説明

表面に色彩を施すための物品及び方法

【課題】建築表面などの表面に色彩を施すための物品及び方法の提供。
【解決手段】表面に色彩を施すための物品10は、乾燥色彩成分のシート12及び乾燥色彩成分のシート12の一方の表面上16に接着剤14を含む。ある実施形態では、物品は剥離可能ライナーを含まず且つ担体シートを含まない。別の実施形態では、乾燥色彩成分のシート及び接着剤は合わせて約3ミル(0.08mm)以下の厚さを有する。建築表面にほぼ永久的な色彩効果を提供するための方法は、乾燥色彩成分を建築表面に適用することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建築表面などの表面に色彩を施すための物品及び方法に関する。本発明は乾燥色彩成分を使用するため、ブラシ、スプレー、ローラーなどの湿式器具、汚れ保護材、色彩成分洗浄剤、及び色彩成分用液体揮発性有機成分の使用を避けることができる。
【背景技術】
【0002】
建築表面などの表面(内壁又は外壁など)に美的効果及び/又は耐水性などの機能的効果を提供するために、1以上の色彩を施すことが望ましい場合が多い。色彩は、一般に水性又は油性の湿式塗料を使用する従来の塗装や壁紙の適用などによりもたらされる。湿式塗装や壁紙の適用に伴う困難なプロセスはよく知られている。一般的にこれらの作業中は、彩色したくない隣接する表面をテーピングしたり、床や家具等を保護するためにたれよけ布を配置して、周辺領域を付随する汚れから保護する必要がある。また、塗料、壁紙の糊、下地塗料、又はその他の湿式適用材料の液だれを避けるために、最大の注意を払う必要がある。多くの湿式塗料及び壁紙製品では、望ましい色彩の被覆率及び/又は耐久性を補助するために1以上の下地塗料又は基材と共に使用することも推奨されており、そのためこのような表面に望ましい色彩効果を実現させる時間と労力とが増大する。その上、表面に材料を施すには、一般にブラシ、ローラー、又はその他のアプリケーターに、塗料、下地塗料、糊などを染み込ませる必要がある。その結果、相当量の材料が目的の表面には届かずにアプリケーターに残って無駄になる。また、塗装や壁紙の適用が終了した場合、又は夜間などで少なくとも一定期間中断する場合に、湿式塗料又は壁紙の適用に使用したブラシ、スプレー、ローラー、及びその他の器具を洗浄するための時間がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
建築表面などの表面に塗布するのに適した塗料の多くは1以上の揮発性有機化合物を含む。このような塗料は塗布中及び塗布後に有毒ガスを放出するため、特に建物などの屋内では塗布中及び塗布後に換気が必要である。
【0004】
従って、湿式塗装や壁紙の適用によって表面に色彩を施すことによりもたらされる明らかな美的及び/又は機能的効果にもかかわらず、このような処置に必要な労力は不便であり時間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それ故に、本発明の目的は、一般に従来の湿式塗装及び/又は壁紙適用法に関連する種々の不利点を克服した、建築表面などの表面に色彩を施すための物品及び方法を提供することである。
【0006】
1つの態様では、本発明は表面に色彩を施すための物品に関する。第一の実施形態では、本発明は表面に色彩を施すための物品に関し、前記物品は乾燥色彩成分のシート及び乾燥色彩成分のシートの一方の表面上に接着剤を含み、剥離可能ライナーを含まず且つ担体シートを含まない。別の実施形態では、本発明は表面に色彩を施すための物品に関し、前記物品は乾燥色彩成分のシート及び乾燥色彩成分のシートの一方の表面上に接着剤を含み、シート及び接着剤は合わせて約3ミル(0.08mm)以下の厚さを有する。
【0007】
別の実施形態では、本発明は表面に色彩を施すための物品に関し、物品は(a)(i)ポリマー結合剤中に色素、染料、又はこれらの組み合わせ、及び(ii)トップコート層、を有する乾燥色彩成分のシート、(b)トップコート層とは反対側の乾燥着色剤のシートの表面上に接着剤、並びに(c)剥離可能ライナーを含む。乾燥色彩成分のシートは剥離可能ライナーと接着剤との間に配置され、剥離可能ライナーは乾燥色彩成分と隣接するその表面上に剥離剤を有する。乾燥色彩成分のシート及び接着剤は合わせて約3ミル(0.08mm)以下の厚さを有する。
【0008】
更なる実施形態では、本発明は表面に色彩を施すための物品に関し、物品は一方の表面に裏打ち層を含む乾燥色彩成分のシート、及び裏打ち層と隣接する乾燥色彩成分のシートの表面上に接着剤を含み、シート及び接着剤は合わせて約3ミル(0.08mm)以下の厚さを有する。
【0009】
別の態様では、本発明は、例えば建築表面などの表面にほぼ永久的な色彩効果を提供するための方法に関する。ある実施形態では、本法は上述の一実施形態による物品を建築表面に供給することを含む。別の実施形態では、本法は乾燥色彩成分を含む物品を表面に適用することを含み、剥離可能ライナーが取り除かれると、物品の適用部分は約3ミル(0.08mm)以下の厚さを有する。
【0010】
本発明の物品及び方法は、物品を供給するための又は乾燥色彩成分を適用するためのブラシ、スプレー、ローラーなどの湿式器具、汚れ保護材、又は色彩成分洗浄剤の使用を必要とせずに表面に色彩を施すことができ、乾燥色彩成分が揮発性有機成分を実質的に含まないという点で有益である。本物品及び方法は、一般的な湿式塗装及び/又は壁紙適用の製品及び方法と比べて短時間で表面に色彩を施すことができるという点で更に有益である。これらの及び更なる目的と利点については、以下の詳細な説明を考慮すれば更に十分に明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図面に示す実施形態は現実には例示的なものであり、請求項によって定義される発明を限定しようとするものではない。更に、図面及び発明の個々の特徴は、詳細な説明を読めば更に十分に明白となり、理解できるであろう。
【0012】
以下の詳細説明は、図面を見ることにより更に完全に理解されるであろう。
【0013】
本発明は表面に色彩を施すための物品及び方法に関する。本明細書で使用するとき「色彩」という用語は、色彩効果(即ち、色覚の相違)を指すために使用される。特定の実施形態では、色彩効果はほぼ永久的な色彩効果であり、即ち、日常的な接触や光の照射などにより除去されたり、顕著に減少したりしない色彩効果である。従って、ほぼ永久的な色彩効果は、例えばチョークやクレヨンにより提供されるような、簡単に除去される又は減少する可能性がある一時的な色彩効果とは区別される。「色彩成分」という用語は、本明細書において色彩効果を提供する発明物品の成分を指すために使用される。代表的な色彩成分について、以下に詳細に説明する。
【0014】
「表面」という用語は、本明細書において色彩成分を施されることができる物体又は基材の外層又は境界を指すために使用される。好適な表面は実質的に二次元で平面であるか、又は実質的に三次元で曲線や角度部分などを含むことができる。ある実施形態では、本発明の物品及び方法を使用して色彩成分が適用される表面には、建築表面、つまり建物、建築備品(即ち、設備)、家具などの表面が含まれる。建物の表面は、建物内の内部表面であっても、建物の外側部分の外部表面であってもよい。実質的に三次元の建築表面には、例えば、刳形(窓や戸口周辺の刳形など)、床板、設備、家具などの二次元表面の縁部処理が含まれることができる。建築表面は、永久的に設置されたものでも、一時的に設置されたものや移動可能なものであってもよい。本発明の製品は物品の表面にも更に適用することができ、物品に同じ又は異なるテクスチャ及び/又は建築表面の外観を与えることができる。例えば、本発明の製品は、設備、家具、及びその他の建築物品に色彩層を施すために使用されることができる。本発明の物品及び方法を使用して色彩を施すのに好適な更なる表面は、本開示を考慮すれば当業者には明らかであろう。
【0015】
「湿式」という用語は、本明細書において液体担体を使用する物品又は処理工程を指すために使用される。一方、「乾燥」という用語は、本明細書において色彩成分の不動化に影響を与える液体担体を実質的に含まない、つまり、色彩成分が周囲条件下で表面に沿って流動又は移動しない物品又は処理工程を指すために使用される。従って、乾燥色彩成分は液体担体又は溶媒を実質的に含まず、そのため色彩成分は、色彩成分を含む物品中で物理的に不動化されている。同様に、本明細書では液体溶媒又は担体を使用せずに乾燥色彩成分を供給することの言及は、液体溶媒又は担体を実質的に含まない乾燥色彩成分を指し、色彩成分は色彩成分を含む物品中で物理的に不動化されている。
【0016】
従って、本発明の物品に使用される乾燥色彩成分は、揮発性有機成分(VOC)及び水を実質的に含まない。米国環境保護庁の基準では、揮発性有機成分を実質的に含まない建築コーティングとは、揮発性有機成分の含有量が250g/l未満のものである。本発明の選ばれた実施形態では、乾燥色彩成分は250g/l未満、より厳密には約200g/l以下、より厳密には約100g/l以下、更により厳密には約50g/l以下の揮発性有機成分を含有する。更なる実施形態では、乾燥色彩成分は約25g/l以下の揮発性有機成分を含み、より厳密には約20g/l以下の揮発性有機成分を含有する。更なる実施形態では、乾燥色彩成分は同様に250g/l未満、より厳密には約200g/l以下、更により厳密には約100g/l以下の水を含有する。より具体的な実施形態では、乾燥色彩成分は約50g/l以下の水、より厳密には約25g/l以下、更により厳密には約20g/l以下の水を含有する。
【0017】
以下に更に詳細に記載するように、表面に色彩を施すための本発明による物品及び方法は、多数の有益な特性を示す。例えば、本発明の物品及び方法は、室温において比較的低い付与圧力で色彩を施すようになっているため、物品は一般消費者により過度の圧力を加えずに適用されることができる。更に、種々の表面効果を提供することができる。
