説明

被検体情報取得装置および被検体情報取得方法

【課題】光音響トモグラフィーにおいて、装置のコストを抑制しつつ、光量補正によるアーティファクトの増加を低減するための技術を提供する。
【解決手段】光源から光を照射された被検体より発生する音響波を検出しアナログ信号に変換する受信素子を含む検出器と、アナログ信号をデジタル信号に変換する変換器と、光が照射されたときの被検体内の光量分布を表わす情報を格納するメモリと、被検体内の光量分布を表わす情報を用いて、デジタル信号を補正する信号処理部と、補正されたデジタル信号を用いて被検体情報の画像データを形成する画像処理部とを有し、信号処理部は、被検体内の各位置に照射される光量の大きさに応じてデジタル信号の補正を行う被検体情報取得装置を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体情報取得装置および被検体情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザーなどの光源から生体に光を照射し、入射した光に基づいて得られる生体内の情報を画像化する光イメージング装置の研究が医療分野で積極的に進められている。この光イメージング技術の一つとして、Photo Acoustic Tomography(PAT:光音響トモグラ
フィー)がある。
【0003】
光音響トモグラフィーでは、光源から発生したパルス光を生体に照射し、生体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波(典型的に超音波である)を検出する。すなわち、腫瘍などの被検部位とそれ以外の組織との光エネルギーの吸収率の差を利用し、被検部位が照射された光エネルギーを吸収して瞬間的に膨張する際に発生する弾性波を音響波検出器(探触子やトランスデューサーとも言われる)で受信する。この受信信号を解析処理することにより初期圧力分布あるいは光吸収エネルギー密度分布(吸収係数分布と光量分布の積)に比例した画像を得ることができる。
【0004】
また、これらの画像情報は、様々な波長の光で計測することにより、被検体内の特定物質、例えば血液中に含まれるヘモグロビン濃度や血液の酸素飽和度などの定量的計測にも利用できる。近年、この光音響トモグラフィーを用いて、小動物の血管像をイメージングする前臨床研究や、この原理を乳がんなどの診断に応用する臨床研究が積極的に進められている。
【0005】
光音響トモグラフィー技術を用いた装置では、画像化する領域に対して音響波の測定領域が不十分な場合がある。例えば、被検体の全周囲方向からではなく、ある特定の方向からしか音響波を受信できない場合である。このような場合、ストリーク(放射線)状のアーティファクトが画像上に出現することが知られている。
【0006】
一方、特許文献1には、ボクセルあるいはピクセルごとに光量分布の画像データで除算し、吸収係数分布の画像データを求めるやり方が開示されている。
【0007】
ここで、上記のような、音響波の測定領域が不十分な測定系のPAT装置で得られた光吸収エネルギー分布の画像データを、特許文献1のやり方で求めると、光量の弱い領域においてアーティファクトが強調された画像が出力される課題があった。
これは、画像では初期音圧像とアーティファクトの区別がつかないため、初期音圧像及びアーティファクトともに光量補正が行われるためである。
【0008】
このような課題を解決するために、特許文献2では、音響波探触子から取得されるアナログ受信信号に対して、バリアブルゲインアンプを用いて光量補正を行い、その後に画像再構成により吸収係数分の画像データを算出する方法が開示されている。
【0009】
このようにアナログ受信信号に対して、被検体の光量分布に基づいたゲインで補正すれば、吸収係数分布像のコントラストに寄与する受信信号のみを光量補正できる。そのため、初期音圧分布の画像データ自体を光量分布の画像データで補正する従来方法に比べて、アーティファクトの少ない画像を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−088627号公報
【特許文献2】国際公開第2010/024290号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら,特許文献2ではアナログ受信信号をアンプで被検体の光量分布に対応した増幅を行うため、音圧の時間分解信号に対して任意の増幅を行うことができるバリアブルゲインアンプをすべての受信素子に対して用意する必要がある。その結果、装置のコストが増加する課題があった。
【0012】
また、アナログ受信信号自体を増幅するため、光量補正していない受信信号を解析して、被検体の光量分布データを求めるようなアダプティブ処理を行う場合、つまり、光量分布データが測定前に求められない場合、受信信号の光量補正ができない課題があった。
