説明

被覆された磁性合金材料およびその製造法

本発明は、材料科学および材料物理の分野に関連し、および例えば磁気冷凍材料として冷凍の目的のために使用されうる、被覆された磁性合金材料に関する。本発明のこの課題は、改善された機械的性質および/または化学的性質を有する被覆された磁性合金材料を記載することにある。この課題は、NaZn13型の結晶構造および式RaFe100-a-x-y-zxyzで示される組成を有する磁性合金材料によって解決され、この磁性合金材料の表面は、Al、Si、C、Sn、Ti、V、Cd、Cr、Mn、W、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Pt、Auの群からの少なくとも1つの元素またはその組合せからなる材料で被覆されている。更に、この課題は、磁性合金材料が液相からの方法により被覆される方法によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料科学および材料物理の分野に関連し、および例えば磁気冷凍材料(磁気熱量材料)として冷凍の目的またはエネルギー発生の目的のために使用されうる、被覆された磁性合金材料およびその製造法に関する。
【0002】
磁性合金材料による磁気冷凍は、常用のガス圧縮冷凍に対して環境に優しくエネルギー効率的および費用効果的な他の選択可能な方法の可能性を与えてくれる。磁気冷凍は、温度変化が材料の磁性化の変化により起こる磁気熱量効果(MCE=magnetocaloric effect)に基づくものである。数多くの用途にとって、殊に大きなMCEを有する材料は、魅力的である。
【0003】
この場合、NaZn13型の結晶構造を有する磁性材料は、特に大きなMCEを示し、このMCEは、材料のキュリー温度Tc付近で常磁性状態から強磁性状態への熱および場に由来する相転移によって惹起される。
【0004】
NaZn13型の結晶構造の磁性合金材料は、公知であり、磁気冷凍材料として使用された。この種の材料の組成は、式R(T1-aa13dによって記載することができ、この場合Rには、希土類元素または希土類元素の組合せが使用され、Tには、FeまたはFeの組合せが使用され、およびMには、Al、Si、GaまたはGe、またはその組合せが使用される。aには、0.05≦a≦0.2が当てはまり、dには、0≦d≦3.0が当てはまる。この種の材料は、キュリー温度付近の温度で極めて良好な磁気熱量特性を有し、磁気冷凍のために有望な候補として評価されている(C.Zimm et al.,Int.J.Refrigeration 29(2006)1302−1306)。
【0005】
更に、式Fe100-a-b-cabTMc〔式中、R=La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、ErおよびTmの群からの希土類およびLa少なくとも90原子%、A=Al、Si、Ga、Ge、Snの少なくとも1つの元素およびTM=Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、CuおよびZnの少なくとも1つの遷移元素、場合5≦a≦10、4.7≦b≦18および0≦c≦9(全て原子%)〕で示される組成を有するNaZn13型のこの種の磁性合金材料は、公知である(ドイツ連邦共和国特許出願公開第10338467号明細書A1、米国特許第2007/0137732号明細書A1、米国特許第2004/007944号明細書A1、米国特許第7186303号明細書B2、米国特許第2006/0231163号明細書A1、米国特許第2005/0172643号明細書A1、WO 2008/099234A1)。
【0006】
周知のように、この種の磁性合金は、アーク溶融法または高周波溶融法により製造され、引続き例えば約1050℃で約168時間、真空下(ドイツ連邦共和国特許出願公開第10338467号明細書A1)で熱処理される。同様に、合金元素を1200〜1800℃で溶融し、次に102〜106℃/秒の冷却速度で合金を冷却し(急速凝固)、引続き急速凝固した合金を熱処理することは、可能である(米国特許第2006/0076084号明細書A1;A.Yan,K.−H.Mueller,O.Gutfleisch,J.Appl.Phys.97(2005)036102;X.B.Liu,Z.Altounian,G.H.Tu,J.Phys.:Condens.Matter 16(2004)8043)。
【0007】
