表示装置及びその制御方法
【課題】透明ディスプレイに表示された画像の識別困難領域を識別可能にすることのできる技術を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置は、表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置であって、入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出手段と、前記識別困難領域検出手段で検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換手段と、を有することを特徴とする。
【解決手段】本発明の表示装置は、表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置であって、入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出手段と、前記識別困難領域検出手段で検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換手段と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイが特許文献1などで提案されている。具体的には、特許文献1には、ガラス基板などの透明部材の上に透明電極を配置し、ディスプレイの表示内容の視認と、ディスプレイの裏側に存在する物体の視認との両方を可能とするディスプレイが開示されている。
一方、画像の視認を容易にする技術として、文字の輪郭線を背景画像の色の補色にする技術や、画像内の特定色領域を検出し、特定色領域に対する画像処理を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−263140号公報
【特許文献2】特開2007−193091号公報
【特許文献3】特開2010−152518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なディスプレイ(背面への光を透過しない非透明ディスプレイ)に表示することを前提に作られた画像を、透明ディスプレイに表示する場合、透明度が高く識別困難な領域(以下、識別困難領域とする)が生じることがある。しかしながら、上述した従来技術(画像の視認を容易にする技術)を用いて、上記識別困難領域を識別可能にすることは困難である(識別可能にできないことがある)。例えば、特許文献2に開示の技術を用いて、識別困難領域の輪郭線を背景画像の色の補色にしたとしても、当該補色が識別困難な色である場合には、識別困難領域を識別可能にすることはできない。
【0005】
そこで、本発明は、透明ディスプレイに表示された画像の識別困難領域を識別可能にすることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示装置は、
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置であって、
入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出手段と、
前記識別困難領域検出手段で検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換手段と、
を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の表示装置の制御方法は、
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置の制御方法であって、
入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出ステップと、
前記識別困難領域検出ステップで検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部
分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、透明ディスプレイに表示された画像の識別困難領域を識別可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係る表示装置の概略構成を表すブロック図
【図2】実施例1に係る表示装置の処理の流れの一例を示すフローチャート
【図3】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図4】表示限界透明度と画素値の関係の一例を表す模式図
【図5】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図6】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図7】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図8】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図9】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図10】実施例2に係る表示装置の概略構成を表すブロック図
【図11】実施例2に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図12】実施例3に係る表示装置の概略構成を表すブロック図
【図13】実施例3に係る表示装置の処理の流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の表示装置及びその制御方法の具体的な実施例について説明する。本実施例に係る表示装置は、表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する。透明ディスプレイは、例えば、自発光型のディスプレイ(有機ELディスプレイなど)において、各構成部材(電極や基板など)として光を透過する透明な材料を用いることで実現できる。
【0011】
<実施例1>
まず、本発明の実施例1に係る表示装置及び制御方法について説明する。
本実施例に係る表示装置は、インターネット経由で画像(画像データ)を取得し、該画像の画素毎に、その画素が識別困難であるか否かを判定する。本実施例では、画像データは、既存の一般的なディスプレイ(背面への光を透過しない非透明ディスプレイ)に表示することを前提に作成された画像データであり、RGB表色系で表現された静止画データとする。なお、画像データの取得方法、データ形式は、上述した方法や形式に限らない。例えば、画像データは、パーソナルコンピュータ、ハードディスクレコーダ、ブルーレイレコーダ、メモリーカードなどから取得されてもよい。また、画像データは動画像データであってもよい。画像データが動画像データの場合には、フレーム単位で後述する処理を行えばよい。
【0012】
図1は、実施例1に係る表示装置の概略構成を表すブロック図である。表示装置100は、画像データ受信部101、識別困難領域検出部102、境界画像処理部103、記憶部104、表示部105を備える。
【0013】
画像データ受信部101は、ネットワーク経由で画像(画像データ)を受信する。画像データ受信部101は、入力された画像を、識別困難領域検出部102に出力する。
【0014】
識別困難領域検出部102は、入力された画像から、透明度が所定の閾値(第1の閾値)より大きい領域を、識別困難領域として検出する。そして、識別困難領域検出部102
は、入力された画像と上記検出結果(識別困難領域検出結果)を境界画像処理部103に出力する。本実施例では、第1の閾値は、透明ディスプレイが表示可能(ユーザが視認可能)な透明度の最大値(表示限界透明度)であり、予め記憶部104に格納されているものとする。
なお、第1の閾値は、表示限界透明度に限らない。例えば、第1の閾値は、表示限界透明度より低い値であってもよい。表示限界透明度は、透明ディスプレイが有する各構成部材の透明度などに基づいて決定される。
【0015】
境界画像処理部103は、識別困難領域検出部102から入力された識別困難領域検出結果を用いて、入力された画像に対して画像処理を施す。そして、境界画像処理部103は、画像処理が施された画像を表示部105へ出力する。具体的には、境界画像処理部103は、識別困難領域検出部102で検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、第1の閾値(表示限界透明度)以下の透明度の画素値に変換する。
【0016】
表示部105は透明ディスプレイである。表示部105は、例えば、境界画像処理部103で画像処理が施された画像を表示する。なお、表示部105(透明ディスプレイ)は、表示装置100とは別体の装置であってもよい。
【0017】
本実施例に係る表示装置100の処理の流れの一例を図2のフローチャートを用いて説明する。具体的には、表示装置100が画像を受信し、受信した画像に画像処理を施して表示するまでの処理の流れの一例を説明する。
まず、画像データ受信部101が画像を受信する(ステップS201)。
次に、識別困難領域検出部102は、記憶部104に格納された表示限界透明度を取得する(ステップS202)。
そして、識別困難領域検出部102は、ステップS202で取得された表示限界透明度を用いて、ステップS201で受信された画像から識別困難領域を検出する(ステップS203)。識別困難領域の検出方法の具体例は後述する。
次に、境界画像処理部103は、ステップS203での処理の結果(識別困難領域の検出結果)から、識別困難領域の有無を判定する(ステップS204)。
識別困難領域が存在する場合は、ステップS205へ処理が進められる。ステップS205では、境界画像処理部103は、ステップS201で受信された画像に対し、識別困難領域とその周囲の境界部分の画素値を、第1の閾値以下(表示限界透明度以下)の透明度の画素値に変換する画像処理を施す(境界部画像処理)。上記画像処理の具体例は後述する。そして、ステップS206へ処理が進められる。
識別困難領域が存在しない場合には、ステップS206へ処理が進められる(境界画像処理部103は、ステップS201で受信された画像を、上記画像処理を施さずに表示部105へ出力する)。
ステップS206では、表示部105が、入力された画像を表示する。
【0018】
図3(A)に、ステップS201で受信された画像の一例を示す。