【0013】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光音響トモグラフィーにおいて、装置のコストを抑制しつつ、光量補正によるアーティファクトの増加を低減するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は以下の構成を採用する。すなわち、光源と、前記光源から光を照射された被検体より発生する音響波を検出しアナログ信号に変換する受信素子を含む検出器と、前記アナログ信号をデジタル信号に変換する変換器と、光が照射されたときの被検体内の光量分布を表わす情報を格納するメモリと、前記被検体内の光量分布を表わす情報を用いて、前記デジタル信号を補正する信号処理部と、前記補正されたデジタル信号を用いて被検体情報の画像データを形成する画像処理部と、を有し、前記信号処理部は、前記被検体内の各位置に照射される光量の大きさに応じて前記デジタル信号の補正を行うことを特徴とする被検体情報取得装置である。
【0015】
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、光を照射された被検体より発生する音響波を検出しアナログ信号に変換する工程と、前記アナログ信号をデジタル信号に変換する工程と、光が照射されたときの被検体内の光量分布を表わす情報を用いて前記デジタル信号を補正する工程と、前記補正されたデジタル信号を用いて被検体情報の画像データを形成する工程と、を有する被検体情報取得方法であって、前記デジタル信号を補正する工程では、前記被検体内の各位置に照射される光量の大きさに応じて前記デジタル信号の補正を行うことを特徴とする被検体情報取得方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光音響トモグラフィーにおいて、装置のコストを抑制しつつ、光量補正によるアーティファクトの増加を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】被検体情報取得装置の構成を模式的に示した図。
【図2】受信信号の処理の一例を説明するフロー図。
【図3】光量分布、光量分布と光量補正の一例を示す模式図。
【図4】第1の実施例における測定対象と画像の補正を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0019】
(被検体情報取得装置)
図1を参照しながら本実施形態にかかる被検体情報取得装置の構成を説明する。本実施形態の被検体情報取得装置は、被検体の内部の光学特性値に関する被検体情報を画像データとして取得する装置である。本発明において、音響波とは、典型的には超音波であり、音波、超音波、音響波、光音響波、光超音波と呼ばれる弾性波を含む。本発明の被検体情報取得装置とは、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波(典型的には超音波)を受信して、被検体情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した装置を含む。取得される被検体情報とは、光照射によって生じた音響波の発生源分布や、被検体内の初期音圧分布、あるいは初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や、吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度情報分布を示す。物質の濃度情報分布とは、例えば、酸素飽和度分布や酸化・還元ヘモグロビン濃度分布などである。
【0020】
本実施形態の被検体情報取得装置は、基本的なハード構成として、光源11、音響波の検出器としての音響波探触子17、信号処理部19を有する。光源11から発せられたパルス光12は例えばレンズ、ミラー、光ファイバ、拡散板などの光学系13により所望の光分布形状に加工されながら導かれ、生体などの被検体15に照射される。被検体15の内部を伝播した光のエネルギーの一部が血管などの光吸収体(結果的に音源となる)14に吸収されると、その光吸収体14の熱膨張により音響波(典型的には超音波)16が発生する。これは「光音響波」と呼ばれることもある。音響波16は音響波探触子17により受信されてアナログの受信信号(電気信号)に変換される。そして、アナログ受信信号は、信号収集器18で増幅やデジタル変換された後、信号処理部19で被検体の画像データに変換される。また、その画像データは表示装置20上で画像として表示される。
【0021】
(光源11)
被検体が生体の場合、光源11からは生体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長の光を照射する。光源は、本実施形態の被検体情報取得装置と一体として設けられていても良いし、光源を分離して別体として設けられていても良い。光源としては数ナノから数百ナノ秒オーダーのパルス光を発生可能なパルス光源が好ましい。具体的には、効率的に光音響波を発生させるため、10ナノ秒程度のパルス幅が使われる。光源としては大出力が得られるためレーザーが好ましいが、レーザーのかわりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。照射のタイミング、光強度などは不図示の光源制御部によって制御される。なお、この光源制御部は通常、光源と一体化されている。本発明において、使用する光源の波長は、被検体内部まで光が伝搬する波長を使うことが望ましい。具体的には、被検体が生体の場合、500nm以上1200nm以下である。
