装飾シート及びその施工構造
【課題】色調や透明度を適宜調節設定して装飾効果を高めることができると共に、ガラス板等の透明板に貼着した時、装飾シート側と透明板面側から見た外観が近似し、且つ、製造のコストダウンが図れる装飾シートを提供する。
【解決手段】透明シート2と、透明シート2の片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層3と、第1印刷層3の表面に、所定の透明度を保持しつつ所定の色に着色印刷された着色層4と、着色層4の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層5とを備えた装飾シート1を提供する。
【解決手段】透明シート2と、透明シート2の片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層3と、第1印刷層3の表面に、所定の透明度を保持しつつ所定の色に着色印刷された着色層4と、着色層4の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層5とを備えた装飾シート1を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾フィルム及びその施工構造に関し、特に、木目調又は石目調等の装飾模様が施された装飾シートであって、パーティション、間仕切り又はドア等、ガラス等の透明板に貼付して装飾効果を高めることができる装飾フィルム及びその施工構造に関する。
【背景技術】
【0002】
木目調又は石目調の印刷等が施された木目調又は石目調装飾シートは装飾デザイン効果が高く、例えば、合板等に貼付されて化粧板として利用され、又は、壁に貼付して化粧壁として利用され、或いは、家具等に貼付して利用される等、種々の用途に利用されている。
【0003】
この木目調又は石目調印刷シートは、従来、表面のみに木目調又は石目調印刷が施され、印刷が施されない裏面に接着剤或いは粘着材を塗布又は貼付して他の材料に貼着される場合が多い。
然しながら、この木目調又は石目調印刷シートは、貼着する他の材料が透明性の高いものである場合、他の材料の裏面から木目調又は石目調印刷シートの印刷されていない裏面が見えてしまうため、装飾性を低下させる虞があった。
【0004】
そこで、本願出願人は既に出願済みの特許文献1に於いて、合成樹脂シートの両面に印刷層を夫々形成し、いずれか一方の印刷層表面に透明な粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した印刷シートを提案している。
特許文献1の印刷シートは、ガラス板等の透明板に貼着した時、印刷シート側、透明板面側の何れからも印刷の柄が見えるため、パーティション等に利用出来る等、装飾効果が極めて高いものである。
【特許文献1】実用新案登録第3104441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、特許文献1の印刷シートは、ガラス板等の透明板に貼着した時、印刷シート側、透明板面側の何れからも印刷が見えるため装飾効果が極めて高いものであるが、特許文献1の印刷シートの装飾効果を更に高めることが望まれている。
又、印刷シートの製造に於けるコストダウンを図ることも期待されている。
【0006】
以上の現状に鑑み、本発明は、色調や透明度を適宜調節設定して装飾効果を高めることができると共に、ガラス板等の透明板に貼着した時、装飾シート側と透明板面側から見た外観が近似し、且つ、製造のコストダウンが図れる装飾シート及びその施工構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、透明シートと、前記透明シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層と、前記第1印刷層の表面に、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色印刷された着色層と、前記着色層の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層とを備えたことを特徴とする装飾シートを提供するものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記第1印刷層と前記第2印刷層とは同一模様に印刷されていることを特徴とする請求項1記載の装飾シートを提供するものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色された着色シートと、前記着色シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第3印刷層と、前記着色シートの他面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第4印刷層と、前記第3印刷層に片面が貼着される透明シートとを備えたことを特徴とする装飾シートを提供するものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記第3印刷層と前記第4印刷層とは左右対称の模様に印刷されていることを特徴とする請求項3記載の装飾シートを提供するものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記透明シートの他面にハードコート層を備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の装飾シートを提供するものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記第1乃至4印刷層は木目調又は石目調に印刷されることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の装飾シートを提供するものである。
【0013】
請求項7に係る発明は、前記第2印刷層、又は、第4印刷層の表面に粘着層が設けられることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の装飾シートを提供するものである。
【0014】
請求項8に係る発明は、前記第2又は第4印刷層上に透明保護膜をコーティングしたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の装飾シートを提供するものである。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか一に記載の装飾シートの片面又は両面が前記粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して透明板に貼着されていることを特徴とする装飾シートの施工構造を提供するものである。
【0016】
請求項10に係る発明は、請求項8記載の装飾シートの片面又は両面が、融着シートを介して透明板に融着されていることを特徴とする装飾シートの施工構造を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1記載の発明によれば、透明シートと、前記透明シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層と、前記第1印刷層の表面に、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色印刷された着色層と、前記着色層の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層とを備えた装飾シートを提供するので、着色層の色調や透明度を適宜調節設定して装飾効果を高めた装飾シートを提供することができる。
即ち、第1印刷層と第2印刷層の印刷を変えることなく、着色層の色調や透明度を変えることにより、同一の柄でありながら色調や、透明度の異なる装飾シートを得ることができる。又、それは印刷の作業工程の中で、作業時間の短縮にもなり、従来の多層印刷に比べ作業効率が一段とアップする。
更に、装飾シートをガラス板等の透明板に貼着した時、透明シートが透明板と同様の外観を呈し、装飾シート側と透明板面側から見た外観が近似することにより装飾効果を高めることができる。
更に又、透明シートの片面側の多層印刷によって装飾シートを製造することにより、製造のコストダウンが図れる。
そして、前記装飾シートは、貼着する透明板がガラス板等である場合、ガラス飛散防止効果も期待できる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、前記第1印刷層と前記第2印刷層とは同一模様に印刷されているので、請求項1記載の発明の効果に加え、着色層が所定の透明度を有する場合でも第1印刷層と第2印刷層とを干渉させることなく視認させることができる。又、透明シートの両面側に印刷をする場合、透明シートを介して表面と裏面が同一柄と見えるように左右対称柄としなければならないが、本考案では片面側の多層印刷となるため、その必要がなく、同一柄を用いることができるので、両面に印刷する場合に比べ版数が1/2となり、更なる製造のコストダウンが図れる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色された着色シートと、前記着色シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第3印刷層と、前記着色シートの他面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第4印刷層と、前記第3印刷層に片面が貼着される透明シートとを備えた装飾シートを提供するので、着色シートの色調や透明度を適宜調節設定して装飾効果を高めた装飾シートを提供することができる。
