説明

製袋包装機

【課題】単位時間当たりのフラットボトム型の袋の生産性を向上させる。
【解決手段】製袋包装機1は、横シール機構56と、第1折り曲げ部材50と、第2折り曲げ部材81とを備え、フラットボトム型の袋B2を製造する。横シール機構56は、筒状の包材Fcを横方向に熱シールし、下シール部SL2を形成する。第1折り曲げ部材50は、下シール部SL2を下シール部SL2が延びる方向と交差する方向に押し倒す第1位置に移動することにより、下シール部SL2を袋B2の本体部FL2の一部に対し折り曲げ、袋下部FAを形成する。袋下部FAとは、下シール部SL2および本体部FL2の一部を含む袋の下部である。第2折り曲げ部材81は、第1折り曲げ部材50が第1位置にある状態で、袋下部FAの側部EPを下シール部SL2が延びる方向に押し倒す第2位置に移動することにより、側部EPを袋下部FAの近傍部CP1に対し折り曲げつつ熱シールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットボトム型の袋を製造する製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、袋を製造しながら袋の内部に菓子類などの被包装物を充填して包装する装置として、製袋包装機が用いられている。近年では、商品の陳列の容易性やディスプレイ効果が優れていることから、自立型の袋を製造する製袋包装機が用いられることも多い。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2000−335511号公報)に記載の製袋包装機では、自立型の袋としてガゼット型の袋を製造している。当該製袋包装機は、筒状の包材にガセットを形成しながら、筒状の包材を横方向に熱シールして袋の下シール部を形成する。その後、L字型の折り曲げ部材を用いて、下シール部を袋の本体部に対し折り曲げつつ熱シールすることにより、袋の底部を形成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、自立型の袋として図14に示すようなフラットボトム型の袋を製造する場合には、特許文献1の方法では、袋に適当な底部を形成することができない。
【0005】
本出願人による特願2010−291076(以下、特許文献2)に係る製袋包装機は、第1折り曲げ部材および第2折り曲げ部材を備える。第1折り曲げ部材は、下シール部を下シール部が延びる方向と交差する方向に押し倒す第1位置に移動することにより、下シール部を袋の本体部の一部に対し折り曲げ、袋下部を形成する。なお、袋下部とは、下シール部および袋の本体部の一部を含む袋の下部である。第2折り曲げ部材は、第1折り曲げ部材が第1位置から別の位置に退避した後、袋下部の側部を下シール部が延びる方向に押し倒す第2位置に移動することにより、袋下部の側部をその近傍部に対し折り曲げつつ熱シールする。なお、袋下部の側部とは、袋下部の、下シール部が延びる方向の側部である。袋下部の近傍部とは、袋下部の、袋下部の側部に近接する部分である。従って、特許文献2の製袋包装機によれば、適当な底部を有するフラットボトム型の袋を製造することができる。
【0006】
ところが、特許文献2の製袋包装機では、袋の下シール部を袋の本体部の一部に対し折り曲げる動作の後に、袋下部の側部をその近傍部に対し折り曲げる動作が実行される。従って、袋の底部を形成するのに要する時間を十分に短縮できず、単位時間当たりの袋の生産性に限界がある。
【0007】
本発明の課題は、単位時間当たりのフラットボトム型の袋の生産性を向上させることができる製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る製袋包装機は、横シール機構と、第1折り曲げ部材と、第2折り曲げ部材とを備え、袋を製造する。本袋は、被包装物を囲う本体部と、本体部の上下の上シール部および下シール部とを有する。横シール機構は、筒状の包材を横方向に熱シールし、上シール部および下シール部を形成する。第1折り曲げ部材は、下シール部を下シール部が延びる方向と交差する方向に押し倒す第1位置に移動することにより、下シール部を本体部の一部に対し折り曲げ、袋下部を形成する。袋下部とは、下シール部および本体部の一部を含む袋の下部である。第2折り曲げ部材は、第1折り曲げ部材が第1位置にある状態で、袋下部の側部を下シール部が延びる方向に押し倒す第2位置に移動することにより、当該側部を袋下部の近傍部に対し折り曲げつつ熱シールする。なお、袋下部の側部とは、袋下部の、下シール部が延びる方向の側部である。袋下部の近傍部とは、袋下部の、袋下部の側部に近接する部分である。
【0009】
ここでは、フラットボトム型の袋の底部の形成時において、袋の下シール部を袋の本体部の一部に対し折り曲げる動作と、袋下部の側部をその近傍部に対し折り曲げる動作とが同時に行われる。なお、両動作が同時に行われるとは、両動作が少なくとも部分的にオーバーラップするという意味である。従って、単位時間当たりのフラットボトム型の袋の生産性を向上させることができる。
【0010】
本発明の第2の観点に係る製袋包装機は、第1の観点に係る製袋包装機であって、第1折り曲げ部材は、下シール部の端部付近に接触し、当該端部付近を押し倒すことにより、下シール部全体を本体部の一部に対し折り曲げる。なお、下シール部の端部付近とは、下シール部の、下シール部が延びる方向の端部付近である。
【0011】
ここでは、第1折り曲げ部材は、袋の下シール部の端部付近を押し倒す。言い換えると、第1折り曲げ部材は、第1位置において、袋の下方であって、袋の横方向の端付近に存在する。一方、第2折り曲げ部材は、袋下部の側部を押し倒す。言い換えると、第2折り曲げ部材は、第2位置において、袋の下方であって、袋の横方向の端付近に存在する。ここでは、それぞれの折り曲げ動作時に互いに近接する第1折り曲げ部材と第2折り曲げ部材との干渉を避けることができる。
【0012】
本発明の第3の観点に係る製袋包装機は、第2の観点に係る製袋包装機であって、第1折り曲げ部材は、下シール部のうち端部付近以外の部分には接触しない。
【0013】
ここでは、第1折り曲げ部材は、下シール部の端部付近に接触し、当該端部付近を押し倒すが、下シール部の真ん中付近(下シール部が延びる方向の真ん中付近)には接触しない。その結果、包材と第1折り曲げ部材との接触による抵抗を減らしつつ、袋の下シール部全体を袋の本体部の一部に対し確実に折り曲げることができる。その結果、袋の美観を維持することができる。
【0014】
本発明の第4の観点に係る製袋包装機は、第1の観点から第3の観点のいずれかに係る製袋包装機であって、第1折り曲げ部材は、第1位置において、第2位置にある第2折り曲げ部材が折り曲げた側部と近傍部とにより囲み込まれる。
【0015】
ここでは、互いに対面する袋下部の側部と袋下部の近傍部との間に形成される、熱シールが施されない隙間に、第1折り曲げ部材が囲み込まれる。従って、第1位置にある第1折り曲げ部材は、第2折り曲げ部材による折り曲げ動作及び熱シール動作を阻害しない。
【0016】
本発明の第5の観点に係る製袋包装機は、第1の観点から第4の観点のいずれかに係る製袋包装機であって、第2折り曲げ部材は、第1位置にある第1折り曲げ部材に沿って側部を押し倒すことにより、側部を近傍部に対し折り曲げる。
【0017】
ここでは、第2折り曲げ部材は、袋下部の側部を第1位置にある第1折り曲げ部材に当てつつ折り曲げる。その結果、袋下部の側部を折り目に沿ってきれいに折り曲げることができる。
【0018】
本発明の第6の観点に係る製袋包装機は、第1の観点から第5の観点のいずれかに係る製袋包装機であって、第2折り曲げ部材には、包材との接触面から窪む凹部が形成されている。第1折り曲げ部材は、第1位置において、凹部に入り込む。
【0019】
