表示装置
【課題】
フロントウィンドウの印刷部分の削れを抑制し、不良品の発生を抑制した表示装置を提供すること。
【解決手段】
表示パネルと該表示パネルの表側に配置されたフロントウィンドウ（ＦＷ）とを有する表示装置において、該フロントウィンドウの裏面に貼り付けられる、該フロントウィンドウより寸法の小さい板状部材（ＴＰ）と、該フロントウィンドウと該板状部材とを貼り付ける、該板状部材より寸法の小さい粘着膜（３０）と、該フロントウィンドウの裏面に印刷され、該表示パネルの表示領域の周囲に形成された印刷部分（２０）と、該フロントウィンドウと該板状部材のエッジ部分が接触する領域（２３）には、該印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くしたことを特徴とする。
フロントウィンドウの印刷部分の削れを抑制し、不良品の発生を抑制した表示装置を提供すること。
【解決手段】
表示パネルと該表示パネルの表側に配置されたフロントウィンドウ（ＦＷ）とを有する表示装置において、該フロントウィンドウの裏面に貼り付けられる、該フロントウィンドウより寸法の小さい板状部材（ＴＰ）と、該フロントウィンドウと該板状部材とを貼り付ける、該板状部材より寸法の小さい粘着膜（３０）と、該フロントウィンドウの裏面に印刷され、該表示パネルの表示領域の周囲に形成された印刷部分（２０）と、該フロントウィンドウと該板状部材のエッジ部分が接触する領域（２３）には、該印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くしたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は表示装置に関し、特に、フロントウィンドウを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
携帯電話、携帯情報端末（ＰＤＡ）、デジタルカメラ、マルチメディアプレーヤーなど、多くの携帯型の情報機器の表示装置に液晶モジュール（液晶表示装置）、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの各種表示装置が利用されている。
【０００３】
近年では、特許文献１に示すように、これらの表示装置には、表示パネルを保護するため、フロントウィンドウとして透明の保護カバーを貼り付けたハイブリッド構造が一般的となっている。また、図１に示すようなタッチパネル（ＴＰ）を備えた多機能な表示装置も提供され、表示パネルの表面側にタッチパネルやフロントウィンドウを順次貼り合わせる構造が提案されている。
【０００４】
図１に示すタッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルガラス（タッチパネルスクリーン部）１に配線用のフレキシブル・プリント回路１１が接続され、さらに必要に応じて、タッチパネルの動作を制御する電子部品１２を設け、フレキシブル・プリント回路の他端には、インターフェース端子部１３が形成されている。
【０００５】
他方、フロントウィンドウ（ＦＷ）については、図２に示すように、フロントウィンドウの裏面には、表示パネルの画像表示領域を除き、印刷部分２０が施されている。特に、液晶表示装置では、画像表示領域外からバックライト等の光が漏れないよう、当該印刷部分には黒色系の印刷が施されている。
【０００６】
図３は、図１のタッチパネル（ＴＰ）を、図２のフロントウィンドウ（ＦＷ）に貼り付けた状態を示す平面図であり、図４は、図３の一点鎖線Ｘ−Ｘ’における断面図を示している。符号３０は、フロントウィンドウとタッチパネルを張り付ける粘着膜を示している。
【０００７】
通常、タッチパネル（ＴＰ）などフロントウィンドウ（ＦＷ）に貼り付ける部材は、フロントウィンドウの寸法より小さく、粘着膜３０は、タッチパネルなどよりもさらに寸法が小さくなっている。このため、図５に示すように、フロントウィンドウのエッジに押圧力が加わると、フロントウィンドウ（ＦＷ）が撓み、タッチパネル（ＴＰ）などのエッジと符号Ａの部分で接触し、印刷部分２０の一部が削れ、印刷部分の不良品となる。
【０００８】