即ち、第3印刷層と第4印刷層の印刷を変えることなく、着色シートの色調や透明度を変えることにより、同一の柄でありながら色調や、透明度の異なる装飾シートを得ることができる。
又、装飾シートをガラス板等の透明板に貼着した時、透明シートが透明板と同様の外観を呈し、装飾シート側と透明板面側から見た外観が近似することにより装飾効果を高めることができる。
更に、予め、片面又は両面印刷された着色シートを用いることにより、製造のコストダウンが図れる。
更に又、前記装飾シートは、貼着する透明板がガラス板等である場合、ガラス飛散防止効果も期待できる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、前記第3印刷層と前記第4印刷層とは左右対称の模様に印刷されているので、請求項3記載の発明の効果に加え、着色シートが所定の透明度を有する場合でも第1印刷層と第2印刷層の印刷を干渉させることなく視認させることができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、前記透明シートの他面にハードコート層を備えるので、請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、ハードコート層によって、透明シートを保護できる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、前記第1乃至4印刷層は木目調又は石目調に印刷されるので、請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、装飾シートを透明板等に貼着した時、装飾シート側又は透明板側の両面から、着色層又は着色シートの色調と重ね合わされた、或いは、着色シートの色調を背景として木目調又は石目調の印刷を透明板等或いは透明シートを通して視認させることができる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、前記第2印刷層、又は、第4印刷層の表面に粘着層が設けられるので、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、粘着層を介して装飾シートを透明板等に貼着することができる。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、前記第2又は第4印刷層上に透明保護膜をコーティングしたので、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、本装飾シートを、2枚の透明板等によって、粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して貼着し挟持すれば、合わせガラスの如き効果も期待できる。又、その場合に、装飾シートは両面が透明シートであるので、貼着により印刷層を傷つけないという利点がある。
【0025】
請求項9記載の発明によれば、請求項1乃至7のいずれか一に記載の装飾シートの片面又は両面が前記粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して透明板に貼着されている装飾シートの施工構造を提供するので、請求項1乃至7のいずれか一に記載の発明の効果を有する装飾シートの施工構造を得ることができると共に、工場等で装飾シートを透明板等に予め貼着することにより、現場施工に比べ、貼着面の仕上がりの綺麗な施工構造とすることが可能である。又、装飾シートの両面に、粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して透明板が貼着されている装飾シートの施工構造の場合に於いては、装飾効果があり、且つ、断熱防音等に優れた合わせガラスの如き効果が期待できる。
【0026】
請求項10記載の発明によれば、請求項8記載の装飾シートの片面又は両面が、融着シートを介して透明板に融着されている装飾シートの施工構造を提供するので、請求項8記載の発明の効果を有する装飾シートの施工構造を得ることができると共に、工場等で装飾シートを透明板等に予め貼着することにより、融着面の仕上がりの綺麗な施工構造とすることが可能である。又、装飾シートの両面が、融着シートを介して透明板に融着されている装飾シートの施工構造の場合に於いては、装飾効果があり、且つ、断熱防音等に優れた合わせガラスの如き効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。尚、説明の都合上、後に説明する実施例に於いて、先に説明した実施例と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図1に於いて、1は本発明の第1実施例の装飾シートを示し、装飾シート1は、透明シート2と、透明シート2の片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層3と、第1印刷層3の表面に、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色印刷された着色層4と、着色層4の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層5とを備えたものである。
【0028】
前記透明シート2は、例えばポリエステルフィルムから成る合成樹脂シートである。
又、前記第1印刷層3と第2印刷層5は、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷、例えば、木目調又は石目調の装飾が施された単色又は多色印刷層である。透明度は0%乃至100%の範囲で設定される。木目調又は石目調の装飾が施される場合、前記第1印刷層3と第2印刷層5は同一模様に印刷され、夫々の印刷層側から見たとき、反対側の印刷層が着色層4を通して完全に重なって1つの印刷層に見えるように印刷されている。
又は、前記第1印刷層3と第2印刷層5とを同一とならない模様に印刷し、且つ、前記第1印刷層3と第2印刷層5の柄が干渉して見えないように着色層4の透明度を下げ、又は、透明度を0%とし、即ち、隠蔽度を高め、又は、完全に隠蔽してもよい。
尚、前記第1印刷層3と第2印刷層5とを同一とならない模様に印刷し、且つ、着色層4に透明性を持たせ、夫々の印刷層側から見たとき、互いに干渉して見えるようにすることで、特殊な装飾効果を得ることも可能である。
更に、前記第1印刷層3と第2印刷層5とにその他の装飾印刷、例えば、ステンドグラス調の装飾印刷を施すことも可能である。
【0029】
前記着色層4は、所定の透明度を保持しつつ所定の色に着色印刷されたものであるが、透明度は0%乃至100%の範囲で選択し設定されるものであり、又、着色も白及び黒を含む全カラー色の範囲で選択し設定できるものである。即ち、着色層4の透明性或いは隠蔽性と色調を適宜調節設定して、装飾シート1の外観の透明性或いは隠蔽性と色調をコントロールするものである。透明度0%に於いては、透明性は期待できなくなる。又、着色層4は単色に着色されてもよいが、複数色に着色されてもよく、デザインされて着色されてもよい。例えば、着色層4を色彩の異なる着色ガラス片を繋ぎ合わせたようなステンドグラス調に着色してもよい。
【0030】
前記装飾シート1は、用途によってはそのままで用いることもできるが、主として、後述するように透明板(図示せず)に貼付して用いるものであり、前記第2印刷層5に図示しない透明の粘着層を設け、或いは、透明の接着剤を用いてガラスや、透明の合成樹脂板等に貼付して用いることができる。
【0031】
図2に於いて、11は、第2実施例の装飾シートを示し、装飾シート11は、前記装飾シート(図1に於いて1)の第2印刷層5の表面に透明の粘着層12を塗布又は貼付等により設けたものである。粘着層12によって、装飾シート11は透明板等に貼着することが可能である。尚、図示は省略するが、粘着層12によって第2印刷層5が傷つく虞のある場合は、第2印刷層5上に透明保護膜をコーティングし(図14に於いて装飾シート131参照)、その上に粘着層12を設けても良い。
【0032】
図3に於いて、21は、第3実施例の装飾シートを示し、装飾シート21は、前記装飾シート(図2に於いて11)の粘着層12の表面に離型紙22を貼付したものである。前記装飾シート21は離型紙22によって、搬送等が可能な商品形態となる。
【0033】
図4に於いて、31は、前記装飾シート(図2に於いて11)、又は、前記装飾シート(図3に於いて21)から離型紙(図3に於いて22)を剥離した装飾シート11をガラスや、合成樹脂等の透明板32に貼着した第4実施例の施工構造を示している。
この施工構造31に於いて、透明板32側から透明板32を通して第2印刷層5が見えると共に、一部又は全面が所定の透明度を保持する第2印刷層5を通して着色層4が見える。従って、着色層4の色を重ね合わせて、或いは背景色として、第2印刷層5を視認できる。
