説明

装置、方法及びプログラム

【課題】容易に文字の編集をすることができる装置、方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】タッチスクリーンディスプレイ2と、ドキュメントがタッチスクリーンディスプレイ2に表示されている状態において、一つの接触(例えば、シングルタッチ)を検出した場合に、当該一つの接触の移動を検出することなく、当該一つの接触を検出した位置に基づいて、選択の対象となる文字列(一文字又は複数文字)を決定するコントローラ10と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法及びプログラムに関する。特に、本発明は、タッチスクリーンディスプレイを有する装置、その装置を制御する方法及びその装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンディスプレイを備える装置が知られている。タッチスクリーンディスプレイを備える装置には、例えば、スマートフォン及びタブレットが含まれる。タッチスクリーンディスプレイを備える装置は、タッチスクリーンディスプレイを介して指又はスタイラスペンのジェスチャを検出する。そして、タッチスクリーンディスプレイを備える装置は、検出したジェスチャに従って動作する。検出したジェスチャに従った動作の例は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
タッチスクリーンディスプレイを備える装置の基本的な動作は、装置に搭載されるAndroid(登録商標)、BlackBerry(登録商標) OS、iOS、Symbian(登録商標) OS、Windows(登録商標) Phone等のOS(Operating System)によって実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/086302号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなタッチスクリーンディスプレイを有する装置では、容易に文字を編集する技術が求められている。
【0006】
本発明は、容易に文字の編集をすることができる装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る装置は、1つの態様において、タッチスクリーンディスプレイと、ドキュメントが前記タッチスクリーンディスプレイに表示されている状態において、一つの接触を検出した場合、当該一つの接触の移動を検出することなく、当該一つの接触を検出した位置に基づいて、選択の対象となる文字列を決定するコントローラと、を備える。
【0008】
また、本発明に係る装置では、前記コントローラは、前記接触を検出した位置に表示されている前記ドキュメント内の文字を含み、空白、改行又は句読点までの文字列を、前記選択の対象となる文字列として決定する構成でもよい。
【0009】
また、本発明に係る装置では、前記コントローラは、前記一つの接触の接触時間の長さに基づいて、前記選択の対象となる文字列の長さを変更する構成でもよい。
【0010】
また、本発明に係る装置では、前記コントローラは、前記選択の対象となる文字列を決定した後、接触の移動を検出した場合、前記ドキュメント内において、当該接触の移動する方向に当該文字列を移動する構成でもよい。
【0011】
本発明に係る方法は、1つの態様において、コントローラにより、ドキュメントがタッチスクリーンディスプレイに表示されている状態において、一つの接触を検出した場合に、当該一つの接触の移動を検出することなく、当該一つの接触を検出した位置に基づいて、選択の対象となる文字列を決定する文字列決定ステップを備える。
【0012】
本発明に係るプログラムは、1つの態様において、コントローラにより、ドキュメントがタッチスクリーンディスプレイに表示されている状態において、一つの接触を検出した場合に、当該一つの接触の移動を検出することなく、当該一つの接触を検出した位置に基づいて、選択の対象となる文字列を決定する文字列決定ステップをコンピュータによって実現する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、容易に文字の編集をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施形態に係るスマートフォンの外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、実施形態に係るスマートフォンの外観を示す正面図である。
【図3】図3は、実施形態に係るスマートフォンの外観を示す背面図である。
【図4】図4は、ホーム画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、実施形態に係るスマートフォンの機能を示すブロック図である。
【図6】図6は、ディスプレイに表示されるドキュメントデータの一覧についての一例を示す図である。
【図7】図7は、ディスプレイに表示されるドキュメントデータについての一例を示す図である。
【図8】図8は、文字列を決定する操作についての説明に供する図である。
【図9】図9は、決定した文字列を移動する操作についての説明に供する図である。
【図10】図10は、ジェスチャにより文字の編集をする流れについての説明に供するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、タッチスクリーンディスプレイを備える装置の一例として、スマートフォンについて説明する。
【0016】
