説明

被覆防食方法

【課題】長期間に亘って良好かつ安定な防食状態を維持し得、現場での施工性にも優れる被覆防食方法を提供すること。
【解決手段】本発明の被覆防食方法は、被防食体の表面を樹脂フォーム材2で被覆し、該樹脂フォーム材2の外側を保護材3で保護することを特徴とする。前記樹脂フォーム材2には、吸水性ポリマーを配合させるか樹脂フォーム材2を吸水性ポリマーでコーティングすることが好ましい。樹脂フォーム材2と保護材3との間に接着性又は粘着性を有する樹脂層を介在させることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被防食体表面の被覆防食方法に関し、特に、大気中のみならず、湿潤状態若しくは水中にある金属表面又は鉄筋を含むコンクリート表面に対して良好な密着状態を維持し、それらの腐食を長期間に亘って防止する被覆防食方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前記被防食体表面の従来の腐食防止方法としては、一般に塗装、ライニング、コンクリート被覆、ペトロラタムライニング、メッキ等があり、数多くの文献が示されている(例えば、非特許文献1参照)、また腐食の激しい室外における防食方法の中で、特に腐食環境として厳しい水中、乾湿繰り返し、もしくは高湿度中の被防食体表面の防食方法としては、上記腐食防食方法の中でも、かなり限られた方法となる(例えば、非特許文献2参照)。また、これらの環境に暴露され、既に腐食を生じている金属に対しての防食方法としては、水中塗装(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、ペトロラタムライニング(例えば、特許文献3参照)、コンクリート被覆(例えば、特許文献4参照)がある。
【0003】
また、吸水性ポリマーを含んだ材料を使用した防食方法としては、吸水性ポリマーをゴム材に添加したものを保護材に貼り付けた防食構造体(例えば、特許文献5参照)がある。
【0004】
さらに、未硬化樹脂を使用した防食方法としては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂を不織布に含浸して貼り付けるライニング工法(例えば、特許文献6参照)がある。
【0005】
また、流動性のある樹脂を予め被防食体の周囲に一定の隙間をあけて組み立てた型枠内に流し込み被覆する防食加工方法(例えば特許文献7参照)が提案されている。
【0006】
上述した腐食防止方法のうち、特に腐食環境の厳しい所にある既設構造物の腐食防止方法として挙げた上記3つの方法には、以下に示すような問題点を有する。
【0007】
(1)水中塗装:ブラストによる下地処理を必要(SIS−Sa2以上)とし、下地処理後直ちに施工しなければならず、実際には現場工程の微妙な相違により、部分的な接着不良もしくは剥離を生じる場合がある。膜厚を厚くする水中パテもあるが、同様な問題点を有する。また通常、塗膜の表面に保護層を設けないため、環境の変化や外力の影響を直接受け、従って寿命の点でも問題がある。
【0008】
(2)ペトロラタムライニング:ペトロラタムは優れた防食材であり、比較的低いグレードの下地処理(SIS−St2)でも良好な防食効果を発揮するが、基材がワックスであるため、被防食体と密着性は示すものの接着は不可能である。従って、外力を受けるような環境では、長期的には被防食体と防食層の間に隙間が発生し、腐食が生じるおそれがあった。
【0009】
(3)コンクリート被覆:コンクリートはアルカリ性を示す材料であり、水分、溶存酸素を環境から遮断し防食する材料としては優れているが、一般に水気の多い環境で塗布して防食することは難しく、実際には被防食体にある一定の隙間をあけた型枠を組み、その中に流し込んで、充填被覆することが広く行われている。しかし、この場合型枠内で完全に隙間が充填することは、最近の分散防止剤の進歩においても難しい。また、この方法では、被防食体の形状に合わせた細かい細工が殆ど不可能であり、結果としてかなりの重量をもつ被覆体となる。このことは被防食体への大きな負荷となる。また長期的には、塩分の浸透等によるコンクリートの中性化が生じ、部分的にでも腐食が発生すると錆の膨張圧により、急激にコンクリート層の割れが進展し、脱落することもある。さらにコンクリートは殆ど弾性を持たない物質であるため、被防食材が外力や熱変化により僅かに動いても、その動きに追従できない。従って、コンクリートと被防食面は、施工当初は密着している部分でも、経時的には剥離してしまい、腐食の原因となる。特に、この現象は海洋構造物等で認められる。