尚、第1印刷層3と第2印刷層5とが左右対称の印刷である場合であって、前記着色層4が透明性を有している場合、第1印刷層3は第2印刷層5に重なって見えない状態となるが、透明板32側から斜めに見た場合、着色層4の厚みによって、第2印刷層5と少しずれて第1印刷層3が見えることもある。その少しずれた状態に見えることによって、印刷層に遠近感を感じさせるなど、装飾効果を高めることができる。
そして、前記透明板32及び前記装飾シート11を通して、装飾シート11の裏側の風景も視認できる。
【0034】
一方、前記施工構造31に於いて、透明シート2側から透明シート2を通して第1印刷層3が見えると共に、一部又は全面が所定の透明度を保持する第1印刷層3を通して着色層4が見える。従って、着色層4の色を重ね合わせて、或いは背景色として第1印刷層3を視認できる。
尚、第1印刷層3と第2印刷層5とが左右対称の印刷である場合であって、前記着色層4が透明性を有している場合、第2印刷層5は第1印刷層3に重なって見えない状態となるが、透明シート2側から斜めに見た場合、着色層4の厚みによって、第1印刷層3と少しずれて第2印刷層5が見えることもある。その少しずれた状態に見えることによって、印刷層に遠近感を感じさせるなど、装飾効果を高めることができる。
そして、前記装飾シート11及び前記透明板32を通して、透明板32の裏側の風景も視認できる。
尚、着色層4の透明度を下げ、又は、透明度を0%とし、即ち、隠蔽度を高め、又は、完全に隠蔽すれば、着色層4の裏側の印刷層や、風景は見えにくくなり、或いは、見えなくなる。
又、透明シート2越しに第1印刷層3を見せることにより、前記透明板32越しに第2印刷層5を見せるのと同様な効果が得られ、施工構造31の両側面側から見た外観が近似し、更に、装飾効果を高めることができる。
【0035】
図5に於いて、41は、第5実施例の装飾シートを示し、装飾シート41は、前記装飾シート(図3に於いて21)の第1印刷層3と反対側の透明シート2表面にハードコート層42を塗布又は積層等により備えたものである。ハードコート層42の塗布又は積層等は、装飾シート41を作成する前、予め透明シート2に施されても良く、装飾シート41を作成する過程で施されても良い。
ハードコート層42によって、透明シート2を保護することができる。
尚、図示は省略するが、前記装飾シート1又は11にも同様にハードコート層42を設けることができる。
【0036】
図6に於いて、51は、前記装飾シート(図5に於いて41)から離型紙(図5に於いて22)を剥離した装飾シート52をガラスや、合成樹脂等の透明板32に貼着した第6実施例の施工構造を示している。
この施工構造51に於いて、ハードコート層42によって、透明シート2が保護され、装飾シート52の粘着層12側が透明板32で保護されるため、装飾シート52は両面から保護されることになる。
又、ハードコート層42の光沢面が前記透明板32の光沢と近似する場合には、前記施工構造51に於いて、両側面側から同様の光沢を有する外観が視認でき、更に装飾性を高めることができる。
【0037】
図7に於いて、61は、第7実施例の装飾シートを示し、装飾シート61は、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色された着色シート62と、着色シート62の片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第3印刷層63と、着色シートの他面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第4印刷層64と、透明の接着層65によって第3印刷層63に片面が貼着される透明シート2とを備えたものである。尚、前記接着層65に代えて粘着層(図示せず)としても良く、或いは前記第3印刷層63に接着性のある印刷を施し第3印刷層63を直接透明シート2に接着させても良い。
【0038】
前記着色シート62は、例えばポリエステルフィルムから成る合成樹脂シートの全体又は表面を着色したシートである。
又、前記着色シート62は、所定の透明度を保持しつつ所定の色に着色印刷されたものであるが、透明度は0%から100%の範囲で選択し設定できるものであり、又、着色も白及び黒を含む全カラー色の範囲で選択し設定できるものである。即ち、着色シート62の透明性或いは隠蔽性と色調を適宜調節設定して、装飾シート61の外観の透明性或いは隠蔽性と色調をコントロールするものである。透明度0%に於いては、透明性は期待できなくなる。又、着色シート62は単色に着色されてもよいが、複数色に着色されてもよく、デザインされて着色されてもよい。例えば、着色シート62を色彩の異なる着色ガラス片を繋ぎ合わせたようなステンドグラス調に着色してもよい。
【0039】
又、前記第3印刷層63と第4印刷層64は、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷、例えば、木目調又は石目調の装飾が施された単色又は多色印刷層である。透明度は0%乃至100%の範囲で設定される。木目調又は石目調の装飾が施される場合、前記第3印刷層63と第4印刷層64は左右対称の模様に印刷され、夫々の印刷層側から見たとき、反対側の印刷層が着色シート62を通して完全に重なって1つの印刷層に見えるように印刷されている。
又は、前記第3印刷層63と第4印刷層64とを左右対称とならない模様に印刷し、且つ、前記第3印刷層63と第4印刷層64の柄が干渉して見えないように着色シート62の透明度を下げ、又は、透明度を0%とし、即ち、隠蔽度を高め、又は、完全に隠蔽しても良い。
尚、前記第3印刷層63と第4印刷層64とを左右対称とならない模様に印刷し、且つ、着色シート62に透明性を持たせ、夫々の印刷層側から見たとき、互いに干渉して見えるようにすることで、特殊な装飾効果を得ることも可能である。
更に、前記第3印刷層63と第4印刷層64とにその他の装飾印刷、例えば、ステンドグラス調の装飾印刷を施すことも可能である。
【0040】
前記装飾シート61は、用途によってはそのままで用いることもできるが、主として、透明板(図示せず)に貼付して用いるものであり、前記第4印刷層64に透明の粘着層を設け、或いは、透明の接着剤を用いてガラスや、透明の合成樹脂板に貼付して用いることができる。
【0041】
図8に於いて、71は、第8実施例の装飾シートを示し、装飾シート71は、前記装飾シート(図7に於いて61)の第4印刷層64の表面に粘着層12を塗布又は貼付等により設け、粘着層12の表面に離型紙22を貼付したものである。前記装飾シート71は離型紙22によって、搬送等が可能な商品形態となる。尚、図示は省略するが装飾シート71から離型紙22を除いた装飾シートも考えられる。又、図示は省略するが、粘着層12によって第4印刷層64が傷つく虞のある場合は、第4印刷層64上に透明保護膜をコーティングし(図16に於いて装飾シート151参照)、その上に粘着層12を設けても良い。
【0042】
図9に於いて、81は、前記装飾シート(図8に於いて71)から離型紙(図8に於いて22)を剥離した装飾シート82をガラスや、合成樹脂等の透明板32に貼着した第9実施例の施工構造を示している。
この施工構造81に於いて、透明板32側から透明板32を通して第4印刷層64が見えると共に、一部又は全面が所定の透明度を保持する第4印刷層64を通して着色シート62が見える。従って、着色シート62の色を重ね合わせて、或いは背景色として、第4印刷層64を視認できる。
尚、第3印刷層63と第4印刷層64とが左右対称の印刷である場合であって、前記着色シート62が透明性を有している場合、第3印刷層63は第4印刷層64に重なって見えない状態となるが、透明板32側から斜めに見た場合、着色シート62の厚みによって、第4印刷層64と少しずれて第3印刷層63が見えることもある。その少しずれた状態に見えることによって、印刷層に遠近感を感じさせるなど、装飾効果を高めることができる。
そして、前記透明板32及び前記装飾シート82を通して、装飾シート82の裏側の風景も視認できる。
【0043】
一方、前記施工構造81に於いて、透明シート2側から透明シート2を通して第3印刷層63が見えると共に、一部又は全面が所定の透明度を保持する第3印刷層63を通して着色シート62が見える。従って、着色シート62の色を重ね合わせて、或いは背景色として第3印刷層63を視認できる。
尚、第3印刷層63と第4印刷層64とが左右対称の印刷である場合であって、前記着色シート62が透明性を有している場合、第4印刷層64は第3印刷層63に重なって見えない状態となるが、透明シート2側から斜めに見た場合、着色シート62の厚みによって、第3印刷層63と少しずれて第4印刷層64が見えることもある。その少しずれた状態に見えることによって、印刷層に遠近感を感じさせるなど、装飾効果を高めることができる。
そして、前記装飾シート82及び前記透明板32を通して、透明板32の裏側の風景も視認できる。
尚、着色シート62の透明度を下げ、又は、透明度を0%とし、即ち、隠蔽度を高め、又は、完全に隠蔽すれば、着色シート62の裏側の印刷層や、風景は見えにくくなり、或いは、見えなくなる。
又、透明シート2越しに第3印刷層63を見せることにより、前記透明板32越しに第4印刷層64を見せるのと同様な効果が得られ、施工構造81の両側面側から見た外観が近似し、更に、装飾効果を高めることができる。
【0044】
