説明

表示装置

【課題】薄型化が可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、表示パネル10と、剛性を有すると共に、表示パネルの背面に設けられ、表示パネルの少なくとも背面を覆うバックシャーシ22とを備える。筐体20を構成するフロントベゼル21およびバックシャーシ22を接着部材23によって接着するようにしたので、額縁領域S1における筐体20の構成部材の接続に要する領域が削減可能となる。即ち、表示装置1の狭額縁化が可能となる。また、前記フロントベゼル21および前記バックシャーシ22を接続するための接続部材が不要となるため、コストが低減されると共に、表示装置1を軽量化することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、テレビジョン装置等の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置,有機EL表示装置および電子泳動型表示装置等に代表される表示装置では、より薄型且つ軽量な表示装置が求められている。一般的な表示装置は筐体に表示パネルが収容されており、この筐体は、表示パネルの表示面側に設けられたフロントベゼルやトップシャーシ等の前面筐体と、表示パネルの背面側を覆うバックシャーシ,フレームおよび背面カバー等の後面筐体とから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−304630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、液晶表示装置等の表示装置は表示パネルや電子部品の技術の進歩により外観のデザイン性が向上しているが、さらなる向上を目的として表示装置の薄型化および狭額縁化が求められている。しかしながら、これまでの表示装置では、上記特許文献1のように液晶パネルを収容する筐体、特に後面筐体は、バックシャーシ,フレームおよび背面カバー等の複数の部材によって構成されており、薄型化の妨げとなっていた。
【0005】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、薄型化が可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の表示装置は、表示パネルと、剛性を有すると共に表示パネルの背面に設けられ、表示パネルの少なくとも背面を覆う背面部材とを備えたものである。
【0007】
本技術の表示装置では、表示パネルの背面を覆う背面部材を剛性部材によって構成したことにより、部材構成を簡略化することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本技術の表示装置によれば、表示パネルの背面部材として剛性を有する部材を用いるようにしたので、背面部材の構成が簡略化され、表示装置を薄型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した表示装置の構成を表す分解斜視図である。
【図3】本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。
【図4】本開示の第3の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。
【図5】本開示の第4の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。
【図6】本開示の第5の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。
【図7】従来例に係る表示装置の構成を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態について図面を参照して以下の順に詳細に説明する。
1.第1の実施の形態
(フロントベゼルとバックシャーシとを封止材によって接着した表示装置)
2.第2の実施の形態
(トップシャーシとリアプレートとをミドルシャーシで連結した表示装置)
3.第3の実施の形態
(フロントガラスとリアプレートとを封止材によって接着した表示装置)
4.第4の実施の形態
(背面部材として導光板を用いた表示装置)
5.第5の実施の形態
(表示パネルとリアプレートとをミドルシャーシで連結した表示装置)
【0011】
1.第1の実施の形態
