説明

表示装置

【課題】発光素子を有する表示画素を備える表示装置において、色度と発光強度のばらつき及び視野角依存性を抑制することができる表示装置を提供する。
【解決手段】透明アノード電極14と厚膜透明電極19との間には発光層17が設けられている。また、発光層17から厚膜透明電極19側に発光された光を透明アノード電極14側に反射させる反射メタル20が設けられている。厚膜透明電極19は、発光層17と反射メタル20との間に設けられ、厚膜の透明な導電性材料から構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画素に発光素子を備える表示装置に関し、特に、発光素子に有機エレクトロルミネッセンス素子を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置(LCD)に続く次世代の表示デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略記する)や発光ダイオード(LED)等のような自発光素子を2次元配列した発光素子型の表示パネルを備えた表示装置の本格的な実用化、普及に向けた研究開発が盛んに行われている。このような表示装置に配設される有機EL素子は、例えば、発光層を含む有機層を反射性電極と透明電極とで挟み、発光層から発光された光を反射性電極で反射させるとともに、透明電極側から出射させて画像表示を行う構成となっている。このような構成の有機EL素子では、発光層から透明電極方向に出る光と、発光層より反射性電極側に出て反射し、透明電極方向に出る光とがあることから、これらの光の間に干渉効果が発生し、例えば、視野角による色相の変化が生じてしまうおそれがある。
【0003】
かかる問題を解決するため、例えば、特許文献1には、発光層による発光位置から反射層までの光学距離を取り出したい出射光の波長域の中心波長の光が干渉により強めあう光学距離にするとともに、第2の電極側の素子端部の反射界面から反射層までの光学距離を取り出したい出射光の波長域の中心波長の光が干渉により弱めあう光学距離とすることにより、視野角による色相の変化を低減することができる有機EL素子が提案されている。
【特許文献1】特開2006−244713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような光の干渉効果は光の波長により異なるピークを持っており、発光層の発光位置によって、そのピーク位置がシフトしてしまう。このため、発光層の厚さにばらつきがあると発光位置が変化し、発光強度や色度にばらつきが生じてしまうという問題がある。
【0005】
また、有機EL素子から出射された光には、有機EL素子の真正面から出射される光の他に、その斜め方向から出射される光がある。この斜め方向から出射される光は、真正面から出射される光とその光路差が異なるため、異なる干渉効果を受け、視野角依存性を生じてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、発光素子を有する表示画素を備える表示装置において、色度と発光強度のばらつき及び視野角依存性を抑制することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる表示装置は、
発光素子を有する表示画素を備える表示装置であって、
前記発光素子は、少なくとも、
発光層と、
一面側が前記発光層に接し、導電性材料からなり、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する第1の電極と、
前記第1の電極に対向して設けられ、導電性材料からなり、一面側が前記発光層に接し、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する第2の電極と、
前記第2の電極の他面側に接して設けられ、前記発光層から前記第2の電極側に発光された光を前記第1の電極側に反射させる反射層と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
前記第2の電極は、その膜厚が800〜1500nmであることが好ましい。
【0009】
本発明の第2の観点にかかる表示装置は、
発光素子を有する表示画素を備える表示装置であって、
前記発光素子は、少なくとも、
発光層と、
一面側が前記発光層に接し、導電性材料からなり、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する第1の電極と、
前記第1の電極に対向して設けられ、導電性材料からなり、一面側が前記発光層に接し、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する第2の電極と、
一面側が前記第2の電極の他面側に接し、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する厚膜層と、
前記厚膜層の他面側に接し、前記発光層から前記第2の電極側に発光された光を前記第1の電極側に反射させる反射層と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
前記厚膜層は、無機材料から構成され、その膜厚が800〜1500nmであることが好ましい。
前記無機材料は、窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンであることが好ましい。