図10に於いて、91は、第10実施例の装飾シートを示し、装飾シート91は、前記装飾シート(図8に於いて71)の接着層65と反対側の透明シート2の表面にハードコート層42を塗布又は積層等により備えたものである。ハードコート層42の塗布又は積層等は、装飾シート91を作成する前、予め透明シート2に施されても良く、装飾シート91を作成する過程で施されても良い。ハードコート層42の効果については前述したとおりであるので、ここではその説明を省略する。
尚、図示は省略するが、前記装飾シート61にも同様にハードコート層42を設けることができる。
又、図示は省略するが、前記装飾シート91から、離型紙22を除いた装飾シート、又は、離型紙22及び粘着層12を除いた装飾シートも考えられる。
【0045】
図11に於いて、101は、前記装飾シート(図10に於いて91)から離型紙(図10に於いて22)を剥離した装飾シート102をガラスや、合成樹脂等の透明板32に貼着した第11実施例の施工構造を示している。
この施工構造101に於いても、前述した第6施工構造51と略同様の効果が期待できる。
【0046】
図12に於いて、111は、前記施工構造(図4に於いて31)の透明シート2側にも粘着層等の接着層112を介して透明板32を接着した第12実施例の施工構造を示している。この施工構造111に於いても、前記施工構造31と略同様の効果が期待できると共に、両面が透明板32,32となるので、合わせガラスの如き効果も期待できる。
【0047】
図13に於いて、121は、前記施工構造(図9に於いて81)の透明シート2側にも粘着層等の接着層112を介して透明板32を接着した第13実施例の施工構造を示している。この施工構造121に於いても、前記施工構造81(図9参照)と略同様の効果が期待できると共に、両面が透明板32,32となるので、合わせガラスの如き効果も期待できる。
尚、施工構造111,121に於いて、前記透明板32は、前記粘着層12、接着層112に代えて、融着シート(図示せず)によって融着されても良い。
【0048】
図14に於いて、131は、前記装飾シート(図1に於いて1)の第2印刷層5上に透明保護膜132をコーティングした第14実施例の装飾シートを示している。この装飾シート131に於いても、前記装飾シート1と略同様の効果が期待できると共に、次に説明する施工構造(図15に於いて141)に用いることにより合わせガラスの如き効果が期待できる。尚、図示は省略するが、前記装飾シート131の透明シート2の表面にハードコート層42がコーティングされていても良い。
【0049】
図15に於いて、141は、前記装飾シート(図14に於いて131)の両面に熱融着シート等の融着シート142,142を介して透明板32,32を融着(易接補助加工等)した第15実施例の施工構造を示している。この施工構造141に於いても、前記施工構造31(図4参照)と略同様の効果が期待できると共に、装飾シート131の両面が透明板32,32となるので、合わせガラスの如き効果も期待できる。尚、図示は省略するが、前記装飾シート131の透明シート2の表面にハードコート層42がコーティングされていても良い。
【0050】
図16に於いて、151は、前記装飾シート(図7に於いて61)の第4印刷層64上に透明保護膜132をコーティングした第16実施例の装飾シートを示している。この装飾シート151に於いても、前記装飾シート61(図7参照)と略同様の効果が期待できると共に、次に説明する施工構造(図17に於いて161)に用いることにより合わせガラスの如き効果が期待できる。尚、図示は省略するが、前記装飾シート151の透明シート2の表面にハードコート層42がコーティングされていても良い。
【0051】
図17に於いて、161は、前記装飾シート(図16に於いて151)の両面に熱融着シート等の融着シート142,142を介して透明板32,32を融着(易接補助加工等)した第17実施例の施工構造を示している。この施工構造161に於いても、前記施工構造81(図9参照)と略同様の効果が期待できると共に、装飾シート151の両面が透明板32,32となるので、合わせガラスの如き効果も期待できる。尚、図示は省略するが、前記装飾シート151の透明シート2の表面にハードコート層42がコーティングされていても良い。
尚、前記施工構造141、161に於いて、装飾シート131,151の両面に透明板32,32が夫々融着されたが、装飾シート131,151の一方の片面にハードコート層42がコーティングされている場合は、他方の片面のみに透明板32が夫々融着される施工構造としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による第1実施例の装飾シートの断面図である。
【図2】本発明による第2実施例の装飾シートの断面図である。
【図3】本発明による第3実施例の装飾シートの断面図である。
【図4】本発明による第4実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図5】本発明による第5実施例の装飾シートの断面図である。
【図6】本発明による第6実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図7】本発明による第7実施例の装飾シートの断面図である。
【図8】本発明による第8実施例の装飾シートの断面図である。
【図9】本発明による第9実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図10】本発明による第10実施例の装飾シートの断面図である。
【図11】本発明による第11実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図12】本発明による第12実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図13】本発明による第13実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図14】本発明による第14実施例の装飾シートの断面図である。
【図15】本発明による第15実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図16】本発明による第16実施例の装飾シートの断面図である。
【図17】本発明による第17実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1,11,21,41,52,61,71,91,102 装飾シート
131,151 装飾シート
2 透明シート
3 第1印刷層
4 着色層
5 第2印刷層
12 粘着層
31,51,81,101,111,121,141,161 施工構造
32 透明板
42 ハードコート層
62 着色シート
63 第3印刷層
64 第4印刷層
112 接着層
132 透明保護膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾フィルム及びその施工構造に関し、特に、木目調又は石目調等の装飾模様が施された装飾シートであって、パーティション、間仕切り又はドア等、ガラス等の透明板に貼付して装飾効果を高めることができる装飾フィルム及びその施工構造に関する。
【背景技術】
【0002】
木目調又は石目調の印刷等が施された木目調又は石目調装飾シートは装飾デザイン効果が高く、例えば、合板等に貼付されて化粧板として利用され、又は、壁に貼付して化粧壁として利用され、或いは、家具等に貼付して利用される等、種々の用途に利用されている。
【0003】
この木目調又は石目調印刷シートは、従来、表面のみに木目調又は石目調印刷が施され、印刷が施されない裏面に接着剤或いは粘着材を塗布又は貼付して他の材料に貼着される場合が多い。
然しながら、この木目調又は石目調印刷シートは、貼着する他の材料が透明性の高いものである場合、他の材料の裏面から木目調又は石目調印刷シートの印刷されていない裏面が見えてしまうため、装飾性を低下させる虞があった。
【0004】
そこで、本願出願人は既に出願済みの特許文献1に於いて、合成樹脂シートの両面に印刷層を夫々形成し、いずれか一方の印刷層表面に透明な粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した印刷シートを提案している。
特許文献1の印刷シートは、ガラス板等の透明板に貼着した時、印刷シート側、透明板面側の何れからも印刷の柄が見えるため、パーティション等に利用出来る等、装飾効果が極めて高いものである。
【特許文献1】実用新案登録第3104441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、特許文献1の印刷シートは、ガラス板等の透明板に貼着した時、印刷シート側、透明板面側の何れからも印刷が見えるため装飾効果が極めて高いものであるが、特許文献1の印刷シートの装飾効果を更に高めることが望まれている。
又、印刷シートの製造に於けるコストダウンを図ることも期待されている。
【0006】