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の断面構成を表したものであり、図2は表示装置1の全体構成を分解斜視したものである。表示装置1は例えばテレビジョン装置として用いられる液晶表示装置である。この表示装置1は、表示パネル10,光学シート16,導光板17および光源18等を含むバックライトユニットがフロントベゼル21(前面部材)およびバックシャーシ22(背面部材)からなる筐体20に収容され、このフロントベゼル21およびバックシャーシ22が接着部材23によって接着された構成を有する。導光板17の一端面には光源18としてLEDが複数配されており、この光源18から射出された光が導光板17を経て、表示パネル10に照射され、フロントベゼル21側に表示光として取り出されるようになっている。
【0012】
表示パネル10は、動画像または静止画像等の画像を表示するためのものであり、例えば、TFT基板12およびCF基板14の2枚の基板の間に液晶層13を有する液晶表示パネルである。また、TFT基板12およびCF基板14の液晶層13とは反対側の面(前面(表示面)および背面)には、特定の方向の偏光を透過させる偏光板11,15がそれぞれ設けられている。
【0013】
TFT基板12は、ガラス基板上に例えばマトリクス状に複数の画素電極(図示せず)を配置したものである。このTFT基板12には、これら複数の画素電極をそれぞれ駆動するためのTFT(Thin Film Transistor)素子や、これらTFT素子に接続されるゲート線およびソース線等(いずれも図示せず)が設けられている。画素電極は例えばITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)等の透明性を有する導電材料により形成されており、ガラス基板上でサブ画素(図示せず)ごとに設けられている。
【0014】
CF基板14は、ガラス基板上に、例えば赤(R),緑(G),青(B)のフィルタがストライプ状に設けられたカラーフィルタ(図示せず)を有すると共に、このカラーフィルタ上の有効な表示領域S2のほぼ全面に亘って対向電極(図示せず)を有するものである。対向電極は、例えば上記画素電極と同様に、ITO等の透明性を有する導電材料により構成されている。なお、ここでは図示していないが対向電極とTFT基板12側の画素電極との間には、両基板間のギャップを保つためのスペーサを設けてもよい。
【0015】
液晶層13は、例えば垂直配向型の液晶パネルの場合には、負の誘電率異方性を有する液晶分子と、この液晶分子を配向膜(図示せず)との界面近傍で保持するポリマー構造とを含んでいる。液晶分子は、その長軸方向の誘電率が短軸方向よりも大きいという性質を有している。この性質により、駆動電圧がオフのときは、液晶分子の長軸が基板に対して垂直になるように配列し、駆動電圧がオンになると、液晶分子の長軸が基板に対して平行になるように傾いて配向する。これにより画像が液晶表示パネルに映し出される。
【0016】
光学シート16は、光源18から発せられ、導光板17を通じて表示パネル10に照射される光に対して種々の光学機能を奏するためのシートである。光学シート16としては、例えば光源18から導光板17を介して表示パネル10に入射する表示光を、入射光および入射光に直交する偏光成分に分解する機能、光波の位相差を保証して広視野角化や着色防止を図る機能あるいは表示光を拡散する機能等を有するシートが単層または積層されていてもよい。
【0017】
導光板17は、光源18から入射された光を伝播させて表示パネル10へと導くものであり、例えば矩形の平板形状を有している。導光板17の材料としては、透明性の高い材料、例えばガラスが挙げられるが、光源18からの光を伝播可能な材料であれば他の材料により構成されていてもよい。例えば、光散乱性の微粒子を分散させた光散乱材料や、光拡散材料により形成したものでもよい。具体的には、アクリル樹脂,ポリメチルメタクリレート(PMMA),ポリカーボネート(PC)および環状ポリオレフィン(COP)等が挙げられる。導光板17の形状やサイズ,屈折率,濃度および濃度分布等は、所望の特性が得られるように任意に調整すればよい。
【0018】
光源18は、例えば白色LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)の他、赤色,青色,緑色等を発するLEDを用いてもよい。また、LEDのような点光源の他、蛍光灯などの線光源を用いてもよい。光源18は、図2に示したように、ここでは導光板17の一端面(下面)に設けられているが、これに限らず、例えば導光板17の4辺に沿って配置しても構わない。
【0019】
