説明

表示装置

【課題】検体の撮影範囲がわかる表示装置及び表示方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る表示装置は、検体に関する情報を取得する取得手段と、前記情報中の該検体に対する撮影装置の撮影範囲の情報に基づいて、該検体の人体模式図に前記撮影装置の撮影範囲を示した図形を生成する生成手段と、前記図形を表示手段に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする。生成手段は、異なる撮影装置に対して、夫々異なる図形を用いて描画することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体の撮影範囲を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の医用画像のリスト表示装置は、リスト表示項目(撮影情報、患者の属性情報、医用画像の属性情報)を文字列として表示するものであった。通常、リストの1行に、1回の検査(撮影)で得られた医用画像に関するリスト表示項目を表示する。
【0003】
特許文献1は、文字列表示された医用画像リスト上で、ユーザが一つの医用画像を選択すると、その医用画像の撮影部位像と画像種別を示す図を人体模式図上に図示するものである。これにより、ユーザは選択した医用画像の撮影部位と画像種別を容易に判別することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−264167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の技術は、人体模型の部位像によって撮影部位を図示する手法を用いているため、予め用意した部位像に一致しない撮影部位の図示が困難であった。また、上記特許文献1に記載の技術は、患者がどの様な姿勢で撮影されたか、すなわち撮影装置や重力方向に対する患者の姿勢を示すことはできなかった。更に、同一患者に対して異なる検査(異なるモダリティを用いた撮影)を行った場合や、複数の日に渡って複数回の撮影を行った場合など、同一患者の医用画像が複数存在することがある。しかし、従来の技術では、同一患者の医用画像が複数あることを図示し、かつ、これら複数の医用画像の属性情報を同時に図示することはできなかった。それゆえ、従来の技術によって容易に判別できる情報は限られており、ユーザは患者の正確な撮影部位、患者の撮影時の姿勢、同一患者の複数の医用画像の属性情報といった有用な属性情報を容易に判別することができないという課題があった。本発明は、この様な課題に鑑みてなされたものであり、上記の課題を解決する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、検体に関する情報を取得する取得手段と、前記情報中の該検体に対する撮影装置の撮影範囲の情報に基づいて、該検体の人体模式図に前記撮影装置の撮影範囲を示した図形を生成する生成手段と、前記図形を表示手段に表示する表示制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る表示装置によれば、検体の撮影範囲を容易に判別することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1及び第2の実施形態に係る表示装置の機器構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示装置の第1の画面表示例を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る表示装置の第2の画面表示例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係る表示装置の第3の画面表示例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る表示装置の制御手順を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態に係る表示装置の第1の画面表示例を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る表示装置の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面に従って本発明に係る表示装置及びその制御方法の好ましい実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されるものではない。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の機器構成例を示す図である。表示装置1は、制御部10、モニタ104、マウス105、キーボード106を有する。制御部10は、中央処理装置(CPU)100、主メモリ101、磁気ディスク102、表示メモリ103を有する。そして、CPU100が主メモリ101に格納されたプログラムを実行することにより、医用画像データベース2との通信、表示装置1の全体制御、等の各種制御が実行される。
