袋伏構造物の構築方法
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は、流体や気体の貯蔵手段として適用し得る他、海底や河床に設置される消波堤もしくは魚礁として適用することもでき、さらには、ドーム、テントなどとして用いることもできる袋状構造物を、簡易・迅速に、しかも、品質のばらつきなしに低コストで構築することができる方法に関するものである。
(従来の技術)
可撓膜体をもって構成される従来の長尺袋状構造物としては、据付時および流体封入時に可撓膜体に作用する張力をその全体にわたって十分均一ならしめるべく、第9図9図(a)に斜視図で例示するように、長さ方向の両端部分の外表面形状を、半球状もしくは球の一部をなす形状とし、それらの両端部分の、水平据付面への固定ラインを、第9図(b)に平面図で示すようにほぼ半円形状として構築したものがある。
かかる長尺の袋状構造物は、それを流体貯蔵その他の目的に適用した場合に、そこへ封入した流体圧力を可撓膜体の全体にわたってほぼ均等に分散させることができるので、すぐれた耐久性を発揮することができる。
(発明が解決しようとする課題)
ところが、このような従来方法にあっては、袋状構造物の、長さ方向の両端部分を所要の球面形状とするために、可撓膜体の各端部分を、第9図(c)に平面図で示すような複数の扇形部分に裁断するとともに、それらを貼り合わせて予め立体成形することが必要になるので、可撓膜体の加工工数が多くなって、袋状構造物の構築コストが嵩むという問題があった他、扇形部分の貼り合わせ具合によって、製品品質にばらつきが生じるという問題があり、この一方において、両端部分を立体成形した可撓膜体を、それの運搬の目的で、成形部分にしわその他が生じることのないように折り畳んだり、ロール状に巻回したりすることが難しく、このことは、袋状構造物が大型になるほど重大であって、施工現場への運搬が甚だ困難になるという問題があった。
この発明は、可撓膜体に特別の加工を施すことなしに、耐久性にすぐれた袋状構造物の構築を可能ならしめることにより、従来技術の問題をことごとく解決した構築方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段)
この発明の、袋状構造物の構築方法は、とくに、一定の幅を有する帯状可撓膜体の両側端部を、その長さ方向の両端部分で、据付面に魚尾状に固定するものである。
(作 用)
この構築方法では、帯状可撓膜体の両端部分を、据付面に魚尾状に固定することにより、帯状可撓膜体と据付面との間に封入した流体の圧力を、可撓膜体の両端部分でほぼ均等に分散させて、その可撓膜体、ひいては、袋状構造物の耐久性を十分に向上させることができる。
またここでは、全長にわたって一定の幅を有する帯状可撓膜体をもって袋状構造物を構築することにより、その可撓膜体の両端部分を予め立体成形することに起因する問題をことごとく解決して、袋状構造物を、簡易・迅速に、しかも、品質のばらつきなしに、低コストにて構築することが可能となる。
(実施例)
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明に従って構築した袋状構造物を、内圧封入状態にて示す斜視図であり、図中1は、平坦形状をなす据付面を、2は、その据付面1に固定した帯状可撓膜体をそれぞれ示す。
ここでこの帯状可撓膜体2は、その長さ方向の両端部分Eを除く中央部分を、その有効幅Wより所定幅だけ小さい幅Bにて、その両側端を据付面1に、気密もしくは液密に固定されており、また、両端部分Eにおいては、その両側端の固定間隔が、長さ方向の端縁に向けて次第に広がるよう、これも気密もしくは液密に据付面1に固定されている。
このように構築された袋状構造物では、帯状可撓膜体1の中央部分の横断面形状は、第2図(a)に示すようなほぼ弓形をなし、また、その長さ方向断面形状は、第2図2図(b)に示すように、中央部分では一定の高さを有する一方、両端部分Eにては、その端縁に向かって高さがほぼ直線状に低下する台形状をなす。
ところで、かかる袋状構造物の構築は、第3図(a)に示すように、所要に応じた有効幅Wを有するとともに、それぞれの側端部に固定しろFを有する均一幅の帯状可撓膜体2を、第3図(b)に平面図で示すように、その中央部分においては、有効幅Wより所定幅だけ小さい幅Bで両側端部を相互に平行に据付面1に固定し、また、その両端部分Eにおいては、両側端部の固定間隔を、長さ方向端縁に向けて幅Bから有効幅Wまで次第に増加させて固定し、さらに、その可撓膜体2の両端をもまた据付面1に固定することによって行う。
