説明

表示装置及び表示装置のメンテナンス方法

【課題】導光パネルと表示パネルとを積層状に四周枠で支持すると共に、導光パネルを照射する光源付きの基板を枠体に内装し、該光源からの光によって表示パネルを表示するようにした表示装置において、前記基板を内装した枠体である導光パネル支持用枠材を容易に取り出せるようにする。
【解決手段】導光パネル支持用枠材16と、躯体固定側枠材14に表方向から着脱自在に支持し、該導光パネル支持用枠材16とのあいだで表示用パネル8を挟持状に支持する表示パネル支持用枠材17とで枠体5を構成する一方、残りの一対の枠体4を、表示パネル支持用枠体17を外した状態で、導光パネル支持用枠材16の内端よりも内側に強制移動せしめた表示パネル8を支持する支持材11に構成することで、表示パネル8を取外すことなく基板10を内装した導光パネル支持用枠材16を表裏方向に取り外すことができるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商店や公共施設等の建築物の開口部に組み込まれる表示装置及び表示装置のメンテナンス方法の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、看板や表示板等の表示装置を、光源を蛍光灯でなくLED(発光ダイオード)を用いて表示させるようにしたものが知られている。このようなもののなかには、縦横フレームに表示パネルと導光パネルとを表裏積層状に組み込むと共に、前記縦横フレームの何れかの内部に、導光パネルの端縁を照射するようにLEDを組み込み、そしてLEDの発光を受けた導光パネルの面発光により表示パネルを照射し、表示するように構成し、この表示装置を、商業ビルや駅舎等の建造物の開口部に組み込むことで、省エネルギーを兼ねながら表示のアピール度を高めようとすることが提唱されている。
しかしながら、従来のLEDを組み込んだ表示装置は、フレーム内部に組み込まれたLEDの交換等のメンテナンスをする際に、表示パネルや導光パネルを取り外してLEDを露出させるため、フレーム自体を全分解したりする必要があり、このためメンテナンス作業が煩雑になると共に時間や手間がかかるといった問題がある。
さらに、パネル自体を取り替える際にもパネルだけでなくフレームを全分解する必要があって、同様に時間や手間がかかるといった問題がある。
【0003】
そこで、LEDが取付けられた長尺状の基板やパネルをフレーム端部から出し入れ自在に組み込み、そしてメンテナンス時、前記LEDを組み込んだフレーム端部に組み付けられているフレームを取外すことで基板やパネルを取り出すことができるようにしたもの(例えば、特許文献1、2参照)や、フレームに開閉扉を設けて基板やパネルを取り出すことが出来るようにしたもの(例えば、特許文献3参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−215432号公報
【特許文献2】特開2009−3081号公報
【特許文献3】特表2010−503889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら前記特許文献1〜3に記載されるものは、LEDをメンテナンスするには、フレーム端部から基板を抜き取るものであるから、この抜き取りスペースを確保できない表示装置、例えば建築物の開口部に組み込んだ表示装置や、既存のサッシ枠に組み込んだ表示装置、狭い表示スペースに組み込んだ表示装置のようなものには採用できないという問題がある。
そこでフレームのパネル受け面部を表方向に向けて着脱自在に支持し、該受け面部を表方向に取り外すことでLEDのメンテナンスができるように構成することが提唱される。