説明

被検体内導入装置

【課題】癌等の処置対象部位の早期発見・処置を可能としつつ患者の負担を軽減した被検体内導入装置を実現する。
【解決手段】被検体内導入装置1は、標識物質に蛍光を生じさせるための励起光を出力する励起光出力部3と、標識物質から発せられる蛍光を検出するための蛍光撮像部4と、所定の反応物質を貯蔵する反応物質貯蔵部5と、反応物質貯蔵部5に貯蔵された反応物質を外部に放出するための放出栓6と、蛍光撮像部4および放出栓6の駆動状態等を制御する制御部7とを備える。標識物質は処置対象部位に付着して蛍光を発する性質を有することから、蛍光撮像部4によって取得された画像に基づき蛍光が発せられる位置を特定し、特定した位置に向けて所定の反応物質を放出することによって、患者の負担を低減しつつ処置対象部位に対する処置を確実に行うことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体に導入され、該被検体内の処置対象部位に対して反応物質を投与することによって所定の処置を行う被検体内導入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、癌等の体内疾患の早期発見・治療を行うための技術の研究・開発が盛んに行われている。具体的には、かかる技術の例として、いわゆる陽電子放射断層撮影装置(Positron Emission Tomography:以下、「PET」と称する)や、光線力学的療法(Photodynamic Therapy:以下、「PDT」と称する)が提案されている。
【0003】
PETは、癌の早期発見を目的とした技術であり、旺盛な増殖力を有する癌細胞が通常の細胞と比較して大量のブドウ糖を消費する特性を利用して癌細胞を発見する技術である。具体的には、PETでは、陽電子を放出する機能を有する物質を含むブドウ糖に導入し、導入したブドウ糖に含まれる陽電子に起因して放出される放射線(γ線)を観察することによって癌細胞の位置を特定する。上述したように、癌細胞は大量のブドウ糖を消費することから、導入されたブドウ糖は大量に癌細胞に取り込まれることとなり、ブドウ糖に含まれる陽電子に起因して放出される放射線は、他の正常な細胞と比較して大量のものとなる。そのため、患者から放出される放射線量の位置依存性を測定することによって、癌細胞の位置を特定することが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
PDTは、癌の早期発見のみならず癌細胞の殺傷をも目的とした技術である。具体的には、PDTは、癌細胞に取り込まれやすい性質を有すると共に光感受性物質であるポルフィマーナトリウム・フォトフリン(以下、単に「フォトフリン」と称する)を患者の体内に導入することによって行われる。体内に導入されたフォトフリンは、時間の経過と共に徐々に癌細胞に取り込まれ、癌細胞に取り込まれた時期を見計らって体外から630nmの波長の赤色光線を照射することによってフォトフリンの光増感反応を生じさせ、かかる光増感反応を生じたフォトフリンによって癌細胞を破壊する。
【0005】
【特許文献1】特開2003−255048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、PETおよびPDT等の従来技術は、過去の技術と比較して癌の治癒率が向上するという利点を有する一方で、患者に多大な負担を強いるという点で課題を有する。以下、かかる課題について詳細に説明する。
【0007】
まず、PETは上述したようにあくまで癌の早期発見を目的とした技術であって、それ自体によって癌を治療するものではない。従って、PETを使用した場合には、PETによる癌細胞の発見後に従来と同様の外科手術を受ける必要があり、従来と同様に長期の入院を必要とするなど、患者の肉体的負担が非常に大きなものとなる。特に、PETは空間分解能の点で課題を有することから癌細胞の位置を正確に特定することは困難であり、外科手術を行う場合には、確実に癌細胞を除去するためには比較的広い範囲に渡って外科的な処置を行う必要があり、かかる観点からも患者に多大な負担を強いることとなる。
【0008】
また、PETでは、空間分解能が低いために微小な癌領域を発見することは容易ではない。従って、PETによって癌細胞の存在を確実に特定できるのは、癌細胞がある程度増殖した段階に至ってからであり、このような段階の癌を除去するためには、広範囲に渡って外科的な処置を行うことが必要となり、やはり患者の肉体的な負担は膨大なものとなる。
【0009】
一方、PDTに関しても患者に与える負担は大きい。上述したようにPDTにて使用するフォトフリンは光感受性物質であることから、癌細胞に取り込まれていないフォトフリンに光が照射されることを防止する必要がある。すなわち、正常な細胞の近傍にフォトフリンが存在する状態で光が照射された場合には、フォトフリンが正常な細胞を破壊するおそれがある。このため、PDTを用いた場合には、フォトフリンが体内に導入されて癌細胞に取り込まれるまでの間は極力光を避ける必要があり、癌細胞を破壊するための赤色光線を照射した後も、患者は数週間に渡って暗室内で生活する必要がある。以上のように、PDTによる癌治療の場合、数週間に渡って不便な生活を強いられることになると共に、長期の入院を強いられることから社会復帰が遅れるという点で患者に多大な負担を与えることとなる。
