録されている全てのユーザ情報の中から、一致するユーザ顔情報を含むユーザ情報を特定する(ステップS21)。
【0094】
表示装置11を利用しているユーザを特定すると、ユーザ特定部131は、表示部23に、特定されたユーザが設定している画質調整値を反映するか否かを問い合わせるダイアログを表示する。表示されるダイアログには、例えば「お好み画質設定のユーザ設定を反映しますか」というメッセージと共に、「はい」「いいえ」という選択肢が表示される。ユーザ特定部131は、リモコン30の操作によって「はい」「いいえ」の選択肢を選択することによるユーザからの指示に従って、特定されたユーザが設定している画質調整を反映するか否かを決定する(ステップS22)。なお、ダイアログに表示されるメッセージ及び選択肢は、これに限定されるものではない。画質調整値を反映しない旨の指示を取得した場合(ステップS22においてNO)、この動作を終了する。
【0095】
特定されたユーザが設定している画質調整値を反映する旨の指示を取得した場合(ステップS22においてYES)、画質調整指示部150は、特定されたユーザの画質調整値を記録部21から読み出し、読み出した画質調整値に基づいて画質を調整する旨を画質調整部22に通知する。画質調整部22は、通知された画質調整値のうち、ジャンル取得部140から取得したジャンル情報に対して設定されている画質調整値に基づいて、表示装置11に入力される映像信号を調整し、表示部23に表示する(ステップS23)。
【0096】
この構成によって、ユーザが自ら、記録部21に記録されているユーザのうちどのユーザが表示装置11を利用しているのかを選択する手間を省くことができ、かつ、ユーザの好みの画質で映像信号を表示することができる。
【0097】
なお、表示装置11を利用しているユーザが複数の場合には、ステップS21によって全てのユーザを特定した後に、ステップS22にて画質調整値を反映するか否かを問い合わせるダイアログを表示すればよい。番組を視ているユーザが複数の場合における画質調整値の設定の動作は、実施形態1に示した動作と同様である。
【0098】
なお、本実施形態では、ユーザ名及びユーザ顔情報をユーザ情報として、画質調整値に関連付けて記録する構成を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、ユーザ名を記録することなく、ユーザ顔情報と画質調整値を関連付けて記録する構成を採用してもよい。
【0099】
<実施形態3>
本発明の他の実施形態について、図13から図15を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1に係る構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、主に、実施形態1との相違点について説明する。
【0100】
〔表示装置の構成〕
まず、本実施形態に係る表示装置12、及び、表示装置12が備える主制御部102の構成について、図13を参照して以下に説明する。図13は、本実施形態に係る表示装置12が備える主制御部102の構成を示す図である。
【0101】
図13に示すように、表示装置12は、リモコン受光部20、記録部21、画質調整部22、表示部23、及び、主制御部102を備えている。また、主制御部102は、指示取得部110(特徴取得手段)、画質設定部122、ユーザ特定部132、ジャンル取得部140、及び、画質調整指示部150を備えている。また、表示装置12は、リモートコントローラ(リモコン)32からの信号を取得可能に構成されている。
【0102】
リモコン32は、ユーザによる操作信号をリモコン受光部20に赤外線などの光で通知する。また、リモコン32には、指紋センサ321が備えられている。リモコン32は、備えられている指紋センサ321によって、ユーザの指紋を読み取る。リモコン32は、指紋センサ321によって読み取ったユーザの指紋データ(ユーザ指紋情報)をリモコン受光部20に赤外線などの光で供給する。リモコン受光部20に供給されたユーザ指紋データは、指示取得部110を介して、画質設定部122およびユーザ特定部132に供給される。
【0103】
画質設定部122は、映像のジャンルに応じて、画質調整値の設定を行い、設定した画質調整値に関連付けてユーザ情報を登録する手段である。具体的には、画質設定部122は、設定画面表示指示を指示取得部110から取得すると、画質調整部22に、画質設定画面を表示するように通知する。また、画質設定部122は、取得した画質設定指示に従って画質調整値を設定する。画質設定部122は、設定した画質調整値をジャンル情報に関連付け、対応情報として記録部21に記録する。
【0104】
また、画質設定部122は、指示取得部110から取得した、ユーザ名を登録する画面(ユーザ登録画面)を表示する指示に基づいて、ユーザ登録画面を表示させる。画質設定部122は、指示取得部110から取得したユーザ名登録指示に基づいてユーザ名を取得する。さらに、画質設定部122は、指示取得部110からのユーザ指紋情報を取得する。取得したユーザ名、及び、ユーザ指紋情報をユーザ情報として上記対応情報に関連付けて記録部21に記録する。
