説明

被包装物充填方法及び装置

【課題】挿入口を上向にして配置された包装容器内に複数の棒状の被包装物物を横向き姿勢で順次積み重ねた状態で容易且つ確実に、そして安定した状態で充填できる被包装物充填方法及び装置を提供する。
【解決手段】横向きの姿勢で供給される棒状の被包装物5を昇降ホッパー12内に順次受け入れて、昇降ホッパー内に位置する支持プレート20上へ順次積み重ね、その際、支持プレートは徐々に下方へ移動する。そして下降端位置に達する前に被包装物を昇降ホッパーの下部に設けられた支持バー24に引渡し、下降端位置に達した後、退避位置へ退避する。次いで昇降ホッパーは下方に位置した包装容器内に挿入され、容器の底近くの下降端位置に位置する。ここで、支持バーが解放位置へ移動して、被包装物が下方へ移動して包装容器内に充填される。そして、昇降ホッパーは容器から抜き取られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横向き姿勢で順次供給される棒状の被包装物を、そのまま横向きで順次積重ね、その状態で、例えば外装袋などの容器内に充填する被包装物充填方法及び装置に関する。さらに詳細に言えば、挿入口を上側にして配置された容器内に棒状被包装物を横向きで順次積重ねて充填する充填方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
棒状の被包装物、例えば、粉粒体が充填され密封されたスティック状の包装袋(以下、単に「スティック袋」という。)を複数個まとめて袋などの外装容器内に充填する場合、特公平5−17093号公報に記載されているように、多数のスティック袋を縦向きに起立した姿勢で充填するのが一般的であり、充填作業も比較的に容易である。
【0003】
しかしながら、包装形態によっては複数個のスティック袋を横向きの姿勢で整然と外装容器内に充填しなければならない場合がある。多数の棒状の被包装物を横向き姿勢で容器内に充填する技術として、例えば、実公平5−36805号公報或いは特開2006−335460号に開示されたものが知られているが、いずれにも以下のような問題点がある。すなわち、(1)仮に充填前に多数の棒状物を集積したとしても、最後の容器内への充填が、それら多数の棒状物をすべて同時に、そして自由落下を利用して行うため、充填に伴いその集積状態に乱れが生じ、多数の棒状物が容器内ででこぼこした山状に重なり合い、充填状態、すなわち、包装製品としての見栄えが損なわれる。(2)また、幾つかの棒状物がその落下中に姿勢を崩し、容器内に充填される際に斜めあるいは起立した姿勢になり、充填状態の見栄えが損なわれるのみでなく、場合によっては棒状物の端部が容器の開口部から突出してしまい、その後の工程で実施される容器の密封に支障が生じる。(3)さらに、容器の大きさ、すなわち開口面積が比較的に小さく、充填される棒状物との間に余り寸法的余裕がないような場合、落下途中で棒状物の端部が容器の開口縁部に引っ掛かり、充填不良となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平5−17093号公報
【特許文献2】実公平5−36805号公報
【特許文献3】特開2006−335460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、挿入口を上向にして配置された包装容器内に複数の棒状の被包装物を横向き姿勢で順次積み重ねた状態で容易且つ確実に、そして安定した状態で充填できる被包装物充填方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明は以下の被包装物充填方法を提供する。すなわち、その方法は、挿入口を上側にして配置された包装容器内に複数の棒状の被包装物を充填する方法であり、横向きの姿勢で順次供給される被包装物を、上昇端位置に位置する昇降ホッパー内に受け入れるとともに、昇降ホッパー内の初期支持位置に位置した第1支持部材を被包装物の受け入れに応じて徐々に下降させ、昇降ホッパー内で第1支持部材上に複数の被包装物を受け入れ順に積み重ねる。そして、昇降ホッパー内に所定の数の被包装物を受け入れた後、昇降ホッパーの下部に位置した第2支持部材で第1支持部材上の複数の被包装物をそのままの状態で第1支持部材に代わって支持し、第1支持部材を退避位置へ退避させる。次いで昇降ホッパーと第2支持部材とを下降端位置まで下降させて、包装容器内の底部付近まで挿入し、第2支持部材を被包装物解放位置へ移動させ、昇降ホッパー内の複数の被包装物を積み重ねられた状態のままで包装容器内に充填する。そして昇降ホッパーと第2支持部材とを上昇端位置まで上昇させ、第1支持部材を前記初期支持位置に位置させる。