【0010】
以上のように、PET、PDT等の従来の治療技術では、治癒確率の向上等の利点を有する一方で、癌等の早期発見が困難であると共に患者の負担が多大となるという課題を有していた。従って、本発明は、癌等の処置対象部位の早期発見・処置を可能としつつ患者の負担を軽減した被検体内導入装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる被検体内導入装置は、被検体に導入され、該被検体内の処置対象部位に対して反応物質を投与することによって所定の処置を行う被検体内導入装置であって、前記処置対象部位に付着した標識物質の位置を特定する標識特定手段と、前記処置対象部位に対して作用する前記反応物質を貯蔵する反応物質貯蔵手段と、前記反応物質貯蔵手段に貯蔵された前記反応物質を、前記標識特定手段によって特定された前記標識物質の位置に向けて放出する放出手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
この請求項1の発明によれば、処置対象部位に付着した標識物質の位置を特定する標識特定手段と、標識特定手段によって特定された標識物質の位置に向けて反応物質を放出する放出手段とを備えたこととしたため、単一の装置によって処置対象部位の発見・処置を行うことが可能である。
【0013】
また、請求項2にかかる被検体内導入装置は、上記の発明において、前記標識物質は、前記処置対象部位に付着した状態で蛍光を発する機能を有し、前記標識特定手段は、前記標識物質が発する蛍光を検出することによって前記標識物質の位置を特定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3にかかる被検体内導入装置は、上記の発明において、前記標識物質を貯蔵する標識物質貯蔵手段と、前記標識物質貯蔵手段に貯蔵された標識物質を放出する標識放出手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4にかかる被検体内導入装置は、上記の発明において、前記反応物質は、所定の光が照射されることにより前記処置対象部位を形成する体内組織に対して反応活性となる光触媒を含んで形成されたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項5にかかる被検体内導入装置は、上記の発明において、前記反応物質貯蔵手段は、あらかじめ前記所定の光を照射された反応活性状態の前記反応物質を貯蔵することを特徴とする。
【0017】
また、請求項6にかかる被検体内導入装置は、上記の発明において、前記反応物質貯蔵手段は、前記体内組織に対して反応不活性状態の前記反応物質を貯蔵し、前記放出手段は、前記反応物質を反応不活性の状態で放出し、前記放出手段によって放出された前記反応物質に対して前記所定の光を照射する光照射手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項7にかかる被検体内導入装置は、上記の発明において、前記反応物質は、前記光触媒として酸化チタンを用いて形成され、前記光照射手段は、前記所定の光として紫外光を前記反応物質に対して照射することを特徴とする。
【0019】
また、請求項8にかかる被検体内導入装置は、上記の発明において、前記標識物質は、前記反応物質と一体的に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかる被検体内導入装置は、処置対象部位に付着した標識物質の位置を特定する標識特定手段と、標識特定手段によって特定された標識物質の位置に向けて反応物質を放出する放出手段とを備えたこととしたため、単一の装置によって処置対象部位の発見・処置を行うことが可能であり、患者の負担を軽減しつつ癌組織等の処置対象部位の治療が可能であるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明を実施するための最良の形態(以下では、単に「実施の形態」と称する)である被検体内導入装置について説明する。なお、図面は模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、それぞれの部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。また、以下に説明する実施の形態では、特許請求の範囲における「処置対象部位」として癌細胞が増殖した部位を例とし、「処置対象部位に対する処置」として、癌細胞を破壊することを例として説明するが、後述するようにかかる例に限定して解釈する必要はない。
【0022】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる被検体内導入装置について説明する。図1は、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置の使用態様について示す模式図である。図1に示すように、被検体内導入装置1は、外形が小型カプセル形状となるよう形成されており、被検体(患者)2の口腔部から体内に導入されてから再び被検体2外部に排出されるまでの間、被検体2内にて所定の機能を発揮する構成を有する。なお、本実施の形態1では、後述する標識物質は、被検体内導入装置1とは別個独立に被検体2に導入されることとする。
