説明

被貼着体、縁材の被覆方法及び縁材の被覆装置

【課題】
本発明は、、見栄えの良好な被貼着体を得ることができる被貼着体を提供することを目的としている。
【解決手段】
被貼着体2は、被貼着体2の端部に貼着した縁材3を転写フィルム4の転写層41で被覆した被貼着体2であって、転写層41により縁材3及び縁材3と被貼着体2との境界を超えて覆うと共に被貼着体2に貼着されているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被貼着体、縁材の被覆方法及び縁材の被覆装置に係り、特に、見栄えの良好な被貼着体を得ることができる被貼着体、縁材の被覆方法及び縁材の被覆装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーティクルボード、ハードボード等の木口に接着剤を介して化粧縁材を貼着している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平8−15727号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のものにあっては、木口に接着剤を介して化粧縁材を貼着している
ため、木口と化粧縁材との間に接着剤の層が見えるため、見栄えが良好でないという問題点が生じた。
本発明は、上述した問題点を除去するようにした被貼着体、縁材の被覆方法及び縁材の被覆装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記した目的を達成するための本発明の被貼着体は、被貼着体の端部に貼着した縁材を転写フィルムの転写層で被覆した被貼着体であって、前記転写層により前記縁材及び前記縁材と前記被貼着体との境界を超えて覆うと共に前記被貼着体に貼着されているものである。
【0005】
また、請求項2記載の縁材の被覆方法は、被貼着体の端部に貼着した縁材を覆う縁材の被覆方法であって、転写フィルムの転写層で前記縁材及び前記縁材と前記被貼着体との境界を超えて覆うと共に、前記転写フィルムの転写層を前記被貼着体に貼着するものである。
【0006】
また、請求項3記載の縁材の被覆方法は、被貼着体の端部に貼着した縁材を覆う縁材の被覆方法であって、被貼着体の端部に縁材を貼着し、貼着後、前記縁材及び前記被貼着体の角部の上端部と下端部を斜めにカットして、上端部角部と下端部角部とを形成し、その後、転写フィルムの転写層で前記縁材、前記上端部角部及び前記下端部角部を覆うと共に、前記転写フィルムの転写層を前記被貼着体に貼着するものである。
【0007】
また、請求項4記載の縁材の被覆装置は、被貼着体の端部に貼着した縁材を転写フィルムの転写層で被覆する被覆装置であって、被貼着体の端部に縁材を貼着すると共に、該縁材の角部の上端部と下端部は斜めにカットされた上端部角部と下端部角部とを有した被貼着体を搬送する搬送手段と、転写層を有する転写フィルムと、前記搬送手段により搬送される前記被貼着体の前記端部に対向するように、前記転写フィルムを供給する転写フィルム供給手段と、前記上端部角部に沿う傾斜部と平坦部とを備えて、前記転写フィルムを前記転写フィルム供給手段により供給される前記被貼着体の前記縁材に押し付ける第1のヒートローラと、この第1のヒートローラの前記被貼着体の搬送流れの前又は後に位置し、前記下端部角部に沿う傾斜部と平坦部とを備えて、前記転写フィルムを前記転写フィルム供給手段により供給される前記被貼着体の前記縁材に押し付ける第2のヒートローラとを備えているものである。
【0008】