ここでは、第2折り曲げ部材の包材と対面する側の面に、凹部が形成される。そして、第2位置にある第2折り曲げ部材の凹部に、第1位置にある第1折り曲げ部材が入り込む。従って、第1位置にある第1折り曲げ部材と第2位置にある第2折り曲げ部材との干渉を確実に避けることができる。
【0020】
本発明の第7の観点に係る製袋包装機は、第1の観点から第5の観点のいずれかに係る製袋包装機であって、受け台をさらに備える。受け台は、筒状の包材の内側に配置され、側部および近傍部を挟んで第2位置にある第2折り曲げ部材と接触する。受け台には、第2折り曲げ部材との接触面から窪む凹部が形成されている。第1折り曲げ部材は、第1位置において、凹部に入り込む。
【0021】
ここでは、受け台の第2折り曲げ部材と対面する側の面に、凹部が形成される。そして、受け台の凹部に、第1位置にある第1折り曲げ部材が入り込む。従って、第1位置にある第1折り曲げ部材と受け台との干渉を確実に避けることができる。
【0022】
本発明の第8の観点に係る製袋包装機は、第1の観点から第7の観点のいずれかに係る製袋包装機であって、第2折り曲げ部材は、袋の製造の停止時には、第2位置で停止し、袋の製造が再開し、上方から落下してくる被包装物が袋下部に達するまで、第2位置で待機する。
【0023】
ここでは、袋の製造の再開時において、第2折り曲げ部材が袋下部を下方から支持した状態で、上方から被包装物が袋下部まで落下してくる。従って、袋の製造の再開時に1袋目に製造される袋の下シール部が、被包装物の落下の衝撃により損なわれない。
【0024】
本発明の第9の観点に係る製袋包装機は、第1の観点から第8の観点のいずれかに係る製袋包装機であって、第1折り曲げ部材は、袋の製造の停止時には、第1位置で停止し、袋の製造が再開し、上方から落下してくる被包装物が袋下部に達するまで、第1位置で待機する。
【0025】
ここでは、袋の製造の再開時において、第1折り曲げ部材が袋下部を下方から支持した状態で、上方から被包装物が袋下部まで落下してくる。従って、袋の製造の再開時に1袋目に製造される袋の下シール部が、被包装物の落下の衝撃により損なわれない。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る製袋包装機によれば、フラットボトム型の袋の底部の形成時において、袋の下シール部を袋の本体部の一部に対し折り曲げる動作と、袋下部の側部をその近傍部に対し折り曲げる動作とが同時に行われる。従って、単位時間当たりのフラットボトム型の袋の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装機の外観斜視図。
【図2】製袋包装機の概略側面図。
【図3】製袋包装機の概略斜視図。
【図4】ガイド機構、第2折り曲げ機構および横シール機構を示す図。
【図5】閉じた状態のガイド機構の側面図。
【図6】開いた状態のガイド機構の側面図。
【図7】横シール機構の概略図。
【図8】水平移動機構の概略図。
【図9】第1シールジョー、第2シールジョーおよび回転機構を示す図。
【図10】(a),(b)第1シールジョーの動きを示す図。
【図11】(a),(b)第2シールジョーの動きを示す図。
【図12】製袋包装機の制御ブロック図。
【図13】ピロー型の袋の背面図。
【図14】(a)フラットボトム型の袋の斜視図。(b)フラットボトム型の袋の底面図。
【図15】袋下部の底面図。
【図16】ガイド機構の動きを示す図。
【図17】ガイド機構の動きを示す図。
【図18】第1折り曲げ機構の動きを示す図。
【図19】第2折り曲げ機構の動きを示す図。
【図20】(a),(b),(c)第2折り曲げ機構の動きを示す図。
【図21】(a)第1前進位置にある底プレートおよび袋下部の底面図。(b)第1前進位置にある底プレートおよび袋の底面図。
【図22】袋の底部の形成時のガイド機構、サイドプレートおよび底プレートを示す図。
【図23】ガイド機構を示す図。
【図24】袋の製造動作の停止時の処理の流れを示すフローチャート。
【図25】原点調整機構を示す図。
【図26】変形例に係る、袋の底部の形成時のガイド機構、サイドプレートおよび底プレートを示す図。
【図27】変形例に係る、第1前進位置にある底プレートおよび袋下部の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る製袋包装機1について説明する。なお、製袋包装機1の説明における「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、図3のとおり定義する。
【0029】
(1)全体構成
図1および図2に、製袋包装機1の全体構成を示す。製袋包装機1は、スナック菓子等の物品Cを袋詰めした製品Pを製造する機械である。製袋包装機1は、物品Cの袋詰めを行う製袋包装ユニット5と、製品Pの袋B1,B2部分の素材となるフィルムFを製袋包装ユニット5に供給するフィルム供給ユニット6と、製袋包装機1全体の動作を制御する制御ユニット7(図12参照)とを有する。製袋包装ユニット5で袋詰めされる物品Cは、製袋包装ユニット5の上方に配置された組合せ計量機2で計量される。製袋包装ユニット5は、組合せ計量機2から物品Cが供給されるタイミングに併せて、物品Cの袋詰めを行う。
【0030】
製袋包装ユニット5の前面には、右側を向いた操作パネル8が配置される。操作パネル8は、液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイを覆うタッチパネルとを有しており、製袋包装機1の右側に立つ操作者に対し製袋包装機1の動作の状態を示す情報を表示したり、製袋包装機1に対する様々な指令の入力を受け付けたりする。
【0031】
製袋包装機1は、フィルム供給ユニット6から供給されるシート状のフィルムFを、後述する成形機構51により筒状に成形して筒状フィルムFcとする。その後、筒状フィルムFcの所定の位置を、後述する縦シール機構53および横シール機構56により縦方向および横方向に熱シールすることにより、袋B1,B2を製造していく。
【0032】
(2)詳細構成
(2−1)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット6は、製袋包装ユニット5の後述する成形機構51に対してシート状のフィルムFを供給するユニットである。フィルム供給ユニット6は、製袋包装ユニット5に隣接して配置される。フィルム供給ユニット6には、フィルムFが巻かれたフィルムロールがセットされている。フィルムFは、当該フィルムロールから繰り出され、成形機構51に供給される。
【0033】
(2−2)製袋包装ユニット
製袋包装ユニット5は、図1から図3に示すように、成形機構51と、プルダウンベルト機構52,52と、縦シール機構53と、ガイド機構54と、横シール機構56と、第1折り曲げ機構57と、第2折り曲げ機構58と、原点調整機構59と、これらの機構を支える支持フレーム12とを有する。製袋包装ユニット5によって製造される袋には、図13に示すようなピロー型の袋B1と、図14に示すようなフラットボトム型の袋B2とが含まれる。
【0034】
図13に示すように、ピロー型の袋B1は、物品Cを囲う袋本体部FL1と、袋本体部FL1の上側を閉じる上シール部SL1と、袋本体部FL1の下側を閉じる下シール部SL2とを有する。袋B1の背面には、縦方向に延びる縦シール部LSPが形成されている。
【0035】
図14に示すように、フラットボトム型の袋B2は、底部FBを有する自立型の袋である。袋B2は、物品Cを囲う袋本体部FL2と、袋本体部FL2の上側を閉じる上シール部SL1と、袋本体部FL2の下側を閉じる下シール部SL2とを有する。袋B2の背面には、縦方向に延びる縦シール部LSPが形成されている。袋本体部FL2は、縦シール部LSPを有する第1面S1と、第1面S1に対向する第2面S2と、第1面S1および第2面S2に挟まれる側面S3,S3とを有する。なお、本実施形態においては、第1面S1および第2面S2と、側面S3,S3との境界には折り目は形成されず、当該境界付近は、滑らかに湾曲している。言い換えると、袋B2には、ガゼットは形成されない。底部FBは、主として、下シール部SL2と、第1面S1、第2面S2および側面S3,S3の下部とからなる。