【0023】
図2は、被検体内導入装置1の内部構成を示す模式的なブロック図である。図2に示すように、被検体内導入装置1は、標識物質に蛍光を生じさせるための励起光を出力する励起光出力部3と、標識物質から発せられる蛍光を検出するための蛍光撮像部4と、所定の反応物質を貯蔵する反応物質貯蔵部5と、反応物質貯蔵部5に貯蔵された反応物質を外部に放出するための放出栓6と、蛍光撮像部4および放出栓6の駆動状態等を制御する制御部7とを備える。
【0024】
励起光出力部3は、標識物質が蛍光を生じるために必要となる励起光を出力するためのものである。具体的には、励起光出力部3は、LED(Light Emitting Diode)等の光学素子を備えて形成され、標識物質に対応した所定波長の光を出力する機能を有する。
【0025】
蛍光撮像部4は、標識物質から発せられる蛍光に対応した波長の光を撮像するためのものである。蛍光撮像部4は、例えば通常のCCD等の撮像素子および光学系の他に、蛍光に対応した波長を含む波長範囲の光を透過する波長フィルタを備えた構成を有する。後述するように、本実施の形態1では、標識物質として、癌細胞に付着した状態で蛍光を発する性質を有する物質を用いることとしており、かかる標識物質の位置を検出する観点から、標識物質が発する蛍光を撮像する蛍光撮像部4を備える構成を採用する。
【0026】
反応物質貯蔵部5は、反応物質を貯蔵するためのものである。本実施の形態1では、処置対象部位として癌細胞を想定し、処置の内容として癌細胞の破壊を想定することから、反応物質としては癌細胞を破壊する機能を有する物質を用いることとする。具体的には、本実施の形態1では反応物質として光触媒、より具体的には粉状に形成された二酸化チタン(TiO2)を用いることとし、反応物質貯蔵部5内には、あらかじめ紫外光を照射しておくことによって癌細胞に対して反応活性化した状態の二酸化チタンが保存される。なお、かかる目的の光触媒としては、二酸化チタンの他に二酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等を用いることとしても良い。また、光触媒として二酸化チタン等の紛状体をそのまま用いることとしても良いが、例えば所定の粒子の表面上に二酸化チタン等を付着させた構造とすることも好ましい。
【0027】
反応物質貯蔵部5の具体的な構成としては、反応物質を貯蔵可能であると共に、放出栓6との相互作用によって反応物質を被検体内導入装置1の外部に放出できるものであれば任意の構成として良い。本実施の形態1では、貯蔵する反応物質に対して弾性部材等によって付勢することで、放出栓6を開放することによって反応物質が速やかに被検体内導入装置1の外部に放出される構造を有することとする。かかる構造の具体例としては、例えば、伸縮自在な弾性シートによって形成されたバルーン部材を反応物質貯蔵部5として使用し、バルーン部材内部に反応物質を貯蔵する構造によって実現することが可能である。特に光触媒の注入方法として適している方法として、電圧を印加して粒子状の光触媒を打ち込む方法がある。酸化チタン等の光触媒は、電圧を印加することによってチャージされ、加速した状態で強く患部に打ち込むことが可能であるという利点を有する。また、電圧印加による打ち込みは、患部だけに対して確実に光触媒を打ち込むことが可能であるという利点を有する。
【0028】
放出栓6は、特許請求の範囲における放出手段の一例として機能するものである。具体的には、放出栓6は、制御部7の制御に基づき反応物質貯蔵部5に貯蔵された反応物質を、被検体内導入装置1の外部であって、標識物質が位置する領域に向けて所定の加速度を与えた状態で放出する機能を有する。なお、本実施の形態1では、放出栓6は、単に開閉機構によって形成され、放出栓6を開放することによって反応物質を放出する構成を採用したが、かかる構造に限定して解釈する必要はなく、例えばポンプとして機能することとしても良いし、放出方向を調整可能な構造とすることも好ましい。
【0029】
制御部7は、蛍光撮像部4および放出栓6の駆動状態等を制御するためのものであり、より具体的には、蛍光撮像部4によって撮像された画像に基づき処置対象部位たる癌細胞の存在領域の位置を特定し、特定した位置に対して反応物質を放出させる機能を有する。すなわち、制御部7は、蛍光撮像部4によって取得された画像データに基づき標識物質の位置を特定する標識特定部8と、特定した標識物質の位置に向かって反応物質が放出されるよう制御動作を行う放出制御部9とを備える。
【0030】
標識特定部8は、蛍光撮像部4によって撮像された画像データに基づき標識物質の有無の判定を行う機能と、標識物質が存在する場合には位置の特定を行う機能とを有する。かかる機能を実現するものであれば標識特定部8における具体的な処理内容は任意のものとして良いが、例えば、標識特定部8は、蛍光撮像部4によって得られた画像データを分析し、例えば輝度が所定値以上の領域を検出し、かかる領域の画像上の位置に基づき標識物質が存在する領域の位置の特定を行う。標識物質は癌細胞が存在する領域に付着することから、標識特定部8が標識物質の位置を特定することによって、癌細胞が存在する領域の位置を特定することが可能である。