(実施形態)
図1から図3を参照しながら、実施形態に係るスマートフォン1の外観について説明する。図1から図3に示すように、スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。
【0017】
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、カメラ13をバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、外部インターフェイス14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
【0018】
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELパネル(Organic Electro−Luminescence panel)、又は無機ELパネル(Inorganic Electro−Luminescence panel)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号又は図形等を表示する。
【0019】
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーンディスプレイ2に対する指、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、又はスタイラスペン等がタッチスクリーンディスプレイ2に接触した位置を検出することができる。
【0020】
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下では、説明を簡単にするため、タッチスクリーン2Bがタッチスクリーンディスプレイ2に対する接触を検出する指、又はスタイラスペン等を単に「指」ということがある。
【0021】
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触位置、接触時間又は接触回数に基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーンディスプレイ2に対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャには、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、ピンチアウト等が含まれる。
【0022】
タッチは、タッチスクリーンディスプレイ2(例えば、表面)に指が接触するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2に指が接触するジェスチャをタッチとして判別する。ロングタッチとは、タッチスクリーンディスプレイ2に指が一定時間以上接触するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2に指が一定時間以上接触するジェスチャをロングタッチとして判別する。
【0023】
リリースは、指がタッチスクリーンディスプレイ2から離れるジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーンディスプレイ2から離れるジェスチャをリリースとして判別する。スワイプは、指がタッチスクリーンディスプレイ2上に接触したままで移動するジェスチャである。スマートフォン1は、指がタッチスクリーンディスプレイ2上に接触したままで移動するジェスチャをスワイプとして判別する。
【0024】
タップは、タッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャをタップとして判別する。ダブルタップは、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いてリリースをするジェスチャが2回連続するジェスチャをダブルタップとして判別する。
【0025】
ロングタップは、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャである。スマートフォン1は、ロングタッチに続いてリリースをするジェスチャをロングタップとして判別する。ドラッグは、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャである。スマートフォン1は、移動可能なオブジェクトが表示されている領域を始点としてスワイプをするジェスチャをドラッグとして判別する。
【0026】
フリックは、タッチに続いて指が一方方向へ高速で移動しながらリリースするジェスチャである。スマートフォン1は、タッチに続いて指が一方方向へ高速で移動しながらリリースするジェスチャをフリックとして判別する。フリックは、指が画面の上方向へ移動する上フリック、指が画面の下方向へ移動する下フリック、指が画面の右方向へ移動する右フリック、指が画面の左方向へ移動する左フリック等を含む。
【0027】
ピンチインは、複数の指が互いに近付く方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、複数の指が互いに近付く方向にスワイプするジェスチャをピンチインとして判別する。ピンチアウトは、複数の指が互いに遠ざかる方向にスワイプするジェスチャである。スマートフォン1は、複数の指が互いに遠ざかる方向にスワイプするジェスチャをピンチアウトとして判別する。
【0028】
