説明

製剤

マイクロカプセル自体が
(a) ポリマーシェル;及び
(b) 25℃以上の融点を有するが、ガラス転移温度を示さない疎水性材料中に固体として分散することを特徴とする、25℃以上の融点を有する農薬を含むコアを含むマイクロカプセル製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的に活性である化合物を含む新規のマイクロカプセル、並びにかかるマイクロカプセルの調製方法及び使用方法に関する。特に本発明は、マイクロカプセル自体が
(a) ポリマーシェル;及び
(b) 25℃超の融点を有する農薬を含むコアであって、当該農薬が25℃以上の融点を有するが、ガラス転移温度を示さない疎水性材料中に固体として分散することを特徴するコアを含むマイクロカプセルを含んで成る製品に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロカプセル技術は、長年に渡り存在している。マイクロカプセルは、特に染料、インク、化学試薬、薬剤、香味物質、及びより詳細には殺真菌剤、殺バクテリア剤、殺昆虫剤、除草剤等の農薬を含む多様な用途を有する。
【0003】
農薬のマイクロカプセル製剤は、作物保護及び業務用小売製品の広範な適用において活用され、また葉面噴霧、土壌適用及び種子処理等の多様な方法を介して適用され得る。かかる製剤は、所望される期間の制御された農薬の放出速度を可能にし、並びに殺シロアリ剤、残留噴霧、芝処理及び(特に)種子処理剤として雑草、真菌または昆虫制御への応用を見出す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商業使用における農薬製品は、土壌からの流出及び浸出(地下水汚染を導き得る)、雨曝(rainfastness)及び種子からの洗い流しを含む製剤の有効性の減少をもたらすさまざまな環境因子に曝される。水溶性活性化合物は、特にかかる損害に対し影響を受けやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のマイクロカプセルは、生物学的に活性である化合物が殺虫剤(農薬)である場合に当該固体水溶性の生物学的に活性である化合物の放出速度を制御するのに有用であり、且つ特に水が存在する場合の任意の媒体への放出、例えば土壌への殺虫剤的に活性な化合物の放出を制御するのに有用である。さらに当該マイクロカプセルは、大雨または過剰なかんがいによる高い水分含有量を有する土壌への水溶性の殺虫剤的に活性な化合物の放出を制御するのに特に有用である。さらなる利点は、かかる製品は、大雨またはかんがいによるより低い土壌レベルに対して浸出する水溶性製品の量を減じることもできることである。
【0006】
かかる使用は、土壌における製品の性能を拡張すべく、野菜作物において殺昆虫剤を使用するための作物保護における当該製品の適用;シロアリ制御等の特定の市場部門における徐放特徴を提供すべく、かかる製品の使用;顆粒として肥料と一緒に製剤化される場合、または適切な適用方法によって芝に直接適用され、後に高いかんがいレベルに曝される場合(一般にゴルフ場に取り入れられている)に、芝の上での性能期間を増加すべく、かかる製品の使用;種子の効果的なコーティングを提供すべく播種前に適用される場合、及び適切な不活性物質と組み合わされる場合に種子を保護するためのかかる製品の使用;及び長期持続的な沈着が要求される場所により長期持続的な残留沈着物を提供すべく、かかる製品の使用を含み得る。
【0007】
いくつかの技術がマイクロカプセルの製造において有用であることが一般に知られている(例えば"Controlled Delivery of Crop Protection Agents"の第4章、Taylor及びFrancis、ロンドン1990に発表されている)。農薬のカプセル化に特に有用なかかる技術の一つは界面重合であり、一般にここでのマイクロカプセル壁は、好適には2相間(一般的には水性相と水不混和性有機相)の界面で起こる重合反応によって生産される重合材料の形状を成す。したがってそれらは、油中の水エマルションまたはより一般的には水中の油エマルションから生産され得る。
【0008】
有機溶媒中で固体の生物学的に活性である化合物または液体の生物学的に活性である化合物の懸濁物を含む有機相中のマイクロカプセルは公知である(例えば本明細書中に参照としてその内容が完全に組み入れられている特許文献WO 95/13698、EP 0730406、US 5993842及びUS 6015571に発表されている)。
【0009】
水溶性の生物学的に活性である化合物をマイクロカプセル化するための方法もまた公知であるが、ここでの生物学的に活性である化合物は、一般にカプセル化に先立ち、水または水混和性溶媒に溶解される。
【0010】
実質的に水不混和性相中で分散する固体の農薬化合物をカプセル化することが可能であることがここに見出された。当該農薬は、25℃以上の融点を有するが、ガラス転移温度を示さない疎水性材料中で分散する。
【0011】
我々の同時係属中の出願(本願と同一の特許出願から優先権を主張する)における拡散極限構造において分散した農薬を有するものと同様な効果を生み出す一つの特定の方法は、少なくとも部分的に固体のマトリックスを生み出すことであり、当該農薬はより効率的に保有される。この特別な場合において、当該(非連続的)マトリックスは、水中の油エマルションの界面重合を介して形成され、当該固体水溶性の生物学的に活性である材料は、油中に分散される。驚くべきことに、先行技術において一般に教示されるように界面を制限することよりもむしろ本発明において前記界面重合を行うことのほうが、マイクロカプセルの至るところに分布されるポリマー(非連続的)マトリックスの形成をもたらす。
【0012】
水中の油エマルションの界面重合によって形成されるマイクロカプセル中の固体粒子の懸濁物の功を奏するカプセル化のために、克服しなければならないいくつかの問題が存在する。
【0013】
第一に実質的に水不混和性液体において固体の安定な懸濁物を生み出さなければならない。分散剤または界面活性剤が使用されるならば、それらはマイクロカプセルを作製する中で用いられる任意の更なる分散工程を妨げてはならない。
【0014】
第二に当該懸濁物は、安定した、良好に分散した小滴を生み出すために水の中で分散されなければならない。生物学的に活性である物質に関して、得られたマイクロカプセルが高い表面積を示すために水中で分散した非常に小さい液滴を有することが好適である。非常に小さい小滴を生み出すために、当該小滴を破壊し及び/または懸濁物由来の固体を放出する傾向にある高いせん断力が要求される。界面活性剤は、一般に良好な分散と安定な小滴を達成するために要求される。
【0015】
第三に1種以上の界面活性剤の存在は、分散した小滴系を不安定にし、且つ位相反転の現象を惹起し得る。すなわち水が液体;油中の水エマルション中に小滴を形成する。
【0016】
第四に水不混和性液体中で懸濁した固体は、特に乳化界面活性剤が使用される場合に水性相に移動しやすい。
【0017】
これらの後者の3つの問題点は、水溶性の生物学的に活性である化合物のカプセル化のためによりいっそう克服が試みられており、そして水不溶性化合物の懸濁物をカプセル化するための改変は、特許文献WO 95/13698、EP 0730406、US 5993842、US 6015571、US 2003/0119675及びJP 2000247821において開示された手順に要求されていることが見出されている。
【0018】
少なくとも部分的に固体であり、且つマイクロカプセルの至るところに分布される(非連続的)マトリックス中に分散した固体水溶性である生物学的に活性である化合物を含むマイクロカプセルを生み出すことが可能であることがここに見出された。さらに当該生物学的に活性である化合物の放出速度を極端に広い範囲で変化させることができ;驚くべきことに当該化合物が水溶性であるにもかかわらず水性媒体中への非常に遅い放出速度を可能にすることが見出された。これはかかる技術を利用する製品に有用な利益を与える。
【0019】
前記マイクロカプセルを形成するために非常に適した技術の一つは、水中の油エマルションを介する界面重合であり;驚くべきことにこれは先行技術において一般に教示されるように界面を制限することよりもむしろマイクロカプセルの至るところに分布されるポリマー(非連続的)マトリックスの形成をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
当該マイクロカプセルは、以下の方法論を用いて生産され得る:
ステップ1−固体水溶性の生物学的に活性である化合物を粉砕工程によって適切に要求される粒子径で生産する。固体の適切な体積中央粒子径(VMD)は0.01〜50μmであり;より適切には下限が0.5μmであり、またさらにより適切には下限が1.Oμmであり;より適切には上限が10μmであり、またより適切には上限が5μmである。
【0021】
ステップ2−固体水溶性の生物学的に活性である化合物を実質的に水不混和性の液体に懸濁させる。当該液体は、好適には固体に対して貧溶媒である。すなわち当該液体は当該固体を有意量で溶解させないだろう。
【0022】
当該液体は、好適には当該液体中で当該固体を保持することができる分散剤を含有するが、懸濁物が水の中に分散する場合は水の中に当該固体が抽出されることを許容しない。さらに当該懸濁物が水に付加される場合は、当該分散剤は、位相反転が起こることを許容してはならない。
【0023】
或いは、ステップ1及び2の手順は、固体水溶性の生物学的に活性である化合物が実質的に水不混和性の液体中に懸濁された後に、当該化合物の粒子径を減じるべく粉砕工程を実行することによって変化させてよい(媒体粉砕(media milling))。
【0024】