【0031】
なお、標識物質の存在領域の位置とは、被検体2上の絶対的な位置としても良いが、必要最小限の構成としては被検体内導入装置1に対する相対位置であれば足りる。本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、癌細胞の発見のみならず反応物質を用いた治癒行為まで行う機能を有することから、PET等のように被検体2上の絶対的な位置を特定する必要がないためである。
【0032】
放出制御部9は、標識特定部8によって特定された標識物質の位置に向けて反応物質が放出されるよう所定の制御を行う機能を有する。本実施の形態1では、放出制御部9は、簡易な構成として放出栓6の開閉状態の制御のみを行うこととするが、かかる制御に加え、例えば反応物質の放出方向の制御等を行うこととしても良い。
【0033】
次に、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1の動作について説明する。図3は、被検体2内における被検体内導入装置1の動作を説明するための模式図である。上述のように、本実施の形態1ではあらかじめ標識物質が被検体2内に導入されており、標識物質は、特許請求の範囲における「処置対象部位」の一例たる癌組織13に付着している。
【0034】
まず、被検体内導入装置1は、励起光出力部3によって励起光を出力すると共に蛍光撮像部4によって被検体2内の体内組織11に対する撮像動作を繰り返す。蛍光撮像部4によって撮像された画像データは、制御部7に順次転送され、制御部7は、標識特定部8によって標識物質12から発せられる蛍光に対応した発光部分の画像上の位置等を分析することによって、標識物質12の具体的な位置の特定を行う。上述したように、標識物質12は癌細胞に対して付着する性質を有することから、標識物質12の位置を特定することによって、被検体2内部における癌組織13の位置が特定されることとなる。
【0035】
その後、被検体内導入装置1は、癌組織13を破壊するために反応物質を放出する。具体的には、被検体内導入装置1は、放出制御部9によって放出栓6が開状態となるよう制御が行われ、反応物質貯蔵部5に貯蔵された反応物質14が癌組織13に向かって放出される。上述のように、本実施の形態1では反応物質14は光触媒たる二酸化チタンによって形成され、二酸化チタンはあらかじめ紫外光を照射されることによって活性化されていることから、癌組織13と接触した際に反応物質として機能し、癌組織13を形成する癌細胞を破壊する。以上が本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1の動作である。
【0036】
次に、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1の利点について説明する。まず、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、単一の機器によって癌組織等の処置対象部位の発見・治療を行う構成を採用する。このため、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、従来のPETのように癌組織等を発見した後に別途外科手術等を行う必要が無く、患者(被検体2)の肉体的負担を軽減することが可能である。具体的には、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置を用いた場合には、体内に導入してから再び排出されるまでの数時間の間で癌組織等の処置対象部位の発見・処置が完了するため、従来の医療装置と比較して患者の負担はきわめて軽減されることとなる。
【0037】
また、処置対象部位の発見・処置を単一の機器によってほぼ同時に行う構成を採用することによって、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、処置対象部位の位置を特定するための機構を単純化することが可能である。すなわち、PET等のように処置対象部位に対する処置機能を備えない装置によって処置対象部位の位置特定を行うこととした場合には、処置を行う医者または装置に対して、処置対象部位の位置に関する客観的な情報を伝達する必要があり、処置対象部位に関して被検体2上における客観的な位置を特定する必要が生じる。これに対して、本実施の形態1では被検体内導入装置1が処置対象部位の位置検出および処置の双方を行うこととしたため、処置対象部位に関して被検体2上の客観的な位置を特定する必要がなく、被検体内導入装置1に対する相対的な位置を把握すれば足りる。このため、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、客観的な位置検出機構等を備えることなく処置対象部位に対する処置を行うことが可能である。
【0038】
