説明

表示装置

【課題】良好な発光特性を備え、より容易かつ安定に製造することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも各有機発光素子において共通する第一発光層と第二発光層とを含む有機化合物層を備える有機発光素子が設けられ、前記有機化合物層を構成する層は、全ての有機発光素子において同一の膜厚であり、前記第一発光層には、発光色、発光スペクトル及び膜厚方向の発光位置においてそれぞれ異なる第一の発光ドーパントと第二の発光ドーパントとが含まれており、前記第二発光層には、発光色及び発光スペクトルにおいて前記第一の発光ドーパント及び前記第二の発光ドーパントと異なる第三の発光ドーパントが含まれており、少なくとも二種類のドーパントにおいて、前記第一電極と前記膜厚方向の発光位置との距離が光学干渉での光の強め合いの条件を満たしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、特に、有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、以下、単に「素子」と記載する場合がある。)を用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、有機発光素子について盛んに研究開発がなされている。ここで有機発光素子は、陽極と陰極とからなる一対の電極と、この一対の電極の間に設けられ少なくとも発光層を含む複数の有機化合物層とからなる電子素子である。
【0003】
最近、従来から使用されているブラウン管(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)等に替わる表示装置として、発光色が異なる複数の有機発光素子を用いた複数の発光色を示す表示装置が注目されている。ここで有機発光素子は、自発光デバイスであるため、有機発光素子を用いた表示装置は、コントラストや色再現性に関して優れた性能を示す。
【0004】
有機発光素子を用いたフルカラーの発光装置として、例えば、白色発光する有機発光素子を用いた有機発光装置がある。この表示装置は、具体的には、装置上内に設けられている全ての発光画素について、白色発光する有機発光素子を一様に形成し、この有機発光素子が出力する白色光をカラーフィルタ等の光変換部材により赤、緑、青の3原色に変換する方式の表示装置である。
【0005】
白色発光する有機発光素子を用いた有機発光装置の具体例として、特許文献1にて提案されている表示装置がある。この表示装置は、基板側に設けられている反射層上に透明バリア層を設け、この透明バリア層の膜厚を適宜設定するという構成を採用している。これにより、全ての発光画素において発光画素を構成する有機発光素子が一様の構成でありながら、発光色別に異なる光学干渉条件によって、効率よく赤、緑、青の発光を出力させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−093401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし特許文献1にて提案されている表示装置では、反射層上に設ける透明バリア層膜厚を発光色毎に変更する必要がある。ここで透明バリア層の膜厚の変更を実現するためには、基板を作製する際にフォトリソグラフィ処理工程を追加し、パターニングとエッチング処理を複数回繰り返し行う必要がある。そのため、工程が複雑になり、表示装置の製造のスループットが低いという課題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な発光特性を備え、より容易かつ安定に製造することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の表示装置は、基板上に複数の有機発光素子が設けられ、
前記有機発光素子が、第一電極と第二電極と、前記第一電極と前記第二電極とに挟持され少なくとも第一発光層と第二発光層とを含む有機化合物層と、を備え、
前記有機化合物層を構成する層は、全ての有機発光素子において同一の膜厚であり、
前記第一発光層と前記第二発光層とが、各有機発光素子において共通する層であり、
前記第一発光層に、第一の発光ドーパントと第二の発光ドーパントとが含まれており、
前記第一の発光ドーパントと前記第二の発光ドーパントとが、発光色、発光スペクトル及び膜厚方向の発光位置においてそれぞれ異なるドーパントであり、
前記第二発光層に、第三の発光ドーパントが含まれており、
前記第三の発光ドーパントが、発光色及び発光スペクトルにおいて前記第一の発光ドーパント及び前記第二の発光ドーパントと異なり、
