説明

装甲車

【課題】車内スペースの狭小化及び最低地上高の低下を抑えると共に、車両下方からの爆風によるダメージを軽減することができる装甲車を提供する。
【解決手段】装甲車は、車両本体と、車輪と、インホイールモータとを備える。車両本体は、底面を含む。底面は、車両前後方向に垂直な断面視において、V字形の形状を有する。車輪は、車両本体に対して回転可能に設けられる。インホイールモータは、車輪内に配置され、車輪を駆動する。車両本体の底面は、第1底面部と第2底面部とを有する。第1底面部は、装甲車の重心位置と上下方向に並んで配置される。第2底面部は、車両前後方向において第1底面部から離れている。第2底面部のV字形の角度θ2fは、第1底面部のV字形の角度θ1よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装甲車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装甲車には、V字形の形状の底面を有するものがある(特許文献1参照)。この種の装甲車では、車両の下方で地雷が爆発したときに、V字形を構成する底面の傾斜面によって、爆風を左右に逃がすことができる。これにより、車両へのダメージを軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2009−536309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような装甲車では、底面のV字形の谷の角度を小さくすることによって、爆風を左右に逃がす効果を高めることができる。しかし、底面のV字形の谷の角度が小さくなるほど、車内スペースが狭くなってしまう。或いは、底面のV字形の谷の角度が小さくなるほど、装甲車の最低地上高が低くなってしまう。一方、車内スペースの狭小化、及び、最低地上高の低下を抑えるために、底面のV字形の谷の角度を大きくすると、爆風を左右に逃がす効果が低下してしまい、車両下方からの爆風によるダメージが増大する。
【0005】
本発明の課題は、車内スペースの狭小化及び最低地上高の低下を抑えると共に、車両下方からの爆風によるダメージを軽減することができる装甲車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る装甲車は、車両本体と、車輪と、インホイールモータとを備える。車両本体は、底面を含む。底面は、車両前後方向に垂直な断面視において、V字形の形状を有する。車輪は、車両本体に対して回転可能に設けられる。インホイールモータは、車輪内に配置され、車輪を駆動する。車両本体の底面は、第1底面部と第2底面部とを有する。第1底面部は、装甲車の重心位置と上下方向に並んで配置される。第2底面部は、車両前後方向において第1底面部から離れている。第2底面部のV字形の谷の角度は、第1底面部のV字形の谷の角度よりも小さい。
【0007】
本発明の第2の態様に係る装甲車は、第1の態様の装甲車であって、第1底面部の最低地上高と、第2底面部の最低地上高とは同じである。
【0008】
本発明の第3の態様に係る装甲車は、第1又は第2の態様の装甲車であって、車両本体の底面のV字形の谷の角度は、車両前後方向において段階的に変化する。
【0009】
本発明の第4の態様に係る装甲車は、第1又は第2の態様の装甲車であって、車両本体の底面のV字形の谷の角度は、車両前後方向において連続的に変化する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の態様に係る装甲車では、車両の重心位置に遠い第2底面部のV字形の角度が、車両の重心位置に近い第1底面部のV字形の角度よりも小さい。ここで、車両の下方で地雷が爆発した場合、車両の重心から遠い部分ほど爆風によるモーメントが大きい。従って、車両の重心から遠い部分ほど爆風によるダメージが大きい。そこで、本発明の第1の態様に係る装甲車では、車両の重心位置に遠い第2底面部のV字形の角度が小さい。このため、爆風によって大きなダメージが発生し易い部分において、爆風を左右に逃がす効果を向上させることができる。これにより、爆風によるダメージを軽減することができる。また、車両の重心位置に近い第1底面部のV字形の角度が大きい。このため、車内スペースの狭小化及び最低地上高の低下を抑えることができる。また、第1底面部は車両の重心位置に近いため、V字形の角度が大きくても、爆風によって発生するダメージは小さい。以上のように、本態様に係る装甲車では、車内スペースの狭小化及び最低地上高の低下を抑えると共に、車両下方からの爆風による車両へのダメージを軽減することができる。
