説明

表面にヒドロゲルを形成する方法、およびそれによって形成された物品

基板上にパターン化ヒドロゲルを含むヒドロゲルを形成する方法を提供する。一つの方法は、少なくとも一つのナノスケールチップを提供する段階、チップを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、およびインク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含み、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている。前駆体は、パターン化後、ヒドロゲルに転換し得る。インク組成物は、少なくとも2種のポリマーを含むことができ、官能化することができる。ポリマーの量および官能化の量は調整し得る。さらにこれらの方法から形成された物品、物品の使用方法、インク組成物、および関連するキットも提供する。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願
本出願は、いずれも全体として参照により本明細書に組み入れられる、2009年7月14日出願の米国特許仮出願第61/225,530号、および2010年3月16日出願の米国特許仮出願第61/314,498号の優先権を主張する。
【0002】
背景
ヒドロゲルは、一般に水溶性ポリマーの軽度に架橋した網様構造であると理解されている。ヒドロゲルは、典型的に水を吸収することができるが、水に溶解することはできない。ヒドロゲルは、一部には高い多孔性およびかなりの量の水を吸収する能力を含む、それらの独自の物理的特性のため、多くの用途で使用を見い出す。たとえば、薬物分子をヒドロゲルの孔に装填し、経時的に放出することができる。ヒドロゲルの他の適用例には、組織工学、再生医療、診断、細胞固定、および化学分子、生体分子、または細胞の分離またはスクリーニングが含まれる。たとえば、Hoare,T.R.et al.,「Hydrogels in Drug Delivery:Progress and challenges,Polymer 49(2008)1993-2007(非特許文献1)、およびKopecek,J.,「Hydrogel Biomaterials:A Smart Future?,」Biomaterials 28(2007),August 13,2007,pp.5185-5192(非特許文献2)を参照されたい。
【0003】
多くの適用例において、ヒドロゲルの単純な被膜が基板表面に調製されており、これにはドロップまたはスピンキャスティング技法によるものが含まれる。基板上にパターン化ヒドロゲルを形成するためのいくつかの方法が存在する。しかしながら、これらの方法は、典型的にいくつかの欠点を有することがある。たとえば、電子ビームを使用するパターン化法は典型的に複雑であり、複数の段階および高価な装置を必要とする。加えて、電子ビームパターン化は典型的に、ヒドロゲルに含まれる可能性のある成分、たとえば生体分子などに対して非常に破壊的である。他のパターン化法は、典型的にナノスケール寸法を含む、小さい横方向寸法を有するパターンを形成する能力が限定されることがある。最後に、多くの現存するパターン化法は、配列のそれぞれのヒドロゲル構成要素が同じ組成を有する、ヒドロゲルの単純な配列のみを提供することができる。したがって、これらの問題および他の問題を克服する、基板表面にヒドロゲルを形成する方法が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Hoare,T.R.et al.,「Hydrogels in Drug Delivery:Progress and challenges,Polymer 49(2008)1993-2007
【非特許文献2】Kopecek,J.,「Hydrogel Biomaterials:A Smart Future?,」Biomaterials 28(2007),August 13,2007,pp.5185-5192
【発明の概要】
【0005】
概要
たとえば、インク組成物から基板上にヒドロゲルを形成する方法、それらの方法から形成された物品、およびそれらの物品の使用方法が本明細書において提供される。さらに、たとえば、キットおよびインク組成物も提供される。
【0006】
一態様は、たとえば、少なくとも一つのナノスケールチップ(nanoscopic tip)を提供する段階、チップを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、およびインク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含む方法であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている、方法を提供する。
【0007】
別の態様は、基板、および基板上のインク組成物の少なくとも一つの付着物を含む物品であって、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、さらに付着物は、横方向寸法100μm以下を有する、物品を提供する。
【0008】
別の態様は、基板、および基板上のインク組成物の複数の付着物を含む物品であって、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物は、少なくとももう一つの付着物のインク組成物と異なる、物品を提供する。
【0009】
別の態様は、少なくとも1種の溶媒、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含むインク組成物であって、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、インク組成物は、ナノスケールチップを被覆し、ナノスケールチップから基板上にインク組成物を付着させるように適合されている、インク組成物を提供する。
【0010】
別の態様は、ナノスケールチップから基板上に捕捉分子を付着させる段階、ナノスケールチップから付着捕捉分子にヒドロゲル前駆体を付着させる段階を含む方法であって、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている、方法を提供する。
【0011】
別の態様は、少なくとも一つのスタンプを提供する段階、スタンプを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含む方法であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている、方法を提供する。
【0012】
別の態様は、少なくとも一つのカンチレバー上に配置されていてもよい、少なくとも一つのチップを提供する段階、少なくとも1種のインク組成物をチップ上に配置する段階、任意でインク組成物を乾燥する段階、任意で乾燥したインク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含む、段階、ヒドロゲル前駆体を転換して、ヒドロゲルを形成する段階を含む方法を提供する。
【0013】
別の態様は、少なくとも一つのナノスケールチップを提供する段階、チップを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含む方法であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、インクは、ヒドロゲル前駆体として少なくとも2種の異なるポリマーを含む、方法を提供する。
【0014】
別の態様は、基板、および基板上のインク組成物の少なくとも一つの付着物を含む物品であって、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、さらに付着物は、横方向寸法100μm以下を有し、インク組成物は、少なくとも2種の異なるポリマーを含む、物品を提供する。
【0015】
別の態様は、基板、および基板上のインク組成物の複数の付着物を含む物品であって、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、インク組成物は、少なくとも2種の異なるポリマーを含み、さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物は、少なくとももう一つの付着物のインク組成物と異なる、物品を提供する。
【0016】
別の態様は、少なくとも1種の溶媒、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含むインク組成物であって、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、前駆体は、少なくとも2種の異なるポリマーを含み、インク組成物は、ナノスケールチップを被覆し、ナノスケールチップから基板上にインク組成物を付着させるように適合されている、インク組成物を提供する。
【0017】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つの利点は、従来の方法より単純で、破壊的でなく、安価な方法で、基板上にパターン化ヒドロゲルを含むヒドロゲルを形成できることである。
【0018】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つのさらなる利点は、基板上にパターン化ヒドロゲルを形成できることであり、ここでヒドロゲルは、カプセル化された実体を含み、パターン化とカプセル化は同時に起こる。
【0019】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つのさらなる利点は、基板上にパターン化ヒドロゲルを形成できることであり、ここでパターンは、ナノスケールの横方向寸法を含む。
【0020】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つのさらなる利点は、基板上に複雑なパターン化ヒドロゲルを形成できることであり、パターンの一つのヒドロゲル付着物の組成が別のヒドロゲル付着物の組成と異なるパターンが含まれる。
【0021】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つのさらなる利点は、選択的および特異的カップリングによって、官能性ヒドロゲル上で、生体分子およびタンパク質を含む種々の分子を共役させることができることである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】基板上にヒドロゲルを形成する方法の例示的な態様によって調製される物品の概略図である。図(A)に示すとおり、ナノスケールチップを、架橋性基および第1官能基を含むヒドロゲル前駆体を含むインク組成物で被覆する。インク組成物を基板上に付着させ(A)、その後、インク組成物のヒドロゲル前駆体を、ヒドロゲルに転換する(B)。
【図2】基板上にヒドロゲルを形成する方法の例示的な態様によって調製された物品である。(A)では、第1配列は、第1インク組成物を用いて形成される。(B)では、第2配列は、第1インク組成物と異なる第2インク組成物を用いて、第1配列に隣接して形成される。この場合、第1インク組成物は赤色染料を含み、第2インク組成物は黄色染料を含む。物品の蛍光画像を(C)に示す。
【図3】基板上にヒドロゲルを形成する方法の例示的な態様によって調製された物品である。物品は、50平方ミクロン領域内に配列された、異なる色で示される4種の別個のヒドロゲルの複雑なパターンを含む。
【図4】基板上にヒドロゲルを形成する方法の例示的な態様によって調製された物品のSEM画像である。図は、ヒドロゲル前駆体、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラートから形成されたヒドロゲルの配列(ドット)を示す。フルオレセイン分子は、ヒドロゲルにカプセル化されている。
【図5】図5Aは基板上にヒドロゲルを形成する方法の例示的な態様によって調製された物品の概略図である。この図は、ヒドロゲルにカプセル化されたフルオレセイン標識アビジン分子を含むポリ(エチレングリコール)ジメタクリラートから形成されたヒドロゲルの配列を示す。図5Bは、図5Aで形成された物品の蛍光画像を示す。
【図6】一態様に関して、付着されるスポットの大きさに対する温度の影響を例示する。
【図7】一態様において、付着したフィーチャ(feature)の寸法を示す。
【図8】一態様において、異なる比率で2種の異なるポリマーを含むインクの付着の結果を示す。
【図9】図9A〜9Cは、(A)チップをベースとするナノリソグラフィを用いるPEG-DMA由来ヒドロゲルの並列付着、(B)混合ポリマーインクからの官能化ヒドロゲルの生成、および(C)任意の分子上に表面勾配を生成する、ここに記載の方法の能力を示す概略図を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
序論
本明細書に言及されるすべての参考文献は、全体として参照により組み入れられる。
【0024】
2009年7月14日出願の優先権仮出願第61/225,530号、および2010年3月16日出願の第61/314,498号は、図面、実施例、特許請求の範囲、および他の態様を含め、全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0025】