【0011】
前記厚膜層は、有機材料から構成され、その膜厚が2000〜7000nmであることが好ましい。
前記有機材料は、真空中で蒸着可能なパラキシレン系樹脂、ポリイミド系樹脂またはポリ尿素系樹脂であることが好ましい。
【0012】
前記厚膜層は、例えば、パッシベーション膜としての機能を有する。
前記反射層は、Ag、AlNdTi、または、Alから構成されていることが好ましい。
【0013】
前記透明な導電性材料は、ITO、IWO、IZO、または、IWZOから構成されていることが好ましい。
前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発光素子を有する表示画素を備える表示装置において、色度と発光強度のばらつき及び視野角依存性を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の表示装置について、図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における表示装置1の画素配列の一例を示す図である。図1に示すように、表示装置1は、有機ELパネル(OLED:Organic Light Emitting Diode)2と、カソードエリア(Cathode area)3と、アノードライン(Anode line)4と、データライン(Data line)5と、セレクトライン(Select line)6と、を備えている。
【0017】
有機ELパネル2は、有機EL素子を2次元配列した表示パネルである。本実施の形態の有機ELパネル2では、図1に示すように、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の画素を一組として、この組が行方向(図1の左右方向)に繰り返し複数配列されるとともに、列方向(図1の上下方向)に同一色の画素が複数配列されている。
【0018】
カソードエリア3は、単一の電極層から構成され、各画素に共通のカソード電極である。アノードライン4は、電源電圧に接続されて有機ELパネル2に電流を供給するための配線である。データライン5は、各列の画素に階調信号を与えるものである。セレクトライン6は、各行を選択するものであり、選択された行の画素にデータライン5から与えられた階調信号が供給される。
【0019】
図2は、表示装置1の画素回路構成の一例を示す図である。図2に示すように、表示装置1は、TFT(Thin Film Transistor)等を有する画素駆動回路7と、画素駆動回路7により制御される電流により発光するOLED(有機EL素子)とを備えた回路構成を有している。すなわち、本実施の形態の表示装置1は、TFTを各画素に配置して各有機EL素子を駆動するアクティブ駆動方式の表示装置である。
【0020】
画素駆動回路7は、TFTからなるトランジスタT〜Tと、キャパシタCsとを備えている。トランジスタT〜Tは、例えば、ゲート電極がアルミニウム−ネオジウム−チタン(AlNdTi)またはクロム(Cr)、ソース/ドレイン電極がアルミニウム−チタン(AlTi)/Cr、AlNdTi/CrまたはCrから形成されている。なお、導電率の高さと窒化シリコン(SiN)膜との密着性からAlTi/CrまたはAlNdTi/Crから形成されることが好ましい。本実施の形態では、ソース/ドレイン電極とセレクトライン6/アノードライン4は、AlTi/Cr、AlNdTi/Crで構成されている。なお、セレクトライン6/アノードライン4上にAlTi/Cr、AlNdTi/Cr、Crまたは銅(Cu)等の金属配線を重ねて配線抵抗を下げてもよい。キャパシタCsは、トランジスタTのゲート−ソース間に形成される寄生容量、または、ゲート−ソース間に付加的に設けられた補助容量、もしくは、これらの寄生容量と補助容量からなる容量成分である。
【0021】
本実施の形態では、セレクトライン6/アノードライン4は、ソース/ドレイン電極と同層になっており、例えば、これらは同時に形成されている。なお、上記においては画素駆動回路7が3個のTFTを有して構成されるものとしたが、一例を示したに過ぎず、2個のTFTを有して構成されるものであってもよく、また、4個以上のTFTを有して構成されるものであってもよい。
【0022】
図3は、本実施形態における表示装置1の要部の断面構成を示す。なお、本実施の形態の表示装置1は、図3の下方(基板11の下方)に光を出射して表示するボトムエミッション型の表示装置である。
【0023】
図3に示すように、表示装置1は、基板11を備えている。基板11は、透明な材料からなる基板、例えば、ガラス基板から構成されている。
【0024】
基板11上の有機ELパネル2の形成領域(画素領域)には、絶縁膜12aが形成されている。また、基板11上の画素領域近傍には、セレクトライン6およびアノードライン4が配置され、これらの周囲に絶縁膜12aが形成されている。さらに、セレクトライン6およびアノードライン4を覆うように、絶縁膜12b(層間絶縁膜)が形成されている。絶縁膜12a、12bは、例えば、SiO、SiN等から構成され、本実施の形態ではSiNが用いられている。
【0025】
セレクトライン6およびアノードライン4が覆われた絶縁膜12b上には、バンク層13が形成されている。バンク層13は、画素領域に有機EL用材料を塗布する際のバンク(堤防)として機能し、感光性の樹脂材料、例えば、ポリイミド樹脂により形成されている。また、バンク層13は、後述する画素領域に塗布される有機化合物含有液に対して撥液性を有するように、表面処理が施されている。