ステップ3−水性相中の有機相の物理的分散を調製する。適切な分散を得るために、有機相を撹拌しながら水性相に付加する。適切な分散手段は、水性相中に有機相を分散させることが採用される。分散工程及び分散器具の選定は、生産されるエマルション(及び最終製品)の所望される粒子径によって決まるだろう。適切な分散の手段の一つは、典型的に小さいもの(<10ミクロンのVMD製品)については高せん断ローター/ステータ装置(laboratory Silverson(商標)マシーン等)であるが、他の手段は、Cowles(商標)溶解槽、大きい粒子径については単純混合装置及びより高圧均質化機器等が採用され得る。かかる機器の選定は、当業者の知識の範囲内にある。適切な手段は、約1〜約200μm;適切には約1〜150μm;より適切には約1〜約50μm;及び最適には約3〜約50μmのVMDの範囲内にある所望される小滴径(及び対応のマイクロカプセル粒子径)を得るような任意の高せん断装置であり得る。一度、所望される小滴径が得られたならば、分散手段は停止される。残りの工程に関しては穏やかな撹拌のみが要求される。有機相は、実質的に水不混和性液体中に懸濁した固体水溶性の生物学的に活性である化合物を含み、上記のステップ1及び2において発表されたようにカプセル化され調製される。水性相は、水並びに少なくとも1種の乳化剤及び/または保護コロイドを含む。
【0025】
明らかに固体水溶性の生物学的に活性である化合物の粒子径とマイクロカプセルの粒子径との間に関連性が存在するので、当該生物学的に活性である化合物の放出速度の制御を得るために、本化合物の粒子径対当該マイクロカプセルの粒子径のVMD比率は、典型的に1:5の値;適切には1:3〜1:100の範囲内;より適切には1:5〜1:20の範囲内にあるだろう。
【0026】
当該マイクロカプセルを得るために、有機相及び/または水性相は、ポリマーを形成するために反応することができる1種以上の材料を含まなければならない。一つの好適な態様では、有機相は少なくとも1種のジイソシアネート及び/またはポリイソシアネートを含み、他方水性相は、少なくとも1種のジアミン及び/またはポリアミンを含む。少なくとも1種のジアミン及び/またはポリアミンが水性相に含まれる場合においては、上記ステップ3において発表したような水中の油エマルションの形成後に本成分が水性相に付加される。
【0027】
ステップ4−少なくとも1種のジアミン及び/またはポリアミンが、穏やかな撹拌を維持しながら水性相を通して水中の油エマルションに付加される。撹拌は、(非連続的)マトリックスの形成が完全になるまで典型的に30分〜3時間継続する。反応温度は、一般に約20℃〜約60℃の範囲内である。およそ当モル量のイソシアネート基及びアミノ基が存在する場合における反応温度は、好適には約20℃〜約40℃、及びより好適には約20℃〜約30℃である。過剰なイソシアネート基が存在する場合における反応温度は、好適には約30℃〜約60℃、及びさらにより好適には約4O℃〜約50℃である。60℃以上の温度と組み合せた3時間超の反応時間は推奨されない。かかる条件は水不溶性化合物の懸濁物のカプセル化に利用されてきた(US 2003/0119675及びJP 2000247821)が、かかる条件は乏しいカプセル化効率をもたらす(活性化合物の水溶性は温度上昇と共に上昇し、過剰量の水性相に移動している活性化合物をもたらす)ので、本発明のマイクロカプセル製剤に適していないことが見出された。
【0028】
(非連続的)マトリックスを形成するために、以下の多くの他のマイクロカプセル化技術が可能である。
【0029】
(i)モノマーが分散相中に存在し、且つ(非連続的)マトリックスを形成するために重合化を引き起こすマイクロカプセルの調製。かかるモノマーは本質的に水不混和性であるべきであり、そして典型的にビニル反応性モノマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸のCl-C16アルキルエステル(アクリル酸エチルヘキシル及びメタクリル酸エチルヘキシル等)を含む。架橋はメタクリル酸グリシジル等の適切なアクリル酸塩またはメタクリル酸塩モノマーの選定によっても導入され得る。
【0030】
(ii)固体水溶性の生物学的に活性である化合物が液体中に分散し、ある試薬が溶解し、且つ当該液体及び試薬が反応して(非連続的)マトリックスの形成をもたらすマイクロカプセルの調製。かかる効果は、ポリウレタンの生産に要求されるような2つの反応性物質によって達成され得る。これらは有機液体溶解性ポリオールを含み、適切なイソシアネートと反応する。イソシアネート反応性物質が十分な官能性を有しているならば、ポリオールはたった一つの重合可能なヒドロキシル基を含み得る。多くの化学者は、アルコール及びアルコキシ化工程に由来する界面活性剤製品(エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドまたはそれらの混合物を含む)を含み適格とする。イソシアネートが官能性をほとんど有しないならば、または高度の架橋が(非連続的)マトリックスの中で所望される場合は、ポリオール成分は、平均で分子あたり2つ以上の重合可能なOH(ヒドロキシル)基化合物を含んでよく、適切には2個以上のヒドロキシル基を含む。重合可能なヒドロキシル官能性化合物は、脂肪族及び/または芳香族化合物であり得る。重合可能なヒドロキシル官能性化合物は、直鎖、環状、融合、及び/または分岐であり得る。特に重合可能なヒドロキシル官能性化合物は、少なくとも1種のジオール、少なくとも1種のトリオール、及び/または少なくとも1種のテトラオールを含む。任意のこれらのポリオール化合物は、所望されるようにモノマー、オリゴマー及び/またはポリマー性であり得る。 オリゴマー及び/またはポリマー性の場合は、ポリオールは1種以上のヒドロキシル官能性ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリル、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミン、ポリ尿素、ポリスルホン、それらの組み合せ等から選定され得る。ポリアルキレンエーテル及びポリエステルポリオール等のポリエーテルポリオールもまた適切であり、そしてそれらは比較的に低価格で商業的に入手可能であり、また加水分解に安定である。
【0031】
適切なポリアルキレンエーテルポリオールは、ポリ(アルキレンオキシド)ポリマーを含み、本質的に水不混和性であり、且つポリ(エチレンオキシド)とポリ(プロピレンオキシド)ポリマー、及びジオール及びトリオールを含む多価化合物に由来する末端ヒドロキシル基を有するコポリマー等の有機溶媒(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン及び類似の低分子量ポリオール)に可溶性である。適切な商業的に入手可能なポリオールは、販売名Voranol(商標)(The Dow Chemical Company)として販売されているものを含む。
【0032】
本発明において適切であるポリエステルポリオールは、有機ジヒドロキシ及び任意にポリヒドロキシ(トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ)化合物並びにジカルボン酸及びさらに任意にポリカルボン酸(トリカルボン酸、テトラカルボン酸)或いはヒドロキシカルボン酸またはラクトンの公知のポリ縮合物を含む。遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物または対応するポリカルボン酸の低級アルコールエステルを使用して、ポリエステルを調製することも可能である(例えば無水フタル酸等)。適切なジオールの例は、エチレングリコール、1,2-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、並びにさらに1,2-及び1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールまたはネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートである。所望されるならば追加的に使用され得る分子中に3個以上のヒドロキシル基を有するポリオールの例は、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ジ-トリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトール、トリメチロールベンゼン及びトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートを含む。
【0033】
本発明の組成物、コーティング及び方法において有用なポリオールの特に適切な分類は、例えば本明細書に参照として導入されているUS 6,855,844において発表されているポリエステル-エーテルポリオールに基づく水不溶性の無水フタル酸である。適切な商業的に入手可能なポリエステル-エーテルポリオールに基づく無水フタル酸は、"Stepanpols"(商標)(Stepan Company)を含む。
【0034】
他の比較的に単純な材料は、ヒマシ油等の反応性ヒドロキシル基を含む天然製品を含む。これらのシステムは、任意の製剤中の相に対して必要とされるような添加され得る適切な触媒の添加を要求する。適切な触媒は当業界において周知であるが、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属触媒並びにトリエチルアミン及びトリイソプロパノールアミン等の第3アミンを含む。
【0035】