【0011】
CPU100は、主として表示装置1の各構成要素の動作を制御する。主メモリ101は、CPU100が実行する制御プログラムの格納や、CPU100によるプログラム実行時の作業領域の提供を行う。磁気ディスク102は、オペレーティングシステム(OS)、周辺機器のデバイスドライブ、後述する診断支援処理等を行うためのプログラムを含む各種アプリケーションソフト等を格納する。表示メモリ103は、モニタ104のための表示用データを一時記憶する。モニタ104は、例えばCRTモニタや液晶モニタ等であり、表示メモリ103からのデータに基づいて画像を表示する。マウス105及びキーボード106はユーザ(医師)によるポインティング入力及び文字等の入力をそれぞれ行う。上記各構成要素は共有バス107により互いに通信可能に接続されている。
【0012】
本実施形態において、表示装置1はLAN(Local Area Network)3を介して、医用画像データベース2から画像データを読み出すことができる。ここで、医用画像データベース2として既存のPACS(Picture Archiving and Communication System)を利用することができる。または、表示装置1に外部記憶装置、例えばFDD、HDD、CDドライブ、DVDドライブ、MOドライブ、ZIPドライブ等を接続し、それらのドライブから画像データを読み込むようにしてもよい。
【0013】
なお、上述の機器構成は、一般的なコンピュータ及びその周辺装置を用いて構成することができる。また、図5を用いて後述する本発明に係る表示装置の制御手順は、コンピュータ上で実行されるプログラムとして実現することができる。
【0014】
医用画像の種類には、単純X線画像、X線CT画像、MRI画像、PET画像、SPECT画像、超音波画像などがある。通常、医用画像は、DICOM規格と呼ばれる医用画像の通信・保管に関する国際標準規格に準拠したファイル(DICOMファイル)として保管される。DICOMファイルの前半部(ヘッダ部)には、撮影情報、患者の属性情報、医用画像の属性情報など、様々な情報が記録されており、これらの情報の一部をリスト表示項目として用いることができる。あるいは、DICOMファイルの生成と保管を指示するシステムである不図示の放射線科情報システム(RIS)から、LAN3を介して、撮影情報、患者の属性情報、医用画像の属性情報などを受信することができる。
【0015】
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の第1の画面表示例を示す図である。同図において、医用画像リスト210には、リスト表示項目が文字列として表示される。同図の例では、リストの各行に、1回の検査(撮影)で得られた医用画像に関するリスト表示項目を表示している。また、同図の例では、リスト表示項目として、読影ステータス、撮影日、検査ID、シリーズ数、画像枚数、患者(検体)ID、モダリティ、撮影部位、依頼科を表示している。ここで、読影ステータスは、画像診断の進捗状況を示す。シリーズ数は、CTやMRIの1回の撮影で取得される複数スライス画像のまとまりの数である。画像枚数は、1回の検査で撮影された全シリーズの画像枚数の合計を示す。モダリティは、撮影装置の種類及び造影剤の使用の有無を示す。この他にも、患者(検体)の氏名や、画像診断医の氏名などの情報を表示してもよい。
【0016】
図形情報表示エリア220には、人体模式図である図形H1と、医用画像I1の所定の属性情報A1を示す図形F1と、患者の大きさや撮影範囲の大きさを示す目盛りM1を表示する。ここで、図形H1は、人体をグラフィカルに表示する情報という意味で用いており、図形の代わりに画像や記号を用いてもよい。また、同様に、図形F1は、医用画像I1の所定の属性情報A1をグラフィカルに表示する情報という意味で用いており、図形の代わりに画像や記号を用いてもよい。また、目盛りM1は必要に応じて表示すればよい。医用画像I1は、医用画像リスト210上でユーザによって選択された医用画像である。同図の例では、医用画像の所定の属性情報A1として撮影部位が利用されており、図形F1は、医用画像I1の撮影部位を適切に示す位置に、撮影範囲を表す矩形として表示される。ここで、図形F1は図形H1に対して適切な位置に配置される。