また、請求項5記載の縁材の被覆装置は、被貼着体の端部に貼着した縁材を転写フィルムの転写層で被覆する被覆装置であって、端部に縁材を貼着すると共に、前記縁材及び前記被貼着体の角部の上端部と下端部を斜めにカットされた上端部角部と下端部角部とを有した被貼着体を搬送する搬送手段と、転写層を有する転写フィルムと、前記搬送手段により搬送される前記被貼着体の前記端部に対向するように、前記転写フィルムを供給する転写フィルム供給手段と、前記上端部角部に沿う傾斜部と平坦部とを備えて、前記転写フィルムを前記転写フィルム供給手段により供給される前記被貼着体の前記縁材に押し付ける第1のヒートローラと、この第1のヒートローラの前記被貼着体の搬送流れの前又は後に位置し、前記下端部角部に沿う傾斜部と平坦部とを備えて、前記転写フィルムを前記転写フィルム供給手段により供給される前記被貼着体の前記縁材に押し付ける第2のヒートローラとを備えているものである。
【0009】
また、請求項6記載の縁材の被覆方法は、請求項3記載の縁材の被覆方法において、傾斜部と平坦部とを備えて、転写フィルムを縁材に押し付ける第1のヒートローラと、傾斜部と平坦部とを備えて、転写フィルムを縁材に押し付ける第2のヒートローラとを備え、前記転写フィルムを前記縁材に対応させると共に、前記転写フィルムを第1のヒートローラ及び第2のヒートローラにより前記縁材に押し付け、転写フィルムの転写層で前記縁材及び前記縁材と前記被貼着体との境界を超えて覆うと共に前記被貼着体に貼着されているものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の被貼着体によれば、転写フィルムの転写層で縁材及び縁材と被貼着体との境界を超えて覆うと共に被貼着体に貼着されているため、縁材と被貼着体との境界をも被覆でき、見栄えの良好な被貼着体を得ることができる。
【0011】
また、請求項4記載の縁材の被覆装置によれば、第1のヒートローラの傾斜部と平坦部及び第2のヒートローラの傾斜部と平坦部により、転写フィルムを縁材に押し付け、転写フィルムの転写層で縁材及び縁材と被貼着体との境界を超えて覆うと共に転写フィルムの転写層を被貼着体に貼着することができ、見栄えの良好な被貼着体を得ることができる。
【0012】
また、請求項5記載の縁材の被覆装置によれば、第1のヒートローラの傾斜部と平坦部及び第2のヒートローラの傾斜部と平坦部により、転写フィルムを縁材に押し付け、転写フィルムの転写層で縁材及び縁材と被貼着体との境界を超えて覆うと共に転写フィルムの転写層を被貼着体に貼着することができ、見栄えの良好な被貼着体を得ることができる。
【実施例】
【0013】
本発明の一実施例の被貼着体、縁材の被覆方法及び縁材の被覆装置を図面を参照して説明する。
図1乃至図9において、1は、被貼着体2の端部に貼着した縁材3を転写フィルム4の転写層41で被覆する被覆装置である。
この被覆装置1の前の工程において、図示しない縁貼機により被貼着体2の端部に縁材3を貼着する[図9(a)]と共に、被貼着体2及び縁材3の角部2a、2b、3a、3bがカット(トリミング)[図9(b)]されている。
そして、被覆装置1において、被貼着体2は、図9(c)に示すように、転写層41により縁材3及び縁材3と被貼着体2との境界(縁材3と被貼着体2との接着剤5)を超えて覆うと共に、転写層41は接着剤42により被貼着体2に貼着されるものである。
【0014】
被貼着体2は、例えば、パーティクルボード、ハードボード等であり、縁材3は、例えば、塩化ビニル樹脂製、ABS樹脂製、ポリウレタン樹脂製等で、上面が滑らかな平坦面を有するものであり、転写フィルム4は、例えば、図7に示すように、ベースフィルム40の上に模様、単一色等の転写層41、転写層41の上に接着剤(例えば、ホットメルト)42の構成となっている。
【0015】
6は被貼着体2を搬送する搬送手段で、搬送手段6は、例えば、キャタピラコンベア61、このキャタピラコンベア61の上に被貼着体2に当接するローラ62が位置して構成される(図3参照)。搬送手段6で搬送される被貼着体2は、上述したように、被貼着体2の端部に縁材3を貼着すると共に、縁材3及び被貼着体2の角部の上端部と下端部を斜めにカット(トリミング)された上端部角部2a、3aと下端部角部2b、3bとを有している。
なお、図9(b)に示す上端部角部2a、3a、下端部角部2b、3bは、直線状にカットされているが、場合により丸味を帯びてカットするようにしても良い。
【0016】
