説明

表示装置及び表示方法

【課題】音声信号の強さを周波数帯域ごとに表示させるスペアナ表示装置において、文字情報とスペアナ表示を同一画面上に表示させる。
【解決手段】本発明の表示装置によれば、音声データを再生する際に、当該音声データの音声信号に含まれる周波数帯域ごとに音声信号の強さを測定し、測定された音声信号の強さを、当該音声データに関連する文字情報を含む文字列に変換して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルオーディオプレーヤーの表示画面等の表示装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置を使ったデジタルオーディオプレーヤーにおいて、ユーザが所望する音声データを検索するために、音声データが持つタグ情報を含むデータベースが使用されている。タグ情報とは、アーティスト情報、アルバム情報、ジャンル情報、及び発売年等の、音声データを識別するために音声データに付属された付属情報のことをいう。タグ情報を含むデータベースを使用することにより、ユーザは自己の所有する音声データを検索し、再生することができる。
【0003】
また、携帯電話を初めとする可搬型データ送受信機器の発達によって、記憶容量の大型化や、デジタルオーディオプレーヤーとしての機能を充実させた可搬型データ送受信機器も増加している。例えば携帯電話の操作によって、専用サイトが提供する音楽配信サービスから音声データをダウンロードしたり、パソコンと携帯電話をUSB(Universal Serial Bus)を介して接続させ、パソコンに保存された音声データを携帯電話に転送して様々な場所で音楽等を楽しむことができる。
【0004】
このようなデジタルオーディオプレーヤーにおいては、再生している曲の詳細情報として、タグ情報と共に、次曲のタイトルやアルバム全曲のタイトル等を、液晶画面等に表示している。他にも、グラフィックイコライザ機能等で設定された周波数成分の音声信号の強さの増減を表示するスペクトルアナライザ(以下、スペアナという)表示のための機能も搭載されている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開平1−302905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ポータブル機では、表示画面の大きさに制約がありタグ情報に加え、スペアナ表示など複数の情報の表示を一度に行うことは困難であり、ユーザが切り替え動作を行わないと各種情報表示画面や、スペアナ表示画面を確認できないといった問題がある。さらに、近年のデジタルオーディオプレーヤーの小型化に伴い、より小型の液晶画面を採用せざるを得なくなってきているため、限られた表示エリアの中で工夫して各種情報を表示させる必要がある。
【0006】
特許技術1の技術のように、液晶画面にスペアナ表示のみを表示させても、音声データに付属する大量の各種情報を表示させることはできない。そのため、ユーザは煩雑な画面切り換え操作を行わなくてはならない。
【0007】
図5(a)は、スペアナ表示のために割り当てられた画面領域(以下、スペアナ表示有効エリアという)が小さい場合における、デジタルオーディオプレーヤーの表示画面G5の一例である。表示画面G5は、スペアナ表示有効エリアG5a、及び文字情報領域G5b等から構成される。図5(a)に示すように、スペアナ表示有効エリアG5aと文字情報領域G5bを同時に表示すると、スペアナ表示有効エリアG5aの領域が限られるため、ユーザはインパクト性のあるスペアナ表示を楽しむことができない。
【0008】
図5(b)は、スペアナ表示有効エリアが大きい場合における、デジタルオーディオプレーヤーの表示画面G6の一例である。表示画面G6は、スペアナ表示有効エリアG6aから構成される。図5(b)に示すように、スペアナ表示有効エリアG6aを大きくすると、ユーザはインパクト性のあるスペアナ表示を楽しむことができるが、再生中の音声データに付属するタグ情報を表示することができない。再生中の音声データに付属するタグ情報を表示するためには、ユーザは画面の切替操作を行う必要がある。
【0009】
本発明の課題は、音声信号の強さを周波数帯域ごとに表示させるスペアナ表示装置において、文字情報とスペアナ表示を同一画面上に表示させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、
音声データ及び前記音声データに関連する文字情報を取得する取得手段と、
前記音声データに含まれる音声信号の強さを周波数帯域ごとに計測する計測手段と、
前記計測手段によって計測された複数の周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報の表示を制御する制御手段と、