前記第一の発光ドーパント、前記第二の発光ドーパント及び前記第三の発光ドーパントのうち少なくとも二種類のドーパントにおいて、前記第一電極と前記膜厚方向の発光位置との距離が光学干渉での強め合いの条件を満たしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、良好な発光特性を備え、より容易かつ安定に製造することが可能な表示装置を提供することができる。即ち、本発明の表示装置は、表示装置内に設けられている全ての発光画素において一様に有機発光素子を形成しながら、複数(少なくとも2種類)の発光色に関し、光学干渉による光の強めあい条件を同時に満足することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の表示装置における実施形態の例を示す断面模式図である。
【図2】図1の表示装置を構成する有機発光素子における各発光ドーパントの膜厚方向の発光位置を示す断面模式図である。
【図3】図2の変形例を示す断面模式図である。
【図4】実施例で作製された表示装置が有するカラーフィルタの分光透過特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の表示装置は、基板上に複数の有機発光素子が設けられる表示装置である。ここで本発明の表示装置を構成する有機発光素子は、第一電極と第二電極と、第一電極と第二電極とに挟持され少なくとも第一発光層と第二発光層とを含む有機化合物層と、を備えている。尚、有機化合物層を構成する層は、全ての有機発光素子において同一の膜厚である。また有機化合物層に含まれる第一発光層及び第二発光層は、各有機発光素子において共通する層である。尚、電極(第一電極、第二電極)に対する二種類の発光層(第一発光層、第二発光層)の相対的な位置は、特に限定されるものではない。つまり、第一電極側から見て第一発光層、第二発光層の順に設けてもよいし、第二発光層、第一発光層の順に設けてもよい。
【0013】
本発明の表示装置において、第一発光層には、第一の発光ドーパントと第二の発光ドーパントとが含まれている。ここで第一の発光ドーパント及び第二の発光ドーパントは、発光色、発光スペクトル及び膜厚方向の発光位置においてそれぞれ異なるドーパントである。また本発明の表示装置において、第二発光層には、第三の発光ドーパントが含まれている。ここで第三の発光ドーパントは、発光色及び発光スペクトルにおいて第一発光層に含まれる第一の発光ドーパント及び前記第二の発光ドーパントと異なる。尚、第三の発光ドーパントの膜厚方向の発光位置は、後述する光の強め合い条件を満たせば特に制限はない。つまり第一又は第二の発光ドーパントの発光位置に近づけてもよいし遠ざけてもよい。
【0014】
また本発明では、第一発光層又は第二発光層に含まれる三種類の発光ドーパントのうち少なくとも二種類のドーパントにおいて、第一電極と膜厚方向の発光位置との距離が光学干渉での光の強め合いの条件を満たしている。好ましくは、三種類のドーパント全てにおいて第一電極と膜厚方向の発光位置との距離が光学干渉での光の強め合いの条件を満たしている。
【0015】
一方、本発明においては、有機発光素子上にカラーフィルタ等の光変換部材を設けて、有機発光素子から出力される光の性質(光の色、光のスペクトル等)を変更させてもよい。
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の表示装置を具体的に説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の表示装置における実施形態の例を示す断面模式図である。図1の表示装置1は、基板10上に各画素ごとに有機発光素子20が設けられている。また図1の表示装置1は、赤色を出力する赤色画素2Rと、緑色を出力する緑色画素2Gと、青色を出力する青色画素2Bと、を有している。
【0018】
図1の表示装置1において、基板10は、基材11上に駆動回路12が設けられている。また駆動回路12は、層間絶縁層13に被覆されると共に、コンタクトホール18によって後述する下部電極と電気的に接続されている。
【0019】
そして層間絶縁層13上には、配線14が設けられている。尚、配線14は、必ずしも全ての画素に設ける必要はない。例えば、図1に示されるように、赤色画素2Rについて配線14を設けない構成であってもよい。また配線14は、層間絶縁層15に被覆されている。本発明において、配線14は、複数の層にわたって形成してもよい。例えば、図1の青色画素2Bのように、2層にわたって配線14を設けてもよい。尚、配線14を複数の層にわたって形成する場合は、配線14を1層形成するたびに形成した配線14を層間絶縁層(15,16)で被覆させておく。
【0020】
配線14を被覆している層間絶縁層16上には、配線14を設けたことによって生じた凹凸を埋めて基板10を平坦にさせるための平坦化層17が設けられている。
【0021】
図1の表示装置1において、有機発光素子20は、第一電極(下部電極)21と、ホール輸送層22と、第一発光層23と、第二発光層24と、電子輸送層25と、電子注入層26と、第二電極(上部電極)27と、がこの順に積層されてなる積層体である。尚、本発明の表示装置において、2つの発光層(第一発光層23、第二発光層24)の積層順は図1に示される態様に限定されるものではない。つまり、ホール輸送層22上に、第二発光層24、第一発光層23の順に積層してもよい。
【0022】
