説明

袋詰め装置

【課題】作業者に操作負担を生じさせることなく、スムーズに袋詰めを実行可能な袋詰め装置を提供する。
【解決手段】袋を上方に向けて開口させ、この袋内に被包装物を投入するための袋詰め装置において、ホッパーの内部で揺動可能な板状のフラップを設け、このフラップは、被包装物の投入時以外においては、前記ホッパーの内部を塞ぐ方向に位置して前記ホッパーの下端よりも上方で待機姿勢を取るとともに、被包装物の投入時においては、被包装物に押されて揺動し、前記ホッパーの下端よりも下方まで垂下するように形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、袋を上方に向けて開口させ、この袋内に被包装物を投入するための袋詰め装置に関し、特に、ネギなどの野菜類を袋詰めするための袋詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、袋を上方に向けて開口させ、この袋内に野菜などの被包装物を投入するための袋詰め装置が知られている。具体的には、ホッパーの下に袋をセットし、このホッパーの下の袋を風で開き、ホッパーを通して束ねたネギや葉ショウガ等の野菜を投入して、袋詰めを行う装置が知られている。
【0003】
しかしながら、このような袋詰め装置においては、ホッパーに野菜を投入したときに、野菜の根が袋の口に引っ掛かったり、袋と野菜との摩擦で袋の口がめくれたりすることがあり、野菜の袋詰めがスムーズに実行できないという問題があった。
【0004】
こうした問題を解決する方法としては、例えば袋の口を大きくしてホッパーの下端開口よりも大きく開口させることが考えられる。しかしながら、このような解決策を採った場合、野菜に対して袋が大きくなってしまうため、コスト面や外観上などで問題があり、根本的な解決策とはならない。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1に記載の袋詰め装においては、足踏部を足踏みすることによって、昇降筒や係合板を袋内部に摺動下降させる構成が開示されている。こうした袋詰め装置を使用すれば、袋の開口縁に案内用の筒や板が設けられることになるため、袋の口がめくれたりする可能性は低減できると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−290418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の袋詰め装置では、毎回足踏みで昇降筒や係合板を操作しなければならず、作業負担が大きいものとならざるを得ない。
【0008】
そこで、本発明は、作業者に操作負担を生じさせることなく、スムーズに袋詰めを実行可能な袋詰め装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0010】
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下を特徴とする。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の袋詰め装置は、袋を上方に向けて開口させ、この袋内に被包装物を投入するための袋詰め装置であって、被包装物の投入口として使用される円筒状のホッパーと、前記ホッパーの下方において袋の上端を保持する保持手段と、前記保持手段により保持された袋の開口に向けて送風する送風装置と、を備え、更に、前記ホッパーの内部で揺動可能な板状のフラップを設け、このフラップは、被包装物の投入時以外においては、前記ホッパーの内部を塞ぐ方向に位置して前記ホッパーの下端よりも上方で待機姿勢を取るとともに、被包装物の投入時においては、被包装物に押されて揺動し、前記ホッパーの下端よりも下方まで垂下するように形成したことを特徴とする。
【0012】
ここで「保持手段」は、ホッパーの下方において袋の上端を保持するものであれば良く、例えば、袋の上端付近に設けた孔を係止するための突起などとして設けても良いし、クリップなどとして設けて袋の上端を挟み持つこととしても良い。また、ホッパーや送風装置などと一体的に設けてもよいし、別体として設けてもよい。
【0013】
また、「フラップ」は、ホッパーの内部で揺動可能なものであり、通常時においては待機姿勢を取るものである。具体的には、例えば後述するように、このフラップをホッパーの周側壁に設けられたフラップ挿入孔の開口縁に揺動可能に支持されるように形成し、自重により待機姿勢を取るようにしても良い。この他にも、ホッパーの内周面にフラップを枢着するなどして揺動可能とし、バネやフラップ自身の弾性により待機姿勢を取るように形成しても良い。
【0014】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
【0015】