ところがこのものは、LEDで面発光する導光パネルの表側(表示面側)に表示パネルが有るので、この表示パネルを外さなければLEDのメンテナンスができず、そのためには表示パネルを支持している四周枠部分を表側に外す必要があって作業性に劣るという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、導光パネルと表示パネルとが表裏に積層状に配され、導光パネルの端部を照射するべく列状に配した光源付きの基板を備え、該光源からの光を受けた導光パネルが面発光することで表示パネルの表示をするようにした表示装置において、前記導光パネルと表示パネルとを四周枠で支持すると共に、前記基板を四周枠の少なくとも一つの枠体に内装するにあたり、基板が内装される枠体とこれに対向する枠体とを、躯体固定側枠材と、基板を内装する状態で躯体固定側枠材に表方向から着脱自在に支持されていて、躯体固定側枠材とのあいだで導光パネルを挟持状に支持する導光パネル支持用枠材と、導光パネル支持用枠材に表方向から着脱自在に支持されていて、導光パネル支持用枠材とのあいだで表示パネルを挟持状に支持する表示パネル支持用枠材とで構成する一方、残りの一対の枠体を、表示パネル支持用枠材を導光パネル支持用枠材から表方向に外した状態で、基板を内装した導光パネル支持用枠材の内端よりも内側に強制移動せしめた表示パネルを支持する支持材に構成して、表示パネルを取外すことなく基板を内装した導光パネル支持用枠材を表裏方向に取り外すことができるように構成したことを特徴とする表示装置である。
請求項2の発明は、躯体固定側枠材は、躯体に固定される第一枠材と、該第一枠材に表方向着脱自在に支持されていて、第一枠材とのあいだで裏面側表示パネルを挟持状に支持する第二枠材とから構成され、導光パネル支持用枠材は、第二枠材に表方向着脱自在に支持されていて、第二枠材とのあいだで導光パネルを挟持状に支持する第三枠材で構成され、表示パネル支持用枠材は、第三枠材に表方向着脱自在に支持されていて、第三枠材とのあいだで表側表示パネルを挟持状に支持する第四枠材と、該第四枠材に対して表方向着脱自在に支持されていて、基板からの配線を収納する配線収納室を形成する第五枠材とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の表示装置である。
請求項3の発明は、第一枠材は、サッシ枠の内面に固定されるものであることを特徴とする請求項2記載の表示装置である。
請求項4の発明は、導光パネルと表示パネルとが表裏に積層状に配され、導光パネルの端部を照射するべく列状に配した光源付きの基板を備え、該光源から発の光を受けた導光パネルが面発光することで表示パネルの表示をするようにした表示装置のメンテナンス方法において、前記導光パネルと表示パネルとを四周枠で支持すると共に、基板を四周枠の少なくとも一つの枠体に内装すると共に、基板が内装される枠体とこれに対向する枠体とを、躯体固定側枠材と、基板を内装する状態で躯体固定側枠材に表方向から着脱自在に支持されていて、躯体固定側枠材とのあいだで導光パネルを挟持状に支持する導光パネル支持用枠材と、導光パネル支持用枠材に表方向から着脱自在に支持されていて、導光パネル支持用枠材とのあいだで表示パネルを挟持状に支持する表示パネル支持用枠材とで構成し、表示パネル支持用枠材を導光パネル支持用枠材から表方向に外した状態で、基板を内装した導光パネル支持用枠材の内端よりも内側に強制移動せしめた表示パネルを残りの一対の枠体で支持した後、表示パネルを取外すことなく基板を内装した導光パネル支持用枠材を表裏方向に取り外すようにしたことを特徴とする表示装置のメンテナンス方法である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1、2、4の発明とすることにより、表示装置から、表示パネルを取り外すことなく光源付きの基板を容易に取り外すことができ、メンテナンス性が向上する。
請求項3の発明とすることにより、既存のサッシへ表示装置を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】表示装置の表側からの全体図である。
【図2】図1における表示装置の縦断面図である。
【図3】図1における表示装置の横断面図である。
【図4】(A)〜(D)はそれぞれ、表示装置の取り付け手順を示す左下端部の断面斜視図である。
【図5】(A)〜(D)はそれぞれ、表示装置の取り付け手順を示す左下端部の断面斜視図である。
【図6】(A)〜(D)はそれぞれ、表示装置の配線部分の取り付け手順を示す左下端部の断面斜視図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ、LED付き基板のメンテナンス手順を示す左右の下端部の断面斜視図である。
【図8】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、LEDのメンテナンス手順を示す左下端部の断面断面図である。