また本発明において、第一電極21と第二電極27との間に設けられる有機化合物層の構成については、少なくとも2つの発光層(第一発光層23、第二発光層24)を有する構成であれば図1に示される態様に限定されるものではない。ここで有機化合物層を構成する層としては、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロック層、ホールブロック層、電子輸送層、電子注入層等が挙げられる。
【0023】
さらに本発明において、2つの発光層(第一発光層23、第二発光層24)の間には、介在層を設けないのが好ましい。
【0024】
図1の表示装置1において、有機発光素子20を構成する第二電極27上には、有機発光素子20を封止するための封止層31が設けられている。そしてこの封止層31上には、カラーフィルタ基板32と各色のカラーフィルタ(33R,33G,33B)とからなる色変換部材が設けられている。
【0025】
図1の表示装置1のように、本発明の表示装置を構成する有機発光素子には、2つの発光層(第一発光層23、第二発光層24)がある。本発明において、第一発光層23には二種類の発光ドーパント(第一の発光ドーパント、第二の発光ドーパント)が含まれ、第二発光層には一種類の発光ドーパント(第三の発光ドーパント)が含まれている。上述したようにこれら三種類の発光ドーパントは、その発光色がそれぞれ異なるので、有機発光素子を発光させると、少なくとも異なる3つの発光色が得られる。尚、この3つの発光色は同時に得られるので、各有機発光素子からそれぞれ出力される光は、3つの発光色が合成された色の光(例えば、白色光)である。
【0026】
ここで、本発明の表示装置では、これら三種類の発光ドーパントの発光色に基づく光学干渉条件に着目した。つまり、本発明では、表示装置上の発光画素内に形成される有機発光素子を、全ての発光画素において同一の膜厚で形成しながら、複数の発光色に対し光学干渉による光の強めあい条件を満足するようにする。尚、ここでいう「同一」には、±5%の範囲内の誤差が許容される。
【0027】
まず光学干渉条件について説明する。有機発光素子では、光学距離Lが、下記数式(1)を満足すると、光学干渉による光の強めあい条件を利用することが可能となる。
【0028】
【数1】

【0029】
式(1)において、λは、共振波長であり、Lは、光学距離であり、φtは、上下各電極で発光が反射する際の位相シフトの和(rad)であり、mは、正の整数である。
【0030】
式(1)中の光学距離Lは、発光層内の発光領域から反射層までにある各層の屈折率nとその膜厚dとの積ndの総和(n11+n22+・・・・)で表される。ここで第二電極27が反射性の半透明電極層を適用した場合には、第一電極21と第二電極27との間の間で発光層から出力された光を共振させることができる。この場合は、この第一電極21と第二電極27との間にある各層の屈折率nと膜厚dの積の総和を光学距離とすることができる。
【0031】
尚、mは、整数であることが望ましい。ただし干渉による光の強めあいが発現するものであれば、厳密に整数にする必要はなく、±10%の範囲内の誤差は許容される。
【0032】
また、反射界面での位相シフトΦは、反射界面を形成する2つの材料のうち、光が入射する側にある材料を媒質I、他方の材料を媒質IIとし、それぞれの光学定数を(n1,k1)、(n2,k2)とする。そうすると、Φは、下記式(2)で表すことができる。尚、これら光学定数は、例えば、分光エリプソメーター等を用いて測定することができる。
【0033】
【数2】

(ただし、0≦φ<2π)
【0034】
ここでm=1とし、各色の共振波長(λ)をそれぞれ450nm、520nm、620nmとしたときに式(1)に基づいて、各色の光の強めあい条件を満足する光学距離L及び有機化合物層の膜厚に関する計算結果を表1に示す。尚、膜厚のパラメータを求める際には、有機化合物層の屈折率を1.8、φtをπ(rad)と設定した。
【0035】
【表1】

【0036】
表1より、光学距離は発光波長(共振波長)に依存するものであり、例えば、発光波長が短くなればその分だけ光の強めあい条件を満足する光学距離が短いことが示される。
【0037】
一方、第一発光層又は第二発光層に含まれる三種類の発光ドーパントの組合せは、理論上、下記表2に示す通りである。
【0038】
【表2】

【0039】
ただし本発明の表示装置においては、少なくとも二種類のドーパントにおいて、光学干渉による光の強めあい条件を満たしさえいればよく、この二種類の発光ドーパントの組合せについては特に限定されるものではない。一方、第一発光層23に含まれる二種類の発光ドーパント(第一の発光ドーパント、第二の発光ドーパント)は、それぞれ異なるキャリア(電子又はホール)をトラップするキャリアトラップドーパントとするのが望ましい。これにより、第一発光層23に含まれる二種類の発光ドーパントの膜厚方向の発光位置を異ならせることができる。
【0040】
ここで第一発光層の発光色が黄色(赤色+緑色)、第二発光層の発光色が青色(シアンを含む)の系を具体例として、図を適宜参照しながら本発明の作用について説明する。
【0041】