すなわち、請求項2に記載の袋詰め装置は、前記フラップが、前記ホッパーの周側壁に設けられたフラップ挿入孔を貫通することにより、前記フラップ挿入孔の開口縁に揺動可能に支持されており、自重により前記待機姿勢を取るように形成されていることを特徴とする。
【0016】
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は2に記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
【0017】
すなわち、請求項3に記載の袋詰め装置は、前記フラップを互いに干渉しないように複数設けるとともに、最も長いフラップを前記保持手段と対向する位置に設けたことを特徴とする。
【0018】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
【0019】
すなわち、請求項4に記載の袋詰め装置は、前記ホッパーは、下方に行くに従って先細りとなる円筒状であり、かつ、その所定の側壁部が鉛直方向に設けられたものであって、前記フラップを互いに干渉しないように複数設けるとともに、最も長いフラップを前記所定の側壁部に設けたことを特徴とする。
【0020】
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
【0021】
すなわち、請求項5に記載の袋詰め装置は、袋詰めに使用される袋は、上端に設けられた保持部から本体を切り離し可能に形成されるとともに、複数枚重ねて使用されるものであって、前記袋の保持部を係止する係止突起と、前記送風装置が送風する位置に前記袋の本体を付勢する押付金具と、を備えていることを特徴とする。
【0022】
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項1〜5のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
【0023】
すなわち、請求項6に記載の袋詰め装置は、前記ホッパーが、下方に行くに従って先細りとなる円筒状であり、前記送風装置の送風ノズルは、前記ホッパー内に設けられるとともに、鉛直方向に投影したときに前記ホッパーの下端開口と重ならない位置に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、被包装物の投入時においては、フラップが被包装物に押されて揺動し、ホッパーの下端よりも下方まで垂下するように形成されている。このため、被包装物が投入されると、フラップが袋の開口縁の内側にまで垂れ下がるため、袋の開口に被包装物が引っ掛かることがないように形成されている。そして、被包装物が通過した後には、フラップがホッパーの内部を塞ぐ方向に位置してホッパーの下端よりも上方で待機姿勢を取るように形成されている。このため、フラップは、ホッパーの下方に保持された袋の開口を妨げることがないようになっている。すなわち、請求項1に記載の袋詰め装置は、フラップが自動的に揺動して、袋の開口に被包装物が引っ掛かることを防止するとともに、待機時においては袋の開口を妨げないようになっており、作業者に操作負担を生じさせることなくスムーズに袋詰めを実行できるものとなっている。
【0025】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、フラップが自重により前記待機姿勢を取るように形成されているため、バネなどの特別な機構を用いることなくフラップの動作機構を構成することができる。
【0026】
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、最も長いフラップを前記保持手段と対向する位置に設けたため、袋の保持場所から最も遠い位置に最も長いフラップが設けられており、言い換えると、最も被包装物が引っ掛かり易い位置に最も長いフラップが設けられている。このため、効果的に被包装物の引っ掛かりを防止することができる。
【0027】
また、請求項4に記載の発明は上記の通りであり、ホッパーが下方に行くに従って先細りとなる円筒状となっているため、被包装物の投入口である上端開口が大きく形成されており、被包装物の投入が容易となっている。しかも、鉛直方向に設けられたホッパーの側壁部に最も長いフラップを設けたため、この長いフラップが被包装物に押されて揺動したときに鉛直方向を向くようになっており、揺動した長いフラップが被包装物の通り道を塞がないようになっている。このため、効果的に被包装物の引っ掛かりを防止しつつも、スムーズに袋詰めを実行できるものとなっている。
【0028】
また、請求項5に記載の発明は上記の通りであり、送風位置に袋の本体を付勢するようになっているため、確実に袋の開口に送風できるようになっている。しかも、切り離される袋の本体を前方へ付勢するように形成されているため、本体が切り離されて袋の枚数が少なくなった場合でも、残っている袋を前方へ押し出すことができるため、この残っている袋の開口に確実に送風できるようになっている。