本明細書において、いくつかの態様では、基板上にヒドロゲルを形成する方法が提供される。一方法は、たとえば、少なくとも一つのナノスケールチップを提供する段階、チップを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、およびインク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含むことができ、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含む。次いで、前駆体をヒドロゲルに転換することができる。たとえば、図1(AおよびB)を参照されたい。
【0026】
以下の参考文献を用いて、ナノスケールチップによるインク組成物の付着を実行することができる。たとえば、Salaita et al.,Nature Nanotechnology,2007,2(3),145-155;Haaheim et al.,Proceedings of the Nano Science and Technology Institute,2007(May 2007);Haaheim et al.,Scanning,2008,30(2),pp.137-150,Huck,Angewandte Chemie-Intemational Edition,2007,46(16),pp.2754-2757を参照されたい。さらに、たとえば、米国特許および米国特許出願公開第6,635,311号、第6,827,979号、第2005/019434号、第7,060,977号、第2003/0185967号、第2005/0255237号、第7,034,854号、第6,642,129号、および第2004/0026681号を参照されたい。さらに、たとえばWO2009/132,321を参照されたい。
【0027】
本明細書に記載のいくつかの態様において、インク組成物などの組成物は、本質的に成分からなり得る。たとえば、成分は、本発明の基本的および新規な局面に実質的に影響を及ぼす成分を除外できる。
【0028】
インク組成物およびヒドロゲル前駆体
インク組成物はチップ上に配置し、任意で乾燥することができる。さらにインク組成物は、たとえば、湿性、事前乾燥、および乾燥形態を含む、様々な形態であり得る。
【0029】
開示されるいずれかの方法で用いるためのインク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み得る。インク組成物はまた、ナノスケールチップを被覆し、ナノスケールチップから基板上にインク組成物を付着させるように適合させることができる。ナノスケールチップを被覆し、ナノスケールチップから基板上に付着するためのヒドロゲル前駆体を含むインク組成物は、特定の適用例に適合させることができる。単に例として、多くの有用なヒドロゲル前駆体は周囲温度で固体であるが、ヒドロゲル前駆体の溶液は、ナノスケールチップを被覆するために好ましいことがある。さらに、他の成分がインク組成物に含まれるとき(さらに以下で論じる)、ヒドロゲル前駆体の溶液は、インク組成物の成分のより均一な分散を形成するのに有用であり得る。加えて、成分が生物材料(たとえば、生体分子、細胞、または生物有機体)であるとき、溶液を形成するために用いられる溶媒が、生物材料を変性または分解することなく、確実に生物材料およびヒドロゲル前駆体を溶解することが好ましいことがある。
【0030】
開示されるインク組成物のヒドロゲル前駆体は、他のヒドロゲル前駆体を含む、他の分子との共有結合性架橋を形成するように適合されている水溶性ポリマーであり得る。ヒドロゲル前駆体は公知であり、いずれも市販されているか、または公知の技法によって製造することができる。ヒドロゲル前駆体の非限定的な例には、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(メタクリル酸)(PMAA)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)(pHEMA)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAM)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、アガロース、キトサン、およびそれらのコポリマーを含むそれらの組み合わせが含まれる。ヒドロゲル前駆体はまた、他のヒドロゲル前駆体を含む、他の分子との物理的架橋を形成するように適合されている水溶性ポリマーを含み得る。これらの物理的架橋は、物理化学的相互作用、たとえば疎水性相互作用、電荷凝縮、水素結合、立体複合体形成、または超分子化学などに基づくことができる。そのようなヒドロゲル前駆体は公知であり、市販されているか、または公知の技法によって製造することができる。たとえば、Hoare,T.R.et al.,「Hydrogels in drug delivery:Progress and challenges,Polymer 49(2008)1993-2007を参照されたい。他のヒドロゲル前駆体は、少なくとも以下の参考文献に見い出すことができる:Winter,J.,et al.,「Neurotrophin-Eluting Hydrogel Coatings for Neural Stimulating Electrodes,」Journal of Biomedical Materials Research Part B:Applied Biomaterials,October 13,2006,pp.551-563.;Krsko,P.,et al.,「Length-Scale Mediated Adhesion and Directed Growth of Neural Cells by Surface-Patterned Poly(Ethylene Glycol)Hydrogels,」Elsevier:Biomaterials 30(2009),November 20,2008,pp 721-729;Campolongo,M.J.,et al.,「Old Polymer Learns New Tracts,」Nature Materials,Vol.8,June 2009,pp.447-448.;Chung,H.J.,et al.,「Surface Engineered and Drug Releasing Pre-fabricated Scaffolds for Tissue Engineering,」Advanced Drug Delivery Reviews 59(2007),April 10,2007,pp.249-262.;Liedl,T.,et al.,「Controlled Trapping and Release of Quantum Dots in a DNA-Switchable Hydrogel,」Small 2007,Vol.3,No.10,pp.1688-1693.;Zhang,L.,et al.,「Biologically Inspired Rosette Nanotubes and Nanocrystalline Hydroxyapatites Hydrogel Nanocomposites as Improved Bone Substitutes,」Nanotechnology 20(2009),April 3,2009,12 pages.;Baird,I.,et al.,「Mammalian Cell-Seeded Hydrogel Microarrays Printed Via Dip-Pin Technology,」BioTechniques,Vol.44,No.2,February 2008,pp.249-256;Labean,T.,「DNA Bulks Up,」 Nature Materials,VoI 5,October 2006,pp.767-768;Jia,X.,et al.,「Hybrid Multicomponent Hydrogels for Tissue Engineering,」Macromolecular Bioscience 2009,Vol.9,2009,pp.140-156.;Kopecek,J.,「Hydrogel Biomaterials:A Smart Future?,」Biomaterials 28(2007),August 13,2007,pp.5185-5192.;Hoare,T.,et al.,「Hydrogels in Drug Delivery:Progress and Challenges,」Polymer 49(2008),January 19,2008,pp.1993-2007.;Lin,C,et al.,「PEG Hydrogels for the Controlled Release of Biomolecules in Regenerative Medicine,」Pharmaceutical Research,Vol.26,No.3,March 2009,pp.631-643.、ならびに米国特許出願公開第2007/0286883号および第2006/0014003号。
【0031】
適切なヒドロゲル前駆体は、室温で液体または固体であり得る。いくつかの態様において、ヒドロゲル前駆体は、室温で固体である。そのようなヒドロゲル前駆体は、インク組成物が上に論じたとおり適切に適合されているならば、ナノスケールチップへの被覆およびナノスケールチップからの付着に用いるのに特に適したものであり得る。ヒドロゲル前駆体の分子量も多様であり得る。ヒドロゲル前駆体の分子量は、ヒドロゲル前駆体またはヒドロゲル前駆体溶液がナノスケールチップの表面から最適速度で流れるように、選択され得る。たとえば、過度に小さい分子量を有するヒドロゲル前駆体は、ナノスケールチップから非常に容易に流れるため、ヒドロゲル前駆体の制御された付着が困難であることがある。他方、過度に大きい分子量を有するヒドロゲル前駆体は、ナノスケールチップから流れることに抵抗し、ヒドロゲル前駆体の付着が妨げられることがある。適切なヒドロゲル前駆体は、分子量約1000を有するPEG前駆体であり得る。ヒドロゲル前駆体の例は、PEG-ジメタクリラートであり得る。別の例として、異なる分子量を有するヒドロゲル前駆体を混合して、ナノスケールチップを被覆し、ナノスケールチップから付着させるのに最適化された全体粘度を有する組成物を提供することができる。
【0032】
上記のいずれかのヒドロゲル前駆体は、架橋性基または他の官能基を含み得る。たとえば、ヒドロゲル前駆体は、少なくとも一つの架橋性基を含み得る。「架橋性基」とは、別のヒドロゲル前駆体または別のポリマーと共有結合性架橋を直接形成することができるか、またはたとえば小分子架橋剤を介して、そのような共有結合性架橋を間接的に形成することができる反応性基を意味する。ヒドロゲル前駆体は、前駆体のいずれの場所にも、たとえば末端に、側基として、または前駆体のポリマー主鎖内に架橋性基を含み得る。多種多様な架橋性基が可能である。架橋性基の非限定的な例には、アルデヒド、アミン、ヒドラジド、(メタ)アクリラート、またはチオール基が含まれる。これらの基はそれぞれ、別の分子の適切な基と反応して、共有結合性架橋を形成することができる。単に例として、アクリラート基は、チオール基を有する分子と反応して、スルフィド架橋を形成することができる。
【0033】
ヒドロゲル前駆体は、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含み得る。標的材料は、本明細書に記載のいずれかの方法に従って基板上に形成されたヒドロゲルに暴露される材料であり得る。標的材料とヒドロゲルの結合は、標的材料をヒドロゲルに固定し、ここで検出およびさらなる分析を行うことができる。関連する適用例は以下に論じる。多種多様な標的材料を用いることができ、これに限定されるものではないが、化学分子、生体分子、細胞、または生物有機体、たとえばバクテリアまたはウイルスなどが含まれる。生体分子には、これに限定されるものではないが、タンパク質、DNA、RNA、タンパク質およびペプチド、抗体、酵素、脂質、炭水化物などが含まれる。細胞に関して、ある種の純粋なヒドロゲルは細胞接着に抵抗することがあるが、様々な細胞結合特性を「プログラム」するために、細胞接着タンパク質およびペプチドをインク組成物に添加し得る。実際、少量のある種の細胞結合タンパク質またはペプチドをインク組成物に添加することによって、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルを、細胞接着を忌避するものから、実際に細胞接着を開始するものに変えることができる。ある種の実体、たとえば細胞接着タンパク質またはペプチドなどのインク組成物の添加は、下にさらに論じる。
【0034】
多種多様な第1官能基を用いてもよく、これに限定されるものではないが、アミン、カルボキシル、チオール、マレイミド、エポキシド、(メタ)アクリラート、またはヒドロキシル基が含まれる。これらの基はそれぞれ、標的材料の適切な基と結合を形成することができる。単に例として、チオール基は、マレイミド基を有する標的材料と反応して、チオエーテル結合を形成することができる。別の例として、アミン基は、スクシンイミジルエステル基を有する標的材料と反応して、カルボキサミドを形成することができる。
【0035】
ヒドロゲル前駆体はまた、ヒドロゲル前駆体が付着する基板の表面に結合するように適合された、少なくとも一つの第2官能基を含み得る。基板の表面が、下にさらに論じられるとおり改質されている場合、第2官能基も改質された基板の表面に結合するように適合されていることができる。ヒドロゲル前駆体と基板の結合は、使用中、特に反復使用中、基板上に前駆体から形成されたヒドロゲルを保持する助けとなり得る。この第2官能基は、上に記載した第1官能基と同じであるかまたは異なり得る。改質または未改質基板の組成に応じて、多種多様な第2官能基が可能である。単に例として、第2官能基は、チオール基またはシラン基であり得る。チオール基は、金基板と反応できる。シラン基は、酸化ケイ素またはガラス基板と反応して、Si-O-Si結合を形成できる。