【0022】
(光学系13)
光源11から照射された光12は、光学系13により、所望の光分布形状に加工されながら被検体に導かれる。光12を、光ファイバなどの光導波路などを用いて伝搬させることも可能である。光学系13は、例えば、光を反射するミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズ、光を拡散させる拡散板、光ファイバなどである。このような光学部品は、光源から発せられた光12が被検体15に所望の形状で照射されれば、どのようなものを用いてもかまわない。なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が生体への安全性ならびに診断領域を広げられるという観点で好ましい。
【0023】
(被検体15及び光吸収体14)
これらは本発明の被検体情報取得装置の一部を構成するものではないが、以下に説明する。本発明の被検体情報取得装置は、血管の造影、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患などの
診断や化学治療の経過観察などを主な目的とする。よって、被検体15としては生体、具体的には人体や動物の乳房や指、手足などの診断の対象部位が想定される。動物では、ねずみなど小動物の場合は特定の部位だけではなく、小動物全体が対象となることもある。
【0024】
被検体内部の光吸収体14は、被検体内で相対的に吸収係数が高いものを示す。光吸収体14には、使用する光の波長にもよるが、例えば、人体が測定対象であれば酸化あるいは還元ヘモグロビンやそれらを含む多く含む血管あるいは新生血管を多く含む悪性腫瘍が該当する。
【0025】
(音響波探触子17)
音響波探触子17は、パルス光により被検体表面及び被検体内部などで発生する音響波を検出する検出器である。音響波探触子17は、音響波を検知し、アナログ受信信号(以下、単に「アナログ信号」ともいう)である電気信号に変換する。以後、単に探触子あるいはトランスデューサということもある。圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなど音響波を検知できるものであれば、どのような音響波検出器を用いてもよい。本実施形態の音響波探触子17は、典型的には複数の受信素子が1次元あるいは2次元に配置されたものが良い。このような多次元配列素子を用いることで、同時に複数の場所で音響波を検出することができ、計測時間を短縮できる。その結果、被検体の振動などの影響を低減できる。
なお、本発明において音響波探触子17は、被検体15に対して、特定の方向のみの音響波を受信できるように設置されることを想定している。
【0026】
(信号収集器18)
本実施形態の被検体情報取得装置は、探触子17より得られたアナログ受信信号を増幅し、デジタル受信信号(以下、単に「デジタル信号」ともいう)に変換する信号収集器18を有することが好ましい。信号収集器18は、典型的には増幅器、A/D変換器、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成される。探触子から得られる
受信信号が複数の場合は、同時に複数の信号を処理できることが望ましい。それにより、画像を形成するまでの時間を短縮できる。なお、本明細書において「受信信号」とは、探触子17から取得されるアナログ信号も、その後AD変換されたデジタル信号も含む概念である。そして、光吸収体からの光音響波に起因する受信信号は「光音響信号」ともいう。
【0027】
(信号処理部19)
信号処理部19は、主な役割として、信号収集器18から得られたデジタル受信信号を用いて、画像再構成を行い、被検体の内部の光学特性値情報を画像データとして取得する。また、本発明の特徴的処理として、信号処理部19は、信号収集器18から得られたデジタル受信信号に対して光量分布に応じた補正(以下、「光量補正」ともいう)を行う。その結果、測定領域が制限された場合に得られた初期圧力分布の画像あるいは光吸収エネルギー吸収分布の画像に対して、光量補正を行わない場合と比較して、相対的にアーティファクトの少ない画像を出力することができる。なお、ここで言う測定領域が制限された場合とは、被検体を取り囲むすべての方向からではなく、図1の被検体15と音響波探触子17の関係のように、ある特定の方向のみからしか音響波を受信できないことを示している。
【0028】
通常、信号処理部19には典型的にはワークステーションなどのコンピュータが用いられ、あらかじめプログラミングされたソフトウェアにより、受信信号処理や画像再構成処理などが行われる。そのため、バリアブルゲインアンプなどのハードウェア構成を追加する場合に比べて、信号処理部19で行われる処理は、低いコストで目的を達成できる。
【0029】
