説明

補助光源付き蛍光ランプ

【課題】ランプ点灯に伴い電極近傍の温度が上昇しても、バッテリー手段が破壊されない補助光源付き蛍光ランプを提供する。
【解決手段】電極が封装され、環状に形成されたガラスバルブ2と;このガラスバルブ2の両端部を覆うように形成された本体部4および少なくともバッテリー手段8aを収容した収容部6を有し、外側に臨むように配設された補助光源7、振動検知手段8bおよびこの振動検知手段8bの検出に応じて前記バッテリー手段8aの電力により前記補助光源7を点灯させる補助光源点灯装置8を有し、電極に接続されてガラスバルブ2から導出するリード線と接続して外面に配設された接続端子3cを有する口金3と;を具備していることを特徴とする。口金3内の温度が上昇しても、従来の口金に比べて放熱効果が優れているため、バッテリー手段8aが温度上昇して破壊されることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地震発生時の振動を検知して補助光源を点灯させる補助光源付き蛍光ランプに
【0002】
関する。
【背景技術】
【0003】
近年、日本国内で大規模な地震が発生し、また今後も大きな地震が各地で発生する可能性が高いと予測されている。大規模地震は昼夜を問わず発生するため、夜間に大規模地震が発生した場合、就寝後の室内は照明装置の消灯によって照度が低くなっているので避難や被害状況の確認等の防災行動を開始するまでに時間がかかってしまう。地震発生後に照明装置を点灯させて照度を確保できれば防災行動を開始できるが、大規模地震によって停電が発生した場合には非常用の携帯式電灯やロウソク等による明かりの確保ができなければ迅速な避難ができないため、被害が拡大するおそれがある。
【0004】
こうした背景から、地震による振動を検出する振動センサおよび照度センサを備え、周囲が一定照度以下のときに地震発生を検出した場合に光源を点灯させる照明装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、口金内部に蓄電池あるいは電力を蓄えておくことのできる電子部品を備えた電気回路を配設し、口金部分にこの電気回路によって点灯する発光ダイオードを備えた蛍光ランプが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−93832号公報(段落番号0012、図1)
【特許文献2】特開2005−122907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、夜間照明装置が消灯していても地震による振動を検出して光源を点灯させるように制御するので、避難や被害状況の確認等の防災行動を速やかに開始することが可能となる。しかしながら、この照明装置は地震の検出によって点灯する光源と通常時に点灯する光源とが同一であるため、地震発生直後であっても通常点灯時の点灯電力が必要となる。したがって、停電時にも通常点灯時と同等の点灯電力を供給可能とする容量の大きな蓄電池が必要である。容量の大きな蓄電池を搭載した場合には、照明装置が大形化するとともに装置の重量も増加するので、取付け場所が制限されるおそれがある。また、地震の検出によって光源を点灯させるには、振動センサ等の制御装置や蓄電池を備えた専用の照明装置を新たに設置する必要がある。したがって、新規照明装置の購入コストが高くなるので、上記従来の照明装置は普及しにくいものであった。
【0007】
また、特許文献2の蛍光ランプは、ランプを消灯した直後またはランプ点灯中に地震などの災害によって停電が発生したときに、口金内部に配設されたバッテリー手段によって発光ダイオードを点灯させることができる。しかし、この従来技術にはランプ消灯中に地震発生などによって停電が発生した場合に発光ダイオードを点灯させる方法が開示されていない。つまり、蛍光ランプに供給される電力がオフの状態で地震発生などによる停電が発生しても、それを検知することができないので、ランプ消灯中は地震やそれに伴う停電に応じて発光ダイオードを点灯させることができない。また、蛍光ランプの口金は点灯中に比較的高温となる電極に近いので、口金内部に収容したバッテリー手段が電極の熱影響を受けやすく、電池機能が損なわれやすい。例えば熱影響によってバッテリー手段が破壊されると、停電等の非常時に発光ダイオードが点灯しないという不具合が発生する。