図3(A)の画像は、背景、四角形の物体、円形の物体を含む1920×1080のFullHD画像である。
本実施例では、画像の最も左上の画素の位置座標を(0,0)とする(即ち、画像の最も右下の画素の位置座標は(1919,1079)となる)。
また、本実施例では、R値、G値、B値は、それぞれ、0〜255の整数であるものとする。そして、上記背景、四角形の物体、円形の物体は、それぞれ単色であるものとする。具体的には、背景の画素値はR=0、G=200、B=200であり、四角形の物体の画素値はR=20、G=20、B=20であり、円形の物体の画素値はR=0、G=0、B=0であるものとする。
なお、各画素値、RGB表色系で表されていなくてもよい。色や輝度を判断することが
できればどのような値であってもよい。例えば、YCbCr表色系の値であってもよい。また、各要素の値は、0〜255の整数に限らない。各要素の値は、例えば、小数値を含んでいてもよい。
【0019】
識別困難領域検出部102による識別困難領域の検出方法について説明する。
まず、識別困難領域検出部102は、表示限界透明度を取得する。本実施例では、透明度t[%]を0から100までの整数値で表し、表示限界透明度をT[%](0≦T≦100)とする。
図4に、表示限界透明度と画素値(R値、G値、B値)の関係を表す模式図を示す。透明度t[%]は、画素値に対して一意的に決まる。本実施例では、R値、G値、B値のうち最大値をもとに透明度t[%]が決まるものとする。そして、図4で示した点P5,P6,P7,P8で囲まれた面上の点、点P3,P4,P8,P7で囲まれた面上の点、及び、点P2,P6,P7,P3で囲まれた面上の点が、表示限界透明度Tを持つ画素値とされる。
【0020】
その後、識別困難領域検出部102は、画像の画素値(R値、G値、B値)を画素毎に検出する。そして、識別困難領域検出部102は、画像から、上述した3つの面(表示限界透明度Tの画素値のみを含む3つの面)で囲まれた範囲内の値を有する画素からなる領域を、識別困難領域として検出する。本実施例では、図4に示すように、R値、G値、B値が、それぞれ、0以上96未満の画素を、識別困難領域の画素とした。図5(A)に、図3(A)のY=540(Yは画素の垂直方向の位置座標)の画素ラインにおける、識別困難領域の検出結果を示す。図5(A)の横軸は画素の水平方向の位置座標Xであり、縦軸は透明度t[%]である。透明度t[%]の算出方法は後述する。
【0021】
なお、識別困難領域の検出方法は上述した方法に限らない。透明ディスプレイにおいて識別困難となる領域が特定できる方法であれば、どのような方法で識別困難領域を検出してもよい。識別困難領域の検出方法の他の例については、実施例3で説明する。
なお、本実施例では、表示限界透明度T[%]が記憶部104に格納されており、その値は固定としているが、表示限界透明度T[%]は変更可能であってもよい。例えば、表示限界透明度T[%]は、ユーザによって設定された値であってもよい。また、透明ディスプレイを構成するデバイスの経年劣化などによって表示限界透明度T[%]が変化することが考えられる。そこで、表示デバイスの透明度を定期的に検出し、その検出結果を用いて表示限界透明度T[%]を算出、更新してもよい。
【0022】
境界画像処理部103による画像処理の方法について説明する。
図5(B)に、図3(A)のY=540の画素ラインに対する境界画像処理部103の画像処理の結果の一例を示す。
本実施例では、境界画像処理部103は、識別困難領域とその周囲の領域との境界から識別困難領域側へ所定画素数分(1画素分、または、複数画素分)の領域を境界部分とし、境界部分の画素値を、最小の透明度の画素値に変換する。また、本実施例では、上記境界部分以外の領域の透明度(画素値)は変更しない。
それにより、上記境界部分が視認可能となり、識別困難領域が識別可能となる。具体的には、図3(B)に示すように、四角い物体と丸い物体の輪郭が視認可能となり、四角い物体と丸い物体の領域が識別困難領域として識別可能となる(四角い物体と丸い物体の存在が感知可能となる)。図3(B)は、図3(A)の画像に対して境界画像処理部103の処理を適用した結果を示す図である。
【0023】
なお、本実施例では、境界部分の画素値が最小の透明度の画素値となるように変換される、即ち境界部分の透明度が0[%]に変換されるが、変換後の透明度は0[%](最小値)に限らない。変換後の透明度は、表示限界透明度T[%]以下であればよい。そのよ
うな構成とすれば、境界部分が視認可能となるため、識別困難領域が識別可能となる。
また、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値が、該周囲の領域の透明度以下の透明度の画素値に変換されることが好ましい。そのような構成とすれば、識別困難領域の周囲の領域よりも、それら領域間の境界部分の視認性を高めることができるため、識別困難領域がより容易に識別可能となる。
また、識別困難領域とその周囲の領域路の境界部分の画素値が、該周囲の領域の色と異なる色の画素値に変換されることが好ましい。境界部分の色が周囲の領域の色と異なれば、境界部分の視認性をより高めることができるため、識別困難領域がより容易に識別可能となる。例えば、境界部分の透明度(変換後の透明度)と周囲の領域の透明度が一致している場合に、同じ色であれば境界部分を識別することができないが、色を異ならせることにより境界部分が識別可能となり、その結果、識別困難領域が識別可能となる。
また、識別困難領域とその周囲の領域路の境界部分の画素値が、該周囲の領域の輝度と異なる輝度の画素値に変換されることが好ましい。境界部分の輝度が周囲の領域の輝度と異なれば、境界部分の視認性をより高めることができるため、識別困難領域がより容易に識別可能となる。
【0024】
図6を用いて、識別困難領域検出部102と境界画像処理部103の処理の具体例を説明する。
図6(A)は、入力された画像(処理前の画像)の一部を示す。図6(A)の画像は、領域A(R=64、G=0、B=0)と領域B(R=0、G=160、B=0)を有する。本実施例では、図4の関係に基づいて識別困難領域が検出される。具体的には、以下の式1により各画素の透明度t[%]が算出される。式1のMAX_RGBは、画素値であるR値、G値、B値のうちの最大値である。そして、透明度t[%]が表示限界透明度T[%](100−(96/255)×100=62.4[%])より高い領域が識別困難領域として検出される。図6(A)の例では、領域Aの透明度は74.9[%]、領域Bの透明度は37.3[%]となり、領域Aが識別困難領域として検出される。
透明度t[%]=100−(MAX_RGB/255)×100 ・・・(式1)
【0025】
なお、透明度の算出式は式1に限らない。透明度は、識別困難領域を検出するための基準となる数値であればどのように算出されてもよい。例えば、R値、G値、B値のそれぞれを重み付けし、R値、G値、B値のすべてを用いて得られる値を透明度としてもよい。本実施例において、透明度の値が小さいほど背面への外光を透過する、つまりディスプレイの裏側(背景)からの光がディスプレイを透過するとする。また、自発光型の透明ディスプレイでは、素子が発光していない領域の透明度が最も高い(輝度の低い領域で輝度の高い領域よりも透明度が高くなる)。そこで、輝度値(R値、G値、B値から算出される輝度値、または、MAX_RGB)の逆数を透明度としてもよい。
【0026】
識別困難領域が検出された後、図5(B)のように識別困難領域とその周囲の領域との境界から識別困難領域側へ所定画素数分の領域を境界部分として、境界部分の画素値が、最小の透明度の画素値に変換される。具体的には、領域Aの領域Bと接している画素の値が透明度0[%]の値(R=255、G=0、B=0)とされる。その結果、透明度74.9[%]の領域Aを、透明度0[%]の画素が囲むため、領域Aが識別可能となる(図6(B))。
【0027】
なお、図6(B)の例では、領域Aの領域Bに隣接する1画素分の幅の領域を境界部分としたが、境界部分はこれに限らない。境界部分の幅は複数画素分であってもよい。また、境界部分の幅は変更可能であってもよい。例えば、画像のサイズや、透明ディスプレイの画面のサイズによって、境界部分の幅が決定されてもよい。具体的には、画像のサイズ
や透明ディスプレイの画面のサイズが大きい場合に、小さい場合よりも境界部分の幅が広くされてもよい。
【0028】
また、識別困難領域とその周囲の領域との境界から周囲の領域側へ所定画素数分の領域を境界部分としてもよい。そのように境界部分を定義した場合には、図6(C)に示すように、領域Bの領域Aと接している画素の値が透明度0[%]の値(R=0、G=255、B=0)とされる。その結果、透明度74.9[%]の領域Aを、透明度0[%]の画素が囲むため、領域Aが識別可能となる。
また、識別困難領域とその周囲の領域との境界から識別困難領域と周囲の領域の両側へ所定画素数分の領域を境界部分としてもよい。そのように境界部分を定義した場合には、図6(D)に示すように、領域Aの領域Bと接している画素および領域Bの領域Aと接している画素の値が透明度0[%]の値(R=255、G=0、B=0)とされる。その結果、透明度74.9[%]の領域Aを、透明度0[%]の画素が囲むため、領域Aが識別可能となる。
また、上述したように、境界部分の色を更に変更してもよい。図6(E)の例は、境界部分の画素値が、図6(B)に示すように透明度0[%]の値(R=255、G=0、B=0)とされた後、領域A,Bと異なる色の画素値(R=0、G=0、B=255)に変換された場合を示す。このとき、色変換後の透明度は0[%]である(即ち、透明度を0[%]に維持しながら色が変換される)。図6(E)の例では、領域Aが、領域A,Bと異なる色の境界部分に囲まれているため、図6(B)の場合よりも領域Aを容易に識別することができる。なお、上述したように、輝度を変更することによっても、識別困難領域をより容易に識別可能とすることができる。
【0029】
以上述べたように、本実施例によれば、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値が、視認可能な透明度の画素値に変換される。それにより、透明ディスプレイに表示された画像の識別困難領域を識別可能にすることができる。
【0030】
