被包装吸収性物品
【課題】開封が容易で、かつ開封時の不具合を防止する。
【解決手段】保護シート60は、吸収性物品1の非肌側面20aに配設された状態で、保護シート60の一部が吸収性物品1の非肌側面20aに当接する保護シート60の一部と互いに重なり合う位置まで折り返される。保護シート60の端部60aは、折り返された状態で、粘着材70によって保護シート60に粘着される。保護シート60の長手方向の両側縁部60b、60cは、折り畳まれた状態で、熱融着により接合される。保護シート60の、裏面シート20の非肌側面20aと対向する所定位置には、粘着材70が配設される第2粘着領域71が形成される。第2粘着領域71は、非粘着領域52に対応する位置に形成される。
【解決手段】保護シート60は、吸収性物品1の非肌側面20aに配設された状態で、保護シート60の一部が吸収性物品1の非肌側面20aに当接する保護シート60の一部と互いに重なり合う位置まで折り返される。保護シート60の端部60aは、折り返された状態で、粘着材70によって保護シート60に粘着される。保護シート60の長手方向の両側縁部60b、60cは、折り畳まれた状態で、熱融着により接合される。保護シート60の、裏面シート20の非肌側面20aと対向する所定位置には、粘着材70が配設される第2粘着領域71が形成される。第2粘着領域71は、非粘着領域52に対応する位置に形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体の一部に本体を衣類に貼着する粘着材が配設され、保護シートによって個別に包装された被包装吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンなどの吸収性物品は、個別に包装されて販売する形態が広く用いられている。このような吸収性物品のなかには、着用者の衣類に貼着する粘着材が塗布されているものもあるため、吸収性物品を個別に包装する際には、粘着材が包装材に貼着することを防止することが必要である。従来、粘着材を保護する保護シートを用いて吸収性物品を個別に包装する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この吸収性物品では、保護シートが吸収性物品の包装を兼ねている。
【0003】
保護シートの表面には、粘着材の粘着力を低下させることなく剥離可能にする処理が施されている。また、保護シートは、粘着材が塗布された部分、或いは保護シートの端部に設けられた粘着テープを有し、吸収性物品が折り畳まれた状態で当該粘着材(或いは粘着テープ)が保護シートの一部に貼着される。これにより、保護シートを用いて吸収性物品を包装している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−324635号公報(第4頁、第5図、第8図など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の吸収性物品には、次のような問題があった。すなわち、経時変化、温度変化などにより、粘着テープの粘着材が保護シートを透過して吸収性物品に塗布されている粘着材に浸透することがあった。この場合、粘着材同士が相溶し、想定以上の粘着力が発生するため、吸収性物品の開封が難しくなったり、開封時に保護シートが破損し、保護シートを吸収性物品から剥がし難くなったりすることがあった。
【0006】
そこで、本発明は、開封が容易で開封時の不具合を防止することのできる被包装吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有する。着用者の排泄部に当接する当接領域を有する表面シート(表面シート10)と、液体を透過しない液不透過性を有しており衣類と貼着する非肌側面(非肌側面20a)に第1粘着材(粘着材50)が配設される裏面シート(裏面シート20)と、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配設される吸収体(吸収体30)とを備える吸収性物品(吸収性物品1)と、前記第1粘着材が剥離可能な状態で裏面シート側において吸収性物品と対向する対向面(処理面60d)を有する保護シート(保護シート60)とを備え、前記吸収性物品の前記非肌側面と前記保護シートの前記対向面とが当接された状態で前記吸収性物品が前記保護シートによって包装された被包装吸収性物品(被包装吸収性物品100)であって、前記裏面シートの前記非肌側面には、前記第1粘着材が配設される第1粘着領域(第1粘着領域51)と、前記第1粘着材が配設されない非粘着領域とが形成され、前記保護シートは、第2粘着材(粘着材70)が配設される第2粘着領域(第2粘着領域71)を有し、前記吸収性物品及び前記保護シートは前記表面シートを内側にして曲げられており、前記第2粘着領域は、前記非粘着領域に対応する領域と重なり、前記保護シートは、前記第2粘着領域により、前記保護シートの前記非粘着領域に対応する領域に係止されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、開封が容易で開封時の不具合を防止することのできる被包装吸収性物品が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品の表面側の平面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る吸収性物品の裏面側の平面図である。
【図3】図3は、吸収性物品を折り畳んで保護シートによって覆う様子を説明する模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る被包装吸収性物品の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す被包装吸収性物品のA−A線における断面図である。
【図6】図6は、変形例として示す被包装吸収性物品の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図7】図7は、図6に示す被包装吸収性物品のB−B線における断面図である。
【図8】図8は、変形例として示す被包装吸収性物品の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す被包装吸収性物品のC−C線における断面図である。
【図10】図10は、変形例として示す被包装吸収性物品の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図11】図11は、図10に示す被包装吸収性物品のD−D線における断面図である。
【図12】図12(a)乃至(d)は、裏面シートに形成される第1粘着領域及び非粘着領域の変形例を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る被包装吸収性物品の実施形態について、図面を参照しながら説明する。被包装吸収性物品は、吸収性物品が保護シートによって包装されたものである。
【0011】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
始めに、本発明の実施形態に係る被包装吸収性物品100に内包される吸収性物品1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品1の表面側の平面図である。図2は、吸収性物品1の裏面側の平面図である。
【0013】
吸収性物品1は、例えば、生理用ナプキンである。吸収性物品1は、着用者の肌に当接する表面シート10と、液体を透過しない液不透過性の裏面シート20と、吸収体30とを有する。吸収体30は、表面シート10と、裏面シート20との間に配設される。従って、吸収体30は、図1において破線で示される。吸収体30は、吸収性物品1の長手方向Lにおける中央部分に配設される。また、吸収性物品1は、吸収性物品1の長手方向Lに直交する吸収体30の幅方向W外側に設けられるサイドシート41,42とを備える。
【0014】
表面シート10は、着用者の膣口に対応する領域Sを有する。表面シート10は、裏面シート20の長さと略同一の長さを有する。表面シート10の長手方向の端部の形状は、裏面シート20の長手方向の端部の形状と略同一である。表面シート10は、少なくとも吸収体30の表面を覆う。
【0015】
