製紙施設における支持又はワイピングストリップにおけるセラミックエレメントの温度を制御するための方法及びシステム、及び支持又はワイピングストリップ
【課題】製紙用システムに配置された個々の支持又はワイピングストリップが、このストリップにおいて生じる熱応力の結果として損傷されないように保護されることを可能にするシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】 製紙施設におけるワイヤ又はフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度が、冷却キャリヤ媒体又は加熱キャリヤ媒体を支持又はワイピングストリップを通過して案内することにより制御される。その目的のために、支持又はワイピングストリップは少なくとも1つのチャネルを備えて形成されており、このチャネルを加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体が圧送される。
【解決手段】 製紙施設におけるワイヤ又はフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度が、冷却キャリヤ媒体又は加熱キャリヤ媒体を支持又はワイピングストリップを通過して案内することにより制御される。その目的のために、支持又はワイピングストリップは少なくとも1つのチャネルを備えて形成されており、このチャネルを加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体が圧送される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願とのクロスリファレンス)
本願は、合衆国第35法典第119条の下で、2006年4月13日に出願されたオーストリア出願A644/2006の優先権を請求する、以前の出願は引用したことにより全体が本願に組み入れられる。
【0002】
本発明は製紙施設の分野に関する。より具体的には、本発明は、製紙のためのシステムにおいて、このシステムに配置された少なくとも1つのワイヤ又は少なくとも1つのフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するための方法に関する。さらに、本発明は、前記方法を実施するための装置及び支持又はワイピングストリップに関する。
【背景技術】
【0003】
製紙のためのシステムは、一般的に“ワイヤ”と呼ばれる、少なくとも1つのワイヤメッシュベルトと、さらに、一般的に“フェルト”と呼ばれる、少なくとも1つのフェルトベルトとを有している。2つのベルトは支持ストリップに適用されており、これらの支持ストリップは、移動方向で相前後しており、ベルトに対して横方向に向けられており、この支持ストリップ上にワイヤ及びフェルトが案内されている。製紙システムの第1の領域において、支持ストリップは、紙料から出てワイヤを通過する液体のためのワイピング(拭き取り)ストリップとしても働く。これらの支持ストリップは、高い機械的及び腐食的負荷を受けるので、これらの支持ストリップの、ワイヤ又はフェルトに面した、ワイヤ又はフェルトが載置される表面にセラミック材料のプレートを提供する必要がある。
【0004】
一方では、ワイヤ又はフェルトは支持ストリップ上を極めて高い速度、例えば40m/secで移動させられる。他方では、支持ストリップの下側には、紙料から出てくる液体を引き込むための装置、又はワイヤに載置される紙ウェブを乾燥させるために又はフェルトを乾燥させるために空気を引き込むための装置が設けられており、その結果、ワイヤ及びフェルトは支持ストリップ上に極めて高い圧力で押し付けられる。その結果、摩擦力が生じ、この摩擦力によってセラミックエレメントが強く加熱される可能性がある。
【0005】
製紙用システムが作動していない場合、支持ストリップは大気温度まで冷却する。システムが始動されるやいなや、90℃までの温度を有することができる紙料がワイヤに吹き付けられる。さらに、ワイヤの上方に蒸気フードが提供されることができ、この蒸気フード内には高温の蒸気が存在し、この蒸気は紙ウェブを乾燥させるために使用され、この蒸気によってセラミックエレメントは、これらのセラミックエレメントに提供される150℃までの温度を有する可能性がある。それと同時に、支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントが極めて低い熱伝導率を有することを考慮する必要がある。
【0006】
上に示された事実により、支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントは、極めて高い熱負荷に曝され、この熱負荷は、極めて短い時間の間に約200℃の範囲で変化する可能性がある。
【0007】
これらの熱負荷の結果、き裂又は割れがセラミックエレメントに生じる危険性がある。この場合、支持又はワイピングストリップを遅滞なく交換する必要がある。なぜならば、そうしないと、ワイヤ又はフェルトが損傷されるからであり、これは、製造作業が損なわれ、操作的故障が生ぜしめられる可能性があることを意味する。
【0008】
上に説明された事実により、このようなシステムにおいて、高い温度変動によって生ぜしめられるセラミックエレメントへの損傷は、間違いなく回避されなければならない。
【0009】
特許文献1、特許文献1に対応する特許文献2、及び特許文献3は、温度センサを備えた製紙システムにおける支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントを装備することを開示している。これらのセンサによって、第1に、存在する温度が決定されることができ、第2に、セラミックエレメントにおける急速に変化する温度が検出されることができる。このことは、セラミックエレメントの許容できない温度値又は急速な温度変化が回避されるようにシステムの動作を制御する可能性を提供する。しかしながら、この方法は要求を満たさない。なぜならば、製紙用システムの様々な領域において様々な熱条件があるので、この理由から、システムの個々の領域において生じる可能性のある、セラミックエレメントの許容できない熱負荷が、システム全体を制御することによって回避されることができない。
【0010】
【特許文献1】欧州特許第1260633号明細書
【特許文献2】米国特許第6752909号明細書
【特許文献3】米国特許第6821389号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、この一般的なタイプのこれまで知られている装置及び方法の前記欠点を克服し、製紙用システムに配置された個々の支持又はワイピングストリップが、このストリップにおいて生じる熱応力の結果として損傷されないように保護されることを可能にするシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的及びその他の目的を考慮して、本発明によれば、製紙施設におけるワイヤ又はフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するための方法が提供される。支持又はワイピングストリップは少なくとも1つのチャネルを備えて形成されている、この方法は、少なくとも1つのチャネルを介して加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体を案内することを含む。
【0013】
言い換えれば、本発明の目的は、支持又はワイピングストリップが少なくとも1つのチャネルを備えて形成されていることにより達成され、このチャネルを通って加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体が案内される。
【0014】