ワークステーションで使われるソフトウェアは、例えば、受信信号に対してノイズ処理や光量補正などを行う信号処理モジュール19aと画像再構成を行う画像再構成モジュール19b、被検体の光量分布を算出する光量分布算出モジュール19dからなる。また、本発明の信号処理部19は、被検体の光量分布を保存するメモリ19cを有し、信号処理モジュールではこのメモリ19cに保存されたデータを参照しながら受信信号を補正する。ただし、信号処理モジュール19a、画像再構成モジュール19b、メモリ19c及び光量分布算出モジュール19dは、通常、ワークステーションなどのコンピュータ及び付属のソフトウェアとして扱われる。そのため、3つのモジュール及びメモリは、図1のように一つの信号処理装置19として扱われることが多い。
【0030】
信号処理モジュール19aでは、基本機能として、信号収集器18から得られたデジタル受信信号に対して、被検体15の光量分布データに応じた光量補正を行う。なお、被検体15の光量分布データはメモリ19cに保存されているものを用いる。保存されている光量分布データは光量分布算出モジュール19dで計算されたもの、あるいは、予め他の場所で算出された光量分布データでも良い。ここで、光量分布データとは、光を照射された被検体内の各位置での光量を集積したデータを言う。
【0031】
光量分布算出モジュール19dでは、有限要素法やモンテ・カルロ法など生体などの被検体の光量分布を算出できる演算方法を用いて、被検体内の光量分布を算出する。メモリ19cは光量分布算出モジュール19dで算出された光量分布データや予め算出された光量分布データを格納する。光量分布算出モジュールは、本発明の演算部に相当する。
【0032】
画像再構成モジュール19bでは、基本機能として、信号処理モジュール19aから得られる光量補正後の受信信号データを用いて、画像再構成による画像データの形成が行われる。画像再構成アルゴリズムとして、例えば、トモグラフィー技術で通常に用いられるタイムドメインあるいはフーリエドメインでの逆投影などが使われる。なお、再構成に多くの時間をかけることが可能な場合は、繰り返し処理を行う逐次再構成法(iterative method)などの画像再構成手法も利用することができる。PATの画像再構成手法には、代表的なものとして、フーリエ変換法、ユニバーサルバックプロジェクション法やフィルタードバックプロジェクション法、逐次再構成法などがあり、本発明においてはどのような画像再構成手法を用いても構わない。画像再構成モジュールは、本発明の画像処理部に相当する。
【0033】
(表示装置20)
表示装置20は信号処理部19で出力される画像データを表示する装置であり、典型的には液晶ディスプレイなどが利用される。なお、本発明の画像診断装置とは別に提供されていても良い。
【0034】
(受信信号の処理)
次に、本発明の特徴的な処理である、信号処理部19で行うデジタル受信信号の光量補正処理と画像再構成処理の一例について、図2と図3も参照しつつ説明する。下記の番号は図2のフロー図における処理の番号と一致する。
【0035】
処理(1)(S200):被検体内の光量分布を算出する工程
【0036】
光量分布算出モジュール19dにて、被検体の吸収係数分布、等価散乱係数分布、光照射強度分布や被検体形状に応じて、被検体内部の光量分布を算出する。
【0037】
被検体の吸収係数分布、等価散乱係数分布は、生体模擬ファントムなど予め物性値が既知の場合、その値を利用する。一方、吸収係数分布、等価散乱係数分布の値が未知の場合
、既知の方法を用いて受信信号から推定することができる。その場合、信号収集器18から得られたデジタル受信信号を解析処理し、被検体の光学特性値である平均的な吸収係数や等価散乱係数を推定する。また、受信信号からの推定が困難な場合、文献などに記載されている統計データなどから値を推定することもできる。
光照射強度分布は、被検体に照射される領域での光強度の分布であり、装置構成及び被検体形状が決まれば予め求めることができる。
被検体形状はカメラなどの撮影データから求めることもできるし、圧迫板などを用いて、被検体の形状を特定の形状に整形することも可能である。
【0038】
このようなデータ群が既知であれば、光輸送方程式あるいは光拡散方程式を解くことで、被検体の光量分布を計算により求めることができる。なお、光輸送方程式あるいは光拡散方程式はモンテ・カルロ法、差分法、有限要素法など数値計算分野ですでに知られている方法を用いることで、解くことが可能である。
【0039】
上述したように被検体の光量分布算出方法には様々な方法を考えることができるが、ここでは一例をあげて説明する。例えば、被検体の形状、平均的な吸収係数及び等価散乱係数、光照射強度は予め求められていると仮定する。次に、それらの情報を用いて、光拡散方程式を有限要素法により解いた光量分布データを求めると、図3(a)のような光量分布データが求められる。この例では、図1のように光12を音響波探触子17とは反対方向から入射した場合の例を示している。
【0040】
図3(a)においては、光照射近傍の光量が大きく、そこから離れるに従って、光が減衰し光量が小さくなっている。上記のような光量分布算出処理は、演算に必要な設定値である被検体の吸収係数分布、等価散乱係数分布、光照射強度分布、被検体形状が決まっていれば予め算出することができる。したがって、演算時間を低減するためにあらかじめ計算しておくこともできる。この場合、図1の信号処理器19に示したように、光量分布算出モジュール19dを装置に組み込む必要はない。ただし、被検体の吸収係数分布や散乱係数分布などが受信信号から推定される場合などは、信号収集器18で信号が受信された後に算出する必要がある。その場合、図1に示したように、光量分布算出モジュール19dを必要とする。