表面シート10は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造のシート状の材料であれば、特に限定されない。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。
【0016】
天然繊維の例としては、粉砕パルプ、コットン等のセルロースが挙げられる。化学繊維の例としては、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、熱可塑性疎水性化学繊維、又は親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維などが挙げられる。熱可塑性疎水性化学繊維の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の単繊維、ポリエチレンとポリプロピレンをグラフト重合してなる繊維、芯鞘構造等の複合繊維が挙げられる。
【0017】
不織布を作成する方法としては、乾式(カード法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等)及び湿式のいずれか一つの方法を用いることができる。乾式法と湿式法のうち、複数の方法を組み合わせてもよい。また、サーマルボンディング、ニードルパンチ、ケミカルボンディング等の方法が挙げられる。不織布を作成する方法は、上述の方法に限定されない。
【0018】
水流交絡法によりシート状に形成したスパンレースを表面シート10に用いることもできる。また、不織布の上層側に凹凸を付けた不織布、又はウェブ形成時にエアーを当てることにより不織布に目付ムラを設けた凹凸不織布を表面シート10に用いることもできる。表面に凹凸を形成することにより、体液が表面シート10を透過する前に表面シート10の表面を伝わって拡散することを軽減できる。
【0019】
裏面シート20は、ポリエチレン、ポリプロピレン等を主体としたフィルム、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。裏面シート20は、着用時の違和感を生じさせない程度の柔軟性を有する材料とすることが好ましい。
【0020】
吸収体30は、親水性繊維、パルプを含む。親水性繊維の例としては、粉砕パルプ、コットン等のセルロース、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、粒子状ポリマー、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維、又は、親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維等を単独又は混合して用いることができる。これらの中でも、低コストと吸収体の成形し易さとを考慮すると、粉砕パルプを使用することが好ましい。親水性繊維に高分子吸収体を混合したものを吸収体30として使用しても良い。本実施形態では、高分子吸収体は、吸収性、吸湿性のあるアクリル酸ナトリウム共重合体等の粒状ポリマーである。吸収体30は、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシートでもよい。
【0021】
サイドシート41,42は、表面シート10と同様の材料から選ぶことができる。但し、サイドシート41,42を乗り越えて吸収性物品1外方へ経血が流れることを防止するためには、疎水性又は撥水性を有することが好ましい。具体的には、スパンボンド不織布やSMS不織布などが挙げられる。サイドシート41,42は、肌との当接面を構成する。そのため、肌への擦れ刺激を低減するためには、エアスルー不織布を用いることが好ましい。サイドシート41,42は、表面シート10の両側に配設される。
【0022】
吸収性物品1では、表面シート10、サイドシート41,42、及び裏面シート20の周縁が接合されて、吸収体30が内封される。表面シート10と裏面シート20との接合方法としては、ヒートエンボス加工、超音波、又はホットメルト型接着剤のいずれか一つ、又は複数を組み合わせることが可能である。
【0023】
図2に示すように、裏面シート20の、衣類と貼着する非肌側の表面(非肌側面20aという)には、衣類と粘着する粘着材50が配設される第1粘着領域51と、粘着材50が配設されない非粘着領域52とが形成される。第1粘着領域51は、吸収性物品1の幅方向の両側部に、吸収性物品1の長手方向に連続して形成される。非粘着領域52は、表面シート10の領域Sに対応する裏面シート20側の領域を含む中央領域に、吸収性物品1の長手方向に連続して形成される。
【0024】
製造工程において、吸収性物品1を長手方向に沿って搬送する場合には、第1粘着領域51と非粘着領域52とをこのような形態にすると、吸収性物品1の製造上、有効性が高い。
【0025】
粘着材50としては、熱可塑性樹脂であるスチレン系ブロックポリマー、可塑性樹脂であるパラフィン系オイル等が挙げられる。また、スチレン系ブロックポリマーに粘着を与えるための粘着付与樹脂としては、例えば、合成樹脂、天然樹脂が挙げられる。スチレン系ブロックポリマーとしては、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)等が挙げられる。スチレン系ブロックポリマーは、スチレン部分の分子量が5000〜20000であることが好ましい。ゴム部分を含めた全体の分子量のうちスチレン部分の分子量が10%〜35%であるスチレン系ブロックポリマーを使用することが好ましい。
【0026】
粘着付与樹脂として用いる合成樹脂には、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合石油樹脂、水素添加石油樹脂、DCPD系石油樹脂、ピュアーモノマー系石油樹脂などが挙げられる。また、天然樹脂としては、αピネン、βピネン又はジペンテンとの共重合体であるテルペン系樹脂、ガムロジン、トール油ロジン又はウッドロジンなどのロジン系樹脂、若しくは、これらの水添物やエステルなどが挙げられる。
【0027】
また、可塑性材料としては、粘度を下げるためのパラフィンオイル系、タック性を高めるナフテンオイル、凝集力を下げたり色や匂いを付与するためのアロマオイルなどが挙げられる。
【0028】
粘着材50の塗布量は、10〜100g/m2であり、好ましくは、20〜50g/m2である。塗布量が10g/m2以下であると、吸収性物品1を衣類に貼着する際の粘着力が弱く、脱落、ズレなどが起こり易くなる。100g/m2以上であると、粘着力が高すぎて、衣類から吸収性物品1を剥がす処理が難しくなるため好ましくない。
【0029】
(被包装吸収性物品の折り畳み構造)
図3は、吸収性物品1を折り畳んで保護シート60によって覆う様子を説明する模式図である。図4は、被包装吸収性物品100の一部を切り欠いて示す斜視図である。図5は、図4に示す被包装吸収性物品100の中央領域C1近傍のA−A線における断面図である。なお、ここで、A−A線は、後述の保護シート60の端部60aの、粘着材70が配設される第2粘着領域71を通る仮想線である。
【0030】
被包装吸収性物品100は、吸収性物品1と保護シート60とを備え、吸収性物品1が保護シート60により個別に包装されたものである。保護シート60は、吸収性物品1の裏面シート側において吸収性物品1と対向する対向面を有する。保護シート60において、対向面(処理面60dという)の全面には、粘着材を剥離可能にする加工が施されている。また、他方の表面にも同様に、粘着材を剥離可能にする加工が施されている。ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、及びこれらからを複合して形成される複合材料からなるフィルムは、保護シート60として利用できる。保護シート60は、厚さ5〜50μmであることが好ましい。
【0031】
粘着材を剥離可能にする加工の方法としては、処理面60dの全面に剥離処理剤を塗布し、加熱・乾燥する方法、或いは、スプレーにより処理面60dの全面に剥離処理剤を吹きつけることにより薄膜を形成する方法などが挙げられる。ここで、剥離処理剤として、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、オクタルデシルイソシアネート系樹脂などが挙げられる。また、処理面60dに微細な凹凸を形成する加工を施してもよい。処理面60dと粘着材との接触面積を低下させることにより剥離が容易になる。
【0032】