【0010】
また、吸水性ポリマーをゴム材に添加したものの被覆による防食は、表面が平滑な金属に対しては、優れた遮水性を発揮し防食できるが、実構造物は多くの場合、腐食や施工時の溶接跡等により、不規則な凹凸が多数ある。この場合は、すでに硬化しているゴム材の水膨潤は密着を保つには不充分であり、良好な防食効果は得られない。
【0011】
未硬化樹脂を不織布に含浸して貼り付ける方法は、海洋環境等の腐食環境では、被覆内にある水分を除去できないため、樹脂の接着不良を生じやすく、良好な腐食被覆ができない。しかも被覆層の強度が弱いため、長期間の防食は難しい。
【0012】
流動性樹脂を型枠内に流し込み被覆する工法は、被防食体表面が平滑で、且つ大気中の部分に対しては効果があるが、湿潤状態では被防食体表面と樹脂との密着は不安定となり、特に一部が水中にある場合は樹脂の比重、粘度等が型枠内への分散に大きく影響し、良好かつ安定な防食は得られにくい。
【0013】
一方、本発明者らは、被防食体表面の有機材料による被覆防食方法について提案している(下記特許文献8参照)。この方法は、被防食体表面を、吸水性ポリマーを含む未硬化樹脂によって被覆することを特徴としている。
【0014】
ところで、被覆防食方法は、作業のしづらい既設構造物の設定場所において施工する場合が多く、また表面に不規則な凹凸部を有する被防食体に適用する場合が多い。このため、斯かる被防食体表面に対し安定的に防食が行え、且つ効率よく施工が行える手法が望まれていた。
【0015】
【特許文献1】特開平2−248532号公報
【特許文献2】実開昭61−66043号公報
【特許文献3】特開昭62−1830号公報
【特許文献4】特公平5−45728号公報
【特許文献5】特開昭62−78323号公報
【特許文献6】特開平3−218815号公報
【特許文献7】特開昭60−144427号公報
【特許文献8】特許第3459559号公報
【非特許文献1】腐食・防食ハンドブック、鈴木信夫、腐食防食協会編、平成12年、p436〜461
【非特許文献2】港湾鋼構造物防食・補修マニュアル、(財)沿岸開発技術研究センター、平成9年、p109〜113
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の目的は、従来のこれらの方法がもつ問題点を解消させ、新設施設はもとより、腐食環境の厳しい水中もしくは湿潤状態にある構造物に対しても、長期間に亘って良好でかつ安定した防食状態を維持し、現場での施工性にも優れる被覆防食方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、被防食体の表面を被覆して防食する被覆防食方法において、前記金属表面又は前記コンクリート表面を樹脂フォーム材で被覆し、該樹脂フォーム材の外側を保護材で保護することを特徴とする被覆防食方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、新設施設はもとより、腐食環境の厳しい水中もしくは湿潤状態にある構造物に対しても、長期間に亘って良好でかつ安定した防食状態を維持し、現場での施工性にも優れる被覆防食方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の被覆防食方法を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の被覆防食方法は、被防食体1の表面を被覆して防食する方法であり、被防食体1の表面を樹脂フォーム材2で被覆し、樹脂フォーム材2の外側を保護材3で保護することを特徴としている。ここで、被防食体1としては、鉄、ステンレス、亜鉛、アルミニウム等の金属、鉄筋を含むコンクリートが挙げられる。
【0021】
本実施形態の被覆防食方法では、先ず、被防食体1の表面を素地調整し、素地調整を行った被防食体1の表面を樹脂フォーム材2で被覆する。素地調整には、被防食体1に合わせた従来からの素地調整を行うことが好ましい。
【0022】
本実施形態では、被防食体1に樹脂フォーム材2が密着されるように、被防食体1の表面と樹脂フォーム材2との間に、粘接着性層4を介在させている。粘接着性層4は、樹脂フォーム材2を被防食体1の表面に取り付ける際、必要な微調整を行うための潤滑材としても機能する。
【0023】
