説明

表示装置

【課題】 表示装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも一時的に自動車を駆動する内燃機関を有する自動車のための、および内燃機関の作動時間関連データを表示する(1)ための表示装置は、作動時間関連データが、自動車のルート上で現時点より前に発生するエンティティ(E、E’、E”・・・)における、内燃機関が停止された自動車の動作の割合として提供され、かつ表示装置がこれらデータを棒グラフで表示するように構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段による表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関によって駆動される自動車では、内燃機関が連続的に作動しないようにすることが可能である。例えば、始動停止システムを備える自動車では、自動車が停車しているとき、例えば赤信号で待っているときに内燃機関を停止させることを提供する。加えて、自動車では、ドライブレスローリング(driveless rolling)(惰行)を提供することが可能である。最後に、ハイブリッド車、すなわち内燃機関の他に別の駆動源を有する自動車では、純粋に電気による走行が可能となる。
【0003】
一般的なタイプの特許文献1には、内燃機関を有する自動車用の表示装置が開示されており、そこでは内燃機関は、少なくとも一時的に自動車を駆動し、かつ始動停止システムによる内燃機関の停止時間をカウンターが表示する。しかしながら、このカウンターを運転者が解釈することは難しい。なぜなら例えば、運転者はなお表示時間を運転者の走行時間と関連させる必要があるためである。
【0004】
特許文献2には、ハイブリッド車におけるエネルギーの流れの表示器が開示されている。しかしながら、ここでは瞬間の値のみが表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−224269号公報
【特許文献2】特開2006−290182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、一般的なタイプの表示装置をさらに改良し、かつ特に運転者が直感的に表示内容を理解できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態および発展形態に関する。
【0008】
本発明は、表示装置によって表示部に、自動車のルート上で現時点より前に発生するエンティティ(entity)における、内燃機関が停止された自動車の動作の割合(Anteil)としての作動時間関連データが提供され、表示装置が、これらのデータを棒グラフで表示するように構成されることが提供される。作動時間関連データは、自動車のルート上で現時点より前に発生するエンティティとして、すなわち対応して細分化されたルート関連変数の要素として提供されるので、経時的なプロフィールまたはルート関連プロフィールを容易に表示できる。内燃機関が停止された自動車の比例動作を考慮することによって、経過した走行時間とのまたは走行したルートとの関連が既にあるために、運転者による解釈が容易に可能となる。データを棒グラフで表示するために、運転者はこれらデータを容易に理解できる。例えば、運転者は、燃費の良さに関する対応するプロフィールを即座に認識できる。なぜならこれは、内燃機関が停止している頻度に直接依存するからである。
【0009】
本発明の好ましい一実施形態では、現時点より前に発生する時間間隔を自動車のルート上のエンティティとして提供する手段を備える。これは、内燃機関が停止されたそれぞれの割合を運転者が特に容易に理解できる表示方法を構成する。
【0010】
この実施形態では、表示装置を、特に好ましくは同じ規模の時間間隔を表示するように設計する。ここで、好適な規模は5分間隔である。これにより、現時点より前に発生する時間挙動が対応して滑らかになるので、多くの詳細情報が失われることなく比較的「安定した」表示が可能となる。
【0011】
別の好ましい実施形態では、エンティティを現時点より前に発生するルートの間隔として提供する手段を備える。特に長さの等しいルートの間隔にわたるそのようなルート関連表示は、運転者が直感的に理解することが可能である。
【0012】
表示装置の設計をさらに、現時点より前に発生するエンティティの少なくとも一部でまたは表示されるエンティティで平均した平均値を表示するようにすることによって、運転者への情報提供をさらに改良することが達成される。
【0013】
表示装置は、好ましくは自動車の運転者の視野に表示部を有する。現代の自動車は既にそのような表示部を有していることが多いので、本発明による表示装置で表示するためにはソフトウェアを修正することのみが必要である。
【0014】
本発明を以下、図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による表示装置の表示部を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明による表示装置の表示部1の候補を図に一例として示す。ここで、自動車のルート上で現時点より前に発生するエンティティE、E’、E”・・・を横軸Aに示す。この例では、エンティティを、現時点より前に発生する5分間隔として示す。それゆえ、表示される第1のエンティティEは、(現在の時刻から逆算した)最後の5分間によって形成される。表示される第2のエンティティE’は、現在の時刻から計算して、5分前に終了し10分前に開始する5分間隔である。対応して別の間隔が形成される。ここで、現在の時刻から計算してより前に発生する時間間隔ほど、表示部1においてより右側に表示される。
【0017】
この5分間隔内において内燃機関が停止された状態で自動車が動作された割合を、各エンティティE、E’、E”・・・に対して、すなわちここでは各5分間隔に対して表示部1の縦軸Oに表示する。換言すれば、この例示的な実施形態では、図示の棒の高さは、各5分間隔内において内燃機関が停止している割合に対応する。
【0018】
さらに、平均値Mを、表示される5分間隔にわたるまたは走行中の道程の全5分間隔にわたる、内燃機関が停止された動作の平均値として示す。ここで、表示のタイプ、例えば表示される5分間隔の数、平均値の存在、棒グラフの棒のタイプおよび色などを、自動または運転者による手動のいずれかで設定できるように提供してもよい。この例示的な実施形態では、内燃機関が停止された動作の最大の時間部分として最大限に表示される割合は、表示される棒の高さに対応し、この例示的な実施形態では70%で提供される。この値を、例えば表示される棒の変数に応じて、運転者による手動でまたは自動で調整可能な形式で提供することもできる。ここで、最大値に100%未満の縦軸を使用することにより、通常読み取りやすい表示部を提供する。
【0019】
本発明による表示装置のこの表示部1は、一例としてのみ理解されたい。本発明の範囲を逸脱することなく、例えば表示されるエンティティの種々の数または規模(幅)をラインまたは3次元の構造として使用する多数の別の実施形態が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一時的に自動車を駆動する内燃機関を有する自動車のための、および前記内燃機関の作動時間関連データを表示する(1)ための表示装置において、
前記作動時間関連データが、前記自動車のルート上で現時点より前に発生するエンティティ(E、E’、E”・・・)における、内燃機関が停止された前記自動車の動作の割合として提供され、前記表示装置を、これらのデータを棒グラフで表示するように構成することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
現時点より前に発生する時間間隔が前記自動車のルート上のエンティティとして提供される請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
同じ規模の時間間隔を表示するように設計される請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
現時点より前に発生するルートの間隔が前記自動車のルート上のエンティティとして提供される請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
長さの等しいルートの間隔を表示するように設計される請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記エンティティの少なくともの一部にわたる平均値としての平均値(M)を表示するようにさらに設計される請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示装置。

【図1】
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【公開番号】特開2010−76754(P2010−76754A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177313(P2009−177313)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(508174975)ドクトル イング ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト (134)
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D−70435 Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】