【図9】(A)、(B)はそれぞれ、表側表示パネルのメンテナンス手順を示す左下端部の断面斜視図である。
【図10】(A)、(B)はそれぞれ、表側表示パネルのメンテナンス手順を示す左右の下端部の断面断面図である。
【図11】(A)、(B)はそれぞれ、第二の実施の形態における表示装置の縦断面図、横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第一の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は建築物の躯体開口部に設けられ、該開口部に組み付けられるサッシであって、該サッシ1は、四周を左右一対のサッシ縦枠2、上下一対のサッシ横枠3で囲繞するようにして構成されている。
そして、前記サッシ1の縦横枠2、3に、四周を左右一対のフレーム縦枠4、上下一対のフレーム横枠5で囲繞形成された表示装置6が組み付けられているが、サッシ縦横枠2、3には、断面視中央部位にガラス嵌め込み溝2a、3aが形成されており、該ガラス嵌め込み溝2a、3aよりも屋内側のサッシ内側片2b、3bに表示装置6が設けられる構成となっている。
【0010】
該表示装置6は、詳細は後述するが、これらフレーム縦横枠4、5に、導光パネル7及び該導光パネル7を挟むよう表裏(屋内外)一対の表示パネル8、9が積層状に保持されており、これによって前記躯体開口部を閉塞している。そしてこのものでは、上下のフレーム横枠5にLED10aが取り付けられた基板10が組み込まれており、該LED10aを点灯させることで導光パネル7が面発光をし、これによって表裏の表示パネル8、9を照明することができるようにしたものである。本実施の形態において、前記表示パネル8、9はアクリル樹脂によって構成されている。
尚、LED10a付きの基板10は、横枠ではなく、左右のフレーム縦枠4に組み込むようにすることができ、その場合に、後述するフレーム縦枠、横枠の構成を逆にすることで実施することができる。また照度を考慮した場合、四周のフレーム縦横枠のうち少なくとも一つの枠にLED10a付き基板10を組み込むようにしても実施することができる。さらにLED10aの発光色を異ならしめ、これら異色のLED10aの照度を変化させることで種々の混合色の発光ができることになる。
【0011】
次に、表示装置6の構成について具体的に説明するが、本実施の形態においては、上下のフレーム横枠5に前記LED10a付きの基板10を組み込むようになっている。
まず、左右のフレーム縦枠4について説明するが、該左右のフレーム縦枠4は互いに対称状になっていること以外は同じ構成であるので、左側フレーム縦枠4について説明する。
前記左側フレーム縦枠4は、前記3枚のパネル7、8、9が組み込まれる第一縦枠材11と、該第一縦枠材11に組み付けられる配線用の第二縦枠材12とを用いて構成されている。
【0012】
前記第一縦枠材11は、サッシ縦枠2の内側片(右側片)2bに面接触状に当接し、ビス13を介してサッシ縦枠2に固定される固定片11aと、該固定片11aの上下端から右方に向けてそれぞれ突出する突出片11b、11cと、該突出片11b、11cの右端同士を、下端部が下側突出片11cよりも下方に突出するようにして連結している連結片11dと、該連結片11dを上下方向に三分割するようにして右方に突出していて、裏側(屋外側)表示パネル9、導光パネル7、表側(屋内側)表示パネル8を挟持状に支持する第一〜第四支持片11e、11f、11g、11hとを備えて構成されている。
【0013】
一方、第二縦枠材12は、左右の脚片12a、12bと、これら脚片12a、12bの下端同士を連結する股片12cとで形成されていて断面コ字形をしており、前記下側突出片11cと連結片11dの下側突出片11cよりも下側に突出する片部とサッシ縦枠2の内側片2aとで形成される凹溝に開口端側から嵌入するように形成されているが、そのうちの左側脚片12aの上端(開口端)は、右側に段差状に折曲された折曲片12dとなっており、該折曲片12dは、固定片11aと下側突出片11cのコーナー部に形成される凹溝11iに嵌入するように構成されている。そして、第二縦枠材12は、図示しないビスにより第一縦枠材11に螺着されるようになっている。