【0029】
また、請求項6に記載の発明は上記の通りであり、先細り円筒状のホッパー内に送風装置の送風ノズルを設け、しかも、この送風ノズルを鉛直方向に投影したときにホッパーの下端開口と重ならない位置に配置されるようにしたため、ホッパーの下端開口の鉛直上方に送風ノズルを設ける必要がない。このため、ホッパーの下端開口の鉛直上方を被包装物が通過する経路とした場合、この経路上に送風ノズルが存在しないため、被包装物をスムーズに投入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態であって、袋詰め装置の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、図1の拡大透視図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、袋詰め装置の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、袋詰め装置の側面断面図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、袋詰め装置の使用状態を示す図であって、フラップの待機状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態であって、袋詰め装置の使用状態を示す図であって、被包装物がフラップを押し下げ途中の状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態であって、袋詰め装置の使用状態を示す図であって、被包装物がフラップを押し下げた状態を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態であって、袋詰め装置の使用状態を示す図であって、被包装物が袋内に入った状態を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態であって、袋詰め装置に使用される袋の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
【0032】
図1に示すように、本実施形態に係る袋詰め装置10は、おおまかに、袋300の開口302に向けて送風するための送風装置50と、送風装置50の側面から垂れ下がるように固定される先細り円筒状のホッパー30と、からなるものである。
【0033】
そして、この袋詰め装置10は、図1に示すように、台100の上に固定されて使用されるものである。詳しくは、送風装置50の筺体は、前述したホッパー30が台100の縁から突出するように台100の上に載置される。そして、送風装置50の下部は固定金具20を用いて台100の縁に固定され、この状態で使用されるものである。
【0034】
(送風装置50)
送風装置50は、後述の保持手段としての押付金具40と係止突起53とにより保持された袋300の開口302に向けて送風を行うためのものであり、図1に示すように、筺体と、この筺体の一側面から外側下方に突出した送風ノズル51と、を備えている。
【0035】
図4に示すように、送風ノズル51の先端部には送風口52が設けられており、筺体内のファン54が作動したときにこの送風口52からエアが吹き出すように形成されている。
【0036】
なお、送風ノズル51の裏面側には、袋300を係止するための係止突起53が設けられており、この係止突起53に袋300の係止孔305を引っ掛けることができるようになっている。そして、この係止突起53に袋300を引っ掛けた状態で、後述する押付金具40が袋300を押圧することで、袋300が係止突起53から外れないように形成されている。すなわち、この係止突起53と押付金具40とで、ホッパー30の下方において袋300の上端を保持するようになっており、この係止突起53と押付金具40とが請求項に言う保持手段を形成している。そして、このように保持された袋300は、その開口302が送風口52の真下にくるようになっており、これにより、送風装置50が袋300の開口302に向けて送風するようになっている。
【0037】
(ホッパー30)
ホッパー30は、被包装物300の投入口として使用されるものであって、図1に示すように、下方に行くに従って先細りとなる円筒状の部材である。具体的には、上方開口が被包装物200を投入するための投入口31を形成し、この投入口31に投入された被包装物200は下端開口34から排出されるようになっている。これにより、投入された被包装物200を下端開口34の下部に保持された袋300に導くように形成されている。
【0038】
このホッパー30は、図1に示すように、送風ノズル51を覆うように送風装置50に固定されている。このとき、送風ノズル51は、図3及び図4が示すように、真上から見たときに、ホッパー30の下端開口34と重ならない位置に配置されるようになっている。このため、ホッパー30の下端開口34の鉛直上方に送風ノズル51が設けられていないこととなっており、被包装物200の通過経路上に送風ノズル51が存在しないため、被包装物200をスムーズに投入することができるようになっている。