【0018】
本物品及び方法は、物品が表面に適用されるときに空気を逃がすことができる多孔質表面被覆を提供するために使用され、それにより被覆表面に気泡及び/又は皺ができない。
ある実施形態では、提供される表面被覆が微小多孔性であるため、水分は適用される物品とそれが適用された表面との間で溜まらずに逃げることができる。例えば、本発明の物品及び方法により提供される表面被覆は、ASTMF1249−90に従って相対的湿度100%、温度40℃で測定するとき、約1g−μm/cm/24時間よりも大きな、より厳密には約4g−μm/cm/24時間よりも大きな水蒸気透過率(WVTR)を示してもよい。望ましいWVTRは、本質的に水蒸気透過性の材料を使用したり、物品にミクロ又はマクロサイズの孔、穿孔、開口部などを用意することにより提供されることができる。本発明の物品及び方法により提供される上記及びその他の有益な特性について、以下に更に説明する。
【0019】
図1は、本発明による物品のある実施形態の概略図を示す。図1を参照すると、表面に色彩を施すための物品10は、乾燥色彩成分のシート12及び乾燥色彩成分のシート12の一方の表面16上の接着剤14を含む。シート12は乾燥色彩成分の単一の層として示されている。図1の概略図はシート12と接着剤14との相対的な厚さを示すが、図示した厚さは図1又はその他の図の実施形態の各構成要素の実際の厚さを表現又は限定するものではない。更に、構成要素間の境界面は明確に画定された線として示されているが、実際の構成要素間の境界面は他の異なる形状を有してもよい。
【0020】
本明細書で使用するとき「乾燥色彩成分のシート」という用語は、表面に提供される色彩効果に寄与する発明物品の部分を指すことを意図するが、表面に接着して(好ましくは、後述するようなほぼ永久的接着)色彩効果を提供するようになっていない剥離可能ライナー又はその他の物品の部分は含まない。従って、以下に更に詳細に記載されるように、乾燥色彩成分のシートは図1に示す乾燥色彩成分層だけでなく、色彩効果に寄与する1以上のトップコート層及び/又は1以上の裏打ち層を更に含むことができる。
【0021】
一般に、乾燥色彩成分のシートは、約0.003インチ(3ミル又は0.08mm)未満の厚さを有するであろう。ある実施形態では、乾燥色彩成分のシートは約0.0003インチ(0.3ミル)〜約0.003インチ(約0.008mm〜約0.08mm)、より厳密には約0.0003インチ〜約0.0015インチ(約0.008mm〜約0.04mm)の厚さを有するであろう。別の実施形態では、乾燥色彩成分のシートは約0.0007インチ(0.02mm)以下、更により厳密には約0.0005インチ(約0.013mm)を超えない厚さを有するであろう。
【0022】
物品が乾燥色彩成分のシートと接着剤とを含む実施形態において、ライナーや担体などの層がない場合、接着剤層は一般に比較的薄く、即ち、その厚さは一般に約1ミル(0.001インチ又は0.03mm)未満、より厳密には約0.5ミル(0.0005インチ又は0.013mm)であるため、物品の厚さは基本的に乾燥色彩成分のシートの厚さであろう。従って、ある実施形態では、乾燥色彩成分のシートと接着剤との組み合わせは、約0.003インチ(3ミル又は0.08mm)以下、より厳密には約0.0003インチ〜約0.003インチ(約0.008mm〜約0.08mm)、更により厳密には約0.0003〜約0.0015インチ(約0.008mm〜約0.04mm)、更に一層より厳密には約0.0007インチ(0.013mm)以下の厚さを有する。都合が良いことに、隣接するシートの縁部が重なり合っていても、重なり合っているような外観はあまりない。1以上の剥離可能ライナーを含む更なる実施形態では、物品の厚さは増大するであろう。
【0023】
乾燥色彩成分は、乾燥色彩成分のシート中の少なくとも一層に提供され、適用された表面に不透明範囲を提供するいかなる組成物をも含むことができる。乾燥色彩成分は、例えば、色素又は染料、並びにこれらの組み合わせ、及び結合剤を含むことができる。結合剤と組み合わせて色素及び/又は染料を含有することができる組成物の例には、染色液、インク、及び塗料が挙げられる。乾燥色彩成分の例には、インク、染色液、塗料、並びに低濃度の溶媒、液体担体、及びその他の上述したような液体を有するという特徴を除けば「湿式」組成物と同様であるコーティングが含まれる。結合剤はコーティング、シート、又は膜を形成するポリマー材料であることができる。多種多様の結合剤材料が当該技術分野において周知であり、本発明に使用されることができる。好適な結合剤材料は、例えばエンロウ(Enlow)らの米国特許第6,336,998号に開示されている。好適な結合剤材料は、トップコートとしての使用に、以下に記載される同じポリマー材料を含むことができる。また、結合剤材料の例には、ポリスチレン及びポリアクリレート/ポリ塩化ビニルのブレンドも含まれる。乾燥色彩成分のシートは、本明細書に記載されるように、彩色表面に残るように意図された別の層に適用される乾燥色彩成分コーティング層を構成することができ、あるいは、乾燥色彩成分のシートは、彩色表面にほぼ永久的に適用されるために別の層を必要としないように、十分な一体性を有する乾燥色彩成分層を構成してもよい。
【0024】
ある実施形態では、乾燥色彩成分は(i)乾燥色素及び/又は染料、及び(ii)結合剤の組み合わせを単独で、又は追加成分と組み合わせて含む。例えば、特定の実施形態では、乾燥色彩成分は、色素を更に液体担体が除去された従来の塗料成分(例えば、結合剤)と組み合わせて含む乾燥塗料、一般に微細な色素又は染料を単独で、又は更に液体担体が除去された従来のインク成分(不透明化剤など)と組み合わせて含む乾燥インク、乾燥染色剤、乾燥インク、又はこれらの成分の2つ又はそれ以上の組み合わせを含む。乾燥色彩成分のシートは、平坦仕上げ又は非平坦仕上げを施した単一の一様に均一な色彩を含んでもよく、あるいは、2つ又はそれ以上の色彩成分の規則的又は不規則的な模様、及び/又は色彩成分層を含んでもよい。乾燥色彩成分のシートは、要望に応じて、平面仕上げ、つや消し仕上げ、サテン仕上げ、半光沢仕上げ、又は光沢仕上げを有することができる。
特定の仕上げを施す場合、これらの仕上げは色彩成分を選択したり、好適な仕上げを施した剥離可能ライナーを選択して制御することができる。望ましい効果に応じて、乾燥色彩成分層の内部、剥離可能ライナー全体、及び/又は接着剤層全体にテクスチャを加えてもよい。本発明の物品は、1回の適用工程で表面に模造仕上げを供給するのに特に有益である。模造仕上げは当該技術分野において周知であり、一般に不均一な装飾効果を提供する。この例として、大理石模様、斑模様、点刻模様、縞模様、不ぞろいの模様などが含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、乾燥色彩成分は不連続又は連続の繰り返し又は繰り返しのない模様で提供され、表面にステンシル様の効果を提供する。
【0025】
乾燥色彩成分は、要望に応じて光沢特性を示すことができる。本発明のある実施形態では、乾燥色彩成分は、要望に応じて、平面仕上げ、つや消し仕上げ、サテン仕上げ、半光沢仕上げ、又は光沢仕上げなどの従来の建築塗装の光沢特性を示す。当業者には、このような仕上げと、例えば自動車産業で使用される高光沢仕上げとの違いが理解されるであろう。光沢は60°に傾斜した向きの光線の正反射率により測定されることができる。通常、本発明の乾燥色彩成分のシートの正反射率は、60°で約60光沢単位未満である。正反射率はGM試験規格(GM Test Specification)TM−204−Aに記載された試験方法を使用して測定されることができる。仕上げ表面の鏡面光沢を測定するために、バイク−マリンクロット(Byk-Mallinckrodt)製「マルチグロス(multi-gloss)」又は「シングルグロス(single gloss)」光沢測定器を使用することができる。それらの光沢測定器は、ASTM法D−523−57から得られるのと同等の値を与える。どちらの光沢測定器も、測定値の予想範囲を含む光沢標準規格を、屈折率が既知の黒色研磨ガラスプレート1枚と共に使用する。光沢測定器は、高研磨標準規格の光沢を読み取るように設定した後、好ましくは試験パネルの範囲内の値を有する常用標準規格の光沢を読み取ることにより校正される。第二の標準規格は、標準規格の代入値の1単位以内に一致する必要がある。
試験パネルの異なる領域で少なくとも2つの読み取り値を測定する。これらの値が1単位以内に一致すれば、値を平均する。値の範囲が1単位より大きい場合には、更なる領域を測定して平均値を計算する。望ましい光沢特性は、当該技術分野において既知の技術に従って、乾燥色彩成分のシート、トップコート層、後処置、非平坦化などに含まれる粒子を使用して得ることができる。
【0026】
低光沢表面の別の利益は、色彩及び/又は外観を変更するために望ましい更なる表面処理を施す前、又は新たに色彩処理を施して表面を再仕上げする前に、表面調整の必要性が減ることである。特に、高光沢表面は、一般に表面に他の処理剤を塗装又は適用するとき、良好な結果を得るために粗さを付与することを必要とする傾向がある。
【0027】
特定の実施形態では、乾燥色彩成分のシートは2つ又はそれ以上の層を含み、これらの層のうち少なくとも1つが、望ましい色彩効果を提供する色彩成分を含有する。更なる層には、例えば、光沢、半光沢、サテン、つや消し、若しくは平面光沢、又は拡散、反射などのその他の光学的効果を提供する、例えば、透明、半透明、真珠光沢、若しくは不透明のコーティング、又はその他の有益な特性を与えるトップコート、強度及び/又は濃度を提供する白色裏打ち層、不透明化層など、並びにこれらの組み合わせなどが含まれてもよい。このような更なる層の別の利益は、シートに増大した強度及び/又は柔軟性を提供することができることである。