【0041】
処理(2)(S201):処理(1)で算出された光量分布データをメモリに保存する工程
【0042】
信号処理器19がワークステーションなどのコンピュータである場合、上記の処理で算出された光量分布データをハードディスク内のファイルに保存し、使用するときにそのデータをワークステーション内のメモリ19cに格納する。あるいは、算出と同時に、その結果をメモリ19cに格納する。このように光量分布データをメモリ19cに格納できれば、どのような方法を用いても構わない。
【0043】
処理(3)(S202):メモリに保存された光量分布データを用いて、受信信号に対して光量分布(光量の大きさ)に応じた補正を行う工程
【0044】
メモリに保存された光量分布データから音響波探触子17の受信素子に対応する、前記受信素子の受信面に垂直な方向の光量分布プロファイルを算出する。次に、被検体の平均的な音速に応じて、前述の光量分布プロファイルの距離データを時間データに変換する。その時間データに変換された光量分布プロファイルを受信信号データに対して徐算することで、光量分布の影響を補正する。
【0045】
光量分布プロファイルは例えば、対応する受信素子の指向性の範囲の中心に作成しても
良い。この場合、受信素子を2次元配列した音響波検出器であれば、受信面に垂直な方向に光量分布プロファイルが作成される。
【0046】
上記の処理を、図3を参照しつつ詳しく説明する。図3(b)は、図3(a)の点線aの領域の光量分布プロファイルを、横軸を距離(超音波探触子17の受信素子からの距離)、縦軸を光量としてプロットしたものである。なお、点線aは、音響波探触子17に含まれる一つの受信素子の受信面に対して垂直な方向である。ここでは、被検体を介して受信素子と反対側から光が照射されるため、受信素子から距離が離れるに従って、光量が増加している。受信素子側に近い位置は、照射された光が減衰しているため光量が小さい。
【0047】
この図3(b)のデータを被検体の平均音速を用いて、横軸を時間に変更する。つまり、距離を音速で割ればよい。そこで得られたデータが図3(c)である。図3(c)は図3(b)のX軸が距離から時間(光照射から受信素子で受信されるまでの時間)に変更されただけで、グラフの形状などは変化しない。
すなわち、光量分布プロファイルは、ある受信素子から被検体に垂直な方向に線を引いた時に、その線上における光量を、被検体の深さを表わす値(距離や時間)と対応付けて示すデータである。したがって光量分布プロファイルは光量分布データから作成可能である。
【0048】
なお、上記では各受信信号を補正する光量プロファイルを受信素子の受信面に対して垂直な領域とする例を示したが、光量プロファイル作成方法はこれに限られない。図3(a)の点線bは、一つの受信素子の中心とした、所定の角度θの範囲を示している。このとき、受信素子ごとに算出する光量プロファイルとして、この受信素子の中心から角度θの範囲にあり、かつ、受信素子の中心から等距離にある光量値を指向性で重み付けして積分した光量プロファイルを用いても良い。なお、この場合、角度範囲は受信素子が音響波を受信できる角度範囲であり、通常は、指向性から決定される。
【0049】
図3(d)は音響波探触子の受信素子で得られたデジタル受信信号の一例である。図3(d)のグラフにおいて横軸は、右にいくほど、受信された時刻が早いことを意味する。通常、被検体15内部にある光吸収体14から発生する光音響波16は、図3(d)に示されているようなN型ライクな形状をしており、探触子に近い領域にある光吸収体から発生した光音響波ほど早く受信される。また、同じ形状、かつ、同じ吸収係数を持つ光吸収体から発生した光音響波ならば、受信素子に近いものほど、また、吸収する光量が大きいほど、大きな音圧で受信される。
【0050】
通常、受信信号の音波の伝搬による音圧の減衰(回折効果)は、画像再構成において補正され、画像に反映される。一方、画像再構成においては光量の補正は行われないため、画像再構成後の画像は光量分布の影響を受けた画像となる。具体的に説明すると、図3(d)のような受信信号データを再構成した後に得られる画像は、通常、初期音圧分布p(r)である。初期音圧分布p(r)は、下記の式(1)のように吸収係数μ(r)と光量φ(r)の積に比例する。また、μ(r)とφ(r)の積は光吸収エネルギー密度H(r)と呼ばれる。
【数1】

【0051】
この式(1)から明らかなように、初期音圧分布p(r)あるいは光吸収エネルギー密度H(r)の値は、光量φ(r)に影響される。従来の方法では、下の式(2)に示すように、再構成画像から吸収係数分布の画像データを求めるために、得られた画像データ
であるp(r)あるいはH(r)をφ(r)で除算し、μ(r)を求め、光量の影響を排除する。この場合、H(r)あるいはp(r)の画像データにアーティファクトが存在すると、それも光量で補正されるため、光量が小さい領域ではそこに存在するアーティファクトが強調される課題がある。