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bを介して判別するこれらのジェスチャに従って動作を行う。したがって、利用者にとって直感的で使いやすい操作性が実現される。判別されるジェスチャに従ってスマートフォン1が行う動作は、タッチスクリーンディスプレイ2に表示されている画面に応じて異なる。
【0029】
図4を参照しながら、ディスプレイ2Aに表示される画面の例について説明する。図4は、ホーム画面の一例を示している。ホーム画面は、デスクトップ、又は待受画面と呼ばれることもある。ホーム画面は、ディスプレイ2Aに表示される。ホーム画面は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションのうち、どのアプリケーションを実行するかを利用者に選択させる画面である。スマートフォン1は、ホーム画面で選択されたアプリケーションをフォアグランドで実行する。フォアグランドで実行されるアプリケーションの画面は、ディスプレイ2Aに表示される。
【0030】
スマートフォン1は、ホーム画面にアイコンを配置することができる。図4に示すホーム画面40には、複数のアイコン50が配置されている。それぞれのアイコン50は、スマートフォン1にインストールされているアプリケーションと予め対応付けられている。スマートフォン1は、アイコン50に対するジェスチャを検出すると、そのアイコン50に対応付けられているアプリケーションを実行する。例えば、スマートフォン1は、メールアプリケーションに対応付けられたアイコン50に対するタップを検出すると、メールアプリケーションを実行する。ここで、スマートフォン1は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2に対するアイコン50の表示位置(領域)に対応する位置(領域)へのジェスチャを、アイコン50に対応付けられたアプリケーションの実行命令であると解釈する。
【0031】
アイコン50は、画像と文字列を含む。アイコン50は、画像に代えて、記号又は図形を含んでもよい。アイコン50は、画像又は文字列のいずれか一方を含まなくてもよい。アイコン50は、所定の規則に従って配置される。アイコン50の背後には、壁紙41が表示される。壁紙は、フォトスクリーン又はバックスクリーンと呼ばれることもある。スマートフォン1は、任意の画像を壁紙41として用いることができる。画像は、例えば、利用者の設定に従って任意の画像が壁紙41として決定される。
【0032】
スマートフォン1は、ホーム画面の数を増減することができる。スマートフォン1は、例えば、ホーム画面の数を利用者による設定に従って決定する。スマートフォン1は、ホーム画面を表示する場合、ホーム画面の数が複数であっても、それらのうちから選択された1つをディスプレイ2Aに表示する。
【0033】
スマートフォン1は、ホーム画面上に、1つ又は複数のロケータを表示する。ロケータの数は、ホーム画面の数と一致する。ロケータは、現在表示されているホーム画面の位置を示す。現在表示されているホーム画面に対応するロケータは、他のロケータと異なる態様で表示される。
【0034】
図4に示す例では、4つのロケータ51が表示されている。これは、ホーム画面40の数が4つであることを示す。また、図4に示す例では、左から2番目のシンボルが他のシンボルと異なる態様で表示されている。これは、左から2番目のホーム画面が現在表示されていることを示している。
【0035】
スマートフォン1は、ホーム画面を表示中に特定のジェスチャを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を切り替える。例えば、スマートフォン1は、右フリックを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を1つ左のホーム画面に切り替える。また、スマートフォン1は、左フリックを検出すると、ディスプレイ2Aに表示するホーム画面を1つ右のホーム画面に切り替える。
【0036】
ディスプレイ2Aの上端には、領域42が設けられている。領域42には、充電池の残量を示す残量マーク43、及び通信用の電波の電界強度を示す電波レベルマーク44が表示される。スマートフォン1は、領域42に、現在時刻、天気の情報、実行中のアプリケーション、通信システムの種別、電話のステータス、装置のモード、装置に生じたイベント等を表示してもよい。このように、領域42は、利用者に対して各種の通知を行うために用いられる。領域42は、ホーム画面40とは別の画面でも設けられることがある。領域42が設けられる位置は、ディスプレイ2Aの上端に限られない。
【0037】
なお、図4に示したホーム画面40は、一例であり、各種の要素の形態、各種の要素の配置、ホーム画面40の数、及びホーム画面40での各種の操作の仕方等は上記の説明の通りでなくてもよい。
【0038】
図5は、スマートフォン1の構成を示すブロック図である。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、カメラ12及び13と、外部インターフェイス14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、回転検出センサ17とを有する。
【0039】
タッチスクリーンディスプレイ2は、上述したように、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、又は図形等を表示する。タッチスクリーン2Bは、ジェスチャを検出する。
【0040】
ボタン3は、利用者によって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタンに対する操作を検出する。ボタンに対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュである。