以上の現状に鑑み、本発明は、色調や透明度を適宜調節設定して装飾効果を高めることができると共に、ガラス板等の透明板に貼着した時、装飾シート側と透明板面側から見た外観が近似し、且つ、製造のコストダウンが図れる装飾シート及びその施工構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、透明シートと、前記透明シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層と、前記第1印刷層の表面に、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色印刷された着色層と、前記着色層の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層とを備えたことを特徴とする装飾シートを提供するものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記第1印刷層と前記第2印刷層とは同一模様に印刷されていることを特徴とする請求項1記載の装飾シートを提供するものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色された着色シートと、前記着色シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第3印刷層と、前記着色シートの他面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第4印刷層と、前記第3印刷層に片面が貼着される透明シートとを備えたことを特徴とする装飾シートを提供するものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、前記第3印刷層と前記第4印刷層とは左右対称の模様に印刷されていることを特徴とする請求項3記載の装飾シートを提供するものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、前記透明シートの他面にハードコート層を備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の装飾シートを提供するものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、前記第1乃至4印刷層は木目調又は石目調に印刷されることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の装飾シートを提供するものである。
【0013】
請求項7に係る発明は、前記第2印刷層、又は、第4印刷層の表面に粘着層が設けられることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の装飾シートを提供するものである。
【0014】
請求項8に係る発明は、前記第2又は第4印刷層上に透明保護膜をコーティングしたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の装飾シートを提供するものである。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか一に記載の装飾シートの片面又は両面が前記粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して透明板に貼着されていることを特徴とする装飾シートの施工構造を提供するものである。
【0016】
請求項10に係る発明は、請求項8記載の装飾シートの片面又は両面が、融着シートを介して透明板に融着されていることを特徴とする装飾シートの施工構造を提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1記載の発明によれば、透明シートと、前記透明シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層と、前記第1印刷層の表面に、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色印刷された着色層と、前記着色層の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層とを備えた装飾シートを提供するので、着色層の色調や透明度を適宜調節設定して装飾効果を高めた装飾シートを提供することができる。
即ち、第1印刷層と第2印刷層の印刷を変えることなく、着色層の色調や透明度を変えることにより、同一の柄でありながら色調や、透明度の異なる装飾シートを得ることができる。又、それは印刷の作業工程の中で、作業時間の短縮にもなり、従来の多層印刷に比べ作業効率が一段とアップする。
更に、装飾シートをガラス板等の透明板に貼着した時、透明シートが透明板と同様の外観を呈し、装飾シート側と透明板面側から見た外観が近似することにより装飾効果を高めることができる。
更に又、透明シートの片面側の多層印刷によって装飾シートを製造することにより、製造のコストダウンが図れる。
そして、前記装飾シートは、貼着する透明板がガラス板等である場合、ガラス飛散防止効果も期待できる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、前記第1印刷層と前記第2印刷層とは同一模様に印刷されているので、請求項1記載の発明の効果に加え、着色層が所定の透明度を有する場合でも第1印刷層と第2印刷層とを干渉させることなく視認させることができる。又、透明シートの両面側に印刷をする場合、透明シートを介して表面と裏面が同一柄と見えるように左右対称柄としなければならないが、本考案では片面側の多層印刷となるため、その必要がなく、同一柄を用いることができるので、両面に印刷する場合に比べ版数が1/2となり、更なる製造のコストダウンが図れる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色された着色シートと、前記着色シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第3印刷層と、前記着色シートの他面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第4印刷層と、前記第3印刷層に片面が貼着される透明シートとを備えた装飾シートを提供するので、着色シートの色調や透明度を適宜調節設定して装飾効果を高めた装飾シートを提供することができる。
即ち、第3印刷層と第4印刷層の印刷を変えることなく、着色シートの色調や透明度を変えることにより、同一の柄でありながら色調や、透明度の異なる装飾シートを得ることができる。
又、装飾シートをガラス板等の透明板に貼着した時、透明シートが透明板と同様の外観を呈し、装飾シート側と透明板面側から見た外観が近似することにより装飾効果を高めることができる。
更に、予め、片面又は両面印刷された着色シートを用いることにより、製造のコストダウンが図れる。
更に又、前記装飾シートは、貼着する透明板がガラス板等である場合、ガラス飛散防止効果も期待できる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、前記第3印刷層と前記第4印刷層とは左右対称の模様に印刷されているので、請求項3記載の発明の効果に加え、着色シートが所定の透明度を有する場合でも第1印刷層と第2印刷層の印刷を干渉させることなく視認させることができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、前記透明シートの他面にハードコート層を備えるので、請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、ハードコート層によって、透明シートを保護できる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、前記第1乃至4印刷層は木目調又は石目調に印刷されるので、請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、装飾シートを透明板等に貼着した時、装飾シート側又は透明板側の両面から、着色層又は着色シートの色調と重ね合わされた、或いは、着色シートの色調を背景として木目調又は石目調の印刷を透明板等或いは透明シートを通して視認させることができる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、前記第2印刷層、又は、第4印刷層の表面に粘着層が設けられるので、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、粘着層を介して装飾シートを透明板等に貼着することができる。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、前記第2又は第4印刷層上に透明保護膜をコーティングしたので、請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の発明の効果に加え、本装飾シートを、2枚の透明板等によって、粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して貼着し挟持すれば、合わせガラスの如き効果も期待できる。又、その場合に、装飾シートは両面が透明シートであるので、貼着により印刷層を傷つけないという利点がある。
【0025】