【数2】

【0052】
一方、本発明では、この被検体内の各位置(各部位)に照射される光量の大きさに応じてデジタル受信信号を補正することが特徴である。つまり、被検体内の光量の差を低減するように、デジタル受信信号を補正する。具体的には、図3(d)のデジタル受信信号に対して、図3(c)の時間データに変換した光量分布データを受信時間ごとに除算する。例えば、この補正処理で得られるデータが図3(e)である。この図から分かるように、光量の低い受信時間帯の信号が強調され、光量の影響が排除されている。このようにデジタル受信信号に対して光補正を行えば、光吸収体からの光音響波に起因する光音響信号のみに光補正を行うことが可能になる。
【0053】
式を用いて上記を説明する。ここでは議論を単純化するために、データを最初から離散的に扱う。まず、連続値である初期音圧分布p(r)の画像を離散化して、行列として扱い、初期音圧分布の行列表現をPとする。また、初期音圧分布の離散化データから発生する光音響波を各受信素子で検出される音響波データに変換する感度行列をYとする。なお、このYはヤコビ行列である。また、各受信素子で検出される音圧データの行列表現をDとすると、以下の式(3)が成り立つ。
D=Y・P …(3)
【0054】
また、Pは上記で述べたように吸収係数分布と光量分布の積で表現されるため、P=Ma・Φと表現することができる。ここでΦは光量分布を表現する行列であり、Maは吸収係数分布を表現する行列である。つまり、式(3)は、以下の式(4)となる。
D=Y・M・Φ …(4)
両辺にΦの逆行列Φ−1をかければ、式(4)は、以下の式(5)となる。
D・Φ−1=Y・M …(5)
【0055】
式(5)は、Φの逆行列を求め、それを各受信素子で検出される音圧データ行列Dにかけ、そのデータ(D・Φ−1)を用いて画像再構成することで、吸収係数分布の画像データMaを得ることができることを示している。このとき、式(2)のように画像データに光量分布補正をする必要はない。その結果、受信信号に光量分布補正を行うことができるため、画像再構成後に発生するアーティファクトを増加させることはなくなる。
なお、Φの逆行列は、例えば、受信素子の中心から等距離にある光量値を指向性で重み付けして積分したもの、近似的には、受信素子の受信面に対して垂直な方向の光量分布プロファイルなどで表現できる。また、ここではΦの逆行列として一例をあげて示したが、各受信信号が被検体内の光量分布の影響を低減するように補正されれば、デジタル受信信号に対してどのような補正手段を用いてもかまわない。つまり被検体内の光量の差が低減されるように各受信信号が補正されれば、どのような補正手段を用いてもよい。
【0056】
処理(4)(S203):光量補正されたデジタル受信信号を用いて画像再構成処理を行い、被検体の光学特性値分布に関連した画像データを形成する工程
【0057】
図3(e)に示された光量補正されたデジタル受信信号を用いて画像再構成を行い、被検体15の吸収係数分布に関連した画像データを形成する。この処理に関しては、通常の
光音響トモグラフィーで用いられるどのような画像再構成処理を用いることが可能である。例えば、タイムドメインあるいはフーリエドメインでの逆投影などである。
【0058】
例えば、演算にタイムドメイン法の一つであるユニバーサルバックプロジェクション法を利用した場合、下記の式(6)に従って画像再構成を行う。
【数3】

ここで、μ(r)は吸収係数分布、Aは比例定数、b(r,t)は投影データ、d
Ω0は任意の観測点Pに対する検出器dS0の立体角である。この投影データを式(6)の積
分に従って逆投影することで吸収係数分布μ(r)の画像データを得ることができる。
【0059】
また、b(r0,t)は、以下の式(7)である。
【数4】

また、dΩ0は、以下の式(8)である。
【数5】

ここで、p’は光量分布補正された検出音波データ、θは検出器と任意の観測点Pとが
なす角度である。これらの式で表したように、本発明では、通常の画像再構成とは異なり、光量分布補正された検出音波データを投影データとして用いることが特徴である。
【0060】
図1の例では、画像形成において、音響波の受信範囲が制限され、アーティファクトが発生する。そのような場合であっても、以上の工程を行うことで、初期音圧分布画像あるいは光吸収エネルギー密度分布画像に対して、光量補正を行う従来技術よりも、コストアップすることなく、アーティファクトによる画像劣化が少ない画像を提供できる。
【0061】
<実施例1>
本実施形態を適用した光音響トモグラフィーを用いた被検体情報取得装置の一例について説明する。図1の装置概略図を用いて説明する。本実施例においては、光源11として波長1064nmで約10ナノ秒のパルス光を発生するQスイッチYAGレーザーを用いた。パルス光12から発せられる光パルスのエネルギーは0.6Jである。パルス光12をミラーとビームエキスパンダーなどの光学システム13を用いて、半径約2cm程度まで広げたあと、光を探触子17とは反対側の被検体に照射できるように光学系13をセッティングした。
【0062】