従って、撮影部位の代わりに、より正確な撮影位置情報を用いることができる場合は、図形F1はその正確な撮影位置に、正確な矩形サイズで表示することができる。例えば、胸部CT画像のDICOMファイルのヘッダ部には、鎖骨を基準点(位置0mm)とし、頭から足元に向かう方向を+方向とする座標軸に沿った、正確な撮影範囲がmm単位で記載されていることがある。こうした正確な位置情報をDICOMファイルのヘッダ部から読み出して上記属性情報A1として用いることにより、図形F1を図形H1に対して、より正確な位置に表示することができる。更に、患者の身長をDICOMファイルのヘッダ部から読み出すことができた場合は、図形F1のサイズに対して目盛りM1のサイズ(目盛りの刻み幅)を適切に表示することができる。あるいは逆に、目盛りM1のサイズを固定しておき、図形F1のサイズを適切に調整して表示することができる。
【0017】
図3は、第1の実施形態に係る表示装置の第2の画面表示例を示す図である。ただし、医用画像リストは図2に示した例と同様なので表示を省略しており、図形情報表示エリア320だけを表示している。
【0018】
図3の例では、医用画像I1を撮影したモダリティが寝台を有する撮影装置であった場合を想定している。同図において、人体模式図である図形H1は、撮影装置の寝台を示す図形D1に対する、医用画像I1撮影時の患者の姿勢を表示している。ここで、患者の姿勢は、予め決められた方法で取得しておく。例えば、医用画像データベース2または不図示の放射線科情報システム(RIS)に、患者の姿勢を示す情報が保存されている場合は、これらの装置から、LAN3を介して、患者の姿勢を示す情報を取得することができる。または、患者の姿勢を示す情報が直接入手できない場合であっても、モダリティと撮影部位がわかれば、伏臥位か仰臥位かを判断できる場合がある。例えば、モダリティがCTまたはPETの場合は、通常、患者の姿勢は仰臥位である。また例えば、モダリティがMRIで撮影部位が乳房の場合は、通常、患者の姿勢は伏臥位である。従って、患者の姿勢を示す正確な情報が得られない場合は、モダリティや撮影部位などの他の属性情報から、一般的な患者の姿勢を判断すればよい。更に、図2と同様に、必要に応じて目盛りM1を表示してもよい。
【0019】
図形G1は、重力方向を表示している。同図の例では、患者は寝台の上に横たわるので、重力方向は患者から寝台に向かう方向であることがわかっている。医用画像I1の属性情報A1としての撮影部位を示す図形F1は、医用画像I1の撮影部位を適切に示す位置に、撮影範囲を表す矩形として表示される。
【0020】
図4は、第1の実施形態に係る表示装置の第3の画面表示例を示す図である。図3と同様に、医用画像リストの表示は省略しており、図形情報表示エリア420だけを表示している。
【0021】
図4の例では、異なる方向から撮影可能な撮影装置(例えば、フラットパネル式のX線撮影装置)によって同一患者の医用画像I1及びI2が撮影された場合を想定している。同図において、人体模式図である図形H1は、図形G1で示される重力方向に対する、医用画像I1及びI2の撮影時の患者の姿勢を表示する。医用画像I1及びI2の不図示の撮影方向B1及びB2に対応する図形D1及びD2は、図形H1で示される患者に対する撮影装置の配置を示す様に表示する。ここで、患者に対する撮影装置の配置や重力方向は、予め決められた方法で取得しておく。例えば、医用画像データベース2または不図示のRISに、患者に対する撮影装置の配置や重力方向を示す情報が保存されている場合は、これらの装置から、LAN3を介して、必要な情報を取得することができる。更に、図2と同様に、必要に応じて目盛りM1を表示してもよい。
【0022】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の制御手順を示すフローチャートである。
【0023】
ステップS501では、医用画像リストのリスト表示条件を取得する。ここで、リスト表示条件とは、図2に例示した医用画像リスト210や図形情報表示エリア220の表示方法を決める条件である。ユーザの指示に従ってリスト表示条件を変更することにより、医用画像リスト210に表示するリスト表示項目の種類や、図形情報表示エリア220に表示する図形F1の種類、表示位置、表示サイズなどを変更できる。ステップS501において、予め磁気ディスク102に記憶しておいたリスト表示条件を主メモリ101に読み出すことで、リスト表示条件の初期値を取得する。ステップS501では、更に、マウス105やキーボード106からユーザの指示が入力された場合は、ユーザの指示に従ってリスト表示条件を変更し、変更後のリスト表示条件を主メモリ101に記憶する。
【0024】