なお、後述するように、前記下側突出片11cと第二縦枠材12とで形成される空間で、LED10aの配線(第二配線)10cが収納される縦枠側配線室4aを構成している。
【0014】
次に、上下のフレーム横枠5について説明するが、該上下のフレーム横枠5は互いに対称状になっていること以外は同じ構成であるので、下側のフレーム横枠5について説明する。
該下側フレーム横枠5は、第一〜第四横枠材14、15、16、17と、該第四横枠材17に組み付けられる配線用の第五横枠材18とを用いて構成されている。
【0015】
前記第一横枠材14は、サッシ横枠3の内側片(上側片)3bに面接触状に当接し、ビス19を介してサッシ横枠3に固定される固定片14aと、該固定片14aの右端から上方に向けて突出する第一突出片14bと、該第一突出片14bの上端から右方に向けて突出する第二突出片14cと、該第二突出片の右端から上下方向に突出し、下端は前記サッシ縦枠の内側片3bまで至り、後述する第二横枠材15とで裏側表示パネル9を支持し、先端に内側(第二横枠材15側)に折曲された折曲片14dが形成された支持片14eとを備えて構成されている。
【0016】
次に、第二横枠材15は、裏側表示パネル9を前記第一横枠材の支持片14eとで狭持状に支持し、先端に内側(第三横枠材16側)に折曲された折曲片15aが形成された支持片15bと、該支持片15bの下端部から右方に突出する突出片15cとで形成されているが、該突出片15cが前記第一横枠材の第二突出片14cの左右方向中途位置から逆L字形に突出形成された嵌合片14fに嵌合することで、第二横枠材15は第一横枠材14に支持される構成になっている。そして、本実施の形態において、該第一、第二横枠材14、15が躯体固定側枠材として、構成されている。
【0017】
さらに、第三横枠材16は、略クランク形状をしていて、ビス20を介して第一横枠材14(第一突出片14b)に固定される固定片16a、前記第二横枠材の支持片15bとで導光パネル7を狭持状に支持し、先端に内側(第四横枠材17側)に折曲された折曲片16bが形成された支持片16c、該固定片16aと該支持片16cを連結する連結片16dで形成されている。尚、第三横枠材16の前記ビス20による固定により、第二横枠材15は第一横枠材14と第三横枠材16とのあいだに挟持状に固定されるようになっている。
そして、前記連結片16dの上面には、折曲片16bよりは低い位置において該連結片16dの左右両端から対向間が上側ほど幅狭状態(略ハ字状)で突出する一対の取付け片16e、16fが形成され、連結片16d、取付け片16e、16fによって略凵状に形成されたスペースに、導光パネル7の下端よりも下方に位置する状態でLED10a付きの基板10が組み込まれるように構成されていて、第三横枠材16が、導光パネル支持用枠材として構成されている。
【0018】
第四横枠材17は、略クランク形状をしていて、ビス21を介して第一横枠材14(第一突出片14b)に固定される固定片17a、前記第三横枠材の支持片16cとで表側表示パネル9を狭持状に支持する支持片17b、該固定片17aと該支持片17bを連結する連結片17cで形成されていて、第四横枠材17が表示パネル支持用枠材として構成されている。そして、固定片17aの下端部から右方に突出形成された下側位置決め部17dが第一横枠材の固定片14aに、該固定片17aの上端部から上方に突出形成された上側位置決め部17eが第三横枠材の連結片16cに、それぞれ突き当てることで、第四横枠材17が位置決めされるように構成されている。
【0019】
第五横枠材18は、上下の脚片18a、18bと、これら脚片18a、18bの下端同士を連結する股片18cとで形成されていて断面コ字形をしており、前記第四横枠材17の固定片17aと連結片17cとサッシ横枠3の上側片3bとで形成される凹溝に開口端側から嵌入するように形成されているが、そのうちの下側脚片18bの上端(開口端)は、上側に段差状に折曲された折曲片18dとなっており、該折曲片18dは、第四横枠材の固定片17aの下端部に形成される凹溝17fに嵌入するように構成されている。そして第五横枠材18は、ビス22により第四横枠材17に螺着されるようになっている。
【0020】