7は、搬送手段6により搬送される被貼着体2の端部に対向するように、転写フィルム4を供給する転写フィルム供給手段である(図2参照)。転写フィルム供給手段7は、例えば、送り側従動部71と、送り側従動部71から送られてくる転写層41、接着剤42が離脱したベースフィルム40を巻き取る巻き取り駆動部72と、中途にガイドローラ73とを有している。
【0017】
8は、上端部角部に沿う傾斜部81と平坦部82とを備えて、転写フィルム4を転写フィルム供給手段7により供給される被貼着体2の縁材3に押し付ける第1のヒートローラで、第1のヒートローラ8は、例えば、ヒータを内蔵し、加熱(例えば、約180℃)されている(図4及び図5参照)。
9は、第1のヒートローラ8の被貼着体2の搬送流れの後(又は前)に位置し、下端部角部に沿う傾斜部91と平坦部92とを備えて、転写フィルム4を転写フィルム供給手段7により供給される被貼着体2の縁材3に押し付ける第2のヒートローラで、第2のヒートローラ9は、例えば、ヒータを内蔵し、加熱(例えば、約180℃)されている(図4及び図6参照)。
【0018】
従って、この被覆装置1によれば、第1のヒートローラ8の傾斜部81と平坦部82(図5参照)及び第2のヒートローラ9の傾斜部91と平坦部92(図6参照)により、転写フィルム4を縁材3に押し付け、第1のヒートローラ8及び第2のヒートローラ9の熱により、転写フィルム4の転写層41で縁材3及び縁材3と被貼着体2との境界(縁材3と被貼着体2との接着剤5)を超えて覆うと共に転写フィルム4の転写層41を被貼着体2に貼着することができ、見栄えの良好な被貼着体2を得ることができる。
【0019】
なお、上述の実施例においては、被覆装置1の前の工程において、図示しない縁貼機により被貼着体2の端部に縁材3を貼着する[図9(a)]と共に、被貼着体2及び縁材3の角部2a、2b、3a、3bがカット(トリミング)[図9(b)]されているが、本発明はこれに限らず、例えば、図10(b)に示すように、被貼着体2の端部の角部はカットせず、縁材3の角部の上端部と下端部は斜めにカット(トリミング)された上端部角部3a’と下端部角部3b’とを形成し、上述と同様に、第1のヒートローラ8の傾斜部81と平坦部82及び第2のヒートローラ9の傾斜部91と平坦部92により、転写フィルム4を縁材3に押し付け、第1のヒートローラ8及び第2のヒートローラ9の熱により、転写フィルム4の転写層41で縁材3及び縁材3と被貼着体2との境界(縁材3と被貼着体2との接着剤5)を超えて覆うと共に転写フィルム4の転写層41を被貼着体2に貼着することができ、見栄えの良好な被貼着体2を得ることができる[図10(c)]。 なお、図10(b)に示す上端部角部3a’下端部角部3b’は、直線状にカットされているが、場合により丸味を帯びてカットするようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施例の縁材の被覆装置の概略的正面図である。
【図2】図2は、図1の2−2線による概略的断面図である。
【図3】図3は、図3の3−3線による概略的断面図である。
【図4】図4は、図2の一部を拡大して示す概略的拡大断面図である。
【図5】図5は、図4の5−5線による概略的断面図である。
【図6】図6は、図4の6−6線による概略的断面図である。
【図7】図7は、図1の転写フィルムの概略的断面図である。
【図8】図8は、図1の被貼着体の概略的斜視図である。
【図9】図9は、被貼着体の縁材が被覆される状態の概略的断面図で、(a)は被貼着体及び縁材の角部がカットされる前の状態を、(b)は被貼着体及び縁材の角部がカットされた状態を、(c)はカットされた被貼着体及び縁材の角部を転写フィルムの転写層で覆った状態をそれぞれ示している。
【図10】図10は、図9の他の実施例の被貼着体の縁材が被覆される状態の概略的断面図で、(a)は被貼着体の角部がカットされる前の状態を、(b)は被貼着体の角部がカットされた状態を、(c)はカットされた被貼着体の角部を転写フィルムの転写層で覆った状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