【0039】
また、このホッパー30は、送風ノズル51側と逆側の側面が、図4に示すように、袋詰め装置10を水平な台100上に載置したときに鉛直となるように形成されている。そして、この鉛直な側壁部には、後述する長フラップ60を挿入可能な水平な長孔として、長フラップ挿入孔32が形成されている。また、この長フラップ挿入孔32から見て左右の側壁部には、後述する短フラップ70を挿入可能な水平な長孔として、短フラップ挿入孔33が形成されている。
【0040】
(フラップ60、70)
本実施形態に係る袋詰め装置10は、ホッパー30の内部で揺動可能な板状のフラップを3つ備えている。詳しくは、1つの長フラップ60と、2つの短フラップ70と、を備えている。
【0041】
長フラップ60は、前述した長フラップ挿入孔32を貫通するように設けられることにより、この長フラップ挿入孔32の開口縁に揺動可能に支持されるものである。この長フラップ60は、図2〜4に示すように、略中央で屈折した略L字形の金具であり、図2に示すように、屈折部分を間に挟んで錘片61と内舌片62とを形成している。
【0042】
この長フラップ60は、屈折部分が山部となるように長フラップ挿入孔32に挿入され、錘片61がホッパー30の外側に突出し、内舌片62がホッパー30の内側に突出するようになっている。このため、この長フラップ60は、屈折部分を支点として長フラップ挿入孔32の開口縁に揺動可能に支持されることになっている。
【0043】
なお、この長フラップ60は、錘片61の方が内舌片62よりも重くなるように形成されているため、自由な状態(被包装物200の投入時以外)においては錘片61が可能な限り下方に垂下するようになっている。言い換えると、内舌片62は可能な限り上へ持ち上げられるように形成されており、このとき、内舌片62はホッパー30の下端開口34よりも上方で待機姿勢を取るようになっている。
【0044】
短フラップ70は、前述した2つの短フラップ挿入孔33のそれぞれを貫通するように設けられ、それぞれの短フラップ挿入孔33の開口縁に揺動可能に支持されるものである。この短フラップ70は、図2〜4に示すように、略中央で屈折した略L字形の金具であり、図2に示すように、屈折部分を間に挟んで錘片71と内舌片72とを形成している。
【0045】
この短フラップ70は、屈折部分が山部となるように短フラップ挿入孔33に挿入され、錘片71がホッパー30の外側に突出し、内舌片72がホッパー30の内側に突出するようになっている。このため、この短フラップ70は、屈折部分を支点として短フラップ挿入孔33の開口縁に揺動可能に支持されることになっている。
【0046】
なお、この短フラップ70は、錘片71の方が内舌片72よりも重くなるように形成されているため、自由な状態(被包装物200の投入時以外)においては錘片71が可能な限り下方に垂下するようになっている。言い換えると、内舌片72は可能な限り上へ持ち上げられるように形成されており、このとき、内舌片72はホッパー30の下端開口34よりも上方で待機姿勢を取るようになっている。
【0047】
なお、図3に示すように、各フラップ60,70は、それぞれが互いに干渉しないように設けられており、揺動したときに触れることがないように形成されている。
【0048】
(押付金具40)
押付金具40は、前述した係止突起53と相俟ってホッパー30の下方において袋300の上端を保持するためのものである。
【0049】
この押付金具40は、図4に示すように、バネ41により前方へ付勢されており、係止突起53に係止された袋300を前方へ付勢している。具体的には、図2に示すように、押付金具40の中程には半円弧状の保持部42が設けられており、この保持部42が、ホッパー30の外周面に沿うように袋300を前方へ押し付けるように形成されている。また、押付金具40の先端には押圧片43が設けられており、この押圧片43が、袋300の開口302付近をやや前方へ突出するように付勢して、開口302が送風を受けやすいようにしている。
【0050】