【0028】
特定の実施形態では、乾燥色彩成分は建築表面用乾燥色彩成分、つまり特に建築表面に適用するのに適した色彩成分を含む。このような乾燥色彩成分には、一般に従来の乾燥に加えて追加の硬化工程(例えば、高温硬化工程、反応性硬化剤の追加など)を必要とする色彩成分は含まれない。従って、ある実施形態では、建築表面用乾燥色彩成分は、一般に硬化可能なエナメル塗料に使用されるシアン酸硬化剤、アクリル酸(メタクリル酸)硬化剤、及びシアン酸−アクリル酸(メタクリル酸)硬化剤を実質的に含まず、そのため色彩成分はこのような硬化剤を色彩成分の適度な架橋をもたらすのに必要な量より少ない量で含有する。より具体的な実施形態では、このような硬化剤は、約0.0004重量%未満の量で色彩成分に含まれる。
【0029】
乾燥色彩成分は乾燥状態の表面に適用されるようになっているため、乾燥色彩成分のシートは製造現場で生産される。乾燥着色剤シートは、ラテックス組成物、水分散性組成物、溶媒系組成物、紫外線硬化可能組成物などを使用して形成することができる。シートは製造現場で生産されるので、塗料の乾燥又は硬化は製造プロセス内で行われ、組成物からの揮発性有機成分又はその他の副生成物は製造プロセス内で捕捉されることができる。ある実施形態では、これらの副生成物は製造プロセスの一環として再生利用又は再生処理されることができる。
【0030】
物品は1枚の乾燥色彩成分のシートを適用するだけで良好な不透明度と被覆率とを提供するので、消費者に費用と時間の面で利益を提供する。ASTM D2805に従って測定するとき、物品が少なくとも約0.95の不透明度指数を示すことが好ましい。通常このような測定では、物品は気泡や皺が生じないように、試験表面、例えばレネータ不透明度用紙2A(Leneta opacity form 2A)などの色彩対比カードの表面に慎重に適用される。より具体的な実施形態では、ASTM D2805に従って測定するとき、物品は少なくとも約0.98、より厳密には少なくとも約0.995の不透明度指数を示す。暗色表面や汚れた表面などでも、ほぼ完璧な被覆、つまり完全隠蔽を得ることができる。望ましい場合には、物品の1以上の層又は成分は、物品の不透明度を改善するために、例えば、1以上の金属、金属酸化物、鉱物など、又はこれらの組み合わせなどの更なる不透明化剤を含むことができる。このような不透明化剤の例には、二酸化チタン、カーボンブラックなどが含まれるが、これらに限定されない。好適な不透明化剤は、クラスター、粉末、フレーク、粒子、又は粒子の集合体(凝集体又は粒塊など)として提供されることができる。望ましいものは、最小寸法が少なくとも0.02ミクロン、縦横比が約100〜1000のフレークである。良好な不透明化を与える粒子(例えば、二酸化チタン粒子)は、約0.15〜150ミクロン、より好ましくは約0.20〜50ミクロンの寸法を有することが好ましい。不透明化剤は乾燥色彩成分のシート中に提供されることができるが、代わりの実施形態では、不透明化剤が使用される場合、要望に応じて接着剤中若しくは裏打ち層中、又は1以上のその他の層に含まれることができる。理論に縛られることを望まないが、多くの家庭の汚れ、特に油性の汚れは、低下した表面エネルギーを示し、湿式塗料、特に水性湿式塗料をはじく傾向にあるため、汚れを被覆することが難しく、多くの場合、更なる前処理工程を必要とすると考えられている。また、湿式水性塗料では、水が塗料から釘の頭などに流れると短時間でさびを生じることがある。しかし、本発明の乾燥色彩成分のシートは実質的に液体担体を含まないため、液体担体に関連する前述の問題は回避される。都合が良いことに、汚れは多くの場合、汚れた表面の前処理なしで被覆されることができる。
【0031】
乾燥色彩成分は、都合が良いことに、乾燥色彩成分の連続領域に亀裂、破断、又はその他の損傷を与えずにシートを曲げたり、巻いたり、同様の操作を行うのに十分な最小レベルの弾性を示す。
【0032】
ある実施形態では、ASTM D882に従って1.0インチ(2.54cm)幅の試料及び2.0インチ(5.08cm)のゲージ長を使用して、20インチ/分(50.8cm/分)のクロスヘッド速度で測定するとき、本発明の物品は50%未満の伸長も示す。一般に、伸長は室温で測定される。室温とは、本明細書で使用するとき、約100°F(38℃)未満の温度を指す。通常、上述した伸長は、約40°F〜約95°F(4℃〜35℃)、より厳密には約60°F〜約80°F(15℃〜27℃)の温度下で示される。更なる実施形態では、前述のASTMD882に従うと、物品は25%以下の伸長を示す。
【0033】
乾燥色彩成分のシートは、彩色表面の形状に対応するように十分な順応性を示すことができる。また、乾燥色彩成分のシートは、物品を角周辺及び/又は角内へ並びにその他の三次元の構造で容易に取り扱えるように十分順応性であることができる。更に、乾燥色彩成分のシートは微細順応性であることができる。本明細書で使用するとき、微細順応性とは、接着される表面と形状又は特徴の点で類似する物品の能力を指す。これにより、乾燥色彩成分のシートが適用されると、シートは下にある表面のテクスチャをよくまねた、塗装のような外観を提供する。順応性と微細順応性は、上記で定義したように室温において示されることが好ましい。
【0034】
図1に示す実施形態では、表面に色彩を施すための物品10は剥離可能ライナーを持たず且つ担体シートを持たない。本明細書で使用するとき、「剥離可能ライナー」という用語は、一般に取り除き可能なシートであって、望ましい表面に乾燥色彩成分のシートを適用する直前又は適用時に取り除かれるように意図され適合されたシートを指すのに用いられる。一方、本明細書で使用するとき、担体シートは、構造的支持を提供するために表面(通常、表面と装飾効果を提供する層との間)に適用するように意図され適合されたシートを指すのに用いられる。一般的な担体には、例えば、壁紙の裏張りシートが含まれる。
一般に担体層は厚さが3ミル(0.08mm)よりかなり厚いため、本発明の乾燥色彩成分のシート及び物品とは明らかに区別される。従って、図1の実施形態では、担体シートも剥離可能ライナーも使用されていない。更なる実施形態では、物品は、セルロース性材料、特に、一般に壁紙の担体層に使用されるセルロース性基材を含まない。より具体的な実施形態では、物品10は基本的に乾燥色彩成分のシート12及びシート12の表面16上の接着剤14から構成され、物品の使用又は特性に物質的に影響を与えるその他のいかなる成分も含まない。
【0035】
別の実施形態では、乾燥色彩成分のシート12は補強成分を含む。補強成分は、シート材料に強度又は構造的な一体性を提供したり、シート材料の厚みや量を増加させて物品の取り扱いや使用を容易にしたりするために使用されることができる。補強成分の使用により得られるその他の利点は、本明細書を考慮すれば明らかであろう。補強成分は、1以上の意図する補強効果をもたらすいかなる添加剤をも含むことができる。好ましくは、補強成分は乾燥色彩成分のシートのレオロジーを不利に変更せず、その結果、乾燥色彩成分のシートは亀裂又はその他の損傷を生じずに、曲げたり、巻いたりするのに十分な弾性を示す。好適な補強成分の例には、フィラメント、繊維、膜、不織布、スクリム、糸、シートなど、又はこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。また、好適な補強成分は、ポリマー、金属、セルロース性材料、ガラス、セラミックなどの好適ないかなる材料からも形成されることができる。補強成分は乾燥着色剤シート中に提供されており、乾燥着色剤シートと壁表面との間に配置されるように適合又は意図されていないため、担体シート又は層とは区別できる。逆に、担体シートは、上述したように、表面と色彩効果を提供する層(壁紙など)との間で表面に適用されるように意図され適合されている。
【0036】
補強成分は、例えば、成型、混合、コーティング、又はスプレーなどの望ましい技術を使用して、模様付きの様式(例えば、薄い繊布構造として)、又は模様なしの不繊布の様式でシート12に提供されることができる。ある実施形態では、色彩効果を望む表面に乾燥色彩成分のシートを適用するときに、望ましくないむらのある表面をもたらさないように、補強成分は十分に小さい寸法を有するであろう。例えば、このような実施形態では、好適な補強成分は、乾燥色彩成分のシートの厚さの約75%以下の厚さを有するべきである。別の実施形態では、表面に乾燥色彩成分のシートのテクスチャを提供するように、補強成分は十分な厚さを有してもよい。図1Aは、乾燥色彩成分のシート12A及び接着剤14Aを含む物品10Aを示す。シート12Aには、補強成分11及び乾燥色彩成分層13が含まれる。
【0037】
接着剤とは、本明細書で使用するとき、本発明の物品を室温で表面に接着するようになっている物質を指し、室温とは、本明細書で使用するとき、一般に約100°F(38℃)未満の温度を指す。通常、接着剤は、建築表面に使用するために、約40°F〜約95°F(4℃〜35℃)の温度範囲で必要な接着効果を示す。更に、接着剤は低い付与圧力で接着効果を示すため、手又は簡単な道具を使用して本発明の物品を彩色表面に適用及び接着させることができる。ある実施形態では、接着剤は、約50lb/in(345kPa)未満、より厳密には約30lb/in(207kPa)未満、更により厳密には約20lb/in(138kPa)未満の圧力を付与して物品を彩色表面に接着するようになっている。更なる実施形態では、接着剤は、約3lb/in(21kPa)〜約10lb/in(69kPa)の圧力を付与して物品を彩色表面に接着するようになっている。
【0038】