また、図1等にも示したように、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、小型カプセル状の外形を有し、かかるカプセル内に必要な構成要素をすべて備えた構成を有する。このため、被検体内導入装置1を体内に導入した後は何ら外部機器等を用いることなく処置対象部位の発見・処置が行われることとなり、患者(被検体2)は、PET、PDTのように外部機器を用いた手法とは異なり自由に行動することが可能である。従って、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、処置対象部位の発見・処置を行っている最中であっても患者(被検体2)の負担を従来よりも軽減することが可能である。
【0039】
また、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、PDT等の従来技術と比較して反応物質の使用量を大幅に低減できるという利点を有する。すなわち、例えばPDTの場合には癌組織の具体的な位置を特定すること無くフォトフリンを患者の体内に導入するため、体内全体である程度の濃度とするために大量のフォトフリンを使用する必要がある。これに対して、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、特定した位置に対して集中的に反応物質を放出する構成を採用することから、局所的に処置に充分な濃度となる量の反応物質によって処置を行うことが可能であり、PDT等と比較して反応物質の使用量を大幅に低減することが可能であり、使用コストを低減することができるという利点を有することとなる。
【0040】
さらに、本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、癌組織等の処置対象部位に作用する標識物質を用いることとしたため、処置対象部位の早期発見の確実性が向上するという利点を有する。すなわち、通常の視覚情報を用いて癌組織等の処置対象部位であるか否かの判定を行うことは容易ではなく、特に本実施の形態1にかかる被検体内導入装置1は、例えば癌組織の早期発見を目的とすることから、処置の対象たる処置対象部位が通常の体内組織と外見上は区別がつかない可能性が高い。これに対して、標識物質は例えば癌細胞を形成する特定のタンパク質に作用して蛍光特性等を示すことから、癌組織等の規模・形状に依存することなく処置対象部位を発見することが可能である。以上のことから被検体内導入装置1は、細胞数が100程度の微小な癌組織等であっても確実に発見することが期待でき、早期癌等の確実な発見が可能であるという利点を有する。
【0041】
また、本実施の形態1では、標識物質として蛍光物質を用いることにより簡易な機構によって標識特定が可能であるという利点を有する。すなわち、蛍光作用による標識物質の発光を検出することによって標識特定を行うことが可能であることから、蛍光を生じさせるための励起光を出力する機構と、蛍光を検出する機構とを備えることによって標識特定が可能となる。これらの機構はそれぞれ既知のLED等の発光素子およびCCD等の撮像素子とによって容易に実現することが可能であることから、標識特定を行う機構を簡易な構成にて実現することが可能である。
【0042】
また、本実施の形態1では、反応物質として光触媒を用いることとしている。光触媒は、反応不活性の状態では体内組織に対して作用しない一方で所定の光を照射することによって反応活性な状態となる特性を有するが、反応活性となる期間は、光触媒を構成する具体的な材料および光照射時間、照射輝度等を変化させることによって調整が可能である。従って、反応活性となる期間を適宜調整することによって、仮に被検体2内に処置対象部位に対する処置に用いられなかった反応物質が残存した場合であっても速やかに反応不活性な状態に変化させることが可能であり、正常な体内組織に対して悪影響を及ぼすことを回避することができるという利点を有する。
【0043】
特に、本実施の形態1では、光触媒の例として二酸化チタンを用いることとしている。二酸化チタンは、化粧品の材料としても利用されるほど人体にとって無害な物質であることから、反応物質として二酸化チタンを使用した場合には、より人体にとって安全な被検体内導入装置を実現できるという利点を有する。
【0044】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる被検体内導入装置について説明する。本実施の形態2にかかる被検体内導入装置は、反応物質としての光触媒を反応不活性な状態で貯蔵する一方、処置対象部位に対して放出した後に光照射を行うことによって反応活性な状態に変化させる構成を有する。
【0045】
図4は、本実施の形態2にかかる被検体内導入装置の構成を示す模式的なブロック図である。なお、図4以下において、実施の形態1と同様の符号・名称を付したものは、以下で特に言及しない限りにおいて実施の形態1と同様の構造・機能を有するものとする。このことは実施の形態2のみならず実施の形態3においても同様である。
【0046】