【0011】
本発明の第2の態様に係る装甲車では、第1底面部の最低地上高と第2底面部の最低地上高とは同じである。このため、V字形の角度が大きい第1底面部の上方に位置する車内スペースを拡大することができる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る装甲車では、車両本体の底面のV字形の谷の角度は、車両前後方向において段階的に変化する。従って、車両本体の底面の形状が段階的に変化する。このため、車両本体の製造が容易である。
【0013】
本発明の第4の態様に係る装甲車では、車両本体の底面のV字形の谷の角度は、車両前後方向において連続的に変化する。このため、爆風によって発生するモーメントの大きさに応じて、繊細に車両本体の底面の形状を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】装甲車の側面図。
【図2】図1における装甲車のA−A断面図。
【図3】図1における装甲車のA−A断面、B−B断面、C−C断面を示す図。
【図4】重心から爆発位置までの距離と車体最大速度との関係を示すグラフ。
【図5】図4のグラフにおけるパラメータを説明するための図。
【図6】従来の装甲車と本実施形態に係る装甲車との比較を示す図。
【図7】従来の装甲車と本実施形態に係る装甲車との比較を示す図。
【図8】従来の装甲車と本実施形態に係る装甲車との比較を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る装甲車を図1及び図2に示す。図1は装甲車1の側面図である。図2は、図1における装甲車1のA−A断面図である。この装甲車1は、車両本体2と、複数の車輪組立体3とを備える。車両本体2は、鋼板の曲げ及び溶接によって構成されている。車両本体2は、乗員スペースや機器の収納スペースなどの車内スペースS1を内部に有する(図2参照)。機器の収納スペースには、後述するインホイールモータ13を駆動するためのバッテリや、インホイールモータを制御するための制御装置などが配置される(図示せず)。
【0016】
なお、本実施形態において左右とは、装甲車1内に着座する運転者から見た左右を意味するものとする。また、車幅方向における内方とは、車幅方向において車体中心へ向かう方向を意味する。車幅方向における外方とは、車幅方向において車体中心から離れる方向を意味する。
【0017】
図2に示すように、車輪組立体3は、車輪11とタイヤ12とインホイールモータ13とを備える。車輪11は、おおむね円筒状の形状を有している。タイヤ12は例えばゴム製であり、車輪11の外周部に取り付けられている。インホイールモータ13の一部は、車輪11の内部に配置されており、車輪11を駆動する。従って、装甲車1は、車両本体2内にドライブシャフトなどの動力伝達機構を有しておらず、インホイールモータ13によって直接的に車輪11を回転駆動する。他の車輪組立体3も同様の構造である。なお、インホイールモータ13と車輪11との間に減速機が設けられてもよい。
【0018】
また、装甲車1は、サスペンション装置4を備えている。サスペンション装置4は、車輪組立体3を支持している。具体的には、サスペンション装置4は、車両本体2に対して、車輪11を車輪11の中心軸線周りに回転可能に支持する。また、サスペンション装置4は、車輪11を操舵可能に支持する。サスペンション装置4は、支持部21とアッパアーム22とロアアーム23とを有している。サスペンション装置4は、支持部21においてインホイールモータ13を支持する。支持部21は、上連結部24と下連結部25とを有する。上連結部24と下連結部25とは、ボールジョイント式の連結部である。上連結部24は、アッパアーム22の先端部とインホイールモータ13とを連結している。アッパアーム22の基端部は、車両本体2に揺動可能に取り付けられている。下連結部25は、ロアアーム23の先端部とインホイールモータ13とを連結している。ロアアーム23の基端部は、車両本体2に揺動可能に取り付けられている。
【0019】