図４の印刷部分２０とタッチパネル（ＴＰ）との間に緩衝材を配置することも考えられるが、両者のギャップ量は、０．１ｍｍ以下と非常に狭いため、緩衝材を配置することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特願２００９−０８５４７３号（出願日：２００９年３月３１日）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明の解決しようとする課題は、上述した問題を解消し、フロントウィンドウの印刷部分の削れを抑制し、不良品の発生を抑制した表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、図６に示すように、フロントウィンドウの印刷部分２１を厚くし、タッチパネルなどのエッジが接触して印刷部分が全部削れるのを防止する方法を提案した。しかしながら、印刷部分を１０μｍより厚くすると、印刷部分２１と粘着膜３０との重なった部分の近傍（符号ＢやＣ）に気泡（粘着膜の欠損）が発生し易すくなり、新たな不良品問題を生ずることが判明した。
【００１２】
また、図７に示すように、厚くした印刷部分２１の内側に、厚みが１０μｍ以下の薄い印刷領域２２を形成し、当該印刷領域２２に重なるように粘着膜３０を設けることも提案した。しかしながら、粘着膜３０からタッチパネル（ＴＰ）のエッジまでの距離Ｓが長くなるため、フロントウィンドウとタッチパネル（ＴＰ）が剥がれ易くなるという問題が、新たに生じることが判明した。
【００１３】
本発明者らは、さらに工夫を重ね、以下に示すような特徴を有する表示装置を発明し、上述した課題の解決を図った。
（１） 表示パネルと該表示パネルの表側に配置されたフロントウィンドウとを有する表示装置において、該フロントウィンドウの裏面に貼り付けられる、該フロントウィンドウより寸法の小さい板状部材と、該フロントウィンドウと該板状部材とを貼り付ける、該板状部材より寸法の小さい粘着膜と、該フロントウィンドウの裏面に印刷され、該表示パネルの表示領域の周囲に形成された印刷部分と、該フロントウィンドウと該板状部材のエッジ部分が接触する領域には、該印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くしたことを特徴とする。
【００１４】
（２） 上記（１）に記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、該板状部材のコーナー・エッジに対応する領域であることを特徴とする。
【００１５】
（３） 上記（１）又は（２）に記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、該板状部材のエッジ部分が配置される位置を中心に、０．５ｍｍ以上の幅を有することを特徴とする。
【００１６】
（４） 上記（１）乃至（３）のいずれかに記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、印刷を２回以上、重ね塗りされていることを特徴とする。
【００１７】
（５） 上記（１）乃至（４）のいずれかに記載の表示装置において、該板状部材は、タッチパネルスクリーン部又は表示パネルのいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１８】
本発明のように、フロントウィンドウと板状部材のエッジ部分が接触する領域には、フロントウィンドウに印刷した印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くするため、タッチパネルなどの板状部材のエッジが印刷部分に接触しても、印刷部分全部が削れることが無く、不良品の発生が抑制できる。
【００１９】
しかも、粘着膜の形成される部分の印刷部分の厚みは、従来通り薄く形成されているため、フロントウィンドウと粘着膜との間や板状部材と粘着膜との間に気泡が発生することがない。さらに、粘着膜から板状部材のエッジ部分までの距離も短くでき、フロントウィンドウと板状部材との剥がれも防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】タッチパネルの平面図である。
【図２】フロントウィンドウの平面図である。
【図３】フロントウィンドウとタッチパネルとを貼り合わせた場合の様子を示す平面図である。
【図４】図３の一点鎖線Ｘ−Ｘ’における断面図である。
【図５】図４のフロントウィンドウを撓ませた場合の状態を説明する図である。
【図６】印刷部分の厚みを増加させた場合の状態を説明する図である。
【図７】厚手の印刷部分の内側に薄い印刷部分を設けた場合の状態を説明する図である。
【図８】本発明の表示装置を示す平面図である。
【図９】図８の一点鎖線Ｘ−Ｘ’における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