図2は、図1の表示装置を構成する有機発光素子における各発光ドーパントの膜厚方向の発光位置を示す断面模式図である。尚、図2は、第一発光層23の発光色が黄色(赤色+緑色)、第二発光24層の発光色が青色(シアンを含む)の系を示している。ここで図2は、第二発光層24を第一電極21に近い発光層とする系である。以下、第一発光層23に含まれる第一の発光ドーパント及び第二の発光ドーパントを、それぞれ赤色ドーパント、緑色ドーパントとし、第二発光層24に含まれる第三の発光ドーパントを青色ドーパントとした場合を具体例として説明する。ただし、以下に説明するのは、あくまでも本発明の具体例の一つであり、第一乃至第三の発光ドーパントをどの発光色のドーパント(青色ドーパント、緑色ドーパント、赤色ドーパント)にするかについては任意に決めることができる。
【0042】
図2に示されるように、第一発光層又は第二発光層に含まれる三種類の発光ドーパントの各々の発光領域は、トラップするキャリアの種類等の条件によって符号41乃至43に示される通りになる。ここで、符号41は第一の発光ドーパントの膜厚方向の発光領域を示し、符号42は第二の発光ドーパントの膜厚方向の発光領域を示し、符号43は第三の発光ドーパントの膜厚方向の発光領域を示す。尚、図2においては、第一の発光ドーパントを赤色ドーパントとし、第二の発光ドーパントを緑色ドーパントとし、第三の発光ドーパントを青色ドーパントとしている。またここでいう発光領域(41〜43)は、積層界面のごく近傍であって膜厚方向の幅がほぼゼロの状態で存在している場合を仮定している。ここで発光ドーパントの中で発光領域に幅が生じる発光ドーパントがある場合は、その幅の分を考慮して各層の膜厚を調整するとよい。
【0043】
そして、各発光層に存在する発光領域(41〜43)から第一電極21(第一電極の光透過層部分21bと反射層部分21aとの界面)までの光学距離(L1〜L3)を、例えば、表1に示す値に設定する。そうすると、各発光ドーパントについて光学干渉による光の強めあい条件を活用できる。尚、図2の態様では、λとLとの間に以下の関係が成り立っている。
1=1/4λR
2=1/4λG
3=1/4λB
(λR=620nm、λG=520nm、λB=450nm)
【0044】
また第一乃至第三の発光ドーパントとして使用されるドーパントとしては、ホールトラップ性ドーパント、電子トラップ性ドーパントとも適用することが可能である。ここで、発光ドーパントのキャリアトラップ性と発光領域との関係を考慮すると、ホールトラップ性の発光ドーパントの場合、ホール輸送層22側に発光領域が局在化する。一方、電子トラップ性の発光ドーパントの場合、電子輸送層25側に発光領域が局在化する。
【0045】
ここで図2の態様においては、第一発光層23に含まれる第一の発光ドーパント及び第二の発光ドーパントを、それぞれ電子トラップ性ドーパント、ホールトラップ性ドーパントとする。一方、第二発光層24に含まれる第三の発光ドーパントをホールトラップ性ドーパントとする。そうすると、図2に示されるように、第一発光層23に含まれる第一の発光ドーパント(赤色ドーパント)の発光領域41は、電子輸送層25との界面近傍に存在する。また第一発光層23に含まれる第二の発光ドーパント(緑色ドーパント)の発光領域42は、第二発光層24との界面近傍に存在する。一方、第二発光層24に含まれる第三の発光ドーパント(青色ドーパント)の発光領域43は、ホール輸送層22との界面近傍に存在する。
【0046】
ただし、図2の態様において、第三の発光ドーパントは、ホールトラップ性ドーパントに限定されるものではない。特に、赤色及び緑色において光学干渉による光の強めあい条件を満たす場合は、第三の発光ドーパントとして電子トラップ性ドーパントを使用して、第三の発光ドーパントの発光領域を第一発光層23との界面近傍としてもよい。
【0047】
図2にて示される各色の発光領域(41〜43)を考慮すると、ホール輸送層22、第二発光層24、第一発光層23の各膜厚を下記表3に示す値に設定すると表1にて示した光学距離の条件を満足する。
【0048】
【表3】

【0049】
ただし数式(1)を満足すべき二種類の発光色については特に制限はなく、表示装置を構成する有機発光素子から出力される光のうち少なくとも異なる2つの発光色に関し設定されていればよい。尚、表示装置を構成する有機発光素子から出力される全ての発光色について数式(1)を満足するように光学距離を設定すると、光学干渉の効果(光の強めあいの効果)を最大限に活用できるため、好ましい。
【0050】
ここで、有機発光素子から出力される複数種の発光色について、その種類によって発光効率等に違いがある場合は、例えば、発光効率の低い二種類の発光色について、光学距離を、数式(1)を満足するように設定することもできる。
【0051】
また発光色度の調整や、視野角特性の調整を目的として、各発光色のピーク波長から共振波長を適宜ずらして設定することも可能である。
【0052】
このようにすることで、全ての発光画素で有機発光素子の膜厚が同一でありながら、有機発光素子が示す複数の発光色に関し、光学干渉による光の強めあい条件を同時に満足することが可能となる。
【0053】
