被介護者動作検出装置
【課題】被介護者の離床準備動作を速やかに報知できると共に、センサ部を所望位置に配置させることが容易で使い勝手がよく、しかも目立たぬように設置できてトラブルを招来しにくい被介護者動作検出装置を提供する。
【解決手段】被介護者動作検出装置1は、被介護者15のベッド20の頭部側フレーム21に取り付けられた取付台座3と、取付台座3のガイド溝3aにスライド移動可能な係合状態で支持されたセンサ収納体6と、収納体6の内部に収納されたPSDセンサ7と、該センサ7の出力信号に基づいて被介護者15が離床準備動作中であるか否かを判定するコントローラ9とを備えている。ガイド溝3aはベッド20の幅方向に沿って延在しており、止め具8がセンサ収納体6のスライド移動を阻止している。PSDセンサ7はベッド20上の特定の場所における被検出体の有無を検知し、コントローラ9は被介護者15が離床準備動作中であると判定したときに報知信号を出力する。
【解決手段】被介護者動作検出装置1は、被介護者15のベッド20の頭部側フレーム21に取り付けられた取付台座3と、取付台座3のガイド溝3aにスライド移動可能な係合状態で支持されたセンサ収納体6と、収納体6の内部に収納されたPSDセンサ7と、該センサ7の出力信号に基づいて被介護者15が離床準備動作中であるか否かを判定するコントローラ9とを備えている。ガイド溝3aはベッド20の幅方向に沿って延在しており、止め具8がセンサ収納体6のスライド移動を阻止している。PSDセンサ7はベッド20上の特定の場所における被検出体の有無を検知し、コントローラ9は被介護者15が離床準備動作中であると判定したときに報知信号を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに横たわっていることが多い被介護者の離床動作を未然に検出して転落事故や徘徊を防止するための被介護者動作検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば認知症でベッドに横たわっていることが多い被介護者は、歩行が困難であるにも拘らずベッドから離床しようとして転落したり、看護士等の介護者の気付かぬ間に離床して徘徊し事故に遭遇する可能性がある。そこで従来より、焦電型赤外線センサを備えた検出装置をベッドの近傍に設置し、被介護者がベッド上で起き上がって離床しようとした場合、この被介護者から放出される微弱な赤外線を検知して離床準備動作の有無が判定できるようにした被介護者動作検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる従来の被介護者動作検出装置では、ベッド上で上半身を起こした被介護者の首や頭部から放出される微弱な赤外線を検知できる高さ位置に焦電型赤外線センサを固定しておき、この焦電型赤外線センサで検知された信号をCPU(中央演算処理装置)に入力する。そして、このCPUが、焦電型赤外線センサの出力信号(出力波形)を閾値との関係で解析処理することによって被介護者の動作を判定し、離床準備動作と判定した場合には、無線通信や通信回線を介して最寄りの介護者に報知できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−77908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来の被介護者動作検出装置は、被介護者のベッドの近傍で該ベッドの全高よりもやや高い位置に据え付けられるため目立ちやすく、それゆえ被介護者にとって該検出装置が監視カメラや不審物などと認識される虞があった。その場合、被介護者に不快感を与えてしまうため、被介護者動作検出装置が病状を悪化させる要因ともなりかねず、さらに、被介護者が怒って該検出装置を破損しようと危険な行為を試みることも十分に考えられる。また、被介護者が該検出装置を口に入れてしまうという危険性もある。
【0006】
また、かかる従来の被介護者動作検出装置は、ベッド上の所定の高さで被介護者から放出される微弱な赤外線を検出し、その検出信号の出力波形を解析することによって被介護者の動作を判定するというものなので、複雑な判定処理回路が必要で判定結果の出力に若干の時間を要するという問題があった。つまり、レスポンス(応答性)が若干遅いため、被介護者の離床準備動作を検出したときに介護者への報知が遅れて転落事故等を防止できない虞があった。
【0007】
また、かかる従来の被介護者動作検出装置では、上記の如くセンサ部(焦電型赤外線センサ)の出力波形に基づく複雑な判定処理を行う関係上、センサ部の設置場所を慎重に選定しなければならないが、被介護者のベッド周りの環境はさまざまであり、センサ部を所望位置に設置できないこともある。また、被介護者のベッドの位置が変更された場合には、センサ部を新たな位置に設置し直すために煩雑な作業を余儀なくされることになる。それゆえ、かかる従来の被介護者動作検出装置は、介護現場の多様な環境に対応させにくいという使い勝手の悪さがあった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、被介護者の離床準備動作を速やかに報知できると共に、センサ部を所望位置に配置させることが容易で使い勝手がよく、しかも目立たぬように設置できてトラブルを招来しにくい被介護者動作検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の被介護者動作検出装置は、被介護者のベッドの頭部側フレームに取り付けられた取付台座と、この取付台座に装着されたセンサ収納体と、このセンサ収納体の内部に収納されて所定方向に存する被検出体までの距離に応じた信号を出力可能な距離センサと、この距離センサの出力信号に基づき前記被介護者が離床準備動作中であるか否かを判定し、離床準備動作中と判定したときに報知信号を出力する判定通報手段とを備え、かつ、前記取付台座に前記ベッドの幅方向に沿って延在するガイド部が設けられており、前記センサ収納体が前記延在方向へスライド移動可能な係合状態で前記ガイド部に支持されていると共に、前記センサ収納体の前記スライド移動を阻止する止め具が前記取付台座に取着されているという構成にした。
【0010】
このように構成された被介護者動作検出装置は、ベッド上の特定の場所で行われる被介護者の離床準備動作を距離センサの出力信号に基づいて検出する。すなわち、通常、被介護者のベッドの両側部には落下防止用のサイドガードが付設されており、被介護者がベッドから離床できる場所は限定されている。また、実際にはベッドの配置や被介護者の習性などにより、ベッドのいずれか一方の側部だけから離床しようとすることが非常に多い。したがって、被介護者がベッド上に起き上がって離床準備動作を始めると、普段は被検出体が存しないベッド上の特定の場所に被介護者の上半身が存するようになる。それゆえ、この特定の場所における被検出体の有無を距離センサで検知すれば、被介護者の離床準備動作を検出できることになり、よって判定通報手段は複雑な解析処理を行わなくても、被介護者が離床準備動作中であるか否かを瞬時に判定することができ、最寄りの介護者への報知が迅速に行える。
【0011】
また、この被介護者動作検出装置は、取付台座がベッドの頭部側フレームに固定されていると共に、距離センサを収納したセンサ収納体が取付台座に装着されているため、これら取付台座やセンサ収納体をベッドの一部ないし装飾物に見立てた外観に形成するなどして、該検出装置を目立たぬように設置することが容易である。なお、該検出装置をベッドの足元側フレームに固定して使用することも不可能ではないが、被介護者のベッドの足元側には布団類が積み上げられていることが多いため、距離センサの前方視界が塞がれる可能性が極めて高くなってしまい好ましくない。