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、地震発生時に振動を検出して所定照度で照明することが可能であり、安価であって取付けが容易であるとともに、ランプ点灯時の熱影響によっても、バッテリー手段の機能が損われることを抑制した補助光源付き蛍光ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の補助光源付き蛍光ランプは、電極が封装され、環状に形成されたガラスバルブと;このガラスバルブの両端部を覆う本体部、前記ガラスバルブの端部同士をその環状の形状に沿って結ぶ仮想空間より外方に突出して本体部に配設された突出部および電極に接続されて前記ガラスバルブから導出するリード線と接続して前記本体部の外面に配設された接続端子を有する口金と; この口金の突出部にバッテリー手段の少なくとも一部が収容され、前記口金の外方方向に光を放射するように前記口金に取付けられた補助光源および前記口金の内部に収容される振動検知手段からなり、この振動検知手段の検出に応じて前記バッテリー手段の電力により前記補助光源を点灯させる補助光源点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【0010】
本請求項および以下の請求項において、用語の定義は以下の説明のとおりである。
【0011】
ガラスバルブは、内部に水銀や希ガス等の放電媒体が封入されて電極によって放電が生起されて内面に形成された蛍光体層の発光によって所定の光を放射するように機能するものである。その形状は円環状、多角形状等が許容される。
【0012】
口金の本体部は、ガラスバルブの端部同士をその環状の形状に沿って結ぶ仮想空間より外側に少なくともバッテリー手段の一部を収容することができるような突出部を備えている。この突出部は本体部の一部が突出するように形成されていてもよいし、本体部と一体的または取り外し可能なように取付けられたものであってもよい。
【0013】
補助光源は、外方に可視光を放射可能に口金外側方向に臨むように口金に取付けられたものであり、ガラスバルブの放電による発光よりも光出力が少ないが、比較的低い電力で点灯可能な小形光源である。例えば、発光ダイオードが最適であるが、上記条件を満足するものであればエレクトロルミネッセンス素子等であってもよい。
【0014】
補助光源点灯装置は振動検知手段およびバッテリー手段を備えており、口金内に直接的または間接的に取付けられて収納されている。補助光源点灯装置は振動検知手段の検出に応じて補助光源をバッテリー手段の電力により点灯させるようにオン・オフ制御する。振動検知手段は、地震の揺れの加速度や振動周波数に応じて地震発生を検出可能なバイブレーションスイッチ等の機械的スイッチ素子または圧電素子等からなり、この素子の検知に応じて検知出力を発生する。この検知出力に応じてバッテリー手段は補助光源に電力供給を開始するように動作する。
【0015】
バッテリー手段は、口金の接続端子に接続されたリード線を介した電力により充電可能な二次電池であってもよいが、二次電池の場合には充電回路が必要となって大形化、高コスト化が商品性に影響を与える場合には、補助光源の点灯用電源として支障のない電力供給が可能なリチウムボタン電池等の一次電池を適用してもよい。バッテリー手段は、その一部がガラスバルブの端部同士をその環状の形状に沿って結ぶように延在する仮想空間より外側に配設されていればよい。なぜなら、この仮想空間の内側の空間は蛍光ランプ点灯中に温度上昇しやすく、バッテリー手段が熱影響を受けてその機能が損なわれやすくなるためである。蛍光ランプ点灯中の熱影響を低減することが可能であれば、バッテリー手段全体をこの仮想空間の外側に配設させる必要はないが、熱影響を低減させる効果はバッテリ手段全体を外側に配設した方が高い。
【0016】
補助光源点灯装置のバッテリー手段以外の構成部品は、ガラスバルブの端部同士をその環状の形状に沿って結ぶように延在する仮想空間より内側の空間に配設してもよいし、この仮想空間よりも外側に配設してもよい。
【0017】
請求項2の補助光源付き蛍光ランプは、前記口金の本体部が、前記ガラスバルブの外径とほぼ同等な内径を有する筒状に形成され、前記突出部が前記本体部から径方向に離間した位置に配設された少なくとも前記バッテリー手段を収容する収容部および前記収容部を支持するように前記本体部と前記収容部との間に設けられた支持部から構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項3の補助光源付き蛍光ランプは、前記口金の突出部は、前記本体部から前記ガラスバルブの環中心に向かって配設されるように前記本体部と一体的に形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4の補助光源付き蛍光ランプは、前記口金の突出部が前記本体部の周囲を回動可能に構成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項5の補助光源付き蛍光ランプは、 