【0105】
ユーザ特定部132は、記録部21に登録されているユーザのうち、どのユーザが表示装置12を利用しているかを特定する手段である。具体的には、ユーザ特定部132は、指示取得部110からのユーザ指紋情報を取得すると、取得したユーザ指紋情報と記録部21に登録されているユーザ指紋情報とを照合する。照合した結果、記録部21に登録されているユーザ指紋情報の何れかと指紋センサ321から取得したユーザ指紋情報との一致率が予め定められた値よりも高い場合、一致率が高いユーザ指紋情報を含むユーザ情報を記録部21から読み出す。ユーザ特定部132は、読み出したユーザ情報を画質調整指示部150に通知する。
【0106】
なお、本実施形態では、指紋センサ321がリモコン32に設けられている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、指紋センサが表示装置12に備えられている構成を採用してもよく、また、指紋センサをリモコン32や表示装置12とは異なる機器として新たに設ける構成を採用してもよい。
【0107】
〔制御部の動作〕
本実施形態に係る表示装置12が備える主制御部102の動作について以下に説明する。まず、本実施形態に係る表示装置12が備える主制御部102の、画質及びユーザの設定処理に関する動作について説明する。
【0108】
画質設定部122は、かんたん設定又はプロ設定を受け付けた後、ユーザ登録の操作を受け付ける。さらに、画質設定部122は、指紋センサ321からのユーザ指紋情報の通知を取得する。画質設定部122は、入力されたユーザ名及びユーザ指紋情報を、かんたん設定、又はプロ設定において設定されたジャンル毎の画質調整値と関連づけて記録部21に記録する。
【0109】
次に、本実施形態に係る表示装置12が備える主制御部102の、ユーザ特定の処理に関する動作について、図14を用いて説明する。図14は、本実施形態に係る表示装置12が備える主制御部102の、ユーザ特定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0110】
図14に示すように、ユーザ選択画面表示指示を取得すると、ユーザ特定部132は、表示部23に、ユーザ選択画面を表示し、さらに、ユーザの指紋を指紋センサ321にて読み取らせる旨のダイアログを表示する(ステップS31)。表示されるダイアログには、例えば、「指紋センサに指を置いてください」という内容のメッセージが表示される。なお、表示されるダイアログのメッセージは、これに限定されるものではない。
【0111】
ダイアログ表示後、ユーザ特定部は、指紋センサ321からのユーザ指紋情報を基に、すでに登録されているユーザの中から一致率の高いユーザ指紋情報を特定する(ステップS32)。ユーザが特定されると、ユーザ特定部は、ユーザが全員特定されたか否かを判定する(ステップS33)。判定方法としては、例えば、ユーザが全員選択された場合に、リモコン30からの、ユーザ全員が特定された旨の通知を取得すればよいが、これに限定されるものではない。全員が特定されていない場合(ステップS33においてNO)、ユーザ特定部132は、特定されていないユーザを特定する。複数のユーザが同時に番組を視る場合、全員が特定される(ステップS33においてYES)まで、ステップS32の動作が繰り返される。
【0112】
全員が特定された場合(ステップS33においてYES)、画質調整指示部150は、特定されたユーザ指紋情報を含むユーザ情報に関連付けられている画質調整値を記録部21から読み出し、読み出した画質調整値を画質調整部22に通知する。画質調整部22は、通知された画質調整値に基づいて映像信号を調整し、表示部23に表示する(ステップS34)。
【0113】
なお、表示装置12を利用しているユーザが複数の場合における画質調整値の設定の動作は、実施形態1に示した動作と同様である。
【0114】
なお、本実施形態では、指紋によってユーザの特定を行う構成を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、体脂肪率センサを用いて、体脂肪率によってユーザの特定を行う構成を採用してもよい。
【0115】
なお、本実施形態では、ユーザ名およびユーザ指紋情報をユーザ情報として、画質調整値に関連付けて記録する構成を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、ユーザ名を記録することなく、ユーザ指紋情報と画質調整値を関連付けて記録する構成を採用してもよい。
【0116】
<実施形態4>
本発明の他の実施形態について、図15から図16を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1に係る構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、主に、実施形態1との相違点について説明する。
【0117】