なお、本実施例では、境界部分の画素値のみを変換するものとしたが、更に識別困難領域の画素値を変換してもよい。例えば、識別困難領域の画素値を、表示限界透明度T[%]の画素値に変換してもよい。即ち、図7に示すように、識別困難領域の透明度を表示限界透明度T[%]に変換してもよい。それにより、識別困難領域の視認性を向上させることができる。なお、図7の例では、識別困難領域の透明度が表示限界透明度T[%]に変換されているが、変換後の透明度は表示限界透明度T[%]に限らない。即ち、変換後の画素値は、表示限界透明度T[%]の画素値に限らない。変換後の透明度は、変換前の透明度より低い透明度の画素値であって、変換後の境界部分の透明度と異なる透明度の画素値であればよい。例えば、識別困難領域の画素値は、その周囲(境界部分の外側)の領域の透明度と同じ透明度の画素値に変換されてもよい。それにより、識別困難領域の視認性を向上させることができる。更に、識別困難領域の輪郭を該領域と異なる透明度の画素値で囲むことができ、識別困難領域をより容易に識別可能とすることができる。
【0031】
なお、図8(A)に示すような画像が入力されることがある。図8(A)の画像は、図3(A)と同様に、背景(R=0、G=200、B=200)、四角形の物体(R=20、G=20、B=20)、円形の物体(R=0、G=0、B=0)を含む。但し、図8(A)の画像では、四角形の物体と円形の物体は互いに重なりあっている。
このような画像に対して、上述した方法で識別困難領域を検出すると、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をあわせた1つの領域が識別困難領域として検出されてしまう。その結果、図8(B)に示すように、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をあわせた1つの領域の輪郭が視認可能となるように画素値の変換が行われてしまう。このような変換を行っても、四角形の物体の領域と円形の物体の領域の境界を識別可能とすること、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をそれぞれ個別に識別可能とすることはできない。
【0032】
そこで、識別困難領域検出部102は、透明度が第1の閾値より大きい領域が、互いに隣接する領域間の透明度の差が第2の閾値以上である複数の領域に分割可能な場合には、該複数の領域のそれぞれを別の識別困難領域として検出することが好ましい。第1の閾値は、上述したように、例えば表示限界透明度である。第2の閾値は、例えば、5[%]、10[%]、20[%]などである。第2の閾値はメーカにより決められていてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。ここでは、第2の閾値が5[%]であるものとする。
一般に、重なり合っている複数の物体の透明度は互いに異なるため、上述した構成とすることにより、該複数の物体のそれぞれを識別困難領域とすることができる。
図9(A)に、図8(A)のY=540の画素ラインにおける識別困難領域の検出結果を示す。図9(A)に示すように、四角形の物体の領域と円形の物体の領域とでは透明度の差が7.8[%]であるため、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をそれぞれ識別困難領域とすることができる。
そして、上述したように画素値を変換することにより、図8(C)、図9(B)に示すように、透明度が第1の閾値より大きい領域の輪郭部分だけでなく、該領域内の第2の閾値以上の透明度の段差部分も視認可能となる。即ち、四角形の物体の領域と円形の物体の領域の境界も視認可能(識別可能)となる。その結果、四角形の物体の輪郭と円形の物体の輪郭を視認可能とすることができ、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をそれぞれ個別に識別可能とすることができる。
【0033】
<実施例2>
以下、本発明の実施例2に係る表示装置及びその制御方法について説明する。なお、本実施例の説明において、実施例1と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0034】
図10は、本発明の実施例2に係る表示装置の概略構成を表すブロック図である。表示装置1200は、図1における画像データ受信部101、識別困難領域検出部102、境界画像処理部103、記憶部104、表示部105に加え、処理画素数決定部1201を備える。
識別困難領域検出部102は、入力された画像と識別困難領域検出結果を処理画素数決定部1201へ出力する。
処理画素数決定部1201は、識別困難領域検出部102から入力された画像データと識別困難領域検出結果、及び、記憶部104から取得した表示限界透明度を用いて、境界部分の幅(画素数)を決定する。そして、処理画素数決定部1201は、入力された画像データ、上記決定結果(境界部分の幅を表す処理画素数情報)、識別困難領域検出結果を境界画像処理部103へ出力する。
【0035】
処理画素数決定部1201による境界部分の幅の決定方法について説明する。
図11に、図5(A)の識別困難領域に対する、境界部分の幅の決定結果の一例を示す。本実施例では、式2を用いて境界部分の幅に相当する画素数を算出する。
境界部分の幅
=(識別困難領域の透明度t/表示限界透明度T)×識別困難領域の画素数×係数k
ただし、k<T/t
・・・(式2)
その結果、識別困難領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合よりも境界部分の幅が広くされる。一般に、透明度が高い領域の方が、透明度が低い場合よりも識別が困難である。領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合より
も境界部分の幅を広くすることにより、識別がより困難な領域を識別可能とすることができる。
また、識別困難領域のサイズが大きい場合に、識別困難領域のサイズが小さい場合よりも境界部分の幅が広くされる。サイズが大きい識別困難領域に対して境界部分の幅を狭くすると、境界部分を視認可能としても識別困難領域を識別可能とすることができない虞がある。本実施例では、サイズが大きい識別困難領域に対して境界部分の幅が広くされるため、そのような識別困難領域をより確実に識別可能とすることができる。
また、全ての識別困難領域に対して境界部分の幅を広くしてしまうと、画像内の境界部分の面積が増してしまい、画像が見難くなってしまう虞がある。本実施例では透明度の低い識別困難領域やサイズの小さい識別困難領域に対しては境界部分の幅は狭くされるため、画像が見難くなることを抑制することができる。
【0036】
以上述べたように、本実施例によれば、境界部分の幅を変更することにより、識別困難領域をより容易に識別可能とすることができる。
【0037】
なお、境界部分の幅の決定方法は、上述した方法に限らない。境界部分の幅を算出するための式は式2に限らない。式2を用いた場合、透明度が高いほど、識別困難領域のサイズが大きいほど境界部分の幅が広くされるが、境界部分の幅に上限値や下限値が設定されていてもよい。例えば、透明度や識別困難領域のサイズが所定の値以上の場合に、境界部分の幅が一定(上限値)とされてもよい。透明度や識別困難領域のサイズが所定の値未満の場合に、境界部分の幅が一定(下限値)とされてもよい。識別困難領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合よりも境界部分の幅が広くされ、識別困難領域のサイズが大きい場合に、識別困難領域のサイズが小さい場合よりも境界部分の幅が広くされれば、どのように決定されてもよい。
また、識別困難領域のサイズを考慮せず、識別困難領域の透明度のみを考慮してもよい。識別困難領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合よりも境界部分の幅が広くされれば、上述した効果が得られる。
また、識別困難領域の透明度を考慮せず、識別困難領域のサイズのみを考慮してもよい。識別困難領域のサイズが大きい場合に、識別困難領域のサイズが小さい場合よりも境界部分の幅が広くされれば、上述した効果が得られる。
【0038】
また、識別困難領域の色がその周囲の領域の色と近い場合に、識別困難領域の色がその周囲の領域の色と離れている場合よりも境界部分の幅が広くされてもよい。識別困難領域の輝度がその周囲の領域の輝度と近い場合に、識別困難領域の輝度がその周囲の領域の輝度と離れている場合よりも境界部分の幅が広くされてもよい。周囲の領域と色や輝度が近い識別困難領域に対して境界部分の幅を狭くすると、境界部分を視認可能としても識別困難領域を識別可能とすることができない虞がある。周囲の領域と色や輝度が近い識別困難領域に対して境界部分の幅を広くすることにより、そのような識別困難領域をより確実に識別可能とすることができる。
【0039】
<実施例3>
以下、本発明の実施例3に係る表示装置及び制御方法について説明する。
本実施例に係る表示装置は、インターネット経由で画像(画像データ)を取得し、該画像データのオブジェクト毎に、そのオブジェクトが識別困難であるか否かを判定する。
なお、本実施例の説明において、実施例1と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0040】
図12は、本発明の実施例3に係る表示装置の概略構成を表すブロック図である。表示装置1400は、図1における画像データ受信部101、識別困難領域検出部102、境界画像処理部103、記憶部104、表示部105に加え、オブジェクト検出部1401
を備える。
画像データ受信部101は、ネットワーク経由で画像(画像データ)を受信し、受信した画像データをファイル形式で記憶部104に格納する。
【0041】
オブジェクト検出部1401は、入力された画像(画像データ受信部101で受信された画像)からオブジェクトを検出する。具体的には、オブジェクト検出部1401は、記憶部104から画像データとオブジェクトテンプレートを取得する。次に、オブジェクト検出部1401は、記憶部104から取得したオブジェクトテンプレートを用いて、画像データ内のオブジェクトを検出する。最後に、オブジェクト検出部1401は、入力された画像データと上記検出結果(オブジェクト検出結果)を識別困難領域検出部102へ出力する。
オブジェクトの検出方法や判断方法は既存の技術で実現可能である。例えば、オブジェクトが文字である場合は、記憶部104からオブジェクトテンプレートとして文字テンプレートを取得し、文字テンプレートを用いたパターンマッチングを行うことにより、オブジェクト(文字)を検出することができる。この場合、オブジェクト検出結果は、オブジェクトの位置座標、オブジェクトのサイズ、オブジェクトとマッチングした文字テンプレートを含む情報となる。なお、オブジェクトを検出することができれば、その検出方法は限定されない。