図4に示すように、本実施の形態2にかかる被検体内導入装置17は、実施の形態1における被検体内導入装置1と同様に励起光出力部3、蛍光撮像部4および放出栓6を備える。その一方で、被検体内導入装置17は、実施の形態1と異なり反応物質を反応不活性な状態で貯蔵する反応物質貯蔵部18と、放出された反応物質に対して、反応活性となるよう所定の照射光を照射するための光照射部19と、励起光出力部3、蛍光撮像部4および放出栓6のみならず光照射部19の駆動状態についても制御する制御部20とを備える。
【0047】
反応物質貯蔵部18の具体的な構造としては、実施の形態1における反応物質貯蔵部5と同様のものを用いることが可能である。なお、本実施の形態2では、貯蔵対象が反応不活性なものとなることから、反応物質貯蔵部5を形成する部材としては、実施の形態1における反応物質貯蔵部5と比較して自由に選択することが可能である。
【0048】
光照射部19は、反応物質として用いられる光触媒に対して反応活性となる光を照射するためのものである。具体的には、光照射部19は、処置対象部位に向けて放出された反応物質に対して光照射を行う機能を有し、かかる光照射によって光触媒は反応活性の状態に変化し、処置対象部位に対して反応物質として作用することとなる。光照射部19によって照射される光としては、例えば光触媒として二酸化チタンを使用した場合には紫外光を用いることとする。なお、光照射部19の構成としては、上述の照射光を出力する機能を有すれば任意の構成とすることが可能であるが、本実施の形態2においては、照射範囲として標識特定部8が特定した標識物質の位置を含む領域を照射することが可能なよう、必要に応じて照射方向の調整が可能な構造を有することとする。
【0049】
制御部20は、実施の形態1における制御部7と同様に標識特定部8および放出制御部9を備える一方で、光照射制御部21を新たに備える。光照射制御部21は、放出制御部9によって制御される反応物質の放出タイミングにあわせて光照射を行うよう光照射部19の駆動状態を制御する機能を有する。
【0050】
次に、本実施の形態2にかかる被検体内導入装置17の動作について説明する。図5は、被検体内導入装置17の動作を説明するための模式図であり、以下図5を参照しつつ被検体内導入装置17の動作について説明する。
【0051】
まず、被検体内導入装置17は、実施の形態1と同様に励起光出力部3によって励起光を出力すると共に蛍光撮像部4によって被検体内を撮像し、標識特定部8によって蛍光の有無および蛍光を発する標識物質12の位置(すなわち処置対象部位の位置)を特定した後、標識物質12に向けて反応物質を放出する。
【0052】
その後、被検体内導入装置17は、放出された反応物質に対して光照射部19による光照射を行う。上述したように本実施の形態2では、反応物質として使用される光触媒は、反応不活性の状態で反応物質貯蔵部18に貯蔵されている。このため、放出栓6を介して被検体内導入装置17の外部に放出された後に光照射部19によって所定の光を照射することによって光触媒を反応活性な状態に変化させ、癌組織13に対して反応物質として作用させるのである。なお、本実施の形態2では、光照射部19は、標識特定部8によってあらかじめ特定した標識物質12の存在領域のみに対して光照射を行うこととする。従って、放出された反応物質14のうち光照射部19から出力された光の存在領域たる光照射範囲23中に存在するものは反応活性な状態となり癌組織13に対して作用する一方で、光照射範囲23外に位置するために光が照射されないものに関しては、反応不活性の状態を維持することとなる。
【0053】
次に、本実施の形態2にかかる被検体内導入装置17の利点について説明する。本実施の形態2にかかる被検体内導入装置17は、実施の形態1における被検体内導入装置1と同様の利点に加え、反応物質が光照射部19からの照射光によって放出後に反応活性となることに起因した利点を有する。
【0054】
まず、本実施の形態2にかかる被検体内導入装置17は、反応物質貯蔵部18を簡易な構造で実現することが可能であるという利点を有する。すなわち、反応物質貯蔵部18に貯蔵されている段階ではすべての反応物質が反応不活性の状態であることから、反応物質が反応物質貯蔵部18を形成する材料に対して化学的な作用を生じるおそれはない。従って、本実施の形態2では、プラスチック等の一般的な材料を用いた容器によって反応物質貯蔵部18を形成することが可能であり、簡易な構造で反応物質貯蔵部18を実現できるという利点を有する。
【0055】
また、本実施の形態2にかかる被検体内導入装置17は、正常な体内組織に対して反応物質が作用することをさらに抑制することが可能である。すなわち、本実施の形態2では、上述したように放出された反応物質14のすべてが反応活性となるのではなく、光照射部19によって光照射がなされて活性化されたもののみが反応活性となる。従って、例えば光照射部19が癌組織等の処置対象部位に対してのみ照射光を照射することとした場合には、反応物質は正常な体内組織11に対して何ら作用することなく癌組織等の処置対象部位に対して選択的に処置することが可能である。
【0056】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる被検体内導入装置について説明する。本実施の形態3では、反応物質のみならず標識物質についても被検体内導入装置の内部にあらかじめ貯蔵する機能を有する。
【0057】