【0026】
また、画素領域に形成された絶縁膜12a上には、有機EL素子を形成する、第1の電極としての透明アノード電極14と、ホール注入層15と、インターレイヤー16と、発光層17と、電子輸送層18と、第2の電極としての厚膜透明電極19と、反射層としての反射メタル20と、が設けられている。
【0027】
透明アノード電極14は、絶縁膜12a上に形成されている。透明アノード電極14は、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)等の透明な導電性材料から形成されている。なお、透明アノード電極14は、一般にITOが用いられるが、これに限定されるものではなく、公知の透明な導電性材料を用いてもよい。また、透明アノード電極14は、発光層17の発光波長の少なくとも一部を透過する材料であれば、透明な材料でなくともよい。透明アノード電極14は、後述する画素領域に塗布される有機化合物含有液に対して親液性を有するように、表面処理が施されている。
【0028】
ホール注入層15は、透明アノード電極14上に形成されている。ホール注入層15は、透明アノード電極14からのホール注入効率を高める機能を有する。ホール注入層15は、透明アノード電極14からの注入障壁が低く、ホール移動度の高い材料が用いられている。
【0029】
インターレイヤー16は、ホール注入層15上に形成されている。すなわち、インターレイヤー16は、ホール注入層15と発光層17との間に形成されている。インターレイヤー16は、発光層17内を移動する電子をブロッキングする機能等を有し、発光層17内での電子とホール(正孔)との再結合確率を高める作用を奏する。インターレイヤー16は、ホール移動度が高く、電子ブロッキング機能を有する材料が用いられている。
【0030】
発光層17は、インターレイヤー16上に形成されている。発光層17は、透明アノード電極14と厚膜透明電極19との間に所定の電圧を印加することにより光を発生する機能を有する。発光層17は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の高分子発光材料が用いられている。
【0031】
なお、本実施の形態では、ホール注入層15、インターレイヤー16、および、発光層17は、ノズルコート法やインクジェット法等を用いて材料を画素領域に塗付することにより形成している。このため、ホール注入層15、インターレイヤー16、および、発光層17は、各層の機能を発揮することができる通常用いられる材料を含み、かつ、ノズルコート法やインクジェット法によりその材料の層が形成可能な有機化合物含有液が用いられている。
【0032】
有機高分子系のホール注入・輸送材料を含む有機化合物含有液としては、例えば、導電性ポリマーであるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とドーパントであるポリスチレンスルホン酸(PSS)を水系溶媒に分散させた分散液であるPEDOT/PSS水溶液がある。また、有機高分子系の電子輸送性発光材料を含む有機化合物含有液としては、ポリパラフェニレンビニール系やポリフルオレン系等の共役二重結合ポリマーを含む赤(R)、緑(G)、青(B)色の発光材料を、適宜水系溶媒あるいはテトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン、キシレン等の有機溶媒に溶解(又は分散)した溶液(分散液)がある。
【0033】
電子輸送層18は、発光層17上に形成されている。電子輸送層18は、発光層17への電子注入効率を高めるとともに、ホールブロッキング機能を有する。電子輸送層18は、例えば、Mg、Ca、Ba等のアルカリ土類金属やその酸化物または金属との合金などが用いられる。なお、本実施の形態では、厚膜透明電極19を、スパッタ法を用いて形成することから、スパッタに用いる酸素に強い材料であるCaが用いられている。
【0034】
厚膜透明電極19は、電子輸送層18上に形成されている。すなわち、厚膜透明電極19は、発光層17(電子輸送層18)と反射メタル20との間に形成されている。厚膜透明電極19は、カソード電極として機能する。また、厚膜透明電極19は、発光強度や色度のばらつきを抑制する機能を有する。すなわち、厚膜透明電極19は、干渉のピークを広範囲にわたり発生させることにより、発光層17の厚さのばらつきによって生じる干渉効果のピークシフトと、その結果による放射輝度のピークシフトを抑制する機能を有する。このため、色度と発光強度のばらつきを抑制することができ、視野角依存性を抑制することができる。詳しくは後述する。
【0035】
厚膜透明電極19は、透明性、導電性を有する材料、例えば、ITO、インジウム亜鉛酸化物(IZO:Indium Zinc Oxide)、インジウムタングステン酸化物(IWO:Indium Tungsten Oxide)、インジウムタングステン亜鉛酸化物(IWZO:Indium Tungsten Zinc Oxide)等の酸化物導電膜から構成されている。厚膜透明電極19は、前述のように、スパッタ法により形成されている。なお、厚膜透明電極19は、発光層17の発光波長の少なくとも一部を透過する材料であれば、透明な材料でなくともよい。
【0036】