さらに、第二縦枠材12と第五横枠材18とのコーナー部には略立方体形状をしたコーナー材23が設けられているが、該コーナー材23は、第二縦枠材12方向の面、第五横枠材18方向の面は開口していて、LED10aの後述する第二配線10cをガイドするため略L字状のガイド壁23a、23bが縦横枠4、5に沿うようにして形成されている。
【0021】
そして、前記LED10a付きの基板10から延び、先端に第一コネクタ10dを備える第一配線10bは、第三横枠材の連結片16dの下面側に、該第三横枠材の連結片16dと、第三横枠材の固定片16aと、第一横枠材の固定片14aと、第四横枠材の固定片17aとで形成される空間である横枠側連結室5aで、先端に第二コネクタ10eを備える第二配線10cに、該第一、第二コネクタ10d、10e同士を連結することで電気的に接続される。さらに該第二配線10cは、第四横枠材17に設けられた挿通孔17gを通って第五横枠材18側へ至り、第五横枠材18と第四横枠材の固定片17aとで形成される空間である横枠側配線室5bを通り、コーナー材23内を経由して、縦枠側配線室4aへ至るように構成されている。
【0022】
次に、表示装置6をサッシ1に組み付ける組み付け手順について図4〜6に基づいて説明する。なお、図4、5は、サッシ縦横枠2、3に該表示装置6のフレーム縦横枠4、5を組み付ける組み付け手順について図示したものであり、パネル7、8、9、LED10a付き基板10については図示を省略している。また、図6は、配線部分の組み付け手順について図示したものであり、サッシ1、パネル7、8、9、LED10a付き基板10については図示を省略している。
まず、図4(A)、(B)に示すように、該第一縦枠材の固定片11aを、ビス13を介してサッシ縦枠の内側片2bに固定することで、第一縦枠材11をサッシ縦枠2に組み付ける。その後、第一横枠材の固定片14aを、ビス19を介してサッシ横枠の内側片3bに固定して第一横枠材14をサッシ横枠3に組み付ける。
そして、裏側表示パネル9の左右端部を第一縦枠材11の第一、第二支持片11e、11f間に、パッキン11jと共に狭持状に支持させることで、該裏側表示パネル9の上下端部を第一横枠材の折曲片14dに突き当てる。
【0023】
さらに、図4(C)に示すように、第二横枠材15の突出片15cを第一横枠材14の嵌合片14fに嵌合させることで、第二横枠材15を第一横枠材14に組み付ける。これにより、裏側表示パネル9の上下端部が、第一横枠材の支持片14aと第二横枠材の支持片15bとのあいだに狭持状に支持されるが、このとき、裏側表示パネル9と第二横枠材の支持片15bの間にパッキン15dを挟み込み、安定性及び防水性を高めるように構成されている。
そして、導光パネル7の左右端部を第一縦枠材の第二、第三支持片11f、11g間に狭持状に支持させることで、該導光パネル7の上下端部を第二横枠材の折曲片15aに突き当てる。
【0024】
その後、図4(D)、図6(A)に示すように、LED10a付きの基板10を組み込んだ第三横枠材16の固定片16aを、ビス20を介して第一横枠材の第一突出片14bに固定することで、第三横枠材16を第一横枠材14に組み付ける。これにより、導光パネル7の上下端部が第二横枠材の支持片15b、第三横枠材の支持片16cとで狭持状に支持されることになるが、該導光パネル7と第三横枠材の支持片16c間にできる空隙に、パッキン16gを設けることで、水密性と導光パネル7のガタ付き防止をするように構成されている。
そして、表側表示パネル8の左右端部を第一縦枠材の第三、第四支持片11g、11h間に、パッキン11kと共に狭持状に支持させることで、該表側表示パネル8の上下端部を第三横枠材の折曲片16bに突き当てる。
【0025】
このとき、図6(A)に示すように、LED10aの基板10から延びる第一配線10bは、第三横枠材16の左右縦枠4側先端から横枠側連結室5aに至り、該第一配線10bの先端に接続される第一コネクタ10dが、該横枠側連結室5aに配されている。
さらに、図5(A)に示すように、該第一コネクタ10dには、電源供給側の第二配線10cが接続された第二コネクタ10eが着脱自在に接続される。
【0026】
そして、図5(B)、図6(B)に示すように、第四横枠材の固定片17aを、ビス21を介して第一横枠材の第一突出片14bに固定することで、第四横枠材17を第一横枠材14に組み付ける。