【0012】
また、この被介護者動作検出装置は、距離センサを収納したセンサ収納体が、ベッドの幅方向に沿ってスライド移動可能な係合状態で取付台座のガイド部に支持されているため、被介護者が離床準備動作を行う特定の場所に応じた所望位置に距離センサを配置させることが容易であり、センサ収納体の固定も止め具によって簡単に行えるので、使い勝手がよい。また、該検出装置はベッドに直接取り付けられているため、ベッド周りの環境に制約されにくく、ベッドの位置が変更された場合でも、該検出装置を新たに取り付け直す必要はない。
【0013】
上記の構成において、距離センサが、光源と半導体位置検出素子(PSD素子)とを備えたPSDセンサであると、レスポンスが非常に速くて高分解能かつ小型の距離センサによって、ベッド上の特定の場所における被検出体の有無を検知できるようになるため、検出精度ならびに報知の迅速性を高めることができて好ましい。この場合において、センサ収納体が、PSDセンサを収納して位置決め可能な本体部と、この本体部に嵌め込まれてPSDセンサを保持可能な保持部とを組み合わせて構成され、本体部にPSDセンサの光源と半導体位置検出素子を臨出させるための透孔が形成されていると共に、この本体部の外方へ突出する保持部の一部が取付台座のガイド部にスライド移動可能に係合していると、PSDセンサの機能を損なわずに収納・保持できてガイド部に沿うスライド移動も円滑に行える簡素な構造のセンサ収納体が容易に実現できる。
【0014】
また、上記の構成において、ガイド部が蟻溝状のガイド溝として形成されていると共に、このガイド溝と摺動可能に嵌合する脚部がセンサ収納体に突設されていると、センサ収納体が脱落の虞なくガイド溝の延在方向に沿ってスライド移動可能となるため好ましい。この場合において、止め具が自身の弾性でガイド溝に圧着される構成にすると、センサ収納体を所定位置に固定する際に、脚部と隣接する位置でガイド溝に止め具を圧着させるだけでよいため、距離センサを所望位置に配置させる作業が極めて容易に行えるようになる。ただし、取付台座のガイド部はガイド溝に限定されるわけではなく、例えば、ガイド部として取付台座に設けたガイドレールやガイドシャフトにセンサ収納体をスライド移動可能に係合させるという構成にすることも可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の被介護者動作検出装置によれば、ベッド上の特定の場所で行われる被介護者の離床準備動作を、PSDセンサ等の距離センサの出力信号に基づいて判定通報手段が検出する。そのため、複雑な解析処理を行わなくても、被介護者が離床準備動作中であるか否かを瞬時に判定することができ、最寄りの介護者への報知が迅速に行える。つまり、この被介護者動作検出装置はレスポンス(応答性)が速いため、被介護者が離床準備動作を始めたときに、手遅れにならないうちに介護者が急行できて実用的価値が高い。また、この被介護者動作検出装置は、取付台座がベッドの頭部側フレームに固定されていると共に、距離センサを収納したセンサ収納体が取付台座に装着されているため、これら取付台座やセンサ収納体をベッドの一部ないし装飾物に見立てた外観に形成するなどして、目立たぬように設置することが容易であり、それゆえトラブルを招来しにくい。また、この被介護者動作検出装置は、センサ収納体がベッドの幅方向に沿ってスライド移動可能な係合状態で取付台座のガイド部に支持されているため、被介護者が離床準備動作を行う特定の場所に応じた所望位置に距離センサを配置させることが容易であり、センサ収納体の固定も止め具によって簡単に行えるので、使い勝手がよい。また、この被介護者動作検出装置は、ベッドに直接取り付けられてベッド周りの環境に制約されにくいため、介護現場の多様な環境に対応させやすくなり、この点でも使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態例に係る被介護者動作検出装置の使用例を示す説明図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】該検出装置の全体構成を示す側面図である。
【図4】該検出装置の上面図である。
【図5】該検出装置の下面図である。
【図6】該検出装置のセンサ収納体を示す外観図である。
【図7】距離センサを収納した該センサ収納体の断面図である。
【図8】該センサ収納体の側面図である。
【図9】該センサ収納体から保持部を取り外して距離センサを露出させた状態を示す要部下面図である。
【図10】図9において距離センサを取り外した状態を示す要部下面図である。
【図11】距離センサを図示省略した該センサ収納体の要部正面図である。
【図12】図11のA−A線に沿う断面図である。
【図13】図11のB−B線に沿う断面図である。
【図14】該センサ収納体を固定するために用いられる止め具の上面図である。
【図15】該止め具の側面図である。
【図16】該止め具の正面図である。
【図17】該検出装置の検出動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】該センサ収納体の変形例を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態例を図面を参照して説明する。図1〜図5に示すように、本実施形態例に係る被介護者動作検出装置1は、被介護者15のベッド20の頭部側フレーム21に取り付けて使用される。この検出装置1は、認知症などでベッド20に横たわっていることが多い被介護者15の離床動作を未然に検出して、転落事故や徘徊を防止するためのものである。
【0018】
まず、被介護者動作検出装置1の全体構成について説明する。この検出装置1は、取付金具2を用いてベッド20の頭部側フレーム21に固定された取付台座3(図3参照)と、取付台座3のガイド溝3aに係合する保持部4を角柱状の本体部5に嵌め込んで組み立てられたセンサ収納体6(図6参照)と、センサ収納体6の内部に収納されたPSD(Position Sensitive Detector)センサ7(図7参照)と、ガイド溝3aに圧着されてセンサ収納体6のスライド移動を阻止している止め具8(図4参照)と、ケーブル10を介してPSDセンサ7と電気的に接続されたコントローラ9(図3参照)とによって主に構成されている。
【0019】
取付台座3は、その凹所3bにベッド20の頭部側フレーム(ヘッドボード)21を遊挿して該フレーム21に被せた後、裏面側から取付金具2を締め付けることによって該フレーム21に強固に取り付けられている。この取付台座3は頭部側フレーム21と同様に木材を加工して形成されており、該フレーム21に被せた状態で取付台座3の長手方向がベッド20の幅方向となり、かつ取付台座3の長手寸法はベッド20の幅寸法と略同等に設定されている。それゆえ、この取付台座3は、頭部側フレーム21に取り付けると該フレーム21のカバーのような外観を呈する。また、取付台座3の上面部には、その長手方向に沿って直線状に延びるガイド溝3aが刻設されている。図2に示すように、ガイド溝3aの断面形状は上辺よりも下辺が長い台形状で奥側が拡幅されているため、このガイド溝3aはいわゆる蟻溝となっている。
【0020】
センサ収納体6を構成している本体部5と保持部4も木材を加工して形成されており、本実施形態例では、センサ収納体6の外観が玩具の列車を模したものとなっている。図6〜図13に示すように、センサ収納体6の本体部5の中央部には、PSDセンサ7が組み込まれる収納室5aが設けられており、本体部5の前面側(ベッド20上を臨む側)の壁部には、PSDセンサ7の光源(LED)7aと半導体位置検出素子(PSD素子)7bを臨出させるための一対の透孔5bが穿設されている。また、保持部4には、収納室5aの一部に嵌め込まれる板状部4aと、板状部4aから下方へ突出する断面視台形状の脚部4bとが形成されている。板状部4aは収納室5a内でPSDセンサ7を保持しており、脚部4bはガイド溝3aと摺動可能に嵌合している。