図6は、本実施の形態3にかかる被検体内導入装置の構成を示す模式的なブロック図である。図6に示すように、本実施の形態3にかかる被検体内導入装置25は、実施の形態1における被検体内導入装置1と同様に励起光出力部3、蛍光撮像部4、反応物質貯蔵部5および放出栓6を備える一方で、新たに標識物質貯蔵部26、放出栓27および制御部28を備える。
【0058】
標識物質貯蔵部26は、被検体内導入装置25内部に標識物質を貯蔵するためのものである。具体的な構造としては、反応物質貯蔵部5と同様に形成することとしても良いし、他の構造としても良い。また、放出栓27は、例えば放出栓6と同様の構成を有することとする。また、制御部28は、実施の形態1における制御部7と同様に標識特定部8および放出制御部9を備える一方で、放出栓27の開閉状態を制御する標識放出制御部29をさらに備える。
【0059】
次に、本実施の形態3にかかる被検体内導入装置25の動作について説明する。図7は、被検体内導入装置25の動作を説明するための模式図であり、以下図7を参照しつつ被検体内導入装置25の動作について説明する。
【0060】
本実施の形態3では、あらかじめ標識物質を導入せずに被検体内導入装置25が被検体2内に導入される。そして、被検体内導入装置25は、例えば被検体2内の所定の領域に到達した時点で標識放出制御部29の制御によって放出栓27を開放し、図7に示すように標識物質貯蔵部26に貯蔵された標識物質30を放出する。標識物質30は、被検体2の内部において所定範囲に渡って拡散し、癌細胞等の処置対象部位が存在した場合には処置対象部位に対して付着する。その後、被検体内導入装置25は、実施の形態1、2と同様に励起光出力部3から励起光を出力すると共に蛍光撮像部4によって撮像された画像データに基づき処置対象部位に付着した標識物質30の有無および位置の特定を行う。そして、特定した位置に向けて反応物質を放出することによって、処置対象部位に対する処置を行う。
【0061】
次に、本実施の形態3にかかる被検体内導入装置25の利点について説明する。本実施の形態3にかかる被検体内導入装置25は、実施の形態1における被検体内導入装置1の利点に加え、標識物質を内部に貯蔵することによる利点をさらに有する。
【0062】
具体的には、本実施の形態3にかかる被検体内導入装置25は、標識物質を局所的に放出可能な構成を有することから、標識物質の使用量を低減できるという利点を有する。例えば、あらかじめ癌の発生が疑われる器官が存在した場合には、かかる器官について重点的に癌組織の発見・処置を行う必要がある一方で、他の器官に関しては特に癌組織の有無の検査等を行う必要は無い。本実施の形態3にかかる被検体内導入装置25は、このような場合に特に有効であって、検査が必要な器官に対して重点的に標識物質を放出することが可能である一方で、検査が不要な器官に対して標識物質の放出を防止することが可能となるため、全体として標識物質の使用量を低減できるという利点を有する。
【0063】
以上、実施の形態1〜3に渡って本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定して解釈するべきではなく、当業者であれば様々な実施例、変形例に想到することが可能である。例えば、実施の形態1〜3では、処置対象部位として癌組織を例に説明を行ったが、癌組織以外の疾患部位等を処置対象部位としても良いことはもちろんである。
【0064】
また、実施の形態1〜3では、反応物質の例として光触媒を用いることとしたが、処置対象部位に対して所定の処置を行うことが可能なものであれば、光触媒以外のものを反応物質として用いることが可能である。例えば、実施の形態2に示す被検体内導入装置において、反応物質としてフォトフリンを使用し、光照射部19が630nmの波長の赤色光線を照射することとしても本発明の利点を享受することが可能である。
【0065】
さらに、実施の形態1〜3では、標識物質として蛍光特性を示すものを用いたが、他にも例えばPETに用いられる所定のブドウ糖を用いることとしても良い。かかる標識物質に対応して、蛍光撮像部4の代わりにγ線検出機構を備えることとすれば、標識物質の有無および位置について特定することが可能であり、本発明の利点を享受することが可能である。また、標識物質として、例えば胃癌におけるSTNのように、癌細胞に含まれる特異タンパクに反応する分子プローブ等の腫瘍マーカーを用いることとしても良い。腫瘍マーカーの反応を検出する機構を被検体内導入装置の内部に備えることによって、本発明の利点を享受することが可能である。なお、これらの物質は従来の癌治療にも用いられるものであるが、本発明のように処置対象部位の近傍に位置する被検体内導入装置において標識物質として使用することによって、例えば癌細胞の数が100個程度の段階であっても充分に発見可能となることが期待できる。
【0066】
また、実施の形態1〜3では、被検体内導入装置は例えば消化器官の蠕動運動によって被検体2内を移動することとしたが、かかる移動態様ではなく、消化器官等の運動と無関係な移動を可能とする自走手段等を備えることも好ましい。かかる構成を採用した場合には、より詳細に処置対象部位の発見・処置を行うことが可能である。
【0067】