前記制御手段によって表示を制御された前記文字情報を表示する表示手段と、
を備えることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記計測手段は、前記音声データに含まれる音声信号の強さを複数の周波数帯域ごとに計測することを特徴とし、
前記制御手段は、前記計測手段によって計測された複数の周波数帯域ごとの値をそれぞれ前記文字情報に含まれる文字の各行に対応付けて前記文字情報を前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記計測手段によって計測された周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報に含まれる文字を表示/非表示させて前記文字情報を前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記計測手段によって計測された周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報に含まれる文字の文字色を変化させて前記文字情報を前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記計測手段によって計測された周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報に含まれる文字の文字色を背景色と反転させて前記文字情報を前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、
前記表示手段に表示させる文字を指定する指定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記文字情報に含まれる文字数に応じて前記文字情報を前記指定手段によって指定された文字で補完して前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、
音声データ及び音声データに関連する文字情報を取得する取得工程と、
前記音声データに含まれる音声信号の強さを周波数帯域ごとに計測する計測工程と、
前記計測工程によって計測された周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報の表示を制御する制御工程と、
前記制御工程によって表示を制御された前記文字情報を表示する表示工程と、
を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、音声信号の強さを周波数帯域ごとに表示させるスペアナ表示装置において、文字情報とスペアナ表示を同一画面上に表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る表示装置について最適な実施形態の構成及び動作について図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
まず、本実施の形態における構成について説明する。
図1に、本発明に係る表示装置1の機能的構成を示す。表示装置1は、CPU10、記憶部20、RAM(Random Access Memory)30、クロック部40、操作部50、表示部60、AC(Audio Codec)70、HP−AMP(Head Phone-AMPlifilter)80、及びスペアナ部90から構成される。
【0020】
CPU10は、記憶部20に記憶されている制御プログラムを読み出し、RAM30内に形成されたワークエリアに展開し、展開したプログラムに従って、表示装置1の各部を集中制御する。また、CPU10は、記憶部20に記憶されている各種プログラムに従って、各種処理を実行する。
【0021】
記憶部20は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体としての不揮発性の半導体メモリにより構成され、CPU10によって実行される各種制御プログラム、各種処理プログラム及びこれらのプログラムの実行に必要なパラメータ、ユーザが利用する音声データ、音声データに付随するタグ情報等の各種データを記憶する。音声データとは、楽曲ファイルをはじめ、音声とともに映像や画像ファイルが付帯された各種データのことをいう。音声データのデータ形式としては、例えばWAVE形式、MP3(MPEG Audio Layer-3)形式、WMA形式(Windows Media(登録商標) Audio)、及びMIDI(Musical Instruments Digital Interface)形式等が挙げられる。