粘接着性層4には、この種の被覆防食において従来から採用されている粘着性又は接着性のプライマーを特に制限なく用いることができる。該プライマーとしてはウレタン系、アクリル系、ブチルゴム系、シリコーン系、プロピレン系樹脂等が挙げられる。
【0024】
樹脂フォーム材2は、独立又は連続気泡を含み、ポリウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂から選択される一種以上の樹脂で成形されたものが好ましい。
【0025】
樹脂フォーム材2は、被防食体1の表面に存在する水分の吸収によって当該被防食体1と樹脂フォーム材2との密着性を向上させるとともに、樹脂フォーム材2の吸水膨潤によって環境を遮断し水や酸素の拡散を低減させる観点から、吸水性ポリマーを配合させるか又は吸水性ポリマーでコーティングすることが好ましい。
【0026】
前記吸水性ポリマーは、ポリアクリル酸塩系樹脂、ポリアリキレンオキシド系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリビニルアルコール(PVOH)系樹脂、ポリN−ビニルアセトアミド(PNVA)系樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体ケン化物、ポリ酢酸ビニル・無水マレイン酸反応物、イソブチレン・マレイン酸架橋物、及びデンプン・アクリル酸グラフト重合体から選択される一種以上の樹脂が好ましい。水分が多量の電解質を含む場合には、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリN−ビニルアセトアミド等のノニオン系の吸水性ポリマーが好ましい。
【0027】
前記吸水性ポリマーは、被防食体1の表面に存在する水分の吸収性、被防食体1と樹脂フォーム材2との密着性を考慮すると、前記樹脂フォーム材100重量部に対し1〜100重量部、特に5〜50重量部で添加することが好ましい。また、樹脂フォーム材2が吸水膨潤した際に樹脂フォーム材2の気泡部が消滅して安定した遮蔽層として機能させるためには、前記吸水性ポリマーが粒状で且つ均一に分散していることが好ましい。
【0028】
樹脂フォーム材2の吸水性ポリマーによるコーティングは、樹脂フォーム材2の原料に直接吸水性ポリマーを混合して発泡・成形する方法、又は溶剤に溶解させた吸水性ポリマーを樹脂フォーム材に含浸させる方法により行う。
【0029】
樹脂フォーム材2は、被防食体1の表面への密着性、施工のし易さ、加工性を考慮すると、発泡倍率が5〜50倍、特に10〜40倍であることが好ましい。
【0030】
本実施形態では、被防食体1と樹脂フォーム材2との間に遮水性シート5を介在させており、これにより、水分の侵入による腐食をより一層抑制することができる。粘接着性層4を介在させる場合には、樹脂フォーム材2の表面に遮水性シート5を貼り付け、遮水性シート5の表面に粘接着性層4としてプライマーを塗布することもできるし、被防食体1の表面に予めプライマーを塗布して粘接着性層4を形成し、樹脂フォーム材2との密着性をより安定させることもできる。
【0031】
前記遮水性シート5としては、ブチル系、シリコーン系のゴム等からなるシートが挙げられる。遮水性シート5は、外部からの水分や酸素の侵入を遮断する観点からシート自身が外部から侵入した水を捕獲して膨潤し、その膨潤により樹脂フォーム材2を圧縮して水が通過しにくくする観点から膨潤性を有するものが好ましく、斯かる観点からは、水膨潤性を有するシートが好ましい。また、遮水性シート5は、本発明を凹凸のある被防食体に適用した場合に、被防食体1の表面との間に隙間が生じないように、柔軟性、伸長性に富んだものが好ましい。
【0032】
保護材3としては、従来からこの種の被覆防食の保護材に用いられているものを用いることができる。好ましい保護材としては、繊維強化プラスチックス、又はチタン、ステンレス等の耐食性金属からなるものが挙げられる。
【0033】
本実施形態では、樹脂フォーム材2と保護材3との間に、それらの密着一体化を図る観点から接着性又は粘着性を有する樹脂層6を介在させている。樹脂層6は、ブチル系樹脂及びアクリル系樹脂から選択される一種以上の樹脂が好ましい。
【0034】
樹脂フォーム材2、粘接着性層4又は樹脂層6には、被防食体1の防食効果をより一層高める観点から防錆剤を添加することが好ましい。前記防錆剤は、タンニン酸塩系、リン酸塩系、亜硝酸塩系、亜硫酸塩系及び金属亜鉛抹から選択される一種以上の防錆剤が好ましい。
【0035】
