説明

装飾品の製造方法

【課題】真空プレス接着法を採用した場合において、ベース体の設置に治具を用いたときでもベース体表面に装飾シートを好適に接着することのできる装飾品の製造方法を提供すること。
【解決手段】真空プレス接着装置100において、ベース体2に装飾シート3を被せたワーク10を吸引置台121上に配置する際、ベース体2の裏面(凹面)を受ける凸状受け面61を備えた治具6上にワーク10を載置する。ベース体2の裏面22には凸部28が形成されている一方、治具6の凸状受け面61には、ベース体2の凸部28が嵌る凹部68が形成されている。このため、加圧シート111がワーク10に触れる際や、加圧シート111をワーク10に押し付ける際、ワーク10に大きな力が加わっても、治具6上でベース体2が位置ずれすることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース体に対して装飾シートを接着した装飾品の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ベース体に対する装飾シートの接着技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車内の内装パネル、音響機器のパネル、オルゴールのボックス部分、家具のパネル部分等に高級感を付与する方法として、これらの部分を木目模様に仕上げる方法がある。但し、これらの部分に木製品を用いると、木目が奇麗な部分しか使うことができないため、コストが著しく増大してしまう。そこで、真空プレス接着方法により、ベース体の表面に突板シート等の装飾シートを接着する方法が提案されている。
【0003】
かかる真空プレス接着方法では、ベース体の表面に接着剤を介して装飾シートを被せたワークを吸引置台上に配置した状態で、加圧シートを備えたシート側チャンバーを下降させ、加圧シートによりワークを覆った状態で、流体圧により加圧シートを背面側から加圧するとともに、吸引置台を介してワークと加圧シートとの間を減圧する。その結果、加圧シートがワークに押し付けられるので、装飾シートをベース体の表面に密着した状態に貼付することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3145882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、ベース体の底部が平面である場合、ワークは、吸引置台上に安定して載置されるので、シート側チャンバーが下降して加圧シートがワークに押し付けられてもベース体が位置ずれすることはない。また、ベース体の底部が平面である場合、吸引置台を介してワークと加圧シートとの間を減圧した際、ベース体は吸引置台に吸着される。このため、加圧シートがワークに押し付けられた際でもベース体が位置ずれすることはない。それ故、ベース体と装飾シートとの間に位置ずれが発生しないので、装飾シートをベース体の所定位置に貼付することができる。
【0006】
しかしながら、表面が凸面になっていて裏面が凹面になっているような板状のベース体の場合、ワークと吸引置台との接触面積が狭いとともに、加圧シートがワークに押し付けられた際にベース体に横方向の力が加わりやすい。このため、シート側チャンバーが下降して加圧シートがワークに押し付けられた際に吸引置台上でベース体が位置ずれしやすいという問題点がある。また、裏面が凹面になっているような板状のベース体の場合、吸引置台を介してワークと加圧シートとの間を減圧しても、ベース体は吸引置台に吸着されない。このため、吸引置台を介してワークと加圧シートとの間を減圧して加圧シートをワークに押し付けた際、吸引置台上でベース体が位置ずれしやすいという問題点がある。かかる位置ずれは、ベース体上の所定位置に装飾シートを接着できなくなって好ましくない。なお、位置ずれが発生した際、ベース体とともに装飾シートも位置がずれればよいが、加圧シートをワークに押し付ける時点では、接着剤は接着能力を発揮していないとともに、加圧シートと装飾シートとは密着状態にあるため、ベース体のみが位置ずれすることが多い。さらに、裏面が凹面になっているような板状のベース体の場合、ワークと加圧シートとの間を減圧するとともに加圧シートをワークに押し付けた際、ベース体が変形するという問題点もある。
【0007】
ここに本願発明者は、吸引置台上にワークを配置する際、ベース体の裏面を受ける凸状受け面、および平面からなる底部を備えた治具上にワークを載置しておくことを提案するものである。かかる構成によれば、治具は吸引置台上に安定した状態で保持されるとともに、ベース体は治具によって保持されるので、ベース体が位置ずれすることを防止でき、ベース体の所定位置に装飾シートを貼付できるはずである。また、ベース体が変形するのを防止することもできる。
【0008】
しかしながら、治具上にワークを載置すると、ワークが吸引置台からみてより高い位置に配置されることになるため、シート側チャンバーが下降した際に加圧シートがワークに強く押し付けられ、ワークに大きな力が加わることになる。その結果、治具上でベース体が位置ずれし、ベース体上の所定位置に装飾シートを接着できないという事態が発生した。また、治具上にワークを載置した場合、治具は吸引置台に吸着されるが、ベース体は吸引置台に吸着されない。このため、吸引置台を介してワークと加圧シートとの間を減圧して加圧シートをワークに押し付けた際、治具上でベース体が位置ずれし、ベース体上の所定位置に装飾シートを接着できないという事態が発生した。