筐体20は、例えば略直方体状であり、対向する2つの面(表示面および背面)を有すると共にこれら2つの面間の側面を有している。即ち、本実施の形態における筐体20は、表示パネル10の前面の少なくとも一部(例えば表示パネル10の周縁部)を覆う前面板(フロントベゼル21)と、表示パネル10の背面および前面と背面との間の側面を覆う背面板(バックシャーシ22)により構成されている。
【0020】
フロントベゼル21は、上述のように表示パネル10の前面側に設けられた表示パネル10を固定するための枠体である。フロントベゼル21の開口21Aによって表示パネル10に表示される画像が観賞可能となる。フロントベゼル21の材料としては、例えば熱伝導率が高い金属、具体的にはアルミニウム(Al)が用いられる。この他、鉄(Fe)またはポリカーボネート(PC)やPCにABS樹脂を添加したプラスチック等を用いてもよい。
【0021】
バックシャーシ22は、上述のように表示パネル10の少なくとも背面、ここでは背面および前面と背面との間の側面を覆うと共に、表示パネル10を固定するためのものである。バックシャーシ22の材料としては、フロントベゼル21と同様に、例えば熱伝導率が高い金属、具体的にはAlが用いられる。この他、Fe等を用いてもよい。
【0022】
本実施の形態では、フロントベゼル21およびバックシャーシ22は、接着部材23(封止材)によって接着されている。この接着部材23によってフロントベゼル21およびバックシャーシ22を一体化することによって、フロントベゼル21およびバックシャーシ22を接続するための接続部材(例えばミドルシャーシ等)が省略される。接着部材23としては、十分な接着力および弾性を有する接着剤、具体的には、アクリル樹脂,ウレタン樹脂,エポキシ樹脂,塩化ビニル樹脂,変成シリコーン樹脂等の接着剤が挙げられる。また、本実施の形態のようにフロントベゼル21およびバックシャーシ22を接着部材23によって接着する際には、接合強度等を向上させるためにフロントベゼル21およびバックシャーシ22は同一素材を用いることが好ましい。更に、例えば、表示装置1内に設けられる各種回路や電子部品から発生する電磁波を遮蔽するために金属材料を用いることが好ましい。これにより、液晶表示装置100の内部に設けられる各種回路や電子部品から生じる不要輻射が軽減される。
【0023】
なお、接着部材23は、ここでは表示パネル10の側面,表面および背面の一部を覆い、表示パネル10の封止部としての機能も有する。また、表示パネル10とバックシャーシ22との間にはスペーサ24が設けられており、表示パネル10とバックシャーシ22との間の空間を確保すると共に、接着部材23の形成領域を区画している。更に、スペーサ24と導光板17との間には導光板17の位置決めおよび導光板17の線膨張の吸収を行うポロン25が設けられているが、省略しても構わない。
【0024】
この表示装置1は、図2に示したように、表示パネル10,光学シート16および導光板17等をフロントベゼル21およびバックシャーシ22からなる筐体20に収容し、光源18の駆動基板およびスピーカー等が設けられたスタンド19に設置することで完成する。このスタンド19としては、例えば矩形の平板形状を有する固定式の台座(文鎮構造)が挙げられるが、これに限らず、表示パネル10の上下および左右の画面の向きを変更可能なチルト・スイーベル機構を備えていてもよい。
【0025】
この表示装置1は、光源18から射出された光が導光板17および光学シート16を介して表示パネル10に入射すると、その入射光は、偏光板11を通過した後、TFT基板12およびCF基板14の透明電極の間に印加された映像電圧に基づいて、画素毎に変調されつつ液晶層13を透過する。液晶層13を透過した光は、カラーフィルタを通過することにより、カラーの表示光として偏光板15の外側(表示面側)へ取り出される。
【0026】
図7は、従来の表示装置100の断面構成を表したものである。この表示装置100では、表示パネル110,光学シート116および導光板117は、上記本実施の表示装置1と同様に筐体120に収容されている。この筐体120は、フロントベゼル121,バックシャーシ122,トップシャーシ123およびミドルシャーシ124から構成されている。従来の表示装置100では、フロントベゼル121とバックシャーシ122との間にトップシャーシ123およびミドルシャーシ124が配置され、このトップシャーシ123およびミドルシャーシ124によってフロントベゼル121とバックシャーシ122とを連結している。具体的には、トップシャーシ123とバックシャーシ122とは、ミドルシャーシ124を介してネジ(図示せず)によって締結されている。このようにして組み立てられたパネルモジュールをフロントベゼル121およびリアカバー125で挟み込みネジ(図示せず)によって固定する。従って表示装置100の額縁領域S1には、上記筐体120をネジ留めするための領域が必要であった。また、トップシャーシ123,ミドルシャーシ124およびネジ等の部品点数も多く、その分重さも増す。