【0021】
本体部5の収納室5aにPSDセンサ7を組み込む際には、まず、本体部5を天地逆向きにして、透孔5bと対向する内壁面5c(図10参照)に沿ってPSDセンサ7を収納室5a内の最奥まで挿入した後、該内壁面5cから離れる向きにPSDセンサ7をスライドさせることによって、図9に示すように該センサ7の耳部7cを収納室5aの位置決め部5dに押し当てる。これにより、PSDセンサ7が収納室5a内で前後方向および横方向に位置決めされるため、光源7aと半導体位置検出素子7bをそれぞれ対応する透孔5bに臨出させることができる。しかる後、保持部4の板状部4aを収納室5aの内壁面5c沿いの空間に差し込んで嵌着させることによって、図7に示すようにPSDセンサ7が上下方向にも位置決めされるため、該センサ7は所定位置に保持された状態となり、かつ、保持部4と本体部5とが一体化されるためセンサ収納体6の組立ても完了する。なお、このセンサ収納体6は列車を模して形成されているため、本体部5の前後の壁面に透孔5bに似せた複数の盲穴5eが列状に刻設されている。これら盲穴5eは透孔5bも含めて視覚的に列車の窓をイメージさせる役割を果たしているが、盲穴5e自体は該検出装置1の検出機構とは無関係である。このように玩具の列車を模した木製のセンサ収納体6が取付台座3上に装着されているため、センサ収納体6はベッド20の頭部側フレーム21の装飾物のような外観を呈する。
【0022】
センサ収納体6の下面側に突出する複数の脚部4bは、前述したように取付台座3のガイド溝3aと摺動可能に嵌合しているため、センサ収納体6はガイド溝3aに沿って円滑にスライド移動させることができる。また、脚部4bの上方移動がガイド溝3aによって規制されるため、センサ収納体6は上方へ引き抜けないようになっている。ただし、該検出装置1を使用する際には、センサ収納体6を取付台座3上に固定しておく必要があるので、図4に示すように、センサ収納体6の左右両側でガイド溝3aに止め具8を圧着させることによって、センサ収納体6のスライド移動を阻止している。すなわち、センサ収納体6の複数の脚部4bのうち、最も右側に位置する脚部4bの右隣と最も左側に位置する脚部4bの左隣とにそれぞれ止め具8を配置させ、これら止め具8を自身の弾性でガイド溝3aに圧着させることにより、脚部4bがガイド溝3aに沿ってスライド移動できないようにしている。
【0023】
図14〜図16に示すように、止め具8は、ゴム等の弾性部材8bを嵌め込んだスリット8aを有する断面視台形状の棒状体である。スリット8aは止め具8の全長の半分程度切れ込んでおり、スリット8aを挟んで対向する二股状の薄肉部8c,8dの間隔は弾性部材8bを加圧して圧縮させることにより若干狭めることができる。ただし、無負荷状態では二股状の薄肉部8c,8dが弾性部材8bに押し広げられるため、止め具8の高さ寸法はスリット8a側の端部が他端部よりも大きくなる。ガイド溝3aの高さ寸法との比較で、止め具8の該他端部の高さ寸法はガイド溝3aよりも僅かに小さく設定されているが、無負荷状態における止め具8のスリット8a側の端部の高さ寸法はガイド溝3aよりも若干大きくなる。したがって、この止め具8をガイド溝3aに取着する際には、弾性部材8bを手指等で加圧して圧縮させた状態で、止め具8をガイド溝3aの所定位置まで移動させた後、加圧力を除去すればよい。こうすることにより、圧縮されていた弾性部材8bが膨らんで二股状の薄肉部8c,8dを押し広げるため、止め具8を自身の弾性でガイド溝3aの内壁に圧着させることができる。
【0024】
PSDセンサ7は、光源7aから出射されて被検出体で反射された光を半導体位置検出素子7bで検知することにより、被検出体までの距離を三角測距方式で測定できるという公知の距離センサである。このPSDセンサ7によって、ベッド20上の特定の場所における被検出体の有無を検知する。一般的に被介護者はベッド上の特定の場所に上半身を移動させてから離床するので、被介護者の身長、座高等の入所時に測定した身体的特徴(データ)から頭部、上半身、脚部、下半身等の起き上がるのに必要な可動部位の領域を割り出し、この領域と被介護者の習癖等を考慮して特定の場所を任意に設定することにより、個々の被介護者に合わせた適切な動作検知を行うことができる。例えば、図1に示すように、使用するベッド20の頭部側フレーム(ヘッドボード)21から足元側フレーム(フットボード)22に至る全長が1800mmで、その左右両側にそれぞれ長さ600mmのサイドガード23が600mmの間隔を置いて2個ずつ取り付けられている場合、標準的なケースとして、被介護者15がベッド20の右側部に配置された2個のサイドガード23で挟まれた空間を利用して上り下りすることが想定されるため、このケースでの特定の場所は2個のサイドガード23で挟まれた長さ600mmの空間となる。この標準的なケースにおいては、頭部側フレーム21に固定された取付台座3の右側位置にPSDセンサ7を配置し、PSDセンサ7でカバーできる検知範囲を頭部側フレーム21から600〜1200mm、好ましくは700〜1100mmとすると共に、PSDセンサ7で検知できないキャンセル範囲を頭部側フレーム21の後方600mmと足元側フレーム22の手前600mmとすれば良い。また、特殊なケースとして、被介護者が頭部側フレーム21寄りのサイドガード23の近傍に配置されたタンス(図示せず)から物を取り出す習癖のある場合は、PSDセンサ7でカバーできる検知範囲を頭部側フレーム21から1200mmまで広げると共に、PSDセンサ7で検知できないキャンセル範囲を足元側フレーム22の手前600mmとすれば良い。あるいは、被介護者が足元側フレーム22寄りのサイドガード23を乗り越えるす習癖のある場合は、PSDセンサ7でカバーできる検知範囲を頭部側フレーム21から600〜1800mmまで広げると共に、PSDセンサ7で検知できないキャンセル範囲を頭部側フレーム21の後方600mmとすれば良い。このように検知対象となる個々の被介護者の事情に合わせて特定の場所を任意に設定し、この特定の場所における被検出体の有無を検知できるようにPSDセンサ7を配置させておけばよい。すなわち、被介護者15がベッド20から離床しようとしていない通常時には、該特定場所に光源7aの光を反射する被検出体は存在しないので、半導体位置検出素子7bが該特定場所に被検出体を検知したときには、その被検出体が離床準備動作中の被介護者15の上半身であると判断することができる。なお、本実施形態例では、PSDセンサ7を収納するセンサ収納体6を取付台座3の長手方向中央部に配置させているが、被介護者15の離床準備動作がベッド20上の一側部に限られる場合は、センサ収納体6を該一側部に相当する取付台座3の長手方向一端寄りの位置に装着しておくことによって検出精度を高めることができる。また、取付台座3の取付高さは被介護者15の座高の1/3〜1/2の範囲で取付金具によって上下位置の固定をすることが好ましく、このような取付高さに設定することによって動作検知の精度を高めることができる。
【0025】
コントローラ9は、図3に示すように、ベッド20の底部等の目に付かない場所に取り付けておく。PSDセンサ7の半導体位置検出素子7bの出力信号がケーブル10を介してコントローラ9に入力され、この出力信号に基づいてコントローラ9が、被介護者15が離床準備動作中であるか否かを判定するようになっている。また、このコントローラ9は報知信号を出力可能であり、被介護者15が離床準備動作中であると判定したときに、コントローラ9がナースコールの通信回線や無線通信を介して、最寄りの介護者がいるナースセンター等へ報知信号を通報できるようになっている。