前記口金の接続端子が配設される部分の外周面によって形成される空間は略円筒形状であり、前記接続端子に照明器具のランプホルダ付きソケットを取付けることが可能なように形成されていることを特徴とする前記口金の接続端子が配設される部分の外周面は略円筒形状であり、前記接続端子に照明器具のランプホルダ付きソケットを取付けることが可能なように形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項6は、器具本体と;この照明器具本体に取付けられた請求項1ないし5いずれか一に記載の補助光源付き蛍光ランプと;この補助光源付き蛍光ランプを主点灯させる点灯装置と;を具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の補助光源付き蛍光ランプによれば、通常状態においては蛍光ランプが点灯するとともに、地震発生時にはその振動を口金内に収容された補助光源点灯装置の振動検知手段が検出してバッテリー手段の電力により補助光源を点灯させるように動作するので、消灯中または停電であっても防災行動を開始することが可能な最低限の照度を確保することができる。また蛍光ランプの点灯に伴い電極が発熱しても、バッテリー手段をガラスバルブの端部同士をその環状の形状に沿って結ぶ仮想空間より外側に少なくとも一部が位置するように配設したので、バッテリー手段が電極からの熱影響を受けにくく、過度に温度上昇しないためバッテリー手段の機能が損なわれることを抑制することができる。
【0023】
請求項2の補助光源付き蛍光ランプによれば、口金を本体部、収容部および支持部から形成したので、ランプ点灯に伴い電極が発熱し、口金本体内の温度が上昇しても、収容部は支持部によって本体部から径方向に離間されているので、収容部内の温度上昇が確実に抑制される。
【0024】
請求項3の補助光源付き蛍光ランプによれば、口金突出部を形成する収容部および支持部が環中心に向かって一体的に形成されているので、口金を蛍光ランプに装着する製造工程を容易にすることができる。さらに、ガラスバルブが形成する面内に直交する方向に対して、口金本体部よりも突出する部分がほとんどなくなるので、包装箱を高さ寸法を必要以上に大きくする必要がない。
【0025】
請求項4の補助光源付き蛍光ランプによれば、収容部を本体部の長手方向の中心軸を回転軸として、本体部と相対的に回動できるように形成したので、ランプ使用時に収容部を回動させ、任意の位置に配置させることができる。例えば本体部よりも重力方向の下方側に移動させておけば、対流効果によって電極から発生した熱による収容部内の温度上昇をさらに抑制することができる。また、梱包時には収容部を環中心側に移動させておくことで、包装箱の高さ寸法を必要以上に大きくする必要がない。
【0026】
請求項5の補助光源付き蛍光ランプによれば、口金の接続端子が配設される部分の外周面が略円筒形状であり、接続端子を照明器具のホルダ付ソケットに取付けることができるので、従来の照明器具に装着することができる。
【0027】
請求項6によれば、上記補助光源付き蛍光ランプを備えた照明器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0029】
図1は本発明の第1の実施の形態である補助光源付き蛍光ランプを示す正面図、図2は図1の要部拡大斜視図、図3は図1の要部拡大断面図、図4は図1の補助光源付き蛍光ランプの補助光源点灯装置の回路構成を示すブロック図である。
【0030】
環形蛍光ランプ1は環状のガラスバルブ2を有し、このガラスバルブ2内には希ガスおよび水銀からなる放電媒体が封入されるとともに、ガラスバルブ2の内壁面にはアルミナ(Al2O3)微粒子からなる保護膜および3波長発光形の蛍光体からなる蛍光体層が形成されている。ガラスバルブ2の両端には電極としての図示しないフィラメント電極が配設され、ガラスバルブ2の両端間に跨って、両端部を覆うように口金3が配設されている。ここで環形蛍光ランプ1は、32W形であり、ガラスバルブ2の環外径が約299mm、管外径が約29mmで構成されている。口金3は、PBTまたはポリカーボネート等からなる耐熱合成樹脂部材で成形されており、中空円筒形状の本体部4および本体部4から環中心に向かって突出するように一体的に形成された突出部から構成されている。突出部は本体部4の両端部から一体的に形成された一対の支持部5、5および一対の支持部5、5を介して本体部4に支持された収容部6からなる。支持部5は、本体部4から収容部6を口金外径方向に離間させるとともに、本体部4の熱が収容部6に伝わりにくくして収容部6内の温度が上昇することを抑制するようにも機能する。また収容部6および支持部5を形成することによって、口金3の表面積が増大するので従来の口金に比べて放熱効果が優れている。なお支持部5の内部には空間が存在せず、本体部4および収容部6の内部空間同士が連通していないので断熱性はさらに高くなり、収容部4の内部空間の温度上昇が一層抑制されている。また、口金3の外面には電極に電気的に接続された4本の口金ピン3cおよび電源を手動でオン・オフ制御することができる電源開閉手段3dの制御部3eが突設されている。