図2に示すように、車両本体2の底面5は、車両前後方向に垂直な断面視においてV字形の形状を有する。底面5のV字形の谷の角度(以下、「V字形の角度」と呼ぶ)は、車両本体2の前後方向における位置に応じて異なる。具体的には、図1に示す装甲車1の重心位置Gからの前後方向における距離に応じて、底面5の角度が異なっている。図1に示すように、車両本体2の底面5は、第1底面部R1と、第2前底面部R2fと、第2後底面部R2rと、第3前底面部R3fと、第3後底面部R3rとを有する。各底面部R1,R2f,R2r,R3f,R3rは、各車輪組立体3の位置に対応している。従って、隣接する2つの底面部の境界は、隣接する2つの車輪組立体3の間に位置している。第1底面部R1は、重心位置Gの下方に位置している。第2前底面部R2fは、第1底面部R1の前方に位置している。従って、第2前底面部R2fの重心位置Gからの前後方向における距離は、第1底面部R1の重心位置Gからの前後方向における距離よりも大きい。第3前底面部R3fは、第2前底面部R2fの前方に位置している。従って、第3前底面部R3fの重心位置Gからの前後方向における距離は、第2前底面部R2fの重心位置Gからの前後方向における距離よりも大きい。第2後底面部R2rは、第1底面部R1の後方に位置している。従って、第2後底面部R2rの重心位置Gからの前後方向における距離は、第1底面部R1の重心位置Gからの前後方向における距離よりも大きい。第3後底面部R3rは、第2後底面部R2rの後方に位置している。従って、第3後底面部R3rの重心位置Gからの前後方向における距離は、第2後底面部R2rの重心位置Gからの前後方向における距離よりも大きい。
【0020】
図3は、図1における装甲車1のA−A断面と、B−B断面と、C−C断面とを示している。図3(b)に示す第2前底面部R2fのV字形の角度θ2fは、図3(a)に示す第1底面部R1のV字形の角度θ1よりも小さい。図3(c)に示す第3前底面部R3fのV字形の角度θ3fは、図3(b)に示す第2前底面部R2fのV字形の角度θ2fよりも小さい。すなわち、θ1>θ2f>θ3fである。また、第2前底面部R2fのV字形の角度θ2fは、第2後底面部R2rのV字形の角度θ2rと等しい。第3前底面部R3fのV字形の角度θ3fは、第3後底面部R3rのV字形の角度θ3rと等しい。すなわち、θ2f=θ2rであり、θ3f=θ3rである。従って、第2後底面部R2rのV字形の角度θ2rは、第1底面部R1のV字形の角度θ1よりも小さい。また、第3後底面部R3rのV字形の角度θ3rは、第2後底面部R2rのV字形の角度θ2rよりも小さい。すなわち、θ1>θ2r>θ3rである。このように、車両本体2の底面5のV字形の角度は、車両前後方向において段階的に変化している。
【0021】
図3に示すように、第1底面部R1と第2前底面部R2fと第2後底面部R2rと第3前底面部R3fと第3後底面部R3rとの各最低地上高H1,H2f,H2r,H3f,H3rは同じである。また、車両本体2内の床面FLの高さ位置は、底面5のV字形の形状を構成する左右の斜面部と車両本体2の側面との境界部の高さ位置と一致している。従って、各底面部R1,R2f,R2r,R3f,R3rのV字形の角度が大きいほど、各底面部R1,R2f,R2r,R3f,R3r上の床面FLの高さ位置が低い。言い換えれば、図3においてハッチングを付したように、各底面部R1,R2f,R2r,R3f,R3rのV字形の角度が大きいほど、各底面部R1,R2f,R2r,R3f,R3r上の車内スペースS1が大きい。
【0022】
本実施形態に係る装甲車1は、次の特徴を有する。
【0023】
車両本体2の底面5に含まれる複数の底面部R1,R2f,R2r,R3f,R3rのうち、車両の重心位置Gに遠い底面部ほどV字形の角度が小さい。ここで、車両の下方で地雷が爆発した場合、車両の重心から遠い部分ほど爆風による衝撃のモーメントが大きい。従って、地雷が爆発した位置が車両の重心から遠いほど爆風によって大きなダメージが発生する。このことを示すシミュレーション結果を図4に示す。図4のグラフにおいて横軸は、重心から爆発位置までの距離Dを示しており、図5における距離Dに相当する。また、図4のグラフにおいて縦軸は、車体最大速度Vmaxを示している。車体最大速度Vmaxは、図5に示すように、爆発によって車両本体2における乗員座席の取り付け位置が変位する速度の最大値である。なお、このシミュレーションでは、車両本体2は剛体である、すなわち、車両本体2は変形しないものとしている。また、車両本体2の底面5のV字形の角度は、車両前後方向において一定である。図4のグラフにおいて、ラインLaは、車両本体2の底面5のV字形の角度がθaである場合のシミュレーション結果を示している。ラインLbは、車両本体2の底面5のV字形の角度がθbである場合のシミュレーション結果を示している。ラインLcは、車両本体2の底面5のV字形の角度がθcである場合のシミュレーション結果を示している。θa>θb>θcである。