吸収性物品1は、所定の折り位置L1,L2において、表面シート10を内側にして折り畳まれる。保護シート60の端部60aの、吸収性物品1の非肌側面20aと対向する所定位置には、粘着材70が配設される第2粘着領域71が形成される。保護シート60は、粘着材70によって、保護シート60の一部と貼着される。
【0033】
粘着材70は、第2粘着領域71の表面に均一の塗布量で塗布される。粘着材70は、ゴム系のエラストマー、ポリエステル系のエラストマー、或いは熱硬化性樹脂を主体としたホットメルト型の接着材である。粘着材70は、粘着材50と同じであってもよい。
【0034】
保護シート60及び吸収性物品1は、表面シート10を内側にして曲げられており、第2粘着領域71は、非粘着領域52に対応する領域と重なる。保護シート60の一部分は、吸収性物品1の非肌側面20aに当接する保護シート60の他の一部分と互いに重なり合う位置まで折り返される(図4参照)。保護シート60の端部60aは、折り返された状態で、粘着材70によって保護シート60に粘着される。保護シート60の長手方向の両側縁部60b、60cは、折り畳まれた状態で、熱融着により接合される。以上のようにして被包装吸収性物品100が形成される。
【0035】
図5に、被包装吸収性物品100のA−A線における断面を示す。本実施形態では、保護シート60の、裏面シート20の非肌側面20aと対向する所定位置には、粘着材70が配設される第2粘着領域71が形成される。保護シート60は、第2粘着領域71によって、保護シート60の非粘着領域52に対応する領域に係止される。
【0036】
以上説明したように、被包装吸収性物品100では、保護シート60の所定位置に形成される第2粘着領域71は、裏面シート20の非肌側面20aに形成される非粘着領域52と対応する位置に存在する。従って、第2粘着領域71に配設される粘着材70が保護シート60を透過したとしても、裏面シート20の非肌側面20aに配設される粘着材50との相溶を避けることができる。また、粘着材50が保護シート60を透過したとしても、第2粘着領域71に配設される粘着材70との相溶を避けることができる。
【0037】
これにより、保護シート60を留め付ける粘着材70と保護シート60との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。従って、被包装吸収性物品100が開封される際に保護シート60が破れるなどの不具合を防止することができる。保管期間又は保管環境の温度変化などによらず、使用者は、常に被包装吸収性物品100を容易に開封できる。
【0038】
また、非粘着領域52は、表面シート10の領域Sに対応する裏面シート20の中央領域に吸収性物品1の長手方向に連続して形成される。このような吸収性物品1では、中央領域が衣類に貼着されないため、吸収性物品1の中央部分が衣類から浮き上がり易くなる。そのため、吸収性物品1の表面シート10の領域Sが肌側に持ち上げられ易くなる。従って、吸収性物品1の肌(膣口)へのフィット性が高められる。
【0039】
(保護シートの貼着方法の変形例)
図6は、本実施形態の変形例として示す被包装吸収性物品101の一部を切り欠いて示す斜視図である。図7は、図6に示す被包装吸収性物品101の中央領域C2近傍のB−B線における断面図である。上述した被包装吸収性物品100と同様の構成は、同一の番号を付けて詳細な説明は省略する。ここで、B−B線は、後述の保護シート60の端部60aの下に位置する保護シート60に粘着テープ80が貼着される位置を通る仮想線である。
【0040】
被包装吸収性物品101は、粘着テープ80を備える。被包装吸収性物品101では、保護シート60の端部60aは、粘着テープ80によって保護シート60の一部と貼着される。粘着テープ80は、基材としてのフィルム81と、粘着材82とから形成される。フィルム81としては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の単層フィルムが挙げられる。また、複数種類の樹脂フィルムがラミネート加工された多層フィルムであってもよい。フィルム81の厚みは、10〜100μmであり、好ましくは、40〜60μmである。
【0041】
粘着材82は、フィルム81の表面に均一の塗布量で塗布される。粘着材82は、ゴム系のエラストマー、ポリエステル系のエラストマー、或いは熱硬化性樹脂を主体としたホットメルト型の接着材である。粘着材82は、粘着材50,70と同じであってもよい。
【0042】
本変形例では、粘着テープ80は、裏面シート20に形成された非粘着領域52に対応する位置に貼着されるため、粘着材82が保護シート60を透過したとしても、裏面シート20の非肌側面20aに配設される粘着材50との相溶を避けることができる。また、粘着材50が保護シート60を透過したとしても、粘着テープ80に配設される粘着材82との相溶を避けることができる。
【0043】
これにより、保護シート60を留める粘着テープ80の粘着材82と保護シート60との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。従って、被包装吸収性物品101が開封される際に保護シート60が破れるなどの不具合を防止することができる。保管期間又は保管環境の温度変化などによらず、使用者は、常に被包装吸収性物品101を容易に開封できる。
【0044】
(変形例1)
図8は、本実施形態の変形例として示す被包装吸収性物品102の一部を切り欠いて示す斜視図である。図9は、図8に示す被包装吸収性物品102の中央領域C3近傍のC−C線における断面図である。上述した被包装吸収性物品100,101と同様の構成は、同一の番号を付けて詳細な説明は省略する。なお、ここで、C−C線は、後述の保護シート60の端部60aの、粘着材70が配設される第2粘着領域71を通る仮想線である。
【0045】
被包装吸収性物品102は、剥離シート90を備える。剥離シート90は、保護シート60と裏面シート20との間に配設される。剥離シート90とは、一方の表面に、粘着材を剥離可能にする加工が施されたシートである。
【0046】
被包装吸収性物品102では、保護シート60の端部60aの、吸収性物品1の非肌側面20aと対向する所定位置には、粘着材70が配設される第2粘着領域71が形成される。保護シート60は、粘着材70によって、保護シート60の一部と貼着される。保護シート60と剥離シート90とは、ホットメルト型接着材などの粘着材91により接着固定されている。剥離シート90の非肌側面には、粘着材91が配設される剥離シート側粘着領域92と、粘着材91が配設されない剥離シート側非粘着領域93とが形成される。保護シート60は、第2粘着領域71によって、剥離シート側非粘着領域93に対応する領域に係止される。
【0047】
以上説明したように、被包装吸収性物品102では、保護シート60の端部60aの所定位置に形成される第2粘着領域71は、剥離シート90の非肌側面に形成される剥離シート側非粘着領域93と対応する位置に存在する。従って、第2粘着領域71に配設される粘着材70が保護シート60を透過したとしても、剥離シート90に配設される粘着材91との相溶を避けることができる。また、粘着材91が保護シート60を透過したとしても、第2粘着領域71に配設される粘着材70との相溶を避けることができる。
【0048】
これにより、保護シート60を留め付ける粘着材70と保護シート60との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。従って、被包装吸収性物品102が開封される際に保護シート60が破れるなどの不具合を防止することができる。保管期間又は保管環境の温度変化などによらず、使用者は、常に被包装吸収性物品102を容易に開封できる。
【0049】
(変形例2)
図10は、本実施形態の変形例として示す被包装吸収性物品103の一部を切り欠いて示す斜視図である。図11は、図10に示す被包装吸収性物品103の中央領域C4近傍のC−C線における断面図である。上述した被包装吸収性物品100,101,102と同様の構成は、同一の番号を付けて詳細な説明は省略する。なお、ここで、D−D線は、後述の保護シート60の端部60aの下に位置する保護シート60に粘着テープ80が貼着される位置を通る仮想線である。
【0050】
被包装吸収性物品103は、剥離シート90を備える。被包装吸収性物品103では、保護シート60の端部60aは、粘着テープ80によって保護シート60の一部と貼着される。保護シート60と剥離シート90とは、ホットメルト型接着材などの粘着材91により接着固定されている。