ここで、厚膜透明電極19の厚みは、800nm〜1500nmにすることが好ましく、1000nm〜1500nmにすることがさらに好ましい。厚膜透明電極19の厚みを1000nm以上とすることにより、色度と発光強度のばらつきを十分抑制することができるためである。また、1500nmよりも厚くすると、成膜時間が著しく長くなり、さらに、透明性が低下するおそれがあるため、1500nmより厚くすることは好ましくない。
【0037】
反射メタル20は、厚膜透明電極19上に形成されている。反射メタル20は、発光層17から厚膜透明電極19側に発光された光を透明アノード電極14側に反射できるものであればよく、例えば、可視光を全て反射できる材質および膜厚から形成されている。これは、本実施の形態の表示装置1(有機EL素子)では、通常のボトムエミッション型の有機EL素子と異なり、カソード電極としての役割は厚膜透明電極19が担っているためである。反射メタル20は、可視光の反射率が高い金属から構成されることが好ましく、AgまたはAlNdTiまたはAlから構成されていることが好ましい。
【0038】
このように構成された表示装置1(有機EL素子)では、透明アノード電極14と厚膜透明電極19との間に所定の電圧を印加することで、発光層17に流れる電流量に応じた光が発生する。そして、発生した光を透明アノード電極14から直接的に、また反射メタル20で反射された光を間接的に、透明アノード電極14側から取り出される。
【0039】
ここで、本実施の形態では、発光層17と反射メタル20との間に厚膜透明電極層19が設けられているので、色度と発光強度のばらつきを抑制することができ、さらに、視野角依存性を抑制することができる。以下、図4に示す計算モデルAを用いて説明する。
【0040】
図4に示すように、この計算モデルAは、反射メタル20と、厚膜透明電極19と、発光層17と、透明アノード電極14と、ガラス基板11と、から構成された有機EL素子である。なお、計算モデルAでは、説明の便宜上、図3とは、その上下方向を逆にしている。また、計算モデルAでは、有機ELの発光は、発光層17内の一点(発光点P)から起こるものとした。さらに、発光点Pから厚膜透明電極19までの膜厚をXp、発光点Pから透明アノード電極14までの膜厚をXqとし、厚膜透明電極19の膜厚をdc、透明アノード電極14の膜厚をdaとし、反射メタル20およびガラス基板11の厚みは無限として計算した。
【0041】
図5に入射光、反射光、および、透過光の振幅の正の方向をそれぞれ示す。光が媒質i(屈折率n)から媒質o(屈折率n)に入射すると、入射面に垂直に電場が振動する偏光(s偏光)の正の方向は、図5の矢印(破線)方向となる。また、入射面内に電場が振動する偏光(p偏光)の正の方向は、図5に示すように、図5に鉛直な方向となる。
【0042】
各界面での振幅反射率ri.o、透過振幅率ti.oはそれぞれ、
【数1】

となる。ここで、θは入射角、反射角、θは屈折角である。
【0043】
また、Y、Yは、s偏光の場合には、
=ncosθ、Y=ncosθ
で表され、p偏光の場合には、
=n/cosθ、Y=n/cosθ
で表される。
【0044】
図6に、この計算に用いる光の干渉光路を示す。図6に示すように、発光層17の発光点Pから出射された光は、干渉光路(1)〜(4)を経てガラス基板11外に出射される。このようにして出射された光の角度θ方向の分光強度I(λ)(干渉効果)は、以下の式で表すことができる。
I(λ)=Abs[{t2.4{1−r2.0 exp(iγ)}+r2.42.02.4 exp(iγp+q){1−r2.4 exp(iγ)}/√2}]
と表すことができる。なお、この式では、反射メタル20を「0(層)」、厚膜透明電極19を「1(層)」、発光層17を「2(層)」、透明アノード電極14を「3(層)」、ガラス基板11を「4(層)」とする。このため、例えば、t2.4は、2層から4層に透過する透過振幅率を示している。この式から、s偏光、およびp偏光のそれぞれの分光強度を求め、平均を取ることで、各波長に対する分光強度を求めることができる。
【0045】
ここで、
2.4 =r2.3 +t2.33.23.4 exp(iγ
2.4 =t2.33.4 exp(−iγ/2)
2.0 =r2.1+t2.11.21.0 exp(iγ
と表すことができる。
【0046】
また、位相差γは、それぞれ、
γ =4πn da cosθ/λ
γ =4πn dc cosθ/λ
γ =4πn Xp cosθ/λ
γp+q =4πn(Xp+Xq) cosθ/λ
と表すことができる。
【0047】
なお、θはスネルの法則 nm sinθ = sinθ(m=層の番号、θ=視角)より求めた。また、3層(透明アノード電極14)と、2層(発光層17)および4層(ガラス基板11)とは屈折率が近いことから、反射の影響は少ないと考え、r2.3、r3.4 =0として計算した。さらに、θ=0、da=200、Xp=50、Xq=60〜80、dc=1000として計算した。
【0048】
次に、発光層17から放出される光の定義を行った、干渉を受ける前の放射輝度Le(λ)は、
【数2】

と表すことができる。ここで、λは発光層のピーク波長、σは線幅、γは短波長減衰係数である。
【0049】
各波長におけるLeに分光強度I(λ)を乗じた
Le’(λ)=I(λ)Le(λ)
が最終的に視角θで観察される放射輝度である。
【0050】
各色の色度CIE(x,y)は、それぞれ、
x=X/(X+Y+Z)
y=Y/(X+Y+Z)
となる。
【0051】
三刺激純値X,Y,Zは、