【0027】
これに対して、本実施の形態の表示装置1では、筐体20の部品はフロントベゼル21およびバックシャーシ22の2点であり、フロントベゼル21とバックシャーシ22とは接着部材23によって接着されている。即ち、従来の表示装置100のように、額縁領域S1に筐体120をネジ留めするためのネジ留め領域を確保する必要はなく、従って額縁領域S1を縮小することが可能となる。また、フロントベゼル121およびバックシャーシ122を接続するための接続部材(トップシャーシ123,ミドルシャーシ124およびネジ)が不要となるため、コストが低減される共に、表示装置1の重量を軽減することができる。
【0028】
以上のように本実施の形態の表示装置1では、筐体20を構成するフロントベゼル21およびバックシャーシ22を接着部材23によって接着するようにしたので、額縁領域S1における筐体20の構成部材の接続に要する領域が削減可能となる。即ち、表示装置1の狭額縁化が可能となる。
【0029】
また、筐体20の構成部材(フロントベゼル21およびバックシャーシ22)を接続するための接続部材が不要となるため、コストが低減されると共に、表示装置1を軽量化することが可能となる。
【0030】
以下に第2〜第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については同一符号を付してその説明は省略する。
【0031】
2.第2の実施の形態
図3は、本開示の第2の実施の形態に係る表示装置2の断面構成を表したものである。表示装置2は、表示パネル10,光学シート16および導光板17が筐体30に収容され、この筐体30が、フロントベゼル31(前面部材),リアプレート32(背面部材),トップシャーシ33およびミドルシャーシ34によって構成されている点が上記第1の実施の形態とは異なる。
【0032】
筐体30は、上記第1の実施の形態と同様に、例えば略直方体状であり、対向する2つの面(表示面および背面)を有すると共にこれら2つの面間の側面を有している。即ち、本実施の形態では、表示パネル10の表示面(前面)および側面を覆う前面板としてのフロントベゼル31と、表示パネル10の背面を覆う背面板としてのリアプレート32とを、トップシャーシ33およびミドルシャーシ34によって接続している。
【0033】
フロントベゼル31は、上記第1の実施の形態と同様に表示パネル10を固定するための枠体である。フロントベゼル31の開口31Aによって表示パネル10で表示される画像が観賞可能となる。フロントベゼル31の材料としては、例えば熱伝導率が高い金属、具体的にはAlが用いられる。この他、Feまたはポリカーボネート(PC)やPCにABS樹脂を添加したプラスチック等を用いてもよい。
【0034】
リアプレート32は、上述のように表示パネル10の背面を覆うと共に、表示装置2全体を支持するためのものである。リアプレート32は剛性を有する部材である。また、ヤング率が大きいまたは線膨張率が小さい部材を用いることが好ましい。具体的には、厚み1.0mm〜3.0mm程度のガラスやセラミック、またはAl,Fe等の金属が挙げられる。本実施の形態では筐体30の背面部材として剛性を有する材料を用いることにより、上記第1の実施の形態において用いられたバックシャーシ22等や外装部材(例えば、リアカバー125(図7参照))のような表示装置1を支持するための支持部材を用いることなく、表示装置2全体を支持することが可能となる。
【0035】
また、リアプレート32の背面全体には表示装置2の内部への外光の入射を防止する遮光膜32Aが設けられている。この遮光膜32Aは、例えば黒色の着色剤を混入した光学濃度が1以上の黒色のフィルム等の樹脂膜が挙げられる。
【0036】
トップシャーシ33およびミドルシャーシ34は、上述のようにフロントベゼル31およびリアプレート32を接続するためのものである。トップシャーシ33およびミドルシャーシ34の材料としては、例えば上記第1の実施の形態におけるバックシャーシ22の材料、Al,Fe等の金属を用いることができる。なお、金属よりも熱伝導率が低い材料、例えば合成樹脂等を用いて成型してもよい。熱伝導率の低い材料を用いることにより、光源18において発生した熱のフロントベゼル31への伝わりが抑制され、表示装置2の前面側の温度上昇を抑えつつ、背面側から効率よく排熱することができる。
【0037】