第1の好適な方法によれば、少なくとも1つのチャネルにつながるラインに混合弁が設けられており、この混合弁に、それぞれ加熱及び冷却のためのキャリヤ媒体のためのラインが接続されており、混合弁は、関連する支持又はワイピングストリップが有するべき温度に設定されている。この場合、支持又はワイピングストリップから流出するラインに温度センサが設けられることができ、この温度センサによって、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度が測定される。さらに、温度センサは、支持又はワイピングストリップへ進入するラインに設けられることもでき、この温度センサによって、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体の温度が測定される。
【0015】
第2の好適な方法によれば、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体の温度は、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に関して制御される。この場合、キャリヤ媒体は、本質的に閉じられた回路においてデリバリポンプによって搬送されることができる。さらに、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体は、加熱装置又は冷却装置を介して案内され、次いで支持又はワイピングストリップに供給されることができる。加熱装置又は冷却装置が、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に関して制御されることができる。その代わりに、デリバリポンプの出力が、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に関して制御されることができる。さらに、加熱装置及び冷却装置の出力、及びデリバリポンプの出力は、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に関して制御されることができる。キャリヤ媒体は好適には支持又はワイピングストリップを通じて連続的に案内され、特に支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントを通じて案内される。
【0016】
製紙用システムにおける支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するためのこの方法を実施するための本発明によるシステムにおいて、支持又はワイピングストリップは少なくとも1つのチャネルを備えて形成されており、このチャネルに、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体及び支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体のためのラインが接続されている。
【0017】
第1の実施形態によれば、少なくとも1つのチャネルに流入するラインにおいて、加熱及び冷却のためのキャリヤ媒体のための混合弁が設けられている。さらに、支持又はワイピングストリップに流入するライン及び/又は支持又はワイピングストリップから流出するラインにおいて、温度センサが設けられることができる。
【0018】
第2の実施形態によれば、ラインシステムが設けられており、このラインシステムには、デリバリポンプと、キャリヤ媒体のための加熱装置及び冷却装置と、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度を決定するための少なくとも1つの温度センサと、加熱装置及び冷却装置及び/又はデリバリポンプの出力を制御するための制御ユニットとが設けられている。この場合、支持又はワイピングストリップに供給されるキャリヤ媒体の温度を決定するための少なくとも1つの温度センサが設けられることもできる。
【0019】
この方法を実施するための本発明による支持又はワイピングストリップは、加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体を案内するための少なくとも1つのチャネルを備えて形成されている。この場合、チャネルはセラミックエレメントを貫通することができる。さらに、チャネルはセラミックエレメントとセラミックエレメントのためのキャリヤストリップとの間に配置されることができる。さらに、チャネルは、支持又はワイピングストリップの一端において始まり、その他端において終わることができるか、又はチャネルは支持又はワイピングストリップの一端において始まり、同じ端部に戻されていることもできる。この場合、前方へ延びるチャネルは、支持又はワイピングストリップ内で戻るチャネルに接続されている。さらに、前方へ延びるチャネルは、支持又はワイピングストリップの外側に配置された管の片を介して戻るチャネルに接続されることができる。さらに、セラミックエレメント及びキャリヤストリップは、少なくとも1つのチャネル又はチャネル部分を備えて形成されることができる。
【0020】
本発明にとって特徴的であると考えられるその他の特徴は従属請求項に示されている。
【0021】
本発明はここでは、製紙用システムにおける支持及びワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するための方法、及びこの方法を実施するための装置及び支持又はワイピングストリップにおいて具体化されたものとして例示及び説明されているが、それにもかかわらず本発明は示された詳細に限定されるものではない。なぜならば、発明の精神から逸脱することなく、また請求項の均等物の範囲内で様々な修正及び構造的変更が行われることもあるからである。
【0022】
しかしながら、本発明の構造及び操作方法は、発明の付加的な目的及び利点と共に、添付の図面に関連して読まれた場合に特定の実施形態の以下の説明から最も良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
ここで図面を詳細に参照し、まず、図1を参照しながら、支持又はワイピングストリップ1の制御を説明する。この場合、支持又はワイピングストリップ1はキャリヤストリップ1aを有しており、このキャリヤストリップ1aにはセラミックエレメント1bが固定されており、支持又はワイピングストリップ1は2つのチャネル11及び12を備えて形成されている。支持又はワイピングストリップ1の一端において、2つのチャネル11及び12の端部には結合管13及び14が接続されている。支持又はワイピングストリップ1の他方の端部において、2つのチャネル11及び12は一片の管15によって互いに接続されている。
【0024】
結合管13は、混合弁2からの排出ライン23に接続されており、混合弁に、第1の結合ライン21を介して冷却のためのキャリヤ媒体が供給され、第2の結合ライン22を介して加熱のためのキャリヤ媒体が供給される。結合管13又は、結合管13と排出ライン23との組合せを供給ラインと呼ぶことができる。制御装置20によって、排出ライン23を介して混合弁2によって排出されるキャリヤ媒体又は熱交換媒体の温度は、混合弁2を介してキャリヤ媒体が供給されるシステムにおける支持又はワイピングストリップが有するべき温度に設定される。
【0025】
製紙用システムの作動中、システムの特定の領域に配置された支持又はワイピングストリップ1が有するべき温度が規定される。次いで、混合弁2がこの温度に設定される。これにより、混合弁2から排出ライン23を介して支持又はワイピングストリップ1に供給されるキャリヤ媒体によって、このストリップ1は、目標温度にされる。管14を介して支持又はワイピングストリップ1から流出する、前記ストリップによって加熱又は冷却されたキャリヤ媒体は、別のライン24を介して容器又は下水管へ案内される。管14又は、管14とライン24との組合せを戻りラインと呼ぶことができる。
【0026】
さらに、ライン23及び24には温度センサ25及び26が設けられており、これらの温度センサによって、これらのラインを流過するキャリヤ媒体の温度が登録される。
【0027】
この方法によって、概して、関連する支持又はワイピングストリップ1の温度は、目標値に近づけられることができる。
【0028】