本発明に係る表示装置について、以下に詳細に説明する。図８は、本発明の表示装置を示す平面図であり、図９は、図８における一点鎖線Ｘ−Ｘ’における断面図を示す図である。
本発明の表示装置の特徴は、表示パネル（不図示）と該表示パネルの表側に配置されたフロントウィンドウ（ＦＷ）とを有する表示装置において、該フロントウィンドウの裏面に貼り付けられる、該フロントウィンドウより寸法の小さい板状部材（ＴＰ）と、該フロントウィンドウと該板状部材とを貼り付ける、該板状部材より寸法の小さい粘着膜（３０）と、該フロントウィンドウの裏面に印刷され、該表示パネルの表示領域の周囲に形成された印刷部分（２０）と、該フロントウィンドウと該板状部材のエッジ部分が接触する領域（符号２３の形成領域）には、該印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くしたことを特徴とする。
【００２２】
フロントウィンドウとしては、アクリル系材料など樹脂系材料が好適に利用可能である。また、強化ガラスに飛散防止フィルムを張り付けたものを利用することも可能である。
【００２３】
フロントウィンドウに貼り付ける板状部材としては、特許文献１に示したようなタッチパネルがある。この場合、フロントウィンドウ（ＦＷ）に粘着膜で貼り付けられる部分は、タッチパネルスクリーン部となる。また、タッチパネル以外にも、表示パネル自体をフロントウィンドウに貼り付けることも可能である。表示パネルに液晶表示パネルや有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを利用する場合には、これらの表示パネルに設けられる偏光板が、粘着膜によってフロントウィンドウに貼り付けられる。
【００２４】
印刷部分を厚くする領域は、図８に示すように、板状部材（タッチパネルＴＰ）のコーナー・エッジに対応する領域であることが好ましい。これは、フロントウィンドウ（ＦＷ）のコーナー部分が他の部分よりより撓み易く、また、板状部材のコーナー部分（コーナー・エッジ）により、容易に印刷部分が削れ易いためである。
【００２５】
印刷部分を厚くする領域（符号２３）は、板状部材のエッジ部分が配置される位置（Ｅ）を中心に、０．５ｍｍ以上の幅（ｄ）を有することが好ましい。一般に、タッチパネル（ＴＰ）などの板状部材とフロントウィンドウとの組立精度を０．２ｍｍ以下に設定されている。このため、仮に、この範囲で板状部材がフロントウィンドウに対してズレても、常に、板状部材のエッジ部分が厚手の印刷領域に入っているよう構成することができる。
【００２６】
印刷部分を厚くする領域の形成方法としては、印刷を２回以上、重ね塗りすることが好ましい。これにより、容易に厚手印刷部分を形成することが可能となる。なお、厚手印刷部分以外の領域の厚みは、１０μｍ以下の設定し、粘着膜が気泡を発生させないよう設定されている。
【産業上の利用可能性】
【００２７】
以上のように、本発明によれば、フロントウィンドウの印刷部分の削れを抑制し、不良品の発生を抑制した表示装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【００２８】
２０〜２３ 印刷部分
３０ 粘着膜
ＦＷ フロントウィンドウ
ＴＰ タッチパネル
【技術分野】
【０００１】
本発明は表示装置に関し、特に、フロントウィンドウを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
携帯電話、携帯情報端末（ＰＤＡ）、デジタルカメラ、マルチメディアプレーヤーなど、多くの携帯型の情報機器の表示装置に液晶モジュール（液晶表示装置）、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの各種表示装置が利用されている。
【０００３】
近年では、特許文献１に示すように、これらの表示装置には、表示パネルを保護するため、フロントウィンドウとして透明の保護カバーを貼り付けたハイブリッド構造が一般的となっている。また、図１に示すようなタッチパネル（ＴＰ）を備えた多機能な表示装置も提供され、表示パネルの表面側にタッチパネルやフロントウィンドウを順次貼り合わせる構造が提案されている。
【０００４】
図１に示すタッチパネルは、静電容量方式のタッチパネルガラス（タッチパネルスクリーン部）１に配線用のフレキシブル・プリント回路１１が接続され、さらに必要に応じて、タッチパネルの動作を制御する電子部品１２を設け、フレキシブル・プリント回路の他端には、インターフェース端子部１３が形成されている。