【0007】
上記課題を解決するために本願発明は、以下の構成の被包装物充填装置を提供する。すなわちその充填装置は、挿入口を上側にして配置された包装容器内に複数の棒状の被包装物を横向きの姿勢で充填する被包装物充填装置であり、被包装物を収容する上下に伸びる収容部を備え、上昇端位置と下降端位置との間で昇降可能な昇降ホッパーと、昇降自在であり、且つ昇降ホッパーの収容部内の被包装物を支持可能な支持位置と、該支持位置から側方へ退避した退避位置との間で移動可能な第1支持部材と、昇降ホッパーの下部に設けられ、昇降ホッパーの収容部内の被包装物を支持可能な支持位置と、収容部内の被包装物の下方への移動を許容する解放位置との間で移動可能な第2支持部材とを備えている。そして、昇降ホッパーの収容部の横断面形状は、横向き姿勢で該収容部内に受け入れられる被包装物が、その収容部内に位置する第1支持部材上に受け入れ順に積み重ねられることとなる形状に形成されており、第1支持部材は、上昇端位置に位置するホッパーの収容部内で、上昇端位置から、被包装物が順次収容部に受け入れられるのに対応して徐々に下降端位置に向かって移動し、その下降端位置に達する直前に積み重ねられた被包装物を第2支持部材に引渡す構成になっている。
【0008】
上記の被包装物充填装置において、その昇降ホッパーは水平方向に所定の間隔で配置された、一対の平面視略コ字状の部材で構成することができ、第1支持部材は、支持位置に位置するとき、それら一対のコ字状の部材の間に位置するようになっている。
上記被包装物充填装置はさらに、被包装物を収容する上下に伸びる収容部を備えたストックホッパーを備えることができ、該ストックホッパーは、昇降ホッパーの上昇端位置に対応する位置に固定配置され、上昇端位置に位置する昇降ホッパー内に位置するように構成される。或いは、上記被包装物充填装置はさらに間欠回転テーブルを備えることができ、回転テーブルにはその円周方向に沿って複数組の昇降ホッパーと第2支持部材とが設けられ、第1支持部材は、間欠回転テーブルの径方向外方で、間欠回転テーブルの所定の間欠停止位置に対応する位置に配置される。
【発明の効果】
【0009】
上記被包装物充填方法及び装置によれば、昇降ホッパー内に積み重ねた複数の棒状の被包装物を昇降ホッパーごと包装容器内に挿入し、第2支持部材を解放位置に移動させて、積み重ねた状態のままで被包装物を包装容器内へ充填する構成であるため、充填した被包装物の姿勢の乱れもなく、その集積状態すなわち包装された製品は見栄えが良い。また、包装容器の開口部に被包装物が引っ掛かったりして、以後の包装処理を行うのに支障が生じることもない。従って、多数の被包装物を横向きの姿勢で、整然と集積した状態で容器内へ、容易且つ確実に、そして安定的に充填することができる。
そして、その昇降ホッパーを水平方向に所定の間隔で配置された、一対の平面視略コ字状の部材で構成し、第1支持部材が、支持位置に位置するときは、それら一対のコ字状の部材の間に位置するようにすることにより、被包装物の供給ミス等により昇降ホッパー内において集積状態や被包装物の姿勢に乱れが生じた場合には、機械停止後、そのコ字状の部材の間に手を入れて昇降ホッパー内の被包装物を容易に取り除くことができる。
また、その被包装物充填装置がさらに、被包装物を収容する上下に伸びる収容部を備えたストックホッパーを備え、該ストックホッパーが、昇降ホッパーの上昇端位置に対応する位置に固定配置され、上昇端位置に位置する昇降ホッパー内に位置するように構成し、或いは、その被包装物充填装置がさらに間欠回転テーブルを備え、その回転テーブルにはその円周方向に沿って複数組の昇降ホッパーと第2支持部材とが設けられ、第1支持部材を、間欠回転テーブルの径方向外方で、間欠回転テーブルの所定の間欠停止位置に対応する位置に配置することにより、被包装物の充填を行いながら、次回充填する分の被包装物の昇降ホッパー内への受け入れができるため、効率の良い充填が可能となり、生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る被包装物充填装置の概略の構成を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