【0042】
識別困難領域検出部102は、検出されたオブジェクトのうち、オブジェクトの領域に対する、該領域に含まれる透明度が第1の閾値より大きい領域の割合が所定の割合より大きいオブジェクトの領域を、識別困難領域として検出する。本実施例では、第1の閾値は表示限界透明度Tであるものとする。また、所定の割合は、メーカによって予め設定されていてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。所定の割合は、例えば、30[%]、50[%]、80[%]などである。
具体的には、識別困難領域検出部102は、記憶部104に格納された表示限界透明度を用いて、オブジェクト検出部1401で検出されたオブジェクトから、表示限界透明度より透明度が大きい画素(識別困難画素)を検出する。そして、識別困難領域検出部102は、オブジェクトの領域の画素数に対する上記検出した画素の数(識別困難画素数)の割合を識別困難度として算出する。
識別困難度=(オブジェクト内の識別困難画素数/オブジェクト内の全画素数)×100
・・・(式3)
そして、識別困難領域検出部102は、上記算出された識別困難度を、記憶部104に格納された識別困難領域判定閾値(上記所定の割合)と比較する。そして、識別困難領域検出部102は、検出されたオブジェクトのうち、識別困難度が識別困難領域判定閾値より大きいオブジェクトの領域を識別困難領域として検出する。
【0043】
なお、オブジェクトは、文字、又は、GUIなどで用いられるグラフィック画像(アイコンなど)であることが好ましい。例えば、オブジェクト検出部1401が、文字、又は、グラフィック画像のみをオブジェクトとして検出してもよい。識別困難領域検出部102が、検出されたオブジェクトのうち、識別困難度が識別困難領域判定閾値より大きい文字、又は、グラフィック画像の領域を識別困難領域の候補としてもよい。識別困難領域検出部102は、例えば、オブジェクト検出結果に含まれるオブジェクトテンプレートから、オブジェクトが文字又はグラフィック画像であるか否かを判断することができる。文字やグラフィック画像は、ユーザに視認してほしい情報である可能性が高い。そのため、それらをオブジェクトとして上記処理を行うことにより、ユーザに視認してほしい情報の領域を識別可能とすることができる。
【0044】
また、識別困難領域検出部102は、オブジェクト検出部1401で検出されたオブジェクトから自然画を除外することが好ましい。オブジェクトが自然画か否かは、例えば、オブジェクト検出結果に含まれるオブジェクトテンプレートから判断することができる。自然画は、輪郭に画像処理を施してしまうと、画像の持つ印象を損なう虞がある。オブジェクトから自然画を除外することにより、自然画の自然な描写を維持することができる。自然画は、例えば、人物や風景などを表すオブジェクトである。
【0045】
本実施例に係る表示装置1400の処理の流れの一例を図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、画像データ受信部101が画像を受信する(ステップS1501)。
次に、オブジェクト検出部1401は、記憶部104からオブジェクトテンプレートを取得し、取得したオブジェクトテンプレートを用いて、ステップS1501で受信された画像からオブジェクトを検出する(ステップS1502)。
そして、識別困難領域検出部102は、記憶部104に格納された表示限界透明度を取得する(ステップS1503)。
次に、識別困難領域検出部102は、ステップS1503で取得した表示限界透明度を用いて、ステップS1502で検出されたオブジェクト毎に、そのオブジェクト内の識別困難画素を検出する。そして、識別困難領域検出部102は、オブジェクト毎に、識別困難度を算出する。次に、識別困難領域検出部102は、記憶部104に格納された識別困難領域判定閾値を取得する。そして、識別困難領域検出部102は、オブジェクト毎に、識別困難度と識別困難領域判定閾値を比較し、識別困難度が識別困難領域判定閾値より大きいオブジェクトの領域を識別困難領域として検出する(ステップS1504)。
次に、境界画像処理部103は、ステップS1504での処理の結果(識別困難領域の検出結果)から、識別困難領域の有無を判定する(ステップS1505)。
識別困難領域が存在する場合は、境界画像処理部103は、ステップS1501で受信された画像に対し、識別困難領域とその周囲の境界部分の画素値を、表示限界透明度以下の透明度の画素値に変換する画像処理を施す(ステップS1506)。そして、ステップS1507へ処理が進められる。
識別困難領域が存在しない場合には、ステップS1507へ処理が進められる(境界画像処理部103は、ステップS1501で受信された画像を、上記画像処理を施さずに表示部105へ出力する)。
ステップS1507では、表示部105が、入力された画像を表示する。
【0046】
以上述べたように、本実施例によれば、オブジェクト単位で識別困難な領域を識別可能とすることができる。
例えば、図8(A)の画像が入力された場合に、図9(A)に示すように、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をそれぞれ識別困難領域として検出することができる。
その結果、図8(C)、図9(B)に示すように、各オブジェクト(四角形の物体、円形の物体)の輪郭を視認可能とすることができ、各オブジェクトをそれぞれ個別に識別可能とすることができる。
また、オブジェクトの領域の透明度が一様でない場合に、オブジェクトの領域内に視認可能な線(境界部分)を生成してしまうと、ユーザに違和感を与えてしまう虞がある。本実施例の構成によればオブジェクトの領域が識別困難領域とされるため、オブジェクトの領域内に視認可能な線(境界部分)が生成されることによってユーザに違和感を与えることはない。
【符号の説明】
【0047】
100 表示装置
102 識別困難領域検出部
103 境界画像処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイが特許文献1などで提案されている。具体的には、特許文献1には、ガラス基板などの透明部材の上に透明電極を配置し、ディスプレイの表示内容の視認と、ディスプレイの裏側に存在する物体の視認との両方を可能とするディスプレイが開示されている。
一方、画像の視認を容易にする技術として、文字の輪郭線を背景画像の色の補色にする技術や、画像内の特定色領域を検出し、特定色領域に対する画像処理を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−263140号公報
【特許文献2】特開2007−193091号公報
【特許文献3】特開2010−152518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なディスプレイ(背面への光を透過しない非透明ディスプレイ)に表示することを前提に作られた画像を、透明ディスプレイに表示する場合、透明度が高く識別困難な領域(以下、識別困難領域とする)が生じることがある。しかしながら、上述した従来技術(画像の視認を容易にする技術)を用いて、上記識別困難領域を識別可能にすることは困難である(識別可能にできないことがある)。例えば、特許文献2に開示の技術を用いて、識別困難領域の輪郭線を背景画像の色の補色にしたとしても、当該補色が識別困難な色である場合には、識別困難領域を識別可能にすることはできない。
【0005】
そこで、本発明は、透明ディスプレイに表示された画像の識別困難領域を識別可能にすることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示装置は、
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置であって、
入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出手段と、
前記識別困難領域検出手段で検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換手段と、
を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の表示装置の制御方法は、
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置の制御方法であって、
入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出ステップと、
前記識別困難領域検出ステップで検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部
分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、透明ディスプレイに表示された画像の識別困難領域を識別可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係る表示装置の概略構成を表すブロック図
【図2】実施例1に係る表示装置の処理の流れの一例を示すフローチャート
【図3】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図4】表示限界透明度と画素値の関係の一例を表す模式図
【図5】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図6】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図7】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図8】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図9】実施例1に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図10】実施例2に係る表示装置の概略構成を表すブロック図
【図11】実施例2に係る表示装置の処理の一例を示す図
【図12】実施例3に係る表示装置の概略構成を表すブロック図