この表示装置2では、上記第1の実施の形態と同様に光源18から射出された光が導光板17および光学シート16を介して表示パネル10に入射する。この入射光は、偏光板11を通過した後、TFT基板12およびCF基板14の透明電極の間に印加された映像電圧に基づいて、画素毎に変調されつつ液晶層13を透過する。液晶層13を透過した光は、カラーフィルタを通過することにより、カラーの表示光として偏光板15の外側(表示面側)へ取り出される。
【0038】
図7は、従来の表示装置100の断面構成を表したものであるが、この表示装置100の背面にはバックシャーシ122等の背面筐体およびリアカバー125等の外装部材が設けられ、表示パネル110を収容すると共に、表示装置100全体を支持していた。
【0039】
これに対し、本実施の形態の表示装置2では、表示パネル10を収容する筐体30のうち、表示パネル10の背面全体に剛性を有する背面板(リアプレート32)を用いるようにした。これにより、従来の表示装置100の支持するために用いられていたバックシャーシ122およびリアカバー125等の複数の部材を1つの部材で行うことが可能となる。
【0040】
以上のように本実施の形態の表示装置2では、表示パネル10の背面全体を覆う背面板に剛性を有する材料を用いるようにしたので、従来、バックシャーシ122およびリアカバー125等の複数の部材を用いて行われていた表示パネルの支持を1つの部材(リアプレート32)で行うことが可能となる。即ち、表示装置2の薄型化が可能となる。
【0041】
また、上記第1の実施の形態と同様に、表示装置2を構成する支持部材の部品点数を削減することが可能となるため、コストが低減されると共に、表示装置2を軽量化することが可能となる。
【0042】
3.第3の実施の形態
図4は、本開示の第3の実施の形態に係る表示装置3の断面構成を表したものである。この表示装置3は、表示パネル10,光学シート16および導光板17が筐体40に収容され、この筐体40が、表示パネル10の前面に封止層44を介して設けられたフロントガラス41(前面部材,透明板),リアプレート42(背面部材)および飾り枠43によって構成されている点が上記第1,第2の実施の形態とは異なる。なお、フロントガラス41(前面部材),リアプレート42(背面部材)および飾り枠43は接着部材23(封止材)によってそれぞれ接着されている。
【0043】
フロントガラス41は、上述したように封止層44を介して表示パネル10の前面全体に設けられた板状部材であり、透明性の高い材料、例えばガラス,ポリカーボネート(PC)やPCにABS樹脂を添加したプラスチック等によって構成されている。フロントガラス41は、例えば0.5mm〜3.5mm程度の厚みを有し、表示パネル10の表示領域S2を保護すると共に、後述するリアプレート42と共に表示装置3を支持する。
【0044】
リアプレート42は、上述したように表示パネル10の背面側全体を覆うと共に、上記第2の実施の形態と同様に、表示装置3の全体を支持するためのものである。リアプレート42は剛性を有する部材であり、例えば厚み1.0mm〜3.0mm程度のガラスやAl,Fe等の金属が挙げられる。また、上述したようにフロントガラス41とリアプレート42とは接着部材23によって接着するため、フロントガラス41およびリアプレート42の材料は、同一または同様の性質を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、フロントガラス41に求められる透明性および表示装置の支持部材として求められる剛性、表示パネル10との膨張率差の観点からガラスを用いることが望ましい。また、リアプレート42の背面全体には、上記第2の実施の形態と同様に、表示装置3内部への外光の入射を防止するための遮光膜42Aが設けられている。
【0045】
飾り枠43は、表示装置3の前面と背面との間の側面を覆うと共に、フロントガラス41およびリアプレート42を接続するための接着部材23を封止するためのものである。飾り枠43の材料としては、例えば上記第1の実施の形態におけるバックシャーシ22の材料およびAl,Fe等の金属等を用いることができる。なお、飾り枠43は、平板状の部材でもよいが、図4に示したように、接着部材23の封止方向に凸部43Aを有していてもよい。この凸部43Aを設けることにより、フロントガラス41およびリアプレート42の接着に用いられる接着部材の23の量を少なくすることができる。また、凸部43Aの形成位置を適宜調整することによって、表示装置3を構成する部材の位置決め(例えば、図5参照)を行うこともできる。
【0046】