【図2】図1の装置の動作説明図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る被包装物充填装置の概略の構成を示す平面図である。
【図4】図3の装置の正面断面図である。
【図5】図3,4に示す装置の動作説明図の一部である。
【図6】図3,4に示す装置の動作説明図の残りの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態に係る被包装物充填装置(以下「充填装置」という。)10の概略構成図であり、図2はその動作説明図である。
【0012】
図1において、符号1は袋口(挿入口)2を上側にし、袋口2を開いた状態で後述する充填装置10の下方に配置された包装袋である。図では、その両側縁部をグリッパ3,3により把持されて吊下げ状態に保持されているが、必ずしもこれに限定されず、袋口2を上側にして充填装置10の下側に配置されれば良い。
【0013】
充填装置10は昇降ホッパー12を備えている。昇降ホッパー12は上下に細長く、平面視すなわち横断面が略「コ」字状の形をした一対の昇降ホッパー部材13,13で構成され、昇降ホッパー部材13,13は、高さ方向同じ位置で、その開口部分が互いに向い合った状態で所定の間隔で配置されている。これら昇降ホッパー部材13,13のコ字状の部分と、両方の「コ」の字の上下の辺(両側面部分)を延長して互いに繋いで形成される横断面略長方形の部分が収容部14を形成することとなり、その収容部14は上下に延びている。昇降ホッパー12は図示しない駆動源により駆動され、後述する被包装物受け入れ位置である上昇端位置と、これも後述する包装袋1内への被包装物充填位置となる下降端位置との間で昇降するようになっており、図1では上昇端位置に位置している。
【0014】
符合16はストックホッパーで、これも上下に細長く、横断面が略「コ」字状の形をした一対のストックホッパー部材17,17で構成され、高さ方向同じ位置で、その開口部分が互いに向い合った状態で所定の間隔で配置されている。これらストックホッパー部材17,17のコ字状の部分と、両方の「コ」の字の上下の辺(両側面部分)を延長して互いに繋いで形成される横断面略長方形の部分が収容部18を形成することとなり、その収容部18は上下に延びている。これらストックホッパー部材17,17は、上昇端位置にある昇降ホッパー12に対応する高さ位置で固定配置されており、それぞれ昇降ホッパー部材13,13の内側に入子状に受け入れられ、その3つの外側面が昇降ホッパー部材13,13の対応する内側面に接しているが、昇降ホッパー12の昇降動作の妨げにはならない。この実施の形態では、昇降ホッパー12とストックホッパー16とは略同じ長さであるが、ストックホッパー16が僅かに上側に突出した状態になっている。
【0015】
ストックホッパー16の横断面すなわち収容部18の形状及び寸法は、本実施の形態の場合、横向きになった棒状の被包装物が一つだけ、その長手方向がストックホッパー16の横断面での長手方向に沿った状態で受け入れ可能な形状及び寸法になっている。従って、ストックホッパー16内に順次受け入れられる被包装物は、受け入れ順にその前に受け入れられた被包装物の上に積み重なっていくようになっている。しかし、その配列は一列に限定されるものではなく、例えばこのストックホッパーの横断面での幅を略2倍にして、二つの被包装物が並列に並べられ、順次その上に二つずつ並んで積み重ねられた状態で受け入れるようにすることもできる。すなわち、ストックホッパー16の収容部18は互いに対向した一対の内側面(前述した横断面での長手方向部分)を備えており、被包装物はその内側面に沿う方向に長手方向が延びて収容され、それら一対の内側面間の距離は、予め定められた数の被包装物の太さの合計寸法より長く、その予め定められた数に1を足した数の被包装物の太さの合計より短く設定されている。なお、上述したストックホッパー16の収容部18の横断面の形状及び寸法と被包装物の太さ及び数の関係については、先に説明した昇降ホッパー12の収容部14についても同様である。