【0041】
例えば、ボタン3A〜3Cは、ホームボタン、バックボタン又はメニューボタンである。例えば、ボタン3Dは、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。例えば、ボタン3E及び3Fは、音量ボタンである。
【0042】
照度センサ4は、照度を検出する。例えば、照度とは、光の強さ、明るさ、輝度等である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。
【0043】
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。
【0044】
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によって行われる通信方式は、無線通信規格である。例えば、無線通信規格として、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。例えば、セルラーフォンの通信規格としては、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA、CDMA2000、PDC、GSM、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。例えば、無線通信規格として、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA、NFC(Near Field Communication)等がある。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
【0045】
レシーバ7は、コントローラ10から送信される音声信号を音声として出力する。マイク8は、利用者等の音声を音声信号へ変換してコントローラ10へ送信する。なお、スマートフォン1は、レシーバ7に加えて、スピーカをさらに有してもよい。スマートフォン1は、レシーバ7に代えて、スピーカをさらに有してもよい。
【0046】
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。また、ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶デバイス、及び磁気記憶デバイス等の任意の記憶デバイスを含んでよい。また、ストレージ9は、複数の種類の記憶デバイスを含んでよい。また、ストレージ9は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。
【0047】
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに所定の画面を表示させ、タッチスクリーン2Bによって検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。制御プログラムは、例えば、OSである。アプリケーション及び制御プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
【0048】
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、メールアプリケーション9B、ブラウザアプリケーション9C、設定データ9Zを記憶する。メールアプリケーション9Bは、電子メールの作成、送信、受信、及び表示等のための電子メール機能を提供する。ブラウザアプリケーション9Cは、WEBページを表示するためのWEBブラウジング機能を提供する。テーブル9Dは、キーアサインテーブル等の各種テーブルが格納されている。配置パターンデータベース9Eは、ディスプレイ2Aに表示されるアイコン等の配置パターンが格納されている。設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定機能を提供する。
【0049】
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。なお、制御プログラム9Aが提供する機能は、メールアプリケーション9B等の他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。
【0050】
コントローラ10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。コントローラ10は、通信ユニット6等の他の構成要素が統合されたSoC(System−on−a−chip)等の集積回路であってもよい。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
【0051】
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、ディスプレイ2A及び通信ユニット6等を制御することによって各種機能を実現する。コントローラ10は、タッチスクリーン2B、ボタン3、加速度センサ15等の各種検出部の検出結果に応じて、制御を変更することもある。
【0052】
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行する。
【0053】
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影するアウトカメラである。
【0054】