図2を参照して説明される第2の方法によれば、支持又はワイピングストリップ1は、加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体のための本質的に閉じられた回路3が適用されており、この場合、キャリヤ媒体のための容器30と、デリバリポンプ4と、制御弁5と、加熱装置6と、冷却装置7とが設けられている。制御ユニット8も設けられており、この制御ユニットは、回路3に配置された2つの温度センサ81及び82が適用されており、デリバリポンプ4と、制御弁5と、加熱装置6と、冷却装置7とを制御するために使用される。
【0029】
装置の機能は以下の通りである。
デリバリポンプ4によって、加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体が、ライン31を介して制御弁5へ案内され、この制御弁から、キャリヤ媒体は、ライン32を介して加熱装置6へ又はライン34を介して冷却装置7へ搬送される。加熱装置6又は冷却装置7から、加熱又は冷却されたキャリヤ媒体が、ライン33又は35を介して及び結合管13を介して支持又はワイピングストリップ1のチャネル11へ、及び管の片15を介してチャネル12へ進行する。キャリヤ媒体の戻り流は、管14及びライン36を介してデリバリポンプ4へ生じる。
【0030】
ライン35に配置された第1の温度センサ81によって、支持又はワイピングストリップ1に流入するキャリヤ媒体の温度の測定が行われ、ライン36に配置された温度センサ82によって、支持又はワイピングストリップ1から流出する媒体の温度測定が行われる。温度センサ81及び82によって出力された測定値は、制御ライン83及び84を介して制御ユニット8へ伝送され、この制御ユニットから、制御ライン85,86,87及び88を介して、デリバリポンプ4と、制御弁5と、加熱装置6と、冷却装置7とが制御される。
【0031】
支持ストリップ1に存在する温度が上昇されなければならないということが、温度センサ82によって出力された測定値に基づいて制御ユニット8によって決定されるやいなや、制御弁5は、キャリヤ媒体がデリバリポンプ4によって加熱装置6に供給されるように変更され、キャリヤ媒体が加熱装置において加熱され、結合管13を介してチャネル11に導入される。この手順は、支持又はワイピングストリップ1が特定の作動ケースのために要求される温度を有するまで維持される。これに対して、支持又はワイピングストリップ1に存在する温度が低下されなければならないということが制御ユニット8によって決定されると、制御弁5は、キャリヤ媒体がデリバリポンプ4によって冷却装置7へ供給されるように変更され、キャリヤ媒体は冷却装置において冷却され、同様に結合管13を介してチャネル11に導入される。
【0032】
この手順は同様に、支持又はワイピングストリップ1が特定の作動ケースのために要求される温度を有するまで維持される。
【0033】
支持又はワイピングストリップ1の加熱又は冷却に関する別の制御も、制御ユニット8によって上昇又は下降させられるデリバリポンプ4の出力によって行われることができる。
【0034】
製紙用システムの作動中に、支持又はワイピングストリップ1に適用された制御ユニット8によって、この支持又はワイピングストリップ1が、関連する作動ケースのために低すぎる又は高すぎる温度を有するということ、又はこの支持又はワイピングストリップ1の温度変化が速すぎ、その結果それぞれこの支持又はワイピングストリップ1のセラミックエレメント1bのき裂又は割れの危険性があるということが決定されたならば、この支持又はワイピングストリップ1には、適切に加熱又は冷却されたキャリヤ媒体が供給され、これは、セラミックエレメント1bが、あらゆる許容できない熱負荷に曝されず、これにより、このような熱負荷によって生ぜしめられる損傷が回避されることを意味する。
【0035】
この第2の方法によって、特定の作動環境に拘わらず、関連する支持又はワイピングストリップの温度の極めて正確な制御が行われる。
【0036】
図3及び3A、図4及び4A〜4D、図5及び5A、図6、図7及び7A〜7C、図8及び8A、8B、図9及び9A、図10、10A及び10Bには、支持又はワイピングストリップ1の様々な実施形態が示されている。これらの実施形態はキャリヤストリップ1aを有しており、このキャリヤストリップには、セラミック材料から成るプレート1bが固定されており、キャリヤストリップは、チャネル11及び12を備えており、これらのチャネルは、これらの支持又はワイピングストリップを長手方向に貫通している。この場合、これらのチャネルは、支持又はワイピングストリップ1の一方の端部において始まり、ストリップ1の他方の端部において終わっていることができる。その代わりに、これらのチャネルは、支持又はワイピングストリップ1の一方の端部において始まり、この端部に再び戻るように延びていることができる。さらに、これらのチャネルは、セラミック製のプレート1bを貫通していることができるか、又はキャリヤストリップ1aに設けられることができるか、セラミック製のプレート1bとキャリヤストリップ1aとの間に配置されることができる。さらに、チャネルは、様々な横断面を備えて形成されることができる。
【0037】
セラミック材料製のプレート1bは極めて低い熱伝導率を有するので、チャネル内を通流するキャリヤ媒体によって、セラミック材料製のプレート1bの目標温度が達成され、プレートが熱応力によって損傷されることを回避するために、支持又はワイピングストリップ内のチャネルの配列と、断面形状とが最も重要である。
【0038】
冷却及び加熱のために使用されるキャリヤ媒体は特に水である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による第1の方法を実施するための装置の概略図である。
【図2】本発明による第2の方法を実施するための装置の概略図である。
【図3】本発明による支持又はワイピングストリップの第1の実施形態の長手方向断面図である。
【図3A】図3における線III−IIIに沿って見た断面図である。
【図4】本発明による支持又はワイピングストリップの第2の実施形態の長手方向断面図である。
【図4A】図4における線IV−IVに沿って見た断面図である。
【図4B】図4における線IV−IVに沿って見た断面図である。
【図4C】図4における線IV−IVに沿って見た断面図である。
【図4D】図4における線IV−IVに沿って見た断面図である。
【図5】本発明による支持又はワイピングストリップの第3の実施形態の長手方向断面図である。
【図5A】図5における線V−Vに沿って見た断面図である。
【図6】本発明による支持又はワイピングストリップの第4の実施形態の長手方向断面図である。
【図7】本発明による支持又はワイピングストリップの第5の実施形態の長手方向断面図である。
【図7A】図7における線VII−VIIに沿って見た断面図である。
【図7B】図7における線VII−VIIに沿って見た断面図である。
【図7C】図7における線VII−VIIに沿って見た断面図である。
【図8】本発明による支持又はワイピングストリップの第6の実施形態の長手方向断面図である。
【図8A】図8における線VIII−VIIIに沿って見た断面図である。
【図8B】図8における線VIII−VIIIに沿って見た断面図である。
【図9】本発明による支持又はワイピングストリップの第7の実施形態の長手方向断面図である。
【図9A】図9における線IX−IXに沿って見た断面図である。
【図10】本発明による支持又はワイピングストリップの第5の実施形態の長手方向断面図である。
【図10A】図10における線X−Xに沿って見た断面図である。
【図10B】図10における線XI−XIに沿って見た断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 支持又はワイピングストリップ
1a キャリヤストリップ
1b セラミックエレメント
4 デリバリポンプ
5 制御弁
6 加熱装置
7 冷却装置
8 制御ユニット
11,12 チャネル
13,14 結合管
15 管
21 第1の結合ライン
22 第2の結合ライン
23 排出ライン
24 ライン
25,26 温度センサ
30 容器
31,32,33,34,35,36 ライン
81,82 温度センサ