【0051】
剥離シート90の非肌側面には、粘着材91が配設される剥離シート側粘着領域92と、粘着材91が配設されない剥離シート側非粘着領域93とが形成される。保護シート60は、被包装吸収性物品103が剥離シート90を備える場合には、保護シート60の表面に、粘着材を剥離可能にする加工を施さなくてもよい。
【0052】
本変形例では、粘着テープ80は、剥離シート側非粘着領域93に対応する位置に貼着されるため、粘着材82が保護シート60を透過しても、粘着材82と粘着材91との相溶を避けることができる。また、粘着材91が保護シート60を透過したとしても、粘着テープ80に配設される粘着材82との相溶を避けることができる。
【0053】
これにより、保護シート60を留める粘着テープ80の粘着材82と剥離シート90との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。また、剥離シート90と保護シート60との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。従って、被包装吸収性物品103が開封される際に保護シート60が破れるなどの不具合を防止することができる。保管期間又は保管環境の温度変化などによらず、使用者は、常に被包装吸収性物品103を容易に開封できる。
【0054】
(裏面シートに形成される非粘着領域の変形例)
図12(a)乃至(d)は、裏面シート20に形成される第1粘着領域及び非粘着領域の変形例を説明する吸収性物品の裏面側の平面図である。
【0055】
図12(a)に示す変形例では、裏面シート20のほぼ全域に第1粘着領域51aが形成されており、保護シート60の端部60aに形成される第2粘着領域に対応する領域のみに、非粘着領域52aが形成される。
【0056】
図12(b)に示す変形例では、第1粘着領域51bは、吸収性物品1の長手方向に連続して形成されおり、複数本形成される。非粘着領域52bは、保護シート60の端部60aに形成される第2粘着領域に対応する領域に形成される。すなわち、複数のうち中央部に形成される第1粘着領域51bが他の第1粘着領域51bよりも短い。
【0057】
図12(c)に示す変形例では、裏面シート20の両端部を除く中央領域近傍に第1粘着領域51cが形成される。第1粘着領域51cは、吸収性物品1の幅方向に沿って塗布される。両端部に粘着材50を塗工しないことにより、実質的に非粘着領域52cが形成される。製造工程において、吸収性物品1を幅方向に沿って搬送する場合には、第1粘着領域51cと非粘着領域52cとをこのような形態にすると、吸収性物品1の製造上、有効性が高い。
【0058】
図12(d)に示す変形例では、第1粘着領域51dは、吸収性物品1の幅方向に沿って塗工される。図12(d)に示す変形例では、吸収性物品1の長手方向の両端部において、衣類と十分に貼着できないため、非粘着領域52dの吸収性物品1の幅方向の両側部分にも第1粘着領域51dを塗布する。
【0059】
(その他の実施形態)
以上説明したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0060】
本発明の実施形態は、次のように変更することができる。上述の各実施形態では、吸収性物品は、生理用ナプキンであるとして説明したが、本発明は、いわゆるライナー、失禁用品(失禁パットという)等にも適用できる。
【0061】
吸収性物品は、吸収性物品の中央領域の幅方向外側にウィング部が形成されていてもよい。また、吸収性物品は、吸収性物品の幅方向外側への体液の漏れを防止する防漏部(いわゆるギャザー)を備えていてもよい。ウィング部は、例えば、表面シートの上に折り畳まれる。吸収性物品は、ウィング部が折り畳まれた状態で所定の折り位置で表面シートを内側にして折り畳まれる。
【0062】
本実施形態では、吸収性物品を2箇所の折り位置(L1,L2)で折り畳む構造について説明した。しかし、吸収性物品を折り畳む回数は限定されない。例えば、二つ折りであってもよいし、三つ折り以上であってもよい。更に、吸収性物品が長手方向に巻回される状態(すなわち、折り目がない)であってもよい。
【0063】
本実施形態では、保護シート60に配設される粘着材70と剥離シート90に配設される粘着材91は、保護シート60を介して互いに重ならない位置に配設されていればよく、粘着材70、粘着材91が配設される領域は、図8乃至図11に示す実施形態に限定されない。また、粘着材70、裏面シート20に配設される粘着材50及び剥離シートに配設される粘着材91が保護シート60及び剥離シート90を介して互いに重ならない位置に配設されていれば、吸収性物品を開封するときにより粘着材同士の相溶が起こりにくい。なお、剥離シート90は、第1粘着領域51に配設される粘着材50を覆うことのできるサイズであればよく、実施形態に示すサイズに限定されない。
【0064】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0065】
1…吸収性物品、 10…表面シート、 20…裏面シート、 20a…非肌側面、 30…吸収体、 41,42…サイドシート、 50,70…粘着材、 51…第1粘着領域、 51a〜51d…第1粘着領域、 52…非粘着領域、52a〜52d…非粘着領域、 60…保護シート、 60a…端部、 60b,60c…側縁部、 60d…処理面、 70…粘着材、 71…第2粘着領域、 80…粘着テープ、 81…フィルム、 82…粘着材、 90…剥離シート、 91…粘着材、 92…剥離シート側粘着領域、 93…剥離シート側非粘着領域、 100…被包装吸収性物品、 101…被包装吸収性物品、 102…被包装吸収性物品、 103…被包装吸収性物品、 L…長手方向、 L1,L2…折り位置、 S…領域、 W…幅方向、 C1,C2,C3,C4…中央領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体の一部に本体を衣類に貼着する粘着材が配設され、保護シートによって個別に包装された被包装吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンなどの吸収性物品は、個別に包装されて販売する形態が広く用いられている。このような吸収性物品のなかには、着用者の衣類に貼着する粘着材が塗布されているものもあるため、吸収性物品を個別に包装する際には、粘着材が包装材に貼着することを防止することが必要である。従来、粘着材を保護する保護シートを用いて吸収性物品を個別に包装する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この吸収性物品では、保護シートが吸収性物品の包装を兼ねている。
【0003】
保護シートの表面には、粘着材の粘着力を低下させることなく剥離可能にする処理が施されている。また、保護シートは、粘着材が塗布された部分、或いは保護シートの端部に設けられた粘着テープを有し、吸収性物品が折り畳まれた状態で当該粘着材(或いは粘着テープ)が保護シートの一部に貼着される。これにより、保護シートを用いて吸収性物品を包装している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−324635号公報(第4頁、第5図、第8図など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の吸収性物品には、次のような問題があった。すなわち、経時変化、温度変化などにより、粘着テープの粘着材が保護シートを透過して吸収性物品に塗布されている粘着材に浸透することがあった。この場合、粘着材同士が相溶し、想定以上の粘着力が発生するため、吸収性物品の開封が難しくなったり、開封時に保護シートが破損し、保護シートを吸収性物品から剥がし難くなったりすることがあった。
【0006】