【数3】

から計算できる。なお、係数kは5として計算した。また、輝度=Y*683/100から求められる。
【0052】
これらの式より、各パラメータから最終的に導いたLe’(λ)、CIE(x,y)を求め、色度と発光強度のばらつき、および、視野角依存性の評価を行った。
【0053】
また、比較のため、発光層17と反射メタル20との間に厚膜透明電極層19が設けられていない場合についても色度と発光強度のばらつき、および、視野角依存性の評価を行った。図7に厚膜透明電極層19が設けられていない場合の計算モデルBを示し、図8に計算モデルBにおける光の干渉光路を示す。
【0054】
この場合、図8に示すように、発光層17の発光点Pから出射された光は、(1)〜(4)の光路を経てガラス基板11外に出射される。出射された光の角度θ方向の分光強度I(λ)(干渉効果)は、以下の式で表される。
I(λ)=Abs[{t1.3{1−r1.0 exp(iγ)}+r1.31.01.3 exp(iγp+q){1−r1.3 exp(iγ)}/√2}]
なお、計算モデルBでは、反射メタル20を「0(層)」、発光層17を「1(層)」、透明アノード電極14を「2(層)」、ガラス基板11を「3(層)」とした。
【0055】
ここで、
1.3=r1.2+t1.22.12.3 exp(iγ
1.3=t1.22.3 exp(−iγ/2)
また、位相差γは、それぞれ、
γ=4πn da cosθ/λ
γ=4πn Xp cosθ/λ
γp+q=4πn(Xp+Xq)cosθ/λ
と表される。
【0056】
次に、計算モデルAおよび計算モデルBの干渉効果を計算した。図9は透明厚膜電極層19を設けた計算モデルAの干渉効果を示し、図10は透明厚膜電極層19を設けていない計算モデルBの干渉効果を示す。
【0057】
図9および図10に示すように、透明厚膜電極層19を設けることにより、図10に示すような干渉のピークのシフトがなくなり、図9に示すように、複数のピークを持つ周期構造となる。このため、干渉のピークを広範囲にわたり発生させることができ、発光層の膜厚による色度と発光強度のばらつき、および、視野角依存性を抑制することができる。
【0058】
また、透明厚膜電極層19を設けることにより多重ピーク効果を受けた放射輝度と、多重ピーク効果を受けなかった放射輝度との比較を図11に示す。図11に示すように、多重ピーク効果を受けると放射輝度が複数のピークを持つことがわかる。また、図12および図13に、発光点Pから厚膜透明電極19までの膜厚Xpを変えて計算した放射輝度のピークシフトを示す。図12に示すように、図13と比較すると、膜厚Xpの変化に対して、スペクトルと色度のシフトが減少していることが確認できた。
【0059】
このように、厚膜透明電極19を挿入することによる多重ピーク効果は、発光層17の膜厚の変化による干渉効果のピークシフトと、その結果による放射輝度のピークシフトを抑制させる効果があることが確認できた。
【0060】
また、図14に、計算モデルA、Bについて、視角θを変化させた時の青色素子の色度を示す。図14に示すように、視角θが0°から80°になると、計算モデルBではCIE(Y)の減少が0.062であるのに対して、計算モデルAではCIE(Y)の減少が0.024に抑えられる。このように、厚膜透明電極19を挿入することにより、視野角による色度変化を抑制できることが確認できた。
【0061】
この結果から、スペクトルのシフトを最小限に抑えることができる厚膜透明電極19の最適な膜厚を求めた。厚膜透明電極19の最適な膜厚を発光層17の膜厚を変化させた時の青色素子の色度と輝度の理想値からの乖離で評価した。発光点Pから厚膜透明電極19までの膜厚Xpを35〜45nm、発光点Pから透明アノード電極14までの膜厚Xqを60〜80nmの範囲で1nmづつ変化させ、それぞれのCIE(x,y)、輝度の値について、11×21=231個のデータを求めた。このデータの平均値が理想値に近いほど、また誤差が少ない条件ほど干渉効果により色の変化が無く、かつ膜厚が変化した時のシフトが少なくなる理想の膜厚であるとした。
【0062】
透明導電厚膜層19の屈折率をITOの値とし、厚膜透明電極19の膜厚dcを0〜2000nmまで変化させた時のデータの平均値と誤差とを計算した。なお、誤差は、(最大値−最小値)/平均値から求め、(%)で表示した。計算結果を図15、図16に示す。
【0063】
図15および図16に示すように、色度の誤差は、透明導電厚膜層19の膜厚が200nmのときにピークとなり、500nm以降徐々に減少し、1000nm付近で一定の値に収束している。また、平均値は、CIE_Xでは1200nm以上、CIE_Yでは1000nm以上で理想値付近に収束している。ここで、色度のムラを抑えるためには色度の誤差が小さければ問題ないので、透明導電厚膜層19の理想的な膜厚は、1000nm以上であることが導かれる。ただし、透明導電厚膜層19の膜厚が800nm程度であっても、同様の効果が期待できることから、透明導電厚膜層19の膜厚は、800nm以上にすることが好ましい。また、透明導電厚膜層19は、真空中でスパッタ成膜するため、その膜厚を厚くすると成膜時間が著しく長くなってしまう。その膜厚をさらに厚くすると、透明性が低下してしまうおそれがある。このため、透明導電厚膜層19の膜厚は、1500nm以下に抑えることが好ましい。
【0064】
次に、以上のように構成された表示装置1の製造方法について説明する。図17(a)〜図17(c)は、本実施の形態の表示装置1の製造方法を説明するための断面構成を示す図である。