【0016】
符合20は第1支持部材となる板状の支持プレートであり、図示しない駆動源により上下動及び水平移動が可能になっていて、4つの位置を順に移動する。すなわち、第1の位置は正面図に実線で示されている上昇端支持位置(初期支持位置)で、ストックホッパー部材17,17の間で、その上端より若干低い位置に位置している。第2の位置は上昇端支持位置から下方へ下がり、正面図で2点差線で示された下降端支持位置、第3の位置は下降端支持位置から正面図で紙面背面側へ移動した下降端退避位置(平面図に2点差線で示されている。)、第4は下降端退避位置から上方へ移動し、その高さが上昇端支持位置と同じになる上昇端退避位置であり、支持プレート20はこの順番で移動を繰返すようになっている。
【0017】
符合24は第2支持部材となる支持バーで、二本設けられ、それぞれ昇降ホッパー部材13,13の開口部分の下端に水平面内で揺動可能に取り付けられている。取付け位置は平面図で見て上下反対側になっている。そして図示しない駆動源により、正面図に示されるように昇降ホッパー部材13,13の開口部を横切るように伸び、後述するように被包装物を支持することのできる支持位置と、平面図に2点鎖線で示されるように支持位置からそれぞれ略90度回動して互いに横方向に平行に伸び、支持していた被包装物を下方へ解放する解放位置との間で回動するようになっている。
【0018】
次に図2を参照して上記構成を備えた充填装置10の動作について説明する。図2(A)は、所定の数の被包装物5をストックホッパー16内に受け入れた被包装物受け入れ完了状態を示しており、昇降ホッパー12は上昇端位置に位置し、支持バー24は支持位置に位置し、積み重なった被包装物5を支持している。支持プレート20は下降端退避位置にある。すなわち、後述するように被包装物5が図示しない被包装物供給コンベアから横向き姿勢で順次ストックホッパー16内へ供給されるが、受入れ開始時には支持プレート20は上昇端支持位置に位置している。そして被包装物5が順次供給されるのに伴って、被包装物5を下側で支持しながらその上昇端支持位置から下降端支持位置へと移動する。そして、下降端支持位置に到達する直前で被包装物5は支持バー24により受け止められ、下降端支持位置での支持プレート20は一番下の被包装物5から離れる。そして図2(A)に示す状態では下降端支持位置から下降端退避位置へ移動している。
【0019】
図2(B)は被包装物充填の第1ステップであり、昇降ホッパー12を包装袋1内へ挿入した状態である。すなわち、昇降ホッパー12が上昇端位置から包装袋1の袋底近くの下降端位置まで移動して停止するが、その際、昇降ホッパー12と一緒に移動する支持バー24により支持された被包装物5が一緒に下降する。その際、被包装物5は、下側を支持バー24で支持され、長手方向両端部分がそれぞれ昇降ホッパー部材13、13内に位置しているので、ストックホッパー16内で積み重ねられていた状態を維持したままで下降する。一方、図2(A)で下降端退避位置に位置していた支持プレート20は、その間に上昇端退避位置へ、そしてさらに上昇端支持位置へ移動する。
【0020】
図2(C)は被包装物充填の第2ステップである。すなわち、昇降ホッパー12は下降端位置に停止しており、その状態において支持バー24が解放位置へ回動する。これにより昇降ホッパー12内の被包装物5は積み重ねられた状態のままで包装袋1の袋底上に落下移動する。但しその移動量は僅かであり、被包装物5は殆ど昇降ホッパー12内に位置しているといえる状態である。一方、次の被包装物受け入れ作業が開始され、被包装物供給コンベアからの被包装物5のストックホッパー16内への供給が開始され、それに伴って支持プレート20の下方への移動が開始される。支持プレート20の下方移動は、連続的に行われても良いし、被包装物を1個受け入れる毎に所定の距離だけ段階的に移動するようにしてもよい。
【0021】