83,84,85,86,87,88 制御ライン
【技術分野】
【0001】
(関連出願とのクロスリファレンス)
本願は、合衆国第35法典第119条の下で、2006年4月13日に出願されたオーストリア出願A644/2006の優先権を請求する、以前の出願は引用したことにより全体が本願に組み入れられる。
【0002】
本発明は製紙施設の分野に関する。より具体的には、本発明は、製紙のためのシステムにおいて、このシステムに配置された少なくとも1つのワイヤ又は少なくとも1つのフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するための方法に関する。さらに、本発明は、前記方法を実施するための装置及び支持又はワイピングストリップに関する。
【背景技術】
【0003】
製紙のためのシステムは、一般的に“ワイヤ”と呼ばれる、少なくとも1つのワイヤメッシュベルトと、さらに、一般的に“フェルト”と呼ばれる、少なくとも1つのフェルトベルトとを有している。2つのベルトは支持ストリップに適用されており、これらの支持ストリップは、移動方向で相前後しており、ベルトに対して横方向に向けられており、この支持ストリップ上にワイヤ及びフェルトが案内されている。製紙システムの第1の領域において、支持ストリップは、紙料から出てワイヤを通過する液体のためのワイピング(拭き取り)ストリップとしても働く。これらの支持ストリップは、高い機械的及び腐食的負荷を受けるので、これらの支持ストリップの、ワイヤ又はフェルトに面した、ワイヤ又はフェルトが載置される表面にセラミック材料のプレートを提供する必要がある。
【0004】
一方では、ワイヤ又はフェルトは支持ストリップ上を極めて高い速度、例えば40m/secで移動させられる。他方では、支持ストリップの下側には、紙料から出てくる液体を引き込むための装置、又はワイヤに載置される紙ウェブを乾燥させるために又はフェルトを乾燥させるために空気を引き込むための装置が設けられており、その結果、ワイヤ及びフェルトは支持ストリップ上に極めて高い圧力で押し付けられる。その結果、摩擦力が生じ、この摩擦力によってセラミックエレメントが強く加熱される可能性がある。
【0005】
製紙用システムが作動していない場合、支持ストリップは大気温度まで冷却する。システムが始動されるやいなや、90℃までの温度を有することができる紙料がワイヤに吹き付けられる。さらに、ワイヤの上方に蒸気フードが提供されることができ、この蒸気フード内には高温の蒸気が存在し、この蒸気は紙ウェブを乾燥させるために使用され、この蒸気によってセラミックエレメントは、これらのセラミックエレメントに提供される150℃までの温度を有する可能性がある。それと同時に、支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントが極めて低い熱伝導率を有することを考慮する必要がある。
【0006】
上に示された事実により、支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントは、極めて高い熱負荷に曝され、この熱負荷は、極めて短い時間の間に約200℃の範囲で変化する可能性がある。
【0007】
これらの熱負荷の結果、き裂又は割れがセラミックエレメントに生じる危険性がある。この場合、支持又はワイピングストリップを遅滞なく交換する必要がある。なぜならば、そうしないと、ワイヤ又はフェルトが損傷されるからであり、これは、製造作業が損なわれ、操作的故障が生ぜしめられる可能性があることを意味する。
【0008】
上に説明された事実により、このようなシステムにおいて、高い温度変動によって生ぜしめられるセラミックエレメントへの損傷は、間違いなく回避されなければならない。
【0009】
特許文献1、特許文献1に対応する特許文献2、及び特許文献3は、温度センサを備えた製紙システムにおける支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントを装備することを開示している。これらのセンサによって、第1に、存在する温度が決定されることができ、第2に、セラミックエレメントにおける急速に変化する温度が検出されることができる。このことは、セラミックエレメントの許容できない温度値又は急速な温度変化が回避されるようにシステムの動作を制御する可能性を提供する。しかしながら、この方法は要求を満たさない。なぜならば、製紙用システムの様々な領域において様々な熱条件があるので、この理由から、システムの個々の領域において生じる可能性のある、セラミックエレメントの許容できない熱負荷が、システム全体を制御することによって回避されることができない。
【0010】
【特許文献1】欧州特許第1260633号明細書
【特許文献2】米国特許第6752909号明細書
【特許文献3】米国特許第6821389号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の目的は、この一般的なタイプのこれまで知られている装置及び方法の前記欠点を克服し、製紙用システムに配置された個々の支持又はワイピングストリップが、このストリップにおいて生じる熱応力の結果として損傷されないように保護されることを可能にするシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的及びその他の目的を考慮して、本発明によれば、製紙施設におけるワイヤ又はフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するための方法が提供される。支持又はワイピングストリップは少なくとも1つのチャネルを備えて形成されている、この方法は、少なくとも1つのチャネルを介して加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体を案内することを含む。
【0013】
言い換えれば、本発明の目的は、支持又はワイピングストリップが少なくとも1つのチャネルを備えて形成されていることにより達成され、このチャネルを通って加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体が案内される。
【0014】
第1の好適な方法によれば、少なくとも1つのチャネルにつながるラインに混合弁が設けられており、この混合弁に、それぞれ加熱及び冷却のためのキャリヤ媒体のためのラインが接続されており、混合弁は、関連する支持又はワイピングストリップが有するべき温度に設定されている。この場合、支持又はワイピングストリップから流出するラインに温度センサが設けられることができ、この温度センサによって、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度が測定される。さらに、温度センサは、支持又はワイピングストリップへ進入するラインに設けられることもでき、この温度センサによって、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体の温度が測定される。
【0015】
第2の好適な方法によれば、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体の温度は、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に関して制御される。この場合、キャリヤ媒体は、本質的に閉じられた回路においてデリバリポンプによって搬送されることができる。さらに、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体は、加熱装置又は冷却装置を介して案内され、次いで支持又はワイピングストリップに供給されることができる。加熱装置又は冷却装置が、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に関して制御されることができる。その代わりに、デリバリポンプの出力が、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に関して制御されることができる。さらに、加熱装置及び冷却装置の出力、及びデリバリポンプの出力は、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に関して制御されることができる。キャリヤ媒体は好適には支持又はワイピングストリップを通じて連続的に案内され、特に支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントを通じて案内される。