【0036】
上記のいずれかの官能基は、架橋性基に関して上に記載したとおり、ヒドロゲル前駆体のいずれの場所にも含まれ得る。上記のいずれかの官能基を有するヒドロゲル前駆体は公知であり、市販されているか、または公知の技法によって製造することができる。第1官能基を有する適切なヒドロゲル前駆体の一つの例は、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラートである。
【0037】
ヒドロゲル前駆体中の架橋性基、および存在する場合、他の官能基の数は多様であり得る。架橋性基の数は、ヒドロゲル前駆体から形成されるヒドロゲルの所望の架橋密度に応じて、多様であり得る。異なる架橋密度によって、異なる特性、たとえば異なる細孔径および異なる水分含量などを有するヒドロゲルを提供し得る。たとえば、より多くの架橋を有するヒドロゲルは、密度が高く、水への溶解性が低くなる。同様に、ヒドロゲル前駆体中の官能基の数は、特に限定されない。一態様において、ヒドロゲルは、生体適合性であり、生体軟部組織と類似の特性を有する、架橋ポリマーであり得る。ヒドロゲルは、タンパク質と細胞の結合に抵抗性であり得る。他方、タンパク質と細胞の結合官能性を、官能化によってヒドロゲルマトリクスに付加することができる。
【0038】
インク組成物はまた、多種多様な他の成分を含み得る。たとえば、インク組成物は、溶媒を含み得る。多種多様な溶媒を用いることができ、これには水、または有機溶媒、たとえばエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、もしくはアセトニトリルなどが含まれる。溶媒は、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された実体と適合性であるように選択し得る。単に例として、実体がタンパク質であるとき、タンパク質を変性しない溶媒を用いることができる。溶媒はまた、開示のインク組成物を送達するために用いるナノスケールチップに十分に接着するように選択することができる。
【0039】
インク組成物はまた、架橋剤を含み得る。「架橋剤」とは、ヒドロゲルを形成するために用いられるヒドロゲル前駆体において架橋を促進する分子を意味する。単に例として、架橋剤には、小分子架橋剤、たとえば2つ以上のヒドロゲル前駆体と反応して、それらの間に架橋を形成する小分子を含み得る。別の例として、電荷カップリングによって物理的架橋を形成することのできる荷電ヒドロゲル前駆体の場合、架橋剤は、ヒドロゲル前駆体とは反対の全体の電荷を有するポリマーまたは他の分子であり得る。反体に荷電したポリマーまたは分子は、電荷カップリングによってヒドロゲル前駆体を「連結(link)」する。架橋剤はまた、フリーラジカル開始剤を含み得る。フリーラジカル開始剤は、ヒドロゲル前駆体において複数の炭素-炭素二重結合を通して伝搬し、したがって前駆体を架橋することができるフリーラジカルの供給源を提供する。この種の架橋は、フリーラジカル重合として公知である。多種多様なフリーラジカル開始剤を用いることができ、これには熱、酸化還元反応、または光によってフリーラジカルを生じるものが含まれる。光によってフリーラジカルを生じるフリーラジカル開始剤は、光開始剤としても公知である。光開始剤を含むフリーラジカル開始剤は公知であり、市販されている。光開始剤の非限定的な例には、2-エトキシ-3-メトキシ-1-フェニルプロパン-1-オンおよび2,2-ジメチル-2-フェニルアセトフェノンが含まれる。
【0040】
インク組成物はまた、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み得る。上記のとおり、ヒドロゲルは、水溶性ポリマーの架橋した網様構造である。ヒドロゲルの多孔性およびヒドロゲルが水を吸収する能力によって、ポリマーの網様構造に多種多様な実体をカプセル化することが可能になる。加えて、ヒドロゲルの網様構造内に提供される水性環境は、生物実体に生体適合性の媒質を提供する。カプセル化は、必要ではないが、実体とヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルとの結合を含み得る。いくつかの態様において、実体は、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルに結合しない。開示のインク組成物に適した実体には、これに限定されるものではないが、生体分子、細胞、生物有機体、またはポリマーを含む、他の分子が含まれる。上に記載したいずれかの生体分子および生物有機体を用いてもよい。これらの実体がヒドロゲル内にカプセル化されることによって実体は局在し、それにより実体を検出し、かつ/またはさらに分析することができる。カプセル化された実体は、上記のいずれかの標的材料を「捕捉する」ための手段として用いることもできる。関連する適用例は以下に記載する。
【0041】
いずれの実体も、標的材料および/または基板の表面に結合するように適合されている上記のいずれかの官能基を含み得る。単に例として、実体は、基板の表面に結合するように適合された第3官能基を有する生体分子であり得る。第3官能基はさらに、生体分子を基板に固定し、いっぽうでヒドロゲルは、上記のとおり生体適合性の環境を提供する。多種多様な第3官能基を用いることができ、これには第2官能基に関して上に記載したものが含まれる。別の例として、実体は、標的材料に結合するように適合された第4官能基を有するポリマーであり得る。ポリマーは単に標的材料を捕捉する足場を提供するものであるため、ポリマーの種類は特に限定されない。多種多様な第4官能基を用いてもよく、これには第1官能基に関して上に記載したものが含まれる。実体に含まれる官能基の数は多様であり得る。これらの官能基は、実体に天然に存在していてもよく、または公知の技法を用いて、実体にそのような基を含ませることができる。
【0042】
インク組成物はまた、ヒドロゲルにカプセル化される実体の溶解および分散を促進するように適合された添加剤を含み得る。単に例として、実体が生物材料であるとき、添加剤には、グリセロール、ジメチルホルムアミド、またはジメチルスルホキシドを含み得る。
【0043】
インク組成物の種々の成分の濃度は多様であってよい。たとえば、ヒドロゲル前駆体の濃度は、約1mg/mLから約100mg/mLであってよい。これには濃度が約10、30、50、70、および90 mg/mLである態様が含まれる。しかしながら、他の濃度も可能である。高濃度のヒドロゲル前駆体は、低濃度のヒドロゲル前駆体より容易にヒドロゲルを形成する傾向がある。ヒドロゲル前駆体の濃度は、ヒドロゲルにカプセル化される実体の濃度、および所望のカプセル化の程度に応じて選択し得る。ヒドロゲル前駆体を架橋するためにフリーラジカル光開始剤が用いられるとき、光開始剤の量は、インク組成物の総体積の約1%から約3%まで様々であり得る。しかしながら、他の量も可能である。下記の実施例は、いくつかの例示的なインク組成物に関していくつかの例示的な濃度を示す。
【0044】
基板
開示の方法に用いられる基板は多様であってよい。基板は、開示のインク組成物によって改質され得る任意の材料で製造してもよい。基板は固体表面であり得、平らな表面であり得る。有用な基板には、金属(たとえば、金、銀、アルミニウム、銅、白金、およびパラジウム)、シリカ、種々のガラス、マイカ、またはカプトンが含まれる。しかしながら、他の基板も可能であり、これには金属酸化物、半導体材料、磁気材料、ポリマー、ポリマー被覆基板、および超伝導体材料が含まれる。そのような基板は市販されているか、または公知の技法を用いて製造し得る。基板は、任意の形状および大きさであることができ、平面および曲面基板が含まれる。下にさらに記載されるとおり、基板の表面は未改質であるか、または改質され得る。たとえば、基板は改質されており、それによりインク組成物は表面をあまり湿潤せず、より高い高さを有する。
【0045】
ナノスケールチップ
上記のとおり、一方法は、基板にインク組成物を送達するためのナノスケールチップの使用を伴い得る。ナノスケールチップは、原子スケールの撮像に用いられるチップを含むことができ、これには原子間力顕微鏡(AFM)チップ、走査型近接場光学顕微鏡(NSOM)チップ、走査型トンネル顕微鏡(STM)チップ、およびDip-Pen Nanolithography(登録商標)(DPN(登録商標))に用いられるチップが含まれる。チップは、中実または中空であり得、チップ半径、たとえば250nm未満、または100nm未満、または50nm未満、または25nm未満であり得る。チップは、カンチレバー構造の末端に形成されていることができる。チップは、カンチレバー構造と共に、またはカンチレバー構造を伴わず、ホルダに搭載され得る。チップは、単一のチップとして、複数のチップとして、または1次元配列、2次元配列、および高密度配列を含むチップの配列として提供することができる。チップは、非被覆であるか、または、たとえばインク組成物のチップへの吸着を促進する材料の層で被覆されていてもよい。そのようなチップは公知であり、市販されているか、または公知の方法によって製造し得る。たとえば、Scanning Probe Microscopes Beyond Imaging,Ed.P.Samori,2006、Mirkin等の米国特許第6,635,311号および第6,827,979号、ならびにMirkin等の米国特許出願公開第20080105042号を参照されたい。
【0046】
上に記載したいずれかのナノスケールチップを、走査プローブ顕微鏡システムの一部として提供し得る。チップ付着および走査プローブ顕微鏡システムには、これに限定されるものではないが、Nanolnk,Inc.Skokie,IL.から市販されている、DPN 5000、NLP 2000、およびNSCRIPTOR(商標)システムが含まれる。NLP 2000を図6Aおよび6Bに示す。他のシステムには、走査型トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡、および走査型近接場光学顕微鏡が含まれ、これらも市販されている。
【0047】
チップおよびカンチレバーを含むパターン化装置、ならびに関連する方法は、たとえば、2010年4月14日出願の米国特許仮出願第61/324167号に記載されている。国際公開公報第WO2009/132,321号「Polymer Pen Lithography」も参照されたい。チップは、1種または複数のエラストマー、シロキサン、シリコーンなどを含む、1種または複数の軟質ポリマー材料を含むポリマー材料を含み得る。
【0048】
いくつかの態様において、チップはカンチレバー上に配置され、他の態様では、支持基板または小片(chip)上に配置され、カンチレバーは含まない。
【0049】
被覆段階
上記のとおり、一方法は、上に記載したいずれかのナノスケールチップを開示するいずれかのインク組成物で被覆する段階を伴い得る。ナノスケールチップを被覆するために、多種多様な技法を用いてもよい。単に例として、被覆段階は、チップをインク組成物に浸漬することを含み得る。チップを被覆するのに十分な時間、チップをインク組成物に接触した状態で維持し得る。これらの時間は多様であることができ、たとえば、約30秒から約3分である。チップは、1回または複数回、インク組成物に浸漬し得る。浸漬後、チップを乾燥し得る。この被覆法および他の被覆法は公知である。たとえば、Mirkin等の米国特許第6,827,979号を参照されたい。別の例として、被覆段階は、インク組成物を装填したインクウェル(inkwell)を提供する段階を含み得る。インクウェルは、チップの幾何学的形状に一致する幾何学的形状を有する一つまたは複数の空洞を含み得る。様々な体積のインク組成物を、インクウェルの空洞に提供することができる。チップを、インク組成物で被覆するために、インクウェルに浸漬し得る。浸漬時間および技法は、上記のとおり多様であり得る。インクウェル、ならびにインクウェルの製造法および使用法は公知である。たとえば、Cruchon-Dupeyrat等の米国特許第7,034,854号を参照されたい。
【0050】
付着段階
上記のとおり、一方法は、被覆ナノスケールチップから少なくとも一つの基板上にインク組成物を付着させる段階を伴い得る。付着段階には、チップをある期間、基板に近接して配置することを含み得る。「近接」には、チップの基板表面への実際の接触を含み得る。しかしながら、チップは、基板表面に実際に接触する必要はない。チップが基板表面に十分に近いとき、インク組成物は、チップと基板表面との間の空隙を埋めるメニスカスを形成し、それによってインク組成物が表面に付着することを可能にすることができる。したがって、「近接」には、そのようなメニスカスが形成できる間隔が含まれる。たとえば、Mirkin等の米国特許第6,827,979号を参照されたい。チップが基板に近接している期間(「滞留時間」とも呼ばれる)は多様であってよい。滞留時間は、基板上に付着されるインク組成物の横方向の大きさに影響を及ぼすことがあり、滞留時間が長いほど大きい付着物を提供し、滞留時間が短いほど小さい付着物を提供する。適切な滞留時間には、これに限定されるものではないが、0.1、0.2、0.5、1、2、6、8、10秒、またはそれより長い時間が含まれる。より短いまたはより長い滞留時間も可能である。
【0051】