被検体15としては生体を模擬した図4(a)のような長方形ファントムを用いた。フ
ァントムは、1%に希釈したイントラリピッドを寒天で固めたものを利用した。このファントムは光学的に均質であり、その平均的な吸収係数は約0.01mm−1、散乱係数は約0.7mm−1であった。また、このファントムのサイズは幅:5cm、高さ:5cm、奥行き:4cmとした。
ファントム内には図4(a)に示されているように、直径0.3mmの円柱状ゴムワイヤが光吸収体14として8個、図のように埋め込まれている。なお、それぞれの光吸収体14の吸収係数値はどれも同じである。また、ファントムや音響波探触子は音響マッチングのため、脱気された水で充たされた水槽の中に置かれている。
【0063】
このようにセッティングされたファントムに対して、図1のように探触子17とは反対側のファントム表面にパルス光12を照射した。なお、音響波探触子17としてはPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)で作られた超音波トランスデューサを用いた。このトランスデューサは2次元アレイ型で、素子数は345(15×23)の素子、素子ピッチは2mmである。また、素子の幅は約2mmである。
【0064】
図4(a)のように、パルス光12をファントム表面に照射すると、光が円柱状光吸収体14で吸収されることにより生じる光音響波が発生する。それらの光音響波を超音波トランスデューサ17で、345チャンネル同時に受信した。その受信信号をアンプ、ADコンバーター、FPGAからなる信号収集器18を用いて処理して、全チャンネルでの受信信号のデジタルデータを取得した。なお、信号のS/N比を向上させるために、32回レーザーを照射し、得られたすべての受信信号を平均化した。その後、得られたデジタルデータを信号処理器19であるワークステーション(WS)へ転送し、WS内に保存した。
【0065】
次に、WS内のソフトウェアプログラムである信号処理モジュールにて、ファントムの光学特性値、ファントム形状、光照射強度分布を用いて、ファントム内の光量分布データを有限要素法により求めた。さらに、この光量分布データから各受信素子の受信面に対して垂直方向の光量分布データを算出し、各受信データを光量で補正した。ここでは、時間データに直した光量プロファイルで受信データを除算する補正方法を用いた。
【0066】
さらに、この補正データを用いてWS内のソフトウェアプログラムである再構成モジュール19aにて、画像再構成を行った。ここでは複数の画像再構成手法の中でタイムドメイン方式であるユニバーサルバックプロジェクション法を用いて3次元のボリュームデータを形成した。このとき使用したボクセル間隔は0.025cmとした。画像化範囲は3.0cm×4.6cm×4.0cmである。そのときに得られた画像の一例を図4(b)に示す。なお、この図は3次元画像データにおいて、すべての吸収体が画像化できる方向の最大輝度を投影したMIP(Maximum Intensity Projection)像を示している。
【0067】
次に、WS内に保存した光量補正していない受信信号を用いて、上記で採用された画像再構成手法を用いて、上記と同じ範囲である3.0cm×4.6cm×5.0cmの画像を算出した。さらに、従来技術と同様に、その画像を光量分布で補正した。ここでは再構成画像データの各ボクセル値を光量分布データのボクセル値で除算する方法を用いた。そのときに得られた画像の一例を図4(c)に示す。図4(c)も3次元画像データから、すべての吸収体が画像化できる方向の最大輝度を投影したMIP像である。
【0068】
図4(b)と(c)を比較する。図4(c)では画像再構成後の光量補正のため、図中の点線で示した領域、つまり、光量の弱い領域のアーティファクトが目立っている。これは光量補正により、光量の少ない領域にあるすべての像が強調された結果である。一方、図4(b)においては、受信信号に対して光量補正を行ったため、アーティファクトは強調されない。つまり、受信信号のみが光量補正されているため、アーティファクトを強調
することはない。このように、音響波の計測領域が制限された場合において、デジタル受信信号を光量補正することで、従来法よりもアーティファクトの少ない画像が得られる。
【0069】
<実施例2>
本実施形態を適用した光音響トモグラフィーを用いた被検体情報取得装置の一例について説明する。本実施例においては、実施例1と同様なファントム及び測定系を用いた。ただし、本実施例では受信信号の解析により、被検体の光学特性値を求める。
【0070】
まず、図1と同じように探触子17とは反対方向から光を照射して光音響波を受信する。次に、図1には図示していないが探触子方向からも光を照射して光音響波を受信する。それぞれの受信信号に対して画像再構成を行い、2つの初期音圧分布画像を取得する。次に、それらの比をとり、その比のデータと計算により求めた光分布の比が最小になるように被検体の平均的な吸収係数と等価散乱係数を求めた。次に、求めた被検体の平均的な吸収係数と等価散乱係数、被検体形状、照射強度分布を用いて、光量分布算出モジュール19cで被検体の光量分布を求めた。次に、この光量分布データで実施例1と同様な方法で、受信信号を光量補正し、その補正された受信信号を用いて画像再構成を行い、画像を得た。