【0009】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、いわゆる真空プレス接着法を採用した場合において、ベース体の設置に治具を用いたときでもベース体表面に装飾シートを好適に接着することのできる装飾品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では、表面側が凸面で裏面側が凹面になっている板状のベース体の表面に接着剤を介して装飾シートを被せる第1工程と、通気孔が開口する吸引置台上に前記ベース体に前記装飾シートを被せたワークを配置した状態で、加圧シートを備えたシート側チャンバーを下降させて前記加圧シートにより前記ワークを覆った状態で、流体圧により前記加圧シートを該加圧シートの背面側から加圧するとともに、前記通気孔を介して前記吸引置台と前記加圧シートとの間を減圧して、前記装飾シートを前記ベース体の表面に密着した状態に貼り付ける第2工程と、を有し、前記ベース体の裏面に凸部を形成しておき、前記第2工程において前記吸引置台上に前記ワークを配置する際、底部が平面であって前記ベース体の裏面を受ける凸状受け面に前記凸部が嵌る凹部が形成された治具上に前記ワークを載置することを特徴とする。なお、本発明において、治具の底部が平面であるとは、底部全体が平面になっている形態の他、底部の略全体が平面で一部に凹部が形成されている形態も含む意味である。また、シート側チャンバーを下降させるとは、シート側チャンバーを吸引置台に対して相対的に下降させる意味であり、吸引置台が固定でシート側チャンバーが下降する形態、シート側チャンバーが固定で吸引置台が上昇する形態、シート側チャンバーが下降し、吸引置台が上昇する形態のいずれをも含む意味である。
【0011】
本発明では、ベース体に装飾シートを被せたワークを吸引置台上に配置する際、ベース体の裏面(凹面)を受ける凸状受け面を備えた治具上にワークを載置する。この状態で、治具の底部は平面であるため、治具は吸引置台に安定した状態に載置される。従って、シート側チャンバーが下降して、加圧シートがワークや治具に触れてワークや治具に横方向の力が加わっても、吸引置台上で治具が位置ずれすることはない。また、治具の底部は平面であるため、吸引置台を介してワークと加圧シートとの間を減圧した際、治具は吸引置台に吸着される。このため、加圧シートがワークや治具に密着した際にワークや治具に横方向の力が加わっても、吸引置台上で治具が位置ずれすることはない。また、ベース体の裏面には凸部が形成されている一方、治具の凸状受け面には、ベース体の凸部が嵌る凹部が形成されているため、ベース体は治具上に確実に位置決めされている。従って、シート側チャンバーが下降して加圧シートがワークに触れた際や、吸引置台を介してワークと加圧シートとの間を減圧した際、ワークに横方向の力が加わっても、治具上でベース体が位置ずれすることはない。さらに、ベース体が湾曲した板状であっても、治具によってベース体を受けているので、ベース体の変形を防止することができる。
【0012】
本発明において、前記吸引置台には、前記ワークの周りにおいて前記シート側チャンバーに向けて突出して当該シート側チャンバーに当接する枠状スペーサ部が設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、治具を用いたことによってワークが吸引置台からみてより高い位置に配置されることになっても、シート側チャンバーが下降した際に加圧シートによってワークに加わる力を軽減することができる。それ故、治具上でベース体に位置ずれが発生するのをより確実に防止することができるので、ベース体の表面の所定位置に装飾シートを接着することができる等、ベース体表面に装飾シートを好適に接着することができる。
【0013】
本発明において、前記凸部は複数個設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、ベース体が凸部を中心に回って位置ずれすることを防止することができる。
【0014】
本発明において、前記凸部は、板状あるいは角柱状に形成され、前記凹部は、当該凸部と同一形状の穴であることが好ましい。かかる構成によれば、凸部が1個であっても、ベース体が凸部を中心に回って位置ずれすることを防止することができる。
【0015】
本発明において、前記ベース体は、前記吸引置台上に配置された際に真上方向または斜め上方に向いて前記装飾シートが接着されるベース体側第1端部と、前記吸引置台上に配置された際に真横方向または斜め下方向を向いて前記装飾シートが接着されるベース体側第2端部と、を備え、前記治具は、前記ベース体側第1端部が位置する側において当該ベース体側第1端部より外側に張り出す治具側第1端部と、前記ベース体側第2端部が位置する側において当該ベース体側第2端部より内側に凹んだ治具側第2端部と、を備えていることが好ましい。すなわち、ベース体において真上方向または斜め上方に向くベース体側第1端部の側では、治具の端部(治具側第1端部)がベース体側第1端部より外側に張り出す状態とし、ベース体において真横方向または斜め下方に向くベース体側第2端部の側では、治具の端部(治具側第2端部)は、ベース体側第1端部より内側に凹んだ状態とする。かかる構成によれば、ベース体側第1端部の側においては、ベース体側端部と治具側端部に跨がるように加圧シートが上方から被さるので、真上方向や斜め上方から装飾シートをベース体に確実に押し付けることができる。また、ベース体側第2端部の側においては、ベース体側端部に対して加圧シートが確実に回り込むため、真横方向や斜め下方から装飾シートをベース体に確実に押し付けることができる。それ故、ベース体表面には、端部に対しても装飾シートを好適に接着することができる。