付着段階はまた、特定の湿度レベルで付着を実行することを含み得る。湿度レベルは特に限定されないが、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルを水和するのに十分なレベルであるように選択し得る。湿度レベルは、約10%から約100%の範囲であり得る。これには、湿度レベルが約20、40、60、または80%である態様が含まれる。しかしながら、他の湿度レベルも可能である。ヒドロゲルは水を吸収すると「膨脹する」ため、付着段階に用いる湿度レベルは、基板上に形成されるヒドロゲルの横方向の大きさに影響を及ぼすことがあり、湿度レベルが高いほど大きいヒドロゲルを提供し、湿度レベルが低いほど小さいヒドロゲルを提供する。湿度レベルを制御するために、上に記載したいずれかの走査プローブ顕微鏡システムに環境チャンバを含み得る。
【0052】
付着段階は、基板上にインク組成物の単一の付着物、または複数の付着物を提供し得る。異なるインクの多重化および並列付着を用いることができる。複数の付着物は、チップを基板上の異なる場所に動かすことによって(または基板をチップの下で異なる場所に動かすことによって)達成することができる。これらの動きは、上に記載したいずれかの走査プローブ顕微鏡システムを用いて達成することができる。付着段階はまた、基板の表面にパターンを提供し得、パターンは、付着インク組成物の分離した領域を含む。「分離した」とは、付着インク組成物の少なくとも一つの領域が、付着インク組成物を含まない領域によって、インク組成物の別の領域と分断されていることを意味する。パターンは、規則的、たとえば配列、または不規則であってよい。パターンは、種々の大きさおよび形状を有する付着インク組成物の領域を含み得る。単に例として、付着インク組成物の領域の横方向寸法は、100μm、50μm、10μm、5μm、1000nm、800nm、500nm、200nm、100nm、またはそれより小さい寸法であり得る。しかしながら、より大きいおよびより小さい横方向寸法も可能である。同様に、付着インク組成物の領域の高さも多様であってよい。単に例として、領域の高さは、500nm、250nm、100nm、50nm、10nm、またはそれより低い高さであり得る。しかしながら、より高いまたはより低い高さも可能である。付着インク組成物の領域の可能な形状には、これに限定されるものではないが、点、線、十字形、幾何学的形状、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0053】
一態様において、ナノ構造は、平均高さ約37nm、平均ピーク幅約90nm、および平均ベース幅約200nmを有する。図7を参照されたい。
【0054】
付着段階は、基板上に付着インク組成物の複数の領域を提供し得、少なくとも一つの領域のインク組成物は、別の領域のインク組成物と同じであるか、または異なる。たとえば、すべての領域が同じインク組成物を有することができ、またはすべての領域が異なるインク組成物を有することができる。さらに、1組の領域はその組の他の領域と同じインク組成物であるが、別の組の領域とは異なるインク組成物を有することができる。「異なるインク組成物」とは、その領域のインク組成物の成分が、別の領域のインク組成物の成分とは異なることを意味する。単に例として、第1領域のインク組成物に含まれるヒドロゲル前駆体が、第2領域のインク組成物に含まれるヒドロゲル前駆体とは異なるために、付着インク組成物の第1領域は、第2領域と異なっていてもよい。別の例として、第1領域のインク組成物に用いられるヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された実体が、第2領域のインク組成物の実体とは異なるために、付着インク組成物の第1領域は、第2領域と異なってものよい。さらに下に論じるとおり、そのような付着段階は、単一段階で複数の異なる標的生体分子の存在をスクリーニングするために用いることのできる、付着インク組成物の配列を提供し得る。
【0055】
付着段階は、異なるインク組成物を有する複数の領域を提供し得るだけでなく、付着段階は、異なる大きさを有する複数の領域を提供し得る。チップの接触時間および/または湿度レベルを付着工程中に変えることができるため、付着インク組成物の領域が異なる大きさを有する、付着インク組成物(および付着インク組成物から形成されたヒドロゲル)の複雑なパターンを得ることが可能である。
【0056】
他の段階
上記の方法は、いくつかの他の段階を含み得る。たとえば、これらの方法はさらに、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階を含み得る。転換段階は、インク組成物が基板に付着した後に行い得る。転換を達成するために、種々の技法を用いることができ、これにはヒドロゲル前駆体の架橋を促進するために環境トリガーを提供することが含まれる。上に論じたとおり、環境トリガーは、架橋の種類に応じて多様であってよい。可能な環境トリガーには、これに限定されるものではないが、温度の変化、pHの変化、または光への暴露が含まれる。単に例として、インク組成物がフリーラジカル光開始剤を含むとき、転換段階は、ヒドロゲル前駆体を光に暴露することを含み得る。光の波長は、フリーラジカル光開始剤の種類に応じて多様であってよい。光は、UV光であり得る。光への暴露の長さは、十分な量の架橋が確実に起こること、生体分子、細胞、および生物有機体を含む、光に感受性である可能性のあるインク組成物の任意の成分に対する損傷を最小限度に抑えることなど考慮すべき事柄に応じて、多様であってよい。暴露の長さは、1、2、3、4、5分、またはそれより長い時間であり得る。しかしながら、より短い時間および長い時間も可能である。ヒドロゲル前駆体の架橋の効率を上げるために、転換工程中、窒素ガスまたは類似のガスを提供することができる。最後に、いくつかの態様において、転換段階は、ヒドロゲル前駆体を電子ビームに暴露することを含まない。
【0057】
これらの方法はさらに、インク組成物を水和する段階、またはインク組成物のヒドロゲル前駆体から形成された時点でヒドロゲルを水和する段階を含み得る。付着段階に関して上に記載したとおり、インク組成物の水和は、湿潤下で付着段階を実行することによって達成してもよい。インク組成物中に存在する水は、ヒドロゲル前駆体から形成された時点でヒドロゲルを水和する働きをし得る。あるいは、またはそれに加えて、上に論じたいずれかの水分含量を有するヒドロゲルを提供するために、形成されたヒドロゲルを様々な時間、様々な量の水に暴露し得る。
【0058】
これらの方法はさらに、その上に付着したインク組成物が、未改質基板と比較して、付着時により高い高さを形成するように、基板を改質する段階を含み得る。本発明者等は、未改質の親水性基板に付着されたある種のインク組成物は、基板上に比較的大きく平らなインク組成物の「プール」を生じることを見い出した。しかしながら、基板がより疎水性となるように基板を改質することによって、横方向寸法は小さいが、より高い高さを有する付着インク組成物の領域が可能となる。改質段階は、基板の親水性を変えるように適合された種々の分子化合物に基板を暴露することによって、基板を官能化することを含み得る。
【0059】
上記の方法を以下の図によってさらに説明する。図1Aは、インク組成物によって被覆されたナノスケールチップの概略図を示す。インク組成物は、架橋性基(黒い点で示す)および第1官能基(半円で示す)を有するヒドロゲル前駆体(波線で示す)を含み得る。ナノスケールチップは、ナノスケール量のインク組成物を付着し得る。図1Bに示すとおり、付着後、架橋性基を介してヒドロゲル前駆体の架橋を誘発することによって、インク組成物のヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換し得る。転換は、UV光、pHの変化、または温度の変化によるものを含む、上記のいずれかの技法を用いて達成し得る。上記のとおり、インク組成物は、インク組成物のヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化される、生体分子を含む種々の実体を含み得る。電子ビーム(インク組成物に含まれる生体分子を破壊することがある)を伴う方法とは対照的に、開示の方法は、インク組成物に含まれる生体分子の活性を維持することができる。
【0060】
図2Aは、基板上にヒドロゲルの第1配列を形成するために用いられる第1インク組成物で被覆されたナノスケールチップの概略図を示す。図2Bに示すとおり、次いで、ナノスケールチップを第2インク組成物で被覆し、第1配列に隣接して基板上にヒドロゲルの第2配列を形成するために用いることができる。第1配列のヒドロゲルの組成は、第2配列とは異なり得る。この場合、第1配列は赤色染料を含み、第2配列は黄色染料を含むが、第1配列および第2配列のインクの組成は上記のいずれかの点で異なり得る。図2Cは、配列の蛍光画像を示す。これらの配列は、基板を除去することなく、インサイチューで形成することができる。さらに、配列のアラインメントは、ある種のスタンピング技法より簡単である。
【0061】
図3は、基板上に形成されたヒドロゲルのより複雑なパターンを示す。この図では、開示の方法を用い、基板上に4種の異なるインク組成物をパターンとして付着した(第1インク組成物は赤色染料を含み、第2インク組成物は青色染料を含み、第3インク組成物は緑色染料を含み、第4インク組成物は黄色染料を含む)。付着後、インク組成物のヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換した。
【0062】
他の方法
別の方法は、ナノスケールチップから基板に捕捉分子を付着させる段階、およびナノスケールチップから付着捕捉分子にヒドロゲル前駆体を付着させる段階を含み得る。上に記載したいずれかのナノスケールチップ、基板、およびヒドロゲル前駆体を用いることができる。ヒドロゲル前駆体は、上記のいずれかのインク組成物に提供し得る。加えて、被覆段階および付着段階に関して上に記載したいずれかの技法をこの方法に適用し得る。この方法はまた、上に記載したいずれかの「他の段階」を含み得る。
【0063】
さらに別の方法は、少なくとも一つのスタンプを提供する段階、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を有する少なくとも1種のインク組成物でスタンプを被覆する段階、およびインク組成物を少なくとも一つの基板に付着させる段階を含み得る。上に記載したいずれかのインク組成物、ヒドロゲル前駆体、および基板を用いることができる。加えて、被覆段階および付着段階に関して上に記載したいずれかの技法をこの方法に適用し得る。この方法はまた、上に記載したいずれかの「他の段階」を含んでいてもよい。多種多様なスタンプを用いてもよく、これに限定されるものではないが、マイクロコンタクトプリンティングに用いられるものなど、ポリマースタンプが含まれる。スタンプは、Hong et al.,「A micromachined elastomeric tip array for contact printing with variable dot size and density,」J.Micromech.Microeng.18(2008)に記載されているものなど、エラストマーチップ配列であり得る。
【0064】
物品
上記のいずれかの方法を用いて形成した物品も提供される。したがって、基本的な態様において、物品は、基板、および基板上のインク組成物の少なくとも一つの付着物を含み得る。インク組成物のヒドロゲル前駆体がヒドロゲルに転換された後、物品は、基板、および基板上のヒドロゲルの少なくとも一つの付着物を含み得る。部分的にはこの方法で用いられる付着段階の性質およびインク組成物の成分に応じて、物品の多数の態様が可能である。いくつかの例示的な態様を以下に論じるが、これらの例はいかなる点でも限定を意図するものではない。
【0065】
一物品は、基板、および基板上のインク組成物の少なくとも一つの付着物を含み得、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、付着物は、横方向寸法は100μm以下である。他の横方向寸法も可能であり、上記のものが含まれる。インク組成物のヒドロゲル前駆体は、その必要はないが、架橋されていてもよい。物品を形成するために、上記のいずれかのインク組成物が用いられ得る。単に例として、物品を形成するために用いられるインク組成物は、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された、少なくとも一つの実体を含み得る。上に記載したいずれかの実体が用いられ得、これにはポリマーおよび生体分子が含まれる。上記のとおり、実体は、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されることができるが、ヒドロゲルに結合しない。物品はさらに、インク組成物の複数の付着物を含み得る。複数の付着物は、上記のとおり規則的または不規則なパターンに配置され得る。複数の付着物は、実質的にインク組成物を含まない基板上の領域で分離されている付着物を含み得る。複数の付着物を有する物品の場合、付着物のインク組成物は互いに同じであるか、または異なっていてよい。
【0066】
別の物品は、基板、および基板上のインク組成物の複数の付着物を含み得、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、少なくとも一つの付着物のインク組成物は、少なくとももう一つの付着物のインク組成物と異なる。一部の例では、少なくとも一つの付着物のインク組成物のヒドロゲル前駆体は、少なくとももう一つの付着物のインク組成物のヒドロゲル前駆体と異なり得る。物品を形成するために、上に記載したいずれかのインク組成物を用いることができる。単に例として、物品を形成するために用いられるインク組成物は、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み得る。上記のいずれかの実体を用いることができ、ポリマーおよび生体分子が含まれる。一部の例では、少なくとも一つの付着物のインク組成物の実体は、少なくとももう一つの付着物のインク組成物の実体と異なり得る。