【0021】
2 ・・・・・被貼着体
3 ・・・・・縁材
4 ・・・・・転写フィルム
41・・・・・転写層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被貼着体の端部に貼着した縁材を転写フィルムの転写層で被覆した被貼着体であって、
前記転写層により前記縁材及び前記縁材と前記被貼着体との境界を超えて覆うと共に前記被貼着体に貼着されていることを特徴とする被貼着体。
【請求項2】
被貼着体の端部に貼着した縁材を覆う縁材の被覆方法であって、
転写フィルムの転写層で前記縁材及び前記縁材と前記被貼着体との境界を超えて覆うと共に、前記転写フィルムの転写層を前記被貼着体に貼着することを特徴とする縁材の被覆方法。
【請求項3】
被貼着体の端部に貼着した縁材を覆う縁材の被覆方法であって、
被貼着体の端部に縁材を貼着し、貼着後、前記縁材及び前記被貼着体の角部の上端部と下端部を斜めにカットして、上端部角部と下端部角部とを形成し、
その後、転写フィルムの転写層で前記縁材、前記上端部角部及び前記下端部角部を覆うと共に、前記転写フィルムの転写層を前記被貼着体に貼着することを特徴とする縁材の被覆方法。
【請求項4】
被貼着体の端部に貼着した縁材を転写フィルムの転写層で被覆する被覆装置であって、
被貼着体の端部に縁材を貼着すると共に、該縁材の角部の上端部と下端部は斜めにカットされた上端部角部と下端部角部とを有した被貼着体を搬送する搬送手段と、
転写層を有する転写フィルムと、
前記搬送手段により搬送される前記被貼着体の前記端部に対向するように、前記転写フィルムを供給する転写フィルム供給手段と、
前記上端部角部に沿う傾斜部と平坦部とを備えて、前記転写フィルムを前記転写フィルム供給手段により供給される前記被貼着体の前記縁材に押し付ける第1のヒートローラと、
この第1のヒートローラの前記被貼着体の搬送流れの前又は後に位置し、前記下端部角部に沿う傾斜部と平坦部とを備えて、前記転写フィルムを前記転写フィルム供給手段により供給される前記被貼着体の前記縁材に押し付ける第2のヒートローラとを備えている
ことを特徴とする縁材の被覆装置。
【請求項5】
被貼着体の端部に貼着した縁材を転写フィルムの転写層で被覆する被覆装置であって、
端部に縁材を貼着すると共に、前記縁材及び前記被貼着体の角部の上端部と下端部を斜めにカットされた上端部角部と下端部角部とを有した被貼着体を搬送する搬送手段と、
転写層を有する転写フィルムと、
前記搬送手段により搬送される前記被貼着体の前記端部に対向するように、前記転写フィルムを供給する転写フィルム供給手段と、
前記上端部角部に沿う傾斜部と平坦部とを備えて、前記転写フィルムを前記転写フィルム供給手段により供給される前記被貼着体の前記縁材に押し付ける第1のヒートローラと、
この第1のヒートローラの前記被貼着体の搬送流れの前又は後に位置し、前記下端部角部に沿う傾斜部と平坦部とを備えて、前記転写フィルムを前記転写フィルム供給手段により供給される前記被貼着体の前記縁材に押し付ける第2のヒートローラとを備えている
ことを特徴とする縁材の被覆装置。
【請求項6】
傾斜部と平坦部とを備えて、転写フィルムを縁材に押し付ける第1のヒートローラと、
傾斜部と平坦部とを備えて、転写フィルムを縁材に押し付ける第2のヒートローラとを備え、
前記転写フィルムを前記縁材に対応させると共に、前記転写フィルムを第1のヒートローラ及び第2のヒートローラにより前記縁材に押し付け、転写フィルムの転写層で前記縁材及び前記縁材と前記被貼着体との境界を超えて覆うと共に前記被貼着体に貼着されていることを特徴とする請求項3記載の縁材の被覆方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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