【0016】
本発明において、前記ベース体は、前記吸引置台上に配置された際に真上方向または斜め上方に向いて前記装飾シートが接着されるベース体側端部を備え、前記治具は、前記ベース体側端部が位置する側において当該ベース体側端部より外側に張り出す治具側端部を備えている構成を採用してもよい。かかる構成によれば、ベース体側端部と治具側端部に跨がるように加圧シートが上方から被さるので、装飾シートをベース体に確実に押し付けることができる。それ故、ベース体表面には、端部に対しても装飾シートを好適に接着することができる。
【0017】
本発明において、前記ベース体は、前記吸引置台上に配置された際に真横方向または斜め下方向を向いて前記装飾シートが接着されるベース体側端部を備え、前記治具は、前記ベース体側端部が位置する側において当該ベース体側端部より内側に凹んだ治具側端部を備えている構成を採用してもよい。かかる構成によれば、ベース体側端部に対して加圧シートが確実に回り込むため、装飾シートをベース体に確実に押し付けることができる。それ故、ベース体表面には、端部に対しても装飾シートを好適に接着することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、ベース体に装飾シートを被せたワークを吸引置台上に配置する際、ベース体の裏面(凹面)を受ける凸状受け面を備えた治具上にワークを載置する。この状態で、治具の底部は平面であるため、治具は吸引置台に安定した状態に載置される。従って、シート側チャンバーが下降して、加圧シートがワークや治具に触れてワークや治具に横方向の力が加わっても、吸引置台上で治具が位置ずれすることはない。また、治具の底部は平面であるため、吸引置台を介してワークと加圧シートとの間を減圧した際、治具は吸引置台に吸着される。このため、加圧シートがワークや治具に密着した際にワークや治具に横方向の力が加わっても、吸引置台上で治具が位置ずれすることはない。また、ベース体の裏面には凸部が形成されている一方、治具の凸状受け面には、ベース体の凸部が嵌る凹部が形成されているため、ベース体は治具上に確実に位置決めされている。従って、シート側チャンバーが下降して加圧シートがワークに触れた際や、吸引置台を介してワークと加圧シートとの間を減圧した際、ワークに横方向の力が加わっても、治具上でベース体が位置ずれすることはない。さらに、ベース体が湾曲した板状であっても、治具によってベース体を受けているので、ベース体の変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用される装飾品の説明図である。
【図2】本発明に係る装飾品の製造方法に用いた治具の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る装飾品の製造方法、およびかかる製造方法に用いた真空プレス接着装置の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る装飾品の製造方法において加圧シートがワークに被さった状態を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る装飾品の製造方法、およびかかる製造方法に用いた真空プレス接着装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照して、本発明を適用した装飾品の製造方法を説明する。
【0021】
[実施の形態1]
(装飾品の構成)
図1は、本発明が適用される装飾品の説明図であり、図1(a)、(b)、(c)は、装飾品を表面側からみた斜視図、装飾品を裏面側からみた斜視図、および装飾品の断面図である。
【0022】
図1に示す装飾品1は、自動車内の内装パネル、音響機器のパネル、あるいはオルゴールのボックス部分、家具のパネル部分等を構成する部材であり、装飾品1の形状を規定するベース体2と、ベース体2の表面21に接着剤4により接着された装飾シート3とを有している。
【0023】
ベース体2は、表面21側が凸面で裏面22側が凹面になっている板状部材であり、かかるベース体2は、樹脂製あるいは金属製の成形品からなる。ベース体2が金属製の場合、ベース体2としてはアルミニウム製、アルミニウム合金製、マグネシウム製、マグネシウム合金製等の金属製のものを用いことができる。
【0024】
本形態において、ベース体2は、上板部26と、上板部26の外周縁から裏面22側に向けて突出した4枚の側板部27(側板部27a、27b、27c、27d)とを備えている。4枚の側板部27のうち、側板部27aは、上板部26の外周縁から裏面側に斜めに延在し、斜め上向きのベース体側第1端部2aを備えている。また、側板部27bは、上板部26の外周縁から裏面側に延在する途中で屈曲しており、真横方向に向いたベース体側第2端部2bを備えている。