【０００５】
他方、フロントウィンドウ（ＦＷ）については、図２に示すように、フロントウィンドウの裏面には、表示パネルの画像表示領域を除き、印刷部分２０が施されている。特に、液晶表示装置では、画像表示領域外からバックライト等の光が漏れないよう、当該印刷部分には黒色系の印刷が施されている。
【０００６】
図３は、図１のタッチパネル（ＴＰ）を、図２のフロントウィンドウ（ＦＷ）に貼り付けた状態を示す平面図であり、図４は、図３の一点鎖線Ｘ−Ｘ’における断面図を示している。符号３０は、フロントウィンドウとタッチパネルを張り付ける粘着膜を示している。
【０００７】
通常、タッチパネル（ＴＰ）などフロントウィンドウ（ＦＷ）に貼り付ける部材は、フロントウィンドウの寸法より小さく、粘着膜３０は、タッチパネルなどよりもさらに寸法が小さくなっている。このため、図５に示すように、フロントウィンドウのエッジに押圧力が加わると、フロントウィンドウ（ＦＷ）が撓み、タッチパネル（ＴＰ）などのエッジと符号Ａの部分で接触し、印刷部分２０の一部が削れ、印刷部分の不良品となる。
【０００８】
図４の印刷部分２０とタッチパネル（ＴＰ）との間に緩衝材を配置することも考えられるが、両者のギャップ量は、０．１ｍｍ以下と非常に狭いため、緩衝材を配置することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００９】
【特許文献１】特願２００９−０８５４７３号（出願日：２００９年３月３１日）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
本発明の解決しようとする課題は、上述した問題を解消し、フロントウィンドウの印刷部分の削れを抑制し、不良品の発生を抑制した表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、図６に示すように、フロントウィンドウの印刷部分２１を厚くし、タッチパネルなどのエッジが接触して印刷部分が全部削れるのを防止する方法を提案した。しかしながら、印刷部分を１０μｍより厚くすると、印刷部分２１と粘着膜３０との重なった部分の近傍（符号ＢやＣ）に気泡（粘着膜の欠損）が発生し易すくなり、新たな不良品問題を生ずることが判明した。
【００１２】
また、図７に示すように、厚くした印刷部分２１の内側に、厚みが１０μｍ以下の薄い印刷領域２２を形成し、当該印刷領域２２に重なるように粘着膜３０を設けることも提案した。しかしながら、粘着膜３０からタッチパネル（ＴＰ）のエッジまでの距離Ｓが長くなるため、フロントウィンドウとタッチパネル（ＴＰ）が剥がれ易くなるという問題が、新たに生じることが判明した。
【００１３】
本発明者らは、さらに工夫を重ね、以下に示すような特徴を有する表示装置を発明し、上述した課題の解決を図った。
（１） 表示パネルと該表示パネルの表側に配置されたフロントウィンドウとを有する表示装置において、該フロントウィンドウの裏面に貼り付けられる、該フロントウィンドウより寸法の小さい板状部材と、該フロントウィンドウと該板状部材とを貼り付ける、該板状部材より寸法の小さい粘着膜と、該フロントウィンドウの裏面に印刷され、該表示パネルの表示領域の周囲に形成された印刷部分と、該フロントウィンドウと該板状部材のエッジ部分が接触する領域には、該印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くしたことを特徴とする。
【００１４】
（２） 上記（１）に記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、該板状部材のコーナー・エッジに対応する領域であることを特徴とする。
【００１５】
（３） 上記（１）又は（２）に記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、該板状部材のエッジ部分が配置される位置を中心に、０．５ｍｍ以上の幅を有することを特徴とする。
【００１６】
（４） 上記（１）乃至（３）のいずれかに記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、印刷を２回以上、重ね塗りされていることを特徴とする。
【００１７】
（５） 上記（１）乃至（４）のいずれかに記載の表示装置において、該板状部材は、タッチパネルスクリーン部又は表示パネルのいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１８】