図1では、接着剤14はシート12の表面16上の層として図解されている。接着剤は、図に示すように層の形態で提供されてもよいし、要望に応じていかなる連続又は不連続の配置で提供されてもよい。接着剤は、乾燥色彩成分のシートを彩色表面に接着させるように機能する。接着剤は、乾燥色彩成分のシートを彩色表面に一時的に接着させることができ、適切に配置されない場合は再配置したり、又は表面から除去して再度正しい位置に適用したりすることができるような、また、一旦乾燥色彩成分のシートを適切な位置に配置したら、乾燥色彩成分のシートを永久的に表面に接着したりできるような、物品を一次的に表面に適用するときに物品の再配置が可能な量を有することを特徴とし、このような量で提供されることが好ましい。従って、ある実施形態では、接着剤は第一の条件に応じて一次粘性を示し、第二の条件に応じて一次粘性より大きい二次粘性を示すようになっている。
【0039】
再配置させるのに好適な低い一次粘性は、ASTM D3330及び/又はPSTC−1に従って1.0インチ(2.54cm)幅の剥離ストリップを使用し、角度180°の剥離試験で測定するとき、約100g/インチ(39g/cm)以下、より好ましくは約25g〜約50g/インチ(10g/cm〜20g/cm)である。二次粘性は一次粘性より強く、特定の実施形態では、乾燥色彩成分のシートと表面との間にほぼ永久的な接着又は固着を提供する。
【0040】
ある実施形態では、第一の条件は接着剤に一次粘性をもたらす第一の付与圧力を含み、第二の条件は接着剤により高い二次粘性をもたらす、より大きい第二の付与圧力を含むことができる。別の実施形態では、第一の条件は物品を表面に適用した後に接着剤が再配置可能な粘性レベルを示す第一の期間を含むことができ、第二の条件は第一の期間の終了後に発生する期間(即ち、「第二の期間」)である。第一の期間が終了すると、接着剤は再配置を抑制又は阻止する粘性レベルを示す。粘性が再配置可能なレベルからほぼ永久的なレベルまで増加するのにかかる期間は、接着剤分野の一般技術に従って接着剤を選ぶことにより製品へ設計できる選択対象である。ある実施形態では、第一の期間は約2時間〜約24時間であろう。従って、この実施形態では、物品が、手又は簡単なアプリケーター器具により付与される一度の圧力を用いて表面に配置及び接着されて、一旦物品が表面に適用されると、時間経過と共に接着剤粘性の永続性が増大するように接着剤が提供されることができる。
【0041】
本発明の物品の接着剤成分は乾燥接着剤、つまり乾燥色彩成分のシート上で不動化されてシートから流れ落ちないように液体担体を実質的に含まない接着剤である。代表的な接着剤には、ホットメルト接着剤、感圧接着剤、水性接着剤、水系接着剤、溶媒系接着剤、紫外線接着剤、電子ビーム硬化接着剤、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、接着剤は、例えばホットメルト感圧接着剤などの感圧接着剤、又は液体エマルション感圧接着剤などの水性又は水系感圧接着剤を含み、これらの接着剤は色彩成分のシートに適用された後、乾燥されて、本発明の物品を提供することができる。あるいは、接着剤は静的接着剤、例えば静電接着剤であってもよい。接着剤は、上述したようにASTM D3330に従って1インチ幅の剥離ストリップを使用して測定するとき、乾燥塗料シートと基材が約100g/インチ(39g/cm)よりも大きな、より厳密には約150g/インチ(59g/cm)よりも大きな、更により厳密には約200g/インチ(79g/cm)よりも大きな最終固着強度を有するように接着させることが好ましい。
【0042】
接着剤は乾燥色彩成分のシートを一次的に再配置させるが、接着剤の適用プロセス及び硬化が完了したら、乾燥色彩成分と色彩効果が提供される表面とを少なくともほぼ永久的に固着させることが好ましい。ほぼ永久的な固着とは、日常的な接触や光の照射などで剥がれないものである。少なくともほぼ永久的な固着は、除去可能な接着剤により提供されることができるため、乾燥色彩成分は乾燥色彩成分のシートを破ることなく表面から除去することができる。あるいは、ほぼ永久的な固着は、潜在的に永久的な接着剤により提供されることもでき、この場合、乾燥色彩成分のシートは、シートを破らなければ除去されることができない。
【0043】
ある実施形態では、接着剤は圧力により活性化する接着剤であり、低い付与圧力では接着粘性が低いため、乾燥色彩成分のシートを損傷させずに乾燥色彩成分のシートを表面に一次的に再配置させることができるが、高い圧力を付与すると接着剤はより高い粘性を示し、乾燥色彩成分のシートと適用表面との間に、より永久的な固着が形成されて、乾燥色彩成分のシートは表面にほぼ永久的に付着される、即ち、シートは自然に剥がれたり、日常的な接触や光の照射などで除去されたりしない。種々の感圧接着剤が当該技術分野において既知であり、本発明の物品に使用されることができる。このような感圧接着剤は、潜在的に永久的な接着性を提供すると同時に再配置が可能なように、低いコーティング重量で提供されたり、非平坦に提供されることができる。
【0044】
感圧接着剤の例には、一層、二層、又はそれ以上の層に使用される微小球を含有する接着剤が含まれる。このような微小球は、接着剤又は物品に力を加えると、例えば壊れやすく変形可能であり得る。壊れやすく変形可能な微小球を含有する組成物は、例えばアーウィン(Erwin)の米国特許第3,314,838号及びダニエルソン(Danielson)らの米国特許第3,331,729号に記載されている。微小球を含有する接着剤は市販されており、その1つは3M社(3M Company)から市販されている商品名コントロールタック(Controltac)(登録商標)である。感圧接着剤も、例えばクエステル(Questel)らの米国特許第6,020,062号に開示されている。別の処方の感圧接着剤の組成物は、ブラックウェル(Blackwell)の米国特許第5,073,457号及びサゴフ(Sagoff)らの米国特許第4,151,319号に開示されており、これらの接着剤は再配置可能で潜在的に永久的な接着性を提供し、リーブス(Reaves)らの米国特許第5,939,479号は、再配置可能な接着性を提供する接着剤を開示している。更なる感圧接着剤も市販されており、これにはエーブリー・デニソン(Avery Dennison)から市販されている潜在的に永久的な接着剤製品のファッソン(Fasson)(登録商標)2001が挙げられる。
【0045】
接着剤の粘性は、上述したように接着剤の露出表面上に遮断剤を適用することによっても異なることがある。遮断剤は、接着剤の露出表面で接着剤の一次粘性を低下させる効果を有する。従って、本明細書で定義するとき、遮断剤は、接着剤の低圧力粘性を低下させるが、遮断剤を排除する、より高い圧力の付与で、高い粘性を達成させる。好適な遮断剤は、表面の少なくとも一部分を被覆し、接着剤の外側表面に及ぶ固体構造であることができる。遮断剤は複数の別個の構造を形成したり、又は結合された網状組織を形成してもよい。当業者は、このような実施形態で使用するのに好適な種々の遮断剤を識別するであろう。
【0046】
ある実施形態では、遮断剤は再配置可能な微小球を含有する組成物を含むことができる。このような組成物は、パロッタ(Parrotta)の米国特許第4,376,151号に記載されているように1以上の層に提供されることができる。更なる遮断剤の例には、オチ(Ochi)の米国特許第4,556,595号に開示されている遮断剤、デンプン(ポテトデンプン又はトウモロコシデンプンを含むが、これらに限定されない)、タルク、二酸化珪素、二酸化チタン、ゼオライト、若しくはその他の鉱物などのクラスター、粉末、又は粒子、ポリマー若しくはポリマー小球、ガラス若しくはセラミックビーズなどが含まれるが、これらに限定されない。これらの材料の量及びサイズは、個々の接着剤の種類及び粘性によって異なるであろう。ある実施例では、最終粘性に比例した低下を与えずに一次粘性を十分に低下させて再配置を可能にするために、約0.1mmの平均粒子サイズを有するタルク粒子が約2〜約6g/mの量で適用される。別の実施形態では、約25nmの平均粒子サイズを有する二酸化珪素粒子が約1〜約3g/mの量で適用される。更に別の実施例では、約50nmの平均粒子サイズを有する二酸化チタン粒子が約1〜約3g/mの量で適用される。遮断剤は、要望に応じて、均一又は不均一な模様で適用されることができる。
【0047】
本発明の物品のある実施形態では、乾燥着色剤シートは、乾燥着色剤シートを損傷しなければ除去できないように表面に永久的に接着される。本発明の物品の更なる実施形態では、乾燥着色剤シートは、日常的な接触や洗浄などでは除去できないが、シートを実質的に破損することなく除去できるように表面に永久的に接着される。
【0048】
ある実施形態では、図1に示すように、乾燥色彩成分のシート12はシートの外側表面15、つまり接着剤14と隣接しない反対側のシート12の表面に剥離剤コーティングを更に含むことができる。好適な剥離剤については、以下に詳細に説明する。あるいは、又は更に、乾燥色彩成分のシート12はその表面にトップ又は外側の露出膜又はコーティング(以下「トップコート」と呼ぶ)を含むことができる。トップコートは、望ましい光学的効果を提供したり、乾燥色彩成分のシートに増大した保護、剛性、及び/又は構造的支持を提供する必要に応じて、透明、半透明、真珠光沢、不透明、又はその他の処方を含むことができる。例えば、トップコートは、乾燥色彩成分に平面、サテン、つや消し、半光沢、又は光沢などの望ましい艶を提供して、表面適用時などに乾燥色彩成分の不透明度、拡散、又は反射を増大させるために使用することができる。更なる実施形態では、トップコートは、乾燥色彩成分のシートに向上した耐久性、ひび耐性、洗浄性、汚れ防止性、色あせ耐性(紫外線色あせ耐性を含む)、蛍光性、リン光性、殺菌性、芳香性、臭気除去性、非永続書き込み性(non-permanent writability)(消去又は洗浄して除去が可能)、防音及び/若しくは断熱性、伝導性、静電気散逸性、並びに/又は環境的相互作用(例えば温度などに基づいて陰影又は色彩変更が可能)を提供する追加成分を1以上含むことができる。