ところで、本実施形態に係る袋詰め装置10で使用される袋300は、図9に示すように、袋部分を形成する本体301と、この本体301の上端に設けられた保持部303と、からなる。そして、本体301と保持部303との間にミシン目304が入っており、両者を切り離し可能に形成されている。本実施形態に係る袋詰め装置10は、この袋300を複数枚重ねて使用する。このため、被包装物200を袋詰め装置10に投入して、この被包装物200が袋300に入ると、この被包装物200の重みでミシン目304を境に本体301が切り離されて下へ落下するようになっており、次の袋300の本体301が最前面に押し出されるようになっている。そして、この最前面の袋300の本体301は、前記した押付金具40の押圧片43に前方へ付勢されているため、本体301がどんどん切り離されて袋300の枚数が少なくなった場合でも、残っている袋300のうちの最前面の袋300の開口302に確実に送風されて、袋300が開口するようになっている。すなわち、図9に示すように、本実施形態においては、押付金具40の保持部42と押付金具43とは、ミシン目304よりも下方において袋300を前方へ付勢している。このため、使用しているうちに切り取られて厚みが薄くなった分だけ、袋300を前方に押し出すことができるようになっており、袋が少なくなっても袋300の開口302に確実に送風されて、袋300が開口するようになっている。
【0051】
(袋詰め装置10の動作説明)
次に、袋詰め装置10の動作について説明する。
【0052】
図4は、袋詰め装置10の側面断面図であり、送風の様子を示している。この図4が示すように、袋300は下方がやや前方へ押し出されるように斜めに保持されており、更に、開口302付近が押付金具40の押圧片43に前方へ付勢されている。このため、重ねられた袋の最前列の袋300のちょうど開口302縁の部分に、送風ノズル51から吹き出した風が当たるようになっている。このため、最前列の袋300は送風により開口し、ホッパー30の下端開口34の下で袋300が開口するように形成されている。
【0053】
図5〜8は、袋詰め装置10に被包装物200を投入したときのフラップ60,70の作動状態を説明するための図であって、これを時系列順に並べたものである。以下、これらの図を基に袋詰め装置10の作動状態を説明する。
【0054】
まず、図5は、フラップ60,70の待機状態を示す説明図である。この図5が示すように、待機状態においては、長フラップ60の内舌片62、及び短フラップ70の内舌片72は、ともに自重により上方に持ち上げられて、ホッパー30の内部を塞ぐ方向に位置してホッパー30の下端開口34よりも上方で待機姿勢を取っている。
【0055】
この状態で、束ねたネギや葉ショウガ等の被包装物200を投入すると、図6に示すように、内舌片62,72が被包装物200の下方先端に当接し、徐々に下方へと押し込まれる。
【0056】
さらに被包装物200がホッパー30内を下へ移動すると、図7に示すように、内舌片62,72の先端が更に下方へと揺動し、この内舌片62,72の先端がホッパー30の下端開口34よりも下方まで垂下することとなる。なお、長フラップ60はホッパー30の鉛直な側面に設けられているため、長フラップ60の内舌片62は略鉛直方向へと垂れ下がるようになっており、被包装物200の通過軌道上に内舌片62が突出することがないように形成されている。
【0057】
この状態で被包装物200がホッパー30内を通過する際には、図8に示すように、袋300の開口302縁の内側に内舌片62,72がくるようになっており、被包装物200が袋300の開口302縁に触れないようになっている。
【0058】
そして、被包装物200がホッパー30内を完全に通過した後は、最前列の袋300の本体301は、ミシン目304から切り離されて落下し、その後、図5で示した待機状態に戻り、以後、上記した図5〜8の作動を繰り返す。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る袋詰め装置10によれば、被包装物200の通過時においては、フラップ60,70の内舌片62,72が被包装物200に押されて揺動し、ホッパー30の下端開口34よりも下方まで垂下するように形成されている。このため、フラップ60,70の内舌片62,72が袋300の開口302縁内側にまで垂れ下がり、袋300の開口302に被包装物200が引っ掛かることがないように形成されている。そして、被包装物200が通過した後には、フラップ60,70の内舌片62,72がホッパー30の内側に持ち上がってホッパー30の下端開口34よりも上方で待機姿勢を取るように形成されている。このため、フラップ60,70の内舌片62,72が、ホッパー30の下方に保持された袋300の開口を妨げることがないようになっている。このように、本実施形態に係る袋詰め装置10は、フラップ60,70が自動的に揺動して、袋300の開口302に被包装物200が引っ掛かることを防止するとともに、袋300の開口を妨げないようになっており、作業者に操作負担を生じさせることなくスムーズに袋詰めを実行できるものとなっている。
【0060】
また、前記したフラップ60,70は、自重により前記待機姿勢を取るように形成されているため、バネなどの特別な機構を用いることなくフラップ60,70の動作機構を構成することができる。
【0061】
また、ホッパー30が下方に行くに従って先細りとなる円筒状となっているため、被包装物200の投入口31が大きく形成されており、被包装物200の投入が容易なものとなっている。
【0062】