そこで、本発明は、開封が容易で開封時の不具合を防止することのできる被包装吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有する。着用者の排泄部に当接する当接領域を有する表面シート(表面シート10)と、液体を透過しない液不透過性を有しており衣類と貼着する非肌側面(非肌側面20a)に第1粘着材(粘着材50)が配設される裏面シート(裏面シート20)と、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配設される吸収体(吸収体30)とを備える吸収性物品(吸収性物品1)と、前記第1粘着材が剥離可能な状態で裏面シート側において吸収性物品と対向する対向面(処理面60d)を有する保護シート(保護シート60)とを備え、前記吸収性物品の前記非肌側面と前記保護シートの前記対向面とが当接された状態で前記吸収性物品が前記保護シートによって包装された被包装吸収性物品(被包装吸収性物品100)であって、前記裏面シートの前記非肌側面には、前記第1粘着材が配設される第1粘着領域(第1粘着領域51)と、前記第1粘着材が配設されない非粘着領域とが形成され、前記保護シートは、第2粘着材(粘着材70)が配設される第2粘着領域(第2粘着領域71)を有し、前記吸収性物品及び前記保護シートは前記表面シートを内側にして曲げられており、前記第2粘着領域は、前記非粘着領域に対応する領域と重なり、前記保護シートは、前記第2粘着領域により、前記保護シートの前記非粘着領域に対応する領域に係止されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、開封が容易で開封時の不具合を防止することのできる被包装吸収性物品が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品の表面側の平面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る吸収性物品の裏面側の平面図である。
【図3】図3は、吸収性物品を折り畳んで保護シートによって覆う様子を説明する模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る被包装吸収性物品の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す被包装吸収性物品のA−A線における断面図である。
【図6】図6は、変形例として示す被包装吸収性物品の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図7】図7は、図6に示す被包装吸収性物品のB−B線における断面図である。
【図8】図8は、変形例として示す被包装吸収性物品の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す被包装吸収性物品のC−C線における断面図である。
【図10】図10は、変形例として示す被包装吸収性物品の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図11】図11は、図10に示す被包装吸収性物品のD−D線における断面図である。
【図12】図12(a)乃至(d)は、裏面シートに形成される第1粘着領域及び非粘着領域の変形例を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る被包装吸収性物品の実施形態について、図面を参照しながら説明する。被包装吸収性物品は、吸収性物品が保護シートによって包装されたものである。
【0011】
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
始めに、本発明の実施形態に係る被包装吸収性物品100に内包される吸収性物品1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る吸収性物品1の表面側の平面図である。図2は、吸収性物品1の裏面側の平面図である。
【0013】
吸収性物品1は、例えば、生理用ナプキンである。吸収性物品1は、着用者の肌に当接する表面シート10と、液体を透過しない液不透過性の裏面シート20と、吸収体30とを有する。吸収体30は、表面シート10と、裏面シート20との間に配設される。従って、吸収体30は、図1において破線で示される。吸収体30は、吸収性物品1の長手方向Lにおける中央部分に配設される。また、吸収性物品1は、吸収性物品1の長手方向Lに直交する吸収体30の幅方向W外側に設けられるサイドシート41,42とを備える。
【0014】
表面シート10は、着用者の膣口に対応する領域Sを有する。表面シート10は、裏面シート20の長さと略同一の長さを有する。表面シート10の長手方向の端部の形状は、裏面シート20の長手方向の端部の形状と略同一である。表面シート10は、少なくとも吸収体30の表面を覆う。
【0015】
表面シート10は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造のシート状の材料であれば、特に限定されない。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。
【0016】
天然繊維の例としては、粉砕パルプ、コットン等のセルロースが挙げられる。化学繊維の例としては、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、熱可塑性疎水性化学繊維、又は親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維などが挙げられる。熱可塑性疎水性化学繊維の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の単繊維、ポリエチレンとポリプロピレンをグラフト重合してなる繊維、芯鞘構造等の複合繊維が挙げられる。
【0017】
不織布を作成する方法としては、乾式(カード法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等)及び湿式のいずれか一つの方法を用いることができる。乾式法と湿式法のうち、複数の方法を組み合わせてもよい。また、サーマルボンディング、ニードルパンチ、ケミカルボンディング等の方法が挙げられる。不織布を作成する方法は、上述の方法に限定されない。
【0018】
水流交絡法によりシート状に形成したスパンレースを表面シート10に用いることもできる。また、不織布の上層側に凹凸を付けた不織布、又はウェブ形成時にエアーを当てることにより不織布に目付ムラを設けた凹凸不織布を表面シート10に用いることもできる。表面に凹凸を形成することにより、体液が表面シート10を透過する前に表面シート10の表面を伝わって拡散することを軽減できる。
【0019】
裏面シート20は、ポリエチレン、ポリプロピレン等を主体としたフィルム、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。裏面シート20は、着用時の違和感を生じさせない程度の柔軟性を有する材料とすることが好ましい。
【0020】
吸収体30は、親水性繊維、パルプを含む。親水性繊維の例としては、粉砕パルプ、コットン等のセルロース、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、粒子状ポリマー、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維、又は、親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維等を単独又は混合して用いることができる。これらの中でも、低コストと吸収体の成形し易さとを考慮すると、粉砕パルプを使用することが好ましい。親水性繊維に高分子吸収体を混合したものを吸収体30として使用しても良い。本実施形態では、高分子吸収体は、吸収性、吸湿性のあるアクリル酸ナトリウム共重合体等の粒状ポリマーである。吸収体30は、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシートでもよい。
【0021】
サイドシート41,42は、表面シート10と同様の材料から選ぶことができる。但し、サイドシート41,42を乗り越えて吸収性物品1外方へ経血が流れることを防止するためには、疎水性又は撥水性を有することが好ましい。具体的には、スパンボンド不織布やSMS不織布などが挙げられる。サイドシート41,42は、肌との当接面を構成する。そのため、肌への擦れ刺激を低減するためには、エアスルー不織布を用いることが好ましい。サイドシート41,42は、表面シート10の両側に配設される。
【0022】
吸収性物品1では、表面シート10、サイドシート41,42、及び裏面シート20の周縁が接合されて、吸収体30が内封される。表面シート10と裏面シート20との接合方法としては、ヒートエンボス加工、超音波、又はホットメルト型接着剤のいずれか一つ、又は複数を組み合わせることが可能である。