【0016】
製紙用システムにおける支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するためのこの方法を実施するための本発明によるシステムにおいて、支持又はワイピングストリップは少なくとも1つのチャネルを備えて形成されており、このチャネルに、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体及び支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体のためのラインが接続されている。
【0017】
第1の実施形態によれば、少なくとも1つのチャネルに流入するラインにおいて、加熱及び冷却のためのキャリヤ媒体のための混合弁が設けられている。さらに、支持又はワイピングストリップに流入するライン及び/又は支持又はワイピングストリップから流出するラインにおいて、温度センサが設けられることができる。
【0018】
第2の実施形態によれば、ラインシステムが設けられており、このラインシステムには、デリバリポンプと、キャリヤ媒体のための加熱装置及び冷却装置と、支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度を決定するための少なくとも1つの温度センサと、加熱装置及び冷却装置及び/又はデリバリポンプの出力を制御するための制御ユニットとが設けられている。この場合、支持又はワイピングストリップに供給されるキャリヤ媒体の温度を決定するための少なくとも1つの温度センサが設けられることもできる。
【0019】
この方法を実施するための本発明による支持又はワイピングストリップは、加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体を案内するための少なくとも1つのチャネルを備えて形成されている。この場合、チャネルはセラミックエレメントを貫通することができる。さらに、チャネルはセラミックエレメントとセラミックエレメントのためのキャリヤストリップとの間に配置されることができる。さらに、チャネルは、支持又はワイピングストリップの一端において始まり、その他端において終わることができるか、又はチャネルは支持又はワイピングストリップの一端において始まり、同じ端部に戻されていることもできる。この場合、前方へ延びるチャネルは、支持又はワイピングストリップ内で戻るチャネルに接続されている。さらに、前方へ延びるチャネルは、支持又はワイピングストリップの外側に配置された管の片を介して戻るチャネルに接続されることができる。さらに、セラミックエレメント及びキャリヤストリップは、少なくとも1つのチャネル又はチャネル部分を備えて形成されることができる。
【0020】
本発明にとって特徴的であると考えられるその他の特徴は従属請求項に示されている。
【0021】
本発明はここでは、製紙用システムにおける支持及びワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するための方法、及びこの方法を実施するための装置及び支持又はワイピングストリップにおいて具体化されたものとして例示及び説明されているが、それにもかかわらず本発明は示された詳細に限定されるものではない。なぜならば、発明の精神から逸脱することなく、また請求項の均等物の範囲内で様々な修正及び構造的変更が行われることもあるからである。
【0022】
しかしながら、本発明の構造及び操作方法は、発明の付加的な目的及び利点と共に、添付の図面に関連して読まれた場合に特定の実施形態の以下の説明から最も良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
ここで図面を詳細に参照し、まず、図1を参照しながら、支持又はワイピングストリップ1の制御を説明する。この場合、支持又はワイピングストリップ1はキャリヤストリップ1aを有しており、このキャリヤストリップ1aにはセラミックエレメント1bが固定されており、支持又はワイピングストリップ1は2つのチャネル11及び12を備えて形成されている。支持又はワイピングストリップ1の一端において、2つのチャネル11及び12の端部には結合管13及び14が接続されている。支持又はワイピングストリップ1の他方の端部において、2つのチャネル11及び12は一片の管15によって互いに接続されている。
【0024】
結合管13は、混合弁2からの排出ライン23に接続されており、混合弁に、第1の結合ライン21を介して冷却のためのキャリヤ媒体が供給され、第2の結合ライン22を介して加熱のためのキャリヤ媒体が供給される。結合管13又は、結合管13と排出ライン23との組合せを供給ラインと呼ぶことができる。制御装置20によって、排出ライン23を介して混合弁2によって排出されるキャリヤ媒体又は熱交換媒体の温度は、混合弁2を介してキャリヤ媒体が供給されるシステムにおける支持又はワイピングストリップが有するべき温度に設定される。
【0025】
製紙用システムの作動中、システムの特定の領域に配置された支持又はワイピングストリップ1が有するべき温度が規定される。次いで、混合弁2がこの温度に設定される。これにより、混合弁2から排出ライン23を介して支持又はワイピングストリップ1に供給されるキャリヤ媒体によって、このストリップ1は、目標温度にされる。管14を介して支持又はワイピングストリップ1から流出する、前記ストリップによって加熱又は冷却されたキャリヤ媒体は、別のライン24を介して容器又は下水管へ案内される。管14又は、管14とライン24との組合せを戻りラインと呼ぶことができる。
【0026】
さらに、ライン23及び24には温度センサ25及び26が設けられており、これらの温度センサによって、これらのラインを流過するキャリヤ媒体の温度が登録される。
【0027】
この方法によって、概して、関連する支持又はワイピングストリップ1の温度は、目標値に近づけられることができる。
【0028】
図2を参照して説明される第2の方法によれば、支持又はワイピングストリップ1は、加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体のための本質的に閉じられた回路3が適用されており、この場合、キャリヤ媒体のための容器30と、デリバリポンプ4と、制御弁5と、加熱装置6と、冷却装置7とが設けられている。制御ユニット8も設けられており、この制御ユニットは、回路3に配置された2つの温度センサ81及び82が適用されており、デリバリポンプ4と、制御弁5と、加熱装置6と、冷却装置7とを制御するために使用される。
【0029】
装置の機能は以下の通りである。
デリバリポンプ4によって、加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体が、ライン31を介して制御弁5へ案内され、この制御弁から、キャリヤ媒体は、ライン32を介して加熱装置6へ又はライン34を介して冷却装置7へ搬送される。加熱装置6又は冷却装置7から、加熱又は冷却されたキャリヤ媒体が、ライン33又は35を介して及び結合管13を介して支持又はワイピングストリップ1のチャネル11へ、及び管の片15を介してチャネル12へ進行する。キャリヤ媒体の戻り流は、管14及びライン36を介してデリバリポンプ4へ生じる。
【0030】
ライン35に配置された第1の温度センサ81によって、支持又はワイピングストリップ1に流入するキャリヤ媒体の温度の測定が行われ、ライン36に配置された温度センサ82によって、支持又はワイピングストリップ1から流出する媒体の温度測定が行われる。温度センサ81及び82によって出力された測定値は、制御ライン83及び84を介して制御ユニット8へ伝送され、この制御ユニットから、制御ライン85,86,87及び88を介して、デリバリポンプ4と、制御弁5と、加熱装置6と、冷却装置7とが制御される。