本発明のように、フロントウィンドウと板状部材のエッジ部分が接触する領域には、フロントウィンドウに印刷した印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くするため、タッチパネルなどの板状部材のエッジが印刷部分に接触しても、印刷部分全部が削れることが無く、不良品の発生が抑制できる。
【００１９】
しかも、粘着膜の形成される部分の印刷部分の厚みは、従来通り薄く形成されているため、フロントウィンドウと粘着膜との間や板状部材と粘着膜との間に気泡が発生することがない。さらに、粘着膜から板状部材のエッジ部分までの距離も短くでき、フロントウィンドウと板状部材との剥がれも防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】タッチパネルの平面図である。
【図２】フロントウィンドウの平面図である。
【図３】フロントウィンドウとタッチパネルとを貼り合わせた場合の様子を示す平面図である。
【図４】図３の一点鎖線Ｘ−Ｘ’における断面図である。
【図５】図４のフロントウィンドウを撓ませた場合の状態を説明する図である。
【図６】印刷部分の厚みを増加させた場合の状態を説明する図である。
【図７】厚手の印刷部分の内側に薄い印刷部分を設けた場合の状態を説明する図である。
【図８】本発明の表示装置を示す平面図である。
【図９】図８の一点鎖線Ｘ−Ｘ’における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
本発明に係る表示装置について、以下に詳細に説明する。図８は、本発明の表示装置を示す平面図であり、図９は、図８における一点鎖線Ｘ−Ｘ’における断面図を示す図である。
本発明の表示装置の特徴は、表示パネル（不図示）と該表示パネルの表側に配置されたフロントウィンドウ（ＦＷ）とを有する表示装置において、該フロントウィンドウの裏面に貼り付けられる、該フロントウィンドウより寸法の小さい板状部材（ＴＰ）と、該フロントウィンドウと該板状部材とを貼り付ける、該板状部材より寸法の小さい粘着膜（３０）と、該フロントウィンドウの裏面に印刷され、該表示パネルの表示領域の周囲に形成された印刷部分（２０）と、該フロントウィンドウと該板状部材のエッジ部分が接触する領域（符号２３の形成領域）には、該印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くしたことを特徴とする。
【００２２】
フロントウィンドウとしては、アクリル系材料など樹脂系材料が好適に利用可能である。また、強化ガラスに飛散防止フィルムを張り付けたものを利用することも可能である。
【００２３】
フロントウィンドウに貼り付ける板状部材としては、特許文献１に示したようなタッチパネルがある。この場合、フロントウィンドウ（ＦＷ）に粘着膜で貼り付けられる部分は、タッチパネルスクリーン部となる。また、タッチパネル以外にも、表示パネル自体をフロントウィンドウに貼り付けることも可能である。表示パネルに液晶表示パネルや有機エレクトロルミネッセンス表示パネルを利用する場合には、これらの表示パネルに設けられる偏光板が、粘着膜によってフロントウィンドウに貼り付けられる。
【００２４】
印刷部分を厚くする領域は、図８に示すように、板状部材（タッチパネルＴＰ）のコーナー・エッジに対応する領域であることが好ましい。これは、フロントウィンドウ（ＦＷ）のコーナー部分が他の部分よりより撓み易く、また、板状部材のコーナー部分（コーナー・エッジ）により、容易に印刷部分が削れ易いためである。
【００２５】
印刷部分を厚くする領域（符号２３）は、板状部材のエッジ部分が配置される位置（Ｅ）を中心に、０．５ｍｍ以上の幅（ｄ）を有することが好ましい。一般に、タッチパネル（ＴＰ）などの板状部材とフロントウィンドウとの組立精度を０．２ｍｍ以下に設定されている。このため、仮に、この範囲で板状部材がフロントウィンドウに対してズレても、常に、板状部材のエッジ部分が厚手の印刷領域に入っているよう構成することができる。
【００２６】
印刷部分を厚くする領域の形成方法としては、印刷を２回以上、重ね塗りすることが好ましい。これにより、容易に厚手印刷部分を形成することが可能となる。なお、厚手印刷部分以外の領域の厚みは、１０μｍ以下の設定し、粘着膜が気泡を発生させないよう設定されている。
【産業上の利用可能性】
【００２７】
以上のように、本発明によれば、フロントウィンドウの印刷部分の削れを抑制し、不良品の発生を抑制した表示装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【００２８】