請求項9記載の発明によれば、請求項1乃至7のいずれか一に記載の装飾シートの片面又は両面が前記粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して透明板に貼着されている装飾シートの施工構造を提供するので、請求項1乃至7のいずれか一に記載の発明の効果を有する装飾シートの施工構造を得ることができると共に、工場等で装飾シートを透明板等に予め貼着することにより、現場施工に比べ、貼着面の仕上がりの綺麗な施工構造とすることが可能である。又、装飾シートの両面に、粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して透明板が貼着されている装飾シートの施工構造の場合に於いては、装飾効果があり、且つ、断熱防音等に優れた合わせガラスの如き効果が期待できる。
【0026】
請求項10記載の発明によれば、請求項8記載の装飾シートの片面又は両面が、融着シートを介して透明板に融着されている装飾シートの施工構造を提供するので、請求項8記載の発明の効果を有する装飾シートの施工構造を得ることができると共に、工場等で装飾シートを透明板等に予め貼着することにより、融着面の仕上がりの綺麗な施工構造とすることが可能である。又、装飾シートの両面が、融着シートを介して透明板に融着されている装飾シートの施工構造の場合に於いては、装飾効果があり、且つ、断熱防音等に優れた合わせガラスの如き効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。尚、説明の都合上、後に説明する実施例に於いて、先に説明した実施例と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図1に於いて、1は本発明の第1実施例の装飾シートを示し、装飾シート1は、透明シート2と、透明シート2の片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層3と、第1印刷層3の表面に、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色印刷された着色層4と、着色層4の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層5とを備えたものである。
【0028】
前記透明シート2は、例えばポリエステルフィルムから成る合成樹脂シートである。
又、前記第1印刷層3と第2印刷層5は、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷、例えば、木目調又は石目調の装飾が施された単色又は多色印刷層である。透明度は0%乃至100%の範囲で設定される。木目調又は石目調の装飾が施される場合、前記第1印刷層3と第2印刷層5は同一模様に印刷され、夫々の印刷層側から見たとき、反対側の印刷層が着色層4を通して完全に重なって1つの印刷層に見えるように印刷されている。
又は、前記第1印刷層3と第2印刷層5とを同一とならない模様に印刷し、且つ、前記第1印刷層3と第2印刷層5の柄が干渉して見えないように着色層4の透明度を下げ、又は、透明度を0%とし、即ち、隠蔽度を高め、又は、完全に隠蔽してもよい。
尚、前記第1印刷層3と第2印刷層5とを同一とならない模様に印刷し、且つ、着色層4に透明性を持たせ、夫々の印刷層側から見たとき、互いに干渉して見えるようにすることで、特殊な装飾効果を得ることも可能である。
更に、前記第1印刷層3と第2印刷層5とにその他の装飾印刷、例えば、ステンドグラス調の装飾印刷を施すことも可能である。
【0029】
前記着色層4は、所定の透明度を保持しつつ所定の色に着色印刷されたものであるが、透明度は0%乃至100%の範囲で選択し設定されるものであり、又、着色も白及び黒を含む全カラー色の範囲で選択し設定できるものである。即ち、着色層4の透明性或いは隠蔽性と色調を適宜調節設定して、装飾シート1の外観の透明性或いは隠蔽性と色調をコントロールするものである。透明度0%に於いては、透明性は期待できなくなる。又、着色層4は単色に着色されてもよいが、複数色に着色されてもよく、デザインされて着色されてもよい。例えば、着色層4を色彩の異なる着色ガラス片を繋ぎ合わせたようなステンドグラス調に着色してもよい。
【0030】
前記装飾シート1は、用途によってはそのままで用いることもできるが、主として、後述するように透明板(図示せず)に貼付して用いるものであり、前記第2印刷層5に図示しない透明の粘着層を設け、或いは、透明の接着剤を用いてガラスや、透明の合成樹脂板等に貼付して用いることができる。
【0031】
図2に於いて、11は、第2実施例の装飾シートを示し、装飾シート11は、前記装飾シート(図1に於いて1)の第2印刷層5の表面に透明の粘着層12を塗布又は貼付等により設けたものである。粘着層12によって、装飾シート11は透明板等に貼着することが可能である。尚、図示は省略するが、粘着層12によって第2印刷層5が傷つく虞のある場合は、第2印刷層5上に透明保護膜をコーティングし(図14に於いて装飾シート131参照)、その上に粘着層12を設けても良い。
【0032】
図3に於いて、21は、第3実施例の装飾シートを示し、装飾シート21は、前記装飾シート(図2に於いて11)の粘着層12の表面に離型紙22を貼付したものである。前記装飾シート21は離型紙22によって、搬送等が可能な商品形態となる。
【0033】
図4に於いて、31は、前記装飾シート(図2に於いて11)、又は、前記装飾シート(図3に於いて21)から離型紙(図3に於いて22)を剥離した装飾シート11をガラスや、合成樹脂等の透明板32に貼着した第4実施例の施工構造を示している。
この施工構造31に於いて、透明板32側から透明板32を通して第2印刷層5が見えると共に、一部又は全面が所定の透明度を保持する第2印刷層5を通して着色層4が見える。従って、着色層4の色を重ね合わせて、或いは背景色として、第2印刷層5を視認できる。
尚、第1印刷層3と第2印刷層5とが左右対称の印刷である場合であって、前記着色層4が透明性を有している場合、第1印刷層3は第2印刷層5に重なって見えない状態となるが、透明板32側から斜めに見た場合、着色層4の厚みによって、第2印刷層5と少しずれて第1印刷層3が見えることもある。その少しずれた状態に見えることによって、印刷層に遠近感を感じさせるなど、装飾効果を高めることができる。
そして、前記透明板32及び前記装飾シート11を通して、装飾シート11の裏側の風景も視認できる。
【0034】
一方、前記施工構造31に於いて、透明シート2側から透明シート2を通して第1印刷層3が見えると共に、一部又は全面が所定の透明度を保持する第1印刷層3を通して着色層4が見える。従って、着色層4の色を重ね合わせて、或いは背景色として第1印刷層3を視認できる。
尚、第1印刷層3と第2印刷層5とが左右対称の印刷である場合であって、前記着色層4が透明性を有している場合、第2印刷層5は第1印刷層3に重なって見えない状態となるが、透明シート2側から斜めに見た場合、着色層4の厚みによって、第1印刷層3と少しずれて第2印刷層5が見えることもある。その少しずれた状態に見えることによって、印刷層に遠近感を感じさせるなど、装飾効果を高めることができる。
そして、前記装飾シート11及び前記透明板32を通して、透明板32の裏側の風景も視認できる。
尚、着色層4の透明度を下げ、又は、透明度を0%とし、即ち、隠蔽度を高め、又は、完全に隠蔽すれば、着色層4の裏側の印刷層や、風景は見えにくくなり、或いは、見えなくなる。
又、透明シート2越しに第1印刷層3を見せることにより、前記透明板32越しに第2印刷層5を見せるのと同様な効果が得られ、施工構造31の両側面側から見た外観が近似し、更に、装飾効果を高めることができる。
【0035】
図5に於いて、41は、第5実施例の装飾シートを示し、装飾シート41は、前記装飾シート(図3に於いて21)の第1印刷層3と反対側の透明シート2表面にハードコート層42を塗布又は積層等により備えたものである。ハードコート層42の塗布又は積層等は、装飾シート41を作成する前、予め透明シート2に施されても良く、装飾シート41を作成する過程で施されても良い。
ハードコート層42によって、透明シート2を保護することができる。
尚、図示は省略するが、前記装飾シート1又は11にも同様にハードコート層42を設けることができる。
【0036】
図6に於いて、51は、前記装飾シート(図5に於いて41)から離型紙(図5に於いて22)を剥離した装飾シート52をガラスや、合成樹脂等の透明板32に貼着した第6実施例の施工構造を示している。
この施工構造51に於いて、ハードコート層42によって、透明シート2が保護され、装飾シート52の粘着層12側が透明板32で保護されるため、装飾シート52は両面から保護されることになる。
又、ハードコート層42の光沢面が前記透明板32の光沢と近似する場合には、前記施工構造51に於いて、両側面側から同様の光沢を有する外観が視認でき、更に装飾性を高めることができる。
【0037】
図7に於いて、61は、第7実施例の装飾シートを示し、装飾シート61は、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色された着色シート62と、着色シート62の片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第3印刷層63と、着色シートの他面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第4印刷層64と、透明の接着層65によって第3印刷層63に片面が貼着される透明シート2とを備えたものである。尚、前記接着層65に代えて粘着層(図示せず)としても良く、或いは前記第3印刷層63に接着性のある印刷を施し第3印刷層63を直接透明シート2に接着させても良い。