【0036】
(2−2−1)成形機構
成形機構51は、上述のフィルム供給ユニット6から送られてくるシート状のフィルムFを筒状に成形する。成形機構51は、図2および図3に示すように、チューブ11aと、フォーマ11bとを有する。
【0037】
(2−2−1−1)チューブ
チューブ11aは、上下方向に延びる筒状の部材であり、上下端に開口を有する。チューブ11aは、支持フレーム12の天板29の中央の開口部分に配置され、図示しないブラケットを介してフォーマ11bと一体にされている。チューブ11aの上端の開口は、漏斗形状になっている。組合せ計量機2(図1参照)から所定量ずつ落下してくる物品Cは、図3に示すように、漏斗形状の開口から投入され、チューブ11aの内部を通過して落下する。なお、組合せ計量機2は、フィーダ、プールホッパ、軽量ホッパおよび集合排出シュートを有する。
【0038】
(2−2−1−2)フォーマ
フォーマ11bは、チューブ11aを取り囲むように配置されている。フォーマ11bの形状は、フィルムFがフォーマ11bとチューブ11aとの隙間を通り抜ける間にチューブ11aの外表面に巻き付けられ、シート状から筒状に成形されるような形状である。フォーマ11bも、図示しない支持部材を介して支持フレーム12に固定されている。
【0039】
(2−2−2)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構52,52は、支持フレーム12の天板29から吊り下げられているサポート部材(図示せず)に支持されている。プルダウンベルト機構52,52は、図3に示すように、チューブ11aを挟んで左右対称に配置されている。プルダウンベルト機構52,52は、チューブ11aに沿って上下方向に延び、チューブ11aに巻きつけられた筒状フィルムFcを吸着しながら下方に搬送する。プルダウンベルト機構52,52は、それぞれ駆動ローラ21,21と、従動ローラ22,22と、吸着機能を有するベルト23,23とを有する。
【0040】
(2−2−3)縦シール機構
縦シール機構53は、支持フレーム12の天板29から吊り下げられているサポート部材(図示せず)に支持されており、チューブ11aに沿って上下方向に延びている。
【0041】
縦シール機構53は、図3に示すように、チューブ11aに巻き付けられた筒状フィルムFcの重なり合う部分を、一定の加圧力でチューブ11aに押しつけながら加熱して縦方向に熱シールする。縦シール機構53は、ヒータと、ヒータにより加熱され筒状フィルムFcの重なり合う部分に接触するヒータベルトとを有している。
【0042】
(2−2−4)ガイド機構
ガイド機構54は、図3に示すように、チューブ11aと横シール機構56との間に配置されている。ガイド機構54は、袋B2の製造時に、横シール機構56によって筒状フィルムFcに下シール部SL2が形成された後、筒状フィルムFcをその内側から奥行方向(前後方向)に押し広げる。
【0043】
ガイド機構54は、図4、図5および図23に示すように、ガイド部材41,41と、回動機構42,42と、押圧部43,43と、伝達機構44,44と、押圧機構45,45と、L字型部材46,46と、スプレッダ47,47とを有する。
【0044】
(2−2−4−1)ガイド部材
ガイド部材41,41は、チューブ11aの下端部のそれぞれ前後に取り付けられている。ガイド部材41,41は、それぞれ逆U字形状である、言い換えると、ガイド部材41,41は、それぞれ適宜折り曲げられた略矩形形状の板状部材を、その中央部からその下方にかけて切り欠いたような形状を有する。つまり、ガイド部材41,41は、4つの脚先部41a,・・・を有する(図17および図18参照)。後述するように、ガイド部材41,41は、筒状フィルムFcに内側から接触するが、本切り欠きにより、筒状フィルムFcとの接触領域が減少する。その結果、ガイド部材41,41と筒状フィルムFcとの摩擦抵抗が減少し、筒状フィルムFcの耐久性が向上する。また、本切り欠きにより、チューブ11aの内側を落下してきた物品Cが、ガイド機構54内で詰まりにくくなっている。さらに、本切り欠きにより、ガイド部材41,41が軽量化され、後述するガイド部材41,41の開閉に必要な力が減少する。
【0045】
チューブ11aを包み込みながらガイド部材41,41まで搬送されてきた筒状フィルムFcは、ガイド部材41,41を包み込みながらガイド部材41,41に沿ってさらに下方へと搬送される。
【0046】
(2−2−4−2)回動機構
図5および図6に示すように、回動機構42,42は、それぞれガイド部材41,41の上端部付近に取り付けられており、ガイド部材41,41の回動軸となる。回動機構42,42は、ガイド部材41,41を、チューブ11aの中心線を基準として前後対称に回動させる。その結果、前後方向に対向する脚先部41a,・・・どうしは、互いに反対方向に移動し、近接および離反する。前後方向に対向する脚先部41a,・・・どうしが離反している状態(ガイド部材41,41が開いた状態)では、ガイド部材41,41を包み込んでいる筒状フィルムFcが、脚先部41a,・・・によりその内側から奥行方向(前後方向)に押し広げられる。
【0047】
(2−2−4−3)押圧部
押圧部43,43は、ガイド部材41,41のそれぞれ左端付近および右端付近に取り付けられている。押圧部43,43は、それぞれ後述する押圧機構45,45によって押圧されることにより、後述する伝達機構44,44を動作させる。押圧部43,43は、ステンレス製である。
【0048】
(2−2−4−4)伝達機構
伝達機構44,44は、それぞれ押圧部43,43に作用した押圧力を回動機構42,42に伝達し、ガイド部材41,41をチューブ11aの中心線を基準として前後対称に回動させる。
【0049】
(2−2−4−5)押圧機構
押圧機構45,45は、それぞれ押圧部43,43を押圧する機構である。押圧機構45は、例えば、往復動アクチュエータの一種であるエアシリンダ等により構成されており、図示しないスピードコントローラにより制御される。押圧機構45,45が押圧部43,43を押圧していない状態では、図5に示すように、ガイド部材41,41は、自重により概ね上下方向に延びた状態(ガイド部材41,41が閉じた状態)となる。一方、押圧機構45,45が押圧部43,43を押圧している状態では、図6に示すように、ガイド部材41,41が開いた状態となる。ガイド部材41,41の開き量Lによって、袋B2の奥行寸法(前後方向の寸法)を調整することができる。押圧機構45,45は、ゴム製又は樹脂製であり、押圧部43,43との接触による騒音が低減されるようになっている。
【0050】
(2−2−4−6)L字型部材
L字型部材46,46は、図23に示すように、ガイド部材41,41の内側に配置される。L字型部材46,46は、それぞれ軸部46a,46aと、軸部46a,46aの下端部に連続する受け台46b,46bとを有する。軸部46a,46aは、ガイド部材41,41のそれぞれ左側部および右側部に近接して、上下方向に延びている。受け台46b,46bは、左右方向に延びている。受け台46b,46bの下端面は、それぞれ後述する第2前進位置にあるサイドプレート81,81から上方に作用する加圧力を受け取り、フィルムF(具体的には、後述する端部EP,EPおよび近傍部CP1,CP1)をサイドプレート81,81との間で挟み込む。
【0051】
(2−2−4−7)スプレッダ