(iii)(非連続的)マトリックス形成化合物が、揮発性溶媒を除去することによって、マイクロカプセル中で当該化合物の分離を引き起こすマイクロカプセルの調製。これは最初に水不溶性(非連続的)マトリックスがポリマーを形成するために、水不溶性(非連続的)マトリックス形成ポリマーと水不混和性の揮発性溶媒の溶液中に固体水溶性の生物学的に活性である化合物の分散を調製し、次にこの水不混和性混合物の水中のエマルションを形成し、適切な技術によって当該エマルションを安定化し、そして適切な蒸発工程によって揮発性溶媒を除去し、水不溶性ポリマーの(非連続的)マトリックスを至るところに分配させる、水溶性の生物学的に活性である化合物を含む水中分散マイクロカプセルを得ることによって達成され得る。中間エマルションの安定化は、周知の経路による界面ポリ縮合及び上記に概説したような任意の適切なマイクロカプセル化工程によって達成され得るが、当該技術がクロルピリホス及びトリフルラリン等の水不溶性(及び油溶性)の生物学的に活性である化合物に有用であると特定される場合には、油中の分散または固体水溶性の生物学的に活性である化合物のポリマーについての効用についてまでは言及されていないが、US 5460817において特定されるような経路等によっても達成され得る。
【0036】
本発明におけるマトリックスは、25℃を超える融点を有する疎水性の固体によって提供され、またガラス転移温度を示さない。当該マトリックスはマイクロカプセルの調製に関与し、ここでの農薬は、工程の間にその融点を超えて維持される疎水性固体の中に分散され、その後の冷却によって固化される。さらなる態様も可能であり、当該疎水性固体は、組み合せ混合物がなお25℃超の融点を示すような水不混和性有機液体と混合される。かかる製品は、周囲温度超(25℃)の融点を有するワックスの使用を包含し、またパラフィンワックス、カルナウバワックス、蜜ろう、及び他の天然、合成または半合成ワックスを含む。カプセル化工程は、ポリマーシェルが分散した油相と水の間の界面で分離を引き起こす間の、適切な温度で融解した材料の水中の分散において実施され得る。ここでは当該融解した材料自体の水中の分散は、分散した固体水溶性の生物学的に活性である化合物を含む。この融解した材料における固体の分散は、融解した材料の中で技術的な生物学的に活性である化合物を粉砕する典型的な技術、または融解した材料中に予め粉砕された乾燥技術的な生物学的に活性である化合物を分散させることによって調製され得る。これを達成するための他の技術は、当業者にとって明白だろう。
【0037】
かかるマイクロカプセルの調製では、固体水溶性の生物学的に活性である化合物の分散を調製するために使用される任意の実質的に水不混和性液体(または疎水性固体)は、(上記で検討した蒸発によって意図的に除去されない限り)マイクロカプセル中に本質的に保持されるだろうということが当然に推察される。
【0038】
所望されない溶媒(または疎水性固体)の損失は、カプセル構造及び放出特性を変化(または不安定化)し得る。カプセルの一つの好適な態様は、水不混和性液体(及び/または疎水性固体)が水相に移動せず、またさらに不揮発性である場合である。そうすると水性組成物上での乾燥操作は溶媒損失をもたらさず、こうして所望されるカプセル組成物の変化をもたらさない。
【0039】
本発明のマイクロカプセルは、以下の方法論を用いて生産され得る:
ステップ1−固体農薬を粉砕工程によって適切に要求される粒子径で生産する。固体の適切な体積中央粒子径(VMD)は0.01〜50μmであり;より適切には下限が0.5μmであり、またさらにより適切には下限が1.Oμmであり;より適切には上限が10μmであり、またより適切には上限が5μmである。
【0040】
ステップ2−固体農薬を実質的に水不混和性の液体(または疎水性固体を有する融解した混合物もしくは融解した疎水性固体)に懸濁させる。当該液体(または疎水性固体を有する融解した混合物もしくは融解した疎水性固体)は、好適には固体に対して貧溶媒である。すなわち当該液体は当該固体を有意量で溶解させないだろう。
【0041】
当該液体は、好適には当該液体中で当該固体を保持することができる分散剤を含有するが、懸濁物が水の中に分散する場合は水の中に当該固体が抽出されることを許容しない。さらに当該懸濁物が水に付加される場合は、当該分散剤は、位相反転が起こることを許容してはならない。
【0042】
或いは、ステップ1及び2の手順は、固体農薬が実質的に水不混和性の液体(または疎水性固体を有する融解した混合物もしくは融解した疎水性固体)中に懸濁された後に、当該固体農薬の粒子径を減じるべく粉砕工程を実行することによって変化させてよい(媒体粉砕(media milling))。
【0043】
この場合における疎水性の融解可能な固体は、その融点を超えて保持され、また粉砕操作は、かかる上昇した温度で実施される。或いは農薬は、乾燥粉砕操作において要求される大きさに別々に粉砕され、そして融解した疎水性固体に添加されてよく、または農薬は、水不混和性有機液体中で粉砕され、そして融解した疎水性固体に添加されてよい。特別な事情においては、水性媒体中で適切に選定された界面活性剤と共に粉砕され、当該水性ミルベースを油中の水エマルションとして融解した疎水性固体に分散させることが可能である。
【0044】
ステップ3−水性相中の有機相の物理的分散を調製する。適切な分散を得るために、有機相を撹拌しながら水性相に付加する。当該工程部分を確実に達成するために実施される工程の温度は、疎水性固体(または適切な水不混和性液体を有する疎水性固体の混合物)の融点を超える温度である。適切な分散手段は、水性相に有機相を分散させることが採用される。分散工程及び分散器具の選定は、生産されるエマルション(及び最終製品)の所望される粒子径によって決まるだろう。適切な分散手段の一つは、典型的に小さいもの(<10ミクロンのVMD製品)については高せん断ローター/ステータ装置(laboratory Silverson(商標)マシーン等)であるが、他の手段は、Cowles(商標)溶解槽、大きい粒子径については単純混合装置及びより高圧均質化機器等が採用され得る。かかる機器の選定は、当業者の知識の範囲内にある。適切な手段は、約1〜約200μmの範囲内にある所望される小滴径(及び対応のマイクロカプセル粒子径)を得るような任意の高せん断装置であり得る。好適には小滴径は約3〜150μm、及び最適には約5〜約120μmである。一度、所望される小滴径が得られたならば、分散手段は停止される。残りの工程に関しては穏やかな撹拌のみが要求される。有機相は、実質的に水不混和性液体中に懸濁した固体水溶性の生物学的に活性である化合物を含み、上記のステップ1及び2において発表されたようにカプセル化され調製される。水性相は、水並びに少なくとも1種の乳化剤及び/または保護コロイドを含む。
【0045】
適切にはコアは、水不混和性液体をさらに含む。適切には疎水性材料は、ワックスである。
【0046】
適切にはコアは、全体的または部分的に固体であり、より適切には部分的に固体である。
【0047】
明らかに固体農薬の粒子径とマイクロカプセルの粒子径との間に関連性が存在するので、当該生物学的に活性である化合物の放出速度の制御を得るためには、本化合物の粒子径対当該マイクロカプセルの粒子径のVMD比率は、典型的に1:5の値;適切には1:3〜1:100の範囲内;より適切には1:5〜1:20の範囲内にあるだろう。
【0048】
当該マイクロカプセルを得るために、有機相及び/または水性相は、ポリマーを形成するために反応することができる1種以上の材料を含まなければならない。一つの好適な態様では、有機相は少なくとも1種のジイソシアネート及び/またはポリイソシアネートを含み、他方水性相は、少なくとも1種のジアミン及び/またはポリアミンを含む。少なくとも1種のジアミン及び/またはポリアミンが水性相に含まれる場合においては、上記ステップ3において発表したような水中の油エマルションの形成後に本成分が水性相に付加される。
【0049】
ステップ4−少なくとも1種のジアミン及び/またはポリアミンが、穏やかな撹拌を維持しながら水性相を通して水中の油エマルションに付加される。当該工程の部分は、疎水性固体(または適切な水不混和性液体を有する疎水性固体の混合物)の融点を超える温度で実施され得る。しかしながら一つの態様では、当該工程段階での反応産物は、(技術範囲内で)冷却でき、その後、反応性モノマーが当該冷却された反応混合物に添加される。この工程段階での冷却は、融解可能な疎水性固体を固化させる。一つの態様では、油溶性または水分散性のイソシアネートはこの時点で添加されてよく、且つ固化したエマルションの表面上で平衡化される。その後、さらなる反応物質(ジアミン等)が添加され得る。撹拌は、カプセルポリマー壁の形成が完全になるまで典型的に30分〜3時間継続する。反応温度は、一般に約20℃〜約80℃の範囲内である。およそ当モル量のイソシアネート基及びアミノ基が存在する場合における反応温度は、好適には約20℃〜約60℃、及びより好適には約20℃〜約40℃である。過剰なイソシアネート基が存在する場合における反応温度は、好適には約30℃〜約60℃、及びさらにより好適には約4O℃〜約50℃である。60℃以上の温度と組み合せた3時間超の反応時間は推奨されない。かかる条件は水不溶性化合物の懸濁物のカプセル化に利用される(US 2003/0119675及びJP 2000247821)が、かかる条件は乏しいカプセル化効率をもたらす(活性化合物の水溶性は温度上昇と共に上昇し、過剰量の水性相に移動している活性化合物をもたらす)ので、本発明のマイクロカプセル製剤に適していないことが見出された。
【0050】
本発明は固体農薬を含む。用語水溶性とは、カプセル化される固体農薬について言及される際に使用される場合、20℃で0.1〜100 g/L、好適には0.5〜50 g/Lの範囲内の水溶性として定義される。これは殺昆虫剤、除草剤、殺真菌剤、殺ダニ剤、殺鼠剤、殺軟体動物剤、及び植物成長調節剤等の薬剤及び農薬を含む群由来の任意のかかる化合物であり得る。
【0051】