外部インターフェイス14は、他の装置が接続される端子である。外部インターフェイス14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト)、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。外部インターフェイス14は、Dockコネクタのような専用に設計された端子でもよい。外部インターフェイス14に接続される装置には、例えば、外部ストレージ、スピーカ、通信装置が含まれる。
【0055】
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを検出する。方位センサ16は、地磁気の向きを検出する。回転検出センサ17は、スマートフォン1の回転を検出する。加速度センサ15、方位センサ16及び回転検出センサ17の検出結果は、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。
【0056】
このように構成されるスマートフォン1は、容易に文字の編集をすることができる。以下に、具体的な構成について説明する。
【0057】
ストレージ9は、文字編集アプリケーション9Fが格納されている。文字編集アプリケーション9Fとは、文字を編集するためのアプリケーションである。例えば、コントローラ10は、ドキュメントデータを文字編集アプリケーション9Fに実行させることによって、ドキュメントデータに対して文字の編集を行うことができる。また、文字の編集を行うための操作は、タッチスクリーンディスプレイ2に対するジェスチャ操作の他、タッチスクリーンディスプレイ2に表示されるソフトキーボードによる操作や、物理的なキーボードによる操作が考えられる。文字の編集は、例えば、文字の追加、変更、及び削除等が含まれる。
【0058】
本実施形態では、文字編集アプリケーション9Fは、単独のアプリケーションとして構成されているものとして説明するが、これに限られない。例えば、文字編集アプリケーション9Fは、メールアプリケーション9Bやメモ帳アプリケーション等の一機能として構成されてもよい。
【0059】
コントローラ10は、文字編集アプリケーション9Fを実行することによってドキュメントデータをタッチスクリーンディスプレイ2に表示している状態において、一つの接触を検出した場合に、当該一つの接触の移動を検出することなく、当該一つの接触を検出した位置に基づいて、選択の対象となる文字列を決定する。なお、一つの接触(シングルタッチ)とは、例えば、指一本の接触によるジェスチャを意味している。
【0060】
具体的には、コントローラ10は、図6に示すように、文字編集アプリケーション9Fを実行すると、文字編集アプリケーション9Fに関連付けられているドキュメントデータの一覧60を表示する。なお、一覧60は、各ドキュメントデータに対応付けられているアイコンで表示されるものとして説明するが、表示形式はこれに限られない。また、コントローラ10は、文字編集アプリケーション9Fを実行した場合に、一番最近にアクセスしたドキュメントデータを表示する構成でもよい。
【0061】
また、コントローラ10は、あるドキュメントデータのアイコン(例えば、図6中の「Doc_1」)に対するジェスチャ(例えば、タップ)を検出すると、当該アイコンに対応付けられているドキュメントデータを読み出し、所定の形式でタッチスクリーンディスプレイ2に表示する(例えば、図7を参照。)。
【0062】
コントローラ10は、ドキュメントデータをタッチスクリーンディスプレイ2に表示している状態において、シングルタッチを検出した場合、検出した位置に対応するドキュメント内の文字列を、選択の対象として決定する。文字列の文字数は、単一であってもよいし、複数であってもよい。
【0063】
また、選択の対象として決定された文字列は、コピーや移動の対象として利用されてもよい。
【0064】
このようにして、スマートフォン1は、ドキュメントデータが表示されている状態において、直感的なジェスチャを行うことにより、選択の対象となる文字列を決定することができるので、容易に文字の編集を行うことができる。なお、本実施形態では、所定のジェスチャをシングルタッチであるとして説明したが、これに限られない。
【0065】
また、コントローラ10は、タッチの継続時間、すなわちロングタッチの長さによって、選択の対象となる文字列の長さを変化させてもよい。例えば、コントローラ10は、ロングタッチの時間的な長さがT1の場合には、「皆さん」を選択の対象の文字列として決定する。コントローラ10は、T2(T1<T2)の場合には、「皆さんは」を選択の対象の文字列として決定する。コントローラ10は、T3(T2<T3)の場合には、「皆さんは如何」を選択の対象の文字列として決定する。また、コントローラ10は、決定された文字列に対して、他の文字との違いが分かるように反転等の表示を行ってもよい。
【0066】
このように構成することにより、スマートフォン1は、直感的な操作によって文字列の長さを調整することができ、操作性の向上を図ることができる。
【0067】
なお、コントローラ10は、タッチを検出し、ある文字列を選択の対象として決定した後に、リリースを検出した場合には、この選択の対象としての決定を解除する構成でもよい。
【0068】
このように構成することにより、スマートフォン1は、直感的な操作によって、選択の対象となる文字列の決定と解除を容易に行うことができ、操作性の向上を図ることができる。
【0069】
また、上述では、スマートフォン1の構成と動作について説明したが、これに限られず、各構成要素を備え、容易に文字の編集をすることができる方法や、プログラムとして構成されてもよい。
【0070】