【0031】
支持ストリップ1に存在する温度が上昇されなければならないということが、温度センサ82によって出力された測定値に基づいて制御ユニット8によって決定されるやいなや、制御弁5は、キャリヤ媒体がデリバリポンプ4によって加熱装置6に供給されるように変更され、キャリヤ媒体が加熱装置において加熱され、結合管13を介してチャネル11に導入される。この手順は、支持又はワイピングストリップ1が特定の作動ケースのために要求される温度を有するまで維持される。これに対して、支持又はワイピングストリップ1に存在する温度が低下されなければならないということが制御ユニット8によって決定されると、制御弁5は、キャリヤ媒体がデリバリポンプ4によって冷却装置7へ供給されるように変更され、キャリヤ媒体は冷却装置において冷却され、同様に結合管13を介してチャネル11に導入される。
【0032】
この手順は同様に、支持又はワイピングストリップ1が特定の作動ケースのために要求される温度を有するまで維持される。
【0033】
支持又はワイピングストリップ1の加熱又は冷却に関する別の制御も、制御ユニット8によって上昇又は下降させられるデリバリポンプ4の出力によって行われることができる。
【0034】
製紙用システムの作動中に、支持又はワイピングストリップ1に適用された制御ユニット8によって、この支持又はワイピングストリップ1が、関連する作動ケースのために低すぎる又は高すぎる温度を有するということ、又はこの支持又はワイピングストリップ1の温度変化が速すぎ、その結果それぞれこの支持又はワイピングストリップ1のセラミックエレメント1bのき裂又は割れの危険性があるということが決定されたならば、この支持又はワイピングストリップ1には、適切に加熱又は冷却されたキャリヤ媒体が供給され、これは、セラミックエレメント1bが、あらゆる許容できない熱負荷に曝されず、これにより、このような熱負荷によって生ぜしめられる損傷が回避されることを意味する。
【0035】
この第2の方法によって、特定の作動環境に拘わらず、関連する支持又はワイピングストリップの温度の極めて正確な制御が行われる。
【0036】
図3及び3A、図4及び4A〜4D、図5及び5A、図6、図7及び7A〜7C、図8及び8A、8B、図9及び9A、図10、10A及び10Bには、支持又はワイピングストリップ1の様々な実施形態が示されている。これらの実施形態はキャリヤストリップ1aを有しており、このキャリヤストリップには、セラミック材料から成るプレート1bが固定されており、キャリヤストリップは、チャネル11及び12を備えており、これらのチャネルは、これらの支持又はワイピングストリップを長手方向に貫通している。この場合、これらのチャネルは、支持又はワイピングストリップ1の一方の端部において始まり、ストリップ1の他方の端部において終わっていることができる。その代わりに、これらのチャネルは、支持又はワイピングストリップ1の一方の端部において始まり、この端部に再び戻るように延びていることができる。さらに、これらのチャネルは、セラミック製のプレート1bを貫通していることができるか、又はキャリヤストリップ1aに設けられることができるか、セラミック製のプレート1bとキャリヤストリップ1aとの間に配置されることができる。さらに、チャネルは、様々な横断面を備えて形成されることができる。
【0037】
セラミック材料製のプレート1bは極めて低い熱伝導率を有するので、チャネル内を通流するキャリヤ媒体によって、セラミック材料製のプレート1bの目標温度が達成され、プレートが熱応力によって損傷されることを回避するために、支持又はワイピングストリップ内のチャネルの配列と、断面形状とが最も重要である。
【0038】
冷却及び加熱のために使用されるキャリヤ媒体は特に水である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による第1の方法を実施するための装置の概略図である。
【図2】本発明による第2の方法を実施するための装置の概略図である。
【図3】本発明による支持又はワイピングストリップの第1の実施形態の長手方向断面図である。
【図3A】図3における線III−IIIに沿って見た断面図である。
【図4】本発明による支持又はワイピングストリップの第2の実施形態の長手方向断面図である。
【図4A】図4における線IV−IVに沿って見た断面図である。
【図4B】図4における線IV−IVに沿って見た断面図である。
【図4C】図4における線IV−IVに沿って見た断面図である。
【図4D】図4における線IV−IVに沿って見た断面図である。
【図5】本発明による支持又はワイピングストリップの第3の実施形態の長手方向断面図である。
【図5A】図5における線V−Vに沿って見た断面図である。
【図6】本発明による支持又はワイピングストリップの第4の実施形態の長手方向断面図である。
【図7】本発明による支持又はワイピングストリップの第5の実施形態の長手方向断面図である。
【図7A】図7における線VII−VIIに沿って見た断面図である。
【図7B】図7における線VII−VIIに沿って見た断面図である。
【図7C】図7における線VII−VIIに沿って見た断面図である。
【図8】本発明による支持又はワイピングストリップの第6の実施形態の長手方向断面図である。
【図8A】図8における線VIII−VIIIに沿って見た断面図である。
【図8B】図8における線VIII−VIIIに沿って見た断面図である。
【図9】本発明による支持又はワイピングストリップの第7の実施形態の長手方向断面図である。
【図9A】図9における線IX−IXに沿って見た断面図である。
【図10】本発明による支持又はワイピングストリップの第5の実施形態の長手方向断面図である。
【図10A】図10における線X−Xに沿って見た断面図である。
【図10B】図10における線XI−XIに沿って見た断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 支持又はワイピングストリップ
1a キャリヤストリップ
1b セラミックエレメント
4 デリバリポンプ
5 制御弁
6 加熱装置
7 冷却装置
8 制御ユニット
11,12 チャネル
13,14 結合管
15 管
21 第1の結合ライン
22 第2の結合ライン
23 排出ライン
24 ライン
25,26 温度センサ
30 容器
31,32,33,34,35,36 ライン
81,82 温度センサ
83,84,85,86,87,88 制御ライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製紙施設におけるワイヤ又はフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するための方法において、該方法が、
少なくとも1つのチャネルを備えた支持又はワイピングストリップを提供すること、及び
少なくとも1つのチャネルを通って加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体を案内することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも1つのチャネルに通じたラインを提供し、各ラインが、それぞれ加熱及び冷却のためのキャリヤ媒体を案内するためのラインに接続された混合弁を備えており、混合弁における温度を支持又はワイピングストリップの所望の温度に設定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
支持又はワイピングストリップから流出するラインに配置された温度センサを用いてキャリヤ媒体の温度を測定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