適切な除草剤は、2,3,6-TBA、2,4-D,2-クロロ-6'-エチル-N-イソプロポキシメチルアセト-o-トルイジド、アシフルオルフェン、アラクロール、アメトリン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アスラム、アジムスルフロン、ベナゾリン、ベンフレセート、ベンスルフロンメチル、ベンタゾン、ブロマシル、カルベタミド、クロリダゾン、クロリムロンエチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、クロマゾン、クロランスラムメチル、シアニジン(cyanizine)、シクロスルファムロン、ジカンバ、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、ジフルフェンゾピル、ジメタクロル(dimethachlor)、ジメチピン、ジフェナミド、エタメツルフロンメチル、エトキシスルフロン、フェノキサプロップ-P、フラザスルフロン、フロラスラム、フルセトスルフロン、フルミオキサジン、フルオメツロン、フルピルスルフロンメチルナトリウム、フルロキシピル、ホメサフェン、ホラムスルフロン, ハロスルフロンメチル、ハロキシホップ-P、イマザメタベンズメチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマゼタピル、イマザスルフロン(imazasulfuron)、イオドスルフロンメチルナトリウム、イソウロン、MCPA、MCPB、メコプロップ、メコプロップ-P、メソスルフロンメチル、メソトリオン、メタミトロン、メタザクロール、メチルダイムロン、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロンメチル、モノリニュロン、ナプタラム、オキサスルフロン、ペノキススラム、ペトキサミド(pethoxamid)、プリミスルフロンメチル、プロメトン、プロパクロール、プロパニル、プロファム、プロポキシカルバゾンナトリウム、プロスルフロン、ピロキシフェン(pyroxyfen)、キンメラック、リムスルフロン、シメトリン、スルコトリオン(sulcotrion)、スルフェントラゾン、サルフォメトロンメチル、スルホスルフロン、テブチウロン、テプラロキシジム、ターバシル、テルブメトン、チフェンスルフロンメチル、トラルコキシジム、トリアスルフロン、トリベヌロンメチル、トリクロピル及びトリスルフロンメチル(trisulfuron-methyl)を含む。
【0052】
適切な殺真菌剤は、2-フェニルフェノール、アザコナゾール、アゾキシストロビン、カルボキシン、シモキサニル、シプロコナゾール、酢酸ドデモルフ(dodemorph acetate)、ドジン、エポキシコナゾール、エトリジアゾール、フェンフラム、フェリムゾン、フルシラゾール、フルトリアホール、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、イマザリル、メタラキシル、メタスルホカルブ、メトミノストロビン、ミクロブタニル、オフレース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、酢酸フェニル水銀、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、ピリメタニル、ピロキロン、テトラコナゾール、チアベンダゾール及びトリシクラゾールを含む。
【0053】
より適切な殺真菌剤は、2-フェニルフェノール、アザコナゾール、カルボキシン、シモキサニル、酢酸ドデモルフ、ドジン、エトリジアゾール、フェンフラム、フェリムゾン、フルシラゾール、フルトリアホル、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、イマザリル、メタラキシル、メタスルホカルブ、メトミノストロビン、ミクロブタニル、オフレース、オキサジキシル、オキシカルボキシン、酢酸フェニル水銀、プロチオコナゾール、ピリメタニル、ピロキロン、テトラコナゾール、チアベンダゾール及びトリシクラゾールを含む。
【0054】
適切な殺昆虫剤は、アバメクチン、アセタミプリド、アルジカルブ、アザジラクチン、アザメチホス、ベンダイオカルブ、カルバリル、カルボフラン、クロチアニジン、クライオライト、ダゾメット、ジメチルビンホス、DNOC、エマメクチン安息香酸塩、エチオフェンカルブ、二臭化エチレン、フェナミホス、フェノブカルブ、フィプロニル、フロニカミド、イミダクロプリド、イソプロカルブ、ルフェヌロン、メチダチオン、イソチオシアン酸メチル、メトロカルブ(metlocarb)、ピリミカルブ、プロポクスル、ピメトロジン、ピリダフェンチオン、クロルアントラニリプロール(Renaxapyr(商標))、サバジラ、スピノサド、スルコフロンナトリウム(sulcofuron-sodium)、チアクロプリド、チアメトキサム、チオファノックス、トリアザメート、XMC及びキシルイルカルブを含む。
【0055】
より適切な殺昆虫剤は、アセタミプリド、アルジカルブ、アザジラクチン、アザメチホス、ベンダイオカルブ、カルバリル、カルボフラン、クロチアニジン、クライオライト、ダゾメット、ジメチルビンホス、DNOC、エチオフェンカルブ、二臭化エチレン、フェナミホス、フェノブカルブ、フィプロニル、フロニカミド、イミダクロプリド、イソプロカルブ、メチダチオン、イソチオシアン酸メチル、メトロカルブ、ピリミカルブ、プロポクスル、ピメトロジン、ピリダフェンチオン、サバジラ、スピノサド、スルコフロンナトリウム(sulcofuron-sodium)、チアクロプリド、チアメトキサム、チオファノックス、トリアザメート、XMC及びキシルイルカルブを含む。
【0056】
適切な殺鼠剤は、クロラロース、クロロファシノン、クマテトラリル及びストリキニーネを含む。
【0057】
適切な殺軟体動物剤は、メタアルデヒド及びニクロサミドを含む。
【0058】
適切な植物調節剤は、1-ナフチル酢酸、4-インドール-3-イル酪酸、アンシミドール、クロキシホナック、エチクロゼート、フルルプリミドール、ジベレリン酸、インドール-3-イル酢酸、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、プロヘキサジオンカルシウム及びトリネキサパックエチルを含む。
【0059】
特に適切な殺昆虫剤は、アセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリド及びチアメトキサム等のネオニコチノイドである。特に適切な殺昆虫剤は、チアメトキサムである。
【0060】
さらなる観点では本発明は、農業的な害虫を駆除または制御するための製品の使用を提供し、殺虫的に有効量の製品を害虫または害虫生息場所に適用することを含んで成る。当該害虫は、(真菌性)疾患、昆虫及び雑草を含み得る。適切には当該害虫は、シロアリである。
【0061】
固体農薬の濃度は、適切にはマイクロカプセルの0.1〜80重量%、より適切には0.1〜70重量%(最適には0.1〜65重量%)である。
【0062】
固体農薬が実質的に水不混和性液体に懸濁されるような場合は、前記液体は当該化合物を任意の相当の範囲で溶解させないが、上記疎水性固体の融点を超えて当該疎水性固体を有する溶液を形成するために十分に良溶媒である任意の液体であり得る。適切には周囲条件下(典型的に20℃)での当該液体の水溶性は、およそ重量で5000 ppm以下である。
【0063】
かかる液体の適切な例は、キシレンまたはナフタレン等の芳香族有機化合物(例えばSolvesso(商標)200);アルキルエステル等の脂肪族有機化合物(例えばExxate(商標)700-Exxate(商標)1000、Prifer(商標)6813);パラフィン化合物(例えばNorpar(商標)&Isopar(商標)の範囲の溶媒);フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル及びフタル酸ジオクチル等のアルキルフタル酸塩;イソプロピルアルコール等のアルコール;アセトフェノン及びシクロヘキサノン等のケトン;鉱油(例えばCropspray(商標)7Nまたは11N);菜種油等の植物油または種油;及びアルキル化種油である。当該液体は、2種以上の化合物の混合物であり得る。
【0064】
さらに農薬が懸濁した液体は、それ自体であっても、第二の生物学的に活性である化合物を含んでもよい。さらに25℃超の融点を有する当該疎水性固体は、第二の(またはそれ以上の)生物学的に活性である化合物であってもよい。
【0065】
分散有機相と連続的な水性相の相体積は広範囲において変化させてよく;典型的に有機相は、製剤全体の5〜70重量%で存在し、適切には15〜70重量%で存在し、そしてより適切には15〜50重量%で存在する。
【0066】
25℃以上の融点を有する疎水性の融解可能な固体とは、マトリックスが生産されて、マイクロカプセル内でより効率的に固体農薬を保持することができるものを意味する。この融解可能な固体は、事実上ポリマーでないようにガラス転移温度を示すべきではない。かかる製品は、周囲温度(25℃)超の融点を有するワックスの使用を包含する。この融解可能な疎水性固体は、単一成分であっても所望される融点を生み出すように設計された製品の混合物由来であってもよい。これは水不混和性液体または低融点の疎水性固体との組み合せを含み、減じられた融点を有する混合物を生み出すだろう。これらはC26以上のワックス、パラフィンワックス、コレステロール、脂肪アルコール(セチルアルコール等)、動物及び植物起源のモノ、ジ-及びトリグリセリド(獣脂等)、硬化油脂、水素化ヒマシ油、脂肪誘導体(脂肪酸等)、石鹸、エステル、疎水性デンプン(エチルセルロース等)、レシチン、亜鉛等の脂肪酸の金属石鹸、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウムもしくはパルミチン酸マグネシウム、またはオレイン酸カルシウムもしくはオレイン酸マグネシウムを含む。
【0067】