図2(D)は被包装物充填完了状態を示し、昇降ホッパー12は解放位置にある支持バー24共々、被包装物5を包装袋1内に残したまま上昇端位置まで移動する。この間もストックホッパー16内への被包装物5の受け入れは続けられ、支持プレート20はそれに伴い徐々に下方へ移動する。一方、昇降ホッパー12が上昇してその下端が包装袋1の袋口2から抜け出ると、充填済みの包装袋1は次工程へ向けて移送され、昇降ホッパー12の下へは次の空の包装袋1が移送されてきて停止する。袋口2は前の工程にて予め開かれている。
【0022】
図2(E)は被包装物受け入れ中の状態を示し、ストックホッパー16内への被包装物5の受け入れが継続され、それに伴い支持プレート20は下降移動を継続する。その間に支持バー24は先と反対側へ略90度回動して支持位置に位置することとなる。次いで図2(A)の被包装物受け入れ完了状態となり、以後、上記した動作を繰返すこととなる。
【0023】
次に図3以下を参照して本発明の第2の実施の形態に係る充填装置30について説明する。図3は第2の実施の形態に係る充填装置30の概略構成を示す平面図であり、図4はその正面断面図である。この実施の形態では、間欠回転テーブル31が用いられ、この回転テーブル31にその円周方向に沿って90度間隔で昇降ホッパー32が合計4つ設けられている。昇降ホッパー32は第1の実施の形態と同じく、二つの昇降ホッパー部材33、33で構成されている。これらの昇降ホッパー部材33,33は第1の実施の形態でのそれと同じ構成でよいので、それの詳細な説明は省略する。なお、これら昇降ホッパー部材33,33のコ字状の部分と、両方の「コ」の字の上下の辺(両側面部分)を延長して互いに繋いで形成される横断面略長方形の部分が収容部34を形成することとなり、その収容部34が上下に延びていることも同じである。そして、その横断面形状については、第1の実施の形態でストックホッパー16の断面形状について説明した事項が全てそのまま当てはまる。また、第1の実施の形態での支持プレート20と支持バー24と同様の支持プレート40と支持バー44とが設けられる。これらの詳細な説明も省略する。なお、支持バー44はそれぞれの昇降ホッパー32に取り付けられているが、支持プレート40は後述する第1ステーステーションIのみに設けられる。
【0024】
この実施の形態では、被包装物の充填は4つの工程を経て行われ、回転テーブル31の回転に伴ってそれぞれの昇降ホッパー32は90度ずつ隔てた4つのステーションで順次停止するようになっている。第1ステーションIでは第1工程となる被包装物5の昇降ホッパー32への受け入れが行われる。すなわち、ステーションIに位置する昇降ホッパー32は上昇端位置に位置し、被包装物供給コンベア48からシュート50を介して横向き姿勢で順次供給される被包装物5を受け入れる。その際に昇降ホッパー部材33、33の間に位置した支持プレート40が受け入れた被包装物5を下側で支持しながらその上昇端支持位置から次第に下降端支持位置へ移動し、その途中で、支持位置に位置した支持バー44に被包装物5を引渡し、下降端支持位置へ到達後、下降端退避位置へ、そしてさらに上昇端退避位置へ移動する。そして後述するタイミングで再度上昇端支持位置へ移動する。
【0025】
第1ステーションIで被包装物5の受け入れが完了すると、次の第2工程の被包装物の移送が行われる。すなわち、所定の数の棒状の被包装物5を受け入れた昇降ホッパー32は、回転テーブルが反時計方向へ90度回転することにより、その状態のままで第2ステーションIIへ移動する。支持バー44は支持位置に留まり、被包装物5を支持している。
【0026】
次に第3ステーションIIIで第3工程となる被包装物5の包装袋1への充填が行われる。すなわち、回転テーブル31が回転して昇降ホッパー32は第3ステーションIIIへ移送されて停止する。そして、昇降ホッパー32は下降端位置へ移動して停止し、支持バー44が解放位置へ回動して被包装物5を包装袋1内へ充填し、その後昇降ホッパー32は再度上昇端位置へ移動する。次いで昇降ホッパー32は回転テーブルの回転により第4工程を行う第4ステーションIVへ移動する。ここで支持バー44は先と反対方向へ90度回動し、支持位置へ戻る。なお、第3工程において包装袋1の袋口が適正に開かれていない場合、或いは包装袋1の供給が間に合わなかった場合などには、昇降ホッパー32を降下させず、充填作業を行わないように制御することができる。そしてその場合には第4工程において支持バー44を解放位置へ回動して昇降ホッパー32内の被包装物5を排出し、その後支持位置へ回動するようにする。第4ステーションIVから昇降ホッパー32は第1ステーションIへ移動し、停止後、支持プレート40が上昇端退避位置から上昇端支持位置へ移動し、昇降ホッパー部材33,33の間に位置し、次に供給される被包装物5を支持できる状態となる。