２０〜２３ 印刷部分
３０ 粘着膜
ＦＷ フロントウィンドウ
ＴＰ タッチパネル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
表示パネルと該表示パネルの表側に配置されたフロントウィンドウとを有する表示装置において、
該フロントウィンドウの裏面に貼り付けられる、該フロントウィンドウより寸法の小さい板状部材と、
該フロントウィンドウと該板状部材とを貼り付ける、該板状部材より寸法の小さい粘着膜と、
該フロントウィンドウの裏面に印刷され、該表示パネルの表示領域の周囲に形成された印刷部分と、
該フロントウィンドウと該板状部材のエッジ部分が接触する領域には、該印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くしたことを特徴とする表示装置。
【請求項２】
請求項１に記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、該板状部材のコーナー・エッジに対応する領域であることを特徴とする表示装置。
【請求項３】
請求項１又は２に記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、該板状部材のエッジ部分が配置される位置を中心に、０．５ｍｍ以上の幅を有することを特徴とする表示装置。
【請求項４】
請求項１乃至３のいずれかに記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、印刷を２回以上、重ね塗りされていることを特徴とする表示装置。
【請求項５】
請求項１乃至４のいずれかに記載の表示装置において、該板状部材は、タッチパネルスクリーン部又は表示パネルのいずれかであることを特徴とする表示装置。
【請求項１】
表示パネルと該表示パネルの表側に配置されたフロントウィンドウとを有する表示装置において、
該フロントウィンドウの裏面に貼り付けられる、該フロントウィンドウより寸法の小さい板状部材と、
該フロントウィンドウと該板状部材とを貼り付ける、該板状部材より寸法の小さい粘着膜と、
該フロントウィンドウの裏面に印刷され、該表示パネルの表示領域の周囲に形成された印刷部分と、
該フロントウィンドウと該板状部材のエッジ部分が接触する領域には、該印刷部分の厚みをその他の領域よりも厚くしたことを特徴とする表示装置。
【請求項２】
請求項１に記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、該板状部材のコーナー・エッジに対応する領域であることを特徴とする表示装置。
【請求項３】
請求項１又は２に記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、該板状部材のエッジ部分が配置される位置を中心に、０．５ｍｍ以上の幅を有することを特徴とする表示装置。
【請求項４】
請求項１乃至３のいずれかに記載の表示装置において、該印刷部分を厚くする領域は、印刷を２回以上、重ね塗りされていることを特徴とする表示装置。
【請求項５】
請求項１乃至４のいずれかに記載の表示装置において、該板状部材は、タッチパネルスクリーン部又は表示パネルのいずれかであることを特徴とする表示装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１１−２０９６０４（Ｐ２０１１−２０９６０４Ａ）
【公開日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−７８９３７（Ｐ２０１０−７８９３７）
【出願日】平成２２年３月３０日（２０１０．３．３０）
【出願人】（５０２３５６５２８）株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】（５０６０８７８１９）パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年３月３０日（２０１０．３．３０）
【出願人】（５０２３５６５２８）株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】（５０６０８７８１９）パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Ｆターム（参考）】
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