【0026】
すなわち、本実施形態例に係る被介護者動作検出装置1の検出動作は、図17のフローチャートに示すように、まずステップS1において、PSDセンサ7がベッド20上の特定の場所における被検出体の有無を検知し、検知の有無を示す信号をコントローラ9へ出力する。ステップS2ではコントローラ9が、PSDセンサ7からの出力信号に基づいて、被介護者15が離床準備動作中であるか否かを判定する。コントローラ9の判定結果が「NO」のときにはステップS1へ戻るが、判定結果が「YES」のときにはステップS3へ進み、コントローラ9から外部(例えばナースセンター)へ報知信号が通報される。
【0027】
以上説明したように本実施形態例に係る被介護者動作検出装置1では、ベッド20上で被介護者15が離床準備動作中であるか否かを、PSDセンサ7の出力信号に基づいてコントローラ9が判定する。前述したように、一般的に被介護者はベッド上の特定の場所に上半身を移動させてから離床するので、被介護者15がベッド20上に起き上がって離床準備動作を始めると、普段は被検出体が存しないベッド20上の特定の場所に被介護者15の上半身が存するようになる。したがって、この特定の場所における被検出体の有無をPSDセンサ7で検知すれば、被介護者15の離床準備動作を検出できることになる。その結果、コントローラ9は複雑な解析処理を行わなくても、被介護者15が離床準備動作中であるか否かを瞬時に判定することができて、最寄りの介護者(ナースセンター等)への報知が迅速に行える。
【0028】
また、この被介護者動作検出装置1は、取付台座3がベッド20の頭部側フレーム21に固定されていると共に、PSDセンサ7を収納したセンサ収納体6が取付台座3に装着されている。そして、これら取付台座3やセンサ収納体6がベッド20の一部ないし装飾物に見立てた外観に形成されているため、この検出装置1は既存のベッド20に新たに設置しても目立たず、少なくとも監視カメラや不審物などと認識される虞はない。それゆえ、被介護者15に不快感を与えたりトラブルを招来する虞がなく、介護者は被介護者15がベッド20へ戻った際に自然な感じでお世話することが可能となる。
【0029】
また、この被介護者動作検出装置1は、PSDセンサ7を収納したセンサ収納体6が、ベッド20の幅方向に沿ってスライド移動可能な係合状態で取付台座3のガイド溝3aに支持されており、被介護者15が離床準備動作を行う特定の場所に応じた所望位置へPSDセンサ7を配置させる際には、蟻溝状のガイド溝3aに沿って脚部4bを摺動させればよく、センサ収納体6が脱落することはない。しかも、止め具8を自身の弾性でガイド溝3aに圧着させるだけで、センサ収納体6を簡単に固定できるようになっている。それゆえ、この検出装置1は、PSDセンサ7を所望位置に配置させる作業が極めて容易に行えて、使い勝手がよい。また、この検出装置1はベッド20に直接取り付けられており、ベッド20の周りの環境に制約されにくく、ベッド20の位置が変更された場合でも新たに取り付け直す必要がないので、この点からも検出装置1は使い勝手がよい。
【0030】
また、この被介護者動作検出装置1では、レスポンス(応答性)が非常に速く高分解能かつ小型のPSDセンサ7によって、ベッド20上の特定の場所における被検出体の有無を検知できるため、検出精度ならびに報知の迅速性を高めることができる。しかも、PSDセンサ7は距離センサなので、離床準備動作が行われるベッド20上の特定の場所までの距離に応じて検出範囲を適宜設定することができる。それゆえ、この検出装置1を取り付けたベッド20の隣に設置されているベッド上での被介護者の離床準備動作を検出することも可能である。
【0031】
また、この被介護者動作検出装置1では、センサ収納体6が、PSDセンサ7を収納して位置決め可能な本体部5と、この本体部5に嵌め込まれてPSDセンサ7を保持可能な保持部4とを組み合わせて構成され、本体部5にPSDセンサ7の光源7aと半導体位置検出素子7bを臨出させるための透孔5bが形成されていると共に、本体部5の下方へ突出する保持部4の脚部4bが取付台座3のガイド溝3aにスライド移動可能に係合している。それゆえ、PSDセンサ7の機能を損なわずに収納・保持できてガイド溝3aに沿うスライド移動も円滑に行える簡素な構造のセンサ収納体6が容易に実現できる。
【0032】
なお、ガイド溝3aはセンサ収納体6をベッド20の幅方向に沿って案内するためのものであるが、別のガイド手段で同様の機能を実現してもよい。例えば、取付台座3に設けたガイドレールやガイドシャフトにセンサ収納体6をスライド移動可能に係合させるという構成にすることも可能である。
【0033】
また、上記の実施形態例では、センサ収納体6の本体部5が列車を模して形成されており、その中央部だけにPSDセンサ(距離センサ)用の収納室5aが設けられているが、複数箇所に収納室5aを設けて複数のPSDセンサを収納してもよく、列車以外の外観形状に加工したセンサ収納体6であってもよい。また、図18の変形例に示すように、PSDセンサ用の収納室が設けられていないダミー部分を省略してセンサ収納体6を短く形成してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 被介護者動作検出装置
2 取付金具
3 取付台座
3a ガイド溝(ガイド部)
4 保持部
4a 板状部
4b 脚部
5 本体部
5a 収納室
5b 透孔
5d 位置決め部
5e 盲穴
6 センサ収納体
7 PSDセンサ(距離センサ)
7a 光源(LED)
7b 半導体位置検出素子(PSD素子)
8 止め具
8a スリット
8b 弾性部材
9 コントローラ(判定通報手段)
15 被介護者
20 ベッド
21 頭部側フレーム
22 足元側フレーム
23 サイドガード
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに横たわっていることが多い被介護者の離床動作を未然に検出して転落事故や徘徊を防止するための被介護者動作検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば認知症でベッドに横たわっていることが多い被介護者は、歩行が困難であるにも拘らずベッドから離床しようとして転落したり、看護士等の介護者の気付かぬ間に離床して徘徊し事故に遭遇する可能性がある。そこで従来より、焦電型赤外線センサを備えた検出装置をベッドの近傍に設置し、被介護者がベッド上で起き上がって離床しようとした場合、この被介護者から放出される微弱な赤外線を検知して離床準備動作の有無が判定できるようにした被介護者動作検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる従来の被介護者動作検出装置では、ベッド上で上半身を起こした被介護者の首や頭部から放出される微弱な赤外線を検知できる高さ位置に焦電型赤外線センサを固定しておき、この焦電型赤外線センサで検知された信号をCPU(中央演算処理装置)に入力する。そして、このCPUが、焦電型赤外線センサの出力信号(出力波形)を閾値との関係で解析処理することによって被介護者の動作を判定し、離床準備動作と判定した場合には、無線通信や通信回線を介して最寄りの介護者に報知できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−77908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来の被介護者動作検出装置は、被介護者のベッドの近傍で該ベッドの全高よりもやや高い位置に据え付けられるため目立ちやすく、それゆえ被介護者にとって該検出装置が監視カメラや不審物などと認識される虞があった。その場合、被介護者に不快感を与えてしまうため、被介護者動作検出装置が病状を悪化させる要因ともなりかねず、さらに、被介護者が怒って該検出装置を破損しようと危険な行為を試みることも十分に考えられる。また、被介護者が該検出装置を口に入れてしまうという危険性もある。