尚、膜厚については、厳密に一致している必要はなく、表示装置上の全ての発光が画素において、±10%の範囲内であれば、凡そ同じ膜厚とみなすことができる。
【0054】
図3は、図2の変形例を示す断面模式図である。尚、図3は、図2の態様と同様に、第一発光層23の発光色が黄色(赤色+緑色)、第二発光24層の発光色が青色(シアンを含む)の系を示している。ここで図3は、第一発光層23を第一電極21に近い発光層とする系である。以下、第一発光層23に含まれる第一の発光ドーパント及び第二の発光ドーパントを、それぞれ緑色ドーパント、赤色ドーパントとし、第二発光層24に含まれる第三の発光ドーパントを青色ドーパントとした場合の具体例を説明する。
【0055】
図3に示されるように、第一発光層又は第二発光層に含まれる三種類の発光ドーパントの各々の発光領域は、トラップするキャリアの種類等の条件によって符号41乃至43に示される通りになる。ここで、符号41は第一の発光ドーパントの膜厚方向の発光領域を示し、符号42は第二の発光ドーパントの膜厚方向の発光領域を示し、符号43は第三の発光ドーパントの膜厚方向の発光領域を示す。尚、図3においては、第一の発光ドーパントを緑色ドーパントとし、第二の発光ドーパントを赤色ドーパントとし、第三の発光ドーパントを青色ドーパントとしている。
【0056】
そして、各発光層に存在する発光領域(41〜43)から第一電極21までの光学距離(L1〜L3)を、適宜設定すると、各発光ドーパントについて光学干渉による光の強めあい条件を活用できる。ところで図3の態様では、λとLとの間に以下の関係が成り立っている。
1=1/4λG
2=1/4λR
3=3/4λB
(λR=620nm、λG=520nm、λB=450nm)
【0057】
ここで図3の態様においては、第一発光層23に含まれる第一の発光ドーパント及び第二の発光ドーパントを、それぞれホールトラップ性ドーパント、電子トラップ性ドーパントとする。一方、第二発光層24に含まれる第三の発光ドーパントを電子トラップ性ドーパントとする。そうすると、図3に示されるように、第一発光層23に含まれる第一の発光ドーパント(緑色ドーパント)の発光領域41は、ホール輸送層22との界面近傍に存在する。また第一発光層23に含まれる第二の発光ドーパント(赤色ドーパント)の発光領域42は、第二発光層24との界面近傍に存在する。一方、第二発光層24に含まれる第三の発光ドーパント(青色ドーパント)の発光領域43は、電子輸送層25との界面近傍に存在する。
【0058】
ただし、図3の態様において、第三の発光ドーパントは、電子トラップ性ドーパントに限定されるものではない。特に、赤色及び緑色において光学干渉による光の強めあい条件を満たす場合は、第三の発光ドーパントとしてホールトラップ性ドーパントを使用して、第三の発光ドーパントの発光領域を第一発光層23との界面近傍としてもよい。
【0059】
そして図3にて示される各色の発光領域(41〜43)を考慮して、ホール輸送層22、第一発光層23、第二発光層24の各膜厚を適宜設定する。
【0060】
以下に、本発明の表示装置の構成部材について説明する。基材11は、特に限定するものではないが、金属、セラミックス、ガラス、石英、シリコン等が用いられる。また、プラスティックシート等のフレキシブルシートを用いたフレキシブル基板とすることをも可能である。
【0061】
駆動回路12は、有機発光素子20を駆動させて発光させるためのものである。本発明において、駆動回路12の構成材料は得に限定ていされるものではない。
【0062】
層間絶縁層13(15,16)は、駆動回路12と配線14との間、配線14と配線14との間、駆動回路12と第一電極21との間及び配線14と第一電極21との間をそれぞれ電気的に分離する目的で設けられる。層間絶縁層13(15,16)の構成材料として、例えば、酸化シリコン(SiO2)等の無機絶縁性材料で構成される。
【0063】
配線14は、信号や電源を供給するために設けられる部材であり、その構成材料として、例えば、アルミニウム(Al)等の導電性材料が用いられる。
【0064】
平坦化層17は、駆動回路12や配線14を設けることによって生じた凹凸を埋め、基板10を平坦化する目的で設けられる。平坦化層17の構成材料として、例えば、ポリイミド等の有機絶縁性材料や、酸化シリコン(SiO2)等の無機絶縁性材料が用いられる。
【0065】
下部電極である第一電極21は、陽極としての機能及び発光層から出力された発光を反射する機能を有していればよく、その構成材料は特に限定されるものではない。第一電極21の構成材料として、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)等の金属単体、これら金属単体を複数種組み合わせた合金等の反射性金属材料や、屈折率の異なる無機材料を複数積層してなる誘電体ミラー等を用いることができる。尚、第一電極21の構成材料として反射率の高い材料を適用すると、発光の取り出し効率を高めることができるので好ましい。
【0066】