なお、上記記憶部20以外のその他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、SD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリのようなフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータや音声データ等の各種データを、搬送波(キャリアウェーブ)に重畳させて通信回線を介して提供することも可能である。
【0022】
RAM30は、CPU10によって実行される各種プログラムや、これらプログラムによって処理されたデータ等を一時的に記憶するワークエリアとして機能する。
【0023】
クロック部40は、CPU10に対して動作クロックを供給する。
【0024】
操作部50は、カーソルボタンや数字ボタン、各種機能ボタンからなるボタンを備えて構成され、押下されたボタンに対応する操作信号をCPU10に出力する。なお、必要に応じてタッチパネル等のポインティングデバイスを含むこととしても良い。
操作部50からの操作により、後述するスペアナ表示処理において、音声データに関連する文字情報を補完する文字を指定することができる操作部50からの入力によって指定された当該文字は、記憶部20に値が保持される。記憶部20と操作部50によって、指定手段が構成される。
【0025】
表示部60は、液晶表示パネル等により構成され、CPU10から入力される各種情報を表示する。
【0026】
AC部70は、入力された音声データ等のデジタル信号を、音声信号等のアナログ信号に変換する処理(復号化)を行い、当該アナログ信号をHP−AMP80又はスペアナ部90に対して出力する。また、AC部70によって変換されたアナログ信号は、図示しないイコライザによって周波数特性が補正され、HP−AMP80又はスペアナ部90に対して出力される構成としてもよいし、図示しない電子ボリュームによって当該アナログ信号の強さが増幅され、HP−AMP80又はスペアナ部90に対して出力される構成としてもよい。
【0027】
HP−AMP80は、AC部70を介して入力された信号を増幅し、ヘッドフォン等の外部機器に対して信号を出力する。
【0028】
スペアナ部90は、AC部70を介して入力された信号の周波数帯域ごとの強さを解析する計測手段として機能する。スペアナ部90は、主にBPF(Band Pass Filter)91と検波回路92によって構成されている。
【0029】
BPF91は、受信した信号の周波数帯域(以下、バンドという)を分離し、検波回路92に対して出力する。BPF91に対して一定のタイミングで入力された信号が、バンドごとに通過され、各バンドごとに検波回路92に入力される。例えば、7バンドを分離可能なBPF91であれば、入力された音声データを7つのバンドに分離して、各々のバンドの信号が検波回路92に入力される。
【0030】
検波回路92は、BPF91によってバンドごとに分離された入力信号の強さを測定し、デジタルデータに変換し、CPU10に対して出力する。
【0031】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
図2に表示装置1が行うスペアナ表示処理を示す。スペアナ表示処理は、CPU10により音声データが取得され、スペアナ表示画面の表示命令がなされた際に、CPU10と記憶部20に記憶されたプログラムとの協働によるソフトウェア処理により実現される。
スペアナ表示処理では、スペアナ部90に入力された音声信号のバンドごとの強さを表示する。
CPU10は、スペアナ表示処理によって取得手段及び制御手段として機能し、表示部60はスペアナ表示処理によって表示手段として機能する。
【0032】
まず、記憶部20に予め記憶されている、スペアナ表示モードの値がオンであるか確認される(ステップS201)。スペアナ表示モードの値は、操作部50からの入力により、オン/オフ(スペアナ表示する/しない)を切り換えることができ、記憶部20に値が記憶されている。
【0033】
スペアナ表示モードがオフであれば(ステップS201;NO)、処理は終了する。スペアナ表示モードがオンであれば(ステップS201;YES)、スペアナ表示有効エリア内の文字情報(音声データのタイトル情報、アルバム情報、アーティスト情報等)が記憶部20より取得される(ステップS202)。本実施の形態では、表示部60に表示される画面領域のうち、1つのバンドにつきスペアナ表示有効エリアの1行が割り当てられ、バンドのうち周波数が高い順にスペアナ表示有効エリアの最上位の行から順番に割り当てられる。例えば、7バンドを表示可能であれば、スペアナ表示有効エリアとして7行の文字情報が割り当てられ、周波数が最も高いバンドがスペアナ表示有効エリアの1行目、次に周波数が高いバンドがスペアナ表示有効エリアの2行目、のように割り当てられる。
【0034】