NaZn13型の公知の磁性合金材料の本質的な欠点は、劣悪な機械的性質、殊に僅かな延性、機械的保全性および僅かな耐蝕性にある。それによって、熱伝達媒体の使用条件および選択は、極めて制限される。
【0008】
本発明の課題は、公知技術水準の材料と比較して比較可能な磁気特性および/または磁気熱量特性の場合に改善された機械的性質および/または化学的性質を有する、被覆された磁性合金材料を記載し、および相対的に幅広い範囲内でキュリー温度を調節することによって、前記磁性合金材料の使用温度が実現される、磁性合金材料を被覆するための効果的な方法を記載することにある。
【0009】
この課題は、請求項に記載された発明によって解決される。好ましい実施態様は、従属請求項の対象である。
【0010】
本発明により被覆された磁性合金材料は、NaZn13型の結晶構造および式:
RaFe100-a-x-y-zxyz
〔式中、
R=LaまたはLaとCe、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luおよび/またはYとの組合せ、
T=Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cuおよび/またはZnの群から選択された少なくとも1つの元素、
M=Al、Si、P、Ga、Ge、Inおよび/またはSn、
L=H、B、Cおよび/またはN、
5≦a≦11および0.3≦x≦12および2≦y≦20および0.2≦z≦18、(全て原子%で)〕で示される組成を有する磁性合金材料からなり、
およびこの磁性合金材料の表面は、Al、Si、C、Sn、Ti、V、Cd、Cr、Mn、W、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Pt、Auの群からの少なくとも1つの元素またはその組合せからなる材料で被覆されている。
【0011】
好ましくは、磁性合金材料の35体積%以上、なお好ましくは少なくとも50体積%、なお好ましくは80〜90体積%は、NaZn13型の結晶構造を有する。
【0012】
同様に、好ましくは、磁性合金材料のキュリー温度を変えるために、条件2≦z≦15原子%および/または3≦y≦16および/または0.5≦x≦9が実現され、この場合割合zおよび/またはyおよび/またはxが変化すると、キュリー温度は、170K〜400Kの間で変化する。
【0013】
また、磁性合金材料がベルト、線材、板材、シート材または薄片の形、針状物の形、フォームの形、または粒子の形で存在することは、好ましい。
【0014】
また、被覆の層厚が合金材料の磁気熱量効果の大きさに依存して選択されることは、好ましく、この場合なお好ましくは、被覆の層厚は、0.5μm以上ないし50μm以下である。
【0015】
更に、磁性合金材料と被覆との間に1つ以上の付着層が存在することは、好ましい。
【0016】
同様に、被覆されていない合金材料の表面がエッチングされることは、好ましい。
【0017】
被覆された磁性合金材料を製造するための本発明による方法の場合、磁性合金材料は、液相からの方法により被覆される。
【0018】
好ましくは、液相からの被覆は、電気化学的被覆、無電解金属化(無電解メッキ)、浸漬、回転塗布、噴霧および/または刷毛塗りによって実現される。
【0019】
同様に好ましくは、被覆は、電気化学的被覆または無電解金属化によって施こされる。
【0020】
本発明による解決によれば、最初に、機械的性質および化学的性質、殊に弾性強度および耐蝕性が磁気熱量効果に関連して良好な磁気特性を維持した際に明らかに改善された磁性合金材料を記載することが可能になる。これは、本発明によれば、磁性合金材料の表面を被覆することによって達成され、この場合、磁性合金材料の表面と被覆との間には、なお1つ以上の他の層、例えば付着層が存在していてよい。事前のエッチングは、よりいっそう良好な付着のために実施されてよい。この種の層構造の場合ならびに層の層厚に関連して、全体的には、前記層は、磁性合金材料の磁気熱量効果がなお望ましい高さで達成されるような寸法だけを有することに注目すべきである。例えば、磁性合金材料からなる中実の板の場合、層の明らかに高い層厚を施こすことができ、それというのも、磁気熱量効果は、合金材料の比較的大きな容積によって損なわれないかまたはほんの少しだけ損なわれるにすぎないからである。反対に、磁性合金材料が例えば薄手の金属ベルトである場合には、層厚は、極めて僅かであってよい。この関係は、当業者に自体公知であり、および本発明による被覆の相応する層厚を具体的な使用条件により直ちに選択する状態にある。しかし、一般的には、磁性材料の磁気熱量効果の大きさにできるだけ殆ど影響を及ぼさないようにするために、本発明による被覆のできるだけ僅かな層厚を達成しようと努力される。