【0065】
まず、一般的なTFT基板の製造方法と同様の手順により、基板11上の画素形成領域ごとに、画素駆動回路7のトランジスタT〜T、アノードライン4、データライン5、セレクトライン6等の配線層を形成するとともに、透明アノード電極14を形成する。
【0066】
例えば、基板11上にAlNdTiからなるゲートメタル層を成膜し、パターニングすることによってデータライン5と画素駆動回路7のトランジスタT〜Tのゲート電極とを同時に形成する。次に、基板11上の全面に、SiNからなる絶縁膜12a(ゲート絶縁膜)を形成する。続いて、基板11上の画素領域に、ITOからなる透明アノード電極14を形成する。また、形成した絶縁膜12aの所定領域をパターニングしてホールを形成し、形成したホールにAlNdTi/Crからなるセレクトライン6/アノードライン4を形成するとともに、AlTi/Crからなるソース/ドレイン電極を形成する。
【0067】
次に、セレクトライン6およびアノードライン4を覆うように、SiNからなる絶縁膜(層間絶縁膜)12bを形成する。また、透明アノード電極14上に形成された絶縁膜12bを、例えば、ドライエッチングを行うことにより除去し、透明アノード電極14の上面を露出させる。続いて、同様の手順により、絶縁膜12b上にポリイミド樹脂からなるバンク層13を形成する。続いて、基板11を純水で洗浄した後、例えば、酸化プラズマ処理やUVオゾン処理を施し、透明アノード電極14の上面および絶縁膜12bの壁面を親液化する処理を施す。さらに、基板11をフッ素系の撥液処理溶液に浸漬した後、アルコールや純水で洗浄、乾燥させて、バンク層13の表面を撥液処理する。これにより、図17(a)に示す状態となる。
【0068】
次に、図17(b)に示すように、絶縁膜12bの開口(画素領域)に、インクジェット法、または、ノズルコート法等により所定の溶液または分散液を塗布した後、加熱乾燥させて、画素領域にホール注入層15、インターレイヤー16、および、発光層17を形成する。
【0069】
例えば、透明アノード電極14上にPEDOTを水系溶媒に分散させた分散液を塗布した後、基板11が載置されているステージを100℃以上の温度条件に加熱して乾燥処理を行って残留溶媒を除去することにより、画素領域にホール注入層15を形成する。同様の手順により、インターレイヤー16を形成する材料の溶液(分散液)を塗布、加熱、乾燥し、ホール注入層15上にインターレイヤー16を形成する。さらに、同様の手順により、発光層17を形成する材料の溶液(分散液)、例えば、ポリフルオレン系等の共役二重結合ポリマーを含む発光材料を、適宜水系溶媒あるいはキシレン等の有機溶媒に溶解(又は分散)した溶液(分散液)を塗布、加熱、乾燥し、インターレイヤー16上に発光層17を形成する。
【0070】
続いて、図17(c)に示すように、例えば、真空チャンバー内に基板11を設置し、基板全面にCaを蒸着させ、発光層17(およびバンク層13)上に電子輸送層18を形成する。次に、基板全面にスパッタ法によりITO膜を形成し、電子輸送層18上に厚膜透明電極19を形成する。そして、基板全面にスパッタ法又は蒸着によりAl層を形成し、厚膜透明電極19上に反射メタル20を形成する。これにより、図3に示す表示装置1が製造される。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態によれば、発光層17と反射メタル20との間に厚膜透明電極層19が設けられているので、色度と発光強度のばらつきを抑制することができ、さらに、視野角依存性を抑制することができる。
【0072】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、電子輸送層18(発光層17)と反射メタル20との間に、厚膜の厚膜透明電極層19が設けられている場合を例に本発明を説明した。本実施の形態では、図18に示すように、電子輸送層18と反射メタル20との間に、透明カソード電極21と、厚膜層22とが設けられている場合を例に本発明を説明する。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
図18に示すように、本実施の形態の表示装置1では、電子輸送層18と反射メタル20との間に、透明カソード電極21と、厚膜層22と、が設けられている。
【0074】
透明カソード電極21は、電子輸送層18上に形成されている。透明カソード電極21は、透明性、導電性を有する材料、例えば、ITO、IZO、IWO、IWZO等の酸化物導電膜から構成されている。なお、透明カソード電極21は、発光層17の発光波長の少なくとも一部を透過する材料であれば、透明な材料でなくともよい。透明カソード電極21は、カソード電極として機能し、その厚さはカソード電極としての役割を果たす厚さがあればよい。
【0075】
厚膜層22は、透明カソード電極21上に形成されている。厚膜層22は、発光強度や色度のばらつきを抑制する機能を有する。すなわち、厚膜層22は、干渉のピークを広範囲にわたり発生させることにより、発光層17の厚さのばらつきによって生じる干渉効果のピークシフトと、その結果による放射輝度のピークシフトを抑制する機能を有する。このため、色度と発光強度のばらつきを抑制することができ、視野角依存性を抑制することができる。
【0076】