次いで、ステップS202で抽出された文字情報の各行の桁数とスペアナ表示有効桁数が比較される(ステップS203)。文字情報の桁数とは、スペアナ表示有効エリア内の文字情報の1行当たりの文字数をいう。スペアナ表示有効桁数とは、スペアナ表示有効エリア内の1行当たりの文字数をいう。
【0035】
ステップS202で抽出された文字情報の各行の桁数が、スペアナ表示有効桁数よりも少なければ(ステップS203;NO)、文字列の補正が行われる(ステップS204)。具体的には、スペアナ表示有効桁数よりも少ない領域が、操作部50からの入力によって予め指定された文字等で置き換えられることによって補正が行われる。例えば、スペアナ表示有効エリアとして、全角10文字の行が7行割り当てられていた場合、文字情報が全角6文字の行には、当該文字情報の末尾に全角4文字分の予め指定された文字等が追加され、補正が行われる。
【0036】
次いで、スペアナ表示有効エリア(図3(a)においてはG1b、図3(b)においてはG2b)に対して、補正された各文字情報が対応付けられる(ステップS205)。ステップS202で抽出された文字情報の各行の桁数が、スペアナ表示有効桁数以上であれば(ステップS203;YES)、文字列の補正が行われずに、スペアナ表示有効エリアに当該文字情報が対応付けられる(ステップS205)。
【0037】
次いで、BPF91によって音声信号がバンドごとに分離される(ステップS206)。そして、ステップS206によってバンドごとに分離された音声信号が検波回路92に入力され、各バンドごとの音声信号の強さが検出され(ステップS207)、各バンドの音声信号の強さがデジタルデータに変換される(ステップS208)。
【0038】
次いで、デジタルデータに変換された各バンドの音声信号に対し、表示用の画像データ処理が行われ、各バンドの音声信号の強さに応じて表示部60に表示される文字情報の表示が制御される(ステップS209)。表示用の画像データ処理では、各バンドの信号の強さを文字情報に変換して表示する処理が行われている。例えば、スペアナ表示有効エリアのうち、音声信号の強さを示す領域に含まれる文字情報の領域(以下、有効スペアナレベルフォントエリアという)の文字色を黒色にし、残りの領域に含まれる文字情報の領域(以下、無効スペアナレベルフォントエリアという)の文字色を白色にし、各バンドの信号の強さを文字情報に変換する処理が行われている。
【0039】
次いで、操作部50からの入力により、スペアナ表示有効エリア切替指示が入力されたか判断される(ステップS210)。スペアナ表示有効エリア切換指示とは、操作部50からの操作により、表示部60のスペアナ表示有効エリア内の文字情報が切り替えられることをいう。具体的には、スペアナ表示有効エリアに表示されている楽曲名等が切り替えられることをいう。
【0040】
操作部50からの入力により、スペアナ表示有効エリア切換指示が入力された場合(ステップS210;YES)、ステップS202に戻る。操作部50からの入力により、スペアナ表示有効エリア切換指示が入力されなかった場合(ステップS210;NO)、操作部50からの入力により、再生終了指示又は表示画面切替指示が入力されたか判断される(ステップS211)。再生終了指示とは、AC部70に入力されている信号の入力を終了させる指示のことをいう。具体的には、音楽データの再生を終了すること等をいう。表示画面切替指示とは、スペアナ表示画面を終了させ、別のメニュー画面に画面遷移を行う指示のことをいう。
【0041】
操作部50からの入力により、再生終了指示又は表示画面切替が入力されなかった場合(ステップS211;NO)、ステップS206に戻る。再生終了又は表示画面切替が入力された場合(ステップS211;YES)、処理は終了する。
【0042】
次に本実施の形態におけるスペアナ表示処理を、表示部60に表示される表示画面を例を挙げて説明する。
図3(a)に、スペアナ表示モードがオフにされた状態での、本実施の形態における表示装置1の表示部60に表示される表示画面G1の一例を示す。図3(a)の例では、表示画面G1は、表示有効エリア切換タグG1a、及びスペアナ表示有効エリアG1b等によって構成されている。
【0043】
図3(a)に示すように、スペアナ表示モードがオフにされている場合は、スペアナ表示有効エリアG1bにスペアナ表示はされず、文字情報のみが表示される。
【0044】
図3(b)に、スペアナ表示モードがオンにされている状態での、本実施の形態における表示装置1の表示部60に表示される表示画面G2の一例を示す。図3(b)の例では、表示画面G2は、表示有効エリア切換タグG2a、及びスペアナ表示有効エリアG2b等によって構成されている。
【0045】