〔表示装置の構成〕
まず、本実施形態に係る表示装置13、及び、表示装置13が備える主制御部103の構成について、図15を参照して以下に説明する。図15は、本実施形態に係る表示装置13が備える主制御部103の構成を示す図である。
【0118】
図15に示すように、表示装置13は、リモコン受光部20、記録部21、画質調整部22、表示部23、外部入出力部26(通信部)、及び、主制御部103を備えている。また、主制御部103は、指示取得部113、画質設定部123、ユーザ特定部133、ジャンル取得部140、画質調整指示部150、及び、外部設定取得部173(外部設定取得手段)を備えている。また、表示装置13は、通信ネットワークを介して外部記録装置40(外部の通信装置)に接続可能に構成されている。なお、以下では、実施形態1においてすでに説明した部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0119】
外部入出力部26は、主制御部103からの通知に基づいて、外部記録装置40に記録されている画質調整値を取得する。外部入出力部26は、外部記録装置40から取得した画質調整値を主制御部103に供給する。また、外部入出力部26は、主制御部103から、記録部21に記録されている画質調整値を取得する。外部入出力部26は、外部設定取得部173から取得した画質調整値を外部記録装置40に記録する。
【0120】
指示取得部113は、リモコン受光部20から、リモコン30の操作において行なわれるユーザからの指示を示すリモコン信号を取得する。指示取得部110は、取得したリモコン信号を、指示の内容に基づいて、画質設定部123、ユーザ特定部133、又は、外部設定取得部173のいずれかに通知する。取得したリモコン信号が画像設定及びユーザ設定に関する信号である場合、画質設定部120に取得したリモコン信号を通知し、取得したリモコン信号がユーザの選択に関する信号である場合、取得したリモコン信号をユーザ特定部130に通知する。また、取得したリモコン信号が、通信ネットワークを介して接続された外部記録装置40に関する信号である場合、取得したリモコン信号を外部設定取得部173に通知する。
【0121】
外部設定取得部173は、外部記録装置40に記録されている画質調整値を取得する手段である。また、記録部21に記録されている画質調整値を外部記録装置40に供給する手段である。具体的には、指示取得部113から、外部記録装置40に記録されている画質調整値を取得する旨の指示を取得すると、外部設定取得部173は、外部入出力部26に、外部記録装置40に記録されている画質調整値を取得する旨を通知する。外部入出力部26から、外部記録装置40に記録されている画質調整値を取得すると、外部設定取得部173は、画質設定部123に取得した画質調整値を供給する。また、指示取得部113から、記録部21に記録されている画質調整値を外部記録装置40に記録する旨の指示を取得すると、外部設定取得部173は、記録部21に記録されている画質調整値を読み出し、外部入出力部26に供給する。
【0122】
画質設定部123は、映像のジャンルに応じて、画質調整値の設定を行い、設定した画質調整値に関連付けてユーザ情報を登録する手段である。具体的には、画質設定部123は、設定画面表示指示を指示取得部113から取得すると、画質調整部22に、画質設定画面を表示するように通知する。また、画質設定部123は、外部記録装置40に記録されている画質調整値を外部設定取得部173から取得する。また、画質設定部123は、ユーザ名として、外部記録装置40から取得した画質調整値であることを示すユーザ名の設定を受け付ける。画質設定部123は、外部記録装置40から取得した画質調整値、ジャンル情報、及びユーザ名を互いに関連付けて、記録部21に記録する。なお、本実施形態では、記録するユーザ名を、外部記録装置40から取得した画質調整値であることを示すユーザ名とする構成を示したが、これに限定されるものではなく、他の実施形態同様に、表示装置13を利用するユーザのユーザ名とする構成を採用してもよい。
【0123】
ユーザ特定部133は、記録部21に登録されているユーザのうち、どのユーザが表示装置13を利用しているかを特定する手段である。具体的には、ユーザ特定部133は、指示取得部110から、ユーザ選択画面表示指示を取得すると、ユーザ選択画面を表示させる。ユーザ選択画面には、例えば、記録部21に記録されているユーザの一部又は全部と共に、外部記録装置40から取得した画質調整値であることを示すユーザ名が一覧になって表示される。また、ユーザ特定部130は、指示取得部110から取得したユーザ選択指示に従って、記録部21に登録されているユーザのうち、どのユーザが表示装置10を利用しているかを特定する。また、ユーザ特定部130は、特定したユーザのユーザ情報を画質調整指示部150に通知する。
【0124】