【0031】
本体部4は、ガラスバルブ2に連続する円環形状の一部を形成するように僅かに弧をなすほぼ円筒状に形成されている。本体部4の内側には、点線aで示すようにガラスバルブ2の端部同士をその環状の形状に沿って結ぶように延在する仮想空間aが存在しており、収容部6は仮想空間aよりも本体部4の中心から見て外側に位置している。
【0032】
収容部6には、外面から外方に臨むように3個の補助光源7・・・7が配設されている。この補助光源7は砲弾形の樹脂レンズでモールドされた白色発光ダイオード7から構成されている。また、収容部6にはこの補助光源7を点灯させる補助光源点灯装置8が収容されている。この補助光源点灯装置8は、電源開閉手段3dを備えており、電源開閉手段3dの制御部3eの操作によって補助光源点灯装置8の電源を手動でオン・オフ制御できるように構成されている。この電源開閉手段3dによって、少なくともランプ使用開始前にこの電源開閉手段3dをオフにしておけば、輸送時などの振動によって補助光源7が点灯する誤動作を防止することができ、またランプの使用時以外での待機電流の消費を抑えることができる。
【0033】
図2および図3に示すように、口金3は中央長手方向に沿った面を境に第1の分割体3aおよび第2の分割体3bに分割されている。すなわち、第1の分割体3aと第2の分割体3bとが相互に当接するように組み合わされ、所定の嵌合手段によって結合されることによって本体部4、支持部5および収容部6が形成される。
【0034】
第1の分割体3aの本体部4側の外面には、蛍光ランプ1の電極に図示しないリード線を介して電気的に接続された4本の口金ピン3cが突設されるとともに、第2の分割体3bの収容部6側には補助光源7が配設され、収容部6に収容された補助光源点灯装置8と電気的に接続されている。また、このとき補助光源7は蛍光ランプ1の被照射面側(図3の図面向かって下側)に設けられている。収容部6が本体部4から一対の支持部5、5を介して口金3の本体部4から離間するように構成されているので、口金ピン3cに照明器具のホルダ付きソケット9を接続しても、ホルダ付きソケット9と収容部6とが当接することがない。さらに本実施形態によるランプの組み立ては、第1の分割体3bをガラスバルブの端部に取付けるとともに、第1の分割体3bに口金ピン3cを取り付け、第2の分割体3bの収容部6側に補助光源7および補助光源点灯装置8を配設したのち、第1の分割体3bに第2の分割体3bを組合せる工程で行うことができる。このため従来と同様の工程でランプ組み立てを行うことができる。
【0035】
図4に示すように、補助光源点灯装置8は、リチウムボタン電池からなるバッテリー手段8a、バイブレーションスイッチからなる振動検知手段8b、C−R時定数回路とIC回路とからなるタイマー回路8c、トランジスタ等からなるスイッチ手段8dおよび電源開閉手段3dから構成されている。補助光源点灯装置8は、バッテリー手段8aを含む各構成部品を基板実装してユニット化されており、収容部6の内部に取付けられている。補助光源7は補助光源点灯装置8のバッテリー手段8aとスイッチ手段8dを介して接続されており、このスイッチ手段8dのオン・オフ動作はタイマー回路8cの出力によって制御される。なお、このスイッチ手段8dには半導体スイッチ、リレースイッチなどが用いられるが、これらのスイッチを動作させるためには待機電流が必要となる。また、振動検知手段にも待機電流が必要となる場合がある。このため、振動検知手段8bが機械式、電動式のいずれであっても、補助光源点灯装置8はバッテリー手段8aから供給される待機電流が必要となる。
【0036】
第1の実施形態の補助光源付き環形蛍光ランプ1によれば、バッテリー手段8aを、収容部6に収容してバッテリー手段8a全体を仮想空間aよりも外側に配設しているので、ランプ点灯に伴い主に電極から発生する熱によってバッテリー手段8aの温度が過度に上昇することがなくバッテリー手段8aのバッテリー機能が損なわれるという不具合発生を抑制することができる。蛍光ランプの点灯中は、本体部4内部の温度が80℃〜100℃まで上昇し、特にランプの寿命末期時においては電極が異常発熱し、口金本体部4の内部温度が200〜300℃まで上昇することがある。通常バッテリー手段の耐熱温度は高くても120℃程度までであり、これ以上温度上昇するとバッテリー手段8aが液漏れ、発火、容量の低下などの不具合を起こし、バッテリー機能を損なう可能性がある。しかし、少なくともバッテリー手段8aの一部が仮想空間aよりも外側に配設されていると、環形蛍光ランプ1の点灯にともない電極の温度が上昇しても、バッテリー手段8aの温度上昇を抑制することができる。特に本実施形態に示すように、バッテリー手段8a全体が仮想空間aよりも外側に配設されていると電極から発生した熱によるバッテリー手段8aの温度上昇を一層抑制することができる。