【0038】
前記着色シート62は、例えばポリエステルフィルムから成る合成樹脂シートの全体又は表面を着色したシートである。
又、前記着色シート62は、所定の透明度を保持しつつ所定の色に着色印刷されたものであるが、透明度は0%から100%の範囲で選択し設定できるものであり、又、着色も白及び黒を含む全カラー色の範囲で選択し設定できるものである。即ち、着色シート62の透明性或いは隠蔽性と色調を適宜調節設定して、装飾シート61の外観の透明性或いは隠蔽性と色調をコントロールするものである。透明度0%に於いては、透明性は期待できなくなる。又、着色シート62は単色に着色されてもよいが、複数色に着色されてもよく、デザインされて着色されてもよい。例えば、着色シート62を色彩の異なる着色ガラス片を繋ぎ合わせたようなステンドグラス調に着色してもよい。
【0039】
又、前記第3印刷層63と第4印刷層64は、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷、例えば、木目調又は石目調の装飾が施された単色又は多色印刷層である。透明度は0%乃至100%の範囲で設定される。木目調又は石目調の装飾が施される場合、前記第3印刷層63と第4印刷層64は左右対称の模様に印刷され、夫々の印刷層側から見たとき、反対側の印刷層が着色シート62を通して完全に重なって1つの印刷層に見えるように印刷されている。
又は、前記第3印刷層63と第4印刷層64とを左右対称とならない模様に印刷し、且つ、前記第3印刷層63と第4印刷層64の柄が干渉して見えないように着色シート62の透明度を下げ、又は、透明度を0%とし、即ち、隠蔽度を高め、又は、完全に隠蔽しても良い。
尚、前記第3印刷層63と第4印刷層64とを左右対称とならない模様に印刷し、且つ、着色シート62に透明性を持たせ、夫々の印刷層側から見たとき、互いに干渉して見えるようにすることで、特殊な装飾効果を得ることも可能である。
更に、前記第3印刷層63と第4印刷層64とにその他の装飾印刷、例えば、ステンドグラス調の装飾印刷を施すことも可能である。
【0040】
前記装飾シート61は、用途によってはそのままで用いることもできるが、主として、透明板(図示せず)に貼付して用いるものであり、前記第4印刷層64に透明の粘着層を設け、或いは、透明の接着剤を用いてガラスや、透明の合成樹脂板に貼付して用いることができる。
【0041】
図8に於いて、71は、第8実施例の装飾シートを示し、装飾シート71は、前記装飾シート(図7に於いて61)の第4印刷層64の表面に粘着層12を塗布又は貼付等により設け、粘着層12の表面に離型紙22を貼付したものである。前記装飾シート71は離型紙22によって、搬送等が可能な商品形態となる。尚、図示は省略するが装飾シート71から離型紙22を除いた装飾シートも考えられる。又、図示は省略するが、粘着層12によって第4印刷層64が傷つく虞のある場合は、第4印刷層64上に透明保護膜をコーティングし(図16に於いて装飾シート151参照)、その上に粘着層12を設けても良い。
【0042】
図9に於いて、81は、前記装飾シート(図8に於いて71)から離型紙(図8に於いて22)を剥離した装飾シート82をガラスや、合成樹脂等の透明板32に貼着した第9実施例の施工構造を示している。
この施工構造81に於いて、透明板32側から透明板32を通して第4印刷層64が見えると共に、一部又は全面が所定の透明度を保持する第4印刷層64を通して着色シート62が見える。従って、着色シート62の色を重ね合わせて、或いは背景色として、第4印刷層64を視認できる。
尚、第3印刷層63と第4印刷層64とが左右対称の印刷である場合であって、前記着色シート62が透明性を有している場合、第3印刷層63は第4印刷層64に重なって見えない状態となるが、透明板32側から斜めに見た場合、着色シート62の厚みによって、第4印刷層64と少しずれて第3印刷層63が見えることもある。その少しずれた状態に見えることによって、印刷層に遠近感を感じさせるなど、装飾効果を高めることができる。
そして、前記透明板32及び前記装飾シート82を通して、装飾シート82の裏側の風景も視認できる。
【0043】
一方、前記施工構造81に於いて、透明シート2側から透明シート2を通して第3印刷層63が見えると共に、一部又は全面が所定の透明度を保持する第3印刷層63を通して着色シート62が見える。従って、着色シート62の色を重ね合わせて、或いは背景色として第3印刷層63を視認できる。
尚、第3印刷層63と第4印刷層64とが左右対称の印刷である場合であって、前記着色シート62が透明性を有している場合、第4印刷層64は第3印刷層63に重なって見えない状態となるが、透明シート2側から斜めに見た場合、着色シート62の厚みによって、第3印刷層63と少しずれて第4印刷層64が見えることもある。その少しずれた状態に見えることによって、印刷層に遠近感を感じさせるなど、装飾効果を高めることができる。
そして、前記装飾シート82及び前記透明板32を通して、透明板32の裏側の風景も視認できる。
尚、着色シート62の透明度を下げ、又は、透明度を0%とし、即ち、隠蔽度を高め、又は、完全に隠蔽すれば、着色シート62の裏側の印刷層や、風景は見えにくくなり、或いは、見えなくなる。
又、透明シート2越しに第3印刷層63を見せることにより、前記透明板32越しに第4印刷層64を見せるのと同様な効果が得られ、施工構造81の両側面側から見た外観が近似し、更に、装飾効果を高めることができる。
【0044】
図10に於いて、91は、第10実施例の装飾シートを示し、装飾シート91は、前記装飾シート(図8に於いて71)の接着層65と反対側の透明シート2の表面にハードコート層42を塗布又は積層等により備えたものである。ハードコート層42の塗布又は積層等は、装飾シート91を作成する前、予め透明シート2に施されても良く、装飾シート91を作成する過程で施されても良い。ハードコート層42の効果については前述したとおりであるので、ここではその説明を省略する。
尚、図示は省略するが、前記装飾シート61にも同様にハードコート層42を設けることができる。
又、図示は省略するが、前記装飾シート91から、離型紙22を除いた装飾シート、又は、離型紙22及び粘着層12を除いた装飾シートも考えられる。
【0045】
図11に於いて、101は、前記装飾シート(図10に於いて91)から離型紙(図10に於いて22)を剥離した装飾シート102をガラスや、合成樹脂等の透明板32に貼着した第11実施例の施工構造を示している。
この施工構造101に於いても、前述した第6施工構造51と略同様の効果が期待できる。
【0046】
図12に於いて、111は、前記施工構造(図4に於いて31)の透明シート2側にも粘着層等の接着層112を介して透明板32を接着した第12実施例の施工構造を示している。この施工構造111に於いても、前記施工構造31と略同様の効果が期待できると共に、両面が透明板32,32となるので、合わせガラスの如き効果も期待できる。
【0047】
図13に於いて、121は、前記施工構造(図9に於いて81)の透明シート2側にも粘着層等の接着層112を介して透明板32を接着した第13実施例の施工構造を示している。この施工構造121に於いても、前記施工構造81(図9参照)と略同様の効果が期待できると共に、両面が透明板32,32となるので、合わせガラスの如き効果も期待できる。
尚、施工構造111,121に於いて、前記透明板32は、前記粘着層12、接着層112に代えて、融着シート(図示せず)によって融着されても良い。
【0048】
図14に於いて、131は、前記装飾シート(図1に於いて1)の第2印刷層5上に透明保護膜132をコーティングした第14実施例の装飾シートを示している。この装飾シート131に於いても、前記装飾シート1と略同様の効果が期待できると共に、次に説明する施工構造(図15に於いて141)に用いることにより合わせガラスの如き効果が期待できる。尚、図示は省略するが、前記装飾シート131の透明シート2の表面にハードコート層42がコーティングされていても良い。
【0049】
図15に於いて、141は、前記装飾シート(図14に於いて131)の両面に熱融着シート等の融着シート142,142を介して透明板32,32を融着(易接補助加工等)した第15実施例の施工構造を示している。この施工構造141に於いても、前記施工構造31(図4参照)と略同様の効果が期待できると共に、装飾シート131の両面が透明板32,32となるので、合わせガラスの如き効果も期待できる。尚、図示は省略するが、前記装飾シート131の透明シート2の表面にハードコート層42がコーティングされていても良い。
【0050】
図16に於いて、151は、前記装飾シート(図7に於いて61)の第4印刷層64上に透明保護膜132をコーティングした第16実施例の装飾シートを示している。この装飾シート151に於いても、前記装飾シート61(図7参照)と略同様の効果が期待できると共に、次に説明する施工構造(図17に於いて161)に用いることにより合わせガラスの如き効果が期待できる。尚、図示は省略するが、前記装飾シート151の透明シート2の表面にハードコート層42がコーティングされていても良い。
【0051】