【0024】
図4から明らかなように、重心から爆発位置までの距離Dが大きいほど、車体最大速度Vmaxが大きく、重心から爆発位置までの距離Dが小さいほど、車体最大速度Vmaxが小さい。すなわち、重心から爆発位置までの距離Dが大きいほど、車両本体2の乗員部へのダメージが大きく、重心から爆発位置までの距離Dが小さいほど、車両本体2の乗員部へのダメージが小さい。また、底面5のV字形の角度が大きいほど、車体最大速度Vmaxが大きく、底面5のV字形の角度が小さいほど、車体最大速度Vmaxが小さい。すなわち、底面5のV字形の角度が大きいほど、車両本体2の乗員部へのダメージが大きく、底面5のV字形の角度が小さいほど、車両本体2の乗員部へのダメージが小さい。
【0025】
本実施形態に係る装甲車1では、車両の重心位置Gから遠い底面部ほど、V字形の角度が小さい。このため、爆風によって大きなダメージを発生させ易い底面部ほど、爆風を左右に逃がす効果が高くなっている。これにより、爆風によるダメージを軽減することができる。また、車両の重心位置Gに近い底面部のV字形の角度が大きい。このため、図3(a)に示すように、車内スペースS1を大きく確保することができる。さらに、重心位置Gに近い底面部ではV字形の角度が大きくても、爆風によって発生するダメージは小さい。以上のように、本実施形態に係る装甲車1では、大きな車内スペースS1を確保することができると共に、車両下方からの爆風による車両本体2へのダメージを軽減することができる。
【0026】
本実施形態に係る装甲車1では、各底面部R1、R2f,R2r,R3f,R3rの最低地上高が同じであるため、図3に示すように、V字形の角度が大きい底面部ほど、その底面部の上方に位置する車内スペースS1を拡大することができる。
【0027】
本実施形態に係る装甲車1では、車両本体2の底面5のV字形の角度は、車両前後方向において段階的に変化する。従って、車両本体2の底面5の形状が段階的に変化する。このため、車両本体2の製造が容易である。
【0028】
また、本実施形態に係る装甲車1では、車両本体2内に動力伝達機構を備える従来の装甲車と異なり、ドライブシャフトを車両本体2から車輪11側へ出す必要がない。このため、車両本体2に穴をあける必要がない。これにより、車両本体2内に石、土砂などの異物が浸入することが抑えられる。
【0029】
本実施形態に係る装甲車1では、インホイールモータ13によって車輪11が直接的に駆動される。このため、車両本体2内にドライブシャフトなどの動力伝達機構を有していない。図6(a)に、車両本体内に動力伝達機構200を備える従来の装甲車100を示す。また、図6(b)に、本実施形態に係る装甲車1を示す。図6に示すように、本実施形態に係る装甲車1では、車内スペースS1を従来の装甲車100の車内スペースS1’から狭めずに底面5のV字形の角度を小さくすることができる。
【0030】
また、図7(a)に、車両本体内に動力伝達機構200を備える従来の装甲車101を示す。また、図7(b)に、本実施形態に係る装甲車1を示す。図7(a)の従来の装甲車101の底面のV字形の角度は、図7(b)の本実施形態に係る装甲車1の底面のV字形の角度と同じである。また、図7(a)の従来の装甲車101の最低地上高H’は、図7(b)の本実施形態に係る装甲車1の最低地上高Hと同じである。図7に示すように、底面のV字形の角度及び最低地上高が同じであれば、本実施形態に係る装甲車1では、従来の装甲車101の車内スペースS1’よりも大きな車内スペースS1を確保することができる。
【0031】
また、図8(a)に、車両本体2内に動力伝達機構200を備える従来の装甲車102を示す。また、図8(b)に、本実施形態に係る装甲車1を示す。図8(a)の従来の装甲車102の底面のV字形の角度は、図8(b)の本実施形態に係る装甲車1の底面のV字形の角度と同じである。また、図8(a)の従来の装甲車102の車内スペースS1’は、図8(b)の本実施形態に係る装甲車1の車内スペースS1と同じ広さである。すなわち、図8(a)の従来の装甲車102の床面の高さ位置は、図8(b)の本実施形態に係る装甲車1の床面の高さ位置と同じである。図8に示すように、底面のV字形の角度及び車内スペースの広さが同じであれば、本実施形態に係る装甲車1では、従来の装甲車102の最低地上高H’よりも最低地上高Hを高くすることができる。