外部記録装置40は、通信ネットワークを介して多数の表示装置と接続されており、各表示装置において設定されている画質調整値が記録されている装置である。外部記録装置40としては、例えば、サーバを挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、外部記録装置40にはさらに、各表示装置において設定されている画質調整値を平均した画質調整値の平均値、及び、最も多く設定されている設定値によって決定した画質調整値が記録されている。これによって、ユーザは、通信ネットワークを介してこれらの画質調整値を取得することができ、他のユーザに人気のある画質調整値によって調整された画像を視ることができる。なお、画質調整値の平均値、及び、最も多く設定されている設定値によって決定する画質調整値の設定動作は、実施形態1の動作と同様である。
【0125】
〔制御部の動作〕
本実施形態に係る表示装置13が備える主制御部103の、画質及びユーザの設定処理に関する動作について、以下に説明する。
【0126】
(画質/ユーザ設定処理)
画質設定部123は、指示取得部113から、外部記録装置40に記録されている画質調整値を取得する旨の指示を取得すると、外部記録装置40から画質調整値を取得し、記録部21に記録する。画質調整値を記録した後、指示取得部113から、外部記録装置40から取得した画質調整値であることを示すユーザ名を登録する指示を取得すると、画質設定部123は、外部記録装置40から取得した画質調整値であることを示すユーザ名をユーザ情報として、外部記録装置40から取得した画質調整値と関連づけて記録部21に記録する。
【0127】
(画質調整値反映処理)
本実施形態に係る表示装置13が備える主制御部103の、画質調整値の反映処理に関する動作について、図16を用いて以下に説明する。図16は、本実施形態に係る表示装置13が備える主制御部103の、ユーザ特定に関する処理の流れを示すフローチャートである。
【0128】
ユーザ特定部133は、リモコン30から、外部記録装置40から取得した画質調整値に基づいて画質を調整する旨の指示を取得すると、記録部21に記録されている、外部記録装置40から取得した画質調整値を読み出す(ステップS41)。記録部21から画質調整値を読み出すと、画質調整指示部150は、読み出した画質調整値を画質調整部22に通知する。画質調整部22は、通知された画質調整値に基づいて、映像信号を調整し、表示部23に表示する(ステップS42)。
【0129】
この構成によって、通信ネットワークを介して様々なユーザの設定値を記録したサーバなどの外部記録装置40から、ジャンル情報に応じて最も多く採用されている画質調整値、様々なユーザが設定している画質調整値の平均値を取得することができる。これによって、最も人気のある画質設定で表示装置13を利用することができる。
【0130】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0131】
最後に、表示装置10〜13の各ブロック、特に主制御部100〜103は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0132】
すなわち、表示装置10〜13は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである表示装置10〜13の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記表示装置10〜13に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0133】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0134】
また、表示装置10〜13を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、テレビジョン受像機や、テレビを視聴可能とした携帯機器、例えば、携帯電話、カーナビゲーションシステム、携帯ゲーム端末などに、好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0136】
10〜13 表示装置
20 リモコン受光部(受付部)
21 記録部
22 画質調整部
23 表示部
25 カメラ
26 外部入出力部(通信部)
30・32 リモコン
40 外部記録装置(外部の通信装置)
100〜103 主制御部
110・113 指示取得部(特徴取得手段)
120〜123 画質設定部(設定手段)
130〜133 ユーザ特定部(ユーザ特定手段)
140 ジャンル取得部(ジャンル取得手段)
150 画質調整指示部(調整指示手段)
161 顔抽出部(特徴取得手段)
173 外部設定取得部(外部設定取得手段)
321 指紋センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示部を備える表示装置であって、
上記映像の画質を調整し、調整された映像を上記表示部に表示する画質調整部と、
上記映像のジャンルを示すジャンル情報と、上記画質調整部が上記画質を調整するための設定値との対応情報を、ユーザ毎に予め記録する記録部と、