図3(b)に示すように、スペアナ表示モードがオンにされている場合は、各バンドに対応した画像データ処理が行われ、表示される。本例ではステップS204において、スペアナ表示有効エリアの文字列が「*」で補正され、ステップS209において、画像データ処理が行われ、有効スペアナレベルフォントエリアに該当する文字列が黒文字で表示され、無効スペアナレベルフォントエリアに該当する文字列が背景色で表示されている。
図3(b)の場合、「トラック1」の行に最も高い周波数に対応したスペアナ表示がされ、「トラック7」の行に最も低い周波数に対応したスペアナ表示がされている。
【0046】
表示有効エリア切換タグG2aへの入力によって、表示中の文字情報の切替操作が入力された場合は、ステップS210の判断により、再度ステップS202に戻り、切替操作が入力された後の文字情報が抽出される。つまり、図3(b)の例では「アルバムB」の「トラック1」から「トラック7」という名前の楽曲が、スペアナ表示有効エリアとして対応付けられているが、表示有効エリア切換タグG2aへの入力によって別の楽曲を表示するよう指示が行われ、「トラック3」から「トラック9」までがスペアナ表示有効エリアとして割り当てられた場合、スペアナ表示有効エリア内の文字情報が変わるため、再度ステップS202に戻り、処理が行われる。
【0047】
図4(a)に、スペアナ表示モードがオンにされている状態での、本実施の形態における表示装置1の表示部60に表示される表示画面G3の一例を示す。図4(a)の例では、表示画面G3は、表示有効エリア切換タグG3a、及びスペアナ表示有効エリアG3b等によって構成されている。図4(a)に示すように、表示画面G3においては、ステップS209での画像データ処理として、有効スペアナレベルフォントエリアに該当する文字列が黒文字で表示され、無効スペアナレベルフォントエリアに該当する文字列がグレースケールで表示されている。なお、図4(a)の例では、グレースケールの文字列を模式的に白抜きの文字で示している。
【0048】
図4(b)に、スペアナ表示モードがオンにされている状態での、本実施の形態における表示装置1の表示部60に表示される表示画面G4の一例を示す。図4(b)の例では、表示画面G4は、表示有効エリア切換タグG4a、及びスペアナ表示有効エリアG4b等によって構成されている。
図4(b)に示すように、表示画面G4においては、ステップS204において、スペアナ表示有効エリアの文字列をスペース(空白文字)で補正し、ステップS209において、表示部画像データ処理として、有効スペアナレベルフォントエリアに該当する文字列の文字色と背景色を反転させて表示している。
【0049】
このように、スペアナ表示有効エリア内の文字情報を利用してスペアナ表示を行うことにより、限られた画面領域の中で有効にスペアナ表示を行うことができる。ユーザはスペアナ表示のために煩雑な切替操作を行う必要がなく、文字情報を表示している画面上で文字情報を視認しながら、インパクト性のあるスペアナ表示動作を楽しむことができる。
【0050】
また、スペアナ表示に使用される文字列、文字色、及び背景色等を指定することにより、ユーザの好みに応じて、よりインパクト性のあるスペアナ表示を行うことができる。図3(b)の例では、スペアナ表示有効エリアの文字を「*」で補正したが、ユーザの好みに応じた文字で補正してもよい。例えば携帯電話等で音楽を楽しむ場合には、補正する文字として携帯電話におけるメールで使用されるイラスト文字等で補正してもよい。
【0051】
なお、本実施の形態では図3と図4に示すように、楽曲のタイトル情報をスペアナ表示として割り当てる例を挙げて説明したが、実施の形態はこれに限られない。例えば、音声データに関連する情報であるアーティスト名、アルバム名等の文字情報をスペアナ表示として割り当ててもよい。
アーティスト名やアルバム名をスペアナ表示のために割り当てた場合も同様にスペアナ表示処理が行われる。例えば、最も高い周波数を示す値がアーティスト名に割り当てられ、次に高い周波数を示す値はアルバム名に、以降の周波数を示す値は楽曲のタイトルに順に割り当てられ、スペアナ表示を行うこと等が考えられる。
【0052】
また、本実施の形態では、スペアナ表示処理における文字情報を記憶部20から取得するようにしたが、実施の形態はこれに限られない。例えば図示しない通信部から受信した文字情報をCPU10が取得し、スペアナ表示処理によって当該文字情報を表示させる構成としてもよい。
【0053】
本実施の形態では、BPF91で分離されるバンドの数を7つとした例を挙げて説明したが、表示部60が表示できる領域の大きさに応じてバンドの数が変化してもよい。つまり、小型のデジタルオーディオプレーヤー等に、本実施の形態における表示装置1を使用する場合、表示部60が表示できる領域が必然的に小さくなるため、表示できるバンドの数も少なくなる。例えば、表示部60が文字情報を3行しか表示できない場合、3バンドを分離することができるBPF91を使用してスペアナ表示処理を行うことが考えられる。
【0054】