【図13】実施例3に係る表示装置の処理の流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の表示装置及びその制御方法の具体的な実施例について説明する。本実施例に係る表示装置は、表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する。透明ディスプレイは、例えば、自発光型のディスプレイ(有機ELディスプレイなど)において、各構成部材(電極や基板など)として光を透過する透明な材料を用いることで実現できる。
【0011】
<実施例1>
まず、本発明の実施例1に係る表示装置及び制御方法について説明する。
本実施例に係る表示装置は、インターネット経由で画像(画像データ)を取得し、該画像の画素毎に、その画素が識別困難であるか否かを判定する。本実施例では、画像データは、既存の一般的なディスプレイ(背面への光を透過しない非透明ディスプレイ)に表示することを前提に作成された画像データであり、RGB表色系で表現された静止画データとする。なお、画像データの取得方法、データ形式は、上述した方法や形式に限らない。例えば、画像データは、パーソナルコンピュータ、ハードディスクレコーダ、ブルーレイレコーダ、メモリーカードなどから取得されてもよい。また、画像データは動画像データであってもよい。画像データが動画像データの場合には、フレーム単位で後述する処理を行えばよい。
【0012】
図1は、実施例1に係る表示装置の概略構成を表すブロック図である。表示装置100は、画像データ受信部101、識別困難領域検出部102、境界画像処理部103、記憶部104、表示部105を備える。
【0013】
画像データ受信部101は、ネットワーク経由で画像(画像データ)を受信する。画像データ受信部101は、入力された画像を、識別困難領域検出部102に出力する。
【0014】
識別困難領域検出部102は、入力された画像から、透明度が所定の閾値(第1の閾値)より大きい領域を、識別困難領域として検出する。そして、識別困難領域検出部102
は、入力された画像と上記検出結果(識別困難領域検出結果)を境界画像処理部103に出力する。本実施例では、第1の閾値は、透明ディスプレイが表示可能(ユーザが視認可能)な透明度の最大値(表示限界透明度)であり、予め記憶部104に格納されているものとする。
なお、第1の閾値は、表示限界透明度に限らない。例えば、第1の閾値は、表示限界透明度より低い値であってもよい。表示限界透明度は、透明ディスプレイが有する各構成部材の透明度などに基づいて決定される。
【0015】
境界画像処理部103は、識別困難領域検出部102から入力された識別困難領域検出結果を用いて、入力された画像に対して画像処理を施す。そして、境界画像処理部103は、画像処理が施された画像を表示部105へ出力する。具体的には、境界画像処理部103は、識別困難領域検出部102で検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、第1の閾値(表示限界透明度)以下の透明度の画素値に変換する。
【0016】
表示部105は透明ディスプレイである。表示部105は、例えば、境界画像処理部103で画像処理が施された画像を表示する。なお、表示部105(透明ディスプレイ)は、表示装置100とは別体の装置であってもよい。
【0017】
本実施例に係る表示装置100の処理の流れの一例を図2のフローチャートを用いて説明する。具体的には、表示装置100が画像を受信し、受信した画像に画像処理を施して表示するまでの処理の流れの一例を説明する。
まず、画像データ受信部101が画像を受信する(ステップS201)。
次に、識別困難領域検出部102は、記憶部104に格納された表示限界透明度を取得する(ステップS202)。
そして、識別困難領域検出部102は、ステップS202で取得された表示限界透明度を用いて、ステップS201で受信された画像から識別困難領域を検出する(ステップS203)。識別困難領域の検出方法の具体例は後述する。
次に、境界画像処理部103は、ステップS203での処理の結果(識別困難領域の検出結果)から、識別困難領域の有無を判定する(ステップS204)。
識別困難領域が存在する場合は、ステップS205へ処理が進められる。ステップS205では、境界画像処理部103は、ステップS201で受信された画像に対し、識別困難領域とその周囲の境界部分の画素値を、第1の閾値以下(表示限界透明度以下)の透明度の画素値に変換する画像処理を施す(境界部画像処理)。上記画像処理の具体例は後述する。そして、ステップS206へ処理が進められる。
識別困難領域が存在しない場合には、ステップS206へ処理が進められる(境界画像処理部103は、ステップS201で受信された画像を、上記画像処理を施さずに表示部105へ出力する)。
ステップS206では、表示部105が、入力された画像を表示する。
【0018】
図3(A)に、ステップS201で受信された画像の一例を示す。
図3(A)の画像は、背景、四角形の物体、円形の物体を含む1920×1080のFullHD画像である。
本実施例では、画像の最も左上の画素の位置座標を(0,0)とする(即ち、画像の最も右下の画素の位置座標は(1919,1079)となる)。
また、本実施例では、R値、G値、B値は、それぞれ、0〜255の整数であるものとする。そして、上記背景、四角形の物体、円形の物体は、それぞれ単色であるものとする。具体的には、背景の画素値はR=0、G=200、B=200であり、四角形の物体の画素値はR=20、G=20、B=20であり、円形の物体の画素値はR=0、G=0、B=0であるものとする。
なお、各画素値、RGB表色系で表されていなくてもよい。色や輝度を判断することが
できればどのような値であってもよい。例えば、YCbCr表色系の値であってもよい。また、各要素の値は、0〜255の整数に限らない。各要素の値は、例えば、小数値を含んでいてもよい。
【0019】
識別困難領域検出部102による識別困難領域の検出方法について説明する。
まず、識別困難領域検出部102は、表示限界透明度を取得する。本実施例では、透明度t[%]を0から100までの整数値で表し、表示限界透明度をT[%](0≦T≦100)とする。
図4に、表示限界透明度と画素値(R値、G値、B値)の関係を表す模式図を示す。透明度t[%]は、画素値に対して一意的に決まる。本実施例では、R値、G値、B値のうち最大値をもとに透明度t[%]が決まるものとする。そして、図4で示した点P5,P6,P7,P8で囲まれた面上の点、点P3,P4,P8,P7で囲まれた面上の点、及び、点P2,P6,P7,P3で囲まれた面上の点が、表示限界透明度Tを持つ画素値とされる。
【0020】
その後、識別困難領域検出部102は、画像の画素値(R値、G値、B値)を画素毎に検出する。そして、識別困難領域検出部102は、画像から、上述した3つの面(表示限界透明度Tの画素値のみを含む3つの面)で囲まれた範囲内の値を有する画素からなる領域を、識別困難領域として検出する。本実施例では、図4に示すように、R値、G値、B値が、それぞれ、0以上96未満の画素を、識別困難領域の画素とした。図5(A)に、図3(A)のY=540(Yは画素の垂直方向の位置座標)の画素ラインにおける、識別困難領域の検出結果を示す。図5(A)の横軸は画素の水平方向の位置座標Xであり、縦軸は透明度t[%]である。透明度t[%]の算出方法は後述する。
【0021】
なお、識別困難領域の検出方法は上述した方法に限らない。透明ディスプレイにおいて識別困難となる領域が特定できる方法であれば、どのような方法で識別困難領域を検出してもよい。識別困難領域の検出方法の他の例については、実施例3で説明する。
なお、本実施例では、表示限界透明度T[%]が記憶部104に格納されており、その値は固定としているが、表示限界透明度T[%]は変更可能であってもよい。例えば、表示限界透明度T[%]は、ユーザによって設定された値であってもよい。また、透明ディスプレイを構成するデバイスの経年劣化などによって表示限界透明度T[%]が変化することが考えられる。そこで、表示デバイスの透明度を定期的に検出し、その検出結果を用いて表示限界透明度T[%]を算出、更新してもよい。
【0022】
境界画像処理部103による画像処理の方法について説明する。
図5(B)に、図3(A)のY=540の画素ラインに対する境界画像処理部103の画像処理の結果の一例を示す。
本実施例では、境界画像処理部103は、識別困難領域とその周囲の領域との境界から識別困難領域側へ所定画素数分(1画素分、または、複数画素分)の領域を境界部分とし、境界部分の画素値を、最小の透明度の画素値に変換する。また、本実施例では、上記境界部分以外の領域の透明度(画素値)は変更しない。
それにより、上記境界部分が視認可能となり、識別困難領域が識別可能となる。具体的には、図3(B)に示すように、四角い物体と丸い物体の輪郭が視認可能となり、四角い物体と丸い物体の領域が識別困難領域として識別可能となる(四角い物体と丸い物体の存在が感知可能となる)。図3(B)は、図3(A)の画像に対して境界画像処理部103の処理を適用した結果を示す図である。
【0023】
なお、本実施例では、境界部分の画素値が最小の透明度の画素値となるように変換される、即ち境界部分の透明度が0[%]に変換されるが、変換後の透明度は0[%](最小値)に限らない。変換後の透明度は、表示限界透明度T[%]以下であればよい。そのよ
うな構成とすれば、境界部分が視認可能となるため、識別困難領域が識別可能となる。
また、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値が、該周囲の領域の透明度以下の透明度の画素値に変換されることが好ましい。そのような構成とすれば、識別困難領域の周囲の領域よりも、それら領域間の境界部分の視認性を高めることができるため、識別困難領域がより容易に識別可能となる。
また、識別困難領域とその周囲の領域路の境界部分の画素値が、該周囲の領域の色と異なる色の画素値に変換されることが好ましい。境界部分の色が周囲の領域の色と異なれば、境界部分の視認性をより高めることができるため、識別困難領域がより容易に識別可能となる。例えば、境界部分の透明度(変換後の透明度)と周囲の領域の透明度が一致している場合に、同じ色であれば境界部分を識別することができないが、色を異ならせることにより境界部分が識別可能となり、その結果、識別困難領域が識別可能となる。
また、識別困難領域とその周囲の領域路の境界部分の画素値が、該周囲の領域の輝度と異なる輝度の画素値に変換されることが好ましい。境界部分の輝度が周囲の領域の輝度と異なれば、境界部分の視認性をより高めることができるため、識別困難領域がより容易に識別可能となる。