また、長フラップ60を、袋300が保持される側と対向する側のホッパー30の側面に設けたため、袋300の保持場所から最も遠い位置に最も長フラップ60が設けられており、言い換えると、最も被包装物200が引っ掛かり易い位置に長フラップ60が設けられている。このため、効果的に被包装物200の引っ掛かりを防止することができる。
【0063】
また、この長フラップ60が設けられたホッパー30の側面は鉛直となるように形成されているため、長フラップ60が被包装物200に押されて揺動したときに鉛直方向を向くようになっており、揺動した長フラップ60が被包装物200の通り道を塞がないようになっている。
【0064】
なお、上記した実施形態においては、押付金具40と係止突起53とで袋300を保持することとしたが、これに限らない。すなわち、クリップなどを設けて袋300を保持することとしても良いし、別体の保持手段により袋300を保持することとしても良い。
【0065】
また、上記した実施形態においては、フラップ60,70を略L字形の金具で形成したが、これに限らない。すなわち、直板状のフラップをホッパー30の内周面に枢着するようにしてフラップを揺動可能としても良い。
【0066】
また、上記した実施形態においては、フラップ60,70は自重により待機姿勢を取ることとしたが、これに限らない。すなわち、バネやフラップ自身の弾性により待機姿勢を取るように形成しても良い。
【符号の説明】
【0067】
10 袋詰め装置
20 固定金具
30 ホッパー
31 投入口
32 長フラップ挿入孔
33 短フラップ挿入孔
34 下端開口
40 押付金具(保持手段)
41 バネ
42 保持部
43 押圧片
50 送風装置
51 送風ノズル
52 送風口
53 係止突起(保持手段)
54 ファン
60 長フラップ
61 錘片
62 内舌片
70 短フラップ
71 錘片
72 内舌片
100 台
200 被包装物
300 袋
301 本体
302 開口
303 保持部
304 ミシン目
305 係止孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋を上方に向けて開口させ、この袋内に被包装物を投入するための袋詰め装置であって、
被包装物の投入口として使用される円筒状のホッパーと、
前記ホッパーの下方において袋の上端を保持する保持手段と、
前記保持手段により保持された袋の開口に向けて送風する送風装置と、
を備え、
更に、前記ホッパーの内部で揺動可能な板状のフラップを設け、このフラップは、被包装物の投入時以外においては、前記ホッパーの内部を塞ぐ方向に位置して前記ホッパーの下端よりも上方で待機姿勢を取るとともに、被包装物の投入時においては、被包装物に押されて揺動し、前記ホッパーの下端よりも下方まで垂下するように形成したことを特徴とする、袋詰め装置。
【請求項2】
前記フラップは、前記ホッパーの周側壁に設けられたフラップ挿入孔を貫通することにより、前記フラップ挿入孔の開口縁に揺動可能に支持されており、自重により前記待機姿勢を取るように形成されていることを特徴とする、請求項1記載の袋詰め装置。
【請求項3】
前記フラップを互いに干渉しないように複数設けるとともに、最も長いフラップを前記保持手段と対向する位置に設けたことを特徴とする、請求項1又は2記載の袋詰め装置。
【請求項4】
前記ホッパーは、下方に行くに従って先細りとなる円筒状であり、かつ、その所定の側壁部が鉛直方向に設けられたものであって、
前記フラップを互いに干渉しないように複数設けるとともに、最も長いフラップを前記所定の側壁部に設けたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の袋詰め装置。
【請求項5】
袋詰めに使用される袋は、上端に設けられた保持部から本体を切り離し可能に形成されるとともに、複数枚重ねて使用されるものであって、
前記保持手段は、前記袋の保持部を係止する係止突起と、前記送風装置が送風する位置に前記袋の本体を付勢する押付金具と、を備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の袋詰め装置。
【請求項6】
前記ホッパーは、下方に行くに従って先細りとなる円筒状であり、
前記送風装置の送風ノズルは、前記ホッパー内に設けられるとともに、鉛直方向に投影したときに前記ホッパーの下端開口と重ならない位置に配置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の袋詰め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−168280(P2011−168280A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30917(P2010−30917)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】