コントローラ10は、接触を検出した位置に表示されているドキュメント内の文字を含み、空白、改行又は句読点までの文字列を、選択の対象となる文字列として決定する構成でもよい。
【0071】
例えば、コントローラ10は、図8に示すように、「皆さんは・・・」の「さ」の付近に対する接触を検出した場合には、「さ」を中心にして、前方と後方を調べ、所定のルールにしたがって、「皆さんは如何でしたでしょうか?」を選択の対象となる文字列として決定する。なお、所定のルールとは、先頭と後方に空白等(句読点や改行でもよい)があった場合に、前方の空白等と後方の空白等の間の文字列を、選択の対象として決定するルールである。本実施形態では、前方にある句点と、後方にある一つ目の改行コードに基づいて、文字列を決定した。なお、本実施形態では、改行コードは、視覚化されているが、文字編集アプリケーション9Fの設定によっては、視覚化されない場合もある。
【0072】
また、所定のルールとは、上述に限定されず、他のルールであってもよく、連続する片仮名(例えば、「アプリケーションプログラム」)を選択の対象となる文字列に決定してもよいし、一のパラグラフ全体を選択の対象となる文字列に決定してもよい。また、所定のルールは、一つだけでなく、複数でもよい。
【0073】
このようにして、スマートフォン1は、ドキュメントデータが表示されている状態において、直感的なジェスチャを行うことにより、選択の対象となる文字列を選択することができるので、容易に文字の編集を行うことができる。
【0074】
コントローラ10は、選択の対象となる文字列を決定した後、接触の移動を検出した場合、ドキュメント内において、接触の移動する方向に文字列を移動する構成でもよい。なお、接触の移動とは、スワイプを想定するが、これに限られず、フリックであってもよい。
【0075】
具体的には、コントローラ10は、図8に示すように、「皆さんは・・・」の「さ」の付近に対する接触を検出した場合には、「さ」を中心にして、前方と後方を調べ、所定のルールにしたがって、「皆さんは如何でしたでしょうか?」を選択の対象となる文字列として決定する。
【0076】
その後、コントローラ10は、図9に示すように、「皆さんは・・・」の行又はその付近を接触したままで、文字方向に対して垂直方向に移動するジェスチャ(スワイプ)を検出した場合に、「皆さんは・・・」の行全体を移動する。なお、移動する行数は、ジェスチャにより移動された量(長さ)や、設定されている文字の大きさ(フォントサイズ)や、行送りの設定値等により決定される。
【0077】
なお、本実施形態では、行の移動について説明したが、これに限られず、一又は複数の文字を行内で移動してもよいし、行の移動と文字の移動を一連の処理で行ってもよい。
【0078】
また、本実施形態では、文字方向が横書きのパターンについて説明したが、これに限らず、文字方向が縦書きであっても、スマートフォン1は、同様の操作によって行の移動を行うことができる。
【0079】
また、選択の対象となる文字列の決定から、当該文字列の移動までの一連の操作は、例えば、シングルタッチによって文字列を決定し、その後、スワイプの操作が行われ、リリースの操作によって文字列の移動が完了する。
【0080】
このようにして、スマートフォン1は、ドキュメントデータが表示されている状態において、選択の対象となる文字列を選択し、その後、直感的なジェスチャ(例えば、スワイプ)によって、目的とする場所に文字列を移動することができ、容易に文字の編集を行うことができる。
【0081】
つぎに、直感的なジェスチャによって、文字列を選択し、選択した文字列を所望の場所に移動する際の動作の流れについて、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、文字編集アプリケーション9Fによってドキュメントデータがタッチスクリーンディスプレイ2に表示されているものとする。
【0082】
ステップST1において、コントローラ10は、シングルタッチを検出したか否かを判断する。シングルタッチを検出したと判断した場合(Yes)には、ステップST2に進み、シングルタッチを検出していないと判断した場合(No)には、処理を終了する。
【0083】
ステップST2において、コントローラ10は、選択の対象となる文字列を決定する。
ステップST3において、コントローラ10は、スワイプを検出したか否かを判断する。スワイプを検出したと判断した場合(Yes)には、ステップST4に進み、スワイプを検出していないと判断した場合(No)には、処理を終了する。なお、処理を終了する場合には、ステップST2によって行った文字列の決定を解除する。
【0084】
ステップST4において、コントローラ10は、ステップST3によるスワイプに基づいて、文字列を移動する。
【0085】
このようにして、スマートフォン1は、ドキュメントデータが表示されている状態において、直感的なジェスチャ(例えば、タッチ)によって選択の対象となる文字列を選択し、その後の直感的なジェスチャ(例えば、スワイプ)によって文字列を移動することができるので、容易に文字の編集を行うことができる。
【0086】
また、本実施形態では、文字列を他の行へ移動する場合を想定して説明したが、これに限られず、文字方向へのスワイプの検出を契機として、文字列を一行内において移動してもよい。また、本実施形態を応用して、文字の入れ替えに利用してもよい。
【0087】