ここでこの例では、それぞれの端部分Eの、据付面1への固定ラインを、点XおよびYの二個所で直線状に折曲させているが、これらの折曲個所のみにては、帯状可撓膜体2の折曲固定部分に集中する固定歪が大きくなりすぎる場合には、その帯状可撓膜体2の伸縮率、有効幅Wと幅Bとの差、袋状構造物の所要高さ、施工の容易性などを考慮した上で、その固定ラインを曲線状とすること、もしくはそれに近づけることによって、折曲固定部分に集中する固定歪を有効に分散させることができる。
すなわち、全長にわたって一定幅を有する帯状可撓膜体2をその端部分Eで、しわの発生をもたらすことなく立体的に、しかも、気密もしくは液密に固定するためには、その膜体2を幾分伸長させて据付面1に固定することが必要になって、膜体固定ラインの、とくに折曲固定部分への固定歪の集中が不可避であるも、折曲個所を増やして各個の折曲個所での折曲量を小さくした場合には、その固定歪を各折曲個所に有効に分散させて、帯状可撓膜体2、ひいては袋状構造物の耐久性を高めることができる。
ちなみに、模型を用いた検証によれば、上述したようにしてほぼ魚尾状に固定した端部分Eに発生する固定歪の量は、第6図(a)に示すような半円状の端部分を有する可撓膜体を、第6図(b)に示すような半円状固定ラインをもって固定する場合、第7図(a)に示すような曲線状先細り端部分を有する可撓膜体を、第7図(b)に示すような、直角隅部を有する固定ラインをもって固定する場合および、第8図(a)に示すような山形状の端部分を有する可撓膜体を、第8図(b)に示すような山形状固定ラインをもって固定する場合のいずれの場合に比してもはるかに少ない値となった。
またこの一方において、固定歪の大きさは、袋状構造物の高さH、幅Bおよび、端部分Eの長さLによっても相違するので、帯状可撓膜体2の許容伸長量を十分に考慮した上で、それらの寸法H,B,Lを決定することが必要である。
たとえば、5%程度の歪みが許容される可撓膜体2では、H/B=1/5とした場合には、端部分Eの長さを、L≧1/2Bとする必要があることが模型によって確認されており、H/Bが大きくなるほど長さLを長くすることが必要である。
このようにして構成することができる袋状構造物において、帯状可撓膜体2の、据付面1への気密もしくは液密な固定は、たとえば、第4図(a)に示すように、ゴムシート、樹脂シートなどからなる下敷シート3を据付面上に敷設するとともに、その下敷シート上に可撓膜体2を配設し、それらの両者を、適宜の固定手段4によって据付面1に締付固定することにて行うことができ、この場合には、第4図(b)に示すように、ともに凹凸面を有する埋込金具4aと押え金具4bとの間に、可撓膜体2および下敷シート3の両側端部をそれぞれ挟み込んで、それら両者の対向面を相互に密着させることが好ましい。
なおここで、据付面1が、鋼板面、樹脂面などのように十分平滑な面である場合には、帯状可撓膜体2の気密なもしくは液密な固定は、下敷シート3を用いることなしに容易に実現することができる。
以上述べたような袋状構造物によれば、帯状可撓膜体2の固定に際し、そこに作用する固定歪を、前述したようにして有効に分散させることができ、しかも、その帯状可撓膜体2と据付面1との間への封入流体に対しては、流体圧力を、とくには、可撓膜体2の端部分において、大きな受圧面積の下にて、これもまたほぼ均等に分散させることができるので、袋状構造物の耐久性を十分に高めることができる。
またこの方法によれば、全長にわたって一定の幅を有する帯状可撓膜体2を、袋状構造物の構築現場で、適宜に選択された固定ラインに沿って固定することにて、所期した通りの立体形状を有する袋状構造物がもたらされるので、可撓膜体2の両端部分を予め立体成形するための作業工数を全く不要ならしめることができるとともに、その予めの立体成形に起因する品質のばらつきを完全に取り除くことができ、さらには、巻芯上に単純に巻回することのみにて、しわその他の不都合の発生のおそれなしに、可撓膜体2の寸法の大小にほとんど影響されることなく、施工現場へ常に容易に運搬することができる。
第5図は帯状可撓膜体の他の実施例を示す斜視図であり、これは帯状シートを、その厚さ方向の約1/2の位置から切り開くことによって、帯状シートのほぼ2倍の幅を有する帯状可撓膜体2としたものであり、この帯状可撓膜体2は、それぞれの切り開き側縁部を据付面1に、第5図(b)に示すように固定することにより、前述した実施例と同様の袋状構造物をもたらすことができ、このことによってもまた、前述したと同様の効果を奏することができる。