このとき、第二配線10cを第四横枠材の挿通孔17gから横枠側配線室5bへ至らせ、さらに縦枠側配線室4aへ至るように配線する。
【0027】
その後、図5(C)、図6(C)に示すように、コーナー材23を、第二配線10cがガイド壁23a、23b内を通るようにして第一縦枠材の凹溝11iの下端部位に組み付ける。
【0028】
そして、図5(D)、図6(D)に示すように、第二縦枠材12を第一縦枠材の凹溝11iに図示しないビスによって羅着させる。これにより、第一、第二縦枠材11、12が一体化した状態で左右縦枠4が、サッシ縦枠2に組み付けられる。
一方、第五横枠材18を第四横枠材17の凹溝に図示しないビスによって螺着させ、これにより、第一〜第五横枠材14〜18が一体化した状態で上下横枠5が、サッシ横枠3に組み付けられる。
以上の手順により、サッシ1に表示装置6が組み付けられることになる。
【0029】
このようにして導光パネル7、表外表示パネル8、9が組み込まれるが、該組み込まれた状態で導光パネル7の下端は第三横枠材の取付け片16e、16fの上面に当接状態で支持され、裏側表示パネル9は、第一横枠材の嵌合片14fの上面に当接状態で支持されている。これに対し、表側表示パネル8は、下端が第四横枠材の連結片17cの上面にスペーサ8aを介する状態で支持されているが、表側表示パネル8の上端と第四横枠材の連結片17cとのあいだにはスペーサはない状態になっている。
【0030】
さらに、サッシ1に組み付けられた表示装置6について、LED10aを交換する等のメンテナンス手順について図7、8に基づいて説明する。なお、図7において、導光パネル7、裏側表示パネル9、LED10a付き基板10は図示を省略している。
また、本実施の形態において、LED10a付き基板10は、上下横枠5の両方に備えられているが、構成や手順は同じであるので、下側フレーム横枠5のLED10aを交換する手順について説明する。
【0031】
まず、図7(A)、図8(A)に示すように、第五横枠材18、第四横枠材17の順で上下の横枠5からそれぞれ取り外すが、このとき、上枠側の第四、五横枠材17、18を取り外すことで移動可能スペースS1が生じることになる。
さらに、表側表示パネル8の下端に設けられているスペーサ8aを取り外す。
【0032】
次に、図7(B)、図8(B)に示すように、前記移動可能スペースS1に、表側表示パネル8の下端が第三横枠材16の支持片16c先端(上端)よりも上側に位置するまで、表側表示パネル8を左右のフレーム縦枠4に狭持させながら上方に強制移動させることで、LED10a付き基板10が組み込まれている第三横枠材16を露出させる。この上方に強制移動した表側表示パネル8は、左右のフレーム縦枠4にパッキン11kを介して弾持状に狭持された状態となり、自重により下がってしまうのを抑える設定になっている。
【0033】
そして、図8(C)に示すように、第三横枠材16を第一横枠材14から取り外すことで、該第三横枠材16に内装されている基板10が取り出され、これによりLED10aの交換等のメンテナンスができる。
つまり、このものは、表側表示パネル8を表示装置6(具体的には左右の縦枠4)から取り外すことなく、該表示装置6に支持させた状態としながら、LED10a付きの基板10を取り出すことができるように構成されている。
【0034】
また、前記各パネル7、8、9の左右端縁と第一縦枠材11dとのあいだには、左右のフレーム縦枠4の各支持片11e、11f、11g、11hにより形成される各取付け溝に対する嵌入代よりも大きい移動可能スペースS2が形成されており、これを利用して各パネル7、8、9を縦枠4はそのままの状態で交換することができるようになっており、これについて図9、図10に基づいて次に説明する。なお、図9において、導光パネル7、裏側表示パネル9、LED10a付き基板10は図示を省略している。
【0035】
まず、図9(A)、図10(A)に示すように、表側表示パネル8を交換するには、第五横枠材18、第四横枠材17の順にこれら枠材を上下の横枠5から取り外す。そして、図9(B)、図10(B)に示すように、表側表示パネル8を、最大移動可能スペースS2分だけ左方に強制移動(右方への強制移動でも良い)させると、表側表示パネル8の右端が第一横枠材の支持片11g、11hの先端から抜け出ることになり、この状態で、表側表示パネル8の右端を手前(表側)に引っ張って撓ませて表側の支持片11hを越えた状態にすることで、表側表示パネル8を表示装置6から取り出すことができるように構成されている。