スプレッダ47,47は、ガイド部材41,41のそれぞれ左端付近および右端付近に取り付けられている。スプレッダ47,47は、弾性ステンレス製の板状部材である。図23に示すように、スプレッダ47,47の基本的な形状(外力が作用していない状態での形状)は、概ね上下方向に延び、下方に向かって左右に開いた形状である。スプレッダ47,47の下端は、上下方向に脚先部41a,・・・および受け台46b,46bの下端面付近に達している。スプレッダ47,47は、スプレッダ47,47を包み込む態様で搬送される筒状フィルムFc(特に、スプレッダ47,47の下端部付近に接触する部分)を内側から外側に向かって押す。その結果、筒状フィルムFc(特に、袋B2の上シール部SL1および下シール部SL2になる部分の付近)が、扁平な形状に成形される。
【0052】
(2−2−5)横シール機構
横シール機構56は、図3に示すように、成形機構51、プルダウンベルト機構52,52、縦シール機構53、およびガイド機構54の下方に配置され、支持フレーム12に支持されている。横シール機構56は、図7から図9に示すように、本体部63a,63bと、本体部63a,63bをそれぞれ回転させる機能を有する回転機構65a,65bと、本体部63a,63bを水平移動させる機能を有する水平移動機構60と、本体部63aに取り付けられた第1シールジョー61a,61aおよび第2シールジョー62aと、本体部63bに取り付けられた第1シールジョー61b,61bおよび第2シールジョー62bと有する。筒状フィルムFcは、図7に示す破線C0が筒状フィルムFcの幅方向中心となるような状態で下方に搬送される。
【0053】
(2−2−5−1)本体部
本体部63a,63bは、図7および図9に示すように、側面視が楕円に類似する形状である。具体的に、本体部63a,63bは、それぞれ中心からの距離が第1長さL1である第1端部ED1,ED1と、中心からの距離が第2長さL2である第2端部ED2とを有する。第2長さL2は、第1長さL1より短い。本体部63a,63bは、筒状フィルムFcを挟んで両側に配置される。図7では、本体部63a,63bは、破線C0を挟んで配置されている。
【0054】
本体部63a,63bは、後述する第1シールジョー61a,61b,・・・および第2シールジョー62a,62bを支持する(図7および図9参照)。具体的に、第1端部ED1,ED1,・・・には、それぞれ第1シールジョー61a,61b,・・・が支持され、第2端部ED2,ED2には、それぞれ第2シールジョー62a,62bが支持される。第1シールジョー61a,61b,・・・および第2シールジョー62a,62bは全て、本体部63a,63bから取り外し可能な構成となっている。
【0055】
本体部63a,63bは、それぞれ後述する回転機構65a,65bの駆動により、破線C0を基準として前後対称に回転が可能である。具体的には、図7および図9では、本体部63aは時計回りに回転し、本体部63bは反時計回りに回転する。また、本体部63a,63bは、後述する水平移動機構60により、水平移動が可能である。具体的に、本体部63a,63bは、図7の破線C0を基準として前後対称に互いに近接および離反が可能である。
【0056】
(2−2−5−2)回転機構
回転機構65a,65bは、それぞれ本体部63a,63bの中心に設けられる中心軸C1,C2を有し、図示しない駆動モータによって駆動される。中心軸C1,C2は、図7の紙面に対して垂直方向に伸びる。中心軸C1,C2が駆動モータによって回転させられることにより、本体部63a,63bもそれぞれ回転する。回転機構65a,65bは、本体部63a,63bを互いに反対方向に回転させる。
【0057】
(2−2−5−3)水平移動機構
水平移動機構60は、本体部63a,63bの水平移動を可能にする機構である。詳細に、水平移動機構60は、本体部63a,63bを、図7の破線C0を基準として前後対称に互いに近接および離反させる機構である。水平移動機構60は、図8に示すように、水平移動板64a,64bと、水平移動板駆動機構55と、図示しない駆動モータとを有する。
【0058】
(2−2−5−3−1)水平移動板
水平移動板64a,64bは、それぞれ本体部63a,63bの左右方向(図7および図9の紙面に垂直方向)の両端に取り付けられる。具体的には、それぞれ中心軸C1,C2の両端に取り付けられる。水平移動板64a,64bは、後述する水平移動板駆動機構55によって水平移動する。
【0059】
(2−2−5−3−2)水平移動板駆動機構
水平移動板駆動機構55は、水平移動板64a,64bを互いに近接および離反させるための駆動機構75と、水平移動板64a,64bを水平方向にスライド自在に支持する、図示しないガイド部およびガイドレールとを有する。
【0060】
駆動機構75は、ボールねじ17iと、第1および第2ナット部材17a,17bと、第1および第2連結ロッド17c,17dと、1対の第3連結ロッド17eと、第4連結ロッド17f、継手17g,17hとを有する。ボールねじ17iは、サーボモータ80(図7参照)によって回転する。第1及び第2ナット部材17a,17bは、ボールねじ17iに螺合する。第1および第2連結ロッド17c,17dは、ボールねじ17iと水平面内で直交するように設けられる。1対の第3連結ロッド17eは、水平移動板64a,64bの移動方向に沿って設けられる。第4連結ロッド17fは、第3連結ロッド17eと平行に設けられる。第1連結ロッド17cは、継手17gを介して1対の第3連結ロッド17eに連結されている。1対の第3連結ロッド17eの先端は、水平移動板64bの側端面に固定されている。また、1対の第3連結ロッド17eは、水平移動板64aをスライド自在に貫通している。第2連結ロッド17dは、継手17hを介して第4連結ロッド17fに連結されている。第4連結ロッド17fの先端は、水平移動板64aの側端面に固定されている。第1ナット部材17aがボールねじ17iと螺合する部分と、第2ナット部材17bがボールねじ17iと螺合する部分とは、互いに逆ねじになっている。サーボモータ80は、ボールねじ17iを回転させることにより、水平移動板64a,64bを互いに近接および離反させる。
【0061】
(2−2−5−4)第1シールジョー
第1シールジョー61a,61b,・・・は、ピロー型の袋B1を連続的に製造する際に用いられる。第1シールジョー61a,61b,・・・は、それぞれ左右方向(すなわち、図7および図9の紙面に垂直方向)に筒状フィルムFcの寸法より長く延びる部材である。第1シールジョー61a,61b,・・・は、それぞれ内部にヒータを有しており、ヒータによってシール面を加熱する。ペアとなる第1シールジョー61a,61b,・・・どうしは、加熱されたシール面で筒状フィルムFcの一部をその横方向に挟み込み、挟み込んだ部分を熱シールする。これにより、上シール部SL1および下シール部SL2を形成する。
【0062】
第1シールジョー61a,61b,・・・は、図10(a),(b)に示すように、中心軸C1,C2を中心にして旋回しながら、筒状フィルムFcをその横方向に熱シールする。具体的に、第1シールジョー61a,61b,・・・は、水平移動機構60による水平方向の往復動と、回転機構65a,65bによる回転運動との組み合わせにより、それぞれD字の軌跡を描く。第1シールジョー61a,61b,・・・は、それぞれD字の軌跡のうち上下方向に略真っ直ぐのI字の軌跡を描く間、ペアとなる第1シールジョー61a,61b,・・・との間に筒状フィルムFcを挟み込んで熱シールする。
【0063】
(2−2−5−5)第2シールジョー
第2シールジョー62a,62bは、フラットボトム型の袋B2を間欠的に製造する際に用いられる。第2シールジョー62a,62bは、それぞれ左右方向(すなわち、図7および図9の紙面に垂直方向)に筒状フィルムFcの寸法より長く延びる部材である。第2シールジョー62a,62bは、それぞれ内部にヒータを有しており、ヒータによってシール面を加熱する。第2シールジョー62a,62bどうしは、加熱されたシール面で筒状フィルムFcの一部をその横方向に挟み込み、挟み込んだ部分を熱シールする。これにより、上シール部SL1および下シール部SL2を形成する。