【0021】
本発明による被覆は、磁性合金材料よりも明らかに良好な機械的性質を示し、このことは、被覆された磁性合金材料からなる本発明による材料を使用する場合には、明らかな改善を全体的にもたらす。同様に、磁性合金材料の完全な被覆によって、この磁性合金材料の表面は、種々の熱伝達媒体の腐蝕攻撃から保護され、したがって、この媒体の選択は、もはや磁性合金材料に依存しない。また、それによって、使用可能性は、明らかに改善される。
【0022】
本発明による解決は、結晶構造がNaZn13型である、磁性合金材料を主に使用する際に殊に改善された結果を示す。この材料は、周知のように大きな磁気熱量効果を示し、したがって、特に有利に使用可能である。
【0023】
同様に、公知の元素、元素の組合せおよび成分を有する式Rx100-x-y-zyzで示される組成を有する磁性合金材料にとって、本発明による解決を使用することは、好ましい。
【0024】
この場合、殊にH、B、Cおよび/またはNが前記合金材料中に存在することは、特に好ましい。この元素は、周知のように、中間格子位置に組み込まれ、前記元素、この場合には殊にH、の割合が上昇するとキュリー温度が高められることにより、殊に周知のように使用温度を定める、磁性合金材料にとって重要なキュリー温度Tcをもたらす。それによって、使用温度は、磁性合金材料にとって比較的幅広い範囲で調節可能である。
【0025】
液相からの本発明による被覆法、例えば電気化学的被覆または無電解金属化による被覆を用いると、同時に水素は、間在するように結晶格子中に導入されうるか、または元素、例えばCo、Ni、Cuは、拡散プロセスによってFeを置換し、その際にキュリー温度Tcを上昇させる。水素は、二次反応の際に生じることができ、例えば陰極での電極反応の副生成物として、または還元剤の酸化中に遊離される。即ち、本発明による解決の場合も殆ど不変のまま前記効果は現れ、したがって、改善された機械的性質および化学的性質と共に、改善された一次特性、例えば使用温度およびMCEの大きさは、本発明による解決で達成されうる。
【0026】
更に、被覆は、磁性合金材料の表面上に磁性合金材料のそれぞれの具体的な形とは無関係に施されうる。好ましくは、ベルト、線材、板材、シート材、薄片、針状物、フォームまたは粒子としての磁性合金材料の本発明による形に応じて、使用すべき被覆方法を選択することができる。
【0027】
電気化学的被覆または無電解金属化は、特に好ましいことが証明された。それというのも、これらの方法により簡単に被覆を望ましい層厚で磁性合金材料の全ての幾何学的形にもたらすことができるからである。前記方法を用いると、同時に、拡散プロセスによりキュリー温度に調節するために、水素または元素、例えばCoおよびNiを導入することも問題なしに可能である。
【0028】
被覆法は、工業的に幅広く行き渡っており、したがって、極めて安価でもあり、したがって、材料を制限されていない量で均一に全面的に被覆することができる。この被覆法は、真空または特殊な雰囲気を全く必要とせず、室温と約80℃との間の温度で使用される。
【0029】
更に、無電解金属化の利点は、材料を外部電流の印加なしに溶液中に浸漬することにより、材料を被覆することができることにある。この場合には、還元剤の酸化を基礎とする自動触媒プロセスおよび析出すべき材料の試料表面上での陽イオンの還元が進行する。
【0030】
以下に、本発明を複数の実施例で詳説する。
【実施例】
【0031】
実施例1
元素La、FeおよびSiから、アーク溶融法により組成LaFe11.6Si1.4を有する合金を製造する。その後に、合金を30m/秒の銅ホイールの表面速度で急速に凝固させ、引続き1050℃で1時間熱処理する[A.Yan,K.−H.Mueller,O.Gutfleisch,J.Appl.Phys.97(2005)036102]。生じる材料は、60μmの厚さを有するベルトの形であり、90質量%がNaZn13型相からなり、10質量%がα−Feからなる。
【0032】
このベルト上で無電解金属化によって30分間、Niからなる1μmの厚さの層を施こす。無電解金属化を、A.Brenner[A.Brenner et al.,Res.Natl.Bur.Std.37(1946)31:Proc.Am.Electroplaters’ Soc,33(1946)23]と同一の組成を有する、80℃に加熱された溶液からpH値9で行なう。