以上この発明の図示例に基づいて説明したが、帯状可撓膜体の両端部分を固定される据付面部分を、その膜体の、長さ方向の端縁に向けて高さが次第に高くなる傾斜面とすることも可能である。
(発明の効果)
かくして、この発明によれば、とくには、一定の幅を有する帯状可撓膜体の両側端部を、その長さ方向の両端部分で、据付面に魚尾状に固定することにより、固定歪および封入流体圧力のそれぞれを十分均等に分散させ得ることはもちろん、帯状可撓膜体を予め立体成形することに起因する不都合を完全に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に従って構築した袋状構造物を例示する斜視図、
第2図は、袋状構造物の、内圧封入状態での断面図、
第3図は、帯状可撓膜体およびその固定状態を示す平面図、
第4図は、帯状可撓膜体の固定様式を例示する断面図、
第5図は、帯状可撓膜体の他の例を示す図、
第6〜8図はそれぞれ、帯状可撓膜体の固定歪についての検証例を示す平面図、
第9図は、従来例を示す図である。
1……据付面、2……帯状可撓膜体
3……下敷シート、4……固定手段
E……端部分、B……幅
W……有効幅
(産業上の利用分野)
この発明は、流体や気体の貯蔵手段として適用し得る他、海底や河床に設置される消波堤もしくは魚礁として適用することもでき、さらには、ドーム、テントなどとして用いることもできる袋状構造物を、簡易・迅速に、しかも、品質のばらつきなしに低コストで構築することができる方法に関するものである。
(従来の技術)
可撓膜体をもって構成される従来の長尺袋状構造物としては、据付時および流体封入時に可撓膜体に作用する張力をその全体にわたって十分均一ならしめるべく、第9図9図(a)に斜視図で例示するように、長さ方向の両端部分の外表面形状を、半球状もしくは球の一部をなす形状とし、それらの両端部分の、水平据付面への固定ラインを、第9図(b)に平面図で示すようにほぼ半円形状として構築したものがある。
かかる長尺の袋状構造物は、それを流体貯蔵その他の目的に適用した場合に、そこへ封入した流体圧力を可撓膜体の全体にわたってほぼ均等に分散させることができるので、すぐれた耐久性を発揮することができる。
(発明が解決しようとする課題)
ところが、このような従来方法にあっては、袋状構造物の、長さ方向の両端部分を所要の球面形状とするために、可撓膜体の各端部分を、第9図(c)に平面図で示すような複数の扇形部分に裁断するとともに、それらを貼り合わせて予め立体成形することが必要になるので、可撓膜体の加工工数が多くなって、袋状構造物の構築コストが嵩むという問題があった他、扇形部分の貼り合わせ具合によって、製品品質にばらつきが生じるという問題があり、この一方において、両端部分を立体成形した可撓膜体を、それの運搬の目的で、成形部分にしわその他が生じることのないように折り畳んだり、ロール状に巻回したりすることが難しく、このことは、袋状構造物が大型になるほど重大であって、施工現場への運搬が甚だ困難になるという問題があった。
この発明は、可撓膜体に特別の加工を施すことなしに、耐久性にすぐれた袋状構造物の構築を可能ならしめることにより、従来技術の問題をことごとく解決した構築方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段)
この発明の、袋状構造物の構築方法は、とくに、一定の幅を有する帯状可撓膜体の両側端部を、その長さ方向の両端部分で、据付面に魚尾状に固定するものである。
(作 用)
この構築方法では、帯状可撓膜体の両端部分を、据付面に魚尾状に固定することにより、帯状可撓膜体と据付面との間に封入した流体の圧力を、可撓膜体の両端部分でほぼ均等に分散させて、その可撓膜体、ひいては、袋状構造物の耐久性を十分に向上させることができる。
またここでは、全長にわたって一定の幅を有する帯状可撓膜体をもって袋状構造物を構築することにより、その可撓膜体の両端部分を予め立体成形することに起因する問題をことごとく解決して、袋状構造物を、簡易・迅速に、しかも、品質のばらつきなしに、低コストにて構築することが可能となる。
(実施例)
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明に従って構築した袋状構造物を、内圧封入状態にて示す斜視図であり、図中1は、平坦形状をなす据付面を、2は、その据付面1に固定した帯状可撓膜体をそれぞれ示す。