【0023】
図2に示すように、裏面シート20の、衣類と貼着する非肌側の表面(非肌側面20aという)には、衣類と粘着する粘着材50が配設される第1粘着領域51と、粘着材50が配設されない非粘着領域52とが形成される。第1粘着領域51は、吸収性物品1の幅方向の両側部に、吸収性物品1の長手方向に連続して形成される。非粘着領域52は、表面シート10の領域Sに対応する裏面シート20側の領域を含む中央領域に、吸収性物品1の長手方向に連続して形成される。
【0024】
製造工程において、吸収性物品1を長手方向に沿って搬送する場合には、第1粘着領域51と非粘着領域52とをこのような形態にすると、吸収性物品1の製造上、有効性が高い。
【0025】
粘着材50としては、熱可塑性樹脂であるスチレン系ブロックポリマー、可塑性樹脂であるパラフィン系オイル等が挙げられる。また、スチレン系ブロックポリマーに粘着を与えるための粘着付与樹脂としては、例えば、合成樹脂、天然樹脂が挙げられる。スチレン系ブロックポリマーとしては、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)等が挙げられる。スチレン系ブロックポリマーは、スチレン部分の分子量が5000〜20000であることが好ましい。ゴム部分を含めた全体の分子量のうちスチレン部分の分子量が10%〜35%であるスチレン系ブロックポリマーを使用することが好ましい。
【0026】
粘着付与樹脂として用いる合成樹脂には、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合石油樹脂、水素添加石油樹脂、DCPD系石油樹脂、ピュアーモノマー系石油樹脂などが挙げられる。また、天然樹脂としては、αピネン、βピネン又はジペンテンとの共重合体であるテルペン系樹脂、ガムロジン、トール油ロジン又はウッドロジンなどのロジン系樹脂、若しくは、これらの水添物やエステルなどが挙げられる。
【0027】
また、可塑性材料としては、粘度を下げるためのパラフィンオイル系、タック性を高めるナフテンオイル、凝集力を下げたり色や匂いを付与するためのアロマオイルなどが挙げられる。
【0028】
粘着材50の塗布量は、10〜100g/m2であり、好ましくは、20〜50g/m2である。塗布量が10g/m2以下であると、吸収性物品1を衣類に貼着する際の粘着力が弱く、脱落、ズレなどが起こり易くなる。100g/m2以上であると、粘着力が高すぎて、衣類から吸収性物品1を剥がす処理が難しくなるため好ましくない。
【0029】
(被包装吸収性物品の折り畳み構造)
図3は、吸収性物品1を折り畳んで保護シート60によって覆う様子を説明する模式図である。図4は、被包装吸収性物品100の一部を切り欠いて示す斜視図である。図5は、図4に示す被包装吸収性物品100の中央領域C1近傍のA−A線における断面図である。なお、ここで、A−A線は、後述の保護シート60の端部60aの、粘着材70が配設される第2粘着領域71を通る仮想線である。
【0030】
被包装吸収性物品100は、吸収性物品1と保護シート60とを備え、吸収性物品1が保護シート60により個別に包装されたものである。保護シート60は、吸収性物品1の裏面シート側において吸収性物品1と対向する対向面を有する。保護シート60において、対向面(処理面60dという)の全面には、粘着材を剥離可能にする加工が施されている。また、他方の表面にも同様に、粘着材を剥離可能にする加工が施されている。ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、及びこれらからを複合して形成される複合材料からなるフィルムは、保護シート60として利用できる。保護シート60は、厚さ5〜50μmであることが好ましい。
【0031】
粘着材を剥離可能にする加工の方法としては、処理面60dの全面に剥離処理剤を塗布し、加熱・乾燥する方法、或いは、スプレーにより処理面60dの全面に剥離処理剤を吹きつけることにより薄膜を形成する方法などが挙げられる。ここで、剥離処理剤として、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、オクタルデシルイソシアネート系樹脂などが挙げられる。また、処理面60dに微細な凹凸を形成する加工を施してもよい。処理面60dと粘着材との接触面積を低下させることにより剥離が容易になる。
【0032】
吸収性物品1は、所定の折り位置L1,L2において、表面シート10を内側にして折り畳まれる。保護シート60の端部60aの、吸収性物品1の非肌側面20aと対向する所定位置には、粘着材70が配設される第2粘着領域71が形成される。保護シート60は、粘着材70によって、保護シート60の一部と貼着される。
【0033】
粘着材70は、第2粘着領域71の表面に均一の塗布量で塗布される。粘着材70は、ゴム系のエラストマー、ポリエステル系のエラストマー、或いは熱硬化性樹脂を主体としたホットメルト型の接着材である。粘着材70は、粘着材50と同じであってもよい。
【0034】
保護シート60及び吸収性物品1は、表面シート10を内側にして曲げられており、第2粘着領域71は、非粘着領域52に対応する領域と重なる。保護シート60の一部分は、吸収性物品1の非肌側面20aに当接する保護シート60の他の一部分と互いに重なり合う位置まで折り返される(図4参照)。保護シート60の端部60aは、折り返された状態で、粘着材70によって保護シート60に粘着される。保護シート60の長手方向の両側縁部60b、60cは、折り畳まれた状態で、熱融着により接合される。以上のようにして被包装吸収性物品100が形成される。
【0035】
図5に、被包装吸収性物品100のA−A線における断面を示す。本実施形態では、保護シート60の、裏面シート20の非肌側面20aと対向する所定位置には、粘着材70が配設される第2粘着領域71が形成される。保護シート60は、第2粘着領域71によって、保護シート60の非粘着領域52に対応する領域に係止される。
【0036】
以上説明したように、被包装吸収性物品100では、保護シート60の所定位置に形成される第2粘着領域71は、裏面シート20の非肌側面20aに形成される非粘着領域52と対応する位置に存在する。従って、第2粘着領域71に配設される粘着材70が保護シート60を透過したとしても、裏面シート20の非肌側面20aに配設される粘着材50との相溶を避けることができる。また、粘着材50が保護シート60を透過したとしても、第2粘着領域71に配設される粘着材70との相溶を避けることができる。
【0037】
これにより、保護シート60を留め付ける粘着材70と保護シート60との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。従って、被包装吸収性物品100が開封される際に保護シート60が破れるなどの不具合を防止することができる。保管期間又は保管環境の温度変化などによらず、使用者は、常に被包装吸収性物品100を容易に開封できる。
【0038】
また、非粘着領域52は、表面シート10の領域Sに対応する裏面シート20の中央領域に吸収性物品1の長手方向に連続して形成される。このような吸収性物品1では、中央領域が衣類に貼着されないため、吸収性物品1の中央部分が衣類から浮き上がり易くなる。そのため、吸収性物品1の表面シート10の領域Sが肌側に持ち上げられ易くなる。従って、吸収性物品1の肌(膣口)へのフィット性が高められる。
【0039】
(保護シートの貼着方法の変形例)
図6は、本実施形態の変形例として示す被包装吸収性物品101の一部を切り欠いて示す斜視図である。図7は、図6に示す被包装吸収性物品101の中央領域C2近傍のB−B線における断面図である。上述した被包装吸収性物品100と同様の構成は、同一の番号を付けて詳細な説明は省略する。ここで、B−B線は、後述の保護シート60の端部60aの下に位置する保護シート60に粘着テープ80が貼着される位置を通る仮想線である。
【0040】
被包装吸収性物品101は、粘着テープ80を備える。被包装吸収性物品101では、保護シート60の端部60aは、粘着テープ80によって保護シート60の一部と貼着される。粘着テープ80は、基材としてのフィルム81と、粘着材82とから形成される。フィルム81としては、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の単層フィルムが挙げられる。また、複数種類の樹脂フィルムがラミネート加工された多層フィルムであってもよい。フィルム81の厚みは、10〜100μmであり、好ましくは、40〜60μmである。