【0033】
NIで被覆されたベルトは、被覆されていないベルトと比較して少なくとも25%だけ弾性強度の上昇を示す。
【0034】
ベルトを被覆すると、このベルトは、油溶液、アルコール性溶液または水溶液からの熱伝達媒体に対して今や耐蝕性である。0.01M硫酸(pH=2)中での測定によって算出された質量損失は、被覆されていない材料と比較して被覆されたベルトの本質的に高い安定性を示す。被覆されていない材料は、既に溶液中での浸漬後に15%の質量変化を示し、5分後にもはや機械的に安定性でなく、したがって、小さい断片に崩壊し、および最終的に10分間の浸漬後に粉末に崩壊する。その間に、本発明により被覆されたベルトは、溶液中での40分間の浸漬後も1%未満の質量損失を示し、さらに機械的に安定性である。
【0035】
更に、上記の試験は、熱伝達媒体と比較してベルトの機械的性質の改善を明らかに示す。
【0036】
上記のNi被覆と同時に、材料表面上での還元剤(次亜燐酸ナトリウム)の酸化によって原子状水素が生じる。水素は、前記材料中に拡散し、引続きNaZn13型相の中間格子位置に組み込まれる。次に、LaFe11.6Si1.4合金の磁気特性に対する上記Ni被覆の影響について詳説する。
【0037】
被覆されていないLaFe11.6Si1.4合金は、193Kで145kJ/m3Kのエントロピー変化ΔSmaxおよび2テスラの磁界変化を示す。この場合、半減期幅は、8.3Kであり、相対的冷却性能は、1.5MJ/m3である。
【0038】
被覆プロセスによるLaFe11.6Si1.4合金の同時の水素化は、185Kから330Kへの出発材料のキュリー温度の上昇を可能にする。同時に水素への拡散を生じる、Niでの被覆後、エントロピー変化の最大を発生させる温度は、330Kへ変わる。2テスラの時間変化の場合、最大エントロピー変化ΔSmaxは、110kJ/m3Kであり、半減期幅は、7.5Kであり、および相対的冷却性能は、1.0MJ/m3である。磁気特性の前記変化は、La(Fe,Si)13相の間在する結晶格子位置への水素の拡散に帰因しうる。熱抽出による水素分析は、LaFe11.6Si1.41.63の組成に相当する水素濃縮をもたらす。
【0039】
実施例2
元素La、FeおよびSiから、アーク溶融法により組成LaFe11.6Si1.4を有する合金を製造する。その後に、合金を30m/秒の銅ホイールの表面速度で急速に凝固させ、引続き1050℃で1時間熱処理する。生じる材料は、60μmの厚さを有するベルトの形であり、90質量%がNaZn13型相からなり、10質量%がα−Feからなる。
【0040】
このベルト上に0.5M硫酸コバルト溶液からの定電位被覆によって−1.2V(飽和されたカロメル参照電極に対して測定した)で室温で5分間に亘って1μmの厚さのCo層を施こす。対向電極としてPt薄板を利用する。
【0041】
Coで被覆した後、185Kから200Kへのエントロピー変化の最大が発生する温度に移動する。2テスラの時間変化の際に、最大のエントロピー変化ΔSmaxは、125kJ/m3Kであり、半減期幅は、8.3Kであり、および相対的冷却性能は、1.2MJ/m3である。磁気特性の前記変化は、La(Fe,Si)13相の結晶格子中へのCoの拡散に帰因しうる。
【0042】
実施例3
元素La、Fe、CoおよびSiからアーク溶融および引続く熱処理によって、1050℃で18日間組成LaFe11.6Co0.2Si1.2および直径約5mm×高さ2mmの寸法を有するペレット状の中実材料を製造する。生じる材料は、87質量%がNaZn13型相からなり、および13質量%がα−Feからなる。この合金を、400℃で5バールの水素ガス中で水素化する。z=1.6の水素濃度を熱抽出によって測定した。これは、LaFe11.6Co0.2Si1.21.6の組成に相当する。
【0043】
このLaFe11.6Co0.2Si1.21.6上で無電解金属化によって30分間、Niからなる1μmの厚さの層を施こす。無電解金属化を、A.Brenner[A.Brenner et al.,Res.Natl.Bur.Std.37(1946)31:Proc.Am.Electroplaters’ Soc,33(1946)23]と同一の組成を有する、80℃に加熱された溶液からpH値9で行なう。
【0044】