【0025】
装飾シート3は、突板シート等からなり、ベース体2の表面21の側において、上板部26全体および側板部27を覆うように接着剤4により接着されている。また、装飾シート3は、ベース体2において斜め上方に向いたベース体側第1端部2a、およびベース体2において真横方向に向いたベース体側第2端部2bまで接着されており、側板部27全体を覆うように接着剤4により接着されている。
【0026】
本形態において、ベース体2では裏面22側に凸部28が形成されており、かかる凸部28は、ベース体2を成形した際に上板部26の裏面22側にベース体2の本体部分と同時形成されてなる。凸部28は、側板部27と比較すると、かなり低いため、装飾品1が完成した状態で残っていても邪魔になることはない。凸部28については、1個あるいは複数個形成した構成を採用でき、本形態では、円柱状の凸部28が2個、離間した位置に形成されている形態を例示してある。
【0027】
(治具の構成)
図2は、本発明に係る装飾品1の製造方法に用いた治具の説明図であり、図2(a)、(b)は、治具を表面側からみた斜視図、および治具にワークを被せた状態の断面図である。
【0028】
図2に示す治具6は、中実の樹脂製、木製あるいは金属製であり、後述する真空プレス接着法によって、ベース体2の表面21に装飾シート3を接着する際、ベース体2が載置されるのに用いられる。治具6は、平面からなる底部69と、ベース体2の裏面22に形成されている凹面に対応する形状の凸状受け面61とを備えている。凸状受け面61は、ベース体2の上板部26に重なって上板部26の裏面22側を受ける上面部66を備えており、かかる上面部66には、ベース体2の裏面22側に形成した凸部28が各々嵌る2個の凹部68が形成されている。治具6の底部69が平面であるとは、底部69全体が平面になっている構成の他、底部69の略全体が平面で一部に凹部が形成されている場合も含む意味である。本形態では、治具6の底部69の全体が平面になっている構成が採用されている。
【0029】
また、治具6は、上面側にベース体2の側板部27aに重なって側板部27aの裏面22側を受ける側面部67aを備えており、側面部67aは、上面部66の外周縁から斜め下方に延在している。ここで、側面部67aの長さ寸法は、ベース体2の側板部27aの長さ寸法より大である。このため、治具6は、ベース体側第1端部2aが位置する側においてベース体側第1端部2aより外側に寸法d1分だけ張り出す治具側第1端部6aを備えている。
【0030】
また、治具6は、ベース体2の側板部27bに重なって側板部27bの裏面22側を受ける側面部67bを備えている。かかる側面部67bは、側板部27bの形状に対応して、上面部66の外周縁から下方に延在する途中で屈曲しており、真横方向に向いた治具側第2端部6bを備えている。かかる治具側第2端部6bは、ベース体2を治具6の凸状受け部61に載置した際、ベース体側第2端部2bより内側に寸法d2分だけ凹んだ位置にある。
【0031】
(真空プレス接着装置の構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る装飾品1の製造方法、およびかかる製造方法に用いた真空プレス接着装置の説明図であり、図3(a)、(b)、(c)は、ベース体2の表面に接着剤4を介して装飾シート3を被せたワークを真空プレス接着装置の吸引置台上に配置した様子を示す説明図、加圧シートを備えたシート側チャンバーを下降させた後、加圧シートを加圧シートの背面側から加圧した様子を示す説明図、およびワークと加圧シートとの間を減圧する様子を示す説明図である。
【0032】
図3(a)において、真空プレス接着装置100は、シリンダ装置等からなる昇降装置112のロッド113の先端に連結されたシート側チャンバー110と、シート側チャンバー110に対向するように固定されたベース体側チャンバー120とを有している。シート側チャンバー110は、下方開口を塞ぐように張られた加圧シート111を備えている。加圧シート111は、シリコンラバー等のゴム状弾性膜であり、耐熱性および伸縮性を有している。シート側チャンバー110の天井面には1個乃至複数個のヒーター115が設けられている。また、シート側チャンバー110の側面部には、シート側チャンバー110内に空気の供給・排出を行うための給排管116が設けられており、かかる給排管116にはコンプレッサー等の空気供給装置(図示せず)が三方コック等を介して接続されている。空気供給装置は、コンプレッサー等に加えて、供給する空気を加熱する加熱装置を備えており、給排管116を介して、シート側チャンバー110の内部への加熱空気の供給を行う。空気供給装置の加熱装置やヒーター115は、給電量や給電時間等が制御され、その発熱量が制御されるようになっている。
【0033】
ベース体側チャンバー120は、上方が開口する箱形状を有しており、上方開口部には、多数の通気孔123が配列された板状の吸引置台121を有している。ベース体側チャンバー120の側面部には、ベース体側チャンバー120内に対する真空引きおよび空気の供給を行うための給排管126が形成されており、給排管126には真空ポンプ等の空気吸引装置(図示せず)が三方コック等を介して接続されている。従って、給排管126を介して、ベース体側チャンバー120内の減圧や給気を行うことが可能である。