ここでこの帯状可撓膜体2は、その長さ方向の両端部分Eを除く中央部分を、その有効幅Wより所定幅だけ小さい幅Bにて、その両側端を据付面1に、気密もしくは液密に固定されており、また、両端部分Eにおいては、その両側端の固定間隔が、長さ方向の端縁に向けて次第に広がるよう、これも気密もしくは液密に据付面1に固定されている。
このように構築された袋状構造物では、帯状可撓膜体1の中央部分の横断面形状は、第2図(a)に示すようなほぼ弓形をなし、また、その長さ方向断面形状は、第2図2図(b)に示すように、中央部分では一定の高さを有する一方、両端部分Eにては、その端縁に向かって高さがほぼ直線状に低下する台形状をなす。
ところで、かかる袋状構造物の構築は、第3図(a)に示すように、所要に応じた有効幅Wを有するとともに、それぞれの側端部に固定しろFを有する均一幅の帯状可撓膜体2を、第3図(b)に平面図で示すように、その中央部分においては、有効幅Wより所定幅だけ小さい幅Bで両側端部を相互に平行に据付面1に固定し、また、その両端部分Eにおいては、両側端部の固定間隔を、長さ方向端縁に向けて幅Bから有効幅Wまで次第に増加させて固定し、さらに、その可撓膜体2の両端をもまた据付面1に固定することによって行う。
ここでこの例では、それぞれの端部分Eの、据付面1への固定ラインを、点XおよびYの二個所で直線状に折曲させているが、これらの折曲個所のみにては、帯状可撓膜体2の折曲固定部分に集中する固定歪が大きくなりすぎる場合には、その帯状可撓膜体2の伸縮率、有効幅Wと幅Bとの差、袋状構造物の所要高さ、施工の容易性などを考慮した上で、その固定ラインを曲線状とすること、もしくはそれに近づけることによって、折曲固定部分に集中する固定歪を有効に分散させることができる。
すなわち、全長にわたって一定幅を有する帯状可撓膜体2をその端部分Eで、しわの発生をもたらすことなく立体的に、しかも、気密もしくは液密に固定するためには、その膜体2を幾分伸長させて据付面1に固定することが必要になって、膜体固定ラインの、とくに折曲固定部分への固定歪の集中が不可避であるも、折曲個所を増やして各個の折曲個所での折曲量を小さくした場合には、その固定歪を各折曲個所に有効に分散させて、帯状可撓膜体2、ひいては袋状構造物の耐久性を高めることができる。
ちなみに、模型を用いた検証によれば、上述したようにしてほぼ魚尾状に固定した端部分Eに発生する固定歪の量は、第6図(a)に示すような半円状の端部分を有する可撓膜体を、第6図(b)に示すような半円状固定ラインをもって固定する場合、第7図(a)に示すような曲線状先細り端部分を有する可撓膜体を、第7図(b)に示すような、直角隅部を有する固定ラインをもって固定する場合および、第8図(a)に示すような山形状の端部分を有する可撓膜体を、第8図(b)に示すような山形状固定ラインをもって固定する場合のいずれの場合に比してもはるかに少ない値となった。
またこの一方において、固定歪の大きさは、袋状構造物の高さH、幅Bおよび、端部分Eの長さLによっても相違するので、帯状可撓膜体2の許容伸長量を十分に考慮した上で、それらの寸法H,B,Lを決定することが必要である。
たとえば、5%程度の歪みが許容される可撓膜体2では、H/B=1/5とした場合には、端部分Eの長さを、L≧1/2Bとする必要があることが模型によって確認されており、H/Bが大きくなるほど長さLを長くすることが必要である。
このようにして構成することができる袋状構造物において、帯状可撓膜体2の、据付面1への気密もしくは液密な固定は、たとえば、第4図(a)に示すように、ゴムシート、樹脂シートなどからなる下敷シート3を据付面上に敷設するとともに、その下敷シート上に可撓膜体2を配設し、それらの両者を、適宜の固定手段4によって据付面1に締付固定することにて行うことができ、この場合には、第4図(b)に示すように、ともに凹凸面を有する埋込金具4aと押え金具4bとの間に、可撓膜体2および下敷シート3の両側端部をそれぞれ挟み込んで、それら両者の対向面を相互に密着させることが好ましい。
なおここで、据付面1が、鋼板面、樹脂面などのように十分平滑な面である場合には、帯状可撓膜体2の気密なもしくは液密な固定は、下敷シート3を用いることなしに容易に実現することができる。
以上述べたような袋状構造物によれば、帯状可撓膜体2の固定に際し、そこに作用する固定歪を、前述したようにして有効に分散させることができ、しかも、その帯状可撓膜体2と据付面1との間への封入流体に対しては、流体圧力を、とくには、可撓膜体2の端部分において、大きな受圧面積の下にて、これもまたほぼ均等に分散させることができるので、袋状構造物の耐久性を十分に高めることができる。