なお、本実施の形態ではボータブルオーディオプレーヤーに表示される画面を例に挙げて説明したが、表示装置1はポータブルオーディオプレーヤーに限られない。例えば、カーナビゲーションや家庭用再生装置等の、音声データを再生できる機器に表示装置1を使用してもよい。
【0055】
その他、本実施の形態における表示装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態における表示装置の機能ブロック図である。
【図2】図1の表示装置によって実行される、スペアナ表示処理を行うためのフローチャートである。
【図3】図2で示すスペアナ表示処理が行われた表示装置に表示される画面の一例を示し、(a)はスペアナ表示モードオフの例を示し、(b)はスペアナ表示モードオンの例を示す模式図である。
【図4】図2で示すスペアナ表示処理が行われた表示装置に表示される画面の一例を示し、(a)はグレースケールを使用して文字列を表示した例を示し、(b)は文字色と背景色と反転させて文字列を表示した例を示す模式図である。
【図5】一般的な表示装置に表示される画面の一例を示し、(a)はスペアナ表示有効エリアが小さい場合の例を示し、(b)はスペアナ表示有効エリアが大きい場合の例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0057】
1 表示装置
10 CPU
20 記憶部
30 RAM
40 クロック部
50 操作部
60 表示部
70 AC部
80 HP−AMP
90 スペアナ部
91 BPF
92 検波回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データ及び前記音声データに関連する文字情報を取得する取得手段と、
前記音声データに含まれる音声信号の強さを周波数帯域ごとに計測する計測手段と、
前記計測手段によって計測された周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報の表示を制御する制御手段と、
前記制御手段によって表示を制御された前記文字情報を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記計測手段は、前記音声データに含まれる音声信号の強さを複数の周波数帯域ごとに計測することを特徴とし、
前記制御手段は、前記計測手段によって計測された複数の周波数帯域ごとの値をそれぞれ前記文字情報に含まれる文字の各行に対応付けて前記文字情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記計測手段によって計測された周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報に含まれる文字を表示/非表示させて前記文字情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記計測手段によって計測された周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報に含まれる文字の文字色を変化させて前記文字情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記計測手段によって計測された周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報に含まれる文字の文字色を背景色と反転させて前記文字情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示手段に表示させる文字を指定する指定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記文字情報に含まれる文字数に応じて前記文字情報を前記指定手段によって指定された文字で補完して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
音声データ及び音声データに関連する文字情報を取得する取得工程と、
前記音声データに含まれる音声信号の強さを周波数帯域ごとに計測する計測工程と、
前記計測工程によって計測された周波数帯域ごとの値に応じて前記文字情報の表示を制御する制御工程と、
前記制御工程によって表示を制御された前記文字情報を表示する表示工程と、
を含むことを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−169101(P2009−169101A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7073(P2008−7073)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】