【0064】
第2シールジョー62a,62bは、図11(a),(b)に示すように、水平移動機構60により水平方向に往復動することにより、筒状フィルムFcに対し近接および離反する。第2シールジョー62a,62bは、互いに最も近接する位置において、筒状フィルムFcを挟み込んで熱シールする。
【0065】
(2−2−6)第1折り曲げ機構
第1折り曲げ機構57は、フラットボトム型の袋B2を製造する際に用いられる。
【0066】
第1折り曲げ機構57は、図3、図5、図6および図18に示す底プレート50と、図示されない往復動アクチュエータの一種であるエアシリンダとを有する。底プレート50は、横シール機構56の上方に配置される。往復動アクチュエータは、図示しないスピードコントローラにより制御される。底プレート50は、往復動アクチュエータの駆動によって、第1退避位置(図5の位置)と第1前進位置(図6の位置)との間を水平方向に往復動することにより、筒状フィルムFcに対して近接および離反する。第1退避位置にある底プレート50は、筒状フィルムFcと一定の距離を保ち、第1前進位置にある底プレート50は、筒状フィルムFcの下部に接触する。
【0067】
底プレート50は、表面に樹脂が施された金属製の板状部材であり、図18に示すように、左右端に刃を持つフォークのような形状を有する。具体的には、底プレート50は、基部50aと、左端の刃に対応する左刃部50bと、右端の刃に対応する右刃部50cとを有する。刃部50b,50cは、基部50aから前方へと筒状フィルムFcに向かって延びる。
【0068】
底プレート50は、筒状フィルムFcに下シール部SL2が形成された後、筒状フィルムFcの下方の第1前進位置に移動し、下シール部SL2を下シール部SL2が延びる方向(左右方向)と交差する方向(前後方向)に押し倒す。これにより、下シール部SL2が袋本体部FL2の下部に対し折り曲げられ、筒状フィルムFcに袋下部FA(図15参照)が形成される。袋下部FAは、袋B2の下シール部SL2と、第1面S1、第2面S2および側面S3,S3の下部とを有する。袋下部FAは、図14(b)に示す底部FBが形成される前の状態である。
【0069】
(2−2−7)第2折り曲げ機構
第2折り曲げ機構58,58は、フラットボトム型の袋B2を製造する際に用いられる。
【0070】
第2折り曲げ機構58,58は、図3および図4等に示すように、横シール機構56の上方に配置される。第2折り曲げ機構58,58は、それぞれサイドプレート81,81と、支持部材82,82と、回動軸84,84と、第1駆動部83,83と、図示しない第2駆動部とを有する(図4参照)。サイドプレート81,81は、表面に樹脂が施された金属製の板状部材であり、それぞれ筒状フィルムFcの奥行方向(前後方向)に所定長さを有する。サイドプレート81,81には、それぞれ筒状フィルムFcとの接触面81a,81aから窪む凹部81b,81bが形成されている(図22参照)。
【0071】
以下、右側の第2折り曲げ機構58の動作について説明するが、左側の第2折り曲げ機構58は、チューブ11aの中心線を基準として右側の第2折り曲げ機構58と左右対称の動作を行うものとする。
【0072】
サイドプレート81は、第1駆動部83および図示しない第2駆動部によって、第2退避位置(図20(a)の位置)と第2前進位置(図20(c)の水平方向に延びる位置)との間を往復動する。サイドプレート81は、底プレート50が第1前進位置にある状態で第2前進位置に移動し、袋下部FAの側部EPを下シール部SL2が延びる方向(左右方向)に押し倒す。これにより、袋下部FAの側部EPが、袋下部FAの近傍部CP1に対し折り曲げられつつ、熱シールされる。袋下部FAの側部EP,EPとは、袋下部FAの、下シール部SL2が延びる方向(左右方向)の両側部である。なお、後述する袋下部FAの近傍部CP1,CP1とは、袋下部FAの、側部EP,EPに近接する部分であり、言い換えると、側部EP,EPの間に位置する中央部CPの左右方向の両側部である。
【0073】
サイドプレート81は、回動軸84を介して支持部材82に連結されている。サイドプレート81は、図示しない第2駆動部によって回動軸84のまわりを回動する。支持部材82は、第1駆動部83に連結されている。第1駆動部83は、往復動アクチュエータの一種であるエアシリンダ等により構成されており、図示しないスピードコントローラにより制御される。支持部材82は、第1駆動部83の駆動により斜め方向に往復動し、袋下部FAの側部EPに対して近接および離反する。サイドプレート81は、支持部材82の移動に伴って、第2退避位置(図20(a)の位置)から第2中間位置(図20(c)の斜めに延びる位置)に移動し、その後、回動軸84まわりに回動し、第2中間位置から第2前進位置(図20(c)の水平方向に延びる位置)に移動する。これにより、サイドプレート81は、袋下部FAの側部EPに接触し、側部EPを側部EPが近傍部CP1に接触するように押し倒す。
【0074】
(2−3)制御ユニット
制御ユニット7は、CPU、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ等からなり、フラッシュメモリ内のプログラムを読み出して実行することにより、製袋包装機1の各部の動作を制御する。制御ユニット7は、図12に示すように、フィルム供給ユニット6、プルダウンベルト機構52、縦シール機構53、ガイド機構54、横シール機構56、第1折り曲げ機構57、第2折り曲げ機構58、原点調整機構59および操作パネル8に接続されている。
【0075】
(3)製袋包装機の動作
(3−1)ピロー型の袋の製造動作
ピロー型の袋B1を製造する場合の製袋包装機1の動作について説明する。
【0076】
プルダウンベルト機構52,52が駆動されると、シート状のフィルムFがフィルム供給ユニット6のフィルムロールから繰り出され、成形機構51に送られる。成形機構51では、シート状のフィルムFは、フォーマ11bとチューブ11aとの隙間を通り抜ける間にチューブ11aの外表面に巻き付けられ、筒状フィルムFcとなる。筒状フィルムFcは、プルダウンベルト機構52,52により、チューブ11aの外表面に沿って下方へと搬送される。シート状のフィルムFがチューブ11aに巻き付けられると、その横方向の両縁部が縦方向に重ね合わせられた状態となる。縦シール機構53では、筒状フィルムFcのその重ね合わせ部分が、縦方向に熱シールされる。その後、筒状フィルムFcは、チューブ11aを抜けて横シール機構56へと降りていく。このとき、筒状フィルムFcの内部には、組合せ計量機2からチューブ11aを通って物品Cが落下してくる。なお、制御ユニット7は、適当なタイミングで、組合せ計量機2の制御部(図示されない)に物品Cの落下を命じる。
【0077】
横シール機構56では、筒状フィルムFc内に物品Cが存在する状態で、第1シールジョー61a,61b,・・・が筒状フィルムFcを横方向に熱シールし、先行する袋B1の上シール部SL1と後続の袋B1の下シール部SL2とを同時に形成する。この時、第1シールジョー61a,61bに内蔵されているカッターにより、先行する袋B1と後続の袋B1(筒状フィルムFc)とが切り離される。
【0078】
(3−2)フラットボトム型の袋の製造動作
フラットボトム型の袋B2を製造する場合の製袋包装機1の動作について説明する。
【0079】