【0006】
また、かかる従来の被介護者動作検出装置は、ベッド上の所定の高さで被介護者から放出される微弱な赤外線を検出し、その検出信号の出力波形を解析することによって被介護者の動作を判定するというものなので、複雑な判定処理回路が必要で判定結果の出力に若干の時間を要するという問題があった。つまり、レスポンス(応答性)が若干遅いため、被介護者の離床準備動作を検出したときに介護者への報知が遅れて転落事故等を防止できない虞があった。
【0007】
また、かかる従来の被介護者動作検出装置では、上記の如くセンサ部(焦電型赤外線センサ)の出力波形に基づく複雑な判定処理を行う関係上、センサ部の設置場所を慎重に選定しなければならないが、被介護者のベッド周りの環境はさまざまであり、センサ部を所望位置に設置できないこともある。また、被介護者のベッドの位置が変更された場合には、センサ部を新たな位置に設置し直すために煩雑な作業を余儀なくされることになる。それゆえ、かかる従来の被介護者動作検出装置は、介護現場の多様な環境に対応させにくいという使い勝手の悪さがあった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、被介護者の離床準備動作を速やかに報知できると共に、センサ部を所望位置に配置させることが容易で使い勝手がよく、しかも目立たぬように設置できてトラブルを招来しにくい被介護者動作検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の被介護者動作検出装置は、被介護者のベッドの頭部側フレームに取り付けられた取付台座と、この取付台座に装着されたセンサ収納体と、このセンサ収納体の内部に収納されて所定方向に存する被検出体までの距離に応じた信号を出力可能な距離センサと、この距離センサの出力信号に基づき前記被介護者が離床準備動作中であるか否かを判定し、離床準備動作中と判定したときに報知信号を出力する判定通報手段とを備え、かつ、前記取付台座に前記ベッドの幅方向に沿って延在するガイド部が設けられており、前記センサ収納体が前記延在方向へスライド移動可能な係合状態で前記ガイド部に支持されていると共に、前記センサ収納体の前記スライド移動を阻止する止め具が前記取付台座に取着されているという構成にした。
【0010】
このように構成された被介護者動作検出装置は、ベッド上の特定の場所で行われる被介護者の離床準備動作を距離センサの出力信号に基づいて検出する。すなわち、通常、被介護者のベッドの両側部には落下防止用のサイドガードが付設されており、被介護者がベッドから離床できる場所は限定されている。また、実際にはベッドの配置や被介護者の習性などにより、ベッドのいずれか一方の側部だけから離床しようとすることが非常に多い。したがって、被介護者がベッド上に起き上がって離床準備動作を始めると、普段は被検出体が存しないベッド上の特定の場所に被介護者の上半身が存するようになる。それゆえ、この特定の場所における被検出体の有無を距離センサで検知すれば、被介護者の離床準備動作を検出できることになり、よって判定通報手段は複雑な解析処理を行わなくても、被介護者が離床準備動作中であるか否かを瞬時に判定することができ、最寄りの介護者への報知が迅速に行える。
【0011】
また、この被介護者動作検出装置は、取付台座がベッドの頭部側フレームに固定されていると共に、距離センサを収納したセンサ収納体が取付台座に装着されているため、これら取付台座やセンサ収納体をベッドの一部ないし装飾物に見立てた外観に形成するなどして、該検出装置を目立たぬように設置することが容易である。なお、該検出装置をベッドの足元側フレームに固定して使用することも不可能ではないが、被介護者のベッドの足元側には布団類が積み上げられていることが多いため、距離センサの前方視界が塞がれる可能性が極めて高くなってしまい好ましくない。
【0012】
また、この被介護者動作検出装置は、距離センサを収納したセンサ収納体が、ベッドの幅方向に沿ってスライド移動可能な係合状態で取付台座のガイド部に支持されているため、被介護者が離床準備動作を行う特定の場所に応じた所望位置に距離センサを配置させることが容易であり、センサ収納体の固定も止め具によって簡単に行えるので、使い勝手がよい。また、該検出装置はベッドに直接取り付けられているため、ベッド周りの環境に制約されにくく、ベッドの位置が変更された場合でも、該検出装置を新たに取り付け直す必要はない。
【0013】
上記の構成において、距離センサが、光源と半導体位置検出素子(PSD素子)とを備えたPSDセンサであると、レスポンスが非常に速くて高分解能かつ小型の距離センサによって、ベッド上の特定の場所における被検出体の有無を検知できるようになるため、検出精度ならびに報知の迅速性を高めることができて好ましい。この場合において、センサ収納体が、PSDセンサを収納して位置決め可能な本体部と、この本体部に嵌め込まれてPSDセンサを保持可能な保持部とを組み合わせて構成され、本体部にPSDセンサの光源と半導体位置検出素子を臨出させるための透孔が形成されていると共に、この本体部の外方へ突出する保持部の一部が取付台座のガイド部にスライド移動可能に係合していると、PSDセンサの機能を損なわずに収納・保持できてガイド部に沿うスライド移動も円滑に行える簡素な構造のセンサ収納体が容易に実現できる。
【0014】
また、上記の構成において、ガイド部が蟻溝状のガイド溝として形成されていると共に、このガイド溝と摺動可能に嵌合する脚部がセンサ収納体に突設されていると、センサ収納体が脱落の虞なくガイド溝の延在方向に沿ってスライド移動可能となるため好ましい。この場合において、止め具が自身の弾性でガイド溝に圧着される構成にすると、センサ収納体を所定位置に固定する際に、脚部と隣接する位置でガイド溝に止め具を圧着させるだけでよいため、距離センサを所望位置に配置させる作業が極めて容易に行えるようになる。ただし、取付台座のガイド部はガイド溝に限定されるわけではなく、例えば、ガイド部として取付台座に設けたガイドレールやガイドシャフトにセンサ収納体をスライド移動可能に係合させるという構成にすることも可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の被介護者動作検出装置によれば、ベッド上の特定の場所で行われる被介護者の離床準備動作を、PSDセンサ等の距離センサの出力信号に基づいて判定通報手段が検出する。そのため、複雑な解析処理を行わなくても、被介護者が離床準備動作中であるか否かを瞬時に判定することができ、最寄りの介護者への報知が迅速に行える。つまり、この被介護者動作検出装置はレスポンス(応答性)が速いため、被介護者が離床準備動作を始めたときに、手遅れにならないうちに介護者が急行できて実用的価値が高い。また、この被介護者動作検出装置は、取付台座がベッドの頭部側フレームに固定されていると共に、距離センサを収納したセンサ収納体が取付台座に装着されているため、これら取付台座やセンサ収納体をベッドの一部ないし装飾物に見立てた外観に形成するなどして、目立たぬように設置することが容易であり、それゆえトラブルを招来しにくい。また、この被介護者動作検出装置は、センサ収納体がベッドの幅方向に沿ってスライド移動可能な係合状態で取付台座のガイド部に支持されているため、被介護者が離床準備動作を行う特定の場所に応じた所望位置に距離センサを配置させることが容易であり、センサ収納体の固定も止め具によって簡単に行えるので、使い勝手がよい。また、この被介護者動作検出装置は、ベッドに直接取り付けられてベッド周りの環境に制約されにくいため、介護現場の多様な環境に対応させやすくなり、この点でも使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態例に係る被介護者動作検出装置の使用例を示す説明図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】該検出装置の全体構成を示す側面図である。