【0049】
トップコートはシート12の外側表面に提供され、永久的又は一時的に下にある層に接着されることができる。図1Bは、乾燥色彩成分のシート12B及び接着剤14Bを含む物品10Bを示す。シート12Bは、乾燥色彩成分層13B及びトップコート17を含む。トップコート17には、同様に外側表面19に剥離剤コーティングが提供されてもよい。トップコートは好適ないかなる材料でも形成されることができ、これらの材料の例には、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、フッ化ポリビニリジン、ポリアクリレート、セルロース性材料などのポリマー、並びにこれらのブレンド、及び任意選択的に乾燥色彩成分のシート表面の光学的効果又はテクスチャを変える種々の粒子が含まれる。トップコートの特定の例には、ポリウレタン、及びポリアクリレートと塩化ポリビニリジンとのブレンドが含まれる。トップコートは透明であることができる。別の実施形態では、トップコートは半透明又は少なくとも部分的に不透明であることができる。本明細書に用いるのに好適なその他のトップコート材料は、当業者には明らかであろう。
【0050】
ある実施形態では、トップコートは、乾燥色彩成分のシート及び接着剤が表面被覆に望ましい水蒸気透過率(WVTR)、例えばASTMF1249−90に従って相対的湿度100%、温度40℃で測定するとき、1g−μm/cm/24時間よりも大きい、を提供するように微視的又は巨視的に構成される。トップコートは、例えば、穿孔、孔、開口部などを用意してもよいし、上記のようなWVTRを示す材料から形成されてもよい。
ある実施形態では、トップコートは望ましいWVTRを達成するために、例えば約0.5ミル(0.013mm)以下、更なる実施形態では約0.25ミル(0.007mm)以下の十分に薄いポリウレタンコーティングなどのポリマーコーティングから形成されるが、これらに限定されない。
【0051】
図2は、本発明により表面に色彩を施すための物品の別の実施形態の概略図を示す。物品20は、乾燥色彩成分のシート22、乾燥色彩成分のシートの表面26上の接着剤24、及び剥離可能ライナー28を含む。乾燥色彩成分のシート22は、剥離可能ライナー28と接着剤24との間に配置されている。剥離可能ライナー28は、例えば剥離可能ライナーが膜の形態である場合、乾燥色彩成分のシート22に構造的支持及び/又は強度を提供したり、製造、保存、及び使用中に物品の取り扱いを容易にするために含まれることができる。剥離可能ライナーは、彩色表面に乾燥色彩成分のシートを適用する前又は適用時に乾燥色彩成分のシートから取り除かれるようになっている。通常、剥離可能ライナーは、乾燥塗料シートから剥がして取り除かれるであろう。図2に示すように、剥離可能ライナーは、乾燥色彩成分のシート22からライナー28を剥がしやすくするために、乾燥色彩成分のシートを超えて広がるタブ32を用意してもよい。あるいは、剥離ライナーは接着剤テープを使用して取り除かれることができ、この接着剤テープは、剥離ライナーの角部分(又はその他の縁部)に適用されて、例えば乾燥着色剤シートが表面に適用された後に引き剥がされることができる。接着剤テープは剥離ライナーを乾燥着色剤シートから引き剥がすが、乾燥着色剤シートは表面に付着したまま残る。接着剤テープは、乾燥着色剤シートの表面又は隣接する乾燥着色剤シートを損傷させない。好適な接着剤テープの例は、セント・ゴベイン(Saint Gobain)から市販されているテンプRL(Temp RL)(商標)テープである。更なる実施形態では、物品は剥離可能ライナーを乾燥着色剤シートから分離させやすくする簡単な分離器具と共に使用するようになっていてもよい。このような器具には、物品の縁部で剥離可能ライナーを分離させるように機能する少なくとも1つの直線的な縁部が用意されてもよい。
【0052】
ある実施形態では、本発明の物品は乾燥色彩成分のシートに隣接して剥離可能ライナーを含み、図2に示す物品の平面配置では、物品は接着剤上に剥離可能ライナーを持たない。従って、図2の実施形態では、物品が平面的で巻かれていない形状の場合、接着剤24の上面は剥離可能ライナーを持たない。図2に示す物品が巻いた形状の場合、剥離可能ライナー28は露出した接着剤24に隣接、またおそらくは接触して配置され、従って、以下に詳細に記載するように、剥離可能ライナーは接着剤の支障なしに物品を広げることができる剥離面を提供できる。
【0053】
更なる実施形態では、物品は2つ又はそれ以上の剥離可能ライナーを含んでもよい。例えば、図2Aの物品20Aは、接着剤24Aとは反対側の乾燥色彩成分のシート22Aの表面上の剥離可能ライナー28A、及び接着剤24A上の剥離可能ライナー36と組み合わせて、乾燥色彩成分層23とトップコート層27とを含む乾燥色彩成分のシート22A、及び接着剤24Aを含む。乾燥色彩成分のシート22A上のトップコート層27は、シート22Aと剥離可能ライナー28Aとの間で色彩成分に、上述したような追加特性を提供することができる。
【0054】
剥離可能ライナーは、物品の製造、取り扱い、及び/又は望ましい表面への適用を容易にするように、乾燥色彩成分のシートに望ましい構造的支持又は強度を提供するいかなる材料から形成されてもよい。通常、剥離可能ライナーは、物品に望ましい構造的支持及び/又は強度を提供するために、坪量、厚み、及び剛性を併せ持つ。例えば、剥離可能ライナーは、薄いポリマー膜、織布シート、若しくは不織布シートとしてポリマー素材で、又は紙などの繊維性リグノセルロース性材料で形成されることができる。ある実施形態では、剥離可能ライナーはポリマー膜を含む。好都合なことに、乾燥色彩成分のシートは、例えば色彩成分を直接ポリマー膜の表面上にコーティング又は転写して、ポリマー膜上に形成することができる。剥離面は比較的平坦で滑らかであってもよいが、非平坦でもよく、又はエンボス加工、微細エンボス加工、熱及び圧力を伴う熱成形、真空成形、若しくは当業者に既知のその他の方法を使用した三次元構成であってもよい。
【0055】
ある実施形態では、剥離可能ライナーは、乾燥色彩成分のシートから本質的に剥離可能な材料で形成される。本質的に剥離可能なライナーを形成するのに使用可能な好適な材料には、シリコーン系ポリマー及びそのコポリマー、フッ素系ポリマー及びそのコポリマー、フルオロアクリル酸ポリマー及びそのコポリマー、並びに、剥離添加剤、例えばシリコーン又はフッ素系添加剤を含むポリマー及びコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。このような添加剤を含有するポリマーの例には、シリコーンオイル、シリコーン界面活性剤、シリコーンホモポリマー及びコポリマー、フッ素系油脂、フッ素系界面活性剤、フッ素系ホモポリマー及びコポリマー(例えば、フルオロアクリル酸ホモポリマー及びコポリマー)、並びにこれらの混合物などの剥離添加剤を1以上含む、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンホモポリマー及びコポリマー、ポリプロピレンホモポリマー及びコポリマー、並びにポリメチルペンテンホモポリマー及びコポリマー)、ポリスチレンホモポリマー及びコポリマー、ポリエステルホモポリマー及びコポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、並びにポリアミドホモポリマー及びコポリマーが含まれる。好適な剥離添加剤は、室温において単体で液体又は固体であることができる。好適な剥離添加剤は、室温において液体又は固体であることができる。米国特許第5,476,901号及び第5,641,835号はそれぞれ、参考として本明細書に組み込まれるが、本発明の物品における剥離可能ライナーの形成に使用するのに好適なシリコーンポリオレフィンコポリマーの例を開示している。参考として本明細書に組み込まれる米国特許第5,728,469号では、感圧接着剤に好適な更なるブロックコポリマー剥離材料を開示している。参考として本明細書に組み込まれる欧州特許第1,018,533A2号では、剥離層として使用するのに好適なシリコーン含有樹脂を更に開示している。
【0056】
あるいは、又は更に、乾燥色彩成分のシートから剥離可能ライナーを取り除きやすくするために、剥離剤が剥離可能ライナーと乾燥色彩成分のシートとの間に提供されることができる。例えば、図2の物品では、剥離剤は、乾燥色彩成分のシート22と剥離可能ライナー28との間の境界面30に提供される。剥離剤は、コーティング又は別個の膜層として物品に提供されてもよい。特定の実施形態では、剥離剤は、乾燥色彩成分のシートと剥離可能ライナーとの境界表面の一方又は両方にコーティングとして提供される。種々の剥離剤が当該技術分野において既知であり、本明細書に用いるのに好適である。これらの剥離剤には、シリコーンオイル、シリコーン界面活性剤、シリコーンホモポリマー又はコポリマー、フッ素系油脂、フッ素系界面活性剤、フッ素系ホモポリマー又はコポリマー(例えば、フルオロアクリル酸ホモポリマー及びコポリマー)、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。剥離剤は、剥離可能ライナーと隣接する境界面30において乾燥色彩成分のシートの表面上のコーティングとして、乾燥色彩成分のシートと隣接する境界面30において剥離可能ライナーの表面上のコーティングとして、乾燥色彩成分のシートと剥離可能ライナーとの間の層として、又はこれらの組み合わせで提供されることができる。このようなコーティングは、乾燥色彩成分のシートの表面を損傷させることなくライナーが乾燥色彩成分のシートから剥離できるために必要であれば、連続でも不連続であってもよい。ある実施形態では、剥離剤は、連続又は不連続のコーティングとして境界面30で剥離可能ライナー28の表面上に適用されるポリシリコーンなどのポリマー素材を含む。