厚膜層22は、透明性を有し、真空中で成膜可能な材料であればよく、導電性を有しなくともよい。また、厚膜層22は、無機材料から構成されていても、有機材料から構成されていてもよい。
【0077】
例えば、無機材料としては、窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンであることが好ましい。透明カソード電極21を構成するITOに屈折率が近く(n=1.9)、CVDまたはスパッタにより成膜しやすいためである。また、厚膜層22の膜厚は、ITOと同様に厚く成膜すると膜応力が高くなりすぎてクラックが起こる可能性があること、および、成膜時間が長くなることから、例えば、800〜1500nmであることが好ましい。
【0078】
有機材料としては、例えば、パラキシレン系樹脂、ポリイミド系樹脂またはポリ尿素系樹脂であることが好ましい。特に、パリレン樹脂等のように、ドライプロセスで成膜可能な樹脂であることが好ましい。これらの樹脂の屈折率は窒化シリコンより低くなるが(n=1.6前後)、1000nm以上の厚膜を窒化シリコン膜より高い成膜レートで成膜することが可能になる。ただし、厚膜層22の膜厚は、計算上、膜厚2000nm以上であれば干渉抑制効果が一定であること、および、厚くしすぎると成膜に時間がかかることから、2000〜7000nmにすることが好ましい。また、厚膜層22に有機材料を用いると、無機材料を用いた場合に比べて、速い成膜レートで成膜することができる。
【0079】
これらの無機材料、および、有機材料は、水分の透過性が低いことから有機ELパネルのパッシベーション膜としても用いられており、干渉によるシフト抑制効果のみならず、パッシベーション効果も同時に実現することができる。
【0080】
次に、以上のように構成された表示装置1の製造方法について説明する。図19は、表示装置1の製造方法を説明するための断面構成である。
【0081】
まず、第1の実施の形態と同様の手順により、基板11上に、画素駆動回路7のトランジスタT〜T、アノードライン4、データライン5、セレクトライン6、絶縁膜12a、透明アノード電極14、絶縁膜12b、バンク層13、ホール注入層15、インターレイヤー16、発光層17、および、電子輸送層18を形成する。
【0082】
次に、図19(a)に示すように、基板全面にスパッタ法によりITO膜を形成し、電子輸送層18上に透明カソード電極21を形成する。ここで、透明カソード電極21は、第1の実施の形態の厚膜透明電極19とは異なり、カソード電極としての役割を果たす厚さに形成する。続いて、図19(b)に示すように、基板全面に、例えば、窒化酸化シリコン膜を形成し、透明カソード電極21上に厚膜層22を形成する。そして、基板全面にスパッタ法又は蒸着によりAl層を形成し、厚膜層22上に反射メタル20を形成する。これにより、図18に示す表示装置1が製造される。
【0083】
次に、透明カソード電極21および厚膜層22を設けたことによる効果を確認するため、透明カソード電極21および厚膜層22を有する場合と、透明カソード電極21および厚膜層22を有しない場合とについて、青色テスト素子を作成して比較検討を行った。透明カソード電極21には200nmのITO膜、厚膜層22には800nmのSiONを用いた。また、発光層17はスピンコートで成膜したが回転数を変えることで膜厚50nm,70nm,90nmの3種のサンプルを用意した。図20に作成した素子の発光層の膜厚変化による色度の変化を示す図である。
【0084】
図20に示すように、透明カソード電極21および厚膜層22を設けることにより、色度の変化が抑えられる。このため、電子輸送層18と反射メタル20との間に、透明カソード電極21および厚膜層22を設けることにより発光層17の厚さのばらつきによって生じる干渉効果のピークシフトを抑制できることが確認できた。
【0085】
以上説明したように、本実施の形態によれば、発光層17と反射メタル20との間に、透明カソード電極21および厚膜層22が設けられているので、色度と発光強度のばらつきを抑制することができ、さらに、視野角依存性を抑制することができる。
【0086】
本実施の形態によれば、厚膜層22がパッシベーション層としての役割を果たすので、ダークスポットの成長を抑制することができる。さらに、厚膜層22に有機材料を用いると、無機材料を用いた場合に比べて、速い成膜レートで成膜することができる。
【0087】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0088】
上記実施の形態では、有機EL素子として、一対の電極間に、ホール注入層15とインターレイヤー16と発光層17と電子輸送層18とが設けられている場合を例に本発明を説明したが、一対の電極間に少なくとも発光層17が設けられていればよく、例えば、発光層17に電子輸送発光材料を用い、発光層17と電子輸送層18とを混合層にしてもよい。また、ホール注入層15や、インターレイヤー16や、電子輸送層18を設けなくともよい。
【0089】
上記実施の形態では、発光素子が有機EL素子である場合を例に本発明を説明したが、本発明は様々な発光素子に適用可能であり、有機EL素子に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施の形態における表示装置の画素配列の一例を示す図である。
【図2】画素回路構成の一例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態における表示装置の要部の断面構成を示す図である。