【0067】
インク組成物
本明細書に記載のいずれかの方法と共に用いるインク組成物も提供される。インク組成物は上に記載されている。インク組成物は、溶媒を含むことができ、またはインク組成物が液体であり、被覆および付着のためにチップ上に配置することができるならば、溶媒を含まなくてもよい。タンパク質などの生体分子を含む水性インク組成物は、特に対象となる。
【0068】
適用例
上に記載したいずれかの物品の適用例も開示される。基板表面に付着したヒドロゲルを有する物品、特にパターン化ヒドロゲルを有する物品に関して、そのような多くの適用例が存在する。単に例として、その上にパターン化ヒドロゲルを有する物品は、生物または化学標的材料を同定および/または定量するために、生物学的および化学的スクリーニングに用いることができる(たとえば、免疫学的検定、酵素活性分析、ゲノミクス、およびプロテオミクス)。これらのスクリーニングは、薬剤候補、酵素阻害薬、受容体のリガンド、およびリガンドの受容体の同定、設計、または精製に有用であり得る。一つの可能なスクリーニング法は、開示したいずれかのヒドロゲル含有物品を提供する段階、物品を開示したいずれかの標的材料に暴露する段階、および標的材料を検出する段階を含み得る。別の例として、その上にパターン化ヒドロゲルを有する物品を、生体分子、細胞、および生物有機体を含む多種多様な実体の固定化(すなわち、カプセル化による)および研究のプラットフォームとして用いることができる。そのようなプラットフォームは、特に薬剤開発および毒物学的適用例に関して、固定化生体分子、細胞、および生物有機体に対する化学および生物標的材料の影響を調べるために有用であり得る。関連する一つの可能な方法は、ヒドロゲルがカプセル化生体分子、細胞、または生物有機体を含む、開示したヒドロゲル含有物品のいずれかを提供する段階、および物品を開示したいずれかの標的材料(小分子が確実に包含されている)に暴露する段階を含み得る。さらに別の例として、その上にパターン化ヒドロゲルを有する物品を、細胞の接着、増殖、および分化促進のプラットフォームとして用いることができる。そのようなプラットフォームは、組織工学および再生医療適用例に有用である。関連する一つの可能な方法は、開示したいずれかのヒドロゲル含有物品を提供する段階、細胞を物品に接着する段階、および細胞を増殖または分化させる段階を含み得る。他の適用例に関しては、たとえば、上に開示したいずれかの参考文献を参照されたい。さらに、Macromol.Biosci.2009,9,140-156;Nature Materials,Vol.3,58-64,2004;Advanced Drug Delivery Reviews 59(2007)249-262;およびNature Materials,Vol.8,432-437(2009)を参照されたい。
【0069】
キット
本明細書に記載の1種または複数の成分を有用なキットに組み合わせることができる。キットはさらに、本明細書に記載のいずれかの方法による使用方法を含む、キットの使用方法に関する一つまたは複数の説明書を含み得る。インク組成物を提供し得る。
【0070】
追加の態様
これらの態様は一般に、チップをベースとするナノリソグラフィを用いる、官能化ポリマーゲルのナノスケールおよび/またはマイクロスケールパターン化に関する。
【0071】
チップをベースとするリソグラフィのいくつかの態様において、2種以上のポリマーの混合物を含むインク組成物を表面に送達し得る。第1ポリマーは、線状ポリマーであることができ、第1ポリマーとは異なる第2ポリマーは、少なくとも2つ、または少なくとも3つ、または少なくとも4つのアームを含み得る。いくつかの態様において、一方の線状ポリマー(ポリマー1)は、両端にアクリラートまたはメタクリラート(または他の任意の連鎖重合)官能基を有する。いくつかの態様において、他方のポリマー(ポリマー2)は、ポリマー1の官能基と反応する異なる官能性を有するマルチアームポリマー、たとえば4アームポリマー(ポリマー1と同じまたは異なる主鎖)であり得る。
【0072】
温度および/または湿度を用いて、付着スポットの大きさを制御し得る。一態様において、スポットの大きさを減じるために、より低い温度を用い得る。基板の温度を制御および低下し得る。スポットの大きさに対する温度の影響を図6に示す。さらに、勾配を生じることができ、たとえば1:20から20:1、または1:10から10:1、または1:4から4:1の重量比を含む比率を生じる制御量でポリマーの混合物が用いられる。
【0073】
タンパク質官能化ヒドロゲルの任意のパターンを作成し得る。また、任意の大きさおよび形状のタンパク質勾配を生成し得る。また、これらのパターンを多くの基板に書き込み得る。
【0074】
いくつかの態様では、2種を混合し、表面に送達した後、2種のポリマーを合わせて架橋し得る。いくつかの態様では、ポリマー1は、それ自体で鎖成長メカニズムに従い、ポリマー1および2は、ステップ成長メカニズムに従う。いくつかの態様では、結果としてポリマー1のすべてまたは実質的にすべての官能基が消費されるが、ポリマー2の少数の官能基は未反応のままであり、続く反応に用いることができる。いくつかの態様において、結果として生じるゲルの未反応官能基の数は、元のインクのポリマー1とポリマー2の比率によって決定され得る。いくつかの態様では、これによりゲルの表面被覆範囲を調整する簡単な方法が提供される。いくつかの態様において、以前の方法に対するこの方法の主な差別化要因の一つは、チップから表面にポリマーを運ぶために、溶媒または担体を用いないことである。
【0075】
一態様において、本発明の方法は、生体分子をヒドロゲルパターンに結合する一般的な方法を提供する。ヒドロゲルの官能性を制御することによって、各ヒドロゲルのタンパク質の数を制御できる。パターンのフィーチャサイズは、5ミクロン未満、たとえば1ミクロン未満、たとえば500nm未満、たとえば100nm以下であり得る。この方法の普遍性によって任意の表面へのフィーチャのパターン化を可能にすることができる。
【0076】
本発明の方法はまた、複合多成分細胞外マトリクス(ECM)タンパク質およびモルフォゲンパターンの急速な形成を可能にする。これは特に細胞移動性、細胞間相互作用、薬物送達、細胞選別、細胞試験開発、細胞接着、配向性神経突起成長、幹細胞分化、形態発生、ならびに進化および発生生物学の研究に有益であり得る。
【0077】
いくつかの態様では、ポリマー1と2を混合して(重合開始剤が必要であっても、必要でなくてもよい)、粘性液体を形成する。いくつかの態様では、液体をチップ配列に送達し、その後、基板にパターン化する。いくつかの態様では、所望のパターンを形成した後、ポリマーパターンを合わせて架橋する。いくつかの態様において、重合の最終時点で、重合メカニズムは、すべてのポリマー1を消費するが、ポリマー2は、その後の反応に用いることのできる未反応官能基を依然として含有する。いくつかの態様において、結果として生じるゲルの未反応官能基の数は、元のインクのポリマー1とポリマー2の比率によって決まる。いくつかの態様では、これによりゲルの表面被覆範囲を調整する簡単な場(venue)が提供される。
【0078】
官能化ポリマーゲル(ヒドロゲル)は、現存するフォトリソグラフィ技法によってパターン化できるが、多くの場合、パターンは単官能性のみ有することができる。本明細書に記載の方法は、いくつかの態様において、単一段階で多官能ポリマーの送達を可能にすることができる。この方法はまた、いくつかの態様において、マイクロおよびナノスケールのレジストリで任意の場所にゲルを配置することを可能にすることができる。現存する方法によって作成されるものの大部分は数十および数百ミクロンに限られることからわかるように、高分解能のフィーチャを作成することは課題のままである。加えて、現存する技術は、一般に新しいパターン毎に新しいマスクまたはマスターを必要とする。現存するスタンピング技法も、フォトリソグラフィに関して記載したものと同じであるか、または実質的に同じ問題に直面する。
【0079】
本発明の態様では、官能基は異なることができ、それによって多官能性を有する複数のポリマーゲルを同時に付着する能力が提供される。この多重化付着は、現存する方法では通常可能でない。一態様において、チップをベースとするナノリソグラフィを用いるPEG-DMA由来ヒドロゲルの並列付着を図9Aに示す。
【実施例】
【0080】
さらなる態様を以下の非限定的な実施例によって示す。
【0081】
実施例1:カプセル化小分子を含むパターン化ヒドロゲルの形成
ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート(PEG-DMA、Polysciences,Inc.)、フルオレセイン(Sigma-Aldrich,Inc.)、およびフリーラジカル光開始剤、2-エトキシ-3-メトキシ-1-フェニルプロパン-1-オン(Sigma-Aldrich,Inc.)を含むインク組成物を調製した。分子量1000のPEG-DMAをアセトニトリル(5mg/mL)に溶解し、フルオレセインエタノール溶液(10μl/mL)を調製した。両方の溶液を体積比1:1(1mL:1mL)で混合し、20μlの光開始剤をインク溶液に添加した。1次元配列のナノスケールチップ(M型プローブ、NanoInk,Inc.)のチップを、30秒間浸漬することによってインク組成物で被覆し、インクを付加したチップ配列を5分間放置し、インクを乾燥させた。湿度50%条件下、種々の滞留時間(1秒および10秒)を用い、チップから金基板にインク組成物を付着させた。異なる滞留時間で10×10ドット配列を、y方向距離100μmを有する金基板に印刷した。次いで、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換するために、インク組成物をUV光に暴露した。不活性窒素ガス雰囲気でUV光(10mW/cm2、365nm)に8分間暴露することによって、ヒドロゲルへの光重合を実行した。蛍光顕微鏡法および走査電子顕微鏡法を用いて、パターン化ヒドロゲルを検査した。蛍光画像は、ヒドロゲル形成前後の明確な蛍光スポットの配列を示し、フルオレセイン分子のカプセル化が確認された。SEM画像を図4に示す。この図に示されるとおり、滞留時間が長いほどヒドロゲルの横方向寸法は大きくなる。具体的には、滞留時間10秒でパターン化された配列のスポットの直径は1μm未満(約850nm)であったが、滞留時間1秒でパターン化された配列のスポットの直径は200nm未満(約170nm)であった。
【0082】
実施例2:カプセル化タンパク質を含むパターン化ヒドロゲルの形成
ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート(PEG-DMA、Polysciences,Inc.)、フルオレセイン標識アビジン(Sigma-Aldrich,Inc.)、グリセロール(Sigma-Aldrich,Inc.)、およびフリーラジカル光開始剤、2-エトキシ-3-メトキシ-1-フェニルプロパン-1-オン(Sigma-Aldrich,Inc.)を含むインク組成物を調製した。水性PEG-DMA溶液(分子量1000、5mg/mL)とグリセロール混合(体積比4:1)インク溶液を調製し、フルオレセイン標識アビジンのリン酸緩衝生理食塩水溶液を調製した。両方の溶液を体積比1:1(1mL:1mL)で混合し、20μlの光開始剤をインク溶液に添加した。1次元配列のナノスケールチップ(M型プローブ、NanoInk,Inc.)のチップを、インクウェル(DNAプローブインクウェル、NanoInk,Inc.)を用い、1分間浸漬することによってインク組成物で被覆した。周囲条件で滞留時間1秒を用い、チップからヘキサメチルジシラザンスピンコートスライドガラスに、インク組成物の10×10ドット配列を付着した。次いで、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換するために、インク組成物をUV光に暴露した。不活性窒素ガス雰囲気でUV光(10mW/cm2、365nm)に8分間暴露することによって、ヒドロゲルへの光重合を実行した。蛍光顕微鏡法を用いて、パターン化ヒドロゲルを検査した。付着工程の概略図を図5Aに示し、結果として得られる蛍光画像を図5Bに示し、タンパク質のカプセル化を確認する。
【0083】
実施例3
図6は、付着物の大きさを制御するために、どのように温度を用いることができるかを例示しており、温度が高いほど大きい付着物が提供される。
【0084】
実施例4
図7は、ヒドロゲルナノ構造のさらなるパターン化を例示する。
【0085】
実施例5および6
図8(実施例5)および図9(実施例6)は、種々のポリマー比および勾配を例示する。
【0086】
実施例7:インク組成物Aおよびパターン化
以下のとおり、インク配合物Aを調製し、パターン化した。
材料:
i)ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート(PEG-DMA)
Polysciences,Inc.、分子量1000Da、カタログ番号15178-100、100g
ii)ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート(PEG-DMA)
Sigma-Aldrich、分子量2000Da、カタログ番号409510、250mL
iii)2,2-ジエトキシアセトフェノン、>95%、Sigma-Aldrich、カタログ番号227102、500g
iv)M型カンチレバーペン(NanoInk,Inc.)