さらに、反応物質と標識物質とを一体的に形成することも好ましい。標識物質は処置対象部位を形成する体内組織に付着する性質を有することから、反応物質を標識物質と一体化することによって、放出された反応物質が自動的に処置対象部位に到達し、確実に処置対象部位に対する処置を行うことが可能となるためである。
【0068】
また、実施の形態1〜3では、被検体内導入装置としてカプセル形状のものを例に説明したが、かかる構造のものに限定されないことはもちろんである。例えば、本発明における被検体内導入装置は、特開2004−305770号公報に記載された内視鏡装置において、図1における挿入部先端から反応物質(および必要に応じて標識物質)を放射可能な構成を有すると共に、標識識別手段を備えた構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】被検体内導入装置の使用態様を示す模式図である。
【図2】実施の形態1にかかる被検体内導入装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【図3】被検体内導入装置の動作を説明するための模式図である。
【図4】実施の形態2にかかる被検体内導入装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【図5】被検体内導入装置の動作を説明するための模式図である。
【図6】実施の形態3にかかる被検体内導入装置の構成を示す模式的なブロック図である。
【図7】被検体内導入装置の動作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0070】
1 被検体内導入装置
2 被検体
3 励起光出力部
4 蛍光撮像部
5 反応物質貯蔵部
6 放出栓
7 制御部
8 標識特定部
9 放出制御部
11 体内組織
12 標識物質
13 癌組織
14 反応物質
17 被検体内導入装置
18 反応物質貯蔵部
19 光照射部
20 制御部
21 光照射制御部
23 光照射範囲
25 被検体内導入装置
26 標識物質貯蔵部
27 放出栓
28 制御部
29 標識放出制御部
30 標識物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に導入され、該被検体内の処置対象部位に対して反応物質を投与することによって所定の処置を行う被検体内導入装置であって、
前記処置対象部位に付着した標識物質の位置を特定する標識特定手段と、
前記処置対象部位に対して作用する前記反応物質を貯蔵する反応物質貯蔵手段と、
前記反応物質貯蔵手段に貯蔵された前記反応物質を、前記標識特定手段によって特定された前記標識物質の位置に向けて放出する放出手段と、
を備えたことを特徴とする被検体内導入装置。
【請求項2】
前記標識物質は、前記処置対象部位に付着した状態で蛍光を発する機能を有し、
前記標識特定手段は、前記標識物質が発する蛍光を検出することによって前記標識物質の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の被検体内導入装置。
【請求項3】
前記標識物質を貯蔵する標識物質貯蔵手段と、
前記標識物質貯蔵手段に貯蔵された標識物質を放出する標識放出手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の被検体内導入装置。
【請求項4】
前記反応物質は、所定の光が照射されることにより前記処置対象部位を形成する体内組織に対して反応活性となる光触媒を含んで形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の被検体内導入装置。
【請求項5】
前記反応物質貯蔵手段は、あらかじめ前記所定の光を照射された反応活性状態の前記反応物質を貯蔵することを特徴とする請求項4に記載の被検体内導入装置。
【請求項6】
前記反応物質貯蔵手段は、前記体内組織に対して反応不活性状態の前記反応物質を貯蔵し、
前記放出手段は、前記反応物質を反応不活性の状態で放出し、
前記放出手段によって放出された前記反応物質に対して前記所定の光を照射する光照射手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の被検体内導入装置。
【請求項7】
前記反応物質は、前記光触媒として酸化チタンを用いて形成され、
前記光照射手段は、前記所定の光として紫外光を前記反応物質に対して照射することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載の被検体内導入装置。
【請求項8】
前記標識物質は、前記反応物質と一体的に形成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の被検体内導入装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−149688(P2006−149688A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−344961(P2004−344961)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】