ステップS502では、前記リスト表示条件に従って、LAN3を介して、医用画像リスト表示に必要な情報(リスト表示項目)を医用画像データベース2から読み出す。ステップS503では、ステップS502で読み出した情報を表形式に編集してから表示メモリ103に書き込むことで、医用画像リストをモニタ104に表示する。ステップS504では、マウス105やキーボード106から入力されるユーザの指示に従って、医用画像リスト中から一つの医用画像I1を選択する。
【0025】
ステップS505では、医用画像I1の属性情報A1を取得する。ここで、属性情報A1が、医用画像リスト210の中に記載されている場合はそこから読み出せばよい。一方、属性情報A1が、医用画像リスト210の中に記載されていない場合は、前記ステップS502において、リスト表示項目と同時に非表示の属性情報A1も読み出しておく。そして、医用画像リスト210に非表示の属性情報A1を加えた第2の(非表示の)医用画像リスト210’を予め主メモリ101上に作成しておく。これにより、主メモリ101上の第2の(非表示の)医用画像リスト210’から属性情報A1を読み出すことができる。
【0026】
ステップS506では、属性情報A1に正確なサイズ情報(正確な撮影範囲及び患者の身長)が含まれているかどうかを判断する。属性情報A1に正確なサイズ情報が含まれている場合はステップS507とS508を実行し、含まれていない場合はステップS509を実行する。
【0027】
ステップS507では、属性情報A1に含まれる正確なサイズ情報に応じて、人体模式図(図2の例では図形H1)のサイズと目盛りM1のサイズを決定する。ステップS508では、予め磁気ディスク102に記憶しておいた人体模式図と目盛りM1を読み出し、表示メモリ103の図形情報表示エリアに書き込むことで、人体模式図と目盛りM1をモニタ104に表示する。なお、図3に例示した表示形態を用いる場合は、次ステップS509において図形F1の種類と表示位置と決定するのと同様に、医用画像の属性情報に基づいて人体模式図の種類を決定する。この場合に参照する属性情報は、寝台に対する患者の姿勢を示す情報であり、人体模式図の種類には、仰臥位、伏臥位、横臥位などがある。
【0028】
一方、ステップS509では、予め磁気ディスク102に記憶しておいた人体模式図(図2の例では図形H1)を読み出し、表示メモリ103の図形情報表示エリアに書き込むことで、人体模式図をモニタ104に表示する。なお、図3に例示した表示形態を用いる場合は、次ステップS509において図形F1の種類と表示位置と決定するのと同様に、医用画像の属性情報に基づいて人体模式図の種類を決定する。
【0029】
ステップS509では、属性情報A1を示す図形F1の種類と表示位置を決定する。図形F1の種類には、例えば、様々な表示属性(色、線幅、模様など)を備えた枠線またはマスク図形(透過色を持つ矩形など)がある。図2、3の例では、網目模様を持つマスク図形が用いられている。図形F1の表示位置は、医用画像I1の撮影部位に対応した人体模式図上の適切な位置に決定する。人体模式図(図形H1)は、図形情報表示エリア内の予め定めた位置(座標)に表示するので、図形F1も、医用画像I1の撮影部位に応じて予め定めておいた位置(座標)に表示すればよい。なお、上述の図形F1の種類と表示位置は、予め定められ、磁気ディスク102に保存されており、前記ステップS501において、リスト表示条件の取得時に主メモリ101に読み出される。
【0030】
ステップS510では、前記ステップS509で決定された図形F1を人体模式図上に重畳表示する。また、ステップS510では、図形F1あるいはF1と似た表示効果(背景色や枠線の色など)を、医用画像リスト210上の医用画像I1の表示エリア(リストの一行)に描画する。これにより、医用画像リスト210上の医用画像I1の表示エリアが明らかになると共に、人体模式図上の図形F1によって、医用画像I1の属性情報A1が一目で理解できる。
【0031】
以上の制御手順により、選択された医用画像I1の属性情報A1を示す図形F1を人体模式図上の適切な位置に表示することができる。
【0032】
[第2の実施形態]
本実施形態では、同じ患者IDを持つ複数の医用画像の属性情報を示す図形を人体模式図上の適切な位置に同時に表示する。第2の実施形態に係る表示装置の機器構成例は図1と同様であり、第1の実施形態で説明済みなので、ここでは説明を省略する。
【0033】
図6は、第2の実施形態に係る表示装置の第1の画面表示例を示す図である。同図は、第1の実施形態における図2と同様の点が多いので、図2と同様の点については説明を省略し、以下では図2と異なる点だけを説明する。
【0034】