【0024】
図6を用いて、識別困難領域検出部102と境界画像処理部103の処理の具体例を説明する。
図6(A)は、入力された画像(処理前の画像)の一部を示す。図6(A)の画像は、領域A(R=64、G=0、B=0)と領域B(R=0、G=160、B=0)を有する。本実施例では、図4の関係に基づいて識別困難領域が検出される。具体的には、以下の式1により各画素の透明度t[%]が算出される。式1のMAX_RGBは、画素値であるR値、G値、B値のうちの最大値である。そして、透明度t[%]が表示限界透明度T[%](100−(96/255)×100=62.4[%])より高い領域が識別困難領域として検出される。図6(A)の例では、領域Aの透明度は74.9[%]、領域Bの透明度は37.3[%]となり、領域Aが識別困難領域として検出される。
透明度t[%]=100−(MAX_RGB/255)×100 ・・・(式1)
【0025】
なお、透明度の算出式は式1に限らない。透明度は、識別困難領域を検出するための基準となる数値であればどのように算出されてもよい。例えば、R値、G値、B値のそれぞれを重み付けし、R値、G値、B値のすべてを用いて得られる値を透明度としてもよい。本実施例において、透明度の値が小さいほど背面への外光を透過する、つまりディスプレイの裏側(背景)からの光がディスプレイを透過するとする。また、自発光型の透明ディスプレイでは、素子が発光していない領域の透明度が最も高い(輝度の低い領域で輝度の高い領域よりも透明度が高くなる)。そこで、輝度値(R値、G値、B値から算出される輝度値、または、MAX_RGB)の逆数を透明度としてもよい。
【0026】
識別困難領域が検出された後、図5(B)のように識別困難領域とその周囲の領域との境界から識別困難領域側へ所定画素数分の領域を境界部分として、境界部分の画素値が、最小の透明度の画素値に変換される。具体的には、領域Aの領域Bと接している画素の値が透明度0[%]の値(R=255、G=0、B=0)とされる。その結果、透明度74.9[%]の領域Aを、透明度0[%]の画素が囲むため、領域Aが識別可能となる(図6(B))。
【0027】
なお、図6(B)の例では、領域Aの領域Bに隣接する1画素分の幅の領域を境界部分としたが、境界部分はこれに限らない。境界部分の幅は複数画素分であってもよい。また、境界部分の幅は変更可能であってもよい。例えば、画像のサイズや、透明ディスプレイの画面のサイズによって、境界部分の幅が決定されてもよい。具体的には、画像のサイズ
や透明ディスプレイの画面のサイズが大きい場合に、小さい場合よりも境界部分の幅が広くされてもよい。
【0028】
また、識別困難領域とその周囲の領域との境界から周囲の領域側へ所定画素数分の領域を境界部分としてもよい。そのように境界部分を定義した場合には、図6(C)に示すように、領域Bの領域Aと接している画素の値が透明度0[%]の値(R=0、G=255、B=0)とされる。その結果、透明度74.9[%]の領域Aを、透明度0[%]の画素が囲むため、領域Aが識別可能となる。
また、識別困難領域とその周囲の領域との境界から識別困難領域と周囲の領域の両側へ所定画素数分の領域を境界部分としてもよい。そのように境界部分を定義した場合には、図6(D)に示すように、領域Aの領域Bと接している画素および領域Bの領域Aと接している画素の値が透明度0[%]の値(R=255、G=0、B=0)とされる。その結果、透明度74.9[%]の領域Aを、透明度0[%]の画素が囲むため、領域Aが識別可能となる。
また、上述したように、境界部分の色を更に変更してもよい。図6(E)の例は、境界部分の画素値が、図6(B)に示すように透明度0[%]の値(R=255、G=0、B=0)とされた後、領域A,Bと異なる色の画素値(R=0、G=0、B=255)に変換された場合を示す。このとき、色変換後の透明度は0[%]である(即ち、透明度を0[%]に維持しながら色が変換される)。図6(E)の例では、領域Aが、領域A,Bと異なる色の境界部分に囲まれているため、図6(B)の場合よりも領域Aを容易に識別することができる。なお、上述したように、輝度を変更することによっても、識別困難領域をより容易に識別可能とすることができる。
【0029】
以上述べたように、本実施例によれば、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値が、視認可能な透明度の画素値に変換される。それにより、透明ディスプレイに表示された画像の識別困難領域を識別可能にすることができる。
【0030】
なお、本実施例では、境界部分の画素値のみを変換するものとしたが、更に識別困難領域の画素値を変換してもよい。例えば、識別困難領域の画素値を、表示限界透明度T[%]の画素値に変換してもよい。即ち、図7に示すように、識別困難領域の透明度を表示限界透明度T[%]に変換してもよい。それにより、識別困難領域の視認性を向上させることができる。なお、図7の例では、識別困難領域の透明度が表示限界透明度T[%]に変換されているが、変換後の透明度は表示限界透明度T[%]に限らない。即ち、変換後の画素値は、表示限界透明度T[%]の画素値に限らない。変換後の透明度は、変換前の透明度より低い透明度の画素値であって、変換後の境界部分の透明度と異なる透明度の画素値であればよい。例えば、識別困難領域の画素値は、その周囲(境界部分の外側)の領域の透明度と同じ透明度の画素値に変換されてもよい。それにより、識別困難領域の視認性を向上させることができる。更に、識別困難領域の輪郭を該領域と異なる透明度の画素値で囲むことができ、識別困難領域をより容易に識別可能とすることができる。
【0031】
なお、図8(A)に示すような画像が入力されることがある。図8(A)の画像は、図3(A)と同様に、背景(R=0、G=200、B=200)、四角形の物体(R=20、G=20、B=20)、円形の物体(R=0、G=0、B=0)を含む。但し、図8(A)の画像では、四角形の物体と円形の物体は互いに重なりあっている。
このような画像に対して、上述した方法で識別困難領域を検出すると、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をあわせた1つの領域が識別困難領域として検出されてしまう。その結果、図8(B)に示すように、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をあわせた1つの領域の輪郭が視認可能となるように画素値の変換が行われてしまう。このような変換を行っても、四角形の物体の領域と円形の物体の領域の境界を識別可能とすること、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をそれぞれ個別に識別可能とすることはできない。
【0032】
そこで、識別困難領域検出部102は、透明度が第1の閾値より大きい領域が、互いに隣接する領域間の透明度の差が第2の閾値以上である複数の領域に分割可能な場合には、該複数の領域のそれぞれを別の識別困難領域として検出することが好ましい。第1の閾値は、上述したように、例えば表示限界透明度である。第2の閾値は、例えば、5[%]、10[%]、20[%]などである。第2の閾値はメーカにより決められていてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。ここでは、第2の閾値が5[%]であるものとする。
一般に、重なり合っている複数の物体の透明度は互いに異なるため、上述した構成とすることにより、該複数の物体のそれぞれを識別困難領域とすることができる。
図9(A)に、図8(A)のY=540の画素ラインにおける識別困難領域の検出結果を示す。図9(A)に示すように、四角形の物体の領域と円形の物体の領域とでは透明度の差が7.8[%]であるため、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をそれぞれ識別困難領域とすることができる。
そして、上述したように画素値を変換することにより、図8(C)、図9(B)に示すように、透明度が第1の閾値より大きい領域の輪郭部分だけでなく、該領域内の第2の閾値以上の透明度の段差部分も視認可能となる。即ち、四角形の物体の領域と円形の物体の領域の境界も視認可能(識別可能)となる。その結果、四角形の物体の輪郭と円形の物体の輪郭を視認可能とすることができ、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をそれぞれ個別に識別可能とすることができる。
【0033】
<実施例2>
以下、本発明の実施例2に係る表示装置及びその制御方法について説明する。なお、本実施例の説明において、実施例1と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0034】
図10は、本発明の実施例2に係る表示装置の概略構成を表すブロック図である。表示装置1200は、図1における画像データ受信部101、識別困難領域検出部102、境界画像処理部103、記憶部104、表示部105に加え、処理画素数決定部1201を備える。
識別困難領域検出部102は、入力された画像と識別困難領域検出結果を処理画素数決定部1201へ出力する。
処理画素数決定部1201は、識別困難領域検出部102から入力された画像データと識別困難領域検出結果、及び、記憶部104から取得した表示限界透明度を用いて、境界部分の幅(画素数)を決定する。そして、処理画素数決定部1201は、入力された画像データ、上記決定結果(境界部分の幅を表す処理画素数情報)、識別困難領域検出結果を境界画像処理部103へ出力する。
【0035】
処理画素数決定部1201による境界部分の幅の決定方法について説明する。
図11に、図5(A)の識別困難領域に対する、境界部分の幅の決定結果の一例を示す。本実施例では、式2を用いて境界部分の幅に相当する画素数を算出する。
境界部分の幅
=(識別困難領域の透明度t/表示限界透明度T)×識別困難領域の画素数×係数k
ただし、k<T/t
・・・(式2)
その結果、識別困難領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合よりも境界部分の幅が広くされる。一般に、透明度が高い領域の方が、透明度が低い場合よりも識別が困難である。領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合より
も境界部分の幅を広くすることにより、識別がより困難な領域を識別可能とすることができる。