ワックスは天然起源のものであってよく、動物、植物または鉱物性であり得ることを意味する。動物性ワックスは、蜜ろう、ラノリン、シェラックワックス及びチャイニーズインセクトワックスを含む。植物性ワックスは、カルナウバ、カンデリラ、ヤマモモ及びサトウキビワックスを含む。鉱物性ワックスは、オゾケライト、セレシン及びモンタンを含む化石もしくは地ろう、またはパラフィン及び微小ワックスを含む石油ろうを含む。或いはワックスは、合成ワックスまたは天然ワックスと合成ワックスの混合物であり得る。例えばこれらは選択的にパラフィンと共融解した低分子量の部分的に酸化されたポリエチレンを含み得る。
【0068】
脂肪誘導体は、脂肪酸、これらの脂肪酸の脂肪金属塩、脂肪酸アミド、脂肪アルコール及び脂肪エステルまたはそれらの混合物のいずれかであり得る。特に当該酸はカルボン酸であってよく、且つ当該塩はカルシウム、マグネシウム、亜鉛またはアルミニウム塩であり得る。当該酸アミドは ステアルアミドであり得る。
【0069】
さらにステロールまたは長鎖ステロール、エステルは、コレステロールまたはエルゴステロール等でもあり得る。好適な化合物は、水素化ひまし油、ラノリン、蜜ろう及び植物油の混合物等のワックス、並びに製品PB3(商標)等のワックスである。有機相の好適な組成物(完全なワックスまたはワックスと水不混和性液体の混合物のいずれか)を決定するために、相図はあり得る成分で容易に構成され、複合の有機相の最適な融点を決定することができる。かかる組成物は、油中のワックスの固体溶液、共融混合物または更なる混合物であってよく、ここではワックスと水不混和性油は疎水性固体の融点を超えて均質であるが、疎水性固体の冷却が水不混和性液体とは分離して、複雑な経路を導入して最終的なマイクロカプセルから固体農薬の放出を遅らせることができる固体の疎水性材料のドメインを生み出す。特定の態様では、水不混和性液体(及び単独で疎水性の融解可能な固体)は、農薬または固体農薬が分散した疎水性の有機相であってよく、水不混和性液体であり得る第二の成分との組み合せにある少なくとも1種の融解可能な農薬の共混合物または固体溶液であってよく、且つ単独で農薬であってもよい。
【0070】
固体農薬を含む液体(疎水性の融解可能な固体の融点を超えて保持される)は、適切には分散剤を含む。分散剤(単数または複数)の的確な選定は、固体と液体の選定によるだろうが、特に適切な分散剤は立体障害によって作用し、且つ固体/有機液体界面でのみ作用性であり、また乳化剤として作用しないものである。かかる分散剤は、適切には(i)液体に対して強い親和性を有するポリマー鎖、及び(ii)固体に対して強く吸着する基から構成されている。
【0071】
液体中で懸濁した(且つ一般にポリマー性である)固体の生物学的に活性である化合物を含むマイクロカプセルにおいて使用され得る分散剤の例は、WO 95/13698において提供され、且つHypermer(商標)、Atlox(商標)、Agrimer(商標)及びSolsperse(商標)の販売名で入手可能な製品を含む。
【0072】
一般に使用される分散剤の濃度範囲は、有機相の約0.01〜約10重量%であるが、より高い濃度も使用され得る。
【0073】
本発明にかかる固体農薬の懸濁物の功を奏するカプセル化に関するマイクロカプセル内の液体/分散剤の組み合せの選定は、特に重要である。適切なシステムは、Solvesso(商標)200及びSolsperse(商標)17000;菜種油及びSolsperse(商標)17000;Z190-165(商標)とのNorpar(商標)15/Prifer(商標)6813混合物;並びにAtlox(商標)4912、Atlox(商標)LPl、Agrimer(商標)AL22及びAgrimer(商標)AL30から選定される1種以上の分散剤を有するCropspray(商標)7Nまたは11Nを含む。かかる組み合せは、生物学的に活性である化合物がチアメトキサムである場合に特に適切である。
【0074】
一般に界面活性剤またはマイクロカプセル懸濁物の水性相中の界面活性剤は、安定な水中の油エマルションを形成するのに十分に高い約10〜約16の範囲のHLBを有する陰イオン性、陽イオン性及び非イオン性の界面活性剤から選定され、非イオン性界面活性剤が特に適している。2種以上の界面活性剤が使用される場合は、個々の界面活性剤は10未満または16超のHLB値を有し得る。しかしながら界面活性剤の全体的なHLB値を一緒に組み合せた場合には、10〜16の範囲もあり得る。適切な界面活性剤は、直鎖アルコールのポリエチレングリコールエーテル、エトキシ化ノニルフェノール、トリスチリルフェノールエトキシレート、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのブロックコポリマー、及びポリビニルアルコールを含む。ポリビニルアルコールは特に適している。
【0075】
一般に本工程における界面活性剤濃度の範囲は、水性相の約0.01〜約10重量%であるが、界面活性剤のより高い濃度も使用され得る。
【0076】
さらに保護コロイドも水性相に存在し得る。これは油(融解した)小滴の表面に強く吸着しなければならない。適切な保護コロイドは、ポリアルキレート、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとアラビアゴムの混合物、及びポリアクリルアミドを含む。ポリビニルアルコールが特に適している。
【0077】
そこには融解した有機液体の全ての小滴の表面に完全な覆いを成すために十分なコロイドが存在すべきである。採用される保護コロイドの量は、分子量及び適合性等の多様な因子に依存するだろう。保護コロイドは、有機相の付加に先立ち水性相に付加されてよく、または有機相の付加の後、もしくはその分散後に系全体に付加され得る。保護コロイドは、一般に水性相中に、水性相の約0.1〜約10重量%の量で存在する。
【0078】
別々の乳化剤とコロイド安定剤が水性相中で使用される場合、乳化剤は有機液体の小滴の表面から保護コロイドを外さないはずである。
【0079】
一つの好適な態様では、有機相は少なくとも1種のジイソシアネート及び/またはポリイソシアネートを含むが、水性相は少なくとも1種のジアミン及び/またはポリアミンを含む。
【0080】
任意のジイソシアネートもしくはポリイソシアネート、またはそれらの混合物が採用され得るが、ただしそれらは有機相に選ばれた液体に溶解性であることが必要となる。芳香族の液体が使用される場合は、トリレンジイソシアネートの異性体、フェニレンジイソシアネートの異性体及び誘導体、ビフェニレンジイソシアネートの異性体及び誘導体、及び/またはポリメチレンポリフェニレンイソシアネート(PMPPI)等の芳香族性イソシアネートが適切である。脂肪族の液体が使用される場合は、脂肪族のイソシアネート、例えば脂肪族非環式イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等)、環式脂肪族イソシアネート(イソホロンジイソシアネート(IPDI)または4,4'メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等)、及び/またはHMDIまたはIPDIの三量体等が適切である。ポリマー性ポリイソシアネート、ビウレット、ブロック化ポリイソシアネート、及び融点修飾要素を有するポリイソシアネートの混合物も使用され得る。MDIは特に好適なポリイソシアネートである。イソシアネートに増大した柔軟性等の他の特質が所望される場合は、ペグ化誘導体を採用してよく、ここでのイソシアネートの部分は適切なポリオールと反応する。かかる技術と化学的性質は当業界において周知である。一つの態様ではイソシアネートは、冷却した(且つそれによって固化した)疎水性固体中に分散した固体農薬のエマルションに直接添加され得る。イソシアネートは更なる反応物質(ジアミン等)を付加する前に固化したエマルションと平衡化される。
【0081】
2種以上のイソシアネートが使用される場合のイソシアネート(単数または複数)の濃度と速度は、特定の最終適用に関し所望される放出速度プロファイルが得られるように選定される。またイソシアネート(単数または複数)の濃度は、当該マイクロカプセルの至るところに分散される(非連続的)マトリックスを形成するために十分に高くなければならない。一般にイソシアネート(単数または複数)は、当該マイクロカプセルの約5〜約75重量%、より適切には約7〜約30重量%、さらにより適切には約10〜約25重量%、そして最適には約10〜約20重量%を含むだろう。
【0082】
ジアミンもしくはポリアミン、またはそれらの混合物は、水性相に溶解性の任意のかかる化合物であり得る。エチレン-1,2-ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ビス-(3-アミノプロピル)-アミン、ビス-(2-メチルアミノエチル)-メチルアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、3-アミノ-l-メチルアミノプロパン、N-メチル-ビス-(3-アミノプロピル)アミン、1,4-ジアミノ-n-ブタン、1,6-ジアミノ-n-へキサン及びテトラエチレンペンタミン等の脂肪族または脂環式の第一または第二ジアミンまたはポリアミンは非常に適している。ポリエチレンイミンも適している。
【0083】
アミノ部分とイソシアネート部分のモル比は、約0.1:1〜約1.5:1で変化され得る。適切には以下のいずれかである。
(i)アミン対イソシアネート部分が約0.8:1〜約1.3:1の範囲のモル比を有する、およそ当モル濃度のアミンとイソシアネート部分が採用され、この場合における壁形成反応は、適切には疎水性固体の融点を超える温度で、または独立した冷却ステップの場合は、約20℃〜約40℃、さらにより好適には約20℃〜約30℃の疎水性固体の融点を下回る温度に下げる工程に導入されて実施される;或いは