【図4】該検出装置の上面図である。
【図5】該検出装置の下面図である。
【図6】該検出装置のセンサ収納体を示す外観図である。
【図7】距離センサを収納した該センサ収納体の断面図である。
【図8】該センサ収納体の側面図である。
【図9】該センサ収納体から保持部を取り外して距離センサを露出させた状態を示す要部下面図である。
【図10】図9において距離センサを取り外した状態を示す要部下面図である。
【図11】距離センサを図示省略した該センサ収納体の要部正面図である。
【図12】図11のA−A線に沿う断面図である。
【図13】図11のB−B線に沿う断面図である。
【図14】該センサ収納体を固定するために用いられる止め具の上面図である。
【図15】該止め具の側面図である。
【図16】該止め具の正面図である。
【図17】該検出装置の検出動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】該センサ収納体の変形例を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態例を図面を参照して説明する。図1〜図5に示すように、本実施形態例に係る被介護者動作検出装置1は、被介護者15のベッド20の頭部側フレーム21に取り付けて使用される。この検出装置1は、認知症などでベッド20に横たわっていることが多い被介護者15の離床動作を未然に検出して、転落事故や徘徊を防止するためのものである。
【0018】
まず、被介護者動作検出装置1の全体構成について説明する。この検出装置1は、取付金具2を用いてベッド20の頭部側フレーム21に固定された取付台座3(図3参照)と、取付台座3のガイド溝3aに係合する保持部4を角柱状の本体部5に嵌め込んで組み立てられたセンサ収納体6(図6参照)と、センサ収納体6の内部に収納されたPSD(Position Sensitive Detector)センサ7(図7参照)と、ガイド溝3aに圧着されてセンサ収納体6のスライド移動を阻止している止め具8(図4参照)と、ケーブル10を介してPSDセンサ7と電気的に接続されたコントローラ9(図3参照)とによって主に構成されている。
【0019】
取付台座3は、その凹所3bにベッド20の頭部側フレーム(ヘッドボード)21を遊挿して該フレーム21に被せた後、裏面側から取付金具2を締め付けることによって該フレーム21に強固に取り付けられている。この取付台座3は頭部側フレーム21と同様に木材を加工して形成されており、該フレーム21に被せた状態で取付台座3の長手方向がベッド20の幅方向となり、かつ取付台座3の長手寸法はベッド20の幅寸法と略同等に設定されている。それゆえ、この取付台座3は、頭部側フレーム21に取り付けると該フレーム21のカバーのような外観を呈する。また、取付台座3の上面部には、その長手方向に沿って直線状に延びるガイド溝3aが刻設されている。図2に示すように、ガイド溝3aの断面形状は上辺よりも下辺が長い台形状で奥側が拡幅されているため、このガイド溝3aはいわゆる蟻溝となっている。
【0020】
センサ収納体6を構成している本体部5と保持部4も木材を加工して形成されており、本実施形態例では、センサ収納体6の外観が玩具の列車を模したものとなっている。図6〜図13に示すように、センサ収納体6の本体部5の中央部には、PSDセンサ7が組み込まれる収納室5aが設けられており、本体部5の前面側(ベッド20上を臨む側)の壁部には、PSDセンサ7の光源(LED)7aと半導体位置検出素子(PSD素子)7bを臨出させるための一対の透孔5bが穿設されている。また、保持部4には、収納室5aの一部に嵌め込まれる板状部4aと、板状部4aから下方へ突出する断面視台形状の脚部4bとが形成されている。板状部4aは収納室5a内でPSDセンサ7を保持しており、脚部4bはガイド溝3aと摺動可能に嵌合している。
【0021】
本体部5の収納室5aにPSDセンサ7を組み込む際には、まず、本体部5を天地逆向きにして、透孔5bと対向する内壁面5c(図10参照)に沿ってPSDセンサ7を収納室5a内の最奥まで挿入した後、該内壁面5cから離れる向きにPSDセンサ7をスライドさせることによって、図9に示すように該センサ7の耳部7cを収納室5aの位置決め部5dに押し当てる。これにより、PSDセンサ7が収納室5a内で前後方向および横方向に位置決めされるため、光源7aと半導体位置検出素子7bをそれぞれ対応する透孔5bに臨出させることができる。しかる後、保持部4の板状部4aを収納室5aの内壁面5c沿いの空間に差し込んで嵌着させることによって、図7に示すようにPSDセンサ7が上下方向にも位置決めされるため、該センサ7は所定位置に保持された状態となり、かつ、保持部4と本体部5とが一体化されるためセンサ収納体6の組立ても完了する。なお、このセンサ収納体6は列車を模して形成されているため、本体部5の前後の壁面に透孔5bに似せた複数の盲穴5eが列状に刻設されている。これら盲穴5eは透孔5bも含めて視覚的に列車の窓をイメージさせる役割を果たしているが、盲穴5e自体は該検出装置1の検出機構とは無関係である。このように玩具の列車を模した木製のセンサ収納体6が取付台座3上に装着されているため、センサ収納体6はベッド20の頭部側フレーム21の装飾物のような外観を呈する。
【0022】
センサ収納体6の下面側に突出する複数の脚部4bは、前述したように取付台座3のガイド溝3aと摺動可能に嵌合しているため、センサ収納体6はガイド溝3aに沿って円滑にスライド移動させることができる。また、脚部4bの上方移動がガイド溝3aによって規制されるため、センサ収納体6は上方へ引き抜けないようになっている。ただし、該検出装置1を使用する際には、センサ収納体6を取付台座3上に固定しておく必要があるので、図4に示すように、センサ収納体6の左右両側でガイド溝3aに止め具8を圧着させることによって、センサ収納体6のスライド移動を阻止している。すなわち、センサ収納体6の複数の脚部4bのうち、最も右側に位置する脚部4bの右隣と最も左側に位置する脚部4bの左隣とにそれぞれ止め具8を配置させ、これら止め具8を自身の弾性でガイド溝3aに圧着させることにより、脚部4bがガイド溝3aに沿ってスライド移動できないようにしている。
【0023】
図14〜図16に示すように、止め具8は、ゴム等の弾性部材8bを嵌め込んだスリット8aを有する断面視台形状の棒状体である。スリット8aは止め具8の全長の半分程度切れ込んでおり、スリット8aを挟んで対向する二股状の薄肉部8c,8dの間隔は弾性部材8bを加圧して圧縮させることにより若干狭めることができる。ただし、無負荷状態では二股状の薄肉部8c,8dが弾性部材8bに押し広げられるため、止め具8の高さ寸法はスリット8a側の端部が他端部よりも大きくなる。ガイド溝3aの高さ寸法との比較で、止め具8の該他端部の高さ寸法はガイド溝3aよりも僅かに小さく設定されているが、無負荷状態における止め具8のスリット8a側の端部の高さ寸法はガイド溝3aよりも若干大きくなる。したがって、この止め具8をガイド溝3aに取着する際には、弾性部材8bを手指等で加圧して圧縮させた状態で、止め具8をガイド溝3aの所定位置まで移動させた後、加圧力を除去すればよい。こうすることにより、圧縮されていた弾性部材8bが膨らんで二股状の薄肉部8c,8dを押し広げるため、止め具8を自身の弾性でガイド溝3aの内壁に圧着させることができる。