【0041】
粘着材82は、フィルム81の表面に均一の塗布量で塗布される。粘着材82は、ゴム系のエラストマー、ポリエステル系のエラストマー、或いは熱硬化性樹脂を主体としたホットメルト型の接着材である。粘着材82は、粘着材50,70と同じであってもよい。
【0042】
本変形例では、粘着テープ80は、裏面シート20に形成された非粘着領域52に対応する位置に貼着されるため、粘着材82が保護シート60を透過したとしても、裏面シート20の非肌側面20aに配設される粘着材50との相溶を避けることができる。また、粘着材50が保護シート60を透過したとしても、粘着テープ80に配設される粘着材82との相溶を避けることができる。
【0043】
これにより、保護シート60を留める粘着テープ80の粘着材82と保護シート60との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。従って、被包装吸収性物品101が開封される際に保護シート60が破れるなどの不具合を防止することができる。保管期間又は保管環境の温度変化などによらず、使用者は、常に被包装吸収性物品101を容易に開封できる。
【0044】
(変形例1)
図8は、本実施形態の変形例として示す被包装吸収性物品102の一部を切り欠いて示す斜視図である。図9は、図8に示す被包装吸収性物品102の中央領域C3近傍のC−C線における断面図である。上述した被包装吸収性物品100,101と同様の構成は、同一の番号を付けて詳細な説明は省略する。なお、ここで、C−C線は、後述の保護シート60の端部60aの、粘着材70が配設される第2粘着領域71を通る仮想線である。
【0045】
被包装吸収性物品102は、剥離シート90を備える。剥離シート90は、保護シート60と裏面シート20との間に配設される。剥離シート90とは、一方の表面に、粘着材を剥離可能にする加工が施されたシートである。
【0046】
被包装吸収性物品102では、保護シート60の端部60aの、吸収性物品1の非肌側面20aと対向する所定位置には、粘着材70が配設される第2粘着領域71が形成される。保護シート60は、粘着材70によって、保護シート60の一部と貼着される。保護シート60と剥離シート90とは、ホットメルト型接着材などの粘着材91により接着固定されている。剥離シート90の非肌側面には、粘着材91が配設される剥離シート側粘着領域92と、粘着材91が配設されない剥離シート側非粘着領域93とが形成される。保護シート60は、第2粘着領域71によって、剥離シート側非粘着領域93に対応する領域に係止される。
【0047】
以上説明したように、被包装吸収性物品102では、保護シート60の端部60aの所定位置に形成される第2粘着領域71は、剥離シート90の非肌側面に形成される剥離シート側非粘着領域93と対応する位置に存在する。従って、第2粘着領域71に配設される粘着材70が保護シート60を透過したとしても、剥離シート90に配設される粘着材91との相溶を避けることができる。また、粘着材91が保護シート60を透過したとしても、第2粘着領域71に配設される粘着材70との相溶を避けることができる。
【0048】
これにより、保護シート60を留め付ける粘着材70と保護シート60との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。従って、被包装吸収性物品102が開封される際に保護シート60が破れるなどの不具合を防止することができる。保管期間又は保管環境の温度変化などによらず、使用者は、常に被包装吸収性物品102を容易に開封できる。
【0049】
(変形例2)
図10は、本実施形態の変形例として示す被包装吸収性物品103の一部を切り欠いて示す斜視図である。図11は、図10に示す被包装吸収性物品103の中央領域C4近傍のC−C線における断面図である。上述した被包装吸収性物品100,101,102と同様の構成は、同一の番号を付けて詳細な説明は省略する。なお、ここで、D−D線は、後述の保護シート60の端部60aの下に位置する保護シート60に粘着テープ80が貼着される位置を通る仮想線である。
【0050】
被包装吸収性物品103は、剥離シート90を備える。被包装吸収性物品103では、保護シート60の端部60aは、粘着テープ80によって保護シート60の一部と貼着される。保護シート60と剥離シート90とは、ホットメルト型接着材などの粘着材91により接着固定されている。
【0051】
剥離シート90の非肌側面には、粘着材91が配設される剥離シート側粘着領域92と、粘着材91が配設されない剥離シート側非粘着領域93とが形成される。保護シート60は、被包装吸収性物品103が剥離シート90を備える場合には、保護シート60の表面に、粘着材を剥離可能にする加工を施さなくてもよい。
【0052】
本変形例では、粘着テープ80は、剥離シート側非粘着領域93に対応する位置に貼着されるため、粘着材82が保護シート60を透過しても、粘着材82と粘着材91との相溶を避けることができる。また、粘着材91が保護シート60を透過したとしても、粘着テープ80に配設される粘着材82との相溶を避けることができる。
【0053】
これにより、保護シート60を留める粘着テープ80の粘着材82と剥離シート90との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。また、剥離シート90と保護シート60との間に想定以上の粘着力が発生することを防止できる。従って、被包装吸収性物品103が開封される際に保護シート60が破れるなどの不具合を防止することができる。保管期間又は保管環境の温度変化などによらず、使用者は、常に被包装吸収性物品103を容易に開封できる。
【0054】
(裏面シートに形成される非粘着領域の変形例)
図12(a)乃至(d)は、裏面シート20に形成される第1粘着領域及び非粘着領域の変形例を説明する吸収性物品の裏面側の平面図である。
【0055】
図12(a)に示す変形例では、裏面シート20のほぼ全域に第1粘着領域51aが形成されており、保護シート60の端部60aに形成される第2粘着領域に対応する領域のみに、非粘着領域52aが形成される。
【0056】
図12(b)に示す変形例では、第1粘着領域51bは、吸収性物品1の長手方向に連続して形成されおり、複数本形成される。非粘着領域52bは、保護シート60の端部60aに形成される第2粘着領域に対応する領域に形成される。すなわち、複数のうち中央部に形成される第1粘着領域51bが他の第1粘着領域51bよりも短い。
【0057】
図12(c)に示す変形例では、裏面シート20の両端部を除く中央領域近傍に第1粘着領域51cが形成される。第1粘着領域51cは、吸収性物品1の幅方向に沿って塗布される。両端部に粘着材50を塗工しないことにより、実質的に非粘着領域52cが形成される。製造工程において、吸収性物品1を幅方向に沿って搬送する場合には、第1粘着領域51cと非粘着領域52cとをこのような形態にすると、吸収性物品1の製造上、有効性が高い。
【0058】
図12(d)に示す変形例では、第1粘着領域51dは、吸収性物品1の幅方向に沿って塗工される。図12(d)に示す変形例では、吸収性物品1の長手方向の両端部において、衣類と十分に貼着できないため、非粘着領域52dの吸収性物品1の幅方向の両側部分にも第1粘着領域51dを塗布する。
【0059】
(その他の実施形態)
以上説明したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0060】
本発明の実施形態は、次のように変更することができる。上述の各実施形態では、吸収性物品は、生理用ナプキンであるとして説明したが、本発明は、いわゆるライナー、失禁用品(失禁パットという)等にも適用できる。
【0061】
吸収性物品は、吸収性物品の中央領域の幅方向外側にウィング部が形成されていてもよい。また、吸収性物品は、吸収性物品の幅方向外側への体液の漏れを防止する防漏部(いわゆるギャザー)を備えていてもよい。ウィング部は、例えば、表面シートの上に折り畳まれる。吸収性物品は、ウィング部が折り畳まれた状態で所定の折り位置で表面シートを内側にして折り畳まれる。
【0062】