【0036】
また導光パネル7を交換するには、前記表側表示パネル8を取り出した状態でさらに第三横枠材16を外し、該導光パネル7を同じく最大移動可能スペースS2だけ移動させて右端を支持片11f、11gから抜き出した後、手前(屋内側)に撓ませることで同様にして取り出すことができるようになっている。
さらには裏側表示パネル9についても、表側表示パネル8、導光パネル7を取外すと共に、第二横枠材15を取り外した後、移動可能スペースS2から同様に利用して取り出すことができるようになっている。
【0037】
叙述の如く構成された第一の実施の形態において、導光パネル7と表示パネル8、9、を表裏に積層状に配したものを縦横枠4、5の四周枠に支持させ、横枠5にLED10a付きの基板10を内装させ、該LED10aから発せられた光を導光パネル7を面発光させることで表示パネル8、9を照明して表示するようにした表示装置6について、第四、第五横枠材17、18を表示装置から取り外した後、該第四、第五横枠材17、18を取り外すことでできた移動可能スペースS1に表側表示パネル8を強制移動させることで、LED10a付きの基板10を内装した第三横枠材16が露出し、該第三横枠材16を第一横枠材14から取り外すことができるため、LED10aの交換等のメンテナンスの際に、表側表示パネル8を表示装置6から取り外すという大掛かりな作業を要さず、LED10a付き基板10だけを表示装置6取り外すことができるものであり、メンテナンス性に優れている。
【0038】
さらに、表側表示パネル8の交換等のメンテナンスをする際には、第四、第五横枠材17、18を取り外し、第一縦枠材11に設けられる最大移動可能スペースS2分だけ強制移動させることで、該表側表示パネル8を表示装置6から取り出すことができるため、フレーム縦枠4を取り外す必要がなくて、作業性がよいものとすることができる。
【0039】
しかもこのものは、サッシ1の縦横サッシ枠2、3に縦横フレーム枠4、5を組み付けることができるため、既存のサッシ枠に対しても、表示装置6を容易に組み付けることができる。
【0040】
さらに、表示装置6は、縦横サッシ枠のガラス嵌め込み溝2a、3aよりも屋内側の上側片2b、3bに組み付けるため、該ガラス嵌め込み溝2a、3aにガラスを嵌め込んだ状態のサッシ1に表示装置6を組み付けることが可能であり、このような場合であっても、前述の手順でLED10a付き基板10、パネル7、8、9の交換等のメンテナンスをすることが容易にできる。
【0041】
さらにまた、前記表示装置6は、導光パネル7をあいだに挟む状態で、表側表示パネル8は屋内側に向けて、裏側表示パネル9に屋外側に向けてそれぞれ表示することができるため、一枚の導光パネル7を用いて表裏の表示ができることになって構造の簡略化が図れると共に、表示効果が高く、そしてこれら表示パネル8、9に図柄や文字等で宣伝広告を描くことで宣伝広告効果をより高いものとすることができる。
【0042】
尚、本発明は前記第一の実施の形態に限定されることはなく、図11に示す、第二の実施の形態ののように、表示装置6のフレーム縦横枠4、5の表側面とサッシ31の縦横枠32、33の表側面を略面一状のものとすることができ、このように構成することで、サッシ縦横枠32、33とフレーム縦横枠4、5とのあいだに段差がない、意匠性がより優れた表示装置6とすることができる。
【0043】
また、本発明の表示装置6は、前述の第一、第二実施例のように既存のサッシ1(31)に組み付けるのではなく、建築物の躯体開口部に直接、フレーム縦横枠4、5を組み付けるように構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、建築物の開口部に、導光パネルと表示パネルを積層状に配し、LED等の光源で導光パネルを発光させることで、表示パネルを照明する表示装置及び表示装置のメンテナンス方法の技術分野に利用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 サッシ
2 サッシ縦枠
3 サッシ横枠
4 フレーム縦枠
5 フレーム横枠
6 表示装置