【0037】
また地震発生時の振動を検知して停電時であっても補助光源7が点灯するよう構成したので、防災行動を開始することが可能な最低限の照度を確保することができる。さらに、口金ピン3cにホルダ付きソケット9を接続しても、本体部4と収容部6とが支持部5を介して配設されており、ホルダ付きソケット9が収容部6と当接することがなく、本体部4の断面が略円形状なので、従来の照明器具に使用することができる。さらにまた、収容部6は環中心方向に向かって延在しているので、被照射面方向に対して口金本体部4よりも突出する部分がなく、従来の包装箱を使用することができる。
【0038】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
【0039】
図5は、本発明の第2の実施の形態である補助光源付き蛍光ランプを示す正面図、図6は図5の要部拡大斜視図、図7は図5の要部拡大断面図である。本実施形態は第1の実施形態の口金の構成を変更したものであり、その他の構成は第1の実施形態と同一であるので、共通する部分の説明は省略する。
【0040】
図5および図6に示すように、環形蛍光ランプ11は、環状のガラスバルブ12の端部にまたがって口金13が取付けられている。口金13は、中空円筒形状の本体部14および本体部14から突出するように別体で取り付けられた一対の支持部を有する収容部15から構成される。本体部14および収容部15には図示しない回動機構が設けられており、収容部15はガラスバルブ12の中心軸とほぼ同じ高さに位置する回転軸を中心として、本体部14と相対的に回動するように取り付けられている。
【0041】
本体部14は、ガラスバルブ12の円環形状に連続して環状の一部をなすため僅かに弧をなし、ほぼ円筒状に形成されている。また、外面から外方に臨むように補助光源7・・・7が配設されており、実施例1における補助光源点灯装置8からバッテリー手段8aを除いた補助光源点灯装置17が収容されている。補助光源7・・・7は、砲弾形の樹脂レンズでモールドされた3個の白色発光ダイオード6から構成されており、本体部14の外側の長手方向に一列に配列されている。
【0042】
収容部15には、バッテリー手段8aが収容されており、補助光源点灯装置17と図示しない接続手段で電気的に接続されている。接続手段としては、導電性の線で接続したものであってもよいし、導通部同士が摺接するように電気接続されたものであってもよい。
【0043】
本体部14および収容部15は、中央長手方向に沿った面を境にそれぞれ2つに分割されており、本体部14を構成する半円筒状の第1の分割体14aと第2の分割体14b、および収容部15を構成する第3の分割体15aと第4の分割体15bをなしている。それぞれが回動機構としての凹部を有する第1の分割体14aと第2の分割体14bは、相互に当接するように組み合わされ、第1の分割体14aおよび第2の分割体14bは図示しない嵌合手段によって位置決めされ、1本のネジで結合されている。このとき、口金13の外面の両端部にはそれぞれ外周を一周するように図示しない凹部が形成されている。また、第1の分割体14aの外面には、電極に電気的に接続された4本の口金ピン14cが突設されるとともに、第2の分割体14bには補助光源7・・・7が配設される。第3の分割体15aおよび第4の分割体15bは、本体部14に形成された凹部によって位置決めされ、第3の分割体15aおよび第4の分割体15bは当接するように組み合わされ、それぞれに形成された図示しない嵌合手段によって組み合わされる。このとき、収容部15には、凹部の外周部を覆うように回動機構としての支持部が形成され、この凹部および支持部からなる回動機構によって、収容部15は本体部14の周りを回動するように構成されている。
【0044】
図7に示すように、収容部15が本体部14と別体で形成されて、本体部14と収容部15との間に一部空間が設けられているので、接続ピン14cに照明器具のソケット9を接続しても、ソケット9と収容部14とが当接することがなく、本体部14の断面が略円形状なので、従来の照明器具に使用することができる。
【0045】