【0057】
ある実施形態では、剥離可能ライナーはその外側表面34、つまり乾燥色彩成分のシートと隣接しない反対側のライナーの表面上に剥離剤を更に含むことができる。図2の物品の実施形態において、剥離可能ライナー28が乾燥色彩成分のシートとは反対側の表面34上に剥離剤が提供される場合、表面34上の剥離剤は、物品の保存、取り扱い、及び使用中に表面34が接着剤24に接着しないように防止する。例えば、表面34上に剥離剤が提供されると、物品を巻いて保存するのが容易になる。同様に、図1の実施形態において、乾燥色彩成分のシート12の表面15に剥離剤が提供されると、物品10の保存、取り扱い、及び使用中に表面15が接着剤14に接着するのを防止することができる。上述した種類の剥離剤は、表面15又は表面34に適用するのに好適である。
【0058】
図2の実施形態では、接着剤14は、上述した種類の遮断剤を含むことができる。遮断剤は接着剤を圧力で活性化するようにするため、低い付与圧力では接着剤の粘性が低下して彩色表面上で物品を一次的に再配置させることができるが、高い付与圧力では接着剤は乾燥色彩成分のシートを表面に永久的に固着させる。
【0059】
代わりの実施形態では、剥離可能ライナー28は境界面30において、いかなる追加の層、コーティング、又は成分をも含まずに乾燥色彩成分のシート22の表面上に配置される。この実施形態では、剥離可能ライナー28は、境界面30で乾燥色彩成分のシート22の表面から本質的に剥離する材料で形成されることが好ましい。この実施形態では、乾燥色彩成分のシートから剥離可能ライナー28が取り除かれると、乾燥色彩成分のシート22の表面上の剥離剤の残留物は除去される。
【0060】
図3は、本発明により表面に色彩を施すための物品の更に別の実施形態の概略図を示す。物品40は、乾燥色彩成分層43、及び乾燥色彩成分層43の表面46上の裏打ち層45を含む乾燥色彩成分のシート42を含む。接着剤44は裏打ち層45の表面47上に提供される。シート42及び接着剤44を含む物品は、約3ミル(0.08mm)以下、より厳密には約2ミル(0.05mm)以下、更により厳密には約1ミル(0.3mm)以下の厚さを有する。従って、この実施形態の物品は、通常かなり厚い担体基材を有する従来の壁紙製品と比べてかなり薄い。裏打ち層45は、例えば乾燥色彩成分のシート42に構造的支持及び/又は強度を提供したり、更なる不透明化効果、増白効果、又は色彩強調効果を提供したり、保存及び使用中に物品の取り扱いを容易にするために含まれることができる。裏打ち層は、好適ないかなる薄い材料でも形成されることができ、このような材料の例には、紙及びその他のセルロース性材料、ポリマー膜及び織布又は不織布、織物、ガラス又はセラミック布、金属蒸着層などが含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、裏打ち層は彩色表面に適用されると物品の不透明度を上げることができる。
例えば、裏打ち層は不透明度を上げるために、二酸化チタン、金属充填剤などを含むことができる。好ましくは、裏打ち層は、物品を曲げたり、巻いたり、その他同様の操作を行うことができる十分な柔軟性を示す。
【0061】
ある実施形態では、裏打ち層は金属蒸着膜、つまり内部の二表面の間に金属蒸着層又はコーティングを有する2つ又はそれ以上のポリマー膜のラミネートを含む。図3に示すように、裏打ち層45は、中間に例えば銀インク、金属酸化物、アルミニウム、ステンレススチールなどで形成される金属蒸着コーティング54を有する、例えばポリエチレンテレフタレートで形成される2枚のポリマー膜50、52のラミネートを含むことができる。
アルミニウムインクの一例は、エッカート・ウェルク・GmbH・アンド・カンパニー(Eckart Werke GmbH and Company)のエッカート・アメリカ・ディビジョン(Eckart America Division)(米国オハイオ州ペインズビル)から市販されているメタルア(Metalure)(登録商標)である(エーブリー・デニソン社(Avery Dennison Corp.)製造)。金属蒸着コーティングは、要望に応じて、連続又は不連続、及び模様付き又は模様なしであってもよい。好ましくは、ポリマー膜52は非常に薄く、乾燥色彩成分のシートに結合層又はコーティングを含むことができる。ポリマー膜50は金属蒸着コーティング54に表面を提供し、物品に構造的支持を提供することができる。ある実施形態では、乾燥色彩成分のシート42は、シートの外側表面、つまり裏打ち層45を含む表面と隣接しない反対側のシート42の表面に剥離剤コーティングを更に含むことができる。更に別の実施形態では、物品が不透明性を残したまま更に薄くなるように、ポリマー膜の層50又は52のうち一層を除去することができる。
【0062】
本発明の物品のサイズ(幅及び長さ)は、彩色表面の寸法に応じて異なることができる。例えば、物品は、内部建築表面の長さ全体又は複数の長さを彩色するのに好適な比較的長い長さで提供されることができる。このような長さのシートは巻いた形状で保存することができる。あるいは、物品は小さな領域に対応するように、例えばタイルサイズの小さなシートで提供されることができる。同様に、物品は、例えば刳形、縁、アクセント片(例えば、ステンシル)、コンセント、角、及び色彩を施さない表面に隣接する領域周辺の装飾として、より小さい寸法の領域に使用するためにストリップ又はより小型の形状で提供されてもよい。より小型の物品は、損傷した領域を修復するためにも便利であり得る。
【0063】
本発明の物品は、表面に乾燥色彩成分を供給することにより、表面に色彩を施すことができる。より具体的には、物品は表面にほぼ永久的な色彩効果を提供することができる。
好都合なことに、乾燥色彩成分は、色彩成分を供給するための湿式器具を使用せずに表面に供給され、これには例えば、塗料ばけ、塗料スプレー、若しくは塗料ローラーなどの湿式塗料アプリケーター又は塗料トレイを使用しないこと、テーピング又はたれよけ布などの汚れ保護材を使用しないこと、塗料アプリケーターの洗浄に一般に必要な色彩成分洗浄材を使用しないこと、及び/又は色彩成分用油性溶媒などの液体揮発性有機成分溶媒を使用しないことが含まれる。その結果、本明細書で記載したような湿式適用に関する多くの問題を回避しながら、より速く簡単に色彩効果を達成させることができる。
【0064】
従って、本法のある実施形態では、乾燥色彩成分を含む物品が建築表面に適用される。
物品の適用後、物品に含まれる剥離可能ライナーを取り除くと、例えば乾燥色彩成分及び接着手段(つまり接着剤)などの物品の残り部分は約3ミル(0.08mm)以下の厚さを有する。
【0065】
本法の好ましい実施形態では、乾燥色彩成分は、上述したような乾燥色彩成分のシートの形態で表面に供給される。乾燥色彩成分のシートは、シートの一方の表面上に接着剤を有することが好ましい。本発明の方法は、例えば乾燥色彩成分のシートに軽い圧力を与えて乾燥色彩成分のシートを彩色表面に一時的に固着させることにより、供給された乾燥色彩成分を表面に一次的に接着させ、任意にシートの位置や配列を調整し、乾燥色彩成分のシートに更に高い圧力を与えて乾燥色彩成分のシートを彩色表面に永久的に固着させる工程を更に含むことができる。例えば、乾燥色彩成分のシートが図1に示されるように物品10に提供されている場合、物品の表面15に圧力を付与して、接着剤14を彩色表面に接着させることができる。図2の物品20では、接着剤24が彩色表面に接触するように表面34に圧力を付与して、乾燥色彩成分のシート22を含む物品20を彩色表面に接着させる。
【0066】
本発明の物品は、単に手で配置することにより、又は例えば壁紙ローラー及び/若しくはディスペンサー又はその他の器具などの簡単なアプリケーターを使用して、表面に適用することができる。同様に、物品の接着に必要な圧力は、手又は器具を使用して付与することができる。このような圧力は、物品上を1回だけ又は2回以上なぞって付与することができる。
【0067】
本発明の物品及び方法は、例えば建築表面などの表面(内壁など)に色彩が施されるための向上した手段を提供し、従来の湿式塗装及び壁紙適用に関する多くの欠点を回避する。塗料などの乾燥色彩成分は、適用する前又は適用中に不動化又は包含されるので、塗料がこぼれたり、飛び散ったり、望ましくない表面を塗装したりする危険が排除される。従って、一般に床、家具、及び隣接領域に使用されるテーピング、たれよけ布、及びその他の保護手段は必要ない。更に、本物品及び方法は時間が経つと彩色が完了するので、遂行するために継続する長い一定時間を必要としない。同様に、適用は不都合なく中断することができる。また、色彩成分は本発明の物品中に不動化又は包含されているので、アプリケーター、保護テープ、たれよけ布などの種々の二次的表面に余分な塗料を受け取る従来の湿式塗装と比べると、望ましい結果を得るために必要な色彩成分の総量は低減される。
更に、物品は永久的に固着する前に再配置できるので、正確な位置決めができ、また、物品は液体担体を実質的に含まないため、一般に壁紙で生じる適用後のシートの収縮が避けられる。従って、隣接するシートの縁部を簡単に合わせることができる。あるいは、縁部を合わせるという問題は、単に隣接するシートを重ね合わせるだけで回避できる。
【0068】