7 導光パネル
8 表側表示パネル
9 裏側表示パネル
10 基板
10a LED
11 第一縦枠材
12 第二縦枠材
14 第一横枠材
15 第二横枠材
16 第三横枠材
17 第四横枠材
18 第五横枠材
S1 移動可能スペース
S2 移動可能スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光パネルと表示パネルとが表裏に積層状に配され、導光パネルの端部を照射するべく列状に配した光源付きの基板を備え、該光源からの光を受けた導光パネルが面発光することで表示パネルの表示をするようにした表示装置において、
前記導光パネルと表示パネルとを四周枠で支持すると共に、前記基板を四周枠の少なくとも一つの枠体に内装するにあたり、
基板が内装される枠体とこれに対向する枠体とを、
躯体固定側枠材と、
基板を内装する状態で躯体固定側枠材に表方向から着脱自在に支持されていて、躯体固定側枠材とのあいだで導光パネルを挟持状に支持する導光パネル支持用枠材と、
導光パネル支持用枠材に表方向から着脱自在に支持されていて、導光パネル支持用枠材とのあいだで表示パネルを挟持状に支持する表示パネル支持用枠材とで構成する一方、
残りの一対の枠体を、表示パネル支持用枠材を導光パネル支持用枠材から表方向に外した状態で、基板を内装した導光パネル支持用枠材の内端よりも内側に強制移動せしめた表示パネルを支持する支持材に構成して、表示パネルを取外すことなく基板を内装した導光パネル支持用枠材を表裏方向に取り外すことができるように構成したことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
躯体固定側枠材は、躯体に固定される第一枠材と、該第一枠材に表方向着脱自在に支持されていて、第一枠材とのあいだで裏面側表示パネルを挟持状に支持する第二枠材とから構成され、
導光パネル支持用枠材は、第二枠材に表方向着脱自在に支持されていて、第二枠材とのあいだで導光パネルを挟持状に支持する第三枠材で構成され、
表示パネル支持用枠材は、第三枠材に表方向着脱自在に支持されていて、第三枠材とのあいだで表側表示パネルを挟持状に支持する第四枠材と、該第四枠材に対して表方向着脱自在に支持されていて、基板からの配線を収納する配線収納室を形成する第五枠材とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
第一枠材は、サッシ枠の内面に固定されるものであることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
導光パネルと表示パネルとが表裏に積層状に配され、導光パネルの端部を照射するべく列状に配した光源付きの基板を備え、該光源から発の光を受けた導光パネルが面発光することで表示パネルの表示をするようにした表示装置のメンテナンス方法において、
前記導光パネルと表示パネルとを四周枠で支持すると共に、基板を四周枠の少なくとも一つの枠体に内装すると共に、
基板が内装される枠体とこれに対向する枠体とを、
躯体固定側枠材と、
基板を内装する状態で躯体固定側枠材に表方向から着脱自在に支持されていて、躯体固定側枠材とのあいだで導光パネルを挟持状に支持する導光パネル支持用枠材と、
導光パネル支持用枠材に表方向から着脱自在に支持されていて、導光パネル支持用枠材とのあいだで表示パネルを挟持状に支持する表示パネル支持用枠材とで構成し、
表示パネル支持用枠材を導光パネル支持用枠材から表方向に外した状態で、基板を内装した導光パネル支持用枠材の内端よりも内側に強制移動せしめた表示パネルを残りの一対の枠体で支持した後、表示パネルを取外すことなく基板を内装した導光パネル支持用枠材を表裏方向に取り外すようにしたことを特徴とする表示装置のメンテナンス方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−247554(P2012−247554A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118128(P2011−118128)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(391008582)昭和フロント株式会社 (12)
【Fターム(参考)】