図6において、医用画像リスト610には、同じ患者IDを有する医用画像リストが表示されている。ユーザは、リスト表示条件として、特定の患者IDと撮影日の範囲(例えば、過去1年以内)を指定することで、同図に例示した医用画像リスト610を得ることができる。
【0035】
図形情報表示エリア620には、人体模式図である図形H1と、同じ患者IDを有する医用画像I1〜Inの夫々の所定の属性情報A1〜Anを示す図形F1〜Fnを表示する。同図の例では、n=4である。ここで、図形F1〜Fnは、医用画像I1〜Inの夫々の所定の属性情報A1〜Anをグラフィカルに表示する情報という意味で用いており、図形の代わりに画像や記号を用いてもよい。同図の例では、医用画像の所定の属性情報A1〜Anとして撮影部位が利用されており、図形F1〜F4は、医用画像I1〜I4の夫々の撮影部位を適切に示す位置に、撮影範囲を表す矩形として表示される。また、第1の実施形態で述べた通り、撮影部位の代わりに、より正確な撮影位置情報を用いることができる場合は、それらの情報を用いて、図形F1〜F4を図形H1に対して、より正確な位置に表示することができる。
【0036】
図7は、第2の実施形態に係る表示装置の制御手順を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS701では、医用画像リストのリスト表示条件を取得する。ここで、ユーザがリスト表示条件として、特定の患者IDや撮影日の範囲(例えば、過去1年以内)を指定することで、図6に例示した医用画像リスト610を得ることができる。
【0038】
ステップS702では、前記リスト表示条件に従って、LAN3を介して、医用画像リスト表示に必要な情報(リスト表示項目)を医用画像データベース2から読み出す。ステップS703では、ステップS702で読み出した情報を表形式に編集してから表示メモリ103に書き込むことで、医用画像リストをモニタ104に表示する。ステップS704では、予め磁気ディスク102に記憶しておいた人体模式図(図6の例では図形H1)を読み出し、表示メモリ103の図形情報表示エリアに書き込むことで、人体模式図をモニタ104に表示する。
【0039】
ステップS705では、インデックスkに値1を代入する。ここで、インデックスkは、医用画像リスト610に表示された医用画像I1〜Inの中の一つの医用画像Ik(k=1〜n)を指定するために使用する。また、医用画像Ikの属性情報をAkとし、その属性情報Akを示す図形をFkとする。ステップS706では、医用画像Ikの属性情報Akを取得する。
【0040】
ステップS707では、属性情報Akを示す図形Fkの種類と表示位置を決定する。ここで、図形Fkは、他の図形Fk’(k’≠k)とは異なる種類の表示属性(色、線幅、模様など)を備えた図形とする。図形Fkの表示位置は、医用画像Ikの撮影部位に対応した人体模式図上の適切な位置に決定する。人体模式図(図形H1)は、図形情報表示エリア内の予め定めた位置(座標)に表示するので、図形Fkも、医用画像Ikの撮影部位に応じて予め定めておいた位置(座標)に表示すればよい。
【0041】
ステップS708では、前記ステップS707で決定された図形Fkを人体模式図上に重畳表示する。また、ステップS708では、図形FkあるいはFkと似た表示効果(背景色や枠線の色など)を、医用画像リスト610上の医用画像Ikの表示エリア(リストの一行)に描画する。これにより、医用画像リスト610上の医用画像Ikの表示エリアが明らかになると共に、人体模式図上の図形Fkによって、医用画像Ikの属性情報Akが一目で理解できる。
【0042】
ステップS709では、前記インデックスkに値1を加算する。ステップS710では、前記インデックスkの値が、医用画像リスト610に表示された同じ患者IDを有する医用画像数nの値より大きいかどうかを判断し、kがn以下であればステップS706に戻り、kがnより大きければ処理を終了する。
【0043】
以上の制御手順により、同じ患者IDを持つ複数の医用画像I1〜Inの属性情報A1〜Anを示す図形F1〜Fnを人体模式図上の適切な位置に同時に表示することができる。
【0044】
[変形例]
図7のステップS708において、図形Fkを表示する際に、前回描画した図形F(k−1)を消去してから、図形Fkを描画する表示制御を行うことにより、図形F1〜Fnを人体模式図上に順次切り替えながら表示できる。更に、ステップS705からステップS710までの処理を、ユーザ指示があるまで繰り返し実行することにより、図形F1〜Fnの順次表示を、何度も繰り返し表示することができる。
【0045】