本実施形態の被覆防食方法は、施工のし易さや施工時間の短縮を図る観点から、樹脂フォーム材2及び保護材3、好ましくは樹脂層6及び/又は遮水性シート5を予め一体的に積層化した複合体を設けておき、この複合体を、素地調整を行った被防食体1の表面に直接、好ましくは粘接着性層4としてプライマーを施した後に、貼り合わせることが好ましい。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の被覆防食方法は、被防食体1の表面を前述のような樹脂フォーム材2で被覆し、さらに樹脂フォーム材2の外側を保護材3で保護するので、被防食体1の表面に不規則な凹凸部を有するような場合であっても、樹脂フォーム材2がその凹凸部に追従するように変形して表面に密着した被覆を行える。よって、長期間に亘って良好かつ安定な防食状態を維持することができる。また、樹脂フォーム材2に吸水性ポリマーを配合させたり、吸水性ポリマーでコーティングすることによって、被防食体1の表面の水分の吸収を促し、当該被防食体1の表面への樹脂フォーム材2の密着性を向上させることができる。また、樹脂フォーム材2を密着させてその外側を保護材3でカバーすればよいため、現場での施工作業も行いやすく、効率よく作業を進めることができる。
【0037】
本発明は、前記実施形態に制限されない。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
下記実施例1〜6のように試験体を作製し、それぞれの試験体について、JIS K5600 7−1に準拠して500時間及び1000時間又は2000時間の塩水噴霧試験を行い、被防食体の防食率を算出して防食性能を評価した。
【0039】
〔実施例1〕(被防食体+樹脂フォーム材+保護材)
厚さ1.2mm、幅70mm、長さ150mmの磨き鋼板(SS400)のエッジ部を#400のエメリー紙を用いて研磨し、アセトンで表面を脱脂したものを被防食体の試験片10とし、0.1mgの単位まで質量を秤量した。次に、図2に示すように、断面が5×5mmの正方形、高さ3mm、底辺5mmの二等辺三角形の断面を有する長さ160mmのPVC製の線状体11、12を試験片10の片面にそれぞれ接着剤で貼り付けた後、その外側にウレタン系フォーム材20(日東紡エコロジー製、発泡倍率40倍)を重ね合わせて密着させた。そしてフォーム材20の外側にポリ塩化ビニル(PVC)製のプレート30(日東紡績製)を保護材として重ね合わせ、フォーム材20及びPVC製のプレート30で試験片10を挟み込むようにして当該PVC製のプレート30同士をボルト(図示せず)で締め付けて固定し、試験体とした。
【0040】
〔実施例2〕(被防食体+樹脂フォーム材+保護材)
実施例1のウレタン系フォーム材に代えて、ゴム系フォーム材(日東紡エコロジー製、発泡倍率13倍)を用いた以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
【0041】
〔実施例3〕(被防食体+粘接着性層+樹脂フォーム材+保護材)
被防食体の表面に粘着性のプライマー(ブチルゴム系)を塗工し、被防食体と樹脂フォーム材との間に粘接着性層を介在させた以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
【0042】
〔実施例4〕(被防食体+粘接着性層+吸水性ポリマー添加樹脂フォーム材+保護材)
実施例1の樹脂フォーム材に、ポリアクリル酸塩系の吸水性ポリマーを40重量%添加した以外は、実施例3と同様にして試験体を作製した。
【0043】
〔実施例5〕(被防食体+粘接着性層+遮水性シート+樹脂フォーム材+保護材)
樹脂フォーム材と粘接着性層との間にブチルゴム系の遮水性シート(厚さ0.1mm)を介在させた以外は、実施例3と同様にして試験体を作製した。
【0044】
〔実施例6〕(被防食体+防錆剤添加粘接着性層+樹脂フォーム材+保護材)
プライマーにタンニン酸塩系防食剤を5wt%添加した以外は、実施例3と同様にして試験体を作製した。
【0045】
〔比較例1〕
無防食の試験体として、被防食体の表面に樹脂フォーム材及びPVC製のプレートを重ね合わせない以外は、実施例1と同様にして試験体を作製した。
【0046】
〔防食率の算出方法〕
防食率(%)=
((比較例1の被防食体の減量)−(各実施例の被防食体の減量))×100/(比較例1の 被防食体の減量)
【0047】
【表1】

【0048】
