説明

装身具用模様ガラスの製造方法

【課題】装身具などに使用される模様ガラスにおいて、1色のガラスから模様を形成する模様ガラスを提供する。
【解決手段】装身具などに用いられる模様ガラスにおいて、1色のガラスをNH3などの還元ガス雰囲気内で溶解および凝固させ、表面に黒色被膜を形成させた後、窒素ガス雰囲気や大気中雰囲気で、再び溶解させ表面の黒色被膜と内部のガラスを溶融させ、さまざまな模様を形成する模様ガラスを作り、出来上がった模様ガラスを装身具などの装飾体部分として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は装身具などに用いられるガラスにおいて、ガラス本体に簡単に模様を付けることのできる、模様ガラスの製造方法である。
【背景技術】
【0002】
ガラスを使用した装身具において、ガラスの色に変化を求める場合、その多くが2種類以上の色のガラスや着色剤を用意し、その後に溶融して模様などを付けている。
【0003】
しかし、こういった行程によって作られたガラスは画一的で単調なものが多い。
【0004】
このことから、特許公開2009−173514のようにガラス内に別の結晶を閉じ込めて模様を付けるような技法も公開されている。
【0005】
しかしながら、特許公開2009−173514の製造方法は複雑で作業工程も多く、コストダウンができないなどの問題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許公開2009−173514
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は前述した問題点を解決するものであり、装身具などに使用する模様ガラスにおいて、容易に自由度の高いものを提供することのできる、模様ガラスの製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、この発明は、装身具などに用いる模様ガラスを製造するにあたって、1色のみのガラスから模様ガラスを製造することができることを特徴とするものである。
【0009】
この発明は、装身具などに用いる模様ガラスにおいて、安定的に安価に模様ガラスを製造できることを特徴とする。
【0010】
この発明の装身具などに用いる模様ガラスは、内部に黒色系の縞模様などがあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、装身具など持ちいる模様ガラスにおいて、その製造が飛躍的に簡単になって、コストダウンの実現出来る模様ガラスの製造が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の形態で、ガラスに模様を付けるための行程である。
図1に示すように、ガラス1はNH3雰囲気ガス3によって周囲を覆われている。
【0014】
ガラス1を覆う雰囲気ガスはNH3ガス3である。
【0015】
NH3ガス3で覆われたガラス1は炉内2で800℃程度に熱せられ熔解する。
【0016】
ガラス1は熔解しながら、混合しうる成分がNH3ガス3に反応して表面に黒い皮膜を形成していく。
【0017】
黒い皮膜を形成したガラス1は適度な温度まで冷却していく。
【0018】
冷却された黒い皮膜を形成したガラス1を、再び、大気雰囲気、もしくは窒素ガス雰囲気で熔解する。
【0019】
こうした行程を経て得たガラスは、表面の黒色皮膜を内部に取り込み、様々な模様が形成されるのである。
【0020】
このうようにして出来上がった模様付きガラスは、そのままネックレス等にして使用出来るし、あらかじめ用意した貴金属、あるいは金属枠に流し込むことによって、様々な用途の装身具としてなりる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
この発明の模様ガラスは、従来のような色が限定されるガラスを、1色のガラスを元に、多種多様な模様付きのガラスを製造できるため、安価で画一化することのない装身具を提供することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 ガラス
2 炉
3 NH3ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装身具などに用いられる模様ガラスにおいて、もともとは1色のガラスが、NH3などの還元雰囲気ガス内で溶融および凝固した後、窒素ガス雰囲気や大気中雰囲気で再溶解および凝固されてなる模様付きガラスの製造方法。
【請求項2】
ガラスが鉛入りガラスがソーダガラスであることを特徴とする請求項1に記載の模様ガラスの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−76966(P2012−76966A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224912(P2010−224912)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【出願人】(591043101)株式会社内藤貴金属製作所 (14)
【Fターム(参考)】