ホール輸送層22、第一発光層23、第二発光層24又は電子輸送層25に用いられる有機化合物としては、低分子材料であってもよいし、高分子材料であってもよい。また低分子材料と高分子材料との両方を用いて層を形成してもよい。
【0067】
ここで第一発光層23、第二発光層24において使用される発光材料としては、蛍光発光材料、燐光発光材料等が挙げられるが特に限定されるものではない。必要に応じて周知の材料を使用できる。尚、本発明では、第一発光層23には二種類の発光ドーパントが、第二発光層24には一種類の発光ドーパントが、それぞれ含まれているが、これらの発光ドーパントとして、公知のものを使用することができる。
【0068】
また、電子注入層26の構成材料として、例えば、フッ化リチウムや、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のような広く一般に用いられる電子注入材料を用いることができる。また、電子輸送性の有機材料中に、アルカリ金属やアルカリ土類金属、もしくはその化合物を0.1%〜数十%含有させることにより、電子注入層とすることもできる。その際、電子注入層26の膜厚を10nm〜100nm程度とすると、この後に形成する第二電極27、封止層31及びカラーフィルタ(33R,33G,33B)の成膜ダメージを緩和できるため好ましい。
【0069】
本発明の表示装置において、有機化合物層を構成する各層は、一般には、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマあるいは、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、インクジェット法等)により形成することができる。
【0070】
上部電極である第二電極27は、陰極としての機能を有している。第二電極27としては、例えば、透明な金属酸化物導電膜、具体的には、酸化インジウムと酸化錫の化合物膜(ITO)や、酸化インジウムと酸化亜鉛の化合物(IZO)等が挙げられる。これら透明な金属酸化物からなる導電膜を第二電極27に適用する場合、その膜厚は10nm以上1000nm以下、より好ましくは、30nm以上300nmの範囲で設定しておく。そうすると、電極のシート抵抗の低減と高い光学透過率とを両立できるため好ましい。
【0071】
尚、上述した「透明」とは、可視光に対する透過率が70%〜100%であることであり、より具体的には、消衰係数κが0.05以下、好ましくは、0.01以下であることをいう。このように減衰係数が小さければ小さいほど透明導電層として機能しつつ発光の減衰を抑える観点では好ましい。
【0072】
また、透明な金属酸化物導電膜の代わりに、半透明状にした金属薄膜を用いることもできる。この場合、具体的には、銀、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等の金属単体や、これら金属単体を複数種組み合わせた合金を用いる。特に、銀とマグネシウムとからなる合金(銀マグネシウム)は、電子注入性及び発光の反射性の観点から好ましい。また、半透明状の金属薄膜を採用する際にその膜厚は、2nm以上50nm以下程度とする。そうすると、発光の一部が透過するため、発光の取り出し効率の観点で好ましい。
【0073】
封止層31は、有機発光素子20を封止して保護するために設けられている。封止層31の構成材料として、例えば、酸化シリコン(SiO2)、窒素化シリコン(SiN)等の光透過性の無機材料が挙げられる。
【0074】
色変換部材を構成するカラーフィルタ基板32、カラーフィルタ(33R,33G,33B)は、第一発光層23又は第二発光層24から発せられた光を、赤、緑、青の3原色のいずれかに変調して外部へ出力させるために設けられる。ここでカラーフィルタ(33R,33G,33B)は、例えば、樹脂に所望の色(赤色、緑色又は青色)の顔料が混入されてなる部材である。また各色のカラーフィルタ(33R,33G,33B)は、それぞれ第一電極、第二電極に対応した位置に設けられている。
【0075】
尚、本発明において、カラーフィルタの種類は、例えば、図1の表示装置1で示されるように三種類であるが特に制限されるものではなく、必要に応じて二種類に減らしたり4種類以上に増やしたりすることが可能である。
【0076】
本発明の表示装置は、照明や、電子機器のディスプレイとして、また、表示装置用のバックライト等の様々な用途に適用することができる。電子機器のディプレイとしては、テレビ受像機、パーソナルコンピュータのディスプレイ、撮像装置の背面表示部、携帯電話の表示部、携帯ゲーム機の表示部等が挙げられる。その他、携帯音楽再生装置の表示部、携帯情報端末(PDA)の表示部、カーナビゲーションシステムの表示部等の用途がある。
【実施例】
【0077】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0078】
[実施例1]
図1に示される表示装置を、以下の方法で作製した。ただし、本実施例では、2種類の発光層については、第二発光層、第一発光層の順に形成した。
【0079】