プルダウンベルト機構52,52が駆動されると、シート状のフィルムFがフィルム供給ユニット6のフィルムロールから繰り出され、成形機構51に送られる。成形機構51では、シート状のフィルムFは、フォーマ11bとチューブ11aとの隙間を通り抜ける間にチューブ11aの外表面に巻き付けられ、筒状フィルムFcとなる。筒状フィルムFcは、プルダウンベルト機構52,52により、チューブ11aの外表面に沿って下方へと搬送される。シート状のフィルムFがチューブ11aに巻き付けられると、その横方向の両縁部が縦方向に重ね合わせられた状態となる。縦シール機構53では、筒状フィルムFcのその重ね合わせ部分が、縦方向に熱シールされる。その後、筒状フィルムFcは、チューブ11aを抜けてガイド機構54および横シール機構56へと降りていく。
【0080】
筒状フィルムFcは、両機構54,56に達した時、まず、スプレッダ47,47により内側から左右方向に押し広げられる。その結果、スプレッダ47,47の下部近傍の筒状フィルムFcの形状が、左右方向に押し広がった扁平な形状となる。なお、筒状フィルムFcが両機構54,56に達した時、ガイド部材41,41は、図6に示す開いた状態(脚先部41a,・・・が筒状フィルムFcを内側から前後方向に押し広げる状態)ではなく、図5に示す閉じた状態になっている。従って、筒状フィルムFcを左右方向に押し広げるスプレッダ47,47の動作が、筒状フィルムFcを前後方向に押し広げるガイド部材41,41の動作によって阻害されることはない。
【0081】
続いて、第2シールジョー62a,62bが、横方向に押し広がった形状の筒状フィルムFcを横方向に挟み込みつつ、熱シールする。第2シールジョー62a,62bは、1回の挟み込み動作により、先行する袋B2の上シール部SL1と、後続の袋B2の下シール部SL2とを同時に形成する。そして、筒状フィルムFcを熱シールしつつ、内蔵のカッターにより先行する袋B2と後続の袋B2(筒状フィルムFc)とを切り離す。
【0082】
後続の袋B2と先行する袋B2とが切り離された後、後続の袋B2の底部FBが形成される。具体的には、まず、押圧機構45,45が矢印D1,D1方向(図16参照)に移動し、押圧部43,43を押圧する。すると、上述のとおり、その押圧力が伝達機構44,44を介してガイド部材41,41に伝達される。その結果、ガイド部材41,41が開いた状態となり、4つの脚先部41a,・・・は、筒状フィルムFcの、袋B2の底部FBの四隅となる部分を、内側から前後方向(矢印D2,D2方向)に押し広げる(図17参照)。これにより、袋B2の奥行寸法Lが決定し、袋B2の底部FBの略矩形形状が安定的に形成される。なお、ガイド部材41,41が開いた状態となり、筒状フィルムFcが前後方向に押し広げられると、スプレッダ47,47は、その前後方向に押し広げられた筒状フィルムFcにより左右方向に内側に押され、柔軟に変形する。つまり、スプレッダ47,47は、筒状フィルムFcを左右方向に押し広げる役割を果たす一方で、筒状フィルムFcを前後方向に押し広げるガイド部材41,41の動作を阻害しない。
【0083】
続いて、袋B2の奥行寸法Lが決定し、袋B2の底部FBの略矩形形状が形成されると、筒状フィルムFcの下シール部SL2が上方にやや持ち上げられ、筒状フィルムFcの、袋B2の底部FBとなる部分が、受け台46b,46bの下端面およびガイド部材41,41の脚先部41a,・・・に接触する。この状態で、プルダウンベルト機構52,52の駆動ローラ21,21が、所定量だけ逆回転する。なお、順方向とは、筒状フィルムFcを下方に搬送する場合の回転方向である。その結果、筒状フィルムFcは、上方に数ミリメートル引っ張られるが、受け台46b,46bおよびガイド部材41,41がストッパーとなり、上方にしごかれる。
【0084】
続いて、筒状フィルムFcが上方にしごかれている状態で、底プレート50が、第1退避位置(図5の位置)から第1前進位置(図6の位置)まで矢印D3方向(図18参照)に移動する。その結果、図21(a)に示す状態となる。つまり、底プレート50が、下シール部SL2を下シール部SL2が延びる方向(左右方向)と交差する方向(前後方向)に押し倒し、下シール部SL2を袋本体部FL2の下部に対し折り曲げ、筒状フィルムFcに袋下部FAを形成する。
【0085】
具体的には、底プレート50の左刃部50bおよび右刃部50cが、それぞれ下シール部SL2の左右の端部付近に接触し、当該左右の端部付近を押し倒す。その結果、下シール部SL2全体が袋本体部FL2の下部に対し折り曲げられ、袋本体部FL2の下部に接触する。なお、下シール部SL2の左右の端部付近とは、下シール部SL2の、下シール部SL2が延びる方向(左右方向)の端部付近であり、中央部CPに含まれる部分である。本実施形態では、左刃部50bと右刃部50cとの間にその他の刃が存在しないため、底プレート50は、下シール部SL2のうち上記左右の端部付近以外の部分には接触しない。言い換えると、底プレート50は、下シール部SL2の真ん中付近(下シール部SL2が延びる方向の真ん中付近)には接触しない。つまり、下シール部SL2全体を袋本体部FL2の下部に対し確実に折り曲げつつも、筒状フィルムFcと底プレート50との接触領域を最小限に抑え、両者の摩擦抵抗を抑制することができる。
【0086】
一方、サイドプレート81,81は、底プレート50が図21(a)の第1前進位置にある状態で、第2前進位置(図20(c)の水平方向に延びる位置)に移動する。その結果、図21(b)および図22に示す状態となる。つまり、サイドプレート81,81は、袋下部FAの側部EP,EPを下シール部SL2が延びる方向(左右方向)に押し倒し、側部EP,EPを近傍部CP1,CP1に対し折り曲げつつ熱シールすることにより、筒状フィルムFcに袋B2の底部FBを形成する。
【0087】
具体的には、支持部材82,82が、矢印D4,D4方向(図19参照)に、それぞれ側部EP,EPに向かって斜め下方に移動する。その結果、サイドプレート81,81も、第2退避位置(図20(a)の位置)から第2中間位置(図20(c)の斜めに延びる位置)に移動する。続いて、サイドプレート81,81は、底プレート50が図21(a)の第1前進位置にある状態で、回動軸84,84まわりを上方向に回動し、第2中間位置から第2前進位置に移動する。その結果、図22に示す状態となり、第2前進位置にあるサイドプレート81,81と受け台46b,46bの下端面とが、袋B2の底部FBを挟んで接触する。この時、底プレート50の左刃部50bおよび右刃部50cは、それぞれサイドプレート81,81の凹部81b,81bに入り込む。従って、底プレート50は、サイドプレート81,81と受け台46b,46bの下端面との間に存在するものの、サイドプレート81,81と受け台46b,46bの下端面とのフィルムFを挟んだ接触を妨げない。また、この時、サイドプレート81,81は、図21(a)の第1前進位置にある底プレート50の左右の縁に沿って側部EP,EPを押し倒す。その結果、図21(b)に示すように、底プレート50の左刃部50bおよび右刃部50cは、袋B2の底部FBの側部EP,EPと近傍部CP1,CP1とにより囲み込まれる。側部EP,EPと近傍部CP1,CP1とが互いに接触するのは、刃部50b,50cよりも左右方向に内側の位置においてのみである。刃部50b,50cが存在する位置では、側部EP,EPと近傍部CP1,CP1とが互いに接触できないからである。側部EP,EPと近傍部CP1,CP1との接触部分は、横シール機構56による熱シール動作の余熱により熱シールされる。従って、刃部50b,50cは、それぞれ側部EP,EPと近傍部CP1,CP1との間に形成される隙間を、前後方向に貫通した状態になる。
【0088】
底プレート50が第1前進位置にあり、サイドプレート81,81が第2前進位置にある状態、すなわち、底プレート50およびサイドプレート81,81が底部FBを下方から押さえている状態で、物品Cの固まりが組合せ計量機2から落下してくる。従って、物品Cの落下の衝撃により、底部FBの下シール部SL2が損なわれることがない。なお、制御ユニット7は、適当なタイミングで、組合せ計量機2の制御部(図示されない)に物品Cの落下を命じる。
【0089】