封止層44は、表示パネル10とフロントガラス41との間を封止するためのものであり、例えば感光硬化性や熱硬化性,湿気硬化性,嫌気硬化性,ホットメルト,あるいはこれら特性を組み合わせた樹脂等を用いることができる。なお、封止層44は省略しても構わないが、表示パネル10とフロントガラス41との間を封止層44によって封止することにより強度が向上すると共に、画質が向上する。更にデザイン性も向上する。
【0047】
本実施の形態の表示装置3では、筐体40を構成するフロントガラス41およびリアプレート42として、剛性を有し、同一または同様の性質を有する材料を用い、表示パネル10の前面および背面を覆うようにした。これにより、表示パネル10の背面側に設けられた背面筐体および外装部材等の背面部材が簡略化され、表示装置3の厚みを薄くすることが可能となる。更に、フロントガラス41とリアプレート42とを接着部材23により接着するようにしたので、額縁領域S1を縮小することが可能となる。即ち、表示装置3の薄型化および狭額縁化を同時に達成することができる。
【0048】
4.第4の実施の形態
図5は、本開示の第4の実施の形態に係る表示装置4の断面構成を表したものである。表示装置4は、表示パネル10および光学シート16が筐体50に収容され、この筐体50は、表示パネル10の前面に封止層44を介して設けられたフロントガラス51(前面部材),導光板52(背面部材)および飾り枠53によって構成されている。本実施の形態の表示装置4では、背面部材として導光板52を用いた点が上記第1〜第3の実施の形態とは異なる。なお、フロントガラス51,導光板52および飾り枠53は接着部材23によってそれぞれ接着されている。
【0049】
フロントガラス51は、上記第3の実施の形態と同様に、表示パネル10の前面に設けられ、透明性の高い材料、例えばガラス,ポリカーボネート(PC)やPCにABS樹脂を添加したプラスチック等によって構成されている。フロントガラス51は、例えば0.5mm〜3.5mm程度の厚みを有し、表示パネル10の表示領域S2を保護する。またフロントガラス51は、後述する導光板52と共に表示装置4を支持する。
【0050】
導光板52は、上述したように表示パネル10の背面全体を覆うと共に、上記フロントガラス51と同一または同様の性質を有する材料、例えば第3の実施の形態と同様に、表示装置3全体を支持可能な剛性を有する部材を用いることができる。具体的には、例えば厚み1.0mm〜3.0mm程度のガラスやAl,Fe等の金属が挙げられる。また、導光板52の背面全体には表示装置2内部への外光の入射を防止する遮光膜52Aが設けられている。この遮光膜52Aは、上記第2,第3の実施の形態と同様に、例えば黒色の着色剤を混入した光学濃度が1以上の黒色のフィルム等の樹脂膜により構成されている。このうち黒色の樹脂膜により構成するようにすれば、安価で容易に形成することができるので好ましい。
【0051】
飾り枠53は、上記第3の実施の形態と同様に、表示装置3の前面および背面の間の側面を覆うと共に、前面部材であるフロントガラス51および背面部材である導光板52を接続するための接着部材23を封止するためのものである。飾り枠43の材料としては、上記第3の実施の形態と同様の材料を用いることができる。
【0052】
本実施の形態の表示装置4では、表示パネル10の4背面を覆う背面板を、透明性を有し、且つ剛性を有する材料により構成された導光板52とすることにより、上記第3の実施の形態の効果に加えて、表示装置4の厚みを更に薄くすることが可能となる。また、表示装置4を構成する部品点数を削減することが可能となるため、更にコストが低減されるという効果を奏する。
【0053】
5.第5の実施の形態
図6は、本開示の第5の実施の形態に係る表示装置5の断面構成を表したものである。この表示装置5は前面部材を設けず、表示パネル10とリアプレート62とをミドルシャーシ64によって連結させたものである。換言すると、表示装置5を構成する表示パネル10、光学シート16、導光板17および反射シート65等を収容する筐体60はリアプレート62およびミドルシャーシ64によって構成され、表示装置5の前面には表示パネル10が露出している。なお、反射シート65は導光板17内を伝播し背面方向に反射される光を前面方向に反射させるものであり、省略しても構わない。本実施の形態は前面部材を設けていない点が、上記第1〜第4の実施の形態とは異なる。
【0054】