以上のことから、本発明の物品が種々の方法及び技術により形成できることは明らかであろう。このような方法の1つを、単なる例示の目的で本明細書に開示する。より具体的には、図4に小規模な実験室スケールの半自動化プロセスを示す。剥離可能ライナー100は巻いた形状で提供され、広げられてローラー104、106、108、110、112、及び114を経て組立体102を通過し、完成品116を形成して、ロール118に巻き取られる。以下に更に詳細に記載されるように、切り取られた部分120はロール122に送られる。剥離可能ライナー100は、ロール118と122との組み合わせ及びコンベア124(例えば、真空コンベア)により、組立体を通してウェブ101として引っ張られる。好適な真空コンベアは、真下にある真空チャンバーに露出した等間隔の穴の配列を有する2つの滑車を備えた連続コンベアベルトを含むことができる。負圧(真空)は、強制送風機により生成される。ベルトがチャンバー上を通過すると各穴で負圧が発生するため、剥離可能ライナー100がベルト上を通過するとき、剥離可能ライナーはしっかりとベルトに保持される。この効果は、適用された色彩成分が乾燥するときに剥離可能ライナー100に皺が寄るのを防ぐのを助ける。真空コンベアベルトの速度は、駆動装置119により駆動される駆動ロール118及び122の速度に合わせることができる。剥離可能ライナー100を供給するローラー126のシャフトは、プロセスを通して円滑に移動するのに十分な張力をウェブ101が得られるように調節できる摩擦クラッチ128に接続されている。ウェブの移動を組立体を通して追跡するために、ファイフ(Fife)誘導ユニット130を用意してもよい。
【0069】
湿式塗料などの色彩成分は、アプリケーター132を使用して、ローラー106に隣接する剥離可能ライナーのウェブ101に適用される。塗料又はその他の色彩成分は、要望に応じて、水性であっても溶媒系であってもよい。ある実施形態では、アプリケーター132は、ウェブ101がローラー106とアプリケーター132との間を通過するように、バネ張力などによりローラー106に保持できる#50ワイヤー巻芯を備える。塗料などの色彩成分は、多岐管134によりワイヤー巻芯アプリケーター132の上流側で導入される。多岐管は、容器140から湿式塗料を引き込む蠕動ポンプ138から配管136により供給される。乾燥色彩成分のシートを形成するために、塗料は、例えば乾燥機を使用して真空コンベア124上を通過するときに、ウェブ101上で乾燥される。図4の実施形態では、乾燥機は強制周辺空気ダクト144により補助される2台の赤外線ヒーター142を備える。空気ダクト144は、都合が良いことに真空コンベア124から排気を送風することができる。当業者には、乾燥プロセス中に除去される溶媒又はその他の担体が、要望に応じて捕捉及び再生できることは容易に理解されるであろう。乾燥色彩成分のシートは、このように剥離可能ライナーウェブ上で形成される。
【0070】
次に、接着剤が、剥離可能ライナーとは反対側の表面で乾燥色彩成分のシートに適用される。例えば、図4の組立体102では、接着剤は、ローラー108で、例えば#20ワイヤー巻芯を備えることができるアプリケーター148により、ウェブ101上の乾燥色彩成分のシート表面に適用される。ワイヤー巻芯アプリケーター148は、ウェブ101がローラーとアプリケーターとの間を通過するように、バネ張力などによりローラー108に保持されることができる。液体接着剤は、多岐管146によりワイヤー巻芯アプリケーター148の上流側で導入される。多岐管146は、容器154から液体接着剤を引き込む蠕動ポンプ152から配管150により供給される。容器154中の液体接着剤は、ミキサー156で常時撹拌される。接着剤が適用されたら、ウェブ101は、スライダープレート160上で縦方向に前後運動する振動布地被覆ローラー158に移動し、ウェブ101上の乾燥色彩成分のシートに適用された液体接着剤にテクスチャが付与される。非平坦化された接着剤は、物品が永久的に固着する前に、より容易に再配置させることができる。次に、例えばウェブ101をローラー110で赤外線ヒーター162の下を通過させて、接着剤を乾燥させる。
【0071】
好ましい実施形態では、ウェブ101はローラー112と114とを通り抜け、その一方は回転切断ナイフの形状であることが好ましい。より具体的な実施形態では、ウェブの縁部を切り取って最終製品の縁部を均一にするために、ローラー114はウェブの縁部に隣接して配置される2つの回転切断ナイフを備える。別の実施形態では、上述したように、より小さな領域に色彩を施すようになっている、より小型の物品を提供するために、ローラー114はウェブを2つ又はそれ以上のストリップに切断するように配置された複数の回転切断ナイフ一式を備える。その後、得られた物品116はロール118に巻き取られ、切り取られた縁部120はロール122に巻き取られる。上述したように、説明した組立体102及び調製プロセスは単なる例示的なものであり、当業者にはこれらの変形物は明らかであろう。例えば、コーティング又は層などの形態の剥離剤がプロセスに提供されることができる。更に、乾燥色彩成分のシートは、剥離ライナーのない最終物品に提供されてもよい。例えば、乾燥色彩成分のシートは、処理ウェブ又は形成ベルト上で形成され、その後ロール又はシートの形状で保存する前に処理ウェブ又は形成ベルトから分離されることができる。
【0072】
代わりの実施形態では、例えば図2Aに示す本発明の物品は、上述したプロセスを一部変更して2枚の剥離可能ライナーを使用して形成されることができる。例えば、図2Aを参照すると、トップコート層27を形成するトップコート組成物は、反転ロール又は押し出しコーティングなどの技術により剥離可能ライナーウェブに適用され、例えば加熱によりウェブ上で乾燥されることができる。次に、色彩成分が、例えば反転ロール、グラビアコーティング、又は転写などの技術により、乾燥したトップコート層に適用され、加熱により乾燥される。その後、接着剤が第二の剥離可能ライナーウェブに適用されて、剥離可能ライナー−トップコート−乾燥色彩成分の部材を、乾燥色彩成分と接着剤とが向かい合うように接着剤−剥離可能ライナーの部材と積層させることができる。対流、又は赤外線若しくは紫外線などの放射を含む好適な任意の手段により、このプロセスを通して熱を提供することができる。当業者には、剥離可能ライナー−トップコート−乾燥色彩成分の部材と接着剤−剥離可能ライナーの部材とが合わされた後、第二の剥離可能ライナーを接着剤から取り除くだけで、この方法を使用して、例えば図2に示すような1枚の剥離可能ライナーを含む物品を提供できることが理解されるであろう。
【0073】
本明細書を考慮すれば、追加又は代替の装置及び/又は処理工程は当業者には明らかであり、本発明の範囲内である。例えば、色彩成分又は接着剤は、押し出し、スプレー、転写、反転ロール、グラビアコーティング、ロール印加、及びその他の当該技術分野において既知の種々の適用技術を使用して、単一の層又は複数の層として適用されることができる。層は同じ特性を有してもよいし、互いに異なる種々の層を有してもよく、色彩、強度、不透明度などの種々の特性を組み合わせるために使用してもよい。上述したような遮断剤は、接着剤の表面に適用してもよいし、接着剤と混合してもよい。熱は、赤外線装置、対流装置、放射装置、又はその他の当該技術分野において既知の技術により提供されることができる。物品の1以上の層の上部又は内部を非平坦化してもよい。
【0074】
本明細書に記述された具体的な説明及び実施形態は、現実には代表的なものだけであり、請求項により定義される発明を制限しようとするものではない。本明細書を考慮すれば、更なる実施形態及び実施例は当業者に明らかとなり、それらは本発明の請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明により表面に色彩を施すための物品のある実施形態の概略図。
【図1A】補強成分を含む図1の物品の概略図。
【図1B】乾燥色彩成分のシートが更なる保護膜層を含む図1の物品の概略図。
【図2】本発明により表面に色彩を施すための物品の別の実施形態の概略図。
【図2A】本発明により表面に色彩を施すための物品の別の実施形態の概略図。
【図3】本発明により表面に色彩を施すための物品の別の実施形態の概略図。
【図4】本発明により表面に色彩を施すための物品のある製造プロセスの概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に色彩を施すための物品であって、乾燥色彩成分のシート及び前記乾燥色彩成分のシートの一方の表面上の接着剤により特徴付けられ、剥離可能ライナーを含まず且つ担体シートを含まない物品。
【請求項2】
前記乾燥色彩成分のシートが不透明化層により特徴付けられ、任意選択的に前記不透明化層が少なくともその一方の表面上に層を有する膜を含み、任意選択的に前記膜がポリマー膜、金属膜、繊維性膜、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
不透明化剤により更に特徴付けられ、任意選択的に前記不透明化剤が前記接着剤中に存在する、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記接着剤が第一の条件に応じて一次粘性を示し、第二の条件に応じて前記一次粘性より大きい二次粘性を示すようになっている、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記乾燥色彩成分のシートが前記接着剤とは反対側の表面上のトップコートにより特徴付けられ、任意選択的に前記トップコートが保護膜層により特徴付けられる、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
表面に色彩を施すための物品であって、乾燥色彩成分のシート及び前記乾燥色彩成分のシートの一方の表面上の接着剤により特徴付けられ、前記シート及び前記接着剤が合わせて3.3ミル(0.084mm)以下の厚さを有し、任意選択的に前記乾燥色彩成分のシートが除去可能である物品。