【0027】
次に図5,6を参照して充填装置30の動作についてより詳細に説明する。なお、包装袋1については説明上必要ない場合には図示を省略している。図5(A)は第1工程に於ける被包装物受け入れ待機状態を示し、昇降ホッパー32は第1ステーションIでその上昇端位置に位置している。支持プレート40は上昇端支持位置に、支持バー44は支持位置に位置している。図5(B)は第1工程で被包装物5を順次受け入れている状態を示しており、昇降ホッパー32は上昇端位置に位置し、支持プレート40は被包装物5の受け入れに伴って次第に下方へ移動している。支持バー44は支持位置に位置している。
【0028】
図5(C)は第1工程での被包装物受け入れ完了状態を示しており、昇降ホッパー32は上昇端位置に位置し、所定の数だけ受け入れられた被包装物5は支持バー44により支持され、下降途中で被包装物を支持バー44に引渡して下降端支持位置へ移動した支持プレート40はさらに下降端退避位置へ移動している。図5(D)は第2工程を示し、内部に支持バー44により支持された被包装物5を内包した昇降ホッパー32は、回転テーブル31の回転に伴い上昇端位置に位置した状態で第2ステーションIIへ移動して停止する。なお、この時に同時に第4ステーションIVに位置していた昇降ホッパー32が第1ステーションIへ移動してくるが、その間に上昇端退避位置へ移動していた支持プレート40が、第1ステーションIに移動してくる昇降ホッパー32が停止後、上昇端支持位置へ移動する。そして上記図5(A)〜(C)について説明した動作が行われる。
【0029】
次に昇降ホッパー32は第2ステーションIIから第3ステーションIIIへ移送されて第3工程が実施される。すなわち、図5(E)には第3ステーションIIIに移送された昇降ホッパー32が包装袋1の上方で停止した被包装物充填待機状態が示されている。次いで図5(F)に示すように被包装物5の充填が開始される。すなわち、被包装物5を内包した昇降ホッパー32がそのままの状態で包装袋1の袋底近くの下降端位置まで挿入される。支持バー44は支持位置に留まっている。なお、この時に包装袋1の袋口の開口が適正にされていなかったり、包装袋1の供給が遅れた場合には、昇降ホッパー32の下降端位置への移動を行わず、支持バー44も支持位置に留まったままにして充填動作を行わないように制御することができる。
【0030】
図6(G)は同じく第3工程であるが、被包装物5の充填中を示している。すなわち、包装袋1内へ挿入された昇降ホッパー32は下降端位置に留まり、一方で支持バー44ーが支持位置から解放位置へ回動し、被包装物5を包装袋1の袋底上へ落下移動させる。しかし、その移動量は僅かであり、被包装物5の殆どはまだ昇降ホッパー32の中に位置している。次いで図6(H)に示すように、昇降ホッパー32は上方へ移動し、包装袋1から脱出してその上昇端位置へ達して停止する。すなわち、被包装物充填完了状態を示している。支持バー44は解放位置に留まっている。なお、昇降ホッパー32が包装袋1から脱出すると、充填済みの包装袋1は次の工程へ移送され、第3ステーションIIIには次の空の包装袋1が移送されてくる。
【0031】
次に昇降ホッパー32は第4工程のために第4ステーションIVへ移送されて停止する。昇降ホッパー32は上昇端位置に位置しており、支持バー44は先と反対側へ90度回動して、支持位置へ戻る。昇降ホッパー32はその後前述のとおり第1ステーションIへ移送される。なお、前述の第3工程で充填動作を行わなかった場合には、この第4ステーションIVに停止中に昇降ホッパー32内の被包装物5を放出する。しかし、ここで内包した被包装物を放出せずに、そのまま昇降ホッパー32を第1ステーションに移送し、この昇降ホッパー32については先に述べた第1ステーションでの動作を一切行わず、第2ステーションへ移送するようにしても良い。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入口を上側にして配置された包装容器内に複数の棒状の被包装物を充填する方法において、