以上説明した通り、本発明に係る表示装置によれば、医用画像の属性情報を示す図形を人体模式図に対して適切な位置に表示することにより、患者の正確な撮影部位や患者の撮影時の姿勢を容易に判別することができるようになるという効果がある。また更に、同じ患者IDを有する複数の医用画像の夫々の属性情報を示す図形を人体模式図に対して適切な位置に同時または順次表示することにより、同一患者の複数の医用画像の属性情報を容易に判別することができるようになるという効果がある。
【0046】
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0047】
1 表示装置
2 医用画像データベース
10 制御部10
100 中央処理装置(CPU)
101 主メモリ
102 磁気ディスク
103 表示メモリ
104 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体に関する情報を取得する取得手段と、
前記情報の中の該検体に対する撮影装置の撮影範囲の情報に基づいて、該検体の人体模式図に前記撮影装置の撮影範囲を示した図形を生成する生成手段と、
前記図形を表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記生成手段は、異なる撮影装置に対して夫々異なる図形を用いて描画することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記表示手段に前記図形の大きさを示す目盛りを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記取得手段で取得した情報には前記検体の身長の情報が含まれており、
前記人体模式図の大きさは前記検体の身長を表していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記取得手段で取得した情報には前記検体の撮影時の姿勢の情報が含まれており、
前記人体模式図は前記検体の姿勢を表していることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記取得手段で取得した情報には前記検体の撮影時の重力方向の情報が含まれており、
前記表示制御手段は、前記重力方向を示す図形を表示していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記検体の情報は複数の医用画像に関するリストとして表示手段に表示され、
前記取得手段は前記リストの上で指示された位置に対応した検体の情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
検体に関する情報を取得する取得工程と、
前記情報の中の該検体に対する撮影装置の撮影範囲の情報に基づいて、該検体の人体模式図に前記撮影装置の撮影範囲を示した図形を生成する生成工程と、
前記図形を表示手段に表示する表示制御工程と、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項9】
請求項8に記載の表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項10】
複数の医用画像の表示項目をリスト表示する手段と、
前記リスト表示された複数の医用画像から一つの医用画像を選択する手段と、
前記選択された医用画像の属性情報を示す図形を人体模式図に対して適切な位置に表示する手段を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
前記図形を表示する手段は、前記選択された医用画像の複数の属性情報に対して夫々異なる図形を用いて、これら複数の図形を夫々人体模式図に対して適切な位置に表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
複数の医用画像の表示項目をリスト表示する手段と、
前記リスト表示された複数の医用画像から同じ患者IDを有する複数の医用画像を取得する手段と、
前記取得された複数の医用画像の夫々の属性情報を示す図形を人体模式図に対して適切な位置に同時または順次表示する手段を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
複数の医用画像の表示項目をリスト表示する工程と、
前記リスト表示された複数の医用画像から一つの医用画像を選択する工程と、
前記選択された医用画像の属性情報を示す図形を人体模式図に対して適切な位置に表示する工程を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項14】
請求項13に記載の表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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