また、識別困難領域のサイズが大きい場合に、識別困難領域のサイズが小さい場合よりも境界部分の幅が広くされる。サイズが大きい識別困難領域に対して境界部分の幅を狭くすると、境界部分を視認可能としても識別困難領域を識別可能とすることができない虞がある。本実施例では、サイズが大きい識別困難領域に対して境界部分の幅が広くされるため、そのような識別困難領域をより確実に識別可能とすることができる。
また、全ての識別困難領域に対して境界部分の幅を広くしてしまうと、画像内の境界部分の面積が増してしまい、画像が見難くなってしまう虞がある。本実施例では透明度の低い識別困難領域やサイズの小さい識別困難領域に対しては境界部分の幅は狭くされるため、画像が見難くなることを抑制することができる。
【0036】
以上述べたように、本実施例によれば、境界部分の幅を変更することにより、識別困難領域をより容易に識別可能とすることができる。
【0037】
なお、境界部分の幅の決定方法は、上述した方法に限らない。境界部分の幅を算出するための式は式2に限らない。式2を用いた場合、透明度が高いほど、識別困難領域のサイズが大きいほど境界部分の幅が広くされるが、境界部分の幅に上限値や下限値が設定されていてもよい。例えば、透明度や識別困難領域のサイズが所定の値以上の場合に、境界部分の幅が一定(上限値)とされてもよい。透明度や識別困難領域のサイズが所定の値未満の場合に、境界部分の幅が一定(下限値)とされてもよい。識別困難領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合よりも境界部分の幅が広くされ、識別困難領域のサイズが大きい場合に、識別困難領域のサイズが小さい場合よりも境界部分の幅が広くされれば、どのように決定されてもよい。
また、識別困難領域のサイズを考慮せず、識別困難領域の透明度のみを考慮してもよい。識別困難領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合よりも境界部分の幅が広くされれば、上述した効果が得られる。
また、識別困難領域の透明度を考慮せず、識別困難領域のサイズのみを考慮してもよい。識別困難領域のサイズが大きい場合に、識別困難領域のサイズが小さい場合よりも境界部分の幅が広くされれば、上述した効果が得られる。
【0038】
また、識別困難領域の色がその周囲の領域の色と近い場合に、識別困難領域の色がその周囲の領域の色と離れている場合よりも境界部分の幅が広くされてもよい。識別困難領域の輝度がその周囲の領域の輝度と近い場合に、識別困難領域の輝度がその周囲の領域の輝度と離れている場合よりも境界部分の幅が広くされてもよい。周囲の領域と色や輝度が近い識別困難領域に対して境界部分の幅を狭くすると、境界部分を視認可能としても識別困難領域を識別可能とすることができない虞がある。周囲の領域と色や輝度が近い識別困難領域に対して境界部分の幅を広くすることにより、そのような識別困難領域をより確実に識別可能とすることができる。
【0039】
<実施例3>
以下、本発明の実施例3に係る表示装置及び制御方法について説明する。
本実施例に係る表示装置は、インターネット経由で画像(画像データ)を取得し、該画像データのオブジェクト毎に、そのオブジェクトが識別困難であるか否かを判定する。
なお、本実施例の説明において、実施例1と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0040】
図12は、本発明の実施例3に係る表示装置の概略構成を表すブロック図である。表示装置1400は、図1における画像データ受信部101、識別困難領域検出部102、境界画像処理部103、記憶部104、表示部105に加え、オブジェクト検出部1401
を備える。
画像データ受信部101は、ネットワーク経由で画像(画像データ)を受信し、受信した画像データをファイル形式で記憶部104に格納する。
【0041】
オブジェクト検出部1401は、入力された画像(画像データ受信部101で受信された画像)からオブジェクトを検出する。具体的には、オブジェクト検出部1401は、記憶部104から画像データとオブジェクトテンプレートを取得する。次に、オブジェクト検出部1401は、記憶部104から取得したオブジェクトテンプレートを用いて、画像データ内のオブジェクトを検出する。最後に、オブジェクト検出部1401は、入力された画像データと上記検出結果(オブジェクト検出結果)を識別困難領域検出部102へ出力する。
オブジェクトの検出方法や判断方法は既存の技術で実現可能である。例えば、オブジェクトが文字である場合は、記憶部104からオブジェクトテンプレートとして文字テンプレートを取得し、文字テンプレートを用いたパターンマッチングを行うことにより、オブジェクト(文字)を検出することができる。この場合、オブジェクト検出結果は、オブジェクトの位置座標、オブジェクトのサイズ、オブジェクトとマッチングした文字テンプレートを含む情報となる。なお、オブジェクトを検出することができれば、その検出方法は限定されない。
【0042】
識別困難領域検出部102は、検出されたオブジェクトのうち、オブジェクトの領域に対する、該領域に含まれる透明度が第1の閾値より大きい領域の割合が所定の割合より大きいオブジェクトの領域を、識別困難領域として検出する。本実施例では、第1の閾値は表示限界透明度Tであるものとする。また、所定の割合は、メーカによって予め設定されていてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。所定の割合は、例えば、30[%]、50[%]、80[%]などである。
具体的には、識別困難領域検出部102は、記憶部104に格納された表示限界透明度を用いて、オブジェクト検出部1401で検出されたオブジェクトから、表示限界透明度より透明度が大きい画素(識別困難画素)を検出する。そして、識別困難領域検出部102は、オブジェクトの領域の画素数に対する上記検出した画素の数(識別困難画素数)の割合を識別困難度として算出する。
識別困難度=(オブジェクト内の識別困難画素数/オブジェクト内の全画素数)×100
・・・(式3)
そして、識別困難領域検出部102は、上記算出された識別困難度を、記憶部104に格納された識別困難領域判定閾値(上記所定の割合)と比較する。そして、識別困難領域検出部102は、検出されたオブジェクトのうち、識別困難度が識別困難領域判定閾値より大きいオブジェクトの領域を識別困難領域として検出する。
【0043】
なお、オブジェクトは、文字、又は、GUIなどで用いられるグラフィック画像(アイコンなど)であることが好ましい。例えば、オブジェクト検出部1401が、文字、又は、グラフィック画像のみをオブジェクトとして検出してもよい。識別困難領域検出部102が、検出されたオブジェクトのうち、識別困難度が識別困難領域判定閾値より大きい文字、又は、グラフィック画像の領域を識別困難領域の候補としてもよい。識別困難領域検出部102は、例えば、オブジェクト検出結果に含まれるオブジェクトテンプレートから、オブジェクトが文字又はグラフィック画像であるか否かを判断することができる。文字やグラフィック画像は、ユーザに視認してほしい情報である可能性が高い。そのため、それらをオブジェクトとして上記処理を行うことにより、ユーザに視認してほしい情報の領域を識別可能とすることができる。
【0044】
また、識別困難領域検出部102は、オブジェクト検出部1401で検出されたオブジェクトから自然画を除外することが好ましい。オブジェクトが自然画か否かは、例えば、オブジェクト検出結果に含まれるオブジェクトテンプレートから判断することができる。自然画は、輪郭に画像処理を施してしまうと、画像の持つ印象を損なう虞がある。オブジェクトから自然画を除外することにより、自然画の自然な描写を維持することができる。自然画は、例えば、人物や風景などを表すオブジェクトである。
【0045】
本実施例に係る表示装置1400の処理の流れの一例を図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、画像データ受信部101が画像を受信する(ステップS1501)。
次に、オブジェクト検出部1401は、記憶部104からオブジェクトテンプレートを取得し、取得したオブジェクトテンプレートを用いて、ステップS1501で受信された画像からオブジェクトを検出する(ステップS1502)。
そして、識別困難領域検出部102は、記憶部104に格納された表示限界透明度を取得する(ステップS1503)。
次に、識別困難領域検出部102は、ステップS1503で取得した表示限界透明度を用いて、ステップS1502で検出されたオブジェクト毎に、そのオブジェクト内の識別困難画素を検出する。そして、識別困難領域検出部102は、オブジェクト毎に、識別困難度を算出する。次に、識別困難領域検出部102は、記憶部104に格納された識別困難領域判定閾値を取得する。そして、識別困難領域検出部102は、オブジェクト毎に、識別困難度と識別困難領域判定閾値を比較し、識別困難度が識別困難領域判定閾値より大きいオブジェクトの領域を識別困難領域として検出する(ステップS1504)。
次に、境界画像処理部103は、ステップS1504での処理の結果(識別困難領域の検出結果)から、識別困難領域の有無を判定する(ステップS1505)。
識別困難領域が存在する場合は、境界画像処理部103は、ステップS1501で受信された画像に対し、識別困難領域とその周囲の境界部分の画素値を、表示限界透明度以下の透明度の画素値に変換する画像処理を施す(ステップS1506)。そして、ステップS1507へ処理が進められる。
識別困難領域が存在しない場合には、ステップS1507へ処理が進められる(境界画像処理部103は、ステップS1501で受信された画像を、上記画像処理を施さずに表示部105へ出力する)。
ステップS1507では、表示部105が、入力された画像を表示する。
【0046】
以上述べたように、本実施例によれば、オブジェクト単位で識別困難な領域を識別可能とすることができる。
例えば、図8(A)の画像が入力された場合に、図9(A)に示すように、四角形の物体の領域と円形の物体の領域をそれぞれ識別困難領域として検出することができる。
その結果、図8(C)、図9(B)に示すように、各オブジェクト(四角形の物体、円形の物体)の輪郭を視認可能とすることができ、各オブジェクトをそれぞれ個別に識別可能とすることができる。