またこの方法によれば、全長にわたって一定の幅を有する帯状可撓膜体2を、袋状構造物の構築現場で、適宜に選択された固定ラインに沿って固定することにて、所期した通りの立体形状を有する袋状構造物がもたらされるので、可撓膜体2の両端部分を予め立体成形するための作業工数を全く不要ならしめることができるとともに、その予めの立体成形に起因する品質のばらつきを完全に取り除くことができ、さらには、巻芯上に単純に巻回することのみにて、しわその他の不都合の発生のおそれなしに、可撓膜体2の寸法の大小にほとんど影響されることなく、施工現場へ常に容易に運搬することができる。
第5図は帯状可撓膜体の他の実施例を示す斜視図であり、これは帯状シートを、その厚さ方向の約1/2の位置から切り開くことによって、帯状シートのほぼ2倍の幅を有する帯状可撓膜体2としたものであり、この帯状可撓膜体2は、それぞれの切り開き側縁部を据付面1に、第5図(b)に示すように固定することにより、前述した実施例と同様の袋状構造物をもたらすことができ、このことによってもまた、前述したと同様の効果を奏することができる。
以上この発明の図示例に基づいて説明したが、帯状可撓膜体の両端部分を固定される据付面部分を、その膜体の、長さ方向の端縁に向けて高さが次第に高くなる傾斜面とすることも可能である。
(発明の効果)
かくして、この発明によれば、とくには、一定の幅を有する帯状可撓膜体の両側端部を、その長さ方向の両端部分で、据付面に魚尾状に固定することにより、固定歪および封入流体圧力のそれぞれを十分均等に分散させ得ることはもちろん、帯状可撓膜体を予め立体成形することに起因する不都合を完全に取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明に従って構築した袋状構造物を例示する斜視図、
第2図は、袋状構造物の、内圧封入状態での断面図、
第3図は、帯状可撓膜体およびその固定状態を示す平面図、
第4図は、帯状可撓膜体の固定様式を例示する断面図、
第5図は、帯状可撓膜体の他の例を示す図、
第6〜8図はそれぞれ、帯状可撓膜体の固定歪についての検証例を示す平面図、
第9図は、従来例を示す図である。
1……据付面、2……帯状可撓膜体
3……下敷シート、4……固定手段
E……端部分、B……幅
W……有効幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】可撓膜体を据付面に気密もしくは液密に固定して、その可撓膜体と据付面との間への流体の封じ込めを可能ならしめる袋状構造物を構築するに当り、一定の幅を有する帯状可撓膜体の両側端部を、その長さ方向の両端部分で、据付面に魚尾状に固定することを特徴とする袋状構造物の構築方法。
【請求項1】可撓膜体を据付面に気密もしくは液密に固定して、その可撓膜体と据付面との間への流体の封じ込めを可能ならしめる袋状構造物を構築するに当り、一定の幅を有する帯状可撓膜体の両側端部を、その長さ方向の両端部分で、据付面に魚尾状に固定することを特徴とする袋状構造物の構築方法。
【第1図】
【第7図】
【第8図】
【第2図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第6図】
【第9図】
【第7図】
【第8図】
【第2図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第6図】
【第9図】
【特許番号】第2746675号
【登録日】平成10年(1998)2月13日
【発行日】平成10年(1998)5月6日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平1−199195
【出願日】平成1年(1989)8月2日
【公開番号】特開平3−69490
【公開日】平成3年(1991)3月25日
【審査請求日】平成8年(1996)7月9日
【出願人】(999999999)株式会社ブリヂストン
【登録日】平成10年(1998)2月13日
【発行日】平成10年(1998)5月6日
【国際特許分類】
【出願日】平成1年(1989)8月2日
【公開番号】特開平3−69490
【公開日】平成3年(1991)3月25日
【審査請求日】平成8年(1996)7月9日
【出願人】(999999999)株式会社ブリヂストン
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