シリコン基板(基材11)上に、駆動回路12を形成した後、基材11及び駆動回路12上に、酸化シリコン(SiO2)を成膜して層間絶縁層13を形成した。このとき層間絶縁層13の膜厚を300nmとした。
【0080】
次に、スパッタリング法により、層間絶縁層13上にアルミニウム合金(AlNd)を成膜してAlNd膜を形成した。このときAlNd膜の膜厚を60nmとした。次に、フォトリソプロセスを利用したパターニングにより、AlNd膜を所望の形状にパターニングして緑色画素2G及び青色画素2B内の所定の領域に配線14を形成した。
【0081】
次に、層間絶縁層13及び配線14上に、酸化シリコン(SiO2)を成膜して層間絶縁層15を形成した。このとき層間絶縁層15の膜厚を300nmとした。続いて、スパッタリング法により、層間絶縁層13上にアルミニウム合金(AlNd)を成膜してAlNd膜を形成した。このときAlNd膜の膜厚を60nmとした。次に、フォトリソプロセスを利用したパターニングにより、AlNd膜を所望の形状にパターニングして青色画素2B内の所定の領域に配線14を形成した。
【0082】
次に、層間絶縁層15及び配線14上に、酸化シリコン(SiO2)を成膜して層間絶縁層16を形成した。このとき層間絶縁層16の膜厚を300nmとした。次に、層間絶縁層16上に、ポリイミドを成膜して平坦化層17を形成した。このとき平坦化層17の膜厚を500nmとした。次に、平坦化層17の所定の領域に、駆動回路12と第一電極21とを電気接続するためのコンタクトホール18を形成した。以上の工程で作製された基板10を次の工程で使用した。
【0083】
次に、スパッタリング法により、基板10上にアルミニウム合金(AlNd)を成膜してAlNd膜を形成した。このときAlNd膜の膜厚を60nmとした。次に、フォトリソプロセスにより、AlNd膜のうち各画素(2R,2G,2B)に対応する領域以外の領域を除去するようにパターニングを行うことにより、第一電極21(下部電極)を各画素(2R,2G,2B)に対応するようにパターン形成した。尚、第一電極21は陽極として機能する。
【0084】
次に、真空蒸着法により、基板10上及び第一電極21上に、下記式に示される化合物[I]を成膜してホール輸送層22を形成した。このときホール輸送層22の膜厚は63nmであり、ホール輸送層22の成膜時の真空度は、1×10-4Paであり、蒸着レートは、0.2nm/secであった。
【0085】
【化1】

【0086】
次に、真空蒸着法により、ホール輸送層22上に、シアン色の発光を示すホールトラップ性ドーパント材料を含む第二発光層24を膜厚10nmで形成した。続いて真空蒸着法により、第二発光層24上に、緑色の発光を示すホールトラップ性ドーパント材料と赤色の発光を示す電子トラップ性ドーパント材料とを含む第一発光層23を膜厚14nmで形成した。
【0087】
続いて、真空蒸着法により、第二発光層24上に、電子輸送層13として、バソフェナントロリン(Bphen)を成膜して電子輸送層25を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を6nmとし、蒸着時の真空度を1×10-4Paとし、蒸着レートを0.2nm/secとした。
【0088】
次に、真空蒸着法により、電子輸送層25上に、BphenとCs2Co3とを共蒸着(重量比は、[Bphen]:[Cs2Co3]=90:10である。)して電子注入層26を形成した。ここで電子注入層26の膜厚を15nmとし、蒸着時の真空度を3×10-4Paとし、蒸着レートを0.2nm/secとした。ここで各色の発光画素における共振波長及びmを下記表4に示す。
【0089】
【表4】

【0090】
次に、電子注入層26まで成膜した基板を、真空を破ることなくスパッタ装置に移動した後、スパッタリング法により、電子注入層26上にITOを成膜して第二電極27を形成した。このとき第二電極27の膜厚を33nmとした。
【0091】
その後、同様に真空を破ることなく別のCVD装置に移動した後、封止層16としてSiNを成膜して封止層31を形成した。このとき封止層31の膜厚を2000nmとした。
【0092】
続いて、アクリル樹脂からなる薄膜を膜厚500nmで形成した後、各発光画素の領域に対応する領域に、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ(33R,33G,33B)をそれぞれ作製した。このとき各カラーフィルタ(33R,33G,33B)の膜厚は2μmであった。図2は、作製された各カラーフィルタ(33R,33G,33B)の分光特性を示す図である。その後、カラーフィルタ(33R,33G,33B)上に透明なアクリル樹脂からなる薄膜を膜厚500nmの厚さで形成した。これにより、カラーフィルタ(33R,33G,33B)を有するカラーフィルタ基板32を作製した。
【0093】
以上の工程により表示装置を得た。
【0094】
ここで作製した有機発光素子は、表1より、m=1におかる各色(450nm、520nm、620nm)の光の強めあい条件を満足する。本実施例において作製した表示装置について色再現範囲(NTSC比)、消費電力、視野角特性を評価した。結果を表7に示す。
【0095】