【0024】
PSDセンサ7は、光源7aから出射されて被検出体で反射された光を半導体位置検出素子7bで検知することにより、被検出体までの距離を三角測距方式で測定できるという公知の距離センサである。このPSDセンサ7によって、ベッド20上の特定の場所における被検出体の有無を検知する。一般的に被介護者はベッド上の特定の場所に上半身を移動させてから離床するので、被介護者の身長、座高等の入所時に測定した身体的特徴(データ)から頭部、上半身、脚部、下半身等の起き上がるのに必要な可動部位の領域を割り出し、この領域と被介護者の習癖等を考慮して特定の場所を任意に設定することにより、個々の被介護者に合わせた適切な動作検知を行うことができる。例えば、図1に示すように、使用するベッド20の頭部側フレーム(ヘッドボード)21から足元側フレーム(フットボード)22に至る全長が1800mmで、その左右両側にそれぞれ長さ600mmのサイドガード23が600mmの間隔を置いて2個ずつ取り付けられている場合、標準的なケースとして、被介護者15がベッド20の右側部に配置された2個のサイドガード23で挟まれた空間を利用して上り下りすることが想定されるため、このケースでの特定の場所は2個のサイドガード23で挟まれた長さ600mmの空間となる。この標準的なケースにおいては、頭部側フレーム21に固定された取付台座3の右側位置にPSDセンサ7を配置し、PSDセンサ7でカバーできる検知範囲を頭部側フレーム21から600〜1200mm、好ましくは700〜1100mmとすると共に、PSDセンサ7で検知できないキャンセル範囲を頭部側フレーム21の後方600mmと足元側フレーム22の手前600mmとすれば良い。また、特殊なケースとして、被介護者が頭部側フレーム21寄りのサイドガード23の近傍に配置されたタンス(図示せず)から物を取り出す習癖のある場合は、PSDセンサ7でカバーできる検知範囲を頭部側フレーム21から1200mmまで広げると共に、PSDセンサ7で検知できないキャンセル範囲を足元側フレーム22の手前600mmとすれば良い。あるいは、被介護者が足元側フレーム22寄りのサイドガード23を乗り越えるす習癖のある場合は、PSDセンサ7でカバーできる検知範囲を頭部側フレーム21から600〜1800mmまで広げると共に、PSDセンサ7で検知できないキャンセル範囲を頭部側フレーム21の後方600mmとすれば良い。このように検知対象となる個々の被介護者の事情に合わせて特定の場所を任意に設定し、この特定の場所における被検出体の有無を検知できるようにPSDセンサ7を配置させておけばよい。すなわち、被介護者15がベッド20から離床しようとしていない通常時には、該特定場所に光源7aの光を反射する被検出体は存在しないので、半導体位置検出素子7bが該特定場所に被検出体を検知したときには、その被検出体が離床準備動作中の被介護者15の上半身であると判断することができる。なお、本実施形態例では、PSDセンサ7を収納するセンサ収納体6を取付台座3の長手方向中央部に配置させているが、被介護者15の離床準備動作がベッド20上の一側部に限られる場合は、センサ収納体6を該一側部に相当する取付台座3の長手方向一端寄りの位置に装着しておくことによって検出精度を高めることができる。また、取付台座3の取付高さは被介護者15の座高の1/3〜1/2の範囲で取付金具によって上下位置の固定をすることが好ましく、このような取付高さに設定することによって動作検知の精度を高めることができる。
【0025】
コントローラ9は、図3に示すように、ベッド20の底部等の目に付かない場所に取り付けておく。PSDセンサ7の半導体位置検出素子7bの出力信号がケーブル10を介してコントローラ9に入力され、この出力信号に基づいてコントローラ9が、被介護者15が離床準備動作中であるか否かを判定するようになっている。また、このコントローラ9は報知信号を出力可能であり、被介護者15が離床準備動作中であると判定したときに、コントローラ9がナースコールの通信回線や無線通信を介して、最寄りの介護者がいるナースセンター等へ報知信号を通報できるようになっている。
【0026】
すなわち、本実施形態例に係る被介護者動作検出装置1の検出動作は、図17のフローチャートに示すように、まずステップS1において、PSDセンサ7がベッド20上の特定の場所における被検出体の有無を検知し、検知の有無を示す信号をコントローラ9へ出力する。ステップS2ではコントローラ9が、PSDセンサ7からの出力信号に基づいて、被介護者15が離床準備動作中であるか否かを判定する。コントローラ9の判定結果が「NO」のときにはステップS1へ戻るが、判定結果が「YES」のときにはステップS3へ進み、コントローラ9から外部(例えばナースセンター)へ報知信号が通報される。
【0027】
以上説明したように本実施形態例に係る被介護者動作検出装置1では、ベッド20上で被介護者15が離床準備動作中であるか否かを、PSDセンサ7の出力信号に基づいてコントローラ9が判定する。前述したように、一般的に被介護者はベッド上の特定の場所に上半身を移動させてから離床するので、被介護者15がベッド20上に起き上がって離床準備動作を始めると、普段は被検出体が存しないベッド20上の特定の場所に被介護者15の上半身が存するようになる。したがって、この特定の場所における被検出体の有無をPSDセンサ7で検知すれば、被介護者15の離床準備動作を検出できることになる。その結果、コントローラ9は複雑な解析処理を行わなくても、被介護者15が離床準備動作中であるか否かを瞬時に判定することができて、最寄りの介護者(ナースセンター等)への報知が迅速に行える。
【0028】
また、この被介護者動作検出装置1は、取付台座3がベッド20の頭部側フレーム21に固定されていると共に、PSDセンサ7を収納したセンサ収納体6が取付台座3に装着されている。そして、これら取付台座3やセンサ収納体6がベッド20の一部ないし装飾物に見立てた外観に形成されているため、この検出装置1は既存のベッド20に新たに設置しても目立たず、少なくとも監視カメラや不審物などと認識される虞はない。それゆえ、被介護者15に不快感を与えたりトラブルを招来する虞がなく、介護者は被介護者15がベッド20へ戻った際に自然な感じでお世話することが可能となる。
【0029】
また、この被介護者動作検出装置1は、PSDセンサ7を収納したセンサ収納体6が、ベッド20の幅方向に沿ってスライド移動可能な係合状態で取付台座3のガイド溝3aに支持されており、被介護者15が離床準備動作を行う特定の場所に応じた所望位置へPSDセンサ7を配置させる際には、蟻溝状のガイド溝3aに沿って脚部4bを摺動させればよく、センサ収納体6が脱落することはない。しかも、止め具8を自身の弾性でガイド溝3aに圧着させるだけで、センサ収納体6を簡単に固定できるようになっている。それゆえ、この検出装置1は、PSDセンサ7を所望位置に配置させる作業が極めて容易に行えて、使い勝手がよい。また、この検出装置1はベッド20に直接取り付けられており、ベッド20の周りの環境に制約されにくく、ベッド20の位置が変更された場合でも新たに取り付け直す必要がないので、この点からも検出装置1は使い勝手がよい。