このような方法で得られた画像は図4(b)と同様なものであり、従来技術で得られた画像である図4(c)よりもアーティファクトが低減されていた。
【0071】
以上のことから、アダプティブに受信信号を解析して被検体の光学定数を求め、その値を利用して受信信号を光補正しても、従来法よりもアーティファクトの少ない画像が得られる。
【0072】
<実施例3>
本実施形態を適用した光音響トモグラフィーを用いた被検体情報取得装置の一例について説明する。本実施例においては、実施例1と同様なファントム及び測定系を用いた。
【0073】
まず、実施例1と同様にファントム内の光量分布を算出した。次に、各受信素子の中心から全角で30度以内、かつ、受信素子の中心から等距離にある光量分布の値を検出素子の指向性で重み付けしたものを積分した光量プロファイルを算出した。この光量プロファイルを用いて、実施例1と同様な方法で各受信信号データを補正し、補正した受信信号データを作成した。この補正した受信信号データを用いて、画像再構成を行い、相対的な吸収係数分布画像を算出した。
その結果、従来技術よりもアーティファクトが低減され、かつ、図4(b)よりも定量性の向上した吸収係数分布画像を得ることができた。
【0074】
以上のことから、探触子の指向性を考慮した光量プロファイルで受信信号を補正することで、定量性も保ちつつ、従来技術よりもアーティファクトが低減された光学特性値分布画像を得ることができる。
【符号の説明】
【0075】
11:光源,17:音響波探触子,19:信号処理部,19a:信号処理モジュール,19b:画像再構成モジュール,19c:メモリ,19d:光量分布算出モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から光を照射された被検体より発生する音響波を検出しアナログ信号に変換する受信素子を含む検出器と、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換する変換器と、
光が照射されたときの被検体内の光量分布を表わす情報を格納するメモリと、
前記被検体内の光量分布を表わす情報を用いて、前記デジタル信号を補正する信号処理部と、
前記補正されたデジタル信号を用いて被検体情報の画像データを形成する画像処理部と、
を有し、
前記信号処理部は、前記被検体内の各位置に照射される光量の大きさに応じて前記デジタル信号の補正を行うことを特徴とする被検体情報取得装置。
【請求項2】
前記信号処理部は、前記被検体内の各位置に照射される光量の差を低減するように、デジタル受信信号を補正することを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
【請求項3】
前記信号処理部は、前記被検体内の光量分布を算出する演算部を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の被検体情報取得装置。
【請求項4】
前記演算部は、被検体の光学特性値および形状を用いて、前記被検体内の光量分布を算出する
ことを特徴とする請求項3に記載の被検体情報取得装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記デジタル信号を解析することにより、前記被検体の光学特性値を得る
ことを特徴とする請求項4に記載の被検体情報取得装置。
【請求項6】
前記信号処理部は、前記被検体内の光量分布に基づいて、前記検出器の受信素子の受信面から垂直な方向に、被検体の深さと光量の関係を示す光量分布プロファイルを作成し、当該光量分布プロファイルを用いて前記受信素子に対応するデジタル信号を補正する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
【請求項7】
前記信号処理部は、前記検出器の受信素子の中心から所定の角度の範囲にある被検体の部位の光量分布に基づいて、前記光量分布プロファイルを作成する
ことを特徴とする請求項6に記載の被検体情報取得装置。
【請求項8】
光を照射された被検体より発生する音響波を検出しアナログ信号に変換する工程と、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換する工程と、
光が照射されたときの被検体内の光量分布を表わす情報を用いて前記デジタル信号を補正する工程と、
前記補正されたデジタル信号を用いて被検体情報の画像データを形成する工程と、
を有する被検体情報取得方法であって、
前記デジタル信号を補正する工程では、前記被検体内の各位置に照射される光量の大きさに応じて前記デジタル信号の補正を行うことを特徴とする被検体情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−125447(P2012−125447A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280347(P2010−280347)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】