リアプレート62は、上述したように表示パネル10の背面を覆うと共に、表示装置5全体を支持するためのものである。このリアプレート62は、上記第2の実施の形態等と同様に、剛性を有する部材であり、ヤング率が大きいまたは線膨張率が小さい部材を用いることが好ましい。具体的には、厚み1.0mm〜3.0mm程度のガラスやセラミック、またはAl,Fe等の金属が挙げられている。なお、リアプレート62は遮光性を有することが望ましく、例えば上記第2の実施の形態と同様にリアプレート62の背面全体に遮光膜を設けてもよい。これにより、表示装置5内部への外光の入射が防止される。遮光膜としては、例えば黒色の着色剤を混入した光学濃度が1以上の黒色のフィルム等の樹脂膜が挙げられる。
【0055】
ミドルシャーシ64は、上述したように表示パネル10とリアプレート62とを連結するためのものである。ミドルシャーシ64の材料としては、例えば上記第1の実施の形態のバックシャーシ22の材料、Al,Fe等の金属を用いることができる。なお、金属よりも熱伝導率が低い材料、例えば合成樹脂等を用いて成型してもよい。また、ミドルシャーシ64は、例えば表示パネル10が矩形状の場合には上下左右にそれぞれ分割可能な4つの部材(62a〜62d)によって構成されている。
【0056】
本実施の形態では、上述したように筐体60はリアプレート62およびミドルシャーシ64から構成されている。具体的には、リアプレート62およびミドルシャーシは、リアプレート62の所定の位置に例えば金属製の取付プレート66を両面テープ等で固定し、この取付プレート66とミドルシャーシ64とをネジ67によって留めることによって連結されている。更に、ミドルシャーシ64は表示パネル10と、例えば感光硬化性樹脂や両面テープ等によって連結されている。なお、ミドルシャーシ64の表面には、筐体60の補強およびデザイン性の観点から、上記第3の実施の形態のように飾り枠63を設けてもよい。
【0057】
なお、本実施の形態では、リアプレート62とミドルシャーシ64との連結のために設けた取付プレート66によって生じた反射シート65とリアプレート62との間に、例えば枠状の補強フレーム68を設けるようにしてよい。この補強フレーム68は、例えばリアプレート62と同様に、剛性を有すると共に、ヤング率が大きいまたは線膨張率が小さい部材を用いることが好ましい。具体的には、ガラスやセラミック、またはAl,Fe等の金属が挙げられる。また、補強フレーム68とリアプレート62とは、例えば両面テープなどで強固に固定しておくことが好ましい。補強フレーム68を設けることにより、例えばリアプレート62をガラスによって形成した表示装置5において、ガラスが割れた際でも表示装置5を自立させることが可能となる。なお、ここでは補強フレーム68の形状を枠状としたが、表示装置5の自立性を向上させることができる形状であればこれに限らない。例えば板状、柵状あるいは格子状としてもよい。
【0058】
以上のように本実施の形態の表示装置5では、前面部材を設けず、表示パネル10と背面部材として剛性を有する材料によって形成されたリアプレート62とをミドルシャーシ64によって連結するようにした。これにより、上記第2の実施の形態の効果に加えて厚みを更に薄くすることが可能となる。また、表示装置5を構成する部品点数を削減することが可能となるため、更にコストが低減されると共に、表示装置5が軽量化されるという効果を奏する。
【0059】
以上、第1〜第5の実施の形態を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、表示装置1として液晶表示装置を例示したが、プラズマ表示装置や有機電界発光表示装置等に適用させてもよい。
【0060】
また、上記実施の形態において説明した各部材および厚みは一例であり、全ての部材を備える必要はなく、また、他の部材を更に備えていてもよい。例えば、光源18から生じる熱の放熱機構として、表示装置の背面の少なくとも一部、例えば光源18が配置されている下端部分に、ヒートシンクを接着してもよい。ヒートシンクは熱伝導性に優れた金属を用いることが望ましく、例えばAl等のブロックを成形したものを用いてもよい。また、上記実施の形態等において説明した表示装置では、表示パネルの表面に偏光板を設けたが、これに限らず、例えばフロントガラスの表面に偏光板を設置しても構わない。
【0061】
なお、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)表示パネルと、剛性を有すると共に前記表示パネルの背面に設けられ、前記表示パネルの少なくとも背面を覆う背面部材とを備えた表示装置。
(2)前記表示パネルの前面には、前記表示パネルの少なくとも周縁部を覆う前面部材が設けられている、前記(1)に記載の表示装置。
(3)前記前面部材は、前記表示パネルの周縁部を覆う枠体である、前記(2)に記載の表示装置。