ペレットを被覆すると、このペレットは、油溶液、アルコール性溶液または水溶液からの熱伝達媒体に対して今や耐蝕性である。0.01M硫酸(pH=2)中での測定によって算出された質量損失は、被覆されていない材料と比較して被覆されたペレットの本質的に高い安定性を示す。被覆されていない材料は、溶液中での30分間の浸漬後に5%の質量変化を示す。その間に、本発明による被覆されたペレットは、溶液中での30分間の浸漬後でも1%未満の質量損失を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性合金材料がNaZn13型の結晶構造および次式:
RaFe100-a-x-y-zxyz
〔式中、
R=LaまたはLaとCe、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luおよび/またはYとの組合せ、
T=Sc、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cuおよび/またはZnの群から選択された少なくとも1つの元素、
M=Al、Si、P、Ga、Ge、Inおよび/またはSn、
L=H、B、Cおよび/またはN、
5≦a≦11および0.3≦x≦12および2≦y≦20および0.2≦z≦18(全て原子%で)〕で示される組成を有し、この磁性合金材料の表面が、Al、Si、C、Sn、Ti、V、Cd、Cr、Mn、W、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Ag、Pt、Auの群からの少なくとも1つの元素またはその組合せからなる材料で被覆されている、合金材料。
【請求項2】
磁性合金材料の35体積%以上がNaZn13型の結晶構造を有する、請求項1記載の合金材料。
【請求項3】
磁性合金材料の少なくとも50体積%がNaZn13型の結晶構造を有する、請求項2記載の合金材料。
【請求項4】
磁性合金材料の80〜90体積%がNaZn13型の結晶構造を有する、請求項3記載の合金材料。
【請求項5】
磁性合金材料のキュリー温度を変化させるために、条件2≦z≦15および/または3≦y≦16および/または0.5≦x≦9(全て原子%で)が実現されており、この場合割合zおよび/またはyおよび/またはxが変化すると、キュリー温度は、170K〜400Kの間で変化する、請求項1記載の合金材料。
【請求項6】
磁性合金材料がベルト、線材、板材、シート材または薄片の形、針状物の形、フォームの形、または粒子の形で存在する、請求項1記載の合金材料。
【請求項7】
被覆の層厚が合金材料の磁気熱量効果の大きさに依存して選択されている、請求項1記載の合金材料。
【請求項8】
被覆の層厚が0.5μm以上50μm以下である、請求項7記載の合金材料。
【請求項9】
磁性合金材料と被覆との間に1つ以上の付着層が存在している、請求項1記載の合金材料。
【請求項10】
被覆されていない合金材料の表面がエッチングされている、請求項1記載の合金材料。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の被覆された磁性合金材料の製造法において、磁性合金材料を液相から被覆することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の被覆された磁性合金材料の製造法。
【請求項12】
液相からの被覆を、電気化学的被覆、無電解金属化(無電解メッキ)、浸漬、回転塗布、噴霧および/または刷毛塗りによって実現させる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
被覆を電気化学的被覆または無電解金属化によって施こす、請求項12記載の方法。

【公表番号】特表2012−511632(P2012−511632A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540111(P2011−540111)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066871
【国際公開番号】WO2010/066856
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(502098145)
【氏名又は名称原語表記】Leibniz−Institut fuer Festkoerper− und Werkstoffforschung Dresden e.V.
【住所又は居所原語表記】Helmholtzstrasse 20, D−01069 Dresden, Germany
【Fターム(参考)】