[実施例2]
実施例1の表示装置において、第二発光層24の膜厚を48nmとしたことを除いては、実施例1の表示装置と同様の方法で表示装置を作製した。本実施例において、作製した表示装置を構成する各色の発光画素における共振波長及びmを下記表5に示す。
【0096】
【表5】

【0097】
表4より、本実施例の表示装置では、450nm及び520nmにおいてm=1であるため、青色及び緑色において光の強めあい条件を満足している。しかし、620nmにおいては、m=1.2であるため、赤色においては光の強めあい条件を満足しているとは言えない。即ち、本実施例では、各色の発光画素のうち、2つの発光色(青色、緑色)について光の強めあい条件を満足している。
【0098】
本実施例において作製した表示装置について、実施例1と同様に、色再現範囲(NTSC比)、消費電力、視野角特性を評価した。結果を表7に示す。
【0099】
[比較例1]
実施例1の表示装置において、ホール輸送層22の膜厚を88nmとし、第一発光層23の膜厚を14nmとし、第二発光層24の膜厚を19nmとした。これらを除いては、実施例1と同様の方法により表示装置を作製した。本比較例において、作製した表示装置を構成する各色の発光画素における共振波長及びmを下記表6に示す。
【0100】
【表6】

【0101】
表5より、本比較例の表示装置では、450nm、520nm及び620nmの共振波長において、いずれもm=1.2である。このため、いずれの発光色についても光の強めあい条件を満足しているとは言えない。即ち、有機発光素子が示す3つの発光色のうち、いずれの発光色も、強めあい条件に設定されていない。
【0102】
本比較例において作製した表示装置について、実施例1と同様に、色再現範囲(NTSC比)、消費電力、視野角特性を評価した。結果を表7に示す。
【0103】
【表7】

【0104】
表7より、本発明の表示装置は、いずれの発光色にも光の強めあい条件が設定されていない比較例1の表示装置に比べて、色再現範囲が広く、かつ低消費電力であることがわかった。
【0105】
また表7より、以下の事項が判明した。即ち、全ての発光色において光の強めあい条件を満足している実施例1の表示装置の方が、3種類の発光色のうちの2色において光の強めあい条件を満足している実施例2の表示装置に比べ、発光特性(色再現範囲、消費電力)がさらに良好であることがわかった。
【符号の説明】
【0106】
1:表示装置、10:基板、11:基材、12:駆動回路、13(15,16):層間絶縁層、14:配線、17:平坦化層、18:コンタクトホール、21:第一電極、22:ホール輸送層、23:第一発光層、24:第二発光層、25:電子輸送層、26:電子注入層、27:第二電極、31:封止層、32:カラーフィルタ基板、33R:赤色カラーフィルタ、33G:緑色カラーフィルタ、33B:青色カラーフィルタ、41:第一の発光ドーパントの膜厚方向の発光領域、42:第二の発光ドーパントの膜厚方向の発光領域、43:第三の発光ドーパントの膜厚方向の発光領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に複数の有機発光素子が設けられ、
前記有機発光素子が、第一電極と第二電極と、前記第一電極と前記第二電極とに挟持され、少なくとも第一発光層と第二発光層とを含む有機化合物層と、を備え、
前記有機化合物層を構成する層は、全ての有機発光素子において同一の膜厚であり、
前記第一発光層と前記第二発光層とが、各有機発光素子において共通する層であり、
前記第一発光層に、第一の発光ドーパントと第二の発光ドーパントとが含まれており、
前記第一の発光ドーパントと前記第二の発光ドーパントとが、発光色、発光スペクトル及び膜厚方向の発光位置においてそれぞれ異なるドーパントであり、
前記第二発光層に、第三の発光ドーパントが含まれており、
前記第三の発光ドーパントが、発光色及び発光スペクトルにおいて前記第一の発光ドーパント及び前記第二の発光ドーパントと異なり、
前記第一の発光ドーパント、前記第二の発光ドーパント及び前記第三の発光ドーパントのうち少なくとも二種類のドーパントにおいて、前記第一電極と前記膜厚方向の発光位置との距離が光学干渉での光の強め合いの条件を満たしていることを特徴とする、表示装置。
【請求項2】
前記第一の発光ドーパント、前記第二の発光ドーパント及び前記第三の発光ドーパントにおいて、前記第一電極と前記膜厚方向の発光位置との距離が光学干渉での光の強め合いの条件を満たしていることを特徴とする、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記有機発光素子上に光変換部材が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−77383(P2013−77383A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215069(P2011−215069)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】