第2の実施形態の補助光源付き環形蛍光ランプ11によれば、地震発生時の振動を検知して停電時であっても補助光源7が点灯するよう構成したので、防災行動を開始することが可能な最低限の照度を確保することができるとともに、従来の蛍光ランプの大きさのままで取付けが容易であり、かつ安価な地震対策用の蛍光ランプを提供することができる。また、口金13には収容部15が設けられており、この収容部15にバッテリー手段8aが収容されているので、蛍光ランプの点灯にともない電極の温度が上昇しても、電極とバッテリー手段8aとの距離が比較的離れているため、バッテリー手段8aが熱によって破壊されることがない。さらにまた、収容部15は本体部14と相対的に回動するように構成されているので、口金13の本体部14に対して下側に配設させることができる。通常発生した熱は対流によって上側に移動するが、バッテリー手段8aを収容した収容部6を下側に移動させておくと、熱の影響を受けにくくすることができる。ここで下側とは環形蛍光ランプ11の被照射方向を意味する。さらにまた、収容部15を回動できるようにしたので、蛍光ランプ11を照明器具に設置したときに、収容部15の位置を調整することで、収容部15が照明器具と当接せず、さらに補助光源7・・・7から照射される光を遮断しないようにすることができる。さらにまた、環径の異なる蛍光ランプを複数設置することができる照明器具であっても、収容部15を回動させることによって、収容部15と環径が異なる他の蛍光ランプとが当接することを防ぐことができるので、使用環境が制限されることがない。さらにまた、梱包時に収容部15を蛍光ランプ11の環中心側に回動させておけば、ガラスバルブ12が形成する面上に直交する方向に対して、口金本体部14よりも突出する部分がなくなるので、包装箱を新たに設計する必要がなく、従来の包装箱を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態である補助光源付き蛍光ランプを示す正面図。
【図2】図1の要部拡大斜視図。
【図3】図1の要部拡大断面図。
【図4】図1の補助光源付き蛍光ランプの補助光源点灯手段の回路構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2の実施の形態である補助光源付き蛍光ランプを示す正面図。
【図6】図5の要部拡大斜視図。
【図7】図5の要部拡大断面図。
【符号の説明】
【0047】
1、11・・・環形蛍光ランプ、2、12・・・ガラスバルブ、3、13・・・口金、3c、14c・・・接続端子としての接続ピン、7・・・補助光源、8、17・・・補助光源点灯装置、8a・・・バッテリー手段、8b・・・振動検知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極が封装され、環状に形成されたガラスバルブと;
このガラスバルブの両端部を覆う本体部、前記ガラスバルブの端部同士をその環状の形状に沿って結ぶ仮想空間より外方に突出して本体部に配設された突出部および電極に接続されて前記ガラスバルブから導出するリード線と接続して前記本体部の外面に配設された接続端子を有する口金と;
この口金の突出部にバッテリー手段の少なくとも一部が収容され、前記口金の外方方向に光を放射するように前記口金に取付けられた補助光源および前記口金の内部に収容される振動検知手段からなり、この振動検知手段の検出に応じて前記バッテリー手段の電力により前記補助光源を点灯させる補助光源点灯装置と;
を具備していることを特徴とする補助光源付き蛍光ランプ。
【請求項2】
前記口金の本体部が、前記ガラスバルブの外径とほぼ同等な内径を有する筒状に形成され、前記突出部が前記本体部から径方向に離間した位置に配設された少なくとも前記バッテリー手段を収容する収容部および前記収容部を支持するように前記本体部と前記収容部との間に設けられた支持部から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の補助光源付き蛍光ランプ。
【請求項3】
前記口金の突出部は、前記本体部から前記ガラスバルブの環中心に向かって配設されるように前記本体部と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の補助光源付き蛍光ランプ。
【請求項4】
前記口金の突出部は、前記本体部の周囲を回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の補助光源付き蛍光ランプ。
【請求項5】
前記口金の接続端子が配設される部分の外周面によって形成される空間は略円筒形状であり、前記接続端子に照明器具のランプホルダ付きソケットを取付けることが可能なように形成されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一に記載の補助光源付き蛍光ランプ。
【請求項6】
器具本体と;
この照明器具本体に取付けられた請求項1ないし5いずれか一に記載の補助光源付き蛍光ランプと;
この補助光源付き蛍光ランプを主点灯させる点灯装置と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−213917(P2007−213917A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31119(P2006−31119)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】