支持又はワイピングストリップに設けられたチャネルに流入するラインに配置された温度センサを用いて、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体の温度を測定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に応じて、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体の温度を制御することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項6】
キャリヤ媒体を閉じた回路においてデリバリポンプによって搬送することを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体を加熱装置又は冷却装置を介して選択的に案内して支持又はワイピングストリップへ戻すことを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項8】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に応じて、加熱装置又は冷却装置をそれぞれ制御することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に応じて、キャリヤ媒体を搬送するデリバリポンプの出力を制御することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項10】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に応じて、加熱装置の出力と、冷却装置の出力と、キャリヤ媒体を搬送するデリバリポンプの出力とを制御することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項11】
キャリヤ媒体を支持又はワイピングストリップを通って連続的に案内することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項12】
支持又はワイピングストリップがセラミックエレメントを備えて形成されており、方法が、キャリヤ媒体を、支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントを通って連続的に案内することを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項13】
製紙施設において、ワイヤ又はフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するためのシステムにおいて、各システムが、
少なくとも1つのチャネルが形成された支持又はワイピングストリップと、
キャリヤ媒体を支持又はワイピングストリップに案内するための、前記少なくとも1つのチャネルと連通した供給ラインと、
キャリヤ媒体を支持又はワイピングストリップから離れる方向に案内するための、少なくとも1つのチャネルと連通した戻りラインとを有することを特徴とする、システム。
【請求項14】
加熱のためのキャリヤ媒体と冷却のためのキャリヤ媒体とを混合するための、前記供給ラインと連通した混合弁を有することを特徴とする、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記供給ライン及び/又は前記戻りラインのうちの少なくとも一方に配置された温度センサを有することを特徴とする、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
キャリヤ媒体のためのデリバリポンプと、キャリヤ媒体を加熱するための加熱装置と、キャリヤ媒体を冷却するための冷却装置とが接続されたラインシステムと、
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度を決定するために配置された少なくとも1つの温度センサと、
前記加熱装置、前記冷却装置及び前記デリバリポンプのうちの少なくとも1つを制御するように構成された制御ユニットとを有することを特徴とする、請求項13記載のシステム。
【請求項17】
支持又はワイピングストリップに供給されるキャリヤ媒体の温度を決定するために配置された少なくとも1つの温度センサを有する、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
請求項13記載のシステムのための支持又はワイピングストリップにおいて、加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体を案内するために支持ワイピングストリップに形成された少なくとも1つのチャネルを有することを特徴とする、支持又はワイピングストリップ。
【請求項19】
前記支持又はワイピングストリップの支持面を規定する複数のセラミックエレメントを有しており、前記チャネルが前記セラミックエレメントを貫通していることを特徴とする、請求項18記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項20】
前記支持又はワイピングストリップの支持面を規定する複数のセラミックエレメントと、前記セラミックエレメントを支持するキャリヤストリップとを有しており、前記チャネルが前記セラミックエレメントと前記キャリヤストリップとの間に形成されていることを特徴とする、請求項18記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項21】
前記支持又はワイピングストリップが第1及び第2の端部を備えて形成されており、前記チャネルが前記第1の端部において始まり、前記第2の端部において終わっていることを特徴とする、請求項18記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項22】
前記支持又はワイピングストリップが長手方向端部を備えて形成されており、前記チャネルが、前記端部において始まる前進部分と、戻り案内されかつ前記端部において終わった戻り部分とを有することを特徴とする、請求項18記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項23】
前記チャネルの前記前進部分が、支持又はワイピングストリップ内において前記チャネルの前記戻り部分に接続されていることを特徴とする、請求項22記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項24】
前記チャネルの前記前進部分を前記チャネルの前記戻り部分に接続するための、支持又はワイピングストリップの外側に配置された管の片を有することを特徴とする、請求項22記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項25】
前記セラミックエレメントと前記キャリヤストリップとが、少なくとも1つのチャネル又はチャネル部分を備えて形成されていることを特徴とする、請求項20記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項1】
製紙施設におけるワイヤ又はフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するための方法において、該方法が、
少なくとも1つのチャネルを備えた支持又はワイピングストリップを提供すること、及び
少なくとも1つのチャネルを通って加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体を案内することを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
少なくとも1つのチャネルに通じたラインを提供し、各ラインが、それぞれ加熱及び冷却のためのキャリヤ媒体を案内するためのラインに接続された混合弁を備えており、混合弁における温度を支持又はワイピングストリップの所望の温度に設定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
支持又はワイピングストリップから流出するラインに配置された温度センサを用いてキャリヤ媒体の温度を測定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