【0032】
さらに、本実施形態に係る装甲車1では、インホイールモータ13によって車輪11が駆動される。このため、インホイールモータ13の駆動源であるバッテリを複数に分割して配置することが可能であり、車内スペースにあまり影響を及ぼさない床面FLの下におくことも可能である。また、バッテリは重量物であるため、装甲車1の重心位置に影響を与えるが、バッテリを複数に分割することにより、装甲車1の重心位置を変化させることが可能である。例えば、上記のように重心位置が装甲車1の前後方向における概ね中央部に位置するように、バッテリが配置されてもよい。或いは、装甲車1の前後方向における中央部よりも後方、或いは、前方に重心位置が位置するようにバッテリを配置することもできる。
【0033】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0034】
装甲車1が備える車輪11の数は、上記の実施形態のように10輪に限らず、10より多い或いは10より少ない車輪11を備えてもよい。
【0035】
車両本体2の底面5のV字形の角度が連続的に変化してもよい。この場合、爆風によって発生するモーメントの大きさに応じて、繊細に車両本体2の底面5の形状を変化させることができる。これにより、爆風によるダメージの緩和と車内スペースS1の広さとをより細かく調整することができる。また、上記の実施形態では、各底面部R1,R2f,R2r,R3f,R3rの最低地上高が一定であるが、各底面部R1,R2f,R2r,R3f,R3rの最低地上高が異なっていてもよい。
【0036】
第2前底面部R2fのV字形の角度θ2fは、第2後底面部R2rのV字形の角度θ2rと異なってもよい。また、第3前底面部R3fのV字形の角度θ3fは、第3後底面部R3rのV字形の角度θ3rと異なってもよい。
【0037】
上記の実施形態では、第1底面部R1は、重心位置Gの下方に位置しているが、重心位置Gの上方に位置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、車内スペースの狭小化及び最低地上高の低下を抑えると共に、車両下方からの爆風による車両へのダメージを軽減することができる装甲車を提供することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 装甲車
2 車両本体
5 底面
11 車輪
13 インホイールモータ
R1 第1底面部
R2f 第2前底面部
R2r 第2後底面部
R3f 第3前底面部
R3r 第3後底面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に垂直な断面視においてV字形の形状を有する底面を含む車両本体と、
前記車両本体に対して回転可能に設けられる車輪と、
前記車輪内に配置され、前記車輪を駆動するインホイールモータと、
を備え、
前記車両本体の底面は、装甲車の重心位置と上下方向に並んで配置される第1底面部と、車両前後方向において前記第1底面部から離れた第2底面部とを有し、
前記第2底面部のV字形の谷の角度は、前記第1底面部のV字形の谷の角度よりも小さい、
装甲車。
【請求項2】
前記第1底面部の最低地上高と、前記第2底面部の最低地上高とは同じである、
請求項1に記載の装甲車。
【請求項3】
前記車両本体の底面のV字形の谷の角度は、車両前後方向において段階的に変化する、
請求項1又は2に記載の装甲車。
【請求項4】
前記車両本体の底面のV字形の谷の角度は、車両前後方向において連続的に変化する、
請求項1又は2に記載の装甲車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−145313(P2012−145313A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6277(P2011−6277)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】