(ii)アミン対イソシアネート部分が約0.1:1〜約0.35:1の範囲の比率を有する、有意な過剰のイソシアネートが存在し、この場合における壁形成反応は、好適には約30℃〜約60℃、さらにより好適には約40℃〜約5O℃の温度で実施される。
【0084】
他の壁化学的な性質、例えばポリウレタン及びポリアミンも壁形成成分の適切な選定によって使用され得る。水性相の至るところに付加するために適切なグリコールは、上記教示したもの、及び水溶性のものを含む。これらはさらに単純ポリヒドロキシグリコールも含んでよく、例えば適切なジオールはエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、そしてさらに1,2-及び1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールまたはネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートである。所望されるならば追加的に使用され得る分子中に3個以上のヒドロキシル基を有するポリオールの例は、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトール、トリメチロールベンゼン及びトリスヒドロキシエチルイソシアネートを含む。より高い官能性は、フルクトース、デキストロース、グルコース及びそれらの誘導体等の多様な糖の使用によって採用され得る。化合物を含む水溶性及び油溶性の反応性ヒドロキシルの混合物も意図される。ポリアミドは、同様の方法において、適切な酸の原料の選定(塩化セバコイル等)によって生産され得る。任意の比率にあるポリ尿素、ポリウレタン及びポリアミドの混合物も本発明の一部である。
【0085】
したがって適切にはポリマーシェルは、ポリ尿素、ポリアミドまたはポリウレタン、或いはそれらのポリマーの2種以上の混合物であり、より適切にはポリ尿素である。
【0086】
同様な方法において、油溶性アミンが水性分散の調製に先立ち油相に付加されてよく、その後に適切な水分散性のイソシアネート反応物質が界面反応を完了させるために付加され得る。
【0087】
他の観点では本発明は、以下のステップ
(i) 疎水性材料を融解して、疎水性液体を形成し;
(ii) 当該疎水性液体中に農薬を分散し;
(iii) 水性相中に当該疎水性液体を乳化し;
(iv) 任意に得られたエマルションを冷却し;
(v) 疎水性液体と水性相の間の界面で界面重合反応を引き起こし、カプセル懸濁物を生産し;そして
(vi) 任意に当該カプセル懸濁物を冷却しまたは冷却を引き起こすことを含んで成る、本明細書において発表されたような製品の製造方法を提供する。
【0088】
適切には当該方法は、疎水性材料の融点を下回るエマルションを迅速に冷却するステップを含んで成る。適切には当該方法は、イソシアネートが水性相の至るとこに導入されるステップに関与する。
【0089】
マイクロカプセルの大きさ、イソシアネートの化学的性質及び濃度、アミン同一性、並びに1種以上のイソシアネートモノマー及び/またはアミンが存在する場合は多様なイソシアネートモノマー及び/またはアミンの比率を選定することによって、固体農薬の放出速度は、数時間から数ヶ月または数年までの半減期(T50;50%の活性成分が当該カプセルから喪失する(すなわち放出する)のに要した時間)の値を変化されることができる。驚くべきことにかかる広範囲の放出速度は固体農薬で達成でき、且つ水性シンクへの極度に遅い放出速度が得られることは特に予想されないことである。
【0090】
さらに多様な放出速度を有するマイクロカプセルの混合物は、単一製剤において組み合わされて、調整された放出プロファイルを提供し得る。
【0091】
製造されたカプセル組成物は、水中に分散するだろう。これらのマイクロカプセルは、長期保管貯蔵のためにそれらを安定化するために、キサンタンガム等の水溶性多糖、微晶性セルロース等の水不溶性多糖及びベントナイト等の構造粘土を含む抗沈殿剤と共に後に製剤化され得る。微晶性セルロースは、特に適切な抗沈殿剤である。
【0092】
さらなる農薬は、固体、エマルションとして(周囲温度で液体である化合物のエマルションとして、または適切な本質的に水不混和性の溶媒中の農薬溶液のエマルションとして)、または水中の溶液もしくは上記の混合物として、水性相に付加することも可能である。外部の水性相に直接付加される農薬は、マイクロカプセル中の化合物と同一物であってよい。
【0093】
したがって適切な水性相は、農薬を含む。適切には水性相中の農薬は、20℃で0.1〜100 g/1の範囲の水溶性を有し;より適切には農薬はネオニコチノイド殺昆虫剤であり;さらにより適切には農薬はアセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリドまたはチアメトキサムであり;そして最適には農薬はチアメトキサムである。
【0094】
追加の農薬が水性相中に存在する場合の本化合物の濃度は、比較的広い範囲で変化させてよい。一般に本化合物の濃度は、全水性相の0〜50重量%であるだろう。
【0095】
さらにかかる水性組成物を乾燥させることも可能である。これは水性組成物を濃縮し(例えば沈殿、遠心分離)、その後ドラム乾燥等の適切な乾燥技術を用いることによって達成され得る。さらにそれは噴霧乾燥(流動層凝集技術及び同様の造粒工程を含む)または当該化合物が熱に弱いならば凍結乾燥もしくは大気凍結乾燥等の技術によっても達成され得る。噴霧乾燥技術はそれらが高速であるので好適であり、且つ本発明のマイクロカプセル等の分散に都合よく適用され得る。水性分散からの乾燥製品の生産は、通常、乾燥段階の間、または貯蔵の間にカプセルの品質を保護するために、また適用の際に乾燥製品を水の中へ戻して再分散させることを容易に完了させるために、さらなる不活性成分の添加を要求する。かかる不活性成分は、制限されずにポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクリル酸等の本質的に水溶性の膜形成剤を含む。他の成分は、界面活性剤、分散剤、糖、リグノスルホン酸塩、架橋ポリビニルピロリドン及びマルトデキストリン等の崩壊剤を含み得る。
【0096】
さらに乾燥製品は、固体農薬について上記したようなカプセル化されない他の農薬を含み得る。
【0097】
乾燥製品は、水へ希釈しないで直接使用することも可能である。かかる使用は、稲の栽培における粒状製品としての使用、栽培された芝の上での使用、またさらに土壌、芝または稲等の他の標的に後に適用する際の肥料混合物にブレンドするための原料としての使用もあり得る。
【0098】
適切には乾燥製品は粒状である。適切には乾燥製品は水分散性である。
【0099】
本発明の技術により達成され得る広範囲な放出速度は、栽培された芝上で使用するための葉面適用または土壌適用製品として、種子処理及びシロアリに対する保護等の他の多くの適用として、並びに一般の害虫制御のための持続性残留噴霧として、伝統的な作物保護アウトレットを含むいくつかの適用において開発される。
【0100】
また本発明のさらなる観点は、工業材料の保護のために本明細書において発表されるような組成物の使用を提供する("材料保護"と言及される)。適切には保護される工業材料は、木材、プラスチック、木材プラスチック合成物、塗料、紙、及びウォールボードから成る群から選定される。保護は、シロアリ保護領域または侵襲的昆虫を防除する家屋等への標的の攻撃を阻み、撃退し、または殺す製品の外形において成され、バリアは害虫が正常に存在している保護対象物(例えば建物)と外部環境の間に設置され得る。
【0101】
用語"工業材料"とは、建築物等において使用される材料を含む。例えば工業材料は、構造木材、扉、戸棚、貯蔵設備、カーペット、特に羊毛及び粗い麻布等の天然繊維のカーペット、プラスチック、木材(加工木材を含む)及び木材プラスチック合成物であり得る。
【0102】
特定の態様では、工業材料はコーティングである。"コーティング"は、基材に適用される組成物、例えば塗料、染色剤、ニス、漆、プライマー(primer)、半グロスコーティング、グロスコーティング、フラットコーティング、トップコート、ステイン遮断コーティング、多孔質基材のための貫通性密封機、コンクリート、大理石、エラストマーコーティング、マスチック、コーク、封止剤、板コーティング、パネル用材コーティング、運送コーティング、家具コーティング、コイルコーティング、橋梁コーティング、タンクコーティング、表面マーキング塗料、レザーコーティング、レザー処理、床保護コーティング、ペーパーコーティング、パーソナルケアコーティング(毛、皮膚または爪等)、織布繊維コーティング、不織布繊維コーティング、顔料捺染ペースト、接着性コーティング(例えば感圧接着剤、及び湿潤または乾燥積層接着剤等)及びしっくいを含む。
【0103】
適切には"コーティング"とは塗料、ニス、染料、漆または しっくいを意味し、より適切には"コーティング"とは漆であり、或いは"コーティング"とは塗料を意味し得る。塗料は、例えば膜形成体及び担体(担体は水及び/または有機溶媒であり得る)及び任意に顔料を含み得る。
【0104】
これらに加えて"工業材料"は、接着剤、封止剤、連結材料、継ぎ手及び絶縁材を含む。
【0105】
"木材"とは、木材及び木材製品(例えば木工製品に由来する)、材木、ベニヤ板、チップボード、フレークボード、積層梁、配向性ストランドボード、ハードボード、パーティクルボード、熱帯木材、構造木材、木げた、鉄道枕木、橋の部品、桟橋、木材で作られている乗り物、箱、荷台、コンテナ、電柱、木製フェンス、木製断熱材、木材で作られている窓及びドア、ベニヤ板、チップボード、建具、或いは住宅または机を作るために、加工木材、建築及び木工品を含む住宅建設において一般的に使用される建具または木製製品を作る中で非常に一般的に使用される木製製品を含むと理解される。
【0106】
"工業材料"とは、石こうに基づくウォールボード等のウォールボードも含む。
【0107】