【0034】
(装飾品1の製造方法)
図4は、本発明の実施の形態1に係る装飾品1の製造方法において加圧シート111がワーク10に被さった状態を示す説明図である。
【0035】
図3(a)に示す真空プレス接着装置100を用いて、装飾品1を製造するには、まず、図2(b)に示すように、板状のベース体2の表面に未硬化の接着剤4を介して装飾シート3を被せる第1工程を行う。より具体的には、ベース体2の表面21側にスプレーガン等を用いて液状の接着剤4を塗布した後、装飾シート3を被せ、この状態で装飾シート3の表面をベース体2の表面21に沿って軽くなぞって位置合わせを行う。装飾シート3は例えば、天然木をたとえば0.25mmといった厚さに薄くスライスした突板に対して、不織布あるいは紙等からなる裏面シートを貼着した突板シートであり、ベース体2の大きさに合わせて所定のサイズに切断されている。接着剤4は、熱硬化性あるいは熱可塑性の接着剤であり、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤、メラミン系接着剤、フェノール系接着剤、アクリル系接着剤、シアノ系接着剤等を用いることができる。
【0036】
次に、真空プレス接着装置100において装飾シート3をベース体2に接着する第2工程を行う。より具体的には、まず、図3(a)に示すように、ベース体2の表面21側に装飾シート3を被せたワーク10を真空プレス接着装置100の吸引置台121上に配置する。その際、本形態では、図2(b)に示すように、ワーク10を治具6の凸状受け面61に載置した状態で吸引置台121上に配置する。ここで、治具6の底部69は平面であるため、治具6は吸引置台121上に安定した状態で載置されるとともに、治具6の底部69は、1個乃至複数の通気孔123と重なる。また、ベース体2の凸部28は、治具6の凹部68に嵌った状態にある。また、治具側第1端部6aは、ベース体側第1端部2aが位置する側においてベース体側第1端部2aより外側に張り出している一方、治具側第2端部6bは、ベース体側第2端部2bより内側に凹んだ位置にある。
【0037】
次に、図3(b)に示すように、シート側チャンバー110を吸引置台121に当接するまで下降させ、加圧シート111によりワーク10を覆った状態とする。その間、シート側チャンバー110の内部は常圧に保持されている。
【0038】
次に、空気供給装置は、給排管116を介して、シート側チャンバー110の内部への加熱空気を供給し、加圧シート111をワーク10に押し付ける。
【0039】
次に、空気吸引装置は、給排管126を介してベース体側チャンバー120の内部を真空引きする。その結果、図3(c)に示すように、吸引置台121と加圧シート111との間が通気孔123を介して真空引きされるので、ワーク10と加圧シート111との間が減圧される。従って、加圧シート111は、ワーク10および治具6の形状に沿って変形する。それ故、加圧シート111は、例えば数kg/cm2〜数十kg/cm2の圧力で装飾シート3の表面に密着して装飾シート3をベース体2に向けて均一に加圧するので、装飾シート3は、ベース体2の表面21に均一に押し付けられる。また、治具6は、吸引置台121に吸着された状態となる。
【0040】
その間、シート側チャンバー110の内部は、ヒーター115による加熱や、空気供給装置の加熱装置による空気への加熱により加熱され、ワーク10は、加圧シート111を介して加熱される。従って、接着剤4は、例えば100℃以上の温度にまで加熱される。それ故、接着剤4の流動性が高まるので、装飾シート3は、ベース体2の表面に均等に押し付けられる。それ故、装飾シート3とベース体2とは、数分程度の加圧時間で接着剤4を介して均等に接着される。
【0041】
ここで、図4に示すように、治具6では、治具側第1端部6aが、斜め上向きのベース体側第1端部2aが位置する側においてベース体側第1端部2aより外側に張り出している。このため、加圧シート111は、ベース体側第1端部2aおよび治具側第1端部6aに跨るように上方から密着した状態に被さる。従って、装飾シート3は、ベース体側第1端部2aまで確実に密着した状態に貼付される。また、ベース体側第1端部2aの側では、ベース体側第1端部2aおよび治具側第1端部6aに起因する小さな段部に追従して加圧シート111が変形すればよいので、加圧シート111とベース体側第1端部2aとの間に空気が残りにくい。それ故、装飾シート3は、ベース体側第1端部2aに密着した状態で被さり、装飾シート3にシワ等が発生しにくい。
【0042】
また、治具側第2端部6bは、真横方向に向いたベース体側第2端部2bより内側に凹んでいる。このため、加圧シート111は、ベース体側第2端部2bの下側まで回り込んだ状態でベース体側第2端部2bに対して真横方向から被さる。従って、装飾シート3は、確実にベース体側第2端部2bに密着した状態で貼付される。
【0043】
次に、ベース体側チャンバー120の内部からの真空引きの停止、シート側チャンバー110の内部への空気の供給停止、およびシート側チャンバー110の上昇をこの順に行い、その後、ワーク10を取り出す。
【0044】