その後、底プレート50が第1前進位置から後退し、遅れて、サイドプレート81,81が第2前進位置に後退する。続いて、筒状フィルムFcがさらに下方へと搬送され、横シール機構56により袋B2の上シール部SL1が形成され、1つ後ろの袋B2と切り離される。
【0090】
(3−3)停止時および再開時の動作
袋B1,B2の製造動作は、操作者が操作パネル8を操作して停止指令を入力したり、何らかの異常が発生した場合に停止する。制御ユニット7は、フラットボトム型の袋B2の製造時には、以下の処理(図24参照)を実行した後、製袋包装機1の動作を停止させる。
【0091】
まず、ステップS1では、制御ユニット7は、筒状フィルムFcに底部FBが形成されているか否かを判断する。筒状フィルムFcに底部FBが形成されていると判断される場合には、ステップS2に進み、そうでない場合には、本処理は終了する。
【0092】
ステップS2では、制御ユニット7は、サイドプレート81,81が第2前進位置にあるか否かを判断する。サイドプレート81,81が第2前進位置にある場合には、ステップS3に進み、そうでない場合には、本処理は終了する。
【0093】
ステップS3では、制御ユニット7は、サイドプレート81,81を第2前進位置に移動させ、その状態で待機させる。その後、本処理は終了する。
【0094】
一方、ステップS3が実行されると、その旨を示す情報が制御ユニット7内に記憶される。そして、袋B2の製造の再開時、制御ユニット7は、停止時にステップS3が実行されたか否かを判断する。停止時にステップS3が実行されたと判断される場合には、再開後の1袋目の袋B2の製造時には、組合せ計量機2から落下してくる物品Cが筒状フィルムFcの底部FBに達するタイミングまで、サイドプレート81,81を第2前進位置に待機させる。再開後の2袋目以降の袋B2の製造に関しては、上述したとおりである。
【0095】
以上の処理により、袋Bの製造の再開時には、筒状フィルムFcに底部FBが形成されていないか、又はサイドプレート81,81が第2前進位置にあるかのいずれかとなる。言い換えると、筒状フィルムFcに底部FBが形成されていないか、又はサイドプレート81,81が袋B2の底部FBを下方から支持した状態にあるかのいずれかとなる。従って、袋B2の製造の再開時に、停止前に形成した袋B2の底部FBの下シール部SL2が、物品Cの落下の衝撃により損なわれることがない。
【0096】
(3−4)原点調整処理
以下、第2シールジョー62a,62bの原点調整処理について説明する。
【0097】
上述したとおり、第2シールジョー62a,62bは、本体部63a,63に取り付けられており、本体部63a,63は、中心軸C1,C2のまわりを旋回するとともに、中心軸C1,C2は、前後対称に水平方向に往復動する。第2シールジョー62a,62bの原点調整処理とは、中心軸C1,C2の回転原点を調整する処理である。回転原点は、第2シールジョー62a,62bどうしが正確に噛み合う回転位置として設計されている。つまり、回転原点が設計どおりに正確に保たれている場合には、両中心軸C1,C2の中心と両第2シールジョー62a,62bの中心とが、水平方向に一直線上に並ぶ。
【0098】
製袋包装機1のケーシングの右側部9は、開閉可能になっている。操作者は、右側部9を開くことにより、横シール機構56の中心軸C1,C2の右側部付近の原点調整機構59にアクセス可能である。
【0099】
原点調整機構59は、ドグ70,70と、センサ71,71とを有する。ドグ70,70は、それぞれ中心軸C1,C2に固定されている。ドグ70,70は、中心軸C1,C2まわりを回転する。センサ71,71は、それぞれドグ70,70の近傍に配置され、ドグ70,70が所定の検知可能範囲内に存在することを検知するセンサである。センサ71,71の検知可能範囲は、それぞれ中心軸C1,C2まわりを回転するドグ70,70の回転軌跡の一部分である。
【0100】
原点調整処理は、操作パネル8上に表示される「原点調整」ボタンが押された時に開始される。ただし、「原点調整」ボタンは、センサ71,71がドグ70,70を検知している間のみ有効化され、その他のタイミングでは無効化される。つまり、センサ71,71がドグ70,70を検知している間のみ、原点調整処理を実行することができる。従って、操作者は、原点調整処理を実行する際には、手動で中心軸C1,C2を回転させ、ドグ70,70をセンサ71,71の検知可能範囲内に入れる必要がある。その結果、「原点調整」ボタンが有効化され、原点調整処理の開始指令を入力できるようになる。
【0101】
原点調整処理は、以下の態様で実行される。まず、制御ユニット7が、中心軸C1,C2を水平方向に移動させ、第2シールジョー62a,62bどうしを接触させる。この時、中心軸C1,C2の回転原点がずれている場合には、第2シールジョー62a,62bどうしが正確に噛み合わず、第2シールジョー62a,62bに回転モーメントが作用し、中心軸C1,C2が僅かに回転する。中心軸C1,C2の回転は、図示されないサーボモータの位置パルスのずれとして検出される。制御ユニット7は、サーボモータの位置パルスのずれの量を、回転原点のずれ量に換算し、そのずれ量を相殺するように中心軸C1,C2を回転させる。そして、再度、第2シールジョー62a,62bどうしを接触させ、その状態でのサーボモータの位置パルスのずれ量を測定する。位置パルスのずれ量が実質的に0になれば、回転原点が正確に保たれているものと判断し、原点調整処理を終了する。一方、位置パルスのずれ量が実質的に0にならなければ、回転原点が未だ調整されていないものと判断し、再度、第2シールジョー62a,62bどうしを接触させ、その状態での位置パルスのずれ量を測定する動作を実行する。本動作は、回転原点が正確に保たれているものと判断されるまで繰り返される。
【0102】
(4)本実施形態に係る製袋包装機の特徴
(4−1)
上記実施形態では、フラットボトム型の袋B2の底部FBの形成時において、下シール部SL2を袋本体部FL2の下部に対し折り曲げる第1折り曲げ機構57の動作と、袋本体部FL2の側部EL,ELを近傍部CP1,CP1に対し折り曲げる第2折り曲げ機構58の動作とが同時に行われる。つまり、両動作がオーバーラップしている。従って、単位時間当たりのフラットボトム型の袋B2の生産性が向上するようになっている。
【0103】
(4−2)
上記実施形態では、サイドプレート81,81のフィルムFと対面する側の面81a,81aに、凹部81b,81bが形成されている。そして、第2前進位置にあるサイドプレート81,81の凹部81b,81bに、第1前進位置にある底プレート50の刃部50b,50cが入り込む。従って、第1前進位置にある底プレート50と第2前進位置にあるサイドプレート81,81との干渉を確実に避けることができる。
【0104】
(4−3)
上記実施形態では、互いに対面する袋B2の底部FBの側部EP,EPと近傍部CP1,CP1との間に形成される、熱シールが施されない隙間に、底プレート50の刃部50b,50cが囲み込まれる。従って、第1前進位置にある底プレート50が、サイドプレート81,81による折り曲げ動作及び熱シール動作を阻害しないようになっている。
【0105】
(4−4)
上記実施形態では、サイドプレート81,81は、袋下部FAの側部EP,EPを第1前進位置にある底プレート50に当てつつ折り曲げる。その結果、袋下部FAの側部EP,EPを折り目に沿ってきれいに折り曲げることができる。
【0106】
(4−5)
上記実施形態では、袋B2の製造の再開時において、確実にサイドプレート81,81が袋B2の底部FBを下方から支持した状態で、物品Cが底部FBまで落下してくる。従って、袋B2の製造の再開時に1袋目に製造される袋B2の下シール部SL2が、物品Cの落下の衝撃により損なわれない。
【0107】
(4−6)