また本発明のさらなる観点では、本明細書において発表されたような組成物を含む"工業材料"を提供する。特定の態様では前記工業材料は、木材、木材プラスチック合成物、塗料、紙及びウォールボードから成る群から選定される。特定の態様では前記工業材料は、木材を含む。工業材料が本発明に係る製品で処理され得る方法の例は、工業材料自体の中に前記製品を含ませること、吸収させること、含浸させること、前記材料を(閉圧または真空系において)前記殺真菌剤で処理すること、建築材料を浸漬または浸水させること、或いは建築材料をコーティングすることによるものであり、例えばカーテンコーティング、ローラー、ブラシ、スプレー、噴霧、ダスティング、分散または注入適用による。
【0108】
徐放マイクロカプセルの使用は、非カプセル化製剤と比べて延長された期間の生物学的制御及び土壌適用製品を可能にし、浸出範囲はかかるマイクロカプセルの使用によって減少させることもでき、特に後者については、本発明において開示された適切な水溶性を有するような活性成分と関連性があり、ゆえにそれらの実質的な水溶性は、非カプセル化形態に適用される場合に浸出しやすくされる。当該マイクロカプセルが非カプセル化農薬の懸濁物を含む水性媒体中に懸濁されるような特定の態様では、迅速なノックダウン活性及び延長された期間の生物学的制御の両方が、特に殺昆虫剤で達成され得る。他の実用性は、材料へのかかる製品の導入(水溶性材料の徐放が所望される場合、水塊の処理等)及び回転散水システムへの添加(高い体積の水が活性物質を迅速に浸出させる場合)を含む。
【0109】
このようにして生産されたマイクロカプセル懸濁物は、かかる製品の通常の手順において、すなわち当該懸濁物を包装することによって、且つ最終的に当該懸濁物を噴霧タンクまたは他の噴霧装置に移すことによって利用されてよく、ここでの当該懸濁物は水と混合されて噴霧可能な懸濁物となる。適用技術の範囲は、植付け前及び植付け後の希釈噴霧として、またはより集中した水浸としてのいずれかの適用(植付け穴への直接適用を含む)を含むかかるマイクロカプセルの土壌への適用のために利用され得る。さらに適用は、例えば移植前に苗木トレイになされ得る。シロアリ防除に関する本発明のマイクロカプセルは、土壌水浸底面(soil drench underneath)として基盤に、周辺の“溝及び処理”バリアとして基盤の外側の周囲に適用され、またはコンクリート上に直接適用され得る。或いは当該マイクロカプセルの懸濁物は、スプレー乾燥または他の公知技術によって乾燥マイクロカプセル製品中に転用され、そして得られた材料は乾燥形態に包装され得る。
【0110】
本発明には多くの観点が存在することが理解されるだろう。一つの観点では、それ自体が
(a) ポリマーシェル;及び
(b) 25℃超の融点を有する農薬を含むコアであって、当該農薬が25℃以上の融点を有するがガラス転移温度を示さない疎水性材料中に固体として分散することを特徴するコアを含むマイクロカプセルを含んで成る製品に関する。
【0111】
さらなる観点及び好適な態様については後述する。本発明を通して使用される用語"水不混和性液体"とは、自己の融点を超えて融解可能な疎水性固体及び水不混和性液体を(自己の融点を超えて)有するかかる疎水性固体の混合物も含む。
【0112】
マイクロカプセル製剤におけるマイクロカプセルは、少なくとも部分的に固体であり、且つ当該マイクロカプセルの至るところに分布される(非連続的)マトリックス中に分散される固体農薬を含む。当該マイクロカプセルは、それらの形成の際に水性相中で懸濁される。
【0113】
上記のマイクロカプセル製剤における農薬は、周囲温度で固体であり、且つ当該カプセル中の有機性の非溶媒中で分散する。
【0114】
上記のマイクロカプセル製剤及び上記のマイクロカプセル製剤の製造方法におけるモノマーは分散相中で存在し、且つ重合化を引き起こして(非連続的)マトリックスを形成する。
【0115】
上記のマイクロカプセル製剤における水不混和性液体は、反応性モノマーを含むビニルである。
【0116】
上記のマイクロカプセル製剤及び上記のマイクロカプセル製剤の製造方法における固体農薬は、ある試薬が溶解した液体中で分散し、また当該液体及び試薬は反応を引き起こして、(非連続的)マトリックスを形成する。
【0117】
上記のマイクロカプセル製剤における水不混和性液体は、第二の反応性物質と反応することによって(非連続的)マトリックスを形成する。
【0118】
上記のマイクロカプセル製剤における固体農薬は、当該マイクロカプセル中に保持された実質的に水不混和性液体中に分散する。
【0119】
上記のマイクロカプセル製剤における固体農薬は、工程間にはその融点を保持し、その後に固化する物質中に分散する。
【0120】
上記のマイクロカプセル製剤における水不混和性液体は、周囲温度で固体であり、且つ当該工程は水不混和性液体の融点を超えて操作され、当該融点未満に冷却されるとマトリックスを形成する。例えばワックスを使用する場合はマトリックスを形成する。
【0121】
上記のマイクロカプセル製剤における実質的に水不混和性液体は、第二の農薬であるか、または第二の農薬を含む。
【0122】
上記のマイクロカプセル製剤における1種以上の農薬は、連続的な水性相中に(固体分散、液体分散として、または水性相中の溶液として)存在する。
【0123】
上記のマイクロカプセル製剤において連続的な水性相中に存在する固体農薬は、マイクロカプセル中に分散したものと同一の固体農薬である。
【0124】
上記のマイクロカプセル製剤における殺虫剤は、チアメトキサムである。
【0125】
上記のマイクロカプセル製剤を使用し、殺虫剤の放出速度を制御することによって、延長した期間の生物学的制御を提供する。
【0126】
上記のマイクロカプセル製剤を使用し、殺虫剤の放出速度を制御することによって、当該殺虫剤の浸出の減少を提供する。
【0127】
上記のマイクロカプセル製剤は、水性である(水中で分散したカプセル)。
【0128】
上記のマイクロカプセル製剤が乾燥製品である場合、当該製剤は、噴霧乾燥または凍結乾燥によって、或いは適切な濃縮操作及び最終乾燥等の乾燥工程によって生産される。
【0129】
上記のマイクロカプセル製剤における(非連続的)マトリックス形成化合物(適切にはポリマー)は、その化合物の揮発性溶媒を除去することによってマイクロカプセル中への分散を引き起こす。
【0130】
上記のマイクロカプセル製剤を使用し、製造業者、ユーザーまたは環境に対する農薬の安全性を改善する。
【0131】
上記のマイクロカプセル製剤における(非連続的)マトリックスは、カプセル調製前、カプセル調製中、またはカプセル調製後のいずれかに調製される。
【0132】
上記のマイクロカプセル製剤の形成工程における(非連続的)マトリックスは、界面のポリ縮合反応によって形成される。
【0133】
ポリ縮合反応に関する上記の工程における少なくとも1種の試薬は、分散した(有機)相中に存在し、且つ当該ポリ縮合反応に関する少なくとも1種の試薬は、連続的な(水性)相中に存在する。
【0134】
ポリ縮合反応に関する上記の工程における試薬は、分散相中でのみ存在する。
【0135】
以下の実施例は、説明の方法で、且つ本発明を限定しない方法によって提供される。ここでの多くのカプセルサンプルは、それらのVMD(体積中央径)によって特徴付けられる。
【実施例1】
【0136】
実施例1a-1j
以下の実施例は、チアメトキサムが融解可能な疎水性固体中に懸濁され、その後にポリ尿素壁中にカプセル化され得ることを実証する。ここでポリ尿素壁を形成するためのイソシアネート部分は、融解可能な疎水性固体中に溶解される。かかる製剤は、高い水溶性のチアメトキサム(20℃で4.1g/l)を成功裏に調製するためには些細なものではない。これはチアメトキサムの粒子が乳化工程の間に、及び/または融解可能な疎水性固体が固化する前に水性相中に移動して、マイクロカプセル壁の形成が完成する傾向があることを意味する。チアメトキサム粒子の水性相への過剰な移動を予防することは、乳化工程において上昇した温度が採用されることに起因して、本製剤タイプについて特に試みられている。
【0137】
チアメトキサムは、表1に示された処方に従い以下の工程を用いてカプセル化された。最初にチアメトキサム(エアジェットミルやその類似方法で予め粉砕されている)を油溶性分散剤の存在下で、融解可能な疎水性固体(ワックス)中に分散させた。当該分散は、融解可能な疎水性固体の融点を超える典型的に10〜20℃の温度で高せん断を用いて実施した。続けてイソシアネートをチアメトキサム懸濁物中に溶解させた。その後この懸濁物をビニルアルコールの水性溶液中に乳化した(乳化はワックスの融点を超える典型的に10〜20℃の温度で実施される)。追加の水を付加して、エマルションの温度を下げ、そして高速冷却を(撹拌を維持しながら)氷/水槽中のエマルションの浸漬によってもたらした。多官能性アミンの水性溶液を当該冷却工程が開始した後にすぐ付加し、そしてワックスが固化するまで冷却を続けた。得られたカプセル製剤をVMDによって特徴化した。
【0138】
パラフィンワックス(融点53〜57℃)と蜜ろう(合成、融点61〜65℃)は、Aldrichより提供される。
ラノリン(融点38〜44℃)は、Acrosから提供される。
PB3(商標)(融点38〜44℃)は、植物油と硬化植物油の混合であり、Aarhusから提供される。
ドコサン(融点42℃)は、Sigma-Aldrichから入手できる。
Solvesso(商標)100は、Exxonから提供される芳香族炭化水素溶媒である。
菜種油(カブ(Brassica rapa)由来)は、Flukaから提供された。
Cropspray(商標)7Nは、Sun Oil Companyから提供される鉱油である。
Agrimer(商標)AL22及びAL30は、ISPから提供されるアルキル化ビニルピロリドンコポリマーである。
Solsperse(商標)17000は、Lubrizolから提供されるポリマー分散剤である。