本実施形態では、吸収性物品を2箇所の折り位置(L1,L2)で折り畳む構造について説明した。しかし、吸収性物品を折り畳む回数は限定されない。例えば、二つ折りであってもよいし、三つ折り以上であってもよい。更に、吸収性物品が長手方向に巻回される状態(すなわち、折り目がない)であってもよい。
【0063】
本実施形態では、保護シート60に配設される粘着材70と剥離シート90に配設される粘着材91は、保護シート60を介して互いに重ならない位置に配設されていればよく、粘着材70、粘着材91が配設される領域は、図8乃至図11に示す実施形態に限定されない。また、粘着材70、裏面シート20に配設される粘着材50及び剥離シートに配設される粘着材91が保護シート60及び剥離シート90を介して互いに重ならない位置に配設されていれば、吸収性物品を開封するときにより粘着材同士の相溶が起こりにくい。なお、剥離シート90は、第1粘着領域51に配設される粘着材50を覆うことのできるサイズであればよく、実施形態に示すサイズに限定されない。
【0064】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0065】
1…吸収性物品、 10…表面シート、 20…裏面シート、 20a…非肌側面、 30…吸収体、 41,42…サイドシート、 50,70…粘着材、 51…第1粘着領域、 51a〜51d…第1粘着領域、 52…非粘着領域、52a〜52d…非粘着領域、 60…保護シート、 60a…端部、 60b,60c…側縁部、 60d…処理面、 70…粘着材、 71…第2粘着領域、 80…粘着テープ、 81…フィルム、 82…粘着材、 90…剥離シート、 91…粘着材、 92…剥離シート側粘着領域、 93…剥離シート側非粘着領域、 100…被包装吸収性物品、 101…被包装吸収性物品、 102…被包装吸収性物品、 103…被包装吸収性物品、 L…長手方向、 L1,L2…折り位置、 S…領域、 W…幅方向、 C1,C2,C3,C4…中央領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の排泄部に当接する当接領域を有する表面シートと、液体を透過しない液不透過性を有しており衣類と貼着する非肌側面に第1粘着材が配設される裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配設される吸収体とを備える吸収性物品と、
前記第1粘着材が剥離可能な状態で裏面シート側において吸収性物品と対向する対向面を有する保護シートとを備え、
前記吸収性物品の前記非肌側面と前記保護シートの前記対向面とが当接された状態で前記吸収性物品が前記保護シートによって包装された被包装吸収性物品であって、
前記裏面シートの前記非肌側面には、
前記第1粘着材が配設される第1粘着領域と、
前記第1粘着材が配設されない非粘着領域とが形成され、
前記保護シートは、第2粘着材が配設される第2粘着領域を有し、
前記吸収性物品及び前記保護シートは前記表面シートを内側にして曲げられており、前記第2粘着領域は、前記非粘着領域に対応する領域と重なり、
前記保護シートは、前記第2粘着領域により、前記保護シートの前記非粘着領域に対応する領域に係止される被包装吸収性物品。
【請求項2】
前記非粘着領域は、前記吸収性物品の幅方向の中央領域に、前記吸収性物品の長手方向に連続して形成される請求項1に記載の被包装吸収性物品。
【請求項3】
前記保護シートの端部に設けられる粘着テープを備え、
前記粘着テープは、前記粘着テープの表面に前記第2粘着材が配設される第2粘着領域を有し、
前記粘着テープは、前記非粘着領域に対応する位置に貼着される請求項1又は2に記載の被包装吸収性物品。
【請求項4】
着用者の排泄部に当接する当接領域を有する表面シートと、液体を透過しない液不透過性を有しており衣類と貼着する非肌側面に第1粘着材が配設される裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配設される吸収体とを備える吸収性物品と、
前記第1粘着材が剥離可能な状態で裏面シート側において吸収性物品と対向する対向面を有する剥離シートと、
前記剥離シートの非肌側面に配設される保護シートと、
を備え、
前記吸収性物品の前記非肌側面と前記剥離シートの前記対向面とが当接された状態で前記吸収性物品が前記保護シートによって包装された被包装吸収性物品であって、
前記剥離シートの前記非肌側面には、
前記剥離シートと前記保護シートとを接着する剥離シート粘着材が配設される剥離シート側第1粘着領域と、
前記剥離シート粘着材が配設されない剥離シート側非粘着領域とが形成され、
前記保護シートは、第2粘着材が配設される第2粘着領域を有し、
前記吸収性物品及び前記保護シートは前記表面シートを内側にして曲げられており、前記第2粘着領域は、前記剥離シート側非粘着領域に対応する領域と重なり、
前記保護シートは、前記剥離シート側非粘着領域において前記第2粘着領域により前記保護シートに係止される被包装吸収性物品。
【請求項1】
着用者の排泄部に当接する当接領域を有する表面シートと、液体を透過しない液不透過性を有しており衣類と貼着する非肌側面に第1粘着材が配設される裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配設される吸収体とを備える吸収性物品と、
前記第1粘着材が剥離可能な状態で裏面シート側において吸収性物品と対向する対向面を有する保護シートとを備え、
前記吸収性物品の前記非肌側面と前記保護シートの前記対向面とが当接された状態で前記吸収性物品が前記保護シートによって包装された被包装吸収性物品であって、
前記裏面シートの前記非肌側面には、
前記第1粘着材が配設される第1粘着領域と、
前記第1粘着材が配設されない非粘着領域とが形成され、
前記保護シートは、第2粘着材が配設される第2粘着領域を有し、
前記吸収性物品及び前記保護シートは前記表面シートを内側にして曲げられており、前記第2粘着領域は、前記非粘着領域に対応する領域と重なり、
前記保護シートは、前記第2粘着領域により、前記保護シートの前記非粘着領域に対応する領域に係止される被包装吸収性物品。
【請求項2】
前記非粘着領域は、前記吸収性物品の幅方向の中央領域に、前記吸収性物品の長手方向に連続して形成される請求項1に記載の被包装吸収性物品。
【請求項3】
前記保護シートの端部に設けられる粘着テープを備え、
前記粘着テープは、前記粘着テープの表面に前記第2粘着材が配設される第2粘着領域を有し、
前記粘着テープは、前記非粘着領域に対応する位置に貼着される請求項1又は2に記載の被包装吸収性物品。
【請求項4】
着用者の排泄部に当接する当接領域を有する表面シートと、液体を透過しない液不透過性を有しており衣類と貼着する非肌側面に第1粘着材が配設される裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配設される吸収体とを備える吸収性物品と、
前記第1粘着材が剥離可能な状態で裏面シート側において吸収性物品と対向する対向面を有する剥離シートと、
前記剥離シートの非肌側面に配設される保護シートと、
を備え、
前記吸収性物品の前記非肌側面と前記剥離シートの前記対向面とが当接された状態で前記吸収性物品が前記保護シートによって包装された被包装吸収性物品であって、
前記剥離シートの前記非肌側面には、
前記剥離シートと前記保護シートとを接着する剥離シート粘着材が配設される剥離シート側第1粘着領域と、
前記剥離シート粘着材が配設されない剥離シート側非粘着領域とが形成され、
前記保護シートは、第2粘着材が配設される第2粘着領域を有し、
前記吸収性物品及び前記保護シートは前記表面シートを内側にして曲げられており、前記第2粘着領域は、前記剥離シート側非粘着領域に対応する領域と重なり、
前記保護シートは、前記剥離シート側非粘着領域において前記第2粘着領域により前記保護シートに係止される被包装吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−264078(P2010−264078A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118102(P2009−118102)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】
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