表1に示したように、実施例1〜6の何れの防食方法においても高い防食性が得られたることがわかった。また、これらの実施例どうしの考察から、以下のことが確認できた。1)実施例1と実施例3との比較から、ウレタン系のフォーム材がゴム系のフォーム材よりも防食性に優れる。2)実施例1と実施例3との比較から、被防食体とフォーム材との間にプライマーを介在させると防食性が向上する。3)実施例1と実施例4との比較から、フォーム材に吸水性ポリマーを添加すると防食性が向上する。4)実施例3と実施例5との比較から、被防食体とフォーム材との間に遮水性シートを介在させると防食性が向上する。実施例3と実施例6との比較から、プライマーに防錆剤を添加すると防食性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の被覆防食方法による防食構造を模式的に示す断面図である。
【図2】実施例において防食試験に供する試験体の構成を示す図であり、(a)は縦断面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 被防食体
2 樹脂フォーム材
3 保護材
4 粘接着性層
5 遮水性シート
6 樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被防食体の表面を被覆して防食する被覆防食方法において、
前記被防食体の表面を樹脂フォーム材で被覆し、該樹脂フォーム材の外側を保護材で保護することを特徴とする被覆防食方法。
【請求項2】
前記樹脂フォーム材に吸水性ポリマーを配合させるか又は前記樹脂フォーム材を吸水性ポリマーでコーティングする請求項1に記載の被覆防食方法。
【請求項3】
前記樹脂フォーム材と前記保護材との間に接着性又は粘着性を有する樹脂層を介在させる請求項1又は2に記載の被覆防食方法。
【請求項4】
前記被防食体と前記樹脂フォーム材との間に粘接着性層を介在させる請求項1〜3の何れかに記載の被覆防食方法。
【請求項5】
前記被防食体と前記樹脂フォーム材との間に遮水性シートを介在させる請求項1〜4の何れかに記載の被覆防食方法。
【請求項6】
前記樹脂フォーム材、前記樹脂層、前記粘接着性層に防錆剤を添加する請求項1〜6の何れかに記載の被覆防食方法。
【請求項7】
前記樹脂フォーム材が、ポリウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂から選択される一種以上の樹脂からなる請求項1記載の被覆防食方法。
【請求項8】
前記吸水性ポリマーが、ポリアクリル酸塩系樹脂、ポリアルキレンオキサイド系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリN−ビニルアセトアミド系樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体ケン化物、ポリ酢酸ビニル・無水マレイン酸反応物、イソブチレン・マレイン酸反応物、及びデンプン・アクリル酸グラフト重合体から選択される一種以上の樹脂からなり、前記樹脂フォーム材100重量部に対し1〜100重量部である請求項2記載の被覆防食方法。
【請求項9】
前記樹脂層が、ブチル系樹脂及びアクリル系樹脂から選択される一種以上の樹脂からなる請求項3記載の被覆防食方法。
【請求項10】
前記防錆剤が、タンニン酸塩系、リン酸塩系、亜硝酸塩系、亜硫酸塩系及び金属亜鉛抹から選択される一種以上の防錆剤である請求項6記載の被覆防食方法。
【請求項11】
前記保護材が、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、エポキシ系若しくはウレタン系の樹脂又はその繊維強化樹脂、チタン若しくはその合金又は耐海水ステンレス鋼からなる金属から選択される材料で構成されている請求項1〜10の何れかに記載の被覆防食方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−113035(P2007−113035A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303506(P2005−303506)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000211891)株式会社ナカボーテック (42)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【Fターム(参考)】