自装置を利用しているユーザを特定するユーザ特定手段と、
上記表示部が表示すべき映像の上記ジャンル情報を取得するジャンル取得手段と、
上記ユーザ特定手段が特定したユーザと、上記ジャンル取得手段が取得したジャンル情報とに対応する上記設定値を、上記記録部の対応情報から取得し、取得した設定値で上記画質を調整するように上記画質調整部に指示する調整指示手段とを備えていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記ユーザから情報の入力を受け付ける受付部と、
上記ユーザから上記受付部を介しての指示により、上記対応情報の作成及び更新を行って、上記記録部に記録する設定手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記記録部は、或るジャンルの映像であって、異なる上記設定値で上記画質がそれぞれ調整された複数の調整済映像を、上記ジャンル情報および上記設定値と対応付けて上記記録部に記録しており、
上記設定手段は、上記記録部に記録された上記複数の調整済映像を表示するように上記表示部を制御し、上記ユーザから上記受付部を介しての指示に基づき、上記複数の調整済映像の中から選択し、選択した上記調整済映像に対応する上記ジャンル情報および上記設定値を、上記ユーザ特定手段が特定したユーザの対応情報として上記記録部に記録することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
通信ネットワークを介して外部の通信装置と通信するための通信部をさらに備えており、
上記設定手段は、上記外部の通信装置から上記通信部を介して取得した対応情報を利用して、上記対応情報の作成及び更新を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
上記記録部は、優先度をユーザ毎に記録しており、
上記調整指示手段は、上記ユーザ特定手段が特定したユーザが複数である場合、該複数のユーザのうち、上記優先度の高いユーザと、上記ジャンル取得手段が取得したジャンル情報とに対応する上記設定値で上記画質を調整するように上記画質調整部を指示することを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
上記調整指示手段は、上記ユーザ特定手段が特定したユーザが複数である場合、該複数のユーザと、上記ジャンル取得手段が取得したジャンル情報とに対応する複数の上記設定値を、上記記録部の対応情報から取得し、取得した複数の設定値の最頻値で上記画質を調整するように上記画質調整部を指示することを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
上記調整指示手段は、上記ユーザ特定手段が特定したユーザが複数である場合、該複数のユーザと、上記ジャンル取得手段が取得したジャンル情報とに対応する複数の上記設定値を、上記記録部の対応情報から取得し、取得した複数の設定値の平均値で上記画質を調整するように上記画質調整部を指示することを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
上記記録部は、ユーザを特徴付ける特徴情報をユーザ毎に記録しており、
自装置を利用しているユーザの上記特徴情報を取得する特徴取得手段をさらに備えており、
上記ユーザ特定手段は、上記特徴取得手段が取得した特徴情報と、上記記録部に記録された特徴情報とを照合することにより、自装置を利用しているユーザを特定することを特徴とする請求項1から7までの何れか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
映像を表示する表示部と、上記映像の画質を調整し、調整された映像を上記表示部に表示する画質調整部とを備える表示装置の制御方法であって、
自装置を利用しているユーザを特定するユーザ特定ステップと、
上記表示部が表示すべき映像のジャンルを示すジャンル情報を取得するジャンル取得ステップと、
上記ジャンル情報と、上記画質調整部が上記画質を調整するための設定値との対応情報がユーザ毎に記録された記録部を参照して、上記ユーザ特定ステップにて特定されたユーザと、上記ジャンル取得ステップにて取得されたジャンル情報とに対応する上記設定値を取得し、取得された設定値で上記画質を調整するように上記画質調整部に指示する調整指示ステップと、
を含むことを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項10】
請求項1から8までの何れか1項に記載の表示装置を動作させるためのプログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−166314(P2011−166314A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24756(P2010−24756)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】