【0030】
また、この被介護者動作検出装置1では、レスポンス(応答性)が非常に速く高分解能かつ小型のPSDセンサ7によって、ベッド20上の特定の場所における被検出体の有無を検知できるため、検出精度ならびに報知の迅速性を高めることができる。しかも、PSDセンサ7は距離センサなので、離床準備動作が行われるベッド20上の特定の場所までの距離に応じて検出範囲を適宜設定することができる。それゆえ、この検出装置1を取り付けたベッド20の隣に設置されているベッド上での被介護者の離床準備動作を検出することも可能である。
【0031】
また、この被介護者動作検出装置1では、センサ収納体6が、PSDセンサ7を収納して位置決め可能な本体部5と、この本体部5に嵌め込まれてPSDセンサ7を保持可能な保持部4とを組み合わせて構成され、本体部5にPSDセンサ7の光源7aと半導体位置検出素子7bを臨出させるための透孔5bが形成されていると共に、本体部5の下方へ突出する保持部4の脚部4bが取付台座3のガイド溝3aにスライド移動可能に係合している。それゆえ、PSDセンサ7の機能を損なわずに収納・保持できてガイド溝3aに沿うスライド移動も円滑に行える簡素な構造のセンサ収納体6が容易に実現できる。
【0032】
なお、ガイド溝3aはセンサ収納体6をベッド20の幅方向に沿って案内するためのものであるが、別のガイド手段で同様の機能を実現してもよい。例えば、取付台座3に設けたガイドレールやガイドシャフトにセンサ収納体6をスライド移動可能に係合させるという構成にすることも可能である。
【0033】
また、上記の実施形態例では、センサ収納体6の本体部5が列車を模して形成されており、その中央部だけにPSDセンサ(距離センサ)用の収納室5aが設けられているが、複数箇所に収納室5aを設けて複数のPSDセンサを収納してもよく、列車以外の外観形状に加工したセンサ収納体6であってもよい。また、図18の変形例に示すように、PSDセンサ用の収納室が設けられていないダミー部分を省略してセンサ収納体6を短く形成してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 被介護者動作検出装置
2 取付金具
3 取付台座
3a ガイド溝(ガイド部)
4 保持部
4a 板状部
4b 脚部
5 本体部
5a 収納室
5b 透孔
5d 位置決め部
5e 盲穴
6 センサ収納体
7 PSDセンサ(距離センサ)
7a 光源(LED)
7b 半導体位置検出素子(PSD素子)
8 止め具
8a スリット
8b 弾性部材
9 コントローラ(判定通報手段)
15 被介護者
20 ベッド
21 頭部側フレーム
22 足元側フレーム
23 サイドガード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者のベッドの頭部側フレームに取り付けられた取付台座と、この取付台座に装着されたセンサ収納体と、このセンサ収納体の内部に収納されて所定方向に存する被検出体までの距離に応じた信号を出力可能な距離センサと、この距離センサの出力信号に基づき前記被介護者が離床準備動作中であるか否かを判定し、離床準備動作中と判定したときに報知信号を出力する判定通報手段とを備え、
かつ、前記取付台座に前記ベッドの幅方向に沿って延在するガイド部が設けられており、前記センサ収納体が前記延在方向へスライド移動可能な係合状態で前記ガイド部に支持されていると共に、前記センサ収納体の前記スライド移動を阻止する止め具が前記取付台座に取着されていることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記距離センサが、光源と半導体位置検出素子とを備えたPSDセンサであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記センサ収納体が、前記PSDセンサを収納して位置決め可能な本体部と、この本体部に嵌め込まれて前記PSDセンサを保持可能な保持部とを組み合わせて構成され、前記本体部に前記光源と前記半導体位置検出素子を臨出させるための透孔が形成されていると共に、この本体部の外方へ突出する前記保持部の一部が前記ガイド部にスライド移動可能に係合していることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記ガイド部が蟻溝状のガイド溝として形成されていると共に、このガイド溝と摺動可能に嵌合する脚部が前記センサ収納体に突設されていることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項5】
請求項4の記載において、前記止め具が自身の弾性で前記ガイド溝に圧着されていることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項1】
被介護者のベッドの頭部側フレームに取り付けられた取付台座と、この取付台座に装着されたセンサ収納体と、このセンサ収納体の内部に収納されて所定方向に存する被検出体までの距離に応じた信号を出力可能な距離センサと、この距離センサの出力信号に基づき前記被介護者が離床準備動作中であるか否かを判定し、離床準備動作中と判定したときに報知信号を出力する判定通報手段とを備え、
かつ、前記取付台座に前記ベッドの幅方向に沿って延在するガイド部が設けられており、前記センサ収納体が前記延在方向へスライド移動可能な係合状態で前記ガイド部に支持されていると共に、前記センサ収納体の前記スライド移動を阻止する止め具が前記取付台座に取着されていることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記距離センサが、光源と半導体位置検出素子とを備えたPSDセンサであることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記センサ収納体が、前記PSDセンサを収納して位置決め可能な本体部と、この本体部に嵌め込まれて前記PSDセンサを保持可能な保持部とを組み合わせて構成され、前記本体部に前記光源と前記半導体位置検出素子を臨出させるための透孔が形成されていると共に、この本体部の外方へ突出する前記保持部の一部が前記ガイド部にスライド移動可能に係合していることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記ガイド部が蟻溝状のガイド溝として形成されていると共に、このガイド溝と摺動可能に嵌合する脚部が前記センサ収納体に突設されていることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【請求項5】
請求項4の記載において、前記止め具が自身の弾性で前記ガイド溝に圧着されていることを特徴とする被介護者動作検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−16448(P2012−16448A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154971(P2010−154971)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000105350)コーア株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000105350)コーア株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
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