基板:
・ヘキサメチルジシラザン(HMDS)スピンコートガラス
a.全体を被覆するように数滴のHMDSをカバーガラスに載せた。
b.ガラスを5000rpmで1分間、スピンコートした。
c.被覆したガラスを120℃のホットプレートで10分間、ポストベークした。
・二酸化ケイ素基板(NanoInk,Inc.)
ヒドロゲル前駆体の調製:
1.比率2:1(w/w)の固体PEG-DMA(分子量1000Da)と液体PEG-DMA(分子量500Da)を200mLのバイアルに入れ、固体部分が明らかに液体部分に溶融するまで、音波破砕によって完全に混合した。
2.混合物を20μLのアリコートに分け、4℃で貯蔵した。
3.アリコートを室温で解凍した。1体積%の光開始剤(2,2-ジエトキシアセトフェノン、0.2μl)を、印刷直前に、PEG-DMA混合物に添加した。
4.0.2μlの溶液を用いて、NanoInkのM型リザーバ片(chip)の各リザーバを充填した。
ペン:
1.M型1次元配列の12のカンチレバーペン(NanoInk,Inc.)を用いて、ヒドロゲル前駆体をパターン化した。ペンは使用前、酸素プラズマで45秒間処理した。
印刷:
1.ヒドロゲル前駆体を充填したリザーバ片のマイクロリザーバに浸漬することによって、M型カンチレバーペンを装填した。
2a.2μm未満のドット配列を印刷する場合、印刷前、吸取り基板上で5回ブリード(bleed)して、ペンの過剰なヒドロゲル前駆体を除去した。
2b.パターン化は、滞留時間1秒、25℃および相対湿度20%で実行した。この条件において、それぞれのペンは一貫して50スポットを印刷することができ、スポットの大きさは約1.5ミクロンであった。その後、さらにスポットを印刷するために、段階1および2を繰り返した。
3a.5μmより大きいドット配列を印刷する場合、NLP2000パターン設計ツール(NanoInk,Inc.)において、5×5ドット配列後の自動インク再付加手順を設定した。
3b.パターン化は、滞留時間0.5秒、37℃および相対湿度20%で実行した。NLPパターン設計ツールで連続運転を設定することによって、印刷は連続して実行される。印刷されるスポットの大きさは約5ミクロンであった。
重合:
1.パターン化基板を、N2ガスパージしながら10分間UV照射に暴露して、前駆体を重合し、ヒドロゲルを形成した。
【0087】
実施例8:さらなるインク配合物Bおよびパターン化
材料:
v)4アームポリ(エチレングリコール)チオール(4-Arm PEG-SH)
Creative PEGWorks、カタログ番号PSB-440、1g
分子量2000Da
vi)ポリ(エチレングリコール)ジメタクリラート(PEG-DMA)
Polysciences,Inc.、カタログ番号15178-100、100g
分子量1000Da
vii)M型カンチレバーペン
基板:
Thermo ScientificのAcrylo Silane SuperChip(商標)基板をそのまま用いた。
ヒドロゲル前駆体の調製:
1.比率1:2(w/w)のPEG-DMAと4-Arm PEG-SHを1mlエッペンドルフ管に秤量し、音波破砕によって5分間、完全に混合した。
2.混合物を20μLのアリコートに分け、-20℃で貯蔵した。
3.アリコートを室温で解凍し、0.2μlの溶液を用いて、NanoInkのM型リザーバ片(chip)の各リザーバを充填した。
ペン:
2.M型1次元配列の12のカンチレバーペン(NanoInk,Inc.)を用いて、ヒドロゲル前駆体をパターン化した。ペンは使用前、酸素プラズマで45秒間処理した。
印刷:
1.ヒドロゲル前駆体を充填したリザーバ片のマイクロリザーバに浸漬することによって、M型カンチレバーペンを装填した。
2.印刷前、吸取り基板上で5回ブリードして、ペンの過剰なヒドロゲル前駆体を除去した。
3.パターン化は、滞留時間0.2秒、25℃および相対湿度35%で実行した。この条件において、それぞれのペンは一貫して100スポットを印刷することができ、スポットの大きさは4ミクロンであった。その後、さらにスポットを印刷するために、段階1および2を繰り返した。
重合:
1.パターン化基板を、30分間UV照射に暴露して、前駆体を重合し、ヒドロゲルを形成した。
【0088】
さらなる態様:第1セット
以下の79の態様は、2009年7月14日出願の優先権出願、米国特許仮出願第61/225,530号に記載されたものである。
態様1.少なくとも一つのナノスケールチップを提供する段階、チップを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含む方法であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている、方法。
態様2.ナノスケールチップがAFMチップを含む、態様1の方法。
態様3.ナノスケールチップが中実チップを含む、態様1の方法。
態様4.ナノスケールチップが中空チップを含む、態様1の方法。
態様5.方法が、複数のナノスケールチップを提供する段階を含む、態様1の方法。
態様6.方法が、1次元配列のナノスケールチップを提供する段階を含む、態様1の方法。
態様7.方法が、2次元配列のナノスケールチップを提供する段階を含む、態様1の方法。
態様8.被覆段階が、チップをインク組成物に浸漬することを含む、態様1の方法。
態様9.被覆段階が、インク組成物を装填したインクウェルを提供することを含む、態様1の方法。
態様10.付着段階が、滞留時間の間、チップを基板に近接して配置することを含み、滞留時間が、0.1秒以上である、態様1の方法。
態様11.付着段階が、滞留時間の間、チップを基板に近接して配置することを含み、滞留時間が、1秒以上である、態様1の方法。
態様12.付着段階が、滞留時間の間、チップを基板に近接して配置することを含み、滞留時間が、5秒以上である、態様1の方法。
態様13.付着段階が、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルを水和するのに十分な湿度レベルで実行される、態様1の方法。
態様14.付着段階が、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルを水和するのに十分な湿度レベルで実行され、湿度レベルが、約10%以上である、態様1の方法。
態様15.ヒドロゲル前駆体が、室温で固体である、態様1の方法。
態様16.ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、アガロース、キトサン、またはそれらの組み合わせを含む、態様1の方法。
態様17.ヒドロゲル前駆体がポリ(エチレングリコール)を含む、態様1の方法。
態様18.ヒドロゲル前駆体が少なくとも一つの架橋性基を含む、態様1の方法。
態様19.ヒドロゲル前駆体が、アルデヒド、アミン、ヒドラジド、(メタ)アクリラート、またはチオール基から選択された少なくとも一つの架橋性基を含む、態様1の方法。
態様20.ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含む、態様1の方法。
態様21.ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含み、さらに標的材料が、化学分子、生体分子、細胞、または生物有機体を含む、態様1の方法。
態様22.ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含み、さらに第1官能基が、アミン、カルボキシル、チオール、マレイミド、エポキシド、(メタ)アクリラート、またはヒドロキシル基から選択される、態様1の方法。
態様23.ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含む、態様1の方法。
態様24.ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含み、さらに第2官能基が、チオールまたはシラン基から選択される、態様1の方法。
態様25.インク組成物がさらに溶媒を含む、態様1の方法。
態様26.インク組成物がさらに架橋剤を含む、態様1の方法。
態様27.インク組成物がさらに架橋剤を含み、架橋剤がフリーラジカル開始剤である、態様1の方法。
態様28.インク組成物がさらに架橋剤を含み、架橋剤がフリーラジカル光開始剤である、態様1の方法。
態様29.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様1の方法。
態様30.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第3官能基を含む、態様1の方法。
態様31.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、標的材料に結合するように適合された少なくとも一つの第4官能基を含む、態様1の方法。
態様32.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、態様1の方法。
態様33.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第3官能基を含み、実体が、生体分子である、態様1の方法。
態様34.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、ポリマーである、態様1の方法。
態様35.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、標的材料に結合するように適合された少なくとも一つの第4官能基を含み、実体が、ポリマーである、態様1の方法。
態様36.インク組成物がさらに、架橋剤、溶媒、およびヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様1の方法。
態様37.ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレンオキシド)を含み、インク組成物がさらに、フリーラジカル開始剤、溶媒、およびヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、態様1の方法。
態様38.ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレンオキシド)ジメタクリラートであり、インク組成物がさらに、フリーラジカル光開始剤、溶媒、およびヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、態様1の方法。
態様39.方法がさらに、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階を含む、態様1の方法。
態様40.方法がさらに、ヒドロゲル前駆体を電子ビームに暴露することなく、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階を含む、態様1の方法。
態様41.方法がさらに、ヒドロゲル前駆体をUV光に暴露することによって、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階を含む、態様1の方法。
態様42.インク組成物を水和する段階をさらに含む、態様1の方法。
態様43.方法がさらに、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階、およびヒドロゲルを水和する段階を含む、態様1の方法。
態様44.その上に付着したインク組成物が、未改質基板と比較して、付着時により高い高さを形成するように、基板を改質する段階を含む、態様1の方法。
態様45.付着段階が、基板上にインク組成物の複数の付着物を提供する、態様1の方法。
態様46.付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含む、態様1の方法。
態様47.付着段階が、基板の表面に配列を提供し、配列が、付着インク組成物の分離した領域を含む、態様1の方法。
態様48.付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含み、さらに少なくとも一つの分離した領域が、横方向寸法1000nm以下を有する、態様1の方法。
態様49.付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含み、さらに少なくとも一つの分離した領域が、横方向寸法100nm以下を有する、態様1の方法。
態様50.付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含み、さらに少なくとも一つの分離した領域のインク組成物が、少なくとももう一つの分離した領域のインク組成物と異なる、態様1の方法。
態様51.基板および基板上のインク組成物の少なくとも一つの付着物を含む物品であって、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、さらに付着物は、横方向寸法100μm以下を有する、物品。
態様52.付着物が横方向寸法1μm以下を有する、態様51の物品。
態様53.ヒドロゲル前駆体が架橋していない、態様51の物品。
態様54.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様51の物品。
態様55.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるが、結合しないように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様51の物品。
態様56.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子またはポリマーである、態様51の物品。
態様57.物品が、インク組成物の複数の付着物を含み、付着物が、パターンに配置され、実質的にインク組成物を含まない基板上の領域によって分離されている、態様51の物品。
態様58.物品が、インク組成物の複数の付着物を含み、付着物が、パターンに配置されており、さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物が、少なくとももう一つの付着物のインク組成物と異なる、態様51の物品。
態様59.基板および基板上のインク組成物の複数の付着物を含む物品であって、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物は、少なくとももう一つの付着物のインク組成物と異なる、物品。
態様60.さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物のヒドロゲル前駆体が、少なくとももう一つの付着物のインク組成物のヒドロゲル前駆体と異なる、態様59の物品。
態様61.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様59の物品。
態様62.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子またはポリマーである、態様59の物品。
態様63.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、少なくとも一つの付着物のインク組成物の実体が、少なくとももう一つの付着物のインク組成物の実体と異なる、態様59の物品。
態様64.少なくとも1種の溶媒、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含むインク組成物であって、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、インク組成物は、ナノスケールチップを被覆し、ナノスケールチップから基板にインク組成物を付着させるように適合されている、インク組成物。
態様65.ヒドロゲル前駆体が室温で固体である、態様64のインク組成物。
態様66.ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、アガロース、キトサン、またはそれらの組み合わせを含む、態様64のインク組成物。
態様67.ヒドロゲル前駆体が少なくとも一つの架橋性基を含む、態様64のインク組成物。
態様68.ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含む、態様64のインク組成物。
態様69.ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含む、態様64のインク組成物。
態様70.ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含み、さらに第2官能基が、チオールまたはシラン基から選択される、態様64のインク組成物。
態様71.インク組成物がさらに架橋剤を含む、態様64のインク組成物。
態様72.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様64のインク組成物。
態様73.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、態様64のインク組成物。