図17に於いて、161は、前記装飾シート(図16に於いて151)の両面に熱融着シート等の融着シート142,142を介して透明板32,32を融着(易接補助加工等)した第17実施例の施工構造を示している。この施工構造161に於いても、前記施工構造81(図9参照)と略同様の効果が期待できると共に、装飾シート151の両面が透明板32,32となるので、合わせガラスの如き効果も期待できる。尚、図示は省略するが、前記装飾シート151の透明シート2の表面にハードコート層42がコーティングされていても良い。
尚、前記施工構造141、161に於いて、装飾シート131,151の両面に透明板32,32が夫々融着されたが、装飾シート131,151の一方の片面にハードコート層42がコーティングされている場合は、他方の片面のみに透明板32が夫々融着される施工構造としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による第1実施例の装飾シートの断面図である。
【図2】本発明による第2実施例の装飾シートの断面図である。
【図3】本発明による第3実施例の装飾シートの断面図である。
【図4】本発明による第4実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図5】本発明による第5実施例の装飾シートの断面図である。
【図6】本発明による第6実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図7】本発明による第7実施例の装飾シートの断面図である。
【図8】本発明による第8実施例の装飾シートの断面図である。
【図9】本発明による第9実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図10】本発明による第10実施例の装飾シートの断面図である。
【図11】本発明による第11実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図12】本発明による第12実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図13】本発明による第13実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図14】本発明による第14実施例の装飾シートの断面図である。
【図15】本発明による第15実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【図16】本発明による第16実施例の装飾シートの断面図である。
【図17】本発明による第17実施例の装飾シートの施工構造の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1,11,21,41,52,61,71,91,102 装飾シート
131,151 装飾シート
2 透明シート
3 第1印刷層
4 着色層
5 第2印刷層
12 粘着層
31,51,81,101,111,121,141,161 施工構造
32 透明板
42 ハードコート層
62 着色シート
63 第3印刷層
64 第4印刷層
112 接着層
132 透明保護膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明シートと、前記透明シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層と、前記第1印刷層の表面に、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色印刷された着色層と、前記着色層の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層とを備えたことを特徴とする装飾シート。
【請求項2】
前記第1印刷層と前記第2印刷層とは同一模様に印刷されていることを特徴とする請求項1記載の装飾シート。
【請求項3】
選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色された着色シートと、前記着色シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第3印刷層と、前記着色シートの他面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第4印刷層と、前記第3印刷層に片面が貼着される透明シートとを備えたことを特徴とする装飾シート。
【請求項4】
前記第3印刷層と前記第4印刷層とは左右対称の模様に印刷されていることを特徴とする請求項3記載の装飾シート。
【請求項5】
前記透明シートの他面にハードコート層を備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の装飾シート。
【請求項6】
前記第1乃至4印刷層は木目調又は石目調に印刷されることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の装飾シート。
【請求項7】
前記第2印刷層、又は、第4印刷層の表面に粘着層が設けられることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の装飾シート。
【請求項8】
前記第2又は第4印刷層上に透明保護膜をコーティングしたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の装飾シート。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一に記載の装飾シートの片面又は両面が前記粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して透明板に貼着されていることを特徴とする装飾シートの施工構造。
【請求項10】
請求項8記載の装飾シートの片面又は両面が、融着シートを介して透明板に融着されていることを特徴とする装飾シートの施工構造。
【請求項1】
透明シートと、前記透明シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第1印刷層と、前記第1印刷層の表面に、選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色印刷された着色層と、前記着色層の表面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第2印刷層とを備えたことを特徴とする装飾シート。
【請求項2】
前記第1印刷層と前記第2印刷層とは同一模様に印刷されていることを特徴とする請求項1記載の装飾シート。
【請求項3】
選択された所定の透明度を保持しつつ選択された所定の色に着色された着色シートと、前記着色シートの片面に、一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第3印刷層と、前記着色シートの他面に一部又は全面が所定の透明度を保持して装飾印刷された第4印刷層と、前記第3印刷層に片面が貼着される透明シートとを備えたことを特徴とする装飾シート。
【請求項4】
前記第3印刷層と前記第4印刷層とは左右対称の模様に印刷されていることを特徴とする請求項3記載の装飾シート。
【請求項5】
前記透明シートの他面にハードコート層を備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一に記載の装飾シート。
【請求項6】
前記第1乃至4印刷層は木目調又は石目調に印刷されることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一に記載の装飾シート。
【請求項7】
前記第2印刷層、又は、第4印刷層の表面に粘着層が設けられることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の装飾シート。
【請求項8】
前記第2又は第4印刷層上に透明保護膜をコーティングしたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一に記載の装飾シート。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一に記載の装飾シートの片面又は両面が前記粘着層、他の接着層、及び/又は、融着シートを介して透明板に貼着されていることを特徴とする装飾シートの施工構造。
【請求項10】
請求項8記載の装飾シートの片面又は両面が、融着シートを介して透明板に融着されていることを特徴とする装飾シートの施工構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−87153(P2008−87153A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266841(P2006−266841)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(599089837)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(599089837)
【Fターム(参考)】
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