【請求項7】
表面に色彩を施すための物品であって、乾燥色彩成分のシート及び前記乾燥色彩成分のシートの一方の表面上の接着剤により特徴付けられ、前記シート及び前記接着剤が合わせて3.3ミル(0.084mm)以下の厚さを有し、任意選択的に前記乾燥色彩成分のシートが除去可能である物品。
【請求項8】
前記乾燥色彩成分のシートが不透明化層により特徴付けられ、任意選択的に前記不透明化層が少なくともその一方の表面上に層を有する膜により特徴付けられ、好ましくは前記膜がポリマー膜、金属膜、繊維性膜、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項6に記載の物品。
【請求項9】
不透明化剤により更に特徴付けられ、任意選択的に前記不透明化剤が前記接着剤中に存在する、請求項6に記載の物品。
【請求項10】
前記接着剤が第一の条件に応じて一次粘性を示し、第二の条件に応じて前記一次粘性より大きい二次粘性を示すようになっている、請求項6に記載の物品。
【請求項11】
前記乾燥色彩成分のシートが前記接着剤とは反対側の表面上のトップコートにより特徴付けられる、請求項6に記載の物品。
【請求項12】
剥離可能ライナーにより更に特徴付けられ、前記乾燥色彩成分のシートが前記剥離可能ライナーと前記接着剤との間に配置される、請求項6に記載の物品。
【請求項13】
剥離剤が前記剥離可能ライナーと前記乾燥色彩成分のシートとの間に提供される、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記乾燥色彩成分のシートとは反対側の前記剥離可能ライナーの表面が、その表面上に剥離剤を有する、請求項12に記載の物品。
【請求項15】
前記剥離可能ライナーが剥離特質を有するポリマーから形成される、請求項12に記載の物品。
【請求項16】
前記接着剤が第一の条件に応じて一次粘性を示し、第二の条件に応じて前記一次粘性より大きい二次粘性を示すようになっており、任意選択的に前記接着剤が感圧接着剤により特徴付けられる、請求項12に記載の物品。
【請求項17】
前記接着剤がその表面上の遮断剤により特徴付けられ、任意選択的に前記遮断剤がデンプン、タルク、二酸化珪素、二酸化チタン、ゼオライト、ポリマー、ガラス、セラミック、及びこれらの混合物から選択される、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
表面に色彩を施すための物品であって、
(a)(i)ポリマー結合剤中に色素、染料、又はこれらの組み合わせ、及び(ii)トップコート層、を有する乾燥色彩成分のシート、
(b)前記トップコート層とは反対側の前記乾燥色彩成分のシートの表面上の接着剤、並びに
(c)剥離可能ライナーであって、前記乾燥色彩成分のシートが前記剥離可能ライナーと前記接着剤との間に配置され、前記剥離可能ライナーが前記乾燥色彩成分と隣接する表面上に剥離剤を有する剥離可能ライナー、によって特徴付けられ、
前記乾燥色彩成分のシート及び前記接着剤が合わせて3.3ミル(0.084mm)以下の厚さにより特徴付けられ、
好ましくは前記接着剤が第一の条件に応じて一次粘性を示し、第二の条件に応じて前記一次粘性より大きい二次粘性を示すようになっている物品。
【請求項19】
表面に色彩を施すための物品であって、
(a)一方の表面に裏打ち層を含む乾燥色彩成分のシート、及び
(b)前記裏打ち層を含む前記乾燥色彩成分のシートの前記表面上の接着剤であって、前記シート及び接着剤が合わせて3.3ミル(0.084mm)以下の厚さを有する接着剤、
任意選択的に前記裏打ち層が金属蒸着層を有するポリマー膜により特徴付けられ、並びに
任意選択的に前記裏打ち層がセルロースを含まない物品。
【請求項20】
前記接着剤が第一の圧力付与により一次粘性を示し、第二の圧力付与により前記一次粘性より大きい二次粘性を示すようになっており、前記第二の圧力が前記第一の圧力より大きく、任意選択的に前記接着剤が感圧接着剤により特徴付けられ、好ましくは前記接着剤がその表面の遮断剤により特徴付けられる、請求項19に記載の物品。
【請求項21】
前記接着剤が室温で50lb/in(345kPa)未満の圧力を付与して前記物品を表面に接着するようになっている、請求項1、6、18、又は19に記載の物品。
【請求項22】
前記物品が50%未満の伸長により特徴付けられる、請求項1、6、18、又は19に記載の物品。
【請求項23】
表面に色彩を施すための物品であって、乾燥色彩成分のシート及び前記乾燥色彩成分のシートの一方の表面上の接着剤により特徴付けられ、前記シート及び接着剤が1g-μm/cm/24時間よりも大きな水蒸気透過率を有する表面被覆を提供するようになっている物品。
【請求項24】
表面にほぼ永久的な色彩効果を提供するための方法であって、乾燥色彩のシートを含む物品を前記表面に適用する工程により特徴付けられ、剥離可能ライナーが取り除かれると、適用された物品が3.3ミル(0.084mm)以下の厚さを有する方法。
【請求項25】
前記乾燥色彩のシートが建築表面に適用され、任意選択的に前記乾燥色彩のシートが剥離可能ライナーと隣接する乾燥色彩成分のシートの形態である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記乾燥色彩成分が、前記物品を前記表面に適用するための湿式器具、汚れ保護材、又は色彩成分洗浄材を使用せずに表面に適用され、任意選択的に前記乾燥色彩成分が実質的に揮発性有機成分を含まず、任意選択的に前記湿式器具が湿式ブラシ、湿式スプレー、湿式ローラー、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
適用された乾燥色彩成分を前記建築表面に接着する工程により更に特徴付けられる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記乾燥色彩成分のシートが、前記乾燥色彩成分のシートとは反対側の前記剥離可能ライナーの表面に圧力を付与することにより前記建築表面に接着される、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記乾燥色彩成分のシートが乾燥色彩成分層により特徴付けられ、前記乾燥色彩成分層が(i)色素、染料、又はこれらの組み合わせ、及び(ii)結合剤を含み、任意選択的に前記結合剤がポリマー結合剤を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
建築表面にほぼ永久的な色彩効果を提供する方法であって、前記表面に請求項1、6、18、19、又は23に記載の物品を供給する工程により特徴付けられる方法。
【請求項31】
表面に色彩を施すための物品の製造プロセスであって、前記プロセスが、
(a)剥離可能ライナーを、巻かれた形態で供給する工程、
(b)前記剥離可能ライナーがローラーを介して組立体を通過するように前記剥離可能ライナーを広げる工程、
(c)ローラー及びコンベアの組み合わせを介して前記組立体を通して前記剥離可能ライナーをウェブとして引っ張る工程、
(d)アプリケーターを使用して前記剥離可能ライナーの前記ウェブに色彩成分を適用する工程、
(e)前記ウェブが前記ローラーと前記アプリケーターとの間を通過するように前記ローラーに固定されているロッドを使用して、前記ウェブを前記ローラーと前記アプリケーターとの間に通過させる工程、
(f)リザーバから塗料を引き込むポンプからの配管によって多岐管に供給する工程、 (g)前記ウェブ上の塗料を乾燥させて、乾燥色彩成分のシートを形成する工程、
(h)アプリケーターを使用して接着剤を前記乾燥色彩成分のシートの表面に適用する工程、
(i)前記ウェブが前記ローラーと前記アプリケーターとの間を通過するようにローラーに固定されているロッドを使用して、前記ウェブを前記ローラーと前記アプリケーターとの間に通過させる工程、
(j)リザーバから接着剤を引き込むポンプからの配管によって多岐管に供給する工程、
(k)接着剤を含むウェブを、前記装置内で前後移動させるローラーを通して送り、液体接着剤にテクスチャを付与する工程、
(l)任意選択的に前記ウェブをヒーター下に通過させて前記接着剤を乾燥させる工程、
(m)任意選択的に前記ウェブの1以上の縁部に配置された1以上のナイフを介して前記ウェブを切断し、均一な縁部を有する最終物品を提供する工程、
(n)任意選択的に、得られた物品をロールに巻き取る工程、
(o)任意選択的に前記プロセス中に剥離剤をコーティング又は層の形態で提供する工程、
(p)任意選択的に剥離ライナーなしに最終物品の乾燥色彩成分のシートを提供する工程、並びに
(q)任意選択的に前記プロセスにおいて2枚の剥離可能ライナーのウェブを使用する工程
により特徴付けられるプロセス。
【請求項32】
建築表面から乾燥色彩を除去する方法であって、前記方法が、
(a)除去される乾燥色彩のシートを確認する工程、
(b)前記乾燥色彩の接着性が低下するように前記乾燥色彩の露出表面の温度を上昇又は低下させる工程、
(c)任意選択的に前記乾燥色彩の接着性を低下させて、前記乾燥色彩を除去する工程により特徴付けられる方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−107343(P2009−107343A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−307444(P2008−307444)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【分割の表示】特願2003−562210(P2003−562210)の分割
【原出願日】平成14年12月20日(2002.12.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】