支持又はワイピングストリップに設けられたチャネルに流入するラインに配置された温度センサを用いて、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体の温度を測定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に応じて、支持又はワイピングストリップに流入するキャリヤ媒体の温度を制御することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項6】
キャリヤ媒体を閉じた回路においてデリバリポンプによって搬送することを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体を加熱装置又は冷却装置を介して選択的に案内して支持又はワイピングストリップへ戻すことを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項8】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に応じて、加熱装置又は冷却装置をそれぞれ制御することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に応じて、キャリヤ媒体を搬送するデリバリポンプの出力を制御することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項10】
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度に応じて、加熱装置の出力と、冷却装置の出力と、キャリヤ媒体を搬送するデリバリポンプの出力とを制御することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項11】
キャリヤ媒体を支持又はワイピングストリップを通って連続的に案内することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項12】
支持又はワイピングストリップがセラミックエレメントを備えて形成されており、方法が、キャリヤ媒体を、支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントを通って連続的に案内することを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項13】
製紙施設において、ワイヤ又はフェルトに適用される支持又はワイピングストリップのセラミックエレメントの温度を制御するためのシステムにおいて、各システムが、
少なくとも1つのチャネルが形成された支持又はワイピングストリップと、
キャリヤ媒体を支持又はワイピングストリップに案内するための、前記少なくとも1つのチャネルと連通した供給ラインと、
キャリヤ媒体を支持又はワイピングストリップから離れる方向に案内するための、少なくとも1つのチャネルと連通した戻りラインとを有することを特徴とする、システム。
【請求項14】
加熱のためのキャリヤ媒体と冷却のためのキャリヤ媒体とを混合するための、前記供給ラインと連通した混合弁を有することを特徴とする、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記供給ライン及び/又は前記戻りラインのうちの少なくとも一方に配置された温度センサを有することを特徴とする、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
キャリヤ媒体のためのデリバリポンプと、キャリヤ媒体を加熱するための加熱装置と、キャリヤ媒体を冷却するための冷却装置とが接続されたラインシステムと、
支持又はワイピングストリップから流出するキャリヤ媒体の温度を決定するために配置された少なくとも1つの温度センサと、
前記加熱装置、前記冷却装置及び前記デリバリポンプのうちの少なくとも1つを制御するように構成された制御ユニットとを有することを特徴とする、請求項13記載のシステム。
【請求項17】
支持又はワイピングストリップに供給されるキャリヤ媒体の温度を決定するために配置された少なくとも1つの温度センサを有する、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
請求項13記載のシステムのための支持又はワイピングストリップにおいて、加熱又は冷却のためのキャリヤ媒体を案内するために支持ワイピングストリップに形成された少なくとも1つのチャネルを有することを特徴とする、支持又はワイピングストリップ。
【請求項19】
前記支持又はワイピングストリップの支持面を規定する複数のセラミックエレメントを有しており、前記チャネルが前記セラミックエレメントを貫通していることを特徴とする、請求項18記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項20】
前記支持又はワイピングストリップの支持面を規定する複数のセラミックエレメントと、前記セラミックエレメントを支持するキャリヤストリップとを有しており、前記チャネルが前記セラミックエレメントと前記キャリヤストリップとの間に形成されていることを特徴とする、請求項18記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項21】
前記支持又はワイピングストリップが第1及び第2の端部を備えて形成されており、前記チャネルが前記第1の端部において始まり、前記第2の端部において終わっていることを特徴とする、請求項18記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項22】
前記支持又はワイピングストリップが長手方向端部を備えて形成されており、前記チャネルが、前記端部において始まる前進部分と、戻り案内されかつ前記端部において終わった戻り部分とを有することを特徴とする、請求項18記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項23】
前記チャネルの前記前進部分が、支持又はワイピングストリップ内において前記チャネルの前記戻り部分に接続されていることを特徴とする、請求項22記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項24】
前記チャネルの前記前進部分を前記チャネルの前記戻り部分に接続するための、支持又はワイピングストリップの外側に配置された管の片を有することを特徴とする、請求項22記載の支持又はワイピングストリップ。
【請求項25】
前記セラミックエレメントと前記キャリヤストリップとが、少なくとも1つのチャネル又はチャネル部分を備えて形成されていることを特徴とする、請求項20記載の支持又はワイピングストリップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図5A】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2007−284862(P2007−284862A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104155(P2007−104155)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(595101137)
【氏名又は名称原語表記】Klaus Bartelmuss
【出願人】(595101148)
【氏名又は名称原語表記】Heinz Bartelmuss
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(595101137)
【氏名又は名称原語表記】Klaus Bartelmuss
【出願人】(595101148)
【氏名又は名称原語表記】Heinz Bartelmuss
【Fターム(参考)】
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