Desmodur(商標)Z4470は、ナフサ100中の70%溶液としてBayerから提供されるイソホロンジイソシアネートのトリマーである。
Desmodur(商標)Wは、Bayerより提供される4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)である。
Gohsenol(商標)GL05は、Nippon Gohseiより提供されるポリビニルアルコールである。
【0139】
【表1】

【表2】

【実施例2】
【0140】
実施例 2a-2c
以下の実施例は、カプセル中に含まれる融解可能な疎水性固体が、混合されたワックス/溶媒系から成り得ることを実証する。
【0141】
チアメトキサムは、乳化に先立ちワックス中のチアメトキサムの懸濁物中に溶媒を溶かす追加のステップを有すること以外は、実施例1と同一の方法を用いて表2で示された処方に従ってカプセル化された。
【表3】

【実施例3】
【0142】
実施例 3a-3b
以下の実施例は、カプセル中に含まれる融解可能な疎水性固体が混合されたワックス/溶媒系から成り得ることを実証し、当該実施例におけるカプセルの内容物は、ミルベースの混合物を含み、それぞれのチアメトキサムはミルベースの混合に先立ち分散させた。
【0143】
チアメトキサムを表3で示された処方に従って以下の方法を用いてカプセル化した。実質的に水不混和性溶媒中の細かく砕かれたチアメトキサムの懸濁物をワックス中で、当該ワックスの融点を超える温度でチアメトキサムの懸濁物と混合した。その後のカプセル化は、実施例1に発表された方法に従って実施した。
【表4】

【実施例4】
【0144】
以下の実施例は、チアメトキサムをワックス中で懸濁し、その後にポリ尿素壁中にカプセル化できることを実証する。ここでのポリ尿素壁を形成するためのイソシアネート部位は、ワックスの固化後にワックス中で分散したチアメトキサムの水性エマルションに付加される。また本実施例は、より高い濃度のチアメトキサムを最終製剤において得ることを可能にする新規の冷却方法を使用する。
【0145】
チアメトキサムを表4で示された処方に従って以下の方法を用いてカプセル化した。最初にチアメトキサム(エアジェットミルまたはその類似方法で予め粉砕されている)を油溶性の分散剤が存在する中でワックス中に分散した。この分散は、ワックスの融点を超える典型的に10〜20℃の温度で、高せん断を用いて調製した。その後にこの分散(懸濁)をポリビニルアルコールの水性溶液中に乳化した(乳化は、ワックスの融点を超える典型的に10〜20℃の温度で実施される)。その後、低せん断ミキサーで至ることころを撹拌しながら、エマルションにドライアイス(carbo-ice)を付加することによって、当該エマルションをワックスの融点未満に迅速に冷却した。
【0146】
エマルションが周囲温度になった時に、低せん断撹拌下でイソシアネートを付加した。
【0147】
35分後に、多官能性アミンの水性溶液を撹拌下でさらに付加した。
【0148】
【表5】

【実施例5】
【0149】
以下の実施例は、実施例1〜3に従って調製したマイクロカプセルが高温貯蔵で安定であることを実証する。
【0150】
実施例1〜3に従って調製した製剤を、50℃で、実質的に粒子径の変化がないことを示す期間である3週間まで貯蔵し、その結果を以下の表5及び6に示した。
【表6】

【表7】

【実施例6】
【0151】
本実施例は、Cruiser(商標)5FS(500g/lのチアメトキサムを含む懸濁濃縮物)の形態にあるカプセル化されていないチアメトキサムと比較して、カプセル化されたワックス中でのチアメトキサムの懸濁物を含む種子処理剤がチアメトキサムの延長された放出制御を示すことを実証する。
【0152】
ワックス中でカプセル化されたチアメトキサムの懸濁物をコーティングポリマーSpectrumTM 300Cと混合し、種子ごとに1.25 mgのチアメトキサムと0.625 mgのSpectrum 300Cの添加を与えるように、種子処理装置中でトウモロコシ種子に適用した。
【0153】
10個の処理済の種子をブフナー漏斗(孔直径2,1lcm)において、およそ80 gの土の上に置き、そして追加の35 gの土及びろ紙で覆った。決められた量の水をろ紙に散布し、そして溶離液を収集し、チアメトキサム含有量を計量し分析した。得られた放出速度のデータは図1に示す。
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロカプセル自体が
(a) ポリマーシェル;及び
(b) 25℃以上の融点を有するが、ガラス転移温度を示さない疎水性材料中に固体として分散することを特徴とする、25℃以上の融点を有する農薬を含むコアを含んで成るマイクロカプセル製品。
【請求項2】
前記農薬が20℃で0.1〜100 g/1の範囲の水溶性を有する、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記農薬がネオニコチノイド殺虫剤である、請求項2に記載の製品。
【請求項4】
前記農薬がアセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリドまたはチアメトキサムである、請求項3に記載の製品。
【請求項5】
前記農薬がチアメトキサムである、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
前記マイクロカプセルが水性相中に分散する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製品。
【請求項7】
前記製品が乾燥製品である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製品。
【請求項8】
前記乾燥製品が粒状である、請求項7に記載の製品。
【請求項9】
前記乾燥製品が水分散性である、請求項7または8に記載の製品。
【請求項10】
前記水性相が農薬を含んで成る、請求項6に記載の製品。
【請求項11】
前記水性相中の農薬が20℃で0.1〜100 g/1の範囲の水溶性を有する、請求項10に記載の製品。
【請求項12】
前記水性相中の農薬がネオニコチノイド殺虫剤である、請求項11に記載の製品。
【請求項13】
前記水性相中の農薬がアセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリドまたはチアメトキサムである、請求項12に記載の製品。
【請求項14】
前記水性相中の農薬がチアメトキサムである、請求項13に記載の製品。
【請求項15】
前記コアが水不混和性液体をさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の製品。
【請求項16】
前記疎水性材料がワックスである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製品。
【請求項17】
前記コアが完全に、または部分的に固体である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の製品。
【請求項18】
前記コアが部分的に固体である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の製品。
【請求項19】
前記ポリマーシェルがポリ尿素、ポリアミドまたはポリウレタンであるポリマー、或いは2種以上のそれらのポリマーの混合物である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の製品。
【請求項20】
前記ポリマーシェルがポリ尿素である、請求項19に記載の製品。
【請求項21】
以下のステップ
(i) 疎水性材料を融解し、疎水性液体を形成すること;
(ii) 該疎水性液体中に農薬を分散すること;
(iii) 該疎水性液体を水性相中に乳化すること;
(iv) 任意に該得られたエマルションを冷却すること;
(v) 該疎水性液体と水性相の間の界面で界面重合反応を起こして、カプセル懸濁物を生産すること;及び
(vi) 任意に該カプセル懸濁物を冷却すること、または該カプセル懸濁物に冷却をもたらすことを含んで成る請求項1〜20のいずれか1項に記載の製品の調製方法。
【請求項22】
前記疎水性材料の融点未満にエマルションを迅速に冷却するステップを含んで成る、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
イソシアネートが水性相の至るところに導入される、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
害虫または害虫の生息場所に、殺虫剤的に有効量の製品を適用することを含んで成る、農業害虫を駆除または制御するための請求項1〜20のいずれか1項に記載の製品の使用。
【請求項25】
前記害虫がシロアリである、請求項19に記載の製品の使用。
【請求項26】
農薬の放出速度を制御するための請求項1〜20のいずれか1項に記載の製品の使用。
【請求項27】
土壌を通して浸出する農薬の量を減じるための請求項1〜20のいずれか1項に記載の製品の使用。
【請求項28】
種子処理における請求項1〜20のいずれか1項に記載の製品の使用。
【請求項29】
材料保護を提供するための請求項1〜20のいずれか1項に記載の製品の使用。

【公表番号】特表2009−520795(P2009−520795A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546634(P2008−546634)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004902
【国際公開番号】WO2007/072046
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】