また、オブジェクトの領域の透明度が一様でない場合に、オブジェクトの領域内に視認可能な線(境界部分)を生成してしまうと、ユーザに違和感を与えてしまう虞がある。本実施例の構成によればオブジェクトの領域が識別困難領域とされるため、オブジェクトの領域内に視認可能な線(境界部分)が生成されることによってユーザに違和感を与えることはない。
【符号の説明】
【0047】
100 表示装置
102 識別困難領域検出部
103 境界画像処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置であって、
入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出手段と、
前記識別困難領域検出手段で検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換手段と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記変換手段は、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、該周囲の領域の透明度以下の透明度の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記変換手段は、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、最小の透明度の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記変換手段は、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、該周囲の領域の色と異なる色の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記変換手段は、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、該周囲の領域の輝度と異なる輝度の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記識別困難領域検出手段は、透明度が前記第1の閾値より大きい領域が、互いに隣接する領域間の透明度の差が第2の閾値以上である複数の領域に分割可能な場合には、該複数の領域のそれぞれを別の識別困難領域として検出する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記変換手段は、識別困難領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合よりも前記境界部分の幅を広くする
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記変換手段は、識別困難領域のサイズが大きい場合に、識別困難領域のサイズが小さい場合よりも前記境界部分の幅を広くする
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記変換手段は、識別困難領域の色がその周囲の領域の色と近い場合に、識別困難領域の色がその周囲の領域の色と離れている場合よりも前記境界部分の幅を広くする
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記変換手段は、識別困難領域の輝度がその周囲の領域の輝度と近い場合に、識別困難領域の輝度がその周囲の領域の輝度と離れている場合よりも前記境界部分の幅を広くすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
入力された画像からオブジェクトを検出するオブジェクト検出手段を更に有し、
前記識別困難領域検出手段は、前記オブジェクト検出手段で検出されたオブジェクトのうち、オブジェクトの領域に対する、該領域に含まれる透明度が第1の閾値より大きい領
域の割合が所定の割合より大きいオブジェクトの領域を、識別困難領域として検出する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記オブジェクトは、文字、又は、グラフィック画像である
ことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記識別困難領域検出手段は、前記オブジェクト検出手段で検出されたオブジェクトから自然画を除外する
ことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記変換手段は、識別困難領域の画素値を、変換前の透明度より低い透明度の画素値であって、変換後の境界部分の透明度と異なる透明度の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置の制御方法であって、
入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出ステップと、
前記識別困難領域検出ステップで検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換ステップと、
を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項1】
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置であって、
入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出手段と、
前記識別困難領域検出手段で検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換手段と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記変換手段は、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、該周囲の領域の透明度以下の透明度の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記変換手段は、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、最小の透明度の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記変換手段は、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、該周囲の領域の色と異なる色の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記変換手段は、識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、該周囲の領域の輝度と異なる輝度の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記識別困難領域検出手段は、透明度が前記第1の閾値より大きい領域が、互いに隣接する領域間の透明度の差が第2の閾値以上である複数の領域に分割可能な場合には、該複数の領域のそれぞれを別の識別困難領域として検出する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記変換手段は、識別困難領域の透明度が高い場合に、識別困難領域の透明度が低い場合よりも前記境界部分の幅を広くする
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記変換手段は、識別困難領域のサイズが大きい場合に、識別困難領域のサイズが小さい場合よりも前記境界部分の幅を広くする
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記変換手段は、識別困難領域の色がその周囲の領域の色と近い場合に、識別困難領域の色がその周囲の領域の色と離れている場合よりも前記境界部分の幅を広くする
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記変換手段は、識別困難領域の輝度がその周囲の領域の輝度と近い場合に、識別困難領域の輝度がその周囲の領域の輝度と離れている場合よりも前記境界部分の幅を広くすることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
入力された画像からオブジェクトを検出するオブジェクト検出手段を更に有し、
前記識別困難領域検出手段は、前記オブジェクト検出手段で検出されたオブジェクトのうち、オブジェクトの領域に対する、該領域に含まれる透明度が第1の閾値より大きい領
域の割合が所定の割合より大きいオブジェクトの領域を、識別困難領域として検出する
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記オブジェクトは、文字、又は、グラフィック画像である
ことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記識別困難領域検出手段は、前記オブジェクト検出手段で検出されたオブジェクトから自然画を除外する
ことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項14】
前記変換手段は、識別困難領域の画素値を、変換前の透明度より低い透明度の画素値であって、変換後の境界部分の透明度と異なる透明度の画素値に変換する
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
表示された画像の画素値に応じた透明度で背面への外光を透過する透明ディスプレイに画像を表示する表示装置の制御方法であって、
入力された画像から、透明度が第1の閾値より大きい領域を、識別困難領域として検出する識別困難領域検出ステップと、
前記識別困難領域検出ステップで検出された識別困難領域とその周囲の領域との境界部分の画素値を、前記第1の閾値以下の透明度の画素値に変換する変換ステップと、
を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−25031(P2013−25031A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159072(P2011−159072)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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