態様74.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、実体が、生体分子であり、生体分子が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第3官能基を含む、態様64のインク組成物。
態様75.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、ポリマーである、態様64のインク組成物。
態様76.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、実体が、ポリマーであり、ポリマーが、標的材料に結合するように適合された少なくとも一つの第4官能基を含む、態様64のインク組成物。
態様77.ナノスケールチップから基板に捕捉分子を付着させる段階、ナノスケールチップから付着捕捉分子にヒドロゲル前駆体を付着させる段階を含む方法であって、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている、方法。
態様78.少なくとも一つのスタンプを提供する段階、スタンプを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含む方法であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている、方法。
態様79.少なくとも一つのカンチレバー上に配置されていてもよい、少なくとも一つのチップを提供する段階、少なくとも1種のインク組成物をチップ上に配置する段階、任意でインク組成物を乾燥する段階、任意で乾燥したインク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階であって、インク組成物が少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含む、段階、ヒドロゲル前駆体を転換してヒドロゲルを形成する段階を含む方法。
【0089】
さらなる態様:第2セット
さらに、以下の80の態様(1A〜80A)は、2010年3月16日出願の優先権米国特許仮出願第61/314,498号に記載されたものである。
態様1A.少なくとも一つのナノスケールチップを提供する段階、チップを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含む方法であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、インク組成物は、ヒドロゲル前駆体として少なくとも2種の異なるポリマーを含む、方法。
態様2A.ナノスケールチップがAFMチップを含む、態様1Aの方法。
態様3A.ナノスケールチップが中実チップを含む、態様1Aの方法。
態様4A.ナノスケールチップが中空チップを含む、態様1Aの方法。
態様5A.方法が、複数のナノスケールチップを提供する段階を含む、態様1Aの方法。
態様6A.方法が、1次元配列のナノスケールチップを提供する段階を含む、態様1Aの方法。
態様7A.方法が、2次元配列のナノスケールチップを提供する段階を含む、態様1Aの方法。
態様8A.被覆段階が、チップをインク組成物に浸漬することを含む、態様1Aの方法。
態様9A.被覆段階が、インク組成物を装填したインクウェルを提供することを含む、態様1Aの方法。
態様10A.付着段階が、滞留時間の間、チップを基板に近接して配置することを含み、滞留時間が、0.1秒以上である、態様1Aの方法。
態様11A.付着段階が、滞留時間の間、チップを基板に近接して配置することを含み、滞留時間が、1秒以上である、態様1Aの方法。
態様12A.付着段階が、滞留時間の間、チップを基板に近接して配置することを含み、滞留時間が、5秒以上である、態様1Aの方法。
態様13A.付着段階が、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルを水和するのに十分な湿度レベルで実行される、態様1Aの方法。
態様14A.付着段階が、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルを水和するのに十分な湿度レベルで実行され、湿度レベルが、約10%以上である、態様1Aの方法。
態様15A.ヒドロゲル前駆体が室温で固体である、態様1Aの方法。
態様16A.ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、アガロース、キトサン、またはそれらの組み合わせを含む、態様1Aの方法。
態様17A.ヒドロゲル前駆体がポリ(エチレングリコール)を含む、態様1Aの方法。
態様18A.ヒドロゲル前駆体が少なくとも一つの架橋性基を含む、態様1Aの方法。
態様19A.ヒドロゲル前駆体が、アルデヒド、アミン、ヒドラジド、(メタ)アクリラート、またはチオール基から選択された少なくとも一つの架橋性基を含む、態様1Aの方法。
態様20A.ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含む、態様1Aの方法。
態様21A.ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含み、さらに標的材料が、化学分子、生体分子、細胞、または生物有機体を含む、態様1Aの方法。
態様22A.ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含み、さらに第1官能基が、アミン、カルボキシル、チオール、マレイミド、エポキシド、(メタ)アクリラート、またはヒドロキシル基から選択される、態様1Aの方法。
態様23A.ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含む、態様1Aの方法。
態様24A.ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含み、さらに第2官能基が、チオールまたはシラン基から選択される、態様1Aの方法。
態様25A.インク組成物がさらに溶媒を含む、態様1Aの方法。
態様26A.インク組成物がさらに架橋剤を含む、態様1Aの方法。
態様27A.インク組成物がさらに架橋剤を含み、架橋剤がフリーラジカル開始剤である、態様1Aの方法。
態様28A.インク組成物がさらに架橋剤を含み、架橋剤がフリーラジカル光開始剤である、態様1Aの方法。
態様29A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様1Aの方法。
態様30A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第3官能基を含む、態様1Aの方法。
態様31A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、標的材料に結合するように適合された少なくとも一つの第4官能基を含む、態様1Aの方法。
態様32A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、態様1Aの方法。
態様33A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第3官能基を含み、実体が、生体分子である、態様1Aの方法。
態様34A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、ポリマーである、態様1Aの方法。
態様35A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、標的材料に結合するように適合された少なくとも一つの第4官能基を含み、実体が、ポリマーである、態様1Aの方法。
態様36A.インク組成物がさらに、架橋剤、溶媒、およびヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様1Aの方法。
態様37A.ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレンオキシド)を含み、インク組成物がさらに、フリーラジカル開始剤、溶媒、およびヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、態様1Aの方法。
態様38A.ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレンオキシド)ジメタクリラートであり、インク組成物がさらに、フリーラジカル光開始剤、溶媒、およびヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、態様1Aの方法。
態様39A.方法がさらに、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階を含む、態様1Aの方法。
態様40A.方法がさらに、ヒドロゲル前駆体を電子ビームに暴露することなく、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階を含む、態様1Aの方法。
態様41A.方法がさらに、ヒドロゲル前駆体をUV光に暴露することによって、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階を含む、態様1Aの方法。
態様42A.インク組成物を水和する段階をさらに含む、態様1Aの方法。
態様43A.方法がさらに、ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階、およびヒドロゲルを水和する段階を含む、態様1Aの方法。
態様44A.その上に付着したインク組成物が、未改質基板と比較して、付着時により高い高さを形成するように、基板を改質する段階を含む、態様1Aの方法。
態様45A.付着段階が、基板上にインク組成物の複数の付着物を提供する、態様1Aの方法。
態様46A.付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含む、態様1Aの方法。
態様47A.付着段階が、基板の表面に配列を提供し、配列が、付着インク組成物の分離した領域を含む、態様1Aの方法。
態様48A.付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含み、さらに少なくとも一つの分離した領域が、横方向寸法1000nm以下を有する、態様1Aの方法。
態様49A.付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含み、さらに少なくとも一つの分離した領域が、横方向寸法100nm以下を有する、態様1Aの方法。
態様50A.付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含み、さらに少なくとも一つの分離した領域のインク組成物が、少なくとももう一つの分離した領域のインク組成物と異なる、態様1Aの方法。
態様51A.基板および基板上のインク組成物の少なくとも一つの付着物を含む物品であって、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、さらに付着物は、横方向寸法100μm以下を有し、インク組成物は、少なくとも2種の異なるポリマーを含む、物品。
態様52A.付着物が横方向寸法1μm以下を有する、態様51Aの物品。
態様53A.ヒドロゲル前駆体が架橋していない、態様51Aの物品。
態様54A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様51Aの物品。
態様55A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるが、結合しないように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様51Aの物品。
態様56A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子またはポリマーである、態様51Aの物品。
態様57A.物品が、インク組成物の複数の付着物を含み、付着物が、パターンに配置され、実質的にインク組成物を含まない基板上の領域によって分離されている、態様51Aの物品。
態様58A.物品が、インク組成物の複数の付着物を含み、付着物が、パターンに配置されており、さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物が、少なくとももう一つの付着物のインク組成物と異なる、態様51Aの物品。
態様59A.基板および基板上のインク組成物の複数の付着物を含む物品であって、インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、インク組成物は、少なくとも2種の異なるポリマーを含み、さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物は、少なくとももう一つの付着物のインク組成物と異なる、物品。
態様60A.さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物のヒドロゲル前駆体が、少なくとももう一つの付着物のインク組成物のヒドロゲル前駆体と異なる、態様59Aの物品。
態様61A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様59Aの物品。
態様62A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子またはポリマーである、態様59Aの物品。
態様63A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、少なくとも一つの付着物のインク組成物の実体が、少なくとももう一つの付着物のインク組成物の実体と異なる、態様59Aの物品。
態様64A.少なくとも1種の溶媒、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含むインク組成物であって、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、前駆体は、少なくとも2種の異なるポリマーを含み、インク組成物は、ナノスケールチップを被覆し、ナノスケールチップから基板にインク組成物を付着させるように適合されている、インク組成物。
態様65A.ヒドロゲル前駆体が室温で固体である、態様64Aのインク組成物。
態様66A.ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、アガロース、キトサン、またはそれらの組み合わせを含む、態様64Aのインク組成物。
態様67A.ヒドロゲル前駆体が少なくとも一つの架橋性基を含む、態様64Aのインク組成物。
態様68A.ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含む、態様64Aのインク組成物。
態様69A.ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含む、態様64Aのインク組成物。
態様70A.ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含み、さらに第2官能基が、チオールまたはシラン基から選択される、態様64Aのインク組成物。
態様71A.インク組成物がさらに架橋剤を含む、態様64Aのインク組成物。
態様72A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、態様64Aのインク組成物。
態様73A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、態様64Aのインク組成物。
態様74A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、実体が、生体分子であり、生体分子が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第3官能基を含む、態様64Aのインク組成物。
態様75A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、ポリマーである、態様64Aのインク組成物。
態様76A.インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、実体が、ポリマーであり、ポリマーが、標的材料に結合するように適合された少なくとも一つの第4官能基を含む、態様64Aのインク組成物。
態様77A.ナノスケールチップから基板に捕捉分子を付着させる段階、ナノスケールチップから付着捕捉分子にヒドロゲル前駆体を付着させる段階を含む方法であって、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、少なくとも2種の異なるポリマーを含む、方法。
態様78A.少なくとも一つのスタンプを提供する段階、スタンプを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含む方法であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、少なくとも2種の異なるポリマーを含む、方法。