上記実施形態では、筒状フィルムFcの横方向に熱シールされる部位が、スプレッダ47,47により扁平な形状に成形される。従って、袋B2の上シール部SL1および下シール部SL2にタック、プリーツ等が発生しにくくなっている。
【0108】
また、筒状フィルムFcがチューブ11aを抜け、ガイド部材41,41に達した時、ガイド部材41,41は閉じた状態にある。さらに、閉じた状態の両ガイド部材41,41を囲む外周は、チューブ11aの外周よりも短くなっている。従って、スプレッダ47,47がなければ、閉じた状態の両ガイド部材41,41を包み込む筒状フィルムFcにシワが発生する虞がある。しかしながら、上記実施形態では、スプレッダ47,47の存在により、ガイド機構54付近を搬送される筒状フィルムFcにシワが発生しにくくなっている。
【0109】
(5)変形例
(5−1)
上記実施形態では、サイドプレート81,81に凹部81b,81bが形成されている。しかしながら、サイドプレート81,81に凹部81b,81bを形成する代わりに、図26に示すように、受け台46b,46bに凹部46c,46cを形成し、第1前進位置にある底プレート50の刃部50b,50cが凹部46c,46cに入り込むようにしてもよい。凹部46c,46cは、それぞれ受け台46b,46bのサイドプレート81,81との接触面(受け台46b,46bの下端面)に形成される窪みである。また、サイドプレート81,81に凹部81b,81bを形成し、かつ、受け台46b,46bに凹部46c,46cを形成してもよい。
【0110】
また、底プレート50の形状は、上述したものに限定されない。例えば、刃部50b,50cの位置をより内側に移動させてもよいし、図27に示すように、刃部50b,50cの間にその他の刃部50dを設けてもよい。その場合、サイドプレート81,81および受け台46b,46bの形状(凹部の位置および形状)は、適宜、底プレート50の形状に合わせて変更する。
【0111】
(5−2)
上記実施形態では、袋B2の製造の停止時には、必要に応じてサイドプレート81,81が第2前進位置に移動する。しかしながら、サイドプレート81,81を第2前進位置に移動させる代わりに、底プレート50を第1前進位置に移動させるようにしてもよいし、両方を移動させるようにしてもよい。その場合、袋B2の製造の再開後の1袋目の袋B2の製造時には、物品Cが筒状フィルムFcの底部FBに達するタイミングまで、底プレート50を第1前進位置に待機させる。
【0112】
一方、停止前に形成した袋B2の底部FBの下シール部SL2を保護するという観点からは、以下のようにすることもできる。すなわち、図24のフローチャートの処理を停止時に実行する代わりに、再開時に実行する。なお、かかる場合も、サイドプレート81,81を第2前進位置に移動させる代わりに、底プレート50を第1前進位置に移動させるようにしてもよいし、両方を移動させるようにしてもよい。
【0113】
(5−3)
上記実施形態では、底プレート50が第1前進位置から後退した後、サイドプレート81,81が第2前進位置から後退するものとした。しかしながら、例えば、底プレート50およびサイドプレート81,81が同時にそれぞれ第1前進位置および第2前進位置から後退するものとしてもよいし、サイドプレート81,81が第2前進位置から後退した後、底プレート50が第1前進位置から後退するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0114】
1 製袋包装機
46 L字型部材
46b 受け台
50 底プレート
51 成形機構
52 プルダウンベルト機構
53 縦シール機構
54 ガイド機構
56 横シール機構
57 第1折り曲げ機構
58 第2折り曲げ機構
59 原点調整機構
81 サイドプレート
B2 フラットボトム型の袋
SL2 下シール部
FA 袋下部
FB 底部
EP 側部
CP1 近傍部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0115】
【特許文献1】特開2000−335511号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を囲う本体部と、前記本体部の上下の上シール部および下シール部とを有する袋を製造する製袋包装機であって、
筒状の包材を横方向に熱シールし、前記上シール部および前記下シール部を形成する横シール機構と、
前記下シール部を前記下シール部が延びる方向と交差する方向に押し倒す第1位置に移動することにより、前記下シール部を前記本体部の一部に対し折り曲げ、前記下シール部および前記本体部の一部を含む前記袋の袋下部を形成する第1折り曲げ部材と、
前記第1折り曲げ部材が前記第1位置にある状態で、前記袋下部の前記下シール部が延びる方向の側部を、前記下シール部が延びる方向に押し倒す第2位置に移動することにより、前記側部を前記側部に近接する前記袋下部の近傍部に対し折り曲げつつ熱シールする第2折り曲げ部材と、
を備える、
製袋包装機。
【請求項2】
前記第1折り曲げ部材は、前記下シール部の前記下シール部が延びる方向の端部付近に接触し、前記端部付近を押し倒すことにより、前記下シール部全体を前記本体部の一部に対し折り曲げる、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記第1折り曲げ部材は、前記下シール部のうち前記端部付近以外の部分には接触しない、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記第1折り曲げ部材は、前記第1位置において、前記第2位置にある前記第2折り曲げ部材が折り曲げた前記側部と前記近傍部とにより囲み込まれる、
請求項1から3のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記第2折り曲げ部材は、前記第1位置にある前記第1折り曲げ部材に沿って前記側部を押し倒すことにより、前記側部を前記近傍部に対し折り曲げる、
請求項1から4のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記第2折り曲げ部材には、前記包材との接触面から窪む凹部が形成されており、
前記第1折り曲げ部材は、前記第1位置において、前記凹部に入り込む、
請求項1から5のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記筒状の包材の内側に配置され、前記側部および前記近傍部を挟んで前記第2位置にある前記第2折り曲げ部材と接触する受け台、
をさらに備え、
前記受け台には、前記第2折り曲げ部材との接触面から窪む凹部が形成されており、
前記第1折り曲げ部材は、前記第1位置において、前記凹部に入り込む、
請求項1から5のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記第2折り曲げ部材は、前記袋の製造の停止時には、前記第2位置で停止し、前記袋の製造が再開し、上方から落下してくる前記被包装物が前記袋下部に達するまで、前記第2位置で待機する、
請求項1から7のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項9】
前記第1折り曲げ部材は、前記袋の製造の停止時には、前記第1位置で停止し、前記袋の製造が再開し、上方から落下してくる前記被包装物が前記袋下部に達するまで、前記第1位置で待機する、
請求項1から8のいずれかに記載の製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−136277(P2012−136277A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291193(P2010−291193)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】