しかる後には、装飾シート3の表面に、必要に応じて、天然木の木目を活かすような着色処理を施した後、たとえばウレタン系あるいはポリエステル系の透明なコーティング剤を塗布し、その後、コーティング剤を固化させる。これにより、ワーク10は、ベース体2の表面に木目模様の装飾シート3が接着された装飾品となる。また、必要に応じて、コーティング剤の表面を研磨、バフ磨きを行なえば、ワーク10は、表面に鏡面磨きが施された装飾品となる。
【0045】
このようにして装飾シート3をベース体2の表面21側に接着したワーク10は、表面からは装飾シート3しか見えないので、ベース体2がプラスチック成形品あるいは金属成形品であるかにかかわらず、見栄えのよい木目を付した装飾品1として利用できる。
【0046】
なお、上記実施の形態において、第2工程では、シート側チャンバー110を下降させた後、シート側チャンバー110への空気の供給を開始し、その後、ベース体側チャンバー120の内部からの真空引きを行った。但し、シート側チャンバー110を下降させた後、ベース体側チャンバー120の内部からの真空引きを開始し、その後、シート側チャンバー110への空気の供給を行ってもよい。また、シート側チャンバー110を下降させた後、ベース体側チャンバー120の内部からの真空引きと、シート側チャンバー110への空気の供給とを同時に行ってもよい。
【0047】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ベース体2に装飾シート3を被せたワーク10を吸引置台121上に配置する際、ベース体2の裏面22(凹面)を受ける凸状受け面61を備えた治具6の上にワーク10を載置する。この状態で、治具6の底部69は平面であるため、治具6は吸引置台121に安定した状態に載置される。従って、図3(a)、(b)を参照して説明したように、シート側チャンバー110が下降して、加圧シート111がワーク10や治具6に触れてワーク10や治具6に横方向の力が加わっても、吸引置台121上で治具6が位置ずれすることはない。それ故、治具6につられて、ベース体2が装飾シート3に対して位置ずれすることはない。
【0048】
また、図3(c)を参照して説明したように、吸引置台121を介してワーク10と加圧シート111との間を減圧した際、治具6は吸引置台121に吸着される。このため、加圧シート111がワーク10や治具6に密着した際にワーク10や治具6に横方向の力が加わっても、吸引置台121上で治具6が位置ずれすることはない。それ故、治具6につられて、ベース体2が装飾シート3に対して位置ずれすることはない。
【0049】
また、ベース体2の裏面22には凸部28が形成されている一方、治具6の凸状受け面61には、ベース体2の凸部28が嵌る凹部68が形成されているため、ベース体2は治具6上に確実に位置決めされている。従って、図3(a)、(b)を参照して説明したように、シート側チャンバー110が下降して、加圧シート111がワーク10に触れてワーク10に横方向の力が加わっても、治具6上でベース体2が位置ずれすることはない。それ故、ベース体2が装飾シート3に対して位置ずれすることはない。
【0050】
また、ベース体2と治具6の凹部68とによって、ベース体2が治具6上に確実に位置決めされているため、図3(c)を参照して説明したように、吸引置台121を介してワーク10と加圧シート111との間を減圧して加圧シート111をワーク10に密着させた際にワーク10に横方向の力が加わっても、ベース体2は、吸引置台121に吸着されていなくても治具6上で位置ずれすることがない。それ故、ベース体2が装飾シート3に対して位置ずれすることはない。
【0051】
よって、本形態によれば、ベース体2の表面の所定位置に装飾シート3を接着することができる等、ベース体2の表面21に装飾シート3を好適に接着することができる。また、ベース体2が湾曲した板状であっても、治具6によってベース体2を受けているので、ワーク10と加圧シート111との間を減圧するとともに加圧シート111をワーク10に押し付けた際にベース体2が変形することを防止することができる。
【0052】
また、本形態では、円柱状の凸部28および凹部68を各々、複数個より具体的には2個設けたため、ベース体2が周方向に位置ずれすることを防止することができる。
【0053】
また、治具6は、ベース体2において斜め上方に向くベース体側第1端部2aより外側に張り出す治具側第1端部6aを備えている。このため、ベース体側第1端部2aの側においては、ベース体側第1端部2aと治具側第1端部6aに跨がるように加圧シート111が上方から被さるので、装飾シート3をベース体2に確実に押し付けることができる。また、治具6は、ベース体2において真横方向に向くベース体側第2端部2bより内側に凹む治具側第2端部6bを備えている。このため、ベース体側第2端部2bの側においては、ベース体側第2端部2bに対して加圧シート111が確実に回り込むため、装飾シート3をベース体2に確実に押し付けることができる。それ故、本形態によれば、ベース体2の表面21には、端部に対しても装飾シート3を好適に接着することができる。
【0054】
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係る装飾品1の製造方法、およびかかる製造方法に用いた真空プレス接着装置100の説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの詳細な説明を省略する。