(4)前記前面部材は、前記表示パネル前面を覆う透明板である、前記(2)または(3)に記載の表示装置。
(5)前記前面部材および背面部材は同一材料からなる、前記(2)乃至(4)のいずれか1つに記載の表示装置。
(6)前記前面部材および背面部材は、ガラスからなる、前記(2)乃至(5)のいずれか1つに記載の表示装置。
(7)前面部材を含まず、前面に前記表示パネルが露出している、前記(1)に記載の表示装置。
(8)前記表示パネルと前記背面部材との間に光源と、光学シートと、導光板とを含むバックライトユニットを有し、前記導光板は前記背面部材を兼ねている、前記(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の表示装置。
(9)前記前面部材と背面部材との間にトップシャーシおよびミドルシャーシを有する、前記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の表示装置。
(10)前記前面部材および背面部材は接着部により接着されている、前記(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の表示装置。
(11)前記背面部材の表示パネル側には補強フレームが設けられている、前記(1)乃至(10)のいずれか1つに記載の表示装置。
【符号の説明】
【0062】
1〜5…表示装置、10…表示パネル、11,15…偏光板、12…TFT基板、13…液晶層、14…CF基板、16…光学シート、17…導光板、18…光源、19…スタンド、20,30,40,50,60…筐体、21,31…フロントベゼル、21A,31A…開口、22…バックシャーシ、23…接着部材、24…スペーサ、25…ポロン、32,42,62…リアプレート、32A,42A,52A,62A…遮光膜、33…トップシャーシ、34,64…ミドルシャーシ、41、51…フロントガラス、43,53,63…飾り枠、44…封止層、52,62…導光板、65…反射シート、66…取付プレート、67…ネジ、68…補強フレーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
剛性を有すると共に前記表示パネルの背面に設けられ、前記表示パネルの少なくとも背面を覆う背面部材と
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルの前面には、前記表示パネルの少なくとも周縁部を覆う前面部材が設けられている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記前面部材は前記表示パネルの周縁部を覆う枠体である、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記前面部材は前記表示パネル前面を覆う透明板である、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記前面部材および背面部材は同一材料からなる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記前面部材および背面部材はガラスからなる、請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前面部材を含まず、前面に前記表示パネルが露出している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示パネルと前記背面部材との間に光源と、光学シートと、導光板とを含むバックライトユニットを有し、前記導光板は前記背面部材を兼ねている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記前面部材と背面部材との間にトップシャーシおよびミドルシャーシを有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記前面部材および背面部材は接着部により接着されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記背面部材の表示パネル側には補強フレームが設けられている、請求項1に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−8016(P2013−8016A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102345(P2012−102345)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】