横向きの姿勢で順次供給される被包装物を、上昇端位置に位置する昇降ホッパー内に受け入れるとともに、昇降ホッパー内の初期支持位置に位置した第1支持部材を前記被包装物の受け入れに応じて徐々に下降させ、前記昇降ホッパー内で前記第1支持部材上に複数の被包装物を受け入れ順に積み重ね、
前記昇降ホッパー内に所定の数の被包装物を受け入れた後、前記昇降ホッパーの下部に位置した第2支持部材で前記第1支持部材上の前記複数の被包装物をそのままの状態で前記第1支持部材に代わって支持し、前記第1支持部材を退避位置へ退避させ、
前記昇降ホッパーと前記第2支持部材とを下降端位置まで下降させて、前記包装容器内の底部付近まで挿入し、
前記第2支持部材を被包装物解放位置へ移動させ、前記昇降ホッパー内の前記複数の被包装物を積み重ねられた状態のままで前記包装容器内に充填し、
前記昇降ホッパーと前記第2支持部材とを前記上昇端位置まで上昇させ、前記第1支持部材を前記初期支持位置に位置させる、
ことを特徴とする、被包装物充填方法。
【請求項2】
挿入口を上側にして配置された包装容器内に複数の棒状の被包装物を横向きの姿勢で充填する被包装物充填装置において、
前記被包装物を収容する上下に伸びる収容部を備え、上昇端位置と下降端位置との間で昇降可能な昇降ホッパーと、
昇降自在であり、且つ前記昇降ホッパーの収容部内で前記被包装物を支持可能な支持位置と、該支持位置から側方へ退避した退避位置との間で移動可能な第1支持部材と、
前記昇降ホッパーの下部に設けられ、前記収容部内の被包装物を支持可能な支持位置と、前記収容部内の被包装物の下方への移動を許容する解放位置との間で移動可能な第2支持部材とを備え、
前記収容部の横断面形状は、横向き姿勢にされた1または平行に並べられた2以上の予め定められた数だけの被包装物が受け入れ可能な形状及び寸法に形成されており、
前記第1支持部材は、前記上昇端位置に位置する前記昇降ホッパーの収容部内で、上昇端位置から、前記被包装物が順次前記収容部に受け入れられるのに対応して徐々に下降端位置に向かって移動し、前記下降端位置に達する直前に前記積み重ねられた被包装物を前記第2支持部材に引渡す、
ことを特徴とする、被包装物充填装置。
【請求項3】
請求項2記載の被包装物充填装置において、前記昇降ホッパーは水平方向に所定の間隔で配置された、一対の平面視略コ字状の部材で構成され、前記第1支持部材は、前記支持位置に位置するとき、前記コ字状の部材の間に位置することを特徴とする、被包装物充填装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の被包装物充填装置において、前記被包装物充填装置はさらに、前記被包装物を収容する上下に伸びる収容部を備えたストックホッパーを備え、該ストックホッパーは、前記昇降ホッパーの前記上昇端位置に対応する位置に固定配置され、前記上昇端位置に位置する前記昇降ホッパー内に位置し、前記ストックホッパーの前記収容部の横断面形状は、横向き姿勢にされた1または平行に並べられた2以上の予め定められた数だけの被包装物が受け入れ可能な形状及び寸法に形成されていることを特徴とする、被包装物充填装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載の被包装物充填装置において、前記被包装物充填装置はさらに間欠回転テーブルを備え、前記回転テーブルにはその円周方向に沿って複数組の前記昇降ホッパーと第2支持部材とが設けられ、前記第1支持部材は、前記間欠回転テーブルの径方向外方で、前記間欠回転テーブルの所定の間欠停止位置に対応する位置に配置されていることを特徴とする、被包装物充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−28355(P2013−28355A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164691(P2011−164691)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000222727)東洋自動機株式会社 (91)
【Fターム(参考)】