【0055】
図5(a)に示す真空プレス接着装置100は、実施の形態1と同様、昇降装置112のロッド113の先端に連結されたシート側チャンバー110と、シート側チャンバー110に対向するように固定されたベース体側チャンバー120とを有しており、シート側チャンバー110は、下方開口を塞ぐように張られた加圧シート111を備えている。加圧シート111は、シリコンラバー等のゴム状弾性膜であり、耐熱性および伸縮性を有している。ベース体側チャンバー120の天井面には、赤外線もしくは遠赤外線式等の1個乃至複数個のヒーター115が設けられている。ベース体側チャンバー120は、吸引置台121を備えている。
【0056】
このように構成した真空プレス接着装置100においては、実施の形態1と同様、ベース体2の表面21側に装飾シート3を被せたワーク10は、吸引置台121上に配置される。ここで、吸引置台121には、シート側チャンバー110に向けて突出してシート側チャンバー110に当接する枠状スペーサ部128が設けられている。本形態において、枠状スペーサ部128は、吸引置台121の外周端に沿って全周に設けられている。ここで、枠状スペーサ部128は、吸引置台121の一部として構成されている形態を採用できる他、吸引置台121とは別部材を吸引置台121に取り付けた形態を採用することができる。これらいずれの形態を採用した場合も、吸引置台121と枠状スペーサ部128との間には十分な気密が確保されている。また、シート側チャンバー110が下降して枠状スペーサ部128に当接した際、シート側チャンバー110と枠状スペーサ部128との間には十分な気密が確保されている。
【0057】
図5(a)に示す真空プレス接着装置100を用いて、装飾品1を製造する場合も、実施の形態1と同様、図1(c)を参照して説明したように、板状のベース体2の表面に接着剤4を介して装飾シート3を被せる第1工程を行う。
【0058】
次に、真空プレス接着装置100において装飾シート3をベース体2に接着する第2工程を行う。より具体的には、図5(a)に示すように、ベース体2の表面21側に装飾シート3を被せたワーク10を真空プレス接着装置100の吸引置台121上に配置する。その際、本形態では、図2(b)を参照して説明したように、ワーク10を治具6の凸状受け面61に載置した状態で吸引置台121上に配置する。ここで、ベース体2の凸部28は、治具6の凹部68に嵌った状態となる。
【0059】
次に、図5(b)に示すように、シート側チャンバー110を下降させて加圧シート111によりワーク10を覆った状態とした後、シート側チャンバー110の内部に空気を供給し、加圧シート111をワーク10に押し付ける。次に、ベース体側チャンバー120の内部を真空引きし、ワーク10と加圧シート111との間が減圧される。従って、加圧シート111は、ワーク10および治具6の形状に沿って変形する。それ故、装飾シート3は、ベース体2の表面21に均一に押し付けられる。
【0060】
このような工程を行った際、ベース体側チャンバー120には、枠状スペーサ部128が設けられているため、シート側チャンバー110は、実施の形態1に比して、枠状スペーサ部128の高さ寸法分だけ、高い位置で停止する。従って、治具6を用いたことによってワーク10が吸引置台121からみてより高い位置に配置されることになっても、加圧シート111がワーク10に触れる際や、加圧シート111をワーク10に押し付ける際、加圧シート111によってワーク10に加わる力を軽減することができる。それ故、治具6上でベース体2に位置ずれが発生するのをより確実に防止することができるので、ベース体2の表面の所定位置に装飾シート3を接着することができる等、ベース体2の表面21に装飾シート3好適に接着することができる。
【0061】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、円柱状の凸部28を複数個設けるとともに、かかる複数個の凸部28が各々嵌る複数の凹部68を設けたが、1つの凹部68に複数の凸部28が嵌るような構造を採用してもよい。この場合、凹部68については、スリット状あるいは角穴にして、ベース体2が凸部28回りに回転するような位置ずれを防止することが好ましい。
【0062】
また、円柱状の凸部28に代えて、板状あるいは角柱状の凸部28を採用し、かかる凸部28に合わせて、凹部68をスリット状や角穴にする等、凸部28と同一形状の穴にしてもよく、かかる構成によれば、凸部28および凹部68が各々1個であっても、ベース体2が凸部28回りに回転するような位置ずれを防止することができる。
【0063】
上記実施の形態においては、ベース体2が、斜め上方に向いたベース体側第1端部2a、および真横方向に向いたベース体側第2端部2bを備えているため、治具6に対しては、ベース体側第1端部2aより外側に張り出す治具側第1端部6a、およびベース体側第2端部2bより内側に凹んだ治具側第2端部6bの双方を設けた。但し、ベース体2が、斜め上方に向いたベース体側第1端部2a(ベース体側端部)のみを備えている場合、治具6には、ベース体側第1端部2aより外側に張り出す治具側第1端部6a(治具側端部)のみを設けた構成を採用してもよい。また、ベース体2が、真横方向に向いたベース体側第2端部2b(ベース体側端部)のみを備えている場合、治具6には、ベース体側第2端部2bより内側に凹んだ治具側第1端部6b(治具側端部)のみを設けた構成を採用してもよい。