【図4】計算モデルAを示す図である。
【図5】入射光、反射光、および、透過光の振幅の正の方向を示す図である。
【図6】計算モデルAにおける光の干渉光路を示す図である。
【図7】計算モデルBを示す図である。
【図8】計算モデルBにおける光の干渉光路を示す図である。
【図9】計算モデルAの干渉効果を示す図である。
【図10】計算モデルBの干渉効果を示す図である。
【図11】波長と放射輝度との関係を示す図である。
【図12】計算モデルAの放射輝度のピークシフトを示す図である。
【図13】計算モデルBの放射輝度のピークシフトを示す図である。
【図14】視角θを変化させた時の青色素子の色度を示す表である。
【図15】厚膜透明電極の膜厚と色度の平均値および誤差との関係を示す図である。
【図16】厚膜透明電極の膜厚と色度の平均値および誤差との関係を示す図である。
【図17】表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態の表示装置の断面構成を示す図である。
【図19】図18の表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図20】発光層の膜厚変化による色度の変化を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1・・・表示装置、2・・・有機ELパネル、11・・・基板、12a、12b・・・絶縁膜、13・・・バンク層、14・・・透明アノード電極、15・・・ホール注入層、16・・・インターレイヤー、17・・・発光層、18・・・電子輸送層、19・・・厚膜透明電極、20・・・反射メタル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有する表示画素を備える表示装置であって、
前記発光素子は、少なくとも、
発光層と、
一面側が前記発光層に接し、導電性材料からなり、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する第1の電極と、
前記第1の電極に対向して設けられ、導電性材料からなり、一面側が前記発光層に接し、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する第2の電極と、
前記第2の電極の他面側に接して設けられ、前記発光層から前記第2の電極側に発光された光を前記第1の電極側に反射させる反射層と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2の電極は、その膜厚が800〜1500nmである、ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
発光素子を有する表示画素を備える表示装置であって、
前記発光素子は、少なくとも、
発光層と、
一面側が前記発光層に接し、導電性材料からなり、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する第1の電極と、
前記第1の電極に対向して設けられ、導電性材料からなり、一面側が前記発光層に接し、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する第2の電極と、
一面側が前記第2の電極の他面側に接し、前記発光層の発光波長の少なくとも一部を透過する厚膜層と、
前記厚膜層の他面側に接し、前記発光層から前記第2の電極側に発光された光を前記第1の電極側に反射させる反射層と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
前記厚膜層は、無機材料から構成され、その膜厚が800〜1500nmである、ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記無機材料は、窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンである、ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記厚膜層は、有機材料から構成され、その膜厚が2000〜7000nmである、ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記有機材料は、真空中で蒸着可能なパラキシレン系樹脂、ポリイミド系樹脂またはポリ尿素系樹脂である、ことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記厚膜層は、パッシベーション膜としての機能を有する、ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記反射層は、Ag、AlNdTi、または、Alから構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記導電性材料は、ITO、IWO、IZO、または、IWZOから構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−32553(P2009−32553A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195881(P2007−195881)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】