態様79A.少なくとも一つのカンチレバー上に任意で配置されていてもよい、少なくとも一つのチップを提供する段階、少なくとも1種のインク組成物をチップ上に配置する段階、任意でインク組成物を乾燥する段階、任意で乾燥したインク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、前駆体は、少なくとも2種の異なるポリマーを含む、段階、ヒドロゲル前駆体を転換して、ヒドロゲルを形成する段階を含む方法。
態様80A.少なくとも一つのナノスケールチップを提供する段階、チップを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階を含む方法であって、インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、インクは、ヒドロゲル前駆体として少なくとも2種の異なるポリマーを含み、第1ポリマーは、線状ポリマーであり、第2ポリマーは、少なくとも2つのアームを含むポリマーである、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのナノスケールチップを提供する段階、
該チップを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、
該インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階、を含む方法であって、該インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、該ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている、前記方法。
【請求項2】
ナノスケールチップがAFMチップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ナノスケールチップが中実チップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
付着段階が、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルを水和するのに十分な湿度レベルで実行される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
ヒドロゲル前駆体が室温で固体である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、アガロース、キトサン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ヒドロゲル前駆体がポリ(エチレングリコール)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
ヒドロゲル前駆体が少なくとも一つの架橋性基を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
ヒドロゲル前駆体が、アルデヒド、アミン、ヒドラジド、(メタ)アクリラート、またはチオール基から選択される少なくとも一つの架橋性基を含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含み、さらに前記標的材料が、化学分子、生体分子、細胞、または生物有機体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含み、さらに前記第1官能基が、アミン、カルボキシル、チオール、マレイミド、エポキシド、(メタ)アクリラート、またはヒドロキシル基から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項13】
ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含み、さらに前記第2官能基が、チオールまたはシラン基から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
インク組成物がさらに溶媒を含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
インク組成物がさらに架橋剤を含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
インク組成物がさらに架橋剤を含み、前記架橋剤がフリーラジカル開始剤である、請求項1記載の方法。
【請求項18】
インク組成物がさらに架橋剤を含み、前記架橋剤がフリーラジカル光開始剤である、請求項1記載の方法。
【請求項19】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項20】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに前記実体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第3官能基を含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに前記実体が、標的材料に結合するように適合された少なくとも一つの第4官能基を含む、請求項1記載の方法。
【請求項22】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに前記実体が、生体分子である、請求項1記載の方法。
【請求項23】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに前記実体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第3官能基を含み、かつ前記実体が、生体分子である、請求項1記載の方法。
【請求項24】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに前記実体が、ポリマーである、請求項1記載の方法。
【請求項25】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに前記実体が、標的材料に結合するように適合された少なくとも一つの第4官能基を含み、かつ前記実体が、ポリマーである、請求項1記載の方法。
【請求項26】
インク組成物がさらに、架橋剤、溶媒、およびヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、請求項1記載の方法。
【請求項27】
ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレンオキシド)を含み、インク組成物がさらに、フリーラジカル開始剤、溶媒、および前記ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、請求項1記載の方法。
【請求項28】
ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレンオキシド)ジメタクリラートであり、インク組成物がさらに、フリーラジカル光開始剤、溶媒、および前記ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに実体が、生体分子である、請求項1記載の方法。
【請求項29】
ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項30】
ヒドロゲル前駆体を電子ビームに暴露することなく、前記ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項31】
ヒドロゲル前駆体をUV光に暴露することによって、前記ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項32】
インク組成物を水和する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項33】
ヒドロゲル前駆体をヒドロゲルに転換する段階、およびヒドロゲルを水和する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項34】
その上に付着したインク組成物が、未改質基板と比較して、付着時により高い高さを形成するように、基板を改質する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項35】
付着段階が、基板上にインク組成物の複数の付着物を提供する、請求項1記載の方法。
【請求項36】
付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、前記パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含む、請求項1記載の方法。
【請求項37】
付着段階が、基板の表面に配列を提供し、前記配列が、付着インク組成物の分離した領域を含む、請求項1記載の方法。
【請求項38】
付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、前記パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含み、さらに少なくとも一つの分離した領域が、横方向寸法1000nm以下を有する、請求項1記載の方法。
【請求項39】
付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、前記パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含み、さらに少なくとも一つの分離した領域が、横方向寸法100nm以下を有する、請求項1記載の方法。
【請求項40】
付着段階が、基板の表面にパターンを提供し、前記パターンが、付着インク組成物の分離した領域を含み、さらに少なくとも一つの分離した領域のインク組成物が、少なくとももう一つの分離した領域のインク組成物と異なる、請求項1記載の方法。
【請求項41】
基板、および
該基板上のインク組成物の少なくとも一つの付着物、を含む物品であって、
前記インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、さらに前記付着物は、横方向寸法100μm以下を有する、前記物品。
【請求項42】
付着物が横方向寸法1μm以下を有する、請求項41記載の物品。
【請求項43】
ヒドロゲル前駆体が架橋していない、請求項41記載の物品。
【請求項44】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、請求項41記載の物品。
【請求項45】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるが結合はしないように適合された少なくとも一つの実体を含む、請求項41記載の物品。
【請求項46】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに前記実体が、生体分子またはポリマーである、請求項41記載の物品。
【請求項47】
基板、および
該基板上のインク組成物の複数の付着物、を含む物品であって、前記インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物は、少なくとももう一つの付着物のインク組成物と異なる、前記物品。
【請求項48】
さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物中のヒドロゲル前駆体が、少なくとももう一つの付着物のインク組成物中のヒドロゲル前駆体と異なる、請求項47記載の物品。
【請求項49】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含む、請求項47記載の物品。
【請求項50】
インク組成物がさらに、ヒドロゲル前駆体から形成されたヒドロゲルにカプセル化されるように適合された少なくとも一つの実体を含み、さらに前記実体が、生体分子またはポリマーである、請求項47記載の物品。
【請求項51】
少なくとも1種の溶媒、
少なくとも1種のヒドロゲル前駆体、を含むインク組成物であって、前記ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、前記インク組成物は、ナノスケールチップを被覆し、かつナノスケールチップから基板にインク組成物を付着させるように適合されている、前記インク組成物。
【請求項52】
ヒドロゲル前駆体が、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、アガロース、キトサン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項51記載のインク組成物。
【請求項53】
ヒドロゲル前駆体が少なくとも一つの架橋性基を含む、請求項51記載のインク組成物。
【請求項54】
ヒドロゲル前駆体が、標的材料を結合するように適合された少なくとも一つの第1官能基を含む、請求項51記載のインク組成物。
【請求項55】
ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含む、請求項51記載のインク組成物。
【請求項56】
ヒドロゲル前駆体が、基板の表面に結合するように適合された少なくとも一つの第2官能基を含み、さらに前記第2官能基が、チオールまたはシラン基から選択される、請求項51記載のインク組成物。
【請求項57】
架橋剤をさらに含む、請求項51記載のインク組成物。
【請求項58】
ナノスケールチップから基板に捕捉分子を付着させる段階、
ナノスケールチップから付着捕捉分子にヒドロゲル前駆体を付着させる段階、を含む方法であって、前記ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている、前記方法。
【請求項59】
少なくとも一つのスタンプを提供する段階、
前記スタンプを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、
前記インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階、を含む方法であって、前記インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、前記ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されている、前記方法。
【請求項60】
少なくとも一つのカンチレバー上に任意で配置される、少なくとも一つのチップを提供する段階、
少なくとも1種のインク組成物をチップ上に配置する段階、
任意で、インク組成物を乾燥する段階、
任意で乾燥した前記インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階であって、前記インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含む、段階、
ヒドロゲルを形成するためにヒドロゲル前駆体を転換する段階、を含む方法。
【請求項61】
少なくとも一つのナノスケールチップを提供する段階、
前記チップを少なくとも1種のインク組成物で被覆する段階、
前記インク組成物を少なくとも一つの基板上に付着させる段階、を含む方法であって、前記インク組成物は、少なくとも1種のヒドロゲル前駆体を含み、前記ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、かつインクは、ヒドロゲル前駆体として少なくとも2種の異なるポリマーを含む、前記方法。
【請求項62】
基板、および
基板上のインク組成物の少なくとも一つの付着物、を含む物品であって、
前記インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、さらに前記付着物は、横方向寸法100μm以下を有し、前記インク組成物は、少なくとも2種の異なるポリマーを含む、前記物品。
【請求項63】
基板、および
基板上のインク組成物の複数の付着物、を含む物品であって、前記インク組成物は、ヒドロゲルを形成するように適合されたヒドロゲル前駆体を含み、前記インク組成物は、少なくとも2種の異なるポリマーを含み、さらに少なくとも一つの付着物のインク組成物は、少なくとももう一つの付着物のインク組成物と異なる、前記物品。
【請求項64】
少なくとも1種の溶媒、
少なくとも1種のヒドロゲル前駆体、を含むインク組成物であって、前記ヒドロゲル前駆体は、ヒドロゲルを形成するように適合されており、前記前駆体は、少なくとも2種の異なるポリマーを含み、前記インク組成物は、ナノスケールチップを被覆し、かつナノスケールチップから基板上にインク組成物を付着させるように適合されている、前記インク組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−533437(P2012−533437A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520728(P2012−520728)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2010/041864
【国際公開番号】WO2011/008781
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(508311352)ナノインク インコーポレーティッド (16)
【Fターム(参考)】