なお、図5においてストレージ9が記憶することとしたプログラムの一部又は全部は、通信ユニット6による無線通信で他の装置からダウンロードされてもよい。また、図5においてストレージ9が記憶することとしたプログラムの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。また、図5においてストレージ9が記憶することとしたプログラムの一部又は全部は、外部インターフェイス14に接続される読み取り装置が読み取り可能なCD、DVD、又はBlu−ray等の記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0088】
また、図5に示したスマートフォン1の構成は一例であり、本発明の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。例えば、ボタン3の数と種類は図5の例に限定されない。例えば、スマートフォン1は、画面に関する操作のためのボタンとして、ボタン3A〜3Cに代えて、テンキー配列又はQWERTY配列等のボタンを備えていてもよい。また、スマートフォン1は、画面に関する操作のために、ボタンを1つだけ備えてよいし、ボタンを備えなくてもよい。また、図5に示した例では、スマートフォン1が2つのカメラを備えることとしたが、スマートフォン1は、1つのカメラのみを備えてもよいし、カメラを備えなくてもよい。また、図5に示した例では、スマートフォン1が位置及び姿勢を検出するために3種類のセンサを備えることとしたが、スマートフォン1は、このうちいくつかのセンサを備えなくてもよいし、位置及び姿勢を検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。また、照度センサ4と近接センサ5は、別体ではなく、単一のセンサにより構成されてもよい。
【0089】
本発明を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項に係る発明は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。
【0090】
例えば、図5に示した各プログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと結合されていてもよい。
【0091】
また、上記の実施形態では、タッチスクリーンディスプレイを備える装置の一例として、スマートフォンについて説明したが、添付の請求項に係る装置は、スマートフォンに限定されない。例えば、添付の請求項に係る装置は、モバイルフォン、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、又はゲーム機等の携帯電子機器であってもよい。また、添付の請求項に係る装置は、デスクトップパソコン、テレビ受像器等の据え置き型の電子機器であってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 スマートフォン
2 タッチスクリーンディスプレイ
2A ディスプレイ
2B タッチスクリーン
3 ボタン
4 照度センサ
5 近接センサ
6 通信ユニット
7 レシーバ
8 マイク
9 ストレージ
9A 制御プログラム
9B メールアプリケーション
9C ブラウザアプリケーション
9D テーブル
9E 配置パターンデータベース
9F 文字編集アプリケーション
9Z 設定データ
10 コントローラ
12、13 カメラ
14 外部インターフェイス
15 加速度センサ
16 方位センサ
17 回転検出センサ
20 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンディスプレイと、
ドキュメントが前記タッチスクリーンディスプレイに表示されている状態において、一つの接触を検出した場合、当該一つの接触の移動を検出することなく、当該一つの接触を検出した位置に基づいて、選択の対象となる文字列を決定するコントローラと、を備える装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記接触を検出した位置に表示されている前記ドキュメント内の文字を含み、空白、改行又は句読点までの文字列を、前記選択の対象となる文字列として決定する請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記一つの接触の接触時間の長さに基づいて、前記選択の対象となる文字列の長さを変更する請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記選択の対象となる文字列を決定した後、接触の移動を検出した場合、前記ドキュメント内において、当該接触の移動する方向に当該文字列を移動する請求項1記載の装置。
【請求項5】
コントローラにより、ドキュメントがタッチスクリーンディスプレイに表示されている状態において、一つの接触を検出した場合に、当該一つの接触の移動を検出することなく、当該一つの接触を検出した位置に基づいて、選択の対象となる文字列を決定する文字列決定ステップを備える方法。
【請求項6】
コントローラにより、ドキュメントがタッチスクリーンディスプレイに表示されている状態において、一つの接触を検出した場合に、当該一つの接触の移動を検出することなく、当該一つの接触を検出した位置に基づいて、選択の対象となる文字列を決定する文字列決定ステップをコンピュータによって実現するためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−89132(P2013−89132A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231014(P2011−231014)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】