【0064】
上記実施の形態においては、ベース体側第1端部2aが斜め上方に向いている例を説明したが、ベース体側第1端部2aが真上を向いている場合に、治具6に対して、ベース体側第1端部2aより外側に張り出す治具側第1端部6aを設けた構成を採用してもよい。また、上記実施の形態においては、ベース体側第2端部2bが真横方向に向いている例を説明したが、ベース体側第2端部2bが斜め下方を向いている場合に、治具6に対して、ベース体側第2端部2bより内側に凹んだ治具側第2端部6bを設けた構成を採用してもよい。
【0065】
上記実施の形態においては、吸引置台121に1つのワーク10を配置した例を説明したが、吸引置台121に複数のワーク10を配置して複数の装飾品1を同時に形成する場合に本発明を適用してもよい。
【0066】
また、ベース体2のサイズや形状に合わせた装飾シート3を準備する際、ベース体2の角部分に重なる部分にスリットを設け、シワ等が発生することを防止してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 装飾品
2 ベース体
3 装飾シート
2a ベース体側第1端部
2b ベース体側第2端部
4 接着剤
6 治具
6a 治具側第1端部
6b 治具側第2端部
21 ベース体の表面
22 ベース体の裏面
28 凸部
61 凸状受け面
68 凹部
100 真空プレス接着装置
110 シート側チャンバー
111 加圧シート
120 ベース体側チャンバー
121 吸引置台
128 枠状スペーサ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側が凸面で裏面側が凹面になっている板状のベース体の表面に接着剤を介して装飾シートを被せる第1工程と、
通気孔が開口する吸引置台上に前記ベース体に前記装飾シートを被せたワークを配置した状態で、加圧シートを備えたシート側チャンバーを下降させて前記加圧シートにより前記ワークを覆った状態で、流体圧により前記加圧シートを該加圧シートの背面側から加圧するとともに、前記通気孔を介して前記吸引置台と前記加圧シートとの間を減圧して、前記装飾シートを前記ベース体の表面に密着した状態に貼り付ける第2工程と、を有し、
前記ベース体の裏面に凸部を形成しておき、
前記第2工程において前記吸引置台上に前記ワークを配置する際、
底部が平面であって前記ベース体の裏面を受ける凸状受け面に前記凸部が嵌る凹部が形成された治具上に前記ワークを載置することを特徴とする装飾品の製造方法。
【請求項2】
前記吸引置台には、前記ワークの周りにおいて前記シート側チャンバーに向けて突出して当該シート側チャンバーに当接する枠状スペーサ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装飾品の製造方法。
【請求項3】
前記凸部は、複数個設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の装飾品の製造方法。
【請求項4】
前記凸部は、板状あるいは角柱状に形成され、
前記凹部は、当該凸部と同一形状の穴であることを特徴とする請求項1または2に記載の装飾品の製造方法。
【請求項5】
前記ベース体は、前記吸引置台上に配置された際に真上方向または斜め上方に向いて前記装飾シートが接着されるベース体側第1端部と、前記吸引置台上に配置された際に真横方向または斜め下方向を向いて前記装飾シートが接着されるベース体側第2端部と、を備え、
前記治具は、前記ベース体側第1端部が位置する側において当該ベース体側第1端部より外側に張り出す治具側第1端部と、前記ベース体側第2端部が位置する側において当該ベース体側第2端部より内側に凹んだ治具側第2端部と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の装飾品の製造方法。
【請求項6】
前記ベース体は、前記吸引置台上に配置された際に真上方向または斜め上方に向いて前記装飾シートが接着されるベース体側端部を備え、
前記治具は、前記ベース体側端部が位置する側において当該ベース体側端部より外側に張り出す治具側端部を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の装飾品の製造方法。
【請求項7】
前記ベース体は、前記吸引置台上に配置された際に真横方向または斜め下方向を向いて前記装飾シートが接着されるベース体側端部を備え、
前記治具は、前記ベース体側端部が位置する側において当該ベース体側端部より内側に凹んだ治具側端部を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の装飾品の製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−96518(P2012−96518A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248734(P2010−248734)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(593125056)フジゲン株式会社 (5)
【Fターム(参考)】